太陽電池パネルの屋根上への取付け用受皿及び太陽電池パネルの梱包及び取り付け方法
【課題】本発明は、太陽電池モジュールを取り付けるための改良された装置及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】アレイを構成する太陽電池モジュールの取付けに受皿を使用する、住宅などの屋根上に太陽電池アレイを取り付ける方法及び装置である。この受皿はまた、太陽電池モジュールの梱包体の一部分としても使用できる。この受皿は、断面が樋状のある長さの材料からなる。梱包に際しては、出荷用挿入材が各受皿の樋に嵌め込まれる。太陽電池モジュールの反対側縁部が、向かい合う2つの受皿の挿入材にあるそれぞれの溝部に嵌め込まれるとともに、保護材がそれらの各端部を覆って嵌められると、出荷用の梱包体が形成される。取付け現場に着くと、梱包は解体され、受皿が屋根上に取り付けられ、モジュールが受皿に連結されてアレイが形成される。
【解決手段】アレイを構成する太陽電池モジュールの取付けに受皿を使用する、住宅などの屋根上に太陽電池アレイを取り付ける方法及び装置である。この受皿はまた、太陽電池モジュールの梱包体の一部分としても使用できる。この受皿は、断面が樋状のある長さの材料からなる。梱包に際しては、出荷用挿入材が各受皿の樋に嵌め込まれる。太陽電池モジュールの反対側縁部が、向かい合う2つの受皿の挿入材にあるそれぞれの溝部に嵌め込まれるとともに、保護材がそれらの各端部を覆って嵌められると、出荷用の梱包体が形成される。取付け現場に着くと、梱包は解体され、受皿が屋根上に取り付けられ、モジュールが受皿に連結されてアレイが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽エネルギーモジュールを屋根などの上に取り付けることに関し、その態様の1つでは、太陽エネルギーモジュールを取付け現場に出荷し、その後、それらモジュールを、家屋などの建物の屋根上に取り付けられるアレイに組み立てることに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池などを用いて太陽エネルギーを有用な電気エネルギーに直接変換する技術において目覚ましい進歩が遂げられてきている。一般に、透明シート(例えばガラス、プラスチックなど)と、透明又は不透明のバックシートとの間に複数の太陽電池が格納されて、取り扱いやすい寸法(例えば約76.2cm×152.4cm(2.5フィート×5フィート))の平坦矩形モジュール(時には「積層体」とも呼ばれる)が形成される。次いで、これらのモジュールは取付け現場に出荷され、そこでアレイに組み立てられ、太陽に曝されることになる建物などの屋根上に組み付けられる。
【0003】
従来の太陽電池アレイの取付けでは、組立て済み(framed)モジュール、未組立て(unframed)モジュールのどちらも、屋根取付けシステム(即ち支持体)上に取り付けられ、次いでそれらシステムが建物の屋根に固定される。かかるアレイが長期にわたって持ちこたえるには、アレイの屋根取付けシステムは、吊上げにかかる力、下方に働く力、及びアレイの稼動寿命の間アレイに課される横方向荷重のすべてに耐えなければならない。残念なことに、従来技術の取付けシステムの多くでは、特にアレイの横方向の耐荷重がしばしば不十分であることが判明している。さらに、取付けシステムの多くは、時折受ける下方に働く力を補償するために追加の構造支持体を必要とする。したがって、アレイの適切な取付け又は取付けシステムが、太陽エネルギーシステムの資本費用全体の相当な部分を占め得る。
【0004】
居住用建造物、例えば家屋の屋根上に取り付けられるアレイなど、アレイが相対的に小型のものである場合、太陽電池アレイの組立て及び取付け費用は重大である。即ち、アレイの出荷、組立て、及び取付けを含む太陽電池アレイの総費用は、かかるシステムの経済面全体の計算に入れられなければならない。
【0005】
小型太陽電池アレイを経済的に市場供給する際に考慮すべき主要な点の1つに、太陽電池モジュールをその目的地まで梱包し出荷することがある。即ち、未組立てモジュール(例えばガラス板)の縁部は、適切に梱包されていなければ非常に損傷を受けやすく、即ち、これによって太陽エネルギーシステムの最終的な費用が大幅にかさむことになりかねない。多数の未組立てモジュールが単一の場所に出荷される場合、相対的に費用のかかる大型木枠箱又は大型ボール紙容器を使用してそれらのモジュールをパレットなどの上に格納し、それによってモジュール当たりの出荷費用を抑えている。
【0006】
しかし、アレイに必要なモジュールが相対的に少数(例えば12枚)のみである場合、こうした大型木枠箱又は大型容器を使用するのはむしろ経済的でない。というのは、一般の住宅用太陽電池取付け業者は、大型モジュール木枠箱に必要となる輸送手段や取扱い機器を使用する手段を持たないからである。さらに、こうした大型木枠箱は、特定の取付けに必要とされるだけの量のモジュールを配送できるような融通性を持たない。このように、少数の未組立てモジュールを安全かつ費用効果高く梱包する技術がないので、より小型の太陽電池アレイに、より費用のかかる組立て済モジュールが使用されることが多い。
【0007】
太陽エネルギーシステムが住宅向け市場や関連市場において伸び悩んできた要因の1つに、ヨーロッパや米国南西部などの各地域で今日一般に使用されている屋根葺き材の種類が挙げられ、この種の材料は他の地域でも普及しつつある。即ち、今日では、多くの住宅、特に上層階級住宅は屋根が「瓦」材(コンクリート、セラミックなどの材料)で葺かれている。
【0008】
取付けシステムは、より従来式の屋根(例えばアスファルト屋根板)に太陽電池アレイを直接取り付けるのに使用できるものの、現存のシステムでは、瓦屋根にアレイを取り付けるには、多くの場合、少なくともいくつかの瓦を取り外さなければならないので、費用も時間もかかる。さらに、瓦の下に位置する屋根取付け材を、瓦に穿設された穴、及び瓦の上に配置されることになる屋根構造システムと位置合わせするために複雑な測定を行わなければならない。さらに、こうした取付けシステムのいくつかでは、取付け構造を、屋根野地板や屋根敷き板ではなく、屋根垂木に取り付ける必要があり、そのため追加の測定や試し穴が必要となり、その結果屋根板に誤って穴を開けてしまい漏れを生じることがしばしばある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6065255号明細書
【特許文献2】特開平10−231600号公報
【特許文献3】米国特許第2950001号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記に鑑みて、当技術分野では、太陽電池モジュールを取り付けるための改良された装置及び方法が求められていることが容易に理解されよう。また、当技術分野では、ある種の市場(例えば住宅向け市場)において小型太陽エネルギーアレイがより競争力を持てるように、かかる太陽電池アレイを経済的に出荷し取り付けるための装置及び方法が求められている。本発明は、かかる装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、例えば住宅や商業ビルなどの地上又は屋根上に太陽電池アレイを取り付けるのに使用できる方法及び装置を提供する。本発明における一要素は、アレイを構成する太陽電池モジュールの取付けに使用される受皿(パン)であり、この受皿は、任意選択で出荷用にモジュールを梱包するのにも使用することができる。即ち、受皿は梱包体の一部分を形成することができ、これが出荷中モジュールを保護し、その後、モジュールを屋根上に取り付けるのに使用される構造の一部を形成することになる。しかし、本発明の受皿は、太陽電池モジュールを取り付けるための構造要素としてのみ使用することもでき、取り付けられる太陽電池モジュールとは別に出荷し供給することもできることが理解されよう。
【0012】
より具体的には、本発明の受皿は、好ましくは適当な長さの、好ましくは断面がほぼ樋形の非腐食性材料(例えばプラスチック又はアルミニウム)からなる。例えば、受皿の断面は、V字状やU字状などの形状でもよい。この断面は、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端にある相対的に水平なフランジとを有する樋部を有効に形成する。好ましい断面形状はV字状である。V字状断面は、底部から上方に延びる傾斜した側部を有する。
【0013】
少なくとも1つ、好ましくは複数(例えば2つ)の出荷用挿入材を各受皿の樋内に取外し可能に間隔を置いて嵌め込むことにより、この受皿を使用して太陽電池モジュールを梱包できる。出荷用挿入材はそれぞれ、少なくとも1つの長手方向の溝部、好ましくは複数(例えば2つ)の平行な長手方向の溝部を有し、2つ以上の出荷用挿入材が使用される場合、これらの溝部は、樋部内の他方の挿入材の対応するそれぞれの溝部と整合する(一列に並ぶ)。整合した各組の溝部は、1つ又は複数の太陽電池モジュール、好ましくは1つ又は複数の未組立て太陽電池モジュールの一縁部を受けるとともに支持する。次いで、これらモジュールの反対側の各縁部が、もう1つの受皿の樋内に取外し可能に嵌め込まれた1つ又は複数の出荷用挿入材の溝部にそれぞれ嵌め込まれると、2つの受皿の間で平行に延びる1つ又は複数のモジュールを含む梱包体が出来上がる。保護材(例えば木箱状構造)が、好ましくは受皿の両端部及び格納されたモジュールの対応する両端部を覆って嵌め込まれると、出荷用梱包体が完成する。この梱包体は、適当な紐部材(ストラッピング)又は梱包体を緊締する(secure)ための他の手段を用いて結束することができる。
【0014】
取付け現場に到着すると、梱包体は解体され、出荷用挿入材が受皿から取り外される。受皿は、出荷に使用されたか、それとも別途供給されたかにかかわらず、アレイ用取付け構造を形成するのに使用される。即ち、各受皿は屋根上に適切に配置され、複数の穴、好ましくは受皿の樋底部に予め形成された複数の穴をテンプレートとして用いて、屋根葺き材(例えば瓦、屋根板など)及び屋根敷き板を貫通して位置合わせされた穴を穿設することができる。好ましい実施形態では、拡張可能なネジ式の固定具締結具(例えば拡張固定具)が、屋根に位置合わせして設けられたそれらの穴を貫通して配置され、その下側端部が屋根敷き板の下で係留される。締結具の上側端部の上から受皿の穴が配置され、ナットがそこに螺着されると受皿が屋根に固定される。瓦屋根の場合は、受皿及び/又は屋根瓦が損傷しないように保障するために、好ましくは受皿が屋根表面と接触する箇所で受皿の下に詰め物(例えば発泡パッド)が配置される。取付け後は、太陽電池アレイからの横方向荷重は、受皿と、屋根板又は屋根瓦との間で摩擦を介して屋根表面に直接伝達される。あるいは、受皿は、地上又は建物の屋根上に配置された支持構造に取り付けることもできる。
【0015】
受皿は、適切には間隔を置いた平行な列に取り付けられ、傾斜屋根の表面に直接取り付けられる場合は、好ましくは屋根上で上下方向にわたって延ばすと効果的である。隣接する受皿同士の各端部は、入れ子式に互いに重ね合わせることができ、それによって、所望の長さの特定の列を設けることができる。重ね合わせる場合は、受皿をその下にある支持構造に取り付ける締結具を、重なり合った受皿同士で共用することができる。受皿が定位置に配置された後、次いで、受皿の列の間に太陽電池モジュールが(例えば接着剤、留め具などによって)それぞれ取り付けられると、太陽電池アレイが形成される。
【0016】
本発明の実際の構築作業及び明白な利点は、図面を参照することによってより良く理解されよう。図面は必ずしも原寸に比例してはおらず、また、同じ符号は同じ部品を示す。
本発明をその好ましい実施形態に関して説明するが、本発明はそれに限られるものではないことが理解されよう。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲に含まれ得るすべての代替形態、改変形態及び等価物を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に従って建造物の屋根上に取り付けられた典型的な太陽電池アレイの上面図である(図1には受皿15の全詳細は示されていない。図2及び3に受皿15の一実施形態がより詳細に示されている。)
【図2】図1のアレイを取り付けるのに使用され得るほぼV字状の受皿の平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従って瓦屋根上に取り付けられた太陽電池アレイの一部分を示す正面断面図である。
【図5】本発明の実施形態に従って従来式の板葺き屋根上に取り付けられた太陽電池アレイの一部分を示す側部断面図である。
【図6】留め具を用いて太陽電池モジュールを受皿に固定した、本発明の実施形態に従って取り付けられた別のアレイの上面図である。
【図7】図7は、図6に示すように、隣接する2つの太陽電池モジュールのそれぞれの側部を受皿に固定するのに使用され得る両側留め具の斜視図である。
【図7A】図7の線7A−7Aに沿った断面図である。
【図8】図8は、図6に示すように、モジュールの片側を受皿に固定するのに使用され得る片側留め具の斜視図である。
【図8A】図8の線8A−8Aに沿った断面図である。
【図9】図2の受皿の中に出荷用挿入材が固定された状態を示す斜視図である。
【図10】図2の受皿を用いて図1の太陽電池モジュールを2枚梱包する中間段階の分解図である。
【図11】図10の部品が出荷可能な梱包体に完全に組み立てられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の実施形態に従って屋根11上に取り付けられた典型的な太陽電池アレイ10を示す。このアレイ10は、複数(図では6枚)の太陽電池積層体又はモジュール12から構成され、これらは取付け構造(即ち受皿15、これについては以下でより詳しく論じる)上に配置され固定されている。当技術分野で理解されるように、積層体又はモジュール12(以下で「モジュール」とする)は、一般に、透明材料(例えばガラス、プラスチックなど)シートと、例えば不透明又は透明材料のもう1つのシートとの間に複数の太陽電池(図示せず)を配置することによって形成され、それによって得られるモジュール完成品は、実際上、諸図に示すような平坦な板状構造となる。次いで、モジュール12は、太陽エネルギーを電気に直接変換するために太陽電池が太陽に曝されるように配置される。
【0019】
本発明によれば、独特の取付け構造、即ち受皿15をモジュールの出荷に使用することができ、モジュールが目的地に到着した後は、その受皿を使用してモジュールを組み立て、取り付けることができる。以下でさらに論じるように、受皿15を用いると、例えば住宅などの建造物の屋根(例えばコンクリート屋根、スレート屋根、セラミック屋根、木材屋根、アスファルト屋根など)上の多種多様な種類の支持構造上にアレイ10を取り付けることが可能になる。こうすることで、相対的に小型の太陽電池アレイをより実用的かつ経済的に居住環境に使用できるようになる。
【0020】
受皿15の一実施形態は、図2及び図3を見ると最も良く分かるように、底部17と、前記底部から上方に傾斜して延びる2つの側部18と、各側部18の上端にある相対的に水平なフランジ20とを有するV字状の細長い樋状要素から構成される(図3参照)。本明細書では、「底部」「上方に」「水平な」などの用語は、図3に示す受皿に関し説明するものである。本発明の受皿に好ましい形状はV字状受皿であるが、その形状に限られるものではない。例えば、Uの底部の両隅部が丸まった、又は角張ったU字状受皿でも、他の樋形受皿でも可能である。
【0021】
受皿15は、好ましくは適当な材料(例えば、アルミニウム、鋼鉄、又は他の金属、プラスチックなど)、好ましくはアルミニウムやプラスチックなどの非腐食性材料、さらに好ましくは一体構造(例えば、打抜き成形、押出し成形、又は鋳型成形により一体に形成)からなる。単に例示の目的で示すが、受皿15は典型的には長さ約152.4〜165.1cm(約60〜65インチ)であり、図3に示す各部の寸法については、フランジ20の両外側縁部間の幅は約18.4cm(約7.25インチ)、側部18の高さは約12.7〜17.8cm(約5〜7インチ)、及び各フランジ20の表面の幅は約2.5cm(約1インチ)とすることができる。しかし、これらの寸法は、本発明から逸脱することなく、大幅に変えることができることを理解されたい。受皿15のそれぞれの底部20には、好ましくは、後述する目的で、底部を貫通する複数の穴19が間隔を置いて配置される。受皿15は、端部を「斜切する(bevel)」ことができる。図2に示すように、端部26は内側に斜切することができ、端部28は外側に斜切することができる。しかし、端部の一方又は両方をこのように内側又は外側に斜切することは任意選択である。
【0022】
典型的なモジュール12には大きさがあり(例えば76.2cm×152.4cm(2.5フィート×5フィート))、壊れやすい性質のものであるので、かかるモジュールをまったく損傷せずに出荷することは難題となり得る。多数のモジュール12が単一の取付け現場に必要な場合、通常は、費用のかかる大型容器や大型機器を使用してこれらのモジュールを木枠箱に詰めて配送する。しかし、太陽電池アレイを取り付けるのにほんの少数のモジュールのみが必要な場合(住宅の屋根上用の太陽電池アレイなど)は、かかる出荷費用は、かかる太陽電池アレイの取付け費用全体に響くことになる。したがって、本発明の一実施形態によれば、例えば個人の住宅などの屋根上に取り付ける現場に、相対的に少数のモジュールを安全かつ経済的に出荷することが可能になる。
【0023】
次に図9〜図11を参照すると、本発明によれば、モジュールを取り付けるのに使用される受皿15は、モジュールの梱包材の一部分として使用することができる。こうすることで梱包体の縮小、ひいては太陽電池モジュールの出荷費用の削減が実現されることになる。このためには、出荷用挿入材22が受皿15の樋部にぴったり合う(conform)ように成形され、摩擦的に嵌める又はその他の方法でその樋部内に固定される。挿入材22は、適当な、好ましくは弾性のある(compliant)(例えば発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレンなど)どんな材料からも構成することができ、この挿入材は、少なくとも1つの水平な溝部、好ましくは複数(即ち少なくとも2つ)の垂直方向に間隔を置いて配置された、挿入材表面を横切るほぼ水平な溝部(スロット)23、24(例えば、図では2つ)を有する。(水平、垂直方向とは、ここでは、水平面上で長手方向に位置する受皿に対するものである。)複数の挿入材22(例えば図では2つ)が互いに間隔を置いて受皿内に配置され、それによって各挿入材の相対的に水平な溝部23、24がそれぞれ整合して、受皿を横切る長手方向の平行溝部を形成される。好ましい実施形態では、各受皿に2つ以上の挿入材が使用される。しかし、1つの、好ましくは受皿の長さ又はほぼ受皿の長さの挿入材を使用できることも理解されよう。図9に示すように、2つの受皿(又は望むなら3つ以上)を互いに入れ子する(nest)ことができる。また、図9の受皿はそれぞれ、一方の端部が内側に、一方の端部が外側に斜切されている。
【0024】
図10から分かるように、モジュール12aの一方の側部即ち縁部が、受皿15a内で間隔を置いて配置された挿入材22の整合した溝部23に嵌め込まれ、もう1つのモジュール12bが、間隔を置いて配置された挿入材22の整合した溝部24に嵌め込まれる。次いで、モジュール12a、12bの他方の自由縁部が、第2の受皿15bの挿入材22のそれぞれ整合した溝部23、24に嵌め込まれ、それによって、モジュール12aと12bは、これらのモジュールの両縁部を保護するそれぞれの受皿15の間で、互いにほぼ平行に位置する。場合によっては、溝部23、24のそれぞれに2枚以上(例えば2枚)のモジュールを嵌め込むこともでき、それによって、例えば2つの受皿の間に4枚のモジュールを格納することもできる。図10に示すように、受皿15a及び15bは、重なり合った2つの受皿を含むことができる。受皿15aは、重なり合うことになる2つの受皿を離れた位置で示す。受皿15bは、互いに重なり合った2つの受皿を示す。
【0025】
モジュール12a、12bが受皿15aと15bとの間にぴったりと配置された後、それらモジュールの両端部を保護するために、箱状の保護材30(図10及び11)が、好ましくはモジュール12a、12bの各端部及び受皿15a、15bの対応する各端部を覆って嵌め込まれると、出荷中これらの構成部品を保護する梱包体33が完成する。梱包体33は、適当などんな紐状材料(例えばプラスチック、鋼鉄、低伸長性ゴムなど)製の紐部材34(図11)によっても、又は梱包体を取外し可能に固定するための他の適当などんな手段によっても、取外し可能に固定することができる。保護材30は、出荷中に通常受けると想定される衝撃や関連する力から保護するのに必要な強度を持つ限り、適当などんな材料(例えば木材)からでも形成することができる。
【0026】
こうして完成された相対的に少数の梱包体33(例えば、5個の梱包体で合計20枚までのモジュールを含む)は、相対的に小型の出荷用カートン即ち木枠箱(図示せず)に詰め込むことができ、これは通常の大部分の出荷作業で容易に取り扱うことができる。かかる梱包体によって、(例えば住宅などに必要とされる)より小型の太陽電池アレイが経済的に配送されることになる。
【0027】
完成された梱包体33が取付け現場に着くと、梱包は解体され、出荷用挿入材22が受皿から取り外される。次いで、受皿15は、図1、図4及び図5に示すように、モジュール12用の取付け支持体となるべく、屋根に、好ましくは平行な列をなして固定される。上述のように、本発明を使用すると、より従来式の板屋根(例えばアスファルト、木材など、図5参照)上のみならず、瓦屋根(例えばコンクリート、セラミックなど、図4参照)上にも太陽電池アレイを取り付けることができる。図5は、両端部が斜めではなく真っすぐに切られた受皿を示す。
【0028】
図4は、弓状又は湾曲した屋根葺き構成部品44(極く少数のみ示す)、即ちコンクリート又はセラミック材製の「屋根板」を使用する「スペイン風瓦」などの屋根上に取り付けられた太陽電池アレイ10を示す。構成部品即ち瓦44の列は、屋根上で重なり合い、それによってその間に形成される樋45が屋根排水溝となることが、当技術分野では理解されよう。
【0029】
受皿15の穴19をテンプレートとして使用して瓦44及び屋根敷き板35を貫通して位置合わせされた穴を穿設し、位置合わせされたそれらの穴19及び34を通して締結具37を配置できる。締結具37は適当などんな締結具でもよいが、好ましくは、締結具37は、その下側端部に拡張可能な固定具(アンカー)39、例えば市販の「拡張形固定具」が取り付けられたネジボルト又はネジ38である。締結具は、固定具39が敷き板35の底部を越えるまで、穴を貫通して下方に押し込むことができる。ネジ即ちボルト38を適切に把持し上方に引き上げて固定具39を拡張し、敷き板35の底面の下に固定具39を設置することができる。
【0030】
それぞれのネジ又はボルト38の上側端部の上から受皿15の穴19が配置され、ナット40が各ネジ又はボルトに適切に螺着されて受皿が定位置に固定される。当然ながら、それぞれの穴のいくつか、又は全てをネジ又はボルトが貫通する場合、ネジ周りでの漏れを防止するために、適当なゴム製のグロメット(パッキン)、座金(図示せず)などをネジ又はボルトの周りに配置できることが当技術分野で理解されよう。瓦屋根の場合は、受皿及び/又は屋根瓦が損傷しないことを保障するために、好ましくは受皿が屋根表面と接触する箇所で受皿の下に詰め物(例えば発泡パッド)が配置される。取付け後は、太陽電池アレイからの横方向荷重は、受皿と、屋根板又は屋根瓦との間の摩擦を介して屋根表面に直接伝達される。締結具を使用する場合、どんな種類の締結具を使用しても本発明の受皿を屋根又は他の支持構造に固定することができる。例えば、1つ又は複数のネジ、ボルト、釘、接着剤、鋲などを使用することができる。
【0031】
一般に、上記で説明したように、受皿15は長さ約152.4〜304.8cm(約60〜120インチ)とすることができる。特定の取付けのために、さらに長さが必要である場合、隣接する受皿のそれぞれの端部を互いに入れ子式に重ね合わせて(図1の点線参照)さらに長くすることができる。こうして重なり合った、即ち「葺かれた」受皿内部の樋は、雨水がアレイ10の下を流れ屋根から落ちる排水溝となるとともに、その下にある支持構造又は屋根表面との取付け箇所を共用することになる。諸図面から分かるように、受皿15は、特定の取付けに応じて、好ましくは互いにモジュール幅よりも短い間隔を置いて(図1)、又は互いにモジュールの長さの間隔を置いて(図6)平行な列に並べられる。
【0032】
全ての受皿が適切に間隔を置いて屋根又は支持構造に固定された後に、次いで太陽電池モジュールが受皿に取り付けられると太陽電池アレイが完成する。モジュール12は、市販の接着剤、例えばGERTV108などのシリコーン接着剤で受皿15のフランジ20上に「接着する」(図1参照)ことも、留め具50(図6〜図8参照)などでフランジ20に固定することもできる。
【0033】
留め具50は様々な構成とすることができるが、好ましくは、これらの留め具は、段溝材料(例えばアルミニウム製の小板(ストリッピング)など)の短い片から形成される。例えば、図7は「両側」留め具50aを示し、これは好ましくは2枚のモジュールを受皿15のフランジ20に部分的に固定するのに使用される。即ち、留め具50aは、1つのモジュール12aの一側部と、間隔を置いて隣接するモジュール12bの一側部とを、同じ受皿15aのそれぞれのフランジ20に(図6、図7参照)ネジ又はボルト51などで固定する。2つの間隔を置いて配置された受皿15aと15bとの間で隣接するモジュールのそれぞれの縁部をしっかりと固定するには、一般に、図6に示すように2つの両側留め具50aが間隔を置いて使用される。片側留め具50b(図6、図8)は、単一のモジュールの一縁部のみをフランジ20に固定する点を除いて、両側留め具50aと同様であり、こうした片側留め具は、好ましくはアレイの最外にあるモジュールを固定するのに使用されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽エネルギーモジュールを屋根などの上に取り付けることに関し、その態様の1つでは、太陽エネルギーモジュールを取付け現場に出荷し、その後、それらモジュールを、家屋などの建物の屋根上に取り付けられるアレイに組み立てることに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池などを用いて太陽エネルギーを有用な電気エネルギーに直接変換する技術において目覚ましい進歩が遂げられてきている。一般に、透明シート(例えばガラス、プラスチックなど)と、透明又は不透明のバックシートとの間に複数の太陽電池が格納されて、取り扱いやすい寸法(例えば約76.2cm×152.4cm(2.5フィート×5フィート))の平坦矩形モジュール(時には「積層体」とも呼ばれる)が形成される。次いで、これらのモジュールは取付け現場に出荷され、そこでアレイに組み立てられ、太陽に曝されることになる建物などの屋根上に組み付けられる。
【0003】
従来の太陽電池アレイの取付けでは、組立て済み(framed)モジュール、未組立て(unframed)モジュールのどちらも、屋根取付けシステム(即ち支持体)上に取り付けられ、次いでそれらシステムが建物の屋根に固定される。かかるアレイが長期にわたって持ちこたえるには、アレイの屋根取付けシステムは、吊上げにかかる力、下方に働く力、及びアレイの稼動寿命の間アレイに課される横方向荷重のすべてに耐えなければならない。残念なことに、従来技術の取付けシステムの多くでは、特にアレイの横方向の耐荷重がしばしば不十分であることが判明している。さらに、取付けシステムの多くは、時折受ける下方に働く力を補償するために追加の構造支持体を必要とする。したがって、アレイの適切な取付け又は取付けシステムが、太陽エネルギーシステムの資本費用全体の相当な部分を占め得る。
【0004】
居住用建造物、例えば家屋の屋根上に取り付けられるアレイなど、アレイが相対的に小型のものである場合、太陽電池アレイの組立て及び取付け費用は重大である。即ち、アレイの出荷、組立て、及び取付けを含む太陽電池アレイの総費用は、かかるシステムの経済面全体の計算に入れられなければならない。
【0005】
小型太陽電池アレイを経済的に市場供給する際に考慮すべき主要な点の1つに、太陽電池モジュールをその目的地まで梱包し出荷することがある。即ち、未組立てモジュール(例えばガラス板)の縁部は、適切に梱包されていなければ非常に損傷を受けやすく、即ち、これによって太陽エネルギーシステムの最終的な費用が大幅にかさむことになりかねない。多数の未組立てモジュールが単一の場所に出荷される場合、相対的に費用のかかる大型木枠箱又は大型ボール紙容器を使用してそれらのモジュールをパレットなどの上に格納し、それによってモジュール当たりの出荷費用を抑えている。
【0006】
しかし、アレイに必要なモジュールが相対的に少数(例えば12枚)のみである場合、こうした大型木枠箱又は大型容器を使用するのはむしろ経済的でない。というのは、一般の住宅用太陽電池取付け業者は、大型モジュール木枠箱に必要となる輸送手段や取扱い機器を使用する手段を持たないからである。さらに、こうした大型木枠箱は、特定の取付けに必要とされるだけの量のモジュールを配送できるような融通性を持たない。このように、少数の未組立てモジュールを安全かつ費用効果高く梱包する技術がないので、より小型の太陽電池アレイに、より費用のかかる組立て済モジュールが使用されることが多い。
【0007】
太陽エネルギーシステムが住宅向け市場や関連市場において伸び悩んできた要因の1つに、ヨーロッパや米国南西部などの各地域で今日一般に使用されている屋根葺き材の種類が挙げられ、この種の材料は他の地域でも普及しつつある。即ち、今日では、多くの住宅、特に上層階級住宅は屋根が「瓦」材(コンクリート、セラミックなどの材料)で葺かれている。
【0008】
取付けシステムは、より従来式の屋根(例えばアスファルト屋根板)に太陽電池アレイを直接取り付けるのに使用できるものの、現存のシステムでは、瓦屋根にアレイを取り付けるには、多くの場合、少なくともいくつかの瓦を取り外さなければならないので、費用も時間もかかる。さらに、瓦の下に位置する屋根取付け材を、瓦に穿設された穴、及び瓦の上に配置されることになる屋根構造システムと位置合わせするために複雑な測定を行わなければならない。さらに、こうした取付けシステムのいくつかでは、取付け構造を、屋根野地板や屋根敷き板ではなく、屋根垂木に取り付ける必要があり、そのため追加の測定や試し穴が必要となり、その結果屋根板に誤って穴を開けてしまい漏れを生じることがしばしばある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6065255号明細書
【特許文献2】特開平10−231600号公報
【特許文献3】米国特許第2950001号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記に鑑みて、当技術分野では、太陽電池モジュールを取り付けるための改良された装置及び方法が求められていることが容易に理解されよう。また、当技術分野では、ある種の市場(例えば住宅向け市場)において小型太陽エネルギーアレイがより競争力を持てるように、かかる太陽電池アレイを経済的に出荷し取り付けるための装置及び方法が求められている。本発明は、かかる装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、例えば住宅や商業ビルなどの地上又は屋根上に太陽電池アレイを取り付けるのに使用できる方法及び装置を提供する。本発明における一要素は、アレイを構成する太陽電池モジュールの取付けに使用される受皿(パン)であり、この受皿は、任意選択で出荷用にモジュールを梱包するのにも使用することができる。即ち、受皿は梱包体の一部分を形成することができ、これが出荷中モジュールを保護し、その後、モジュールを屋根上に取り付けるのに使用される構造の一部を形成することになる。しかし、本発明の受皿は、太陽電池モジュールを取り付けるための構造要素としてのみ使用することもでき、取り付けられる太陽電池モジュールとは別に出荷し供給することもできることが理解されよう。
【0012】
より具体的には、本発明の受皿は、好ましくは適当な長さの、好ましくは断面がほぼ樋形の非腐食性材料(例えばプラスチック又はアルミニウム)からなる。例えば、受皿の断面は、V字状やU字状などの形状でもよい。この断面は、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端にある相対的に水平なフランジとを有する樋部を有効に形成する。好ましい断面形状はV字状である。V字状断面は、底部から上方に延びる傾斜した側部を有する。
【0013】
少なくとも1つ、好ましくは複数(例えば2つ)の出荷用挿入材を各受皿の樋内に取外し可能に間隔を置いて嵌め込むことにより、この受皿を使用して太陽電池モジュールを梱包できる。出荷用挿入材はそれぞれ、少なくとも1つの長手方向の溝部、好ましくは複数(例えば2つ)の平行な長手方向の溝部を有し、2つ以上の出荷用挿入材が使用される場合、これらの溝部は、樋部内の他方の挿入材の対応するそれぞれの溝部と整合する(一列に並ぶ)。整合した各組の溝部は、1つ又は複数の太陽電池モジュール、好ましくは1つ又は複数の未組立て太陽電池モジュールの一縁部を受けるとともに支持する。次いで、これらモジュールの反対側の各縁部が、もう1つの受皿の樋内に取外し可能に嵌め込まれた1つ又は複数の出荷用挿入材の溝部にそれぞれ嵌め込まれると、2つの受皿の間で平行に延びる1つ又は複数のモジュールを含む梱包体が出来上がる。保護材(例えば木箱状構造)が、好ましくは受皿の両端部及び格納されたモジュールの対応する両端部を覆って嵌め込まれると、出荷用梱包体が完成する。この梱包体は、適当な紐部材(ストラッピング)又は梱包体を緊締する(secure)ための他の手段を用いて結束することができる。
【0014】
取付け現場に到着すると、梱包体は解体され、出荷用挿入材が受皿から取り外される。受皿は、出荷に使用されたか、それとも別途供給されたかにかかわらず、アレイ用取付け構造を形成するのに使用される。即ち、各受皿は屋根上に適切に配置され、複数の穴、好ましくは受皿の樋底部に予め形成された複数の穴をテンプレートとして用いて、屋根葺き材(例えば瓦、屋根板など)及び屋根敷き板を貫通して位置合わせされた穴を穿設することができる。好ましい実施形態では、拡張可能なネジ式の固定具締結具(例えば拡張固定具)が、屋根に位置合わせして設けられたそれらの穴を貫通して配置され、その下側端部が屋根敷き板の下で係留される。締結具の上側端部の上から受皿の穴が配置され、ナットがそこに螺着されると受皿が屋根に固定される。瓦屋根の場合は、受皿及び/又は屋根瓦が損傷しないように保障するために、好ましくは受皿が屋根表面と接触する箇所で受皿の下に詰め物(例えば発泡パッド)が配置される。取付け後は、太陽電池アレイからの横方向荷重は、受皿と、屋根板又は屋根瓦との間で摩擦を介して屋根表面に直接伝達される。あるいは、受皿は、地上又は建物の屋根上に配置された支持構造に取り付けることもできる。
【0015】
受皿は、適切には間隔を置いた平行な列に取り付けられ、傾斜屋根の表面に直接取り付けられる場合は、好ましくは屋根上で上下方向にわたって延ばすと効果的である。隣接する受皿同士の各端部は、入れ子式に互いに重ね合わせることができ、それによって、所望の長さの特定の列を設けることができる。重ね合わせる場合は、受皿をその下にある支持構造に取り付ける締結具を、重なり合った受皿同士で共用することができる。受皿が定位置に配置された後、次いで、受皿の列の間に太陽電池モジュールが(例えば接着剤、留め具などによって)それぞれ取り付けられると、太陽電池アレイが形成される。
【0016】
本発明の実際の構築作業及び明白な利点は、図面を参照することによってより良く理解されよう。図面は必ずしも原寸に比例してはおらず、また、同じ符号は同じ部品を示す。
本発明をその好ましい実施形態に関して説明するが、本発明はそれに限られるものではないことが理解されよう。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲に含まれ得るすべての代替形態、改変形態及び等価物を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に従って建造物の屋根上に取り付けられた典型的な太陽電池アレイの上面図である(図1には受皿15の全詳細は示されていない。図2及び3に受皿15の一実施形態がより詳細に示されている。)
【図2】図1のアレイを取り付けるのに使用され得るほぼV字状の受皿の平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従って瓦屋根上に取り付けられた太陽電池アレイの一部分を示す正面断面図である。
【図5】本発明の実施形態に従って従来式の板葺き屋根上に取り付けられた太陽電池アレイの一部分を示す側部断面図である。
【図6】留め具を用いて太陽電池モジュールを受皿に固定した、本発明の実施形態に従って取り付けられた別のアレイの上面図である。
【図7】図7は、図6に示すように、隣接する2つの太陽電池モジュールのそれぞれの側部を受皿に固定するのに使用され得る両側留め具の斜視図である。
【図7A】図7の線7A−7Aに沿った断面図である。
【図8】図8は、図6に示すように、モジュールの片側を受皿に固定するのに使用され得る片側留め具の斜視図である。
【図8A】図8の線8A−8Aに沿った断面図である。
【図9】図2の受皿の中に出荷用挿入材が固定された状態を示す斜視図である。
【図10】図2の受皿を用いて図1の太陽電池モジュールを2枚梱包する中間段階の分解図である。
【図11】図10の部品が出荷可能な梱包体に完全に組み立てられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の実施形態に従って屋根11上に取り付けられた典型的な太陽電池アレイ10を示す。このアレイ10は、複数(図では6枚)の太陽電池積層体又はモジュール12から構成され、これらは取付け構造(即ち受皿15、これについては以下でより詳しく論じる)上に配置され固定されている。当技術分野で理解されるように、積層体又はモジュール12(以下で「モジュール」とする)は、一般に、透明材料(例えばガラス、プラスチックなど)シートと、例えば不透明又は透明材料のもう1つのシートとの間に複数の太陽電池(図示せず)を配置することによって形成され、それによって得られるモジュール完成品は、実際上、諸図に示すような平坦な板状構造となる。次いで、モジュール12は、太陽エネルギーを電気に直接変換するために太陽電池が太陽に曝されるように配置される。
【0019】
本発明によれば、独特の取付け構造、即ち受皿15をモジュールの出荷に使用することができ、モジュールが目的地に到着した後は、その受皿を使用してモジュールを組み立て、取り付けることができる。以下でさらに論じるように、受皿15を用いると、例えば住宅などの建造物の屋根(例えばコンクリート屋根、スレート屋根、セラミック屋根、木材屋根、アスファルト屋根など)上の多種多様な種類の支持構造上にアレイ10を取り付けることが可能になる。こうすることで、相対的に小型の太陽電池アレイをより実用的かつ経済的に居住環境に使用できるようになる。
【0020】
受皿15の一実施形態は、図2及び図3を見ると最も良く分かるように、底部17と、前記底部から上方に傾斜して延びる2つの側部18と、各側部18の上端にある相対的に水平なフランジ20とを有するV字状の細長い樋状要素から構成される(図3参照)。本明細書では、「底部」「上方に」「水平な」などの用語は、図3に示す受皿に関し説明するものである。本発明の受皿に好ましい形状はV字状受皿であるが、その形状に限られるものではない。例えば、Uの底部の両隅部が丸まった、又は角張ったU字状受皿でも、他の樋形受皿でも可能である。
【0021】
受皿15は、好ましくは適当な材料(例えば、アルミニウム、鋼鉄、又は他の金属、プラスチックなど)、好ましくはアルミニウムやプラスチックなどの非腐食性材料、さらに好ましくは一体構造(例えば、打抜き成形、押出し成形、又は鋳型成形により一体に形成)からなる。単に例示の目的で示すが、受皿15は典型的には長さ約152.4〜165.1cm(約60〜65インチ)であり、図3に示す各部の寸法については、フランジ20の両外側縁部間の幅は約18.4cm(約7.25インチ)、側部18の高さは約12.7〜17.8cm(約5〜7インチ)、及び各フランジ20の表面の幅は約2.5cm(約1インチ)とすることができる。しかし、これらの寸法は、本発明から逸脱することなく、大幅に変えることができることを理解されたい。受皿15のそれぞれの底部20には、好ましくは、後述する目的で、底部を貫通する複数の穴19が間隔を置いて配置される。受皿15は、端部を「斜切する(bevel)」ことができる。図2に示すように、端部26は内側に斜切することができ、端部28は外側に斜切することができる。しかし、端部の一方又は両方をこのように内側又は外側に斜切することは任意選択である。
【0022】
典型的なモジュール12には大きさがあり(例えば76.2cm×152.4cm(2.5フィート×5フィート))、壊れやすい性質のものであるので、かかるモジュールをまったく損傷せずに出荷することは難題となり得る。多数のモジュール12が単一の取付け現場に必要な場合、通常は、費用のかかる大型容器や大型機器を使用してこれらのモジュールを木枠箱に詰めて配送する。しかし、太陽電池アレイを取り付けるのにほんの少数のモジュールのみが必要な場合(住宅の屋根上用の太陽電池アレイなど)は、かかる出荷費用は、かかる太陽電池アレイの取付け費用全体に響くことになる。したがって、本発明の一実施形態によれば、例えば個人の住宅などの屋根上に取り付ける現場に、相対的に少数のモジュールを安全かつ経済的に出荷することが可能になる。
【0023】
次に図9〜図11を参照すると、本発明によれば、モジュールを取り付けるのに使用される受皿15は、モジュールの梱包材の一部分として使用することができる。こうすることで梱包体の縮小、ひいては太陽電池モジュールの出荷費用の削減が実現されることになる。このためには、出荷用挿入材22が受皿15の樋部にぴったり合う(conform)ように成形され、摩擦的に嵌める又はその他の方法でその樋部内に固定される。挿入材22は、適当な、好ましくは弾性のある(compliant)(例えば発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレンなど)どんな材料からも構成することができ、この挿入材は、少なくとも1つの水平な溝部、好ましくは複数(即ち少なくとも2つ)の垂直方向に間隔を置いて配置された、挿入材表面を横切るほぼ水平な溝部(スロット)23、24(例えば、図では2つ)を有する。(水平、垂直方向とは、ここでは、水平面上で長手方向に位置する受皿に対するものである。)複数の挿入材22(例えば図では2つ)が互いに間隔を置いて受皿内に配置され、それによって各挿入材の相対的に水平な溝部23、24がそれぞれ整合して、受皿を横切る長手方向の平行溝部を形成される。好ましい実施形態では、各受皿に2つ以上の挿入材が使用される。しかし、1つの、好ましくは受皿の長さ又はほぼ受皿の長さの挿入材を使用できることも理解されよう。図9に示すように、2つの受皿(又は望むなら3つ以上)を互いに入れ子する(nest)ことができる。また、図9の受皿はそれぞれ、一方の端部が内側に、一方の端部が外側に斜切されている。
【0024】
図10から分かるように、モジュール12aの一方の側部即ち縁部が、受皿15a内で間隔を置いて配置された挿入材22の整合した溝部23に嵌め込まれ、もう1つのモジュール12bが、間隔を置いて配置された挿入材22の整合した溝部24に嵌め込まれる。次いで、モジュール12a、12bの他方の自由縁部が、第2の受皿15bの挿入材22のそれぞれ整合した溝部23、24に嵌め込まれ、それによって、モジュール12aと12bは、これらのモジュールの両縁部を保護するそれぞれの受皿15の間で、互いにほぼ平行に位置する。場合によっては、溝部23、24のそれぞれに2枚以上(例えば2枚)のモジュールを嵌め込むこともでき、それによって、例えば2つの受皿の間に4枚のモジュールを格納することもできる。図10に示すように、受皿15a及び15bは、重なり合った2つの受皿を含むことができる。受皿15aは、重なり合うことになる2つの受皿を離れた位置で示す。受皿15bは、互いに重なり合った2つの受皿を示す。
【0025】
モジュール12a、12bが受皿15aと15bとの間にぴったりと配置された後、それらモジュールの両端部を保護するために、箱状の保護材30(図10及び11)が、好ましくはモジュール12a、12bの各端部及び受皿15a、15bの対応する各端部を覆って嵌め込まれると、出荷中これらの構成部品を保護する梱包体33が完成する。梱包体33は、適当などんな紐状材料(例えばプラスチック、鋼鉄、低伸長性ゴムなど)製の紐部材34(図11)によっても、又は梱包体を取外し可能に固定するための他の適当などんな手段によっても、取外し可能に固定することができる。保護材30は、出荷中に通常受けると想定される衝撃や関連する力から保護するのに必要な強度を持つ限り、適当などんな材料(例えば木材)からでも形成することができる。
【0026】
こうして完成された相対的に少数の梱包体33(例えば、5個の梱包体で合計20枚までのモジュールを含む)は、相対的に小型の出荷用カートン即ち木枠箱(図示せず)に詰め込むことができ、これは通常の大部分の出荷作業で容易に取り扱うことができる。かかる梱包体によって、(例えば住宅などに必要とされる)より小型の太陽電池アレイが経済的に配送されることになる。
【0027】
完成された梱包体33が取付け現場に着くと、梱包は解体され、出荷用挿入材22が受皿から取り外される。次いで、受皿15は、図1、図4及び図5に示すように、モジュール12用の取付け支持体となるべく、屋根に、好ましくは平行な列をなして固定される。上述のように、本発明を使用すると、より従来式の板屋根(例えばアスファルト、木材など、図5参照)上のみならず、瓦屋根(例えばコンクリート、セラミックなど、図4参照)上にも太陽電池アレイを取り付けることができる。図5は、両端部が斜めではなく真っすぐに切られた受皿を示す。
【0028】
図4は、弓状又は湾曲した屋根葺き構成部品44(極く少数のみ示す)、即ちコンクリート又はセラミック材製の「屋根板」を使用する「スペイン風瓦」などの屋根上に取り付けられた太陽電池アレイ10を示す。構成部品即ち瓦44の列は、屋根上で重なり合い、それによってその間に形成される樋45が屋根排水溝となることが、当技術分野では理解されよう。
【0029】
受皿15の穴19をテンプレートとして使用して瓦44及び屋根敷き板35を貫通して位置合わせされた穴を穿設し、位置合わせされたそれらの穴19及び34を通して締結具37を配置できる。締結具37は適当などんな締結具でもよいが、好ましくは、締結具37は、その下側端部に拡張可能な固定具(アンカー)39、例えば市販の「拡張形固定具」が取り付けられたネジボルト又はネジ38である。締結具は、固定具39が敷き板35の底部を越えるまで、穴を貫通して下方に押し込むことができる。ネジ即ちボルト38を適切に把持し上方に引き上げて固定具39を拡張し、敷き板35の底面の下に固定具39を設置することができる。
【0030】
それぞれのネジ又はボルト38の上側端部の上から受皿15の穴19が配置され、ナット40が各ネジ又はボルトに適切に螺着されて受皿が定位置に固定される。当然ながら、それぞれの穴のいくつか、又は全てをネジ又はボルトが貫通する場合、ネジ周りでの漏れを防止するために、適当なゴム製のグロメット(パッキン)、座金(図示せず)などをネジ又はボルトの周りに配置できることが当技術分野で理解されよう。瓦屋根の場合は、受皿及び/又は屋根瓦が損傷しないことを保障するために、好ましくは受皿が屋根表面と接触する箇所で受皿の下に詰め物(例えば発泡パッド)が配置される。取付け後は、太陽電池アレイからの横方向荷重は、受皿と、屋根板又は屋根瓦との間の摩擦を介して屋根表面に直接伝達される。締結具を使用する場合、どんな種類の締結具を使用しても本発明の受皿を屋根又は他の支持構造に固定することができる。例えば、1つ又は複数のネジ、ボルト、釘、接着剤、鋲などを使用することができる。
【0031】
一般に、上記で説明したように、受皿15は長さ約152.4〜304.8cm(約60〜120インチ)とすることができる。特定の取付けのために、さらに長さが必要である場合、隣接する受皿のそれぞれの端部を互いに入れ子式に重ね合わせて(図1の点線参照)さらに長くすることができる。こうして重なり合った、即ち「葺かれた」受皿内部の樋は、雨水がアレイ10の下を流れ屋根から落ちる排水溝となるとともに、その下にある支持構造又は屋根表面との取付け箇所を共用することになる。諸図面から分かるように、受皿15は、特定の取付けに応じて、好ましくは互いにモジュール幅よりも短い間隔を置いて(図1)、又は互いにモジュールの長さの間隔を置いて(図6)平行な列に並べられる。
【0032】
全ての受皿が適切に間隔を置いて屋根又は支持構造に固定された後に、次いで太陽電池モジュールが受皿に取り付けられると太陽電池アレイが完成する。モジュール12は、市販の接着剤、例えばGERTV108などのシリコーン接着剤で受皿15のフランジ20上に「接着する」(図1参照)ことも、留め具50(図6〜図8参照)などでフランジ20に固定することもできる。
【0033】
留め具50は様々な構成とすることができるが、好ましくは、これらの留め具は、段溝材料(例えばアルミニウム製の小板(ストリッピング)など)の短い片から形成される。例えば、図7は「両側」留め具50aを示し、これは好ましくは2枚のモジュールを受皿15のフランジ20に部分的に固定するのに使用される。即ち、留め具50aは、1つのモジュール12aの一側部と、間隔を置いて隣接するモジュール12bの一側部とを、同じ受皿15aのそれぞれのフランジ20に(図6、図7参照)ネジ又はボルト51などで固定する。2つの間隔を置いて配置された受皿15aと15bとの間で隣接するモジュールのそれぞれの縁部をしっかりと固定するには、一般に、図6に示すように2つの両側留め具50aが間隔を置いて使用される。片側留め具50b(図6、図8)は、単一のモジュールの一縁部のみをフランジ20に固定する点を除いて、両側留め具50aと同様であり、こうした片側留め具は、好ましくはアレイの最外にあるモジュールを固定するのに使用されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュール取付け用受皿において、
樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料を備え、当該樋部は、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジ部とを有する、受皿。
【請求項2】
さらに、前記底部、前記水平なフランジ、又は前記底部及び前記水平なフランジを貫通する、間隔を置いて配置された穴を含む、請求項1に記載の受皿。
【請求項3】
前記材料が非腐食性である、請求項2に記載の受皿。
【請求項4】
さらに、前記受皿に沿って間隔を置いて配置されると共に前記樋部内に取外し可能に嵌め込まれる少なくとも1つの出荷用挿入材を含み、当該出荷用挿入材のそれぞれが、太陽電池モジュールの縁部を受けるように適合される少なくとも1つの溝部を有する、請求項2に記載の受皿。
【請求項5】
さらに、前記受皿に沿って間隔を置いて配置されると共に前記樋部内に取外し可能に嵌め込まれる複数の出荷用挿入材を含み、当該出荷用挿入材のそれぞれが、複数の平行な溝部を有し、当該複数の平行な溝部のそれぞれが、異なる太陽電池モジュールの縁部を受けるように適合される、請求項2に記載の受皿。
【請求項6】
前記出荷用挿入材が前記樋部内に摩擦的に嵌められている、請求項5に記載の受皿。
【請求項7】
前記長さが約152.4〜約304.8cm(約60〜約120インチ)である、請求項1に記載の受皿。
【請求項8】
屋根又は支持構造などに取り付けられる太陽電池アレイにおいて、
前記屋根又は支持構造上で、間隔を置いて平行な列に配置される複数の受皿であって、各受皿が、樋部を形成する樋形断面を有する長さの材料から構成され、前記樋部が、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジとを有する、複数の受皿と、
前記受皿を前記屋根又は支持構造に連結する手段と、
複数の太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュールを前記受皿の前記フランジに固定する手段とを含む、太陽電池アレイ。
【請求項9】
前記太陽電池モジュールを前記フランジに固定する前記手段が、接着剤である、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールを前記フランジに固定する前記手段が、前記フランジに固定された留め具を含む、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項11】
各受皿の前記底部が、当該底部を貫通する予め形成された穴を有しており、前記受皿を前記屋根又は支持構造に連結する前記手段が、
締結具を含んでおり、当該締結具が、前記受皿のそれぞれの前記底部にある前記予め形成された穴を貫通し、さらに前記屋根又は支持構造中の対応する穴を貫通する、請求項8に記載のアレイ。
【請求項12】
前記締結具が、
ネジ要素であって、当該ネジ要素の下側端部に取り付けられる拡張可能な固定具を有する、ネジ要素と、
前記ネジ要素の上面に螺着されるナットとを含む、請求項11に記載のアレイ。
【請求項13】
前記複数の受皿の列のそれぞれが、
複数の受皿を含んでおり、前記受皿の一つの端部底面が、隣接する受皿の端部上面内で入れ子式に重ね合わされる、請求項11に記載のアレイ。
【請求項14】
太陽電池モジュールを出荷用に梱包する方法において、
複数の間隔を置いて配置された第1の出荷用挿入材を、第1の受皿の樋部内に取外し可能に位置決めする、第1の出荷用挿入材を位置決めする工程であって、前記第1の受皿が、前記樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料を含み、前記第1の出荷用挿入材のそれぞれが、当該第1の出荷用挿入材中に複数の平行な溝部を有し、前記溝部は前記挿入材の他方の溝部と整合しており、それによって、前記挿入材が前記第1の受皿の前記樋部内にあるときに、前記第1の受皿を横切る複数の平行な溝部を有効に形成する、第1の出荷用挿入材を位置決めする工程と、
前記第1の出荷用挿入材中の前記平行な溝部のそれぞれに、太陽電池モジュールの一縁部を配置する工程と、
複数の出荷用の第2の挿入材を、前記第1の受皿と同じ構造を有する第2の受皿の樋部内に取外し可能に位置決めする、第2の挿入材を位置決めする工程であって、前記第2の挿入材のそれぞれが、当該第2の挿入材中に複数の平行な溝部を有し、前記溝部は前記第2の挿入材の他方の溝部と整合しており、それによって、前記挿入材が前記第2の受皿の前記樋部内にあるときに、前記第2の受皿を横切る複数の平行で長手方向の溝部を有効に形成する、第2の挿入材を位置決めする工程と、
それぞれの前記太陽電池モジュールの反対側縁部を、前記第2の挿入材のそれぞれの平行な溝部内に配置する、反対側縁部を配置する工程であって、それによって、出荷中に、前記モジュールの前記縁部を保護する、反対側縁部を配置する工程とを含む、方法。
【請求項15】
さらに、前記第1及び第2の受皿の前記挿入材の前記溝部内に前記モジュールが配置された後に、前記受皿及び前記太陽電池モジュールの各端部を覆って保護材を配置する工程を含み、それによって、出荷中に、前記モジュールの前記端部を保護する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記モジュールの周囲で前記受皿及び前記保護材を固定する工程を含み、それによって、出荷用の完全な梱包体を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
太陽電池モジュールのアレイを屋根などの上に取り付ける方法において、
前記屋根上に複数の受皿を位置決めする工程であって、前記受皿のそれぞれが、樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料から構成されており、前記樋部が、前記屋根に取り付けられる底部と、当該底部から上方に延びる2つの傾斜した側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジとを有する、受皿を位置決めする工程と、
前記受皿を前記屋根に固定する工程と、
前記太陽電池モジュールを隣接する受皿の前記フランジに固定する工程とを含む、方法。
【請求項18】
前記太陽電池モジュールが、接着剤によって前記フランジに固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記太陽電池モジュールが、留め具によって前記フランジに固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記受皿を前記屋根に取り付ける工程が、
前記屋根上の所望の位置に各受皿を位置決めする工程と、
前記屋根を貫通して穴を穿設する工程と、
穿設された前記穴に締結具を通すとともに、前記締結具を前記屋根に据え付ける工程と、
前記受皿を前記締結具に固定する工程とを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記受皿の前記底部中の前記穴が予め形成されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記締結具が、当該締結具の一端部に拡張可能な固定具を有するネジ要素である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項1に記載の受皿。
【請求項24】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項25】
前記樋形断面がV字状断面である、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項17に記載の方法。
【請求項1】
太陽電池モジュール取付け用受皿において、
樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料を備え、当該樋部は、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジ部とを有する、受皿。
【請求項2】
さらに、前記底部、前記水平なフランジ、又は前記底部及び前記水平なフランジを貫通する、間隔を置いて配置された穴を含む、請求項1に記載の受皿。
【請求項3】
前記材料が非腐食性である、請求項2に記載の受皿。
【請求項4】
さらに、前記受皿に沿って間隔を置いて配置されると共に前記樋部内に取外し可能に嵌め込まれる少なくとも1つの出荷用挿入材を含み、当該出荷用挿入材のそれぞれが、太陽電池モジュールの縁部を受けるように適合される少なくとも1つの溝部を有する、請求項2に記載の受皿。
【請求項5】
さらに、前記受皿に沿って間隔を置いて配置されると共に前記樋部内に取外し可能に嵌め込まれる複数の出荷用挿入材を含み、当該出荷用挿入材のそれぞれが、複数の平行な溝部を有し、当該複数の平行な溝部のそれぞれが、異なる太陽電池モジュールの縁部を受けるように適合される、請求項2に記載の受皿。
【請求項6】
前記出荷用挿入材が前記樋部内に摩擦的に嵌められている、請求項5に記載の受皿。
【請求項7】
前記長さが約152.4〜約304.8cm(約60〜約120インチ)である、請求項1に記載の受皿。
【請求項8】
屋根又は支持構造などに取り付けられる太陽電池アレイにおいて、
前記屋根又は支持構造上で、間隔を置いて平行な列に配置される複数の受皿であって、各受皿が、樋部を形成する樋形断面を有する長さの材料から構成され、前記樋部が、底部と、当該底部から上方に延びる2つの側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジとを有する、複数の受皿と、
前記受皿を前記屋根又は支持構造に連結する手段と、
複数の太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュールを前記受皿の前記フランジに固定する手段とを含む、太陽電池アレイ。
【請求項9】
前記太陽電池モジュールを前記フランジに固定する前記手段が、接着剤である、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールを前記フランジに固定する前記手段が、前記フランジに固定された留め具を含む、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項11】
各受皿の前記底部が、当該底部を貫通する予め形成された穴を有しており、前記受皿を前記屋根又は支持構造に連結する前記手段が、
締結具を含んでおり、当該締結具が、前記受皿のそれぞれの前記底部にある前記予め形成された穴を貫通し、さらに前記屋根又は支持構造中の対応する穴を貫通する、請求項8に記載のアレイ。
【請求項12】
前記締結具が、
ネジ要素であって、当該ネジ要素の下側端部に取り付けられる拡張可能な固定具を有する、ネジ要素と、
前記ネジ要素の上面に螺着されるナットとを含む、請求項11に記載のアレイ。
【請求項13】
前記複数の受皿の列のそれぞれが、
複数の受皿を含んでおり、前記受皿の一つの端部底面が、隣接する受皿の端部上面内で入れ子式に重ね合わされる、請求項11に記載のアレイ。
【請求項14】
太陽電池モジュールを出荷用に梱包する方法において、
複数の間隔を置いて配置された第1の出荷用挿入材を、第1の受皿の樋部内に取外し可能に位置決めする、第1の出荷用挿入材を位置決めする工程であって、前記第1の受皿が、前記樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料を含み、前記第1の出荷用挿入材のそれぞれが、当該第1の出荷用挿入材中に複数の平行な溝部を有し、前記溝部は前記挿入材の他方の溝部と整合しており、それによって、前記挿入材が前記第1の受皿の前記樋部内にあるときに、前記第1の受皿を横切る複数の平行な溝部を有効に形成する、第1の出荷用挿入材を位置決めする工程と、
前記第1の出荷用挿入材中の前記平行な溝部のそれぞれに、太陽電池モジュールの一縁部を配置する工程と、
複数の出荷用の第2の挿入材を、前記第1の受皿と同じ構造を有する第2の受皿の樋部内に取外し可能に位置決めする、第2の挿入材を位置決めする工程であって、前記第2の挿入材のそれぞれが、当該第2の挿入材中に複数の平行な溝部を有し、前記溝部は前記第2の挿入材の他方の溝部と整合しており、それによって、前記挿入材が前記第2の受皿の前記樋部内にあるときに、前記第2の受皿を横切る複数の平行で長手方向の溝部を有効に形成する、第2の挿入材を位置決めする工程と、
それぞれの前記太陽電池モジュールの反対側縁部を、前記第2の挿入材のそれぞれの平行な溝部内に配置する、反対側縁部を配置する工程であって、それによって、出荷中に、前記モジュールの前記縁部を保護する、反対側縁部を配置する工程とを含む、方法。
【請求項15】
さらに、前記第1及び第2の受皿の前記挿入材の前記溝部内に前記モジュールが配置された後に、前記受皿及び前記太陽電池モジュールの各端部を覆って保護材を配置する工程を含み、それによって、出荷中に、前記モジュールの前記端部を保護する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記モジュールの周囲で前記受皿及び前記保護材を固定する工程を含み、それによって、出荷用の完全な梱包体を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
太陽電池モジュールのアレイを屋根などの上に取り付ける方法において、
前記屋根上に複数の受皿を位置決めする工程であって、前記受皿のそれぞれが、樋部を形成する樋状断面を有する長さの材料から構成されており、前記樋部が、前記屋根に取り付けられる底部と、当該底部から上方に延びる2つの傾斜した側部と、当該側部のそれぞれの上端で相対的に水平なフランジとを有する、受皿を位置決めする工程と、
前記受皿を前記屋根に固定する工程と、
前記太陽電池モジュールを隣接する受皿の前記フランジに固定する工程とを含む、方法。
【請求項18】
前記太陽電池モジュールが、接着剤によって前記フランジに固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記太陽電池モジュールが、留め具によって前記フランジに固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記受皿を前記屋根に取り付ける工程が、
前記屋根上の所望の位置に各受皿を位置決めする工程と、
前記屋根を貫通して穴を穿設する工程と、
穿設された前記穴に締結具を通すとともに、前記締結具を前記屋根に据え付ける工程と、
前記受皿を前記締結具に固定する工程とを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記受皿の前記底部中の前記穴が予め形成されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記締結具が、当該締結具の一端部に拡張可能な固定具を有するネジ要素である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項1に記載の受皿。
【請求項24】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項8に記載の太陽電池アレイ。
【請求項25】
前記樋形断面がV字状断面である、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記樋形断面がV字状断面であり、前記側部が前記底部から上方に延びる傾斜した側部である、請求項17に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−21476(P2011−21476A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−242045(P2010−242045)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【分割の表示】特願2006−510040(P2006−510040)の分割
【原出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242045(P2010−242045)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【分割の表示】特願2006−510040(P2006−510040)の分割
【原出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】
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