説明

失禁の治療

本発明は、尿失禁、好ましくは混合尿失禁又はストレス性尿失禁の治療のための5−HT2C受容体アゴニストの使用に関する。本発明はまた、残尿の治療のための5−HT2C受容体アンタゴニストの使用にも関する。本発明はさらに、失禁の治療方法、失禁の治療に有用な化合物をスクリーニングするためのアッセイ、及び尿失禁の治療用組成物の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、失禁、好ましくは混合失禁又はストレス性尿失禁の治療のための5−HT2C受容体アゴニストの使用に関する。本発明はまた、残尿又は排尿筋・括約筋・筋失調の治療のための5−HT2C受容体のアンタゴニストの使用に関する。
【0002】
本発明はまた、失禁の治療方法にも関する。
本発明はまた、失禁の治療に有用な化合物をスクリーニングするためのアッセイにも関する。
【0003】
序論
尿失禁は、尿の、何らかの無意識漏洩の病気である。尿失禁は一般的な状態であり、しばしば、きまり悪い思いをさせ、このきまり悪い思いが社会的孤独、うつ病、クオリティ・オブ・ライフの低下をもたらす可能性があり、尿失禁は高齢者人口における施設収容の主要な原因になる。
【0004】
混合失禁及びストレス性尿失禁(SUI)の効果的な薬理学的治療の医学的必要性は高い。この高い医学的必要性は、高い患者数に加えて、効果的な薬理学的療法が存在しないことの結果である。最近の概算によると、アメリカ合衆国においてSUIに苦しむ人々の数は1800万人であり、女性が主に罹患している。
【0005】
特に、腹圧の突然の上昇(例えば、咳、くしゃみ、笑い)中に自制を維持する「保護反射(guarding reflex)」の開始中に、例えば外尿道括約筋(EUS)緊張のような、尿道括約筋機構の制御に関与する、重要な神経解剖学的領域を、棘上部位及び棘部位が含有することは、ますます認識されている。
【0006】
さらに、神経伝達物質セロトニン(5−HT)が、排尿及び自制に関与する機構に重要な役割を有する。
セロトニンの受容体は、Gタンパク質共役型受容体の重要なクラスである。セロトニンは、学習と記憶、睡眠、体温調節、気分、自発運動量、痛覚、性的及び攻撃的な行動、食欲、神経変性調節、及び生体リズムに関連するプロセスに役割を果たすと思われる。セロトニン受容体は、現在、7つのサブファミリー(5−HT1から5−HT7まで;Hoyer,D.et al.(1994)Pharmacol.Rev.46,157-203)に分類されている;該サブファミリーの幾つかはさらに、亜型に分類される。例えば、5−HT2サブファミリーは、現在、3つの亜型、5−HT2A、5−HT2B及び5−HT2Cに分類されている。3つの5−HT2亜型の全てが、2つの第2メッセンジャー、ジアシルグリセロール(プロテインキナーゼCを活性化する)及びイノシトール・トリスリン酸(Ca2+の細胞内蓄えを放出する)を発生させて、ホスホリパーゼCに結合する。
【0007】
5−HT2C受容体は、最初、ラットからクローン化された(その後、5−HT2Cと名づけられた:Julius,D.et al.(1988) Science 241,558-564);ヒト5−HT2C受容体は、Saltzman,A.G.et al.((1991)Biochem.Biophys.Res.Commun.181,1469-1478)によってクローン化され、配列はSwissProt Accession number P28335に見い出すことができる。
【0008】
幾つかのセロトニン受容体、例えば、5−HT1A受容体(WO 97/31637)、5−HT3受容体(EP 467365)、5−HT7受容体(WO 00/69437)又は5−HT1F受容体(US 2003004207)が、失禁のための治療ターゲットとして提案されている。実際に、5−HT2C受容体におけるアゴニスト活性を有する化合物が、異常な膀胱活性に関連した状態の治療に有効でありうることを示す証拠が存在する。特に、麻酔したラットにおける量誘導(volume induced)律動的膀胱収縮に対する5−HT受容体アゴニストを評価するラット・モデルにおいて、5−HT2Cアゴニスト活性を有する化合物がこのような反射的誘発膀胱収縮をなくすことが示されたが、有意識動物では、これらのアゴニストは排尿頻度に如何なる効果も有さないと結論された(Steers W.D.et al.(1989) Am.J.Physiol.257,R1441-R1449; Steers W.D.et al.(1992) Drug Dev.Res.27, 361-375; Guamenri L.et al.(1996) Neurourol.Urodynam.15,316-317)。興味深いことには、麻酔したラットにおける正常な膀胱充填中の5−HT2Cアゴニストの効果をも観察した、該研究の1つでは、著者らは、このようなアゴニストが正常な排尿パラメータに如何なる影響をも及ぼさないことを結論している(Steers W.D.et al.(1992) Drug Dev.Res.27, 361-375)。さらに最近では、5−HT2C亜型(Leysen,D.C.M(1999) Idrugs 2,109-120)を含めた、5−HT2受容体におけるアゴニストであると後で判明した化合物、1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org・12962)が、マウスに皮下投与した後に尿ウェットスポット・サイズを減ずることが示されているが、これは、試験した最高投与量においてのみ有意であった(WO98/33504)。このような発見は、実際の排尿量の減少を示唆し、それ故、上記で示した効果と同様な膀胱収縮の低下における効果を示唆すると考えられる。意外にも、5−HT2C受容体アゴニストが、尿道に対する効果のために、失禁、特にストレス性尿失禁及び混合尿失禁の治療に有用であることが、今回発見された。
【0009】
発明の態様
本発明の発展性のある発見は、5−HT2C受容体アゴニストによって、失禁、特に混合失禁及びストレス性尿失禁を治療することができることである。
【0010】
それ故、本発明は、失禁、好ましくは尿失禁、さらにより好ましくは混合失禁及びストレス性尿失禁の治療に用いるための5−HT2C受容体アゴニスト(該アゴニストが1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org・12962)でないという条件で)に関する。本発明はまた、失禁治療用薬剤の製造のための5−HT2C受容体アゴニスト(該アゴニストが1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org・12962)でないという条件で)の使用にも関する。本発明はまた、5−HT2C受容体アゴニスト(該アゴニストが1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org・12962)でないという条件で)による失禁の治療方法にも関する。それ故、本発明の1態様は、失禁の治療を必要とする患者に5−HT2C受容体アゴニスト(該アゴニストが1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org・12962)でないという条件で)の有効量を投与することを含む、失禁の治療方法である。「失禁」なる用語は、尿の何らかの無意識漏出を付随する、如何なる障害をも包含する。失禁の種々な形式の例は、労作若しくは激しい活動時、又はくしゃみ若しくは咳をした時の尿の無意識漏出の病訴であるストレス性尿失禁;及び切迫及びさらに激しい活動、労作、くしゃみ若しくは咳にも関連した無意識漏出の病訴である混合(尿)失禁であり、この場合、切迫は、延期し難い、突然の、抵抗できない排尿欲求を意味する。「失禁を治療する(treating incontinence)」なる用語は、失禁、例えばうつ病、社会的孤独及び施設収容のような、失禁に由来する厄介な問題の一時的、治癒的及び予防的治療を包含する。
【0011】
本発明の他の態様は、5−HT2C受容体アンタゴニストが尿道緊張を低下させるので、残尿(urine retention)又は排尿筋・括約筋・筋失調の治療のための5−HT2C受容体アンタゴニストの使用である。残尿に苦しむ患者は、例えば、良性前立腺肥大(BPH)を有する男性、又は脊髄損傷を有する人々を包含する。本発明のさらに他の態様は、5−HT2Cアンタゴニストを用いる、残尿の治療方法である。
【0012】
5−HT2C受容体アゴニストは、5−HT2C受容体活性化を測定する機能アッセイにおいて、好ましくは1μM未満のEC50、より好ましくは100nM未満のEC50、さらに好ましくは10nM未満のEC50、さらにより好ましくは1nM未満のEC50を有する。EC50は、例えばFluo−3若しくはFluo−4のような蛍光染料を用いて(例えば、本明細書の実施例3参照)、アゴニスト刺激時の細胞内カルシウムの上昇を測定する、機能アッセイで測定することができる。
【0013】
5−HT2C受容体アゴニストは、好ましくは他の5−HT受容体に比べて少なくとも10倍選択性であり、より好ましくは他の5−HT受容体に比べて少なくとも100倍選択性である。5−HT2C受容体アゴニストは、好ましくはアドレナリン作動性受容体に比べて少なくとも10倍選択性であり、より好ましくはアドレナリン作動性受容体に比べて少なくとも100倍選択性である。より好ましくは、5−HT2C受容体アゴニストは、他の5−HT受容体に比べて少なくとも10倍選択性及びアドレナリン作動性受容体に比べて少なくとも10倍選択性であり、最も好ましくは、5−HT2C受容体アゴニストは、他の5−HT受容体に比べて少なくとも100倍選択性及びアドレナリン作動性受容体に比べて少なくとも100倍選択性である。
【0014】
本発明の1実施態様は、失禁治療用の薬剤の製造におけるm−CPPの使用である。本発明に用いるために適当な5−HT2C受容体アゴニストはさらに、m−CPPの製薬的に受容される塩(m−クロロフェニルピペラジン−Sigma Aldrich Product number C-5554から入手可能);PNU−22394A、ノルデクスフェンフルラミン、MK−212(Tocris,Cat No.0941)、WAY−161503(Tocris,Cat No.1801)、YM−348、又はこれらの製薬的に受容される塩を包含する。
【0015】
本発明に用いるための、好ましい、適当な5−HT2C受容体アゴニストは、下記化合物を包含する:
[RS]−1−(7−メチルチオ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12510中の実施例11)、
1−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12510)、
1−(6,7−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12510)、
1−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12510)、
1−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]インドル−9−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12510)、
(S)−2−(6−エトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−3a−アザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO02/051844)、
(S)−2−[6−(2−メトキシ−エトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−3a−アザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル]−1−メチル−エチルアミン(WO02/051844)、
(S)−2−(6−シクロプロポキシ−2,3−ジヒドロ−1H−3a−アザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO02/051844)、
(S)−2−[8−(2−アミノ−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1H−3a−アザ−シクロペンタ[a]インデン−6−イルオキシ]−1−エタノール(WO02/051844)、
(S)−2−[6−(3−メトキシ−プロポキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−3a−アザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル]−1−メチル−エチルアミン(WO02/051844)、
(R,S)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,6−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
(R,S)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,4−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
(S)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,5−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
(R)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,5−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
(S)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,6−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
(R)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,6−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
2−(2,3−ジヒドロ−1H−3a,6−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−8−イル)−1−メチル−エチルアミン(WO01/66548)、
1−(5−クロロインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
1−(5−クロロ−メチルインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
1−(5−クロロ−イソプロピルインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
1−(5−メトキシインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
1−(5−メトキシ−1−メチルインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
1−(5−ブロモインダゾル−3−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12482)、
[8−(2,4−ジクロロフェニル)−2,3,5−テトラヒドロ[1,4]オキサジノ−[2,3,4−hi]インドル−6−イル]メタンアミン(WO03/024976)、
1−(1H−ピロロ[2,3−f]キノリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12502)、
1−(1H−ピロロ[3,2−h]イソキノリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12502)、
1−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−f]キノリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12502)、
1−(1H−ピロロ[2,3−f]イソキノリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12502)、
(S)−1−(7,8−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(8−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(7−フルオロ−6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(7−フルオロ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(8−クロロ−7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(S)−1−(1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
(R)−1−(1,2,3,4−テトラヒドロシクロペント[b]インドル−4−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12603)、
1−(6−メチルチオインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/17170)、
1−(6−フェニルチオインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/17170)、
1−(6−メトキシ−3−メチルインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
1−(5,6−ジフルオロ−3−メチルインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
1−(6−クロロ−5−フルオロ−3−メチルインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
1−(3−エチル−6−トリフルオロメチルインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
1−(6−ブロモ−3−エチルインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
1−(3−エチル−6−メチルチオインダゾル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12481)、
2−(1H−フロ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
2−(7−ブロモ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
2−(7−ヨード−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
2−(7−メトキシ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
(S)−2−(1H−フロ[2,3−g]インダゾル−1−イル)−1−メチルエチルアミン(WO98/56768)、
2−(7−メチル−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
(S)−2−(7−メトキシ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)−1−メチルエチルアミン(WO98/56768)、
(S)−1−メチル−2−(7−メチル−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
2−(7−エチル−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)エチルアミン(WO98/56768)、
(S)−2−(7−エチル−1H−チエノ[2,3−g]インダゾル−1−イル)−1−メチルエチルアミン(WO98/56768)、
1−(6−クロロ−5−フルオロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5,6−ジフルオロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−ブロモ−5−フルオロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−ブロモインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−クロロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロ−6−トリフルオロメチルインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロ−6−メチルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロ−6−ヨードインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロ−6−エチルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロ−6−メチルインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−メチルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−エチルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−トリフルオロメチルインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−メトキシインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−プロピルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−イソプロピルチオインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
2−(6−クロロインドリン−1−イル)−1−エチルアミン(WO00/12475)、
2−(6−ブロモインドリン−1−イル)−1−エチルアミン(WO00/12475)、
1−(5−クロロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(5−フルオロインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
1−(6−メチルインドリン−1−イル)−2−プロピルアミン(WO00/12475)、
(S)−1−[1−(1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロシクロペント[g]インドリル)]−2−プロピルアミン(WO01/12602)、
(S)−1−(2,3,7,8−テトラヒドロフロ[2,3−g]インドル−1−イル)−2−プロピルアミン(WO01/12602)、
(R)−6−チエニル−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−4,6−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−7−クロロ−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−4−メチル−6−トリフルオロメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−6−エチル−8−フルオロ−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−8−フルオロ−4,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−6−フルオロ−4,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール−6−カルボニトリル(WO02/072584)、
(R)−4,6,10−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール(WO02/072584)、
(R)−8,9−ジクロロ−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]キノキサリン−5(6H)−オン(WO00/35922)、
8,9−ジクロロ−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]キノキサリン(WO00/35922)、
8−(2,4−ジクロロフェニル)−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]−インドール(WO03/014118)、
6−ブロモ−8−(2,4−ジクロロフェニル)−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]−インドール(WO03/014118)、
2−フェニル−5,6,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ−4−オキサ−3,6a,9−トリアザフルオランテン(WO03/033497)、
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,6,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ−4−オキサ−3,6a,9−トリアザ−フルオランテン(WO03/033497)、
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5,6,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ−4−オキサ−3,6a,9−トリアザ−フルオランテン(WO03/033497)、
2−フェニル−6,7,7b,8,9,10,11,11a−オクタヒドロ−5H−4−チア−3,7a,10−トリアザシクロヘプタ[jk]フルオレン(WO03/033497)、
2−(2,4−ジクロロフェニル)−6,7,7b,8,9,10,11,11a−オクタヒドロ−5H−4−チア−3,7a,10−トリアザシクロヘプタ[jk]フルオレン(WO03/033497)、
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−6,7,7b,8,9,10,11,11a−オクタヒドロ−5H−4−チア−3,7a,10−トリアザシクロヘプタ[jk]フルオレン(WO03/033497)、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−10a−メチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ[1,4]オキサジノ[2,3,4−hi]ピリド[4,3−b]インドール(WO03/014125)、
5−(2,6−ジフルオロフェニル)−10a−メチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ[1,4]オキサジノ[2,3,4−hi]ピリド[4,3−b]インドール(WO03/014125)、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−10a−エチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ[1,4]オキサジノ[2,3,4−hi]ピリド[4,3−b]インドール(WO03/014125)、
5−(2,6−ジフルオロフェニル)−10a−エチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロ[1,4]オキサジノ[2,3,4−hi]ピリド[4,3−b]インドール(WO03/014125)、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−10a−メチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロピリド[4,3−b][1,4]チアジノ[2,3,4−hi]インドール(WO03/014125)、
5−(2,6−ジフルオロフェニル)−10a−メチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロピリド[4,3−b][1,4]チアジノ[2,3,4−hi]インドール(WO03/014125)、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−10a−エチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロピリド[4,3−b][1,4]チアジノ[2,3,4−hi]インドール(WO03/014125)、
5−(2,6−ジフルオロフェニル)−10a−エチル−1,2,6b,7,8,9,10,10a−オクタヒドロピリド[4,3−b][1,4]チアジノ[2,3,4−hi]インドール(WO03/014125)、
tert−ブチル−6b−メチル−1,2,6b,9,10,10a−ヘキサヒドロ[1,4]オキサジノ[2,3,4−hi]ピリド[4,3−b]インドール−8(7H)−カルボキシレート(WO03/014125)、
S−4−[(2−プロピルアミノ)カルボニル]オキシベンジルピペラジン−1−チオカルボキシレート(WO0248124)、
S−4−[(ベンジルアミノ)カルボニル]オキシベンジルピペラジン−1−チオカルボキシレート(WO0248124)、
S−4−[(tert−ブチルアミノ)カルボニル]オキシベンジルピペラジン−1−チオカルボキシレート(WO0248124)、
2,6−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシベンジル−シス−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
(R)−4−ジフルオロメトキシベンジル−2−エチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
(R)−2,6−ジフルオロ−4−プロポキシベンジル−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
シス−2,6−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸4−(3,5−ジメチル−イソオキサゾル−4−イルメトキシ)−2,6−ジフルオロ−ベンジルエステル(WO0248124)、
2−フルオロ−5−(2−プロペニル)オキシベンジル−シス−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
(R)−2−フルオロ−5−ペンチルオキシベンジル−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
5−(シクロプロピルメチル)オキシ−2−フルオロベンジル−シス−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−4−シクロプロピルメトキシ−2,6−ジフルオロ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−2,6−ジフルオロ−4−プロポキシ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−4−アリルオキシ−2,6−ジフルオロ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−2,6−ジフルオロ−4−プロパ−2−イニルオキシ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−4−シクロプロピルメトキシ−2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−2−クロロ−6−フルオロ−4−プロポキシ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−4−アリルオキシ−2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルエステル(WO0248124)、
(R)−2−エチル−ピペラジン−1−カルボン酸−2−クロロ−6−フルオロ−4−プロパ−2−イニルオキシ−ベンジルエステル(WO0248124)、
N,N−ジメチル−(2−(3−[2−(2−(R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ピペラジニル−3’−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イルオキシ)−エチル−アミン(WO04/000830)、
N,N−ジイソプロピル−(2−(3−[2−(2−(R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ピペラジニル−3’−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イルオキシ)−エチル−アミン(WO04/000830)、
N,N−ジメチル−2−[(3−{2−[(3−ピペラジン−1−イルピラジン−2−イル)オキシ]エトキシ}ピリジン−2−イル)オキシエタンアミン(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−(2−{[2−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)ピリジン−3−イル]オキシ}エトキシ)ピラジン(WO04/000830)、
N,N−ジメチル−4−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)ブタン−1−アミン(WO04/000830)、
N−メチル−N−[2−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)エチル]プロパン−2−アミン(WO04/000830)、
N,N−ジメチル−3−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン(WO04/000830)、
N,N,2−トリメチル−1−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)プロパン−1−アミン(WO04/000830)、
[2−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)エチル]アミン(WO04/000830)、
N−メチル−2−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)エタンアミン(WO04/000830)、
2−{2−[{2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]ピリジン−3−イル}オキシ]エトキシ}−3−[(2R)−2,4−ジメチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
2−[2−(2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェノキシ)エトキシ]−3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
{2−[2({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)エトキシ]エチル}アミン(WO04/000830)、
[6−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)ヘキシル]アミン(WO04/000830)、
[5−({3−[2−({3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)ペンチル]アミン(WO04/000830)、
5−({3−[2−({3−[(2R)−2,4−ジメチルピペラジン−1−イル]ピラジン−2−イル}オキシ)エトキシ]ピリジン−2−イル}オキシ)−N,N−ジメチルペンタン−1−アミン(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−(2−{[2−(2−ピペラジン−1−イルエトキシ)ピリジン−3−イル]オキシ}エトキシ)ピペラジン(WO04/000830)、
2−{2−[(2−{[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]メチル}ピリジン−3−イル)オキシ]エトキシ}−3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
2−{2−[{2−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ピリジン−3−イル}オキシ]エトキシ}−3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
2−{2−[{2−[(1Z)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−エニル]ピリジン−3−イル}オキシ]エトキシ}−3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
2−{2−[{2−[(1E)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−1−エニル]ピリジン−3−イル}オキシ]エトキシ}−3−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]ピラジン(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−[2−(2−{2−[(1−メチルピペリジン−4−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}オキシ)エトキシ]ピラジン,トリフルオロアセテート(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−[2−(2−{2−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エトキシ]ピリジン−3−イル}オキシ)エトキシ]ピラジン,トリフルオロアセテート(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−[2−{[2−(ピペリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−3−イル]オキシ}エトキシ]ピラジン,トリフルオロアセテート(WO04/000830)、
2−[(2R)−2−メチルピペラジン−1−イル]−3−{2−[(2−{[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ}ピリジン−3−イル)オキシ]エトキシ}ピラジン,トリフルオロアセテート(WO04/000830)、
4−(ベンジルオキシ)−2−(1−ピペラジニル)ピリミジン(US2004/014767)、
4−[(2−メトキシベンジル)オキシ]−2−(1−ピペラジニル)ピリミジン(US2004/014767)、又は
2−{[3−(ベンジルオキシ)ベンジル]オキシ}−4−(1−ピペラジニル)ピリミジン(US2004/014767)。
【0016】
本発明に用いるための好ましい、適当な5−HT2C受容体アゴニストはまた、特許出願WO03/000663に含まれる化合物(好ましくは、WO03/000663に例示される化合物)を包含する。これらは、式(IA):
【0017】
【化1】

【0018】
で示される化合物を包含する、上記式中、
XとYはCRであり、ZはNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1d及びR1eの少なくとも1つは、独立的に、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、−C(O)NH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、及びハロ置換(C−C)アルコキシから成る群から独立的に選択されるか、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
1cは水素である;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルケニル、又はアミノ保護基である。
【0019】
式(IA)で示される、好ましい化合物は、式(IA)において、XとYがCRであり、ZがNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、Rは水素、クロロ、フルオロ又はメチルである;(i)R1aはハロゲン、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、メトキシ若しくはトリフルオロメトキシであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン、メチル若しくはメトキシであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1aとR1bは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1dとR1eはそれぞれ水素である、(iv)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、(v)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である、(vi)R1aとR1eは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1dはそれぞれ水素である、又は(vii)R1a、R1b及びR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1eは水素である;Wはオキシ又はアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素又は(C−C)アルキル(好ましくは(2R)−メチル若しくは(2R)−エチル)である;及びRは水素又は(C−C)アルキルである化合物である。
【0020】
ZがNである場合に、Xは好ましくはCHであり;YはCRである、この場合、Rは各出現に関して水素又はメチルである;(i)R1aはハロゲン、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、メトキシ若しくはトリフルオロメトキシであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン、メチル若しくはメトキシであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1aとR1bは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1dとR1eはそれぞれ水素である、(iv)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、(v)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である、(vi)R1aとR1eは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1dはそれぞれ水素である、又は(vii)R1a、R1b及びR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1eは水素である;Wはオキシ又はアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aは水素、(2R)−メチル若しくは(2R)−エチルであり;R3bは水素である;及びRは水素又は(C−C)アルキルである。
【0021】
XがNである場合に、Yは好ましくはCRである、この場合、Rは水素又はメチルである;ZはCHである;(i)R1aはハロゲン、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、メトキシ若しくはトリフルオロメトキシであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン、メチル若しくはメトキシであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、又は(iv)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である;Wはアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aは水素、(2R)−メチル若しくは(2R)−エチルであり;R3bは水素である;及びRは水素又は(C−C)アルキルである。
【0022】
式(IA)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物である:
2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
(3−クロロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
(3−クロロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
2−[1−(3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(2−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,3−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は
4−ピペラジン−1−イル−2−(2,3,5−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン。
【0023】
好ましい塩は、2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン塩酸塩;(3−クロロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン塩酸塩;(3−クロロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン塩酸塩;(3−フルオロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン塩酸塩;(3−フルオロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミンフマル酸塩;2−(2,3−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;2−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩;又は2−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン塩酸塩を包含する。
【0024】
式(IA)で示される、より好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
(3−クロロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−クロロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
2−(2,3−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は
4−ピペラジン−1−イル−2−(2,3,5−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン。
【0025】
本発明に用いるためのさらに他の5−HT2C受容体アゴニストは、WO03/000663にも提供されている、式(IC)で示される化合物である:
【0026】
【化2】

【0027】
上記式中、
XとYはCRであり、ZはNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
Qは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フラン−3−イル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、チアゾル−2−イル、ピロル−2−イル、ピロル−3−イル、ピラゾル−3−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、イソベンゾフラン−3−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−3−イル、インドル−2−イル、インドル−3−イル、2H−イミダゾル−2−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,2,4−トリアゾル−3−イル、及び1,2,4−オキサチアゾル−3−イルから成る群から選択されるヘテロアリール基であり、該ヘテロアリール基は場合によっては、ハロ、(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシから独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換される;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、又は部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルである;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルケニル、又はアミノ保護基である。
【0028】
式(IC)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、4−ピペラジン−1−イル−2−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ピリミジン、2−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は2−(6−クロロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジンを包含する。
【0029】
式(IC)で示される、より好ましい化合物の非限定的例は、2−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は2−(6−クロロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジンを包含する。
【0030】
WO03/000663に記載されている化合物の一部は、少なくとも1つのキラル中心を含有する;したがって、当業者は、これらの化合物の、全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー及びジアステレオマー)を本発明の範囲内で用いることができることを理解するであろう。さらに、該化合物の互変異性形も本発明の範囲内で用いることができる。
【0031】
本発明に用いるための、さらに他の適当な5−HT2C受容体アゴニストは、WO03/000663に提供されている、式(IB)で示される化合物である:
【0032】
【化3】

【0033】
上記式中、
XとYはCRであり、ZはNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ置換(C−C)アルコキシ、−C(O)NHであるか、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【0034】
式(IB)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:
2−ベンジルオキシ−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−ベンジルオキシ−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
4−ベンジルオキシ−2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
ベンジル−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
ベンジル−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
2−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
(3−クロロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
(3−クロロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
2−[1−(3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−フルオロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(2−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−[1−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,3−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は
4−ピペラジン−1−イル−2−(2,3,5−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン。
【0035】
より好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:
2−ベンジルオキシ−4−メチル−6−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
ベンジル−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
ベンジル−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
4−ベンジルオキシ−2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−ベンジルオキシ−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
(3−クロロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−クロロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(3−フルオロ−ベンジル)−(2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−アミン、
2−(2,3−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、
2−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−(2(R)−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン、
2−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン、又は
4−ピペラジン−1−イル−2−(2,3,5−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピリミジン。
【0036】
本発明に用いるための適当な5−HT2C受容体アゴニストはまた、特許出願WO03/000666に含まれる化合物(好ましくは、WO03/000666に例示されている化合物)を包含する。
【0037】
これらは、式(IIA):
【0038】
【化4】

【0039】
で示される化合物を包含する、上記式中、
Yは窒素であり;XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1d及びR1eの少なくとも1つは、独立的に、ハロゲン、ニトロ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、シアノ、−C(O)NH、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、及びハロ置換(C−C)アルコキシから成る群から選択される、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
1cは水素である;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルケニル又はアミノ保護基である。
【0040】
式(IIA)で示される、好ましい化合物は、Yが窒素であり;XとZが、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、Rは水素、クロロ、フルオロ又はメチルである;(i)R1aはハロゲン、(C−C)アルキル、トリフルオロメチル、メトキシ、又はトリフルオロメトキシであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン、メチル若しくはメトキシであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1aとR1bは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1dとR1eはそれぞれ水素である、(iv)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、(v)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である、(vi)R1aとR1eは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1dはそれぞれ水素である、又は(vii)R1a、R1b及びR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1eは水素である;
Wはオキシ又はアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素又は(C−C)アルキル(好ましくは、(2R)−メチル又は(2R)−エチル)であり;Rは水素又は(C−C)アルキルである。
【0041】
より好ましい化合物は、YがNであり;XとZが、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、Rが水素又はメチルであるような化合物である;(i)R1aはハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン若しくはメチルであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、又は(iv)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である;Wはオキシ又はアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aは水素、(2R)−メチル又は(2R)−エチルであり;R3bは水素である;及びRは水素又は(C−C)アルキルである化合物である。
【0042】
最も好ましいのは、YはNであり、XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素又はメチルである;(i)R1aはハロゲン、メチル若しくはトリフルオロメチルであり、R1b、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(ii)R1bはハロゲン若しくはメチルであり、R1a、R1d及びR1eはそれぞれ水素である、(iii)R1bとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1aとR1eはそれぞれ水素である、又は(iv)R1aとR1dは、それぞれ独立的に、ハロゲン若しくはメチルであり、R1bとR1eはそれぞれ水素である;Wはオキシ又はアミノである;nは1である;R2aとR2bは、それぞれ独立的に、メチル又は水素である;R3aは水素、(2R)−メチル又は(2R)−エチルであり;R3bは水素である;及びRは水素又は(C−C)アルキルである化合物である。
【0043】
式(IIA)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル 4’−オキシド;6’−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;3−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルオキシメチル)−ベンゾニトリル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;5’−ブロモ−6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;3−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルオキシメチル)−フェニルアミン;6’−(2−メチル−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;5’−クロロ−6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−メチル−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−3’−イルアミン;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;3−[(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルアミノ)−メチル]−ベンゾニトリル;(2,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジクロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−フルオロ−ベンジル)−(2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;N−(3−クロロ−ベンジル)−N−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アセトアミド;6’−(3−クロロ−ベンジルスルファニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−ベンジルスルファニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル。
【0044】
式(IIA)で示される、より好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジクロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル 4’−オキシド;N−(3−クロロ−ベンジル)−N−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アセトアミド;6’−(3−クロロ−ベンジルスルファニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル。
【0045】
本発明のさらにより好ましい化合物は、6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル4’−オキシド;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニルを包含する。
【0046】
上記化合物の好ましい塩は、クエン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、L−リンゴ酸塩、コハク酸塩、D、L−酒石酸塩を包含し、より好ましい塩は、クエン酸塩、L−リンゴ酸塩及びD、L−酒石酸塩を包含する。
【0047】
WO03/000666に提供されている、本発明に用いるためのさらに適当な5−HT2C受容体アゴニストは、式(IIC):
【0048】
【化5】

【0049】
で示される化合物である、上記式中、
YはNであり;XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
Qは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フラン−3−イル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、チアゾル−2−イル、ピロル−2−イル、ピロル−3−イル、ピラゾル−3−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、イソベンゾフラン−3−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−3−イル、インドル−2−イル、インドル−3−イル、2H−イミダゾル−2−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−トリアゾル−3−イル、1,2,3−チアジアゾル−4−イル、1,2,3−チアジアゾル−5−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,4−チアジアゾル−5−イル、及び1,2,4−オキサチアゾル−3−イルから成る群から選択されるヘテロアリール基であり、該ヘテロアリール基は場合によっては、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は(C−C)アルコキシから独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換される;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、又は部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルである;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【0050】
式(IIC)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、6’−(ピリジン−3−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;2−メチル−6’−(ピリジン−3−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(チオフェン−3−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−([1,2,3]チアジアゾル−4−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;2−メチル−6’−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−(6−クロロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニルを包含する。
【0051】
式(IIC)で示される、より好ましい化合物の非限定的例は、6’−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(6−クロロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;2−(6−クロロ−ピリジン−2−イルメトキシ)−4−ピペラジン−1−イル−ピリミジン;又は2−メチル−6’−(6−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニルを包含する。
【0052】
上記化合物の一部は、少なくとも1つのキラル中心を含有する;したがって、当業者は、これらの化合物の、全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー及びジアステレオマー)が本発明の範囲内であることを理解するであろう。さらに、該化合物の互変異性形も本発明の範囲内である。
【0053】
WO03/000666に提供されている、本発明に用いるための、他の適当な5−HT2C受容体アゴニストは、式(IIB):
【0054】
【化6】

【0055】
で示される化合物を包含する:上記式中、
YはNであり;XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン(好ましくはCl若しくはFである)、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ置換(C−C)アルコキシ、−C(O)NHであるか、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【0056】
式(IB)で示される、好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:6’−ベンジルオキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル 4’−オキシド;6’−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;3−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルオキシメチル)−ベンゾニトリル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;5’−ブロモ−6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;3−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルオキシメチル)−フェニルアミン;6’−(2−メチル−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−5’−フルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;5’−クロロ−6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−メチル−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−3’−イルアミン;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;3−[(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イルアミノ)−メチル]−ベンゾニトリル;(2,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジクロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−フルオロ−ベンジル)−(2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;N−(3−クロロ−ベンジル)−N−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アセトアミド;6’−(3−クロロ−ベンジルスルファニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−ベンジルスルファニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル。
【0057】
より好ましい化合物の非限定的例は、下記化合物を包含する:6’−ベンジルオキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3−クロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジフルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(3,5−ジクロロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アミン;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル 4’−オキシド;N−(3−クロロ−ベンジル)−N−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6’−イル)−アセトアミド;6’−(3−クロロ−ベンジルスルファニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル。
【0058】
式(IIB)で示される、さらにより好ましい化合物は、6’−ベンジルオキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル 4’−オキシド;(3−フルオロ−ベンジル)−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル−6−イル)−アミン;6’−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−(2R)−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(3,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;6’−(2,5−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニル;又は6’−(インダン−(1S)−イルオキシ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニルを包含する。
【0059】
他の適当な5−HT2C受容体アゴニスト及びアンタゴニストは、さらに、例えば、特許出願EP863136、EP657426、EP655440、EP572863、WO98/30548、WO98/56768、WO99/43647、WO99/43647、WO99/58490、WO00/12475、WO00/12481、WO00/12482、WO00/12502、WO00/12510、WO00/17170、WO00/28993、WO00/35922、WO00/44737、WO00/76984、WO00/77001、WO00/77002、WO00/77010(好ましくは、実施例128、149)、WO01/12602、WO01/12603、WO01/66548、WO01/72752、WO01/83487、WO02/48124、WO02/051844、WO02/059124、WO02/059129、WO02/072584、WO02/074746、WO03/004501、WO03/014118、WO03/014125、WO03/024976、WO03/033497、WO03/057161、WO03/057213、WO03/057673、WO03/057674、US6,593,330、US2004/014767、WO04/000830に見い出すことができる。他の適当な5−HT2C受容体アゴニストは、Ro−600175でありうる(Jenk,F.et al.(1998) Eur.J.Neuropharmacol.8,161-168; Dekeyne,A.et al.(1999) Neuropharmacology 38,415-423)。本発明に用いるための、他の適当な5−HT2Cアゴニストは、Isaac,M.et al.(2000) Bioorg.Med.Chem.Lett.10,919-921に開示されている。
【0060】
5−HT2Cアゴニストについての最近のレビューに例示されている化合物も、本発明に用いるために含まれる(Bishop,M.J.& Nilsson,B.M.(2003) Expert Opin.Ther.Patents 13,1691-1705)。
【0061】
5−HT2C受容体アゴニストを投与することを含む、尿道緊張を強化して、健康なヒトにおける好ましくない尿漏れを緩和する、例えば、出産後最初の1年間の女性にしばしば生じる尿漏れを軽減する方法は、本発明のさらなる態様である。
【0062】
本発明のさらに他の態様は、5−HT2C受容体に対するアゴニスト活性に関して化合物をスクリーニングして、1μM未満のEC50を有する、好ましくは100nM未満のEC50を有する、より好ましくは10nM未満のEC50を有する、さらにより好ましくは1nM未満のEC50を有する化合物を選択することを含む、失禁、好ましくは混合失禁及びストレス性尿失禁の治療に有用な化合物のスクリーニング方法である。
【0063】
本発明の他の態様は、失禁を治療するため、好ましくは混合失禁及びストレス性尿失禁を治療するための薬剤を提供するプロセスであって、下記工程:
(a)5−HT2C受容体の活性化を検出するために適したアッセイで化合物を試験する工程;
(b)1μM未満のEC50を有する化合物を選択する工程;
(c)工程(b)で選択した化合物と同じ構造を有する化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容されるキャリヤー又は賦形剤と共に製剤化する工程
を含むプロセスであり;該プロセスはさらに、下記付加的工程:
(d)工程(c)の製剤をパッケージングする工程;
(e)工程(d)のパッケージを、失禁で苦しむ患者が使用できるようにする工程
を含むことができる。好ましくは、工程(b)で選択する化合物は、100nM未満のEC50を有する、より好ましくは、該化合物は10nM未満のEC50を有する、さらにより好ましくは、該化合物は1nM未満のEC50を有する。
【0064】
本発明のさらに他の態様は、失禁を治療するため、好ましくは混合失禁及びストレス性尿失禁を治療するための薬剤を提供するプロセスであって、下記工程:
(a)5−HT2C受容体のアゴニスト刺激第2メッセンジャー反応を測定するアッセイで化合物を試験する工程;
(b)1μM未満のEC50を有する化合物を選択する工程;
(c)工程(b)において選択した化合物と同じ構造を有する化合物と、製薬的に受容されるキャリヤー若しくは賦形剤を製剤化する工程
を含むプロセスであり;該プロセスはさらに、下記付加的工程:
(d)工程(c)の製剤をパッケージングする工程;
(e)工程(d)のパッケージを、失禁で苦しむ患者が使用できるようにする工程
を含むことができる。好ましくは、工程(a)のアッセイは、5−HT2C受容体アゴニストに反応した、5−HT2C受容体発現細胞における細胞内カルシウムの一過性上昇を測定する;さらにより好ましくは、細胞内カルシウムの一過性上昇を、例えば、Fluo−3又はFluo−4のようなカルシウム感受性蛍光染料を用いる、蛍光手法によって測定する。好ましくは、工程(b)で選択する化合物は、100nM未満のEC50を有する、より好ましくは、該化合物は10nM未満のEC50を有する、さらにより好ましくは、該化合物は1nM未満のEC50を有する。
【0065】
本発明の他の態様は、失禁を治療するため、好ましくは、ストレス性尿失禁を治療するための薬剤の製造プロセスであって、(a)5−HT2C受容体の刺激を検出するために適したアッセイで化合物を試験する、又は5−HT2C受容体のアゴニスト刺激第2メッセンジャー反応を測定するアッセイで化合物を試験する工程;(b)1μM未満のEC50を有する、5−HT2C受容体にアゴナイズすることができる1種類以上の化合物を同定する工程;及び(c)該1種類以上の同定した化合物のある量を製造する工程を含むプロセスである。好ましくは、工程(b)で選択する化合物は、100nM未満のEC50を有する、より好ましくは、該化合物は10nM未満のEC50を有する、さらにより好ましくは、該化合物は1nM未満のEC50を有する。
【0066】
本発明の他の態様は、失禁を治療するため、好ましくは、ストレス性尿失禁を治療するための組成物の製造方法であって、
(a)5−HT2C受容体を発現する細胞又はこのような細胞から調製された膜を放射能標識5−HT2C受容体リガンドと、試験化合物の存在下若しくは不存在下で接触させ、該細胞若しくは膜に結合した放射能を測定し、試験化合物の存在下と不存在下との該細胞若しくは膜に結合した放射能を比較して、結合する放射能を減少させる化合物が5−HT2C受容体に特異的に結合する化合物であるとすることを含む方法によって、5−HT2C受容体に特異的に結合する化合物を同定する工程;及び
(b)該化合物をキャリヤーと混合する工程
を含む方法である。
【0067】
本発明のさらに他の態様は、失禁を治療するため、好ましくは、ストレス性尿失禁を治療するための組成物の製造方法であって、
(a)5−HT2C受容体を細胞表面で発現し、5−HT2C受容体アゴニストに応答した第2メッセンジャー反応を生じさせる細胞又はこのような細胞の膜調製物を、5−HT2C受容体の活性化に適した条件下で、5−HT2C受容体を特異的に活性化する化合物と別々に接触させて、該第2メッセンジャー反応を測定することを含み、該化合物の投与後の該第2メッセンジャー反応の上昇が、該化合物が該5−HT2C受容体アゴニストであることを実証する方法によって、5−HT2C受容体を特異的に活性化する化合物を同定する工程;及び
(b)該化合物をキャリヤーと混合する工程
を含む方法である。
【0068】
本発明は、単独での又は例えばα−アドレナリン作動性受容体アゴニスト又は他の交感神経興奮薬のような、他の作用剤の1種類以上と組み合わせた、失禁の治療のための5−HT2C受容体アゴニストの使用に関する。
【0069】
5−HT2C受容体アゴニストは、5−HT2C受容体に結合し、それを活性化して、薬理学的反応を生じさせる化合物である。この用語は、部分的又は完全なアゴニストを包含する意味である。部分的アゴニストは、該受容体の最大活性化を生じることができず、そのため<1の固有効力(intrinsic efficacy)を有する化合物である。機能的意味では、このような化合物は、研究中の機能アッセイ系において、該アッセイ系にどのように高い濃度を適用したとしても、完全アゴニスト(例えば、非限定的に5−HT)以上の大きさの反応を惹起することができないと考えられる。5−HT2C受容体のアンタゴニストは、該受容体のアゴニストの効果を弱める又はブロックする化合物である。
【0070】
アンタゴニスト、アゴニスト又は阻害剤への言及は、常に、それらの遊離形(例えば、遊離及び/又は塩基形)並びにあらゆる製薬的に受容される塩、多形、水和物、ケイ酸塩、立体異性体(例えば、ジアステレオマー及びエナンチオマー)等をも包含する、このような作用剤のあらゆる活性形を包含すると理解すべきである。いずれの形態であっても該化合物のいずれの活性代謝産物も包含される。
【0071】
疑いを避けるために、「化合物」なる用語は、化学的又は生物学的作用剤を意味することができ、例えば、抗体、抗体フラグメント、他のタンパク質、ペプチド、糖、任意の有機又は無機分子を包含する。スクリーニングに用いることができる化合物は、非限定的に、例えば、ランダム・ペプチド・ライブラリーのメンバーを含む溶解性ペプチドのようなペプチド(例えば、Lam et al.(1991) Nature 354,82-84; Houghten et al.(1991) Nature 354,84-86参照)と;D−及び/又はL−配置アミノ酸から作製されるコンビナトリアル・ケミストリー由来分子ライブラリー、ホスホペプチド(非限定的に、ランダム若しくは部分的変性有向ホスホペプチド・ライブラリーのメンバーを包含する;例えば、Songyang et al.(1993) Cell 72,767-778参照)、抗体(非限定的に、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗イディオタイプ、キメラ又は単鎖抗体と、Fab、F(ab’)及びFab発現ライブラリー・フラグメントと、これらのエピトープ結合フラグメントを包含する)、及び小有機若しくは無機分子を非限定的に包含する。
【0072】
本明細書で用いる「効力」は、所望の反応を生じることに化合物が如何に効果的であるかの尺度であり、達成可能な特定の反応レベルを生じる濃度によって表現することができる。本明細書で用いるアフィニティは、化合物が受容体に如何に良好に結合するか又は受容体に如何に良好に付随するかの尺度である。化合物のアフィニティは、本明細書の実施例2に記載するように結合アッセイで測定することができ、これに関連して、アフィニティは、化合物のIC50を参照する、即ち、標識化合物の50%が受容体に結合するのを阻害する濃度、又は化合物の解離定数であるKを参照する。化合物の効力又は有効性は、例えば、Fluo−3、Fluo−4若しくはIndo−1のようなカルシウム感受性蛍光染料を用いて(本明細書の実施例3)又は本明細書の実施例1に記載するように排尿若しくは尿漏れに対する化合物の効果を試験するために麻酔した動物モデルを用いて、受容体の刺激時の細胞内カルシウム上昇を測定するアッセイのような、機能アッセイで測定することができる。この場合の効力/有効性は化合物のEC50、即ち、セロトニン(又は5−HT2C受容体の任意の他の既知完全アゴニスト)に対する最大反応の50%を示す濃度を意味することができる。
【0073】
本明細書で用いる「選択性」は、同じ内因性リガンドに対する2つの受容体亜型間の、薬物の相対的効力の尺度である。これは、例えば、本明細書の実施例2に記載するような結合アッセイで、又は例えば、本発明の実施例3に記載するような機能アッセイで決定することができる。
【0074】
経口デリバリー用又は局所塗布用(クリーム、ゲル)のいずれの化合物の特定の製剤も、本発明に含まれる。本発明にさらに、例えば、膀胱内(intravesicle)、肛門内又は膣内製剤も含まれる。
【0075】
5−HT2C受容体アゴニストの適当性は、例えば本明細書に開示されているような方法を用いて、それらの効力/有効性及び選択性を評価し、続いて、標準製薬的実施に従って、それらの毒性、薬物動態(吸収、代謝、分配及び排泄)等を評価することによって容易に判定することができる。適当な化合物は、効能があり、選択的であり、治療量において有意な毒性効果を有さず、好ましくは経口投与後にバイオアベイラブルである化合物である。
【0076】
経口バイオアベイラビリティは、経口投与した薬物の全身循環に達する割合を意味する。薬物の経口バイオアベイラビリティを決定する要因は、溶解、膜浸透性及び肝クリアランスである。典型的に、経口バイオアベイラビリティを決定するために、最初にin vitro手法、次にin vivo手法から成るスクリーニング・カスケードが用いられる。
【0077】
溶解、胃腸管(GIT)の水分(aqueous content)による薬物の可溶化は、GITを模倣するような、適当なpHにおいて行なわれるin vitro溶解実験から予測することができる。好ましくは、5−HT2C受容体アゴニストは50μg/mlの最小溶解度を有する。溶解度は、例えば、Lipinski CA et al.;Adv.Drug Deliv.Rev.23(1-3),3-25,1997に記載されているような、当該技術分野に知られた標準方法によって測定することができる。
【0078】
膜浸透性は、GITの細胞を通る化合物の通過を意味する。親油性は、これを予測する上で重要な性質であり、有機溶媒と緩衝剤を用いるin vitro Log D7.4測定によって決定される。5−HT2C受容体アゴニストは、好ましくは−2〜+4、より好ましくは−1〜+3のLog D7.4を有する。Log Dは、例えば、Stopher,D.and McClean,S.;J.Pharm.Pharmacol.42(2),144,1990に記載されているような、当該技術分野に知られている標準方法によって測定することができる。
【0079】
例えばP糖タンパク質のような排出トランスポーター(efflux transporter)の存在下での有利な膜浸透性の予測に、例えばCaco2のような細胞単層アッセイ、いわゆるCaco2流量(Caco2 flux)が実質的に加わる。5−HT2C受容体アゴニストは、好ましくは2x10−6cm−1より大きい、より好ましくは5x10−6cm−1より大きいCaco2流量を有する。Caco2流量値は、例えばArtursson,P. and Magnusson,C.; J.Pharm.Sci.,79(7),595-600,1990に記載されているような、当該技術分野に知られている標準方法によって測定することができる。
【0080】
代謝安定性は、GITが吸収プロセス中に化合物を代謝する能力又は肝臓が吸収直後にこのようにする能力:一次通過効果に対処する。例えばミクロソーム、肝細胞等のようなアッセイ系は、代謝不安定性を予測する。好ましくは、5−HT2C受容体アゴニストは、0.5未満の肝除去率と釣り合った、アッセイ系での代謝安定性を示す。アッセイ系及びデータ操作の例は、Obach,RS;Curr.Opin.Drug Disc.Devel.4(1),36-44,2001 とShibata,Y.et al.;Drug Met.Disp.28(12),1518-1523,2000 に記載されている。
【0081】
上記プロセスの相互作用のために、薬物がヒトにおいて経口的にバイオアベイラブルであることのさらなるサポートは、動物におけるin vivo実験で得ることができる。これらの研究では、化合物を経口経路で別々に又は混合物として投与することによって、絶対的なバイオアベイラビリティが決定される。絶対的な測定(%経口バイオアベイラブル)のために、静脈内経路も用いられる。動物における経口バイオアベイラビリティの測定の例は、Ward,KW et al.;Drug Met.Disp.29(1),82-87,2001; Berman,J.et al.;J.Med.Chem.40(6),827-829,1997 及びHans KS and Lee,MG;Drug Met Disp.27(2),221-226,1999に見い出すことができる。
【0082】
本発明の化合物は単独で投与することができるが、一般的には、予定の投与経路及び標準製薬法に関して選択される、適当な製薬的賦形剤、希釈剤又はキャリヤーとの混合物として投与される。
【0083】
例えば、本発明の化合物は、即時−、遅延−、調節−、持続−、パルス化−又は制御−放出用途のためにフレーバー剤又は着色剤を含有することができる、錠剤、カプセル剤、多粒子、ゲル、フィルム、卵形剤(ovules)、エリキシル剤、溶液又は懸濁液の形態で、経口、頬側又は舌下投与することができる。本発明の化合物は、迅速分散若しくは迅速溶解投与形、又は高エネルギー分散系(high energy dispersion)の形態で、又は被覆粒子として投与することもできる。適当な製剤は、要望通りに、被覆形であることも、又は非被覆形であることもできる。
【0084】
このような固体薬剤組成物、例えば錠剤は、例えば微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、グリシン及び澱粉(好ましくは、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉又はタピオカ澱粉)のような賦形剤、例えば澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース・ナトリウム及びある種の複合シリケートのような崩壊剤、並びに例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン及びアラビアゴムのような造粒結合剤を含有することができる。さらに、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリル・ベヘネート及びタルクのような滑沢剤を含むことができる。
【0085】
下記製剤例は単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを意図しない。有効成分は、本発明の化合物を意味する。
製剤1.
下記成分を用いて、錠剤を製造する:
有効成分(50mg)にセルロース(微結晶性)、二酸化ケイ素、ステアリン酸(ヒュームド)をブレンドし、混合物を圧縮して、錠剤を形成する。
【0086】
製剤2.
静脈内製剤は、有効成分(100mg)に等張性生理食塩水(1000ml)を組み合わせることによって製造することができる。
【0087】
錠剤は、標準プロセス、例えば直接圧縮成形、又は湿式若しくは乾式造粒プロセスによって製造される。錠剤のコアを適当なオーバーコートで被覆することができる。
同様なタイプの固体組成物を、ゼラチン又はHPMCカプセルの充填剤として用いることもできる。これに関して好ましい賦形剤は、ラクトース、澱粉、セルロース、乳糖又は高分子量ポリエチレングリコールを包含する。水性懸濁液及び/又はエリキシル剤のためには、5−HT2C受容体アゴニストに、種々な甘味剤若しくはフレーバー剤、着色剤(colouring matter)若しくは染料、乳化剤及び/若しくは懸濁化剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリンのような希釈剤並びにこれらの組み合わせを一緒にすることができる。
【0088】
調節放出投与形及びパルス化放出投与形は、例えば、即時放出投与形に関して詳述したような賦形剤を、放出速度調節剤として作用する、付加的な賦形剤と共に含有することができ、これらの放出速度調節剤はデバイスの本体上に塗布される及び/又は本体内に含まれる。放出速度調節剤は、排他的に限定する訳ではなく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、キサンタンガム、Carbomer、アンモニオ・メタクリレート・コポリマー、水素化ひまし油、カルナウバ蝋、パラフィン・ワックス、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー及びこれらの混合物を包含する。調節放出投与形及びパルス化放出投与形は、放出速度調節賦形剤の1種類又は組み合わせを含有することができる。放出速度調節賦形剤は、投与形内、即ちマトリックス内、及び/又は投与形上、即ち表面若しくは被膜上の両方に存在することができる。
【0089】
迅速分散若しくは溶解性投与製剤(FDDFs)は、下記成分:アスパルテーム、アセスルファム・カリウム(acesulfame potassium)、クエン酸、クロスカルメロース・ナトリウム、クロスポビドン、ジアスコルビン酸、エチル・アクリレート、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メチル・メタクリレート、ミント・フレーバー、ポリエチレングリコール、ヒュームド・シリカ、二酸化ケイ素、澱粉グリコール酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトールを含有することができる。FDDFsを表すために本明細書で用いる分散又は溶解なる用語は、用いる薬物物質の溶解度に依存する、即ち、該薬物物質が不溶性である場合には、迅速分散投与形を製造することができ、薬物物質が溶解性である場合には、迅速溶解投与形を製造することができる。
【0090】
本発明の化合物は、非経口的に、例えば、海綿体内に(intracavernously)、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下、脳室内、尿道内、胸骨内(intrasternally)、頭蓋内、筋肉内若しくは皮下に投与することもできる、又は本発明の化合物を注入手法又は無針注射手法によって投与することができる。このような非経口投与のためには、本発明の化合物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張性にするために充分な塩又はグルコースを含有することができる無菌水溶液の形態で用いることができる。該水溶液は、必要に応じて、(好ましくは、3〜9のpHに)適当に緩衝化すべきである。無菌条件下での適当な非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的製薬手法によって容易に達成される。
【0091】
下記投与量レベル及び本明細書における他の投与量レベルは、約65〜70kgの体重範囲を有する平均的なヒト対象に対してである。当業者は、その体重がこの範囲外である対象に、例えば小児及び高齢者等に、必要な投与量レベルを容易に決定することができるであろう。
【0092】
このような製剤中の本発明の組み合わせの用量は、効力に依存するが、1日に3回までの投与のために5−HT2C受容体アゴニスト1〜500mgの範囲内であると予想することができる。好ましい用量は、5−HT2C受容体アゴニスト10〜100mgの範囲内(例えば、10、25、50及び100mg)であり、これは1日に1回、2回又は3回(好ましくは1回)投与することができる。しかし、正確な用量は、処方医によって決定される通りであり、対象の年齢と体重及び症状の重症度に依存するであろう。
【0093】
ヒト患者への経口及び非経口投与に関して、本発明の化合物の1日投与量レベルは、通常、5〜500mg/kg(単回量又は分割量で)である。
錠剤又はカプセル剤は、必要に応じて一回に1個又は2個以上を投与するために、本発明の化合物5〜250mg(例えば10〜100mg)を含有することができる。いずれにせよ、医師が、いずれの個々の患者にも最も適していて、特定の患者の年齢、体重及び反応によって変化する実際の用量を決定するであろう。上記投与量は平均的ケースの例示である。もちろん、これより高い又は低い投与量範囲が挙げられる、個々の場合があることができ、このような投与量も本発明の範囲内である。本発明の化合物が必要又は望みに応じて単回量として服用されうることを、当業者は理解するであろう。本明細書における治療への言及の全てが急性治療(必要と見なされる)及び慢性治療(長期間持続する治療)を包含することを理解すべきである。
【0094】
本発明の化合物はまた、鼻腔内に又は吸入によって投与することもでき、便利には、乾燥粉末吸入器又はエアロゾル・スプレー・プレゼンテイションの形態で、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーから、適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134A(商標)若しくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA(商標))、二酸化炭素又は他の適当なガスを用いて又は用いずに、デリバリーされる。圧縮エアロゾルの場合には、定量(metered amount)をデリバリーするように弁を備えることによって、投与量単位を決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーは活性化合物の溶液又は懸濁液を、例えば、付加的に滑剤、例えばソルビタントリオレエートを含有することができる溶媒として、エタノールと噴射剤との混合物を用いて、含有することができる。吸入器又は吹き入れ器に用いるための、カプセル及びカートリッジ(例えば、ゼラチンから製造)は、本発明の化合物と、例えばラクトース又は澱粉のような、適当な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0095】
エアロゾル又は乾燥粉末製剤は、計量された各投与量又は「パフ(puff)」が患者にデリバリーするために本発明の化合物1μg〜50mgを含有するように、好ましく用意することができる。エアロゾルによる総一日量は、1μg〜50mgの範囲内であり、これは単回量で、又は通常は、一日間を通しての分割量で投与することができる。
【0096】
或いは、本発明の化合物は座薬若しくはペッサリーの形態で投与することができる、又はゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏若しくはダスティング粉末の形態で局所塗布することができる。本発明の化合物は、例えば、皮膚パッチ、デポー又は皮下注射を用いて、皮膚投与する又は経皮投与することもできる。本発明の化合物は肺経路又は直腸経路によって投与することもできる。
【0097】
皮膚への局所投与のためには、本発明の化合物は、例えば、下記:鉱油、液体ペトロラタム、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水の1種類以上中に懸濁した若しくは溶解した活性化合物、例えばこれらの1種類以上との混合物を含有する、適当な軟膏として製剤化することができる。或いは、本発明の化合物は、例えば、下記:鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、液体パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステル・ワックス、セテアリールアルコール(cetearyl alcohol)、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水の1種類以上の混合物中に懸濁した又は溶解した、適当なローション又はクリームとして製剤化することができる。
【0098】
本発明の化合物はシクロデキストリンと組み合わせて用いることもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接化合物及び非包接化合物を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン錯体の形成は、薬物の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティ及び/又は安定性を改変することができる。薬物−シクロデキストリン錯体は一般に、大抵の投与形及び投与経路のために有用である。薬物との直接錯体形成の代替手段として、シクロデキストリンを補助添加剤として、例えば、キャリヤー、希釈剤又は可溶化剤として用いることができる。α−、β−及びγ−シクロデキストリンは最も一般的に用いられており、適当な例は、公開された国際特許出願WO91/11172、WO94/02518及びWO98/55148に記載されている。
【0099】
本発明の化合物の経口投与は、好ましい経路であり、最も便利である。服用者(recipients)が嚥下障害又は経口投与後の薬物吸収障害に苦しむ状況では、薬物を非経口的、舌下又は頬側に投与することができる。
【0100】
以下の実施例は、当業者に周知であり、当業者によってルーチンに用いられる標準方法で行なわれる;これらの実施例は本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。図1が参照される。
【0101】
図1は、正常な膀胱充満中のEUS EMG活性に対するWay161503の効果を示す。
実施例1a:モルモットにおける尿道機能に対する5−HT2C受容体アゴニストの効果
EUSへの仙髄衝動(sacral spinal drive)の強化に、5−HT受容体のどの亜型が関与しうるかを調べるために、尿道抑制機構及び尿漏出圧を2つのパラダイムを用いて測定するように特異的に設計された、麻酔したモルモットモデルにおいて、5−HT2C受容体アゴニストであると報告されている、m−CPP(Sigma Aldrich Product number c-5554)、MK−212(Tocris Cat No 0941)、YM−348(WO 01/83487)、Ro60−0175(Tocris Cat No.1854)、WAY−161503(Tocris Cat No.1801)及びWO03/000663中の実施例1−Nの効果を研究した。第一に、腹圧上昇に反応する尿道横紋筋組織の活性、したがって、漏れを誘発するために必要な該圧力、第二に、正常な膀胱充満中の抑制を維持するための、この抑制を維持する括約筋の筋電計的活性の変化によって測定される尿道横紋筋組織の反応。
【0102】
方法
実験は、成熟雌モルモット(体重620〜707g)において行なった。全ての動物を最初にハロタン(4%)で麻酔して、酸素(3〜4L/分)中に運び、適当な手術台にウレタン(25%w/v;0.5ml/100g体重)で維持した。気管、頚静脈及び頚動脈に、それぞれ、呼吸換気、試験化合物の注入及び血圧モニターリングのためにカニューレを挿入した。正中線開腹術を行なって、膀胱を暴露して、膀胱内圧測定管を膀胱ドームにおける小切開に通して挿入して、適所に固定した。この腹部創傷を外部膀胱内圧測定管(externalized cystometry tube)の周囲できつく閉じて、次に、該管を、膀胱を充填して、膀胱腔内圧を記録するために、それぞれ、注入ポンプ及び圧力変換器に接続した。筋電計(EMG)ワイヤー・リードを、恥骨結合の背面に対立したEUS横紋筋層中に挿入した。このEMGリードを適当な増幅及び電気フィルター系(amplification and electrical filter system)に接続して、EUS電気活性の変化をオシロスコープ上にディスプレイして、スパイク・プロセッサー系(spike processor system)に通して報告した。
【0103】
術後30分間の安定期間後に、排尿反射又は漏れが観察されるまで、膀胱に150μl/分の速度で生理食塩水(室温)を充填した。排尿反射又は漏れ後に、膀胱内圧測定管によって、膀胱を空にした。排尿反射又は漏れを開始させるための平均膀胱閾値容量を確立するために、膀胱充満を少なくとも3回繰り返した。さらに、EUS EMG活性と膀胱腔内圧を膀胱充満中を通して記録した。その後に、2つのプロトコールの1を行なった。
【0104】
1.排尿反射又は漏れを誘発する閾値膀胱容量がひと度確立されたならば、この容量の75%を実験の次の段階に用いた。膀胱に該閾値容量の75%まで、生理食塩水を充填し(150μl/分)、特別に構成したフレームを用いて、膀胱位置に丁度吻側の、動物の腹部の腹側表面上に重りを配置した。50gから開始して、次に60g、その後は20gの増分を増加させて、流体の排尿反射/漏れが観察されるまで、重りを動物の腹部上に置いた。重りを腹部に加えながら、EUS EMG活性と膀胱腔内圧を記録した。研究した主要なパラメーターは、膀胱閾値容量の75%において排尿反射/漏れを誘発するために必要な最小腹部重りと、排尿反射又は漏れ時の最大EUS EMG活性である。膀胱に閾値容量の75%まで充填した直後と、最初の腹部重り(50g)を用いる60〜120分間前に試験薬物又はビヒクルを静脈内注射した。
【0105】
2.試験薬物又はビヒクルを静脈内注射して、排尿反射が生じるまで、膀胱充満を再度開始し(150μl/分)、その後、試験化合物の増加量を添加する前に外部膀胱内圧測定管によって膀胱を空にして、さらに膀胱充満を試みた。正常な充填中のEUS EMG活性の化合物誘発上昇が記録されうるように、充填段階を通して膀胱圧と最大EUS EMG活性を記録した。
【0106】
アゴニストを0.1〜3.0mg/kgの用量で試験した。さらに、アゴニスト誘導効果に対する、報告された5−HT2C選択的アンタゴニストSB242084(Sigma,Cat-No:S-8061)(1mg/kg)の効果を幾つかの動物で研究した。
【0107】
結果:
5−HT2Cアゴニストの投与は、麻酔したモルモットにおける排尿反射又は漏れを誘発するために必要な腹部重りを増加させた(表1:例示のみのために、m−CPPによって得られた結果を示す)。腹部重りのこの増加に関連して、EUS EMG活性も、用量に依存した形式で、上昇した(表1:例示のみのために、m−CPPによって得られた結果を示す)。
【0108】
表1:排尿反射又は漏れを誘発する腹部重りに対するm−CPPの効果
5−HT2Cアゴニスト、m−CPPを0.3、1.0及び3.0mg/kgで試験した。結果は、対照反応の%として記載する。したがって、3.0mg/kgレベルでは、m−CPPは排尿反射又は漏れを誘発するために必要な重りを対照に比べて66%だけ増加させ、EUS EMG活性の対応する増加は56%であった。ビヒクルのみは効果を生じなかった。
【0109】
【表1】

【0110】
正常な膀胱充填(150μl/分)中に、EUS EMG活性(尿道括約筋の収縮活性の尺度)は、排尿反射(排尿(voiding))が生じるまで、徐々に上昇し(図1a)、この時点後は該活性は基底レベルに戻った。反復した充填及び排尿反射サイクルは、EUS EMG活性の同様な上昇を生じた。その後の5−HT2Cアゴニスト投与と反復正常膀胱充填とは、薬物なしで又はビヒクルのみの投与時に記録された上昇を超える、EUS EMG活性の上昇を生じた(図1b:例示のみのために、Way161503で得られた結果を示す)。薬物を含まない条件下で、膀胱を充填する(150μl/分)ときに、尿道横紋筋の活性(EUS EMG)は、抑制を維持するために上昇する(a)。Way161503(0.3mg/kg)の存在下で、EUS EMG活性は同じ膀胱充填条件下で増強され、さらに、活性の上昇が薬物なしの条件下よりも低い膀胱容量で生じた(b)。試験した動物では、選択的5−HT2C受容体アンタゴニストSB242084は、用いた5−HT2Cアゴニストの効果を無効にした。
【0111】
実施例1b:卵巣摘出した、分娩時外傷を有する雌ラット(ovariectomised,birth traumatized female rats)における尿漏出圧に対するMK−212の効果
尿道機能に対する5−HT2Cアゴニストの効果がモルモット以外の種にも存在するか否かを評価するために、ラットにおける尿道機能の既知モデル(Lin A.S.et al.(1998) Urology 52:143-51; Sievert K.D.et al.(2001) J.Urol.166,311-317; Resplande J.et al.(2002) J.Urol.168,323-30)、即ち、卵巣摘出した、分娩時外傷を有するラットにおけるMK−212の不存在下及び存在下で尿漏出圧を測定した。
【0112】
方法:
卵巣摘出と、模擬分娩時外傷とは、8匹の雌Sprague Dawleyラットで、既述されたように行なった(Lin A.S.et al.(1998) Urology 52:143-51; Sievert K.D.et al.(2001) J.Urol.166,311-317; Resplande J.et al.(2002) J.Urol.168,323-30)。尿漏出圧の研究を受けた全ての動物を回収した6週間後に、最初に、ラットをハロタン(4%)で麻酔し、酸素(3〜4L/分)中に運び、適当な手術台にウレタン(25%w/v;0.5ml/100g体重)で維持した。気管、頚静脈及び頚動脈に、それぞれ、呼吸換気、試験化合物の注入及び血圧モニターリングのためにカニューレを挿入した。正中線開腹術を行なって、膀胱を暴露して、膀胱内圧測定管を膀胱ドームにおける小切開に通して挿入して、適所に固定した。この腹部創傷を外部膀胱内圧測定管(externalized cystometry tube)の周囲できつく閉じて、次に、該管を、膀胱を充填して、膀胱腔内圧を記録するために、それぞれ、注入ポンプ及び圧力変換器に接続した。膀胱内圧測定管を介して膀胱及び圧力変換器に接続した、生理食塩水含有バッグを徐々に上昇させることによって、基準尿漏出圧(LPP)を確立した。LPPは、流体が尿道に最初に認められた点における膀胱圧力として定義された。MK−212(0.1mg/kg)のivボラス投与前に、4〜7回の基準読み取りを行なった。分配を可能にするための2分間遅延後に、LPP測定を上記方法と同じ方法で繰り返して、3〜8回測定を行なった。
【0113】
結果:
MK−212(0.1mg/kg)の使用は、8匹の動物中の7匹でLPP圧力を上昇させた(表2)。動物当りのLPP平均上昇計算値は、3.6〜10.9mmHgの範囲であり、平均上昇は7.1±2.6(平均値±標準偏差、N=7)であった。
【0114】
表2:卵巣摘出した、分娩時外傷を有するラットにおける尿漏出圧に対するMK−212の効果
【0115】
【表2】

【0116】
これらの動物モデルに誘出された効果は、即ち、尿道横紋筋活性と尿漏出圧との上昇は、ストレス性尿失禁と、混合尿失禁のストレス性要素において有利であると考えられる。
実施例2:5−HT2C受容体に関するリガンド結合アッセイ
哺乳動物細胞におけるヒト5−HT2C受容体の発現を推進するプラスミドをトランスフェクトされたSwiss3T3マウス線維芽細胞(the American Type Culture Collection(ATCC),Manassas,VAから入手可能)における、H−5−HTに対する、競合結合によって、セロトニン5−HT2C受容体における化合物のアフィニティを測定する。方法は、Roth et al.(1992),J.of Pharm.and Exp.Therap.260(3),1362-1365から採用する。細胞をDMEM高グルコース培地で増殖させ、回収し、ホモジェナイズし、遠心分離し、50mM Tris−HCl中に再懸濁させた。これらを37℃において15分間インキュベートし、遠心分離し、次に、1グラム当り100倍量(100 volumes per gram)のアッセイ・バッファー(50mM Tris−HCl、4mM CaCl、0.1%アスコルビン酸、及び100μMパルギリン、pH7.7)中に再懸濁させる。アッセイ管は、25μlの10nM H−5−HT(1nM最終濃度)と、25μlのビヒクル(アッセイ・バッファー)、ブランク(10mMミアンセリン)又は試験化合物(10x最終濃度)を含有した。細胞ホモジェネート200μlを各管に加えて、渦流させ、37℃において30分間インキュベートした。次に、サンプルを、0.5%ポリエチレンイミン(PEI)中に予浸したGF/Bフィルターを用いるSkatron細胞回収器(cell harvester)(Molecular Devices Corporation,Sunnyvale,CAから入手可能)によって真空下で迅速に濾過して、冷Tris−HCl 2x5mlによって洗浄する。フィルターマットを取り出し、Wallac Betaplate Counter(Perkin Elmer Life Sciences, Gaithersburg,MDから入手可能)でカウントする。試験化合物による特異的結合の阻害%を用いて、Kを算出する、又は各化合物の総特異的結合の50%を阻害するために必要な試験化合物の濃度(IC50)を補外する。
【0117】
実施例3:機能アッセイ
ヒト5−HT2C受容体を発現するSwiss3T3細胞を、384穴ブラック/クリア・コラーゲン被覆プレートに12,500細胞/穴の密度で接種する。48時間後に、COインキュベーター中で、37℃において75分間、プロベニシド(2.5mM)の存在下の無血清DMEM中で、細胞にカルシウム感受性染料、Fluo−4−AM(Molecular Probesから入手可能;プルロン酸含有DMSO中に溶解4μM)を負荷する。SkatronTM細胞洗浄器を用いて、プロベニシド(2.5mM)を含有するHEPES緩衝化生理食塩水によって3回洗浄することによって、組み込まれない染料を除去する(最終量30μl)。
【0118】
次に、プレートをフルオロメトリー・イメージング・プレート・リーダー(fluorometric imaging plate reader)(FLIPR 384、Molecular Devices Corporationから入手可能)中に個別に入れて、85秒間にわたって2秒毎に、蛍光測定を行なう。20秒間の基底値記録後に、384穴の全てに同時に試験化合物を添加する。Graphpad PrismTM(GraphPad Software Inc.,San Diegoから入手可能)を用いて、濃度反応曲線を生成し、アゴニスト効率(efficacy)は10mM 5−HTへの反応(100%と見なす)の%として得る。5−HT(10nM)に対する試験化合物反応の阻害を測定し、Cheng Prusoff式を適用することによって、アンタゴニスト効力(機能Ki)が算出される。
【0119】
当業者は、他の5−HT受容体亜型に対して上記リガンド結合アッセイ及び機能アッセイを適合させることができるであろう;α−アドレナリン作動性受容体の同様なアッセイは文献に見い出すことができる。例えば、5−HT2A、5−HT2B及び5−HT2C受容体の機能アッセイは、Porter,R.H.P. et al.(1999) Brit.J.Pharmacol.128,13-20に見い出すことができ;5−HT2C及び多くの他の受容体に関するアッセイも、Martin,J.R.(1999) J.Pharmacol.Exp.Ther.286,913-924 又はKimura,Y.et al.(2004) Eur.J.Pharmacol.483,37-43に見い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、正常な膀胱充満中のEUS EMG活性に対するWay161503の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
失禁の治療用薬剤の製造における5−HT2C受容体のアゴニストの使用、但し、該アゴニストが1−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]ピペラジン(Org−12962)ではないことを条件とする。
【請求項2】
該5−HT2C受容体アゴニストが、m−CPP、MK212、Ro−60−0175、WAY−161503、又はYM−348、又はこれらの製薬的に受容される塩である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
該5−HT2C受容体アゴニストが、式(IB):
【化1】

で示される化合物、その窒素酸化物、該化合物若しくは該窒素酸化物のプロドラッグ、該化合物、該窒素酸化物若しくは該プロドラッグの製薬的に受容される塩、又は該化合物、該窒素酸化物、該プロドラッグ若しくは該塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1記載の使用、
上記式中、
XとYはCRであり、ZはNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ置換(C−C)アルコキシ、−C(O)NHであるか、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、ヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【請求項4】
5HT2C受容体アゴニストが式(IC):
【化2】

で示される化合物、その窒素酸化物、該化合物若しくは該窒素酸化物のプロドラッグ、該化合物、該窒素酸化物若しくは該プロドラッグの製薬的に受容される塩、又は該化合物、該窒素酸化物、該プロドラッグ若しくは該塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1記載の使用、
上記式中、
XとYはCRであり、ZはNである、又はXがNであり、YとZがCRである、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
Qは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フラン−3−イル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、チアゾル−2−イル、ピロル−2−イル、ピロル−3−イル、ピラゾル−3−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、イソベンゾフラン−3−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−3−イル、インドル−2−イル、インドル−3−イル、2H−イミダゾル−2−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,2,4−トリアゾル−3−イル、及び1,2,4−オキサチアゾル−3−イルから成る群から選択されるヘテロアリール基であり、該ヘテロアリール基は場合によっては、ハロ、(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシから独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換される;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、又は部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルである;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルケニル、又はアミノ保護基である。
【請求項5】
該5−HT2C受容体アゴニストが、式(IIB):
【化3】

で示される化合物、その窒素酸化物、該化合物若しくは該窒素酸化物のプロドラッグ、該化合物、該窒素酸化物若しくは該プロドラッグの製薬的に受容される塩、又は該化合物、該窒素酸化物、該プロドラッグ若しくは該塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1記載の使用、
上記式中、
YはNであり;XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン(好ましくはCl若しくはFである)、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)アルキル、ハロ置換(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ置換(C−C)アルコキシ、−C(O)NHであるか、或いはR1aとR1bとは、一緒になって、五員若しくは六員の芳香環又は部分的若しくは完全な飽和縮合環を形成する、或いはR1aはR2a若しくはR2bと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルであるか、又はR2aとR2bの一方はR1aと一緒になって、五員若しくは六員の完全飽和縮合環を形成する;
nは0、1又は2である;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、ヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【請求項6】
5HT2C受容体アゴニストが式(IIC):
【化4】

で示される化合物、その窒素酸化物、該化合物若しくは該窒素酸化物のプロドラッグ、該化合物、該窒素酸化物若しくは該プロドラッグの製薬的に受容される塩、又は該化合物、該窒素酸化物、該プロドラッグ若しくは該塩の溶媒和物若しくは水和物である、請求項1記載の使用、
上記式中、
YはNであり;XとZは、それぞれ独立的に、CRであり、この場合、各出現のRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、アミノ又は(C−C)アルキルアミノである;
Wはオキシ、チオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ又はアセチルアミノである;
Qは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、フラン−3−イル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、チアゾル−2−イル、ピロル−2−イル、ピロル−3−イル、ピラゾル−3−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、イソベンゾフラン−3−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、ベンゾチオフェン−3−イル、インドル−2−イル、インドル−3−イル、2H−イミダゾル−2−イル、オキサゾル−2−イル、イソオキサゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−トリアゾル−3−イル、1,2,3−チアジアゾル−4−イル、1,2,3−チアジアゾル−5−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,3,4−チアジアゾル−5−イル、及び1,2,4−オキサチアゾル−3−イルから成る群から選択されるヘテロアリール基であり、該ヘテロアリール基は場合によっては、ハロ、(C−C)アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、又は(C−C)アルコキシから独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換される;
2aとR2bは、それぞれ独立的に、水素、(C−C)アルキル、又は部分的若しくは完全飽和(C−C)シクロアルキルである;
3aとR3bは、それぞれ独立的に、水素、ハロゲン、(C−C)アルキル、若しくはヒドロキシによって置換された(C−C)アルキル、フルオロ、又は(C−C)アルコキシである;
は水素、ヒドロキシ、(C−C)アルキル、ヒドロキシ若しくはシアノによって置換された(C−C)アルキル、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、又は(C−C)アルケニルである。
【請求項7】
5−HT2C受容体アゴニストのEC50が100nM未満である、請求項1記載の使用。
【請求項8】
5−HT2C受容体アゴニストが5−HT2C受容体に選択的である、請求項1記載の使用。
【請求項9】
失禁の治療に有用な化合物のスクリーニング方法であって、5−HT2C受容体に対するアゴニスト活性に関して化合物をスクリーニングする工程と、100nM未満のEC50を有する化合物を選択する工程を含む方法。
【請求項10】
失禁の治療用薬剤の製造への化合物の使用であって、該化合物が請求項9記載の方法によって同定される使用。
【請求項11】
失禁の治療用薬剤を提供するプロセスであって、下記工程:
(a)5−HT2C受容体に対するリガンド結合アッセイで化合物を試験する工程;
(b)100nM未満のIC50を有する化合物を選択する工程;
(c)工程(b)において選択した化合物と同じ構造を有する化合物又はその製薬的に受容される塩を、製薬的に受容されるキャリヤー又は賦形剤と共に製剤化する工程
を含むプロセス。
【請求項12】
失禁の治療用薬剤を提供するプロセスであって、下記工程:
(a)5−HT2C受容体の、アゴニスト刺激第2メッセンジャー反応を測定するアッセイで化合物を試験する工程;
(b)100nM未満のEC50を有する化合物を選択する工程;
(c)工程(b)において選択した化合物と同じ構造を有する化合物と、製薬的に受容されるキャリヤー若しくは賦形剤を製剤化する工程
を含むプロセス。
【請求項13】
付加的に、下記工程:
(d)工程(c)の製剤をパッケージングする工程;
(e)工程(d)のパッケージを、失禁で苦しむ患者が使用できるようにする工程
を含む、請求項11又は12に記載のプロセス。
【請求項14】
失禁の治療用薬剤の製造プロセスであって、(a)5−HT2C受容体の刺激を検出するために適したアッセイで化合物を試験する、又は5−HT2C受容体の、アゴニスト刺激第2メッセンジャー反応を測定するアッセイで化合物を試験する工程;(b)100nM未満のEC50を有する、5−HT2C受容体をアゴナイズすることができる1種類以上の化合物を同定する工程;及び(c)該1種類以上の同定した化合物のある量を製造する工程を含むプロセス。
【請求項15】
失禁の治療用組成物の製造方法であって、
(a)5−HT2C受容体を発現する細胞又はこのような細胞から調製された膜を放射能標識5−HT2C受容体リガンドと、試験化合物の存在下若しくは不存在下で接触させ、該細胞若しくは膜に結合した放射能を測定し、試験化合物の存在下と不存在下との該細胞若しくは膜に結合した放射能を比較して、結合した放射能を減少させる化合物が5−HT2C受容体に特異的に結合する化合物であるとすることを含む方法によって、5−HT2C受容体に特異的に結合する化合物を同定する工程;及び
(b)該化合物をキャリヤーと混合する工程
を含む方法。
【請求項16】
失禁の治療用組成物の製造方法であって、
(a)5−HT2C受容体を細胞表面で発現し、5−HT2C受容体アゴニストに応答した第2メッセンジャー反応を生じさせる細胞又はこのような細胞の膜調製物を、5−HT2C受容体の活性化に適した条件下で、5−HT2C受容体を特異的に活性化する化合物と別々に接触させて、該第2メッセンジャー反応を測定することを含み、該化合物の投与後の該第2メッセンジャー反応の上昇が、該化合物が該5−HT2C受容体アゴニストであることを実証する方法によって、5−HT2C受容体を特異的に活性化する化合物を同定する工程;及び
(b)該化合物をキャリヤーと混合する工程
を含む方法。
【請求項17】
該失禁が混合失禁又はストレス性尿失禁である、請求項1〜16のいずれかに記載の使用、プロセス又は方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−524679(P2006−524679A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506590(P2006−506590)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001437
【国際公開番号】WO2004/096196
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】