説明

天幕被覆操作用補助具

【課題】 1ないし2人の作業者のみであっても、高所に登らずに、車両荷台用の幌やビニールハウスの農業用フィルム類などを安全、効率的且つ経済的に被着操作可能とする新たな天幕被覆技術を提供する。
【解決手段】 弓形湾曲筒型の元竿3、中竿4および先竿5を順次、湾曲型テレスコピック機構6をなすよう組み合わせて弓竿2を形成し、当該元竿3先端に自在鈎7を設け、中竿4先端に緊締錠8を装着し、紐体9の基端がわに元竿3基端口30径より大きな握玉90を繋着した吊綱9の先端がわを、当該弓竿2元竿3基端口30から先竿5先端口50に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿5先端口50から露出した吊綱9先端に目玉クリップ91を繋着してなる天幕被覆操作用補助具1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラックの荷台やビニールハウス、大型機械、大型貨物などに幌や農業用フィルム、ビニールシートなどの天幕類を被覆する技術に関するものであり、特に、少人数であっても効率的に天幕類を被覆操作可能な補助具を製造する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
トラック荷台への幌の被覆や、ビニールハウスへの農業用フィルムの被覆作業は、1人で行うのが殆ど不可能であり、必ず2人以上の複数人で共同作業しなければならず、特にビニールハウスは、近隣や友人、親戚などに手伝いを呼び掛け、充分な人数を集める必要がある上、大型のものともなると、必ず誰かが足場の不安定な高所に登り、農業用フィルムなどの一部をフレームの頂上まで引き上げ、反対がわに降ろすという、非常に不便で危険を伴う作業が不可欠となり、作業効率を悪くしているだけではなく、場合によっては落下などの事故を招く虞もあることから、一日も早い改善が求められてきていながら、未だ有効な手段が講じられていないのが現状である。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、トラックの荷台適所にモーターを搭載し、自動巻き上げ可能としたワイヤーロープに煽りの適所を繋着し、スイッチ操作にて煽りを自動開閉可能としてなるものや、同特許文献1(2)に見られるような、ビニールハウスの屋根頂点外がわに棟方向に移動自在とした台車を搭載し、この台車上にビニールシートを搭載可能として被覆作業を容易にしたものなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているようなモーターを利用してシートの自動巻き上げおよび巻き戻しを可能としたものは、トラックに専用のモーターや、エンジンから巻き上げ用の駆動力を取り出すギア装置および変速機などを搭載する必要があって高価な上、はじめに幌を搭載するときには、やはり複数人が協力し合って被覆作業を行わなければならないという致命的な欠点があり、また、後者特許文献1(2)に開示されているような、ビニールハウスの屋根上に移動台車を搭載するようにした類いものでは、確かに1人でビニールシートの被覆作業を行うことができるものの、その都度、安全ベルトの着用を要する高所作業が不可欠なため、全体として作業効率の悪化が避けられないものとなってしまう。
【特許文献1】(1)特開平11−91357号公報 (2)特開平8−130990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある幌用の自動開閉装置などは、頻繁に開閉する場合には有効であるものの、モーターやそれに従動する開閉機構などが車体重量を増加させてしまい、走行性能や燃料消費量などの悪化を招くという欠点があり、また、ビニールハウスの屋根上に台車を搭載するようにしたものなども、ビニールハウス上への搭載に相当の経費を要するばかりでなく、ビニールハウス骨格への荷重負担が増加して耐久強度の低下を招いてしまう虞もあり、さらに、双方何れの場合にも部品点数が増加してしまい、購入およびメンテナンスに要する経済的負担が大きいという問題を伴ってしまい、こうした弊害を合理的に解決可能な技術については未だ未解決のままに放置されてきていることから、農業に従事するものの一人として、自らの経営効率を高めると同時に、高齢化が進む環境下で高所作業が不可欠なビニールハウスを利用しなければならない農家のため、そして、これらに類似する作業となる幌付きのトラックを利用する運送業界や、それらに幌やビニールハウス用の資材や各種装置、部品類などを提供する各種業界などのため、この種作業の安全で経済的な方策の実現が必要と云える。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明では、1ないし2人の作業者だけであっても、高所に登らずに、車両荷台用の幌やビニールハウスの農業用フィルム類などを安全、効率的且つ経済的に被着操作可能とする新たな天幕被覆技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の天幕被覆操作用補助具を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の天幕被覆操作用補助具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、所定角度範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、および、その先端がわに少なくとも1本の先竿を伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、先竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎か、先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠かの何れか一方を装着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとした構成を要旨とする天幕被覆操作用補助具である。
【0008】
この基本的な構成からなる天幕被覆操作用補助具を、表現を変えて示すならば、天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、所定角度範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、少なくとも1本の中竿、および、先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設け、各中竿先端には、次段中竿、または、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を装着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとした構成からなる天幕被覆操作用補助具となる。
【0009】
より具体的には、天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、60°範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、65°範囲の最大延伸露出長、弓形に設定した湾曲筒型の中竿、および、30°範囲の最大延伸露出長、弓形に設定した湾曲筒型の先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設け、該中竿先端には、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締ナットを螺着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとした構成からなる天幕被覆操作用補助具となる。
【発明の効果】
【0010】
以上のとおりの構成からなるこの発明の天幕被覆操作用補助具によれば、従前までのものとは違い、その固有の特徴ある構成から、従前までであれば、危険を冒してトラックの荷台やビニールハウス骨格上などの高所に登り、幌や農業用フィルムなどを張着しなければならず、特に就業人口の急激な減少や高齢化が進む農畜産農家などにあっては、その都度、大勢の作業者の動員と危険な高所作業とを要することとなって、思うようにビニールハウスのシート張り替え作業ができず、そのため安定した農作業の継続、維持が極めて困難となっていたが、こうした問題を悉く解決可能とし、1人または2人の少人数で、誰も高所に登らずに地上からの安全な作業によって簡単且つ迅速にシートの被着作業を実現化することができ、高所作業に伴う落下事故などの危険を完全に解消して、高齢者であっても、効率的にあらゆる天幕被覆対象物上に被覆用天幕を張設することができるようになるという、これまでには到底実現し得なかった秀れた特徴が得られるものである。
【0011】
加えて、元竿、および、その先端がわに少なくとも1本の先竿を組み合わせるか、または、元竿、少なくとも1本の中竿、および、先竿を順次組み合わせるかして、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすようにした弓竿を採用しているから、天幕被覆対象物の上がわ外周を回り込む円弧形状に延伸して利用することができる上、輸送や保管の際には、その湾曲型テレスコピック機構を利用して元竿中に、中竿、先竿を没入状に収容、縮小して小型化することができ、一段と効率的な利用を実現化するものとなり、しかも、天幕被覆対象物の上に被覆用天幕を張設するようにしたものでは、当該弓竿を延伸して自在鈎および緊締錠を仮固定し、天幕被覆対象物の一方がわ地上から、それとは反対の他方がわへ向けて同弓竿を掛け渡し状とし、先竿先端口から導出してある吊綱先端の吊り金具に当該被覆用天幕の適所を挟着してしまい、手元の元竿基端口から吊綱基端がわを手繰り寄せるように操作し、被覆用天幕を先竿先端付近まで引き上げてから、さらに、先竿を手元まで引き寄せるよう操作するだけで、地上に居ながら、1人または2人の少人数で、簡単且つ効率的に被覆用天幕を天幕被覆対象物上に張着することができるという大きな効果を発揮するものとなる。
【0012】
そして、最も太い元竿を弓竿円弧形状の60°範囲に設定し、中竿の最大延伸露出長を65°範囲相当、先竿の最大延伸露出長を30°範囲相当に夫々設定してあるから、延伸状態での重心位置を元竿寄りに設定することができ、被覆用天幕を重量バランス良く牽引操作することができ、張着作業の労働負担を一段と大幅に軽減することができるものとなり、元竿先端に配した自在鈎は、被覆用天幕の張設業中でも簡便に操作して迅速に弓竿を伸縮操作することができるから、被覆用天幕を近くまで引き寄せたときに、速やかに弓竿を短縮し、その取扱い性を高めることができるようになるという秀れた効果を奏するものとなる。
【0013】
また、元竿基端口から導出した吊綱の基端がわに繋着した握玉は、吊綱の基端が元竿中を通じて抜けてしまうのを確実に防止すると共に、該吊綱先端の吊り金具に繋着した被覆用天幕を元竿がわで牽引するよう該吊綱を手繰り寄せる場合に、当該握玉を把持して牽引操作することができ、特に、弾性素材製の握玉を吊綱中途部に対して摺動自在、且つ吊綱基端から脱落不能に装着してなるものは、握玉を吊綱に沿って滑らせるように移動させながら、握玉を握持して吊綱を間接的に掴み、牽引操作することができるから、吊綱を握る作業者の掌を保護するものとなって一層強い牽引力を発揮できるという利点が得られるものとなる。
【0014】
さらに、元竿外周壁に設けた捲着鈎は、弓竿を縮小するよう折り畳んだ場合や、元竿基端口から吊綱を引き出した場合などに、余剰となった吊綱部分を簡単且つ速やかに整然と巻き取ることが可能で、しかも必要に応じて容易に解き放すことができるから、被覆用天幕の張設作業中や運搬、収納中に吊綱の余剰部分が邪魔になり、混乱したり、絡んだりするのを確実に防止できるという効果を奏するものとなる。
【0015】
そして、吊綱先端の吊り金具から、同吊綱基端がわへ1mないし1.3mの中途箇所に、被覆用天幕の鳩目孔に掛着可能な付加金具を繋着するようにしたものでは、該付加金具が、当該吊綱先端の吊り金具による被覆用天幕適所への連結強度をさらに高めるよう補助するものとなり、張設作業途中の被覆用天幕が不用意に吊り金具から脱落してしまうのを、より確実に防止できるものとすることができ、しかも、万が一被覆用天幕が吊り金具から脱落してしまった場合でも、付加金具が被覆用天幕を保持することになるから、一度の張設作業で、必ず被覆用天幕を被覆できるようになるという秀れた特徴が得られることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
弓竿は、地上の利用者が、吊綱の基端がわを手元に、同吊綱の先端がわをトラックの荷台やビニールハウス骨格体などの天幕被覆対象物上を超えて反対がわへ誘導、可能とするものであり、その全体形状が天幕被覆対象物上超え可能な弓形に形成したものとしなければならず、該弓竿の湾曲形状に沿って吊綱を進退自在に誘導可能なものとすべきであり、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などの合成樹脂製、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属製、ガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂などの複合素材製など軽量化可能な各種素材製のものとすることができ、断面形状は、円形、楕円形の外、四角形、五角形、六角形などの多角形とすることが可能であり、湾曲筒型の元竿の先端がわに、少なくとも1本の先竿を伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせてなるものとすることができる外、後述する実施例に示すように、湾曲筒型の元竿、1本または複数本の中竿、および先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせてなるものとすることが可能である。
【0017】
元竿は、当該弓竿の基端がわ所定範囲を形成する役割を果たし、その基端が、吊綱紐体の基端に繋着している握玉の、同元竿先端がわへの移動を規制可能とするものとなり、利用者が把持し易い外径に設定しなければならず、同元竿先端がわに、2段伸縮の場合には先竿基端がわを接続可能とし、3段以上の伸縮の場合には中竿基端がわを接続できるようにし、同元竿基端から先端間には、当該吊綱の中途範囲を進退自在に誘導可能な湾曲管路を形成したものとすべきであり、当該先竿基端か、または中竿基端かの何れか一方との間に湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせたものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、この元竿先端に、先竿または次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設けたものとすることができる外、先竿または次段中竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を装着したものとすることが可能である。
【0018】
捲着鈎は、元竿基端からか、先竿先端からかの何れかから導出するようにした吊綱の中途範囲を、当該弓竿はたは元竿の、軸長方向に所定間隔を隔てた外周壁の少なくとも2点間に巻掛け、混乱したり絡んだりしないよう収納可能とする機能を果たし、例えば後述する実施例に示すように、元竿の軸長方向に所定間隔を隔てた外周壁に1対か、または同軸長方向に所定間隔を隔てた外周壁の周回りに均衡する複数箇所に合計2対かの何れかを設けてなるものとすることができる。
【0019】
中竿は、当該弓竿の元竿と先竿との所定範囲を形成する役割を果たしており、同基端がわが元竿の先端がわに接続可能であり、同中竿先端がわに、次の中竿基端か、または、先竿基端かの何れか一方を接続可能なものとしなければならず、その基端がわから同先端がわに掛けて吊綱紐体の中途範囲を進退自在に誘導可能な湾曲管路を形成したものとすべきであり、弓竿先端、次の中竿基端または先竿基端との間に夫々湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせたものとするのが望ましく、後述する実施例にも示すように、この中竿間先端には、次段中竿または次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を装着してなるものとすることができる。
【0020】
先竿は、当該弓竿の最も先端寄りとなる所定範囲を形成する役目を担うものであり、同基端がわが、元竿先端か、または、最も先端寄りとなる中竿の先端かの何れか一方に接続可能であり、同先竿先端が吊綱先端がわの導出部分を形成可能とするものとしなければならず、同先竿基端から先端間には、該吊綱の中途範囲を進退自在に誘導可能な湾曲管路を形成したものとすべきであり、元竿先端か、または、最も先端寄り配置となる中竿先端かの何れかとの間に湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせたものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、該先竿基端と、元竿先端か、または最も先端寄り配置となる中竿先端かの何れかとの間に、先竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設けたものとすることができる外、互いの伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を装着してなるものとすることができる。
【0021】
湾曲型テレスコピック機構は、弓竿を伸縮自在とするものであって、夫々が所定の曲率半径で湾曲している元竿および先竿、または、元竿、少なくとも1本の中竿および先竿の何れか一方を順次、伸縮自在に接続する機能を果たすものであり、湾曲筒状の元竿先端内径は、それに接続する先竿基端外径または中竿基端外径よりも僅かに大きく、該中竿先端内壁は、それに接続する次の中竿基端外径、または、それに接続する先竿基端外径よりも僅かに大きく設定したものとしなければならず、さらに、当該元竿および先竿を互いに伸縮自在、且つ互いの伸縮状態を任意位置で仮固定可能とするものとすることが可能であり、また、当該元竿、少なくとも1本の中竿、および先竿の夫々を互いに伸縮自在、且つ互いの伸縮状態を任意位置で仮固定可能とするものとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、元竿先端と次段中竿との間のテレスコピック機構は、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を組み込んでなるものとすることが可能であり、また、中竿先端と、次段中竿、または、次段先竿との間のテレスコピック機構は、次段中竿、または、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を組み込んでなるものとすることができる。
【0022】
自在鈎は、利用者の手元に近い当該元竿先端に、湾曲型テレスコピック機構を介して伸縮自在に接続した先竿または次段中竿の、元竿先端に対する伸縮、固定状態をワンタッチで解放、仮固定操作可能とするよう機能するものであり、操作ボタンや操作レバーなどによって摩擦部品を中竿に加圧接合または嵌合、および、その加圧接合または嵌合を解除するよう操作可能なものとしなければならず、後述する実施例に示すように、元竿先端がわに固着した固定枠に揺動自在且つ次段中竿を貫通した操作レバーを、該次段中竿周囲に装着した圧縮コイルバネで倒れ方向に付勢して次段中竿に加圧接合するものとし、該操作レバーを起立状に操作した場合に次段中竿を進退自在に解放可能としてなるものとすることができる。
【0023】
緊締錠は、中竿の先端に湾曲型テレスコピック機構を介して伸縮自在に接続した次段の中竿基端との間か、または、先竿基端との間かの何れかに、互いの伸縮移動を仮固定可能とする機能を与えるものであり、または、当該自在鈎と置き換え可能なものであり、例えば、中竿のスリーブ状先端の周壁に、直径方向に貫通する嵌合孔を穿設し、これに対応する次段中竿基端がわか、先竿基端がわかの何れかの柱状外周壁に、該嵌合孔に弾性的に突出して嵌合、仮固定し、押圧操作で没入して仮固定状態から離脱可能とする嵌合軸を突設してなるものとすることができる外、後述する実施例に示すように、中竿の円筒スリーブ状先端に先割れスリットを形成して縮経端部を形成し、該縮経端部直後の外周壁に雄ネジを刻設し、短筒状でその基端がわ内周壁に該雄ネジに螺着可能な雌ネジを刻設し、該基端とは反対がわの先端に次段中竿基端がわか、先竿基端がわかの何れかを貫通可能な貫通口を穿設し、該縮経端部を次段中竿基端がわか、または、先竿基端がわかの何れかの外経に一致するよう締め付け可能な内周壁を有する緊締ナットを組み込んでなるものとすることができる。
【0024】
吊綱は、当該弓竿に沿って進退自在に誘導され、該弓竿先端から導出した先端に被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着可能として、天幕被覆対象物の上がわを超えて反対がわから被覆用天幕を牽引可能とする機能を分担するものであり、幌や農業用フィルムなどの被覆用天幕を充分に牽引可能な強度を有し、できるだけ弓竿管路内壁との摩擦が少ないものを選択しなければならず、柔軟性を有する天然繊維製や合成繊維製の紐やロープ、または各種金属製ワイヤー、もしくは、それらの組み合わせからなるものなどとすることができ、より具体的には、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端に元竿基端口径より大きな握玉を繋着し、先端がわを当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、先竿先端口から導出した先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとすることができ、後述する実施例に示すように、該吊綱先端の目玉クリップや吊り金具から基端がわへ1mないし1.3mの中途箇所に、被覆用天幕の鳩目孔に掛着可能なS字カン、ナスカンまたはカラビナの何れかの付加金具を繋着してなるものとすることができる。
【0025】
握玉は、弓竿の先竿先端から導出される吊綱先端がわの引き出し長さを元竿基端(利用者手元)がわで規制可能とする機能を担うものであり、紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな外径に設定したものとしなければならず、握持操作が容易な天然ゴムや合成ゴム、軟質合成樹脂、軟質発泡合成樹脂など、何れかの弾性素材製のものとすべきであり、必要に応じて吊綱中途適所への繋着位置を同吊綱の長さ(軸心)方向に移動、調節可能なものとするのが望ましい。
【0026】
吊り金具は、吊綱の先端に、被覆用天幕の適所を着脱自在に連結可能とするものであり、幌用の骨格やビニールハウス用の骨格などの上を乗り越え牽引可能とするよう、被覆用天幕の適所に充分な強度で繋着可能であり、しかも被覆用天幕から容易に離脱可能なものとしなければならず、例えば、ナスカン、カラビナ、目玉クリップまたはS字カンなどとすることができる。
【0027】
付加金具は、吊綱先端に設けた吊り金具とは別に、吊綱先端寄りとなる中途適所に被覆用天幕の適所を着脱可能とする機能を分担するものであり、吊り金具と同等か、またはそれ以上の強度で被覆用天幕の適所に連結可能なものとしなければならず、後述する実施例に示すように、吊綱先端の吊り金具から基端がわへ1mないし1.3mの中途箇所に、被覆用天幕の鳩目孔に掛着可能なS字カン、ナスカンまたはカラビナの何れかを設けてなるものとすることができる。
【0028】
天幕被覆対象物は、被覆用天幕を被覆する対象物であって、例えばトラックや、それ以外の車両などの荷台や乗車スペースに幌を被着可能とする骨格フレーム、または各種ビニールハウス用の骨格体などであるということができるが、防塵シートや雨避けシート類などを被着する大型車両、5条刈り、6条刈りコンバインなどの大型農業用機械、各種大型機械、野積みした大型林檎箱などの大型貨物類などといった、被覆用天幕掛けを必要とする様々な物品類とすることができる。
【0029】
被覆用天幕は、天幕被覆対象物に被着する布、シート、フィルム、網などの幕類であり、各種貨物車両用の幌や各種ビニールハウス用のビニールシート、フィルム、ネット、寒冷紗など様々な軟質シート類であるということができ、例えば防塵シート、雨避けシート、反射フィルム、防寒シート、緩衝シート、遮光ネット、防草シート、耐火シート、断熱シートなど、特に素材、用途などに左右されるものではなく、様々なシート類が対象となることは云うまでもないことである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0030】
図1の天幕被覆操作用補助具1の側面図、図2の各部の寸法を表した天幕被覆操作用補助具1の側面図、図3の折畳み状態にある天幕被覆操作用補助具1の側面図、図4の自在鈎7の側面図、図5の図4中白抜き矢印に示す方向から見た自在鈎7の平面図、および図6の緊締錠8の側面図に示す事例は、弓形湾曲筒型の元竿3、中竿4および先竿5を順次、湾曲型テレスコピック機構6をなすよう組み合わせて弓竿2を形成し、当該元竿3先端に自在鈎7を設け、中竿4先端に緊締錠8を装着し、紐体9の基端がわに元竿3基端口30径より大きな握玉90を繋着した吊綱9の先端がわを、当該弓竿2元竿3基端口30から先竿5先端口50に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿5先端口50から露出した吊綱9先端に目玉クリップ91を繋着してなるものとした、この発明の天幕被覆操作用補助具における代表的な一実施例を示すものである。
【0031】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の天幕被覆操作用補助具1は、天幕被覆対象物Fの上がわ外周を回る円弧形状に相当する円弧角度A(60°)範囲の所定円弧長D(140cm)、弓形に設定した湾曲筒型の元竿3、円弧角度Bが65°範囲の最大延伸露出円弧長E(156cm)、全円弧長G(165cm)弓形に設定した湾曲筒型の中竿4、および、円弧角度Cが30°範囲の最大延伸露出円弧長H(70cm)、全円弧長J(82cm)弓形に設定した湾曲筒型の先竿5を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構6をなすよう組み合わせて、最大延伸円弧長K(366cm)の弓竿2を形成し、それら各元竿3、中竿4および先竿5は、高強度を得るためジュラルミン系(7000系)のアルミニウム合金製とするのが望ましいが、コスト高となるため、低価格で高強度が得られるシリコン系(4000系)またはマグネシウム系(5000系)のアルミニウム合金製のものとしてある。
【0032】
当該元竿3は、外径30ないし50mmに設定し、その軸長方向に所定間隔(50cm)隔てた外周壁の周回りに均衡する2箇所に一対ずつ合計4個の横転U字形または横転J字形の捲着鈎31,31,……を熔接によって固着し、当該元竿3先端には、次中竿4の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎7を設けたものとし、図4および図5に示すように、該自在鈎7は、アルミニウム合金製または防錆処理された鋼製の固定枠70を元竿3先端がわに固着し、アルミニウム合金製または防錆処理された鋼製の矩形状平板片71からなり、その基端を該固定枠70に揺動自在に連結し、且つ、同矩形状平板片71中途部に中竿4が貫通するよう組み合わせたて操作レバー71となし、当該固定枠70先端部分がわに基端が抑えられると共に、該中竿4周囲に捲回状に装着した圧縮コイルバネ73で倒れ方向に付勢し、該操作レバー71の貫通孔72縁が中竿4に加圧接合するものとし、該操作レバー71を起立状に操作した場合に中竿4を進退自在に開放可能としてなるものとしてある。
【0033】
この中竿4先端には、図6に示すように、次段先竿5の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠8を設け、該緊締錠8は、中竿4の円筒スリーブ状先端に先割れスリット81を形成して縮経端部80を形成し、該縮経端部80直後の外周壁に雄ネジ82を刻設したものとする一方、該縮経端部80には、アルミニウム合金製または防錆処理された鋼製の短筒状体83からなり、その基端がわ内周壁に該雄ネジ82に螺着可能な雌ネジ84を刻設すると共に、該基端とは反対がわの先端に先竿5基端がわを貫通可能な貫通口85を穿設し、該縮経端部80を先竿5基端がわの外経に一致するよう締め付け可能な内周壁を有する緊締ナット83を螺着してなるものである。
【0034】
図1および図2に示すように、先竿5の先端には、その外径寸法を拡大して、縮小折り畳みのときに、中竿4先端開口に没入しないよう掛止可能な掛止カラー51を装着したものとしてあり、図6に示すように、当該中竿4先端に装着した前記緊締錠8の緊締ナット83も同様に外径寸法を拡大して元竿3先端開口に没入しないよう掛止可能なものとしてある。
【0035】
同図1および図2に示すように、当該吊綱9は、弓竿2の最大延伸円弧長K(366cm)の1.5倍ないし2倍の長さ(例えば660cm)の低摩擦進退移動可能な合成樹脂製ロープ(直径8mm程度のビニール製紐3本撚りの所謂洗濯紐など)かならり、その紐体9の基端がわに元竿3基端口径より大きな直径の軟質合成樹脂製の握玉90を繋着し、同吊綱9の先端がわを、弓竿2元竿3基端口30から中竿4中を経由して先竿5先端口50に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿5先端口50から露出し、同吊綱9先端に、被覆用天幕Sの適所を挟着可能な全長12cm前後の目玉クリップ91(または同図1中に示すカラビナ、図示しないS字カン、ナスカンの何れか)からなる吊り金具91を繋着し、さらに、同吊綱9の先端吊り金具91から基端がわへ間隔寸法L(1mないし1.3m)の中途箇所に、被覆用天幕Sの鳩目孔(図示せず)に掛着可能な、直径6mmの金属棒製で全長8cm前後のS字カン92(または図示しないナスカン、カラビナの何れか)からなる付加金具92を繋着してなるものとしてある。
【0036】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の天幕被覆操作用補助具1は、図4および図5に示すように、弓竿2元竿3先端がわの自在鈎7操作レバー71を、同図4中の矢印Mに示すように、圧縮コイルバネ73に抗して起立するよう操作すると、中竿4が開放され、同図4中の矢印Nに示すように、進退移動自在となり、操作レバー71への操作入力を止めると、圧縮コイルバネ73の弾性復帰力によって同操作レバー71が傾斜姿勢となり、中竿4周壁に同操作レバー71貫通孔72縁が加圧接合し、元竿3先端に対して中竿4を所望の突出または没入位置に確りと仮固定するものとなる。
【0037】
図6に示してあるように、先竿5基端がわを差し込んだ中竿4先端がわの縮経端部80雄ネジ82に、貫通口85に中竿4を貫通状とするよう装着した緊締ナット83の雌ネジ84を緩やかに螺着し、同図6中の矢印Pに示すように、中竿4先端に対して先竿5基端がわを所望の突出または没入位置に進退調節した上、同図6中の矢印Qに示すとおり、緊締ナット83を締め付け、先割れスリット81を閉じるようにして確りと仮固定することが可能であり、該緊締ナット83を緩めると、先竿5を伸縮操作可能に解放するものとなる。
【0038】
図3ないし図6に示しているとおり、当該自在鈎7および緊締錠8を夫々操作して中竿4を元竿3中に、中竿4中に先竿5を順次収納した上、先竿5先端がわから引き出した吊綱9を元竿3の捲着鈎31,31,……間に巻掛けるようにして混乱したり、絡んだりしないよう、まとめて天幕被覆操作用補助具1(弓竿2)の最小縮小全長直線寸法Rを約160cm(最小縮小円弧長Tは170cm)まで小型化し、収納および運搬できるものとなる。
【0039】
当該天幕被覆操作用補助具1を利用し、天幕被覆対象物Fであるビニールハウス用骨格Fに被覆用天幕Sである農業用合成樹脂製フィルムSを、少人数で張着作業するようなときには、図3に示す収納、運搬用に折り畳んだ状態から、先ず、捲着鈎31,31,……間に巻掛けてある吊綱9を解き、図6に示すように、緊締錠8緊締ナット83を緩めて中竿4先端から先竿5を引き出した上、緊締ナット83を締め付けて先竿5基端がわを中竿4先端に仮固定し、また、図4および図5に示すように、自在鈎7の操作レバー71を固定枠70に対して起立するよう操作して元竿3先端から中竿4を引き出し、操作レバー71を放して圧縮コイルバネ73の弾性復帰力で倒れた操作レバー71が中竿4基端がわを元竿3先端に仮固定するように操作し、図1および図2のとおり、弓竿2をその最大延伸円弧長K(366cm)まで延伸したものとする。
【0040】
図7の使用中の天幕被覆操作用補助具1の側面図に示すように、当該弓竿2の元竿3を把持し、ビニールハウス用骨格(天幕被覆対象物)Fの梁間方向一方の地上から棟桁を超えて同梁間方向の他方に渡し、先竿5先端口50から垂れ下げた吊綱9の吊り金具(目玉クリップ)91に農業用フィルム(被覆用天幕)Sの一端縁を挟着した上、元竿3基端口30から導出した吊綱9および握玉90を牽引操作し、この牽引操作中に余剰となった吊綱9中途部分を捲着鈎31,31,……間に巻掛け、混乱したり、絡み合ったりしないよう始末すると共に、付加金具(S字カン)92が先竿5先端口50に接近するまで吊綱9先端がわを巻き取った後、弓竿2の一部である先竿5それ自体を、利用者が居る前記梁間方向一方の地上付近まで誘導するようにして、同梁間方向の他方に位置する農業用フィルム(被覆用天幕)Sの一端縁を、前記梁間方向一方の地上付近まで引き寄せるようにすることにより、ビニールハウス用骨格(天幕被覆対象物)F上に張設するように操作することができる。
【0041】
また、当該天幕被覆操作用補助具1を各自1本ずつ把持するようにした2人または3人の作業者が、ビニールハウス用骨格(天幕被覆対象物)Fの桁行き方向両端(3人の場合は同桁行き方向両端および中央)の夫々に位置するものとして、作業当日の風上がわとなる梁間方向一方の地上から、棟桁を超えて風下がわとなる同梁間方向の他方に向け、各弓竿2,2(,2)を渡し、前述と同様に各吊綱9,9(,9)先端の吊り金具(目玉クリップ)91,91(,91)に、夫々対応する農業用フィルム(被覆用天幕)Sの一端縁を挟着した上、牽引操作すると農業用フィルムSが向かい風を孕んでパラシュート状に広がり浮上するから、ビニールハウス用骨格(天幕被覆対象物)Fとの摩擦抵抗が大幅に減少し、各作業者への農業用フィルムS引き上げ操作負担が軽減され、一段と効率的に張設作業を行うことができる。
【0042】
(結 び)
叙述の如く、この発明の天幕被覆操作用補助具は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのトラックの荷台に幌開閉用のモーターおよび開閉機構を搭載したものや、ビニールハウスの屋根上にビニールシート用の台車を搭載したものなどの従来技術に比較して大幅に簡素化、低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、少人数であっても高所作業を不要として被覆作業の安全性を格段に高めると共に、作業効率を大幅に改善し得るものとなることから、近年の就業人口の減少や急激な高齢化に伴い高所作業に不安を抱くハウス栽培農家はもとより、こうした農家に農業用資材を提供する農機具業界および農畜産用資材業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面は、この発明の天幕被覆操作用補助具の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】天幕被覆操作用補助具を示す側面図である。
【図2】天幕被覆操作用補助具の各部寸法を示す側面図である。
【図3】天幕被覆操作用補助具の折畳み状態を示す側面図である。
【図4】自在鈎を示す側面図である。
【図5】図4中の白抜き矢印方向から見た自在鈎を示す平面図である。
【図6】緊締錠を示す側面図である。
【図7】使用中の天幕被覆操作用補助具を示す側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 天幕被覆操作用補助具
2 弓竿
3 元竿
30 同 基端口(基端口径)
31 同 捲着鈎
4 中竿
5 先竿
50 同 先端口
51 同 掛止カラー
6 テレスコピック機構
7 自在鈎
70 同 固定枠
71 同 操作レバー
72 同 貫通孔
73 同 圧縮コイルバネ
8 緊締錠
80 同 縮経端部
81 同 先割れスリット
82 同 雄ネジ
83 同 緊締ナット
84 同 雌ネジ
85 同 貫通口
9 吊綱(紐体)
90 同 握玉
91 同 目玉クリップ(吊り金具)
92 同 S字カン(付加金具)
A 元竿3の円弧角度
B 中竿4の円弧角度
C 先竿5の円弧角度
D 元竿3の円弧長
E 中竿4の最大延伸露出円弧長
F ビニールハウス用骨格(天幕被覆対象物)
G 中竿4の全円弧長
H 先竿5の最大延伸露出円弧長
J 先竿5の全円弧長
K 弓竿2の最大延伸円弧長
L 吊り金具91付加金具92間隔寸法
M 操作レバー71の傾動方向矢印
N 中竿4の伸縮方向矢印
P 先竿5の伸縮方向矢印
Q 緊締ナット螺合螺解方向矢印
R 弓竿2の最小縮小全長直線寸法
S 農業用フィルム(被覆用天幕)
T 弓竿2の最小縮小円弧長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、所定角度範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、および、その先端がわに少なくとも1本の先竿を伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、先竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎か、先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠かの何れか一方を装着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとしたことを特徴とする天幕被覆操作用補助具。
【請求項2】
天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、所定角度範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、少なくとも1本の中竿、および、先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設け、各中竿先端には、次段中竿、または、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締錠を装着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとしたことを特徴とする天幕被覆操作用補助具。
【請求項3】
天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、所定角度範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、少なくとも1本の中竿、および、先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設け、各中竿先端には、次段中竿、または、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締ナットを螺着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとしたことを特徴とする天幕被覆操作用補助具。
【請求項4】
天幕被覆対象物の上がわ外周を回る円弧形状に相当する所定曲率半径、60°範囲の所定長、弓形に設定した湾曲筒型の元竿、65°範囲の最大延伸露出長、弓形に設定した湾曲筒型の中竿、および、30°範囲の最大延伸露出長、弓形に設定した湾曲筒型の先竿を順次、伸縮自在な湾曲型テレスコピック機構をなすよう組み合わせて弓竿を形成し、当該元竿先端には、次段中竿の伸縮固定状態をワンタッチで開放、仮固定操作可能な自在鈎を設け、該中竿先端には、次段先竿の伸縮移動を仮固定可能とする緊締ナットを螺着し、当該弓竿の最大延伸全長の1.5倍ないし2倍の長さとした紐体の基端がわに元竿基端口径より大きな握玉を繋着した吊綱の先端がわを、当該弓竿元竿基端口から先竿先端口に至る管路中に進退自在に挿し通し、該先竿先端口から露出した吊綱先端に、被覆用天幕の適所を挟着可能な目玉クリップ、または、被覆用天幕の鳩目孔に着脱可能なナスカンやカラビナなどの吊り金具を繋着してなるものとしたことを特徴とする天幕被覆操作用補助具。
【請求項5】
元竿が、その軸長方向に所定間隔を隔てた外周壁に1対の捲着鈎か、または、同軸長方向に所定間隔を隔てた外周壁の周回りに均衡する複数箇所に合計2対の捲着鈎かの何れか一方を設けてなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の天幕被覆操作用補助具。
【請求項6】
吊綱が、その先端の吊り金具から基端がわへ1mないし1.3mの中途箇所に、被覆用天幕の鳩目孔に掛着可能なS字カン、ナスカンまたはカラビナの何れかの付加金具を繋着してなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の天幕被覆操作用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−205954(P2011−205954A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76388(P2010−76388)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(509273352)
【Fターム(参考)】