説明

天井放射暖房発熱パネルの製造方法および該製造方法により得られた天井放射暖房発熱パネル

【課題】熱放射効率が改善されて、省エネルギー化に貢献し、健康にも寄与し得る天井放射暖房発熱パネルを提供すること。
【解決手段】パネル基板1と、該パネル基板1上に設けられ、かつ発熱体3が不燃性塗膜6で絶縁被覆されて形成された電極4、5を有する薄膜状発熱体2と、該薄膜状発熱体2上に設けられた不燃性遠赤外線放射膜7を含み、前記薄膜状発熱体2に対する通電により、前記不燃性遠赤外線放射膜7を介して放射された輻射熱により前記室内が暖房される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物の天井に取り付けて、放射される輻射熱により室内を暖房するために用いられる天井放射暖房発熱パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井暖房に関する技術が殆ど見られないが、僅かにニクロム線発熱方式や天井に蒸気、湯のパイプを設置する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、これら従来の方法は、いずれも熱放射効率が低くかったり、コストが高かったり、また、美観性が悪かったりして実用には供されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の室内暖房手段においては熱放射効率が悪く、省エネルギー化に寄与し得ないという点である。
【0005】
したがって、本発明の目的は、熱放射効率が改善されて、省エネルギー化に貢献し、健康にも寄与し得る天井放射暖房発熱パネルを提供することにある。
【0006】
これらの目的のため、本発明の請求項1に記載の天井放射暖房発熱パネルは、建築構造物の主に天井100に取り付けて、放射される輻射熱により室内を暖房するために用いられる天井放射暖房発熱パネルであって、
パネル基板1と、
該パネル基板1上に設けられ、かつ発熱体3が不燃性塗膜6で絶縁被覆されて形成された電極4、5を有する薄膜状発熱体2と、
該薄膜状発熱体2上に設けられた不燃性遠赤外線放射膜7を含み、
前記薄膜状発熱体2に対する通電により、前記不燃性遠赤外線放射膜7を介して放射された輻射熱により前記室内が暖房される構成を特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記薄膜状発熱体2は、前記パネル基板1の上面に設けられた前記不燃性遠赤外線放射膜7を介して設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記パネル基板1が、板状のケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、セメント系、石膏および陶板、金属板から選ばれた1種であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記不燃性塗膜6が、金属アルコキシドまたは金属ヒドロキシドの群から選ばれた少なくとも1種である結合剤を含む無機系コーティング剤で膜加工され、かつその膜厚が10〜20μmで、耐電圧が500v以上の電気絶縁膜であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記薄膜状発熱体2が、厚さ20〜60μmのクロムを15%以上含むステンレスの1種で、かつ密度が7.1〜7.2(g/c)、比電気抵抗が130〜140(10−8/Ωm)、熱伝導率が11〜13(W/m/℃)、熱膨張率が11.5〜13.5(10−6/℃)、融点が1,400℃以上であることを特徴とするものである
【0011】
請求項6に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記不燃性遠赤外線放射膜7が、アルカリ金属塩または金属アルコキシド、金属ヒドロキシドの群から選ばれた少なくとも1種である結合剤と、粒径が0.5〜5μmであるコバルト、ジルコニウム、スズ、チタン、鉄、銅、ニッケル、マンガン、ストロンチュウムなどの酸化物またはこれらの金属を含む合成酸化物および窒化ケイ素、炭化ケイ素の群から選ばれた少なくとも2種を含むコーティング剤をコーティングしてなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の天井放射暖房発熱パネルは、前記不燃性遠赤外線放射膜7の波長5〜15μmにおける放射率が0.8以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜7に記載の発明によれば、薄膜状発熱体と遠赤外線放射膜の作用によって熱放射効率が改善され、省エネルギー化に貢献できるとともに、健康にも寄与し得るものである。
【0014】
すなわち、本発明によれば、高吸収・放射体である身体に直接遠赤外線が放射される放射暖房であるから、日光浴と同様の体感で、比較的低い温度設定で体が暖まり、また、対流法と異なりチリ、埃の浮遊がなく、乾燥もしにくい室内暖房で、発熱体が薄膜状で表面積が大きいために昇温が早く、均一な温度分布になるなどにより電気使用量が大幅に減少し、さらに不燃性で安全性が高く、耐久性にも優れるなどの効果奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態についてその作用と共に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る天井放射暖房発熱パネルの一例での平面図、図2は、同上の一部省略の部分拡大断面図、図3は、発熱体の一例での平面図、図4は、図3の4−4に沿った一部省略の拡大断面図、図5は、天井暖房用としての使用状態図、図6は、不燃性遠赤外線放射膜の分光放射率と波長との関係図である。
【0017】
図1および図2において、本天井放射暖房発熱パネルは、パネル基板、薄幕状発熱体、不燃性遠赤外線放射膜を含んでいる。
【0018】
パネル基板1は、例えば方形板状を呈し、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、セメント系、石膏および陶板、金属板から選ばれた1種をもって形成されている。
【0019】
パネル基板1上には、不燃性遠赤外線放射膜7を介して薄膜状発熱体2が設けられている。不燃性遠赤外線放射膜7については後述する。
【0020】
薄膜状発熱体2は、図3に例示された電極4、5を有する金属発熱体3が不燃性塗膜6で絶縁被覆されて形成されている。
【0021】
不燃性塗膜4は、金属アルコキシドまたは金属ヒドロキシドの群から選ばれた少なくとも1種である結合剤を含む無機系コーティング剤で膜加工して得られるものである。
【0022】
金属アルコキシドまたは金属ヒドロキシドとしては、下記の式(1)〜式(3)が例示される。
【0023】
式(1) RiM(OR)j (式中 Rは炭素数1〜3のアルキル基またはビニル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはt−ブチル基、Mはカルシウムまたはバリウム、iは0または1、jは1または2の整数を示す。)で表される化合物。
【0024】
式(2) RkM(OR (式中 R3は炭素数1〜3のアルキル基またはビニル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはt−ブチル基、Mはアルミニウム、イットリウムまたはランタン、kは0または1、1は1、2または3の整数を示す。)で表される化合物。
【0025】
式(3) RmM(OR)n (式中 Rは炭素数1〜3のアルキル基またはビニル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはt−ブチル基、Mはチタン、ジルコニウム、マンガン、スズ、ケイ素またはストロンチウム、mは0または1、nは3または4の整数を示す。)で表される化合物。
【0026】
なお、式(1)〜式(3)に例示した化合物は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもでき、また、2種以上が結合しているものを用いてもよい。
【0027】
上記金属アルコキシドや金属ヒドロキシドの具体例としては、AI(OCH、AI(OC、AI(OC、AI(OC、CHAI(OCH、CHAI(OC、CHAI(OC、CHAI(OC、Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC、CHTi(OCH3、CHTi(OC3、CHTi(OC3、CHTi(OC3、Ti(OCH3、Ti(OC3、Ti(OC3、Ti(OC3、
Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、CHSi(OCH、CHSi(OC、CHSi(OC、CHSi(OC、CSi(OCH、CSi(OC、CSi(OC、CSi(OC、Zr(OCH、Zr(OC、CHZr(OCH、Y(OCH、La(OCH、AI(OH)、CHAI(OH)2、Ti(OH)4、CHTi(OH)3、Si(OH)、CHSi(OCH、Zr(OH)、Y(OH)などを挙げることができる。
【0028】
また、これらの化合物を組み合わせた縮合物としては、上記の化合物の任意の組み合わせにより自由に縮合でき、分子量も適宜選択できる。例えば、ZrOSi(OC、AIOSi(OC、TiOSi(OC、(CO)ZrOSi(OC、(CO)TiOSi(OCなどを挙げることができる。
【0029】
また、無機系コーティング剤には結合剤成分の他に、アルコールや水のような分散媒を用いることができる。
【0030】
このアルコールとしては、1価アルコールまたは2価アルコールであるエチレングリコールもしくはこの誘導体が使用でき、このうち1価アルコールとしては、炭素数1〜5の低級脂肪族アルコールが好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールなどを挙げることができ、また、エチレングリコールもしくはこの誘導体としてはエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができ、これらのアルコール類は1種でも、また、2種以上を併用することもできる。
【0031】
また、水としては水道水、蒸留水あるいはイオン交換水を用いることができる。さらに、必要により、添加剤も使用することができる。
【0032】
添加剤としては、キレート剤、界面活性剤、カップリレグ剤、無機酸または有機酸、分散剤、増粘剤、硬化調整剤、無機充填剤などの従来公知のものを必要に応じて用いることができる。
【0033】
コーティング剤の固形分濃度は通常15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%であり、15重量%未満では塗膜が薄すぎて容易に絶縁性が得られず、一方、40重量%を超えると、ゲル化し易くなったり、塗膜が割れ易くなったりして好ましくない。
【0034】
薄膜状発熱体2は、その厚さが20〜60μmのクロムを15%以上含むステンレス鋼の1種で、密度が7.1〜7.2(g/cm
)、比電気抵抗が130〜140(10−8/Ωm)、熱伝導率11〜13(W/m/℃)、熱膨張率が11、〜13、(10−6/℃)、融点が1,480℃の物性を有するものである。
【0035】
次に、この薄膜状発熱体2の電気特性を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
薄膜状発熱体2を絶縁被覆している不燃性塗膜6の上面とパネル基板1の上面には、不燃性遠赤外線放射膜7がコーティング剤によりコート形成されている。
【0038】
不燃性遠赤外線放射膜7は、結合剤と放射材を主成分とするコーティング剤によって得られ、結合剤はアルカリ金属塩または金属アルコキシドや金属ヒドロキシドの群から選ばれる。
【0039】
アルカリ金属塩は、一般式MpSiO qHO〔ただし、MはNa、Li、K、Cs、NR、NR(Rは炭素数1以上のアルキル基である。)であり、Pはモル比(MO1モルに対するモル数)、qは1以上の整数である。〕で示されるケイ酸塩であり、Zn、ZnO、MgO、CaO、Zn(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、AIPO、AI(PO、HPO、HBO、MgCOなどの硬化剤と組み合わせて用いられる。
【0040】
なお、硬化剤はこれらに限定されるものでなく、これらは1種単独で使用することも、また、2種以上を併用することもでき、金属アルコキシドや金属ヒドロキシドは前記の通りである。
【0041】
放射材は、遠赤外線放射量が放射率と放射面積の積に比例することから、大きな表面積をつくる粒径が0.5〜5.0μmの高放射材が選定される。
【0042】
すなわち、コバルト、ジェルコニウム、スズ、チタン、鉄、銅、ニッケル、マンガン、ストロンチウムなどの酸化物またはこれらの金属を含む合成酸化物、および窒化ケイ素、炭化ケイ素の群から選ばれた少なくとも2種を含むものなどである。
【0043】
コーティング剤には結合剤と放射材の他に水やアルコールのような分散媒、さらに必要により前記添加剤を用いることもできる。
【0044】
コーティング剤の固形分濃度は、通常25〜65重量%、好ましくは35〜55重量%であり、25重量%未満では得られる塗膜の厚さが薄すぎて、大きな表面積がつくり難くなり、一方、65重量%を超えるとゲル化し易くなったり、放射材の均一分散性が悪くなったりして好ましくない。
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、特許請求の範囲をこえない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
なお、実施例中における部および%は、特に断らない限り重量基準である。
【0047】
実施例
不燃性塗膜6で絶縁被覆された薄膜発熱体2の膜厚15〜20μmで、耐電圧500v以上の電気絶縁膜をつくる無機系コーティング剤を表2に示す配合で作成した。
【0048】
【表2】

【0049】
このコーティング剤は、先ず、攪拌タンク(図示しない。)に(A)フェニルトリメトキシシラン35部にメチルトリメトキシシラン18部を加え、これに(B)イソプロパノール10部、イオン交換水15部および(C)酢酸2部を加えて、低速で攪拌しながら、約3時間反応させて加水分解物を作成した。これに(B)n−ブタノール14.5部、t−ブチルセロソルブ5部、(C)レベリング剤0.5部を加えて軽く攪拌して作成した。このコーティング剤の固形分は約26%である。
【0050】
次に、薄膜状発熱体2として、厚さ30μmの発熱用ステンレスを図3に示すようにカットして電極4、5を有する発熱体3を作成した。
【0051】
この発熱体3を、表2のコーティング剤コート(a)により絶縁被覆加工をした。先ず、発熱体3の片面に調整されたコート(a)をエアースプレーにてm2換算約80gをコートし、120℃で10分間加熱乾燥した。裏面も同じ方法で加工した。次いで、全面をコート(a)液に浸漬した後180℃で60分間加熱して薄膜状発熱体2を作成した。この絶縁膜は膜厚約18μmで、耐電圧は1000v以上になった。
【0052】
なお、発熱用ステンレスは、新日本製鉄製(商品名 YUS)を用いた。
【0053】
前記のように、薄膜状発熱体2を絶縁被覆している不燃性塗膜6の上面とパネル基板1の上面には、コーティング剤により不燃性遠赤外線放射膜7が形成されているが、この不燃性遠赤外線放射膜7をつくるコーティング剤は表3に示す配合で作成した。
【0054】
【表3】

【0055】
次に、コート(b)を塗布した塗膜の放射率を調べるために、100×100mmのケイ酸カルシウム板をつくり、これにコート(b)をm換算約120gコートし、常温乾燥後に分光放射率を調べた。測定は、IRA−2型赤外分光光度計付属装置熱放射率測定装置(日本分光株式会社製)により行った。その測定結果は、図4に示す通りである。
【0056】
次に、本発明に係る天井放射暖房発熱パネルの作成方の一例を説明する。
【0057】
900×450×10mmのパネル基板1であるケイ酸カルシウム板の表面にコート(b)をm2換算約120gコートして常温乾燥後、約35μm厚の膜をつくり、その上にカット成形し、絶縁被膜した外周750×400mm、厚さ約65μmの発熱体3に電極4、5をつけて設置した後、この上にコート(b)をパネル基板1の全面にm換算約120gをコートして約35μmの遠赤外線放射膜7を作成し、これにトライアック8、サーモスタット9などをセットして天井放射暖房発熱パネルを作成した。
【0058】
このようにして作成した天井放射暖房発熱パネルを、室温15℃に設定した室内(約10m2)の天井100の中心部に100v300wにセットしてスイッチを入れると、40〜50秒後に暖房板の表面温度が60〜62℃になった。
【0059】
次に、暖房板より1〜2.5m離れた位置にグレー色の服を置いてその表面温度を測定した。
【0060】
その測定結果を表4に示す。
【0061】
【表4】

【0062】
表4の結果から、昇温速度が早く、温度分布が均一で、距離が離れても受ける温度の差が殆どないことが証明された。
【0063】
また、電気量は100v×300w=0.3Kvアンペア/hrで約10m2の室内の場合の空調暖房は少なくとも1Kv/hr以上であり、天井放射暖房は1/3以下であることから本放射暖房発熱パネルを2個所に設置しても大幅な省エネになり、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る天井放射暖房発熱パネルの一例での平面図である。
【図2】同上の一部省略の部分拡大断面図である。
【図3】発熱体の一例での平面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った一部省略の拡大断面図である。
【図5】天井暖房用としての使用状態図である。
【図6】不燃性遠赤外線放射幕の分光放射率と波長との関係図である。
【符号の説明】
【0065】
1 パネル基板
2 薄膜状発熱体
3 発熱体
4、5 電極
6 不燃性塗膜
7 不燃性遠赤外線放射膜
8 トライアック
9 サーモスタット
100 天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物の主に天井(100)に取り付けられて、放射される輻射熱により室内を暖房するために用いられる天井放射暖房発熱パネルであって、
パネル基板(1)と、
該パネル基板(1)上に設けられ、かつ発熱体(3)が不燃性塗膜(6)で絶縁被覆されて形成された電極(4)、(5)を有する薄膜状発熱体(2)と、
該薄膜状発熱体(2)上に設けられた不燃性遠赤外線放射膜(7)を含み、
前記薄膜状発熱体(2)に対する通電により、前記不燃性遠赤外線放射膜(7)を介して放射された輻射熱により前記室内が暖房される構成を特徴とする天井放射暖房発熱パネル。
【請求項2】
前記薄膜状発熱体(2)は、前記パネル基板(1)の上面に設けられた前記不燃性遠赤外線放射膜(7)を介して設けられていることを特徴とする請求項1の天井放射発熱パネル。
【請求項3】
前記パネル基板(1)が、板状のケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、セメント系、石膏および陶板、金属板から選ばれた1種であることを特徴とする請求項1または2いずれか1項の天井放射暖房発熱パネル。
【請求項4】
前記不燃性塗膜(6)が、金属アルコキシドまたは金属ヒドロキシドの群から選ばれた少なくとも1種である結合剤を含む無機系コーティング剤で膜加工され、かつその膜厚が10〜20μmで、耐電圧が500v以上の電気絶縁膜であることを特徴とする請求項1または2いずれか1項の天井放射暖房発熱パネル。
【請求項5】
前記薄膜状発熱体(2)が、厚さ20〜60μmのクロムを15%以上含むステンレスの1種で、かつ密度が7.1〜7.2(g/c)、比電気抵抗が130〜140(10−8/Ωm)、熱伝導率が11〜13(W/m/℃)、熱膨張率が11.5〜13.5(10−6/℃)、融点が1,400℃以上であることを特徴とする請求項1または2いずれか1項の天井放射暖房発熱パネル。
【請求項6】
前記不燃性遠赤外線放射膜(7)が、アルカリ金属塩または金属アルコキシド、金属ヒドロキシドの群から選ばれた少なくとも1種である結合剤と、粒径が0.5〜5μmであるコバルト、ジルコニウム、スズ、チタン、鉄、銅、ニッケル、マンガン、ストロンチュウムなどの酸化物、またはこれらの金属を含む合成酸化物および窒化ケイ素、炭化ケイ素の群から選ばれた少なくとも2種を含むコーティング剤をコーティングしてなることを特徴とする請求項1または2いずれか1項の天井放射暖房発熱パネル。
【請求項7】
前記不燃性遠赤外線放射膜(7)の波長5〜15μmにおける放射率が0.8以上であることを特徴とする請求項6の天井放射暖房発熱パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−54141(P2010−54141A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220597(P2008−220597)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【特許番号】特許第4254970号(P4254970)
【特許公報発行日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(392023038)宝養生資材株式会社 (18)
【出願人】(507051156)
【Fターム(参考)】