姿勢補整機能を有する衣類
【課題】楽な着用感及び見栄えを損なうことなく、姿勢を補整することが可能な姿勢補整機能を有する衣類を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る姿勢補整機能を有する衣類1は、バストを覆うためのカップ部12を有し、少なくともバストを覆う本体部10と、本体部10の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部20とを備える。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る姿勢補整機能を有する衣類1は、バストを覆うためのカップ部12を有し、少なくともバストを覆う本体部10と、本体部10の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部20とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バストを覆うためのカップ部を有する衣類であって、姿勢補整機能を有する衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、姿勢補整機能を有する衣類として、強い緊締力を有する帯状の緊締部を備える姿勢改善サポート衣類が開示されている。特許文献1に開示の姿勢改善サポート衣類では、緊締部は、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかから左右下方へ延び、左右の肋骨下部を通り、下腹部中央において連結する。この姿勢改善サポート衣類によれば、緊締部によって第7〜第9胸椎と下腹部中央とを引き合うので、脊柱起立筋群と腹筋群とを同時にサポートすると共に、脊柱起立筋群と腹筋群とに同時に働きかけて収縮を促すように作用する。特に、腹筋群に働きかけて腹圧を高めることができる。その結果、胸椎の後湾及び腰椎の前湾を軽減し、背筋を伸ばすことができると共に下腹部を引き締めることができる。
【0003】
また、特許文献2には、姿勢補整機能を備える衣類として、コルセット等の特殊装具が開示されている。特許文献2に開示の特殊装具は、背骨のゆがみ治療(トリートメント)のための装具であり、上半身に装着する被服体と、被服体の背部とベルト部にそれぞれ配置されたエアバックとを備える。これにより、着用者の背中と腰の2箇所を同時に押圧することができ、背筋を十分に伸ばし、背骨全体の矯正を効果的に行うことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−261118号公報
【特許文献2】特開2004−305326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特に女性においては、姿勢を良くしたいと思う人が多いが、長時間にわたって、姿勢を意識し続けることは大変である。そこで、姿勢補整機能を備える衣類が要望されているが、上述した姿勢補整機能を備える衣類では以下のような問題がある。
【0006】
すなわち、特許文献1又は2に開示の衣類では、
・しっかりした素材や締付力の強い素材、またパワー切替により締付力をもたせている、
・働きかける位置がずれないように、締め付けている(たすきがけのように肩で引き上げる・本体部全体で固定する)、及び、
・姿勢を良くするため、広い範囲にパワーを持たせている、
等により、締付感がきつく、着用感が犠牲になってしまう。
【0007】
また、特許文献1又は2に開示の衣類では、
・肩ベルトが必須のものは、肩の露出度の高い衣類を着用できない、
・パワーをもたせている部分が、表からわかるため、見栄えが悪い、
・厚みがあると、アウターの上から形がわかる、
等により、アウターが制限されてしまったり、見栄えが損なわれてしまったりする。
【0008】
そこで、本発明は、楽な着用感及び見栄えを損なうことなく、姿勢を補整することが可能な姿勢補整機能を有する衣類を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の姿勢補整機能を有する衣類は、バストを覆うためのカップ部を有し、少なくともバストを覆う本体部と、本体部の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部とを備える。
【0010】
第7〜第9胸椎は、背中のS字曲線の後湾近傍部分であり、動作時に上半身の動きの支点(上半身の質量重心点)となり、背骨の中でも動き難い部位である。この姿勢補整機能を有する衣類によれば、突出部によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができる。具体的には、胸が左右方向に開く(胸が張れる)と同時に、脊柱の後湾部分が上下方向に伸び(背すじが伸びる)、深呼吸をした時のような、美しい上半身姿勢に近づく。さらに、脊柱が伸びることで、上半身質量重心点(第7〜9胸椎)が下半身の質量重心点に上手く乗るようになり、その結果として、全身の姿勢バランスを整えることができる。
【0011】
また、この姿勢補正機能を有する衣類によれば、突出部は、第7〜9胸椎のうちの少なくとも何れかに当接すれば良いため、広い面積で背中を押す必要もない。そのため、表から見ても姿勢補正機能のある部分がわかりにくく、見栄えを損なうことがない。また、突出部が背骨の中でも動き難い部位に位置し、カップ部(より具体的には、カップくり)によって、本体部が着用者の胸部周りを回転することを抑制することができるので、強く締め付けることによって突出部を固定させる必要がない。そのため、楽な着用感を損なうことがない。また、突出部を第7〜9胸椎のいずれかに当接させるために、ストラップ等の引き上げ力を必要としないので、肩紐のないアイテムにも応用することができ、肩の露出度の高い衣類を着用する場合に好適である。
【0012】
上記した本体部の背部は伸縮性を有し、上記した突出部は、着用状態において本体部の背部が伸縮する力を利用して湾曲状に突出してもよい。この構成によれば、着用する際に本体部が伸縮する力を利用して、突出部を肌側に突出させるので、更に楽な着用感で姿勢を整えることができる。
【0013】
また、上記した突出部は、着用状態において、本体部の背部が伸長することに伴って、当該伸長方向と交差する方向に縮小する力を利用して突出してもよい。
【0014】
また、上記した突出部は、平面視長方形状をなしており、突出部における縮小方向に対向する2つの端部が本体部に結合されており、突出部におけるその他の部分が本体部に対して遊離していてもよい。
【0015】
上記した姿勢補整機能を有する衣類は、突出部の突出を補助する補助部であって、本体部の背部に結合され、突出部における縮小方向の一方の端部から縮小方向のもう一方の端部又は当該もう一方の端部の延長線上へ向けて斜め方向に延在する当該補助部を更に備え、補助部は、着用状態において、本体部の背部が伸縮する力を利用して、突出部の突出を補助する形態であってもよい。
【0016】
例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部を突出させるとする。この構成によれば、本体部が伸縮する力を利用して、斜めに延在する補助部が更に倒れ込む。その結果、突出部の上下端部(縮小方向の端部)同士を近づける方向へ押す力が作用し、突出部の突出を補助することができる。
【0017】
上記した本体部は背部引上部を更に備え、背部引上部は、本体部における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に結合されていてもよい。
【0018】
例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部を突出させるとする。この場合、ストラップにより本体部の背部上辺のみを上方向に引くと、本体部が縦方向に縮小する力を阻害してしまう。しかしながら、この構成によれば、ストラップにより本体部の背部を引く力を背部下辺を引く力に分散することができるので、本体部が縦方向に縮小する力を阻害することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、楽な着用感及び見栄えを損なうことなく、姿勢を補整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す斜視図であって、(a)前面から示す斜視図、(b)背面から示す斜視図である。
【図2】図1に示す突出部材を拡大して示す拡大図である。
【図3】図1に示す突出部材及び補助部材であって、(a)非着用状態における突出部材及び補助部材、(b)着用状態における突出部材及び補助部材を示す図である。
【図4】人体の胸椎および胸郭を示す図である。
【図5】着用者の姿勢であって、(a)第1の実施形態の姿勢補整衣類を着用していないときの姿勢、(b)第1の実施形態の姿勢補整衣類を着用するときの姿勢を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類を展開して示す展開図であって、(a)裏側を展開して示す展開図、(b)表側を展開して示す展開図である。
【図9】第1の実施形態の変形例に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す斜視図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図11】突出部材の変形例を示す縦断面図である。
【図12】突出部材の変形例を示す図である。
【図13】突出部材の変形例を示す図である。
【図14】突出部材の変形例を示す図である。
【図15】補助部材の変形例を示す図である。
【図16】第2の実施形態の変形例に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。
【図17】本発明に係る実施例の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
【0022】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す斜視図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す斜視図である。この姿勢補整衣類1は、本体部10と、突出部材(突出部)20と、補助部材(補助部)31,32とを備えている。
【0023】
本体部10は、いわゆるチューブブラ型の衣類である主本体部110と、主本体部110の裏側に設けられ、着用者の胸部を周回する裏本体部120との2重構造をなしている。主本体部110及び裏本体部120は、伸縮性を有する生地(例えば、パワーネット、サテンパワーネット、ベア天竺等)からなっており、着用者にフィットするように形成されている。主本体部110及び裏本体部120は、前身頃と後身頃とを有し、これらを両脇側の縫合ラインL1に沿って縫合することにより形成されている。
【0024】
裏本体部120は、例えば、前身頃及び後身頃の上辺部において主本体部110の上辺部に縫着されており、裏本体部120の他の部分は主本体部110に対して遊離している。裏本体部120の前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、本体部10の前身頃及び後身頃の上辺部、下辺部には、伸縮性のテープ部材10fu,10fl,10bu,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、裏本体部120の後身頃には、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110と裏本体部120とは、両脇側の縫合ラインL1において縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10は1重構造であってもよい。
【0025】
図2は、突出部材20を拡大して示す拡大図である。また、図3(a)は、非着用状態における突出部材20及び補助部材31,32を示す図であり、図3(b)は、着用状態における突出部材20及び補助部材31,32を示す図である。
【0026】
突出部材20は、平面視略長方形状をなしており、裏本体部120の後身頃における後中心近傍に配置されている。突出部材20は、上部と下部とにおいて裏本体部120の後身頃に縫着されており(縫着記号S1)、その他の部分は裏本体部120と遊離している。突出部材20は、非着用状態において平面状をなしている。一方、着用状態においては、裏本体部120が伸縮する力を利用して、突出部材20における上下方向の中央部20cが、湾曲状に突出する。より具体的には、着用状態において、裏本体部120が左右方向に伸長することに伴って、上下方向に縮小する力を利用して、上端部20u及び下端部20lが近づき、中央部20cが湾曲状に突出する。これにより、突出部材20の中央部20cは、着用者の第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接することとなる。
【0027】
突出部材20には、湾曲状に突出する形状を保持可能な素材、例えば、不織布やウレタン等が適用可能である。また、突出部材20は、ポリウレタン等の樹脂シート21を更に内蔵してもよい。この場合、樹脂シート21の上部及び下部は、裏本体部120の後身頃に対する突出部材20の上部及び下部の縫着と共に、突出部材20に縫着されればよい(縫着記号S1)。これにより、突出部材20は更に可とう性を有することができ、突出した形状を保持しやすくなる。
【0028】
補助部材31,32は、難伸縮性のテープ部材からなり、裏本体部120の後身頃に縫着されている。補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在し、上端部20uから中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、更には、下端部20lの延長線上へ向けて斜め下方に延在している。一方、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在し、下端部20lから中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在し、更には、上端部20uの延長線上へ向けて斜め上方に延在している。ここで、中央線Lは、突出部材20の上端辺と下端辺との中央部において、これらの上端辺及び下端辺に略平行に延びるものとする。
【0029】
補助部材31,32は裏本体部120より伸びにくいため、着用状態において、裏本体部120が横方向に伸長した際に、補助部材31,32には縦方向へ縮小する力が集中的にかかる。これにより、補助部材31,32は、着用状態において、裏本体部120が伸縮する力を利用して、すなわち、裏本体部120が左右方向に伸長し、かつ、上下方向に縮小する力を利用して、更に倒れ込む。その結果、補助部材31によって、突出部材20の上端部20uを中央線L側に押す力が作用し、補助部材32によって、突出部材20の下端部20lを中央線L側に押す力が作用する。その結果、補助部材31,32は、突出部材20の中央部20cが湾曲状に突出することを補助することとなる。
【0030】
ここで、図4及び図5(a)に示すように、第7〜第9胸椎Aは、背中のS字曲線の後湾近傍部分であり、動作時に上半身の動きの支点(上半身の質量重心点)となり、背骨の中でも動き難い部位である。この第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、図5(b)に示すように、突出部材20によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができる。具体的には、胸が左右方向に開く(胸が張れる)と同時に、脊柱の後湾部分が上下方向に伸び(背すじが伸びる)、深呼吸をした時のような、美しい上半身姿勢に近づく。さらに、脊柱が伸びることで、上半身質量重心点(第7〜9胸椎)が下半身の質量重心点に上手く乗るようになり、その結果として、全身の姿勢バランスを整えることができる。
【0031】
また、この第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、突出部材20は、第7〜9胸椎のうちの少なくとも何れかに当接すれば良いため、広い面積で背中を押す必要もない。そのため、表から見ても姿勢補正機能のある部分がわかりにくく、見栄えを損なうことがない。また、突出部材20が背骨の中でも動き難い部位に位置し、カップ部12(より具体的には、カップくり)によって、本体部10が着用者の胸部周りを回転することを抑制することができるので、強く締め付けることによって突出部材を固定させる必要がない。そのため、楽な着用感を損なうことがない。また、突出部材を第7〜9胸椎のいずれかに当接させるために、ストラップ等の引き上げ力を必要としないので、肩紐のないアイテムにも応用することができ、肩の露出度の高い衣類を着用する場合に好適である。
【0032】
また、第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、非着用状態において、突出部材20がフラットな状態であるので、姿勢補正機能を持たせた部分が目立ちにくく、様々なアイテムに応用が可能である。
【0033】
なお、本実施形態では、いわゆるチューブブラ型の衣類を例示したが、本実施形態の特徴は、いわゆるチューブトップ型やキャミソール型の衣類等の様々なタイプの衣類に適用可能である。図6(a)及び図6(b)に第2の実施形態としてチューブトップ型の衣類の一例を、図7(a)及び図7(b)に第3の実施形態としてキャミソール型の衣類の一例を示す。
[第2の実施形態]
【0034】
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図6(b)は、本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類2は、姿勢補整衣類1において、チューブブラ型の本体部10に代えてチューブトップ型の本体部10Aを備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0035】
本体部10Aは、いわゆるチューブトップ型の衣類である主本体部110Aと、主本体部110Aの裏側に設けられ、上述した裏本体部120と同様に着用者の胸部を周回する裏本体部120Aとの2重構造をなしている。例えば、裏本体部120Aは、前身頃及び後身頃の上辺部において主本体部110Aの上辺部に縫着されており、裏本体部120Aの他の部分は主本体部110Aに対して遊離している。裏本体部120Aの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Aの前身頃及び後身頃の上辺部、下辺部には、伸縮性のテープ部材10fu,10fl,10bu,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Aの後身頃に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110Aと裏本体部120Aとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Aは1重構造であってもよい。
【0036】
この第2の実施形態の姿勢補整衣類2でも、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
[第3の実施形態]
【0037】
図7(a)は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図7(b)は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類3は、姿勢補整衣類1において、チューブブラ型の本体部10に代えてキャミソール型の本体部10Bを備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0038】
本体部10Bは、いわゆるキャミソール型の衣類である主本体部110Bと、主本体部110Bの裏側に設けられ、上述した裏本体部120と同様に着用者の胸部を周回する裏本体部120Bとの2重構造をなしている。例えば、裏本体部120Bは、前身頃の脇側上辺部から後身頃の上辺部にわたって主本体部110Bの上辺部に縫着されており、裏本体部120Bの他の部分は主本体部110Bに対して遊離している。裏本体部120Bの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Bの前身頃及び後身頃の下辺部には、伸縮性のテープ部材10fl,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Bの後身頃に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110Bと裏本体部120Bとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Bは1重構造であってもよい。
【0039】
この第3の実施形態の姿勢補整衣類3でも、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
[第4の実施形態]
【0040】
図8(a)は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を展開して示す展開図であり、図8(b)は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類の表側を展開して示す展開図である。この姿勢補整衣類4は、本体部10Cと、突出部材(突出部)20と、補助部材31,32とを備えている。
【0041】
本体部10Cは、いわゆるレーサーバック型及びフロントホック型のブラジャーであり、カップ部12と、土台部14と、バック部16と、バック引上部(背部引上部)17と、肩紐部18とを有している。
【0042】
カップ部12は、バストを覆うためのものであり、土台部14に支持されている。土台部14は、非伸縮性の布からなっており、カップ部12の下部から脇側にかけてカップ部12と縫着されている。土台部14の脇側には、バック部16が縫着されている。なお、土台部14は必ずしも備えなくてもよい。その場合、バック部16は、カップ部12の下辺部脇側に縫着される。バック部16は、伸縮性の布からなっており、背中を周回して土台部14及びカップ部12を支持するためのものである。バック部16には、伸縮性の布からなるバック引上部17が縫着されており、カップ部12の脇側上部には、伸縮性のテープ部材や紐等からなる肩紐部18が縫着されている。バック引上部17と肩紐部18とは、肩を介して連結されることによって、カップ部12を支持する。
【0043】
また、カップ部12と土台部14との境界には、すなわち、バージスラインに沿ってカップワイヤー40が装着されている。なお、カップワイヤー40は必ずしも備えなくてもよい。
【0044】
また、この本体部10Cのバック部16に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。
【0045】
本実施形態では、バック部16とバック引上部17とがレーサーバック部を構成する。バック引上部17は、バック部16における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に縫着されている。すなわち、バック引上部17は、バック部16における突出部材20の上部近傍の背部上辺部中央には縫着しない。そのため、バック引き上げ部17によるバック部16を引き上げる力が、突出部材20に伝わりにくくなる。更に、バック引き上げ部17の下辺部において、突出部材の下部近傍の背部下辺部中央からも遊離させると、より好ましい。
【0046】
この第4の実施形態の姿勢補整衣類4でも、突出部材20及び補助部材31,32を備えているので、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
【0047】
ここで、例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部材を突出させるとする。この場合、ストラップにより本体部の背部上辺のみを上方向に引くと、本体部が縦方向に縮小する力を阻害してしまう。
【0048】
しかしながら、第4の実施形態の姿勢補整衣類4によれば、バック引上部17が、バック部16における背部下辺部にも縫着されているため、ストラップにより本体部10Cの背部を引く力を背部下辺を引く力に分散することができ、本体部10Cが縦方向に縮小する力を阻害することを抑制することができる。更に、バック引上部17が、バック部16における背部上辺部中央及び背部下辺部中央から遊離することにより、バック引上部17によるバック部16を引き上げる力が、突出部材に伝わりにくくなる。
【0049】
なお、第1〜第4の実施形態では、突出部材20及び補助部材31,32を備える形態を例示したが、図9に示すように、補助部材31,32を必ずしも備えなくてもよい。
【0050】
第1〜第4の実施形態では、横方向に伸長することに伴って縦方向に縮小する力を利用する形態を例示したが、縦方向に伸長することに伴って横方向に縮小する力を利用してもよい。
[第5の実施形態]
【0051】
図10(a)は、本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図10(b)は、本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類5は、本体部10Dと、突出部材(突出部)20Dと、補助部材(補助部)31D,32Dとを備えている。
【0052】
本体部10Dは、いわゆるタンクトップ型の衣類である主本体部110Dと、主本体部110Dの裏側に設けられた裏本体部120Dとの2重構造をなしている。裏本体部120Dは、上述した裏本体部120と同様に、着用者の胸部を周回している。主本体部110D及び裏本体部120Dは、伸縮性を有する生地(例えば、パワーネット、サテンパワーネット、ベア天竺等)からなっており、着用者にフィットするように形成されている。
【0053】
主本体部110D及び裏本体部120Dにおける背部は、レーサーバック型をなしている。例えば、裏本体部120Dは、アームホール及びネックラインにわたって主本体部110Dの脇辺部及び襟部に縫着されており、裏本体部120Dの他の部分は主本体部110Dに対して遊離している。裏本体部120Dの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Dの前身頃及び後身頃の下辺部には、伸縮性のテープ部材10fl,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Dの後身頃に、突出部材20D及び補助部材31D,32Dが設けられている。なお、主本体部110Dと裏本体部120Dとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Dは1重構造であってもよい。
【0054】
突出部材20D及び補助部材31D,32Dは、上述した突出部材20及び補助部材31,32を90度回転させた形状をなしている。すなわち、突出部材20Dは、平面視略長方形状をなしており、裏本体部120Dの後身頃における後中心近傍に配置されている。突出部材20Dは、左部と右部とにおいて裏本体部120Dの後身頃に縫着されており、その他の部分は裏本体部120Dと遊離している。突出部材20Dは、非着用状態において平面状をなしている。一方、着用状態においては、裏本体部120Dが伸縮する力を利用して、突出部材20Dにおける左右方向の中央部20cが、湾曲状に突出する。より具体的には、着用状態において、裏本体部120Dがレーサーバック構造によって上下方向に伸長することに伴って、左右方向に縮小する力を利用して、左端部20L及び右端部20Rが近づき、中央部20cが湾曲状に突出する。これにより、突出部材20Dの中央部20cは、着用者の第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接することとなる。
【0055】
また、補助部材31Dは、突出部材20Dの左端部20Lに沿って上下方向に延在し、左端部20Lから中央線Lへ向けて斜め右側上下方向に延在し、更には、右端部20Rの延長線上へ向けて斜め右方向に延在している。一方、補助部材32Dは、突出部材20Dの右端部20Rに沿って上下方向に延在し、右端部20Rから中央線Lへ向けて、斜め左側上下方向に延在し、更には、左端部20Lの延長線上へ向けて斜め左方向に延在している。補助部材31D,32Dは、着用状態において、裏本体部120Dが伸縮する力を利用して、すなわち、裏本体部120Dが上下方向に伸長し、かつ、左右方向に縮小する力を利用して、更に倒れ込む。その結果、補助部材31Dによって、突出部材20Dの左端部20Lを中央線L側に押す力が作用し、補助部材32Dによって、突出部材20Dの右端部20Rを中央線L側に押す力が作用する。その結果、補助部材31D,32Dは、突出部材20Dの中央部20cが湾曲状に突出することを補助することとなる。
【0056】
この第5の実施形態の姿勢補整衣類5でも、突出部材20D及び補助部材31D,32Dを備えているので、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
【0057】
なお、裏本体部120Dにおける中央部(突出部材20Dが縫着されている部分)には、縦方向に伸びやすい素材を使用し、その左右両側には、縦横方向に伸びる素材を使用してもよい。これにより、裏本体部120Dの中央部が縦に伸ばされることにより、横方向に生地が縮小しやすくなる。また、裏本体部120Dの中央部の生地が縮小しても、その左右両側の生地が縦横に伸びるため、ひきつられることなく、身頃を身体になじませることができる。
【0058】
なお、第5の実施形態では、突出部材20D及び補助部材31D,32Dを備える形態を例示したが、補助部材31D,32Dを必ずしも備えなくてもよい。
【0059】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。図11は、突出部材の変形例を示す縦断面図である。例えば、本実施形態では、図11(a)に示すように、非着用状態では平面状をなし、着用時に突出する突出部材20,20Dを例示したが、突出部材は、図11(b)〜図11(d)に示すように、非着用状態において既に突出しており、着用時に更に突出してもよいし、非着用状態において既に突出しており、着用状態においてもその状態が保持される態様であってもよい。また、図11(b)、(d)に示すように、突出部材に厚みのある部材を用いても良い。この場合、着用時に突出する幅に加えて部材自体の幅があるため、より突出幅を持たせることができ、個人差に対応できる。また、肌あたりもソフトにすることができる。また、図11(c)に示すように、突出部材に予めカーブをつけて、着用時に更に突出させても良い。この場合、予め肌側にカーブがついているので、着用したときに、誤って肌側でなく反対側に突出することを防止できる。
【0060】
また、本実施形態では、上端部20uから下端部20lにわたって左右方向の幅が一定である平面視長方形状の突出部材20を例示したが、突出部材の形状はこれに限定されない。例えば、突出部材20は、図12(a)に示すように、左右方向の幅(すなわち、本体部の伸長方向における幅)が、上端部20u及び下端部20l(すなわち、本体部10の縮小方向における端部)から中央部20c(縮小方向における中央部)へ向けて次第に狭くなる平面視略長方形状であってもよい。これにより、突出部材20の中央部20cが湾曲状に突出し易くなる。また、突出部材20は、図12(b)に示すように上端部20u及び下端部20lから中央部20cへ向けて次第に幅が太くなる平面視略長方形状であってもよいし、図12(c)に示すように平面視ひし形形状であってもよいし、図12(d)に示すように平面視楕円形状や平面視正円形状であってもよい。
【0061】
なお、平面視楕円形状や平面視正円形状の突出部材の場合、図13に示すように、突出部材における周辺部が本体部に縫着(結合)されており(縫着記号S1)、突出部材におけるその他の部分が本体部に対して遊離していてもよい。この場合、図13に示すように、突出部材は、非着用状態において既に突出しており、本体部が伸縮する力を利用して変形し、着用時に更に突出してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、突出部材20,20Dは、本体部が縮小する力を利用して突出したが、本体部が伸長する力を利用して突出してもよい。例えば、図14に示すように、突出部材20Xは、平面視略長方形状をなすものを折り返して設けられており、突出部材20Xにおける伸長方向に対向する2つの端部20L,20Rが本体部10Xに縫着(結合)されており(縫着記号S1)、突出部材20Xにおけるその他の部分が本体部10Xに対して遊離していてもよい。このとき、突出部材20Xの両側の本体部10Xが引っ張られることにより、突出部材20Xにおける2つの端部20L,20Rが互いに離れる方向へ引っ張られる。それによって、突出部材20Xが立ち上がって突出する。また、本体部10Xでは、突出部材20Xの両側の部分より突出部材20Xと重なる部分に伸びやすい素材を用いると、更に好ましい。
【0063】
また、本実施形態では、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在し、上端部20uから中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、更には、下端部20lの延長線上へ向けて斜め下方に延在する補助部材31、及び、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在し、下端部20lから中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在し、更には、上端部20uの延長線上へ向けて斜め上方に延在する補助部材32を例示したが、例えば、図15(a)に示すように、補助部材31は上端部20uから中央線L近傍までしか延在せず、同様に、補助部材32は下端部20lから中央線L近傍までしか延在しない形態であってもよい。また、図15(b)に示すように、補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の上端部20uの中央近傍から中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、同様に、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の下端部20lの中央近傍から中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在する形態であってもよい。
また、図15(c)に示すように、補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の上端部20uの中央近傍から中央線Lへ向けて円弧状に斜め下方脇側方向に延在し、同様に、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の下端部20lの中央近傍から中央線Lへ向けて円弧状に斜め上方脇側方向に延在する形態であってもよい。これらの図15(a)〜(c)に示す形態によれば、補助部材31,32を比較的に小さく形成することができる。
【0064】
また、図15(d)に示すように、図15(a)に示す補助部材31及び補助部材32に加えて、補助部材31,32の交差部分を通り、左右方向(本体部の伸長方向)に略直交する方向に延在する補助部材33を更に備える形態であってもよい。また、図15(e)に示すように、図15(b)に示す補助部材31及び補助部材32に加えて、補助部材31,32の交差部分を通り、左右方向(本体部の伸長方向)に延在する補助部材33を更に備える形態であってもよい。また、図15(f)に示すように、図15(e)に示す補助部材31及び補助部材32が中央線L近傍で連結せず、中央線L近傍における補助部材31及び補助部材32の端部それぞれに、左右方向(本体部の伸長方向)に延在する補助部材33が設けられる形態であってもよい。これらの図15(d)〜(f)に示す形態によれば、補助部材33によって、左右方向への引っ張り力を強化することができ、補助部材31及び補助部材32が更に倒れ込むこととなる。その結果、補助部材31及び補助部材32によって、突出部材20の上端部20u及び下端部20lを中央線L側に押す力が増加し、突出部材20の中央部20cが更に突出することとなり、また突出部材20の突出を更に保ちやすくなる。
【0065】
また、本実施形態では、本体部を2重構造とし、裏本体部に突出部材を直接縫着したが、本体部が1重構造の場合には、補助布を介して突出部材を本体部に縫着してもよい。例えば、図16に示すように、第2の実施形態の姿勢補整衣類2において、裏本体部120Aを備えず、主本体部110Aに補助布35を介して突出部材20を配置する。補助布35は、主本体部110Aの伸長方向に交差する両端部35l,35rにおいて主本体部110Aに縫着されており、その他の部分において主本体部110Aと遊離している。一方、突出部材20は、主本体部110Aの伸長に伴って伸縮する伸縮方向に交差する両端部20u,20lにおいて補助布35に縫着され、その他の部分において補助布35と遊離している。補助布35としては、上記した裏本体部と同様の生地が適用可能である。なお、本体部が2重構造の場合にも、突出部材20と補助布35との組み合わせ構造を適用してもよい。また、補助布35の上辺は、主本体部の上辺部のテープ部材や裏本体部の下辺部のテープ部材から離した位置に縫着されると、補助布35の伸縮することに伴う縮小を妨げにくくなるため良い。
【0066】
また、本実施形態では、突出部材及び補助部材を本体部に縫着する形態を例示したが、突出部材及び補助部材は本体部に樹脂接着等により結合されてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、本体部とは別部材の突出部材及び補助部材を備える形態を例示したが、本発明の突出部及び補助部は本体部の一部に一体的に形成されてもよい。例えば、本体部の一部を布地のパワー切替や刺繍、樹脂、オパール加工等により強くすることで、突出部及び補助部を形成してもよい。
【0068】
また、本実施形態の特徴は、インナーのみならずアウターであっても、カップ部を備える衣類であればすべてに適用可能である。
【実施例1】
【0069】
図6(a)及び(b)に示す本発明の第2の実施形態の姿勢補整衣類2を実施例として製作し、モニタによる着用評価を行った。図17(a)は、略裸状態のモニタを脇側から撮影した結果を忠実に示す図であり、図17(b)は、実施例の姿勢補整衣類2を着用したときのモニタを脇側から撮影した結果を忠実に示す図である。
【0070】
図17によれば、突出部材20によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができた。具体的には、ヌード状態と比較して、背中の丸みが改善され、背中よりヒップが後方に出ていることから、背筋が伸びたと考えられる。また、ヌード状態と比較して、腹部がすっきりし、腹部よりもバストが前方に出ていることから、腹部が立ち上がったと考えられる。これより、全身の姿勢バランスが整えられたと考えられる。
【符号の説明】
【0071】
1,2,3,4,5…姿勢補整衣類、10,10A,10B,10C,10D,10X…本体部、10fu,10fl,10bu,10bl,12l…テープ部材、12…カップ部、14…土台部、16…バック部、17…バック引上部(背部引上部)、18…肩紐部、20,20D,20X…突出部材(突出部)、20u…上端部、20l…下端部、20c…中央部、20L…左端部、20R…右端部、21…樹脂シート、31,32,31D,32D,33…補助部材(補助部)、40…カップワイヤー、110,110A,110B,110D…主本体部、120,120A,120B,120D…裏本体部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バストを覆うためのカップ部を有する衣類であって、姿勢補整機能を有する衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、姿勢補整機能を有する衣類として、強い緊締力を有する帯状の緊締部を備える姿勢改善サポート衣類が開示されている。特許文献1に開示の姿勢改善サポート衣類では、緊締部は、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかから左右下方へ延び、左右の肋骨下部を通り、下腹部中央において連結する。この姿勢改善サポート衣類によれば、緊締部によって第7〜第9胸椎と下腹部中央とを引き合うので、脊柱起立筋群と腹筋群とを同時にサポートすると共に、脊柱起立筋群と腹筋群とに同時に働きかけて収縮を促すように作用する。特に、腹筋群に働きかけて腹圧を高めることができる。その結果、胸椎の後湾及び腰椎の前湾を軽減し、背筋を伸ばすことができると共に下腹部を引き締めることができる。
【0003】
また、特許文献2には、姿勢補整機能を備える衣類として、コルセット等の特殊装具が開示されている。特許文献2に開示の特殊装具は、背骨のゆがみ治療(トリートメント)のための装具であり、上半身に装着する被服体と、被服体の背部とベルト部にそれぞれ配置されたエアバックとを備える。これにより、着用者の背中と腰の2箇所を同時に押圧することができ、背筋を十分に伸ばし、背骨全体の矯正を効果的に行うことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−261118号公報
【特許文献2】特開2004−305326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特に女性においては、姿勢を良くしたいと思う人が多いが、長時間にわたって、姿勢を意識し続けることは大変である。そこで、姿勢補整機能を備える衣類が要望されているが、上述した姿勢補整機能を備える衣類では以下のような問題がある。
【0006】
すなわち、特許文献1又は2に開示の衣類では、
・しっかりした素材や締付力の強い素材、またパワー切替により締付力をもたせている、
・働きかける位置がずれないように、締め付けている(たすきがけのように肩で引き上げる・本体部全体で固定する)、及び、
・姿勢を良くするため、広い範囲にパワーを持たせている、
等により、締付感がきつく、着用感が犠牲になってしまう。
【0007】
また、特許文献1又は2に開示の衣類では、
・肩ベルトが必須のものは、肩の露出度の高い衣類を着用できない、
・パワーをもたせている部分が、表からわかるため、見栄えが悪い、
・厚みがあると、アウターの上から形がわかる、
等により、アウターが制限されてしまったり、見栄えが損なわれてしまったりする。
【0008】
そこで、本発明は、楽な着用感及び見栄えを損なうことなく、姿勢を補整することが可能な姿勢補整機能を有する衣類を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の姿勢補整機能を有する衣類は、バストを覆うためのカップ部を有し、少なくともバストを覆う本体部と、本体部の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部とを備える。
【0010】
第7〜第9胸椎は、背中のS字曲線の後湾近傍部分であり、動作時に上半身の動きの支点(上半身の質量重心点)となり、背骨の中でも動き難い部位である。この姿勢補整機能を有する衣類によれば、突出部によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができる。具体的には、胸が左右方向に開く(胸が張れる)と同時に、脊柱の後湾部分が上下方向に伸び(背すじが伸びる)、深呼吸をした時のような、美しい上半身姿勢に近づく。さらに、脊柱が伸びることで、上半身質量重心点(第7〜9胸椎)が下半身の質量重心点に上手く乗るようになり、その結果として、全身の姿勢バランスを整えることができる。
【0011】
また、この姿勢補正機能を有する衣類によれば、突出部は、第7〜9胸椎のうちの少なくとも何れかに当接すれば良いため、広い面積で背中を押す必要もない。そのため、表から見ても姿勢補正機能のある部分がわかりにくく、見栄えを損なうことがない。また、突出部が背骨の中でも動き難い部位に位置し、カップ部(より具体的には、カップくり)によって、本体部が着用者の胸部周りを回転することを抑制することができるので、強く締め付けることによって突出部を固定させる必要がない。そのため、楽な着用感を損なうことがない。また、突出部を第7〜9胸椎のいずれかに当接させるために、ストラップ等の引き上げ力を必要としないので、肩紐のないアイテムにも応用することができ、肩の露出度の高い衣類を着用する場合に好適である。
【0012】
上記した本体部の背部は伸縮性を有し、上記した突出部は、着用状態において本体部の背部が伸縮する力を利用して湾曲状に突出してもよい。この構成によれば、着用する際に本体部が伸縮する力を利用して、突出部を肌側に突出させるので、更に楽な着用感で姿勢を整えることができる。
【0013】
また、上記した突出部は、着用状態において、本体部の背部が伸長することに伴って、当該伸長方向と交差する方向に縮小する力を利用して突出してもよい。
【0014】
また、上記した突出部は、平面視長方形状をなしており、突出部における縮小方向に対向する2つの端部が本体部に結合されており、突出部におけるその他の部分が本体部に対して遊離していてもよい。
【0015】
上記した姿勢補整機能を有する衣類は、突出部の突出を補助する補助部であって、本体部の背部に結合され、突出部における縮小方向の一方の端部から縮小方向のもう一方の端部又は当該もう一方の端部の延長線上へ向けて斜め方向に延在する当該補助部を更に備え、補助部は、着用状態において、本体部の背部が伸縮する力を利用して、突出部の突出を補助する形態であってもよい。
【0016】
例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部を突出させるとする。この構成によれば、本体部が伸縮する力を利用して、斜めに延在する補助部が更に倒れ込む。その結果、突出部の上下端部(縮小方向の端部)同士を近づける方向へ押す力が作用し、突出部の突出を補助することができる。
【0017】
上記した本体部は背部引上部を更に備え、背部引上部は、本体部における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に結合されていてもよい。
【0018】
例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部を突出させるとする。この場合、ストラップにより本体部の背部上辺のみを上方向に引くと、本体部が縦方向に縮小する力を阻害してしまう。しかしながら、この構成によれば、ストラップにより本体部の背部を引く力を背部下辺を引く力に分散することができるので、本体部が縦方向に縮小する力を阻害することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、楽な着用感及び見栄えを損なうことなく、姿勢を補整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す斜視図であって、(a)前面から示す斜視図、(b)背面から示す斜視図である。
【図2】図1に示す突出部材を拡大して示す拡大図である。
【図3】図1に示す突出部材及び補助部材であって、(a)非着用状態における突出部材及び補助部材、(b)着用状態における突出部材及び補助部材を示す図である。
【図4】人体の胸椎および胸郭を示す図である。
【図5】着用者の姿勢であって、(a)第1の実施形態の姿勢補整衣類を着用していないときの姿勢、(b)第1の実施形態の姿勢補整衣類を着用するときの姿勢を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類を展開して示す展開図であって、(a)裏側を展開して示す展開図、(b)表側を展開して示す展開図である。
【図9】第1の実施形態の変形例に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す斜視図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を示す図であって、(a)前面から示す図、(b)背面から示す図である。
【図11】突出部材の変形例を示す縦断面図である。
【図12】突出部材の変形例を示す図である。
【図13】突出部材の変形例を示す図である。
【図14】突出部材の変形例を示す図である。
【図15】補助部材の変形例を示す図である。
【図16】第2の実施形態の変形例に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。
【図17】本発明に係る実施例の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
【0022】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す斜視図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す斜視図である。この姿勢補整衣類1は、本体部10と、突出部材(突出部)20と、補助部材(補助部)31,32とを備えている。
【0023】
本体部10は、いわゆるチューブブラ型の衣類である主本体部110と、主本体部110の裏側に設けられ、着用者の胸部を周回する裏本体部120との2重構造をなしている。主本体部110及び裏本体部120は、伸縮性を有する生地(例えば、パワーネット、サテンパワーネット、ベア天竺等)からなっており、着用者にフィットするように形成されている。主本体部110及び裏本体部120は、前身頃と後身頃とを有し、これらを両脇側の縫合ラインL1に沿って縫合することにより形成されている。
【0024】
裏本体部120は、例えば、前身頃及び後身頃の上辺部において主本体部110の上辺部に縫着されており、裏本体部120の他の部分は主本体部110に対して遊離している。裏本体部120の前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、本体部10の前身頃及び後身頃の上辺部、下辺部には、伸縮性のテープ部材10fu,10fl,10bu,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、裏本体部120の後身頃には、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110と裏本体部120とは、両脇側の縫合ラインL1において縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10は1重構造であってもよい。
【0025】
図2は、突出部材20を拡大して示す拡大図である。また、図3(a)は、非着用状態における突出部材20及び補助部材31,32を示す図であり、図3(b)は、着用状態における突出部材20及び補助部材31,32を示す図である。
【0026】
突出部材20は、平面視略長方形状をなしており、裏本体部120の後身頃における後中心近傍に配置されている。突出部材20は、上部と下部とにおいて裏本体部120の後身頃に縫着されており(縫着記号S1)、その他の部分は裏本体部120と遊離している。突出部材20は、非着用状態において平面状をなしている。一方、着用状態においては、裏本体部120が伸縮する力を利用して、突出部材20における上下方向の中央部20cが、湾曲状に突出する。より具体的には、着用状態において、裏本体部120が左右方向に伸長することに伴って、上下方向に縮小する力を利用して、上端部20u及び下端部20lが近づき、中央部20cが湾曲状に突出する。これにより、突出部材20の中央部20cは、着用者の第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接することとなる。
【0027】
突出部材20には、湾曲状に突出する形状を保持可能な素材、例えば、不織布やウレタン等が適用可能である。また、突出部材20は、ポリウレタン等の樹脂シート21を更に内蔵してもよい。この場合、樹脂シート21の上部及び下部は、裏本体部120の後身頃に対する突出部材20の上部及び下部の縫着と共に、突出部材20に縫着されればよい(縫着記号S1)。これにより、突出部材20は更に可とう性を有することができ、突出した形状を保持しやすくなる。
【0028】
補助部材31,32は、難伸縮性のテープ部材からなり、裏本体部120の後身頃に縫着されている。補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在し、上端部20uから中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、更には、下端部20lの延長線上へ向けて斜め下方に延在している。一方、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在し、下端部20lから中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在し、更には、上端部20uの延長線上へ向けて斜め上方に延在している。ここで、中央線Lは、突出部材20の上端辺と下端辺との中央部において、これらの上端辺及び下端辺に略平行に延びるものとする。
【0029】
補助部材31,32は裏本体部120より伸びにくいため、着用状態において、裏本体部120が横方向に伸長した際に、補助部材31,32には縦方向へ縮小する力が集中的にかかる。これにより、補助部材31,32は、着用状態において、裏本体部120が伸縮する力を利用して、すなわち、裏本体部120が左右方向に伸長し、かつ、上下方向に縮小する力を利用して、更に倒れ込む。その結果、補助部材31によって、突出部材20の上端部20uを中央線L側に押す力が作用し、補助部材32によって、突出部材20の下端部20lを中央線L側に押す力が作用する。その結果、補助部材31,32は、突出部材20の中央部20cが湾曲状に突出することを補助することとなる。
【0030】
ここで、図4及び図5(a)に示すように、第7〜第9胸椎Aは、背中のS字曲線の後湾近傍部分であり、動作時に上半身の動きの支点(上半身の質量重心点)となり、背骨の中でも動き難い部位である。この第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、図5(b)に示すように、突出部材20によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができる。具体的には、胸が左右方向に開く(胸が張れる)と同時に、脊柱の後湾部分が上下方向に伸び(背すじが伸びる)、深呼吸をした時のような、美しい上半身姿勢に近づく。さらに、脊柱が伸びることで、上半身質量重心点(第7〜9胸椎)が下半身の質量重心点に上手く乗るようになり、その結果として、全身の姿勢バランスを整えることができる。
【0031】
また、この第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、突出部材20は、第7〜9胸椎のうちの少なくとも何れかに当接すれば良いため、広い面積で背中を押す必要もない。そのため、表から見ても姿勢補正機能のある部分がわかりにくく、見栄えを損なうことがない。また、突出部材20が背骨の中でも動き難い部位に位置し、カップ部12(より具体的には、カップくり)によって、本体部10が着用者の胸部周りを回転することを抑制することができるので、強く締め付けることによって突出部材を固定させる必要がない。そのため、楽な着用感を損なうことがない。また、突出部材を第7〜9胸椎のいずれかに当接させるために、ストラップ等の引き上げ力を必要としないので、肩紐のないアイテムにも応用することができ、肩の露出度の高い衣類を着用する場合に好適である。
【0032】
また、第1の実施形態の姿勢補整衣類1によれば、非着用状態において、突出部材20がフラットな状態であるので、姿勢補正機能を持たせた部分が目立ちにくく、様々なアイテムに応用が可能である。
【0033】
なお、本実施形態では、いわゆるチューブブラ型の衣類を例示したが、本実施形態の特徴は、いわゆるチューブトップ型やキャミソール型の衣類等の様々なタイプの衣類に適用可能である。図6(a)及び図6(b)に第2の実施形態としてチューブトップ型の衣類の一例を、図7(a)及び図7(b)に第3の実施形態としてキャミソール型の衣類の一例を示す。
[第2の実施形態]
【0034】
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図6(b)は、本発明の第2の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類2は、姿勢補整衣類1において、チューブブラ型の本体部10に代えてチューブトップ型の本体部10Aを備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0035】
本体部10Aは、いわゆるチューブトップ型の衣類である主本体部110Aと、主本体部110Aの裏側に設けられ、上述した裏本体部120と同様に着用者の胸部を周回する裏本体部120Aとの2重構造をなしている。例えば、裏本体部120Aは、前身頃及び後身頃の上辺部において主本体部110Aの上辺部に縫着されており、裏本体部120Aの他の部分は主本体部110Aに対して遊離している。裏本体部120Aの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Aの前身頃及び後身頃の上辺部、下辺部には、伸縮性のテープ部材10fu,10fl,10bu,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Aの後身頃に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110Aと裏本体部120Aとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Aは1重構造であってもよい。
【0036】
この第2の実施形態の姿勢補整衣類2でも、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
[第3の実施形態]
【0037】
図7(a)は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図7(b)は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類3は、姿勢補整衣類1において、チューブブラ型の本体部10に代えてキャミソール型の本体部10Bを備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0038】
本体部10Bは、いわゆるキャミソール型の衣類である主本体部110Bと、主本体部110Bの裏側に設けられ、上述した裏本体部120と同様に着用者の胸部を周回する裏本体部120Bとの2重構造をなしている。例えば、裏本体部120Bは、前身頃の脇側上辺部から後身頃の上辺部にわたって主本体部110Bの上辺部に縫着されており、裏本体部120Bの他の部分は主本体部110Bに対して遊離している。裏本体部120Bの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Bの前身頃及び後身頃の下辺部には、伸縮性のテープ部材10fl,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Bの後身頃に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。なお、主本体部110Bと裏本体部120Bとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Bは1重構造であってもよい。
【0039】
この第3の実施形態の姿勢補整衣類3でも、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
[第4の実施形態]
【0040】
図8(a)は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を展開して示す展開図であり、図8(b)は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢補整衣類の表側を展開して示す展開図である。この姿勢補整衣類4は、本体部10Cと、突出部材(突出部)20と、補助部材31,32とを備えている。
【0041】
本体部10Cは、いわゆるレーサーバック型及びフロントホック型のブラジャーであり、カップ部12と、土台部14と、バック部16と、バック引上部(背部引上部)17と、肩紐部18とを有している。
【0042】
カップ部12は、バストを覆うためのものであり、土台部14に支持されている。土台部14は、非伸縮性の布からなっており、カップ部12の下部から脇側にかけてカップ部12と縫着されている。土台部14の脇側には、バック部16が縫着されている。なお、土台部14は必ずしも備えなくてもよい。その場合、バック部16は、カップ部12の下辺部脇側に縫着される。バック部16は、伸縮性の布からなっており、背中を周回して土台部14及びカップ部12を支持するためのものである。バック部16には、伸縮性の布からなるバック引上部17が縫着されており、カップ部12の脇側上部には、伸縮性のテープ部材や紐等からなる肩紐部18が縫着されている。バック引上部17と肩紐部18とは、肩を介して連結されることによって、カップ部12を支持する。
【0043】
また、カップ部12と土台部14との境界には、すなわち、バージスラインに沿ってカップワイヤー40が装着されている。なお、カップワイヤー40は必ずしも備えなくてもよい。
【0044】
また、この本体部10Cのバック部16に、突出部材20及び補助部材31,32が設けられている。
【0045】
本実施形態では、バック部16とバック引上部17とがレーサーバック部を構成する。バック引上部17は、バック部16における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に縫着されている。すなわち、バック引上部17は、バック部16における突出部材20の上部近傍の背部上辺部中央には縫着しない。そのため、バック引き上げ部17によるバック部16を引き上げる力が、突出部材20に伝わりにくくなる。更に、バック引き上げ部17の下辺部において、突出部材の下部近傍の背部下辺部中央からも遊離させると、より好ましい。
【0046】
この第4の実施形態の姿勢補整衣類4でも、突出部材20及び補助部材31,32を備えているので、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
【0047】
ここで、例えば、着用の際に本体部が横方向に伸長することに伴って、縦方向に縮小する力を利用して突出部材を突出させるとする。この場合、ストラップにより本体部の背部上辺のみを上方向に引くと、本体部が縦方向に縮小する力を阻害してしまう。
【0048】
しかしながら、第4の実施形態の姿勢補整衣類4によれば、バック引上部17が、バック部16における背部下辺部にも縫着されているため、ストラップにより本体部10Cの背部を引く力を背部下辺を引く力に分散することができ、本体部10Cが縦方向に縮小する力を阻害することを抑制することができる。更に、バック引上部17が、バック部16における背部上辺部中央及び背部下辺部中央から遊離することにより、バック引上部17によるバック部16を引き上げる力が、突出部材に伝わりにくくなる。
【0049】
なお、第1〜第4の実施形態では、突出部材20及び補助部材31,32を備える形態を例示したが、図9に示すように、補助部材31,32を必ずしも備えなくてもよい。
【0050】
第1〜第4の実施形態では、横方向に伸長することに伴って縦方向に縮小する力を利用する形態を例示したが、縦方向に伸長することに伴って横方向に縮小する力を利用してもよい。
[第5の実施形態]
【0051】
図10(a)は、本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を前面から示す図であり、図10(b)は、本発明の第5の実施形態に係る姿勢補整衣類の裏側を背面から示す図である。この姿勢補整衣類5は、本体部10Dと、突出部材(突出部)20Dと、補助部材(補助部)31D,32Dとを備えている。
【0052】
本体部10Dは、いわゆるタンクトップ型の衣類である主本体部110Dと、主本体部110Dの裏側に設けられた裏本体部120Dとの2重構造をなしている。裏本体部120Dは、上述した裏本体部120と同様に、着用者の胸部を周回している。主本体部110D及び裏本体部120Dは、伸縮性を有する生地(例えば、パワーネット、サテンパワーネット、ベア天竺等)からなっており、着用者にフィットするように形成されている。
【0053】
主本体部110D及び裏本体部120Dにおける背部は、レーサーバック型をなしている。例えば、裏本体部120Dは、アームホール及びネックラインにわたって主本体部110Dの脇辺部及び襟部に縫着されており、裏本体部120Dの他の部分は主本体部110Dに対して遊離している。裏本体部120Dの前身頃において、着用者のバストに対応する位置には、一対のカップ部12が設けられている。また、裏本体部120Dの前身頃及び後身頃の下辺部には、伸縮性のテープ部材10fl,10blが縫着されており、一対のカップ部12の下辺部にもテープ部材12lが縫着されており、これらのテープ部材により着用者へのフィット性が高められている。また、この裏本体部120Dの後身頃に、突出部材20D及び補助部材31D,32Dが設けられている。なお、主本体部110Dと裏本体部120Dとは、前身頃と後身頃との両脇側の縫合ラインにおいて縫着されていてもよいし、縫着されていなくてもよい。また、本体部10Dは1重構造であってもよい。
【0054】
突出部材20D及び補助部材31D,32Dは、上述した突出部材20及び補助部材31,32を90度回転させた形状をなしている。すなわち、突出部材20Dは、平面視略長方形状をなしており、裏本体部120Dの後身頃における後中心近傍に配置されている。突出部材20Dは、左部と右部とにおいて裏本体部120Dの後身頃に縫着されており、その他の部分は裏本体部120Dと遊離している。突出部材20Dは、非着用状態において平面状をなしている。一方、着用状態においては、裏本体部120Dが伸縮する力を利用して、突出部材20Dにおける左右方向の中央部20cが、湾曲状に突出する。より具体的には、着用状態において、裏本体部120Dがレーサーバック構造によって上下方向に伸長することに伴って、左右方向に縮小する力を利用して、左端部20L及び右端部20Rが近づき、中央部20cが湾曲状に突出する。これにより、突出部材20Dの中央部20cは、着用者の第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接することとなる。
【0055】
また、補助部材31Dは、突出部材20Dの左端部20Lに沿って上下方向に延在し、左端部20Lから中央線Lへ向けて斜め右側上下方向に延在し、更には、右端部20Rの延長線上へ向けて斜め右方向に延在している。一方、補助部材32Dは、突出部材20Dの右端部20Rに沿って上下方向に延在し、右端部20Rから中央線Lへ向けて、斜め左側上下方向に延在し、更には、左端部20Lの延長線上へ向けて斜め左方向に延在している。補助部材31D,32Dは、着用状態において、裏本体部120Dが伸縮する力を利用して、すなわち、裏本体部120Dが上下方向に伸長し、かつ、左右方向に縮小する力を利用して、更に倒れ込む。その結果、補助部材31Dによって、突出部材20Dの左端部20Lを中央線L側に押す力が作用し、補助部材32Dによって、突出部材20Dの右端部20Rを中央線L側に押す力が作用する。その結果、補助部材31D,32Dは、突出部材20Dの中央部20cが湾曲状に突出することを補助することとなる。
【0056】
この第5の実施形態の姿勢補整衣類5でも、突出部材20D及び補助部材31D,32Dを備えているので、第1の実施形態の姿勢補整衣類1と同様の利点を得ることができる。
【0057】
なお、裏本体部120Dにおける中央部(突出部材20Dが縫着されている部分)には、縦方向に伸びやすい素材を使用し、その左右両側には、縦横方向に伸びる素材を使用してもよい。これにより、裏本体部120Dの中央部が縦に伸ばされることにより、横方向に生地が縮小しやすくなる。また、裏本体部120Dの中央部の生地が縮小しても、その左右両側の生地が縦横に伸びるため、ひきつられることなく、身頃を身体になじませることができる。
【0058】
なお、第5の実施形態では、突出部材20D及び補助部材31D,32Dを備える形態を例示したが、補助部材31D,32Dを必ずしも備えなくてもよい。
【0059】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。図11は、突出部材の変形例を示す縦断面図である。例えば、本実施形態では、図11(a)に示すように、非着用状態では平面状をなし、着用時に突出する突出部材20,20Dを例示したが、突出部材は、図11(b)〜図11(d)に示すように、非着用状態において既に突出しており、着用時に更に突出してもよいし、非着用状態において既に突出しており、着用状態においてもその状態が保持される態様であってもよい。また、図11(b)、(d)に示すように、突出部材に厚みのある部材を用いても良い。この場合、着用時に突出する幅に加えて部材自体の幅があるため、より突出幅を持たせることができ、個人差に対応できる。また、肌あたりもソフトにすることができる。また、図11(c)に示すように、突出部材に予めカーブをつけて、着用時に更に突出させても良い。この場合、予め肌側にカーブがついているので、着用したときに、誤って肌側でなく反対側に突出することを防止できる。
【0060】
また、本実施形態では、上端部20uから下端部20lにわたって左右方向の幅が一定である平面視長方形状の突出部材20を例示したが、突出部材の形状はこれに限定されない。例えば、突出部材20は、図12(a)に示すように、左右方向の幅(すなわち、本体部の伸長方向における幅)が、上端部20u及び下端部20l(すなわち、本体部10の縮小方向における端部)から中央部20c(縮小方向における中央部)へ向けて次第に狭くなる平面視略長方形状であってもよい。これにより、突出部材20の中央部20cが湾曲状に突出し易くなる。また、突出部材20は、図12(b)に示すように上端部20u及び下端部20lから中央部20cへ向けて次第に幅が太くなる平面視略長方形状であってもよいし、図12(c)に示すように平面視ひし形形状であってもよいし、図12(d)に示すように平面視楕円形状や平面視正円形状であってもよい。
【0061】
なお、平面視楕円形状や平面視正円形状の突出部材の場合、図13に示すように、突出部材における周辺部が本体部に縫着(結合)されており(縫着記号S1)、突出部材におけるその他の部分が本体部に対して遊離していてもよい。この場合、図13に示すように、突出部材は、非着用状態において既に突出しており、本体部が伸縮する力を利用して変形し、着用時に更に突出してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、突出部材20,20Dは、本体部が縮小する力を利用して突出したが、本体部が伸長する力を利用して突出してもよい。例えば、図14に示すように、突出部材20Xは、平面視略長方形状をなすものを折り返して設けられており、突出部材20Xにおける伸長方向に対向する2つの端部20L,20Rが本体部10Xに縫着(結合)されており(縫着記号S1)、突出部材20Xにおけるその他の部分が本体部10Xに対して遊離していてもよい。このとき、突出部材20Xの両側の本体部10Xが引っ張られることにより、突出部材20Xにおける2つの端部20L,20Rが互いに離れる方向へ引っ張られる。それによって、突出部材20Xが立ち上がって突出する。また、本体部10Xでは、突出部材20Xの両側の部分より突出部材20Xと重なる部分に伸びやすい素材を用いると、更に好ましい。
【0063】
また、本実施形態では、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在し、上端部20uから中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、更には、下端部20lの延長線上へ向けて斜め下方に延在する補助部材31、及び、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在し、下端部20lから中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在し、更には、上端部20uの延長線上へ向けて斜め上方に延在する補助部材32を例示したが、例えば、図15(a)に示すように、補助部材31は上端部20uから中央線L近傍までしか延在せず、同様に、補助部材32は下端部20lから中央線L近傍までしか延在しない形態であってもよい。また、図15(b)に示すように、補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の上端部20uの中央近傍から中央線Lへ向けて斜め下方脇側方向に延在し、同様に、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の下端部20lの中央近傍から中央線Lへ向けて斜め上方脇側方向に延在する形態であってもよい。
また、図15(c)に示すように、補助部材31は、突出部材20の上端部20uに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の上端部20uの中央近傍から中央線Lへ向けて円弧状に斜め下方脇側方向に延在し、同様に、補助部材32は、突出部材20の下端部20lに沿って左右方向に延在することなく、突出部材20の下端部20lの中央近傍から中央線Lへ向けて円弧状に斜め上方脇側方向に延在する形態であってもよい。これらの図15(a)〜(c)に示す形態によれば、補助部材31,32を比較的に小さく形成することができる。
【0064】
また、図15(d)に示すように、図15(a)に示す補助部材31及び補助部材32に加えて、補助部材31,32の交差部分を通り、左右方向(本体部の伸長方向)に略直交する方向に延在する補助部材33を更に備える形態であってもよい。また、図15(e)に示すように、図15(b)に示す補助部材31及び補助部材32に加えて、補助部材31,32の交差部分を通り、左右方向(本体部の伸長方向)に延在する補助部材33を更に備える形態であってもよい。また、図15(f)に示すように、図15(e)に示す補助部材31及び補助部材32が中央線L近傍で連結せず、中央線L近傍における補助部材31及び補助部材32の端部それぞれに、左右方向(本体部の伸長方向)に延在する補助部材33が設けられる形態であってもよい。これらの図15(d)〜(f)に示す形態によれば、補助部材33によって、左右方向への引っ張り力を強化することができ、補助部材31及び補助部材32が更に倒れ込むこととなる。その結果、補助部材31及び補助部材32によって、突出部材20の上端部20u及び下端部20lを中央線L側に押す力が増加し、突出部材20の中央部20cが更に突出することとなり、また突出部材20の突出を更に保ちやすくなる。
【0065】
また、本実施形態では、本体部を2重構造とし、裏本体部に突出部材を直接縫着したが、本体部が1重構造の場合には、補助布を介して突出部材を本体部に縫着してもよい。例えば、図16に示すように、第2の実施形態の姿勢補整衣類2において、裏本体部120Aを備えず、主本体部110Aに補助布35を介して突出部材20を配置する。補助布35は、主本体部110Aの伸長方向に交差する両端部35l,35rにおいて主本体部110Aに縫着されており、その他の部分において主本体部110Aと遊離している。一方、突出部材20は、主本体部110Aの伸長に伴って伸縮する伸縮方向に交差する両端部20u,20lにおいて補助布35に縫着され、その他の部分において補助布35と遊離している。補助布35としては、上記した裏本体部と同様の生地が適用可能である。なお、本体部が2重構造の場合にも、突出部材20と補助布35との組み合わせ構造を適用してもよい。また、補助布35の上辺は、主本体部の上辺部のテープ部材や裏本体部の下辺部のテープ部材から離した位置に縫着されると、補助布35の伸縮することに伴う縮小を妨げにくくなるため良い。
【0066】
また、本実施形態では、突出部材及び補助部材を本体部に縫着する形態を例示したが、突出部材及び補助部材は本体部に樹脂接着等により結合されてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、本体部とは別部材の突出部材及び補助部材を備える形態を例示したが、本発明の突出部及び補助部は本体部の一部に一体的に形成されてもよい。例えば、本体部の一部を布地のパワー切替や刺繍、樹脂、オパール加工等により強くすることで、突出部及び補助部を形成してもよい。
【0068】
また、本実施形態の特徴は、インナーのみならずアウターであっても、カップ部を備える衣類であればすべてに適用可能である。
【実施例1】
【0069】
図6(a)及び(b)に示す本発明の第2の実施形態の姿勢補整衣類2を実施例として製作し、モニタによる着用評価を行った。図17(a)は、略裸状態のモニタを脇側から撮影した結果を忠実に示す図であり、図17(b)は、実施例の姿勢補整衣類2を着用したときのモニタを脇側から撮影した結果を忠実に示す図である。
【0070】
図17によれば、突出部材20によって、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかをピンポイントで前方に押すことにより、効果的に姿勢を整えることができた。具体的には、ヌード状態と比較して、背中の丸みが改善され、背中よりヒップが後方に出ていることから、背筋が伸びたと考えられる。また、ヌード状態と比較して、腹部がすっきりし、腹部よりもバストが前方に出ていることから、腹部が立ち上がったと考えられる。これより、全身の姿勢バランスが整えられたと考えられる。
【符号の説明】
【0071】
1,2,3,4,5…姿勢補整衣類、10,10A,10B,10C,10D,10X…本体部、10fu,10fl,10bu,10bl,12l…テープ部材、12…カップ部、14…土台部、16…バック部、17…バック引上部(背部引上部)、18…肩紐部、20,20D,20X…突出部材(突出部)、20u…上端部、20l…下端部、20c…中央部、20L…左端部、20R…右端部、21…樹脂シート、31,32,31D,32D,33…補助部材(補助部)、40…カップワイヤー、110,110A,110B,110D…主本体部、120,120A,120B,120D…裏本体部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バストを覆うためのカップ部を有し、少なくともバストを覆う本体部と、
前記本体部の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部と、
を備える、姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項2】
前記本体部の背部は伸縮性を有し、
前記突出部は、着用状態において前記本体部の背部が伸縮する力を利用して湾曲状に突出する、
請求項1に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項3】
前記突出部は、着用状態において、前記本体部の背部が伸長することに伴って、当該伸長方向と交差する方向に縮小する力を利用して突出する、
請求項2に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項4】
前記突出部は、平面視長方形状をなしており、
前記突出部における縮小方向に対向する2つの端部が前記本体部に結合されており、前記突出部におけるその他の部分が前記本体部に対して遊離している、
請求項3に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項5】
前記突出部の突出を補助する補助部であって、前記本体部の背部に結合され、前記突出部における縮小方向の一方の端部から前記縮小方向のもう一方の端部又は当該もう一方の端部の延長線上へ向けて斜め方向に延在する当該補助部を更に備え、
前記補助部は、着用状態において、前記本体部の背部が伸縮する力を利用して、前記突出部の突出を補助する、
請求項3又は4に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項6】
前記本体部は、背部引上部を更に備え、
前記背部引上部は、前記本体部における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に結合されている、
請求項3〜5の何れか1項に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項1】
バストを覆うためのカップ部を有し、少なくともバストを覆う本体部と、
前記本体部の背部裏側に設けられ、着用状態において、第7〜第9胸椎のうちの少なくとも何れかに相当する部分に当接する突出部と、
を備える、姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項2】
前記本体部の背部は伸縮性を有し、
前記突出部は、着用状態において前記本体部の背部が伸縮する力を利用して湾曲状に突出する、
請求項1に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項3】
前記突出部は、着用状態において、前記本体部の背部が伸長することに伴って、当該伸長方向と交差する方向に縮小する力を利用して突出する、
請求項2に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項4】
前記突出部は、平面視長方形状をなしており、
前記突出部における縮小方向に対向する2つの端部が前記本体部に結合されており、前記突出部におけるその他の部分が前記本体部に対して遊離している、
請求項3に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項5】
前記突出部の突出を補助する補助部であって、前記本体部の背部に結合され、前記突出部における縮小方向の一方の端部から前記縮小方向のもう一方の端部又は当該もう一方の端部の延長線上へ向けて斜め方向に延在する当該補助部を更に備え、
前記補助部は、着用状態において、前記本体部の背部が伸縮する力を利用して、前記突出部の突出を補助する、
請求項3又は4に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【請求項6】
前記本体部は、背部引上部を更に備え、
前記背部引上部は、前記本体部における背部上辺部脇側及び背部下辺部脇側に結合されている、
請求項3〜5の何れか1項に記載の姿勢補整機能を有する衣類。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−112912(P2013−112912A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260745(P2011−260745)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(306033379)株式会社ワコール (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(306033379)株式会社ワコール (116)
【Fターム(参考)】
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