説明

太陽電池用基材

【課題】高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつ光閉じ込め効果を得ることができる表面を備え、フレキシブルな薄膜太陽電池の基材として用いたときに、優れた光電変換効率を示す太陽電池を製造するのに有用な太陽電池用基材を提供する。
【解決手段】熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる太陽電池用基材であって、該塗布層は不活性粒子と紫外線硬化性樹脂とを含有する組成物の硬化物からなり、該塗布層を構成する硬化物のガラス転移点が180℃以上かつ塗布層全体積に対する不活性粒子の体積分率が5%以上20%以下であり、該塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下である太陽電池用基材によって得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池用基材に関し、さらに詳しくはフレキシブルタイプの薄膜太陽電池の基材として好適に用いられる太陽電池用基材に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池には、基材としてガラスを用いるリジットタイプと、プラスチックフィルムを用いるフレキシブルタイプがある。近年、携帯電話や携帯端末のような移動体通信機器の補助電源として、フレキシブルタイプの太陽電池が多く用いられるようになってきた。
リジットタイプは、フレキシブルタイプに比べて、太陽電池セルでのエネルギーの変換効率は高いものの、太陽電池モジュールの薄型化や軽量化には限界があり、また衝撃を受けたときに基材のガラスが割れて、太陽電池モジュールが破損する可能性がある。
【0003】
薄型化や軽量化を期待することができ、衝撃に対しても強いため、太陽電池モジュールとしてフレキシブルタイプが有利であり、以前から注目されていた。例えば、特許文献1では、高分子フィルムの基材上にアモルファスシリコン層を電極層で挟んだ構造の薄膜太陽電池が開示されている。この他にも、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4に可撓性基板を用いた太陽電池モジュールが開示されている。
【0004】
他方、アモルファスシリコンなどの薄膜太陽電池では、その光電変換効率を向上させるには光吸収層の膜厚内での光吸収量を増大させることが重要であり、基材の表面に凹凸のある導電層を形成し、光を拡散させることによって光吸収層中での光の光路長を増加させる検討(以下、光閉じ込め効果と称することがある)が、従来より行われてきた。
【0005】
基材の表面に凹凸のある金属層や金属酸化物層を形成するためには、一般的に350℃以上の高温に基材を晒す必要である。しかし、プラスチックフィルムを基材として用いる場合には、この温度に耐えることができず、この方法を適用することができない。
そこで、樹脂溶液に充填剤を添加して支持体上に流延し、その表面に凹凸をつけ、その上に導電層を形成する方法(特許文献5)が提案されている。その一例として、基板形成用の高分子材料に無機充填剤を添加して凹凸構造を基板表面に形成する方法が挙げられている。この方法による場合、効果的に凹凸を形成するために充填剤濃度を高くする必要があるが、充填剤濃度を高めると基材が脆くなり実用に耐え得ない基材となってしまう。
【0006】
また、支持基板上に樹脂溶液を塗工して皮膜形成し、さらにその上に粒子を含む樹脂溶液を塗工皮膜形成する方法(特許文献6)、基材フィルムの表面に紫外線硬化型の樹脂を塗工し、その上に、紫外線硬化型の樹脂を金型に押し付けて硬化することにより形成した凹凸構造を有する樹脂フィルムを接着し、その上に導電層を形成する技術(特許文献7)が提案されている。しかし、これらの方法は煩雑な工程で製造されるものである。
なお、脱ガスを利用した凹凸形成技術は、特許文献8に記載されているが、樹脂中の残留溶媒および脱ガス量を正確に制御することは困難であり、凹凸形状のコントロールは非常に難しい。
【0007】
また、太陽電池の製造プロセスは150℃以上であり、連続プロセスの場合には基材には張力がかかるなど多くのストレスがかかる。
このように、高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつフレキシブルタイプの薄膜太陽電池の基材として用いた場合に光吸収層中での光路長を増加させる光閉じ込め効果を奏する凹凸形状を基板表面に簡便な方法でかつ精度高く形成することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平1−198081号公報
【特許文献2】特開平2−260577号公報
【特許文献3】特公平6−5782号公報
【特許文献4】特開平6−350117号公報
【特許文献5】特開平1−119074号公報
【特許文献6】特開平4−196364号公報
【特許文献7】特開平11−274533号公報
【特許文献8】特開平4−61285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、かかる技術の課題を解決し、高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつ光閉じ込め効果を得ることができる表面を備え、フレキシブルな薄膜太陽電池の基材として用いたときに、優れた光電変換効率を示す太陽電池を製造するのに有用な太陽電池用基材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点の高い紫外線硬化性樹脂と不活性粒子とを含有する組成物を塗布し、硬化して得られた層を設けることにより、簡便な方法で精度の高い凹凸形状を基板表面に形成し、同時に高温での太陽電池の製造プロセスのストレスにも耐えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる太陽電池用基材であって、該塗布層は不活性粒子と紫外線硬化性樹脂とを含有する組成物の硬化物からなり、該塗布層を構成する硬化物のガラス転移点が180℃以上かつ塗布層全体積に対する不活性粒子の体積分率が5%以上20%以下であり、該塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下である太陽電池用基材である。
また本発明は太陽電池用基材の好ましい態様として、上述の太陽電池用基材であることに加え、不活性粒子の平均粒径が0.1μm以上1μm以下であることを包含するものである。
【0012】
本発明はまた、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる太陽電池用基材の製造方法であって、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムの少なくとも一方の面にガラス転移点が170℃以上である紫外線硬化性樹脂、および0.1μm以上1μm以下の平均粒径の不活性粒子を5%以上20%以下の体積分率で含有する組成物を塗布し、その後紫外線照射による硬化工程を含んでおり、該塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下、かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下である太陽電池用基材の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡便な方法で、高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつ光閉じ込め効果を得ることができる表面を備えるフレキシブルタイプの太陽電池用基材を提供することができ、特に薄膜太陽電池の基材として用いたときに、優れた光電変換効率を示す太陽電池を製造するのに有用なフレキシブルな太陽電池用基材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】フィルム表面の基準長さLにおける隣り合う局部山頂と、これに対応する平均線の長さSを示す図である。図1中、Sは1番目の局部山頂間の平均線長さを表わし、Sはi番目の局部山頂間の平均線長さ、Sは最後のn番目の局部山頂間の平均線長さをそれぞれ表わしている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
[熱可塑性結晶性樹脂]
本発明の太陽電池用基材における熱可塑性結晶性樹脂は、溶融押出可能な熱可塑性結晶性樹脂であり、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いることができる。なかでも、二軸延伸でき、高い機械的強度を有しており、さらに耐熱性を備えるポリエチレンナフタレートが好ましく、その中でもポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
【0016】
[基材フィルム]
本発明における基材フィルムは、熱可塑性結晶性樹脂を溶融押出にて未延伸シートとし、これを一軸方向または二軸方向に延伸して得たフィルムである。フィルムを溶融押出および延伸によって製造せず、例えば溶液法にて製造すると、太陽電池に加工するためフィルムに導電層を設ける工程で残留溶媒由来の脱ガスが発生し、導電層を設ける工程の前にフィルムに形成した凹凸構造が乱され、フィルムの凹凸構造が太陽電池の導電層に正確に反映されない。機械的強度を維持する観点から、延伸フィルムは二軸延伸フィルムであることが好ましい。
【0017】
[塗布層]
本発明の太陽電池用基材は、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる。この塗布層は、不活性粒子と紫外線硬化性樹脂とを含有する組成物の硬化物からなり、該塗布層を構成する硬化物のガラス転移点は180℃以上である。塗布層がこれらの組成物で構成されることにより、簡便な方法でフィルムの凹凸構造を得ることができ、かつ塗布層がガラス転移点180℃以上の硬化物で構成されるため、太陽電池の作製プロセスにおける塗布層の熱膨張が小さく、その上に形成する半導体層への歪みが小さくなり、高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができる。
塗布層の厚みは、塗布層に含まれる不活性粒子の平均粒径の70%以上であることが好ましい。70%未満であると塗布層から不活性粒子が脱落し基材表面との密着性が低下してしまうことがある。
本発明における塗布層は、基材フィルムの片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
【0018】
[紫外線硬化性樹脂]
本発明における紫外線硬化性樹脂は、ガラス転移点が170℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。紫外線硬化性樹脂のガラス転移点の上限は、太陽電池の作製プロセスの温度と紫外線硬化性樹脂の入手しやすさから、例えば300℃である。かかるガラス転移点の紫外線硬化性樹脂を用いることにより、硬化後の硬化物のガラス転移点が180℃以上、好ましくは200℃以上となる。硬化物のガラス転移点が下限値に満たないと、太陽電池の作製プロセスに耐えることができず、塗布層の熱膨張が大きくなり、その上に形成した半導体層に歪みを与えてしまうため、太陽電池としての機能が低下する。
塗布層に用いる紫外線硬化性樹脂には公知のものを使用することができる。例えば、多官能性モノマー、単官能性モノマー、重合性オリゴマー、光重合開始剤および添加剤から構成される紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
【0019】
多官能性モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を使用することができる。単官能性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等を使用することができる。
【0020】
重合性オリゴマーとしては、例えば、エチレン性二重結合(好ましくはアクリロイル基またはメタクリロイル基)を複数有するウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマーまたはエポキシオリゴマー等のオリゴマーを使用することができる。
【0021】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン;アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン系化合物、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビスアシルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)等を挙げることができる。これらのうち、特にベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
【0022】
上記の多官能性モノマー、単官能性モノマー、重合性オリゴマーは単独で用いてもよいし、又は2種以上組み合わせて使用することもできる。またこれら成分と光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。また重合性オリゴマー、多官能性モノマー、単官能性モノマーおよび光重合開始剤は、それぞれ1種用いても良く、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
[不活性粒子]
本発明における不活性粒子は、光閉じ込め効果を得るために適切な凹凸をフィルムの表面に形成するために、塗布層に配合して用いられる。不活性粒子の平均粒径は、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜3μm、0.1〜1μm、特に好ましくは0.5〜1μmである。不活性粒子の平均粒径をこの範囲とすることで、均一な導電層を形成することができる粗大突起のない表面を備えながらも、十分に光を散乱させる表面形状を形成することができる。
【0024】
塗布層における不活性粒子の含有量は、塗布層全体積(100体積%)に対して5体積%以上20体積%以下、好ましくは7〜17体積%、特に好ましくは13〜15体積%である。この範囲で不活性粒子を含有することにより、実用的な機械的強度を維持しながら、十分に光を散乱させることのできる表面形状を形成することができる。
なお、不活性粒子の含有率(体積%)は、塗液における不活性粒子と紫外線硬化性樹脂の重量比から算出した不活性粒子の含有率(重量%)、不活性粒子の密度および紫外線硬化性樹脂の硬化物の密度を用いて算出する。
【0025】
このように、不活性粒子を上述の含有量の範囲で紫外線硬化性樹脂と共に塗布層を構成する成分として用いることにより、紫外線硬化性樹脂に型押しするなどの煩雑な工程を施すことなく簡便な方法で、太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつ光閉じ込め効果を奏する表面凹凸形状を有する太陽電池用基材を製造することができる。
不活性粒子としては、例えば、球状シリカ、多孔質シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼオライトといった無機粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子といった架橋高分子粒子もしくは有機塩粒子を用いることができる。なお、不活性粒子は、単一の種類のものを用いてもよく、複数の種類のものを組み合わせて用いてもよい。平均粒径の異なる粒子を組み合わせてもよい。
【0026】
[易接着層]
本発明における基材フィルムと塗布層の間には、易接着層が設けられていることが好ましい。易接着層の厚みは、好ましくは1〜200nm、さらに好ましくは10〜150nmである。この範囲の厚みの易接着層を設けることで、基材フィルムと塗布層の良好な密着性を得ることができる。
易接着層の構成材として、具体的にはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂を例示できる。これらの樹脂は単独、または2種以上の混合物として用いることができる。
【0027】
[添加剤]
基材フィルムおよび/または塗布層には、例えば、酸化防止剤、熱安定化剤、易滑剤(例えばワックス)、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤を添加してもよい。
なかでも、フィルムの耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、少量で効果のある吸光係数の大きい化合物が好ましく、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0028】
本発明の太陽電池用基材を構成するフィルムは多層のフィルムであってもよい。多層のフィルムに紫外線吸収剤を含有させる場合には、フィルムの光入射側の最も表層に配合すると、効果的に耐候性を向上させることができる。
【0029】
[中心面平均表面粗さRa]
本発明の太陽電池用基材は、塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下であり、かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下であることが肝要である。
塗布層表面の中心面平均表面粗さRaは、好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは5〜20nmである。Raが下限値に満たない表面を得ることは困難であり、また十分な光閉じ込め効果が得られない。他方、Raが上限値を超えると表面の突起が大きすぎるため、その上に均一な導電層を形成するのが困難になる。
【0030】
[局部山頂の平均間隔S]
本発明において、塗布層表面の局部山頂間の平均間隔Sは100nm以上2500nm以下、好ましくは300〜2000nm、さらに好ましくは500〜1000nmである。局部山頂間の平均間隔Sが下限値に満たないと凸凹が急峻となり、該フィルム上に各層を積層する場合に凹凸に十分にそった積層構造を形成することができず、結果短絡等の問題が発生する。他方、局部山頂間の平均間隔Sが上限値を超えると凹凸の頻度が少なすぎて十分に光を散乱せず、目的とする光閉じ込め効果を発揮しない。
【0031】
この局部山頂間の平均間隔Sは、表面の粗さ曲面からその平均面方向に基準長さLだけ切り取り、この基準長さLにおいて隣り合う局部山頂間のそれぞれについて対応する平均線の長さSを求め、平均線の長さSの平均値S(単位nm)を下式(1)から算出することで求める。
【数1】

【0032】
本発明の太陽電池の基材は、熱可塑性結晶性樹脂を溶融押出し、未延伸シートを製膜した後、延伸、好ましくは二軸延伸を行い配向したフィルム上に紫外線硬化性樹脂と不活性粒子とを含有する組成物からなる層を塗工し、硬化させて得ることができ、上記の塗布層の表面粗さは、塗布層における不活性粒子の含有量を前述の範囲とすることによって達成することができる。また、かかる範囲内において、平均粒径が小さいほど不活性粒子を多く含有せしめ、平均粒径が大きいほどその含有量を少なくしても上記の表面粗さを達成することができる。
【0033】
[その他物性]
本発明の太陽電池用基材は、全光線透過率が80%以上あると、スーパーストレート型の太陽電池の基材として、表面電極側基材としても用いることができるので好ましい。なお、全光線透過率が80%未満であっても太陽電池用基材としては用いることができ、特に裏面電極側基材として用いることができる。
本発明の太陽電池用基材は、太陽電池への加工工程における加熱工程で寸法変化を抑制する観点から、200℃で10分間処理したときの熱収縮率が、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.6%以下である。
本発明の太陽電池用基材の厚みは、太陽電池の支持基材としてのスティフネスを維持し、太陽電池モジュールの可撓性を確保する観点から、好ましくは25〜250μm、さらに好ましくは50〜200μm、特に好ましくは60〜125μmである。
【0034】
[製造方法]
本発明に用いる基材フィルムは、熱可塑性結晶性樹脂の組成物を溶融し、これらを溶融押出して未延伸シートとし、これを延伸することによって製造することができる。実用的な機械的強度が得るために二軸延伸することが好ましい。
ここでは基材フィルムの製造方法について、溶融押出後、逐次二軸延伸によりフィルムを製造する方法を例に詳述する。必要に応じて所定量の粒子を含有させた樹脂組成物を、必要に応じ通常の加熱または減圧雰囲気下における乾燥により水分を除去した後、通常の溶融押出温度、例えば融点(以下Tmと表わす)以上、(Tm+50℃)以下の温度で溶融し、ダイのスリットから押出して、樹脂のガラス転移温度(以下Tgと表わす)以下に冷却した回転冷却ドラムの上で急冷固化することにより、非晶質の未延伸シートを得る。得られた未延伸シートは、好ましくはTg以上、(Tg+50℃)以下の温度で、縦方向に2.5〜4.5倍の延伸倍率で延伸し、次いで横方向にTg以上、(Tg+50℃)以下の温度で、2.5〜4.5倍の延伸倍率で延伸する。
なお、縦延伸と横延伸を同時に行う同時二軸延伸も、縦横の機械特性のバランスがとりやすいため、好ましい延伸方法である。
【0035】
縦横に延伸し薄膜化した二軸延伸フィルムは、好ましくはさらに樹脂の結晶化温度(以下Tcと表わす)以上、(Tm−20℃)以下の温度で熱固定を行う。その後、熱収縮率を低下させる目的で、縦方向および/または横方向に、弛緩率0.5〜15%の範囲で熱弛緩処理を行うことが好ましい。熱弛緩処理は、フィルム製造時に行う方法の他に、巻き取った後に別の工程で熱処理を行ってもよい。巻き取った後の熱処理方法は特に限定されないが、特開平1−275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法を例えば用いることができる。
基材フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合、例えば帝人デュポンフィルム製のQ68FAを用いることができる。
基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂、不活性粒子および有機溶媒、さらに必要に応じて他の添加剤とから構成される溶液をバーコーターで塗布し、その後、熱処理により揮発成分である有機溶媒を揮発させ、紫外線照射法を行い、紫外線硬化性樹脂を硬化させることで、塗布層を形成することができる。
【0036】
本発明の塗布層の中心面平均表面粗さRaおよび局部山頂の平均間隔Sを得るためには、塗液および塗布の条件を以下のとおりすればよい。すなわち、塗液として、不活性粒子と紫外線硬化性樹脂との合計を100体積%として不活性粒子が5体積%以上20体積%以下、好ましくは7〜17体積%、さらに好ましくは13〜15体積%となるように配合し、さらに不活性粒子と紫外線硬化性樹脂との合計を100体積部として、有機溶剤が50〜1000体積部、好ましくは400〜600体積部からなる分散液を用意する。この分散液をバーコーターで基材フィルム上に塗布し、その後、コンベア式乾燥機により揮発成分である有機溶剤を熱乾燥により60〜80℃にて揮発させた後、紫外線照射装置で照射出力60〜100W、好ましくは80W、コンベア速度1〜10m/分、好ましくは5分のもとで紫外線照射法を行えばよい。
【0037】
塗液を構成する有機溶剤としては、紫外線硬化性樹脂と不活性粒子を均一に溶解または分散可能であれば、公知の溶剤の中から適宜に選択して使用することができる。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等の1価または2価のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレン等のエステル類を挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
【0038】
本発明の太陽電池用基材は、従来のガラス基板に代えて熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムを用いたフレキシブルタイプの太陽電池用基材であり、さらに好ましくは薄膜シリコン太陽電池などの薄膜太陽電池用基材として好適に使用される。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。塗布層の粒子含有率は体積を基準とした含有率である。
【0040】
(1)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃にて測定し求めた。
【0041】
(2)各層の厚み
フィルムサンプルを三角形に切出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
【0042】
(3)粒子の平均粒径
塗布層を構成する組成物について、島津制作所製CP−50型セントリフューグルパーティクルサイズアナライザー(Centrifugal Particle Size Annalyzer)を用いて測定し、得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50重量%に相当する粒径を読み取った(「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年 頁242〜247参照)。
【0043】
(4)中心面平均表面粗さ(Ra)
中心面平均表面粗さRaは、Zygo社製 非接触三次元表面構造解析顕微鏡(NewView5022)を用いて測定倍率100倍、測定面積70.3μm×52.8μm(=0.0037mm)の条件にて測定し、該顕微鏡に内蔵された表面解析ソフトにより下記式(2)にて求めた。
【数2】

ただし、Zjkは測定方向(70.3μm)、それと直交する方向(52.8μm)をそれぞれM分割、N分割したときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元粗さチャート上の高さである。
【0044】
(5)局部山頂の平均間隔(S)
局部山頂間の平均間隔(S)は、Zygo社製 非接触三次元表面構造解析顕微鏡(NewView5022)を用いて測定倍率25倍、測定面積70.3μm×52.8μm(=0.0037mm)の条件にて測定し、フィルム表面の粗さ曲面からその平均面方向に基準長さL(70.3μm)だけ切り取り、この基準長さLにおいて隣り合う局部山頂間のそれぞれについて対応する平均線の長さSを求め、平均線の長さSの平均値S(単位nm)を下記式から算出して、これを局部山頂間の平均間隔Sとした。この計算は、該顕微鏡に内蔵された表面解析ソフトにより以下の式(1)を用いて計算した。
【数3】

局部山頂間の平均間隔(S)の算出における基準長さLと、平均線の長さSとの関係を図1に示す。
【0045】
(6)塗布層の接着性
フィルムサンプルの塗膜形成面に碁盤目のクロスカット(1mmのマス目を100個)を施し、その上にハンディ型金属ロールを使用して、24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製 CT405AP)を完全に貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察して下記の基準で評価した。剥離試験は室温評価したものと、200℃で6時間加熱後に室温下でセロハンテープを貼り180°の剥離角度で急激に剥がして評価したものの2条件で行った。
◎: 剥離面積<10% (極めて良好)
○:10%≦剥離面積<30% (良好)
×:30%≦剥離面積 (不良)
【0046】
(7)全光線反射率
島津製作所(株)製分光光度計UV−3101PCを用い、JIS−K7105測定法Bに従って全光線反射率を求めた。測定条件は、スキャン速度200nm/秒、スリット幅20nm、サンプリングピッチ2.0nmとし、標準白色板は硫酸バリウムを用いた。波長300nm〜800nmの反射率をその波長範囲内で平均して全光線反射率とした。
【0047】
(8)薄膜太陽電池の光電変換効率
フィルムの塗布層側の表面に、櫛形形状のマスクを用い、基板温度を常温とし、DCスパッタリング法によって2000ÅのAg薄膜を形成した。次にRFスパッタリング法によって、ITO層(透明導電層)を、基板温度140℃の条件で2000Åの厚みで形成する。その後、このフィルムをプラズマCVD装置に入れ、1.33×10−5Paになるまで装置内を減圧し、続いて基板温度を140℃とし、水素ガスおよび少量のBガスを含むモノシランガス(モル比、SiH:H:B=1:181:3×10−3)を用いて、透明導電層上に厚み0.2μmのp型シリコン膜層を形成した。続いて水素ガスおよびモノシランガス(モル比、SiH:H=1:39)を用いて、p型シリコン膜層の上に厚み2μmのi型シリコン膜層を形成した。さらに、水素ガスおよび少量のPHガスを含むモノシランガス(モル比、SiH:H:PH=1:143:8×10−3)を用いて、i型シリコン膜層上に厚み0.4μmのn型シリコン膜層を形成した。その後、DCスパッタリング法によって200℃で酸化亜鉛薄膜を500Åの厚みで形成し、基板を常温まで冷却してからAg薄膜(裏面電極層)を2000Åの厚みで形成し、薄膜太陽電池を得た。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電気社製)に太陽光シミュレーション用補正フィルター(オリエール社製AM1.5Global)を装着し、上記の薄膜太陽電池に対し、入射光強度が100mW/cmの模擬太陽光を、水平面に対して垂直になるよう照射した。システムは屋内、気温18℃、湿度50%の雰囲気に静置した。電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメジャーユニット238型)を用いて、システムに印加するDC電圧を10mV/秒の定速でスキャンし、素子の出力する光電流を計測することにより、光電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を算出した。
【0048】
(9)ガラス転移点
パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。測定方法は次の通りである。試料10mgをDSC装置にセットし、10℃/分で昇温して、ベースラインに不連続が現れる領域の中点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。なお、昇温はTgより50〜60℃高い温度まで行った。
【0049】
(10)不活性粒子の含有率
不活性粒子の含有率(体積%)は、塗液における不活性粒子と紫外線硬化性樹脂の重量比から算出した不活性粒子の含有率(重量%)、不活性粒子の密度および紫外線硬化性樹脂の硬化物の密度を用いて算出した。
【0050】
[実施例1]
ポリエチレン−2,6−ナフタレート(非晶密度1.33g/cm、固有粘度:0.65dl/g)を、170℃で6時間乾燥させた後に押出機に供給し、溶融温度305℃でスリット状ダイより押出して、表面温度を50℃に維持した回転冷却ドラム上で急冷固化させて未延伸フィルムを得た。次いで縦方向に140℃で3.1倍に延伸した後、横方向に145℃で3.3倍に延伸し、245℃で5秒間熱固定処理および幅方向に2%収縮させ、厚さ75μmの二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの200℃における熱収縮率は0.2%であった。
この二軸延伸フィルム上に、紫外線硬化性樹脂(JSR株式会社製オプスターZ7501)、真球シリカ(日揮触媒化成製TE―500SIV、平均粒径0.5μm、真密度2.2)、およびメチルエチルケトンから構成される溶液を表1に記載した不活性粒子の含有率になるように調整し、バーコーター(松尾産業株式会社製RDS―#03)で厚み1μmに塗布した。その後、コンベア式乾燥機(旭光学工業株式会社製)により揮発成分であるメチルエチルケトンを熱乾燥により70℃にて揮発させた後、紫外線照射装置(日本電池株式会社CS−30型)で照射出力80W、コンベア速度5m/分のもとで紫外線照射法を行い、塗布層の紫外線硬化性樹脂を硬化させ、太陽電池用基材を得た。評価結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2]
用いる不活性粒子の種類を富士酸化チタン社製酸化チタン(商品名「TAD―110ME」(平均粒径0.3μm、真密度4.0))に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
塗布層における不活性粒子の含有率を15体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0053】
[実施例4]
真球シリカの平均粒径を0.3μmに変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0054】
[比較例1]
塗布層における不活性粒子の含有率を80体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0055】
[比較例2]
塗布層における不活性粒子の含有率を1体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0056】
[比較例3]
紫外線硬化性樹脂に替えて熱硬化性樹脂(日本合成NNT−03)を用い、不活性粒子の含有率を10体積%とした以外は実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0057】
[比較例4]
塗布層を有していない二軸延伸フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池用基材フィルムを作成した。得られた太陽電池用基材の評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、簡便な方法で、高温での太陽電池の製造プロセスのストレスに耐えることができ、かつ光閉じ込め効果を得ることができる表面を備えるフレキシブルタイプの太陽電池用基材を提供することができ、特に薄膜太陽電池の基材として用いたときに、優れた光電変換効率を示す太陽電池を製造するのに有用なフレキシブルな太陽電池用基材を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる太陽電池用基材であって、該塗布層は不活性粒子と紫外線硬化性樹脂とを含有する組成物の硬化物からなり、該塗布層を構成する硬化物のガラス転移点が180℃以上かつ塗布層全体積に対する不活性粒子の体積分率が5%以上20%以下であり、該塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下であることを特徴とする太陽電池用基材。
【請求項2】
不活性粒子の平均粒径が0.1μm以上1μm以下である請求項1に記載の太陽電池用基材。
【請求項3】
熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムおよび少なくともその一方の面に設けられた塗布層からなる太陽電池用基材の製造方法であって、熱可塑性結晶性樹脂からなる基材フィルムの少なくとも一方の面にガラス転移点が170℃以上である紫外線硬化性樹脂、および0.1μm以上1μm以下の平均粒径の不活性粒子を5%以上20%以下の体積分率で含有する組成物を塗布し、その後紫外線照射による硬化工程を含んでおり、該塗布層表面の中心面平均表面粗さRaが5nm以上150nm以下かつ該表面の局部山頂の平均間隔Sが100nm以上2500nm以下であることを特徴とする太陽電池用基材の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−181892(P2011−181892A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266543(P2010−266543)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(301020226)帝人デュポンフィルム株式会社 (517)
【Fターム(参考)】