説明

天井設置用照明器具

【課題】比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることが可能な天井設置用照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、電気部品とフレーム110とを含む器具本体と、設備プレート150とを備えている。フレーム110は、挿入口と、側壁34および側壁35と、フランジ36およびフランジ37と、突起部34pと、突起部35pとを有している。フランジ36と突起部34pとの間の間隔hと、設備プレート150の幅方向の一端5aの厚みHpと、フレーム110の幅方向に沿った挿入口の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端と突起部35pの先端との間の寸法W4との間に、W1<W2≦W4の関係およびh<Hpの関係が成立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具のうち、特に、当該照明器具を天井に設置した後に、設備プレートを当該照明器具に取り付けることが可能であり、且つ、設備プレートを当該照明器具に取り付けた後に、設備プレートが取り付けられた当該照明器具を天井に設置することが可能である天井設置用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビル等において、照明器具は、システム天井の一部として利用されている。システム天井に利用される天井設置用の照明器具は、フロアの天井構造物から吊り下げられる支持部材を格子状に組むことによって形成される複数の格子部分に設置されている。システム天井の複数の格子部分に設置される他の機器等としては、照明器具の他に、石膏材料等によって形成された天井板、または、空調機器等が挙げられる。
【0003】
例えば特開2006−318864号公報(以下、特許文献1という)に記載された照明装置においては、当該照明器具装置の器具本体が、天井の格子部分に設置される。特許文献1に記載された照明装置においては、当該照明装置の組み立て作業性の向上と、システム天井の施工時の作業性の向上とを図ることが可能であるように、スピーカ、非常灯、煙探知器、スプリンクラー、照度センサ等の天井設備機器を備えた設備プレートを、当該照明装置の器具本体を天井に設置した後に器具本体に取り付けることができる。
【0004】
特許文献1に記載された照明器具において、天井設備機器を備えた設備プレートは、器具本体の中央部に取り付けられる。器具本体には、設備プレートを載せるためのフランジ部が形成されている。フランジ部には、設備プレートを保持するための保持金具が取り付けられている。設備プレートは、フランジ部に載せられたうえで保持金具によって器具本体に固定されることにより、器具本体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−318864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1に記載された照明器具において、設備プレートは、保持金具を介して器具本体に取り付けられている。すなわち、天井の格子部分に照明装置を設置する作業者は、保持金具に設備プレートを固定させること等により、設備プレートを器具本体に取り付けなければならない。このように、特許文献1に記載された照明器具において、器具本体に設備プレートを取り付けるための構成は、必ずしも簡易なものではなく、当該照明装置の組み立て作業性のさらなる向上、および、システム天井の施工時の作業性のさらなる向上が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることが可能な天井設置用照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った天井設置用照明器具は、電気部品とフレームとを含む器具本体と、設備プレートとを備えている。電気部品は、光源と、光源を点灯させる点灯装置とを有する。フレームは、一定の長さと幅とを有している。電気部品は、フレームに取り付けられる。設備プレートは、一定の長さと幅とを有している。設備プレートは、器具本体のフレームに取り付けられる。
【0009】
フレームは、挿入口と、一方側壁と、他方側壁と、一方側フランジと、他方側フランジと、突起部とを有している。挿入口には、設備プレートが挿入される。一方側壁と他方側壁とは、それぞれフレームの長さ方向に沿って延び且つ間隔をあけて互いに対向している。一方側フランジは、一方側壁から挿入口に向かって延びている。他方側フランジは、他方側壁から挿入口に向かって延びている。一方側フランジと他方側フランジとは、挿入口を挟んで互いに対向している。突起部は、一方側壁に配置されている。突起部は、一方側壁から他方側壁に向かって突出している。
【0010】
一方側フランジと突起部との間の間隔hと、設備プレートの幅方向の一端の厚みHpと、フレームの幅方向に沿った挿入口の寸法W1と、設備プレートの幅方向の寸法W2と、フレームの幅方向に沿った突起部の先端と他方側壁との間の寸法W3との間に、W1<W2≦W3の関係およびh<Hpの関係が成立する。
【0011】
本発明に従った天井設置用照明器具によれば、フレームの幅方向に沿った挿入口の寸法W1と、設備プレートの幅方向の寸法W2との間に、W1<W2の関係が成立する。これにより、工事の作業者等は、フレームの幅方向に対して設備プレートを傾けながら挿入口に挿入することにより、フレームの外側から一方側壁と他方側壁との間に設備プレートを移動させることができる。一方側壁と他方側壁との間に移動された設備プレートは、フレームの幅方向と設備プレートの幅方向とが一致するように、一方側壁と他方側壁との間に配置されることにより、挿入口を覆う。
【0012】
また、本発明に従った天井設置用照明器具によれば、一方側フランジと突起部との間の間隔hと、設備プレートの幅方向の一端の厚みHpとの間に、h<Hpの関係が成立し、且つ、設備プレートの幅方向の寸法W2と、幅方向に沿った突起部の先端と他方側壁との間の寸法W3との間に、W2≦W3の関係が成立する。これらの関係により、一方側壁の突起部と他方側壁との間において、フレームおよび器具本体に対する設備プレートの位置が決定されるように、設備プレートが器具本体に取り付けられる。
【0013】
このように、本発明によれば、ネジ等の固定部材を用いることなく、一方側壁の突起部と他方側壁との間に設備プレートを単に配置させることにより、フレームおよび器具本体に対して設備プレートを取り付けることができる。したがって、本発明によれば、比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることが可能な天井設置用照明器具を提供することができる。
【0014】
本発明に従った天井設置用照明器具において、好ましくは、設備プレートの幅方向の寸法W2と、幅方向に沿った突起部の先端と他方側壁との間の寸法W3との間に、W2<W3の関係がさらに成立する。
【0015】
この構成によれば、設備プレートがフレームに取り付けられている場合には、設備プレートの一端と突起部との間、または、設備プレートの他端と他方側壁との間に間隔があけられる。そのため、設備プレートをフレームから容易に取り外すことができる。
【0016】
本発明に従った天井設置用照明器具において、好ましくは、突起部の突出高さは、一方側フランジが延びる長さよりも小さい。
【0017】
この構成によれば、当該天井設置用照明器具が設置されたフロアにおいて、床から天井に向かって当該天井設置用照明器具を見る場合には、突起部に接触する設備プレートの一端と、突起部とが、フレームの一方側フランジに隠れている。そのため、フレームの内部は、床から天井に向かう方向から挿入口を通して見えることがない。このように、この構成によれば、当該天井設置用照明器具の美観を損なうことが無い。
【0018】
本発明に従った天井設置用照明器具において、突起部の一方側フランジに対向しない側の面の一部は、面の他方側壁側の端部が一方側フランジに近づく方向に傾斜していることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、当該天井設置用照明器具の器具本体が天井に設置されている場合には、設備プレートの一端の下端を突起部の上面に接触させながら、接触点を中心に設備プレートを回転させることにより、設備プレートを天井裏のより奥の位置まで移動させることができる。設備プレートが天井裏のより奥の位置にまで移動された後には、設備プレートの一端を、傾斜した上面に沿って接触点から滑り落とすように下方に移動させることにより、設備プレートの全体を挿入口の上方に配置させることができる。このように、この構成によれば、フレームおよび器具本体に対して設備プレートを容易に取り付けることができる。
【0020】
本発明に従った天井設置用照明器具において、フレームは、好ましくは、細長い略直方体形状を有している。好ましくは、フレームの長手方向の端において、一方側フランジから突起部に向かう方向に沿った一方側フランジおよび他方側フランジよりも突起部が配置されている側は、フレームの外部と内部とが連通するように開口している。挿入口は、好ましくは、フレームの長手方向の端に形成されている。
【0021】
この構成によれば、フレームの外部と内部とが連通するように開口した部分から、作業者の手または指をフレームの内側に入れることができるため、設備プレートを容易に器具本体に取り付けることができる。
【0022】
本発明に従った天井設置用照明器具において、フレームは、好ましくは、他方側壁に配置され且つ他方側壁から一方側壁に向かって突出する他の突起部をさらに有している。好ましくは、幅方向に沿った突起部の先端と他の突起部の先端との間の寸法W4と、寸法W1と、寸法W2との間に、W1<W2≦W4の関係が成立する。
【0023】
この構成によれば、一方側壁の突起部と他方側壁の他の突起部との間において設備プレートを配置させることができるため、フレームに対する設備プレートの取り付けを安定させることができる。
【0024】
本発明に従った天井設置用照明器具において、好ましくは、光源は発光ダイオードである。
【0025】
この構成によれば、フレームおよび器具本体の薄型化が可能である。本発明に従った天井設置用照明器具によれば、薄型化されたフレームであっても、比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることができる。
【0026】
本発明に従った天井設置用照明器具において、フレームは、好ましくは、天井壁を有している。天井壁は、好ましくは、フレームの幅方向に沿って一方側壁と他方側壁との間に延びている。天井壁は、好ましくは、一方側フランジから突起部に向かう方向に沿って、一方側フランジおよび他方側フランジから突起部が配置された位置よりも離れた位置に配置されている。
【0027】
本発明に従った天井設置用照明器具によれば、天井壁を有するフレームであっても、比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、比較的簡易な構成によって設備プレートを器具本体に取り付けることが可能な天井設置用照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に従った天井設置用照明器具の平面図である。
【図2】本発明に従った天井設置用照明器具の正面図である。
【図3】本発明に従った天井設置用照明器具の底面図である。
【図4】図1に示すIV−IV線の拡大断面図である。
【図5】図1に示すV−V線の拡大断面図である。
【図6】本発明に従った天井設置用照明器具の挿入口を挟んで互いに対向する一方側フランジおよび他方側フランジと、一方側壁および他方側壁とを含むフレームの断面の拡大図である。
【図7】本発明に従った天井設置用照明器具のフレームの断面と設備プレートの断面とを拡大して示す概略図であって、設備プレートがフレームに取り付けられる前の状態を示す図である。
【図8】本発明に従った天井設置用照明器具のフレームの断面と設備プレートの断面とを拡大して示す概略図であって、設備プレートの幅方向の一端がフレームの内側に配置されている状態を示す図である。
【図9】本発明に従った天井設置用照明器具のフレームの断面と設備プレートの断面とを拡大して示す概略図であって、設備プレートの全体がフレームの内側に配置されている状態を示す図である。
【図10】本発明に従った天井設置用照明器具のフレームの断面と設備プレートの断面とを拡大して示す概略図であって、フレームに対する設備プレートの取り付けが完了した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1〜3に、本発明に従った天井設置用の照明器具100を示す。照明器具100は、図示しない天井に設置される照明器具であって、器具本体190と設備プレート150と設備プレート160とを備えている。器具本体190は、後述する電気部品180(図5参照)と、フレーム110とを含む。フレーム110は、一定の長さと幅とを有している。フレーム110は、細長い略直方体形状を有している。なお、フレーム110の幅方向とは、図2の表裏方向をいう。
【0032】
フレーム110は、天井壁111および天井壁112を有している。天井壁111は、フレーム110の長手方向の端11を含む一方端部の天井面を形成している。天井壁112は、フレーム110の長手方向の端12を含む他方端部の天井面を形成している。なお、フレーム110において、天井壁111と天井壁112とは一体である。
【0033】
フレーム110の長手方向の端11と端12とよりも中央側には、支持フック113と支持フック114とが配置されている。支持フック113は、天井壁111に固定されている。支持フック114は、天井壁112に固定されている。フレーム110および器具本体190が天井に設置される場合には、支持フック113と支持フック114とを介して、図示しない天井の格子部分にフレーム110が取り付けられる。
【0034】
フレーム110および器具本体190が天井に設置されたときには、天井壁111および天井壁112は、鉛直上方に面している。つまり、フレーム110および器具本体190が天井に設置されたときには、図2の左方が鉛直上方を指し、且つ、図2の右方が鉛直下方を指している。
【0035】
図3に示すように、フレーム110は、設備プレート150が挿入される挿入口130と、設備プレート160が挿入される挿入口140とを有している。挿入口130と挿入口140とは、それぞれフレーム110の長手方向の端11と端12とに形成されている。照明器具100の器具本体190が天井に設置されている場合には、挿入口130および挿入口140は、天井から床に向かって開口している。
【0036】
設備プレート150と設備プレート160とは、それぞれ一定の長さと幅とを有している。設備プレート150と設備プレート160とは、フレーム110に取り付けられる。図1と図3とを参照するように、フレーム110において挿入口130の上方と挿入口140の上方とには、それぞれ開口121と開口122とが配置されている。開口121は、天井壁111に形成されている。開口122は、天井壁112に形成されている。
【0037】
設備プレート150と設備プレート160とには、スピーカ、非常灯、煙探知器、スプリンクラー、または、照度センサ等の天井設備機器(図示せず)が取り付けられる。ただし、設備プレート150と設備プレート160とは、これらの天井設備機器が取り付けられないような、単に板状の部材であってもよい。器具本体190が天井に設置されている場合には、これら天井設備機器の配線は、天井裏の空間から開口121または開口122を通ってフレーム110の内部にまで延びている。
【0038】
後述するように、設備プレート150または設備プレート160は、器具本体190が天井に設置された後にフレーム110に取り付けられるものであってもよい。あるいは、設備プレート150または設備プレート160が、器具本体190に取り付けられたうえで、器具本体190が天井に設置されていてもよい。
【0039】
開口121の開口端21は、フレーム110の端11よりも長手方向の中央側に配置されている。これにより、天井壁111には、開口121の縁32が形成されている。開口121の幅方向の二つの端は、フレーム110の幅方向の端よりも中央側に配置されている。開口121の開口端23は、支持フック113よりも長手方向の中央から離れた位置に配置されている。開口122の開口端24は、支持フック114よりも長手方向の中央から離れた位置に配置されている。
【0040】
ただし、開口端21は、フレーム110の端11と一致していてもよく、天井壁111に縁32が形成されていなくてもよい。さらに、天井壁111に開口121の縁31と縁33とが形成されないように、開口121の幅方向の二つの端は、それぞれフレーム110の側壁34(図4参照)と側壁35とであってもよい。開口122の開口端22も端12に対して同様であってもよい。開口122の幅方向の二つの端も、それぞれフレーム110の側壁34(図4参照)と側壁35とであってもよい。
【0041】
図4は、フレーム110のうち、開口121が形成された天井壁111と、開口121の下方に配置される挿入口130とを含む部分の断面を示している。図示は省略するが、フレーム110のうち、開口122が形成された天井壁112と、開口122の下方に配置される挿入口140とを含む部分の断面は、図4に示す断面と一致している。
【0042】
図4に示すように、フレーム110は、間隔をあけて互いに対向する側壁34と側壁35とを有している。側壁34は、一方側壁の一例である。側壁35は、他方側壁の一例である。側壁35は、フレーム110の長さ方向に沿って延びている(図2参照)。同様に、側壁34は、フレーム110の幅方向の中央に対して側壁35とは反対側において、フレーム110の長さ方向に沿って延びている。
【0043】
フレーム110の端11(図3参照)において、フレーム110の上下方向に沿ったフランジ36およびフランジ37よりも上側と天井壁111よりも下側との間の部分は、フレーム110の外部と内部とが連通するように開口している。図示は省略するが、フレーム110の端12(図3参照)の構成は、フレーム110の端11の構成と同様である。
【0044】
フレーム110は、一方側フランジの一例としてのフランジ36と、他方側フランジの一例としてのフランジ37と、突起部34pと、突起部35pとを有している。フランジ36およびフランジ37とは、側壁34および側壁35のそれぞれから挿入口130に向かって延び且つ挿入口130を挟んで互いに対向している。突起部34pは、側壁34に配置され且つ側壁34から側壁35に向かって突出している。突起部35pは、側壁35に配置され且つ側壁35から側壁34に向かって突出している。
【0045】
例えば、突起部34pとフランジ36とは、側壁34に折り曲げ加工を施すことによって、側壁34に形成されている。フランジ36は、フレーム110の長手方向に沿って端11から端12まで延びている(図3参照)。図示は省略するが、突起部34pは、フレーム110の長手方向に沿って端11から端12まで延びている。
【0046】
なお、突起部34pと突起部35pとフランジ36とフランジ37とを形成させる方法は、折り曲げ加工に限定されない。突起部34pと突起部35pとフランジ36とフランジ37とは、押出成形によってフレーム110が形成される際に、同時に一体成形されていてもよい。
【0047】
天井壁111は、フレーム110の幅方向に沿って側壁34と側壁35との間に延びている。図示は省略するが、天井壁112は、フレーム110の幅方向に沿って側壁34と側壁35との間に延びている。天井壁111は、フランジ36から突起部34pに向かう方向に沿って、フランジ36およびフランジ37から突起部34pおよび突起部35pが配置された位置よりも離れた位置に配置されている。言い換えると、突起部34pおよび突起部35pは、上下方向に沿って、天井壁111よりも下方且つフランジ36およびフランジ37よりも上方に配置されている。
【0048】
突起部34pは、上下方向に沿った側壁34の中心よりも下方に配置されている。突起部35pは、上下方向に沿った側壁35の中心よりも下方に配置されている。すなわち、突起部34pおよび突起部35pは、上記各中心に対してそれぞれフランジ36側およびフランジ37側に配置されている。なお、フレーム110において、上下方向に沿った側壁34の中心と、上下方向に沿った側壁35の中心とは、上下方向に沿って互いに略同一位置に配置されている。
【0049】
図5に示すように、筐体部115には、電気部品180の一部が収容されている。電気部品180は、発光ダイオード83と図示しない点灯装置とを有する。筐体部115は、天井壁111の上面に固定されている(図1参照)。点灯装置を含む電気部品180の一部は、筐体部115に収容されることにより、フレーム110に取り付けられている。図5には、8つの発光ダイオード83が図示されている。発光ダイオード83は、照明器具100の光源の一例である。筐体部115の下方には、照明用のパネル81と、複数の拡散ドットが形成された導光板82とが配置されている。電気部品180のうち、発光ダイオード83は、導光板82に取り付けられている。発光ダイオード83が取り付けられた導光板82は、複数のネジによって天井壁111(図4参照)の下面に固定されている。
【0050】
パネル81は、フランジ36およびフランジ37の上方に載せられている。すなわち、パネル81の幅方向の一端がフランジ36と突起部34pとの間に挟まれ、他端がフランジ37と突起部35pとの間に挟まれている。
【0051】
図6は、挿入口130と挿入口140(図3参照)とのうち、挿入口130を挟んで互いに対向するフランジ36およびフランジ37と、側壁34および側壁35とを含むフレーム110の断面の拡大図である。図6に示すように、突起部34pは、側壁34の内面34eに形成されている。突起部35pは、側壁35の内面35eに形成されている。内面34eの上端34uの上下方向の位置と、内面35eの上端35uの上下方向の位置とは、天井壁111の内面の位置と略一致している。
【0052】
突起部34pは、突起部34pの断面積が、側壁34から側壁35に向かって縮小するテーパ形状を有している。突起部34pの上面34rの一部は、フランジ36が延びる方向に対して傾斜している。具体的には、上面34rの一部は、傾斜面を形成している。傾斜面は、上面34rの側壁35側の端部がフランジ36に近づく方向に傾斜している。突起部34pの上面34rは、フランジ36に対向しない側の面である。上面34rの上端34aは、側壁34の内面34eと一致している。側壁34に形成された突起部34pと同様に、突起部35pは側壁35に形成されている。上下方向に沿った突起部34pの位置と突起部35pの位置とは、略同一である。
【0053】
突起部34pの側壁34に対する突出高さWpは、フランジ36が延びる長さWfよりも小さい。図示は省略するが、突起部35pの側壁35に対する突出高さは、フランジ37が延びる長さよりも小さい。上下方向に沿ったフランジ36の下端36eの位置と、フランジ37の下端37eの位置とは、略同一である。なお、突起部34pよりも下側の側壁34の部分は、突起部34pよりも上側の側壁34の部分よりも板厚が小さい。
【0054】
次に、以下では、設備プレート150と設備プレート160とのうち、例えば設備プレート150のフレーム110に対する取り付けの方法について、図7〜10を用いて説明する。設備プレート160のフレーム110に対する取り付けの構成と方法とについては、設備プレート150と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、システム天井等に照明器具100を取り付ける作業者は、フレーム110に設備プレート150を取り付ける場合に、フレーム110の幅方向に対して設備プレート150を傾斜させながら、挿入口130を通して側壁34と側壁35との間に設備プレート150を移動させる。フレーム110の幅方向は、天井壁111が延びる方向であって、略水平方向である。なお、器具本体190(図1参照)が天井に設置された後に、設備プレート150をフレーム110に取り付けてもよく、設備プレート150をフレーム110に取り付けたうえで、フレーム110および器具本体190を天井に設置してもよい。
【0056】
フレーム110の外側から側壁34と側壁35との間までに設備プレート150を移動させる場合には、突起部34pまたは突起部35pのうち、例えば突起部34pの上面34r(図6参照)を利用することにより、側壁34と側壁35との間に設備プレート150を容易に配置させることができる。
【0057】
設備プレート150は、幅方向に延びる水平部5cを有している。設備プレート150の幅方向の一端5aと他端5bとは、上下方向の所定の寸法を有するように、それぞれ折り曲げ加工によって水平部5cに対して略垂直方向に折り曲げられている。なお、設備プレート150において、折り曲げ加工によって一端5aと他端5bとが形成されることに限定されない。水平部5cと一端5aと一端5bとは、フレーム110と同様に、押出成形によって設備プレート150として一体成型されていてもよい。
【0058】
突起部34pの上面34rを利用することによって、フレーム110の外部から側壁34と側壁35との間までに設備プレート150を移動させる場合には、設備プレート150の一端5aの下端を突起部34pの上面34rに接触させながら、接触点を中心に設備プレート150を回転させる。これにより、設備プレート150を側壁34と側壁35との間にまで移動させることができる。設備プレート150の一端5aの下端と突起部34pの上面34rとが接触する接触点は、上面34rのいずれかの位置である。
【0059】
設備プレート150の幅方向の寸法W2(図10参照)は、設備プレート150の一端5aの下端と、突起部34pの上面34rとの接触点を中心に設備プレート150を回転させることが可能であるように、突起部34pの上面34rの上端34a(図6参照)からフランジ37の下端37eまでの距離Wr(図8参照)よりも小さいことが好ましい。
【0060】
一方、突起部35pの上面35r(図6参照)を利用することによって、フレーム110の外部から側壁34と側壁35との間までに設備プレート150を移動させる場合には、設備プレート150の他端5bの下端を突起部35pの上面35rに接触させながら、接触点を中心に設備プレート150を回転させる。突起部35pの上面35rの上端35a(図6参照)からフランジ36の下端36eまでの距離は、突起部34pの上面34rの上端34a(図6参照)からフランジ37の下端37eまでの距離Wr(図8参照)と略同一である。
【0061】
図9に示すように側壁34と側壁35との間に設備プレート150を配置させた後には、図10に示すように設備プレート150を突起部34pと突起部35pとの間に移動させることにより、フレーム110に対する設備プレート150の取り付けが完了する。
【0062】
なお、突起部34pの上面34rを利用することによって、フレーム110の外側から側壁34と側壁35との間までに設備プレート150を移動させた場合には、設備プレート150の他端5bがフランジ37よりも上方にまで移動された後に、設備プレート150の一端5aを、突起部34pの上面34r(図6参照)に沿って接触点から滑り落とすように下方に移動させることができる。これにより、設備プレート150の全体を挿入口130の上方に配置させることができる。
【0063】
フレーム110に対する設備プレート150の取り付けが完了したときには、フランジ36と突起部34pとの間の間隔hと、設備プレート150の幅方向の一端5aの厚みHpとの間に、h<Hpの関係が成立する。また、フレーム110の幅方向に沿った挿入口130の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34s(図6参照)と突起部35pの先端35s(図6参照)との間の寸法W4(図9の実線に示す寸法線)との間には、W1<W2≦W4の関係が成立する。
【0064】
さらに、フレーム110に対する設備プレート150の取り付けが完了したときには、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと突起部35pの先端35sとの間の寸法W4との間に、W2<W4の関係がさらに成立する。
【0065】
以上のように、照明器具100は、天井設置用の照明器具である。照明器具100は、電気部品180とフレーム110とを含む器具本体190と、設備プレート150と、設備プレート160とを備えている。電気部品180は、発光ダイオード83と、発光ダイオードを点灯させる点灯装置とを有する。フレーム110は、一定の長さと幅とを有している。電気部品180は、フレーム110に取り付けられる。設備プレート150と設備プレート160とは、一定の長さと幅とを有している。設備プレート150と設備プレート160とは、器具本体190のフレーム110に取り付けられる。
【0066】
フレーム110は、挿入口130および挿入口140と、側壁34および側壁35と、フランジ36およびフランジ37と、突起部34pと、突起部35pとを有している。挿入口130および挿入口140のうち、例えば挿入口130には、設備プレート150が挿入される。側壁34と側壁35とは、それぞれフレーム110の長さ方向に沿って延び且つ間隔をあけて互いに対向している。フランジ36は、側壁34から挿入口130または挿入口140に向かって延びている。フランジ37は、側壁35から挿入口130または挿入口140に向かって延びている。フランジ36とフランジ37とは、挿入口130および挿入口140を挟んで互いに対向している。突起部34pは、側壁34に配置され、且つ、側壁34から側壁35に向かって突出している。突起部35pは、側壁35に配置され、且つ、側壁35から側壁34に向かって突出している。
【0067】
設備プレート150と設備プレート160とのうち、例えば設備プレート150について、フランジ36と突起部34pとの間の間隔hと、設備プレート150の幅方向の一端5aの厚みHpと、フレーム110の幅方向に沿った挿入口130の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと突起部35pの先端35sとの間の寸法W4との間に、W1<W2≦W4の関係およびh<Hpの関係が成立する。
【0068】
照明器具100によれば、フレーム110の幅方向に沿った挿入口130の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2との間に、W1<W2の関係が成立する。これにより、工事の作業者等は、フレーム110の幅方向に対して設備プレート150を傾けながら挿入口130に挿入することにより、フレーム110の外側から側壁34と側壁35との間に設備プレート150を移動させることができる。側壁34と側壁35との間に移動された設備プレート150は、フレーム110の幅方向と設備プレート150の幅方向とが一致するように、側壁34と側壁35との間に配置されることにより、挿入口130を覆う。
【0069】
また、照明器具100によれば、フランジ36と突起部34pとの間の間隔hと、設備プレート150の幅方向の一端5aの厚みHpとの間に、h<Hpの関係が成立し、且つ、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと突起部35pの先端35sとの間の寸法W4との間に、W2≦W4の関係が成立する。これらの関係により、突起部34pと突起部35pとの間において、フレーム110および器具本体190に対する設備プレート150の位置が決定されるように、設備プレート150が器具本体190に取り付けられる。天井裏において、照明器具100の器具本体190が格子部分等に取り付けられている場合には、挿入口130の上方に設備プレート150が取り付けられる。
【0070】
このように、照明器具100によれば、ネジ等の固定部材を用いることなく、突起部34pと突起部35pとの間に設備プレート150を単に配置させることにより、フレーム110および器具本体190に対して設備プレート150を取り付けることができる。同様に、突起部34pと突起部35pとの間に設備プレート160を単に配置させることにより、フレーム110および器具本体190に対して設備プレート160を取り付けることができる。したがって、照明器具100によれば、比較的簡易な構成によって設備プレート150と設備プレート160とを器具本体190に取り付けることが可能である。
【0071】
また、ネジ等の固定部材を用いることなく設備プレート150をフレーム110に取り付けていることにより、照明器具100を天井に取り付けた状態であったとしても、フレーム110と設備プレート150とを含む照明器具100全体を天井から取り外すことなく、設備プレート150をフレーム110から単に取り外すことが可能である。
【0072】
さらに、照明器具100によれば、突起部34pと突起部35pとによって設備プレート150および設備プレート160がきつく挟まれるように、設備プレート150および設備プレート160をフランジ36とフランジ37との上方に配置させることができる。このように、側壁34の突起部34pと側壁35の突起部35pとの間において、設備プレート150と設備プレート160とを配置させることにより、フレーム110に対する設備プレート150の位置と設備プレート160の位置とがずれることを防止することができる。すなわち、フレーム110に対する設備プレート150の取り付けと設備プレート160の取り付けとを安定させることができる。
【0073】
したがって、照明器具100によれば、例えば、地震等の振動によって照明器具100に比較的大きな力が加えられる場合でも、設備プレート150と設備プレート160とがフレーム110に取り付けられた状態を維持することができる。また、突起部34pおよび突起部35pのそれぞれの下方に配置されたフランジ36およびフランジ37により、設備プレート150と設備プレート160とが、それぞれ挿入口130と挿入口140とから落下することを、より確実に防止することができる。
【0074】
照明器具100において、設備プレート150と設備プレート160とのうち、例えば設備プレート150について、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと突起部35pの先端35sとの間の寸法W4との間に、W2<W4の関係が成立する。
【0075】
この構成によれば、設備プレート150と設備プレート160とのうち、例えば設備プレート150がフレーム110に取り付けられている場合には、設備プレート150の一端5aと突起部34pとの間、または、設備プレート150の他端5bと突起部35pとの間に間隔があけられる。そのため、設備プレート150をフレーム110から容易に取り外すことができる。
【0076】
照明器具100において、突起部34pは、突起部34pの断面積が、側壁34から側壁35に向かって縮小するテーパ形状を有している。突起部35pは、突起部35pの断面積が、側壁35から側壁34に向かって縮小するテーパ形状を有している。突起部34pの上面34rの一部は、傾斜している。突起部35pの上面35rの一部は、傾斜している。
【0077】
この構成によれば、照明器具100の器具本体190が天井に設置されている場合には、設備プレート150の一端5aの下端を突起部34pの上面34rに接触させながら、接触点を中心に設備プレート150を回転させることにより、設備プレート150を天井裏のより奥の位置まで移動させることができる。設備プレート150が天井裏のより奥の位置にまで移動された後には、設備プレート150の一端5aを、傾斜した上面34rに沿って接触点から滑り落とすように下方に移動させることにより、設備プレート150の全体を挿入口130の上方に配置させることができる。このように、この構成によれば、フレーム110および器具本体190に対して設備プレート150を容易に取り付けることができる。
【0078】
照明器具100において、フレーム110は、細長い略直方体形状を有している。フレーム110の端11において、フランジ36およびフランジ37よりも上側は、フレーム110の外部と内部とが連通するように開口している。挿入口130は、フレーム110の長手方向の端11に形成されている。
【0079】
この構成によれば、フレーム110の外部と内部とが連通するように開口した部分から、作業者の手または指をフレーム110の内側に入れることができるため、設備プレート150を容易に器具本体190に取り付けることができる。
【0080】
また、照明器具100によれば、例えば、挿入口130の長手方向の一端がフレーム110の端11と一致するように、挿入口130は、フレーム110の端11まで開口している。このように、フレーム110の端11に挿入口130の縁が形成されていない場合には、さらに容易に設備プレート150を器具本体190に取り付けることができる。
【0081】
照明器具100は、光源としての発光ダイオードを有する電気部品180を備えている。発光ダイオードが光源に用いられる場合には、フレーム110および器具本体190の薄型化が可能である。照明器具100によれば、薄型化されたフレーム110であっても、比較的簡易な構成によって設備プレート150を器具本体190に取り付けることができる。
【0082】
照明器具100において、フレーム110は、天井壁111と天井壁112とを有している。天井壁111と天井壁112とは、フレーム110の幅方向に沿って側壁34と側壁35との間に延びている。天井壁111と天井壁112とは、フランジ36およびフランジ37よりも上方に配置されている。
【0083】
照明器具100によれば、天井壁111を有するフレーム110であっても、比較的簡易な構成によって設備プレート150を器具本体190に取り付けることができる。つまり、フレーム110が天井壁111を有していることによって、設備プレート150を挿入口130からフレーム110の内部に挿入した後に設備プレート150を回転させながらフレーム110に取り付ける必要がある場合でも、フランジ36およびフランジ37の上方に、設備プレート150を確実に配置させることができる。
【0084】
なお、照明器具100において、設備プレート150の取り付けの構成と、設備プレート160の取り付けの構成とは、それぞれ異なっていてもよい。設備プレート150と設備プレート160とのいずれか一方が、上述した構成であればよい。
【0085】
上述した構成によって、設備プレート150と設備プレート160との両方をフレーム110に対して取り付けることができる場合には、照明器具100と天井の設備とを同時に一括して施工することが可能であり、照明器具100と天井の設備とをそれぞれ別に施工することも可能である。
【0086】
システム天井が設置されるフロアの用途変更に応じて、天井設備を移動または追加する場合でも、設備プレート150と設備プレート160との両方をフレーム110に対して上述した構成によって取り付けることができるときには、設備プレート150および設備プレート160と器具本体190とを含む照明器具100全体を天井から取り外す必要が無い。
【0087】
施主の意向等によって、フロアの納入直前に仕様が変更される場合であっても、所望の天井設備機器に応じて、設備プレート150または設備プレート160を取り換えることにより、即座に対応することが可能である。あるいは、工事の完成検査用に、天井設備機器が取り付けられていない単に板状のプレートを、挿入口130または挿入口140を通してフレーム110に取り付けることができる。このように、照明器具100によれば、工事の日程に悪影響が及ぼされることが防止されている。
【0088】
なお、フレーム110において、フランジ37と突起部35pとの間の間隔は、フランジ36と突起部34pとの間の間隔hと略同一である。設備プレート150の幅方向の他端5bの厚みは、設備プレート150の幅方向の一端5aの厚みHpと同様である。
【0089】
側壁34に突起部34pが配置されている場合には、側壁35に突起部35pが配置されていなくてもよい。あるいは、側壁35に突起部35pが配置されている場合には、側壁34に突起部34pが配置されていなくてもよい。
【0090】
例えばフレーム110に対する設備プレート150の取り付けについて、例えば側壁35に突起部35pが配置されていない場合には、フレーム110の幅方向に沿った挿入口130の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと側壁35との間の寸法W3(図9の二点鎖線に示す寸法線)との間に、W1<W2≦W3の関係およびh<Hpの関係が成立する。さらに、フレーム110の幅方向に沿った挿入口130の寸法W1と、設備プレート150の幅方向の寸法W2と、フレーム110の幅方向に沿った突起部34pの先端34sと側壁35との間の寸法W3との間に、W1<W2<W3の関係がさらに成立する。
【0091】
照明器具100において、突起部34pの突出高さWpは、フランジ36が延びる長さWfよりも小さい(図6参照)。例えば側壁35に突起部35pが配置されていない場合にも、同様に、突起部34pの突出高さWpはフランジ36が延びる長さWfよりも小さい。
【0092】
この構成によれば、例えば側壁35に突起部35pが配置されていないフレーム110を備えた照明器具が設置されたフロアにおいて、床から天井に向かって照明器具を見る場合には、突起部34pに接触する設備プレート150の一端5aと、突起部34pとが、フレーム110のフランジ36に隠れ、且つ、突起部35pに接触する設備プレート150の他端5bと、突起部35pとが、フレーム110のフランジ37に隠れている。そのため、フレーム110の内部は、床から天井に向かう方向から挿入口130を通して見えることがない。このように、この構成によれば、例えば側壁35に突起部35pが配置されていないフレーム110を備えた照明器具の美観を損なうことが無い。
【0093】
フレーム110においてフレーム110の挿入口130と挿入口140とが形成されている長手方向の範囲を除く部分にも、突起部34pと突起部35pとが形成されていることにより、突起部34pと突起部35pとは、パネル81(図5参照)を保持する機能を有している。フランジ36およびフランジ37がパネル81を下方から支持し、且つ、突起部34pと突起部35pとがパネル81を上方(フレーム110の内側)から保持することにより、フレーム110に対するパネル81の位置を確実に維持させることができる。したがって、フレーム110の外側(特に、パネル81の照射面側)から力が負荷された場合に、フレーム110に対するパネル81の位置が、所定の位置から外れることを防止することができる。
【0094】
フレーム110の成型方法としては、発光ダイオード83等の電気部品180が取り付けられる部分(照明器具100の発光部分、つまり、フレーム110の長手方向に沿ってパネル81が延びている範囲)と、挿入口130または挿入口140が形成される部分とが長手方向に並べて配置されるように、フレーム110を押出成形することができる。このように、突起部34pおよび突起部35pを、それぞれ、パネル81を保持する保持部と、フレーム110に対する設備プレート150の位置または設備プレート160の位置とがずれることを防止する位置決め部として、構成させることができる。換言すると、パネル81の保持部としての突起部34pと突起部35pとを、設備プレート150または設備プレート160の位置決め部として利用することができる。
【0095】
このように、フレーム110において、パネル81の保持部と、設備プレート150または設備プレート160の位置決め部とを一体成型することができるため、製造工程の削減により、製造コストの低減が可能である。さらに、フレーム110において、突起部34pおよび突起部35pと、フランジ36およびフランジ37とを押出成型によって一体成型することにより、さらなる製造工程の削減と、製造コストの低減とが可能である。
【0096】
突起部34pと突起部35pとは、それぞれ側壁34と側壁35とに、折り曲げ加工が施されることによって形成されている。ただし、突起部34pと突起部35pとは、フレーム110の長手方向の挿入口130と挿入口140とが形成されている範囲において、延びていればよい。フレーム110の長手方向の挿入口130と挿入口140とが形成されている範囲のいずれかの位置において、側壁34または側壁35に局所的に配置されているものであってもよい。例えば、突起部としては、側壁34の内面34eまたは側壁35の内面35eに、豆状等の個体物が接着もしくは溶着等によって固定されたものであってもよい。
【0097】
突起部34pまたは突起部35pの断面の形状は、特に限定されない。フレーム110の長手方向の挿入口130と挿入口140とが形成されている範囲のいずれかの位置において、側壁34または側壁35に局所的に配置された複数の突起部34pまたは複数の突起部35pのうち、例えば複数の突起部34pの断面形状は、それぞれ異なっていてもよい。
【0098】
なお、照明器具100に用いられる光源は、蛍光灯であってもよく、ランプであってもよい。
【0099】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0100】
34:側壁、34p:突起部、35:側壁、35p:突起部、36:フランジ、37:フランジ、100:照明器具、110:フレーム、111,112:天井壁、130,140:挿入口、150,160:設備プレート、180:電気部品、190:器具本体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設置される天井設置用照明器具であって、
光源と前記光源を点灯させる点灯装置とを有する電気部品と、一定の長さと幅とを有し且つ前記電気部品が取り付けられるフレームとを含む器具本体と、
一定の長さと幅とを有し且つ前記器具本体の前記フレームに取り付けられる設備プレートとを備え、
前記フレームは、前記設備プレートが挿入される挿入口と、それぞれ前記フレームの長さ方向に沿って延び且つ間隔をあけて互いに対向する一方側壁および他方側壁と、前記一方側壁および前記他方側壁のそれぞれから前記挿入口に向かって延び且つ前記挿入口を挟んで互いに対向する一方側フランジおよび他方側フランジと、前記一方側壁に配置され且つ前記一方側壁から前記他方側壁に向かって突出する突起部とを有し、
前記一方側フランジと前記突起部との間の間隔hと、前記設備プレートの幅方向の一端の厚みHpと、前記フレームの幅方向に沿った前記挿入口の寸法W1と、前記設備プレートの前記幅方向の寸法W2と、前記フレームの幅方向に沿った前記突起部の先端と前記他方側壁との間の寸法W3との間に、W1<W2≦W3の関係およびh<Hpの関係が成立する、天井設置用照明器具。
【請求項2】
前記設備プレートの前記幅方向の寸法W2と、前記幅方向に沿った前記突起部の先端と前記他方側壁との間の寸法W3との間に、W2<W3の関係がさらに成立する、
請求項1に記載の天井設置用照明器具。
【請求項3】
前記突起部の突出高さは、前記一方側フランジが延びる長さよりも小さい、
請求項1または請求項2に記載の天井設置用照明器具。
【請求項4】
前記突起部の前記一方側フランジに対向しない側の面の一部は、前記面の前記他方側壁側の端部が前記一方側フランジに近づく方向に傾斜している、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の天井設置用照明器具。
【請求項5】
前記フレームは、細長い略直方体形状を有し、
前記フレームの長手方向の端において、前記一方側フランジから前記突起部に向かう方向に沿った前記一方側フランジおよび前記他方側フランジよりも前記突起部が配置されている側は、前記フレームの外部と内部とが連通するように開口し、
前記挿入口は、前記フレームの前記長手方向の端に形成されている、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の天井設置用照明器具。
【請求項6】
前記フレームは、前記他方側壁に配置され且つ前記他方側壁から前記一方側壁に向かって突出する他の突起部をさらに有し、
前記幅方向に沿った前記突起部の先端と前記他の突起部の先端との間の寸法W4と、前記寸法W1と、前記寸法W2との間に、W1<W2≦W4の関係が成立する、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の天井設置用照明器具。
【請求項7】
前記光源は発光ダイオードである、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の天井設置用照明器具。
【請求項8】
前記フレームは、前記フレームの前記幅方向に沿って前記一方側壁と前記他方側壁との間に延び、且つ、前記一方側フランジから前記突起部に向かう方向に沿って、前記一方側フランジおよび前記他方側フランジから前記突起部が配置された位置よりも離れた位置に配置された天井壁を有している、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の天井設置用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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