説明

妊婦の健康管理装置及び健康管理システム

【課題】個々の妊婦の健康状態を的確に判断し、一般には些細な体調変化であってもその妊婦にとっては重大な体調変化を見逃さず、しかも医療機関への不必要な受診を抑制して医療機関の負担を軽減する。
【解決手段】医療機関による診察結果と、所定の問診票と、前記問診票に対する回答とを記憶する記憶手段11と、前記問診票を表示する表示手段12と、前記問診票に対する回答を入力する入力手段13と、前記問診票に対する回答を、前記診察結果を加味して演算し数値化する演算手段14と、前記演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断手段15とを備える。そして、判断手段15による判断結果を表示手段12に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は妊婦の健康管理装置及び健康管理システムなどに関し、より詳細には、定期健診から次の定期健診までの間の健康管理を在宅で行うことができる妊婦の健康管理装置及び健康管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
妊娠が確認されると妊婦には行政機関から母子手帳が交付されると共に、医療機関によって4週間〜1週間に1回程度の頻度で定期健診が行われる。定期健診と次の定期健診との間の健康管理は妊婦の自己管理に委ねられている。
【0003】
しかし、健康管理を妊婦の自己管理のみに委ねると、近年の核家族化等の影響もあって周りに相談相手がいない場合には妊婦は精神的に不安定になりやすく、些細な体調の変化であっても医療機関に緊急受診することがある。逆に、重篤な体調の変化が生じているにもかかわらず医療機関に行かず、症状を悪化させることもある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、基礎体温や体重、血圧などを入力することによって、入力値と標準値とを比較して表示し、妊婦の健康を管理するシステムが提案されている。また、特許文献2では、妊婦の体調を示す項目を常時測定して医療機関等に送信し、妊婦の体調や胎児の状態を常時モニタリングする体調管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-265484号公報
【特許文献2】特開2003-111760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に提案されているシステムでは、体質の異なる個々の妊婦の生体値を標準値と画一的に比較して妊婦の状態を判断するので、通常は些細な体調変化であっても特定の妊婦にとっては重大な症状の予兆となる変化を見逃すおそれがある。また、特許文献2に提案されている体調管理装置では、妊婦の体調を常時モニタリングするので、妊婦の些細な体調変化を見逃すことはなくなるものの、常時モニタリングしなければならない医療機関等の負担は著しく増大すると考えられる。
【0007】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、個々の妊婦の健康状態を的確に判断し、一般には些細な体調変化であってもその妊婦にとっては重大な体調変化を見逃さず、しかも医療機関への不必要な受診を抑制して医療機関の負担を軽減する健康管理装置及び健康管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、妊婦の健康状態を管理する装置であって、医療機関による診察(妊婦健診)結果と、所定の問診票と、前記問診票に対する回答とを記憶する記憶手段と、前記問診票を表示する表示手段と、前記問診票に対する回答を入力する入力手段と、前記問診票に対する回答を、前記診察結果を加味して演算し数値化する演算手段と、前記演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断手段とを備え、前記判断手段による判断結果を前記表示手段に表示することを特徴とする妊婦の健康管理装置が提供される。
【0009】
ここで、前記医療機関による診察が腟内細菌に対する耐性の検査を含み、腟内細菌に対する耐性が低い妊婦の場合には、前記演算手段において不健康側へ数値を加算するのが望ましい。
【0010】
また、妊婦の健康状態をより的確に判断する観点からは、前記演算手段において、妊婦の妊娠週数によって前記問診票における回答の重み付けを変えるのが好ましい。
【0011】
そしてまた、通信手段をさらに設け、前記判断手段によって医師の診察を要すると判断された場合には、前記通信手段によって医療機関にその旨を報知するようにするのが好ましい。
【0012】
また本発明によれば、妊婦の使用する妊婦用端末と、医療機関の使用する医療機関用端末と、サーバとが通信ネットワークで接続されてなるシステムであって、前記妊婦用端末は、所定の問診票を表示する第1表示部と、前記問診票に対する回答を入力する第1入力部とを備え、前記医療機関用端末は、診察結果を入力する第2入力部を備え、前記サーバは、前記問診票と、前記問診票に対する妊婦の回答と、医療機関による診察結果とを記憶する記憶部と、前記問診票に対する回答を、医療機関による診察結果を加味して演算し数値化する演算部と、演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断部とを備え、前記判断部による判断結果を妊婦用端末の第1表示部に表示する妊婦の健康管理システムが提供される。
【0013】
ここで、前記医療機関用端末に第2表示部をさらに設け、前記判断部によって医師の診察を要すると判断された場合には、第2表示部にその旨を表示するようにするのが好ましい。
【0014】
さらに本発明によれば、妊婦の健康状態を管理するプログラムであって、記憶手段に記憶されている所定の問診票を表示手段に表示するステップと、前記問診票に対して入力された回答を、記憶手段に記憶されている、医療機関による診察結果を加味して演算し数値化するステップと、前記演算結果によって妊婦の健康状態を判断するステップと、前記判断手段による判断結果を前記表示手段に表示するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0015】
そしてまた本発明によれば、妊婦の腟内の分泌物を採取する採取部材と、緩衝液と、採取した分泌物を緩衝液に溶解した溶液のpHを測定する測定手段とを備えたことを特徴とする妊婦の腟内細菌耐性検査キットが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の健康管理装置及び健康管理システムによれば、個々の妊婦の健康状態を的確に判断することができ、一般には些細な体調変化であってもその妊婦にとっては重大な体調変化を見逃すことがない。加えて、医療機関への不必要な受診を抑制して医療機関の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る妊婦の健康管理装置の一例を示すブロック図である。
【図2】問診票の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る妊婦の健康管理装置の制御例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る妊婦の健康管理システムの一例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係わる腟内細菌耐性(pH緩衝能)検査キットの一例を示す図である。
【図6】本発明に係わる腟内細菌耐性(pH緩衝能)検査キットの使用手順を示す図である。
【図7】本発明に係わる妊婦腟内分泌物のpH緩衝能に関する臨床試験データの一部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る妊婦の健康管理装置及び健康管理システムなどについて図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0019】
図1に、本発明に係る妊婦の健康管理装置の一例を示すブロック図を示す。図1の健康管理装置1は、記憶手段11と、表示手段12と、入力手段13と、演算手段14と、判断手段15と、通信手段16と、報知手段17と、制御手段18とを有する。記憶手段11は、医療機関による診察結果と、所定の問診票と、問診票に対する回答を記憶する。医療機関による診察結果としては、例えば、妊婦の腹囲、体重、血圧、子宮底、浮腫、尿糖、尿蛋白、胎児心拍数、胎児位置などの測定結果、血液検査、細菌検査、子宮癌検査などの検査結果などが挙げられる。
【0020】
ところで、妊婦の約8%が早産に至っており、この主な原因は細菌性腟症と考えられている。細菌性腟症は腟内に雑菌が繁殖した状態をいい、妊娠中にこの状態が悪化し子宮腔内まで細菌感染が波及すると早産になる。腟内はある種の乳酸菌によって通常はpH4程度に保たれているので、本発明者等は、腟内pHを切迫早産患者の検出の指標にできないか鋭意検討を重ねたが、単に腟内pHを測定しただけでは切迫早産患者を検出できなかった。そこで、本発明者等はさらに検討を重ね、以下に説明する「腟内のpH緩衝能」という概念を導入し、妊婦の細菌性腟症に対する耐性を腟内pHの緩衝能として捉え、妊婦腟内のpH緩衝能の弱い妊婦(耐性の低い妊婦=早産しやすい妊婦)と、pH緩衝能の強い妊婦(耐性の高い妊婦=早産しにくい妊婦)とに分けられることを臨床試験等により見出した。一般に「緩衝能」とは、酸又は塩基を加えたときに生じるpHの変化を抑制しようとする尺度のことをいう。pH緩衝能の強い妊婦(耐性の高い妊婦)の場合には、腟内に雑菌が入っても乳酸菌によって腟内のpHが一旦中性側に傾いてもすぐに酸性に戻るため容易には腟炎にはならない。一方、pH緩衝能の弱い妊婦(耐性の低い妊婦)の場合には、腟内のpHがなかなか酸性に戻らず長時間中性側に傾いているため雑菌が繁殖し腟炎になりやすい。図7に臨床試験データの一部を示す。
【0021】
図7は、健常妊婦58人及び切迫早産妊婦27人の腟内から採取した分泌液のpH値と、10μLの分泌液を、pH7.4で10mMのリン酸緩衝液(以下「PBS」と記すことがある)1000μLに溶かした溶液のpH値とを示したものである。この図から理解されるように、PBSを添加しない場合の腟内分泌液のpH値は、健常妊婦と切迫早産妊婦とで大きな差は見られない。これに対し、PBSを添加した場合の腟内分泌液のpH値は、健常妊婦に比べて切迫早産妊婦は高くなっている。このように、細菌性腟症に対する耐性の低い妊婦か、耐性の高い妊婦かは、PBSを添加した腟内分泌液のpH値が所定値(例えばpH5.9)以上かどうかによって判別し得る。したがって、前記の細菌検査の一つとして、腟内細菌に対する耐性検査を含めるのが望ましい。
【0022】
前述のように、腟内細菌に対する耐性検査は、妊婦の腟内の分泌物を採取して緩衝液に溶解しpHを測定することにより行われる。かかる耐性検査を妊婦や医院などで簡便に行えるようにする観点から、前記分泌物を採取する採取部材と、緩衝液と、pH測定手段とを容器等に入れて腟内細菌耐性検査キットとしてもよい。前記採取部材としては、腟内の分泌物を採取できるものであれば従来公知のものが使用でき、例えば、綿棒などが好適に使用できる。また前記緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液が好適に使用できる。pH測定手段としてはpH試験紙など従来公知のものが使用できる。
【0023】
腟内細菌耐性検査キットの一例を図5に示す。図5の腟内細菌耐性検査キットは、適宜に計量されたリン酸緩衝液が入れられた密封された容器51と、腟分泌物を採取する綿棒52と、緩衝液と腟分泌物を攪拌する攪拌棒53と、攪拌後の溶液のpHを測定するpH試験紙54からなる。
【0024】
図6に前述の腟内細菌耐性検査キットの使用手順を示す。手順1として、緩衝液が入れられ密封された容器51の蓋を開ける。手順2として、緩衝液が入れられた容器に腟分泌物を採取した綿棒52を浸す。手順3として、腟分泌物と緩衝液が良く混ざるように攪拌棒53で攪拌する。手順4として、攪拌後の溶液のpHをpH試験紙等のpH測定器で測定する。
【0025】
図2に、問診票の一例を示す。問診票の質問項目は、妊娠週数によって変えるあるいは増やしてもよい。問診票の各質問項目に対する回答は入力手段13(図1に図示)から入力する。図2に示す問診票の場合には、該当する症状の回答番号を選択入力する。これらの問診票に対する回答は記憶手段11(図1に図示)に記憶される。
【0026】
演算手段14では、問診票における各質問項目の回答に対する評点を演算して数値化する。例えば、図2の「出血」項目における回答の評点を「なし」0点、「拭くと付く程度」2点、「おりものシートで間に合う程度」4点、「ナプキンが必要な程度」6点、「血のかたまりが出た」8点とする。問診票の各質問項目の回答についても同様にして評点を付け、すべての質問項目に対する回答の評点を合計して、その合計点によって妊婦の健康状態を判断する。そして、質問項目に対する回答、合計点、健康状態は記憶手段11に記憶される。上記例示の場合には、合計点が低いほど健康状態は良好で、合計点が高いほど健康状態は不良と判断される。
【0027】
ここで重要なことは、本発明の健康管理装置では、問診票の各質問項目に対する回答の評点を合計する際、医療機関による診察結果を加味することである。例えば、前述の腟内細菌に対する耐性検査の結果、耐性が低いとされた妊婦の場合には、「出血」などの特定項目における評点を例えば2倍にして合計する、あるいは合計点を例えば20%増しにする。これにより一般には些細な体調変化であってもその妊婦にとっては重大な体調変化の見逃しがなくなり、個々の妊婦の健康状態を的確に判断することができる。
【0028】
なお、評点の演算に加味する医療機関による診察結果としては、腟内細菌に対する耐性検査結果の他、定期健診時のプレグノグラム(妊娠経過図)による医師の判断から導かれる、妊婦の経験的(初産、経産)、精神的(生活行動、情緒安定)、肉体的(妊婦の腹囲、体重、血圧など)、生理的(細菌耐性など)な情報が挙げられる。
【0029】
そして、合計点が所定点以上の場合には、妊婦に対して医療機関を至急受診するよう報知手段17によって報知する。報知手段17としては、例えば表示画面への表示やランプの点灯・点滅、ブザー音などが挙げられる。また同時に、通信手段16によって医療機関に報知するのが好ましい。通信手段16としては、例えば、インターネット通信、USB通信、BlueTooth通信等の従来公知の通信を用いることができる。そしてまた、妊婦の問診票に対する日々の回答及び評点の合計点などは、通信手段16を介して医療機関へ送信するのが望ましい。
【0030】
なお、問診票における各質問項目の回答に対する評点は、妊娠週数に応じて変えるのが好ましい。例えば、「出血」項目に対する回答が「ナプキンが必要な程度」である場合、その評点を、妊娠週数が21週までは6点とし、妊娠週数が22週を超えると8点とする。これにより妊婦の健康状態をより的確に判断することができる。
【0031】
本発明の健康管理装置は、本発明によるプログラムをCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体からインストールする、あるいは通信ネットワークを介してインストールすることによって機能を発揮させる。
【0032】
図3に、以上説明した本発明の健康管理装置の制御例を示すフローチャートを示す。まず、記憶手段から問診票を読み出し表示手段に表示する(ステップS101)。そして、妊婦が問診票の各質問項目に対して回答を入力するのを待つ(ステップS102,S103)。妊婦がすべての質問項目に対して回答すると、医療機関による診察結果を記憶手段から読み出し(ステップS104)、問診票の回答に対する評点と前記診察結果を加味して演算する(ステップS105)。演算結果が所定値以上の場合には(ステップS106)、妊婦の健康状態が異常であると判断し、表示手段に医療機関に至急受診するよう促す表示を行うと共に(ステップS107)、妊婦の健康状態が異常であることを医療機関に通信手段を介して報知する(ステップS108)。一方、演算結果が所定値未満の場合には(ステップS106)、妊婦の健康状態は正常であると判断し、その旨を表示手段に表示し(ステップS109)、制御を終了する。
【0033】
次に、本発明に係る妊婦の健康管理システムについて説明する。図4に、本発明に係る妊婦の健康管理システムの一例を示すブロック図を示す。この図に示す健康管理システムは、妊婦が使用する複数台の妊婦用端末2と、医療機関が使用する医療機関用端末3と、サーバ4とが通信ネットワーク5を介して接続されている。
【0034】
妊婦用端末2は、スマートフォンや家庭用汎用コンピュータなどから構成され、表示画面(第1表示部)21と、操作キーやタッチパネル、マウスなどの入力操作部(第1入力部)22とを備える。医療機関用端末3は、汎用コンピュータなどから構成され、表示画面(第2表示部)31と、キーボードやタッチパネル、マウスなどの入力操作部(第2入力部)32とを備える。サーバ4は、問診票と、問診票に対する妊婦の回答と、医療機関による診察結果とを記憶する記憶部と、問診票に対する回答を、医療機関による診察結果を加味して演算し数値化する演算部と、演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断部とを備える。
【0035】
妊婦用端末2の表示画面21に、サーバ4から読み出された所定の問診票が表示され、問診票の各質問項目に対する回答が入力操作部22によって入力される。入力された回答はサーバ4の記憶部に記憶される。一方、医療機関用端末3からは、医療機関による診察結果が入力され、入力された診察結果はサーバ4の記憶部に記憶される。そして、サーバ4の演算部において、問診票に対する回答が評点された後、医療機関による診察結果を加味して演算されて数値化される。なお、問診票に対する回答の評点の演算方法については、前記実施形態の具体例がここでも例示される。
【0036】
そして、判断部において演算結果が所定値以上かどうかを判断され、演算結果が所定値以上であれば妊婦の健康状態が異常で、医師の診察を要すると判断し、妊婦用端末2の表示画面21に医療機関に受診するよう促す表示をする。また同時に、通信ネットワーク5を介して医療機関用端末3の表示画面31にも妊婦の健康状態が異常であることを表示する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る健康管理装置及び健康管理システムによれば、定期検診から定期検診までの在宅における妊婦の健康状態が日々判断され、些細な体調変化であってもその妊婦にとっては重大な体調変化の見逃しがなくなる。これにより妊婦にとって大きな安心感が得られる。また、医療機関にとっては不必要な受診が抑制され医師等への負担が軽減される。さらに、妊婦の日々の健康状態を定期検診の際などに医療機関において活用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 健康管理装置
2 妊婦用端末
3 医療機関用端末
4 サーバ
11 記憶手段
12 表示手段
13 入力手段
14 演算手段
15 判断手段
16 通信手段
21 表示画面(第1表示部)
22 入力操作部(第1入力部)
31 表示画面(第2表示部)
32 入力操作部(第2入力部)
51 容器
52 綿棒
53 攪拌棒
54 pH試験紙(pH測定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
妊婦の健康状態を管理する装置であって、
医療機関による診察結果と、所定の問診票と、前記問診票に対する回答とを記憶する記憶手段と、
前記問診票を表示する表示手段と、
前記問診票に対する回答を入力する入力手段と、
前記問診票に対する回答を、前記診察結果を加味して演算し数値化する演算手段と、
前記演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断手段とを備え、
前記判断手段による判断結果を前記表示手段に表示することを特徴とする妊婦の健康管理装置。
【請求項2】
前記医療機関による診察が腟内細菌に対する耐性の検査を含み、腟内細菌に対する耐性が低い妊婦の場合には、前記演算手段において不健康側へ数値を加算する請求項1記載の健康管理装置。
【請求項3】
前記演算手段は、妊婦の妊娠週数によって前記問診票に対する回答の重み付けを変える請求項1又は2記載の健康管理装置。
【請求項4】
通信手段をさらに備え、前記判断手段によって医師の診察を要すると判断された場合には、前記通信手段によって医療機関にその旨を報知する請求項1〜3のいずれかに記載の健康管理装置。
【請求項5】
妊婦の使用する妊婦用端末と、医療機関の使用する医療機関用端末と、サーバとが通信ネットワークで接続されてなるシステムであって、
前記妊婦用端末は、所定の問診票を表示する第1表示部と、前記問診票に対する回答を入力する第1入力部とを備え、
前記医療機関用端末は、診察結果を入力する第2入力部を備え、
前記サーバは、前記問診票と、前記問診票に対する妊婦の回答と、医療機関による診察結果とを記憶する記憶部と、前記問診票に対する回答を、医療機関による診察結果を加味して演算し数値化する演算部と、演算結果によって妊婦の健康状態を判断する判断部とを備え、
前記判断部による判断結果を妊婦用端末の第1表示部に表示する妊婦の健康管理システム。
【請求項6】
前記医療機関用端末が第2表示部をさらに備え、前記判断部によって医師の診察を要すると判断された場合には、第2表示部にその旨を表示する請求項5記載の健康管理システム。
【請求項7】
妊婦の健康状態を管理するプログラムであって、
記憶手段に記憶されている所定の問診票を表示手段に表示するステップと、前記問診票に対して入力された回答を、記憶手段に記憶されている、医療機関による診察結果を加味して演算し数値化するステップと、前記演算結果によって妊婦の健康状態を判断するステップと、前記判断手段による判断結果を前記表示手段に表示するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
妊婦の腟内の分泌物を採取する採取部材と、緩衝液と、採取した分泌物を緩衝液に溶解した溶液のpHを測定する測定手段とを備えたことを特徴とする妊婦の腟内細菌耐性検査キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16050(P2013−16050A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148754(P2011−148754)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507126487)公立大学法人奈良県立医科大学 (12)
【出願人】(509191724)株式会社ラステック (1)
【Fターム(参考)】