説明

天然抽出物の組み合わせを含有する口腔用組成物および関連する方法

本明細書において、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物の混合物ならびにピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物以外の天然抽出物を含む抽出物の組み合わせ;ならびに口に許容できるキャリヤーを含む組成物、ならびにその同じものを調製する、および用いる方法を記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2009年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/266,700号に対して優先権を主張し、それを本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 歯磨組成物は口の健康を提供するために広く用いられている。練り歯磨き、マウスリンス(mouth rinses)、チューインガム、食用細片、粉末、泡状物質、および同様のものの形の歯磨剤が、使用者に多くの利益を提供する多種多様な有効物質と共に配合されてきた。これらの利益の中には、抗微生物、抗炎症、および抗酸化特性がある。歯磨剤のこれらの特性は、それらを多くの口の健康状態、例えば虫歯、歯肉炎、プラーク、歯石、歯周疾患、および同様のものを予防または処置するための有用な療法剤にする。
【0003】
[0003] 歯肉炎は、歯を支える歯肉および歯槽骨の炎症または感染症である。歯肉炎は一般に、口の中の細菌(特にプラーク形成において扇動される(instigated)細菌)およびその細菌から副産物として形成される毒素により引き起こされると信じられている。その毒素は口の内部で口の組織の炎症を扇動すると信じられている。歯周炎は歯肉炎と比較して進行的に悪化した疾患の状態であり、ここでその歯肉は炎症を起こし、歯から後退し始め、ポケットが形成され、それは最終的にその骨および歯周靭帯の破壊をもたらす可能性がある。歯列を支える構造の細菌感染症には歯肉炎および歯周炎が含まれ得るが、外科的介入の結果としての骨、例えば下顎骨の感染症も含まれてよい。さらに、口の組織の炎症は、手術、局所的な外傷、創傷、壊死、不適切な口腔衛生または様々な全身的な原因により引き起こされる可能性がある。
【0004】
[0004] 一般に、これらの疾患および病気に関係していることが示されている細胞性構成要素には上皮組織、歯肉線維芽細胞、および循環白血球が含まれ、その全てがその細菌により生成される病原性因子に対する宿主の応答に寄与していると信じられている。これらの口の感染症に関係していることが示されている最も一般的な細菌性病原体は、連鎖球菌属種(Streptococci spp.)(例えばS.ミュータンス)、ポルフィロモナス属種(Porphyromonas spp.)、アクチノバチルス属種(Actinobacillus spp.)、バクテロイデス属種(Bacteroides spp.)、およびブドウ球菌属種(Staphylococci spp.)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、ベイヨネラ・パルブラ(Veillonella parvula)、アクチノマイセス・ネスランディイ(Actinomyces naeslundii)、およびポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)である。その細菌感染症はしばしばこれらの口の疾患の多くにおける病因的事象であるが、その疾患の発病は宿主の応答により仲介される。循環性多形核好中球(PMN)は、感染症の部位において見出される活動亢進の主な原因である。典型的には、PMNおよび炎症の他の細胞性仲介因子は機能亢進状態になり、感染症の病巣の周囲の組織の破壊の部分的な原因である毒性化学物質を放出する。
【0005】
[0005] 従って、口の組織の細菌感染は宿主の免疫応答を刺激し、重大な組織の損傷を引き起こす炎症仲介因子を上方制御することにより治癒プロセスを減少させる。それらの炎症反応への作用に関して広く研究された仲介因子の1つのクラスはアラキドン酸代謝産物、すなわちプロスタグランジン類およびロイコトリエン類であり、それはシクロオキシゲナーゼまたはリポキシゲナーゼ酵素経路により生成される。これらの代謝産物は、歯肉炎、歯周炎、骨髄炎および他の炎症性疾患において主要な仲介因子として関係していることが示されてきた。
【0006】
[0006] 細菌感染の結果としての口の炎症を予防および処置するための、当技術で記述された様々な組成物が存在する。特に、アラキドン酸経路に由来する炎症仲介因子の蓄積を防ぐために、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)がアラキドン酸代謝産物により引き起こされる歯周疾患および炎症性疾患を患う患者を処置するために上手く用いられてきた。実験および臨床データは、インドメタシン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、およびメクロフェナム酸は、歯槽骨の喪失、ならびに歯の疾患のモデルにおけるプロスタグランジン類およびロイコトリエン類の低減に対して著しい改善作用を有することを示してきた。しかし、NSAIDの常用についての1つの主な不都合は、胸焼け、胃潰瘍、胃腸出血、および毒性の発現の可能性である。
【0007】
[0007] 他の処置の方法には、基礎をなす感染症を排除するための抗微生物療法および抗生物質の使用が含まれる。これらの処置は、刺激物質の源(細菌)を低減するように作用するが、その細菌により分泌される毒素への宿主の免疫応答に影響を及ぼすのが遅い。加えて、特定の抗生物質および他の抗微生物療法は、口腔粘膜の潰瘍形成、落屑性歯肉炎の誘導、脱色、長期使用後の抗生物質耐性の可能性、および刺激による組織の炎症の悪化を引き起こす可能性がある。
【0008】
[0008] 精油は歯磨組成物において主に香味料として用いられてきた。多くの精油は植物の油であるが、植物の油の組成はその植物の抽出物とは非常に大きく異なる。
[0009] 例えば、ザクロ(pomegranate)油は、主に香味料として歯科用配合物中で用いることを提案されてきた。米国特許第7,087,219号(およびそれと同様の他のもの)は、歯磨組成物中でのザクロ油ならびに他の草の抽出物および油の香味料としての使用を開示している。米国特許第6,953,580号は、ピューニカ・グラナツム(Punica granatum)の抽出物を抗ウイルス活性および末梢血流向上活性を有するものとして開示している。
【0009】
[0010] 米国特許出願公開第2009/0087501号は、植物性有効成分の組み合わせを含有する口腔用組成物を開示している。その有用な抽出物の中で、この刊行物はピューニカ・グラナツムを有益な抽出物として開示している。ザクロの抽出物は歯のプラークの処置において有用であることも報告されている。Menezes, et al.,“ピューニカ・グラナツム(ザクロ)抽出物は歯のプラークに対して有効である” J. of Herb. Pharm., 6(2), pp. 79-92 (Nov. 2006)。
【0010】
[0011] ザクロの果実の食用に適する部分(全果実重量の50%)は、80%の果汁および20%の種子を含む。果汁は85%の水分、10%の全糖類、1.5%のペクチン、アスコルビン酸およびポリフェノールフラボノイド類を含有する。ザクロの種子は、脂質、タンパク質、粗繊維、ペクチンおよび糖類の豊富な源である。乾燥させたザクロの種子は、ステロイド性エストロゲンであるエストロン、イソフラボン性植物エストロゲンであるゲニステイン(genistein)およびダイゼイン(daidzein)、ならびに植物エストロゲン性クメストロール(coumestrol)を含有する。ザクロの果汁中にはフルクトースおよびグルコースが類似の量で存在し、カルシウムはそれの灰分の50%であり、主なアミノ酸はグルタミン酸およびアスパラギン酸である。ザクロの果汁中の可溶性ポリフェノール類の含有量は、品種によって0.2%〜1.0%の範囲内で異なり、それには主にアントシアニン類(例えばシアニジン-3-グリコシド、シアニジン-3,3-ジグリコシドおよびデルフィニジン-3-グルコシド(delphindin-3-glucosid))、カテキン類、エラグ酸タンニン類(ellagic tannins)、ならびに没食子酸およびエラグ酸が含まれる。
【0011】
[0012] ミリスチカ・フラグランス(Myristica fragrans)(ナツメグ)は、インドの古来のアーユルヴェーダ(Ayurveda)において頭痛の治療薬および胃腸薬として知られており、伝統的な漢方薬において消化不良、腹痛、下痢および嘔吐に関して用いられてきた。ミリスチカ・フラグランスは、報告によれば、果実ペーストとして用いられ、歯に適用されてきた。米国特許第6,264,926号および第7,083,779号参照。ミリスチカ・フラグランスの抽出物は、大腸菌、サルモネラ菌、および典型的には口の中では見られず、プラークまたは歯肉炎を引き起こすのに関与していることが全く知られていない他の細菌に対する抗微生物活性が報告されている。Indu, M.N., et al.,“インド南部の香辛料のいくつかの、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria Monocytogenes)およびアエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas Hydrophila)の複数の血清型に対する抗微生物活性”Braz. J. Microbiology, 37: pp 153-158 (2006)。米国特許第5,124,156号は、歯槽膿漏を予防するための、卵白のリゾチームおよびメースの抽出物を含有するチューインガムを開示している。米国特許第4,195,101号および第4,263,326号は、メースの抽出物から得られた抗微生物化合物を開示している。
【0012】
[0013] ナツメグ(ミリスチカ・フラグランス)のクロロホルム抽出物は、げっ歯類において抗炎症、鎮痛および抗トロンビン(antithrombic)活性に関して評価されてきた(Phytotherapy Res. 13(4), 344-45, 1999)。Olajide O Aらは、白色ウサギにおける高脂血症に関するナツメグの作用を報告した。ミリスチカ・フラグランスの抽出物は血小板抗凝集活性を示すことも報告された。(Ram, A. et al., J. of Ethnopharmacology, 55(1), 49-53, 1996; Janssens, J. et al., J. of Ethnopharmacol, 29(2), 179-88, 1990)。M.フラグランス(ナツメグ)の50%エタノール抽出物は、Tajuddinらによりオスのマウスにおいて性欲促進活性に関して研究された(BMC complement Altern Med. 3(1), 6, 2003)。Sherry, C. J.らは、若いニワトリにおけるナツメグの全体の油によるエタノールに誘導される睡眠の増進、ならびにナツメグのリグロイン抽出物が若いニワトリにおいて浅い睡眠および深い睡眠の期間の有意な増大を引き起こしたことを報告した(Experentia, 37(4), 492-3, 1978; J. Ethnopharmacology, 6(1), 61-66, 1982)。Messiha, F. S.らは行動実行試験によるナツメグのCNS抑制作用を報告し、一方でTruittらはナツメグによるモノオキシダーゼ(monooxidase)阻害の証拠を報告した(Vet Hum Toxicol, 26(2), 17-20, 1984; Proc. Soc. Exp. Bio. Med. 112, 647-50, 1963)。1994年に、Van Gil, S. C.らは、ナツメグが幻覚誘発または他の向精神特性を有するという以前の発見を支持する実験的証拠はなく、むしろそれは穏やかな鎮静作用を示すことを報告した(J. Ethnopharmacology, 42(2), 117-24, 1994)。最近、Grover, J. K.らは、ナツメグの粗製の懸濁液(NMC)および石油エーテル抽出物(PE)は優れた止痢作用および鎮静特性を有することを報告した(Methods Find Exp Clin Pharmacol, 24(10), 675-80, 2002)。Sonavaneらは、ナツメグのヘキサンおよびアセトン不溶性抽出物は明確な不安惹起活性を示さないことを報告した(Pharmacol Biochem Behav, 71 (1-2), 239-44, 2002)。
【0013】
[0014] Copneyらへの米国特許第4,752,476号は、睡眠を誘導するために個人により煮沸後に摂取されるための、小さじ2杯のナツメグ、ローズ水、月桂樹の葉およびスペアミントを含む組成物を記述している。Warrenらへの米国特許第4,671,959号は、ストレス条件に晒されている人におけるストレスへの生理的および/または主観的反応性を低減する方法を教示している。その方法は、ナツメグ油、メースの抽出物、ネロリ(Neroli)油、吉草油、ミリスチシン、イソエレミシン(Isoelemicin)およびエレミシン(Elemicin)の組成物を、吸入または経皮のどちらかにより、上記の成分の1種類以上を単独で、または適切な組成物、例えばエタノールおよび/または香料組成物、コロンもしくは香料を付けた物品(例えばエアフレッシュナーまたはデオドラントスティック)中で用いて投与することを含む。
【0014】
[0015] ジンギベル・オフィキナレ(zingiber officinale)(ショウガ)は古代以来医学的に用いられており、広い範囲の病気に有用であると主張される広い範囲の特性を有する。ジンギベル・オフィキナレは、抗炎症、鎮痛、解熱、抗微生物および血糖低下活性に関して研究されてきた。Mascolo, N., et al., “ショウガ(ジンギベル・オフィキナレ)の民族薬理学的研究, J. Ethnopharmacol., 27, pp. 129-140 (Nov. 1989)。ジンギベル・オフィキナレは、4種類の気道の病原体(黄色ブドウ球菌(Staphylococcu aureus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、およびインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae))に対して抗細菌効能を示すことが報告されている。Akoachere, J.F., et al.,“ジンギベル・オフィキナレおよびガルシニア・コラ(Garcinia kola)の、気道の病原体に対する抗細菌作用” East Afr. Med. J., 79, pp 588-592 (Nov. 2002)。ショウガの特定の構成要素、特にギンゲロール(gingerol)は、口の細菌に対する抗微生物活性を有することが報告されている。Park, et al.,“ショウガの根茎から単離された(10)-ギンゲロールおよび(12)-ギンゲロールの、歯周細菌に対する抗細菌活性” J. Phytother. Res., 22(11), pp. 1446-1449, (Nov. 2008)。ショウガの一部の抽出物は抗真菌活性を有することが報告されている。Atai, et al.,“ショウガ抽出物のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対する阻害作用” Am. J. App. Sciences, 6(6), pp. 1067-1069 (2009)。
【0015】
[0016] 米国特許第6,264,926号および第7,083,779号は、ジンギベル・オフィキナレを含有する一部の歯磨き粉はあまり有効ではなく、歯肉および歯に対して有害であり、ならびに毒性であり得ることを開示している。米国特許第4,423,030号は、歯用クリームまたはマウスウォッシュ中の精油香味料と同じくらい有用なショウガ(ジンギベル・オフィキナレ)の乾燥させた根茎からの溶媒抽出により調製された高熱り(high sensation)含油樹脂を開示している。
【0016】
[0017] 米国特許出願公開第2009/0131364号は、酸化ストレスに誘導される疾患、例えば潰瘍の処置において有用であるジンギベル・オフィキナレの生理活性抽出物を開示している。米国特許出願公開第2007/011652号は植物抽出物を含有する赤色歯磨き粉を開示しており、それにはジンギベル・オフィキナレの抽出物が含まれていてよい。他の文書は、ジンギベル・オフィキナレの様々な抽出物の抗真菌、抗炎症、または他の健康に有益な作用を開示している。例えば、米国特許第6,946,153号および第6,274,177号、ならびに米国特許出願公開第2009/0104293号参照。
【0017】
[0018] ブラジル北東部に固有の樹木であるジジフス・ジョアゼイロ(Zizyphus joazeiro)の樹木の樹皮からの抽出物は抗真菌活性を有することが報告されており、シャンプーおよび石鹸において用いられてきた。その樹皮の抽出物は、トリテルペンサポニン類、ベツリン酸(betulinic acid)、ウルソール酸(ursolic acid)およびアルフィトール酸類(alphitolic acids)が含まれる多くの化学物質を含有していることが報告されている。これらの化合物のいくつかは抗細菌活性を有することが報告されてきた。Schuhly, W., et al., “ジジフス・ジョアゼイロからの抗細菌活性を有する新規トリテルペノイド類” Planta-Med., 65(8): pp 740-743 (Dec. 1999); Schuhly, W., et al., “ジジフス・ジョアゼイロからの新規トリテルペンサポニン類” Helvetica Chim. Acta, 83(7): pp 1509-1516 (July, 2000); Taylor, L., THE HEALING POWER OF RAINFOREST HERBS, Raintree Nutrition, Inc.,ネバダ州カーソンシティ(2005); Watanabe, E., et al., “黄色ブドウ球菌に対する塩化セチルピリジニウムに基づくマウスウォッシュの最大阻害希釈の決定:インビトロでの研究” J. Appl. Oral Sci., 16(4), pp 275-279 (2008)。
【0018】
[0019] 米国特許第7,431,948号は、(例えばCOX−2の発現を阻害することによる)炎症の組織特異的活性化と関係する病的状態を処置または阻害するために用いることができる組成物を開示しており、ここでその組成物はホップ、ローズマリーに由来する抽出物、トリテルペン種(例えばウルソール酸、ベツリン酸等)を含有する。
【0019】
[0020] いくつかの異なる植物源からの抽出物の使用からの健康の利益がいくつか報告されているが、これらの使用は、これらの植物源の抽出物、またはこれらの抽出物の組み合わせが、おそらく香味増進剤としての使用以外に、他の天然抽出物との組み合わせで口腔ケアの利益を提供するであろうことを全く示唆していない。口腔に抗細菌、抗炎症、および抗酸化作用を提供する天然のサプリメントを提供する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第7,087,219号
【特許文献2】米国特許第6,953,580号
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0087501号
【特許文献4】米国特許第6,264,926号
【特許文献5】米国特許第7,083,779号
【特許文献6】米国特許第5,124,156号
【特許文献7】米国特許第4,195,101号
【特許文献8】米国特許第4,263,326号
【特許文献9】米国特許第4,752,476号
【特許文献10】米国特許第4,671,959号
【特許文献11】米国特許第4,423,030号
【特許文献12】米国特許出願公開第2009/0131364号
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/011652号
【特許文献14】米国特許第6,946,153号
【特許文献15】米国特許第6,274,177号
【特許文献16】米国特許出願公開第2009/0104293号
【特許文献17】米国特許第7,431,948号
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Menezes, et al.,“ピューニカ・グラナツム(ザクロ)抽出物は歯のプラークに対して有効である” J. of Herb. Pharm., 6(2), pp. 79-92 (Nov. 2006)
【非特許文献2】Indu, M.N., et al.,“インド南部の香辛料のいくつかの、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア・モノサイトゲネスおよびアエロモナス・ヒドロフィラの複数の血清型に対する抗微生物活性”Braz. J. Microbiology, 37: pp 153-158 (2006)
【非特許文献3】Phytotherapy Res. 13(4), 344-45, 1999
【非特許文献4】Ram, A. et al., J. of Ethnopharmacology, 55(1), 49-53, 1996
【非特許文献5】Janssens, J. et al., J. of Ethnopharmacol, 29(2), 179-88, 1990
【非特許文献6】BMC complement Altern Med. 3(1), 6, 2003
【非特許文献7】Experentia, 37(4), 492-3, 1978
【非特許文献8】J. Ethnopharmacology, 6(1), 61-66, 1982
【非特許文献9】Vet Hum Toxicol, 26(2), 17-20, 1984
【非特許文献10】Proc. Soc. Exp. Bio. Med. 112, 647-50, 1963
【非特許文献11】J. Ethnopharmacology, 42(2), 117-24, 1994
【非特許文献12】Methods Find Exp Clin Pharmacol, 24(10), 675-80, 2002
【非特許文献13】Pharmacol Biochem Behav, 71 (1-2), 239-44, 2002
【非特許文献14】Mascolo, N., et al., “ショウガ(ジンギベル・オフィキナレ)の民族薬理学的研究, J. Ethnopharmacol., 27, pp. 129-140 (Nov. 1989)
【非特許文献15】Akoachere, J.F., et al.,“ジンギベル・オフィキナレおよびガルシニア・コラの、気道の病原体に対する抗細菌作用” East Afr. Med. J., 79, pp 588-592 (Nov. 2002)
【非特許文献16】Park, et al.,“ショウガの根茎から単離された(10)-ギンゲロールおよび(12)-ギンゲロールの、歯周細菌に対する抗細菌活性” J. Phytother. Res., 22(11), pp. 1446-1449, (Nov. 2008)
【非特許文献17】Atai, et al.,“ショウガ抽出物のカンジダ・アルビカンスに対する阻害作用” Am. J. App. Sciences, 6(6), pp. 1067-1069 (2009)
【非特許文献18】Schuhly, W., et al., “ジジフス・ジョアゼイロからの抗細菌活性を有する新規トリテルペノイド類” Planta-Med., 65(8): pp 740-743 (Dec. 1999)
【非特許文献19】Schuhly, W., et al., “ジジフス・ジョアゼイロからの新規トリテルペンサポニン類” Helvetica Chim. Acta, 83(7): pp 1509-1516 (July, 2000)
【非特許文献20】Taylor, L., THE HEALING POWER OF RAINFOREST HERBS, Raintree Nutrition, Inc.,ネバダ州カーソンシティ(2005)
【非特許文献21】Watanabe, E., et al., “黄色ブドウ球菌に対する塩化セチルピリジニウムに基づくマウスウォッシュの最大阻害希釈の決定:インビトロでの研究” J. Appl. Oral Sci., 16(4), pp 275-279 (2008)
【発明の概要】
【0022】
[0021] ここで、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロから選択される少なくとも3種類の抽出物の組み合わせの様々な歯磨組成物への添加は、結果として歯肉炎、プラーク形成、および同様のものが含まれる様々な口の疾患を処置および予防するのに適した練り歯磨き、マウスリンス、ガム、口用細片(mouth strips)、ビーズ、および他の組成物をもたらすことを見出した。様々な態様において、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロから選択される少なくとも3種類の抽出物の構成要素、ならびにそれらの混合物は、天然抽出物と組み合わせられて増進された活性を提供する。
【0023】
[0022] ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロから選択される少なくとも3種類の抽出物の少なくとも構成要素、ならびにそれらの混合物を配合した歯磨剤は、口内乾燥症の処置において有効であるだけでなく、追加の抗細菌剤を必要とせずに抗微生物、抗炎症、および/または抗酸化特性を示すことが分かっている。
【0024】
[0023] 1態様の特徴に従って、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロから選択される少なくとも3種類の抽出物、およびそれらの混合物、ならびに口に許容できるキャリヤーを含む口腔用組成物を提供する。1態様の別の特徴において、口腔中の軟組織にピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロから選択される少なくとも3種類の抽出物、およびそれらの混合物、ならびに口に許容できるキャリヤーを含む組成物を投与することを含む、口腔中の軟組織を処置する方法を提供する。
【0025】
[0024] 本発明の適用可能性のさらなる領域は、以下で提供する詳細な記述から明らかになるであろう。その詳細な記述および具体的な実施例は、本発明の好ましい態様を示すものであるが、説明の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことは理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0025] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。加えて、その組成物および方法は、そこで記述された要素を含んでいてよく、本質的にそれで構成されていてよく、またはそれで構成されていてよい。
【0027】
[0026] 別途明記されない限り、本明細書において、および明細書中の他の箇所において示されている全ての百分率および量は、重量による百分率を指すものと理解されるべきである。与えられた量はその物質の有効重量に基づく。本明細書における具体的な値の列挙は、その値プラスまたはマイナス測定における誤差を説明するためのある程度の変動性を意味することを意図している。例えば、10%の量には、測定における誤差の程度を考慮すれば、9.5%または10.5%が含まれてよく、当業者はそれを認識および理解しているであろう。
【0028】
[0027] 本明細書で用いられる際、本明細書における“抗細菌活性”は、あらゆる一般に受け入れられているインビトロまたはインビボの抗細菌アッセイまたは試験により決定されるような活性を意味する。本明細書における“抗炎症活性”は、あらゆる一般に受け入れられているインビトロまたはインビボのアッセイまたは試験、例えばプロスタグランジン産生またはシクロオキシゲナーゼ活性の阻害に関するアッセイまたは試験により決定されるような活性を意味する。本明細書における“抗酸化活性”は、あらゆる一般に受け入れられているインビトロまたはインビボの抗酸化アッセイまたは試験により決定されるような活性を意味する。
【0029】
[0028] 本明細書における“口腔表面”は、舌、硬および軟口蓋、頬粘膜、歯肉の表面ならびに歯の表面が含まれる口の内部のあらゆる軟または硬表面を含む。本明細書における“歯の表面”は、天然の歯の表面または歯冠、キャップ、充填物、ブリッジ、義歯、歯科インプラント、および同様のものが含まれる人工歯列の硬表面である。本明細書における、口の組織における病気、例えば炎症に関する用語“阻害する”は、その病気の予防、抑制、程度もしくは重篤さの低減、または改善を含む。
【0030】
[0029] 本明細書で用いられる表現“天然抽出物”は、天然源、例えば植物、果実、樹木、および同様のものから得られるあらゆる抽出物を意味する。天然抽出物の限定的でない例には、オレガノ(oregano)、マグノリア、ローズマリー、ツバキ(Camellia)、モリン(morin)、ガルシニア・マンゴスターナL(Garcinia mangostana L)、ジャバラ(Jabara)、アザディラクタ・インディカ(Azadirachta indica)、アカシア(Acacia)、ウーロン茶、ジュグランス・レジア(Juglans regia)、ザントクシルム・アラントゥム(Zanthoxylum alantum)、ミムソプス・エレンギ(Mimusops elengi)、トロロアオイモドキ(Hibiscus abelmoschus)、アーユルヴェーダ(Ayurvedic)、カラパ・プロセラ(Carapa procera)、セネガルマホガニー(Khaya senegalensis)、サルバドラ・ペルシカ(Salvadora persica)、ウリ科(Cucurbitaceae)(コロシント(Citrullus colocynthis))、および同様のものの抽出物が含まれる。多くのそのような抽出物が、米国特許第6,264,926号および第7,083,779号、ならびに米国特許出願公開第2009/0087501号および第2007/0116652号において開示されている。
【0031】
[0030] 本発明の口腔ケア組成物は、口腔表面への適用に適したあらゆる形をとることができる。様々な説明的な態様において、その組成物は洗浄、すすぎまたは噴霧に適した液体溶液;歯磨剤、例えば粉末、練り歯磨きまたは歯用ゲル;歯周用ゲル;歯の表面に塗布するのに適した液体(例えば液体白化剤);チューインガム;溶解可能な、部分的に溶解可能な、または溶解不能な薄膜または細片(例えば白化用細片);ビーズ(例えばゼラチン中に封入(encapsulated)された組成物);ウェファー;ワイプ(wipe)またはタオレット(towelette);インプラント;マウスリンス、泡状物質、デンタルフロス;等であることができる。その組成物は、上記で列挙した成分に加えて有効および/またはキャリヤー成分を含有することができる。
【0032】
[0031] 特定の態様において、その組成物は小さい飼い慣らされた動物、例えばネコまたはイヌの口腔表面への適用に適合されている。そのような組成物は典型的にはその動物が食べることができ、または噛むことができ、例えばキャットもしくはドッグフード、トリーツ(treat)、または玩具の形をとることができる。
【0033】
[0032] 本明細書における成分の有効薬剤またはキャリヤー成分としての分類は明確さおよび便宜のためになされているのであって、個々の成分がその組成物中で本明細書におけるそれの分類に必ず従って機能するという推論を引き出すべきではない。さらに、個々の成分は複数の機能を果たすことができ、従って本明細書におけるある成分の1つの機能的クラスの例になるものとしての開示は、それが別の機能的クラスの例にもなることができる可能性を排除しない。
【0034】
[0033] 1態様において、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロ、およびそれらの混合物から選択される少なくとも3種類の抽出物、ならびに口に許容できるキャリヤーを含有する練り歯磨き組成物が提供される。別の態様において、その組成物は、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロからの抽出物以外の天然抽出物も含有する。
【0035】
[0034] ザクロ(ピューニカ・グラナツム)は、長い間健康に関する多くの利益を有する果実として認識されてきた。その植物は植物学的に独特であり、実際植物学的に近縁な樹木を1種類しか有さず、それはザクロの前駆(precursor)でありイエメン沖の孤立した(tile isolated)ソコトラ島に限定されているピューニカ・プロトプニカ(Punica protoPunica)である。生化学の点での平行特殊性(parallel distinctiveness)は、この植物学的独特さと一致している。例えば、ザクロは長い間女性ステロイドホルモンであるエストロンの最も豊富な植物源として認識されており、最近、男性ホルモンであるテストステロンおよび別の女性ステロイドであるエストリオールもザクロ種子油中で発見された。フラボノイド類、アントシアニン類およびタンニン類が含まれる広い範囲のポリフェノール(polyphienolic)化合物がザクロの果汁および果皮の両方において特性づけられてきた。さらに、その発酵させた果汁およびその油の両方から抽出されたこれらのポリフェノール類の濃縮物(concentrations)は、インビトロで強力に抗酸化性であること、さらにエイコサノイド酵素リポキシゲナーゼを阻害すること、そしてザクロ種子油から抽出されたポリフェノール類の場合、別のエイコサノイド経路酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)も著しく阻害することが示されている。
【0036】
[0035] ピューニカ・グラナツムから抽出することができ、好ましい態様の組成物において用いることができる化合物には、果実の果汁から、または種子もしくは果皮から得られる以下のものの1種類以上が含まれる。新鮮な果汁は85%の水分、10%の全糖類、1.5%のペクチン、アスコルビン酸およびポリフェノールフラボノイド類を含有する。ザクロの種子は、脂質、タンパク質、粗繊維、ペクチンおよび糖類の豊富な源である。乾燥させたザクロの種子は、ステロイド性エストロゲンであるエストロン、イソフラボン性植物エストロゲンであるゲニステインおよびダイゼイン、ならびに植物エストロゲン性クメストロールを含有する。ザクロの果汁中にはフルクトースおよびグルコースが類似の量で存在し、カルシウムはそれの灰分の50%であり、主なアミノ酸はグルタミン酸およびアスパラギン酸である。ザクロの果汁中の可溶性ポリフェノール類の含有量は、品種によって0.2%〜1.0%の範囲内で異なり、それには主にアントシアニン類(例えばシアニジン-3-グリコシド、シアニジン-3,3-ジグリコシドおよびデルフィニジン-3-グルコシド(delphindin-3-glucosid))、カテキン類、エラグ酸タンニン類、ならびに没食子酸およびエラグ酸、ならびに加水分解可能なタンニン類であるプニカラジン類(Punicalagins)が含まれる。
【0037】
[0036] ミリスチカ・フラグランスはインドおよび東南アジアからオーストラリア北部および太平洋諸島まで分布する樹木の属である。それは時々、香辛料として用いられるそれの仮種皮(メース)および種子(ナツメグ)のために栽培される。ナツメグおよびメースは調味料として、および医薬品において用いられる。ナツメグは刺激薬、駆風薬、収斂薬および性欲促進薬である。それは強壮薬および練薬において用いられ、赤痢、胃痛、鼓腸、悪心、嘔吐、マラリア、リウマチおよびらい病の早期に関して処方される製剤の成分を構成する(Burkill, 11, 1528-30; Kirt & Basu, III, 2141; B.P.C. 1959, 502; Nayar, J. BombayNat. Hist. Soc., 52, 515, 1954-55)。
【0038】
[0037] ミリスチカ・フラグランスの抽出物は、様々な既知の抽出法のいずれかで得ることができる。その抽出物は以下の化合物のあらゆる一種類以上を含有すると信じられており、それはそれ自体で、またはその抽出物中に見出される他の化合物との組み合わせで、その態様において用いることができる。ミリスチカ・フラグランスの抽出物には、カンフェン類(camphenes)、リモネン類(limonenes)、α-およびβ-ピネン類(pinenes)、ユージノール(eugenol)、メチルユージノール、イソユージノール、安息香酸ブチル、ミリスチン(myristin)、エレミシン(elemicin)、α-テルピネオール(terpineol)、β-フェランドレン(phellandrene)、ミリスチン酸、ドデカン酸ブチル、α-カリオフィレン(caryophyllene)アルコール、ゲラニルアセトン(geranylacetone)、ならびにそれらの混合物が含まれる可能性がある。
【0039】
[0038] ジンギベル・オフィキナレはショウガ科(Zingeberaceae)に属し、世界の様々な地域、特にインド、中国、メキシコ等において栽培されている。それはインドで栽培されている主な香辛料作物であり、生の香辛料および乾燥させた香辛料として市場に出されている。それは一年を通して全ての季節で成長する多年生の小さい草の植物である。インドのショウガはその香味、質感および味で有名である。香辛料である以上に、ショウガは味を作るもの(tastemaker)、薬物、食欲増進薬および香味料であると考えられている。ショウガ製品は、油、含油樹脂、塩水中の生のショウガ、漬物、キャンディー、シロップ等のような様々な形で入手可能である。ショウガの漂白された、および漂白されていない粉末の形も、市場で入手可能である。インドはショウガの生産および輸出における主要な地位を有する。世界市場において、インドのショウガは一般にコーチン(Cochin)ショウガおよびカリカット(Calicut)ショウガとして知られている。主な買い手は中東、米国、英国およびオランダである。ショウガは一般に腹部膨満、咳、嘔吐、下痢、リウマチ等に関して用いられる。
【0040】
[0039] ショウガは主にその根の部分または根茎のために栽培される。ショウガの最も近い(proximate)化学組成が研究されており、おおよそ1〜4%の揮発性油を含有することが示されており、それはショウガの医学的に有効な成分である(2009/0131364)。その揮発性油は、ビサボリン(bisaboline)、シネオール(cineol)、フェラドレン(phelladrene)、シトラール(citral)、ボルネアール(borneal)、シトロネラール(citronellal)、ゲラミアール(geramial)、リナロール(linalool)、リモネン、ジンギベロール(zingiberol)、ジンギベリン(zingiberine)、カンフェン(camphene)等からなると信じられている。ショウガ中に存在する含油樹脂は主にギンゲロールおよびショウガオール(shogaol)であるが、抽出物にはデヒドロギンゲルジオン(dehydrogingerdione)も含まれる。ショウガの溶媒抽出物中で検出されるフェノール類は主にギンゲロールおよびジンゲロン(zingerone)である。タンパク質分解酵素であるジンギベイン(zingibain)も、ショウガ中に他の構成要素、例えばビタミンB6、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウムおよびリノール酸等に加えて存在する。ショウガの刺激性および芳香は、主にそれぞれ含油樹脂、揮発性油のアルコール基を含有するギンゲロールによるものであることが確認されている。これはショウガをフリーラジカル捕捉剤にし、それの抗変異原性および抗炎症特性は文書で裏付けられている。
【0041】
[0040] ジンギベル・オフィキナレの抽出物は、様々な既知の抽出の方法のいずれかで得ることができる。その抽出物は、以下の化合物のいずれかの1種類以上を含有していると信じられており、それはそれ自体で、またはその抽出物中に見出される他の化合物との組み合わせで、その態様において用いることができる。ジンギベル・オフィキナレの抽出物には、ビサボリン(bisaboline)、シネオール、フェラドレン(phelladrene)、シトラール、ボルネアール、シトロネラール、ゲラミアール(geramial)、リナロール、リモネン、ジンギベロール、ジンギベリン(zingiberine)、カンフェン、ギンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、ジンギベイン、ビタミンB6、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、リノール酸、ペクチン多糖類(ラムモース(rhammose)、アラビノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、グルコースおよび同様のもの)、没食子酸、タンニン酸、ゲンチジン酸、プロトカテク酸(protocatechuic acid)、バニリン酸、コーヒー酸(caffeic acid)、シリンガ酸(syringic acid)、桂皮酸(cinnamic acid)、およびそれらの混合物が含まれる可能性がある。
【0042】
[0041] ジュアゼイロ(Juazeiro)としても知られるジジフス・ジョアゼイロは、ブラジルの北東部におけるカーティンガ(caatingas)と呼ばれる乾燥した低木地帯の地域に固有の低木性樹木である。その樹木はアルゼンチン、ボリビアおよびパラグアイのカーティンガにも自生している。南米では、その属はナツメ属(Zizyphus)と呼ばれ;北米ではそれはナツメ属(Ziziphus)として分類される。それは世界の熱帯および亜熱帯地方に分布する100種の落葉性または常緑性の樹木および低木の属である。
【0043】
[0042] ブラジルの生薬学において、ジジフス・ジョアゼイロの樹皮を煎じて肝臓病、頭痛、乾咳、気管支炎、上気道感染症、咽喉痛、泌尿性器障害に、および心臓の強壮薬として用いることが報告されている。樹皮の煎じ薬はブラジルの農村の人々にも広く知られており、全ての種類の発熱に関して用いられている。樹皮の煎出は当業者には周知である。簡潔には、樹皮の煎出にはその樹木の内樹皮をペーストにする(または標準的な煎じ液として調製する)ことが含まれる。その樹皮は煎じて、または液体に浸して柔らかくしてヘアトニックおよび洗浄剤として用いてよく、それは報告によればふけおよび脂漏を処置および予防する。その樹皮はチンキ剤として調製されて皮膚潰瘍および他の皮膚の病気に関して外部から用いられてもよい。その葉も、煎じ液において調製して消化不良、消化障害および胃潰瘍が含まれる様々な病気に関して消化を助けるものとして用いることができる。その果汁(それはビタミンCに富む)は、報告によれば、アクネを処置するために、および皮膚を柔らかくするために、皮膚および顔の上に局所的に用いられる。
【0044】
[0043] 植物からの煎じ抽出は、当業者に周知の手順である。それは一般に用いられる技法を用いて、水またはアルコール、例えばメタノールまたはエタノールを用いて行うことができる。ジジフス・ジョアゼイロからの抽出物は、様々な歯磨組成物中での用途を有すると信じられている化学物質を幾らでも含有している可能性がある。多種多様なトリテルペン、サポニン、およびアルカロイド化学物質がジョアゼイロの抽出物中で同定されてきた。その樹皮は天然の発泡特性を有する大量のサポニン類を含有していると信じられており、それは泡の形成およびその高い洗浄力の原因であることが報告されている。この理由のため、樹皮の調製物は地元でシャンプーおよび石鹸中で用いられてきた。ジョアゼイロはベツリン酸、ウルソール酸およびアルフィトール酸と呼ばれる化学物質、ならびにベツリン酸の他の誘導体、例えば7β-(4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)-ベツリン酸、7β-(4-ヒドロキシ-3’-メトキシベンゾイルオキシ)-ベツリン酸、および27-(4-ヒドロキシ-3’-メトキシベンゾイルオキシ)-ベツリン酸の優れた源であるとも信じられている。他の有用な構成要素には、ダンマラン(dammarane)型のサポニン類、例えば16,22-エポキシ-24-メチリデンダンマラン-3β, 15α, 16α, 20β-テトロールが含まれる。
【0045】
[0044] ベツリン酸は中程度の抗生物質活性を有することが長い間文書で裏付けられてきており、上記で記述した3種類のエステル誘導体は細菌に対して活性を示したことが報告されている。Schuhly, W., et al., “ジジフス・ジョアゼイロからの抗細菌活性を有する新規トリテルペノイド類” Planta-Med., 65(8): pp 740-743 (Dec. 1999)。ベツリン酸は様々な臨床試験で抗癌活性も示している。ジョアゼイロ中の主な植物性化学物質には、以下のものが含まれる:アルカロイド類、アンフィビンD(amfibine D)、ベツリン酸、ベツリン酸誘導体、ジュジュボゲニン(jujubogenine)、サポニン類、およびトリテルペン類。
【0046】
[0045] 別の態様において、本発明は、対象動物の口腔中の細菌増殖および/または炎症を抑制するための方法を提供する。その方法は好ましくは、口腔中の軟組織にピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物、およびそれらの混合物、ならびに口に許容できるキャリヤーを含む組成物を投与することを含む、口腔中の軟組織を処置する方法である。
【0047】
[0046] 別の態様において、本発明は、水、香味料、ならびに少なくとも1種類の水素性構成要素、例えばエタノール、グリセロール、およびソルビトールをピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物、およびそれらの混合物と一緒に含むマウスリンスまたはマウスウォッシュを提供する。そのマウスリンスまたはマウスウォッシュは、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロからの抽出物以外の少なくとも1種類の天然抽出物も含有していてよい。別の態様において、本発明は、ガム基剤および香味料をピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物、およびそれらの混合物に加えて含むチューインガムを提供する。さらに別の態様において、薄膜形成ポリマーおよび場合により香味料をピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物、およびそれらの混合物に加えて含有する食用細片を提供する。
【0048】
[0047] 1観点において、その組成物はピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロからの抽出物以外の天然抽出物を含有する。あらゆる適切な抽出物を、それがピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、ジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物、およびそれらの混合物の抗細菌、抗炎症、および抗酸化作用を増進する限り、用いることができる。適切な抽出物には、例えばオレガノ、マグノリア、クランベリー、ローズマリー、ツバキ、モリン、ガルシニア・マンゴスターナL、ジャバラ、アザディラクタ・インディカ、アカシア、ウーロン茶、ジュグランス・レジア、ザントクシルム・アラントゥム(Zanthoxylum alantum)、ミムソプス・エレンギ、トロロアオイモドキ、アーユルヴェーダ、カラパ・プロセラ、セネガルマホガニー、サルバドラ・ペルシカ、ウリ科(コロシント)、および同様のものの抽出物が含まれる。
【0049】
[0048] 特に好ましい抽出物には、オレガノ、マグノリア、クランベリー、ローズマリー、ツバキ、モリン、ガルシニア・マンゴスターナL、ジャバラ、アザディラクタ・インディカ、アカシア、ウーロン茶、ジュグランス・レジア、ザントクシルム・アラントゥム(Zanthoxylum alantum)、ミムソプス・エレンギ、トロロアオイモドキ、アーユルヴェーダ、カラパ・プロセラ、セネガルマホガニー、サルバドラ・ペルシカ、ウリ科(コロシント)、アカシア・カテキュー(Acacia catechu)、アカシア・ニロティカ(Acacia nilotica)、アキラテス・アスペラ(Achyrathes aspera)、アザディラクタ・インディカ、アリストロキア・ブラクテオレート(Aristolochia bracteolate)、シナモムム・カンフォーラ(Cinnamomum camphora)、シナモムム・ベルム(Cinnamomum verum)、クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、ユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)、フィカス・ベンガレンシス(Ficus bengalensis)、ジュグランス・レジア、マドフカ・ロンギフォリア(Madhuca longifolia)、ミムソプス・エレンギ、オシマム・サンクタム(Ocimum sanctum)、ウーロン茶(Oolonga tea)、ピペルベテル(Piper betel)の葉、ピペル・ロングム(Piper longum)、ピペル・ニグルム(Piper nigrum)、ポテンチラ・フルゲンス(Potentilla fulgens)、シジギウム・アロマティクム(Syzygium aromaticum)、スピランテス・カルバ(Spilanthes calva)、バクシニウム・マクロカルポン(Vaccinium macrocarpon)、ザントクシルム・アルマトゥム(Zanthoxylum armatum)の抽出物、およびそれらの混合物が含まれる。
【0050】
[0049] 追加の抽出物は、以下の属の1種類以上の植物から選択することができる:オレガノ属(Origanum)、イブキジャコウソウ属(Thymus)、ラヴァンデュラ属(Lavandula)、サルビア属(Salvia)、メリッサ属(Melissa)、クミヌム属(Cuminum)、オランダゼリ属(Petroselinum)、キンセンカ属(Calendula)、タゲテス属(Tagetes)、ボスウェリア属(Boswellia)、ニワトコ属(Sambucus)、コパイフェラ属(Copaifera)、ウコン属(Curcuma)、ネギ属(Allium)、ヒレハリソウ属(Symphytum)、エウテルペ属(Euterpe)、ソフォラ属(Sophora)、レウム属(Rheum)、ソバ属(Fagopyrum)、ツバキ属(Camellia)、オウレン属(Coptis)、ヒドラスチス属(Hydrastis)、ヒイラギナンテン属(Mahonia)、キハダ属(Phellodendron)、メギ属(Berberis)、クサントリザ属(Xanthorhiza)、スイカズラ属(Lonicera)、スノキ属(Vaccinium)、クスノキ属(Cinnamomum)、ブドウ属(Vitis)、モモタマナ属(Terminalia)、マツ属(Pinus)、ネムノキ属(Albizia)、センダン属(Melia)、サルバドラ属(Salvadora)、ガラナ属(Paullinia)、コショウ属(Piper)、フトモモ属(Syzygium)、ミルラノキ属(Commiphora)、クルミ属(Juglans)、タツナミソウ属(Scutellaria)、およびマグノリア属(Magnolia)。
【0051】
[0050] より具体的には、本明細書で記述する組成物において用いられる追加の天然抽出物は、以下の種の植物から抽出されたものであることができる:オリガヌム・ウァルガレ(Origanum vulgare)、オリガヌム・オニテス(Origanum onites)、オリガヌム・マヨラナ(Origanum majorana)、オリガヌム・ヘラクレオチクム(Origanum heracleoticum)、ティムス・ブルガリスL(Thymus vulgaris L)、ティムス・シトリオドルス(Thymus citriodorus)、ティムス・プレジオイデス(Thymus pulegioides)、ティムスxヘルバ−バロナ(Thymus x herba-barona)、ティムス・セルピルム(Thymus serpyllum)、ラヴァンデュラ・アングスティフォリア/オフィシナリス(Lavandula angustifolia/officinalis)、ラヴァンデュラ・ストエカス(Lavandula stoechas)、ラヴァンデュラ・デンタテ(Lavandula dentate)、ラヴァンデュラxインテルメディア(Lavandula x intermedia)、ラヴァンデュラ・ムルチフィダ(Lavandula multifida)、サルビア・オフィシナリス(Salvia officinalis)、サルビア・ディビノルム(Salvia divinorum)、サルビア・アピアナ(Salvia apiana)、メリッサ・オフィシナリス(Melissa officinalis)、クミヌム・シミヌム(Cuminum cyminum)、ペトロセリヌム・クリスプム(Petroselinum crispum)、カレンデュラ・アルベンシス(Calendula arvensis)、カレンデュラ・マデレンシス(Calendula maderensis)、カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)、タゲテス・エレクタ(Tagetes erecta)、タゲテス・ミヌタ(Tagetes minuta)、タゲテス・パツラ(Tagetes patula)、ボスウェリア・サクラ(Boswellia sacra)、ボスウェリア・フレレアナ(Boswellia frereana)、ボスウェリア・セラタ(Boswellia serrata)、ボスウェリア・パピリフェラ(Boswellia papyrifera)、サンブクス・ニグラ(Sambucus nigra)、サンブクス・メラノカルパ(Sambucus melanocarpa)、サンブクス・ラセモサ(Sambucus racemosa)、コパイフェラ・ラングスドルフィ(Copaifera langsdorfii)、クルクマ・ロンガ、アリウム・サティブ(Allium sativu)、シンフィツム・オフィキナレ(Symphytum officinale)、エウテルペ・オレラセ(Euterpe oleracea)、ソフォラ・フラベセンス(Sophora flavescens)、レウム・ラバルバルム(Rheum rhabarbarum)、レウム・ラポンティクム(Rheum rhaponticum)、ファゴピルム・エスクレンツム(Fagopyrum esculentum)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、コプティス・テータ(Coptis teeta)、ヒドラスティス・カナデンシス(Hydrastis canadensis)、マホニア・アキフォリウム(Mahonia aquifolium)、フェロデンドロン・アムレンス(Phellodendron amurense)、ベルベリス・ブルガリス(Berberis vulgaris)、クサントリザ・シンプリシシマ(Xanthorhiza simplicissima)、ロニセラ・セプリフォリウ(Lonicera ceprifoliu)、バクシニウム・マクロカルポン、シナモムム・ゼイラニクム・ニース(Cinnamomum zeylanicum Nees)、シナモムム・ベルム、ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis Vinifera)、テルミナリア・ベレリカ(Terminalia Bellerica)、ピヌス・ピナスター(Pinus Pinaster)、アルビジア・レベック(Albizia Lebbek)、メリア・アザディラクタ(Melia Azadirachta)、サルバドラ・ペルシカ(Salvadora persica)、パウリニア・クパナ(Paullinia cupana)、ピペル・ベトレ(Piper betle)、シジギウム・アロマティクム、コミフォラ・ミルラ(Commiphora myrrha)、ジュグランス・レジア、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria baicalensis)、およびマグノリア・オフィシナリス(Magnolia officinalis)。
【0052】
[0051] ジンギベル・オフィキナレの抽出物と一緒に用いて有用である追加の天然抽出物は、以下の天然抽出物の1種類以上からも選択することができる(イタリック体でない一般名が最初に含まれ、続いてイタリック体での正式名称(単数または複数)が含まれる):イノコズチ(achyranthes)、アキランテス・アスペラ(Achyranthes aspera)、アロエ、アロエ属種(A.バルバデンシス(A. barbadensis)、A.フェロクス(A. ferox)およびA.ベラ(A. vera)が含まれる)、アニス、ピムピネルラ・アニスム(Pimpinella anisum)、ウマノスズクサ(aristolochia)、アリストロキア・ブラクテオレート、アルニカ、アルニカ属種(Arnica spp.)(A.フルゲンス(A. fulgens)が含まれる)、ベンガルボダイジュ(banyan)、フィカス・ベンガレンシス、バクラ(bakula)、ミムソプス・エレンギ、バジル、オキムム・バジリクム(Ocimum basilicum)およびO.ミニムム(O. minimum)、キンマ、ピペル・ベトレ、黒コショウ、ピペル・ニグルム、クスノキ、シナモムム・カンフォーラ、カテキュー(catechu)、アカシア・カテキュー、クサノオウ(celandine)、クサノオウ属種(Chelidonium spp.)、カモミール、マトリカリア・カモミラ(Matricaria chamomilla)、チェブラ(chebula)、テルミナリア・チェブラ(Terminalia chebula)、オウゴン(Chinese skullcap)、スクテラリア・バイカレンシス、シナモン、シナモムム・ロウレイリー(Cinnamomum lourerii)およびC.ゼイランジカム(C. zeylandicum)、シトラス、シトラス属種(C.アウランティフォリア(C. aurantifolia)、C.アウランチウム(C. aurantium)、C.リモヌム(C. limonum)、およびC.シネンシス(C. sinensis)が含まれる)、チョウジ、シジギウム・アロマティクム、ディル(dill)、イノンド属種(Anethum spp.)(A.グラウェオレンス(A. graveolens)およびA.ソワ(A. sowa)が含まれる)、エキナセア(echinacea)(ハンゴンソウ(coneflower))、エキナセア・パリダ(Echinacea pallida)、ユーカリ(eucalyptus)、ユーカリプタス・グロブルス、ウイキョウ、フォエニクルム・ウァルガレ(Foeniculum vulgare)、クチナシ(gardenia)、ガーデニア・ジャスミノイデス(Gardenia jasminoides)、ブドウ、ヴィティス・ヴィニフェラ、ホップ、フムルス・ルプルス(Humulus lupulus)、ドクダミ(houttuynia)、ホウトトゥイニア・コルダタ(Houttuynia cordata)、ヤエヤマアオキ(Indian mulberry)、モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)、ビャクシン(juniper)、ジュニペルス・コムムニス(Juniperus communis)、レモングラス、オガルカヤ属種(Cymbopogon spp.)(C.シトラトゥス(C. citratus)およびC.フレクスオスス(C.flexuosus)が含まれる)、カンゾウ、グリシリザ属種(Glycyrrhiza spp.)(G.グラブラ(G. glabra)およびG.ウラレンシス(G. uralensis)が含まれる)、ヒハツ(long pepper)(ピプリ(pipli))、ピペル・ロングム(Piper longum)、マフアー(madhuca)、マドフカ・ロンギフォリア、マグノリア、マグノリア・オフィシナリス、マリーゴールド、カレンデュラ・オフィシナリス、コショウボク(mastic)、ピスタチア・レンチスクス(Pistacia lentiscus)、メリロート(melilot)、メリロータス・オフィシナリス(Melilotus officinalis)、ノコギリソウ(milfoil)、アキレア・ミレフォリウム(Achillea millefolium)、ミルラ(myrrh)、ミルラノキ属種(Commiphora spp.)、(C.アビシニカ(C. abyssinica)およびC.モルモル(C. molmol)が含まれる)、ニーム(インドセンダン(margosa))、アザディラクタ・インディカ、ネロリ(ダイダイの花)、シトラス・アウランチウム、オークの虫こぶ(gall)、クエルカス・インフェクトリア(Quercus infectoria)、パセリ、ペトロセリヌム・サチバム(Petroselinum sativum)、ピール(peelu)、サルバドラ・ペルシカ、ペパーミント、メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、マツ、マツ属種、(P.パルストリス(P. palustris)およびP.シルヴェストリス(P. sylvestris)が含まれる)、ザクロ、ピューニカ・グラナツム、とげの多い(prickly)アカシア(アラビアゴムモドキ(babul))、アカシア・ニロティカ、ラタニア(rhatany)、クラメリア属種(Krameria spp.)(K.アルゲンティア(K argentea)およびK.トリアンドラ(K triandra)が含まれる)、ローズマリー、ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officinalis)、サフラン、クロクス・サティウス(Crocus sativus)、セージ、サルビア属種(Salvia spp.)(S.ラベンデュラエフォリア(S. lavendulaefolia)、S.オフィシナリス、およびS.トリロバ(S. triloba)が含まれる)、ビャクダン(sandalwood)、ビャクダン属種(Santalum spp.)(S.アルブム(S. album)およびS.スピカトゥム(S. spicatum)が含まれる)、スペアミント、メンタ・スピカタ(Mentha spicata)、スピランテス(spilanthes)(アカルカラ(akarkara))、スピランテス・カルヴィ(Spilanthes calvi)、スターアニス(star anise)、イルリキウム・ウェルム(Illicium verum)、茶(緑茶およびウーロン茶が含まれる)、カメリア・シネンシス、タイム、イブキジャコウソウ属種(T.セルピルムおよびT.ブルガリスが含まれる)、トマール(tomar)(サンショウ(prickly ash))、ザントクシルム・アルマトゥム、トゥルシー(tulsi)(ホーリーバジル)、オシマム・サンクタム、ウコン(turmeric)、クルクマ・ロンガ、サルオガセ(usnea)、ウスニア・バルバタ(Usnea barbata)、ヴァジュラダンティ(vajradanti)、ポテンチラ・フルゲンス(Potentillafulgens)、クルミ、ジュグランス・レジア、ウィンターグリーン、ガウルテリア・プロカンベンス(Gaultheria procumbens)、およびそれらの混合物。
【0053】
[0052] 本明細書で論じるように、追加の天然抽出物は植物から単離された化合物または抽出物に由来していてよく、またはそれに基づいていてよい。以下の植物はそれぞれ口腔用組成物において1種類以上の口腔ケアの利益に関して有用である1種類以上の有効成分を提供する。例えば、ロメインス・オフィシナリス(Romains officinalis)(ローズマリー)からの抽出物は、抗細菌および抗炎症作用を有する。ローズマリーの抽出物は、フラボノイド類、トリテルペン酸類およびフェノール酸類が含まれる様々な有機性および無機性物質を含有する。その有用な有機化合物の限定的でない例には、1,8-シネオール、カンファー、α-ピネン、カルノシン酸(carnosic acid)、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ウルソール酸、カルノソール(carnosol)、およびオレアノール酸(oleanolic acid)が含まれる。様々な抽出物に関する本明細書に含有される有効化合物の論考には、口腔用組成物において有効であると信じられているそれらの化合物が含まれる;しかし、そのような化合物のリストは非排他的なものであり、ある場合では、まだ同定されていない、または完全には特性付けられていないが、経験的観察がその望まれる作用を実証している。さらに、様々な観点において、その中に含有される全ての化合物が含まれる全抽出物が最も有効な植物性有効成分を提供する。口腔用組成物中での使用のためのローズマリーの抽出物が、Trivediらに対するものであり、Colgate-Palmoliveに譲渡されている米国特許公開第2006/0134025号において論じられている。ローズマリーの植物の葉の抽出物は、例えばニュージャージー州ピスカタウェイのSabinsa Corporationによりローズマリー抽出物として販売されている。様々な植物に基づく抽出物中に見出されるそのような化合物を、その抽出物から単離して植物性有効成分として独立して用いてよい。例えば、カルノシン酸は、それは虫歯、歯肉炎、および口臭を引き起こす口の細菌に対して有効であることが分かっているため、独立に単離して口腔用組成物中で用いてよい。
【0054】
[0053] 本教示に従って有用な他の抽出物には、以下の属に分類される植物を含む、シソ科(Lamiaceae)からの植物のあらゆる適切な部分が含まれる:オレガノ属、イブキジャコウソウ属、ラヴァンデュラ属、サルビア属、ペロフスキア属(Perovskia)、フロミス属(Phlomis)、またはメリッサ属。例えば、適切な抽出物には、その亜種(オリガヌム・ウァルガレ亜種)、オリガヌム・オニテス(一般に“イタリアンオレガノ”または“ポットマヨラマ”として知られる)、オリガヌム・マヨラナ(一般に“マヨラマ”または“スイートマヨラマ”として知られる)およびオリガヌム・ヘラクレオチクムが含まれるオリガヌム・ウァルガレL.(一般に“オレガノ”、“野生オレガノ”、または“野生マヨラマ”として知られる)からの抽出物が含まれる。オリガヌムウァルガレ亜種には、O.ウァルガレ亜種ウァルガレ、O.ウァルガレ亜種ビリデ(viride)、およびO.ウァルガレ亜種ヒルツム(hirtum)(一般に“グリークオレガノ”または“野生オレガノ”として知られる)が含まれる。本明細書で用いられる際、用語“オレガノ”はオレガノ属の全ての適切な種および亜種を含む。オレガノは、カルバクロール(carvarcrol)、チモール、およびロスマリン酸を含む30種類を超える有効化合物を含有すると信じられている。
【0055】
[0054] やはりシソ科の属であるイブキジャコウソウ属(タイム)には、300を超える種および亜種が含まれる。適切な抽出物には、以下の植物から単離される抽出物が含まれる:ティムス・ブルガリスL、T.シトリオドルス、T.プレジオイデス、T.xヘルバ−バロナ、およびT.セルピルム。本明細書で用いられる際、用語“タイム”はイブキジャコウソウ属の全ての適切な種および亜種、ならびにそれらに由来する抽出物を含み、それはカルバクロール(carvarcrol)およびチモール有効化合物を含有すると信じられている。
【0056】
[0055] 他の適切な抽出物には、30を超える種を含むラヴァンデュラ(ラベンダー)属からの抽出物が含まれる。適切なラベンダー種には、ラヴァンデュラ・アングスティフォリア(以前は、L.オフィシナリスL.として知られていた)、L.ストエカス;L.デンタテ;L.xインテルメディア;およびL.ムルチフィダが含まれる。ラベンダー抽出物は、とりわけ、有効化合物である酢酸リナリル(linalyl)およびリナロールを含有する。本明細書で用いられる用語“セージ”には、一般にシソ科の3つの属、すなわちサルビア属、ペロフスキア属、およびフロミス属の植物が含まれる。特定の観点において、有用な植物には、サルビア・オフィシナリス(コモンセージ)、S.ディビノルム(占い師のセージ);およびS.アピアナ(ホワイトセージ)が含まれる。S.オフィシナリスからの抽出物は、とりわけ、抗生物質、抗真菌、および収斂作用を有する。別の適切な抽出物は、レモンバーム植物(メリッサ・オフィシナリス)に由来し、それは抗細菌および抗ウイルス特性を有する。
【0057】
[0056] 本態様に従って有用なさらなる抽出物には、クミヌム属およびオランダゼリ属を含むセリ科(Apiaceae)の植物由来の抽出物も含まれる。クミヌム・シミヌム(クミン)は、クミンアルデヒドおよびピラジン類が含まれる様々な有効化合物を含有する。ペトロセリヌム・クリスプム(パセリ)には、アピオール(apiol)、フラノクマリン(furanocourmarin)、およびソラレン(psoralen)化合物が含まれる。クミンおよびパセリ抽出物は、有益な抗酸化活性および他の有益な作用を有する。
【0058】
[0057] 両方とも一般的に“マリーゴールド”として知られるキンセンカ属およびタゲテス属は、両方ともセリ科の属である。キンセンカ属には、カレンデュラ・アルベンシス(フィールドマリーゴールド);C.マデレンシス(マディラマリーゴールド);およびC.オフィシナリス(ポットマリーゴールド)が含まれる多くの種および亜種が含まれる。キンセンカ属の抽出物は、カレンジン酸(calendic acid)が含まれる様々な有効化合物を含有する。タゲテス属には、タゲテス・エレクタ;T.ミヌタ、T.パツラ等が含まれる、60を超える種および亜種が含まれる。キンセンカ属およびタゲテス属両方の抽出物は、抗酸化および抗炎症活性を有し、虫歯、歯肉炎および口臭を引き起こす口の細菌に対して有効である。
【0059】
[0058] ボスウェリア属は、ボスウェル酸(boswellic acid)化合物が含まれる抗炎症特性を有する抽出物をもたらす樹木の属である。例えば、ボスウェリア・サクラ、B.フレレアナ;B.セラタ;およびB.パピリフェラならびにそれらの亜種は、適切な抽出物をもたらす。ボスウェリア属の植物から単離される有用な有効化合物は、アセチルケト.ベータ.-ボスウェル酸(AKBBA)、例えば3-アセチル11-ケト.ベータ.-ボスウェル酸であり、それは抗細菌、抗炎症および抗酸化活性を示す。.ベータ.-ボスウェル酸および有機酸の混合物が含まれる、商業的に入手可能なB.セラタ抽出物は、Sabinsa Corp.からBOSWELLIN(登録商標)CGとして入手可能である。
【0060】
[0059] ニワトコ属には30を超える種および亜種が含まれ、それは一般にエルダーベリーまたはニワトコと呼ばれる。とりわけ、サンブクス・ニグラ(セイヨウニワトコ(common elder));S.メラノカルパ(ブラックベリーニワトコ);S.ラセモサ(赤い実の(red-berried)ニワトコ)が含まれる、様々なニワトコ属種が適切である。エルダーベリーの抽出物は、抗酸化活性を有し、さらに、口腔用組成物において以下の利益の1種類以上を提供することが発見されている:抗細菌、抗酸化、コラゲナーゼ阻害、サーチュイン類(sirtuins)の活性化、および抗炎症特性。
【0061】
[0060] コパイフェラ・ラングスドルフィ(コパイババルサム(copaiba balsam))の抽出物は有用であり、化合物クルクミン(curcumin)、デメトキシクルクミン、ビス-デメトキシクルクミン、およびテトラヒドロクルクミノイド(tetrahydrocurcuminoid)が含まれるクルクマ・ロンガ(ウコン(tumeric))も同様に有用である。追加の適切な抽出物には、アリウム・サティブム(ニンニク)またはネギ属の他の植物から分離される抽出物が含まれる。ニンニク抽出物はアリシン(allicin)、アリイン(alliin)、アホエン(ajoene)、および他のフラボノイド類を含有し、それは抗酸化および/または抗微生物の利益を提供する。シンフィツム・オフィキナレ(コンフリー(comfrey))またはヒレハリソウ属の他の植物からの抽出物は、抗酸化、抗炎症、および/または抗微生物剤として有用であり;レスベラトロール(resveratrol)、アントシアニン類、ならびに様々な他のフラボノイドおよびフラボノイド様化合物、例えばホモオリエンチン(homoorientin)、オリエンチン(orientin)、タシフォリン(tasifolin)、デオキシヘキソース、イソビテキシン(isovitexin)、スコパリン(scoparin)を含有するエウテルペ・オレラセ(アサイーパーム(Acai palm));抗炎症および抗細菌機能を有するクラリノン(kurarinone)を生理活性フラボノイドとして含有するソフォラ・フラベセンス抽出物も同様である。上記で記述した抽出物のそれぞれは、1つ以上の抗酸化、抗炎症、抗ウイルス、および/または抗細菌特性を示す。クラリノンの代表的な構造は:
【0062】
【化1】

【0063】
である。
[0061] 本開示の特定の観点において、口腔用組成物は場合により、商標名SABIWHITE(登録商標)の下でSabinsa Corp.から入手可能なテトラヒドロクルクミノイドが含まれるC.ロンガ由来の商業的に入手可能な抽出物を含み、それは以下の代表的な構造を有すると信じられている:
【0064】
【化2】

【0065】
[0062] 様々な植物抽出物が有効化合物ルチン(ケルセチン−3−ルチノシド(quercetin-3-rutinoside))を含有しており、それはレウム・ラバルバルムおよびR.ラポンティクム(ガーデンルバーブ(garden rhubarb))が含まれるレウム属ならびにファゴピルム・エスクレンツム・モエンチ(Moench)(ソバ)植物が含まれるタデ科(Polygonaceae)の様々な植物において見られる抗酸化フラボノイドグリコシド(フラボノールであるケルセチンおよび二糖であるルチノース(rutinose)を含む)である。代表的な構造であると信じられているものを以下に示す:
【0066】
【化3】

【0067】
[0063] ルチンは、スーパーオキシドラジカルを除去し、金属イオンをキレートし、好中球のバーストを調節し、脂質過酸化を阻害し、生物学的抗酸化剤である還元型グルタチオンを維持し、そしてフェントン反応(活性酸素種を生成する)に関与していると信じられている。従って、ルチンは抗酸化、抗炎症、抗腫瘍形成、抗血栓、細胞保護および血管保護活性を有し、それは口腔用組成物にとって有益である。さらに、ルチンは口腔用組成物において抗プラークおよび抗酸化活性を増強する。
【0068】
[0064] 抗細菌、抗酸化、および/または抗炎症性天然抽出物の限定的でない例には、緑茶またはウーロン茶、シナモン、ゴールドスレッド(gold thread)、クランベリーおよび他のツツジ科(Ericaceae)の植物、スイカズラ、ブドウ種子、ミロバラン、ローズマリー、東インドクルミ、ニーム、ニルリ(niruri)、およびマツ樹皮から単離される抽出物が含まれる。
【0069】
[0065] 緑茶およびウーロン茶は、カメリア・シネンシスから分離される。カメリア・シネンシスのあらゆる変種、型、または亜種を用いてよく、これらはその任意の亜種分類群から選択されてよく、その適切な例は以下のものである:例えば先の(former)C.アサミカ(C. assamica)および変種クチャ(kucha)が含まれるC.シネンシス変種アサミカ;例えば先の亜種ラシオカリクス(lasiocalyx)および変種シャン(Shan)が含まれるC.シネンシス変種カンボジエンシス(cambodiensis);C.シネンシス変種デフンゲンシス(dehungensis);C.シネンシス変種プビリンバ(pubilimba);ならびに例えば先の変種ボヘア(bohea)、マクロフィラ(macrophylla)、パルビフォリア(parvifolia)、およびワルデネ(waldenae)が含まれるC.シネンシス変種シネンシス。カメリア・シネンシス抽出物の有効構成要素は、カテキン、エポカテキン(epocatechin)、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、ガロカテキンおよびエピガロカテキンが含まれるポリフェノールカテキン類であると信じられている。口腔用組成物中で用いられる非酸化ツバキの抽出物(例えば緑茶)はWorrellへの米国特許公開第2006/0141073号において記述されており、酸化ツバキの抽出物(例えばウーロン茶)はBoydらへの米国特許公開第2006/0141039号において記述されており、これらは両方ともColgate-Palmoliveに譲渡されている。適切なツバキ属抽出物の例は、Sabinsa Corp.から入手可能な“緑茶抽出物CG”指定番号MS-0726-01である。
【0070】
[0066] ゴールドスレッド抽出物は、以下の植物科:バンレイシ科(Annonaceae)、メギ科(Berberidaceae)、ツヅラフジ科(Menispermaceae)、ケシ科(Papaveraceae)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)、ミカン科(Rutaceae)、ショウガ科(Zingiberaceae)、ナディナ(Nadina)、ヒイラギナンテン、およびカラマツソウ属種(Thalictrum spp.)の1つ以上から得ることができる。例えば、口腔ケア組成物中で望ましい利点を有するゴールドスレッド抽出物は、コプティス・テータ(オウレン(coptis))である。ゴールドスレッド抽出物の有効化合物は、ベルベリン(抗炎症、抗微生物化合物)であると信じられている。ゴールデンシール(Goldenseal)(オレンジルート(Orange-root))、ヒドラスティス・カナデンシスはキンポウゲ科のものであり、その有効構成要素の1つはベルベリンおよびヒドラスチンアルカロイド類であると信じられている。有効化合物としてベルベリンを有する他の抽出物には、マホニア・アキフォリウム(オレゴングレープ)、フェロデンドロン・アムレンス(キハダ(phellodendron))、ベルベリス・ブルガリス(メギ(barberry))、およびクサントリザ・シンプリシシマ(イエロールート(yellow root))が含まれる。
【0071】
[0067] スイカズラ(ロニセラ・セプリフォリウム(Lonicera ceprifolium))の抽出物は、スイカズラ植物の花から得ることができる。スイカズラ抽出物中の有効ポリフェノール物質は、クロロゲン酸(chlorogenic acid)および/またはルテノリン(lutenolin)フラボノイド類であると信じられている。ツツジ科は、広く、100を超える属および4,000を超える近縁属(associated species)、例えばSankerらへの米国特許第5,980,869号において開示されているものを指す。特定の態様において、クランベリー(バクシニウム・マクロカルポン)のようなスノキ属の植物からの抽出物は、抗細菌性天然抽出物として有用である。
【0072】
[0068] シナモムム・ゼイラニクム・ニースまたはC.ベルムは、桂皮アルデヒド、ユージノール、ケイ皮酸エチル、ベータ−カリオフィレン、リナロール、およびメチルカビコール(chavicol)が含まれる多数の有効化合物を含有すると信じられている。シナモンの抽出物は、抗酸化および抗細菌活性を示す。ブドウの種子またはブドウの皮の抽出物はビティス・ビニフェラ植物から分離され、それにはレスベラトロールが含まれる様々なポリフェノール類および抗酸化剤プロアントシアニジン類(proanthocyanidins)が含まれる。ミロバランは好ましくはテルミナリア・ベレリカの果実から抽出される。マツ樹皮抽出物は好ましくはピヌス・ピナスター(フランスカイガンショウ(Maritime pine))の皮層(樹皮)から抽出され、それはpycnogenolを含み、抗細菌、抗炎症、抗酸化および抗老化活性を示す。ニームまたはインドセンダン植物(メリア・アザディラクタ)の皮層の抽出物は既知の抗細菌性構成要素である。ニルリまたはフィランタス・ニルリ(Phyllanthus Niruri)の抽出物も既知の抗細菌性抽出物である。サルバドラ・ペルシカ(ミスワク)の抽出物は、口腔ケア組成物において有効な抗細菌作用を提供する。特定の観点において、追加の天然抽出物はパウリニア・クパナ(Paullinia cupana)(ガラナ(guarana))から分離されたものであってよく、その抽出物にはカフェイン、カテキン類、テオブロミン、テオフィリンおよび他のアルカロイド類が含まれる。
【0073】
[0069] ピペル・ベトレ(キンマ)抽出物、特にキンマの葉由来の抽出物には、カビベトール(chavibetol)、カビコール、エストラゴール(estragole)、ユージノール、メチルユージノール、およびヒドロキシカテコールのような有効化合物が含まれると信じられている。シジギウム・アロマティクム(チョウジ)抽出物は防腐および麻酔特性を有し、それには例えば化合物ユージノール、ベータ−カリオフィリン(caryophylline)、バニリン、クラテゴール酸(crategolic acid)、サリチル酸メチル、タンニン類、フラボノイド類(オイゲニン(eugenin)、ケンペロール(kaempferol)、ラムネチン(rhamnetin)、およびオイゲンチチン(eugentitin)が含まれる)、トリテルペノイド類(例えばオレアノール酸、スチグマステロールおよびカンペステロール)、および様々なセスキテルペン類が含まれる。コミフォラ・ミルラ(ミルラ)は同様に口腔用組成物において抗微生物および抗炎症の利益を提供するのに有用である。植物の別の適切な属は、ジュグランス・レジア(ペルシャクルミまたはコモンウォルナットの樹木)が含まれるクルミ属であり、その抽出物は抗炎症および抗酸化特性を有する。同様に、東インドクルミ(アルビジア・レベック)の葉は抽出物として使用するのに適している。
【0074】
[0070] 特定の態様において、本明細書で記述する組成物の追加の天然抽出物は、少なくとも1種類の遊離B環フラボノイドを含む。フラボノイド類は、フラボン類、フラバン類、フラボノール類、ジヒドロフラノノール類(dihydroflanonols)、フラボノン類、およびそれらの誘導体のような化合物のクラスが含まれる化合物のグループである。口腔用組成物での使用のための遊離B環フラボノイド類有効成分は、Xuらに対するものであり、Colgate-Palmoliveに譲渡されている米国特許公開第2006/0140881号において記述されている。
【0075】
[0071] 様々な態様において、その追加の天然抽出物は遊離B環フラボノイドを含んでいてよく、それは一般に2,3-二重結合および/または4-オキソ基を含有し、かつその芳香族B環上においていかなる置換基も欠いているフラボノイド化合物を指す。口腔用組成物のためのそのような有効成分は、Xuらに対するものであり、Colgate-Palmoliveに譲渡されている米国特許公開第2006/0140881号において記述されている。遊離B環フラボノイド類は、シソ科の植物、特にタツナミソウ亜科(Scutellarioideae)の植物から単離することができる。例えば、種スクテラリア・バイカレンシスは、バイカレイン(baicalein)、バイカリン(baicalin)、ウォゴニン(wogonin)、およびバイカレノシド(baicalenoside)が含まれるかなりの量の遊離B環フラボノイド類を含有する。遊離B環フラボノイド類は抗酸化および抗炎症特性を有し、シクロオキシゲナーゼ酵素COX−2の一般的な活性を阻害する。特定の観点において、その追加の天然抽出物は場合によりバイカリン(中国名“Huangqingan”によっても知られている)、5,6-ジヒドロキシフラボン-7-O-グルコシド、およびバイカレイン(中国名“Huangqinsu”によっても知られている)、5,6,7-トリヒドロキシフラボンのいずれかを含んでいてよい。様々な態様において、本開示の口腔用組成物の追加の天然抽出物は、バイカリン、バイカレイン、またはその混合物を含んでいてよい。
【0076】
[0072] マグノリア・オフィシナリス(マグノリア)のようなモクレン科(Magnoliaceae)からの植物は:マグノロール(magnolol)、ホノキオール(honokiol)、テトラヒドロマグノロール、およびテトラヒドロホノキオールが含まれる有効化合物を含有し、それらは様々な口の細菌に対する実証された殺菌特性を有する。様々な観点において、マグノロールおよび/またはホノキオールのどちらかは有用な抗細菌性植物性有効成分である。マグノリアの抽出物からの有効化合物の使用は、Trivediらへの米国特許公開第2006/0134024号およびXuらへの第2006/0127329号において記述されており、それらは両方ともColgate-Palmoliveに譲渡されている。
【0077】
[0073] 既知の抗微生物、抗酸化、および/または抗炎症剤を有する他の適切な天然抽出物は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第10版, 2004において列挙されている天然抽出物である。
【0078】
[0074] ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの抽出物は、既知の方法に従って水またはアルコールに可溶性の構成要素の水またはアルコール抽出により、またはピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの様々な構成要素の凍結乾燥、蒸気抽出もしくは超臨界CO抽出から調製することができる。例えば、抽出物はピューニカ・グラナツムの果汁、種子、または果皮、ミリスチカ・フラグランスのひいて粉にした葉、樹皮、果実、種子等、ジンギベル・オフィキナレの根または根茎、およびジジフス・ジョアゼイロのひいて粉にした葉、樹皮、果実等から得ることができる。
【0079】
[0075] 好ましい抽出物は、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの植物および樹木の様々な構成要素に由来するものであることができる。植物からの固体または液体材料の抽出は、典型的には、その材料を適切な溶媒と接触させてその材料から抽出されることが望まれる物質(単数または複数)を分離することを含む。その材料が固体である場合、それを好ましくは乾燥させて粉砕した、またはひいて粉にした後、それを溶媒と接触させる。そのような抽出は、当業者に既知の一般に用いられる手段により、例えば抽出装置、例えば、固体材料をホルダー中に保持し、その材料を通して溶媒を流させるSoxhlet装置を用いることにより;その溶媒および材料を一緒にブレンドし、次いでその液相および固相または2つの混和しない液相を、例えば濾過により、または沈降およびデカントにより分離することにより実施されてよい。様々な態様において、口腔ケア組成物中で用いられる植物性有効成分は、再現性のある安定した質のものであり、微生物学的安全性を有する。
【0080】
[0076] ミリスチカ・フラグランスの抽出物を調製する1つの方法には、その植物材料を抽出溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、キシレン、ベンゼン、またはトルエンを用いて抽出し、その抽出溶媒から粗生成物を濃縮および結晶化することが含まれる。この生成物はその抽出物のまま用いることができるであろうが、特定の抽出された構成要素の精製において追加の手順が有用である可能性がある。例えば、その粗生成物をジオールおよび場合により上記の溶媒の1種類の中で溶解させることができ、次いでその溶解した粗生成物を溶媒相およびジオール相の間で分配することができる。上記の溶媒の1種類がそのジオールと共に添加されなかった場合、その溶媒の1種類以上はその2つの相の間で分配する前に添加され、その溶媒の1種類が添加された場合、さらなる溶媒はその分配プロセスの前に添加される。その溶媒相を濃縮し、その濃縮物からその抽出物を再結晶させる。
【0081】
[0077] ミリスチカ・フラグランスの抽出物を調製する別の方法は、熱水抽出である。熱水抽出に関する温度条件および時間条件は特に限定されず、それらは熱水抽出に関する一般的な条件(例えば、煎じ薬の調製に関する一般的な条件;沸騰温度での30分間〜60分間の抽出)であってよい。その温度は好ましくは80℃〜100℃、より好ましくは90℃〜95℃であり、その時間は好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、特に好ましくは3時間以上である。そのような温度条件および時間条件下での熱水抽出は、非常に有効な組成物を得ることができる点で好ましい。熱水抽出に関して用いられる水の量は特に限定されないが、それは一般に、1重量部のミリスチカ・フラグランスあたり5重量部〜20重量部の水、好ましくは10重量部の水である。
【0082】
[0078] 得られた抽出物(抽出溶液)を濃縮することにより、不必要な揮発性構成要素を除去することができ、大量の経口投与による消化器官等への負担がより少ない製剤を得ることができる。その抽出物は好ましくは、大気圧の下で、または50℃〜90℃において減圧下で、より好ましくは50℃〜60℃において減圧下で、20重量%〜40重量%、好ましくは25重量%〜35重量%の固形分濃度まで濃縮される。
【0083】
[0079] さらに、得られた濃縮物に賦形剤を添加して乾燥させることにより、安定な粉末製剤を得ることができる。その賦形剤は、それが食品または医薬品として許容できる限り特に限定されず、例えばデンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、米デンプン)、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ラクトース、スクロース、ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、および同様のものである。その賦形剤の添加の量は、一般に、1重量部のその濃縮物あたり1重量部〜20重量部、好ましくは2重量部〜10重量部である。その乾燥は好ましくは60℃〜70℃の温度で実施される。
【0084】
[0080] ミリスチカ・フラグランスの抽出物を調製する別の方法は、パーコレーション法による。この方法に従って、ミリスチカ・フラグランスの種子の乾燥した材料を粉砕して粗い粉末にし、それぞれ5Kgの粉末状の材料を異なるフラスコに入れ、石油エーテル、n−ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトン、水およびメタノールにより、室温で24時間〜48時間抽出することができる。次いでその植物抽出物を濾過し、ロータリーエバポレーター上で、または蒸気浴上で、最適温度において、そして減圧下で濃縮して乾燥させることができる。ミリスチカ・フラグランスの抽出物は、ホットソクスハレーション(hot soxhalation)法によっても類似の方法で調製することができる。例えば、ミリスチカ・フラグランスの種子の粗い粉末状の材料に、溶媒、例えば石油エーテル、n−ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトンおよびメタノールを用いて、最適温度でホットソクスハレーションを施し、抽出が完了するまで再循環させることができる。次いでその植物抽出物を濾過し、ロータリーエバポレーター上で、または蒸気浴上で、最適温度において濃縮して乾燥させることができる。
【0085】
[0081] ミリスチカ・フラグランスの抽出物の構成要素は、その抽出物にマーカー化合物および有効成分の定性的および定量的推定のためにHPTLC(高速薄層クロマトグラフィー)およびHPLC(高速液体クロマトグラフィー)およびガスクロマトグラフィー(GC)を、それぞれ予めコートされたTLCプレート(Merck)、ODSカラムおよび10% Carbowax 20M (2メートル) GCカラム(温度70〜220℃)上で様々な移動相において施すことにより決定することができる。その抽出物は好ましくは以下のものの1種類以上を含有する:カンフェン類、リモネン類、α-およびβ-ピネン類、ユージノール、メチルユージノール、イソユージノール、安息香酸ブチル、ミリスチン、エレミシン、α-テルピネオール、β-フェランドレン、ミリスチン酸、ドデカン酸ブチル、α-カリオフィレンアルコール、ゲラニルアセトン、ならびにそれらの混合物。
【0086】
[0082] ジンギベル・オフィキナレの抽出物を調製する1つの方法には、その植物材料を抽出溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、キシレン、ベンゼン、またはトルエンを用いて抽出し、その抽出溶媒から粗生成物を濃縮および結晶化することが含まれる。この生成物はその抽出物のまま用いることができるであろうが、特定の抽出された構成要素の精製において追加の手順が有用である可能性がある。例えば、その粗生成物をジオールおよび場合により上記の溶媒の1種類の中で溶解させることができ、次いでその溶解した粗生成物を溶媒相およびジオール相の間で分配することができる。上記の溶媒の1種類がそのジオールと共に添加されなかった場合、その溶媒の1種類以上はその2つの相の間で分配する前に添加され、その溶媒の1種類が添加された場合、さらなる溶媒はその分配プロセスの前に添加される。その溶媒相を濃縮し、その濃縮物からその抽出物を再結晶させる。
【0087】
[0083] ジンギベル・オフィキナレの抽出物を調製する別の方法は、熱水抽出である。熱水抽出に関する温度条件および時間条件は特に限定されず、それらは熱水抽出に関する一般的な条件(例えば、煎じ薬の調製に関する一般的な条件;沸騰温度での30分間〜60分間の抽出)であってよい。その温度は好ましくは80℃〜100℃、より好ましくは90℃〜95℃であり、その時間は好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、特に好ましくは3時間以上である。そのような温度条件および時間条件下での熱水抽出は、非常に有効な組成物を得ることができる点で好ましい。熱水抽出に関して用いられる水の量は特に限定されないが、それは一般に、1重量部のジンギベル・オフィキナレあたり5重量部〜20重量部の水、好ましくは10重量部の水である。
【0088】
[0084] 得られた抽出物(抽出溶液)を濃縮することにより、不必要な揮発性構成要素を除去することができ、大量の経口投与による消化器官等への負担がより少ない製剤を得ることができる。その抽出物は好ましくは、大気圧の下で、または50℃〜90℃において減圧下で、より好ましくは50℃〜60℃において減圧下で、20重量%〜40重量%、好ましくは25重量%〜35重量%の固形分濃度まで濃縮される。
【0089】
[0085] さらに、得られた濃縮物に賦形剤を添加して乾燥させることにより、安定な粉末製剤を得ることができる。その賦形剤は、それが食品または医薬品として許容できる限り特に限定されず、例えばデンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、米デンプン)、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ラクトース、スクロース、ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、および同様のものである。その賦形剤の添加の量は、一般に、1重量部のその濃縮物あたり1重量部〜20重量部、好ましくは2重量部〜10重量部である。その乾燥は好ましくは60℃〜70℃の温度で実施される。
【0090】
[0086] ジンギベル・オフィキナレの抽出物を調製する別の方法は、エタノール抽出手順による。この方法では、乾燥させて保存したジンギベル・オフィキナレの植物からの材料(好ましくは根または根茎)を、エタノール中で、1:3の重量対体積比でブレンドする。次いでその混合物を濾過し、その残留物を新しいエタノール中で再び混合し(望まれるならばこのプロセスを3〜5回繰り返すことができる)、それぞれの濾過からの濾液を集める。次いでその集めた濾液を乾燥させて溶媒を除去し、例えば45℃でロータリーエバポレーションし、次いで凍結乾燥させてその抽出物を完全に乾燥させることができる。その後その乾燥した抽出物を抽出物として用いることができ、またはエタノール中でもう一度再構成することができる。
【0091】
[0087] ジンギベル・オフィキナレの抽出物は、ホットソクスハレーション法によっても類似の方法で調製することができる。例えば、ジンギベル・オフィキナレの根茎の粗い粉末状の材料に、溶媒、例えば石油エーテル、n−ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトンおよびメタノールを用いて、最適温度でホットソクスハレーションを施し、抽出が完了するまで再循環させることができる。次いでその植物抽出物を濾過し、ロータリーエバポレーター上で、または蒸気浴上で、最適温度において濃縮して乾燥させることができる。
【0092】
[0088] ジンギベル・オフィキナレの抽出物は、その植物の根または根茎から、乾燥させた根茎を蒸気蒸留し、結果として得られた蒸留液を蒸発により濃縮して粗抽出物を得ることにより調製することができる(次いでそれを上記で記述したようにさらに処理することができる)。加えて、ジンギベル・オフィキナレの抽出物は、乾燥させた根茎の粉末を超臨界COで抽出し、結果として得られた超臨界COの抽出溶液を回収し、その抽出溶液からCOを蒸発させて粗抽出物を得ることにより得ることができる。
【0093】
[0089] ジンギベル・オフィキナレの抽出物の構成要素は、その抽出物にマーカー化合物および有効成分の定性的および定量的推定のためにHPTLC(高速薄層クロマトグラフィー)およびHPLC(高速液体クロマトグラフィー)およびガスクロマトグラフィー(GC)を、それぞれ予めコートされたTLCプレート(Merck)、ODSカラムおよび10% Carbowax 20M (2メートル) GCカラム(温度70〜220℃)上で様々な移動相において施すことにより決定することができる。その抽出物は好ましくは以下のものの1種類以上を含有する:ビサボリン(bisaboline)、シネオール、フェラドレン(phelladrene)、シトラール、ボルネアール、シトロネラール、ゲラミアール(geramial)、リナロール、リモネン、ジンギベロール、ジンギベリン(zingiberine)、カンフェン、ギンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、ジンギベイン、ビタミンB6、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、リノール酸、ペクチン多糖類(ラムモース(rhammose)、アラビノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、グルコースおよび同様のもの)、没食子酸、タンニン酸、ゲンチジン酸、プロトカテク酸、バニリン酸、コーヒー酸、シリンガ酸、桂皮酸、およびそれらの混合物、およびそれらの混合物。
【0094】
[0090] ジジフス・ジョアゼイロの抽出物を調製する1つの方法には、その植物材料を抽出溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、キシレン、ベンゼン、またはトルエンを用いて抽出し、その抽出溶媒から粗生成物を濃縮および結晶化することが含まれる。この生成物はその抽出物のまま用いることができるであろうが、特定の抽出された構成要素の精製において追加の手順が有用である可能性がある。例えば、その粗生成物をジオールおよび場合により上記の溶媒の1種類の中で溶解させることができ、次いでその溶解した粗生成物を溶媒相およびジオール相の間で分配することができる。上記の溶媒の1種類がそのジオールと共に添加されなかった場合、その溶媒の1種類以上はその2つの相の間で分配する前に添加され、その溶媒の1種類が添加された場合、さらなる溶媒はその分配プロセスの前に添加される。その溶媒相を濃縮し、その濃縮物からその抽出物を再結晶させる。
【0095】
[0091] ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの抽出物を調製する他の方法は、本明細書の記述を再吟味すれば当業者にはすぐに明らかになるであろう。
【0096】
[0092] 様々な口腔用組成物中のその構成要素の処置レベルは、有効量のピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類の抽出物、ならびにそれらの混合物がその口腔用組成物が適用される対象動物の口腔表面に送達されるように選択される。例えば、練り歯磨きおよび歯用ゲルでは、本明細書で記述した抽出物の組み合わせの適切な濃度には0.01重量%〜5重量%、例えば0.05〜5重量%、特に0.1〜0.3重量%が含まれる。
【0097】
[0093] 歯磨き粉に関しては、その処置レベルは練り歯磨きおよびゲルに関する処置レベルとおおよそ同じであるが、リンスおよびウォッシュに関しては、その処置レベルはより低い傾向がある。例えば、マウスリンスおよびマウスウォッシュは0.01重量%〜2重量%、例えば0.01重量%から0.6重量%まで、0.01重量%から0.2重量%まで、および0.01重量%から0.05重量%までの抽出物の組み合わせを含有する。加えて、チューインガム、塗布用組成物、食用細片、ビーズ、および同様のものは広い範囲の濃度の抽出物を配合される傾向がある。様々な態様において、その抽出物のレベルは、抽出物のレベルがはるかに高いであろう塗布用組成物を除いて、マウスリンスにおける抽出物のレベルと類似している。
【0098】
[0094] 1観点において、上記で様々な口腔用組成物に関して論じた処置レベルでの抽出物の組み合わせの添加は、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類の抽出物の主な構成要素(単数または複数)、例えばペクチン、アスコルビン酸、ポリフェノールフラボノイド類、エストロゲンであるエストロン、イソフラボン性植物エストロゲンであるゲニステインおよびダイゼイン、植物エストロゲン性クメストロール、グルタミン酸およびアスパラギン酸、アントシアニン類(例えばシアニジン-3-グリコシド、シアニジン-3,3-ジグリコシドおよびデルフィニジン-3-グルコシド(delphindin-3-glucosid))、カテキン類、エラグ酸タンニン類、ならびに没食子酸およびエラグ酸、ならびに加水分解可能なタンニン類であるプニカラジン類、カンフェン類、リモネン類、α-およびβ-ピネン類、ユージノール、メチルユージノール、イソユージノール、安息香酸ブチル、ミリスチン、エレミシン、α-テルピネオール、β-フェランドレン、ミリスチン酸、ドデカン酸ブチル、α-カリオフィレンアルコール、ゲラニルアセトン、ビサボリン(bisaboline)、シネオール、フェラドレン(phelladrene)、シトラール、ボルネアール、シトロネラール、ゲラミアール(geramial)、リナロール、リモネン、ジンギベロール、ジンギベリン(zingiberine)、カンフェン、ギンゲロール、ショウガオール、デヒドロギンゲルジオン、ジンゲロン、ジンギベイン、ビタミンB6、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、リノール酸、ペクチン多糖類(ラムモース(rhammose)、アラビノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、グルコースおよび同様のもの)、没食子酸、タンニン酸、ゲンチジン酸、プロトカテク酸、バニリン酸、コーヒー酸、シリンガ酸、桂皮酸、アルカロイド類、アンフィビンD(amfibine D)、ベツリン酸、ベツリン酸誘導体、ジュジュボゲニン(jujubogenine)、サポニン類、トリテルペン類、ならびにそれらの混合物および誘導体の1種類以上を、個々の構成要素で構成される組成物の重量%により上記で示した処置レベルから低減された処置レベルで添加する作用を有する。従って、1態様において、本発明は、アントシアニン、カテキン類、エラグ酸タンニン類、ユージノール、メチルユージノール、イソユージノール、ユージノール、メチルユージノール、イソユージノール、ミリスチン酸、ベツリン酸、ベツリン酸誘導体、ジュジュボゲニン(jujubogenine)、サポニン類、またはそれらの混合物の1種類以上を口腔用組成物中に0.01重量%〜5重量%の処置レベルで含む歯磨剤を提供する。
【0099】
[0095] 様々な態様において、少なくとも1種類の湿潤剤、少なくとも1種類の研磨性物質、キャリヤー、および有効量の抽出物の組み合わせを含有する組成物が配合される。1態様において、その組成物は0.01重量%〜5重量%の抽出物の組み合わせ、好ましくは0.1重量%〜2重量%の抽出物の組み合わせを含有する。様々な好ましい態様において、その練り歯磨きまたは歯用ゲル組成物は、0.1重量%〜2重量%の抽出物の組み合わせに加えて、1重量%〜70重量%の少なくとも1種類の湿潤剤、および1重量%〜70重量%の少なくとも1種類の研磨性物質を含有する。
【0100】
[0096] 様々な態様において、組成物には追加の抗細菌剤は含まれないが、それらの使用は任意である。追加の抗細菌剤が用いられる場合、その組成物はさらに、塩化セチルピリジニウム、ポリフェノール類、フェノール化合物、スズイオン類、亜鉛イオン類、および同様のものからなるグループから選択される抗細菌剤を含んでいてよい。
【0101】
[0097] 本明細書で記述される組成物は、抗齲食剤、抗歯石または歯石制御剤、陰イオン性カルボキシレートポリマー類、粘度修正剤、界面活性剤、香味料、顔料、シグナル(香味、色、光、熱、匂いおよびその組成物の有効な、または好都合な使用を合図する他のシグナル)、口渇症を処置するための薬剤、および同様のものが含まれるがそれらに限定されない任意の他の成分と共に配合されてよい。
【0102】
[0098] 様々な態様において、その組成物は口に許容できるフッ化物イオンの源を含み、それは抗齲食剤として役立つ。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切なフッ化物イオンの源には、以下のものが含まれる:フッ化物、モノフルオロリン酸塩類およびフルオロケイ酸塩類、ならびにオラフルール(olaflur)(N’-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N’-トリス(2-エタノール)-ジヒドロフルオリド)が含まれるアミンフッ化物類。
【0103】
[0099] 抗齲食剤として、1種類以上のフッ化物を放出する塩類は場合により合計100〜20,000ppm、200〜5,000ppm、または500〜2,500ppmのフッ化物イオンを提供する量で存在する。フッ化ナトリウムが存在する唯一のフッ化物を放出する塩である場合、説明的には0.01重量%〜5重量%、0.05重量%〜1重量%または0.1重量%〜0.5重量%の量のフッ化ナトリウムがその組成物中に存在することができる。他の抗齲食剤、例えばアルギニンおよびアルギニン誘導体(例えばエチルラウロイルアルギニン(ELAH))を用いることができる。
【0104】
[0100] 本明細書において有用であるフェノール化合物には、説明的には、口の許容性の決定を条件として、Dewhirst (1980), Prostaglandins 20(2), 209-222により抗炎症活性を有するものとして同定されたフェノール化合物が含まれるが、それらに限定されない。抗細菌性フェノール化合物の例には、4-アリルカテコール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベンおよびプロピルパラベンが含まれるp-ヒドロキシ安息香酸エステル類、2-ベンジルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、カプサイシン、カルバクロール、クレオソール、ユージノール、グアヤコール(guaiacol)、ヘキサクロロフェンおよびブロモクロロフェンが含まれるハロゲン化ビスフェノール類、4-ヘキシルレゾルシノール、8-ヒドロキシキノリンおよびそれらの塩類、サリチル酸メンチル(menthyl salicylate)、サリチル酸メチルおよびサリチル酸フェニルが含まれるサリチル酸エステル類、フェノール、ピロカテコール、サリチルアニリド、ならびにチモールが含まれる。これらのフェノール化合物は典型的には上記の天然抽出物の1種類以上の中に存在する。
【0105】
[0101] その少なくとも1種類のフェノール化合物は、場合により0.01重量%〜10重量%の総量で存在する。説明的には、本発明の練り歯磨きまたはゲル歯磨剤またはマウスリンス中のその少なくとも1種類のフェノール化合物の総濃度は、0.01%〜5%、例えば0.1%〜2%、0.2%〜1%または0.25%〜0.5%であることができる。
【0106】
[0102] 他の適切な抗細菌剤には、銅(II)化合物、例えば塩化銅(II)、フッ化銅(II)、硫化銅(II)および水酸化銅(II)、亜鉛イオンの源、例えば酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリシン亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛およびクエン酸亜鉛ナトリウム(sodium zinc citrate)、フタル酸およびその塩類、例えばフタル酸マグネシウム一カリウム、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、臭化ドミフェン、塩化アルキルピリジニウム類、例えば塩化セチルピリジニウム(CPC)(CPCの亜鉛および/または酵素との組み合わせが含まれる)、塩化テトラデシルピリジニウムおよび塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム、ヨウ素、スルホンアミド類、ビスビグアニド類、例えばアレキシジン、クロルヘキシジンおよびクロルヘキシジンジグルコネート、ピペリジノ誘導体、例えばデルモピノールおよびオクタピノール、マグノリアの抽出物、ブドウ種子の抽出物、メントール、ゲラニオール、シトラール、ユーカリプトール、抗生物質、例えばオーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシンおよびクリンダマイシン、および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。有用な抗細菌剤のさらなる説明的なリストがGaffarらへの米国特許第5,776,435号において提供されている。存在する場合、これらの追加の抗微生物剤は、抗微生物的に有効な総量で、典型的にはその組成物の0.05重量%〜10重量%、例えば0.1重量%〜3重量%で存在する。
【0107】
[0103] 別の態様において、その組成物は口に許容できる抗歯石剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が存在することができる。適切な抗歯石剤には以下のものが含まれるが、それらに限定されない:ホスフェート類およびポリホスフェート類(例えばピロホスフェート類)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド類、例えばポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸、ポリオレフィンスルホネート類、ポリオレフィンホスフェート類、ジホスホネート類、例えばアザシクロアルカン−2,2−ジホスホネート類(例えば、アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、N−メチルアザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(EHDP)およびエタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネート、ホスホノアルカンカルボン酸ならびにこれらの薬剤のいずれかの塩類、例えばそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩類。有用な無機リン酸およびポリリン酸塩類には、説明的には、一塩基性、二塩基性および三塩基性リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸一、二、三および四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムおよび同様のものが含まれ、ここでナトリウムは場合によりカリウムまたはアンモニウムで置き換えることができる。他の有用な抗歯石剤には、陰イオン性ポリカルボキシレートポリマー類が含まれる。その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマー類は炭素主鎖上にカルボキシル基を含有し、それにはアクリル酸、メタクリル酸、および無水マレイン酸のポリマーまたはコポリマーが含まれる。限定的でない例には、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー類、例えばISP(ニュージャージー州ウェイン)からのGantrez(商標)商標の下で入手可能なそれらが含まれる。さらに他の有用な抗歯石剤には、ヒドロキシカルボン酸類、例えばクエン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸およびシュウ酸、ならびにそれらの塩類、ならびにアミノポリカルボン酸類、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる封鎖剤が含まれる。1種類以上の抗歯石剤は場合によりその組成物中に抗歯石に有効な総量、典型的には0.01重量%〜50重量%、例えば0.05重量%〜25重量%または0.1重量%〜15重量%で存在する。
【0108】
[0104] 様々な態様において、その抗歯石系はトリポリリン酸ナトリウム(STPP)およびピロリン酸四ナトリウム(TSPP)の混合物を含む。様々な態様において、TSPPのSTPPに対する比率は1:2〜1:4の範囲である。好ましい態様において、第1の抗歯石有効成分であるTSPPは1〜2.5%で存在し、第2の抗歯石有効成分であるSTPPは1〜10%で存在する。
【0109】
[0105] 1態様において、その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマーは0.1%〜5%で存在する。別の態様において、その陰イオン性ポリカルボキシレートポリマーはその口腔ケア組成物の0.5%〜1.5%、最も好ましくは1%で存在する。本発明に従う1態様において、その抗歯石系は、例えば上記で論じたGantrez S−97製品のような無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーを含む。
【0110】
[0106] 様々な態様において、そのTSPP対STPP対合成陰イオン性ポリカルボキシレートの比率は5:10:1〜5:20:10(または1:4:2)の範囲である。1態様において、その口腔ケア組成物の抗歯石系はTSPP、STPP、ならびにポリカルボキシレート、例えば無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーを1:7:1の比率で含む。限定的でない態様において、その抗歯石系は本質的に、0.5%〜2.5%で存在するTSPP、1%〜10%で存在するSTPP、ならびに0.5%〜1.5%で存在する無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルのコポリマーからなる。
【0111】
[0107] 別の態様において、その組成物は、例えば歯肉炎、プラーク、歯石、齲食または敏感性を低減するのを助けるのに有用な口に許容できるスズイオンの源を含む。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切なスズイオンの源には、フッ化第1スズ、他のハロゲン化第1スズ類、例えば塩化第1スズ二水和物、ピロリン酸第1スズ、有機第1スズカルボン酸塩類、例えばギ酸第1スズ、酢酸第1スズ、グルコン酸第1スズ、乳酸第1スズ、酒石酸第1スズ、シュウ酸第1スズ、マロン酸第1スズおよびクエン酸第1スズ、第1スズエチレングリオキシド(stannous ethylene glyoxide)、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上のスズイオンの源は、場合により、および説明的には、その組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.1重量%〜7重量%、または1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0112】
[0108] 別の態様において、その組成物は、例えば抗微生物、抗歯石またはブレスフレッシュ(breath-freshening)剤として有用な口に許容できる亜鉛イオンの源を含む。1種類以上のそのような源が存在することができる。適切な亜鉛イオンの源には、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリシン亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛ナトリウムおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の亜鉛イオンの源は、場合により、および説明的には、その組成物の0.05重量%〜3重量%、例えば0.1重量%〜1重量%の総量で存在する。
【0113】
[0109] 別の態様において、その組成物は口に許容できるブレスフレッシュ剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が、ブレスフレッシュに有効な総量で存在することができる。適切なブレスフレッシュ剤には、亜鉛塩類、例えばグルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛および亜塩素酸亜鉛、α−イオノンおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。
【0114】
[0110] 別の態様において、その組成物は口に許容できる抗プラーク剤(プラーク破壊(disrupting)剤が含まれる)を含む。1種類以上のそのような薬剤が、抗プラークに有効な総量で存在することができる。適切な抗プラーク剤には、スズ、銅、マグネシウムおよびストロンチウム塩類、ジメチコンコポリオール類、例えばセチルジメチコンコポリオール、パパイン、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、尿素、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ポリアクリル酸ストロンチウム類ならびにキレート剤、例えばクエン酸および酒石酸ならびにそれらのアルカリ金属塩類が含まれるが、それらに限定されない。
【0115】
[0111] 別の態様において、その組成物は上記で記述したローズマリー構成要素以外の口に許容できる抗炎症剤を含む。1種類以上のそのような薬剤が、抗炎症に有効な総量で存在することができる。適切な抗炎症剤には、ステロイド系薬剤、例えばフルシノロン(flucinolone)およびヒドロコルチゾン、ならびに非ステロイド系薬剤(NSAID)、例えばケトロラック(ketorolac)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク(etodolac)、インドメタシン、スリンダク(sulindac)、トルメチン(tolmetin)、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピロキシカム、ナブメトン(nabumetone)、アスピリン、ジフルニサル(diflunisal)、メクロフェナメート(meclofenamate)、メフェナム酸(mefenamic acid)、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾンが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の抗炎症剤は場合によりその組成物中に抗炎症に有効な量で存在する。
【0116】
[0112] 本発明の組成物は、場合により他の成分、例えば酵素、ビタミン類および抗接着剤を含有する。酵素、例えばプロテアーゼを、汚れ防止および他の作用のために添加することができる。ビタミン類の限定的でない例には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB5、および葉酸が含まれる。様々な態様において、そのビタミン類は抗酸化特性を有する。抗接着剤には、エチルラウロイルアルギニン(ELAH)、solbrol、フィシン、シリコンポリマー類および誘導体、ならびにクオラムセンシング阻害剤が含まれる。
【0117】
[0113] 本発明の組成物中に任意で含ませるのに有用なキャリヤーの中には、希釈剤、研磨剤、重炭酸塩類、pH修正剤(pH modifying agents)、界面活性剤、発泡調節剤(foam modulators)、増粘剤、粘度修正剤、湿潤剤、甘味料、香味料、および着色剤がある。場合により、1種類のキャリヤー物質または同じもしくは異なるクラスの1種類より多くのキャリヤー物質が存在することができる。キャリヤーは、互いと、およびその組成物の他の成分と適合するように選択されるべきである。
【0118】
[0114] 水は好ましい希釈剤であり、マウスウォッシュおよび白化用の液体のような一部の組成物において、一般にアルコール、例えばエタノールを伴う。マウスウォッシュ組成物における水対アルコールの重量比は、一般に1:1〜20:1、例えば3:1〜20:1または4:1〜10:1である。白化用の液体において、水対アルコールの重量比は上記の範囲内またはそれより下、例えば1:10〜2:1であることができる。
【0119】
[0115] 1態様において、本発明の組成物は、例えば研磨剤(polishing agent)として有用な少なくとも1種類の研磨剤(abrasive)を含む。あらゆる口に許容できる研磨剤を用いることができるが、研磨剤のタイプ、粉末度(粒径)および量は、その組成物の通常の使用において歯のエナメル質が過度にすり減らされないように選択されるべきである。適切な研磨剤には、シリカ、例えばシリカゲル、水和シリカまたは沈降シリカの形のもの、アルミナ、不溶性ホスフェート類、炭酸カルシウム、樹脂性研磨剤、例えば尿素−ホルムアルデヒド縮合産物および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。研磨剤として有用な不溶性ホスフェート類の中には、オルトホスフェート類、ポリメタホスフェート類およびピロホスフェート類がある。説明的な例は、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸β−カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウムおよび不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。1種類以上の研磨剤は、場合により、研磨に有効な総量、典型的にはその組成物の5重量%〜70重量%、例えば10重量%〜50重量%または15重量%〜30重量%で存在する。存在する場合、研磨剤の平均粒径は、一般には0.1〜30μm、例えば1〜20μmまたは5〜15μmである。
【0120】
[0116] さらなる態様において、本発明の組成物は、例えば発泡および二酸化炭素の放出により歯および歯肉に“清潔な感触”を与えるのに有用な少なくとも1種類の重炭酸塩を含む。あらゆる口に許容できる重炭酸塩を用いることができ、それにはアルカリ金属重炭酸塩類、例えば重炭酸ナトリウムおよびカリウム、重炭酸アンモニウム、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の重炭酸塩類は場合によりその組成物の0.1重量%〜50重量%、例えば1重量%〜20重量%の総量で存在する。
【0121】
[0117] さらに別の態様において、本発明の組成物は少なくとも1種類のpH修正剤を含む。そのような薬剤には、pHを低くするための酸性化剤、pHを上げるための塩基性化剤、およびpHを望まれる範囲内で制御するための緩衝剤が含まれる。例えば、2〜10、または様々な説明的な態様において2〜8、3〜9、4〜8、5〜7、6〜10、7〜9等のpHを提供するために、酸性化、塩基性化および緩衝剤から選択される1種類以上の化合物を含ませることができる。あらゆる口に許容できるpH修正剤を用いることができ、それにはカルボン酸、リン酸およびスルホン酸、酸塩類(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウム等)、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、カーボネート類、例えば炭酸ナトリウム、ビカーボネート類、セスキカーボネート類、ボレート類、シリケート類、ホスフェート類(例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩類等)、イミダゾールおよび同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上のpH修正剤は場合によりその組成物を口に許容できるpH範囲内に維持するのに有効な総量で存在する。
【0122】
[0118] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の他の構成要素を適合させて(compatibilize)それにより増進された安定性を提供する、界面活性により歯の表面をきれいにするのを助ける、そして撹拌の際に、例えば本発明の歯磨組成物を用いたブラッシングの間に泡を提供するのに有用な、少なくとも1種類の界面活性剤を含む。あらゆる口に許容できる界面活性剤を用いることができ、そのほとんどは陰イオン性、非イオン性または両性である。適切な陰イオン性界面活性剤には、C8−20アルキルサルフェート類、C8−20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド類の水溶性塩類、サルコシネート類、タウレート類、および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。これらおよび他のクラスの説明的な例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム ココナッツ(coconut) モノグリセリド スルホネート、ナトリウム ラウリルサルコシネート、ナトリウム ラウリルイセチオネート、ナトリウム ラウレスカルボキシレートおよびナトリウム ドデシルベンゼンスルホネートが含まれる。適切な非イオン性界面活性剤には、ポロキサマー類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、脂肪アルコールエトキシレート類、アルキルフェノールエトキシレート類、第三級アミンオキシド類、第三級ホスフィンオキシド類、ジアルキルスルホキシド類、および同様のものが含まれるが、それらに限定されない。適切な両性界面活性剤には、C8−20脂肪族第二級および第三級アミン類の陰イオン基、例えばカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートまたはホスホネートを有する誘導体が含まれるが、それらに限定されない。適切な例はココアミドプロピルベタインである。1種類以上の界面活性剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.05重量%〜5重量%または0.1重量%〜2重量%の総量で存在する。
【0123】
[0119] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば撹拌の際にその組成物により生成される泡の量、濃密さ(thickness)または安定性を増大させるのに有用な、少なくとも1種類の発泡調節剤を含む。あらゆる口に許容できる発泡調節剤を用いることができ、それにはポリオキシエチレン類としても知られるポリエチレングリコール類(PEG類)が含まれるが、それらに限定されない。高分子量PEG類が適切であり、それには200,000〜7,000,000、例えば500,000〜5,000,000または1,000,000〜2,500,000の平均分子量を有するPEG類が含まれる。1種類以上のPEG類は場合によりその組成物の0.1重量%〜10重量%、例えば0.2重量%〜5重量%または0.25重量%〜2重量%の総量で存在する。
【0124】
[0120] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物に望ましい粘稠度(consistency)および/または口の感触を与えるのに有用な、少なくとも1種類の増粘剤を含む。あらゆる口に許容できる増粘剤を用いることができ、それには以下のものが含まれるが、それらに限定されない:カルボキシビニルポリマー類としても知られるカルボマー類、アイリッシュモス(Irish moss)としても知られるカラギーナン類、より詳細にはι−カラギーナン(イオタ−カラギーナン)、セルロース系ポリマー類、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびそれらの塩類、例えばCMCナトリウム、天然ガム類、例えばカラヤ(karaya)、キサンタン、アラビアガムおよびトラガカント(tragacanth)ガム、コロイド性ケイ酸アルミニウムマグネシウム、コロイド性シリカおよび同様のもの。1種類以上の増粘剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜15重量%、例えば0.1重量%〜10重量%または0.2重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0125】
[0121] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば成分の沈降もしくは分離を抑制するのに、または液体組成物の撹拌の際の再分散性を促進するのに有用な少なくとも1種類の粘度修正剤を含む。あらゆる口に許容できる粘度修正剤を用いることができ、それには鉱油、ワセリン、粘土および有機改質粘土、シリカ、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の粘度修正剤は場合によりその組成物の0.01重量%〜10重量%、例えば0.1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0126】
[0122] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば空気に晒された際の練り歯磨きの硬化を防ぐために有用な少なくとも1種類の湿潤剤を含む。あらゆる口に許容できる湿潤剤を用いることができ、それには多価アルコール類、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトールまたは低分子量PEG類が含まれるが、それらに限定されない。ほとんどの湿潤剤は甘味料としても機能する。1種類以上の湿潤剤は場合によりその組成物の1重量%〜70重量%、例えば1重量%〜50重量%、2重量%〜25重量%、または5重量%〜15重量%の総量で存在する。
【0127】
[0123] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の味を高めるのに有用な少なくとも1種類の甘味料を含む。あらゆる口に許容できる天然または人工甘味料を用いることができ、それにはデキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、乾燥した転化糖、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ(高フルクトースコーンシロップおよびコーンシロップの固体が含まれる)、部分的に加水分解されたデンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト(isomalt)、アスパルテーム、ネオテーム(neotame)、サッカリンおよびその塩類、ジペプチドに基づく強い甘味料、シクラメート類、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の甘味料は、場合により、選択される個々の甘味料(単数または複数)に強く依存するが典型的にはその組成物の0.005重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0128】
[0124] さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えばその組成物の味を高めるのに有用な少なくとも1種類の香味料を含む。あらゆる口に許容できる天然または人工香味料を用いることができ、それには以下のものが含まれるが、それらに限定されない:バニリン、セージ、マヨラマ、パセリ油、スペアミント油、桂皮油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、柑橘油、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、アプリコット、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴ、サクランボ、パイナップル等に由来する果実油およびエッセンス剤(essences)が含まれる果実油およびエッセンス剤、豆および木の実由来の香味、例えばコーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ、アーモンド等、吸着された、および封入された(encapsulated)香味料、ならびに同様のもの。芳香および/または冷却または昇温作用が含まれる口の中の他の感覚作用を提供する成分も、本明細書における香味料の範囲内に含まれる。そのような成分には、説明的には、メントール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、カンファー、ユーカリ油、ユーカリプトール、アネトール、ユージノール、カシア(cassia)、オキサノン(oxanone)、α−イリゾン、プロペニルグエトール(propenyl guaiethol)、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミン(N-ethyl-p-menthan-3-carboxamine)、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、3-(1-メントキシ)-プロパン-1,2-ジオール、桂皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGA)、メントングリセロールアセタール(MGA)、および同様のものが含まれる。1種類以上の香味料は場合によりその組成物の0.01重量%〜5重量%、例えば0.1重量%〜2.5重量%の総量で存在する。
【0129】
[0125] さらに別の態様において、本発明の組成物は少なくとも1種類の着色剤を含む。本明細書における着色剤には、顔料、染料、レーキおよび特定の光沢または反射性を与える薬剤、例えばパール化剤(pearling agent)が含まれる。着色剤は多くの機能を果たすことができ、それには例えば歯の表面上に白色または淡色のコーティングを提供すること、その組成物により有効に接触された歯の表面上の位置の指標として働くこと、および/または、その組成物の外観、特に色および/または不透明度を改変して消費者への魅力を増進させることが含まれる。あらゆる口に許容できる着色剤を用いることができ、それにはタルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤色、黄色、茶色および黒色酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、チタン化雲母(titaniated mica)、オキシ塩化ビスマス、ならびに同様のものが含まれるが、それらに限定されない。1種類以上の着色剤は、場合によりその組成物の0.001重量%〜20重量%、例えば0.01重量%〜10重量%または0.1重量%〜5重量%の総量で存在する。
【0130】
[0126] 別の態様において、水、一種類以上の上記で論じたような香味料、一種類以上の有機水素化合物、および抗細菌に有効な量の上記で論じたような抗細菌組成物を含有するマウスウォッシュまたはマウスリンス組成物が提供される。様々な態様において、そのマウスウォッシュまたはマウスリンス組成物は、0.001重量%から5重量%までの、ウルソール酸およびカルノシン酸を含有する植物、例えばロスマリヌス・オフィシナリスの葉のアルコール抽出物を含有する。好ましい態様において、その組成物は0.01重量%〜1重量%、例えば0.02重量%〜0.5重量%のローズマリーの抽出物を含有する。その一種類以上の有機水素化合物は、口に許容できる有機溶媒、例えば、限定ではないがエタノールおよびグリセロールである。場合により、そのマウスウォッシュおよびマウスリンス組成物は、その香味料および抗細菌組成物の分散を助けるための界面活性剤を含有する。
【0131】
[0127] 様々な態様において、本発明はガム基剤および有効量の上記で論じた抽出物の組み合わせを含むチューインガム組成物を提供する。チューインガム配合物は、典型的には、1種類以上の可塑剤、少なくとも1種類の甘味剤および少なくとも1種類の香味剤を追加で含有する。
【0132】
[0128] ガム基剤物質は当技術で周知であり、天然もしくは合成のガム基剤またはそれらの混合物が含まれる。代表的な天然ガムまたはエラストマーには、チクル、天然ゴム、ジェロトン(jelutong)、バラタ(balata)、グッタペルカ(guttapercha)、レチカスピ(lechi caspi)、ソルバ(sorva)、グッタカイ(guttakay)、クラウンガム(crown gum)、およびペリロ(perillo)が含まれる。合成ガムまたはエラストマーには、ブタジエン−スチレンコポリマー類、ポリイソブチレンおよびイソブチレン−イソプレンコポリマー類が含まれる。そのガム基剤は、そのチューインガム製品中に10%〜40%、好ましくは20%〜35%の濃度で組み込まれる。
【0133】
[0129] 他の態様において、その口腔用組成物は1種類以上のポリマー性薄膜形成剤および有効量の上記で論じた抽出物の組み合わせを含む食用の口用細片を含む。その1種類以上のポリマー性薄膜形成剤は、口に許容できるポリマー、例えばプルラン、セルロース誘導体、および当技術で周知の可溶性ポリマーが含まれる他の可溶性ポリマーからなるグループから選択される。
【0134】
[0130] 様々な態様において、その組成物は、例えば人工の口の抗プラーク試験において示されるように、口の細菌の組み合わせに対して有効である。様々な態様において、その抗細菌組成物を全く含有しない陰性対照と比較して、プラークの発達の有意な低減が見られる。
【0135】
[0131] 様々な態様において、その組成物は、例えば配合された歯磨剤を用いて実施されるLPO−CCアッセイにおいて実証されるような抗酸化特性も示し、および/またはインビボでの臨床的有効性も示す。例えば、好ましい態様において、本発明の組成物は、修正された歯肉縁プラーク指数の決定において抗歯肉(anti-gingival)の有効性を示す。MGMPIとして知られるプロトコルが公開されている。有効量のローズマリーの抽出物が含まれる組成物は、陰性対照を超える有意な向上を示す。他の態様において、本発明の組成物は、短期臨床試験において示されるようにプラークに対しても有効である。
【0136】
[0132] 様々な態様において、本発明は部分的に、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの抽出物中に見出される構成要素のような構成要素をそのそれぞれの抽出物の内の少なくとも3種類の混合物として歯磨組成物に添加した場合、その歯磨組成物の抗炎症作用が増進されるという発見に基づく。従って、本発明は、様々な態様において、ピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類の抽出物、ならびにそれらの混合物、ならびにピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロ以外の天然抽出物が含まれる抽出物の組み合わせを含有する歯磨組成物を提供する。
【0137】
[0133] ここで、その好ましい態様を以下の限定的でない実施例に関連してより詳細に記述する。
【実施例】
【0138】
実施例1
[0134] 下記の表1において列挙した以下の成分を用いて練り歯磨き配合物を調製する。下記の表中に列挙されている“抽出物の混合物”には、等しい重量百分率のピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの抽出物が含まれるであろう。
【0139】
【表1】

【0140】
[0135] 上記の練り歯磨き配合物は、その天然抽出物の組み合わせ無しの一般に用いられる練り歯磨き配合物と比較した場合に、向上した抗細菌および抗炎症特性を提供するであろう。例えば、その追加の天然抽出物は、マグノリア、ローズマリー、ツバキ、モリン、ウーロン茶、ジュグランス・レジア、ザントクシルム・アラントゥム(Zanthoxylum alantum)、ミムソプス・エレンギ、トロロアオイモドキ、アーユルヴェーダ、ガルシニア・マンゴスターナL、カラパ・プロセラ、セネガルマホガニー、サルバドラ・ペルシカ、ウリ科(コロシント)、アカシア・カテキュー、アカシア・ニロティカ、アキラテス・アスペラ(Achyrathes aspera)、アザディラクタ・インディカ、アリストロキア・ブラクテオレート、シナモムム・カンフォーラ、シナモムム・ベルム、クルクマ・ロンガ、ユーカリプタス・グロブルス、フィカス・ベンガレンシス、ジュグランス・レジア、マドフカ・ロンギフォリア、ミムソプス・エレンギ、オシマム・サンクタム、ウーロン茶(Oolonga tea)、ピペルベテルの葉、ピペル・ロングム、ピペル・ニグルム、ポテンチラ・フルゲンス、シジギウム・アロマティクム、スピランテス・カルバ、バクシニウム・マクロカルポン、ザントクシルム・アルマトゥムであると考えられ、その組成物は天然抽出物ならびにピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物の混合物の組み合わせを含有しない練り歯磨き配合物と比較した場合に向上した抗細菌および抗炎症有効性を有するであろう。
【0141】
実施例2
[0136] 以下の成分を用いてマウスウォッシュ配合物を調製する:
【0142】
【表2】

【0143】
[0137] 上記のマウスウォッシュ配合物は、その天然抽出物の組み合わせ無しの一般に用いられるマウスウォッシュ配合物と比較した場合に、向上した抗細菌および抗炎症特性を提供するであろう。
【0144】
[0138] 本発明は上記で説明的な実施例に関連して記述されたが、本発明はその開示された態様に限定されないことは理解されるべきである。当業者が本明細書を読んで思い浮かぶであろう変更および修正も本発明の範囲内であり、それは添付された特許請求の範囲において定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
ピューニカ・グラナツム(Punica granatum)、ミリスチカ・フラグランス(Myristica fragrans)、ジンギベル・オフィキナレ(zingiber officinale)、およびジジフス・ジョアゼイロ(Zizyphus joazeiro)の内の少なくとも3種類からの抽出物の混合物ならびにピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物以外の天然抽出物を含む抽出物の組み合わせ;ならびに
口に許容できるキャリヤー
を含む、口腔用組成物。
【請求項2】
0.01重量%〜5重量%のその抽出物の組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.1重量%〜2重量%のその抽出物の組み合わせを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
そのピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物以外の天然抽出物が、オレガノ(oregano)、マグノリア、クランベリー、ローズマリー、ツバキ(Camellia)、モリン(morin)、ガルシニア・マンゴスターナL(Garcinia mangostana L)、ジャバラ(Jabara)、アザディラクタ・インディカ(Azadirachta indica)、アカシア(Acacia)、ウーロン茶、ジュグランス・レジア(Juglans regia)、ザントクシルム・アラントゥム(Zanthoxylum alantum)、ミムソプス・エレンギ(Mimusops elengi)、トロロアオイモドキ(Hibiscus abelmoschus)、アーユルヴェーダ(Ayurvedic)、カラパ・プロセラ(Carapa procera)、セネガルマホガニー(Khaya senegalensis)、サルバドラ・ペルシカ(Salvadora persica)、ウリ科(Cucurbitaceae)(コロシント(Citrullus colocynthis))、アカシア・カテキュー(Acacia catechu)、アカシア・ニロティカ(Acacia nilotica)、アキラテス・アスペラ(Achyrathes aspera)、アザディラクタ・インディカ、アリストロキア・ブラクテオレート(Aristolochia bracteolate)、シナモムム・カンフォーラ(Cinnamomum camphora)、シナモムム・ベルム(Cinnamomum verum)、クルクマ・ロンガ(Curcuma longa)、ユーカリプタス・グロブルス(Eucalyptus globulus)、フィカス・ベンガレンシス(Ficus bengalensis)、ジュグランス・レジア、マドフカ・ロンギフォリア(Madhuca longifolia)、ミムソプス・エレンギ、オシマム・サンクタム(Ocimum sanctum)、ウーロン茶(Oolonga tea)、ピペルベテル(Piper betel)の葉、ピペル・ロングム(Piper longum)、ピペル・ニグルム(Piper nigrum)、ポテンチラ・フルゲンス(Potentilla fulgens)、シジギウム・アロマティクム(Syzygium aromaticum)、スピランテス・カルバ(Spilanthes calva)、バクシニウム・マクロカルポン(Vaccinium macrocarpon)、ザントクシルム・アルマトゥム(Zanthoxylum armatum)の抽出物、およびそれらの混合物からなるグループから選択される1種類以上の天然抽出物である、いずれかの前記の請求項に記載の組成物。
【請求項5】
さらに、フェノール化合物、スズイオン類、亜鉛イオン類、およびそれらの混合物から選択される追加の抗細菌剤を含む、いずれかの前記の請求項に記載の組成物。
【請求項6】
その亜鉛イオン類が酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリシン亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛ナトリウム、およびそれらの混合物からなるグループから選択される1種類以上の亜鉛を含有する化合物により提供される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
その組成物がさらに湿潤剤、研磨剤、抗齲食剤、抗歯石または歯石制御剤、陰イオン性カルボキシレートポリマー類、粘度修正剤、界面活性剤、香味料、顔料、およびそれらの混合物からなるグループから選択される少なくとも1種類の追加の構成要素を含む、いずれかの前記の請求項に記載の組成物。
【請求項8】
その組成物が:粉末;練り歯磨きまたは歯用ゲル;歯周用ゲル;歯の表面に塗布するのに適した液体;チューインガム;溶解可能な、部分的に溶解可能な、または溶解不能な薄膜または細片;ビーズ、ウェファー;ワイプまたはタオレット;インプラント;マウスリンス、泡状物質、およびデンタルフロスからなるグループから選択される形の歯磨剤である、いずれかの前記の請求項に記載の組成物。
【請求項9】
そのピューニカ・グラナツム、ミリスチカ・フラグランス、ジンギベル・オフィキナレ、およびジジフス・ジョアゼイロの内の少なくとも3種類からの抽出物の混合物が等しい重量百分率のそれぞれの抽出物を含有する、いずれかの前記の請求項に記載の組成物。
【請求項10】
それを必要とする患者の口腔に請求項1〜9のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、口腔の軟組織の疾患または病気を処置する方法。
【請求項11】
その疾患または病気が口内乾燥症である、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2013−512906(P2013−512906A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542137(P2012−542137)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/058464
【国際公開番号】WO2011/068812
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】