説明

姿勢をコントロールするためのインナーパンツ

【課題】ライフスタイルの中で、長時間に亘って着用でき、腰部から大腿部の必要部位に内旋機能を有したサポート力をかけることができ、着用者は腰部から大腿部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできるインナーパンツを提供する。
【解決手段】伸縮性生地の伸度による強弱がハイパワー部18とソフトパワー部20からなるパンツを製作し、伸縮性生地部に配置されたハイパワー部18とソフトパワー部20からなる部位は強弱のパワー差を有すると共に、伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部の部位において、編み方向をバイアス方向に配置されることにより生じる内旋機能により、着用者が下半身部の必要部位において着圧による内旋方向のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男女のインナーパンツや、アウターパンツ、スパッツ型水着等に採用され着用者の姿勢をコントロールする下衣に関するものであり、本発明の目的は、着用することで主に腰部から大腿部にかけた部位に内旋機能を有するハイパワーのサポート力をかけることができ、該内旋機能を有するハイパワーのサポート力にて着用者の姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできる下衣を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツウェアにおいて、着用者に被服圧を加えることにより、筋力の補強や筋力を強化して運動機能の増大を促すウェアが知られている。
【0003】
然しながら、本発明の如くライフスタイルの中で、例えば、朝から晩まで、長時間に亘って着用できる下衣、例えば、インナーパンツ等において、該インナーパンツを着用することにより、特に腰部から大腿部にかけた部位に内旋機能を有するハイパワーからなるサポート力をかけることが可能であり、インナーパンツの着用者がインナーパンツの着用時に腰部から大腿部にかけての部位に内旋機能を有するハイパワーのサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできるパンツを提供するものは皆無であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日常生活の中でも、一日中、立っている仕事、或いは同一の姿勢をとり続ける仕事は意外に多い。同一の姿勢をとり続けた結果、疲れがでてくると、疲労により骨盤が前傾や後傾しやすくなって腰痛が生じたり、上半身の荷重が支えられなくなって腰のねじり動作がスムーズに行かないといった動きの制限や、姿勢が悪くなって前屈み状態に陥り、放置しておくと、骨格自体が変形してしまい美しい姿勢が失われることになる。
【0005】
而して、本発明の下衣は、ライフスタイルの中で、例えば、朝から晩まで長時間に亘って着用でき、また、着用することにより、腰部から大腿部にかけての部位に内旋機能を有するハイパワーのサポート力をかけることができ、該内旋機能を有するハイパワーのサポート力を着用者が意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできる下衣を提供するもので、以下に本発明の具体的構成は、インナーパンツを例にして詳説する。
【0006】
本発明のインナーパンツは、例えば、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、該パンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地にて製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成されている。
【0007】
そして、前記一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツ全体は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、前記パンツを伸張して着用するとパンツを構成する伸縮性生地は内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を着用者に与えることになり、該パンツの着用者は下半身に加わる前記ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できるインナーパンツを提供するものである。
【0008】
また、本発明のインナーパンツにおいて、前記一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツは、伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部にて必要部位を製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、該伸度が強いハイパワー部を有する生地部と伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、また前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の下半身に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識でき、該ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できるインナーパンツを提供するものである。
【0009】
更に、本発明のインナーパンツは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成され、パンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、前記パンツを伸張して着用すると内旋機能を生じるように構成されている。
【0010】
そして、本発明のインナーパンツは、前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成され、更にパンツの後ろ面尻溝より上部の臀部膨らみ部の両側に一対のソフトパワー部を設け、またパンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、該ソフトパワー部と前記ハイパワー部とからなる部位の強弱のパワー差を着用者が意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することが可能に構成されているインナーパンツを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、該パンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地にて製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、該一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツ全体は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、前記パンツを伸張して着用するとパンツを構成する伸縮性生地は内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を着用者に与えることになり、該パンツの着用者は下半身に加わる前記ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できることを要旨としている。
【0012】
また、本発明は、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、
該一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部にて必要部位を製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、該伸度が強いハイパワー部を有する生地部と伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、また前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の下半身に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識でき、該ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できることを要旨としている。
【0013】
斯くして、本発明は、前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成されたパンツにおいて、パンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、前記パンツを伸張して着用すると前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の腰部から大腿部に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識可能となし、該ハイパワーのサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できるよう構成されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成されたパンツにおいて、パンツの後ろ面尻溝より上部の臀部膨らみ部の両側に一対のソフトパワー部を設け、更に、パンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、前記パンツを伸張して着用すると前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の腰部から大腿部に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識可能となし、該ハイパワーのサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できるよう構成されていることが好ましい。
【0015】
更に、本発明は、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と内旋機能を有する生地にて製作されるか、或いは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部とからなる内旋機能を有する生地にて構成されると共に、該パンツを構成する生地が左身頃と右身頃の生地とパンツ前部に位置する逆三角形の腹部からなる3枚の生地を縫製にて一体形状に構成し、前記3枚の生地の内、パンツ前部に位置する逆三角形の腹部は横方向に伸びにくい伸度の強い生地にて 構成されていることが好ましい。
【0016】
更にまた、本発明は、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツの裾端部の形状は切りっぱなしのフラット形状となし、更に編み密度を変えた切替により裾部の締め付け防止と巻き上がり防止機能を併せ持っていることが好ましい。
【0017】
そして、本発明において前記伸縮性を有する生地はナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの混紡でできた吸汗糸であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
而して、本発明は、上述した課題の解決手段を用いることにより、ライフスタイルの中で、例えば、朝から晩まで長時間に亘って着用でき、また、着用することにより、腰部から大腿部の全体部位に必要なサポート力をかけることができ、着用者が腰部から大腿部において前記サポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできるインナーパンツを提供することができた。
【0019】
また、本発明におけるインナーパンツは、例えばハイパワー部とソフトパワー部からなる伸縮性生地の伸度による強弱を有しており、該伸縮性生地の伸度がハイパワー部とソフトパワー部からなる部位においてそれぞれの編み方向をバイアス方向に配置することにより、前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部の部位における生地配置の方向において内旋機能を保有して、着用者が下半身部の必要部位で内旋機能を有したハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することが可能なインナーパンツを提供することができた。
【0020】
更に、本発明のインナーパンツは、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部有しており股下部と膝頭に掛けての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツを製作することにより、腰部から大腿部の必要部位にハイパワー部とソフトパワー部からなる部分的な伸度の強弱を保有し、且つ該パワーの強弱配分にて窮屈で苦しいパンツ全体の締め付け感をなくして内旋機能を有したハイパワーのサポート力を着用者にかけることができた。
【0021】
そして、本発明は、腰部から大腿部のサポート力を長時間にわたって楽に意識することが可能で、該サポート力を意識して本発明は姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできるインナーパンツを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、該パンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地にて製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成しているものである。
【0023】
そして、上記実施例において、一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツ全体は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、前記パンツを伸張して着用するとパンツを構成する伸縮性生地は内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を着用者に与えることになり、
該パンツの着用者は下半身に加わる前記ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できるように構成しているものである。
【0024】
また、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、該一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部にて必要部位を製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成している。
【0025】
そして、上記実施例において、一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部にて必要部位を製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、該伸度が強いハイパワー部を有する生地部と伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、また前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の下半身に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識でき、該ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できる構成を有しているものである。
【0026】
斯くして、ここでは、以下に本発明の実施に際しての補足的説明や、本明細書中の用語の説明を述べておきたい。
【0027】
「インナーパンツ」
本発明において、「インナーパンツ」とは、インナーパンツやアウターパンツ、スパッツ型水着等を含む下衣のことであり、この内、インナーパンツは、少なくとも腰部近傍から下半身をカバーして股部有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、或いは足首までの下半身を覆う下衣を示しており、前記アウターパンツは、同様に腰部近傍から下半身をカバーして股部有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、或いは足首までの下半身を覆い体にフィットするタイツ、スパッツ、スパッツ型水着等を含んでいる。
【0028】
「縫製」
本発明において、「縫製」とは、インナーパンツを製作するにあたり一般的に用いられている縫着、接着、貼着、溶着、プリント等による一体形状の形成手法を広く含むものであるが、編みの切り替えし手法、即ち無縫製(ダブルラッセル)による一体成型とは異なる手法であるので、前記縫製と無縫製は区別して説明している。
【0029】
「バイアス」
本発明において、「バイアス」とは、それぞれの裁ち目を正布位置として長手方向にとった伸縮性生地部を意味している。
【0030】
「伸縮性生地の伸度」
本発明において、「伸縮性生地の伸度」とは、生地自体の最大伸度とは関係なく、一般的に云って本発明のパンツにおいては、生地に対して20%〜60%伸ばされた状態で着用する、という前提での設計がなされている。前記設計において、本発明では、ハイパワーの伸度と、ソフトパワーの伸度を必要とするが、ハイパワーの伸度とは、JIS L 1018のB法(定荷重法)において、0.5Kg荷重時での伸長率は経12%〜18%、緯110%〜130%の範囲内であることが必要とされ、ソフトパワーの伸度は、同じJISのB法において、0.5Kg荷重時での伸長率が緯15%〜21%、緯210%〜270%の範囲内であることが必要とされている。
【0031】
「内旋機能」
本発明において、「内旋機能」とは、運動機能のメカニズムを解説する種々の動き、即ち、内転機能、外転機能、内旋機能、外旋機能のうちの一部を示しており、そのメカニズムを発揮するには、本発明の請求項1乃至2の構成が必要となる。
【0032】
本発明において、内旋機能とは体肢の長軸を軸とする運動機能を有するものであって、体肢の長軸を軸として足の先が内側に回転する運動機能をいう。そして、参考までに体肢の長軸を軸として足の先が外側に回転する運動機能を外旋機能という。
【0033】
これに対して内転または外転機能とは、体軸に近づける運動(内転)、逆に遠ざける運動(外転)を云うもので、換言すれば、内または、外に閉じる、開くと云う単純運動である。
【0034】
そして、本発明における内旋機能とは、一般的に云うところの内転機能とは体肢の長軸を軸芯として回転するか否かの点で全く異なるものであり、当該説明は、図1を参照すれば、より明快に理解できるものである。
【0035】
斯くして、図2乃至図5は、理想の姿勢を認識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することを着用者に知らしめるためのメカニズムを説明するものであり、図2乃至図5は、上述した内旋機能を有するメカニズム例を説明する。
【0036】
図2乃至図5において、1はパンツのハイパワー部を構成する伸縮性生地の一部、2は生地のバイアス方向を示す矢印、3a、3bは伸縮性生地への引張り力、4は伸縮性生地が引張られて変形した平行四辺形、5は伸縮性生地の縫製部、6は縫いつけて製作された円筒状体、7a、7bは着用者が着用後に自己補正する場合の方向を示している。
【0037】
図2において、1はパンツのハイパワー部を構成する伸縮性生地の一部を示しており、該ハイパワー部を構成する伸縮性生地1には生地のバイアス方向を示す矢印2が便宜上マーキングされている。
【0038】
図2に示すハイパワー部を構成する伸縮性生地1の伸度は、バイアス方向2において経伸び(縦伸び)が少なく緯伸び(横伸び)が多い構成を有して、およそ経伸びが0.5Kg荷重時での伸長率が経12%〜18%、緯伸びが0.5Kg荷重時での伸長率が緯110%〜130%の範囲内を有している。
【0039】
図3は、図2に示すハイパワー部を構成する伸縮性生地1を両側から引張り力3a、3bにて引張っている状態を示している。そして、ハイパワー部を構成する伸縮性生地1は、バイアス方向を示す矢印2方向において縦伸びが少なく横伸びが多い構成を有していることから、図3の如く平行四辺形4に伸びることになる。
【0040】
図4は、図3の状態で平行四辺形4に伸びたハイパワー部を構成する伸縮性生地1の両端を縫製部5で縫いつけて円筒状体6となして、ちょうど本発明のパンツ着用者の如く、股下大腿部左足に着用したと想定すると、矢印7a、7bの方向に自己補正をすることが必要となり、自己補正した結果、図5の矢印Y方向に捻じれ力が発生する。
【0041】
従って、図5に示す円筒状体6の伸縮性生地1は、股下大腿部左足に着用後、該生地のバイアス方向にスパイラル形状の捻じれ力7a、7bとなり、例えば、着用者自己の手で縫製部5を垂直方向に戻そうと自己補正(7a、7bの方向)し、図5の矢印Y方向に捻じれ力が発生し、前記股下大腿部左足に内旋機能のサポート力を与えることになる。
【実施例1】
【0042】
図6及び図7は本発明の実施例1の説明図であり、該図6及び図7において、図6は実施例1のパンツ外観形状を示す説明図で、その内、図6aは正面図(ウェア前面を示す)、図6bは左側面図(ウェア右側面図は対称のため省略)、図6cは背面図(ウェア後ろ面を示す)を示しており、図7は図6に示す実施例1のパンツを人が着用した状態を示す説明図で、その内、図7aは正面図、図7bは左側面図、図7cは背面図を示している。
【0043】
図6及び図7において、8はパンツ本体、9aはパンツの左身頃、9bはパンツの右身頃、10はパンツの上端部位置となる腰部、11は股下部、12はパンツの両脚部を構成する裾部、13は膝頭(パンツ着用時)、14は臀部膨らみ部、15は体軸前面部中心線、16は臀部中心線、17は尻溝位置(想像線)をそれぞれ示している。
【0044】
実施例1は、パンツ本体8を経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃9aと右身頃9bの二枚の生地に製作し、該左身頃9aと右身頃9bから成る二枚の生地を体軸前面中心線15、並びに臀部中心線16の位置、即ち縫合部で無縫製(ダブルラッセル)とすることにより、パンツ本体8を一体成型に構成している。
尚、実施例1では、パンツ本体8を無縫製にて一体成型形状に構成しているが、他の実施例では、パンツ本体8を縫製により一体形状に構成することも可能である。
【0045】
そして、前記一体成型されたパンツ本体8は、少なくとも腰部10近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部11と膝頭13に掛けての中間位置までの下半身に密着して着用できるものであり、該パンツ本体8は、全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18を有する生地にて製作されていることを特徴としている。
【0046】
斯くして、パンツ本体8の生地全体は、前記無縫製による縫合部、即ち、体軸前面中心線15、並びに背面では臀部中心線16の位置を境にして伸縮性生地の編み方向を左右対称となし、該編み方向は矢印19、19の如くバイアス方向に設定して配置されている。
【0047】
前記編み方向は矢印19、19の如くバイアス方向となし、伸縮性生地の編み方向をバイアスにとることで着用者に対して内旋機能を有した伸度の強いハイパワー部18を構成しており、該ハイパワー部18の伸度が内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力として発揮できる構成となっている。
【0048】
従って、図7a、図7b、図7cに示す如く、前記パンツ本体8を伸張して着用すると、該パンツ本体8の全体を構成する伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18は、バイアス方向の矢印19、19に設定して配置されることで生じる内旋機能により、着用者が下半身部の必要部位においてハイパワー部18におけるスパイラル形状のサポート力として意識できるので、パンツ本体8の着用者は前記スパイラル形状のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することができるものである。
【0049】
また、本発明の要旨では、ハイパワー部18によりスパイラルの捻じれ力を着用者が意識できるパンツ本体8を得ることが重要で、この点に鑑みると、実施例1では、左身頃9aと右身頃9bから成る二枚の生地を体軸前面中心線15、並びに臀部中心線16の位置で無縫製(ダブルラッセル)とすることも好ましい実施例となる。
【0050】
更に、本発明の実施例1においては、図6または図7に示す如く、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツ本体8の裾部12の端部形状は切りっぱなしのフラット形状となし、更に編み密度を変えた切替により裾部12の締め付け防止と巻き上がり防止機能を併せ持っている。
【0051】
そして、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツ本体8の生地は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの混紡でできた吸汗糸で構成されている。
尚、実施例1では、パンツ本体8の形状は少なくとも腰部10近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部11と膝頭13に掛けての中間位置までとしているが、本発明の他の実施例では、足首までの長さを有して下半身を覆う形でも良い。
【実施例2】
【0052】
図8及び図9は本発明の実施例2の説明図であり、図8は実施例2のパンツ外観形状を示す説明図で、その内、図8aは正面図(ウェア前面を示す)、図8bは左側面図(ウェア右側面図は対称のため省略)、図8cは背面図(ウェア後ろ面を示す)を示しており、図9は図8に示す実施例2のパンツを人が着用した状態を示す説明図で、その内、図9aは正面図、図9bは左側面図、図9cは背面図を示している。
【0053】
図8及び図9において、8はパンツ本体、9aはパンツの左身頃、9bはパンツの右身頃、10はパンツの上端部位置となる腰部、11は股下部、12はパンツの両脚部を構成する裾部、13は膝頭(パンツ着用時)、14は臀部膨らみ部、15は体軸前面部中心線、16は臀部中心線、17は尻溝位置(想像線)をそれぞれ示している。
【0054】
実施例2は、パンツ本体8を経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃9aと右身頃9bの二枚の生地に製作し、該左身頃9aと右身頃9bから成る二枚の生地を縫合部、即ち体軸前面中心線15、並びに臀部中心線16の位置で無縫製(ダブルラッセル)とすることにより、パンツ本体8を一体成型に構成している。
【0055】
そして、上記パンツ本体8は少なくとも腰部10近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部11と膝頭13にかけての中間位置までの下半身に図9の如く密着して着用される伸縮性生地からなるパンツである。
【0056】
斯くして、実施例2におけるパンツ本体8は、伸縮性生地の伸度の強い生地にて、ハイパワー部18が形成され、該ハイパワー部18の伸縮性生地に比較して、その伸度が弱く着用時に気にならない伸度を有するソフトパワー部20が、パンツの後ろ面尻溝位置16より上部の臀部膨らみ部14の両側に一対のソフトパワー部20、20として設けられている。
【0057】
また、ソフトパワー部20はパンツ本体8の前面における股下部11から両膝頭部13の略上部にかけた部分にも一対設けられており、更にパンツ本体3の両側面における股下部11からそれぞれの膝頭頭部13の略上部にかけた部分にもそれぞれ一対のソフトパワー部20が配置されている。
【0058】
次に、本発明の重要な構成要件として、前記ハイパワー部18とソフトパワー部20からなる生地部の部位はそれぞれの編み方向を矢印19の如くバイアス方向に設定した配置がされていることである。
【0059】
そして、前記パンツ本体8は伸縮性生地部に配置されたハイパワー部18とソフトパワー部20からなる部位の強弱のパワー差を有すると共に、伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18の部位においてバイアス方向の矢印19に設定して配置されることで生じる内旋機能により図9の如く着用者が下半身部の必要部位においてハイパワー部18のスパイラル形状のねじり力を着圧による内旋方向のサポート力として意識できるように構成され、パンツ本体8の着用者は前記サポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することができるものである。
【0060】
また、本発明の実施例2においては、図8並びに図9に示す如く、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツ本体8の裾部12の端部形状は切りっぱなしのフラット形状となし、更に編み密度を変えた切替により裾部12の締め付け防止と巻き上がり防止機能を併せ持っている。
【0061】
そして、前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツ本体8の生地は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの混紡でできた吸汗糸で構成されていることは、実施例1と同様のことである。
【0062】
尚、実施例2においては、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部20の配置をパンツの後ろ面尻溝位置16より上部の臀部膨らみ部14の両側に一対、また、パンツ本体8の前面における股下部11から両膝頭部13の略上部にかけた部分に一対、更にパンツ本体3の両側面における股下部11からそれぞれの膝頭頭部13の略上部にかけた部分にそれぞれ一対設けている。
【0063】
然しながら、当該ソフトパワー部20は、パンツ本体8の前面における股下部11から両膝頭部13の略上部にかけた部分に一対、そして、パンツ本体3の両側面における股下部11からそれぞれの膝頭頭部13の略上部にかけた部分にそれぞれ一対設けることでも充分に当初の効果が得られるものである。
【実施例3】
【0064】
図10は本発明の実施例3の説明図であり、図10は実施例3のパンツを着用した状態を示す説明図で、その内、図10aは正面図(ウェア前面を示す)、図10bは左側面図(ウェア右側面図は対称のために省略)、図10cは背面図(ウェア後ろ面を示す)を示している。
【0065】
図10において、8はパンツ本体、9aはパンツの左身頃、9bはパンツの右身頃、10はパンツの上端部位置となる腰部、11は股下部、12はパンツの両脚部を構成する裾部、13は膝頭(パンツ着用時)、14は臀部膨らみ部、15は体軸前面部中心線、16は臀部中心線、17は尻溝位置(想像線)、18は伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部、19はバイアス方向を示す矢印、20は伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部、21はパンツ前部に位置する逆三角形の腹部をそれぞれ示している。
【0066】
而して、実施例3は伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18を有する生地と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部20とからなる内旋機能を有する生地にて構成されると共に、該パンツ本体3を構成する生地が左身頃9aと右身頃9bの生地とパンツ前部に位置する逆三角形の腹部21からなる3枚の生地を縫製にて一体形状に構成し、前記3枚の生地の内、パンツ前部に位置する逆三角形の腹部21は横方向に伸びにくい伸度の強い生地にて構成され、パンツ本体8は少なくとも腰部10近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部11と膝頭13に掛けての中間位置までの下半身に図10の如く密着して着用される伸縮性生地からなるパンツである。
【0067】
そして、伸縮性生地の内、伸縮性生地の伸度が強い生地において、ハイパワー部18が形成され、該ハイパワー部18の伸縮性生地に比較して、その伸度が弱く着用時に気にならない伸度を有するソフトパワー部20が、パンツの後ろ面尻溝位置16より上部の臀部膨らみ部14の両側に一対のソフトパワー部20、20として設けられている。
【0068】
また、ソフトパワー部20はパンツ本体8の前面における股下部11から両膝頭部13の略上部にかけた部分にも一対設けられており、更にパンツ本体3両側面における股下部11からそれぞれの膝頭頭部13の略上部にかけた部分にもそれぞれ一対のソフトパワー部20が配置されている。
【0069】
尚、パンツ前部に位置する逆三角形の腹部21は、本発明の要旨には関係なく、パンツ本体8を構成する生地であってもよい。
【0070】
斯くして、本発明のパンツ本体8は少なくとも腰部10近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部11と膝頭13に掛けての中間位置までの下半身に密着して着用される伸縮性生地からなるパンツで、伸縮性生地の伸度がハイパワー部18とソフトパワー部20なる生地部と、パンツ前部に位置する逆三角形の腹部21の如く補助用生地部から構成されている。
【0071】
次に、本発明の重要な構成要件として、前記ハイパワー部18とソフトパワー部20なる生地部の部位はそれぞれの編み方向を矢印19の如くバイアス方向を設定した配置とされていることである。
【0072】
そして、前記パンツ本体8は伸縮性生地部に配置されたハイパワー部18とソフトパワー部20からなる部位の強弱のパワー差を有すると共に、伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18の部位においてバイアス方向の矢印19に設定して配置されることで生じる内旋機能により、図10の如く着用者が下半身部の必要部位において伸縮性生地のハイパワー部18が有するスパイラル形状のねじり力を着圧による内旋機能のサポート力として意識できる構成で、該内旋機能のサポート力を着用者が意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することができるものである。
【0073】
尚、実施例3に付随する他の実施例においては、伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツ本体8を全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部18と内旋機能を有する生地にて製作することや、パンツ本体8を製作するために、縫合部を無縫製(ダブルラッセル)にすること、更には、パンツ本体8の裾形状の仕様、並びにパンツ生地の素材は、実施例1や実施例2と同様とすることが可能である。
【0074】
また、本発明においては、パンツ本体8を構成する伸縮性生地のバイアス方向を変えることで、外旋機能を有したハイパワーのサポート力を発揮できるようにすることも他の実施例として可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
而して、本発明は、ライフスタイルの中で、例えば、朝から晩まで長時間に亘って着用でき、また、着用することにより、腰部から大腿部の全体部位に必要なサポート力をかけることができ、着用者が腰部から大腿部において前記サポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することのできるインナーパンツを提供するものである。
【0076】
また、本発明におけるインナーパンツは、例えばハイパワー部とソフトパワー部からなる伸縮性生地の伸度による強弱を有しており、該伸縮性生地の伸度がハイパワー部とソフトパワー部からなる部位においてそれぞれの編み方向をバイアス方向に配置することにより、前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部の部位における生地配置の方向において内旋機能を保有して、着用者が下半身部の必要部位で内旋機能を有したハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正することが可能なインナーパンツを提供するものである。
【0077】
更に、本発明のインナーパンツは、経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツを製作することにより、腰部から大腿部の必要部位にハイパワー部とソフトパワー部からなる部分的な伸度の強弱を保有し、且つ該パワーの強弱配分にて窮屈で苦しいパンツ全体の締め付け感をなくして内旋機能を有したハイパワーのサポート力を着用者にかけることができるもので産業上の利用価値は多大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】旋回機能、内旋機能または外旋機能の説明図である(「スポーツ・バイオメカニック入門」金子公宥著、2001)。 尚、体軸及び体肢の長軸を示す破線は、理解を容易とするために出願人において挿入したものである。
【図2】本発明の実施の形態で体形を補正することを着用者に認識させるためのメカニズム説明図、その1である。
【図3】本発明の実施の形態で体形を補正することを着用者に認識させるためのメカニズム説明図、その2(生地を引張っている状態を示す)である。
【図4】本発明の実施の形態で体形を補正することを着用者に認識させるためのメカニズム説明図、その3である。
【図5】本発明の実施の形態で体形を補正することを着用者に認識させるためのメカニズム説明図、その4である。
【図6a】本発明の実施例1を説明する正面図である。
【図6b】本発明の実施例1を説明する左側面図である。
【図6c】本発明の実施例1を説明する背面図である。
【図7a】本発明の実施例1を着用した状態を示す正面図である。
【図7b】本発明の実施例1を着用した状態を示す左側面図である。
【図7c】本発明の実施例1を着用した状態を示す背面図である。
【図8a】本発明の実施例2を説明する正面図である。
【図8b】本発明の実施例2を説明する左側面図である。
【図8c】本発明の実施例2を説明する背面図である。
【図9a】本発明の実施例2を着用した状態を示す正面図である。
【図9b】本発明の実施例2を着用した状態を示す左側面図である。
【図9c】本発明の実施例2を着用した状態を示す背面図である。
【図10a】本発明の実施例3を着用した状態を示す正面図である。
【図10b】本発明の実施例3を着用した状態を示す左側面図である。
【図10c】本発明の実施例3を着用した状態を示す背面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 ハイパワー部を構成する伸縮性生地
2 生地のバイアス方向を示す矢印
3a、3b 伸縮性生地への引張り力
4 伸縮性生地が引張られて変形した菱型
5 縫製部
6 円筒状体
7a、7b 自己補正の方向
8 パンツ本体
9a パンツの左身頃
9b パンツの右身頃
10 腰部
11 股下部
12 裾部
13 膝頭
14 臀部膨らみ部
15 体軸前面部中心線
16 臀部中心線
17 尻溝位置
18 ハイパワー部
19 バイアス方向を示す矢印(編み方向矢印)
20 ソフトパワー部
21 腹部
S1 体軸
S2 体肢の長軸
Y 矢印(図5における) 捻じれ力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、
該パンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地にて製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、
該一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツ全体は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、
前記パンツを伸張して着用するとパンツを構成する伸縮性生地は内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を着用者に与えることになり、
該パンツの着用者は下半身に加わる前記ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できること、
を特徴とする姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項2】
経編みや丸編みその他、殊にはラッセル編み機による経編みを用いてその経編の切り替えしにより左身頃と右身頃の縫合部を一体成型され、或いは左身頃と右身頃の縫合部を縫製により一体形状に形成して腰部近傍から下半身の一部をカバーして股部を有しており股下部と膝頭にかけての中間位置まで、または足首までの下半身に密着して着用する伸縮性生地からなるパンツにおいて、
該一体成型、或いは一体形状に構成されたパンツは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と、伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部にて必要部位を製作されていると共に左身頃と右身頃の生地を編みの切り替えしにより一体成型、或いは縫製にて一体形状に構成し、
該伸度が強いハイパワー部を有する生地部と伸度が弱いソフトパワー部を有する生地部は前記縫合部を中心に伸縮性生地の編み方向を左右対称としたバイアス方向に配置することで着用者に対して内旋機能を有した強いハイパワーのサポート力を発揮可能となし、
また前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の下半身に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識でき、
該ハイパワー部のサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できること、
を特徴とする姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項3】
前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成されたパンツにおいて、
パンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、
前記パンツを伸張して着用すると前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の腰部から大腿部に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識可能となし、
該ハイパワーのサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できること、
を特徴とする請求項2に記載された姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項4】
前記伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部にて必要部位を構成されたパンツにおいて、
パンツの後ろ面尻溝より上部の臀部膨らみ部の両側に一対のソフトパワー部を設け、
更に、パンツ前面股下部から両膝頭部の略上部にかけた部分、並びにパンツ両側面股下部からそれぞれの膝頭頭部の略上部にかけた部分にそれぞれ一対のソフトパワー部を配置し、
前記パンツを伸張して着用すると前記伸縮性生地のハイパワー部と伸縮性生地の弱いソフトパワー部は伸度の強弱差を有してパンツ着用者の腰部から大腿部に加わるハイパワーのサポート力をよりはっきりと意識可能となし、
該ハイパワーのサポート力を意識して姿勢をコントロールすることにより体形を補正できること、
を特徴とする請求項2に記載された姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項5】
前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツは全体が伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部と内旋機能を有する生地にて製作されるか、或いは伸縮性生地の伸度が強いハイパワー部を有する生地と伸縮性生地の伸度が弱いソフトパワー部とからなる内旋機能を有する生地にて構成されると共に、
該パンツを構成する生地が左身頃と右身頃の生地とパンツ前部に位置する逆三角形の腹部からなる3枚の生地を縫製にて一体形状に構成し、
前記3枚の生地の内、パンツ前部に位置する逆三角形の腹部は横方向に伸びにくい伸度の強い生地にて構成されていること、
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項6】
前記伸縮性を有する生地を用いて製作されるパンツの裾端部の形状は切りっぱなしのフラット形状となし、
更に編み密度を変えた切替により裾部の締め付け防止と巻き上がり防止機能を併せ持っていること、
を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載された姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。
【請求項7】
前記伸縮性を有する生地はナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの混紡でできた吸汗糸であること、
を特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載された姿勢をコントロールするためのインナーパンツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−179886(P2009−179886A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17134(P2008−17134)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(591038820)株式会社デサント (42)
【復代理人】
【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫
【Fターム(参考)】