説明

天井埋込式空気調和機

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、天井埋込式空気調和機に関し、さらに詳しくは空気調和機の更新時に天井に形成される余剰開口を簡単な手段で目隠しするようにした天井埋込式空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、天井埋込式空気調和機は、図1に示すように、天井Cに形成された矩形形状の開口3の上方に空気調和機本体1を配置し、該空気調和機本体1の下面に対して前記開口3を覆う矩形形状の化粧パネル2を取り付けて構成されている。前記空気調和機本体1内には、送風機4、熱交換器5が内蔵され、前記化粧パネル2には、エアフィルター6、空気吸込口7、空気吹出口8を備えている。符号9はファンモータ、10はベルマウス、11はドレンパン、12は吸込グリルである。
【0003】近年、空気調和機の小型化が進むなか、同一の馬力の空気調和機でも従来機種より小型化される傾向にある。従って、空気調和機を更新する際には、空気調和機本体および化粧パネルのサイズが小さくなる。
【0004】すると、図2に示すように、空気調和機の更新時に、化粧パネル2の両側に余剰開口13,13が形成されることとなる。この余剰開口13,13を天井パネルの張り替えで覆うと、その部分だけ天井パネルが新しいものとなり、見苦しくなる。
【0005】そこで、従来は、前記余剰開口13,13を覆うために額縁形状の枠を化粧パネルに取り付けるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、通常天井パネルのモジュールの関係から、化粧パネルのサイズは、一方向のみが短くなるため、上記従来技術におけるように、化粧パネルに額縁形状の枠を取り付けるようにした場合、必要でない部分が存在することとなって化粧パネルが大型化してしまい、組付作業性がよくないという問題が生ずる。
【0007】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、簡単な手段により空気調和機の更新時に生ずる余剰開口を作業性よく覆い得るようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明の基本構成(請求項1の発明)では、上記課題を解決するための手段として、天井Cに形成された矩形形状の開口3の上方に空気調和機本体1を配置し、該空気調和機本体1の下面に対して前記開口3を覆う矩形形状の化粧パネル2を取り付けてなる天井埋込式空気調和機において、空気調和機の更新時に前記開口3と前記化粧パネル2との間に形成される余剰開口13を覆う補助化粧パネル14を着脱自在に取り付けるに当たって、該補助化粧パネル14に、前記化粧パネル2の端部上面に係止される係止部15を一体に形成するとともに、前記開口3の口縁上面に一端が係止される係止金具16の他端をビス17により前記補助化粧パネル14に固定するようにしている。
【0009】上記のように構成したことにより、空気調和機更新時に余剰開口13が生じた場合、補助化粧パネル14を取り付けるだけで、容易に余剰開口13を覆うことができる。しかも、補助化粧パネル14を、空気調和機本体1および化粧パネル2の取付後に組み付けることができる(即ち、後付けが可能となる)ため、組付作業性も向上する。しかも、補助化粧パネル14が係止部15の化粧パネル2の上面に対する係止力と係止金具16の天井開口3の口縁上面に対する係止力とにより支持されることとなり、天井Cに直接取り付けるものに比べて取付状態が強固となる。
【0010】請求項2の発明におけるように、前記余剰開口13を、前記化粧パネル2の対向する両側に形成されるものとした場合、余剰開口13を覆うための補助化粧パネル14が必要最小限となり、組付作業性が向上する。
【0011】請求項の発明におけるように、前記化粧パネル2の下面と前記補助化粧パネル14の下面とを、取付状態において面一となるようにした場合、化粧パネル2と補助化粧パネル14とに一体感がでることとなり、取付状態における外観が良好となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0013】この天井埋込式空気調和機は、従来技術の項に既に説明したものと同様の構造とされており、図1に示すように、天井Cに形成された矩形形状の開口3の上方に空気調和機本体1を配置し、該空気調和機本体1の下面に対して前記開口3を覆う矩形形状の化粧パネル2を取り付けて構成されている。前記空気調和機本体1内には、送風機4、熱交換器5が内蔵され、前記化粧パネル2には、エアフィルター6、空気吸込口7、空気吹出口8を備えている。符号9はファンモータ、10はベルマウス、11はドレンパン、12は吸込グリルである。
【0014】ところで、空気調和機を更新した場合、空気調和機の小型化により化粧パネル2の両側に余剰開口13,13が形成されることがある(図2参照)。
【0015】上記余剰開口13,13を覆うために、本実施の形態においては、図3および図4に示すように、補助化粧パネル14,14が着脱自在に取り付けられる。
【0016】前記各補助化粧パネル14には、前記化粧パネル2の端部上面に係止される係止部15が一体に形成されている。また、この補助化粧パネル14には、前記開口3の口縁上面に一端が係止される係止金具16,16,16の他端がビス17,17,17により固定されている。つまり、補助化粧パネル14は係止部15の化粧パネル2の上面に対する係止力と係止金具16,16,16の天井開口3の口縁上面に対する係止力とにより支持されることとなっているのである。このようにすると、天井Cが支持力に劣る部材で構成されている場合であっても、補助化粧パネル14を間接的に支持できるため、取付状態が不安定となるおそれはない。符号18は補助化粧パネル14に形成されたビス穴、19は係止金具16に係止されたネジ穴である。
【0017】次に、補助化粧パネル14の組付手順について図5を参照して説明すると、まず、図5(イ)に示すように、係止金具16をビス17により補助化粧パネル14に支持した状態で、前記係止金具16の一端を天井開口3の口縁上面に係止し、ついで、図5(ロ)に示すように、補助化粧パネル14の係止部15を化粧パネル2の端部上面に係止し、その状態で、図5(ハ)に示すように、ビス17を締め付けていけば、補助化粧パネル14は係止部15の化粧パネル2の上面に対する係止力と係止金具16,16,16の天井開口3の口縁上面に対する係止力とにより支持されることとなる。その後、ビス17の頭部を目隠し用のシール20で覆う。この時、化粧パネル2の下面と前記補助化粧パネル14の下面とは面一となるように補助化粧パネル14の厚さは設定される。
【0018】上記のように構成したことにより、空気調和機更新時に余剰開口13が生じた場合、補助化粧パネル14を取り付けるだけで、容易に余剰開口13を覆うことができる。しかも、補助化粧パネル14を、空気調和機本体1および化粧パネル2の取付後に組み付けることができる(即ち、後付けが可能となる)ため、組付作業性も向上する。
【0019】また、補助化粧パネル14は係止部15の化粧パネル2の上面に対する係止力と係止金具16,16,16の天井開口3の口縁上面に対する係止力とにより支持されることとなるため、天井Cに直接取り付けるものに比べて取付状態が強固となる。
【0020】また、化粧パネル2の下面と前記補助化粧パネル14の下面とは面一となるため、化粧パネル2と補助化粧パネルとに一体感がでることとなり、取付状態における外観が良好となる。
【0021】
【発明の効果】本願発明(請求項1の発明)によれば、天井Cに形成された矩形形状の開口3の上方に空気調和機本体1を配置し、該空気調和機本体1の下面に対して前記開口3を覆う矩形形状の化粧パネル2を取り付けてなる天井埋込式空気調和機において、空気調和機の更新時に前記開口3と前記化粧パネル2との間に形成される余剰開口13を覆う補助化粧パネル14を着脱自在に取り付けるに当たって、該補助化粧パネル14に、前記化粧パネル2の端部上面に係止される係止部15を一体に形成するとともに、前記開口3の口縁上面に一端が係止される係止金具16の他端をビス17により前記補助化粧パネル14に固定するようにしているので、空気調和機更新時に余剰開口13が生じた場合、補助化粧パネル14を取り付けるだけで、容易に余剰開口13を覆うことができることとなり、補助化粧パネル14を、空気調和機本体1および化粧パネル2の取付後に組み付けることができる(即ち、後付けが可能となる)ため、組付作業性も向上するとともに、補助化粧パネル14が係止部15の化粧パネル2の上面に対する係止力と係止金具16の天井開口3の口縁上面に対する係止力とにより支持されることとなり、天井Cに直接取り付けるものに比べて取付状態が強固となるという効果ある。
【0022】請求項2の発明におけるように、前記余剰開口13を、前記化粧パネル2の対向する両側に形成されるものとした場合、余剰開口13を覆うための補助化粧パネル14が必要最小限となり、組付作業性が向上する。
【0023】請求項の発明におけるように、前記化粧パネル2の下面と前記補助化粧パネル14の下面とを、取付状態において面一となるようにした場合、化粧パネル2と補助化粧パネル14とに一体感がでることとなり、取付状態における外観が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般の天井埋込式空気調和機の縦断面図である。
【図2】空気調和機の更新時における天井埋込式空気調和機の取付状態を示す斜視図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる天井埋込式空気調和機の斜視図である。
【図4】本願発明の実施の形態にかかる天井埋込式空気調和機における補助化粧パネルを示す斜視図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる天井埋込式空気調和機における補助化粧パネルの組付手順を示すものであり、(イ)は係止金具の係止状態を示し、(ロ)は係止部の係止状態を示し、(ハ)は組付完了時の状態を示す。
【符号の説明】
1は空気調和機本体、2は化粧パネル、3は開口、13は余剰開口、14は補助化粧パネル、15は係止部、16は係止金具、17はビス、Cは天井。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 天井(C)に形成された矩形形状の開口(3)の上方に空気調和機本体(1)を配置し、該空気調和機本体(1)の下面に対して前記開口(3)を覆う矩形形状の化粧パネル(2)を取り付けてなる天井埋込式空気調和機であって、空気調和機の更新時に前記開口(3)と前記化粧パネル(2)との間に形成される余剰開口(13)を覆う補助化粧パネル(14)を着脱自在に取り付けるに当たって、該補助化粧パネル(14)には、前記化粧パネル(2)の端部上面に一端が係止される係止部(15)を一体に形成するとともに、前記開口(3)の口縁上面に係止される係止金具(16)の他端をビス(17)により前記補助化粧パネル(14)に固定したことを特徴とする天井埋込式空気調和機。
【請求項2】 前記余剰開口(13)を、前記化粧パネル(2)の対向する両側に形成されるものとしたことを特徴とする前記請求項1記載の天井埋込式空気調和機。
【請求項3】 前記化粧パネル(2)の下面と前記補助化粧パネル(14)の下面とを、取付状態において面一となるようにしたことを特徴とする前記請求項1および請求項のいずれか一項記載の天井埋込式空気調和機。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【特許番号】特許第3031325号(P3031325)
【登録日】平成12年2月10日(2000.2.10)
【発行日】平成12年4月10日(2000.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−52031
【出願日】平成10年3月4日(1998.3.4)
【公開番号】特開平11−248186
【公開日】平成11年9月14日(1999.9.14)
【審査請求日】平成10年12月28日(1998.12.28)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【参考文献】
【文献】特開 平8−233305(JP,A)
【文献】実開 昭61−189115(JP,U)