説明

太陽光発電装置およびその設置方法

【課題】架台同士やパネル体同士をアース線で接続する必要のない太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】太陽光発電パネル1を保持してなるパネル体10と、パネル体10を支持する架台2とが設けられ、パネル体10は少なくとも屋根面3の傾斜方向に沿って複数枚が配置されると共に、太陽光発電パネル1の縦辺を保持する縦枠13を有し、架台2はパネル体10の縦枠13を支持固定する縦レール部材20を有し、縦レール部材20はパネル体10の縦枠13を支持固定するパネル固定部44を有し、パネル固定部44と縦枠13は導電性を有する締結具により固着され、縦レール部材20は屋根面3の傾斜方向に沿って隣接するパネル体10をまたがるように配置され、隣接するパネル体10の両方の縦枠13に対し縦レール部材20が締結具により固着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根に設置される太陽光発電パネルを支持してなる太陽光発電装置およびその設置方法に関し、特に複数の太陽光発電パネルを支持すると共に、各太陽光発電パネルを架台により電気的に接続した太陽光発電装置およびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の屋根面に太陽光発電パネルを設置するには、それを支持、固定する支持構造を設け、太陽光発電装置を構成する必要がある。太陽光発電装置のうち、屋根一体型の構造では、まず、木材からなる野地板に防水加工を施した上で、その表面に鋼板を敷設する。この鋼板の上、または鋼板の下に潜り込ませるようにして、太陽光発電パネルを支持する架台を設置する。太陽光発電パネルは、これを四周に渡って保持する枠体に囲まれてパネル体を構成しており、パネル体は枠体の周縁部が架台に載置され、固定がなされる。
【0003】
太陽光発電パネルは、電気的に接地させる必要があり、太陽光発電装置においては、太陽光発電パネルを保持する枠体と架台とを電気的に接続するようにしていた。そのための構造としては、枠体と架台とを接続するネジにより、両者を導通させ、さらに架台同士をアース線により電気的に接続するようにしていた。かかる構成を有する太陽光発電装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−262800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
架台は、アルミニウムの型材によって形成されるが、アルミニウムは表面に酸化被膜が生じるため、単に架台同士を接触させただけでは十分な導通性を得られない。このため、従来の太陽光発電装置では、架台を構成する部材同士、あるいはパネル体同士をアース線で接続することが必須となり、施工が面倒となっていた。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、架台を構成する部材同士やパネル体同士をアース線で接続する必要のない太陽光発電装置およびその設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る太陽光発電装置は、建物の屋根面に太陽光発電パネルが固定されてなる太陽光発電装置において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体を支持する架台とが設けられ、
前記パネル体は少なくとも前記屋根面の傾斜方向に沿って複数枚が配置されると共に、前記太陽光発電パネルの前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持し導電性を有する縦枠を有し、前記架台は前記パネル体の縦枠を支持固定し導電性を有する縦レール部材を有し、
前記縦レール部材は前記パネル体の縦枠を支持固定するパネル固定部を有し、該パネル固定部と縦枠は導電性を有する締結具により固着され、
前記縦レール部材は前記屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体をまたがるように配置され、該隣接するパネル体の両方の縦枠に対し前記縦レール部材が前記締結具により固着されることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係る太陽光発電装置は、前記縦レール部材のパネル固定部及び縦枠には、前記締結具の径よりも小さい径の孔が形成されることを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置は、前記縦レール部材は、前記屋根面の傾斜方向と直交する方向に沿って隣接するパネル体の縦枠をそれぞれ支持固定できるように、それぞれに対応した前記パネル固定部を一体的に有してなることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係る太陽光発電装置の設置方法は、建物の屋根面に太陽光発電パネルを固定する太陽光発電装置の設置方法において、
前記太陽光発電パネルを保持してなり、該太陽光発電パネルの前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持する導電性を有した縦枠を有するパネル体と、該パネル体を支持し、前記パネル体の縦枠を支持固定するパネル固定部を備えた導電性を有する縦レール部材を有する架台とが前記屋根面に固定されるものであって、
前記パネル体を少なくとも前記屋根面の傾斜方向に沿って複数枚配置し、前記縦レール部材は前記屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体をまたがるように配置固定され、該隣接するパネル体の両方の縦枠に対し前記縦レール部材が導電性を有する締結具により固着されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る太陽光発電装置によれば、架台を構成する縦レール部材は屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体をまたがるように配置され、隣接するパネル体の両方の縦枠に対し縦レール部材が締結具により固着されることにより、縦レール部材を介して屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体を同電位とすることができ、架台同士やパネル体同士をアース線で接続する必要がないようにすることができるので、施工性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レール部材のパネル固定部及び縦枠には、締結具の径よりも小さい径の孔が形成されることにより、縦レール部材や縦枠をアルミニウムで形成した場合にも、締結具との間で確実な導通をなすことができる。
【0013】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レール部材は、屋根面の傾斜方向と直交する方向に沿って隣接するパネル体の縦枠をそれぞれ支持固定できるように、それぞれに対応したパネル固定部を一体的に有してなることにより、縦レール部材によって屋根面の傾斜方向と直交する方向に沿って隣接するパネル体についても同電位とすることができ、装置の全体において同電位としてアース線を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における太陽光発電装置の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図2のうち縦レール部材付近の拡大図である。
【図5】図4の分解図である。
【図6】パネル体と縦レール部材との関係を誇張して表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の太陽光発電装置は、傾斜面状に構成されてなる建物の屋根に取付けられるものである。すなわち、太陽光発電装置は、屋根面の傾斜に沿って設けられている。また、本実施形態の太陽光発電装置は、建物の施工時に屋根と一体的に形成されるものであり、建物の屋根を兼ねた屋根一体型の支持構造を有してなるものである。
【0016】
図1には、本実施形態における太陽光発電装置の平面図を示している。本実施形態では、屋根面の傾斜方向に沿って2枚、屋根面の傾斜方向と直交する左右方向に沿って3枚の太陽光発電パネル1を並設しており、合計で6枚の太陽光発電パネル1を支持固定している。太陽光発電パネル1は、方形状に枠組みされた枠体11によって周縁部を保持されてパネル体10を構成しており、このパネル体10が屋根面に設置される架台2によって支持されている。
【0017】
枠体11は、太陽光発電パネル1の縁部のうち屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持する縦枠13と、太陽光発電パネル1の縁部のうち屋根面の傾斜方向と直交する左右方向に沿う横辺を保持する横枠12とからなっている。横枠12は、パネル体10の上辺を構成する上枠50と、パネル体10の下辺を構成する下枠55とからなっている。縦枠13は、架台2を構成する縦レール部材20によって支持固定されており、横枠12は、架台2を構成する中間ブラケット21によって支持されている。
【0018】
架台2を構成する縦レール部材20は、左右方向に隣接するパネル体10の縦辺をそれぞれ支持固定できるように、長尺状に形成され、左右方向に一定間隔で配置される。本実施形態では、パネル体10は左右方向に3枚配置されるので、図1に示すように、左右方向両端に配置されて一方側のみパネル体10を支持固定する縦レール部材20と、左右方向中間位置に配置されて両側でパネル体10を支持固定する縦レール部材20が、それぞれ設けられる。
【0019】
パネル体10の横辺については、短尺状に形成された中間ブラケット21によって支持される。その詳細な構成については後述する。また、太陽光発電装置の下端部には、左右方向に沿って軒側端部材22が、太陽光発電装置の上端部には、左右方向に沿って棟側端部材23が、それぞれ設けられる。
【0020】
太陽光発電装置につきより詳細に説明する。図2には図1のA−A断面図を、図3には図1のB−B断面図を、それぞれ示している。なお、図2はA−A断面のうち左半分を省略すると共に、中間の一部を省略し、また、図3ではB−B断面のうち中間の一部を省略している。図2に示すように、建物の屋根面3は、左右方向に一定間隔で配置される垂木32によって野地板30が支持されて構成されている。野地板30は木材からなり、その表面には防水シート31が張られている。
【0021】
屋根面3の表面には、鋼板4が敷設され、鋼板4の上に架台2が設置されてパネル体10を支持固定している。架台2は、前述のようにパネル体10の縦辺を支持固定する縦レール部材20を有している。縦レール部材20は、垂木32の間隔に合わせてその直上に配置され、屋根面3及び垂木32に対してビス止め固定される。これにより、架台2の固定強度を大きくすることができる。
【0022】
架台2は、縦レール部材20と、縦レール部材20間に設けられる中間ブラケット21とによって構成されている。縦レール部材20は、パネル体10の縦枠13を長手方向に沿って支持し、中間ブラケット21は、パネル体10の横枠12を一定間隔毎に支持している。中間ブラケット21の左右方向の長さは、縦レール部材20間の距離よりも小さいため、架台2にはパネル体10の下方に屋根面の傾斜方向に沿って貫通する空間領域が形成され、この空間領域を空気が抜けることができるようになっている。
【0023】
図3に示すように、中間ブラケット21は、屋根面の傾斜方向に沿って隣接する2枚のパネル体10を構成する各横枠12、12を支持し、棟側端部と軒側端部では、それぞれ1つの横枠12を支持しており、各パネル体10の左右方向における中間部において、パネル体10の厚み方向への移動を規制している。これにより、風圧等によるパネル体10の撓みを防止することができる。
【0024】
次に、縦レール部材20の固定構造につき詳細に説明する。図4には図2のうち縦レール部材20付近の拡大図を、図5には図4の分解図を、それぞれ示している。縦レール部材20は、屋根面3に敷設される鋼板4に載置され、鋼板4を介して屋根面3に対して固定される底面部40と、底面部40から立ち上がる内側レール部41及び外側レール部42と、内側レール部41のさらに内側に形成されるアタッチメント固定部43を有している。
【0025】
底面部40は、前述のように鋼板4の突き合わせ部5よりも幅広となるように形成されていて、突き合わせ部5を外部に直接露出させないようにしている。また、底面部40の中央位置において、縦レール部材20はビス48によって屋根面3に対し固定されている。
【0026】
内側レール部41と外側レール部42は、それぞれアタッチメント固定部43を挟んだ一組の立ち上がり片からなっている。内側レール部41は、底面部40から垂直方向に立ち上がっており、その上端部にはそれぞれ縦レール部材20の中央側に向かって伸びる面状のパネル固定部44を有していて、内側レール部41とパネル固定部44とで断面略L字状をなすように形成されている。
【0027】
縦レール部材20は、外側レール部42と内側レール部41を備えているから、底面部40とで内側レール部41と外側レール部42と底面部40とからなる外側の大きな凹部と内側レール41とアタッチメント固定部43と底面部40とからなる内側の小さな凹部をそれぞれ形成している。したがって、太陽光発電パネル1間より水が浸入したとしても、これらの凹部が水通路となり屋根下方に水が流れるので、ビス48による固定位置に水が浸入しないようにすることができる。さらに、パネル固定部44は、縦レール部材20の中央側端部がアタッチメント固定部43よりも外側位置にあるため、仮にパネル固定部44の上面側に水が浸入したとしても、浸入した水はアタッチメント固定部43よりも外側の内側レール部41間の領域に落ちるから、アタッチメント固定部43の内側、すなわちビス48の固定位置側には水が浸入しないようにすることができる。
【0028】
また、底面部40のビス48を固定する部分は、厚肉状とされた凸部40aが形成されており、凸部40aが形成されていることで、アタッチメント固定部43で囲まれたビス48の固定位置に仮に水が浸入したとしても、アタッチメント固定部43と凸部40aにより凹部による水通路が形成され、該通路を通り屋根下方に水が流れるので、屋根面3に挿通されるネジ面に水が浸入しないようにすることができ、防水性をさらに高くすることができる。
【0029】
縦レール部材20のパネル固定部44に対しては、パネル体10の縦枠13が載置され、締結具であるビスにより固着されている。縦枠13は、太陽光発電パネル1の周面と対向する周面部13aと、周面部13aからパネル体10の外周側に突出する平面状の固定面部13bと、周面部13aからパネル体10の内周側に突出し太陽光発電パネル1の周縁部を保持するパネル保持部13cとを備えている。このうち縦枠13の固定面部13bが、縦レール部材20のパネル固定部44に載置され、固着される。
【0030】
縦レール部材20は、中央部のアタッチメント固定部43を挟んで両側にそれぞれパネル固定部44が形成されるので、隣接する左右のパネル体10の縦枠13を、それぞれ支持固定することができる。左右のパネル固定部44は、先端部間が離隔しているため、縦レール部材20においてはアタッチメント固定部43及びビス48の上方が開放状となっている。これに伴い、隣接する両縦枠13も離隔した状態で支持固定されている。このため、パネル体10の取付けや取外しの際には、縦枠13を左右方向にスライド移動させることが可能となっている。
【0031】
また、左右のパネル固定部44が離隔しており、アタッチメント固定部43及びビス48の上方が開放状となっているため、縦レール部材20を屋根面3に対し容易に固定することができると共に、取外しも容易にすることができる。さらには、縦枠13を縦レール部材20に固定する際には、縦枠13の固定面部13bを縦レール部材20のパネル固定部44に載置して固定すればよいので、位置合わせも容易にすることができる。さらに、パネル固定部44の端面には、長手方向にわたり突起44aが形成されており、パネル体10を載置した際にその脱落を防止することができる。
【0032】
縦レール部材20のアタッチメント固定部43は、ビス48による固定位置を挟んで断面略L字状の一組の突出部からなっている。このアタッチメント固定部43には、カバー用アタッチメント46が係合固定され、カバー用アタッチメント46には縦レールカバー45が固定される。
【0033】
カバー用アタッチメント46は、下端部にアタッチメント固定部43に対し係合自在な係合部46aを備えている。カバー用アタッチメント46はアタッチメント固定部43からパネル体10の上面近傍位置までの高さを有しており、上端部には縦レールカバー45を固定自在なカバー固定部46bを備えている。
【0034】
縦レールカバー45は、カバー固定部46bに対してビス止め固定されるカバー側固着部45aと、カバー側固着部45aから左右に伸びるカバー部45bとからなっている。カバー部45bは、左右方向に隣接する縦枠13の周面部13a間に形成される空間部分を覆うと共に、パネル体10を構成する縦枠13のパネル保持部13cの周縁部にかかる位置まで伸びるように形成されており、縦レール部材20への水の浸入を防止している。
【0035】
次に、太陽光発電パネル1の接地の構成について説明する。図6には、パネル体10と縦レール部材20との関係を誇張して表した平面図を示している。この図では、パネル体10を簡略化していると共に、縦レール部材20の幅を大きく誇張して示している。それぞれの太陽光発電パネル1は、電気的に接地させる必要があるが、本実施形態ではパネル体10の縦枠13を固定する縦レール部材20を介して接地をなすように構成されている。
【0036】
図6に示すように、縦レール部材20は、長手方向にそれぞれ2本に分かれており、棟側に配置される縦レール部材20は、棟側のパネル体10の上端位置から中間位置まで伸び、軒側に配置される縦レール部材20は、棟側のパネル体10の中間位置から軒側のパネル体10の下端位置まで伸びている。すなわち、軒側の縦レール部材20は、いずれも屋根面3の傾斜方向に沿って隣接するパネル体10をまたがるように配置されている。なお、図6では、縦レール部材20の長さを明確化するため、屋根面3の傾斜方向に沿って隣接する縦レール部材20間に隙間を有するように表されているが、実際には両者を突き当てて隙間が生じないように配置される。
【0037】
それぞれの縦レール部材20は、前述のようにパネル固定部44を両側に有し、パネル体10の縦枠13を締結具であるビスにより固定するため、パネル固定部44と縦枠13には、長手方向に沿って複数の締結用孔49が形成されている。締結用孔49は、縦枠13を固定するビスのネジ径よりも若干小さい径を有するように形成されている。具体的には、ビスのネジ径は5mmとされるのに対し、締結用孔49は4.5mm程度に形成される。
【0038】
縦レール部材20及び縦枠13は、アルミニウムよって形成されているため、表面に生じる酸化被膜によって、表面への接触だけでは導電性が低い。そこで締結用孔49がビスのネジ径よりも小さいことで、縦レール部材20と縦枠13を固定する際には、ビスは締結用孔49にねじ込まれ、縦レール20と縦枠13とビスとの接触面を傷つけるので確実に導通を確保することができる
【0039】
縦レール部材20と縦枠13との締結具による固定によって、縦レール部材20とパネル体10とが同電位となる。長手方向2本の縦レール部材20は、いずれも棟側のパネル体10に締結用孔49を介して固定されるから、同電位となる。そして、軒側の縦レール部材20は、棟側のパネル体10にも締結用孔49を介して固定されるから、これを介して棟側と軒側の隣接するパネル体10、10も、同電位となる。
【0040】
このように、軒側の縦レール部材20が屋根面3の傾斜方向に沿って隣接する2枚のパネル体10にまたがって配置されていることにより、両パネル体10、10を、縦レール部材20とのビス止めを介して導通させることができる。また、アルミニウムからなる縦レール部材20に左右方向に隣接するパネル体10をそれぞれ固定できるパネル固定部44、44が一体的に形成されているので、屋根面3の傾斜方向と直交する左右方向に隣接する2枚のパネル体10、10についても、縦レール部材20とのビス止めを介して導通させることができる。
【0041】
さらに、太陽光発電パネル1は、周縁部に沿って全周が同電位となるように構成されているから、屋根面3の傾斜方向と直交する左右方向に沿って離隔配置された各縦レール部材20、及びそれと固定されるパネル体10が、全て同電位となる。これらによって、図6に示す全ての縦レール部材20及びパネル体10が、同電位となるから、いずれか1か所を接地線に接続することで、太陽光発電装置の全体を接地することができる。これにより、架台2同士、あるいはパネル体10同士をアース線で接続する必要がなく、施工を容易にすることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、太陽光発電パネル1の枚数は、本実施形態のものには限られないが、少なくとも屋根面3の傾斜方向に隣接するパネル体10間には、これらをまたがる縦レール部材20が設けられることとなる。
【符号の説明】
【0043】
1 太陽光発電パネル
2 架台
3 屋根面
4 鋼板
10 パネル体
11 枠体
12 横枠
13 縦枠
20 縦レール部材
21 中間ブラケット
40 底面部
41 内側レール部
42 外側レール部
43 アタッチメント固定部
44 パネル固定部
45 縦レールカバー
46 カバー用アタッチメント
49 締結用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根面に太陽光発電パネルが固定されてなる太陽光発電装置において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体を支持する架台とが設けられ、
前記パネル体は少なくとも前記屋根面の傾斜方向に沿って複数枚が配置されると共に、前記太陽光発電パネルの前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持し導電性を有する縦枠を有し、前記架台は前記パネル体の縦枠を支持固定し導電性を有する縦レール部材を有し、
前記縦レール部材は前記パネル体の縦枠を支持固定するパネル固定部を有し、該パネル固定部と縦枠は導電性を有する締結具により固着され、
前記縦レール部材は前記屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体をまたがるように配置され、該隣接するパネル体の両方の縦枠に対し前記縦レール部材が前記締結具により固着されることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項2】
前記縦レール部材のパネル固定部及び縦枠には、前記締結具の径よりも小さい径の孔が形成されることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記縦レール部材は、前記屋根面の傾斜方向と直交する方向に沿って隣接するパネル体の縦枠をそれぞれ支持固定できるように、それぞれに対応した前記パネル固定部を一体的に有してなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽光発電装置。
【請求項4】
建物の屋根面に太陽光発電パネルを固定する太陽光発電装置の設置方法において、
前記太陽光発電パネルを保持してなり、該太陽光発電パネルの前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持する導電性を有した縦枠を有するパネル体と、該パネル体を支持し、前記パネル体の縦枠を支持固定するパネル固定部を備えた導電性を有する縦レール部材を有する架台とが前記屋根面に固定されるものであって、
前記パネル体を少なくとも前記屋根面の傾斜方向に沿って複数枚配置し、前記縦レール部材は前記屋根面の傾斜方向に沿って隣接するパネル体をまたがるように配置固定され、該隣接するパネル体の両方の縦枠に対し前記縦レール部材が導電性を有する締結具により固着されることを特徴とする太陽光発電装置の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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