太陽電池バックシート用接着剤樹脂組成物及びそれを用いた太陽電池バックシート
【課題】 接着剤を構成する樹脂の加水分解により発生するカルボン酸を捕捉するとともに、分子量低下を抑制することにより、高温高湿下でも接着力の低下の少ない太陽電池バックシート用接着剤及びそれを用いた太陽電池バックシートを提供する。
【解決手段】 太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、樹脂とポリカルボジイミド化合物からなる接着剤組成物を用いる。
【解決手段】 太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、樹脂とポリカルボジイミド化合物からなる接着剤組成物を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂とポリカルボジイミドからなる太陽電池のバックシートの基材を貼り合わせるために用いる接着剤組成物、および該接着剤よりなる接着剤層を有する太陽電池用バックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電等の従来の発電方法は、石油、石炭など化石燃料の枯渇、高騰や、二酸化炭素等の温暖化ガスの発生などが問題視されてきている。これに対して、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する太陽電池が注目され、需要が拡大している。
【0003】
これまで太陽電池の耐久年数は10年程度とされてきたが、近年さらにその要求が高まり20〜30年程度の耐久年数が求められるようになってきている。
【0004】
一般に、太陽電池は、シリコン発電素子などの太陽電池用セルとそれを搭載するパネル材で構成されている。このパネル材は、太陽電池用セルを封止する表面側及び裏面側封止膜、およびガラス基板などからなる表面側透明保護部材と裏面側保護部材(バックシート)などから構成されている。
【0005】
太陽電池においてバックシートに用いられる材料としては、ポリエステル系フィルムやフッ素系樹脂フィルム等の基材とそれらを貼り合せるウレタン系接着剤、アミド系接着剤、エステル系接着剤、アクリル系接着剤等の接着剤から構成される。
【0006】
太陽電池は、室外において高温高湿下や風雨等の条件に曝される環境下で長期にわたって使用されると、上記接着剤成分に含有するエステル結合などが加水分解を起こし分子量が低下し、接着力の低下を招く。これは太陽電池用セルへの水分の侵入を招き、太陽電池の発電特性の低下や外観不良、結果として太陽電池の耐久性を低下させる。
【0007】
したがって、太陽電池などの耐久性をさらに向上させるには、接着剤成分の加水分解及びそれによる分子量の低下を抑制することにより、接着力の低下を抑える必要がある。
【0008】
そこで、たとえばポリウレタン系接着剤にモノカルボジイミド化合物を配合することによって、加水分解が起こったとき発生するカルボン酸を捕捉し接着剤成分の加水分解を抑制した太陽電池用のバックシートが提案されている。
【0009】
しかしながら、モノカルボジイミド化合物は、接着剤を構成する樹脂の加水分解により発生するカルボン酸を捕捉する目的で添加されており、分子量低下を抑えることは困難である。分子量の低下は接着力の低下を及ぼすものであり、太陽電池の耐久性を十分に向上させるには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−4691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上記の課題を解決するために、接着剤を構成する樹脂の加水分解により発生するカルボン酸を捕捉するとともに、分子量低下を抑制することにより、高温高湿下でも接着力の低下の少ない太陽電池バックシート用接着剤及びそれを用いた太陽電池バックシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、
1. 太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、該接着剤が樹脂とポリカルボジイミド化合物からなることを特徴とする太陽電池バックシート用接着剤組成物、
2. ポリカルボジイミド化合物が脂肪族系ジイソシアネートおよび/または脂環族系ジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物である、1の太陽電池バックシート用接着剤組成物、
3. 前記脂肪族系ジイソシアネートおよび脂環族系ジイソシアネートはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートである2に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物、
4. 前記樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、1〜3の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
5. 1〜4の太陽電池バックシート用接着剤を接着剤層として用いる太陽電池バックシート
を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物はポリカルボジイミド化合物を配合する。ポリカルボジイミド化合物は1分子鎖で、加水分解により発生するカルボン酸を複数個捕捉し、低分子量化した分子を繋ぎ合わせる事ができる。これにより高温高湿下でも低分子量化を抑制することにより接着力の低下の少ない太陽電池バックシート用接着剤を提供することができる。
【0014】
またポリカルボジイミド化合物は樹脂中のカルボン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基と反応することができ、架橋剤として作用する。これにより接着剤の強度が高まり、耐久性の向上させることができる。
【0015】
さらに、この太陽電池バックシート用接着剤よりなる接着剤層を有する太陽電池用バックシートは、基材を貼り合わせる接着剤層の加水分解を抑制することができるので、太陽電池を長期にわたって使用した際の接着剤層の剥離による太陽電池用セルへの水分の侵入を防ぐことができ、その結果太陽電池の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物は、樹脂とポリカルボジイミドを含む樹脂組成物である。
【0017】
本発明に使用される接着剤組成物を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂などからなるポリオレフィン樹脂、シアノアクリレート樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂またはメラミン樹脂などからなるアミノ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、接着強度、作業性、コスト面等の理由によりポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂が好ましい。
これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いることもできる。
【0018】
ポリエステル樹脂は、通常、多価カルボン酸と多価ヒドロキシ化合物の縮合重合、もしくは環状ラクトン類化合物の開環重合で得ることができる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ソジウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、4−ソジウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩、および、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸等に代表される脂肪族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エチレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールエチルスルホン酸カリウム、ジメチロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
【0019】
開環縮合より得られるポリエステルの原料となる環状ラクトン類化合物としては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が代表的に挙げることができ、これらから1種類又はそれ以上を選択して重合することにより得ることができる。
【0020】
さらに3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合や共重合することによっても合成することができる。
【0021】
環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等との共重合することによって得ることができる。
【0022】
ポリウレタン樹脂とは、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことである。通常ポリウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
【0023】
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるものが挙げられる。
【0025】
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
【0026】
各種の接着剤層との接着性を向上させるために、上記ポリオール類の中でもポリエステルポリオール類がより好適に用いられる。
【0027】
本発明において使用しうるポリウレタン樹脂において使用しうるイソシアネート成分としては、ポリウレタンの製造において一般に使用されている、脂肪族系、脂環式系、芳香族系又はこれらの混合系のポリイソシアネート化合物を同様に使用することができ、具体的には、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の所謂芳香族多価イソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルブタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキシサメチレンジイソシアネート等がある。
【0028】
また、以上のイソシアネートの二量体(ウレチジオン)、三量体(イソシアヌレート)、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、ウレタン変性体等の変性体またはそのブロックイソシアネートが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いることができ又は2種以上併用することもできる。
【0029】
ポリウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用しても良く、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
【0030】
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
【0031】
ポリアミド樹脂とは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との重縮合、アミノカルボン酸化合物の重縮合、ラクタム類の開環重合、等によって得ることができる。本発明におけるポリアミドを合成する際に用いられるジアミン化合物、ジカルボン酸化合物、アミノカルボン酸化合物、及びラクタム類の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。ジアミン化合物の例としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。ジカルボン酸化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α−ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω−ポリ(エチレンオキシ)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸、などが挙げられる。これらのジカルボン酸化合物は、カルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無水物の形で用いてもよい。アミノカルボン酸の例としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω−アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノウンデカン酸、アントラニル酸等が挙げられる。また、開環重合に用いられる単量体(ラクタム類)としては、ω−カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドンなどが挙げられる。
【0032】
アクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体である。これらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
【0033】
上記炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
【0034】
本発明において用いられるポリカルボジイミド化合物とは、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物である。
ポリカルボジイミド化合物は、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には、従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review l981,Vol.81No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。
【0035】
ポリカルボジイミド化合物の製造における合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
【0036】
また、上記ポリカルボジイミド化合物の場合は、重合反応を冷却等により、途中で停止させ適当な重合度に制御することができる。この場合、末端はイソシアネートとなる。更に、適当な重合度に制御するには、モノイソシアネート等の、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアネートと反応する化合物を用いて、残存する末端イソシアネートの全て、または、一部を封止する方法もある。重合度を制御することにより、ポリマーへの相溶性向上や保存安定性を高めたりすることなどができ、品質向上の点で好ましい。
【0037】
このようなポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御するためのモノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を例示することができる。
【0038】
また、ポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御する末端封止剤としては、上記モノイソシアネートに限定されることはなく、イソシアネートと反応し得る活性水素化合物、例えば、(i)脂肪族、芳香族又は脂環族化合物であって−OH基を有する、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル;(ii)=NH基を有するジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン;(iii)−NH2基を有するブチルアミン、シクロヘキシルアミン;(iv)−COOH基を有するコハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸;(v)−SH基を持つエチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール;(vi)エポキシ基を有する化合物;(vii)無水酢酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸のような酸無水物等を例示することができる。
【0039】
上記有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応は、適当なカルボジイミド化触媒の存在下で行うものであり、使用し得るカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物、有機金属化合物(一般式M−(OR)4[Mは、チタン(Ti)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等を、Rは、炭素数1〜20までのアルキル基又はアリール基を示す]で表されるもの)が好適であり、特に活性の面から、有機リン系化合物ではフォスフォレンオキシド類が、また、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類が好ましい。
【0040】
上記フォスフォレンオキシド類としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド又はこれらの二重結合異性体を例示することができ、中でも工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
【0041】
ポリカルボジイミド化合物は、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物に含まれる樹脂の対加水分解安定剤として作用するが、安全性・安定性・相溶性の点から、脂肪族系または脂環族系イソシアネートから合成されるポリカルボジイミド化合物が好ましく、特にイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物が好ましい。
また、ポリカルボジイミド化合物の重合度としては2〜200が好ましく、より好ましくは2〜100である。
【0042】
ポリカルボジイミド化合物の配合量は、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物に含まれる樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
【0043】
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物にポリカルボジイミド化合物以外の添加剤を含有させてもよい。添加することのできる添加剤としては、フィルムやコーティング膜などを形成する樹脂組成物に一般に使用されている添加剤などが挙げられる。例えば、レベリング剤、コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子、ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、シランカップリング剤、チタン白、複合酸化物顔料、カーボンブラック、有機顔料、顔料中間体などの顔料、顔料分散剤、リン系やフェノール系の酸化防止剤、粘性調整剤、紫外線安定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、難燃剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、蛍光性増白剤、有機系及び無機系の紫外線吸収剤、無機系熱線吸収剤、有機系及び無機系の防炎剤、有機系及び無機系の帯電防止剤、オルソギ酸メチルなどの脱水剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、本願発明の効果を損なわない範囲でエポキシ樹脂やモノカルボジイミド化合物などのポリカルボジイミド化合物以外の耐加水分解安定剤を添加してもよい。
【0044】
本発明の太陽電池用バックシートは基材を接着剤組成物よりなる接着剤で貼り合わせたものである。
本発明の基材としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)から選ばれるポリエステル基材、ポリカーボネート系基材、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選ばれるフッ素系基材、あるいはアクリル系基材、環状オレフィン(COC)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系基材、ポリ塩化ビニル系基材、ポリスチレン系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、エチレン−酢酸ビニル共重合体系基材、ポリビニルアルコ−ル系基材、ポリ酢酸ビニル系基材、アセタ−ル系基材、ポリアミド系基材、ポリアリレート系基材から選択され、それらの基材は同一でも異なっていてもよい。
また、基材および接着剤層は複数存在してもよいし、バックシートの中間層や外層にガスバリア層などの機能性を有する層を設けてもよい。
【0045】
次にバックシートの製造方法について述べる。本発明のバックシートは第1の基材に接着剤層を構成する接着剤樹脂組成物を塗布し、第2の基材を貼り合わせて、加熱等により硬化させる方法など、公知の方法を用いて製造することができる。
【実施例】
【0046】
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0047】
基材としては以下の物を用いた。
基材1:東洋紡績(株)製、商品名:E−5000〔ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルム〕
【0048】
〔ポリカルボジイミド化合物の合成〕
合成例1
300mLの三つ口フラスコに、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(CYTEC製、以下TMXDIと略す)100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で10時間攪拌したあと、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド1を得た。得られたポリカルボジイミド化合物のNCO%は8.0、重合度は4であった。
【0049】
合成例2
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で10時間攪拌した。得られた生成物のNCO%は8.0、重合度は4であった。これを100℃まで冷却したのち、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量300)を49.2g滴下し、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させた後、IRスペクトルでポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のピークが消えたことを確認し、反応を停止したあと酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド2を得た。
【0050】
合成例3
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で40時間攪拌した後、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド3を得た。得られたポリカルボジイミド化合物のNCO%は0.55で、重合度は75であった。
【0051】
合成例4
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で40時間攪拌した。得られた生成物のNCO%は0.55、重合度は75であった。これを100℃まで冷却したのち、エチレングリコールモノメチルエーテルを0.82g滴下し、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させた後、IRスペクトルでポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のピークが消えたことを確認し、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド4を得た。
【0052】
〔接着剤組成物の製造〕
接着剤製造例1
樹脂として、三井化学(株)製、商品名:タケラックA515(主剤)と三井化学(株)製、商品名:タケネートA50(硬化剤)を10:1の質量比で混合し、酢酸エチルで希釈し固形分30%に調整されたポリウレタン樹脂を得た。該ポリウレタン樹脂100部に対してポリカルボジイミド1を3部添加し混合し、接着剤1得た。
【0053】
接着剤製造例2〜4
実施例1において、ポリカルボジイミドを表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で接着剤2〜4を得た。
【0054】
接着剤製造例5
樹脂として、三井化学(株)製、商品名:タケラックA515(主剤)と三井化学(株)製、商品名:タケネートA50(硬化剤)を10:1の質量比で混合し、酢酸エチルで希釈することで固形分30%に調整されたポリウレタン樹脂を得、これを接着剤5として用いた。
【0055】
【表1】
【0056】
〔太陽電池用バックシートの作製〕
実施例1
乾燥後の塗工量が10g/m2となるように基材1に接着剤1を塗布し溶剤を乾燥させた後に、別の基材1を積層し、ドライラミネート法により太陽電池用バックシートを作製した後、60℃で7日間養生を行い、実施例1の太陽電池用バックシートを得た。
【0057】
実施例2〜4、比較例1
実施例1と同様にして、接着剤2〜5を用いて実施例2〜4および比較例1の太陽電池用バックシートを得た。
【0058】
以下の測定を行い、得られた太陽電池用バックシートの評価を行った。
〔初期接着性〕
接着剤1〜のいずれかを用いて製造された太陽電池モジュールバックシートの層間接着力をインストロン社製5582型万能材料試験機によるT型剥離法を用い、15mm幅クロスヘッドスピード300mm/分における強度を試験した。
【0059】
〔耐加水分解性〕
前記構成を有するバックシートを、加圧蒸気を用いた促進評価試験により、耐加水分解性を評価した。
前記構成を有するバックシートをA4の大きさに切り取り、ハイプレッシャークッカー(加圧蒸気による促進評価装置)にセットし、105℃の雰囲気中で96時間、168時間又は192時間加熱した後、各バックシートのラミネート強度と剥離挙動を評価した。
ラミネート強度は、インストロン社製5582型万能材料試験機によるT型剥離法を用い、15mm幅クロスヘッドスピード300mm/分における強度を測定し、加圧蒸気を用いた促進評価試験前のラミネート強度に対する比率(加圧蒸気を用いた促進評価試験後のラミネート強度を前記試験前のラミネート強度で除し、100を乗じた値)をラミネート強度保持率(%)として評価した。
なお、太陽電池モジュール用バックシートは、通常、促進評価として85℃の温度で相対湿度85%の雰囲気中で2000時間以上の保存が必要とされる。これに対し、この方法によれば、促進評価の時短化が図られ、85℃の温度で相対湿度85%の雰囲気中で2000時間における物性が105℃の温度で168時間保存したときの物性に相当することがすでに確認されている。
【0060】
〔耐加水分解性の評価基準〕
耐加水分解性の試験結果は、以下の基準により評価した。
○:ラミネート強度の保持率が90%以上95%未満(密着性が優れる)
△:ラミネート強度の保持率が80%以上90%未満(密着性がやや劣る)
×:ラミネート強度の保持率が80%未満(密着性が劣る)
【0061】
【表2】
【0062】
表2に示された結果から、実施例1〜4に示されたバックシートは、いずれも比較例1で得られたバックシートと比べて高温高湿下においても耐加水分解性に優れていることがわかる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂とポリカルボジイミドからなる太陽電池のバックシートの基材を貼り合わせるために用いる接着剤組成物、および該接着剤よりなる接着剤層を有する太陽電池用バックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電等の従来の発電方法は、石油、石炭など化石燃料の枯渇、高騰や、二酸化炭素等の温暖化ガスの発生などが問題視されてきている。これに対して、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する太陽電池が注目され、需要が拡大している。
【0003】
これまで太陽電池の耐久年数は10年程度とされてきたが、近年さらにその要求が高まり20〜30年程度の耐久年数が求められるようになってきている。
【0004】
一般に、太陽電池は、シリコン発電素子などの太陽電池用セルとそれを搭載するパネル材で構成されている。このパネル材は、太陽電池用セルを封止する表面側及び裏面側封止膜、およびガラス基板などからなる表面側透明保護部材と裏面側保護部材(バックシート)などから構成されている。
【0005】
太陽電池においてバックシートに用いられる材料としては、ポリエステル系フィルムやフッ素系樹脂フィルム等の基材とそれらを貼り合せるウレタン系接着剤、アミド系接着剤、エステル系接着剤、アクリル系接着剤等の接着剤から構成される。
【0006】
太陽電池は、室外において高温高湿下や風雨等の条件に曝される環境下で長期にわたって使用されると、上記接着剤成分に含有するエステル結合などが加水分解を起こし分子量が低下し、接着力の低下を招く。これは太陽電池用セルへの水分の侵入を招き、太陽電池の発電特性の低下や外観不良、結果として太陽電池の耐久性を低下させる。
【0007】
したがって、太陽電池などの耐久性をさらに向上させるには、接着剤成分の加水分解及びそれによる分子量の低下を抑制することにより、接着力の低下を抑える必要がある。
【0008】
そこで、たとえばポリウレタン系接着剤にモノカルボジイミド化合物を配合することによって、加水分解が起こったとき発生するカルボン酸を捕捉し接着剤成分の加水分解を抑制した太陽電池用のバックシートが提案されている。
【0009】
しかしながら、モノカルボジイミド化合物は、接着剤を構成する樹脂の加水分解により発生するカルボン酸を捕捉する目的で添加されており、分子量低下を抑えることは困難である。分子量の低下は接着力の低下を及ぼすものであり、太陽電池の耐久性を十分に向上させるには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−4691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上記の課題を解決するために、接着剤を構成する樹脂の加水分解により発生するカルボン酸を捕捉するとともに、分子量低下を抑制することにより、高温高湿下でも接着力の低下の少ない太陽電池バックシート用接着剤及びそれを用いた太陽電池バックシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、
1. 太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、該接着剤が樹脂とポリカルボジイミド化合物からなることを特徴とする太陽電池バックシート用接着剤組成物、
2. ポリカルボジイミド化合物が脂肪族系ジイソシアネートおよび/または脂環族系ジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物である、1の太陽電池バックシート用接着剤組成物、
3. 前記脂肪族系ジイソシアネートおよび脂環族系ジイソシアネートはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートである2に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物、
4. 前記樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、1〜3の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
5. 1〜4の太陽電池バックシート用接着剤を接着剤層として用いる太陽電池バックシート
を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物はポリカルボジイミド化合物を配合する。ポリカルボジイミド化合物は1分子鎖で、加水分解により発生するカルボン酸を複数個捕捉し、低分子量化した分子を繋ぎ合わせる事ができる。これにより高温高湿下でも低分子量化を抑制することにより接着力の低下の少ない太陽電池バックシート用接着剤を提供することができる。
【0014】
またポリカルボジイミド化合物は樹脂中のカルボン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基と反応することができ、架橋剤として作用する。これにより接着剤の強度が高まり、耐久性の向上させることができる。
【0015】
さらに、この太陽電池バックシート用接着剤よりなる接着剤層を有する太陽電池用バックシートは、基材を貼り合わせる接着剤層の加水分解を抑制することができるので、太陽電池を長期にわたって使用した際の接着剤層の剥離による太陽電池用セルへの水分の侵入を防ぐことができ、その結果太陽電池の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物は、樹脂とポリカルボジイミドを含む樹脂組成物である。
【0017】
本発明に使用される接着剤組成物を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂などからなるポリオレフィン樹脂、シアノアクリレート樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂またはメラミン樹脂などからなるアミノ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、接着強度、作業性、コスト面等の理由によりポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂が好ましい。
これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いることもできる。
【0018】
ポリエステル樹脂は、通常、多価カルボン酸と多価ヒドロキシ化合物の縮合重合、もしくは環状ラクトン類化合物の開環重合で得ることができる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ソジウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、4−ソジウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩、および、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸等に代表される脂肪族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エチレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールエチルスルホン酸カリウム、ジメチロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
【0019】
開環縮合より得られるポリエステルの原料となる環状ラクトン類化合物としては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が代表的に挙げることができ、これらから1種類又はそれ以上を選択して重合することにより得ることができる。
【0020】
さらに3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合や共重合することによっても合成することができる。
【0021】
環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等との共重合することによって得ることができる。
【0022】
ポリウレタン樹脂とは、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことである。通常ポリウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
【0023】
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるものが挙げられる。
【0025】
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
【0026】
各種の接着剤層との接着性を向上させるために、上記ポリオール類の中でもポリエステルポリオール類がより好適に用いられる。
【0027】
本発明において使用しうるポリウレタン樹脂において使用しうるイソシアネート成分としては、ポリウレタンの製造において一般に使用されている、脂肪族系、脂環式系、芳香族系又はこれらの混合系のポリイソシアネート化合物を同様に使用することができ、具体的には、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の所謂芳香族多価イソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルブタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキシサメチレンジイソシアネート等がある。
【0028】
また、以上のイソシアネートの二量体(ウレチジオン)、三量体(イソシアヌレート)、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、ウレタン変性体等の変性体またはそのブロックイソシアネートが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いることができ又は2種以上併用することもできる。
【0029】
ポリウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用しても良く、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
【0030】
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
【0031】
ポリアミド樹脂とは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との重縮合、アミノカルボン酸化合物の重縮合、ラクタム類の開環重合、等によって得ることができる。本発明におけるポリアミドを合成する際に用いられるジアミン化合物、ジカルボン酸化合物、アミノカルボン酸化合物、及びラクタム類の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。ジアミン化合物の例としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。ジカルボン酸化合物の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α−ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω−ポリ(エチレンオキシ)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸、などが挙げられる。これらのジカルボン酸化合物は、カルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無水物の形で用いてもよい。アミノカルボン酸の例としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω−アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノウンデカン酸、アントラニル酸等が挙げられる。また、開環重合に用いられる単量体(ラクタム類)としては、ω−カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドンなどが挙げられる。
【0032】
アクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体である。これらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
【0033】
上記炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
【0034】
本発明において用いられるポリカルボジイミド化合物とは、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物である。
ポリカルボジイミド化合物は、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には、従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review l981,Vol.81No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。
【0035】
ポリカルボジイミド化合物の製造における合成原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等を例示することができる。
【0036】
また、上記ポリカルボジイミド化合物の場合は、重合反応を冷却等により、途中で停止させ適当な重合度に制御することができる。この場合、末端はイソシアネートとなる。更に、適当な重合度に制御するには、モノイソシアネート等の、ポリカルボジイミド化合物の末端イソシアネートと反応する化合物を用いて、残存する末端イソシアネートの全て、または、一部を封止する方法もある。重合度を制御することにより、ポリマーへの相溶性向上や保存安定性を高めたりすることなどができ、品質向上の点で好ましい。
【0037】
このようなポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御するためのモノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を例示することができる。
【0038】
また、ポリカルボジイミド化合物の末端を封止してその重合度を制御する末端封止剤としては、上記モノイソシアネートに限定されることはなく、イソシアネートと反応し得る活性水素化合物、例えば、(i)脂肪族、芳香族又は脂環族化合物であって−OH基を有する、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル;(ii)=NH基を有するジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン;(iii)−NH2基を有するブチルアミン、シクロヘキシルアミン;(iv)−COOH基を有するコハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸;(v)−SH基を持つエチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール;(vi)エポキシ基を有する化合物;(vii)無水酢酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸のような酸無水物等を例示することができる。
【0039】
上記有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応は、適当なカルボジイミド化触媒の存在下で行うものであり、使用し得るカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物、有機金属化合物(一般式M−(OR)4[Mは、チタン(Ti)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)やバリウム(Ba)等を、Rは、炭素数1〜20までのアルキル基又はアリール基を示す]で表されるもの)が好適であり、特に活性の面から、有機リン系化合物ではフォスフォレンオキシド類が、また、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコキシド類が好ましい。
【0040】
上記フォスフォレンオキシド類としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド又はこれらの二重結合異性体を例示することができ、中でも工業的に入手の容易な3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
【0041】
ポリカルボジイミド化合物は、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物に含まれる樹脂の対加水分解安定剤として作用するが、安全性・安定性・相溶性の点から、脂肪族系または脂環族系イソシアネートから合成されるポリカルボジイミド化合物が好ましく、特にイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物が好ましい。
また、ポリカルボジイミド化合物の重合度としては2〜200が好ましく、より好ましくは2〜100である。
【0042】
ポリカルボジイミド化合物の配合量は、本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物に含まれる樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましく、0.1〜3重量部が特に好ましい。
【0043】
本発明の太陽電池バックシート用接着剤組成物にポリカルボジイミド化合物以外の添加剤を含有させてもよい。添加することのできる添加剤としては、フィルムやコーティング膜などを形成する樹脂組成物に一般に使用されている添加剤などが挙げられる。例えば、レベリング剤、コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子、ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、シランカップリング剤、チタン白、複合酸化物顔料、カーボンブラック、有機顔料、顔料中間体などの顔料、顔料分散剤、リン系やフェノール系の酸化防止剤、粘性調整剤、紫外線安定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、難燃剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、蛍光性増白剤、有機系及び無機系の紫外線吸収剤、無機系熱線吸収剤、有機系及び無機系の防炎剤、有機系及び無機系の帯電防止剤、オルソギ酸メチルなどの脱水剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、本願発明の効果を損なわない範囲でエポキシ樹脂やモノカルボジイミド化合物などのポリカルボジイミド化合物以外の耐加水分解安定剤を添加してもよい。
【0044】
本発明の太陽電池用バックシートは基材を接着剤組成物よりなる接着剤で貼り合わせたものである。
本発明の基材としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)から選ばれるポリエステル基材、ポリカーボネート系基材、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選ばれるフッ素系基材、あるいはアクリル系基材、環状オレフィン(COC)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系基材、ポリ塩化ビニル系基材、ポリスチレン系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、エチレン−酢酸ビニル共重合体系基材、ポリビニルアルコ−ル系基材、ポリ酢酸ビニル系基材、アセタ−ル系基材、ポリアミド系基材、ポリアリレート系基材から選択され、それらの基材は同一でも異なっていてもよい。
また、基材および接着剤層は複数存在してもよいし、バックシートの中間層や外層にガスバリア層などの機能性を有する層を設けてもよい。
【0045】
次にバックシートの製造方法について述べる。本発明のバックシートは第1の基材に接着剤層を構成する接着剤樹脂組成物を塗布し、第2の基材を貼り合わせて、加熱等により硬化させる方法など、公知の方法を用いて製造することができる。
【実施例】
【0046】
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0047】
基材としては以下の物を用いた。
基材1:東洋紡績(株)製、商品名:E−5000〔ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルム〕
【0048】
〔ポリカルボジイミド化合物の合成〕
合成例1
300mLの三つ口フラスコに、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(CYTEC製、以下TMXDIと略す)100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で10時間攪拌したあと、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド1を得た。得られたポリカルボジイミド化合物のNCO%は8.0、重合度は4であった。
【0049】
合成例2
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で10時間攪拌した。得られた生成物のNCO%は8.0、重合度は4であった。これを100℃まで冷却したのち、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量300)を49.2g滴下し、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させた後、IRスペクトルでポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のピークが消えたことを確認し、反応を停止したあと酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド2を得た。
【0050】
合成例3
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で40時間攪拌した後、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド3を得た。得られたポリカルボジイミド化合物のNCO%は0.55で、重合度は75であった。
【0051】
合成例4
300mLの三つ口フラスコに、TMXDI100gを入れ、触媒として1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.0gを添加し、窒素バブリング下、180℃で40時間攪拌した。得られた生成物のNCO%は0.55、重合度は75であった。これを100℃まで冷却したのち、エチレングリコールモノメチルエーテルを0.82g滴下し、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させた後、IRスペクトルでポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のピークが消えたことを確認し、酢酸エチル(関東化学製)を加え固形分30%に調整したポリカルボジイミド4を得た。
【0052】
〔接着剤組成物の製造〕
接着剤製造例1
樹脂として、三井化学(株)製、商品名:タケラックA515(主剤)と三井化学(株)製、商品名:タケネートA50(硬化剤)を10:1の質量比で混合し、酢酸エチルで希釈し固形分30%に調整されたポリウレタン樹脂を得た。該ポリウレタン樹脂100部に対してポリカルボジイミド1を3部添加し混合し、接着剤1得た。
【0053】
接着剤製造例2〜4
実施例1において、ポリカルボジイミドを表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で接着剤2〜4を得た。
【0054】
接着剤製造例5
樹脂として、三井化学(株)製、商品名:タケラックA515(主剤)と三井化学(株)製、商品名:タケネートA50(硬化剤)を10:1の質量比で混合し、酢酸エチルで希釈することで固形分30%に調整されたポリウレタン樹脂を得、これを接着剤5として用いた。
【0055】
【表1】
【0056】
〔太陽電池用バックシートの作製〕
実施例1
乾燥後の塗工量が10g/m2となるように基材1に接着剤1を塗布し溶剤を乾燥させた後に、別の基材1を積層し、ドライラミネート法により太陽電池用バックシートを作製した後、60℃で7日間養生を行い、実施例1の太陽電池用バックシートを得た。
【0057】
実施例2〜4、比較例1
実施例1と同様にして、接着剤2〜5を用いて実施例2〜4および比較例1の太陽電池用バックシートを得た。
【0058】
以下の測定を行い、得られた太陽電池用バックシートの評価を行った。
〔初期接着性〕
接着剤1〜のいずれかを用いて製造された太陽電池モジュールバックシートの層間接着力をインストロン社製5582型万能材料試験機によるT型剥離法を用い、15mm幅クロスヘッドスピード300mm/分における強度を試験した。
【0059】
〔耐加水分解性〕
前記構成を有するバックシートを、加圧蒸気を用いた促進評価試験により、耐加水分解性を評価した。
前記構成を有するバックシートをA4の大きさに切り取り、ハイプレッシャークッカー(加圧蒸気による促進評価装置)にセットし、105℃の雰囲気中で96時間、168時間又は192時間加熱した後、各バックシートのラミネート強度と剥離挙動を評価した。
ラミネート強度は、インストロン社製5582型万能材料試験機によるT型剥離法を用い、15mm幅クロスヘッドスピード300mm/分における強度を測定し、加圧蒸気を用いた促進評価試験前のラミネート強度に対する比率(加圧蒸気を用いた促進評価試験後のラミネート強度を前記試験前のラミネート強度で除し、100を乗じた値)をラミネート強度保持率(%)として評価した。
なお、太陽電池モジュール用バックシートは、通常、促進評価として85℃の温度で相対湿度85%の雰囲気中で2000時間以上の保存が必要とされる。これに対し、この方法によれば、促進評価の時短化が図られ、85℃の温度で相対湿度85%の雰囲気中で2000時間における物性が105℃の温度で168時間保存したときの物性に相当することがすでに確認されている。
【0060】
〔耐加水分解性の評価基準〕
耐加水分解性の試験結果は、以下の基準により評価した。
○:ラミネート強度の保持率が90%以上95%未満(密着性が優れる)
△:ラミネート強度の保持率が80%以上90%未満(密着性がやや劣る)
×:ラミネート強度の保持率が80%未満(密着性が劣る)
【0061】
【表2】
【0062】
表2に示された結果から、実施例1〜4に示されたバックシートは、いずれも比較例1で得られたバックシートと比べて高温高湿下においても耐加水分解性に優れていることがわかる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、該接着剤が樹脂とポリカルボジイミド化合物からなることを特徴とする太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項2】
ポリカルボジイミド化合物が脂肪族系ジイソシアネートおよび/または脂環族系ジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物である、請求項1記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項3】
前記脂肪族系ジイソシアネートおよび脂環族系ジイソシアネートはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートである請求項2に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項4】
前記樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4記載の太陽電池バックシート用接着剤を接着剤層として用いる太陽電池バックシート。
【請求項1】
太陽電池用バックシートを構成する基材を貼り合わせるのに用いられる接着剤において、該接着剤が樹脂とポリカルボジイミド化合物からなることを特徴とする太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項2】
ポリカルボジイミド化合物が脂肪族系ジイソシアネートおよび/または脂環族系ジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物である、請求項1記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項3】
前記脂肪族系ジイソシアネートおよび脂環族系ジイソシアネートはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートである請求項2に記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項4】
前記樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3記載の太陽電池バックシート用接着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4記載の太陽電池バックシート用接着剤を接着剤層として用いる太陽電池バックシート。
【公開番号】特開2012−227384(P2012−227384A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94203(P2011−94203)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
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