説明

天井矩形墨出し装置

【課題】 作業者の熟練を要さず、簡単な操作で非常に高精度な天井墨出し装置の提供を課題とする。
【解決手段】 天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段を有する天井墨出し器と、コンピュータを備え、レーザ照射手段は、X軸及びY軸の直交クロスラインを床面及び天井面に形成するX軸照射手段及びY軸照射手段と、クロスラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、レーザ照射ラインを平行移動できるX、Y軸側移動照射手段を有し、X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上備え、コンピュータは、CPUと、記憶装置と、レーザ照射ラインの移動位置入力手段を備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、移動照射手段を得られた照射角度データに応じて、レーザ照射ラインを移動する天井矩形墨出し装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に対して矩形の墨出しラインを形成する天井矩形墨出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、一台の墨出し器を用いて、床面原点と対応する天井の特定位置に墨出しポイントを投影する作業を、そのポイントごとに墨出し器を移動させて行う必要があり、矩形の墨出しを天井に対して行うためには、4回の墨出し設定を行う必要があり、多大な労力を要するものであった。
【0003】
そして、このような欠点を解消すべく、例えば、複数の投射光源を搭載し、水準器等の水平面調整手段とマイコン等の演算・記憶手段を持つ、一台の墨出し器を用いて、墨出し器設定過程、天井高さ測定過程、そして天井矩形投射過程から成る一連の過程を経て、床面に墨出しした、中央床面原点を有する所望の床面基準矩形を、天井に投影し、それぞれ対応する中央天井射影原点を有する天井投射矩形を確保する方法であって、該墨出し器設定過程において、該墨出し器の脚部材を開脚して,該中央床面原点上に設置し、該水平面調整手段を用いて、該墨出し器の水平を確保し、搭載したレーザ光源系を線路方向に振動させ、該墨出し器の中央鉛直軸(Z軸)を含む線路形状投射面を提供する床面方向線路レーザ、及び鉛直軸(Z軸)下方向に投射する床面原点投射光を用い、該墨出し器の下面中央に開口する床面投射窓から床面に投射し、該床面原点投射光を中央床面原点に一致させると共に、該床面方向線路レーザの投射線路面を、特定の墨出し線路方向に一致させ、次に該天井高さ測定過程において、該墨出し器内の水平な天井投射レーザ移動回転基準面上にあって、中央鉛直軸(Z軸)にそれぞれ所定距離だけ離れて回転軸を持つ、第1の天井高さ測定レーザ回転台及び第2の天井高さ測定レーザ回転台の回転面を対称に対峙配設し、それぞれ該回転台の径方向外側に投射する第1の天井高さ測定レーザ光源及び第2の天井高さ測定レーザ光源を固定し、両該回転台は、高さ変位調整手段による高さ移動変位量に対応し、両該レーザ光源から投射され、該上面にそれぞれ設けた第1の天井高さ測定レーザ投射窓及び第2の天井高さ測定レーザ投射窓を通る、第1の天井高さ測定レーザ及び第2の天井高さ測定レーザの、それぞれ中央鉛直軸(Z軸)から内側への高さ移動変位角が比例することにより、両該測定レーザの天井面上での交点である、中央天井射影原点を目視により確認し、該中央天井射影原点を墨出しすると共に、該演算・記憶手段を用いて、該天井投射レーザ移動回転基準面から天井面までの鉛直線上の高さを算出し、次に天井矩形投射過程において、該天井投射矩形において、X軸方向に所定の距離だけ離れ、互いに平行な辺を投射する天井投射線路レーザ面を形成する、第1のX軸移動線路レーザ及び第2のX軸移動線路レーザを確保するために、該天井投射レーザ移動回転基準面上にあって、中央鉛直軸(Z軸)にそれぞれ距離だけ離れて回転軸を持つ、第1のX軸移動線路レーザ回転台及び第2のX軸移動線路レーザ回転台の回転面を対称に対峙配設し、それぞれ該回転台の径方向外側に投射する第1のX軸移動線路レーザ光源及び第2のX軸移動線路レーザ光源を該回転台に固定し、両該回転台は、X軸移動変位調整手段により、X軸移動に対する軸移動変位量に対応し、両該レーザ光源から投射され、該上面にそれぞれ設けた第1のX軸移動線路レーザ投射窓及び第2のX軸移動線路レーザ投射窓を通る、両該線路レーザのそれぞれ中央鉛直軸(Z軸)から外側への軸移動変位角が比例することにより、各該線路レーザの天井面での鉛直方向投射点から、該軸移動変位角に対応する投射点までの距離は、ここで測定した該軸移動変位量と、該天井高さ測定過程において確保した高さとで算出でき、所望の距離は、X軸移動変位調整手段により、該演算・記憶手段を用いて、該軸移動変位量を調節して、X軸移動変位表示部に該距離を表示して確保し、また該天井投射矩形のY軸方向に所定の距離だけ離れ、互いに平行な辺を投射する天井投射線路レーザ面を形成する、第1のY軸移動線路レーザ及び第2のY軸移動線路レーザも同様にして確保し、所望の距離は、Y軸移動変位調整手段により,該演算・記憶手段を用いて、Y軸に対応する軸移動変位量を調節して、Y軸移動変位表示部に該距離を表示して、確保する天井への矩形墨出し方法(例えば、特許文献1参照。)及び当該方法を実現する墨出し器が公知である。
【0004】
【特許文献1】特開2002−131056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基本的に原点を中心に四方に矩形輪郭を広げる構成であることから、例えば天井に多数の照明具を配列するための位置を墨出しする場合等、複数の矩形を形成するには、すでに形成された矩形を考慮した上で新たに原点を定めなおして、矩形を形成しなければならず、非常に手間であった。
【0006】
更に、矩形を形成するたびに誤差が生じることとなるから、矩形の数が増えるほど誤差は大きくなり、連続した多数の矩形を形成するには、十分な精度を実現することができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段とを有する天井墨出し器と、該天井墨出し器に接続されるコンピュータとを備えてなる天井矩形墨出し装置において、前記天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、墨出し位置の基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインを床面及び天井面に形成する360度のレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することを特徴とする天井矩形墨出し装置、若しくは、天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段とを有し、該レーザ照射手段により天井に矩形を墨だしする天井墨出し器と、該天井墨出し器に接続されるコンピュータとを備えてなる天井矩形墨出し装置において、前記天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、墨出し位置の基準となるレーザ照射点若しくはレーザ照射ラインを当該天井矩形墨出し器の直下に照射する基準照射手段と、天井面に対して矩形墨出しの基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインのレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することを特徴とする天井矩形墨出し装置を、基本とするものである。尚、本発明において、コンピュータにおける記憶装置は、プログラムを実行するための主記憶装置若しくはCPUとともに動作しデータを一時的に保持するレジスタ等、広くCPUの演算制御処理に使用する記憶装置をいう。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、墨出し位置の基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインを床面及び天井面に形成する360度のレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することから、天井に照射されたX軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインを固定した状態とし、該X軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインに重合されたレーザ照射ラインを移動させることによって、夫々必要に応じた間隔で平行なラインを増加させることができ、天井に多数の照明具を配列するための位置を墨出しする場合等に、複数の矩形を非常に精度の高い状態で簡単に形成することができる。
【0009】
また、請求項2に係る発明によれば、天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、墨出し位置の基準となるレーザ照射点若しくはレーザ照射ラインを当該天井矩形墨出し器の直下に照射する基準照射手段と、天井面に対して矩形墨出しの基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインのレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することから、請求項1に係る発明と同様に、天井に照射されたX軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインを固定した状態とし、該X軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインに重合されたレーザ照射ラインを移動させることによって、夫々必要に応じた間隔で平行なラインを増加させることができ、複数の矩形を非常に精度の高い状態で形成することができる。
【0010】
更に、請求項3に係る発明のように、X軸側基準ライン、Y軸側基準ライン、第m番目のX軸側レーザ照射ライン、第n番目のY軸側レーザ照射ラインによってなる矩形を、X軸側をA(m≧A,Aは2以上の自然数)個、Y軸側をB(n≧B、Bは2以上の自然数)個に分割する桝目として、天井高さデータと、X軸側分割数A(m≧A,Aは2以上の自然数)のデータと、Y軸側分割数B(n≧B、Bは2以上の自然数)のデータを用いてCPUにより演算し、(A−1)個のX軸側移動照射手段と、(B−1)個のY軸側移動照射手段により、前記矩形内に桝目を形成する構成によれば、多数の矩形を形成する場合に、これら一つ一つの移動位置を入力する必要がなく、矩形の最大領域を決定した後に、桝目を形成するためのX軸、Y軸の分割数データだけで、矩形最大領域内(例えば、天井全体)に対して、非常に高精度で、複数の矩形を一度に形成することができるのである。
【0011】
また、以上に示す本発明については、矩形を形成する各レーザ光基準ラインは、コンピュータに入力された移動量に応じてレーザ照射ライン単位で簡単に移動調節させることができ、非常に作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段とを有し、該レーザ照射手段により天井に矩形を墨出しする天井墨出し器と、該天井墨出し器に接続されるコンピュータとを備えてなる天井矩形墨出し装置において、前記天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、墨出し位置の基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインを床面及び天井面に形成する360度のレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動する構成によって、天井全体に複数の矩形を精度の高い状態で形成することができる優れた天井矩形墨出し装置の提供を実現した。
【実施例】
【0013】
図1は本発明の実施例に係る天井矩形墨出し装置全体の接続関係を示す説明図、図2は同実施例に係る天井矩形墨出し器から天井矩形墨出しラインを照射した状態を示す斜視説明図、図3は同実施例に係る天井矩形墨出し器の平面説明図、図4は同実施例に係る天井矩形墨出し装置の入力画面を示す説明図、図5は同実施例に係る天井矩形墨出し器から天井に対して、レーザを照射した初期状態を示す説明図、図6は同実施例に係る天井矩形墨出し器から天井に対して、レーザを照射し、矩形を形成した状態を示す説明図、図7は本発明の他の実施例に係る天井矩形墨出し器の平面説明図である。
である。
【0014】
本実施例に係る天井矩形墨出し装置は、図1のブロック図に示すように、天井矩形墨出し器1と、制御装置2と、コンピュータ3とが接続配置されてなり、図2に示すように、天井面Uに対して複数の矩形が連続する桝目状の墨出しラインを形成するものである。前記天井矩形墨出し器1は、コンピュータからの指示により制御装置を介して制御され、該制御装置は、天井矩形墨出し器(後記自動整準台を除く)に対する電力の供給装置を兼ねている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0015】
先ず、図3及び図5に示すように、前記天井矩形墨出し器1は、脚部17と、該脚部17上に載置される自動整準台16と、自動整準台16上に設けられる七基のレーザ照射手段及び一基の天井高さ測定手段と、前記制御手段2との入出力インターフェイスを備えるものである。尚、本実施例における天井高さ測定手段はレーザ照射を利用するが、本発明にいうレーザ照射手段に含まないものとする。
【0016】
自動整準台16はその上部に自動整準台ベースプレート16aを備え、該自動整準台ベースプレート16aには、前記七基のレーザ照射手段、即ち、図3に示す、X軸照射手段10、Y軸照射手段18、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bを取付けた構成としている。ここで、前記二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bは、相互に同一線状となる位置に配置しており、また、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11cのうち二本のX軸側レーザ照射手段11a、11bは同一線状、X軸側レーザ照射手段11cは前記X軸側レーザ照射手段11a、11bと平行となる位置に配置している。
【0017】
前記七基のレーザ照射手段のうち、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bは、いずれも各アクチュエータ13の回転軸13aに、レーザダイオード14aを備えたレーザ照射ブロック14を組付けてなるものであり、回転軸13aの回転によって前記レーザ照射ブロック14が回動し、レーザの照射方向を変更するものである。
【0018】
そして、前記アクチュエータ13に隣接して、レーザ照射ブロック14の回動角度を検出するためのエンコーダ15を、設けた構成である。尚、上記アクチュエータ13は、駆動源として超音波モータ13bを使用しており、該超音波モータ13bの駆動力を前記回転軸13aに伝達することで回動軸13aが回転する構成である。
【0019】
また、X軸照射手段10及びY軸照射手段18は、天井面Uにおいて基準となる、相互に直交する基準軸であるX軸側基準ライン50、Y軸側基準ライン51を照射するものであることから、該X軸照射手段10及びY軸照射手段18は、当該X軸照射手段10とY軸照射手段18とから照射するレーザ線が天井矩形墨出し器1の外部で平面視において直交するように、前記自動整準台ベースプレート16a上に配置している
【0020】
そして、本実施例における天井高さ測定手段19は、送受光面を上方とする距離測定センサを備えた光波距離計であり、レーザの反射、受光により距離を計測するものである。該光波距離計は、前記自動整準台ベースプレート16aの側面に取付ステー19aを介して取付けている。
【0021】
また、自動整準台16を支持する脚部17は、図示省略するが、回動微調節機構、及び水平面前後左右方向にスライドするシフティング機構を備えている。当該シフティング機構によって微調節が可能となり、床面上の原点とクロスラインの交点とを容易に一致させることができる。
【0022】
前記自動整準台16は、電力供給により自動的に水平を保持することができるものであり、本出願人が先に出願し権利化された特許第3148970号(自動水準台装置)、即ち、自動整準台16に対し自動整準台ベースプレート16aを揺動自在支持手段で結合し、自動整準台ベースプレート16aの裏面に、水平直交二軸方向の水平度を、交流電源から得るパルスにより直接電気信号で出力するようにした実質的に二軸水平センサとした水平度感知部と、該水平度感知部からの電気信号を変換したアナログ信号がゼロとするように制御回転されるモータと、該モータの制御回転により自動整準台ベースプレート16aを水平に制御する運動伝達手段とを備えた水平制御手段を配設した装置を、利用したものである。
【0023】
そして、本実施例においては、自動整準台16の正面側には操作パネルを、背面側には自動整準台用の電池ボックスを夫々設けている。操作パネルには、天井矩形墨出し器1の電源スイッチや電源のON/OFF状態を示す表示灯が設けられている。
【0024】
次に、制御装置2は、1ボードCPU20と、電源部21と、駆動ドライバーとを備えており、上記したように、コンピュータ3と天井矩形墨出し器1との間に介在して、コンピュータ3からの命令によって、レーザ照射に関する制御を行うためのインターフェイスであるとともに、天井矩形墨出し器1へ電源供給を行うものである。前記1ボードCPU20はレーザ照射に関する制御を行うものであり、具体的には駆動ドライバーを使用することにより、アクチュエータ13のモータ13bに対する動作制御(駆動、停止)を可能とするとともに、1ボードCPU20とエンコーダとの間で、回転軸の回転角度検出データのリアルタイムでの送受信を可能とする。
【0025】
一方、コンピュータ3は、CPU30と、主記憶装置31と、ハードディスク32装置を備え、入力手段としてキーボード33、出力手段としてディスプレイ装置34が接続されており、前記ハードディスク32には、レーザ位置移動制御用プログラムがインストールされている。プログラムは主記憶装置31にロードされ、CPUが主記憶装置31から読み出して命令を実行する。レーザ位置移動制御プログラムの実行により、ディスプレイ装置34の画面にGUI(Graphical User Interface)による表示操作を可能とするとともに、コンピュータ3、制御装置2、天井矩形墨出し器1が連動して後記する一連の動作を可能とし、複数の矩形、即ち、桝目状の墨出しラインを天井に照射することができるのである。
【0026】
そして、本実施例においては、上記構成によって、図2に示すように、X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51とともに、該X軸側基準ライン50に平行な三本のレーザ照射ライン、また、Y軸側基準ライン51に平行なレーザ照射ラインを夫々照射することにより、桝目状の墨出しラインを天井面Uに形成することができ、又は、X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51とともに、該X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51に平行なレーザ照射ライン52c、53bを輪郭として、X軸側基準ライン50に平行なニ本の分割ライン52a、52b、Y軸側基準ライン51に平行な一本の分割ライン53aをそれぞれ形成して、全体として六分割の桝目の墨出しラインを形成することができる。
【0027】
以下に、実施例に係る天井矩形墨出し装置を使用して、一本ずつ矩形ラインを照射して矩形を形成する際の、基本動作について、以下に説明する。
【0028】
先ず、コンピュータ3のCPU30は、コンピュータ3の起動後、レーザ位置移動制御プログラムを主記憶装置31にロードする。次いで、制御装置2の電源、天井矩形墨出し器1の主電源、自動整準台16の電源が投入された状態で、図3に示す各レーザ照射ブロック14のレーザダイオード14aからレーザが照射される。このレーザ照射状態を、図5に示す。
【0029】
そしてCPU30からの命令によって当該自動整準台16が動作し、天井矩形墨出し器1の水平を自動的に調節し、X、Y軸照射手段が予め設定された位置に自動的に復帰する。この状態で360度にレーザが投射されていることから、X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51からなる直交のクロスラインが床面Gと、天井面Uの鉛直上位置に形成される。このときの床面Gに形成されるクロスラインの交点を原点とすることで、原点の鉛直上位置に形成されるクロスラインの交点が天井側基準点Pとなる。そして、クロスラインを形成する前記X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51が夫々、X軸、Y軸の基準となる。
【0030】
ここで、天井矩形墨出し器1の前記床面Gの原点G0を合わせるには、前記脚部17の有するシフティング機構で行うことができ、クロスライン合わせは、当該脚部17の回転機構により、夫々行うことができる。
【0031】
そして、CPUからの命令によって制御装置2が、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bは、いずれもX軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51に重合するようにレーザ照射ブロック14を回転させることによって、本天井矩形墨出し装置が使用可能となる。ここで、CPUは、制御装置2を介して光波距離計に対して計測命令信号を送出し、光波距離計は、天井面Uに向けて送受光を行い、ディスプレイ装置34及び制御装置2へ距離値Dを出力する。
【0032】
尚、本実施例では、入力状態において、画面表示上の原点ボタンG0をポインティングデバイスで指定する信号をCPUが受けると、CPUは強制的にX軸側レーザ照射手段及びY軸側レーザ照射手段であるレーザ照射ブロック14を回転させることによって、レーザ照射ラインを、X軸側基準ライン50およびY軸側基準ライン51に重合する。これによって、使用者は、基準位置との一致をその都度に確認することができる。
【0033】
コンピュータ3のディスプレイ装置34に表示される入力画面は、図4(1)に示すように、第一表示画面SAにおいて、X軸側基準ライン50及びY軸側基準ライン51からの移動量の数値入力欄S1、S2と、移動位置から更に平行移動する際の数値入力欄S3、S4と、これらの移動量を決定する移動決定ボタンS6、確認的にレーザ照射ラインをX軸側基準ライン及びY軸側基準ラインに復帰させる原点復帰ボタンS7、光波距離計による天井までの距離値Dを表示する表示欄S5が、表示されており、CPUは、入力欄S1乃至S4の数値データから得られる目的の移動量L(Lは、X軸方向又はY軸方向において、原点から目的位置までの距離L0とレーザ照射手段の鉛直点までの距離Lx、Lyとの差)と、距離値Dとから、(回動角θ)=tan-1(移動量L)/(距離値D)により、移動量Lに対応したアクチュエータ13における回転軸13aの回転角θを算出する。
【0034】
そして、エンコーダ15のパルス当たりの回転角、及び移動量分必要なエンコーダパルス数を、(回動角θ)/(エンコーダ1パルス当たりの回転角Ep)=(移動量L分回転に必要なエンコーダパルス数Mp)の関係によって、移動量Lに対応したエンコーダパルス数Mpを算出する。
【0035】
得られたエンコーダパルス数Mpとアクチュエータ13における超音波モータ13bへの駆動命令を、CPU30が制御部2へ送信し、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、若しくは二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bのアクチュエータ13における各超音波モータ13bが駆動し、該超音波モータ13bと連動する回転軸が回転するとともにレーザ照射ブロック14が回動し、前記目的位置を示すエンコーダパルス数Mpをエンコーダが検知すると、エンコーダとリアルタイムに検知データを送受信している制御部2の1ボードCPU20は、超音波モータ13bを停止させる。目的位置で高精度で超音波モータ13bが停止することで、レーザ照射ブロックから高精度にレーザ墨出しラインを照射することができ、当該レーザ墨出しラインの組合せによって、高精度な矩形を形成することができる。
【0036】
尚、このときの状態を、Y軸側を例として、図6に示す。回動角θは、図6中において、Y軸側レーザ照射手段12aの回動角を回動角θ、Y軸側レーザ照射手段12bの回動角を回動角θとして示している。また、移動量Lは、同図6中において、回動角θに対応するL、回動角θに対応するLとして示している。移動するレーザ照射ラインは、同図6のように、Y軸側基準ライン51を基準としてレーザ照射ラインを照射してもよいし、また、先に形成した他のレーザ照射ラインからの距離を指定し、当該他のレーザ照射ラインから距離指定した所定位置に、新たなレーザ照射ラインを照射することもできる。尚、X軸側においても、図6に示すY軸側の状態と略同様であるが、本実施例では、Y軸側の状態と比べてレーザ照射ラインの数が一本多い点で異なる。
【0037】
また、最大矩形を複数の矩形に分割する場合には、図4(2)に示すように、コンピュータのディスプレイ装置に表示される入力画面の第二表示画面SBにおいて、最大矩形を形成するための移動量数値入力欄S11、S12と、X軸、Y軸の夫々について矩形内に形成する桝目の個数、即ち、X軸、Y軸の分割数を入力するための数値入力欄S8、S9及び、分割を決定するボタンS10が表示される。尚、上記第一表示画面SAと第二表示画面SBは、用途に応じて選択的使用することができるし、若しくは併用することができる。
【0038】
この場合には、数値入力欄S9、S10の分割数値データと、S5に表示される垂直距離値Dを、CPUが認識し、得られた距離値Dと、目的の移動量L(Lは、X軸方向又はY軸方向において、原点から目的位置までの距離L0とレーザ照射手段の鉛直点までの距離Lx、Lyとの差)と、分割数から、(回動角θ)=tan-1(移動量L)/(距離値D)により、分割数に応じて、移動量Lに対応したアクチュエータ13における回転軸13aの回転角θを夫々算出する。
【0039】
そして、エンコーダ15のパルス当たりの回転角、及び移動量分必要なエンコーダパルス数を、(回動角θ)/(エンコーダ1パルス当たりの回転角Ep)=(移動量L分回転に必要なエンコーダパルス数Mp)の関係によって、各移動量Lに対応したエンコーダパルス数Mpを算出する。
【0040】
得られたエンコーダパルス数Mpとアクチュエータ13の回転命令を、CPU30が制御部2へ送信し、三本のX軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、若しくは二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bのアクチュエータを回動し、それぞれ目的とする位置にレーザ墨出しラインを照射することによって、一度に、全ての矩形を形成することができる。
【0041】
指定した移動距離、即ち移動量Lとレーザ照射位置からの天井高さデータである距離値D、が得られることによって、レーザ照射ラインの位置は、(回動角θ)=tan-1(移動量L)/(距離値D)の関係により、移動量Lに対応したアクチュエータ13における回転軸13aの回転角度をエンコーダ15で検出する。
CPU30は、エンコーダからの検出データを取得し、エンコーダのパルス当たりの回転角、及び移動量分必要なエンコーダパルス数を、(回動角θ)/(エンコーダ1パルス当たりの回転角Ep)=(移動量L分回転に必要なエンコーダパルス数Mp)の関係によって、CPU30が移動量Lに対応したエンコーダパルスを算出し、制御装置に対して、X軸側レーザ照射手段11a、11b、11c、若しくは二本のY軸側レーザ照射手段12a、12bのアクチュエータを目的位置に対応して回動させる指示を行い、目的位置に対してレーザ照射ライン照射が照射される。
【0042】
また、矩形を等間隔で分割する場合には、例えば、X軸側基準ライン50、Y軸側基準ライン51、第m番目のX軸側レーザ照射ライン、第n番目のY軸側レーザ照射ラインによって最大の輪郭となる矩形の一辺の長さを、X軸側をA(m≧A,Aは2以上の自然数)個、Y軸側をB(n≧B、Bは2以上の自然数)個に分割する夫々の分割数A,Bで除した数値、及び当該数値の整数倍の数値を目的の移動量として使用し、上記したように、レーザ照射位置からの天井高さデータである距離値Dと、目的の移動量Lとから、(回動角θ)=tan-1(移動量L)/(距離値D)により、移動量Lに対応したアクチュエータ13における回転軸13aの回転角度をエンコーダ15で検出し、エンコーダ15のパルス当たりの回転角、及び移動量分必要なエンコーダパルス数を、(回動角θ)/(エンコーダ1パルス当たりの回転角Ep)=(移動量L分回転に必要なエンコーダパルス数Mp)の関係によって、移動量Lに対応したエンコーダパルスをCPUが算出し、(A−1)個のX軸側移動照射手段と、(B−1)個のY軸側移動照射手段により、最大矩形内に桝目を形成するものとすればよい。
【0043】
尚、本実施例においては、Y軸側レーザ照射手段の向きを水平方向に90度回転させた状態に配置することで、X軸側レーザ照射手段として設けることができるものとしている。
【0044】
上記実施例においては、図2に示すように、床面に形成する原点は、X軸側レーザ照射ラインとY軸側レーザ照射ラインからなるクロスラインの交点としているが、本発明は、上記実施例に限らず、他の実施例として、図7に示すように、天井矩形墨出し器の中央鉛直線上に床面に対してポイントで墨出しする原点照射手段を備えるとともに、原点鉛直ライン上に天井への基準クロスラインの交点を形成するように、レーザ照射ライン(X軸基準ライン及びY軸基準ライン)を平行移動可能なX軸照射手段及びY軸照射手段を備えた構成とすることもできる。この場合、原点鉛直ライン位置と、X、Y軸基準ラインとの間の距離を距離値Lx、Lyとして、他のX軸側レーザ照射ライン及びY軸側レーザ照射ラインと同様に処理する。
【0045】
本実施例の場合には、予め二つのX軸側レーザ照射手段及び二つのY軸側レーザ照射手段から天井方向へ鉛直に照射されるレーザ照射ラインが、X軸側基準ライン50又はY軸側基準ライン51と一致しているが、必ずしも一致させる必要はなく、各レーザ照射ラインは、いずれもX軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインが矩形の最大輪郭の二辺を形成するように、矩形を照射する。
【0046】
尚、本実施例のように、二つのX軸側レーザ照射手段及び二つのY軸側レーザ照射手段のうち、鉛直方向に照射されるレーザ照射ラインが、X軸側基準ライン50又はY軸側基準ライン51と一致するものについては、距離Lx、距離Lyの値は0となり、また上記のようにX軸側基準ライン若しくはY軸側基準ラインが矩形の最大輪郭の二辺を形成するように、矩形を照射することから、X軸側レーザ照射手段の一つの距離Lxは負の値をとることとなる。
【0047】
また、本実施例においては、X軸側レーザ照射ライン及びY軸側レーザ照射ラインは、360度の広がりを有するレーザとせず、天井にレーザ照射ラインを形成できる程度の角度で照射する構成としている。
【0048】
また、本発明においては、レーザ照射手段の数は実施例に開示したものに限られず、矩形を分割して桝目を形成可能とする最低限の五以上のレーザ照射手段であればいくつでも設けることができる。
【0049】
本発明における距離計は、上記実施例に示した光波距離計のみならず種々の公知な距離計を用いることができる。
【0050】
入力手段は、キーボード(テンキーのみのものを含む)のみならず、マウス等のポインティングデバイス、スタイラス、タッチパネル、或いは音声入力用のマイク等種々の公知手段を利用することができる。また、コンピュータとしては、パーソナルコンピュータや、PDA、携帯電話等の情報携帯端末、或いは墨出し器専用設計のコンピュータ等を利用することができるし、ディスプレイ装置の表示は、GUIのみならず、CUIであってもよい。
【0051】
また、これらのコンピュータの全体又は一部に、緩衝部材や堅牢なケース等を装着若しくは被覆して、外部からの衝撃や汚染等から保護することができる。即ち、本発明におけるコンピュータ3は、これらのケース等を具備する場合を含む趣旨である。
【0052】
更に、本実施例においては、ラインの移動手段(即ち、レーザ照射手段)の駆動源として、超音波モータ13bを使用しているが、本発明においては上記実施例以外の一般的なモータを使用することができる。しかしながら、本実施例のように超音波モータを使用した場合には、バックラッシュがなく極めて精度の高い墨出しを行うことができるものとしている。
【0053】
また、本発明の実施例では、天井矩形墨出し器1と制御装置2とは別体として形成しているが、これらを一体として形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例に係る天井矩形墨出し装置全体の接続関係を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例に係る天井矩形墨出し器から天井矩形墨出しラインを照射した状態を示す斜視説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る天井矩形墨出し器の平面説明図である。
【図4】実施例に係る天井矩形墨出し装置の入力画面を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る天井矩形墨出し器から天井に対して、レーザを照射した初期状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に係る天井矩形墨出し器から天井に対して、レーザを照射し、矩形を形成した状態を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る天井矩形墨出し器の平面説明図である。
【符号の説明】
【0055】
θ 回動角
θ1 回動角
θ2 回動角
D 距離値
G 床面
G0 原点
L 移動量
L0 距離
Lx 距離
Ly 距離
Mp エンコーダパルス数
P 天井側基準点
SA 第一表示画面
SB 第ニ欄
S1 数値入力欄
S2 数値入力欄
S3 数値入力欄
S4 数値入力欄
S5 表示欄
S6 移動決定ボタン
S7 原点復帰ボタン
S8 数値入力欄
S9 数値入力欄
S10 ボタン
S11 移動量数値入力欄
S12 移動量数値入力欄
U 天井面
1 天井矩形墨出し器
10 X軸照射手段
11a X軸側レーザ照射手段
11b X軸側レーザ照射手段
11c X軸側レーザ照射手段
12a Y軸側レーザ照射手段
12b Y軸側レーザ照射手段
13 アクチュエータ
13a 回転軸
13b モータ(超音波モータ)
14 レーザ照射ブロック
14a レーザダイオード
15 エンコーダ
16 自動整準台
16a 自動整準台ベースプレート
17 脚部
18 Y軸照射手段
19 天井高さ測定手段
19a 取付ステー
2 制御装置
20 1ボードCPU
21 電源部
3 コンピュータ
30 CPU
31 主記憶装置
32 ハードディスク装置
33 キーボード
34 ディスプレイ装置
50 X軸側基準ライン
51 Y軸側基準ライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段とを有する天井墨出し器と、該天井墨出し器に接続されるコンピュータとを備えてなる天井矩形墨出し装置において、
前記天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、
墨出し位置の基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインを床面及び天井面に形成する360度のレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、
X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、
Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、
少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、
前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、
コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することを特徴とする天井矩形墨出し装置。
【請求項2】
天井高さ測定手段と自動水平調節手段と複数のレーザ照射手段とを有する天井墨出し器と、該天井墨出し器に接続されるコンピュータとを備えてなる天井矩形墨出し装置において、
前記天井矩形墨出し器における複数のレーザ照射手段は、
墨出し位置の基準となるレーザ照射点若しくはレーザ照射ラインを当該天井矩形墨出し器の直下に照射する基準照射手段と、
天井面に対して矩形墨出しの基準となるX軸及びY軸の直交クロスラインのレーザ光照射が可能なX軸照射手段及びY軸照射手段と、
X軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするX軸側移動照射手段と、
Y軸照射手段から照射されるレーザ照射ラインに重合するレーザ照射ラインを照射可能とし、且つ、レーザ照射ラインの平行移動を可能とするY軸側移動照射手段とを有し、
少なくとも前記X軸側移動照射手段とY軸側移動照射手段のいずれか一方は二以上、他方は一以上備えたものとし、
前記コンピュータは、CPUと、記憶装置と、前記X軸側移動照射手段及びY軸側移動照射手段から照射されるレーザ照射ラインの移動位置入力手段とを備え、
コンピュータの移動位置入力データと、天井高さ測定手段から得られる天井高さデータとを用いてCPUが照射角度を演算し、前記移動照射手段を演算により得られた照射角度データに応じて、前記回動手段を制御し、前記移動位置入力データに応じた位置にレーザ照射ラインを移動することを特徴とする天井矩形墨出し装置。
【請求項3】
X軸側基準ライン、Y軸側基準ライン、第m番目のX軸側レーザ照射ライン、第n番目のY軸側レーザ照射ラインによって最大の輪郭となる矩形を、X軸側をA(m≧A,Aは2以上の自然数)個、Y軸側をB(n≧B、Bは2以上の自然数)個に分割する桝目として、天井高さデータと、X軸側分割数A(m≧A,Aは2以上の自然数)のデータと、Y軸側分割数B(n≧B、Bは2以上の自然数)のデータを用いてCPUにより演算し、(A−1)個のX軸側移動照射手段と、(B−1)個のY軸側移動照射手段により、前記矩形内に桝目を形成する構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の天井矩形墨出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−58153(P2006−58153A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240874(P2004−240874)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(390030720)ニッショー機器株式会社 (1)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)