説明

失禁の治療のための移植可能スリングと、このスリングの使用方法

【課題】男性または女性の失禁の治療のための移植可能スリングと、このスリングを実行する方法。
【解決手段】このスリングは、尿道支持部分と、この尿道支持部分から延びる少なくとも1つの固着部分とを備える。尿失禁を治療するためにインプラントの支持部分が球尿道(男性)または中尿道領域(女性)においてまたはこれに対して遠位に効果的に位置させられるように、この固着部分は、閉鎖孔の中を通してかつ骨盤の少なくとも1つの枝部分の周囲に効果的に配置される。好ましい実施形態では、このインプラントは、支持部分から延びる第1および第2の固着部分を有し、および、前記固着部分のそれぞれ1つは患者の恥骨枝の専用の1つの周囲に固定される働きをする。このインプラントは、さらに、組織、合成材料、または、これらの組合せから製造されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性または女性の失禁の治療のための外科用インプラント、および、特に、患者の球尿道領域(男性)または中尿道領域(女性)において、または、これに対して遠位において、スリングタイプの支持を実現する働きをし、かつ、患者の下行枝の周囲の固定によって効果的に所定位置に固定される、移植可能なスリングに関する。
【背景技術】
【0002】
尿失禁にかかっている推定1900万人の北アメリカ人成人のうち、20%が男性であると推定されている。こうした病状の重篤度は膀胱制御の部分的な損失から完全な損失までの範囲に及び、および、尿失禁に苦しむ患者は様々な度合いの尿漏れを体験する可能性がある。これに加えて、尿失禁が時間経過に応じて変化することがあることと、例えば、軽度の失禁の症状がある男性および女性が、笑ったり咳をしたりすることのような誘発性事象の発生中に最少の漏れを体験し、一方、重度の失禁の症状がある男性および女性が連続的な尿失禁を体験することがあるということが知られている。
【0003】
一般的に、尿失禁は病気とは見なされておらず、むしろ、別の医学的病状の症状または副作用と見なされている。男性の尿失禁を引き起こすことが知られている原因は、前立腺手術、および、特に、全前立腺切除、頭部および脊髄の損傷、感染、過剰なアルコール消費のような特定の毒素、鎮静剤のような特定の薬物、および、ガンとパーキンソン病と多発性硬化症のような特定の疾病を含む。実際には、男性の失禁は、単に老化プロセスまたは感情的苦痛のせいで引き起こされる可能性がある。女性の失禁は、脆弱化したおよび(または)伸張した骨盤筋肉によって引き起こされ、これは、出産、妊娠、心的外傷、術前処置、および、エストロゲン減少に関連付けられている。
【0004】
しかし、各々の失禁の事例はそれぞれに独特であり、および、2人の人間が同じ形で失禁によって影響されることはない。しかし、十分に認知されているタイプの失禁と、こうした失禁を治療する様々な方法とがある。ストレス性失禁が最も一般的なタイプの失禁であり、この場合には、くしゃみ、笑い、重量物の持ち上げのような誘発性事象の発生時に、または、患者が膀胱に圧力を加えるあらゆるタイプの運動に従事する時に、尿漏れが生じる。切迫性失禁が、患者が放尿することを望むがトイレに到達するまで自制できない時に生じる。別の失禁のタイプが、尿の量が患者の膀胱の容量を超える時に発生する溢流性尿失禁と、患者が放尿の必要性を認識しているが単純に物理的な障害物または衰弱のために十分に迅速にトイレに到達することが不可能である時に生じる機能性尿失禁とを含む。
【0005】
尿失禁を治療するために、幾つかの選択肢が利用可能である。より効果的なタイプの認知された治療が、バイオフィードバック、膀胱トレーニング、骨盤筋肉の訓練、および、患者の食事/飲物摂取の改善とのような行動的手法を含む。後者に関しては、カフェインおよびアルコールのような特定のタイプの物質の除去または削減が、失禁の軽減を促進することが可能であることが知られている。これに加えて、尿失禁を制御するのに役立つジシクロミン(Bentyl)、フラボキサート(Urispas)、硫酸ヒオシアミン(Anaspaz)、イミプラミン(Tofranil)、オキシブチニン(Ditropan)、トルテロジン(Detrol)、プロパンテリン(Pro−Banthine)、フェニルプロパノールアミン(Dexatrim)、および、プソイドエフェドリン(Sudafed)のような薬剤が使用可能である。
【0006】
これに加えて、手術が、男性および女性の尿失禁を治療するための選択肢である。これに関連して、American Medical Systems,Inc.(Minneapolis,Minnesota)によって製造されているIn−Vanceのような男性用の外科用インプラントが、ストレス性尿失禁の治療のために尿道に対する構造的支持を与える働きをする市販の外科用インプラントである。この点で、誘発性事象の最中に、外科用インプラントが、尿道に構造的支持を与えて膀胱内に尿が保持されることと尿道を通って尿が漏出しないこととを引き起こすように、構造的支持を尿道に与える働きをする。同様に、American Medical Systems,Inc.(Minneapolis,Minnesota)によって製造されているIn−Fast Ultraのような女性用の外科用インプラントが、ストレス性失禁の治療のために尿道に対する構造的支持を実現する働きをする市販の外科用インプラントである。
【0007】
しかし、失禁治療のためにスリングインプラントを使用することが様々な欠点を有することが公知である。下尿道スリングインプラントを所定位置に固定することが典型的には骨ねじの使用を必要とするが、この骨ねじは、配置することが困難でありかつ面倒であることが当業で公知であり、および、特に外科的移植後の最初の数週間の間は、患者の深刻な不快感を結果的に生じさせる可能性がある。
【0008】
これに加えて、下尿道スリングを移植することは、最適な引張りの度合いでこのスリングを所定位置に固定することが困難である場合が多い。実際には、失禁治療のための下尿道スリングの移植は、複雑で面倒であることが公知であり、および、最適とはいえない臨床結果を生じさせる可能性がある。さらに、スリングを所定位置に固定させるために使用される、骨アンカーに取り付けられる縫合糸、および/または、骨ねじに取り付けられる縫合糸が、破断することが頻繁にあることと、追加の骨アンカーまたは骨ねじが所定位置に固定させられなければならないこととが、こうしたインプラント処置を行う外科医において公知である。実際に、骨アンカーまたは骨ねじに取り付けられる縫合糸の各々は、典型的には、最適のスリング位置決めと尿道に対する構造的支持とが実現される前に、2回または3回にわたって再度引っ張られなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、所定位置に手術によって固定することが著しくより容易であり、かつ、このようにして効果的に尿失禁を治療するために最適な度合いの尿道支持をさらに実現することが可能である、下尿道スリングインプラントが当業において大いに必要とされている。これに加えて、構造が単純であり、外科的操作が容易であり、かつ、合成材料、天然組織、または、これらの組合せであろうとも、既知のインプラント材料を使用して比較的に低コストで製造可能である、インプラントが当業において必要とされている。さらに、閉鎖孔の中を通って延び、かつ、骨アンカーの使用なしに患者の骨盤の下行枝の位置にまたはこの付近に固定されたまま残留する固着部分の使用によって、所定位置に固着されたまま残留する、患者の球尿道(男性)または中尿道領域(女性)においてまたはこれに対して遠位において効果的に配置される下尿道スリング部分をインプラントが画定するように、所定位置に固定されることが可能であるこうしたインプラントが、当業において依然として必要とされている。後者に関しては、好ましくは恥骨下行枝を経由して閉鎖孔の中を通して恥骨に固着させられることが可能なこうした外科用インプラントの場合に、特に有利だろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特に、この技術における上述の欠点に対処してこれらの欠点を改善する。これに関して、本発明は、失禁を治療するための、効果的であり、および、従来技術のインプラントおよび移植方法よりも配置が著しく容易である、下尿道スリングインプラントとこのインプラントを配置する方法とに関する。このインプラントは、尿道支持部分と少なくとも1つの固着部分との組合せを備える。この支持部分は、球尿道(男性)または中尿道領域(女性)においてまたはこれに対して遠位において効果的に配置される。従来の下尿道スリングにしたがって、この支持部分は、誘発性事象の発生中にスリングが尿道からの尿漏れを防止するように尿道に圧縮的に係合する働きをするように、尿道に対して構造的な支持を与える働きをする。この支持部分は、少なくとも長さ2cm×幅1cmから長さ8cm×幅8cmまでである表面区域を有するだろう。これに関連して、本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0011】
固着部分は支持部分から延びる。この固着部分は、様々な形状構成であってよいが、患者の閉鎖孔の中を通って延びる働きをし、および、好ましくは下行枝の位置においてまたは下行枝の付近で所定位置に固定される。この取り付けを実現するために、固着部分が下行枝の周囲に固定されることと、球尿道(男性)または中尿道領域(女性)においてまたはこれに対して遠位において支持部分が効果的に位置させられたまま残留することとを確実なものにするために、1つまたは複数の縫合糸または他の適切な取り付け手段が使用できることが想定されている。好ましい実施態様では、このインプラントは、支持部分から延びる少なくとも2つの固着部分を有し、このそれぞれ固着部分の各々は閉鎖孔の中を通って延び、および、患者の下行枝のそれぞれ1つに付着可能である。この固着部分は、0.5cmから4cmまでの範囲内の幅と、少なくとも5.0cmから45.0cmまでの範囲内の長さとを有するだろう。これに関連して、本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれより著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されるべきである。必要に応じて、このインプラントの支持部分と固着部分の両方が、個別の患者の必要性に適合するようにインプラントのサイズ決定と形状構成とを最適化するために、必要に応じて外科的に形成されてもよい。
【0012】
本発明のインプラントの特定の実施態様では、このインプラントは、固着部分が互いに反対方向にその中央支持部分から延びる中央支持部分を有するインプラントの形状であってもよく、または、概ね「H」形、逆「U」字形、または、「X」字形を有するように形成されてもよい。このインプラントは、さらに、概ね長方形、正方形、または、台形の形状として実現されてもよく、および、さらに、縫合糸、サージカルタック(surgical tack)等の取り付けを可能にするための1つまたは複数の穴を備えてもよい。本発明のインプラントは、さらに、本出願人の共同所有されている出願中の2004年9月22日付で出願された標題「容易に移植可能なスリング(READILY IMPLANTABLE SLING)」の米国特許出願番号10/947,182の開示内容にしたがって、縫合糸がそのインプラントに事前に取り付けられように製造されてもよく、この出願の開示内容は明確に引例として組み入れられている。本発明のインプラントは、さらに、外科用メッシュ等のような合成材料と、動物や死体や患者自身のような供給源からの採取組織のような天然材料とを含む、当業で公知の外科的適合性がある材料のどれかから製造されてもよい。このインプラントは、さらに、このインプラントが、互いに異なるタイプの合成材料の組合せ、互いに異なるタイプの天然組織の組合せ、および/または、合成材料と天然組織の両方の組合せを非限定的に含む、材料の組合せから形成されるように、製造されてもよい。
【0013】
この実施様態とは無関係に、本発明のインプラントの移植を含むすべての処置において、こうした処置が、砕石位をとる患者に対して行われる。垂直な会陰切開部(男性)または膣切開部(女性)が、球尿道(男性)または尿道(女性)と下行枝の下側(inferior aspect)とを両側的に露出させるために正中線切開の形で形成される。男性または女性の失禁の治療のためにスリングを到達させて移植するために使用される従来の外科的処置よりも著しく容易でありかつ傷害性が低い仕方で、外科用導入器が、典型的には閉鎖孔の中を通して、インプラントを所定位置に送り込むために使用される。手術位置に到達すると、固着部分が閉鎖孔の中を通して所定位置に位置決めされて固着させられることが好ましいだろう。外科用縫合糸等が、インプラントの固着部分の固着を容易にするために配置されてもよい。特定の患者の場合に必要であるように、当業者に公知であるわずかな変更が、インプラントの支持部分の最適な取り付けと位置決めとを実現するために必ず加えられるだろう。しかし、すべての場合において、本発明の外科的処置とインプラントは、男性または女性の失禁の治療に関して、根本的により効率的であり、より効果的であり、かつ、より傷害性が低い外科的アプローチを実現する。
【0014】
本明細書に開示されている様々な実施形態のこれらの特徴および利点と他の特徴および利点は、以下の説明と、全体を通じて同じ番号が同じ部分を示す図面とに関連付けて、より適切に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、インプラントが、膀胱に対して整合しているかまたは遠位にある支持部分と、固着部分とを有し、および、固着部分は閉鎖孔の中を通って延びておりかつ各々の寛骨の枝の専用の1つの周囲に固定されている、所定位置に効果的に固定されている形で示されているスリングタイプのインプラントを伴う、骨盤と膀胱とこの膀胱から延びる尿道との正面斜視図である。
【図2】図2は、その枝の周囲に固定されているインプラントの固着部分のそれぞれ1つを示す、図1の骨盤とインプラントとの側面図である。
【図3】図3は、本発明によって構成されている男性または女性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性または女性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態によって構成されている男性の尿失禁の治療のためのインプラントの正面図である。
【図10】図10は、インプラントが、膀胱に対して整合しているかまたは遠位にある支持部分と、固着部分とを有し、および、固着部分は閉鎖孔の中を通って延びておりかつ各々の寛骨の枝の専用の1つの周囲に固定されている、所定位置に効果的に固定されている形で示されているスリングタイプのインプラントを伴う、骨盤と膀胱とこの膀胱から延びる尿道との正面図である。
【図11】図11は、その枝の周囲に固定されているインプラントの固着部分のそれぞれ1つを示す、図10の骨盤とインプラントとの側面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態によって構成されている尿失禁の治療のためのインプラントの部分正面図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態によって構成されている尿失禁の治療のためのインプラントの部分正面図である。
【図14】図14は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な導入器の写真の正面図である。
【図15】図15は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な導入器の写真の正面図である。
【図16】図16は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な導入器の写真の正面図である。
【図17】図17は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な導入器の写真の正面図である。
【図18】図18は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な導入器の写真の正面図である。
【図19】図19は、本発明によって想定されているインプラントと共に使用するための例示的な経膣式用具または経会陰式用具の図面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
さて図面を参照すると、最初に図1では、特に患者が誘発性事象を体験する時に尿道に下尿道支持を与えて尿漏れを防止する働きをする男性および女性の失禁の治療のためのインプラント10が示されている。この点では、インプラント10は、当業で公知である下尿道スリングとして作用する働きをするが、有利なことに、従来技術のスリングインプラントよりもより容易に所定位置に固定される働きをする。本発明のインプラントは、さらに、従来技術のスリングインプラントとこのスリングインプラントを外科的に移植する方法よりも著しく傷害性が低い形で、配置されることが可能であり、および、さらに、骨アンカーを使用することなしに極めて確実な仕方でスリング10の最適な下尿道配置を実現する新規性のある取り付け方法を使用することが可能である。
【0017】
最も広義において、本発明のインプラントは、尿道支持部分と少なくとも1つの固着部分との組合せを備える。この支持部分は、球尿道28(男性)または中尿道領域(女性)の位置にまたはこれに対して遠位に効果的に位置させられている。固着部分は、尿道に対する構造的支持を実現するために支持部分を所定位置に固定する働きをし、および、特に、誘発性事象の発生時に特にそうである。この目的を達成するために、固着部材は、一般的に、閉鎖孔の中を通って延びて患者の下行枝の少なくとも一方および好ましくは両方において固定される働きをする。より詳細に後述される本発明の好ましい実施形態では、固着部分は、患者の骨盤の1つの下行枝と効果的に相互連結可能だろう。有利なことに、下行枝に対する固着部分の位置決めは、骨ねじの使用なしに実現されるだろうが、この骨ねじは、配置が面倒であることが当業で公知であり、および、縫合糸等のための取り付け箇所として使用される。
【0018】
本発明のインプラントは、さらに、様々な実施形態をとるだろう。示されている実施形態の幾つかでは、このインプラントは、支持部分から延びる第1および第2の取り付け部分を含み、および、この取り付け部分の各々は、閉鎖孔の中を通して効果的に伸張可能であり、および、患者の下行枝のそれぞれに取り付け可能である。この取り付け部分は、支持部分から互いに反対方向に延びるか、または、支持部分から互いに対して概ね平行な関係で延びる働きをするだろう。幾つかの他の実施形態では、支持部分固着部分は、概ね長方形または台形の形状を有するように、連続セグメントとして形成されるかまたは他の形で形成されてもよい。さらに、特定の実施形態では、本発明のインプラントは、インプラントを所定位置に取り付けることを容易にするために、縫合糸の使用、または、他のタイプの外科的に移植可能な構造等を含むだろう。明確に述べると、こうした実施形態が、インプラントの取り付けと位置決めとを容易にするために、インプラントの特定の部分との組み合わされている構造の組合せに依存するだろうということが想定されている。
【0019】
本発明のインプラントの一般的なパラメータを定義するために、このインプラントの支持部分が幅1cm×長さ2cmから幅8cm×長さ8.0cmまでの範囲内の表面区域を画定するということが現時点で想定されている。固着部分に関しては、この固着部分は、幅0.5cm×長さ5.0cmによって画定された表面区域から幅4.0cm×長さ45.0cmによって画定された区域を画定することが好ましいだろう。後者の場合には、より詳細に後述される本発明の特定の実施形態では、インプラントを所定位置に取り付けて固定するための手段を画定するために、縫合糸が固着部分との作動的な組合せの形で使用されることがあり、または、特定の実施形態では、支持部分だけとの作動的な組合せの形で使用されることがあるということがさらに理解されるべきである。これに加えて、支持部分と固着部分との両方に関して本明細書で示されている具体的な寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のその能力を維持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0020】
本発明のインプラントの製造に関しては、このインプラントは、外科用メッシュ等のような合成材料、動物や死体供給源や患者自身からの採取組織のような天然組織、および/または、合成材料と天然材料との組合せから作られてよい。これに関連して、本発明のインプラントが、本出願人の共同所有されておりかつ同時係属中である米国特許出願番号10/684,861に開示されている方法にしたがって製造されることが可能であるということが想定されており、この特許出願の開示内容は本明細書に引例として明確に組み入れられている。これに関連して、さらに、本発明の特定の実施形態では、このインプラントが、本出願人の共同所有されている出願中の標題「容易に移植可能なスリング(READILY IMPLANTABLE SLING)」の米国特許出願番号10/947,182の開示内容にしたがって、そのインプラントに取り付けられているスリングまたは縫合糸を伴って事前に製造されてもよいということが想定されており、この出願の開示内容は同様に引例として組み入れられている。
【0021】
上述の原理に基づいて、本発明のインプラントの構造と属性と機能とに関して、詳細な説明を以下で行う。再び図1を参照すると、インプラント10は、その支持部分12が尿道上に効果的に位置させられるように配置されている。図示されているインプラント10は、それぞれに閉鎖孔18の中を通って延びておりかつ寛骨24、26の下行枝20、22の専用の下行枝の周囲に巻き付けられている第1および第2の支持部分14、16を含む。
【0022】
図2は、閉鎖孔18の中を通って延びておりかつ寛骨24の下行枝20に係合している、固着部分14のそれぞれ1つの間のこうした係合をより明瞭に示す。この点において、本発明のインプラント10は、一般的に、閉鎖孔の中を通って延びかつ患者の下行枝の少なくとも一方および好ましくは両方に固定されている固着機構によってインプラントを所定位置に取り付けることを含む原理に基づいて機能するが、しかし、この下行枝の位置が本発明の範囲を限定することでないことと、恥骨および坐骨の周辺部のあらゆる部分に対する取り付けが、本発明のインプラントが取り付けられてよい適切な区域であると見なされてもよいということが理解されるべきである。したがって、固着部分を下行枝または任意の他の構造に固着させることが、何らかの点で限定と見なされることがあってはならない。
【0023】
上述の原理を考慮して、および、残りの図3から図9を参照すると、本発明のインプラントの様々な実施形態が示されている。図3を参照すると、インプラント300は支持部分302によって画定されており、および、固着部分304、306はこの支持部分302から互いに反対方向に延びる。好ましい実施形態では、支持部分は約4cmの幅「A」と約6cmの長さ「B」とを有するだろう。固着部分304、306は、図示されているように、先細のセグメントを経由して支持部分302から延びるだろうし、および、約15cmの長さ「C」と約2cmの幅「D」とを有するだろう。上述したように、インプラント300は合成材料および/または天然材料から製造されてよい。しかし、本明細書で示されている特定の寸法が絶対的なものではなく、支持部分302と固着部分304、306の両方の長さと幅とにおける変更が当業者によって容易に行われることが可能であるということが理解されなければならない。これに関連して、本明細書で示されている特定の寸法が、上述したように、50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0024】
図3に示されているインプラント300を移植するための手順に関して、本出願人は、これを行うための最善の方法が患者が砕石位をとることを必要とするだろうと考える。両側的に下行枝の下側で球尿道を露出させるために正中線切開の形で垂直の会陰切開部が形成されるだろう。その次に、適切な導入器が、閉鎖孔の上部側を通して内側から外にまたは外側から中に通過させられる。固着部分304、306のそれぞれ1つに取り付けられている縫合糸が、その導入器の中を通して通される。その次に、この導入器が後退させられ、および、縫合糸が取り付けられている固着部分304、306の末端のそれぞれ1つが把持されるまで、その縫合糸が引っ張られる。その次に、支持部分302が球尿道複合体(bulbar urethral complex)の上に搬送され、および、その後に、第2の他のそれぞれの固着部分が閉鎖孔の中を通って延びることを可能にするために、第2の導入器が反対側において内側から外にまたは外側から中に通過させられる。この第2の導入器は、その次に、後退させられて、それぞれの他の固着部分に固定されている縫合糸が恥骨枝の周囲を延びる。このように位置決めされ終わると、インプラント300の支持部分302が最適の下尿道圧縮を実現するように、張力がインプラント300に伝えられる。その次に、固着部分304、306のそれぞれの末端が、好ましくは各々の恥骨枝の端縁における支持部分302に対する取り付けによって、固定される。これを実現するために、追加の張力ディスク(tensioning disc)(図示されていない)を伴うかまたは伴わない縫合糸が、こうした取り付けを実現するために固着部分304、306の中を通過させられる。
【0025】
次に図4を参照すると、男性の尿失禁の外科的治療に使用するためのさらに別の実施形態400が示されている。図示されているように、インプラント400は支持部分402を有し、および、「H」字形の形状を画定するように、第1および第2の固着部分404、406が互いに対して概ね平行な関係で支持部分402から垂れ下がり、かつ、追加の固着部分404a、404bが支持部分402から上方に突き出す。図示されているように、インプラント400が、支持部分402が約7cmの幅「F」と約5cmの高さ「G」とを有するように形成されていることが好ましい。固着部分404、406が約30cmの長さ「H」と1cmの幅「I」とを有することが好ましい。追加の固着部分404a、406aは約1.5cmの幅と約14cmの高さ「J」とを有し、および、それぞれに404、406の延長部分として形成されることが好ましいだろう。この場合も同様に、当業者によって適切に理解されることが可能であるように、こうした寸法が変更されることが可能である。明確に述べると、本明細書に示されている具体的な寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0026】
図示されている実施形態では、固着部分404、406は、後恥骨空間の中を通って後側から結合に延びる働きをするか、または、閉鎖孔経由の経路(transobturator route)を経て延びてもよい。固着部分404、406は、筋膜直筋(rectus fascia)の中を通って前側から結合に延びる働きをする。
【0027】
インプラント300に関して上述した最適の方法では、インプラント400を移植する外科的処置が、下行恥骨枝内で球尿道を両側的に露出させるために正中線切開の形に垂直の会陰切開部が形成されるように、砕石位をとる患者に対して行われることが好ましいだろう。球海綿体が無傷のまま残されるだろう。この後に、正中線の両側において側方に3cmの位置に、約1cmの上恥骨横断切開部が形成される。その次に、適切な導入器がこうした切開部から通されて、恥骨結合に対して表面的に前側にまたは恥骨後において通され、および、最初の会陰切開部を通して外に出される。上行性の固着部分404aまたは406aのそれぞれ1つが上恥骨導入器1700に取り付けられ、および、上恥骨切開部の中を通して引っ張られる。その次に、この同じ操作が他の上行性の固着部分404aまたは406aのそれぞれに関して繰り返される。あるいは、この代わりに、上行性の固着部分404aまたは406aが、これらを経会陰式導入器(transperineal introducer)1800(図18)に取り付けることと、この固着部分を恥骨結合に対して表面的に前側にまたは恥骨後において通すことと、上恥骨切開部の中を通してインプラントと共にこの固着部分を外に出すこととによって、会陰切開部の中を通して「押し上げ(lift up)」られてもよい。この形で経会陰式導入器1800を使用する手順は、さらに、上恥骨切開部を最初に形成することなしに行われることも可能である。言い換えると、経会陰式導入器1800自体が、固着部分が上恥骨的に移動させられている時に腹部区域内に開口する出口を形成するために使用されることが可能である。
【0028】
この後に、恥骨結合の約1cm上方にあることが好ましい2つの新たな切開部が形成される。その次に、この適切な導入器が上方から後恥骨的に通され、および、最初の会陰切開部の中を通して外に通される。その次に、下行性の固着部分404または406のそれぞれ一方がその導入器に取り付けられて、この新たに形成された切開部を通して引っ張り上げられる。この手順が、他方の下行性の固着部分404または406に関して繰り返され、この結果として、2組の固着部分、すなわち、下行性の固着部分404、406と上行性の固着部分404a、406aとが上恥骨領域内に形成される。その次に、上行性の固着部分404a、406aは、皮膚下において後恥骨の固着部分404、406の中に通され、および、その次に、上行性の部分404aが下行性部分404に外科的に連結され、かつ、上行性部分406aが下行性の固着部分406に外科的に連結されるだろう。この外科的な取り付けを実現するために、この取り付けが縫合糸の使用によって実現されてもよいということが想定されている。
【0029】
この手順のさらに別の改善策として、下行性の固着部分404、406の外科的な位置決めが、閉鎖孔の中を通して外側から中にまたは内側から外に通される適切な導入器の使用によって行われることが可能であることが想定されている。固着部分404、406のそれぞれ1つの最遠位の末端に取り付けられている縫合糸がその導入器に通される。この導入器が閉鎖孔の中を通して前進させられた後に、この導入器は下行性の固着部分404または406の末端に取り付けられている縫合糸によって引っ張られ、固着部分404または406の末端が把持可能になるまで引っ張られる。第2の適切な導入器が、反対側においてそれぞれの他の固着部分404または406の外科的な位置決めに関して使用される。固着部分404、406は、このように位置決めされると、経閉鎖孔式方法によって下行枝の周囲の上行性固着部分404a、406aに固定されることが可能であり、および、縫合糸によってそれ自体に固定されることが可能である。
【0030】
次に図5を参照すると、本発明の範囲内に含まれているインプラント500の別の実施形態が示されている。図示されているように、このインプラントは、支持部分502と、逆U字形を画定するように概ね互いに平行な関係で支持部分502から垂れ下がる第1および第2の支持部分504、506とを含む。この支持部分502は、さらに、専用の縫合糸512、514が中を通って延びる、この支持部分502上に形成されている第1および第2の穴508、510を含む。インプラント500は、支持部分502が約8cmの長さ「K」と約4cmの高さ「L」とを有するように形成されていることが好ましい。それぞれの固着部分504の各々が長さ約45cmの長さ「M」と長さ約1cmの幅「N」とを有することが好ましいだろう。この場合も同様に、このインプラントの寸法は、当業者に理解されるように、変更されることが可能である。明確に述べると、本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0031】
インプラント500の移植に関して、この場合も同様に、この移植は砕石位をとる患者に対して行われる。球尿道と下行枝とを両側的に露出させるために正中線切開の形で垂直の会陰切開部が形成され、および、球海綿体が無傷のまま残されるだろう。1cmの上恥骨横断切開部が、両側において正中線に対して3cm側方に形成される。その次に、適切な導入器がこの「突き刺し傷(stab wound)」から通されて、最初の会陰切開部の中を通って外に出る恥骨結合の表面的に前側に(後恥骨的ではなく)通される。縫合糸512または514のそれぞれ1つがこの導入器に取り付けられ、および、上部「突き刺し」開口部の中を通して引っ張られる。この同じ手順が、それぞれの他の縫合糸512または514に関してそれぞれの他の側で繰り返される。縫合糸512、514のそれぞれ1つが、上恥骨区域内において筋膜直筋(rectus fascia)に結びつけられる。
【0032】
その次に、適切な導入器が閉鎖孔の中を通して外側から中へまたは内側から外へ通される。一方の側で固着部分504または506のそれぞれ1つに取り付けられている縫合糸がこの導入器の中を通して通される。(どの部分が取り付けられているかに応じて)504、506の末端のそれぞれ1つが把持できるまで、この導入器が引っ込められ、および、縫合糸が引っ張られる。これと同じ手順が、第2の導入器が反対側において外側から中にまたは内側から外に通されるように、他の固着部分504または506に関して繰り返される。固着部分504または506の両方の自由末端が互いに重ねられて固定されるだろう。これに関連して、この固着部分504、506は、経閉鎖孔式方法によって下行枝の周囲に結びつけられ、および、このようにして縫合糸によってその固着部分自体に固定されるだろう。
【0033】
インプラント500に関して上述された実施形態と手順との変形例として、専用の縫合糸線512、514が固定されている穴508、510の使用とは反対に、インプラント500は、それぞれに508および510の位置において画鋲状のアンカー(図示されていない)を使用できることが想定されている。この実施形態は、さらに、8cmではなく7cmの幅「K」を有する支持部分502を含むことが好ましいだろう。本明細書で示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0034】
この実施形態を移植するために、患者は砕石位をとり、および、球尿道と下行枝とを両側的に露出させるために正中線切開の形で垂直の会陰切開部が形成され、および、球海綿体が無傷のまま残されるだろう。支持部分502は、穴508、510がそれぞれに恥骨結合の付近の下行枝の上側の両側において示されている、位置させられているこれらの画鋲によって取り付けられるだろう。
【0035】
その次に、適切な導入器が閉鎖孔の中を通して外側から中へまたは内側から外へ通される。固着部分504または506の1つのそれぞれの最遠位末端に取り付けられている縫合糸がその導入器の中を通される。その次に、その導入器が、固着部分504または506の末端の1つのそれぞれ1つの最遠位の末端が把持できるまで、この導入器が引っ込められ、および、縫合糸が引っ張られる。固着部分のそれぞれ1つのこの部分は、その枝の周囲に巻き付けられ、および、支持部分に結びつけられる。第2の導入器が外側から中にまたは内側から外に反対側の側において通され、および、このプロセスがそれぞれの他の固着部分504または506に関して繰り返される。その次に、支持部分502が下行枝の上側に鋲で留められる。その次に、固着部分504、506は経閉鎖孔式方法によって下行枝の周囲に結びつけられ、および、その次に、縫合糸取り付けによってそれ自体の上に固定される。
【0036】
次に図6を参照すると、さらに別のインプラント600が示されている。図示されているように、このインプラント600は、支持部分602と一体状に形成されておりかつ第1および第2の互いに反対側の末端を画定する固着部分604、606を有する中間の支持部分602を画定する概ね長方形のインプラントを備える。このインプラントによって、このインプラントは、約45cmの長さ「O」と約3cmの幅「P」とを有するように形成されることが好ましいだろう。本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0037】
この実施形態600を移植するために、患者が砕石位をとる間に、球尿道と下行枝の下側とを両側的に露出させるために正中線切開の形で垂直の会陰切開部が形成される。適切な導入器が、閉鎖孔の中を通過するように最初の会陰切開部内で指によって選択される3cmの鼠蹊部切開部の中を通して外側から中へまたは内側から外へ通される。導入器の先端に取り付けられておりかつ会陰切開部内を前進させられるそれぞれの末端604または606。この導入器は閉鎖孔の中を通して引っ込められ、および、それぞれの他の末端604または606が外側の鼠蹊部切開位置で把持されて皮膚レベルで切断される。反対側の末端604または606は球尿道複合体上を搬送される。第2の適切な導入器が反対側の別の3cmの鼠蹊部切開部の中を通して外側から中へまたは内側から外へ通され、および、このプロセスが繰り返される。インプラント600のそれぞれの末端604、606が、鼠蹊部切開部において皮膚のレベルで切断される。
【0038】
図7に示されている実施形態700のインプラントは、4cmの幅「Q」と3cmの高さ「R」とを有する概ね長方形の形状を有する。他の実施形態では、患者が砕石位をとっている最中に球尿道と下行枝の下側とを両側的に露出させるために正中線切開の形で垂直な会陰切開部を形成することによって、インプラントが所定位置に固定されることが好ましい。その次に、UR−6ニードル上に固定された縫合糸が、両側的に下行枝の骨膜の中に食い込むために使用される。図示されてはいないが、インプラント700を所定位置に固定するために、合計で8つの固定結び目を得るように、各々の側に全部で4つの縫合糸が存在するだろう。一方の側の下方の3つの縫合糸がインプラントの中を通され、このインプラントは球尿道複合体上に可能な限り高い位置に配置されている。この下方の3つの縫合糸は、スリングを安定化させるために緩く保持されており、および、その次に、恥骨結合に対する下行枝の接合部において各々の側に1つずつ、頂上の縫合糸が配置される。この頂上の縫合糸は可能な限り強く結びつけられる。その次に、状況に応じて、3つの下方の縫合糸が各々の側において結びつけられる。
【0039】
図8に示されている別の実施形態では、インプラント800が、約4cmの上部長さ「S」と、約6cmの下部長さ「T」と、約3cmの高さ「U」とを有する、概ね台形の形状である。本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。このインプラントは、球尿道と下行枝とを両側的に露出させるために正中線切開の形の垂直の会陰切開の最初の形成によって、球海綿体を無傷のまま残して、所定位置に固定される。インプラント800は、さらに、その上に形成された到達穴(access hole)804を有することが好ましく、および、その次に、球尿道複合体上に配置される。その次に、当業者に公知である様々な精密ドリル(fine drill)のような精密ドリルが、予め装着されている縫合糸を固定するために穴804の各々の中を通して前進させられる。穴804の専用の1つの中を通って延びる4つの縫合糸が、2つの結び目を各々の側で形成するようにインプラント802の側方の側面に沿って結びつけられる。その次に、支持部分802は、必要な度合いの下尿道支持(suburethral support)を実現する働きをするだろう。
【0040】
図9には、男性および女性の尿失禁の外科的処置に有用でありかつ本発明の範囲内に含まれているインプラント900のさらに別の実施形態が示されている。このインプラントは、尿道支持部分902に適切である、3cmの高さ「V」と4cmの幅という寸法を有することが好ましいだろう。各々の固着部分904、906が約20cmの長さ「X」と1cmの幅「Y」とを有することが好ましいだろう。これに関連して、本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であることが理解されなければならない。図3に示されている実施形態と同様に、この実施形態900は、尿道支持部分902から互いに反対方向に延びる2つの固着部分904、906を伴う、尿道支持部分902を含む。このインプラント900を所定位置に固定する本出願人が示唆する最良の方法に関して、この外科的処置は、砕石位をとる患者を含むだろうし、および、上述の他の実施形態にしたがって、球尿道と下行枝の下側とを両側的に露出させるために正中線切開の形で垂直の会陰切開部が形成されるだろう。その次に、適切な導入器が、閉鎖孔の上側の中を通して内側から外にまたは外側から中に通されるだろう。固着部分904または906のそれぞれの一方の末端部分がこの導入器の中を通して取り付けられる。当業者には理解されるように、この導入器は引っ込められ、および、それぞれの他の固着部分904または906のそれぞれの他方の末端部分が把持され、および、ラチェットクロージャ(ratchet closure)が行われる。支持部分902は球尿道複合体上を送られる。この後に、第2の適切な導入器が反対側で内側から外にまたは外側から中に通され、このプロセスがその他のそれぞれの固着部分904、906に関して繰り返される。その次に、スリングの末端が、ラチェットクロージャによって恥骨枝の端縁において尿道支持部分902の正方形部分に固定される。
【0041】
図10と図11は、本発明によって想定されている、女性患者の体内に配置されているインプラント1000の別の実施形態を示す。このインプラント1000は、その支持部分1002が尿道上に効果的に位置させられるように配置されている。図示されているこのインプラント1000は、閉鎖孔1008の中を通って延びておりかつそれぞれに寛骨1014、1016の下行枝1010、1012の専用の1つの周囲に巻き付けられている形で示されている第1および第2の固着部分1004、1006を含む。
【0042】
図12と図13は、本発明の別の実施形態を示す。図12は、支持部分1202と共に一体的に形成されている固着部分1204、1206を伴う中間の支持部分1202を画定しかつ第1および第2の互いに反対側の末端を画定する概ね長方形を有するインプラント1200の一実施形態を示す。このインプラント1200が、約45cmの長さA′と、そのインプラントの側方末端において0.6cmの大きさに先細になる約1.1cmの幅B′とを有することが好ましい。本明細書に示されている特定の寸法が50%までまたはこれよりも著しく大きく変化し、かつ、インプラントとしての使用のためのその能力を保持することが可能であるということが理解されなければならない。
【0043】
図13は、支持部分1302から互いに反対方向に延びる固着部分1304、1306を伴う支持部分1302によって画定されているインプラント1300を含む、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態は、約1.65cmの幅C′と約2cmの長さD′とを有する支持部分を含む。固着部分1304、1306は支持部分1302から先細部分(図示されている)を経て延びてよく、および、約20.25cmの長さE′と約1.1cmの幅F′とを有するだろう。しかし、当業者は、本明細書で示されている特定の寸法が変更され、かつ、依然として本発明の範囲と着想の範囲内に留まることが可能であるということを理解するだろう。
【0044】
インプラントの挿入が、本出願の譲受人によって市販されているインサイドアウト型経閉鎖孔式導入器、螺旋形経閉鎖孔式導入器、または、フック形経閉鎖孔式導入器を含む、様々なタイプの適切な導入器を用いて行われるだろう。図14は、本明細書で想定されている1対のインサイドアウト型経閉鎖孔式導入器1400の実施形態を示す。図15は、本明細書で想定されている1対の螺旋形経閉鎖孔式導入器1500の実施形態を示す。図16は、本明細書で想定されているフック形導入器1600の実施形態を示す。図17は、本明細書で想定されている上恥骨導入器1700の実施形態を示す。図18は、本明細書で想定されている経膣式(女性)/経会陰式(男性)導入器1800の実施形態を示す。当業者は、本発明で説明されているインプラントの移植を実現することが可能な他の類似の用具または方法が本明細書で想定されているということを理解するだろう。
【0045】
本発明は、女性患者の体内にインプラントを配置する方法を含む。インサイドアウト型経閉鎖孔式導入器を使用する好ましい一実施形態(図14)では、この方法は、最初に砕石位をとる患者において開始し、その次に、膀胱から液体を抜き取る。その次に、正中線の縦方向の切開部が患者の前側膣内に形成される。この後に、患者の一方の側において、尿道および側方骨盤側壁の下面と上面とを露出させるために切開が行われる。
【0046】
鋏による閉鎖孔膜の穿孔によって切開が続けられるだろう。しかし、約5cmの穿孔の後に閉鎖孔膜に到達しない場合には、この切開経路が再評価されるべきである。
【0047】
その次に、医師はインプラント1000を選択する。この実施形態では、縫合糸ループ(図示されていない)が、インプラントの固着部分1004、1006の各々に取り付けられている。1つの固着部分1004の縫合糸ループが、インサイドアウト型経閉鎖孔式導入器1400の先端にあるスロットに連結される。その次に、このインサイドアウト型経閉鎖孔式導入器1400は膣切開部の中を通して挿入され、および、坐骨恥骨枝の後面の周囲において閉鎖孔の中を通して案内される。この導入器1400は、さらに、この導入器1400の先端が膣切開部内に露出させられるまで、坐骨恥骨枝の前面の周囲を案内される。
【0048】
その次に、縫合線ループがインサイドアウト型経閉鎖孔式導入器1400のスロットから取り外され、および、導入器1400が体内から取り除かれる。その次に、インプラント1000は、そのインプラントの末端が膣切開部において露出させられるまで、導入器1400によって形成された経路の中を通して引っ張られる。その次に、医師が、インプラント1000の固着部分1004、1006の末端が患者の閉鎖孔の各々の中を通って延びて膣切開部において終端するまで、患者の他方の側に対して同じ手順を行う。
【0049】
次に、医師は適正な位置にインプラント1000を固定する。これに関して、このインプラントは、最初に、尿道に加えるべき所望の張力を示すために、インプラント1000と尿道との間に配置されている適切な器具(例えば尿道拡張器または湾曲鋏)によって中尿道的(mid−urethrally)に位置合わせされる。この張力を維持しながら、インプラント1000の各固着部分1004、1006の縫合糸ループが取り除かれ、および、固着部分1004、1006が、この手順を完了するために最も適している長さに切り詰められる。
【0050】
この手順を完了するために、固着部分1004、1006の各末端が、縫合糸によってインプラント1000の支持部分1002に連結され、および、このようにして坐骨恥骨枝の周囲にインプラント1000を固定する。あるいは、この代わりに、固着部分1004、1006の各末端が坐骨恥骨枝の前面に沿って固定されていないままにされてもよく、および、周囲の組織がこれらの固着部分1004、1006を坐骨恥骨枝の周囲において所定位置に固定する働きをする。最後に、その傷の中のあらゆる過剰な膣粘膜が切り詰められ、および、膣切開部が閉鎖される。必要に応じて、エストロゲンおよび/または抗生物質軟膏によって覆われた膣充填剤が、例えば12時間のような時間期間にわたってその傷の中に置かれてもよい。
【0051】
本発明による方法の第2の実施形態では、フック形経閉鎖孔式導入器(図16)または螺旋形経閉鎖孔式導入器(図15)が使用される。この実施形態では、正中線縦方向切開部が前側膣の中に最初に形成され、その次に、尿道および側方骨盤側壁の下面と上面とを露出させるために切開が行われる。ブラントフィンガー切開(blunt finger dissection)が、骨盤内筋膜に対して下方の現存平原(existing plain)を形成するために使用されてもよい。
【0052】
その次に、医師は、患者の太腿領域において、クリトリスの高さに内転筋長筋腱の基部を位置発見するために、閉鎖孔の内側縁を触診する。内転筋長筋腱の直下のかつその骨の外側のこの位置において、外科用メス(例えば、15外科用メス)を使用して小さな切開部が形成される。これと同じ小さな切開部が、患者の他方の側において対応する位置に形成される。その次に、医師は、螺旋形またはフック形の経閉鎖孔式導入器1500、1600を握って、(一方の側において)その導入器をその切開部の中を通して挿入し、および、螺旋形またはフック形の経閉鎖孔式導入器の先端が膣切開部の中に現れるまで坐骨恥骨枝の後面の周囲で導入器を案内する。
【0053】
その次に、インプラント1000が選択される。一実施形態では、インプラント1000の固着部分1004、1006の各々が、その固着部分に取り付けられている縫合糸ループ(図示されていない)を有するだろう。この縫合糸ループは導入器1500または1600の先端のスロットの中に挿入され、および、その次に、その導入器が、坐骨恥骨枝の後面の周囲におけるその以前の経路に沿って戻って患者の腹部上に形成された切開部に向かって戻るように案内される。
【0054】
その次に、医師は、例えばStewart Crypt Hook(図19)、上恥骨導入器1700、または、経膣式導入器1800のような湾曲用具(curved tool)を握り、その湾曲用具を膣切開部の中を通して挿入し、その湾曲用具を坐骨恥骨枝の前面に沿って太腿領域の切開部に向けて押し進める。その次に、そのユーザは、経閉鎖孔式導入器からの縫合糸ループを把持するためにその湾曲用具を使用する。その次に、その湾曲用具は、膣切開部に向けて引っ張り戻されて、インプラントの固着部分が膣切開部内で露出させられるまでその膣切開部に向けてインプラント1000の固着部分を引っ張る。その次に、縫合糸ループはその湾曲用具の先端から取り外され、および、経閉鎖孔式導入器(フック形1600または螺旋形1500)が人体から取り外される。その次に、同じ処置が、インプラント1000の固着部分1004、1006の両方が膣切開部内に露出させられるまで、患者の反対側に対して行われる。
【0055】
次に、医師はインプラント1000を適正な位置に固定する。この点において、インプラントは、最初に、尿道に加えるべき所望の張力を示すために、インプラント1000と尿道との間に配置されている適切な器具(例えば尿道拡張器または湾曲鋏)によって中尿道的(mid−urethrally)に位置合わせされる。この張力を維持しながら、インプラント1000の各固着部分1004、1006の縫合糸ループが取り除かれ、および、固着部分1004、1006が、この手順を完了するために最も適している長さに切り詰められる。
【0056】
この手順を完了するために、固着部分1004、1006の各末端が、縫合糸によってインプラント1000の支持部分1002に連結されてもよく、および、このようにして坐骨恥骨枝の周囲にインプラント1000を固定する。あるいは、この代わりに、固着部分1004、1006の各末端が坐骨恥骨枝の前面に沿って固定されていないままにされてもよく、および、周囲の組織がこれらの固着部分1004、1006を坐骨恥骨枝の周囲において所定位置に固定する働きをする。最後に、その傷の中のあらゆる過剰な膣粘膜が切り詰められ、および、膣切開部が閉鎖される。好ましくはSteri−stripまたはDermabondを使用して、腹部の切開部も閉鎖される。必要に応じて、エストロゲンおよび/または抗生物質軟膏によって覆われた膣充填剤が、例えば12時間のような時間期間にわたってその傷の中に置かれてもよい。
【0057】
処置前および処置後の応用例に関する追加の一般的な手順の諸側面が本明細書において想定されており、および、本出願人の共同所有されておりかつ同時係属中である米国特許出願番号10/684,861および同10/947,182にさらに詳細に説明されており、これらの特許出願は本明細書にその全体において組み入れられている。
【0058】
本発明を特定の実施形態と用途とに関して説明してきたが、当業者は、この開示内容を考慮して、特許請求されている本発明の着想から逸脱することなしに、または、特許請求されている本発明の範囲を超えることなしに、実施形態と変型とを生じさせることが可能である。したがって、本明細書の図面と説明は、本発明の理解を容易にするための具体例として示されているのであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならないということが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 インプラント
12 支持部分
14 第1支持部分
16 第2支持部分
304,306 固着部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿失禁を治療する方法であって、
患者の体内の尿道組織を露出させる尿道切開部を形成する段階と、
前記尿道切開部の中に細長いインプラントを挿入する段階と、
前記患者の坐骨恥骨枝の周囲において、かつ、前記尿道切開部に戻る形で、前記患者の閉鎖孔の中を通して前記インプラントの一方の末端を延ばす段階と、
前記患者の他方の閉鎖孔の前記坐骨恥骨枝の周囲において、かつ、前記尿道切開部に戻る形で、前記患者の前記他方の閉鎖孔の中を通して前記インプラントの反対側の末端を延ばす段階と、
前記尿道組織に対して前記インプラントの中央部分を位置決めする段階と、
前記坐骨恥骨枝の周囲に前記インプラントの前記末端を固定するために、前記インプラントの前記中央部分の付近に前記インプラントの前記末端を固定する段階
とを含む方法。
【請求項2】
前記インプラントの前記末端の前記固定は、前記インプラントの前記末端を前記インプラントの前記中央部分に取り付ける縫合を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インプラントの前記末端の前記固定は、前記坐骨恥骨枝の前面の付近の組織によって前記末端が保持されることを可能にすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記尿道切開部は会陰切開部である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記尿道切開部は膣切開部である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記インプラントの一方の末端を前記患者の閉鎖孔の中を通して延ばすことは、
前記一方の末端をインサイドアウト型経閉鎖孔式用具の先端に取り付けることと、
前記インサイドアウト型経閉鎖孔式用具を前記閉鎖孔の中を通して前記尿道切開部に向けて戻すように推し進めること
とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記尿道切開部内に前記インプラントを挿入する前に前記患者の前記閉鎖孔の上方に切開部を形成することと、
第1の用具を前記切開部の中に挿入することと、前記閉鎖孔の中を通して前記尿道切開部の中に前記第1の用具を推し進めること
とをさらに含み、および、
前記インプラントの一方の末端を前記患者の閉鎖孔の中を通して延ばすことは、
前記一方の末端を前記第1の用具の先端に取り付けることと、
前記閉鎖孔の中を通って前記切開部に向かって戻るように前記用具を引っ込めることと、
前記一方の末端を前記第1の用具から第2の用具へ移動させるために前記第2の用具を前記尿道切開部の中に挿入することと、
前記第2の用具を前記尿道切開部に引っ張り戻し、これによって前記インプラントの前記一方の末端を前記尿道切開部の中に引っ張り戻すこと
とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の用具の挿入は経閉鎖孔式螺旋形用具を挿入することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の用具の挿入は経閉鎖孔式ループ形用具を挿入することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の用具の挿入は湾曲用具を挿入することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記湾曲用具の挿入は、Stewart Crypt Hook、上恥骨導入器、経膣式導入器、および、経会陰式導入器から成るグループから選択される用具を挿入することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
細長いインプラントを挿入することは、中央支持部分と2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを挿入することを含み、および、前記固着部分は前記中央部分よりも幅が狭い請求項1に記載の方法。
【請求項13】
細長いインプラントを挿入することは、中央支持部分と、前記中央部分の各々の側に配置されている少なくとも2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを挿入することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
細長いインプラントを挿入することは、中央支持部分と、前記中央部分の一方の側に配置されている少なくとも2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを挿入することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
尿失禁を治療する方法であって、
患者体内で尿道組織を露出させることと、
インプラントの互いに反対側の末端を閉鎖孔の中を通して延ばすことと、前記互いに反対側の末端を前記患者のどちらかの側において坐骨恥骨枝の周囲に巻き付けることと、
前記インプラントの中央領域を前記患者の尿道組織に対して位置決めすることと、
前記インプラントの前記中央領域の付近に前記インプラントの前記互いに反対側の末端を固定すること
とを含む方法。
【請求項16】
前記互いに反対側の末端の固定は、前記インプラントの前記中央領域に前記互いに反対側の末端を縫合することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記互いに反対側の末端の固定は、自然の患者組織が前記インプラントの前記中央領域の付近で前記互いに反対側の末端を保持することを可能にすることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
尿道組織の露出は前記患者の体内に会陰切開部を形成することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
尿道組織の露出は前記患者の体内に膣切開部を形成することを含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記インプラントの伸長と巻き付けはインサイドアウト型経閉鎖孔式用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記インプラントの伸長と巻き付けは経閉鎖孔式螺旋形用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記インプラントの伸長と巻き付けは経閉鎖孔式フック形用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記インプラントの伸長と巻き付けは上恥骨用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記インプラントの伸長と巻き付けは経膣式用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記インプラントの伸長と巻き付けは経会陰式用具の使用を含む請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記インプラントの伸長と巻き付けは、中央支持部分と2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを伸長させることと巻き付けることとを含み、前記固着部分は前記中央部分よりも幅が狭い請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記インプラントの伸長と巻き付けは、中央支持部分と、前記中央支持部分の各々の側に配置されている少なくとも2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを伸長させることと巻き付けることとを含む請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記インプラントの伸長と巻き付けは、中央支持部分と、前記中央支持部分の一方の側に配置されている少なくとも2つの互いに反対側に位置した固着部分とを有するインプラントを伸長させることと巻き付けることとを含む請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−177521(P2011−177521A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−83123(P2011−83123)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2008−509235(P2008−509235)の分割
【原出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】