説明

天然保存剤ブレンド

天然保存剤として使用するための組成物を提供する。この組成物は、1.0〜20%w/wの1種類以上のサリチレート含有天然物質;0.1〜20%w/wの1種以上のスイカズラ属(lonicera);0.1〜80%w/wの1種以上のリューコノストック属(leuiconostoc);及び0.1〜10%w/wのグルコン酸の組み合わせを含む。この組成物は抗微生物特性をもち、液状である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然保存剤として使用するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品、医薬、食品などに使用するための従来の保存剤は、それらの安全性及び環境への影響に対する規制圧及び大衆の関心が高まりつつある。たとえば、多くの保存剤が合成化合物から調製され、それらの安全性の監視が高まっているので、多くの場合、より天然に近い保存剤代替品が好まれるようになってきた。多くの化粧品及び医薬品の貯蔵寿命は重大であるので、化粧品産業及び医薬産業など多くの産業において保存処理は重要である。さらに、現在用いられている多くの保存剤配合物は、その保存剤を使用した製品の感触、テキスチャー、色及び香りに影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
この概要は特定の概念を簡単な形で紹介するために提示され、それについては後記の発明を実施するための形態に詳述する。この概要は特許請求の範囲の鍵となる特徴又は本質的特徴を確認するためのものではなく、特許請求の範囲を定める際の補助として用いるためのものでもない。本発明の態様は天然保存剤ブレンドに関するものであり、その際ある配合物を化粧品、医薬品、その他の製品のための保存剤として使用する。
【0004】
1態様においては、天然保存剤として使用するための組成物を提供する。この組成物は、1.0〜20%w/wの1種類以上のサリチレート含有天然物質;0.1〜20%w/wの1種以上のスイカズラ属(lonicera);0.1〜80%w/wの1種以上のリューコノストック属(leuiconostoc);及び0.1〜10%w/wのグルコン酸を含む。
【0005】
他の態様においては、天然保存剤として使用するための組成物を提供する。この組成物は、アメリカヤマナラシ(populus tremuloides)樹皮エキス、スイカズラ(lonicera japonica)、リューコノストック属(Leuconostoc)濾液、及びグルコノ−デルタ−ラクトンの組み合わせを含む。
【0006】
さらに他の態様においては、天然保存剤ブレンドを皮膚の表面に局所適用するための方法を提供する。1種類以上のサリチレート含有天然物質、1種以上のスイカズラ属(lonicera)、1種以上のリューコノストック属(leuiconostoc)、及びグルコン酸を含む天然保存剤ブレンドを調製する。天然保存剤ブレンドの成分は抗微生物活性を示すのに十分な量で供給される。この天然保存剤ブレンドを皮膚の表面と接触させる。天然保存剤ブレンドが抗微生物活性を示すように天然保存剤ブレンドを皮膚の表面に適用する。
【0007】
本発明の他の観点、ならびにそれに付随する利点及び新規特徴は、一部は以下の記述中に述べてあり、一部は以下を調べることにより当業者に明らかになり、又は本発明の実施から分かるであろう。本発明の目的及び利点は、特に特許請求の範囲に示す手段、手法及び組み合わせにより実現及び達成できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の態様は、1種類以上のサリチレート含有天然物質、1種以上のスイカズラ属、及びグルコン酸を含有する天然保存剤組成物又は配合物に関する。本発明組成物は、化粧品及び医薬を含めた種々の製品のための保存剤として使用できる。この組成物は安全かつ有効である一方、種々の局所配合物の抗微生物保護をもたらす天然成分からなる。
【0009】
本明細書に記載する天然保存剤ブレンドは、合成保存剤に対する天然代替品として使用できるが、1態様においては皮膚問題又は特定の頭皮状態に対処する局所抗微生物剤としても使用できる。本発明組成物は、保存処理する必要があると思われる多様な製品に容易に取り込ませることができる。たとえば、本発明組成物は1態様において液体であり、多くの有機溶剤、界面活性剤及び乳化剤と混和性である。本発明組成物は化学的に不活性であるので、大部分のタイプの化合物と適合性である。この組成物は不揮発性でもあり、したがって長期間の空気曝露後又は貯蔵中ですら製品から保存剤活性が失われることはない。1態様において、配合物はパラベンを含まない。他の態様において、配合物はホルムアルデヒドを含有せず、ホルムアルデヒド供与体でもない。他の態様において、配合物はヨウ素を含有せず、ヨウ素供与体でもない。
【0010】
用語“天然”の公的に規定された定義はないが、化粧品成分に関して、Ecocert、BDIH(The Federation of German Industries and Trading)及びSoil Associationは共に、この用語が石油化学由来成分、シリコーン、エトキシル化原料、及び有機ハロゲン化合物の使用禁止を意味することに同意している。
【0011】
さらに、本明細書に述べる化合物の組み合わせは、各成分を通常の用量より少量で使用することができ、したがってそれらの化合物の何らかの潜在的作用が制限される。各成分は少量で使用できるが、前記成分の組み合わせによって強力かつ有効な配合物を得ることができ、これはタンパク質、ガム、及びイオン溶液などの材料の存在下でその抗微生物活性を維持し、かつ酸性、中性、さらにはアルカリ性のpH条件でその抗微生物活性を維持する。
【0012】
多数の保存剤ブレンドは臭気をもつことが知られており、またその保存剤ブレンドを取り込ませた製品の色を変化させる可能性があるが、本明細書に記載する組成物は最終製品の色又は香りを何ら変化させない。本発明の配合物は、1態様において、廃水中にみられるような著しく希釈された状態では完全に生分解性であり、したがって環境汚染の危険性をもたらさない。
【0013】
本明細書に記載する保存剤組成物を調製する際に有効成分(単数又は複数)を添加できることは認識されるであろう。あるいは、組成物を調製して他の場所、たとえば薬局、製薬企業又は化粧品企業へ輸送するものとして、本発明組成物を調製することができる。本発明組成物は溶液であって取り込ませるのが容易であるので、保存に必要な量で組成物を医薬品、投薬、又は化粧品に添加することができる。
【0014】
好ましい態様に使用するサリチレート含有天然物質は、アスペン(Aspen)の木の樹皮であるアメリカヤマナラシ(populus tremuloides)樹皮のエキスである。商品名はPhytoCide Aspen Bark Extract Powderである。この樹皮はサリチレートに富み、これは侵入する寄生生物からの植物の天然防御物質として機能することができる。この樹皮エキスは多様な形態で使用できるが、最も好ましくは粉末状で使用される。サリチレートは、本明細書に記載する保存剤配合物中に使用する前にアスペン樹皮から単離される。好ましくは、サリチレート含有物質は本発明組成物中に組成物の約1〜20%存在する。特に、好ましい態様の組成物は約0.1〜5%w/wのアスペン樹皮エキス粉末を含有する。
【0015】
好ましい態様においてはアメリカヤマナラシ樹皮エキスが用いられるが、サリチレートを含有する他の天然物質も天然保存剤ブレンド中に使用できる。たとえば、アスペンの木以外の木の樹皮もサリチレートを含有し、同様に使用できる。他の物質には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:セイヨウナツユキソウ(Spiraea ulmaria L.)、ヤナギ(Willow)樹皮、ウンナンシラタマノキ(雲南白珠樹)(Gaultheria yunnanensis)、オオアザミ(マリアアザミ)(Milk Thistle (Sylibum Marianum))、レンタカンバ(Betula lenta (Sweet Birch))、セイヨウイラクサ(Nettle (urtica Dioica))、オウシュウシラカバ(Betula pendula (White birch))、メドウスイート(セイヨウナツユキソウ)(Filipendula ulmaria (Meadowsweet))、トウリョクジュ(冬緑樹)(Gaultheria procumbens (Wintergreen))、ヒロハハコヤナギ(Populus balsamifera (Balsam Poplar))、クロポプラ(Populus nigra (Black Poplar))、ギレアドバルサムノキ(Populus candicans (Balm Of Gilead))、セイヨウシロヤナギ(Salix alba (White Willow))、及びガマズミ(Viburnum prunifolium (Black Haw))。
【0016】
アスペン樹皮エキス粉末は、一般にこれらのような配合物中に使用するのが難しく、それの溶解度が妨げになる可能性すらある。アスペン樹皮エキス粉末は多くの時間、水及び熱を必要とするので、それの可溶化が従来から試みられている。このため、それは本明細書に記載するような配合物中には一般に用いられない。しかし、アスペン樹皮エキス粉末を本明細書に記載する他の成分と組み合わせると、このエキス粉末の溶解度を高めることができる。特に、本明細書に記載する他の成分を1〜20%のアスペン樹皮エキス粉末と組み合わせると、粉末の溶解度を高めることができる。
【0017】
商業的にcampo plantservative WSrとして知られているスイカズラ属(Lonicera)の多数の種があるが、好ましい態様にはスイカズラ(Lonicera japonica)及びロニケラ・カプリフォリウム(Lonicera caprifolium)が用いられる。スイカズラ属はスイカズラ科(Caprifoliaceae)に属するハニーサックル(honeysuckle)である。スイカズラはJinyinhaとも呼ばれる。本発明に使用するのに好ましいスイカズラの形態は、植物から単離される液体である。保存剤配合物に対するスイカズラの寄与は、グラム陽性菌及びグラム陰性菌を死滅させることである。この成分は、液状の場合に保存剤として作用する。好ましくは、スイカズラ属は本発明組成物中に組成物の約1〜20%存在する。より詳細には、好ましい態様の組成物はスイカズラの花のエキス約0.05〜1%w/wを含有し、ロニケラ・カプリフォリウムの花のエキス及び水をも含有することができる。
【0018】
スイカズラの他の代替品、たとえば下記を含むスイカズラ属の他の種がある:acuminata、aberti、albiflora、alpigena(エゾヒョウタンボク)、altmannii、angustifolia、anisocalyx、arborea、arizonica、biflora、bournei、brevisepala、buchananii、buddleioides、caerulea(ケヨノミ)、calcarata、calvescens、canadensis、caprifolium、carnosifolis、chrysantha(ネムロブシダマ)、ciliosa、ciliosissima、cinerea、codonantha、confusa、conjugialis、crassifolia、cyanocarpa、dasystyla、dioica、elisae、etrusca、fargesii、ferdinandii、ferruginea、flava、fragilis、fragrantissima(ツシマヒョウタンボク)、fulvotomentosa、glutinosa、graebneri、gynochlamydea、hellenica、hemsleyana、heterophylla、hildebrandiana、hirsuta、hispida、hispidula、humilis、hypoglauca(キダチニンドウ)、hypoleuca、implexa、inconspicua、inodora、interrupta、involucrata、japonica(スイカズラ)、jilongensis、kansuensis、kawakamii、korolkowii、lanceolata、ligustrina、litangensis、longiflora、longituba、maackii(ハナヒョウタンボク)、macrantha、macranthoides、maximowiczii、microphylla、minuta、minutifolia、modesta、morrowii(ギンダンボク)、mucronata、myrtillus、nervosa、nigra、nitida、nubium、nummulariifolia、oblata、oblongifolia、oiwakensis、oreodoxa、orientalis、pampaninii、periclymenum(ニオイエンドウ)、pileata、pilosa、paeflorens(ハヤザキヒョウタンボク)、prostrata、pyrenaica、reticulata、retusa、rhytidophylla、rupicola、ruprechtiana、saccata、schneideriana、semenovii、sempervirens(ツキヌキニンドウ)、serreana、setifera、smilis、spinosa、splendida、standishii、stephanocarpa、subaequalis、subhispida、sublabiata、subspicata、szechuanica、taipeiensis、tangutica、tatarica、tatarinowii、tomentella、tragophylla、tricalysioides、trichogyne、trichosantha、trichosepala、tubuliflora、utahensis、villosa、virgultorum、webbiana、xylosteum、及びyunnanensis。
【0019】
天然保存剤ブレンドの他の成分は、リューコノストック・キムチイ(Leuconostoc kimchii)である。リューコノストック・キムチイは杆菌であり、一般に韓国の主要食品キムチ中にみられるリューコノストッカセエ科(Leuconostocaceae)に属するリューコノストック属の15種のひとつであり、商業的にMS Leucidal液として知られている。最も好ましい形態は、微生物リューコノストック属菌によるダイコン(Raphanus sativus)の根の発酵により得られる濾液である。リューコノストック属菌は、それの環境を酸性化することにより微生物の増殖を制限する。本発明に使用するのに最も好ましいリューコノストック属の種は、リューコノストック属の15種のひとつ、リューコノストック・キムチイである。好ましくは、この乳酸菌は本発明組成物中に組成物の約0.1〜80%w/w存在する。特に、好ましい態様の組成物は約10〜30%のリューコノストック属菌、たとえばリューコノストック・キムチイを含有する。
【0020】
別態様は、下記を含むリューコノストック属の他の種を使用できる:carnosum、citreum、durionis、fallax、ficulneum、fructosum、garlicum、gasicomitatus、gelidum、inhae、lactis、mesenteroides、pseudoficulneum及びpseudomesenteroides。さらに、リューコノストック属の代替品として、他の乳酸菌を使用でき、これには下記を含むリューコノストック属が含まれるが、これらに限定されない:carnosum、citreum、durionis、fallax、ficulneum、fructosum、garlicum、gasicomitatus、gelidum、inhae、lactis、mesenteroides、pseudoficulneum、及びpseudomesenteroides。
【0021】
天然保存剤ブレンドの第4成分は、グルコン酸である。最も好ましくは、トウモロコシ発酵の天然産物であるグルコノ−デルタ−ラクトンをグルコン酸として使用する。それは、蜂蜜、果汁、ワイン、及び他の発酵製品を含めた多数の食品の天然成分でもある。グルコノ−デルタ−ラクトンはグルコン酸の塩であり、水溶液中ではグルコン酸とラクトンが平衡状態にある。この天然の食物酸は、主にpH低下により微生物増殖の阻止を助ける。スキンケア配合物などの配合物に添加されると、グルコノ−デルタ−ラクトン分子上の多数のヒドロキシル基が水を吸引して、湿潤作用を生じる。普通の皮膚のpHは約5〜5.5であるので、皮膚に使用する配合物の好ましいpHは約4〜6であるが、皮膚のタイプ及び個々の配合物に応じてその範囲とは異なってもよい。好ましくは、グルコン酸は本発明組成物中に組成物の約0.05〜10%w/w存在する。特に、好ましい態様の組成物は約1〜5%のグルコノ−デルタ−ラクトンを含有する。
【0022】
グルコノ−デルタ−ラクトンのほか、代替品にはラクトビオン酸、乳酸、マンデル酸、クエン酸、グリコール酸、アゼライン酸、グリセリン酸、パントイン酸、リボン酸、グルコヘプト酸、グルカル酸、グルクロン酸が含まれる。
【0023】
各態様において、グリセリンをビヒクルなどの追加成分として使用できる。好ましくは、グリセリンは本発明組成物中に組成物の約1〜90%w/w存在する。特に、好ましい態様の組成物は約67%のグリセリンを含有する。あるいは、グリセリンの代わりに他の成分、たとえばプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、プロパンジオール、ジカプリル酸プロパンジオールを使用できる。アメリカヤマナラシ樹皮エキス、スイカズラ属、リューコノストック属、及びグルコン酸の組み合わせがアメリカヤマナラシ樹皮エキスの溶解度を高め、これによりそれを天然保存剤ブレンド配合物中に使用できること、ならびにこの天然保存剤ブレンド配合物が液状であることは、認識されるであろう。
【0024】
1態様において、配合物はほぼ下記のものを含有する:
4%w/wのアメリカヤマナラシ(populus tremuloides)樹皮エキス
4%w/wのロニケラ・カプリフォリウム(lonicera caprifolium)及びスイカズラ(lonicera japonica)
22%w/wのリューコノストック・キムチイ(leuconostoc kimchii)
2.5%w/wのグルコン酸
67.5%w/wのグリセリン
【実施例】
【0025】
実施例1
この実施例においては、ほぼ4%w/wのアメリカヤマナラシ樹皮エキス、4%w/wのロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ、22%w/wのリューコノストック・キムチイ、2.5%w/wのグルコン酸、ならびに67.5%w/wのグリセリンを組み合わせることにより、天然保存剤ブレンド用の組成物を調製した。この組み合わせを50℃に加熱し、ホモジナイズして、透明な溶液を調製した。
【0026】
実施例2
第2の実施例においては、ほぼ4%w/wのアメリカヤマナラシ樹皮エキス、4%w/wのロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ、22%w/wのリューコノストック・キムチイ、2.5%w/wのグルコン酸、ならびに67.5%w/wのグリセリンを組み合わせることにより、天然保存剤ブレンド用の組成物を調製した。この組み合わせを混合して、透明な溶液を調製した。
【0027】
下記の表1は、アメリカヤマナラシ樹皮エキス、ロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ、リューコノストック・キムチイ、グルコン酸、ならびにグリセリンを含有する前記の天然保存剤ブレンド配合物を約2%使用して実施した保存剤攻撃試験を示す。下記の処方を試験した:
11%w/wの乳化用ろうNF
5%w/wのシクロメチコン(cyclomethicone)
0.4%w/wのビタミンEアセテート液
5%w/wのステアリン酸オクチル
0.1%w/wのEDTA二ナトリウム
2%w/wの天然保存剤ブレンド配合物
100%w/wとなる適量の水
【0028】
【表1】

【0029】
E. coli:大腸菌、S. aureus:黄色ブドウ球菌、P. aeruginosa:緑膿菌、C. albicans:カンジダ・アルビカンス、A. niger:クロカビ
この天然保存剤ブレンド配合物は広域の抗微生物活性スペクトル、たとえばグラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母及び糸状菌に対する迅速な微生物活性を示す。上記の表1に示す攻撃試験は、非イオン性クリーム基剤中の2%天然保存剤ブレンド配合物が微生物の増殖を効果的に阻害しうることを明らかにした。28日間のインキュベーション後、試料に黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、カンジダ・アルビカンス、及びクロカビを接種した。
【0030】
下記の表2は、クリーム剤における28日間の抗微生物有効性試験(Antimicrobial Effectiveness Test(AET))後の総log微生物減少を示す。2%天然保存剤ブレンド配合物+を試験に用いた。この組成物は、アメリカヤマナラシ樹皮エキス、ロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ、リューコノストック・キムチイ、グルコン酸、ならびにグリセリンを含有していた。天然保存剤ブレンド配合物を他の成分と共に含有する下記の処方を試験した:
11%w/wの乳化用ろうNF
5%w/wのシクロメチコン
0.4%w/wのビタミンEアセテート液
5%w/wのステアリン酸オクチル
0.1%w/wのEDTA二ナトリウム
2%w/wの保存剤溶液
100%w/wとなる適量の水
【0031】
【表2】

【0032】
E. coli:大腸菌、S. aureus:黄色ブドウ球菌、P. aeruginosa:緑膿菌、C. albicans:カンジダ・アルビカンス、A. niger:クロカビ
下記の表3は、8種類の異なる微生物に対する天然保存剤ブレンド配合物の最小発育阻止濃度(MIC)を示す。アメリカヤマナラシ樹皮エキス、ロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ、リューコノストック・キムチイ、グルコン酸、ならびにグリセリン、ならびに水(天然保存剤ブレンド配合物ml/水ml)を含有する天然保存剤ブレンドの種々の希釈液を用いて、以下の試験を実施した。下記の処方を試験した:
4%w/wのアメリカヤマナラシ樹皮エキス
4%w/wのロニケラ・カプリフォリウム及びスイカズラ
22%w/wのリューコノストック・キムチイ
2.5%w/wのグルコン酸
67.5%w/wのグリセリン
【0033】
【表3】

【0034】
Staphylococcus aurcus:黄色ブドウ球菌、propionibacterium acnes:瘡プロピオニバクテリウム、Pseudomonas aecraginosa:緑膿菌、Exerichia coli:大腸菌、Salmonella ryphi:腸チフス菌、Staphylococcus epidermidis:表皮ブドウ球菌、Aspergillus niger:クロカビ
Growth:増殖 No Growth:増殖せず
本発明を特定の態様に関連して記載した;これらは限定ではなく、あらゆる点において説明のためのものである。本発明の範囲から逸脱することなく本発明について多数の可能な態様を実施できるので、本明細書に述べたすべての事項は限定ではなく説明の意味と解釈されると理解すべきである。本発明が関係する分野の当業者には、本発明の範囲から逸脱することのない別態様が明らかになるであろう。
【0035】
以上から、本発明が前記のすべての目標及び目的の達成に十分に適合するものであることは認められるであろう。他の特徴及び補助的組み合わせを参照することなく特定の特徴及び補助的組み合わせが有用でありかつ利用できることは理解されるであろう。これは本発明の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然保存剤として使用するための組成物であって、1.0〜20%w/wの1種類以上のサリチレート含有天然物質;0.1〜20%w/wの1種以上のスイカズラ属(lonicera);0.1〜80%w/wの1種以上のリューコノストック属(leuiconostoc);及び0.1〜10%w/wのグルコン酸の組み合わせを含む組成物。
【請求項2】
さらに1.0〜90%w/wのグリセリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1種類以上のサリチレート含有天然物質がアメリカヤマナラシ(populus tremuloides)樹皮エキスを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
天然物質が10〜60%のサリチレートを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1種以上のスイカズラ属がスイカズラ(lonicera japonica)を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1種以上の乳酸菌が、ダイコン(Raphanus sativus)の根の発酵により得られるリューコノストック属(Leuconostoc)濾液を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
リューコノストック属(Leuconostoc)がリューコノストック・キムチイ(Leuconostoc kimchii)である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
グルコン酸がグルコノ−デルタ−ラクトンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
組成物が本質的に無臭である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が本質的に無色である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
さらに少なくとも1種類の有効成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が座瘡の処置に使用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
天然保存剤として使用するための組成物であって、アメリカヤマナラシ(populus tremuloides)樹皮エキス;スイカズラ(lonicera japonica);リューコノストック属(Leuconostoc)濾液;及びグルコノ−デルタ−ラクトンの組み合わせを含む組成物。
【請求項14】
組成物が本質的に無臭かつ無色である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
さらに少なくとも1種類の有効成分を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
組成物が化粧品の保存剤として使用される、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
組成物が医薬品の保存剤として使用される、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
天然保存剤ブレンドを皮膚の表面に局所適用するための方法であって、1種類以上のサリチレート含有天然物質、1種以上のスイカズラ属(lonicera)、1種以上のリューコノストック属(leuiconostoc)、及びグルコン酸を含む天然保存剤ブレンドを調製し、その際、天然保存剤ブレンドの成分は抗微生物活性を示すのに十分な量で供給され;この天然保存剤ブレンドを皮膚の表面と接触させ;そして天然保存剤ブレンドが抗微生物活性を示すように天然保存剤ブレンドを皮膚の表面に適用することを含む方法。
【請求項19】
天然保存剤ブレンドが液状である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
天然保存剤ブレンドが有機溶剤、界面活性剤及び乳化剤と混和性である、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2013−500263(P2013−500263A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521836(P2012−521836)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043079
【国際公開番号】WO2011/011703
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511069002)プロフェッショナル・コンパウンディング・センターズ・オブ・アメリカ,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】