説明

婦人用体調管理装置

【課題】使用者たる婦人の現在の体調が属する体調期間と、その体調期間がそろそろ変化する時期に至ったということとを、使用者に簡便且つ確実に知らせることのできる婦人用体調管理装置を提供すること。
【解決手段】本発明の第一の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる直前の所定期間に属するときは、前記第一の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
月経期、排卵前後期、PMS期(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)、或いはこれら月経期や排卵前後期との関係で特定される「ダイエットおすすめ期」等といった婦人の月周期で現われる体調期間を測定すると共に、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知するように構成された婦人用体調管理装置が知られている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。
【0003】
非特許文献1の婦人用体調管理装置では、使用者が入力した月経開始日を基準日としてダイエットに適した期間(概ね、月経期の終了時期から排卵前後期の終了時期までに相当する。)が自動的に測定(計算)され、この期間に属する日には「ダイエットおすすめ期(日)」として液晶画面にバーグラフが表示される。
【0004】
特許文献1の婦人用体調管理装置では、使用者の基礎体温と密接な関係にある使用者の生体電気インピーダンスが測定されると共に、この生体電気インピーダンスから月経開始や排卵日が算出され、月経開始日から次の月経開始日までの月周期全体と、その月周期における月経期やPMS期等の体調期間とが測定される。そして、測定された月周期全体と、今日現在の体調がその月周期におけるどの体調期間に位置するのかという情報とが、液晶画面に模式的に表示されるものである。
【0005】
【非特許文献1】株式会社タニタ、"女性用パーソナル脂肪計IN・SHAPE"、[online]、株式会社タニタホームページ、[平成16年6月25日検索]、インターネット<URL:http://www.tanita.co.jp/women/01.html>
【特許文献1】特開2002−102191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
婦人用体調管理装置における体調期間の表示は、測定された体調期間中だけ特定の表示がなされるのではなく、当該体調期間の変化時期に至った場合に、その旨を使用者が認識できるものであることが望ましい。即ち、体調期間の変化時期は、実際には個人ごと、月ごとにバラツキを生じるものであるから、測定された体調期間の終わりに至って特定の表示が突然消え、或いは測定された体調期間の始まりに至って特定の表示が突然現われるだけであると、使用者の実際の体調変化とは必ずしも一致せず、使用者に不正確であるとの印象を与えてしまったり、使用者によっては誤った体調管理をしてしまったりしかねない。
【0007】
上述の点について、非特許文献1の婦人用体調管理装置では、「ダイエットおすすめ期」を表すバーグラフを、その期間の経過に応じて徐々に減少させることにより、「ダイエットおすすめ期」がそろそろ終わる時期に至ったということを、使用者が認識できるようにしている。これにより、使用者は、斯かる表示を自身の実際の体調と照らし合わせながら、日々の体調管理を行えるようになる。しかしながら、このバーグラフによる表現は、使用者にとってその意味の判り難さが残るものであり、更なる改善が望まれている。また、この婦人用体調管理装置では、「ダイエットおすすめ期」以外の体調期間に属する日には何らの表示もされないため、「ダイエットおすすめ期」以外の日には、今日現在がどのような体調期間にあたるのかという点についても、使用者にとっては判り難さが残るものであり、更なる改善が望まれている。
【0008】
一方、特許文献1の如き婦人用体調管理装置では、現在の体調が属する体調期間が月周期全体の中において模式的に表示されるので、当該体調期間がそろそろ変化する時期に至ったということを、使用者に比較的判り易く知らせることができる。しかしながら、このような月周期全体をカバーする表示のためには、模式的な表示であるとはいっても大型で且つ解像度の高い表示画面が必要となり、装置のコストの大幅な増加に繋がりかねないものであった。
【0009】
本発明の目的は、現在知られている婦人用体調管理装置における上述の如き問題点を解決し、使用者たる婦人の現在の体調が属する体調期間と、その体調期間がそろそろ変化する時期に至ったということとを、使用者に簡便且つ確実に知らせることのできる婦人用体調管理装置を提供することにあり、更にはそのような装置をできるだけ低コストで実現し得る婦人用体調管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる直前の所定期間に属するときは、前記第一の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0011】
本発明の第二の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わった直後の所定期間に属するときは、前記第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0012】
本発明の第三の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる前後の所定期間に属するときは、前記第一又は第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0013】
そして、本発明の第一から第三の観点による各婦人用体調管理装置は、その好ましい実施態様として、前記体調期間報知手段が、前記第一の体調期間を報知するための第一の発光体と、前記第二の体調期間を報知するための第二の発光体と、前記所定期間を報知するための第三の発光体とを含んでなるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第一の観点による婦人用体調管理装置であれば、使用者たる婦人の現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる直前の所定期間に属する場合、これら第一の体調期間と所定期間とが同時に報知される。従って、現在の体調が属する第一の体調期間がそろそろ終わる時期に至ったということを、使用者に対して簡便且つ確実に知らせることができる。
【0015】
本発明の第二の観点による婦人用体調管理装置であれば、使用者たる婦人の現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わった直後の所定期間に属する場合、これら第二の体調期間と所定期間とが同時に報知される。従って、現在の体調が属する第二の体調期間がそろそろ始まる時期に至ったということを、使用者に対して簡便且つ確実に知らせることができる。
【0016】
本発明の第三の観点による婦人用体調管理装置であれば、使用者たる婦人の現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる前後の所定期間に属する場合、これら第一又は第二の体調期間と所定期間とが同時に報知される。従って、現在の体調が属する第一の体調期間がそろそろ終わり、又は第二の体調期間がそろそろ始まる時期に至ったということを、使用者に対して簡便且つ確実に知らせることができる。
【0017】
更に、本発明の第一から第三の観点による各婦人用体調管理装置において、前記体調期間報知手段を、前記第一の体調期間を報知するための第一の発光体と、前記第二の体調期間を報知するための第二の発光体と、前記所定期間を報知するための第三の発光体とを含んでなるように構成した場合には、使用者の視認性を損ねて簡便且つ確実な報知という本発明の目的から逸脱することなく、大型で解像度の高い液晶画面等を用いる場合に比べて低コストで本発明の婦人用体調管理装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第一の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる直前の所定期間に属するときは、前記第一の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0019】
本発明の第二の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わった直後の所定期間に属するときは、前記第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0020】
本発明の第三の観点による婦人用体調管理装置は、使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる前後の所定期間に属するときは、前記第一又は第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知するものである。
【0021】
そして、本発明の第一から第三の観点による各婦人用体調管理装置は、その好ましい実施態様として、前記体調期間報知手段が、前記第一の体調期間を報知するための第一の発光体と、前記第二の体調期間を報知するための第二の発光体と、前記所定期間を報知するための第三の発光体とを含んでなるものである。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の好適な実施例を、図面を用いて説明する。図1は、本発明による婦人用体調管理装置1の概略外観図である。図2は、この婦人用体調管理装置1に内蔵された電気回路構成の概要を示すブロック図である。図3は、この婦人用体調管理装置1で実行される制御処理(登録モード)のフローチャートである。図4は、この婦人用体調管理装置1で実行される別の制御処理(測定モード)のフローチャートである。図5は、測定モードにおける体調期間測定処理のフローチャートである。図6は、体調期間を説明するための図である。図7は、測定モードにおける体調期間報知処理のフローチャートである。図8は、この婦人用体調管理装置1に搭載された液晶画面の動作を説明するための図である。図9は、この婦人用体調管理装置1に搭載された体調期間報知手段の動作を説明するための図である。
【0023】
この婦人用体調管理装置1(以下、単に「装置1」と略称する。)は、両足間の生体電気インピーダンスを利用して使用者の体脂肪、内臓脂肪、体水分、筋肉、骨、基礎代謝等といった体組成を算出し得るように構成された公知の体組成計を改良したもので、図1に示すように、その本体2が基台2aとこの基台2aに載置された載台2bとから構成されており、載台2bの上面2cには、使用者の左右の足裏間に交流電流を流すための通電電極3a、3bと、このときに左右の足裏間に生じる電圧(電位差)を測定するための測定電極4a、4bと、この装置1で測定された体組成の表示等に用いる液晶画面5と、使用者が年齢、性別、身長等の個人データを入力するための入力装置6とが配設されている。
【0024】
ここで、入力装置6は、入力データの選択操作等に用いるアップキー6a、ダウンキー6bと、入力データの決定操作等に用いるセットキー6cと、本発明に基づく女性向けダイエット機能(後述)を有効にするためのダイエットキー6dとを含んでいる。また、本体2の側面には、既に登録済みの個人データがある場合にこれを呼出すための4つのフットキー7a、7b、7c、7dからなるフットキー7と、電源遮断用のフットキー8とが配設されている。尚、セットキー6cとフットキー7とは、夫々が電源投入キーを兼ねている。更に、載台2bの上面2cには、入力装置6の近傍に、3つのLED(発光ダイオード)9a、9b、9cからなる発光体9が配設されている。
【0025】
また、図2に示すように、この装置1の本体2の内部には、通電電極3a、3bに接続された電流供給回路11と、測定電極4a、4bに接続された電圧測定回路12と、荷重に応じた電圧を出力することにより使用者の体重を測定するための重量センサ13と、これら電圧測定回路12及び重量センサ13からの電圧信号をデジタル変換するA/D変換器14と、液晶画面5、入力装置6、フットキー7、電源キー8及び発光体9(LED9a、9b、9c)に接続された入出力回路15と、入力された個人データ、測定された体重、測定された体組成等を記憶させるための記憶装置16と、電池を含む電源装置17と、これら電流供給回路11、A/D変換器14、入出力回路15、記憶装置16及び電源装置17に電気的に接続された制御装置10とが配設されている。
【0026】
このような構成において、制御装置10は、公知の演算素子(CPU)を含み、内蔵時計によって常に現在日時を更新しつつ、記憶装置16に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、通電電極3a、3bに交流電流を供給する制御、この電流値と測定電極4a、4bで検出される電圧値とに基づいて使用者の生体電気インピーダンスを算出する制御、この生体電気インピーダンスと入力装置6で入力された使用者の個人データと重量センサ13で測定された使用者の体重とから使用者の体組成を算出する制御、入力された個人データ、測定された体重、算出された体組成を液晶画面5に表示し、及び記憶装置16に記憶させる制御等、各種の制御処理を実行し、以って使用者の体組成を測定するものである。
【0027】
更に、本発明の実施例たる装置1は、使用者が女性である場合に、その個人データから月周期で現われる体調期間を測定して報知する機能を、女性向けダイエット機能として有している。以下、体組成の測定と女性向けダイエット機能とを含む制御処理について説明する。
【0028】
図3のフローチャートは、使用者がこの装置1を初めて使用するときなど、個人データの登録を行う際の制御処理(登録モード)を示す。使用者がセットキー6cを押下してこの装置1を起動すると、この登録モードが実行される。
【0029】
ステップS1では、使用者の個人番号が決定される。液晶画面5に、個人番号として1〜4の4つの数字が表示されるので、使用者は、アップキー6a、ダウンキー6bを用いて任意の1つを自身の個人番号として選択し、セットキー6cにより決定する。次いで、ステップS2では、選択された個人番号に対して既に個人データの登録がなされているかどうかの確認が行われる。登録済みの場合はステップS3に進み、未登録の場合はステップS4に進む。ステップS3では、液晶画面5に再登録を行うかどうかの選択肢が表示され、使用者が再登録を行う旨の選択肢を選んだ場合はステップS4に進むが、再登録を行わない旨の選択肢を選んだ場合はこの登録モードは終了され、電源は自動的に遮断される。
【0030】
ステップS4では、使用者の生年月日が入力される。液晶画面5には、年、月、日を表す数字が表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いて夫々の数字を増減させて自身の生年月日に合わせ、セットキー6cにより決定する。制御装置10では、入力された生年月日と内蔵時計が示す現在の年月日との比較により、使用者の年齢が算出される。次いで、ステップS5では、使用者の性別が入力される。液晶画面5には男女の選択肢が表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いて自身の性別を選択し、セットキー6cにより決定する。次いで、ステップS6では、使用者の身長が入力される。液晶画面5には身長を表す数字が表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いてこの数字を増減させて自身の身長に合わせ、セットキー6cにより決定する。
【0031】
ステップS7では、ステップS5における入力に基づいて、使用者が女性であるかどうかの判定が行われる。女性である場合はステップS8に進むが、男性である場合にはステップS10に進む。ステップS8では、使用者たる婦人の任意により、本発明に基づく女性向けダイエット機能が有効にされる。液晶画面5には、ダイエット機能の設定を行うか否かの選択肢が表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いて何れかを選択し、セットキー6cにより決定する。ダイエット機能の設定を行う旨の選択がなされた場合はステップS9に進むが、設定しない旨の選択がなされた場合にはステップS10に進む。
【0032】
ステップS9では、前回の月経開始日M´が入力される。液晶画面5には、前回月経日の入力を促すコメントと、月、日を表す数字とが表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いて夫々の数字を増減させて前回の月経開始日に合わせ、セットキー6cにより決定する。次いで、ステップS10では、ステップS1で選択された個人番号とステップS4からS9までで入力された年齢、性別、身長及び前回月経開始日M´といった個人データとがセットで記憶装置16に保存される。以上により、登録モードの制御処理は全て終了となり、その後所定時間(例えば、15秒程度)が経過すると電源が自動的に遮断される。この所定時間中、入力された個人データを液晶画面5に表示して使用者の確認に供しても良い。また、もちろん、電源の遮断は、使用者が電源遮断キー8を押下して電源を遮断しても良い。
【0033】
図4のフローチャートは、使用者がこの装置1を使用して自身の体組成や体調期間を測定する際の制御処理(測定モード)を示す。使用者が、自身の個人データが登録されたフットキー7(7aから7dの何れか)を押下してこの装置1を起動すると、この測定モードが実行される。
【0034】
ステップS11では、押下されたフットキー7の個人番号に対応した個人データが登録済みであるか否かの確認が行われる。登録済みである場合はステップS12に進むが、未登録の場合にはこの測定モードは終了される。この終了に際しては、個人データが未登録である旨を液晶画面5に所定時間だけ表示させて、使用者にその登録を促すようにしても良い。ステップS12では、ダイエットキー6dが押下されたか否かが確認される。即ち、この装置1では、フットキー7の押下と同時又はその直後にダイエットキー6dを押下することによって体調期間の測定が行われるように構成されており、従って、ステップS12でダイエットキー6dの押下が確認された場合はステップS13に進んで体調期間測定処理が実行され、ダイエットキー6dの押下が確認されない場合にはステップS14に進んで体組成の測定処理が実行されるものである。
【0035】
ここで、ステップS13の体調期間測定処理について、図5及び図6を用いて説明する。図5のフローチャートにおいて、先ず、ステップS131では、女性向けダイエット機能が有効に設定されているかどうかが確認される。設定されている場合はステップS132に進むが、設定されていない場合にはこの体調期間測定処理を終了して測定モードのメインルーチン(図4)に戻り、そのまま測定モードも終了することになる。この終了に際しては、女性向けダイエット機能が設定されていない旨を液晶画面5に所定時間だけ表示させて、使用者にその設定を促すようにしても良い。
【0036】
ステップS132では、今回の月経開始日Mが入力される。液晶画面5には、月経日の入力を促すコメントと、月、日を表す数字とが表示され、使用者がアップキー6a、ダウンキー6bを用いて夫々の数字を増減させて今回の月経開始日に合わせ、セットキー6cにより決定する。次いで、ステップS133では、ステップS132で入力された月経開始日Mと個人データとして登録済みの前回月経開始日M´とが比較され、両者が異なる場合はステップS134に進み、両者が一致する場合にはこの体調期間測定処理を終了して測定モードのメインルーチン(図4)に戻り、そのまま測定モードも終了することになる。
【0037】
ステップS134では、月経周期が算出される。即ち、前回の月経開始日M´から今回の月経開始日Mまでの期間(最新の月経周期)と、既に算出され記憶装置16に保存されている過去の月経周期との平均が、月経周期として算出される。尚、この装置1を初めて使用した場合等、未だ過去の月経周期が保存されていない場合には、前回月経日M´から今回月経日Mまでの期間を月経周期とする。ここでは、月経周期が28日間と算出されたものとして、以後の説明を続ける。
【0038】
ステップS135では、体調期間の一つである「月経期」が算出される。この装置1において、月経期は、月経開始日から始まる月経周期中の最初の4日間として予め設定されている。従って、図6に模式的に表すように、月経開始日Mで始まる月経周期28日間中の最初の4日間に該当する期間(a)が、月経期として算出される。
【0039】
ステップS136では、体調期間の一つである「リラックスおすすめ期」が算出される。この装置1において、リラックスおすすめ期は、月経周期の最終日を含む14日間として予め設定されている。従って、図6に模式的に表すように、月経周期28日間中の最終日を含む後半14日間に該当する期間(e)が、リラックスおすすめ期として算出される。
【0040】
ステップS137では、体調期間の一つである「ダイエットチャンス期」が算出される。この装置1において、ダイエットチャンス期は、月経期の終了後からリラックス期の開始前までの期間として設定されている。従って、図6に模式的に表すように、月経周期28日間から当初の月経期4日間と後半のリラックスおすすめ期14日間を除いた残余の10日間に該当する期間(b)が、ダイエットチャンス期として算出される。
【0041】
ステップS138では、本発明の特徴点である「チェンジ期」が算出される。この装置1において、チェンジ期は、ダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わる前後の4日間、即ち、ダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わる直前の2日間及びダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わった直後の2日間として設定されている。従って、図6に模式的に表すように、ダイエットチャンス期の最終日を含む後半2日間に該当する期間(c)と、リラックスおすすめ期の開始日を含む前半2日間に該当する期間(d)とが、チェンジ期として算出される。
【0042】
ステップS139では、ステップS132で入力された月経開始日Mが前回月経開始日M´として更新されると共に、この更新された前回月経開始日M´とステップS134からS138までで算出された月経周期及び各体調期間とが、個人番号に対応した個人データとして記憶装置16に保存される。以上によりこの体調期間測定処理は終了して測定モードのメインルーチン(図4)に戻り、そのまま測定モードも終了されることになる。尚、この体調期間測定処理は、ステップS132以外は全て自動的に実行されるため、使用者にとっては月経開始日Mを入力するだけの月経入力モードとして認識されるものである。
【0043】
再び図4のフローチャートに戻り、ステップS12からステップS14に進んだ場合の制御処理について説明を続ける。
【0044】
ステップS14では、使用者の体重と両足間の生体電気インピーダンスとが測定される。即ち、使用者が、左足裏を通電電極3a及び測定電極4aに、右足裏を通電電極3a及び測定電極4aに、夫々接触させて載台2bの上面2cに立つと、重量センサ13によって使用者の体重が測定されると共に、通電電極3a、3bを介して左右の足裏間に交流電流が供給され、且つ、測定電極4a、4bを介して左右の足裏間の電圧(電位差)が測定されて、これら電流値と電圧値とから両足間の生体電気インピーダンスが測定される。次いで、ステップS15では、使用者の個人データとして登録済みの年齢、性別及び身長と、ステップS14で測定された体重及び生体電気インピーダンスとに基づいて、使用者の体脂肪、内臓脂肪、体水分、筋肉、骨、基礎代謝等といった体組成が算出される。次いで、ステップS16では、ステップS14、S15で測定、算出された体重及び体組成データが、使用者の個人番号に対応して記憶装置16に保存され、ステップS17では、これら測定、算出された体重及び体組成データが、所定時間(例えば、30秒程度)、順次交互に複数回、液晶画面5に表示される。尚、ステップS14からS17までの制御処理は、従来公知の体組成計と変わるところがないので、これ以上の説明は割愛する。
【0045】
ステップS18では、ダイエットキー6dが押下されたか否かが再び確認される。即ち、この装置1では、体組成の測定結果が液晶画面5に表示されている状態で使用者がダイエットキー6dを押下することによって、ステップS13で測定された体調期間の報知が行われるように構成されている。従って、ステップS18でダイエットキー6dの押下が確認された場合はステップS19に進んで体調期間報知処理が実行されるが、ダイエットキー6dの押下が確認されない場合には測定モードの制御処理は全て終了となり、体重及び体組成データ表示のための前記所定時間が経過すると、電源が自動的に遮断されるものである。
【0046】
ステップS19の体調期間報知処理について、図7から図9を用いて説明する。図7のフローチャートにおいて、先ず、ステップS191では、女性向けダイエット機能が有効に設定されているかどうかが確認される。設定されている場合はステップS192に進むが、設定されていない場合にはこの体調期間報知処理を終了して測定モードのメインルーチン(図4)に戻り、そのまま測定モードも終了することになる。この終了に際しては、女性向けダイエット機能が設定されていない旨を液晶画面5に所定時間だけ表示させて、使用者にその設定を促すようにしても良い。
【0047】
ステップS192では、制御装置10の内蔵時計で更新されている現在日時がステップS134で算出された月経周期中の何日目に相当するか、即ち、月経開始日からの経過日数が、現在の月経周期日として算出される。次いで、ステップS193では、ステップS192で算出された現在の月経周期日がステップS135からS138で算出された図6の期間(a)〜(e)の何れに該当するか、即ち、使用者たる婦人の現在の体調が属する体調期間が算出される。次いで、ステップS194では、ステップS193で算出された現在の体調期間が次の体調期間に切替わるまでの日数、即ち、現在の体調期間の残日数が算出される。次いで、ステップS195では、ステップS192からS194で算出された現在の月経周期日、現在の体調期間、及び現在の体調期間の残日数が、液晶画面5及び発光体9によって使用者に報知される。
【0048】
ステップS195において、例えば今日現在が月経周期中の3日目で、即ち現在の体調が月経期に属している場合、液晶画面5には、図8(a)の如く、「月経周期3日目」と表示される。このとき、発光体9は、LED9a、9b、9cの全てが消灯したままとされる。尚、液晶画面5には、現在が月経期である旨を表示させても良い。
【0049】
ステップS195において、例えば今日現在が月経周期中の9日目で、即ち現在の体調がダイエットチャンス期に属している場合、液晶画面5には、図8(b)の如く、先ずは「月経周期9日目」と表示され、続いて「ダイエットチャンスあと5日」と表示され、これらが所定時間ずつ(例えば、5秒ずつ)交互に繰返し表示される。このとき、発光体9は、LED9aのみが点灯し、LED9b、9cは消灯したままとされる。
【0050】
ステップS195において、例えば今日現在が月経周期中の13日目で、即ち現在の体調がダイエットチャンス期であって尚且つリラックスおすすめ期に切替わる直前のチェンジ期に属している場合、液晶画面5には、図8(c)の如く、先ずは「月経周期13日目」と表示され、続いて「ダイエットチャンスあと1日」と表示され、これらが所定時間ずつ(例えば、5秒ずつ)交互に繰返し表示される。このとき、発光体9は、LED9aが点灯すると共にLED9bが点滅し、LED9cは消灯したままとされる。
【0051】
ステップS195において、例えば今日現在が月経周期中の16日目で、即ち現在の体調がリラックスおすすめ期であって尚且つダイエットチャンス期から切替わった直後のチェンジ期に属している場合、液晶画面5には、図8(d)の如く、先ずは「月経周期16日目」と表示され、続いて「リラックス期」と表示され、これらが所定時間ずつ(例えば、5秒ずつ)交互に繰返し表示される。このとき、発光体9は、LED9cが点灯すると共にLED9bが点滅し、LED9aは消灯したままとされる。尚、液晶画面5には、リラックスおすすめ期の残日数を表示させても良い。
【0052】
ステップS195において、例えば今日現在が月経周期中の25日目で、即ち現在の体調がリラックスおすすめ期に属している場合、液晶画面5には、図8(e)の如く、先ずは「月経周期25日目」と表示され、続いて「リラックス期」と表示され、これらが所定時間ずつ(例えば、5秒ずつ)交互に繰返し表示される。このとき、発光体9は、LED9cのみが点灯し、LED9a、9bは消灯したままとされる。尚、液晶画面5には、リラックスおすすめ期の残日数を表示させても良い。
【0053】
ステップS195における体調期間の報知は所定時間(例えば、30秒程度)継続され、この所定時間が経過すると体調期間報知処理は終了して測定モードのメインルーチン(図4)に戻り、そのまま測定モードも終了することになる。尚、ステップS195の実行中に、例えばダイエットキー6dが押下された場合にはステップS17の体重・体組成表示を再び実行するようにしても良い。
【0054】
上述のように、この装置1においては、主として制御装置10が使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段を構成し、主として制御装置10と発光体9とがこの婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段を構成している。即ち、制御装置10が、この婦人の月周期で現われるダイエットチャンス期(第一の体調期間)とこのダイエットチャンス期に引続いて現われるリラックスおすすめ期(第二の体調期間)とを測定する。そして、制御装置10によって制御される発光体9が、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれらダイエットチャンス期とリラックスおすすめ期とから選択して夫々の体調期間に対応したLED9a、9bを点灯発光させることによって報知すると共に、現在の体調がダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わる直前、又はダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わった直後、又はダイエットチャンス期からリラックスおすすめ期に切替わる前後のチェンジ期(所定期間)に属するときは、夫々の体調期間に対応したLED9a又は9bの点灯発光に加え、このチェンジ期に対応したLED9cを点滅発光させることによってこれを報知するものである。
【0055】
従って、この装置1であれば、ダイエットチャンス期がそろそろ終わる時期に至ったということ、或いはリラックスおすすめ期がそろそろ始まる時期に至ったということ、或いはダイエットチャンス期がそろそろ終わり、又はリラックスおすすめ期がそろそろ始まる時期に至ったということを、使用者に対して簡便且つ確実に知らせることができ、しかもこれを低コストで実現することができる。
【0056】
以上、本発明による婦人用体調管理装置及びその実施の形態について詳述してきたが、本発明は、実施例の構成に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した構成を備える限りにおいて、実施例と共に説明した各種の変形はもちろん、その他様々な変形が可能である。例えば、月経期からダイエットチャンス期への切替わり前後の2日間や、リラックスおすすめ期の終了前2日間もチェンジ期としてLED6cを用いて報知するようにしても良い。また、チェンジ期を3日間にしておくことも可能であるし、1日だけに設定しておくこともできる。もちろん、チェンジ期の報知を液晶画面5で行うことも可能である。更に、月周期で現われる体調期間の測定を、体組成の算出に用いる生体電気インピーダンスを利用して高精度に行うことも考え得る。逆に、体組成の測定機能を省いた簡易型の婦人用体調管理装置とすることも可能である。或いは、婦人の基礎体温を測るための体温計等と組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による婦人用体調管理装置1の概略外観図。
【図2】婦人用体調管理装置1に内蔵された電気回路構成の概要を示すブロック図。
【図3】婦人用体調管理装置1で実行される制御処理(登録モード)のフローチャート。
【図4】婦人用体調管理装置1で実行される別の制御処理(測定モード)のフローチャート。
【図5】測定モードにおける体調期間測定処理のフローチャート。
【図6】体調期間を説明するための図。
【図7】測定モードにおける体調期間報知処理のフローチャート。
【図8】婦人用体調管理装置1に搭載された液晶画面の動作を説明するための図。
【図9】婦人用体調管理装置1に搭載された体調期間報知手段の動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0058】
1 婦人用体調管理装置
2 本体
2a 基台
2b 載台
2c 上面
3a、3b 通電電極
4a、4b 測定電極
5 液晶画面
6 入力装置
6a アップキー
6b ダウンキー
6c 決定キー
6d ダイエットキー
7(7a、7b、7c、7d) フットキー
8 電源遮断用フットキー
9(9a、9b、9c) 発光体(発光ダイオード)
10 制御装置
11 電流供給回路
12 電圧測定回路
13 重量センサ
14 A/D変換器
15 入出力回路
16 記憶装置
17 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる直前の所定期間に属するときは、前記第一の体調期間に加えてこの所定期間を報知することを特徴とする婦人用体調管理装置。
【請求項2】
使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わった直後の所定期間に属するときは、前記第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知することを特徴とする婦人用体調管理装置。
【請求項3】
使用者たる婦人の月周期で現われる体調期間を測定する体調期間測定手段と、この婦人の現在の体調が属する体調期間を報知する体調期間報知手段とを備えてなる婦人用体調管理装置であって、前記体調期間測定手段は、この婦人の月周期で現われる第一の体調期間とこの第一の体調期間に引続いて現われる第二の体調期間とを測定し、且つ、前記体調期間報知手段は、この婦人の現在の体調が属する体調期間をこれら第一、第二の体調期間から選択して報知すると共に、現在の体調が第一の体調期間から第二の体調期間に切替わる前後の所定期間に属するときは、前記第一又は第二の体調期間に加えてこの所定期間を報知することを特徴とする婦人用体調管理装置。
【請求項4】
前記体調期間報知手段は、前記第一の体調期間を報知するための第一の発光体と、前記第二の体調期間を報知するための第二の発光体と、前記所定期間を報知するための第三の発光体とを含んでなることを特徴とする請求項1乃至3記載の婦人用体調管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate