説明

女性用被服

【課題】ロングブラジャーのバック布の上縁部の位置を調整できる機能を付加することで、背中の繰りの広いドレスを着用した場合でも、それに合わせてバック布の上端縁部を下方に引き下げることができ、ドレスからはみ出ることなくインナーとして着用可能とする。
【解決手段】腰部まで達するフロント布10と、腰部まで達するバック布11と、フロント布10の上端部に設けられた左右のカップ部12a,12bとからなり、バック布11の上端部11aの中央位置に係止部21を設け、バック布11の中央中程部(バック布11の長さ方向のほぼ中央部)にこの係止部21を係止する被係止部22を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰部まで達するフロント布と、腰部まで達するバック布と、前記フロント布の上端部に設けられた左右のカップ部とからなる、いわゆるロングブラジャーやボディースーツ等の女性用被服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、腰部まで達するフロント布と、腰部まで達するバック布と、前記フロント布部の上端部に設けられた左右のカップ部とからなるいわゆるロングブラジャーやボディースーツ等が提案されている。
【0003】
ロングブラジャーとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0004】
このロングブラジャーは、図4に示すように、ウェストニッパーの機能も兼備させたロングブラジャーであり、フロント布110及びバック布105が共に長くウェスト下部まで延在している。また、左右の乳房カップ100の下半部の湾曲縁周縁104には、ほぼ円弧状のカップワイヤー103を具備している。この態様のロングブラジャーは、乳房の下側からウェスト部までの形を整えウェストを細く見せるようにするため、ほぼ直線状の金属やプラスチックスの細幅の帯状物からなるボーン109をさらに具備している。また、この図では肩紐106を備えているが、アウターとして肩紐の無いドレスを着用する場合には、この肩紐106を除去した状態のロングブラジャーも提供されている。
【特許文献1】特開2002−161404号公報([0004],図11参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、肩紐の無いロングブラジャーは、肩紐の無いドレスなどを着用するときにインナーとして着用されるが、ドレスによっては背中の繰りの広いものもあり、このような場合には、ロングブラジャーのバック布105の上縁部分がドレスからはみ出してしまうといった問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、ロングブラジャーのバック布の上縁部の位置を調整できる機能を付加することでこの問題を解決した女性用被服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の女性用被服は、腰部まで達するフロント布と、腰部まで達するバック布と、前記フロント布の上端部に設けられた左右のカップ部とからなる女性用被服であって、前記バック布の中央上端部に係止部が設けられるとともに、前記バック布の中央中程部に前記係止部を係止する被係止部が設けられたことを特徴とする。この場合、前記フロント布と前記バック布の左右の縫着部分に縦方向に沿ってボーンが設けられている。これにより、前記係止部を前記被係止部に係止することで、前記バック布の上端部を前記被係止部側に引き寄せることが可能となる。つまり、ボーンがあることで、バック布全体はボディーの定位置で固定されるため、バック布の中央上端部に設けられた係止部を、バック布の中央中程部に設けられた被係止部に係止することで、係止部側が被係止部側に引き寄せられ、その結果、バック布の上端縁部が下方に引き下げられることになる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の女性用被服は上記のように構成したので、背中の繰りの広いドレスを着用した場合でも、それに合わせてバック布の上端縁部を下方に引き下げることができるため、ドレスからはみ出ることなく本発明の女性用被服をインナーとして着用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態のロングブラジャー1を示しており、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0011】
このロングブラジャー1は、腰部まで達するフロント布10と、腰部まで達するバック布11と、フロント布10の上端部に設けられた左右のカップ部12a,12bとからなり、バック布11の上端部11aの中央位置に係止部21が設けられ、バック布11の中央中程部(バック布11の長さ方向のほぼ中央部)11bにこの係止部21を係止する被係止部22が設けられている。また、フロント布10とバック布11との左右の縫着部分に縦方向に沿ってボーン14がそれぞれ設けられており、フロント布10とバック布11とは、身体にフィットするように筒形状に形成されている。
【0012】
本実施形態のロングブラジャー1は、図2に示すように、ボーン14があることによって、着用したときに身体にフィットし、上下にずれないようになっている。
【0013】
ここで、係止部21は、バック布11の上端部11aの中央位置(背中のほぼ真ん中)に横向きに取り付けられた鉤フックの形状をしている。また、被係止部22は、一定間隔で縦方向に複数個の横穴22a,22a,・・・を有するフックアイ形状となっている。被係止部22は、テープ状の布辺を縦にしてバック布11に対面させ、その上端部と下端部とを横方向に縫着し、かつ、その間を一定間隔で横方向に平行に縫着することで、複数個の横穴22a,22a,・・・を形成することができる。
【0014】
図3は、係止部21を被係止部22の一つの横穴22aに係止した状態を示している。このように係止することで、バック布11の上端部11aを被係止部22側に引き寄せることが可能となる。つまり、ボーン14があることで、バック布11自体は身体の定位置(図2及び図3に示す位置)で上下にずれることなく固定されるため、係止部21を被係止部22に係止することで、バック布11の上部側のみが被係止部22側に引き寄せられ、その結果、バック布11の上端部11aが下方に引き下げられることになる。
【0015】
本発明によれば、背中の繰りの広いドレスを着用した場合でも、それに合わせてバック布11の上端部11aを下方に引き下げることができるため、ドレスからはみ出ることなく着用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係るロングブラジャーを示しており、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】ロングブラジャーの係止部を被係止部に係止しない状態で着用した状態を示す背面図である。
【図3】ロングブラジャーの係止部を被係止部に係止した状態で着用した状態を示す背面図である。
【図4】従来のロングブラジャーの構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 ロングブラジャー
10 フロント布
11 バック布
11a 上端部
11b 中央中程部
12a,12b カップ部
14 ボーン
21 係止部
22 被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰部まで達するフロント布と、腰部まで達するバック布と、前記フロント布の上端部に設けられた左右のカップ部とからなる女性用被服であって、
前記バック布の中央上端部に係止部が設けられるとともに、前記バック布の中央中程部に前記係止部を係止する被係止部が設けられたことを特徴とする女性用被服。
【請求項2】
前記フロント布と前記バック布の左右の縫着部分に縦方向に沿ってボーンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の女性用被服。
【請求項3】
前記係止部を前記被係止部に係止することで、前記バック布の上端部を前記被係止部側に引き寄せることを特徴とする請求項2に記載の女性用被服。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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