説明

媒体処理装置、媒体処理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けないようにした上で、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することを目的とする。
【解決手段】複合処理装置1は、電源投入後又はリセット後、ホストコンピューター5からのコマンドを受け付けないビジー状態へ移行し、搬送部による媒体の搬送を確認する処理を行う第1の初期処理を実行した後、記録部もしくは読取部の初期化動作を行う第2の処理機処理を実行する初期処理実行部70aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に接続可能に構成された媒体処理装置、当該媒体処理装置の制御方法、及び、当該媒体処理装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手等の媒体を搬送すると共に、搬送中、小切手に記録された磁気インク文字を読み取り、小切手に画像を記録する媒体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の媒体処理装置では、ホストコンピューター等の制御装置に接続され、必要に応じて、制御装置と通信するものがある。そして、制御装置に接続された媒体処理装置では、電源投入後や、リセット後は、一旦、制御装置からのコマンドの受け付けを停止し、予め定められた初期処理を全て実行し、初期処理が完了して媒体の処理に係る全ての動作を正常に実行できる状態となった後、制御装置からのコマンドの受け付けの停止を解除するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−255393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電源投入後やリセット後、制御装置からのコマンドの受け付けを停止している間、制御装置は、一切、媒体処理装置を制御できない。このため、当該期間をできるだけ短縮したいとするニーズがある。一方で、電源投入後やリセット後に、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生している場合は、当該エラーが解消するまでは、媒体の処理を開始することはなく、当該エラーの解消が最優先されるため、当該エラーが発生している状況下では、制御装置からのコマンドを受け付けないようにしたいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けないようにした上で、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、コマンドを受信する受信部と、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、電源投入後又はリセット後、前記受信部で前記コマンドを受け付けないビジー状態へ移行するとともに、前記搬送部による前記媒体の搬送を確認する処理を行う第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除して前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行する初期処理実行部と、を備えることを特徴とする。
ここで、電源投入後や、リセット後において、媒体の搬送経路上に媒体が残留したり、搬送に係る機構にエラーが発生したりする等して搬送部による媒体の正常な搬送ができない状態の場合は、媒体の情報の読み取りや、媒体への記録等の媒体に対する各種処理の前提となる搬送自体ができない。従って、媒体に対する一切の処理ができない状態であり、このような状態の場合は、制御装置からのコマンドの受け付けを開始することなく、発生しているエラーを即時に解消する必要がある。一方で、少なくとも、搬送部による媒体の正常な搬送ができる状態の場合において、読取部や記録部に関して何らかのエラーが発生している場合であっても、例えば、ユーザーが読取部による媒体の情報を読み取ることができないことを把握し、そのことを許容している場合や、ユーザーが記録部による画像の記録ができないことを把握し、そのことを許容している場合等、エラーを即時に解消しない場合もある。従って、このような場合は、制御装置からのコマンドを受け付け、処理可能なコマンドについては処理することが可能である。
以上を踏まえ、上記構成によれば、電源投入後や、リセット後に実行すべき初期処理を、第1の初期処理と第2の初期処理との2つに分け、第1の初期処理にて少なくとも搬送部によって媒体を正常に搬送できることの確認を行った後、ビジー状態を解除し、第2の初期処理として残りの初期処理を実行することとしたため、搬送部によって媒体を正常に搬送できることが確定し、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0006】
また、上記発明の媒体処理装置であって、本発明は、前記記録部は、インクジェットヘッドにより前記媒体に記録するものであり、前記第2の初期処理の前記記録部の初期化動作は、前記インクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理であることを特徴とする。
ここで、インクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理は、正常に画像を記録できるようにするために必要な初期処理であるものの、当該処理が完了していない状態で制御装置からのコマンドを受け付けたとしても、そのことが直接的に起因して何らかの不具合が発生することはない。また、当該処理は、インクジェットヘッドやその他の物理的な機構の動作を伴うため、開始から終了にいたるまでに比較的長い時間を要する。
以上を踏まえ、上記構成によれば、ビジー状態の解除後に、第2の初期処理としてインクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理を実行する構成としたため、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0007】
また、上記発明の媒体処理装置であって、本発明は、前記インクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理は、前記インクジェットヘッドのキャップに残留するインクの吸引に係る処理であることを特徴とする。
ここで、電源投入後やリセット後に、キャップに残留するインクを吸引しないと、キャップのインクのオーバーフローの原因となる可能性があるため、インクジェットヘッドのキャップに残留するインクの吸引に係る処理は、電源投入後や、リセット後に行う必要がある一方、インクジェットヘッドの移動や、ポンプの駆動等を伴う処理であるため、作業に要する時間が長い。
以上を踏まえ、上記構成によれば、ビジー状態の解除後に、第2の初期処理としてインクジェットヘッドのキャップに残留するインクの吸引に係る処理を実行する構成としたため、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0008】
また、上記発明の媒体処理装置であって、本発明は、前記ビジー状態を解除した後、前記初期処理実行部による前記第2の初期処理と、前記受信部の前記コマンドの受け付けに係る処理と、を並行して実行することを特徴とする。
この構成によれば、第2の初期処理と、コマンドの受け付けに係る処理とを並行して実行可能なため、さらに処理効率を向上することができる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、を備える媒体処理装置の制御方法であって、前記媒体処理装置の電源の投入、もしくは前記媒体処理装置のリセットの実行を行い、前記制御装置からのコマンドを前記媒体処理装置が受け付けないビジー状態へ移行し、前記搬送部による前記媒体の搬送の確認を含む第1の初期処理を実行し、前期第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除し、前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行することを特徴とする。
本発明の制御方法によれば、電源投入後や、リセット後に実行すべき初期処理を、第1の初期処理と第2の初期処理とに分け、第1の初期処理にて少なくとも搬送部によって媒体を正常に搬送できることの確認を行った後、ビジー状態を解除し、第2の初期処理として残りの初期処理を実行することとしたため、搬送部によって媒体を正常に搬送できることが確定し、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、を備える媒体処理装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、電源投入後又はリセット後、前記制御装置からのコマンドを受け付けないビジー状態へ移行し、前記搬送部による前記媒体を搬送を確認する処理を第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除し、前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行する初期処理実行部として機能させることを特徴とする。
本発明のプログラムにすれば、電源投入後や、リセット後に実行すべき初期処理を、第1の初期処理と第2の初期処理とに分け、第1の初期処理にて少なくとも搬送部によって媒体を正常に搬送できることの確認を行った後、ビジー状態を解除し、第2の初期処理として残りの初期処理を実行することとしたため、搬送部によって媒体を正常に搬送できることが確定し、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0011】
本発明によれば、媒体の処理を開始できないようなエラーが発生していないことが確定するまでは制御装置からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、電源投入後や、リセット後における媒体処理装置と制御装置との間で通信が遮断された期間をできるだけ短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】複合処理装置の外観斜視図である。
【図2】複合処理装置の内部構造を示す図である。
【図3】複合処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る複合処理装置1の外観斜視図である。
複合処理装置1は、読取対象の媒体であるシート状の小切手4や帳票類に対し、この読取対象物に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象物の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象物への文字等の記録を行う装置である。また、複合処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱ロール紙に画像を記録して切断することにより、画像が記録された所定の紙片を発行する機能を備えている。
【0014】
本実施形態では、読取対象物として小切手4を処理する場合を例に挙げて説明する。小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシート(用紙)に金額、振出人、通し番号、サインなどが印字または記載された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aにあり、裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る所定の文字または画像が記録される。また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。小切手4の短辺方向及び長辺方向のサイズは規格化されているものの、多様な規格が存在するため、実際には様々なサイズがある。複合処理装置1では、一般的な小切手4のサイズをほぼ包含し得る最大サイズを規定し、この最大サイズ内の小切手4であれば処理できる。
【0015】
複合処理装置1は、本体下部を覆う下部ケース11、及び下部ケース11に被せられるカバー12からなる外装を有し、外装の内部に複合処理装置1の本体13が収容されている。複合処理装置1の前面には、小切手4を挿入する挿入口14が開口しており、挿入口14の奥には複数の小切手4を積層して貯留できるストッカー15が設けられている。このストッカー15は、前面側へ向かって引き出し自在に構成されており、ストッカー15に貯留すべき小切手4のサイズに応じてストッカー15を引き出した上で、このストッカー15に小切手4を貯留させることが可能である。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成され、スリット18は複合処理装置1の前面側に設けられたポケット19に達している。ストッカー15に貯留された小切手4は、後述するように1枚ずつ複合処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を溜めることができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
【0016】
図2は、複合処理装置1の外装内部に収容されている本体13の構成を示す平面図である。ストッカー15の一側面にはホッパー25が設けられている。このホッパー25は、ホッパー駆動モーター26(図3)により、図中矢印方向に回動可能に構成されており、ストッカー15に貯留された小切手4を他方の側面側に付勢する。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
【0017】
ストッカー15の所定の位置には、ASF用紙検出器31(図3)が設けられている。ASF用紙検出器31は、例えば透過型光センサーで構成され、ストッカー15における小切手4の有無を検出する。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
【0018】
また、搬送路W上においてアシストローラー37とMICRヘッド35との間には、用紙長検出器38が配置されている。用紙長検出器38は、例えば反射型光センサーで構成され、搬送路W上を通る小切手4の検出位置における有無を検出することにより、小切手4の先端及び後端を検出する。用紙長検出器38の検出値は後述する制御部70により取得され、この検出値の変化に基づいて小切手4の長さが求められる。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44へ搬送される。
【0019】
インクジェットプリンターユニット44は、インクジェットヘッド10を備えている。インクジェットヘッド10は、本体13の前部に収容されているインクカートリッジ45からインクの供給を受けて、小切手4にインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドである。本実施形態においてインクジェットヘッド10は小切手4の裏面4bに、いわゆる裏書きと呼ばれる文字や画像を記録する。
インクジェットヘッド10は、図示せぬキャップによるキャッピング可能に構成されると共に、クリーニング、及び、ワイパーによるワイピングを実行可能に構成されている。ワイパーが設けられた位置に対応する位置には、例えば、マイクロスイッチにより構成され、ワイパーが所定の待機位置に位置しているか否かを検出するワイパー位置検出器86(図3)が設けられている。また、インクジェットヘッド10には、当該ヘッドの温度異常検出用のインクジェットヘッドサーミスター85(図3)が設けられている。
インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0020】
インクジェットヘッド10の下流には、小切手4を光学的に読み取るCIS(Contact Image Sensor)ユニットが配置されている。このCISユニットは、小切手4の表面4aを読み取る表面CISユニット47と、裏面4bを読み取る裏面CISユニット48とを有し、小切手4の両面を光学的に読み取り可能である。表面CISユニット47と裏面CISユニット48は搬送路Wを挟んで対向配置されており、これらユニットの上流側には第1CISローラー50が配置され、また、下流側には第2CISローラー51が配置されている。これら第1CISローラー50、及び、第2CISローラー51は、搬送モーター42によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによってCISユニットによって読み取り中の小切手4が安定して搬送される。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0021】
また、図1に示すように、複合処理装置1の後部の、CISユニットに対応する位置には、スキャナー用スリット80が形成されている。このスキャナー用スリット80は、運転免許証や、所定のIDカード等のカード型の媒体を、CISユニットにてスキャンするときに、当該カード型の媒体を通すためのスリットである。本実施形態に係る複合処理装置1は、搬送路W上を搬送される小切手4だけでなく、スキャナー用スリット80を利用して、カード型の媒体についても独立してスキャン可能である。図2に示すように、スキャナー用スリット80の前端部に対応する位置には、スキャナー用スリット80における媒体の有無を検出するためのフォトID検出器81が設けられている。
【0022】
表面CISユニット47、裏面CISユニット48の下流側には上述したポケット19が設けられている。ポケット19は、メインポケット19aと、サブポケット19bとに区画されており、スリット18が分岐して、それぞれのポケット19に繋がっている。これらメインポケット19a、及び、サブポケット19bには、それぞれ複数の小切手4を収容できる。
メインポケット19aには、メインポケットニアフル検出器82が設けられている。このメインポケットニアフル検出器82は、メインポケット19aがフル状態に近くなったことを検出するためのセンサーであり、例えば透過型光センサーにより構成されている。
また、サブポケット19bには、サブポケットニアフル検出器83が設けられている。このサブポケットニアフル検出器83は、サブポケット19bがフル状態に近くなったことを検出するためのセンサーであり、例えば透過型光センサーにより構成されている。
【0023】
スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに繋がる経路とサブポケット19bに繋がる経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54が配置された位置の所定の位置には、切替板検出器84(図3)が設けられている。この切替板検出器84は、例えば透過型光センサーで構成され、切替板54が所定の待機位置に位置しているか否かを検出する。
切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、複合処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
【0024】
このほか、図1、2における図示は省略したが、複合処理装置1には、カバー12の開閉状態を検出するための紙経路カバーオープン検出器88、搬送路W上での小切手4の重送を検出するための重送検出器89、及び、図示せぬ電源の電圧異常を検出するための電源電圧検出器90(いずれも図3参照)が設けられている。
【0025】
また、図1及び図2に示すように、複合処理装置1の中央部には、画像が記録された紙片を発行するサーマルプリンターユニット60が設けられている。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、ユニット本体の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、感熱ロール紙を収容可能な空間であるロール紙収容部62が露出し、感熱ロール紙の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容された感熱ロール紙は、排紙口63を介して、排出される。
サーマルプリンターユニット60は、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙を繰り出して搬送させるローラー状のプラテン(不図示)と、プラテンに対向配置されたサーマルヘッド65(図3)と、搬送方向に対し直交する方向に感熱ロール紙を切断するカッターユニット66とを備えている。紙片の発行に際し、サーマルプリンターユニット60は、プラテンを駆動して感熱ロール紙を搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙に画像を記録し、カッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、紙片を発行する。
図1、2における図示は省略したが、サーマルプリンターユニット60には、プリンターカバー61の開閉状態を検出するためのサーマルカバー検出器92、ロール紙収容部62に収容する感熱ロール紙の紙切れ(リアルエンド)を検出するためのサーマルリアルエンド検出器93、感熱ロール紙の紙切れが近いこと(ニアエンド)を検出するためのサーマルニアエンド検出器94、カッターユニット66の可動刃が待機位置に位置しているか否かを検出するためのオートカッター検出器95、及び、サーマルヘッド65の温度異常検出用のサーマルヘッドサーミスター96(いずれも図3参照)が設けられている。
【0026】
図3は、複合処理装置1とホストコンピューター5(制御装置)とを接続して構成される読取システム8の機能的構成を示すブロック図である。
複合処理装置1は、複合処理装置1全体を制御するCPU、RAM、フラッシュROM等により構成される制御部70と、インクジェットプリンターユニット44及びサーマルプリンターユニット60を制御するプリンター制御部71と、ヘッド駆動回路72と、モータードライバー73と、読取制御回路74と、センサー駆動回路75と、インターフェイス部76とを有し、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。
【0027】
制御部70は、フラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUにより読み出して実行することにより、複合処理装置1の各部を制御する。
プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してインクジェットヘッド10に駆動電流を供給し、小切手4への記録を行う。また、プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してサーマルヘッド65に駆動電流を供給し、感熱ロール紙への記録を行う。
本実施形態では、制御部70や、プリンター制御部71、ヘッド駆動回路72、インクジェットヘッド10、その他の機構が協働して、搬送部により搬送される媒体(小切手4)に記録する記録部として機能する。
モータードライバー73は、ホッパー駆動モーター26に接続され、制御部70の制御に従ってホッパー25を回動させる。
また、モータードライバー73は、ASFモーター27、搬送モーター42、及び、切替板駆動モーター55に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従い各モーターを動作させる。
本実施形態では、制御部70で制御される、モータードライバー73、ASFモーター27、搬送モーター42、これらモーターによって回動する各種ローラー、その他の機構が協働して、媒体たる小切手4を搬送する搬送部として機能する。
【0028】
読取制御回路74は、MCRヘッド22、MICRヘッド35、表面CISユニット47、及び、裏面CISユニット48に接続されている。読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、カードスリット21(図1)にカード類が通される際にMCRヘッド22によって磁気情報を読み取らせ、MCRヘッド22が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。同様に、読取制御回路74は、制御部70の制御に従ってMICRヘッド35によって磁気情報を読み取らせ、MICRヘッド35が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48に、小切手4の表面4a及び裏面4bの読み取りを実行させる。この際、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48の各々から出力される信号をデジタルデータ化し、制御部70に出力する。
本実施形態では、制御部70で制御される、読取制御回路74、MICRヘッド35、表面CISユニット47、裏面CISユニット、その他の機構が協働して、搬送部により搬送される媒体(小切手4)の情報を読み取る読取部として機能する。
【0029】
センサー駆動回路75は、上述したASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、排出検出器52、フォトID検出器81、メインポケットニアフル検出器82、サブポケットニアフル検出器83、切替板検出器84、インクジェットヘッドサーミスター85、ワイパー位置検出器86、紙経路カバーオープン検出器88、重送検出器89、電源電圧検出器90、サーマルカバー検出器92、サーマルリアルエンド検出器93,サーマルニアエンド検出器94,オートカッター検出器95、及び、サーマルヘッドサーミスター96のほか、モータードライバー73の温度異常を検出するためのモータードライバーサーミスター97や、ヘッド駆動回路72の異常を検出するためのXHOT検出器98、及び、ヘッド駆動回路72の温度異常を検出するためのヘッド駆動回路サーミスター99が接続されている。センサー駆動回路75は、上記の各種センサーに電流を供給して、所定周期で出力値を取得し、取得した出力値をデジタルデータに変換して制御部70に出力する。
インターフェイス部76は、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続され、制御部70の制御に従って、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。制御部70と、インターフェイス部76とが協働して、受信部として機能する。
【0030】
次いで、1枚の小切手4を処理する際の複合処理装置1の基本的な動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
複合処理装置1の制御部70は、ホストコンピューター5から小切手4の処理開始を指示するコマンドを受信すると(ステップS11)、ホッパー位置検出器32の検出値や、ASF用紙検出器31の検出値を監視しつつ、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27を駆動して、小切手4を搬送路Wに繰り出して、小切手4の搬送を開始する(ステップS12)。
次いで、制御部70は、用紙長検出器38の検出値を監視することにより小切手4の位置を管理しつつ、MICRヘッド35によって、小切手4の磁気インク文字列4cを読み取る(ステップS13)。
次いで、制御部70は、MICRヘッド35の読み取り結果に基づいて、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされているか否かを判別する(ステップS14)。詳細には、制御部70は、磁気インク文字列4cを構成する磁気インク文字について、磁気インク文字を読み取って得られる検出波形と、基準波形との比較による磁気インク文字認識を行って、磁気インク文字認識の成否により、小切手4が正しくセットされているか否かを判別する。
次いで、制御部70は、ステップS14の判別結果に基づいて、切替板駆動モーター55を駆動して、切替板54を切り替える(ステップS15)。すなわち、制御部70は、小切手4が正しくセットされている場合は、切替板54をメインポケット19a側に切り替え、一方、小切手4が正しくセットされていない場合は、切替板54をサブポケット19b側に切り替える。なお、ステップS14、S15の処理は、以下のステップS16〜S18の処理と並行して行ってもよい。
【0031】
次いで、制御部70は、中間検出器46の検出値を監視することにより小切手4の位置を監視しつつ、搬送モーター42の駆動により各種モーターを駆動して小切手4を搬送し、インクジェットヘッド10により、小切手4の裏面4bに所定の画像を記録する(ステップS16)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップS16において、画像の記録を行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、表面CISユニット47によって小切手4の表面4aをスキャンすると共に、裏面CISユニット48によって裏面4bをスキャンし(ステップS17)、スキャン結果をホストコンピューター5に出力する(ステップS18)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップS17において、スキャンを行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、排出検出器52の検出値を監視することにより小切手4が正常に排紙されたか否かを監視しつつ、搬送モーター42を駆動することにより各種モーターを駆動して小切手4をポケット19に排出する(ステップS19)。その際、小切手4は、切替板54に導かれてメインポケット19a、サブポケット19bのうちMICRヘッド35の読み取り結果に応じた適切なポケット19に排出される。
【0032】
次いで、電源投入後、又は、リセット後における複合処理装置1の動作について説明する。リセットとは、複合処理装置1の電源がオンの状態のときに、電源がオンの状態を維持しつつ、複合処理装置1を再び始動の状態に戻すことを言い、本実施形態では、ホストコンピューター5からリセットを指示するコマンドが入力されることにより、リセットに係る処理が開始される。このリセット後は、電源投入後と同様の処理が行われる。
まず、「従来」の複合処理装置の動作を説明し、従来の課題を明らかにする。なお、「従来」の複合処理装置の各部材に関しては、本発明の複合処理装置1と同じ部材に関する記載に関しては、本発明の複合処理装置1の図番を参照して説明する。
【0033】
図6は、従来の複合処理装置の電源投入後、又は、リセット後の動作を示すフローチャートである。
従来の複合処理装置では、電源が投入され、また、リセットが指示されると(ステップSB1)、まず、ビジー状態へ移行する(ステップSB2)。
ビジー状態とは、ホストコンピューター5からの一切のコマンドを受け付けない状態のことを言う。ビジー状態へ移行中、ホストコンピューター5は、複合処理装置へのコマンドの送信を保留する。そして、ビジー状態への移行が解除された後、ホストコンピューター5は、複合処理装置1に、送信を保留したコマンドを送信し、複合処理装置1の受信バッファーに格納される。ビジー状態へ移行中は、ホストコンピューター5との通信を遮断することにより、ホストコンピューター5からのコマンドを受け付けないようにしてもよい。
次いで、従来の複合処理装置は、各種メモリーに対して、必要な初期化をする(ステップSB3)。例えば、従来の複合処理装置は、ホストコンピューター5から入力されたコマンドを一時的に格納する受信バッファーや、インクジェットヘッド10や、サーマルヘッド65によって記録すべき画像の画像データを展開する画像バッファー等の各種バッファーや、RAM、EEPROM、その他の記憶媒体について、所定の領域におけるデータの消去等を実行し、これらメモリーを使用可能な状態とする。
【0034】
次いで、従来の複合処理装置は、通信初期化処理を実行する(ステップSB4)。例えば、通信初期化処理において、従来の複合処理装置は、インターフェイス部76が備えるネットワークカードと制御部70とのソフトウェア的、ハードウェア的なインターフェイスの初期化や、ネットワークカードにおける通信制御用のチップの初期化等を行い、ホストコンピューター5との間で正常に通信できる状態とする。
次いで、従来の複合処理装置は、各種センサーの初期化、及び、各種センサーの異常の検出を実行する(ステップSB5)。すなわち、従来の複合処理装置は、ASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、排出検出器52、フォトID検出器81、メインポケットニアフル検出器82、サブポケットニアフル検出器83、切替板検出器84、インクジェットヘッドサーミスター85、ワイパー位置検出器86、紙経路カバーオープン検出器88、重送検出器89、電源電圧検出器90、サーマルカバー検出器92,サーマルリアルエンド検出器93、サーマルニアエンド検出器94、オートカッター検出器95、サーマルヘッドサーミスター97、モータードライバーサーミスター97、XHOT検出器98、及び、ヘッド駆動回路サーミスター99に対して、初期通電を行い、これらセンサーの出力値を取得できる状態とする。さらに、従来の複合処理装置は、これらセンサーについて、出力値が取得できるか否かを判別することにより、また、所定のセンサーについては、取得した出力値が予め定められた所定の範囲内にあるか否かを判別することにより、センサーの異常を検出する。
ステップSB5において、いずれかのセンサーに異常が検出された場合、従来の複合処理装置は、ホストコンピューター5に対してその旨通知し、処理手順をステップSB6へ移行することなく、動作を停止する。ホストコンピューター5は、当該通知に基づいて、センサーに異常が検出された旨を、表示パネル等に表示することにより、オペレーターに報知する。
その後は、センサーの異常が解消された上で、改めて、電源が投入され、又は、リセットされた後、ステップSB5においてセンサーの異常が検出されなければ、従来の複合処理装置は、処理手順をステップSB6へ移行する。
なお、エラーの有無や、装置の状態を報知するためのLEDや、表示パネルを備えている場合は、ホストコンピューター5への通知に代えて、又は、通知と併せて、当該LEDや、表示パネルを利用してその旨報知するようにしてもよい。
【0035】
ステップSB6において、従来の複合処理装置は、メカ機構初期処理を実行する(ステップSB6)。
このステップSB6では、電源投入後、又は、リセット後、実行すべき処理として予め定められたメカ機構初期処理の全てが実行される。実行すべきメカ機構初期処理には、少なくとも、初期動作不良検出処理、及び、インクジェットヘッド準備処理の2つの処理が含まれている。
初期動作不良検出処理とは、搬送部、読取部、及び、記録部に係る機構を少なくとも含む各種機構について、初期動作不良が発生しているか否かを確認する処理である。例えば、モータードライバー73を介して、各種モーターを所定量だけ駆動させ、これらモーターに初期動作不良が発生していないことを確認したり、また、搬送路W上に設けられた各種センサーの出力値に基づいて、搬送路W上に小切手4が残留していないことを確認したりする。この初期動作不良検出処理では、予め定められた機構の全てについて、初期動作不良の有無の検出が行われる。
初期動作不良検出処理において何らかの機構に初期動作不良が検出された場合、従来の複合処理装置は、ホストコンピューター5に対してその旨通知し、処理手順をステップSB7へ移行することなく以後の動作を停止する。その後は、初期動作不良が解消された上で、改めて、電源が投入され、又は、リセットされた後、ステップSB6において初期動作不良が検出されなければ、従来の複合処理装置は、処理手順をステップSB7へ移行する。
【0036】
また、メカ機構初期処理に含まれるインクジェットヘッド準備処理とは、インクジェットヘッド10によって正常にインクを吐出するために必要な準備に係る処理である。
具体的には、インクジェットヘッド準備処理には、キャップに残留したインクを吸引する処理(以下、「空吸引処理」という。)が含まれている。ここで、本実施形態では、クリーニングや、フラッシングにおいて、インクジェットヘッド10の各ノズルから吐出されたインクは、一時的に、キャップに貯留された後、図示せぬポンプの駆動により、インクカートリッジ45に設けられた廃インクタンクに排出される構成となっている。そして、空吸引処理では、ポンプを駆動することにより、キャップに残留しているインクを強制的に廃インクタンクに排出する処理が行われる。この空吸引処理は、キャップにおけるインクのオーバーフローを防止すべく、電源投入後、又は、リセット後必ず実行される。
また、インクジェットヘッド準備処理には、タイマークリーニングが含まれている。タイマークリーニングとは、前回、インクジェットヘッド10を使用してから、長時間(例えば、数ヶ月)経過している場合に行われるクリーニングである。複合処理装置1は、直近でインクジェットヘッド10を使用してからの経過時間を管理しており、電源投入後又はリセット後、当該経過時間が予め定められた時間以上となっている場合は、タイマークリーニングを実行する。
【0037】
また、インクジェットヘッド準備処理には、特別クリーニングが含まれている。特別クリーニングとは、インクジェットヘッド10のキャップが開状態で電源がオフされた後、つまり、キャッピングがなされていない状態で電源がオフされた後、次に電源が投入されたときに、実行されるクリーニングである。ここで、通常の電源オフ時には、インクジェットヘッド10に対してキャップによりキャッピングがなされ、これにより、ノズルに残留するインクの乾き(増粘)が抑制される。しかしながら、エラーの発生等に起因して強制的に電源をオフした場合等には、インクジェットヘッド10に対してキャッピングがなされていない状態で電源がオフされることがある。この場合、次の電源投入時にクリーニングを実行して増粘したインクをノズルから排出する必要がある。以上を踏まえ、従来の複合処理装置は、電源投入後、インクジェットヘッド10にキャッピングがなされている状態か否かを判別し、なされていない場合(=前回、キャッピングがなされていない状態で電源がオフされている場合)、特別クリーニングを実行する。
また、インクジェットヘッド準備処理には、初期充填処理が含まれている。初期充填処理とは、工場出荷後に初めて電源が投入されたときに、インクジェットヘッド10の各ノズルに対してインクを充填する処理である。
【0038】
ステップSB6において、メカ機構初期処理を実行した後、従来の複合処理装置は、ビジー状態を解除し、ホストコンピューター5からのコマンドの受け付けを開始する(ステップSB7)。
ビジー状態の解除後、ホストコンピューター5からコマンドが入力されれば、従来の複合処理装置は、当該コマンドを解析し、当該コマンドに基づいて所定の処理を実行する(ステップSB8)。
【0039】
このように、従来の複合処理装置では、ステップSB6のメカ機構初期処理において、予め定められた全ての初期処理を実行した後、ビジー状態を解除していた。しかしながらこのような従来の構成では、媒体の処理に係る全ての動作を実行できることが確定した後にホストコンピューター5からのコマンドを受け付けるようにすることができるというメリットがあるものの、ビジー状態に移行後、ビジー状態を解除するまでの時間が長時間化するという課題があった。複合処理装置は、ビジー状態へ移行中は、ホストコンピューターから複合処理装置に対して、応答要求や、各種制御ができない不必要な期間であるため、できるだけ、当該期間を短縮したいとするニーズがある。
以上を踏まえ、本実施形態に係る複合処理装置1は、以下の動作を実行する。
【0040】
図5は、本実施形態に係る複合処理装置1の動作を示すフローチャートである。
電源投入後、又は、リセット後(ステップSA1)、複合処理装置1の制御部70の初期処理実行部70aは、ビジー状態へ移行し、ホストコンピューター5からのコマンドの受付を停止する(ステップSA2)。この初期処理実行部70aの機能は、CPUがファームウェアを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
次いで、初期処理実行部70aは、前段メモリー初期化処理を実行する(ステップSA3)。前段メモリー初期化処理とは、メモリーの初期化処理のうち、後述するステップSA6の第1の初期処理を実行するために必要なメモリー初期化処理のことである。前段メモリー初期化処理の具体例については、ステップSA6の第1の初期処理の説明と併せて後に説明する。
次いで、初期処理実行部70aは、通信初期化処理を実行する(ステップSA4)。ステップSA4では、図6のステップSB4と同様の処理が行われる。
このステップSA4の通信初期化処理と並行して、初期処理実行部70aは、各種センサーの初期化、及び、各種センサーの異常の検出を実行する(ステップSA5)。ステップSA5では、図6のステップSB5と同様の処理が行われる。従って、いずれかのセンサーに異常が検出された場合、初期処理実行部70aは、ホストコンピューター5に対してその旨通知し、処理手順をステップSA6へ移行することなく、動作を停止する。その後は、センサーの異常が解消された上で、改めて、電源が投入され、又は、リセットされた後、ステップSA5においてセンサーの異常が検出されなければ、初期処理実行部70aは、処理手順をステップSA6へ移行する。
ステップSA5において、センサーの初期化を行い、いずれのセンサーにも異常が検出されなかった場合、初期処理実行部70aは、第1の初期処理を実行する(ステップSA6)。この第1の初期処理は、ステップSA4の通信初期化処理と並行して行われる。
以下、第1の初期処理について詳述する。
【0041】
第1の初期処理とは、図6のステップSB6のメカ機構初期処理に含まれる初期処理のうち、搬送部によって小切手4を正常に搬送できるか否かの確認に係る初期処理である。具体的には、初期処理実行部70aは、用紙長検出器38、中間検出器46、排出検出器52、及び、重送検出器89の出力値に基づいて、搬送路W上に小切手4等の媒体が残留しているか否かを検出する。また、モータードライバー73を制御して、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27、搬送モーター42等の小切手4の搬送に関係するモーターを所定量だけ駆動して、これら媒体を搬送するモーターが正常に駆動するか否かを検出する。また、その他の必要な処理を実行して、ストッカー15に貯留された小切手4が搬送路W上を搬送されポケット19に排出されるまでの一連の媒体の搬送動作が正常に実行できるか否かを確認する。
【0042】
なお、ステップSA3の前段メモリー初期化処理では、例えば、用紙長検出器38、中間検出器46、排出検出器52、及び、重送検出器89等の搬送に関連するセンサーの出力値を格納するメモリーの記憶領域の初期化を行なう。またホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27、搬送モーター42等の小切手4の搬送に関係するモーターの駆動量を管理する変数を格納するメモリーの記憶領域の初期化等を行なう。すなわちステップSA6の第1の初期処理を行うために必要なメモリーの初期化処理が行われる。
ここで、ステップSA4の通信初期化処理と、ステップSA5のセンサーの初期化処理及びステップSA6の第1の初期処理とは、処理の対象がソフトウェア的ハードウェア的にそれぞれ異なっているため、これら処理を並行して実行可能である。そして、本実施形態では、ステップSA4の通信初期化処理と、ステップSA5のセンサーの初期化処理及びステップSA6の第1の初期処理とが並行して実行される構成となっているため、これら処理を独立して順番に実行する場合と比較して、処理効率が向上し、ビジー状態へ移行してから解消されるまでの時間を短縮化することが可能である。
【0043】
第1の初期処理の実行後、初期処理実行部70aは、搬送部によって小切手4を正常に搬送できる状態か否かを判別し(ステップSA7)、正常に搬送できない状態である場合(ステップSA7:NO)、初期処理実行部70aは、エラー処理を実行する(ステップSA8)。このエラー処理では、ホストコンピューター5に対して、搬送部によって小切手4を正常に搬送できない状態である旨通知され、以後の動作が停止される。
一方で、搬送部によって小切手4を正常に搬送できる状態である場合(ステップSA7:YES)であって、ステップSA4の通信初期化処理が終了している場合、初期処理実行部70aは、ビジー状態を解除して(ステップSA9)、ホストコンピューター5からのコマンドの受け付けを開始する。
【0044】
このように、本実施形態では、ビジー状態の解除前に、メカ機構初期処理を全て実行するのではなく、少なくとも搬送部によって小切手4を正常に搬送できるか否かの確認に係る初期処理を実行し、正常に搬送できる場合は、ビジー状態を解除する。このような構成により、以下の効果を奏することができる。
すなわち、電源投入後や、リセット後において、搬送路W上に媒体が残留したり、搬送に係る機構にエラーが発生したりする等して搬送部による媒体の正常な搬送ができない状態の場合は、CISユニット(読取部)による小切手4の情報の読み取りや、インクジェットヘッド10による小切手4への記録等の、小切手4に対する各種処理の前提となる搬送自体ができない。従って、小切手4に対する一切の処理ができない状態であり、このような状態の場合は、ホストコンピューター5からのコマンドの受け付けを開始することなく、発生しているエラーを即時に解消する必要がある。また、現実に、搬送に関するエラーとしては、搬送路W上に何らかの媒体が残っていることに起因したエラーが多いが、このようなエラーは、即時に解消可能であり、エラーの解消までに要する時間が短い傾向にあり、利便性を損なわない場合が多い。
一方で、少なくとも、搬送部による媒体の正常な搬送ができる状態の場合において、例えば、CISユニットやインクジェットヘッド10に関して何らかのエラーが発生している場合がある。このとき、ユーザーがCISユニットによる小切手4の情報を読み取ることができないことを把握し、そのことを許容している場合や、ユーザーがインクジェットヘッド10による画像の記録ができないことを把握し、そのことを許容している場合等、エラーを即時に解消する必要がない場合もある。従って、このような場合は、制御装置からのコマンドを受け付け、処理可能なコマンドについては処理することが可能である。
以上を踏まえ、本実施形態では、ビジー状態の解除前に、少なくとも搬送部によって小切手4を正常に搬送できるか否かの確認に係る初期処理を実行する。正常に搬送できる場合は、ビジー状態を解除するため、搬送部によって媒体を正常に搬送できることが確定する。媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまではホストコンピューター5からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、第1の初期処理に要する時間が短くなり、ビジー状態へ移行している期間を短縮することができる。
【0045】
ビジー状態の解除後、複合処理装置1の制御部70は、ホストコンピューター5からのコマンドの入力に応じて、適宜、コマンドの解析、及び、コマンドに基づく処理を実行する(ステップSA10)。
ステップSA10のコマンドに基づく処理と並行して、初期処理実行部70aは、後段メモリー初期化処理(ステップSA11)、及び、第2の初期処理(ステップSA12)を実行する。
ここで、コマンドに基づく処理には、例えば、ホストコンピューター5からのステータス応答要求に対する応答や、所定のメモリーに対する所定のデータの登録等、後述する後段メモリー初期化処理や、第2の初期処理と並行して実行可能な場合がある。これを踏まえ、本実施形態のように、ステップSA10のコマンドに基づく処理と並行して、後段メモリー初期化処理(ステップSA11)、及び、第2の初期処理(ステップSA12)を実行することにより、処理効率が向上する。なお、後段メモリー初期化処理及び後段初期化処理と並行して行うことの関係で、ホストコンピューター5から入力されたコマンドのうち、実行できないコマンドがある場合は、当該コマンドを実行できる状態となるまで待機するようにしてもよく、また、他の実行可能なコマンドを優先的に実行するようにしてもよい。
【0046】
ステップSA11の後段メモリー初期化処理では、ステップSA3の前段メモリー初期化処理において行われなかったメモリーの初期化処理が実行される。
このように本実施形態では、メモリーの初期化に係る処理を、ビジー状態の解除前に実行される前段メモリー初期化処理と、ビジー状態の解除後に実行される後段メモリー初期化処理に分ける。前段メモリー初期化処理において、ステップSA6の第1の初期処理に必要なメモリーの初期化処理を行い、残りの処理を後段メモリー初期化処理にて行うようにしたため、従来と比較して、ビジー状態の解除前に実行すべきメモリーの初期化処理に要する時間が短くなり、ビジー状態に移行している期間のさらなる短縮化を実現できる。
【0047】
また、ステップSA12の第2の初期処理では、メカ機構初期処理のうち、ステップSA6の第1の初期処理で行われなかった初期処理が行われる。従って、第2の初期処理には、記録部(プリンター制御部71や、ヘッド駆動回路72、インクジェットヘッド10、その他の機構)、及び、読取部(読取制御回路74、MICRヘッド35、表面CISユニット47、裏面CISユニット、その他の機構)の初期化動作が含まれており、さらに、記録部の初期化動作には、上述したインクジェットヘッド準備処理が含まれている。
ここで、上述したように、インクジェットヘッド準備処理では、空吸引処理が行われると共に、必要に応じてタイマークリーニング、特別クリーニング、及び、初期充填処理が行われる。これら各処理は、インクジェットヘッド10や、その他の付随する物理的機構(例えば、ポンプ)の動作を伴う処理であり、処理に要する時間が比較的長い。一方で、インクジェットヘッド準備処理は、正常に画像を記録できるようにするために必要な初期処理であるものの、何らかのエラーが発生しているわけではなく、定型的に行われる処理であるため、当該処理が完了していない状態でホストコンピューター5からのコマンドを受け付けたとしても、そのことが直接的に起因して何らかの不具合が発生することはない。そして、本実施形態では、第2の初期処理において、インクジェットヘッド準備処理を行う構成のため、ビジー状態の解除の前に行われる第1の初期処理に要する時間を大幅に短縮することができ、ビジー状態に移行している期間を飛躍的に短縮することが可能である。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係る複合処理装置1(媒体処理装置)の制御部70の初期処理実行部70aは、電源投入後又はリセット後、ビジー状態へ移行し、搬送部によって小切手4を正常に搬送できることの確認を少なくとも含む第1の初期処理を実行した後、ビジー状態を解除し、残りの初期処理である第2の初期処理を実行する。
これによれば、電源投入後や、リセット後に実行すべき初期処理を、第1の初期処理と第2の初期処理との2つに分け、第1の初期処理にて少なくとも搬送部によって小切手4を正常に搬送できることの確認を行った後、ビジー状態を解除し、第2の初期処理として残りの初期処理を実行する。これにより、搬送部によって小切手4を正常に搬送できることが確定し、媒体の処理という観点から重大なエラーが発生していないことが確定するまではホストコンピューター5からコマンドを受け付けることを的確に防止した上で、電源投入後や、リセット後におけるホストコンピューター5からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態に係る複合処理装置1は、インクジェットヘッド10により小切手4に記録するものである。そして、初期処理実行部70aは、第2の初期処理として、インクジェットヘッド準備処理を実行する。
ここで、上述したように、インクジェットヘッド準備処理では、空吸引処理が行われると共に、必要に応じてタイマークリーニング、特別クリーニング、及び、初期充填処理が行われる。これら各処理は、インクジェットヘッド10や、その他の付随する物理的機構(例えば、ポンプ)の動作を伴う処理であり、処理に要する時間が比較的長い。一方で、インクジェットヘッド準備処理は、正常に画像を記録できるようにするために必要な初期処理であるものの、何らかのエラーが発生しているわけではなく、定型的に行われる処理であるため、当該処理が完了していない状態でホストコンピューター5からのコマンドを受け付けたとしても、そのことが直接的に起因して何らかの不具合が発生することはない。
以上を踏まえ、上記構成によれば、ビジー状態の解除後に、第2の初期処理としてインクジェットヘッド準備処理を実行する構成としたため、電源投入後や、リセット後におけるホストコンピューター5からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、インクジェットヘッド準備処理には、少なくとも、空吸引処理が含まれている。
ここで、上述したように、空吸引処理は、電源投入後や、リセット後に行う必要がある一方、インクジェットヘッド10の移動や、ポンプの駆動等を伴う処理であるため、作業に要する時間が長い。
以上を踏まえ、上記構成によれば、ビジー状態の解除後に、第2の初期処理として空吸引処理を実行する構成としたため、電源投入後や、リセット後における制御装置からのコマンドを受け付けない期間をできるだけ短縮することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、ビジー状態の解除後、初期処理実行部70aによる第2の初期処理と、ホストコンピューター5からのコマンドの受け付けに係る処理(ホストコンピューター5から入力されたコマンドの解析、実行)と、を並行して実行可能に構成されている。
これによれば、第2の初期処理と、コマンドの受け付けに係る処理とを並行して実行可能なため、さらに処理効率を向上することができる。
【0052】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1は、搬送路W上に、MICRヘッド35、インクジェットヘッド10、及び、CISユニットが順次配置された構造であったが、装置の配置順番や、装置の具体的構造は、これに限らない。すなわち、本発明は、媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の情報を読み取る読取部と、搬送部により搬送される媒体に記録する記録部とを備える媒体処理装置に広く適用可能である。
また例えば、図3に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部70の機能を、複合処理装置1に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図5で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…複合処理装置(媒体処理装置)、4…小切手(媒体)、5…ホストコンピューター(制御装置)、10…インクジェットヘッド(記録部)、35…MICRヘッド(読取部)、42…搬送モーター、47…表面CISユニット(読取部)、48…裏面CISユニット(読取部)、70…制御部(搬送部、記録部、読取部)、70a…初期処理実行部、73…モータードライバー(搬送部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマンドを受信する受信部と、
媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、
前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、
電源投入後又はリセット後、前記受信部で前記コマンドを受け付けないビジー状態へ移行するとともに、前記搬送部による前記媒体の搬送を確認する処理を行う第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除して前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行する初期処理実行部と、
を備えることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記記録部は、インクジェットヘッドにより前記媒体に記録するものであり、
前記第2の初期処理の前記記録部の初期化動作は、前記インクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理であることを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記インクジェットヘッドによるインクの吐出の準備に係る処理は、前記インクジェットヘッドのキャップに残留するインクの吸引に係る処理であることを特徴とする請求項2に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記ビジー状態を解除した後、
前記初期処理実行部による前記第2の初期処理と、前記受信部の前記コマンドの受け付けに係る処理と、を並行して実行することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の媒体処理装置。
【請求項5】
制御装置に接続され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、を備える媒体処理装置の制御方法であって、
前記媒体処理装置の電源の投入、もしくは前記媒体処理装置のリセットの実行を行い、
前記制御装置からのコマンドを前記媒体処理装置が受け付けないビジー状態へ移行し、
前記搬送部による前記媒体の搬送の確認を含む第1の初期処理を実行し、
前期第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除し、
前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行することを特徴とする媒体処理装置の制御方法。
【請求項6】
制御装置に接続され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体の情報を読み取る読取部と、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録する記録部と、を備える媒体処理装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
電源投入後又はリセット後、前記制御装置からのコマンドを受け付けないビジー状態へ移行し、前記搬送部による前記媒体を搬送を確認する処理を第1の初期処理を実行した後、前記ビジー状態を解除し、前記記録部もしくは前記読取部の初期化動作を行なう第2の初期処理を実行する初期処理実行部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−63515(P2013−63515A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201881(P2011−201881)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】