説明

太陽光発電設備の出力安定化装置

【課題】太陽光発電設備の出力電力に含まれる脈動分が三相交流系統に供給されることを抑制できる太陽光発電設備の出力安定化装置を提供することである。
【解決手段】二次電池またはキャパシタが並列接続された電力変換器15を太陽光発電設備12が連系される三相交流系統11の接続端の各相にカスケードに接続して2個のカスケード変換器システム14A、14Bを構成し、2個のカスケード変換システム14A、14Bの中性点間にNAS電池16を接続し、制御装置17は、太陽光発電設備12の三相交流系統11への出力電力の脈動分を含む部分を2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込み、取り込んだ電力の短周期の脈動分を二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化し、平均化した電力をNAS電池16に充電するように2個のカスケード変換器システム14A、14Bの電力変換器15を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相交流系統に連系される太陽光発電設備の出力電力を安定化する太陽光発電設備の出力安定化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然エネルギーを用いて発電する太陽光発電設備は、天候に左右されるので、太陽光発電設備と系統との間に二次電池を設置して、発電量が余剰のときは二次電池に充電するようにしている。
【0003】
また、電力変換器をカスケードに接続してカスケード変換器を構成し、各々の電力変換器に二次電池を接続して構成された電力貯蔵装置がある(例えば、非特許文献1参照)。この電力貯蔵装置は、カスケード変換器の直流電圧部はそれぞれ独立しており、二次電池と単相ブリッジコンバータを1つのセル構造としており、拡張性が高く高電圧設計や低歪みの出力波形を実現できるものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】平成21年電気学会全国大会、4−166、2009/3/17〜19北海道、電池電力貯槽装置に使用するカスケードPWM変換器の実験的検討
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽光発電設備の出力電力には脈動分が含まれる。その脈動分を含んだ出力電力が三相交流系統に供給されると、三相交流系統の電圧変動や周波数変動が増加するなどの問題が顕在化する虞がある。今後は太陽光発電設備の導入が増加することが予想されるので、太陽光発電設備の出力電力変動による電圧変動対策や周波数変動対策が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、太陽光発電設備の出力電力に含まれる脈動分が三相交流系統に供給されることを抑制できる太陽光発電設備の出力安定化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る太陽光発電設備の出力安定化装置は、二次電池またはキャパシタが並列接続された電力変換器を太陽光発電設備が連系される三相交流系統の接続端の各相にカスケードに接続して構成された2個のカスケード変換器システムと、前記2個のカスケード変換システムの中性点間に接続されたNAS電池と、前記2個のカスケード変換器システムの電力変換器を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記太陽光発電設備の前記三相交流系統への出力電力の脈動分を含む部分を2個のカスケード変換器システムに取り込み、取り込んだ電力の短周期の脈動分を前記二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化し、平均化した電力を前記NAS電池に充放電するように前記2個のカスケード変換器システムの電力変換器を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、太陽光発電設備の三相交流系統への出力電力の脈動分を含む部分を2個のカスケード変換器システムに取り込むので、太陽光発電設備の三相交流系統への出力電力には脈動分が含まれない。また、2個のカスケード変換器システムに取り込んだ電力の短周期の脈動分は、二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化し、平均化した電力はNAS電池に充放電するので、NAS電池への充放電は安定して行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る太陽光発電設備の出力安定化装置の構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る2個のカスケード変換器システムの電力の流れの説明図。
【図3】本発明の実施形態におけるカスケード変換器システム14A、14Bの三相RST相の電圧波形の一例を示す波形図。
【図4】本発明の実施形態における制御装置の回路構成図。
【図5】太陽光発電設備の出力電力と閾値PL及びNAS電池の充放電電力の関係の説明図。
【図6】本発明の実施形態における電力変換器に並列接続された二次電池またはキャパシタの充放電電力及びNAS電池の充放電電力の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る太陽光発電設備の出力安定化装置の構成図である。三相交流系統11に連系された太陽光発電設備12の連系点の近傍に受電変圧器13が設けられ、受電変圧器13の二次側には2個のカスケード変換器システム14A、14Bが並列接続されている。カスケード変換器システム14A、14Bは、受電変圧器13の二次側において、三相の各相に、二次電池またはキャパシタ(蓄電装置)が並列接続された複数の電力変換器15をカスケードに接続して構成され、各相はY接続されている。図1では各々の電力変換器15に、それぞれ二次電池及びキャパシタが並列接続された場合を示している。そして、2個のカスケード変換器システム14A、14Bの中性点間にNAS電池16が接続されている。
【0011】
制御装置17は、2個のカスケード変換器システム14A、14Bの各々の電力変換器15を制御するものであり、直流ループ電流制御部18と電力制御部19とを有している。
【0012】
太陽光発電設備12の出力電力Pは電力検出器20で検出され、取込電力演算部21に入力される。取込電力演算部21は、2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込む又は出力電力を演算するものであり、この取込電力演算部21で取り込む取込電力P1は、太陽光発電設備12の出力電力のうち、脈動分を含む部分を取り込むように演算される。取込電力演算部21で演算された取込電力P1は制御装置17の直流ループ電流制御部18及び電力制御部19に入力される。
【0013】
直流ループ電流制御部18は、2個のカスケード変換器システム14A、14Bに、太陽光発電設備12の出力電力の脈動分を含む取込電力P1を取り込んだ際に、2個のカスケード変換器システム14A、14BとNAS電池16とで形成される直流ループ(カスケード変換器システム14A−NAS電池16−カスケード変換器システム14B−カスケード変換器システム14A)の各相に流れる直流ループ電流を制御するものである。
【0014】
直流ループ電流制御部18は、取込電力演算部21からの取込電力P1、直流電流検出器23rA、23sA、23tA及び23rB、23sB、23tBで検出されたカスケード変換器システム14A、14Bの出力電流を入力し、その差分から直流ループ電流を演算する。2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込んだ取込電力P1に基づいて直流ループの直流ループ電流Idr、Ids、Idtが平均化した電流となる制御指令gを演算し電力制御部19に出力する。
【0015】
電力制御部19は、取込電力演算部21からの取込電力P1、電力検出器24A、24Bで検出されカスケード変換器システム14A、14Bに取り込まれた電力PA、PB、電流検出器25で検出されたシステム出力電流Ir、Is、It、電圧検出器26で検出された受電端変圧器13の二次側電圧Vr、Vs、Vt、直流電力検出器22で検出された直流電力Pdc及び直流ループ電流制御部18で演算された直流ループ電流の制御指令gを入力し、取り込んだ取込電力P1の短周期の脈動分を二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化し、平均化した電力をNAS電池に充放電するように、2個のカスケード変換器システム14A、14Bの電力変換器15を制御する。
【0016】
図2は、2個のカスケード変換器システム14A、14Bの電力PA、PB、二次電池またはキャパシタ電力PbatA、PbatB、NAS電池電力Pdcの流れを説明する図である。NAS電池電力Pdcはカスケード変換器システム14A、14Bの直流電力PdcAとPdcBに分流し、PdcAはPAとPbatAに、またPdcBはPBとPbatBに分流する。さらにカスケード変換器システム14Aの直流電力PdcAは、三相のR、S、T相ごとに分流し、PdcAr、PdcAs、PdcAtとなり、カスケード変換器システム14Aの交流電力PAはR相への電力PAr、S相への電力PAs、T相への電力PAtとなる。
【0017】
同様に、カスケード変換器システム14Bの直流電力PdcBは、三相のR、S、T相ごとに分流し、PdcBr、PdcBs、PdcBtとなり、カスケード変換器システム14Bの交流電力PBはR相への電力PBr、S相への電力PBs、T相への電力PBtとなる。
【0018】
また、直流ループに流れる直流ループ電流Idは、カスケード変換器システム14A→NAS電池16→カスケード変換器システム14B→カスケード変換器システム14Aに流れる場合を示している。
【0019】
図3は、カスケード変換器システム14A、14Bの三相RST相の電圧波形の一例を示す波形図である。図3では、カスケード変換器システム14Aの三相の各相電圧VAr、VAs、VAtが電圧ΔV分だけプラス側にバイアスされ、カスケード変換器システム14Bの三相の各相電圧VBr、VBs、VBtが電圧ΔV分だけマイナス側にバイアスされた場合を示している。このバイアスされた電圧△Vの2倍の電圧がNAS電池16の電圧に等しいとき、直流ループ電流は零であり、この電圧△Vの電圧を制御することによってNAS電池電力が制御される。
【0020】
図4は、本発明の実施形態における制御装置の回路構成図、また、図5は太陽光発電設備の出力電力Pと閾値PL及びNAS電池の充放電電力の関係を説明する図であり、図5(a)は太陽光発電設備出力電力Pが閾値PLより大きい場合、図5(b)は太陽光発電設備出力電力Pが閾値PLより小さい場合を示している。
【0021】
図5(a)において、取込電力演算部21は、太陽光発電設備の出力電力Pから所定値の閾値PLを減算して2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込む取込電力P1を演算する。この取込電力P1(=P−PL)は、太陽光発電設備12の出力電力Pのうち、脈動分を含む部分の電力である。これにより、太陽光発電設備12の出力電力Pのうちの閾値PLに相当する出力電力Pαが三相交流電力11に出力される。また、取込電力P1がNAS電池16及びカスケード変換器システム14A、14Bの直流回路に接続する二次電池またはキャパシタの充放電電力Pbat1、Pbat2となる。
【0022】
従って、図5(a)に示すように、閾値PLを大きくした場合にはNAS電池16の充電電力Pdc1が小さくなり、閾値PLを小さくした場合にはNAS電池16の充電電力Pdc1が大きくなる。閾値PLを零とした場合には、太陽光発電設備12の出力電力Pの平均的な電力がすべてNAS電池16に充電され、脈動分がカスケード変換器システム14A、14Bの直流回路に接続する二次電池またはキャパシタに充放電される電力となる。
【0023】
また、図5(b)に示すように、閾値PLを太陽光発電設備12の出力電力Pよりも大きな値とした場合には、取込電力P1(=P−PL)はマイナスとなり、取込電力P1の平均的な電力がNAS電池16から放電される放電電力Pdc2となる。この場合、閾値PLに相当する出力電力Pβが太陽光発電設備12及び二次電池やキャパシタから三相交流電力11に出力される。
【0024】
取込電力演算部21で演算された取込電力P1は制御装置17の直流ループ電流制御部18及び電力制御部19に入力される。直流ループ電流制御部18では、取込電力P1は移動平均演算部27に入力され、取込電力P1の移動平均値を求めることにより脈動分が除去される。移動平均演算部27の出力は加算器28に入力され、NAS電池16に充放電される直流電力Pdcとの偏差が求められ、電力制御要素29によりその制御指令が演算される。制御指令及び移動平均演算部27の出力は加算器30により加算され、スイッチ31を介して加算器32に出力される。
【0025】
一方、加算器33により直流電圧基準値Vdc0と直流電圧Vdcとの偏差が求められ、直流電圧制御要素34によりその制御指令が演算され、スイッチ31を介して加算器32に入力される。スイッチ31はNAS電池16の電圧と直流電圧Vdcとがほぼ等しくないときに直流電圧制御要素34の制御指令が、また
NAS電池16の電圧と直流電圧Vdcとがほぼ等しいときに電力制御要素29からの制御指令が選択されるようにオン、オフするスイッチである。
【0026】
加算器32では加算器30の出力と直流電圧制御要素34の制御指令とが加算され、加算器35に出力される。加算器35では、加算器32からの出力と三相一括直流ループ電流算出部36からの三相一括直流ループ電流との偏差{=(IdrA+IdsA+IdtA)−(IdrB+IdsB+IdtB)}が求められ、直流電流制御要素37によりその制御指令gが演算され、電力制御部19に出力される。
【0027】
制御指令gは直流電圧Vdcが直流電圧基準値Vdc0を維持し、かつ取込電力P1をNAS電池16に充電する際にそれぞれのカスケード変換器システム14A、14Bが出力すべき直流電圧に比例する信号である。
【0028】
電力制御部19は、カスケード変換器システム14Aの電力変換器15を制御するA系制御部38Aと、カスケード変換器システム14Bの電力変換器15を制御するB系制御部38Bとを備えている。
【0029】
取込電力演算部21からの取込電力P1は、係数器39A、39Bに入力され、カスケード変換器システム14A、14BでのNAS電池16に充電する分担比率が決められる。図4では、1/2ずつ均等に分担する場合を示している。
【0030】
係数器39A、39Bで分担を決定された分担取込電力P1A、P1Bは加算器40A、40Bに入力され、電力検出器24A、24Bで検出されカスケード変換器システム14A、14Bに取り込まれた電力PA、PBと比較され、電力制御要素41A、41Bによりその制御指令が演算される。制御指令及び分担取込電力P1A、P1Bは加算器42A、42Bにより加算され、加算器43A、43Bに出力される。
【0031】
三相/dq変換部44A、44Bは、電流検出器23rA、23sA、23tA及び23rB、23sB、23tBで検出されたシステム出力電流IrA、IsA、ItA及びIrB、IsB、ItBをdq軸の電流に変換するものであり、このd軸電流と加算器42A、42Bの出力とが加算器43A、43Bで比較され、d軸電流制御要素45A、45Bによりその制御指令が演算され、加算器46A、46Bに出力される。
【0032】
三相/dq変換部47は、電圧検出器26で検出された受電端変圧器13の二次側電圧Vr、Vs、Vtをdq軸の電圧に変換するものであり、このd軸電圧は加算器46A、46Bに出力され、d軸電流制御要素45A、45Bからの制御指令に加算され、dq/三相変換部48A、48Bに出力される。
【0033】
三相のシステム出力電流IrA、IsA、ItA及びIrB、IsB、ItBに対するq軸の電流に関しても同様に、電力検出器24A、24Bで検出されカスケード変換器システム14A、14Bに取り込まれた無効電力QA、QBは無効電力目標値Q1A、Q1Bと加算器49A、49Bで比較され、無効電力制御要素50A、50Bによりその制御指令が演算される。この制御指令及び無効電力目標値Q1A、Q1Bは加算器51A、51Bにより加算され、加算器52A、52Bに出力される。
【0034】
そして、加算器52A、52Bにより、三相/dq変換部44A、44Bからのq軸電流が加算器51A、51Bの出力に加算され、q軸電流制御要素53A、53Bによりその制御指令が演算され、加算器54A、54Bに出力される。加算器54A、54Bでは、q軸電流制御要素53A、53Bからの制御指令に三相/dq変換部47からのd軸電圧が加算され、dq/三相変換部48A、48Bに出力される。
【0035】
dq/三相変換部48A、48Bは、dq軸電流指令値を三相のシステム出力電流IrA、IsA、ItA及びIrB、IsB、ItBに対するそれぞれの指令値に変換し、加算器55A、56A、57A、加算器55B、56B、57Bに出力する。加算器55A、56A、57Aでは、直流ループ電流制御部18からの制御指令gを加算して、カスケード変換器システム14Aの電力変換器15に出力する。一方、加算器55B、56B、57Bでは、直流ループ電流制御部18からの制御指令gを符号反転器58で反転した制御指令を加算して、カスケード変換器システム14Bの電力変換器15に出力する。
【0036】
これにより、カスケード変換器システム14A、14Bの電力変換器15は、取込電力P1の平均化した電力をNAS電池16に充電する際に、カスケード変換器システム14A、14Bの直流ループに直流ループ電流Idを流すように制御される。この場合、直流ループの各相には、直流ループ電流Idの3分の1ずつ流すことになる。
【0037】
図6は、電力変換器15に並列接続された二次電池またはキャパシタの充放電電力及びNAS電池16の充放電電力の説明図である。図6において、P1は取込電力、PnasはNAS電池16の充放電電力、Pxは二次電池またはキャパシタの充放電電力である。
【0038】
図6に示すように、取込電力P1には脈動分を含んでおり、取込電力P1をNAS電池16に充電する際に、NAS電池16の電力は、取込電力P1の平均的な電力となるように制御されているから、取込電力P1とカスケード変換器システム14A、14Bの出力の和との差分{=Pdc−(PA+PB)}がカスケード変換器システム14A、14Bの二次電池またはキャパシタに脈動分電力Pxとして充放電される。これは、二次電池またはキャパシタに対する充放電の応答がNAS電池16への充放電の応答より早いので、取込電力P1の短周期の脈動分は二次電池またはキャパシタに充放電されるからである。
【0039】
例えば、時点t1〜時点t2においては、二次電池またはキャパシタに脈動分電力Px1が充電され、時点t2〜時点t3においては、二次電池またはキャパシタに脈動分電力Px2が放電される。以下同様に、時点t3〜時点t4、時点t5〜時点t6、時点t7〜時点t8、時点t9〜時点t10…において、二次電池またはキャパシタに脈動分電力Px3、Px5、Px7、Px9…が充電され、時点t4〜時点t5、時点t6〜時点t7、時点t8〜時点t9……において、二次電池またはキャパシタに脈動分電力Px4、Px6、Px8…が放電される。これにより、NAS電池16には、平均化された電力が充電されるので、NAS電池への充電は安定して行える。
【0040】
本発明の実施形態によれば、太陽光発電設備の出力電力Pから所定値の閾値PLを減算して、2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込む取込電力P1を演算し、太陽光発電設備の三相交流系統への出力電力の脈動分を含む部分を2個のカスケード変換器システム14A、14Bに取り込むので、太陽光発電設備の三相交流系統への出力電力には脈動分が含まれない閾値PLに相当する電力となるので、三相交流系統への出力電力の脈動分を抑制できる。
【0041】
また、2個のカスケード変換器システムに取り込んだ取込電力の短周期の脈動分は、二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化するので、NAS電池に充電する電力は、平均化した電力となりNAS電池への充電は安定して行える。
【符号の説明】
【0042】
11…三相交流系統、12…太陽光発電設備、13…受電変圧器、14…カスケード変換器システム、15…電力変換器、16…NAS電池、17…制御装置、18…直流ループ電流制御部、19…電力制御部、20…電力検出器、21…取込電力演算部、22…直流電力検出器、23…直流電流検出器、24…電力検出器、25…電流検出器、26…電圧検出器、27…移動平均演算部、28…加算器、29…電力制御要素、30…加算器、31…スイッチ、32…加算器、33…加算器、34…直流電圧制御要素、35…加算器、36…三相一括直流ループ電流算出部、37…直流電流制御要素、38A…A系制御部、38B…B系制御部、39…係数器、40…加算器、41…電力制御要素、42…加算器、43…加算器、44…三相/dq変換部、45…d軸電流制御要素、46…加算器、47…三相/dq変換部、48…dq/三相変換部、49…加算器、50…無効電力制御要素、51…加算器、52…加算器、53…q軸電流制御要素、54…加算器、55…加算器、56…加算器、57…加算器、58…符号反転器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池またはキャパシタが並列接続された電力変換器を太陽光発電設備が連系される三相交流系統の接続端の各相にカスケードに接続して構成された2個のカスケード変換器システムと、
前記2個のカスケード変換システムの中性点間に接続されたNAS電池と、
前記2個のカスケード変換器システムの電力変換器を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記太陽光発電設備の前記三相交流系統への出力電力の脈動分を含む部分を2個のカスケード変換器システムに取り込み、取り込んだ電力の短周期の脈動分を前記二次電池またはキャパシタに充放電させて電力を平均化し、平均化した電力を前記NAS電池に充電するように前記2個のカスケード変換器システムの電力変換器を制御することを特徴とする太陽光発電設備の出力安定化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−85375(P2012−85375A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226907(P2010−226907)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】