説明

天然グラファイトの表面精製および粉砕および粒度分布に及ぼす不純物の効果

【課題】リチウム-イオン電池における電極材料として、実際に使用されているグラファイトの電気化学的諸特性に匹敵するもしくはそれらを凌駕する、電気化学的特性を持つ、天然グラファイトの精製法を開発することを課題とする。
【解決手段】天然グラファイトを精製前に小さな粒度に粉砕し、その後一定の化学的精製を行うことにより、極めて均一な電極を得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素-リチウムアノードにおいて特に有利な、精製されたグラファイトを製造するための、天然グラファイト鉱物に固有の、物理的または化学的な精製に関するものである。この精製は、有利には天然グラファイトの表面に適用され、グラファイトをリチウム-イオン電池において使用した場合、最初に該グラファイト内のリチウムを放出または挿入する際に、不動態膜を形成することを可能とする。この生成に先立つ小さなサイズへの粉砕は、これら粒子の分布の最適化を可能とし、その結果として極めて均一性の高い電極を与える。この粉砕は、グラファイトにおける天然不純物の存在下で行われ、これらは微小な研磨剤の役割を果たし、またグラファイトに耐久性を与え、その機械的な諸特性を高める。これら精製されたグラファイト粒子を、他の用途、特に制動装置および自動車用のジョイント、並びに核の分野において利用することが可能となる。
【背景技術】
【0002】
炭素-リチウムを主成分とする負電極が、最近工業化学界において多大な興味が抱かれている。事実、充電型電池におけるこのような電極の利用は、充電密度(C/cm2)および/または電流密度(mA/cm2)が、該電池の良好な機能を決定付ける、限界値を越える場合には、樹状結晶の成長のために、電解液内で良好に再充電されない、金属リチウムで作られた電極によってもたらされる、重大な問題の解決を可能とする。主として、この問題が、大衆向けの古典的なサイズのリチウム電池(AA、C、D等)の出現を遅らせた。この型の最初の電池は、ソニーエネルギーテック(Sony Energytech)により、90年台初頭に市販された。この電池は、リチウム-イオン電池と呼ばれ、炭素-リチウムで構成された負電極を含む。
【0003】
この電極の動作原理は、炭素層間におけるリチウム挿入の可逆性に基づいている。これらの層は、該層内(極めて強力な共有結合)および該層間(ファンデルワールス型の極めて弱い結合)における、炭素-炭素結合力における極めて大きな異方性によって、特長付けられる。このために、リチウムは極めてサイズの小さなカチオンであるので、該リチウムは、該層内の結合の不可逆的な変更を伴うこと無しに、これとイオン型の結合を形成することによって、これら層2D間を、迅速に拡散することができる。これら層間には、該挿入されたリチウムの収容を可能にしている、僅かな間隔のみが観測される。
【0004】
カチオンLi+が、該電解液から該固体炭素内部に移動する際に、その溶媒和球を持たないだけに、該炭素内への、リチウムの電気化学的な挿入に関わるこの可逆性が、より一層有利なものとなることは周知である。このように、DMSO(ジメチルスルホキシド)およびDME(ジメチルエチル)の同時の挿入は、より大きな面間の距離(>300%)をもたらし、該主構造をより大きく破壊するために寄与する。このようにして挿入されたリチウムは、更に見かけ上は、大きな質量と体積とを有し、結果としてその移動度並びに該面内部におけるその最大濃度は低下する。その上、プロピレンカーボネート媒体により、この3成分混合物は、極めて不安定となり、プロペンガスにより還元された該溶媒は、該電池の多大な劣化をもたらす可能性がある。
【0005】
極最近、不完全な結晶性を持つ炭素が、溶媒の同時のインターカレーション無しに、PC(プロピレンカーボネート)またはPC-DME媒体により、リチウムを挿入できる(ターボ法(turbostratiques))ことが示された。高い結晶化度を持つグラファイトと、1800℃以下の温度にて処理された、コークス等の低結晶化度の炭素との、電気化学的な挙動における差異は、該コークスよりも極めて高い、プロペン開放の過電圧に由来するものと思われる。しかし、放電の初期段階は、該炭素粒子表面における、該溶媒の分解生成物の、保護膜形成をもたらす。一旦これが形成されると、該フィルムは、該溶媒還元を進めるのに必要な、電子の移動を防止するのに十分な、インピーダンスを持つ。しかし、これはイオンLi+による導体であり、その結果固体電解質として振舞う。同様に、このフィルムは、リチウムイオンの移動中におけるその脱溶媒和および/または該炭素表面におけるその還元に関与する、高い可能性がある。
【0006】
この段階で消費される電気は、電流を逆転させた際には、回復できない。第一サイクルのファラデー収率は、結果として僅かなものである。以下のサイクルについて測定した可逆的な容量は、直接該炭素の特性および該炭素に施された処理並びに電解液の性質に、関連付けられる。
米国特許第5,882,818号は、1-40μmのグラファイトに関連している。この研究は、その構造と電気化学特性との関係に基づいている。しかし、この特許から、グラファイト粉末の純度に関わる情報並びにその製法に関する情報を全く見出せない。
米国特許第5,756,062号は、高度に精製されたグラファイト表面の変性について論じている。しかし、使用されたグラファイトは、鉱物から直接得た、天然のグラファイトではない。このグラファイトの化学的な変性は、フッ素、塩素またはリンに基づく処理によって行っている。
【0007】
リチウム-イオン電池における電極材料として、これまでに利用されているグラファイトは、一般に、合成グラファイトまたは熱的に、好ましくは2500℃を超える温度にて、高度に精製された天然グラファイトとして知られる、2つの異なる起源から得られる。しかし、良好な特性を持つこのようなグラファイトは、極めて高価であり、これは、場合によっては市販されている最終製品に影響を与えている。その上、このグラファイトは、精製もしくは合成後に、粉末化されることは無く、このことが、粉砕する際に幾つかの問題を生じている。事実、該粉末内の粒子粒径分布の均一性は、大幅に変更され、結果として純粋状態にあるグラファイトは、極めて脆弱になる。電池を、不均一なこのような分布を持つグラファイトを用いて、直接製造した場合、その耐用寿命が、大幅に減じられることは明らかである。従って、その代替法は、所定の粒径をもつ粒子のみを残すために、グラファイトを濾過することであるが、これはその製法に幾つかの工程を付加することになり、最終的には得られる物質の価格を増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、余り高価でなく、リチウム-イオン電池における電極材料として、実際に使用されているグラファイトの電気化学的諸特性に匹敵するもしくはそれらを凌駕する、電気化学的特性を持つ、天然グラファイトの精製法を開発することが望ましい。好ましい態様において、該方法は、比較的均一な粒径分布を持つグラファイト粉末を得ることを可能とし、かくして濾過段階の利用を回避できるものである必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、グラファイト粒子の製造方法に係わり、該方法は、以下の連続する工程の少なくとも一つによって特徴付けられる:
a) 最初に、約1〜50μmなる範囲の粒度が達成されるまで、グラファイトの粉砕を行い、
b) 次いで、上記工程a)で得た粒子を、浸食サイト等の不純物を、実質的に排除するまで、精製する。
本発明のこの方法により得られるグラファイト粒子は、1〜50μmなる範囲で変動する、サイズを持ち、また一般に不純物および浸食サイトを含まない。好ましくは、該粒子は以下のような性質を持つ:
- 3.35〜3.38Åなる範囲で変動する、X-線により測定した、層間距離d002、
- 0.4〜55 m2/g なる範囲内で変動する比表面積、および
- 98.5〜99.99%なる範囲内で変動する精製度。
【0010】
本発明は、また上記方法に従って得た、天然グラファイトを主成分とする、炭素-金属、好ましくはリチウム製のアノードにも関わる。このようなアノードは、電気化学的電池(蓄電池)、例えばリチウム-イオン型の電池において、特に有利である。
最後に、本発明のもう一つの局面は、実質的に不純物および浸食サイトを持たない外表面を持ち、電導性を有し、多くの工業的な用途において利用される粒子を含有する、精製されたグラファイトを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の方法を、模式的に示す図である。
【図2】本発明の方法を、模式的に示す図である。
【図3】本発明の方法に従って得た、グラファイト粒子からの、アノードの製造を示す図である。
【図4】多数の微結晶から形成した、本発明によるグラファイト粒子を示す図である。
【図5】本発明の粒子における、グラファイトの剥離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
微細形状にあり、蓄電池、例えばリチウム-イオン型の電池において使用できる、比較的均一な粒度分布をもつ、精製グラファイトを製造すべく努力した。このようなグラファイトは、また他の型の用途、例えばカソード(電池) または燃料電池における導電体、自動車の分野(ブレーキおよびジョイント)または核の分野においても利用できる。
本発明は、天然グラファイトの表面、即ち不動態化膜を形成する部分に見られる、不純物を、化学的および/または物理的に精製する方法に関連する。本発明の方法は、不動態化膜の形成および炭素-リチウムアノードのサイクル(cyclage)にとって有害となる可能性のある、不純物の除去を可能とする。この粉砕法は、有利には精製前に行われる。というのは、これによって該粒子サイズおよび粒度分布を良好に制御でき、極めて均一な粉末は、大き過ぎるあるいは小さ過ぎる粒子を除去するための濾過を必要としないからである。
【0013】
次の精製段階は、本質的にグラファイト粒子表面から、一般には導電性の不純物、例えば珪素および鉄を含む化合物を除去するために行われる。これら化合物は、また含まれる化合物の、リチウムによるドーピングまたは還元を生じる。これらの現象は、電極表面に形成される不動態化膜において、全く存在してはならず、あるいはできる限り最小化する必要がある。というのは、これは該電池効率の低下および最終的に短絡をもたらす可能性があるからである。これに対して、フッ化カルシウム等のイオン伝導性を有利にする不純物をもつ表面の存在は、その強力なイオン特性が、電子性の電導度を有利なものとする可能性があることから、グラファイト電極の性能に、負の影響を与えない。
【0014】
グラファイト鉱石内に存在する不純物は、一般に以下のようなものである:Si > Ca > Fe > Mg > S > Al。上記のように、珪素含有化合物は、排除すべきである。というのは、一方では、リチウムがこれら珪素含有化合物(例えば、SiO2、SiOおよびSi元素)を還元またはドーピングするからであり、また他方では、これら珪素含有化合物は電子伝導体であるからである。この最後の特性は、該不動態化膜とは全く相容れないものであり、長い耐用寿命によって特徴付けられる、良好な炭素-リチウムアノードの重要な(キーとなる)要素である。
珪素含有化合物を除去するために、例えばH2SO4、HNO3、HCl、HFまたはこれらの混合物を用いた、酸処理が利用される。HFまたは媒体中でHFを発生するフッ素化誘導体による処理は、特に好ましい態様を表す。この処理は、またフッ化カルシウムの形成を伴う、鉱物中に既に存在するフッ素とカルシウムとの相互作用をも誘発する。このフッ化カルシウムは、強力なイオン性を持ち、電気絶縁性で、しかも高温において良好なアニオン伝導体として機能する化合物である。更に、このフッ化カルシウムの存在は、該不動態化膜の形成を損なうことは無い。
【0015】
この精製法は、該粉砕工程によって決定されるような、粒子のサイズを変更することは無い。従って、粒子の凝集も起こさず、粒子はばらばらであり、また良好な性能(粗面性、厚み、多孔度等)を持つ電極を得るための、バインダと均一な混合物を形成できる。
本発明を例示するために、粒子サイズ約375μmの、ストラトミングラファイト(StratminGraphite) (ラクデイルス(Lac des iles) - ケベック)産のグラファイト鉱物を使用した。これら粒子を、まず50〜1μmなる範囲で変動する粒度を持つ粒子を得るまで、粉砕する。この粒径が、1μm未満である場合には、グラファイトはその結晶性を失い、またリチウムのインターカレーション末期には、ドーピングをもたらすことに気付くべきである。
この粉砕法は、当業者には公知の技術に従って実施できる。このような技術は、ジェットによる粉砕(ジェットミリング)、空気による粉砕(エアーミリング)、ボールによる粉砕(ボールミリング)等を含む。
【0016】
熱的な手段による精製方法は、従来の方法で、即ちあらゆる不純物の揮発を可能とするのに十分に高い温度、典型的には1000〜3100℃に維持された炉内で実施することができる。
化学的手段による精製方法は、フッ素、硝酸塩、硫酸塩および塩化物を主成分とする酸性化合物、あるいは更にカリウムまたはナトリウム等の塩基性化合物を使用した、様々な方法で実施でき、これにより未加工のグラファイト表面を清浄化し、かつ最終的に、該グラファイトの、Liの初期インターカレーションにおける、電解液の還元の際に、安定な不動態化膜の形成が可能となる。
【0017】
典型的には、化学的手段による精製工程は、フッ素含有酸、好ましくはHFまたは反応媒体中でHFを発生するフッ素化誘導体、例えばNH4F、NH5F2等を使用するただ一つの段階、2種の異なる化合物であって、その一方はHFまたは上で定義したようなフッ素化誘導体であり、他方がフッ素を含まない酸、例えばHCl、硝酸、硫酸等である、該2種の異なる化合物を利用する単一の段階を含むことができる。該2種の異なる化合物の利用は、酸またはフッ素化誘導体単独の場合よりも、多量の不純物を抽出すると言う、利点を有する。また、上記精製工程は、最初に上に定義したようなフッ素を含まない酸を利用し、次いで第二に上に定義したような、HFまたはフッ素化誘導体を使用する2つの段階、および第一段階としてKOHまたはNaOH等の塩基を使用し、次いでHFまたは上で定義したようなフッ素化誘導体を使用する2つの段階を含むことができる。
【0018】
該精製溶媒(H2SO4 - NH4F)または(HCl - NH4F)への硝酸の添加が、単一の段階で、精製され、かつ剥離されたグラファイトの製造を可能とすることに気付くであろう。硝酸は、グラファイトを剥離するために、その層間に挿入される酸化剤である。
これら化学的手段による精製段階は、独立した様式で、あるいは連続式に利用することができる。明らかにコスト的な理由から、化学的な手段による精製は、好ましい精製法である。
【0019】
化学的な手段による精製の場合、この目的で添加される化合物の濃度並びに操作条件を選択することは、天然産グラファイトのあらゆる物理的な変化または剥離を回避するために、極めて重要である。この意味で、精製のために添加されるHFまたはフッ素化誘導体の濃度は、好ましくは10%〜50%(質量基準)なる範囲にあり、またこの方法を実施する温度は、収量を最大にするために、好ましくは250℃を越えてはならない。もう一つの酸を使用する場合には、その濃度は、好ましくは10〜30%なる範囲で変動する。
機械的な手段により精製を行うためには、グラファイト粒子が、約20μmなる粒度を達成するまで、例えば空気による粉砕により、該グラファイトを粉砕する。次いで、不純物を浮遊選鉱によって分離する。
【0020】
以下、全く例示のみの目的で、また本発明を限定するものでは全くない、添付図を参照しつつ、本発明を説明する。
これら図を参照すると、図1には従来の方法が示されており、そこでは、粉砕に先立ってまず精製が行われ、表面には依然として多量の不純物が残されている。他方、本発明の方法によれば、また該鉱物がカルシウムを含む場合には、表面には殆ど不純物は存在しない。この場合に、化学的な手段によるこの精製中に形成されるのは、CaF2粒子であることが分かるだけである。
図3は、本発明の方法によって得たグラファイト粒子を用い、これを集電体上に堆積した、アノードの製造を示す。還元の場合、不動態膜が形成され、これは同時にイオン伝導体であり、かつ電子絶縁体であり、これは電気化学的に理想的な状態を示す。
図4は、本発明によるグラファイト粒子が、微結晶の集合により構成されていることを示している。このグラファイト内にリチウムを挿入した場合、Lcが制御されることは、極めて重要である。まさにこの場合、精製のために極めて強力な酸を使用し、該Lcを極小さな値とし、図5に示されたグラファイトを得る。
【実施例】
【0021】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を例示するために与えられるものであり、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
実施例1
初期粒径375μmをもつ天然のグラファイトを、該粒子が、10μmなる粒度を達成するまで、「エアー-ミリング」によって粉砕する。達成された粒径(粒子50%の分布D50%)は、10.52μmである。このグラファイトのガウス分布は、ショルダー部分を全く持たない、単一の極大値を持つ。粒度分布を、Leeds & Northrulにより製造販売されている、粒子分析装置マイクロトラック(MicrotracTM)によって測定した。メタノールを、液状担体として使用した。次いで、この粉砕したグラファイトを、30% HF水性溶液の浴内で、浸出処理する。この混合物の温度を90℃に維持し、浸出時間を180分とする。このグラファイトを、次に濾過し、大量の水で洗浄し、得られた粉末を、120℃にて24時間乾燥する。
【0022】
得られたグラファイト粉末を、EDX(エネルギー分散X-線)と接続した、後方散乱によって分析する。粒子の剥離は、全く観測されなかった。更に、EDXによる分析は、残留する不純物の大部分が、カルシウムを含むことを示す。このサンプルの純度は、99.6%であり、この値は、残留不純物の灰分の分析法により得た。
このグラファイトを、質量比90:10のポリフッ化ビニリデン(PVDF)(クルハ(Kruha): KF-1700)およびN-メチルピロリドンからなるバインダと混合する。この混合物を、ドクターブレード(Doctor BladeTM)法によって、銅製の集電体に塗布する。
このようにして得たグラファイト製の電極を、真空下で120℃にて24時間乾燥する。この電極を、ボタン型の電池2035 (径20 mm、厚み3.5 mm)に取り付ける。
電解液1M LiPF6 + EC/DMC: 50/50 (エチレンカーボネート+ジメチルカーボネート)で含浸した、セパレータセルガード(CelgardTM) 2300を使用する。リチウム金属を、参照電極および対電極として使用する。
【0023】
その電気化学的テストを、周囲温度にて行った。放電-充電曲線を、C/24によって、0V〜2.5Vなる範囲で得た。初期クーロン収率は、85%であり、これは、リチウム-イオン電池において使用されている市販のグラファイト(典型的に81%)の値を超える。可逆的容量は、LixC6において、x=0.98に対応する、365 mAh/gである。得られたこの値は、グラファイトの理論値(372 mAh/g)に極めて近い値である。Caを含む残留不純物の存在に関連する、負の作用は全く確認されない。
【0024】
実施例2
初期粒径375μmをもつ天然のグラファイトを、該粒子が、10μmなる粒度を達成するまで、「エアー-ミリング」によって粉砕する。次に、このグラファイトを、30%硫酸および30%HFを含む水性混合物の浴内で浸出させる。106.5 mlの酸の混合物を、90℃に加熱し、この溶液に30 g のグラファイトを添加する。この反応器内で、該グラファイトを180分間に渡り浸出させる。次いで、この固体を濾別し、多量の水で洗浄し、120℃にて24時間乾燥する。このものの粒度(D50%)は、精製前後において10.92μmである。このグラファイトのガウス分布は、ショルダー部分を全く持たない、唯一つの最大値を有していた。
【0025】
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびFの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.68%を示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順に従って行う。
初期サイクルのクーロン収率は、90%である。不動態化膜の不可逆的なプラトーは、通常800 mV近傍に形成される。このことは、元素Ca、Fまたは化合物CaF2が、該不動態化膜の形成に影響を与えないことを意味する。このグラファイトの可逆的な容量は、LixC6の形成において、x=0.96に対応する、356 mAh/g である。
【0026】
実施例3
本例において使用するグラファイトは、HFの濃度を20%としたことを除き、実施例2に記載したものと同一の方法で処理する。EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびFの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.75%を示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、89%である。不動態化膜の不可逆的なプラトーは、通常800 mV近傍に形成される。このグラファイトの可逆的な容量は、LixC6の形成に伴って、x=0.98に対応する、365 mAh/g である。
【0027】
実施例4
本例において使用するグラファイトは、HFの濃度を10%としたことを除き、実施例2に記載したものと同一の方法で処理する。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、75%である。106.7 mAh/g なる不可逆的容量は、夫々30%HFおよび20%HFで浸出された、実施例2および3と比較して、極めて高い。このグラファイトの可逆的な容量は、LixC6の形成において、x=0.85に相当する、318 mAh/g である。
【0028】
実施例5
本例で使用した天然のグラファイトは、混合物硫酸-HFにおいて、HFを同様に30%なる濃度で存在する、NH4Fで置換した点以外、実施例2に記載のものと同様に処理する。
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびFの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.64%を示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、90%である。このグラファイトの不可逆的容量は、44 mAh/g である。その可逆的な容量は、LixC6の形成に伴って、x=0.96に対応する、352 mAh/g である。
【0029】
実施例6
本例において使用するグラファイトは、混合物硫酸-HFにおいて、HFを濃度30%のNH4F、HF(NH5F2)により置換した点以外、実施例2に記載したものと同一の方法で処理する。
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびFの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.57%を示す。
電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、88%である。このグラファイトの不可逆的容量は、49 mAh/g である。その可逆的な容量は、LixC6の形成において、x=0.93に等価な、346.7 mAh/g である。
【0030】
実施例7
初期粒度375μmを有する天然グラファイトを、該粒子が粒度10μmを達成するまで、「エアーミリング」法により粉砕する。このグラファイトを、2段階で浸出する。まず、30% HCl水性溶液で、次に30% HF水性溶液を使用して行う。各浸出に対して、106.5 mlの酸溶液を90℃に加熱し、次いで30 g のグラファイトを添加する。この反応器内で、該グラファイトを180分間に渡り浸出させる。固形分を濾別し、多量の水で洗浄し、120℃にて24時間乾燥する。
サイズ(D50%)は、10.02μmである。このグラファイトのガウス分布は、ショルダー部分の全く無い、単一の極大値を有している。
【0031】
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素SiおよびCaの存在を示す。不純物として得られる主な元素は、硫黄である。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.9%を示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、88%である。該不動態化幕形成の、不可逆的プラトーは、通常800 mV近傍に形成される。従って、この硫黄の存在は、該不動態化幕形成の際に、有害な作用を持たないものと結論付けることができる。このグラファイトの可逆的容量は、式LixC6において、x=0.96に等価な、357 mAh/g である。
【0032】
実施例8
本例において使用する天然グラファイトは、実施例7に記載のものと同一の方法で処理したが、HClをHNO3に代えた。
このグラファイトのサイズ(D50%)は、10.26μmである。このグラファイトのガウス分布は、ショルダー部分を全く持たない、唯一つの極大を持つ。
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびMgの存在を示すが、Siは全く存在しないことを示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.96%を示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、86%である。該不動態化幕の、不可逆的プラトーは、通常800 mV近傍に形成される。このことは、元素CaおよびMgが、該不動態化幕形成に、何等影響を与えないことを明らかにしている。このグラファイトの可逆的容量は、式LixC6において、x=0.95に等価な、353 mAh/g である。
【0033】
実施例9
本例において使用する天然グラファイトは、実施例7に記載のものと同一の方法で処理したが、HClを、濃度30%の塩基、特にKOHに代えた。
EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、主として元素CaおよびFの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度99.77%を示す。
初期サイクルのクーロン収率は、88%である。このグラファイトの可逆的容量は、式LixC6において、x=0.93に等価な、345 mAh/g である。
【0034】
実施例10
サイズ375μmを持つ粒子を含むグラファイトを、最初に以下のような手順に従って、HFの浴内で精製する。106.5 mlの酸を90℃に加熱し、次に30 g の該グラファイトをこれに添加する。この反応器内で、180分間、このグラファイトを浸出処理する。次いで、該固体を濾別し、多量の水で洗浄し、120℃にて24時間乾燥する。
引き続き、このグラファイトを、その粒径が10μmに達するまで、上記の手順に従って粉砕する。そのサイズ(D50%)は、10.67μmである。このグラファイトの分布は、粒度>18μmのレベルにショルダー部分を持つ、2つの極大を持つ。この種の分布が、炭素-リチウムアノードの最適の機能にとって余り好ましくなく、かつ精製に先立って粉砕された、天然グラファイトが、最良の均一性を示すことができることは、周知である。
【0035】
EDXによる、該グラファイトの不純物の分析は、不純物として、多量のCaおよびMgの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度が99.43%であることを示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、75%である。その不可逆的な容量に関する110 mAh/g なる値は、その精製度(99.43%)およびその高い比表面積(7.08 m2/g)のために高いものとなっている。このグラファイトの可逆的容量は、式LixC6において、x=0.96に等価な、356 mAh/g である。
【0036】
実施例11
本例において使用するグラファイトは、実施例10に記載の方法に従って調製する。精製並びに粉砕の条件は、実施例7において使用したものと同一である。
これらグラファイト粒子のサイズ(D50%)は、12.40μmである。その分布は、2つの極大、即ち10μmにおける第一の極大および17.7μmにおける第二の極大を持つ。
EDXによる、該グラファイトの不純物の分析は、ピーク強度のSiおよびこれに続くMgおよびCaの存在を示す。このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、純度が99.95%であることを示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、86%である。その不可逆的な容量は、59 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従って、x=0.97と等価な、362 mAh/g である。
【0037】
実施例12
本例で使用するグラファイトは、実施例11と同様な方法で処理するが、HClをHNO3で置き換える。
これらグラファイト粒子のサイズ(D50%)は、12.11μmである。その分布は、2つの極大、即ち8μmにおける第一の極大および18μmにおける第二の極大を持つ。
EDXによる、該グラファイトの不純物の分析は、Caの存在を示す。その残留物灰分の分析は、純度が99.99%であることを示す。
電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、88%である。その不可逆的な容量は、56 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=1.066に相当する、396.9 mAh/g である。
【0038】
実施例10-12において確認できるように、粉砕段階前に精製段階を実施することは、極めて不利な物理化学的特性を持つグラファイトの生成をもたらす。
実施例13
実施例1の手順に従って、グラファイトの初期粒度を、粉砕工程によって、375μmから10μmに減じる。次に、このグラファイトを、高温(2800℃)にて2時間の熱処理に付す。EDXによるこのグラファイトの不純物分析は、不純物が存在しないことを示す。
初期サイクルのクーロン収率は、87%である。その不可逆的な容量は、54.7 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6において、x=0.93に相当する、346 mAh/g である。
【0039】
実施例14
本例においては、中国産の天然グラファイトを使用し、これはストラトミングラファイト産のグラファイトのSi含有率よりも高い、Si含有率をもち、従ってCaの含有率は、後者よりも低い。
このグラファイトの浸出および電気化学的な調製は、実施例2において記載したものと同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、88%である。その可逆的容量は、式LixC6において、x=0.94に相当する、350 mAh/g である。
【0040】
本例の結果により、シリコン(珪素)を含む不純物が、CaおよびMgを含む不純物に対して、比較的低い濃度にある、天然のグラファイトは、本発明の好ましい実施態様において有利である。
この精製法は、面間距離Lc (図3)の調節を可能とする。リチウム-イオン電池の分野では、このパラメータの調節は、溶媒と該不動態化膜の安定化剤との、同時挿入を最小化することを可能とする。
この精製段階において、まず該粒子の粉砕を行い、かつ次いで第二段階としてその精製を行うことは、酸素との結合を伴う、粉砕後に現れるあらゆる新たな稜を、清浄化することを可能とし、これによって生成物中の酸素含有率を減じることができる。この工程は、一度に、グラファイトの酸化を排除し、かつ不可逆的な容量をLiO2の形成によって低下する。
【0041】
実施例15
初期粒度323μmをもつブラジル産の天然グラファイト(表1)を、該粒子が粒度20μmを達成するまで、「エアー-ミリング」工程によって粉砕する。この生成物を、実施例5に記載したものと同一の方法によって、濃度30%の混合物:硫酸-HN4Fを用いて処理する。
このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、このものが純度99.99%であることを示す。その比表面積は、4.285 m2/g である。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、91.0%である。その不可逆的な容量は、37 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=0.95に相当する、353 mAh/g である。
【0042】
実施例16
初期粒度323μmをもつラックナイフ(Lac Knife) (ケベック州、カナダ)産の天然グラファイト(表2)を、該粒子が粒度20μmを達成するまで、「エアー-ミリング」工程によって粉砕し、結果として酸素含有率を1.9%とする。この生成物を、実施例5に記載したものと同一の方法によって、濃度30%の混合物:硫酸-HN4Fを用いて処理する。浸出後に、その酸素含有率は、0.18%まで低下する。本発明によるこの方法が、酸素含有率を大幅に減じることは明らかである。
このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、このものが純度99.24%であることを示す。その比表面積は、2.696 m2/g である。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、91%である。このグラファイトの不可逆的な容量は、36 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=0.95に相当する、353 mAh/g である。
【0043】
実施例17
本例で使用する天然グラファイトは、実施例15で使用したものと同一である。
これを、実施例5に記載したものと同一の方法で処理するが、硫酸をHClで置き換えた。
このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、このものが純度99.99%であることを示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、89.4%である。このグラファイトの不可逆的な容量は、43 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=0.986に相当する、367 mAh/g である。
【0044】
実施例18
本例で使用する天然グラファイトは、実施例15で使用したものと同一であり、平均粒径10μmを持つ。このグラファイトを、150 mlのHCl (30%)および1.0 g のCaF2を含む、水性混合物の浴内で浸出する。この混合物を90℃に加熱し、20 g の該グラファイトをこの混合物に添加する。該グラファイトを、この反応器内で180分間浸出する。次いで、得られる固体を濾別し、多量の水で洗浄し、120℃にて24時間乾燥する。
このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、このものが純度99.84%であることを示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、85%である。このグラファイトの不可逆的な容量は、64 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=0.98に相当する、366 mAh/g である。
【0045】
実施例19
本例で使用する天然グラファイトは、実施例18で使用したものと同一である。
この天然グラファイトを、実施例18に記載したものと同一の方法で処理したが、HClを硫酸(30%)で、およびCaF2を1.5 g のLiFで置換した。
このグラファイトに関する残留不純物の灰分分析は、このものが純度99.99%であることを示す。電極の製造およびその電気化学的テストは、実施例1に記載の手順と同一である。
初期サイクルのクーロン収率は、82%である。このグラファイトの不可逆的な容量は、77.5 mAh/g である。その可逆的容量は、式LixC6に従えば、x=0.98に相当する、365 mAh/g である。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】


表2 (続き)

【0048】
以上、本発明を、特定の実施態様に基づいて説明してきたが、多くの変更並びに改良を、上記実施態様と関連付けることができる。また、本特許出願は、一般に本発明の原理に従う、本発明のこのような改良、利用または適用を包含するものであり、また本発明が含まれる分野において公知の、かつ上記特許請求の範囲と一致する、上記必須事項を適用できる、本出願のあらゆる変更を含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の連続する工程の少なくとも一つによって特徴付けられる、グラファイト粒子の製造方法:
a) 最初に、約1〜50μmなる範囲の粒度が達成されるまで、グラファイトの粉砕を行い、
b) 次いで、上記工程a)で得た粒子を、浸食サイト等の不純物を、実質的に排除するまで、精製する。
【請求項2】
該粒子を、化学的手段、熱的手段またはその組み合わせによって精製する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該粒子を、機械的手段によって精製する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
該グラファイトの結晶学的パラメータLcおよびLaを調節する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該グラファイトが、ストラトミングラファイトである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
該グラファイトが、中国型のものである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
該グラファイトが、ラックナイフ型のものである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
該グラファイトが、ブラジル型のものである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
該工程a)およびb)が、以下の付随的な特徴をもつグラファイト粒子を与えるのに適した条件下で行われる、請求項1記載の方法:
- 3.35〜3.38Åなる範囲で変動する、X-線により測定した、層間距離d002、
- 0.4〜55 m2/g なる範囲内で変動する比表面積、および
- 98.5〜99.99%なる範囲内で変動する精製度。
【請求項10】
該精製を、酸性または塩基性媒体中で、化学的手段によって行う、請求項2記載の方法。
【請求項11】
該酸性媒体が、HF、H2SO4、HNO3、HClまたはこれらの混合物を含み、また該塩基性媒体が、フッ素化誘導体を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
該酸性媒体が、HFまたは該媒体中でHFを発生するフッ素化誘導体を含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
該フッ素化誘導体が、NH4F、NH5F2、XFを含み、ここでXはアルカリ金属、アルカリ土類金属またはその混合物である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
該酸性媒体が、H2SO4またはHCl並びにフッ素化誘導体および更に該グラファイトの層間に挿入することによって、該グラファイトの剥離を可能とするのに十分なHNO3を含む、請求項11記載の方法。
【請求項15】
該精製を、1000〜3100℃なる範囲内にある温度にて、炉内で熱的手段によって行う、請求項2記載の方法。
【請求項16】
該機械的精製を、該粒子が、1〜50μmなる粒度を達成するまで粉砕し、その後浮遊選鉱により不純物を分離することにより行う、請求項3記載の方法。
【請求項17】
該精製を、HFを含む2種の酸を発生する、少なくとも2種の塩の存在下で、酸により行う、請求項10記載の方法。
【請求項18】
該グラファイト粒子が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む、充電可能な電池用の炭素アノードとして状態調節される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
該金属がリチウムである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
該グラファイト粒子と結合剤および溶媒との混合物からアノードを調製し、かつこの得られた混合物を、金属集電体上に流し込み成型する、請求項18記載の方法。
【請求項21】
該精製を、表面のみの該浸食サイトおよび該不純物を除去するように行う、請求項1記載の方法。
【請求項22】
約1〜50μmなる範囲のサイズを持ち、その不純物および浸食サイトが除去されていることを特徴とする、未精製天然グラファイト粒子。
【請求項23】
請求項22記載のグラファイト粒子を主成分とすることを特徴とする、炭素製のアノード。
【請求項24】
該粉砕されかつ精製された天然グラファイト粒子が、以下の付随的な特徴をもつ、請求項23記載のアノード:
- 3.35〜3.38Åなる範囲で変動する、X-線により測定した、層間距離d002、
- 0.4〜55 m2/g なる範囲内で変動する比表面積、および
- 98.5〜99.99%なる範囲内で変動する精製度。
【請求項25】
請求項23記載のアノードを含むことを特徴とする、電気化学的電池。
【請求項26】
リチウム-イオン型の電池である、請求項25記載の電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−91598(P2013−91598A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−269514(P2012−269514)
【出願日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【分割の表示】特願2001−561683(P2001−561683)の分割
【原出願日】平成13年2月23日(2001.2.23)
【出願人】(591117930)
【Fターム(参考)】