説明

太陽電池及びその製造方法

【課題】本発明は、太陽光の吸収率が高く且つ光電変換効率が高い太陽電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の太陽電池は、順に配列し且つ互いに接触する第一電極と、P型シリコン層と、N型シリコン層と、第二電極と、反射素子と、を含む。第一電極とP型シリコン層とN型シリコン層と第二電極とが一つの直線上に設置されて全体構造を有する一つの電池ユニットを形成し、該電池ユニットは、前記直線に平行し、互いに対向する第一表面及び第二表面を含み、前記第一表面は、太陽電池の太陽光を直接的に吸収する光入射面であり、前記反射素子は、前記第二表面に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、光合成原理を応用した電池である。太陽電池は光起電力効果を利用して、太陽光エネルギーを直接電力に変換する電力機器であり光電池とも呼ばれる。一般的な一次電池や二次電池のように電力を蓄えるのではなく、該光起電力効果により、受けた光エネルギーを即時に電力に変換して出力する。現在、主流のシリコン太陽電池(非特許文献1を参照)の他、様々な化合物半導体などを素材にしたものが実用化されている。
【0003】
図1を参照すると、従来のシリコン太陽電池10は、順に積層された背面電極12と、P型シリコン層14と、N型シリコン層16と、前面電極18と、を含む。P型シリコン層14は、互いに対向する第一表面142及び第二表面144を含み、第二表面144は平面構造を有する。背面電極12は、P型シリコン層14の第一表面142とオーミック接触して該第一表面142に設置される。N型シリコン層16は、P型シリコン層14の第二表面144と接触して該第二表面144に設置される。N型シリコン層16の表面は平面構造を有する。前面電極18は、N型シリコン層16のP型シリコン層14と接触する表面とは反対側の表面に設置される。シリコン太陽電池10において、P型シリコン層14とN型シリコン層16はpn接合を形成する。
【0004】
シリコン太陽電池10が作動する際、太陽光が前面電極18の外表面からシリコン太陽電池10に入射して、前面電極18及びN型シリコン層16を透過した後、pn接合に達する。次いで、pn接合に太陽光があたるとそれが刺激となって、複数の電子と正孔が発生する。複数の電子と正孔は、電場の作用によって分離し且つそれぞれ背面電極12と前面電極18とへ移動する。シリコン太陽電池10の背面電極12及び前面電極18の間で負荷を受けると、背面電極12及び前面電極18の間に外部回路の負荷を通じて電流が流れる。
【0005】
このように、従来のシリコン太陽電池10では、作動する際、光子が前面電極18及びN型シリコン層16を透過した後pn接合に達するので、シリコン太陽電池10に入射した一部の光子は前面電極18及びN型シリコン層16に吸収される。従って、pn接合領域の光子に対する吸収率が低くなるので、シリコン太陽電池10の光電変換効率が低い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】張明杰等、“太陽電池及び多晶シリコンの製造”、「材料及び冶金の学報」、2007年、第16巻、第33頁〜第38頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、前記課題を解決するために、本発明は太陽光の吸収率が高く且つ光電変換効率が高い太陽電池及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽電池は、順に配列し且つ互いに接触される第一電極と、P型シリコン層と、N型シリコン層と、第二電極と、反射素子と、を含む。第一電極、P型シリコン層、N型シリコン層及び第二電極が一つの直線上に設置されて全体構造を有する一つの電池ユニットを形成し、該電池ユニットは、前記直線に平行し、互いに対向する第一表面及び第二表面を含み、前記第一表面は、太陽電池の太陽光を直接的に吸収する光入射面であり、前記反射素子は、前記第二表面に設置される。
【0009】
本発明の太陽電池は、互いに直列される複数の電池ユニットを含む。各々の電池ユニットは、順に配列し且つ互いに接触される第一電極と、P型シリコン層と、N型シリコン層と、第二電極と、反射素子と、を含み、第一電極、P型シリコン層、N型シリコン層及び第二電極が一つの直線上に設置されて全体構造を有する前記電池ユニットを形成し、該電池ユニットは、前記直線に平行し、互いに対向する第一表面及び第二表面を含み、各々の電池ユニットの第一表面は合わさって、太陽電池の太陽光を直接的に吸収する光入射面になり、前記反射素子は、各々の電池ユニットの前記第二表面に設置される。
【0010】
本発明の太陽電池の製造方法は、複数の電池預形成体ユニットを提供し、各々の電池預形成体ユニットが、順に配列し且つ互いに接触して設置された第一電極基材と、P型シリコン層基材と、N型シリコン層基材と、第二電極基材と、を含む第一ステップと、複数の電池預形成体ユニットを第一方向に沿って順に配列し且つ互いに接着させる第二ステップと、前記第一方向と平行に、複数の電池預形成体ユニットをいくつかに切断し、複数の電池預形成体を形成する第三ステップと、各々の電池預形成体の一つの切断面に反射素子を形成する第四ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
従来の技術と比べて、本発明の太陽電池のpn接合が光入射面によって直接的に露出されるので、光子が何れの素子にも透過されないで、直接的にpn接合に達することができる。従って、前記pn接合が光子に対する吸収率を高め、太陽電池の光電変換効率を高めることができる。また、反射層が、電池ユニットの第二表面に達する光子を有効的に反射することができ、反射された光子がpn接合に吸収される。従って、太陽電池の光電変換効率を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のシリコン太陽電池の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図3】図2に示す太陽電池の分解構造を示す立体図である。
【図4】本発明の実施例2の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例3の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図6】本発明の実施例4の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図7】本発明の実施例5の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図8】本発明の実施例6の太陽電池の構造を示す平面図である。
【図9】図4に示す太陽電池の製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0014】
(実施例1)
図2及び図3を参照すると、本実施例は太陽電池20を提供する。該太陽電池20は、順に配列し且つ互いに接触して設置された第一電極22と、P型シリコン層24と、N型シリコン層26と、第二電極28と、を含む。第一電極22とP型シリコン層24とN型シリコン層26と第二電極28とが一つの直線上に設置されて一つの電池ユニット25を形成する。電池ユニット25は、前記一つの直線に平行する第一表面251及び該第一表面251に対向する第二表面252を含む。第一表面251は、太陽電池20の太陽光を直接的に吸収する光入射面である。P型シリコン層24とN型シリコン層26は接触してpn接合を形成する。また、太陽電池20は、更に反射素子21を含み、該反射素子21は電池ユニット25の第二表面252に設置され且つ第一電極22と第二電極28とに電気的に絶縁されている。
【0015】
P型シリコン層24は層状構造体である。該P型シリコン層24は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなり且つ対向する第一側面242及び第二側面244を含む。P型シリコン層24の第一側面242には第一電極22が設置され、第二側面244にはN型シリコン層26が設置される。ここで、P型シリコン層24の第一側面242から第二側面244に向かう方向を第一方向と定義し、該第一方向の第一側面242と第二側面244との間の距離をP型シリコン層24の厚さとする。P型シリコン層24の厚さは200μm〜300μmである。P型シリコン層24は、更に第一側面242及び第二側面244にそれぞれ接続された一つの第三表面を含む。該第三表面と第一側面242又は第二側面244とが交差して形成された角は0度より大きく、180度より小さいが、好ましくは90度である。本実施例において、第三表面は、第一側面242及び第二側面244にそれぞれ直角に交差する。この際、P型シリコン層24の厚さは200μmである。
【0016】
N型シリコン層26も層状構造体である。該N型シリコン層26は、シリコン層に過量の例えば燐又はヒ素などを注入させて形成されたn型ドープシリコン層であり且つ対向する第一側面262及び第二側面264を含む。N型シリコン層26の第一側面262はP型シリコン層24の第二側面244に接触し且つ第二側面244を全て覆う。つまり、第二側面244にN型シリコン層26が設置される。また、N型シリコン層26の第二側面264には第二電極28が設置される。前記第一方向における第一側面262及び第二側面264の間の距離をN型シリコン層26の厚さとし、該厚さは10nm〜1μmである。また、N型シリコン層26は、更に第一側面262及び第二側面264にそれぞれ接続された一つの第四表面を含む。該第四表面と第一側面262又は第二側面264とが交差して形成された角は0度より大きく、180度より小さいが、好ましくは90度である。本実施例において、第四表面は、第一側面262及び第二側面264にそれぞれ直角に交差する。この際、P型シリコン層24の厚さは50nmである。
【0017】
P型シリコン層24の第二側面244及びN型シリコン層26の第一側面262が接触する付近にはpn接合が形成される。また、P型シリコン層24の第三表面及びN型シリコン層26の第四表面は同じ水平面に位置して互いに接触する。P型シリコン層24の第三表面及びN型シリコン層26の第四表面は、共同で、太陽光を直接的に吸収する光入射面を形成する。即ち、P型シリコン層24の第三表面及びN型シリコン層26の第四表面は、共に電池ユニット25の第一表面251の一部であり、第一表面251の太陽光を直接的に吸収する有効部である。これにより、P型シリコン層24及びN型シリコン層26が接触する付近にpn接合が形成され、該pn接合が光入射面によって直接的に露出されるので、光子は何れの素子にも透過されないで、直接的にpn接合に達することができる。太陽光を直接的に受けとる光入射面が第二側面264と交差して形成された角は0度より大きく、180度より小さいが、好ましくは90度である。
【0018】
pn接合において、N型シリコン層26に生じた過量の電子は、P型シリコン層24及びN型シリコン層26の接触面に隣接して分布し、N型シリコン層26からP型シリコン層24への内電場を形成する。太陽光は、太陽電池20の光入射面によって直接的にpn接合に到達した後、pn接合に太陽光があたると、それが刺激となって、複数の電子と正孔が発生する。複数の電子と正孔は、内電場の作用下で分離して、電子は第二電極28へ移動し、正孔は第一電極22へ移動して、それぞれ第二電極28及び第一電極22に収集されて電流を形成する。これにより、太陽電池20の中の太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0019】
第一電極22はP型シリコン層24の第一側面242に設置される。本発明において、該第一電極22は、太陽電池20の光入射面で入射した光子が、pn接合に達する途中に位置しないので、P型シリコン層24における第一側面242の全ての面を覆って設置することができる。或いは、ネットワーク状又はグリッド状によって第一側面242の一部の面を覆って設置することもできる。第一電極22は、金属材料、導電ポリマー、ITO又はカーボンナノチューブからなる。金属材料は、アルミニウム、マグネシウム、銀などのいずれか一種又は数種からなる。第一電極22の厚さは50nm〜300μmである。本実施例において、第一電極22はアルミニウムからなる第一側面242の全ての面を覆う薄膜であり、その厚さは200nmである。
【0020】
第二電極28は、N型シリコン層26の第二側面264に設置される。本発明において、該第二電極28は、太陽電池20の光入射面で入射された光子が、pn接合に達する途中に位置しないので、N型シリコン層26における第二側面264の全ての面を覆って設置することができる。或いは、ネットワーク状又はグリッド状によって第二側面264の一部の面を覆って設置することもできる。また、第二電極28は、金属材料、導電ポリマー、ITO又はカーボンナノチューブからなる。金属材料は、アルミニウム、マグネシウム、銀などのいずれか一種又は数種からなる。第二電極28の厚さは50nm〜300μmである。本実施例において、第二電極28はアルミニウムからなる第二側面264の全ての面を覆う薄膜であり、その厚さは200nmである。
【0021】
太陽電池20の内部に入射された光が、第一電極22及び第二電極28を透過することで、太陽電池20の光電変換効率が低下することを防ぐために、第一電極22及び第二電極28は全て光が透過できない材料からなることが好ましい。
【0022】
第一電極22及び第二電極28は、それぞれP型シリコン層24の第一側面242及びN型シリコン層26の第二側面264の面を全て覆って設置すると、pn接合によって発生した電子と正孔の、第一電極22又は第二電極28への移動距離を減少させ、電子と正孔の電池の内部でのエネルギーロスを減少させることができる。これにより、太陽電池20の光電変換効率を更に高めることができる。
【0023】
反射素子21は反射層である。図2及び図3に示すように、前記反射層は電池ユニット25の第二表面252に接触して設置されるが、第一電極22と第二電極28とには接触せず電気的に絶縁される。また、反射層は金属材料からなる層状構造体であり、その材料は、アルミニウム、銀、金、銅などのいずれか一種又は数種からなる合金である。反射層の厚さは10nm〜100μmである。本実施例において、反射層はアルミニウムからなり、その厚さは50nmである。
【0024】
反射層は、真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって、電池ユニット25の第二表面252に形成されるが、この際、第一電極22及び第二電極28には形成されない。また、マスク方法又はエッチング方法によって第一電極22及び第二電極28を、反射層によって被覆せずに露出させても良い。
【0025】
反射層は、電池ユニット25の第二表面252に達する光子を有効的に反射することができ、反射された光子はpn接合に吸収される。これにより、太陽電池20の光電変換効率を高めることができる。
【0026】
更に、太陽電池20における太陽光を直接的に吸収する光入射面での反射を減少させるために、太陽電池20は更に減反射層29を光入射面に設置することができる。該減反射層29は、太陽光を太陽電池20内部に入射させ、同時に光子の反射を減少させて光子に対する吸収を減少させる。減反射層29は、窒化ケイ素(Si)又は二酸化ケイ素(SiO)からなり、その厚さは0(0点を含まず)〜150nmである。本実施例において、減反射層29は窒化ケイ素からなり、その厚さは900Åである。
【0027】
電池ユニット25の第一表面251から第二表面252に向かう方向を第二方向と定義し、該第二方向における第一表面251及び第二表面252の間の距離を太陽電池20の厚さとする。太陽電池20の厚さは特に制限されず、その厚さは光入射面によって入射された光のP型シリコン層24及びN型シリコン層26の透過率によって設定される。好ましくは、太陽電池20の厚さは、第二方向に太陽電池20での光透過率が0である場合の厚さである。この場合、太陽電池20は、これに入射された光を有効的に利用することができる。本実施例において、太陽電池20の厚さは、50μm〜300μmである。
【0028】
(実施例2)
図4を参照すると、本実施例は太陽電池200を提供する。該太陽電池200は、順に配列し且つ互いに接触して設置された複数の実施例1の太陽電池20からなる。また、該複数の実施例1の太陽電池20は互いに直列される。具体的には、太陽電池200において、各々の太陽電池20の第二電極28は、該第二電極28に隣接する太陽電池20の第一電極22に導電接着剤によって接着されるか、又は化学結合によって結合される。第一電極22及び第二電極28は同じ又は異なる材料からなる。第一電極22及び第二電極28が同じ材料からなる場合、第一電極22及び第二電極28は化学結合によって結合されて一体になる。又、他の実施例として、プレス機を利用して太陽電池200における複数の実施例1の太陽電池20を互いに結合させても良い。太陽電池200における太陽電池20の数量に対しては特に制限されない。本実施例において、太陽電池200における太陽電池20の数量は100個である。
【0029】
太陽電池200の光入射面で、電極の占用面積を低減させるために、第一方向に隣接された二つの太陽電池20の連接された第一電極22及び第二電極28の全体の厚さは100nm〜400nmであることが好ましい。本実施例において、第一電極22及び第二電極28の全体の厚さは300nmである。本実施例の太陽電池200は、減反射層29が各々の太陽電池20の光入射面を全て被覆している。また、太陽電池200の作動電圧は、一つの太陽電池20の作動電圧の整数倍である。
【0030】
(実施例3)
図5を参照すると、本実施例は太陽電池30を提供する。太陽電池30は、順に配列し且つ互いに接触して設置された第一電極32と、P型シリコン層34と、N型シリコン層36と、第二電極38と、を含む。第一電極32とP型シリコン層34とN型シリコン層36と第二電極38とが一つの直線上に設置されて一つの電池ユニット(図示せず)を形成する。該電池ユニットは、前記一つの直線に平行する第一表面351及び該第一表面351に対向する第二表面352を含む。第一表面351は、太陽電池30の太陽光を直接的に吸収する光入射面である。また、太陽電池30は、更に反射素子31及び減反射層39を含む。
【0031】
太陽電池30は、実施例1の太陽電池20と比べて次の異なる点がある。反射素子31は、反射層311及び透明絶縁層313を含み、該透明絶縁層313は、電池ユニットの第二表面352を全て被覆して設置される。反射層311は、透明絶縁層313を全て被覆して積層される。反射層311は、透明絶縁層313を通じて、第一電極32及び第二電極38に電気的に絶縁される。
【0032】
透明絶縁層313は、ダイヤモンド類、シリコン、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素などの化学安定性に優れた材料の一種又は数種からなる。透明絶縁層313の厚さは10nm〜50nmである。透明絶縁層313は、物理気相成長法(PVD)又は化学気相蒸着法(CVD)によって直接的に成長するか、又は堆積されて形成される。透明絶縁層313が形成された後、その上に、真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって反射層311を形成する。また、反射層311は、板状ガラス又はセラミック基板の上に、反射材料を真空蒸着するか、又はマグネトロンスパッタリングして形成されたものであっても良い。
【0033】
(実施例4)
図6を参照すると、本実施例は太陽電池300を提供する。太陽電池300は、順に配列し且つ互いに接触して設置された複数の実施例3の太陽電池30からなる。太陽電池300において、複数の実施例3の太陽電池30は互いに直列する。太陽電池300は、実施例2の太陽電池200と比べて次の異なる点がある。反射層311は、電池ユニット35の第二表面352に間隔をおいて設置される。反射層311は全体構造を有し、各々の太陽電池30に共用されている。反射素子31は、更に透明絶縁層313を含む。透明絶縁層313は、各々の電池ユニット35の第二表面352を全て被覆する。反射層311は、該透明絶縁層313を全て被覆して積層される。他の実施例として、第二表面352と反射層311の間に透明絶縁層313を設置せず、反射層311が第二表面352に間隔をおいて設置される。この場合、反射層311と第二表面352の間の距離は、1mm〜5cmである。
【0034】
(実施例5)
図7を参照すると、本実施例は太陽電池40を提供する。太陽電池40は、順に配列し且つ互いに接触して設置された第一電極42と、P型シリコン層44と、N型シリコン層46と、第二電極48と、を含む。第一電極42とP型シリコン層44とN型シリコン層46と第二電極48とは一つの直線上に設置されて一つの電池ユニット45(図示せず)を形成する。電池ユニット45は、前記一つの直線に平行する第一表面451及び該第一表面451に対向する第二表面452を含む。第一表面451は、太陽電池40の太陽光を直接的に受けとる光入射面である。また、太陽電池40は、更に反射素子41を含む。
【0035】
太陽電池40は、実施例1の太陽電池20と比べて次の異なる点がある。反射素子41は、電池ユニット45の第二表面452に形成された複数の微構造からなる。該微構造は、第二表面452に設置された凹槽又は凸起である。微構造の形状は、錐体、直方体、立方体、楕円体、円球体及び半球体のいずれか一種又は数種である。微構造は、第二表面452に均一に分布する。また、反射素子41は、更に反射材料を含んで微構造の表面に設置されることができる。反射材料は、アルミニウム、金、銅及び銀の一種又はそれらの合金である。反射素子41は光子に対して全反射することができる。
【0036】
(実施例6)
図8を参照すると、本実施例は太陽電池400を提供する。太陽電池400は、順に配列し且つ互いに接触して設置された複数の実施例5の太陽電池40からなる。太陽電池400において、複数の実施例5の太陽電池40は互いに直列される。
【0037】
太陽電池400は、実施例2の太陽電池200と比べて次の異なる点がある。反射素子41は、電池ユニット45の第二表面452に形成された複数の微構造からなる。該微構造は、第二表面452に設置された凹槽又は凸起である。微構造の形状は、錐体、直方体、立方体、楕円体、円球体及び半球体のいずれか一種又は数種である。微構造は、第二表面452に均一に分布される。また、反射素子41は、更に反射材料を含んで微構造の表面に設置されることができる。反射材料は、アルミニウム、金、銅及び銀の一種又はそれらの合金である。反射素子41は光子に対して全反射することができる。
【0038】
図9は、本発明の太陽電池200、300、400などの製造方法を示す。該製造方法は、各々の電池預形成体ユニット210が順に配し且つ互いに接触して設置された第一電極基材220と、P型シリコン層基材240と、N型シリコン層基材260と、第二電極基材280と、を含む複数の電池預形成体ユニット210を提供するステップ(S10)と、複数の電池預形成体ユニット210を第一方向に沿って順に配列し且つ互いに接着させるステップ(S11)と、第一方向に平行な方向に沿って、複数の電池預形成体ユニット210をいくつかに切断して、複数の電池預形成体100を形成するステップ(S12)と、各々の電池預形成体100の一つの切断面に反射素子を形成するステップ(S13)と、を含む。
【0039】
ステップ(S10)において、P型シリコン層基材240は、互いに対向する第一側面241及び第二側面243を含む。N型シリコン層基材260は、互いに対向する第一側面261及び第二側面263を含む。P型シリコン層基材240の第一側面241には第一電極基材220が設置され、P型シリコン層基材240の第二側面243には、N型シリコン層基材260の第一側面261と接触してpn接合が形成される。また、N型シリコン層基材260の第二側面263には第二電極基材280が設置され、第一電極基材220及び第二電極基材280は、それぞれP型シリコン層基材240及びN型シリコン層基材260に導電接着剤によって接着されるか、又は直接的に真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって形成される。
【0040】
ステップ(S11)において、複数の電池預形成体ユニット210は、互いに導電接着剤によって接着される。第一電極基材220及び第二電極基材280が同じ材料からなる場合、第一電極基材220及び第二電極基材280は化学結合で結合されて一体になる。また、他の実施例として、プレス機を利用して、複数の電池預形成体ユニット210を互いに結合しても良い。プレス機の圧力に対しては特に制限されず、隣接された第一電極基材220及び第二電極基材280の間が化学結合で結合されれば良い。
【0041】
ステップ(S12)において、複数の電池預形成体ユニット210を切断する方法及び切断方向に対する制限はない。第一側面241、第二側面243、第一側面261及び第二側面263に対して交差する方向に切断して、これらを通過して切断すれば良い。このようにいくつかに切断することによって、複数の電池預形成体100が形成される。また、各々の電池預形成体100は、第一方向に平行し且つ互いに対向する第一切断面230及び第二切断面270を含む。切断方向は、第一電極基材220及び第二電極基材280に垂直であることが好ましい。
【0042】
ステップ(S13)において、各々の電池預形成体100の第一切断面230に反射素子を形成する。一つの例として、該反射素子は反射層であり、各々の電池預形成体100の第一切断面230に形成されるが、全ての第一電極基材220及び第二電極基材280には接触されず電気的に絶縁される。反射層は、真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって第一切断面230に形成された後、第一電極基材220及び第二電極基材280は、マスク方法又はエッチング方法によって、反射層に被覆されずに露出する。もう一つの例として、反射素子は反射層及び透明絶縁層を含み、該透明絶縁層は、第一切断面230を全て被覆して形成される。反射層は、真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって透明絶縁層の全ての表面に形成される。また一つの例として、反射素子は、第一切断面230に形成された複数の微構造であり、該反射素子は、更に反射材料を含んで、微構造の表面に設置されることができる。
【0043】
更に、ステップ(S13)の後、各々の電池預形成体100の第二切断面270に減反射層を形成する。該減反射層は、真空蒸着方法又はマグネトロンスパッタリング方法によって第二切断面270の全ての表面に形成される。減反射層は、窒化ケイ素(Si)又は二酸化ケイ素(SiO)からなり、減反射層の厚さは0(0点を含まず)〜150nmであるが900Åであることが好ましい。
【符号の説明】
【0044】
20、30、40、200、300、400 太陽電池
21、31、41 反射素子
311 反射層
313 透明絶縁層
22、32、42 第一電極
14、24、34、44 P型シリコン層
241、242、342、442、261、262、362、462 第一側面
243、244、344、444、263、264、364、464 第二側面
16、26、36、46 N型シリコン層
142、251、351、451 第一表面
144、252、352、452 第二表面
28、38、48 第二電極
29、39、49 減反射層
25 電池ユニット
210 電池預形成体ユニット
220 第一電極基材
230 第一切断面
240 P型シリコン層基材
260 N型シリコン層基材
270 第二切断面
280 第二電極基材
100 電池預形成体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に配列し且つ互いに接触する第一電極と、P型シリコン層と、N型シリコン層と、第二電極と、反射素子と、を含む太陽電池であって、
前記第一電極と、前記P型シリコン層と、前記N型シリコン層と、前記第二電極と、を一つの直線に設置して全体構造を有する一つの電池ユニットを形成し、
該電池ユニットは、前記一つの直線に平行し、互いに対向する第一表面及び第二表面を含み、前記第一表面は、太陽光を直接的に吸収する吸収する光入射面であり、前記反射素子は、前記第二表面に設置されることを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
互いに直列される複数の電池ユニットを含む太陽電池であって、
各々の電池ユニットは、順に配列し且つ互いに接触される第一電極と、P型シリコン層と、N型シリコン層と、第二電極と、反射素子と、を含み、前記第一電極とP型シリコン層とN型シリコン層と第二電極とを一つの直線上設置して全体構造を有する前記電池ユニットを形成し、
該電池ユニットは、前記一つの直線に平行し、互いに対向する第一表面及び第二表面を含み、各々の電池ユニットの前記第一表面は合わさって、太陽電池の太陽光を直接的に吸収する光入射面になり、前記反射素子は、各々の電池ユニットの前記第二表面に設置されることを特徴とする太陽電池。
【請求項3】
複数の電池預形成体ユニットを提供し、各々の電池預形成体ユニットは、順に配列し且つ接触されて設置された第一電極基材と、P型シリコン層基材と、N型シリコン層基材と、第二電極基材と、を含む第一ステップと、
前記複数の電池預形成体ユニットを第一方向に沿って順に配列し且つ互いに接着させる第二ステップと、
前記第一方向に平行な方向に沿って、前記複数の電池預形成体ユニットをいくつかに切断し、複数の電池預形成体を形成する第三ステップと、
各々の電池預形成体の一つの切断面に反射素子を形成する第四ステップと、
を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−115434(P2013−115434A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256197(P2012−256197)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】