太陽電池電極
本発明は、太陽電池を製造するのに有用なp型電極を説明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池で使用される電極に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶太陽電池用の電極は、効率の改良を進めるためには電気抵抗を低くする必要がある。金属と半導体の接点の場合、そのような構造では、ショットキー障壁が形成されることが知られており、これは接触抵抗をかなり増加させる。電極の電気抵抗は、導体抵抗と接触抵抗の和であるので、電極の導体抵抗を低下させることに加えて、導体との接触抵抗を減少する必要もある。
【0003】
図1に示されるように、従来のシリコン太陽電池は、いわゆるp型ベース太陽電池105であり、これは、p型シリコン基板101上のn型拡散層(n+層)102と、反射防止コーティングと、p型拡散層上のn型電極104とを有する。n型電極104は、ラインとして形成され、バスまたは指形電極(finger electrode)と呼ばれる。裏面では、p型電極がアルミニウム層106と銀層107からなる。
【0004】
図2は、実用試験されているN型ベース太陽電池205を示す。N型ベース太陽電池205は、p型シリコン基板201上のp+層202と、反射防止コーティング203と、p+層202上のp型電極204とを有する。裏面にはn型電極206が形成される。
【0005】
J.E.Cotterらによれば、n型シリコンウェハはp型シリコンウェハよりも化学的および結晶学的欠陥を受けやすい(P−type versus n−type Silicon Wafers: Prospects for hi−efficiency commercial silicon solar cell; IEEE transactions on electron devices, VOL.53, NO.8, 2006年8月)。L.J.Geerligsらによれば、n型シリコンウェハにおいて、長く均質なキャリア寿命が観察された(N−TYPE SOLAR GRADE SILICON FOR EFFICIENT P+N SOLAR CELLS: OVERVIEW AND MAIN RESULTS OF THE EC NESSI PROJECT; European photovoltaic solar energy conference and exhibition 4−8th、2006年9月)。
【0006】
N型ベース太陽電池においてもP型ベース太陽電池においても、p+電極を形成するために、導体抵抗と接触抵抗がどちらも比較的低いアルミニウムペーストが使用されている。しかし現在、より低い導体抵抗および接触抵抗が求められている。問題は、より低い導体抵抗を有する銀が、p+層と接触すると高い接触抵抗を示すため、ほとんど使用できないことである。この問題を解決するために、特開2006−93433号は、銀粉末と、有機ビヒクルと、ガラスフリットと、ホウ素粉末、無機ホウ素化合物、および有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1つの組成物とを含む導電性ペーストを使用することによってp型導電層上に形成される電極を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
接触抵抗がより低く、かつ導体抵抗もより低いp型電極を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽電池のp+層上のp型電極は、焼成の前に、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含む。
【0009】
上述した金属粒子は、好ましくは、Ru、Rh、Pd、W、およびPt粒子からなる群から選択される。上述した金属粒子は、より好ましくはRu、Pd、またはPtである。p型電極は、好ましくは、ペーストの重量に基づいて40〜90wt%の銀粒子と0.01〜10wt%の添加粒子とを含む焼成された導電性ペーストから形成される。
【0010】
本発明の別の態様では、p型電極を製造するための方法が、(1)N型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、ペーストが、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含むステップと、(2)塗布されたペーストを焼成するステップとを含む。好ましくは、上述したp型電極を製造するための方法は、450〜900℃で焼成するステップをさらに含む。
【0011】
本発明の別の態様は、p型電極を製造するための方法であって、(1)P型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、ペーストが、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含むステップと、(2)塗布されたペーストを焼成するステップとを含む。好ましくは、上述したp型電極を製造するための方法は、450〜900℃で焼成するステップをさらに含む。
【0012】
また、太陽電池のp+層上にp型電極を形成するのに有用な組成物であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含む組成物が開示される。
【0013】
本発明の電極は、シリコン太陽電池におけるp+層との接触抵抗が低い。本発明の電極は、N型ベース太陽電池の表面(受光側)とP型ベース太陽電池の裏面のどちらに形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1B】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1C】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1D】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1E】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2A】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2B】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2C】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2D】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2E】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図3A】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【図3B】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【図3C】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態は、シリコン太陽電池、特に、N型およびP型太陽電池のp+層上に形成されたp型電極に関する。
【0016】
他の成分の添加、特にPdまたはPtなど貴金属の添加は、価格が高くなる上に導電性が低くなることがあるので、従来の結晶太陽電池の用途では避けられている。p+層とp型電極の間の接触抵抗は、p型電極に適切な金属粉末を塗布することによって減少する。裏面電極型の太陽電池の場合には、ペーストに所定量の金属を添加することによって接触抵抗を低下させることによって、好ましいペーストが得られる。本発明のp型電極を形成するための導電性ペーストを以下の論述で詳細に説明する。
【0017】
1.銀粉末
導電性金属として銀(Ag)粒子が使用される。銀粒子は、フレーク状または球状でよく、または無定形でもよい。通常の導電性ペーストとして使用される場合、技術的効果の観点からは銀粒子の粒径に特に制限はないが、粒径は銀の焼結特性に影響を与え、例えば、粒径が大きい銀粒子は、粒径が小さい銀粒子よりも焼結が遅い。したがって、粒径(d50)は0.1μm〜10.0μmの範囲内であることが好ましいが、実際に使用される銀粒子の粒径は焼成プロファイルに従って決定される。さらに、銀粒子の粒径は、導電性ペーストを塗布するための方法(例えばスクリーン印刷)に適している必要がある。本発明では、粒径が異なる2種以上の銀粒子を混合物として使用することができる。通常、銀は、高純度(99%超)であることが好ましい。しかし、電極パターンの電気的要件によっては、より低い純度の物質を使用することもできる。銀粒子の場合、本発明の目的を実現できる量であるという前提の下で銀含有量に特に制限はないが、好ましくは、銀含有量は、ペーストの重量に基づいて40%〜90重量%である。
【0018】
2.添加粒子
本発明では、銀粒子の他に、周期表の第6族〜第11族に属する3dまたは4d遷移金属が使用される。すなわち、Mo(モリブデン)、Tc(テクネチウム)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、およびPt(白金)からなる群から選択される金属粒子が添加される。接触抵抗を低下させるという観点から、ルテニウム、パラジウム、または白金が好ましい。本発明では、上述した金属を含む合金粒子、または上述した金属粒子を含有する粒子も使用することができる。それらの金属粒子(本説明では添加粒子とも呼ぶ)を含有する合金の例としては、Ag/Pd合金およびNi/Mo合金が挙げられる。添加粒子は、フレーク状または球状でよく、または無定形でもよい。通常の導電性ペーストとして使用される場合、技術的効果の観点からは添加粒子の粒径に特に制限はないが、粒径は銀の焼結特性に影響を与える。例えば、粒径が大きい添加粒子は、粒径が小さい銀粒子よりも焼結が遅い。したがって、粒径(d50)は0.1〜10.0μmの範囲内であることが好ましいが、実際に使用される添加粒子の粒径は焼成プロファイルに従って決定される。さらに、添加粒子の粒径は、導電性ペーストを塗布するための方法(例えばスクリーン印刷)に適している必要がある。本発明では、粒径が異なる2種以上の銀粒子を混合物として使用することができる。本発明では、好ましくは、炭素粒子によって担持された上述した金属粒子を使用することもできる。粒径が小さい金属粒子は強い凝集性を有するので、粒径が比較的大きい炭素粒子によって担持することによって金属粒子の量を減少させることができる。本発明で使用される炭素粒子は、不活性雰囲気中で熱処理された有機前駆体から形成された炭素であり、例えばケッチェンブラック、カーボンブラック、活性炭、コークス、グラファイトである。炭素粒子の粒径(d50)は、1.0〜10.0μmの範囲内であることが好ましい。炭素粒子によって担持される金属粒子の粒径(d50)は、0.01〜0.2μmの範囲内であることが好ましい。金属粒子の含有量は、炭素粒子の総量に基づいて1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。
【0019】
添加粒子の量は、ペーストの重量に基づいて0.01〜10重量%の範囲内、およびその範囲に含まれる任意の範囲内であり、好ましくは0.1%〜5重量%である。添加粒子の量が少なすぎる場合、良い効果は得られない。さらに、添加粒子の量が高すぎる場合、導体抵抗が増加し、焼結性が低減し、コストが増加する。導電性粒子は、好ましくは、モリブデン、テクネチウム、ルチウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金で被覆された銀粒子でよい。被覆厚さは、好ましくは0.1μmよりも大きい。
【0020】
3.ガラスフリット
本発明の導電性ペーストは、好ましくは、ガラスフリットの形態での無機バインダを含む。ガラスフリットの化学組成は本発明では重要ではないので、電子材料用の導電性ペーストで使用されるガラスフリットであるという前提の下でいかなるガラスフリットを使用することもできる。例えば、ホウケイ酸鉛ガラスが使用されることが好ましい。ホウケイ酸鉛ガラスは、軟化点の範囲とガラス接着性の両方の観点から、本発明における優れた材料である。さらに、ケイ酸ビスマス無鉛ガラスなどの無鉛ガラスも使用することができる。
【0021】
本発明の目的を実現できる量であるという前提の下で、ガラスの形態での無機バインダの含有量に特に制限はないが、ペーストの重量に基づいて0.5〜15.0重量%、好ましくは1.0%〜10.0重量%である。無機バインダの量が0.5重量%未満である場合、接着剤強度が不十分であることがある。無機バインダの量が15.0重量%を超える場合、浮遊ガラスなどにより、後続のはんだステップにおいて問題が生じることがある。さらに、導体としての抵抗値も増加する。
【0022】
4.樹脂バインダ
本発明の電極を形成するための導電性ペーストは、樹脂バインダを含む。本発明では、選択されるいかなる樹脂バインダでも使用することができる。例えば、有機樹脂の一種として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、様々な変性ポリエステル樹脂、例えばアクリル変性ポリエステル樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、およびポリカーボネートウレタン樹脂を使用することができる。ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、およびマレイン化ポリオレフィン、変性セルロース、例えばポリ塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、および酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)を使用することもできる。本発明では、良好な溶剤可溶性を有するエチルセルロースが使用されることが好ましい。樹脂バインダの含有量は、ペーストの重量に基づいて好ましくは10重量%〜50重量%である。
【0023】
5.溶剤
さらに、本発明では、必要であれば粘性調整剤として溶剤を使用することができる。いかなる樹脂バインダを使用することもできる。そのような溶剤の例としては、エステル溶剤、ケトン溶剤、エーテルエステル溶剤、塩素化溶剤、アルコール溶剤、エーテルタイプの溶剤、および炭化水素溶剤が挙げられる。スクリーン印刷が採用される場合、エチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、Ng−メチル−2−ピロリジン、テトラヒドロナフタレンなど高沸点溶剤が使用されることが好ましい。
【0024】
6.添加剤
増粘剤および/または安定剤および/または他の典型的な添加剤は、本発明の電極を形成するための導電性ペーストに添加しても添加しなくてもよい。添加することができる他の典型的な添加剤の例としては、分散剤および粘性調整剤が挙げられる。添加剤の量は、最終的に必要な導電性ペーストの特性に依存して決定される。添加剤の量は、当業者が適切に決定することができる。さらに、複数のタイプの添加剤を添加することもできる。以下に説明するように、本発明の導電性ペーストは、所定の範囲内の粘性を有する。適切な粘性を導電性ペーストに与えるために、必要に応じて粘性調整剤を添加することができる。添加される粘性調整剤の量は、最終的な導電性ペーストの粘性に依存して変わるが、当業者が適切に決定することができる。
【0025】
以下、本発明のp型電極の製造を説明する。本発明のp型電極を形成するための導電性ペーストは、上述した各成分をロール混合ミルまたはロータリミキサなどによって混合することによって所望の通りに製造することができる。本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷によって太陽電池のp+層上の所望の位置に印刷されることが好ましいが、このタイプの印刷によって印刷される場合には、ペーストが所定の粘性範囲を有することが好ましい。本発明の導電性ペーストの粘性は、Brookfield HBT Viscometerを使用して、#14スピンドルを用い、10rpmおよび25℃でユーティリティカップ(utility cup)を用いて測定する場合、好ましくは50PaS〜350PaSである。添加される粘性調整剤の量は、最終的な導電性ペーストの粘性に依存して変わるが、当業者が適切に決定することができる。スクリーン印刷を施したペーストを、約150℃未満で3〜10分間乾燥させる。乾燥させたペーストを、10〜60秒にわたって450〜900℃、好ましくは450〜700℃の温度で焼結させる。低温での焼結は、P−N接合の損壊を減らし、熱損傷により生じる破壊を受けにくくし、コストを下げるという利点がある。
【0026】
以下、図1に示される構造を有する太陽電池の例を用いて、本発明のp型電極を使用するシリコン型太陽電池を説明し、さらにシリコン型太陽電池の製造プロセスを説明する。
【0027】
図1Aは、p型シリコン基板101を示す。
【0028】
図1Bで、逆の導電型のn型拡散層102が、リン(P)の熱拡散などによって形成される。リン拡散源として、一般にオキシ塩化リン(POCl3)が使用される。特に変更がない場合には、拡散層102は、シリコン基板101の表面全体にわたって形成される。この拡散層は、典型的には、面積抵抗率が1平方メートル当たり数十オーム(Ω/m2)程度であり、厚さが約0.3〜0.5μmである。
【0029】
この拡散層の1つの表面をレジストなどによって保護した後、n型拡散層102は、エッチングによって図1Cに示されるようにほとんどの表面から除去され、1つの主表面上にだけ残る。次いで、有機溶剤などを使用してレジストが除去される。
【0030】
次に、図1Dに示されるように、プラズマ化学蒸着(CVD)などのプロセスによって反射防止コーティング103がn型拡散層102上に典型的には約700〜900Åの厚さで形成される。
【0031】
図1Eに示されるように、窒化ケイ素被膜103の上に表面電極105用の導電性ペーストがスクリーン印刷され、次いで乾燥される。表面電極用の導電性ペーストは、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Pd、およびそれらの合金などいかなる種類の金属を含むこともでき、それらはp型基板101から電気を得ることができる。次いで、基板101の裏面上に本発明の導電性ペーストが裏面電極106としてスクリーン印刷され、その後乾燥される。裏面p型電極は、アルミニウム層106および銀層107からなる。裏面導電層は、それぞれ異なる金属を含む2つの層でよい。次いで、赤外線炉内で、数分から数十分間、約700℃〜975℃の温度範囲で焼成が行われる。
【0032】
図2Aは、n型シリコン基板201を示す。
【0033】
図2Bで、逆の導電型のp型拡散層102が、ホウ素(B)などの熱拡散によって形成される。ホウ素拡散源として、一般に三臭化ホウ素(BBr3)が使用される。特に変更がない場合には、p型拡散層202は、n型シリコン基板201の表面全体にわたって形成される。この拡散層は、典型的には、面積抵抗率が1平方メートル当たり数十オーム(Ω/m2)程度であり、厚さが約0.3μm〜0.5μmである。
【0034】
この拡散層の1つの表面をレジストなどによって保護した後、p型拡散層202は、エッチングによって図2Cに示されるようにほとんどの表面から除去され、1つの主表面上にだけ残る。次いで、有機溶剤などを使用してレジストが除去される。
【0035】
次に、図2Dに示されるように、プラズマ化学気相成長(CVD)などのプロセスによって反射防止コーティング203がp型拡散層102上に典型的には約700〜900Åの厚さで形成される。
【0036】
図2Eに示されるように、窒化ケイ素被膜203上に本発明の導電性ペーストが表面電極205としてスクリーン印刷され、その後乾燥される。さらに、次いで、基板201の裏面上に裏面導電性ペースト206がスクリーン印刷され、その後乾燥される。裏面導電性ペーストは、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Pd、およびそれらの合金などいかなる種類の金属を含むこともでき、それらはn型シリコン基板201から電気を得ることができる。導電層は、それぞれ異なる金属を含む2つの層でよい。次いで、赤外線炉内で、数分から数十分間、約700℃〜975℃の温度範囲で焼成が行われる。
【0037】
n型ベースの太陽電池もp型ベースの太陽電池も、例えば半導体が光触媒として使用され、半導体のバンドギャップエネルギーよりも大きいエネルギーを有する光が照射されるとき、価電子帯にある電子が光励起されて伝導帯に入り、伝導帯で自由電子を発生し、逆に価電子帯では正孔が生成される。キャリアと呼ばれるそれらの自由電子および正孔の再結合の前に電子が電極に多く達すれば、それだけ大きい電流が得られる。したがって、太陽電池の効率を高めるには、再結合の低減が効果的である。この理由から、前記キャリアが発生される半導体基板は、好ましくは、抵抗が大きい結晶シリコンタイプである。
【0038】
以下に、本発明の実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0039】
(I)銀ペーストの調製
p型電極を形成するための銀ペースト1および2を、以下に示す材料を使用して、表1に示される組成を有するように製造した。
【0040】
(i)銀粒子
フレーク状の銀粒子(d50が2.7μm(レーザ散乱式の粒径分布測定装置を用いて測定))
(ii)ガラスフリット
鉛含有:ホウケイ酸鉛ガラスフリット
成分:SiO2/PbO/B2O3/ZnO
軟化点:440℃
無鉛:無鉛ビスマスガラスフリット
成分:SiO2/Al2O3/B2O3/ZnO/Bi2O3/SnO2
軟化点:390℃
(iii)樹脂
エチルセルロース樹脂(Aqualon、Hercules)
(iv)溶剤
テルピネオール
【0041】
【表1】
【0042】
銀ペーストを得るために、銀粒子、ガラスフリット、樹脂、および溶剤をそれぞれ重量測定し、混合し、3本ロール混練機によって混練した。
【0043】
(II)添加金属ペーストの調製
表2に示される各金属の金属粒子および金属含有粒子(添加粒子とも呼ぶ)、樹脂、および溶剤を使用してペーストA〜Iを調製した。樹脂および溶剤は、上述した銀ペーストを調製するために使用したのと同じものを用いた。
【0044】
【表2】
【0045】
添加金属ペーストを得るために、金属粒子、樹脂、および溶剤をそれぞれ重量測定し、混合し、ロータリミキサを使用して2分間撹拌した。
【0046】
(III)導電性ペーストおよび試料の調製
上の(I)で調製した銀ペーストと上の(II)で調製したペーストA〜Iを混合し、ロータリミキサによって2分間撹拌した。銀ペースト中の銀の重量に対して添加粒子が1重量%の混合比となるように、ペーストA〜Iを銀ペーストに添加した(ただし、混合比が1重量%および2重量%のPt含有グラファイトに関しては2種類の導電性ペーストを調製した)。例えば、ペースト1(10.00重量部)に0.142重量部のペーストCを添加することによって、Pd金属を含む銀ペーストを調製した。p型電極を得るために、市販の4インチ単結晶シリコンウェハ(三菱マテリアル社、結晶軸<1.0.0>、p型導電性)上に導電性ペーストをスクリーン印刷し、150℃で5分間乾燥させ、焼結させた。
【0047】
試料形状
p型電極が上に形成された結晶シリコンウェハを切断することによって試料を作製した。一辺20mmの正方形状に切断されたSiウェハ上で、直径6mmの円形パターンを1mmの間隔で形成した(図3(b)参照)。
【0048】
焼成条件
IR加熱ベルト炉を使用して、以下の条件下でウェハを焼成した。
【0049】
最大設定温度:600℃
ベルト速度:370cpm
炉温度プロファイル:
400℃以上:18秒
500℃以上:12秒
【0050】
(IV)評価方法
上述した方法によって得られた図3(a)および(b)に示される各p型電極サンプルについて、抵抗値(Ω)を測定した。
【0051】
抵抗値測定条件
上述した条件下で形成された試料電極間の電流および電圧特性を、北斗電工株式会社から市販されているHSV−100 Cyclic Voltanometry装置で測定した。抵抗値として、0.2〜0.4Vの印加電圧範囲にわたる電極間抵抗の平均を使用した。
【0052】
図3(c)に示されるように、製造された電極の抵抗は大きさを無視することができるほど十分に小さかったので、測定された抵抗値は、Siウェハの抵抗値と、Si−Ag(電極)界面での接触抵抗との和とみなされた。Siウェハの抵抗値は一定であるので、測定された抵抗の大きさは接触抵抗の大きさを表す。
【0053】
(V)結果
各p型電極の抵抗値を測定した結果が、表3(銀ペーストとしてペースト1を使用)および表4(銀ペーストとしてペースト2を使用)に示される。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
上の結果に基づき、ニッケルおよび金を除いて、タングステン、パラジウム、銀/パラジウム合金、白金、ルテニウム、およびロジウムを1重量%で銀ペーストに添加することにより、p+層での接触抵抗を減少させることができる。特に、パラジウム、白金、およびルテニウムは、接触抵抗の減少に大きく寄与した。
【0057】
銀/パラジウム合金や、炭素粒子によって担持された白金など、単一成分からなっていない粉末でさえ、p+層での接触抵抗の減少に明らかに寄与した。また、単一の金属を使用する場合に比べて接触抵抗の減少への寄与の度合いが低い理由は、粉末自体が1重量%添加されたので、それに従って銀ペースト中のパラジウムまたは白金の含有量が減少したためと考えられる。
【0058】
通常、未処理のシリコンウェハ上には、厚さ10〜15オングストロームの自然酸化膜と呼ばれる酸化ケイ素被膜が存在することが知られている。本発明の実施例のペーストは、この酸化ケイ素被膜を通して焼成され、半導体表面と直接接触すると考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池で使用される電極に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶太陽電池用の電極は、効率の改良を進めるためには電気抵抗を低くする必要がある。金属と半導体の接点の場合、そのような構造では、ショットキー障壁が形成されることが知られており、これは接触抵抗をかなり増加させる。電極の電気抵抗は、導体抵抗と接触抵抗の和であるので、電極の導体抵抗を低下させることに加えて、導体との接触抵抗を減少する必要もある。
【0003】
図1に示されるように、従来のシリコン太陽電池は、いわゆるp型ベース太陽電池105であり、これは、p型シリコン基板101上のn型拡散層(n+層)102と、反射防止コーティングと、p型拡散層上のn型電極104とを有する。n型電極104は、ラインとして形成され、バスまたは指形電極(finger electrode)と呼ばれる。裏面では、p型電極がアルミニウム層106と銀層107からなる。
【0004】
図2は、実用試験されているN型ベース太陽電池205を示す。N型ベース太陽電池205は、p型シリコン基板201上のp+層202と、反射防止コーティング203と、p+層202上のp型電極204とを有する。裏面にはn型電極206が形成される。
【0005】
J.E.Cotterらによれば、n型シリコンウェハはp型シリコンウェハよりも化学的および結晶学的欠陥を受けやすい(P−type versus n−type Silicon Wafers: Prospects for hi−efficiency commercial silicon solar cell; IEEE transactions on electron devices, VOL.53, NO.8, 2006年8月)。L.J.Geerligsらによれば、n型シリコンウェハにおいて、長く均質なキャリア寿命が観察された(N−TYPE SOLAR GRADE SILICON FOR EFFICIENT P+N SOLAR CELLS: OVERVIEW AND MAIN RESULTS OF THE EC NESSI PROJECT; European photovoltaic solar energy conference and exhibition 4−8th、2006年9月)。
【0006】
N型ベース太陽電池においてもP型ベース太陽電池においても、p+電極を形成するために、導体抵抗と接触抵抗がどちらも比較的低いアルミニウムペーストが使用されている。しかし現在、より低い導体抵抗および接触抵抗が求められている。問題は、より低い導体抵抗を有する銀が、p+層と接触すると高い接触抵抗を示すため、ほとんど使用できないことである。この問題を解決するために、特開2006−93433号は、銀粉末と、有機ビヒクルと、ガラスフリットと、ホウ素粉末、無機ホウ素化合物、および有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1つの組成物とを含む導電性ペーストを使用することによってp型導電層上に形成される電極を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
接触抵抗がより低く、かつ導体抵抗もより低いp型電極を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽電池のp+層上のp型電極は、焼成の前に、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含む。
【0009】
上述した金属粒子は、好ましくは、Ru、Rh、Pd、W、およびPt粒子からなる群から選択される。上述した金属粒子は、より好ましくはRu、Pd、またはPtである。p型電極は、好ましくは、ペーストの重量に基づいて40〜90wt%の銀粒子と0.01〜10wt%の添加粒子とを含む焼成された導電性ペーストから形成される。
【0010】
本発明の別の態様では、p型電極を製造するための方法が、(1)N型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、ペーストが、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含むステップと、(2)塗布されたペーストを焼成するステップとを含む。好ましくは、上述したp型電極を製造するための方法は、450〜900℃で焼成するステップをさらに含む。
【0011】
本発明の別の態様は、p型電極を製造するための方法であって、(1)P型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、ペーストが、(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、(b)ガラスフリット、および(c)樹脂バインダを含むステップと、(2)塗布されたペーストを焼成するステップとを含む。好ましくは、上述したp型電極を製造するための方法は、450〜900℃で焼成するステップをさらに含む。
【0012】
また、太陽電池のp+層上にp型電極を形成するのに有用な組成物であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)それらの金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含む組成物が開示される。
【0013】
本発明の電極は、シリコン太陽電池におけるp+層との接触抵抗が低い。本発明の電極は、N型ベース太陽電池の表面(受光側)とP型ベース太陽電池の裏面のどちらに形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1B】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1C】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1D】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図1E】P型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2A】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2B】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2C】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2D】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図2E】N型ベース太陽電池製造プロセスを説明するための図である。
【図3A】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【図3B】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【図3C】実施例における電極の接触抵抗を測定するための試料の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態は、シリコン太陽電池、特に、N型およびP型太陽電池のp+層上に形成されたp型電極に関する。
【0016】
他の成分の添加、特にPdまたはPtなど貴金属の添加は、価格が高くなる上に導電性が低くなることがあるので、従来の結晶太陽電池の用途では避けられている。p+層とp型電極の間の接触抵抗は、p型電極に適切な金属粉末を塗布することによって減少する。裏面電極型の太陽電池の場合には、ペーストに所定量の金属を添加することによって接触抵抗を低下させることによって、好ましいペーストが得られる。本発明のp型電極を形成するための導電性ペーストを以下の論述で詳細に説明する。
【0017】
1.銀粉末
導電性金属として銀(Ag)粒子が使用される。銀粒子は、フレーク状または球状でよく、または無定形でもよい。通常の導電性ペーストとして使用される場合、技術的効果の観点からは銀粒子の粒径に特に制限はないが、粒径は銀の焼結特性に影響を与え、例えば、粒径が大きい銀粒子は、粒径が小さい銀粒子よりも焼結が遅い。したがって、粒径(d50)は0.1μm〜10.0μmの範囲内であることが好ましいが、実際に使用される銀粒子の粒径は焼成プロファイルに従って決定される。さらに、銀粒子の粒径は、導電性ペーストを塗布するための方法(例えばスクリーン印刷)に適している必要がある。本発明では、粒径が異なる2種以上の銀粒子を混合物として使用することができる。通常、銀は、高純度(99%超)であることが好ましい。しかし、電極パターンの電気的要件によっては、より低い純度の物質を使用することもできる。銀粒子の場合、本発明の目的を実現できる量であるという前提の下で銀含有量に特に制限はないが、好ましくは、銀含有量は、ペーストの重量に基づいて40%〜90重量%である。
【0018】
2.添加粒子
本発明では、銀粒子の他に、周期表の第6族〜第11族に属する3dまたは4d遷移金属が使用される。すなわち、Mo(モリブデン)、Tc(テクネチウム)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、およびPt(白金)からなる群から選択される金属粒子が添加される。接触抵抗を低下させるという観点から、ルテニウム、パラジウム、または白金が好ましい。本発明では、上述した金属を含む合金粒子、または上述した金属粒子を含有する粒子も使用することができる。それらの金属粒子(本説明では添加粒子とも呼ぶ)を含有する合金の例としては、Ag/Pd合金およびNi/Mo合金が挙げられる。添加粒子は、フレーク状または球状でよく、または無定形でもよい。通常の導電性ペーストとして使用される場合、技術的効果の観点からは添加粒子の粒径に特に制限はないが、粒径は銀の焼結特性に影響を与える。例えば、粒径が大きい添加粒子は、粒径が小さい銀粒子よりも焼結が遅い。したがって、粒径(d50)は0.1〜10.0μmの範囲内であることが好ましいが、実際に使用される添加粒子の粒径は焼成プロファイルに従って決定される。さらに、添加粒子の粒径は、導電性ペーストを塗布するための方法(例えばスクリーン印刷)に適している必要がある。本発明では、粒径が異なる2種以上の銀粒子を混合物として使用することができる。本発明では、好ましくは、炭素粒子によって担持された上述した金属粒子を使用することもできる。粒径が小さい金属粒子は強い凝集性を有するので、粒径が比較的大きい炭素粒子によって担持することによって金属粒子の量を減少させることができる。本発明で使用される炭素粒子は、不活性雰囲気中で熱処理された有機前駆体から形成された炭素であり、例えばケッチェンブラック、カーボンブラック、活性炭、コークス、グラファイトである。炭素粒子の粒径(d50)は、1.0〜10.0μmの範囲内であることが好ましい。炭素粒子によって担持される金属粒子の粒径(d50)は、0.01〜0.2μmの範囲内であることが好ましい。金属粒子の含有量は、炭素粒子の総量に基づいて1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。
【0019】
添加粒子の量は、ペーストの重量に基づいて0.01〜10重量%の範囲内、およびその範囲に含まれる任意の範囲内であり、好ましくは0.1%〜5重量%である。添加粒子の量が少なすぎる場合、良い効果は得られない。さらに、添加粒子の量が高すぎる場合、導体抵抗が増加し、焼結性が低減し、コストが増加する。導電性粒子は、好ましくは、モリブデン、テクネチウム、ルチウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金で被覆された銀粒子でよい。被覆厚さは、好ましくは0.1μmよりも大きい。
【0020】
3.ガラスフリット
本発明の導電性ペーストは、好ましくは、ガラスフリットの形態での無機バインダを含む。ガラスフリットの化学組成は本発明では重要ではないので、電子材料用の導電性ペーストで使用されるガラスフリットであるという前提の下でいかなるガラスフリットを使用することもできる。例えば、ホウケイ酸鉛ガラスが使用されることが好ましい。ホウケイ酸鉛ガラスは、軟化点の範囲とガラス接着性の両方の観点から、本発明における優れた材料である。さらに、ケイ酸ビスマス無鉛ガラスなどの無鉛ガラスも使用することができる。
【0021】
本発明の目的を実現できる量であるという前提の下で、ガラスの形態での無機バインダの含有量に特に制限はないが、ペーストの重量に基づいて0.5〜15.0重量%、好ましくは1.0%〜10.0重量%である。無機バインダの量が0.5重量%未満である場合、接着剤強度が不十分であることがある。無機バインダの量が15.0重量%を超える場合、浮遊ガラスなどにより、後続のはんだステップにおいて問題が生じることがある。さらに、導体としての抵抗値も増加する。
【0022】
4.樹脂バインダ
本発明の電極を形成するための導電性ペーストは、樹脂バインダを含む。本発明では、選択されるいかなる樹脂バインダでも使用することができる。例えば、有機樹脂の一種として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、様々な変性ポリエステル樹脂、例えばアクリル変性ポリエステル樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、およびポリカーボネートウレタン樹脂を使用することができる。ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、およびマレイン化ポリオレフィン、変性セルロース、例えばポリ塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、および酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)を使用することもできる。本発明では、良好な溶剤可溶性を有するエチルセルロースが使用されることが好ましい。樹脂バインダの含有量は、ペーストの重量に基づいて好ましくは10重量%〜50重量%である。
【0023】
5.溶剤
さらに、本発明では、必要であれば粘性調整剤として溶剤を使用することができる。いかなる樹脂バインダを使用することもできる。そのような溶剤の例としては、エステル溶剤、ケトン溶剤、エーテルエステル溶剤、塩素化溶剤、アルコール溶剤、エーテルタイプの溶剤、および炭化水素溶剤が挙げられる。スクリーン印刷が採用される場合、エチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、Ng−メチル−2−ピロリジン、テトラヒドロナフタレンなど高沸点溶剤が使用されることが好ましい。
【0024】
6.添加剤
増粘剤および/または安定剤および/または他の典型的な添加剤は、本発明の電極を形成するための導電性ペーストに添加しても添加しなくてもよい。添加することができる他の典型的な添加剤の例としては、分散剤および粘性調整剤が挙げられる。添加剤の量は、最終的に必要な導電性ペーストの特性に依存して決定される。添加剤の量は、当業者が適切に決定することができる。さらに、複数のタイプの添加剤を添加することもできる。以下に説明するように、本発明の導電性ペーストは、所定の範囲内の粘性を有する。適切な粘性を導電性ペーストに与えるために、必要に応じて粘性調整剤を添加することができる。添加される粘性調整剤の量は、最終的な導電性ペーストの粘性に依存して変わるが、当業者が適切に決定することができる。
【0025】
以下、本発明のp型電極の製造を説明する。本発明のp型電極を形成するための導電性ペーストは、上述した各成分をロール混合ミルまたはロータリミキサなどによって混合することによって所望の通りに製造することができる。本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷によって太陽電池のp+層上の所望の位置に印刷されることが好ましいが、このタイプの印刷によって印刷される場合には、ペーストが所定の粘性範囲を有することが好ましい。本発明の導電性ペーストの粘性は、Brookfield HBT Viscometerを使用して、#14スピンドルを用い、10rpmおよび25℃でユーティリティカップ(utility cup)を用いて測定する場合、好ましくは50PaS〜350PaSである。添加される粘性調整剤の量は、最終的な導電性ペーストの粘性に依存して変わるが、当業者が適切に決定することができる。スクリーン印刷を施したペーストを、約150℃未満で3〜10分間乾燥させる。乾燥させたペーストを、10〜60秒にわたって450〜900℃、好ましくは450〜700℃の温度で焼結させる。低温での焼結は、P−N接合の損壊を減らし、熱損傷により生じる破壊を受けにくくし、コストを下げるという利点がある。
【0026】
以下、図1に示される構造を有する太陽電池の例を用いて、本発明のp型電極を使用するシリコン型太陽電池を説明し、さらにシリコン型太陽電池の製造プロセスを説明する。
【0027】
図1Aは、p型シリコン基板101を示す。
【0028】
図1Bで、逆の導電型のn型拡散層102が、リン(P)の熱拡散などによって形成される。リン拡散源として、一般にオキシ塩化リン(POCl3)が使用される。特に変更がない場合には、拡散層102は、シリコン基板101の表面全体にわたって形成される。この拡散層は、典型的には、面積抵抗率が1平方メートル当たり数十オーム(Ω/m2)程度であり、厚さが約0.3〜0.5μmである。
【0029】
この拡散層の1つの表面をレジストなどによって保護した後、n型拡散層102は、エッチングによって図1Cに示されるようにほとんどの表面から除去され、1つの主表面上にだけ残る。次いで、有機溶剤などを使用してレジストが除去される。
【0030】
次に、図1Dに示されるように、プラズマ化学蒸着(CVD)などのプロセスによって反射防止コーティング103がn型拡散層102上に典型的には約700〜900Åの厚さで形成される。
【0031】
図1Eに示されるように、窒化ケイ素被膜103の上に表面電極105用の導電性ペーストがスクリーン印刷され、次いで乾燥される。表面電極用の導電性ペーストは、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Pd、およびそれらの合金などいかなる種類の金属を含むこともでき、それらはp型基板101から電気を得ることができる。次いで、基板101の裏面上に本発明の導電性ペーストが裏面電極106としてスクリーン印刷され、その後乾燥される。裏面p型電極は、アルミニウム層106および銀層107からなる。裏面導電層は、それぞれ異なる金属を含む2つの層でよい。次いで、赤外線炉内で、数分から数十分間、約700℃〜975℃の温度範囲で焼成が行われる。
【0032】
図2Aは、n型シリコン基板201を示す。
【0033】
図2Bで、逆の導電型のp型拡散層102が、ホウ素(B)などの熱拡散によって形成される。ホウ素拡散源として、一般に三臭化ホウ素(BBr3)が使用される。特に変更がない場合には、p型拡散層202は、n型シリコン基板201の表面全体にわたって形成される。この拡散層は、典型的には、面積抵抗率が1平方メートル当たり数十オーム(Ω/m2)程度であり、厚さが約0.3μm〜0.5μmである。
【0034】
この拡散層の1つの表面をレジストなどによって保護した後、p型拡散層202は、エッチングによって図2Cに示されるようにほとんどの表面から除去され、1つの主表面上にだけ残る。次いで、有機溶剤などを使用してレジストが除去される。
【0035】
次に、図2Dに示されるように、プラズマ化学気相成長(CVD)などのプロセスによって反射防止コーティング203がp型拡散層102上に典型的には約700〜900Åの厚さで形成される。
【0036】
図2Eに示されるように、窒化ケイ素被膜203上に本発明の導電性ペーストが表面電極205としてスクリーン印刷され、その後乾燥される。さらに、次いで、基板201の裏面上に裏面導電性ペースト206がスクリーン印刷され、その後乾燥される。裏面導電性ペーストは、Ag、Au、Pt、Al、Cu、Ni、Pd、およびそれらの合金などいかなる種類の金属を含むこともでき、それらはn型シリコン基板201から電気を得ることができる。導電層は、それぞれ異なる金属を含む2つの層でよい。次いで、赤外線炉内で、数分から数十分間、約700℃〜975℃の温度範囲で焼成が行われる。
【0037】
n型ベースの太陽電池もp型ベースの太陽電池も、例えば半導体が光触媒として使用され、半導体のバンドギャップエネルギーよりも大きいエネルギーを有する光が照射されるとき、価電子帯にある電子が光励起されて伝導帯に入り、伝導帯で自由電子を発生し、逆に価電子帯では正孔が生成される。キャリアと呼ばれるそれらの自由電子および正孔の再結合の前に電子が電極に多く達すれば、それだけ大きい電流が得られる。したがって、太陽電池の効率を高めるには、再結合の低減が効果的である。この理由から、前記キャリアが発生される半導体基板は、好ましくは、抵抗が大きい結晶シリコンタイプである。
【0038】
以下に、本発明の実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0039】
(I)銀ペーストの調製
p型電極を形成するための銀ペースト1および2を、以下に示す材料を使用して、表1に示される組成を有するように製造した。
【0040】
(i)銀粒子
フレーク状の銀粒子(d50が2.7μm(レーザ散乱式の粒径分布測定装置を用いて測定))
(ii)ガラスフリット
鉛含有:ホウケイ酸鉛ガラスフリット
成分:SiO2/PbO/B2O3/ZnO
軟化点:440℃
無鉛:無鉛ビスマスガラスフリット
成分:SiO2/Al2O3/B2O3/ZnO/Bi2O3/SnO2
軟化点:390℃
(iii)樹脂
エチルセルロース樹脂(Aqualon、Hercules)
(iv)溶剤
テルピネオール
【0041】
【表1】
【0042】
銀ペーストを得るために、銀粒子、ガラスフリット、樹脂、および溶剤をそれぞれ重量測定し、混合し、3本ロール混練機によって混練した。
【0043】
(II)添加金属ペーストの調製
表2に示される各金属の金属粒子および金属含有粒子(添加粒子とも呼ぶ)、樹脂、および溶剤を使用してペーストA〜Iを調製した。樹脂および溶剤は、上述した銀ペーストを調製するために使用したのと同じものを用いた。
【0044】
【表2】
【0045】
添加金属ペーストを得るために、金属粒子、樹脂、および溶剤をそれぞれ重量測定し、混合し、ロータリミキサを使用して2分間撹拌した。
【0046】
(III)導電性ペーストおよび試料の調製
上の(I)で調製した銀ペーストと上の(II)で調製したペーストA〜Iを混合し、ロータリミキサによって2分間撹拌した。銀ペースト中の銀の重量に対して添加粒子が1重量%の混合比となるように、ペーストA〜Iを銀ペーストに添加した(ただし、混合比が1重量%および2重量%のPt含有グラファイトに関しては2種類の導電性ペーストを調製した)。例えば、ペースト1(10.00重量部)に0.142重量部のペーストCを添加することによって、Pd金属を含む銀ペーストを調製した。p型電極を得るために、市販の4インチ単結晶シリコンウェハ(三菱マテリアル社、結晶軸<1.0.0>、p型導電性)上に導電性ペーストをスクリーン印刷し、150℃で5分間乾燥させ、焼結させた。
【0047】
試料形状
p型電極が上に形成された結晶シリコンウェハを切断することによって試料を作製した。一辺20mmの正方形状に切断されたSiウェハ上で、直径6mmの円形パターンを1mmの間隔で形成した(図3(b)参照)。
【0048】
焼成条件
IR加熱ベルト炉を使用して、以下の条件下でウェハを焼成した。
【0049】
最大設定温度:600℃
ベルト速度:370cpm
炉温度プロファイル:
400℃以上:18秒
500℃以上:12秒
【0050】
(IV)評価方法
上述した方法によって得られた図3(a)および(b)に示される各p型電極サンプルについて、抵抗値(Ω)を測定した。
【0051】
抵抗値測定条件
上述した条件下で形成された試料電極間の電流および電圧特性を、北斗電工株式会社から市販されているHSV−100 Cyclic Voltanometry装置で測定した。抵抗値として、0.2〜0.4Vの印加電圧範囲にわたる電極間抵抗の平均を使用した。
【0052】
図3(c)に示されるように、製造された電極の抵抗は大きさを無視することができるほど十分に小さかったので、測定された抵抗値は、Siウェハの抵抗値と、Si−Ag(電極)界面での接触抵抗との和とみなされた。Siウェハの抵抗値は一定であるので、測定された抵抗の大きさは接触抵抗の大きさを表す。
【0053】
(V)結果
各p型電極の抵抗値を測定した結果が、表3(銀ペーストとしてペースト1を使用)および表4(銀ペーストとしてペースト2を使用)に示される。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
上の結果に基づき、ニッケルおよび金を除いて、タングステン、パラジウム、銀/パラジウム合金、白金、ルテニウム、およびロジウムを1重量%で銀ペーストに添加することにより、p+層での接触抵抗を減少させることができる。特に、パラジウム、白金、およびルテニウムは、接触抵抗の減少に大きく寄与した。
【0057】
銀/パラジウム合金や、炭素粒子によって担持された白金など、単一成分からなっていない粉末でさえ、p+層での接触抵抗の減少に明らかに寄与した。また、単一の金属を使用する場合に比べて接触抵抗の減少への寄与の度合いが低い理由は、粉末自体が1重量%添加されたので、それに従って銀ペースト中のパラジウムまたは白金の含有量が減少したためと考えられる。
【0058】
通常、未処理のシリコンウェハ上には、厚さ10〜15オングストロームの自然酸化膜と呼ばれる酸化ケイ素被膜が存在することが知られている。本発明の実施例のペーストは、この酸化ケイ素被膜を通して焼成され、半導体表面と直接接触すると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池のp+層上のp型電極であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むp型電極。
【請求項2】
前記金属粒子が、Ru、Rh、Pd、W、およびPt粒子からなる群から選択される請求項1に記載のp型電極。
【請求項3】
前記金属粒子が、Ru、Pd、またはPt粒子である請求項2に記載のp型電極。
【請求項4】
前記電極が、ペーストの重量に基づいて40〜90wt%の銀粒子と0.01〜10wt%の添加粒子とを含む焼成された導電性ペーストから形成される請求項1に記載のp型電極。
【請求項5】
p型電極を製造するための方法であって、
(1)N型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、前記ペーストが、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むステップと、
(2)塗布された前記ペーストを焼成するステップと
を含む方法。
【請求項6】
前記ペーストが450〜900℃で焼成される請求項6に記載のp型電極を製造するための方法。
【請求項7】
p型電極を製造するための方法であって、
(1)P型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、前記ペーストが、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むステップと、
(2)塗布された前記ペーストを焼成するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記ペーストが450〜900℃で焼成される請求項8に記載のp型電極を製造するための方法。
【請求項9】
太陽電池のp+層上にp型電極を形成するのに有用な組成物であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、
(c)樹脂バインダ
を含む組成物。
【請求項1】
太陽電池のp+層上のp型電極であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むp型電極。
【請求項2】
前記金属粒子が、Ru、Rh、Pd、W、およびPt粒子からなる群から選択される請求項1に記載のp型電極。
【請求項3】
前記金属粒子が、Ru、Pd、またはPt粒子である請求項2に記載のp型電極。
【請求項4】
前記電極が、ペーストの重量に基づいて40〜90wt%の銀粒子と0.01〜10wt%の添加粒子とを含む焼成された導電性ペーストから形成される請求項1に記載のp型電極。
【請求項5】
p型電極を製造するための方法であって、
(1)N型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、前記ペーストが、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むステップと、
(2)塗布された前記ペーストを焼成するステップと
を含む方法。
【請求項6】
前記ペーストが450〜900℃で焼成される請求項6に記載のp型電極を製造するための方法。
【請求項7】
p型電極を製造するための方法であって、
(1)P型ベース太陽電池基板の受光側のp+層上にペーストを塗布するステップであって、前記ペーストが、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、および(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、および
(c)樹脂バインダ
を含むステップと、
(2)塗布された前記ペーストを焼成するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記ペーストが450〜900℃で焼成される請求項8に記載のp型電極を製造するための方法。
【請求項9】
太陽電池のp+層上にp型電極を形成するのに有用な組成物であって、焼成の前に、
(a)銀粒子と、(i)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPt粒子からなる群から選択される金属粒子、(ii)前記金属粒子を含む金属合金、(iii)Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、W、Re、Os、Ir、およびPtからなる群から選択される金属で被覆される銀粒子、(iv)炭素粒子によって担持された(i)の金属粒子からなる群から選択される添加粒子とを含む導電性粒子、
(b)ガラスフリット、
(c)樹脂バインダ
を含む組成物。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【公表番号】特表2012−502503(P2012−502503A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526935(P2011−526935)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/056345
【国際公開番号】WO2010/030652
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/056345
【国際公開番号】WO2010/030652
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
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