説明

媒体処理装置、媒体処理装置の制御方法

【課題】媒体の表面に印刷された磁気インク文字から磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上させることができる媒体処理装置を提案すること。
【解決手段】小切手処理装置1は小切手S1から磁気インク文字S2の磁気情報を取得する磁気読取部41と、小切手S1に表面画像読取光を照射して表面画像情報を取得する表面画像読取部25を備える。コンピューター80から磁気インク文字S2を読み取る磁気インク文字読取指令が供給されると表面画像読取部25は表面画像情報として赤外線を照射した表面画像情報を取得する第11の表面画像読取モードに設定される。小切手処理装置1は小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送して、磁気情報と赤外線を照射した表面画像情報を取得し、これらをコンピューター80に送信する。コンピューター80は磁気情報および赤外線を照射した表面画像情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手等の媒体を搬送路に沿って搬送して、媒体に印刷されている磁気インク文字が担持する磁気インク文字情報を取得する媒体処理装置および媒体処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行などの金融機関においては、持ち込まれた小切手、手形などの小切手類を小切手読取装置に掛け、それらに印刷されている磁気インク文字を読み取り、読取結果に基づいて決済処理などを行っている。特許文献1に記載の小切手処理装置では、小切手を磁気ヘッドによる磁気読取位置およびイメージスキャナーによる画像読取位置を経由する搬送路に沿って搬送し、磁気読取位置において磁気インク文字の磁気情報を読み取り、画像読取位置において磁気インク文字が印刷されている媒体表面の画像情報を読み取り、取得した磁気情報および画像情報を利用して磁気インク文字が担持する磁気インク文字情報を認識している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−160254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁気インク文字情報は決済に用いられる情報なので、媒体に印刷された磁気インク文字から磁気インク文字情報を正確に読み取ることが求められている。
【0005】
近年、画像読取光として、複数種の画像読取光を照射することが可能な画像読取装置が提案されているが、画像読取位置に設置する画像読取装置としてこのような画像読取装置を用いた場合に、ユーザーはどのようにすれば磁気インク文字から磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上できるのかがわかり難い。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、赤外線を照射することが可能な画像読取装置を搭載することにより、ユーザーの手を煩わせることがなく媒体に印刷された磁気インク文字から当該磁気インク文字に担持された磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上させることができる媒体処理装置および媒体処理装置の制御方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の媒体処理装置は、
制御装置と接続可能な媒体処理装置であって、
表面に磁気インク文字が印刷されている媒体を磁気読取位置および表面画像読取位置を経由する搬送路に沿って搬送する媒体搬送機構と、
前記磁気読取位置を搬送される前記媒体から前記磁気インク文字の磁気情報を取得する磁気読取部と、
表面画像読取光として少なくとも赤外線を照射可能であり、前記表面画像読取位置を搬送される前記媒体の表面に前記表面画像読取光を照射して表面画像情報を取得する表面画像読取部と、
前記制御装置から磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記磁気読取部により前記磁気情報を取得し、前記表面画像読取部により前記赤外線を前記媒体の表面に照射し第1表面画像情報を取得し、前記磁気情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信する制御部と、
を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、制御装置から磁気インク文字を読み取る磁気情報読取指令を受信すると、媒体処理装置は、媒体を搬送路に沿って搬送して、磁気インク文字の磁気情報、および、赤外線を照射した第1表面画像情報を取得する。ここで、磁気インク文字は赤外線の反射率が高い材料、例えばカーボンを含んでいるので、第1表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報は、可視光線を照射して取得される通常の表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報と比較して、光学的に認識し易いものとなる。また、小切手など磁気インク文字が印刷されている媒体の表面にボールペンなどでサインが記入されているときに、可視光線を照射した場合にはサインの部分の反射量が多く、赤外線を照射した場合にはサインの部分の反射量が少なくなる。従って、磁気インク文字とサインなどが重なっている場合、可視光線を照射して取得した表面画像情報では磁気インク文字の判別が難しいが、赤外線を照射して取得した第1表面画像情報では、その判別が容易となる。この結果、第1表面画像情報を用いて光学的な文字認識を行なえば、磁気インク文字を精度良く認識できる。よって、取得した磁気情報および第1表面画像情報に基づいて磁気インク文字を認識すれば、磁気インク文字に担持された磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上させることができる。このように、本発明によれば、磁気情報を認識したい場合に、磁気認識に加えて、サインなどの書き込みの影響を排除した第1表面画像情報を自動的に送信するので、制御装置側での認識精度を向上させることができる。
【0009】
本発明において、前記表面画像読取部は、前記表面画像読取光として可視光線を照射可能であり、前記制御部は、前記制御装置から前記表面画像情報を取得する表面画像情報取得指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記表面画像読取部により前記可視光線を照射し第2表面画像情報を取得し、前記赤外線を照射し前記第1表面画像情報を取得し、前記第2表面画像情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することが望ましい。このようにすれば、表面画像読取位置を通過するように媒体を搬送する間に、表面読取画像情報として、赤外線を照射した第1表面画像情報と、可視光線を照射した第2表面画像情報の2つの表面画像情報を取得できる。従って、磁気インク文字を認識する際に、媒体の表面画像情報(グレースケールの表面画像情報、或いは、カラーの表面画像情報)を併せて取得しておきたい場合などに、媒体を搬送路に沿って2回搬送して表面画像情報を2回読み取ったり、一度画像読取位置を通過した媒体を逆方向に搬送することにより表面画像情報を2回読み取ったりする必要がない。また、表面画像情報をディスプレイなどに表示して目視でも認識したい場合には、赤外線を照射した第1表面画像情報より可視光線を照射した第2表面画像情報の方が、目で見た画像に近く有用である。従って、このようにすれば、制御装置側で、目視で認識することに加え、その一方でサインなどの影響を排除した赤外線を照射した第1表面画像情報で磁気インク文字等の画像認識を行うことができる。よって、認識精度を向上させることができる。なお、可視光線の表面画像読取光としては、赤色光、緑色光、青色光などの単色光を照射するもの、媒体が表面画像読取位置を所定の読取幅ずつ搬送される間に赤色光、緑色光、青色光を順次に照射するものが含まれる。また、第2表面画像情報には、単色光の照射により得られるグレースケールの表面画像情報、並びに、赤色光、緑色光、青色光を順次に照射することにより得られるコンポジットグレーの表面画像情報、および、赤色光、緑色光、青色光を順次に照射することにより得られるカラーの表面画像情報が含まれる。ここで、サイン等におけるインクの色の表面画像読取光、例えばインクの色が青色の場合には青色光、を照射してグレースケールの表面画像情報を取得すれば、青色のサインの影響を排除した表面画像情報を取得することができる。すなわち、表面画像読取光を選択することによって、ノイズ等の悪影響を避けるように特定の色の光を照射して、表面画像情報を取得することができる。
【0010】
近年、小切手等の偽造防止のため、紫外線の反射率が高いインクで予め所定の画像を小切手に印刷しているものがある。このような小切手の真偽判定を行うため、画像読取のための画像読取光として、可視光線および赤外線に加え、紫外線を照射することが可能な画像読取装置が有用である。このような画像読取装置を媒体処理装置に搭載する場合には、前記表面画像読取部は、前記表面画像読取光として紫外線を照射可能であり、前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令または前記表面画像情報取得指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記磁気読取部により前記磁気情報を取得するか、または、前記表面画像読取部により前記可視光線を照射し第2表面画像情報を取得し、さらに、前記表面画像読取部により前記紫外線を照射し第3表面画像情報を取得し、前記磁気情報または前記第2表面画像情報に前記第3表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することが望ましい。このようにすれば、媒体に紫外線の反射率が高いインクによって真偽判定情報が印刷されている場合には、第3表面画像情報に真偽判定情報が光学的に識別し易い状態で含まれる。従って、制御装置側で、磁気情報または第2表面画像情報による磁気インク文字等の認識に加え、第3表面画像情報に基づいて媒体の真偽を判定することが容易となる。
【0011】
本発明において、前記磁気情報に基づいて前記磁気インク文字を認識する磁気情報認識部と、少なくとも前記第1表面画像情報に基づいて前記磁気インク文字を光学的に認識する画像情報認識部と、少なくとも前記磁気情報認識部の認識結果および前記画像情報認識部の認識結果のいずれかに基づいて、前記磁気インク文字を確定する情報確定部と、前記情報確定部によって確定された前記磁気インク文字を前記外部装置に送信する第1情報送信部と、を有していることが望ましい。このようにすれば、媒体処理装置側において、磁気インク文字を認識して、その磁気インク文字情報を精度よく確定することができる。また、確定結果である磁気インク文字情報を磁気情報読取指令または表面画像情報取得指令を送信した制御装置に提供することができる。さらに、情報確定部は、磁気情報、第1表面画像情報、第2表面画像情報、第3表面画像情報のいずれか1つ、またはいずれかの組み合わせにより、磁気インク文字情報を確定することができる。また、第3表面画像情報を利用すれば、小切手の真偽を判断することも可能となる。ここで、第1表面画像情報によれば、サインなどのノイズを除去できるので、少なくとも第3表面画像情報と第1表面画像情報のいずれかまたは両方を用いて磁気インク文字情報を確定することが望ましい。
【0012】
本発明において、前記搬送路に設けられた裏面画像読取位置と、裏面画像読取光として少なくとも赤外線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記赤外線を前記媒体の裏面に照射し取得した第1裏面画像情報を、前記磁気情報に付加して前記制御装置へ送信することが望ましい。このようにすれば、表面画像の処理とは別に、多様な媒体の裏面画像情報を取得することができる。また、小切手等に予め印刷してある銀行等の情報を裏面画像情報として取得し、ボールペンなどで裏面に書かれたサインなどの情報を除去することができる。
【0013】
本発明において、紫外線を照射することが可能な画像読取装置を用いて媒体の裏面画像情報を取得するためには、前記搬送路に設けられた裏面画像読取位置と、裏面画像読取光として少なくとも紫外線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記紫外線を前記媒体の裏面に照射し取得した第3裏面画像情報を、前記磁気情報に付加して前記制御装置へ送信することが望ましい。このようにすれば、表面画像の処理とは別に、多様な媒体の裏面画像情報を取得することができる。また、小切手等の偽造防止のため、紫外線の反射率が高いインクで予め所定の画像を小切手に印刷しているものがあるので、裏面画像情報を利用して、このような媒体の真偽判定を行うことができる。
【0014】
また、本発明において、赤外線、可視光線および紫外線を照射することが可能な画像読取装置を用いて媒体の裏面画像情報を取得するためには、前記搬送路に設定された裏面画像読取位置と、裏面画像読取光として赤外線、紫外線および可視光線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、前記制御部は、前記制御装置から裏面画像情報取得指令を受信すると、前記裏面画像情報取得指令に基づいて、以下の(1)〜(7)のうちのいずれかの裏面画像情報を取得し、取得した前記裏面画像情報を前記制御装置に送信することが望ましい。
(1)前記裏面画像情報として赤外線を前記媒体の裏面に照射した第1裏面画像情報。
(2)前記裏面画像情報として可視光線を前記媒体の裏面に照射した第2裏面画像情報。
(3)前記裏面画像情報として紫外線を前記媒体の裏面に照射した第3裏面画像情報。
(4)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報および前記第2裏面画像情報。
(5)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
(6)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第2裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
(7)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報、前記第2裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
【0015】
このようにすれば、表面画像の処理とは別に、多様な媒体の裏面画像情報を取得することができる。なお、可視光線の裏面画像読取光としては、赤色光、緑色光、青色光などの単色光を照射するもの、媒体が裏面画像読取位置を所定の読取幅ずつ搬送される間に赤色光、緑色光、青色光を順次に照射するものが含まれる。裏面画像情報には、単色光の照射により得られるグレースケールの裏面画像情報、並びに、赤色光、緑色光、青色光を順次に照射することにより得られるコンポジットグレーの裏面画像情報、および、赤色光、緑色光、青色光を順次に照射することにより得られるカラーの裏面画像情報が含まれる。
【0016】
次に、本発明は、制御装置と接続可能な媒体処理装置の制御方法であって、前記制御装置から磁気情報読取指令を受信すると、表面に磁気インク文字が印刷されている媒体を媒体搬送機構により磁気読取部および表面画像読取部を経由するように搬送し、前記磁気読取部により前記磁気インク文字の磁気情報を取得し、前記表面画像読取部により赤外線を前記媒体の表面に照射し第1表面画像情報を取得し、前記磁気情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、制御装置から磁気インク文字を読み取る磁気情報読取指令を受信すると、媒体処理装置は、磁気情報とともに赤外線を照射した第1表面画像情報を取得する。ここで、磁気インク文字は赤外線の反射率が高い材料、例えばカーボンを含んでいるので、第1表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報は、可視光線を照射して取得される表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報と比較して、光学的に認識し易いものとなる。また、小切手など磁気インク文字が印刷されている媒体の表面にボールペンなどでサインがされているときに、可視光線を照射した場合ではサインの部分の反射量が多く、赤外線を照射した場合ではサインの部分の反射量が少なくなる。従って、磁気インク文字とサインが重なっている場合、可視光線を照射して取得した表面画像情報では磁気インク文字の判別が難しいが、赤外線を照射して取得した第1表面画像情報では、その判別が容易となる。従って、第1表面画像情報を用いて光学的な文字認識を行なえば、磁気インク文字を精度良く認識できる。よって、取得した磁気情報および第1表面画像情報に基づいて磁気インク文字を認識すれば、磁気インク文字に担持された磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、磁気情報読取指令を受信した媒体処理装置は磁気情報とともに赤外線を照射した第1表面画像情報を取得する。ここで、第1表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報は、可視光線を照射して取得される表面画像情報に含まれる磁気インク文字の情報と比較して、光学的に認識し易いものとなるので、磁気情報および第1表面画像情報を用いて光学的な文字認識を行なえば、磁気インク文字を精度良く認識できる。また、本発明によれば、赤外線などを照射した画像情報を、磁気情報に付加して送信するので、制御装置側では、ノイズの影響を受けない認識や真偽等の判定が容易となる。さらに、本発明によれば、1回の搬送で、磁気情報の取得と共に、媒体の表面と裏面の画像情報を異なる条件で取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の小切手処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1の小切手処理装置を上方から見た場合の斜視図である。
【図3】図1の小切手処理装置の小切手処理機構を示す構成図である。
【図4】表面画像読取部と裏面画像読取部に設定可能な画像読取モードの説明図である。
【図5】図4の各画像読取モードにおける光源の駆動信号の説明図である。
【図6】小切手処理装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図7】変形例1の表面画像読取部に設定可能な表面画像読取モードの説明図である。
【図8】図7の各表面画像読取モードにおける光源の駆動信号の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した媒体処理装置の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る媒体処理装置は小切手を処理する小切手処理装置である。小切手処理装置には、小切手の表面に印刷された磁気インク文字から、この磁気インク文字が担持している磁気インク文字情報を読み取って決済処理などを行う小切手処理機構と、決済処理に当っての本人確認などのために運転免許証やその他のカードの画像情報を読み取るカードスキャン機構を備えている。また、小切手処理装置は、小切手の処理済情報などが印刷されたレシートを発行するレシート発行部を備えている。
【0021】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る小切手処理装置を前方右側の斜め上方から見た場合の斜視図である。図2は小切手処理装置を上方前側から見た場合の斜視図である。図1、2に示すように、小切手処理装置1の装置筐体1aは、矩形輪郭をした一定厚さの下側筐体部2と、この上に配置されている上側筐体部3とを備えている。上側筐体部3には、処理対象の小切手S1を挿入する入口ポケット4と、入口ポケット4から送り出される小切手S1を搬送する小切手搬送路P1と、小切手搬送路P1から送り出される小切手S1を回収する回収ポケット5が形成されている。小切手処理装置1では、小切手S1が小切手搬送路P1に沿って搬送される間に、小切手S1にE−13BやCMC−7などの規格に則って印刷された磁気インク文字S2の磁気情報の読み取り、小切手S1の表面画像情報および裏面画像情報の読み取り、小切手に対する裏書き印刷などを行うことができる。なお、以下の説明においては、図1に示すように、小切手処理装置1を水平な平面に正立状態で置いた通常の使用状態において、当該小切手処理装置1(装置筐体1a)における操作者の側に向ける側を前面とし、反対側を後面とすると、これら前面および後面が位置する方向を装置前後方向Yとし、平面に平行で装置前後方向Yに直交する方向を装置幅方向Xとし、平面に垂直な方向を装置上下方向Zとする。
【0022】
入口ポケット4から小切手搬送路P1を経由して回収ポケット5に至る小切手搬送路P1は、上側筐体部3に形成した装置上下方向Zの上方に開口している所定幅の縦溝によって規定されている。小切手S1は、図1に示すように、その長辺縁が上下となる立てた状態で入口ポケット4に挿入され、その状態のまま小切手搬送路P1を搬送されて回収ポケット5に排出される。この小切手搬送路P1は平面視で装置前方に開く略U字形状の経路である。
【0023】
すなわち、図2に示すように、入口ポケット4は上側筐体部3における装置幅方向Xの右側の前端から装置後方に延びており、この入口ポケット4の装置後端に形成されている小切手挿入口4aからは、小切手搬送路P1の上流側搬送路P11が装置後方に向けて直線状に延びている。上流側搬送路P11の下流端部分は装置幅方向Xの内側に向けて湾曲して、小切手搬送路P1の後側搬送路P12に繋がっている。後側搬送路P12は装置幅方向にほぼ直線状に延びており、その下流端部分は装置前方に向けて湾曲して、小切手搬送路P1の下流側搬送路P13に繋がっている。下流側搬送路P13は直線状搬送路であり、装置前後方向Yに対して装置幅方向の内側に鋭角θで傾斜した方向、例えば10〜20度程度傾斜した方向に延びている。下流側搬送路P13の下流端は小切手排出口5aを介して回収ポケット5に繋がっている。回収ポケット5は装置前後方向Yに沿って装置前端まで延びている。
【0024】
上側筐体部3は、このU字形状の小切手搬送路P1によって、右側筐体部分6、後側筐体部分7および左側筐体部分8と、これらの内側に位置する内側筐体部分9に分かれている。内側筐体部分9の上面には、前側カバー11、後側カバー12、レシート発行口13および操作面14が配置されている。
【0025】
前側カバー11は装置前端側の部位を中心として装置前方に開けることができ、後側カバー12は装置後端側の部位を中心として装置後方に開けることができる。レシート発行口13は、前側カバー11の開閉側の縁と後側カバー12の開閉側の縁との間に形成されており、装置幅方向に細長い矩形状をしている。操作面14は、後側カバー12の左側における装置後側部分に形成されており、一段高い位置に形成されたほぼ平坦な面であり、ここには、複数の操作スイッチ14a、動作表示用の複数のLED表示部14bなどが配列されている。
【0026】
図2に示すように、内側筐体部分9にはレシート発行部15が搭載されている。レシート発行部15はロール紙プリンターであり、後側カバー12によって覆われている部分にロール紙収納部16を備えている。ロール紙収納部16は、ロール紙を装置幅方向に横置き姿勢で転動自在の状態に収納するものであり、後側カバー12を開けることによりロール紙の交換作業などを行うことができる。ロール紙収納部16のロール紙から繰り出される連続紙(不図示)は、連続紙印刷位置を経由してレシート発行口13に至る不図示の連続紙搬送路に沿って搬送される。連続紙搬送路は、その搬送路幅方向が装置幅方向を向く状態で、ロール紙収納部16から装置前方に延びている。
【0027】
連続紙印刷位置には、ライン型のサーマルヘッド17と、このサーマルヘッド17のヘッド面に連続紙を押し付けながら搬送するプラテンローラー18が配置されている。また、レシート発行部15は連続紙を搬送するための駆動源となる紙送りモーター19を備えており、プラテンローラー18には紙送りモーター19からの駆動力が伝達されている。内側筐体部分9の前側カバー11によって覆われている部分には、連続紙を幅方向に切断するためのオートカッター20が配置されている。ロール紙収納部16に収納されたロール紙から繰り出される連続紙に小切手情報に対応する情報などが印刷され、印刷された部分の後端が切断されて所定長さのレシートとしてレシート発行口13から発行される。
【0028】
オートカッター20の装置前側にはインクカートリッジ装着部21が配置されている。インクカートリッジ装着部21には小切手印刷用のインク供給源であるインクカートリッジ22が装着されている。前側カバー11を開けると、オートカッター20の駆動ユニットが露出すると共に、インクカートリッジ装着部21が上方に開口するので、オートカッター20の点検作業等やインクカートリッジの交換作業などを装置上方から簡単に行うことができる。
【0029】
カード挿入路P2は、図2から分かるように、内側筐体部分9の上面における前側カバー11の左側の平坦な装置上面部分23に形成されている。装置上面部分23は、その後側の操作面14に比べて低い位置にある。カード挿入路P2は、この装置上面部分23において、装置上方に開口している一定幅で一定深さの直線状の溝である。カード挿入路P2の装置後側の後端は、小切手搬送路P1の下流側搬送路P13における装置前方に開口している下流端開口P13aにおける上側の部分に繋がっており、その装置前側の前端は前側カバー11の側縁近傍に位置している。また、カード挿入路P2は、図2から分かるように、直線状搬送路である下流側搬送路P13の装置前方への延長線に沿って延びる直線状の挿入路である。すなわち、装置前後方向Yに対して装置内側に鋭角θで傾斜した方向に延びている。
【0030】
カードCの画像情報を読み取る場合には、当該カードCをカード挿入路P2に対して装置前側から挿入して装置後方に押し込む。カード挿入路P2に押し込まれたカードCは、カード挿入路P2から下流側搬送路P13に送り込まれ、当該下流側搬送路P13に配置されている後述の小切手読取用の表面画像読取部25および裏面画像読取部26(図3参照)によって画像情報が読み取られる。読み取り後のカードCは当該下流側搬送路P13から装置前側のカード挿入路P2に送り出される。
【0031】
(小切手処理機構)
図3は小切手処理機構の主要部分を示す構成図である。この図を参照して、まず、U字状の小切手搬送路P1に沿って小切手S1を搬送するための小切手搬送機構28を説明する。入口ポケット4には、その右側筐体部分6の側の側面に給紙ローラー30aが配置され、内側筐体部分9の側の側面に押圧部材30bが配置されている。押圧部材30bは入口ポケット4に挿入された小切手S1を給紙ローラー30aの側に押圧する。小切手S1は、送り出しモーター29により駆動される給紙ローラー30aによって小切手搬送路P1の上流側搬送路P11に送り出される。本例では、小切手S1は、磁気インク文字S2が印刷されている表面が装置外側を向き、裏面が装置内側(内側筐体部分9の側)を向くように、入口ポケット4に立てた状態で挿入される。
【0032】
小切手搬送路P1の上流側搬送路P11には、入口ポケット4から送り出された小切手S1を送り出す送り出しローラー31aと、上流側搬送路P11を介して当該送り出しローラー31aに向かい合うリタードローラー31bとが設けられている。送り出しローラー31aは、送り出しモーター29により駆動され、給紙ローラー30aと同期して回転される。リタードローラー31bは送り出しローラー31aの側に付勢されており、小切手S1を一枚ずつ分離しながら下流側に送り出す。
【0033】
小切手搬送路P1における送り出しローラー31aの下流側の搬送路部分には、複数の搬送ローラー対32〜36が配置されている。上流側搬送路P11には搬送ローラー対32が配置されており、後側搬送路P12には搬送ローラー対33、34が配置されており、下流側搬送路P13には残りの搬送ローラー対35、36が配置されている。これらの搬送ローラー対32〜36はそれぞれ、内側筐体部分9の側に配置されている駆動ローラー32a、33a、34a、35a、36aと、外側の右側筐体部分6、後側筐体部分7および左側筐体部分8の側において、小切手搬送路P1を介して対向するように設けられた従動ローラー32b、33b、34b、35b、36bを備えている。駆動ローラー32a、33a、34a、35a、36aは、無端ベルト37を介して、駆動モーター40によりそれぞれが同期して回転駆動される。また、従動ローラー32b、33b、34b、35b、36bは、不図示の付勢部材により、対向する駆動ローラー32a〜36aの側に付勢されている。
【0034】
ここで、小切手搬送路P1の上流側搬送路P11には磁気読取位置Mが設けられている。磁気読取位置Mには、小切手S1に印刷された磁気インク文字S2の磁気情報を読み取り可能なMICR(Magnetic-Ink Character Recognition)等の磁気スキャナー41aを備える磁気読取部41が配置されている。磁気スキャナー41aは、その磁気読取面が上流側搬送路P11の側を向く姿勢で右側筐体部分6に配置されている。また、磁気スキャナー41aの磁気読取面には、上流側搬送路P11を挟み、押し付けローラー41bが対向配置されている。押し付けローラー41bによって、搬送される小切手S1が磁気スキャナー41aの磁気読取面に押し付けられて、磁気スキャナー41aによって磁気情報が読み取られる。
【0035】
上流側搬送路P11の下流端に連続して装置幅方向に延びている後側搬送路P12には、その装置左隅の側の部分に、印刷位置Wが設けられている。印刷位置Wには、小切手S1の裏面に裏書き印刷を行う小切手印刷部42が配置されている。小切手印刷部42は装置上下方向に延びる状態に配置されたライン型のインクジェットヘッド42aを備え、当該インクジェットヘッド42aのノズル面が後側搬送路P12の側を向く状態に配置されている。後側搬送路P12を挟み、このノズル面に対峙する後側筐体部分7の部位には、印刷位置Wを規定するプラテン42bが配置されている。インクジェットヘッド42aのインク供給源は、インクカートリッジ装着部21に装着したインクカートリッジ22である。
【0036】
小切手搬送路P1の下流側搬送路P13には、搬送ローラー対35、36が配置されており、これらの間の搬送路部分には画像読取位置Oが設けられている。画像読取位置Oには、下流側搬送路P13を挟んで向かい合うようにして表面画像読取部25と裏面画像読取部26が配置されている。表面画像読取部25は下流側搬送路P13の装置外側に配置されており、画像読取位置Oを通過する小切手S1の表面画像を読み取って表面画像情報を取得する。裏面画像読取部26は下流側搬送路P13の装置内側に配置されており、画像読取位置Oを通過する小切手S1の裏面画像を読み取って裏面画像情報を取得する。
【0037】
下流側搬送路P13の下流端は、磁気情報の読取、裏書き印刷、および画像情報の読取が終了した処理済みの小切手S1を回収ポケット5に排出する小切手排出口5aに繋がっている。回収ポケット5は上方に開口しており、当該回収ポケット5に回収された小切手S1を上方から取り出すことができる。入口ポケット4および回収ポケット5のいずれもが上方に開口しているので、操作者は常に小切手処理装置1の手前上方から小切手S1を扱うことができる。
【0038】
(カードスキャン機構)
カードスキャン機構は、カード挿入路P2から挿入されるカードCの画像情報を読み取る。図3を参照して説明すると、カードスキャン機構は、カード挿入路P2と、ここに挿入されたカードCを検出するカードセンサー27を備えている。カードセンサー27はホトカプラなどの光学式センサー、メカニカルスイッチなどを用いることができる。
【0039】
カードセンサー27によってカードCがカード挿入路P2に挿入されたことが検出されると、小切手処理機構の下流側搬送路P13に配置されている搬送ローラー対35、36が回転して、カード挿入路P2から挿入されたカードCを下流側搬送路P13に沿って装置後方側に送り込むカード送り込み動作と、送り込まれたカードCを装置前方側に送り出してカード挿入路P2に戻すカード送り出し動作が行われる。また、下流側搬送路P13からカード挿入路P2に送り出されるカードCが画像読取位置Oを通過する際に、カードCの表裏の画像を、小切手S1読取用の表面画像読取部25および裏面画像読取部26を利用して読み取るカード画像読み取り動作が行われる。
【0040】
(表面画像読取部および裏面画像読取部)
表面画像読取部25および裏面画像読取部26は、いずれもCIS(Contact Image Sensor)モジュールであり、それぞれ光源から画像読取光(表面画像読取光、裏面画像読取光)を照射し、小切手S1からの画像読取光の反射光を読取部で読み取って、画像情報(表面画像情報、裏面画像情報)を取得する。
【0041】
表面画像読取部25において、表面画像読取光の光源は、赤色光を発光する赤色LED(R)、緑色光を発光する緑色LED(G)、青色光を発光する青色LED(B)、赤外線を発光する赤外線LED(IR)を備える複合光源である。各LEDは、それぞれ独立して発光するように制御可能となっている。読取部は、フォトダイオード、フォトトランジスター、CCDラインセンサー、或いは、CMOSラインセンサーであり、小切手搬送路P1を搬送される小切手S1の幅寸法(高さ寸法)よりも長い幅寸法(高さ寸法)で上下方向に延びている。表面画像読取部25および裏面画像読取部26は、それぞれのセンサー面が後側搬送路P12の側を向く状態に配置されている。
【0042】
図4は表面画像読取部25および裏面画像読取部26に設定可能な画像読取モードの説明図である。表面画像読取部25は、図4に示すように、各LED(R)(G)(B)のいずれを発光させるか、取得する画像情報をグレースケールとするかカラーとするか、グレースケール或いはカラーの表面画像情報とともに赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得するか、を選択可能となっており、これらの選択要素の組み合わせによる第1〜第11の表面画像読取モードを備えている。図5(a)〜(k)は、図4に示す第1〜第11の表面画像読取モードにおける各LEDの駆動信号の説明図である。図5(a)〜(k)において駆動信号の信号レベルがHighのときに、対応するLEDが発光して表面画像読取光を照射する。
【0043】
図4に示す第1〜第3の表面画像読取モードでは、図5(a)〜(c)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が読取解像度に基づいて規定される1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t1)に、赤色LED(R)、緑色LED(G)および青色LED(B)のうちのいずれか一つのLEDを発光させる。これにより、読取部は、可視光線(赤色光、緑色光および青色光のうちの一つの光線)を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第4の表面画像読取モードでは、図5(d)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t1)に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)を順次に全て発光させる。これにより、読取部は、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケール(コンポジットグレー)の表面画像情報を取得する。
【0044】
図4に示す第5の表面画像読取モード(第1表面画像読取モード)では、図5(e)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t2)に、赤外線LED(IR)を発光させる。これにより、読取部は、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。ここで、第5の表面画像読取モードにおいて、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t2)は、第1〜第4の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t1)と比較して長い。すなわち、画像読取光として赤外線を用いた場合には、画像読取光として可視光線を用いた場合よりも画像情報の読取に時間がかかるので、第5の表面画像読取モードにおける小切手S1の第2搬送速度は、第1〜第4の表面画像読取モードにおける小切手S1の第1搬送速度よりも遅く設定されている。
【0045】
図4に示す第6〜第8の表面画像読取モード(第2画像読取モード)では、図5(f)〜(h)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t3)に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)のうちのいずれか一つのLEDと、赤外線LED(IR)を順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光のうちの一つの光線)を照射したグレースケールの表面画像情報と赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。
【0046】
図4に示す第9の表面画像読取モード(第2画像読取モード)では、図5(i)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t3)に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)および赤外線LED(IR)の全てを順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケール(コンポジットグレー)の表面画像情報と赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。
【0047】
図4に示す第10の表面画像読取モードでは、図5(j)に示すように、表面画像読取部25は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t3)に、赤色LED(R)、緑色LED(G)および青色LED(B)を順次に発光させる。これにより、読取部は、カラーの表面画像情報を取得する。本例では、第10の表面画像読取モードによって取得されるカラーの表面画像情報は24ビットの情報であり、第4の表面画像読取モードおよび第9の表面画像読取モードによって取得されるグレースケール(コンポジットグレー)の表面画像情報は8ビットの情報である。
【0048】
ここで、第6〜第10の表面画像読取モードにおいて、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t3)は、第1〜第4の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t1)および、第5の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t2)と比較して長い。すなわち、第6〜第10の表面画像読取モードにおける小切手S1の第3搬送速度は、第1〜第5の表面画像読取モードにおける小切手S1の第1搬送速度および第2搬送速度よりも、遅く設定されている。なお、本例では、第6〜第10の表面画像読取モードにおける小切手S1の第3搬送速度は、第1〜第4の表面画像読取モードにおける小切手S1の第1搬送速度の1/2となっている。
【0049】
次に、第11の表面画像読取モード(第2画像読取モード)では、図5(k)に示すように、表面画像読取部25は、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)、赤外線LED(IR)の全てを順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、カラーの表面画像情報と赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。ここで、第11の表面画像読取モードにおいて、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t4)は、第1〜第4の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t1)、第5の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t2)、および、第6〜第10の表面画像読取モードにおいて小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間(t3)と比較して長い。すなわち、第11の表面画像読取モードにおける小切手S1の第4搬送速度は、第1〜第10の表面画像読取モードにおける小切手S1の第1搬送速度、第2搬送速度および第3搬送速度よりも遅く設定されている。なお、本例では、第11の表面画像読取モードにおける小切手S1の第4搬送速度は、第1〜第4の表面画像読取モードにおける小切手S1の第1搬送速度の1/3である。
【0050】
裏面画像読取部26は、表面画像読取部25と同一の構成を備えている。従って、図4に示すように、裏面画像読取部26も表面画像読取部25と同様の第1〜第11の裏面画像読取モードを備えている。また、本例では、表面画像読取部25と裏面画像読取部26とは、画像読取位置Oを通過する小切手S1の表裏の面をそれぞれが異なる画像読取モード(表面画像読取モード、裏面画像読取モード)で読み取ることが可能となっている。従って、画像読取位置Oを通過する小切手S1の表裏の表面画像情報を取得する際には、図4に示すように、121通りの画像読取パターンで読み取ることができる。さらに本例では、表面画像読取部25および裏面画像読取部26に設定可能な第1〜第11の表面画像読取モードのそれぞれにおいて、3の画像読取解像度から1つの画像読取解像度を選択的に設定することが可能となっているので、画像読取解像度までも考慮すれば、画像読取位置Oを通過する小切手S1の表裏の表面画像情報を取得する画像読取パターンは121通りの3倍ある。
【0051】
なお、表面画像読取部25と裏面画像読取部26との間で画像読取モードが異なる場合には、小切手S1は、表面画像読取部25の表面画像読取モードと裏面画像読取部26の裏面画像読取モードのうち、搬送速度が遅い側の画像読取モードの搬送速度によって搬送される。
【0052】
また、本例では、表面画像読取部25と裏面画像読取部26のうちの一方がカラーの画像情報を取得するモードに設定され、他方が、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケール(コンポジットグレー)の画像情報を取得するモードに設定された場合(図4において注1が記載されている場合)には、グレースケール(コンポジットグレー)の画像情報を取得するモードに設定された他方の画像読取部においてもカラーの画像情報を取得する。ここで、カラーの画像情報には、グレースケール(コンポジットグレー)の画像情報が含まれているので、カラーの画像情報を加工することにより、グレースケール(コンポジットグレー)の画像情報を得ることができる。
【0053】
(小切手処理装置の制御系)
図6は小切手処理装置1の制御系の概略ブロック図である。小切手処理装置1の動作はMPU等の制御部61によって制御される。制御部61は、図3に示すように、下側筐体部2の上面に配置した基板60に搭載されている。制御部61には、コンピューター80(外部の機器)との間で通信を行うための通信インターフェースを備える通信部62が接続されている。制御部61の入力側にはカードセンサー27が接続されている。また、制御部61の出力側には、小切手処理機構の送り出しモーター29、駆動モーター40、磁気スキャナー41a、インクジェットヘッド42a、表面画像読取部25、および、裏面画像読取部26が、それぞれドライバー(不図示)を介して接続されている。さらに、制御部61の出力側には、レシート発行部15の紙送りモーター19、サーマルヘッド17およびオートカッター20が、それぞれドライバー(不図示)を介して接続されている。
【0054】
また、制御部61は、画像読取モード設定部70、磁気情報認識部71、画像情報認識部72、情報確定部73および情報送信部(第1情報送信部、第2情報送信部)74を備えている。
【0055】
画像読取モード設定部70は、コンピューター80から通信部62を介して供給される制御指令に基づいて、表面画像読取部25の表面画像読取モード、および、裏面画像読取部26の裏面画像読取モードを設定する。
【0056】
画像読取モード設定部70は、例えば、コンピューター80から磁気インク文字S2を読み取る磁気インク文字読取指令(磁気情報読取指令)を受信すると、表面画像読取光として赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第1表面画像情報)を取得する第5の表面画像読取モード(第1表面画像読取モード)に表面画像読取部25を設定する。また、画像読取モード設定部70は、例えば、コンピューター80から磁気インク文字読取指令とともに表面画像情報を取得する表面画像情報取得指令を受信すると、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの表面画像情報(第2表面画像情報)、および、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第1表面画像情報)を取得する第11の表面画像読取モード(第2画像読取モード)に表面画像読取部25を設定する。さらに、画像読取モード設定部70は、例えば、コンピューター80から裏面画像情報を取得する裏面画像情報取得指令を受信すると、裏面画像情報取得指令に基づいて、裏面画像読取部26の裏面画像読取モードを第1〜第11の裏面画像読取モードから設定する。例えば、裏面画像情報取得指令が、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケールの画像情報の取得を要求する裏面画像情報取得指令である場合には、第4の裏面画像モードに裏面画像読取部26を設定する。
【0057】
また、画像読取モード設定部70は、カード挿入路P2にカードCが挿入されたことをカードセンサー27からの出力によって制御部61が検出すると、表面画像読取部25の表面画像読取モード、および、裏面画像読取部26の裏面画像読取モードを設定する。本例では、表面画像読取部25を、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの表面画像情報を取得する第10の表面画像読取モードに設定し、裏面画像読取部26を、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの裏面画像情報を取得する第10の裏面画像読取モードに設定する。
【0058】
次に、磁気情報認識部71は、磁気読取部41が取得した磁気情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する。より具体的には、磁気読取部41で取得された磁気情報(検出信号)と、予め記憶保持している磁気インク文字S2の信号波形パターンとを照合して、各磁気インク文字S2を認識する。画像情報認識部72は、OCR(Optical Character Reader)であり、表面画像読取部25が取得した表面画像情報から光学的に磁気インク文字S2を認識する。
【0059】
情報確定部73は、磁気情報認識部71による磁気インク文字S2の認識結果と画像情報認識部72による磁気インク文字S2の認識結果に基づいて、磁気インク文字S2が担持している磁気インク文字情報を確定する。例えば、磁気情報認識部71と画像情報認識部72の認識結果が一致している場合には、これらの認識結果を磁気インク文字情報として確定する。また、磁気情報認識部71および画像情報認識部72のうちの一方で磁気インク文字S2の一部分が認識不能となっている場合には、他方の認識結果に基づいて認識不能となっている一部分の情報を補完して磁気インク文字情報を確定する。
【0060】
情報送信部74は、磁気インク文字読取指令などコンピューター80から受信した制御指令に基づいて、磁気読取部41が取得した磁気情報、表面画像読取部25で取得された表面画像情報、および、裏面画像読取部26で取得された裏面画像情報を、通信部62を介してコンピューター80に送信する。例えば、制御指令が磁気インク文字読取指令の場合には、磁気情報に表面画像情報および裏面画像情報を付加して(関連付けて)コンピューター80に送信する。或いは、制御指令が磁気インク文字読取指令の場合には、情報確定部73によって確定された磁気インク文字情報に、表面画像読取部25で取得された表面画像情報および裏面画像読取部26で取得された裏面画像情報を付加して(関連付けて)コンピューター80に送信する。
【0061】
なお、本例では、コンピューター80も、小切手処理装置1と同様に、磁気情報認識部71、画像情報認識部72および情報確定部73を備えている。従って、情報送信部74から磁気読取部41が取得した磁気情報、表面画像読取部25が取得した表面画像情報がコンピューター80に送信されると、コンピューター80の側において、小切手S1に印刷された磁気インク文字S2を認識できる。
【0062】
(小切手処理装置の動作)
小切手処理装置1は、金融機関などの金融システムとの間で通信可能なコンピューター80(制御装置)と接続された状態で使用される。小切手S1が小切手処理装置1の入口ポケット4に挿入された状態でコンピューター80から小切手処理装置1に決済処理指令が供給されると、制御部61は、まず、表面画像読取部25および裏面画像読取部26の画像読取モードを設定する。本例では、決済処理指令に、磁気インク文字読取指令、表面画像情報取得指令、裏面画像情報取得指令が含まれているので、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25を第11の表面画像読取モードに設定し、裏面画像読取部26を第4の裏面画像読取モードに設定する。
【0063】
次に、制御部61は、小切手搬送機構28による小切手S1の搬送を開始する。すなわち、制御部61は小切手処理機構の送り出しモーター29を駆動制御して小切手S1を給紙ローラー30a等により小切手搬送路P1に送り出す。これに同期させて駆動モーター40を駆動制御して送り出しローラー31aとリタードローラー31bにより小切手S1を一枚ずつ上流側搬送路P11に沿って搬送する。
【0064】
そして、制御部61は、上流側搬送路P11を搬送される小切手S1が磁気読取位置Mを通過する際に、磁気読取部41を制御して小切手S1の磁気インク文字S2の磁気情報を読み取り、読み取られた磁気情報を取得する。
【0065】
さらに、制御部61は、上流側搬送路P11を搬送される小切手S1が画像読取位置Oを通過する際に、表面画像読取部25および裏面画像読取部26を駆動制御して、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの表面画像情報および赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。また、裏面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケールの裏面画像情報を取得する。その後、制御部61は、小切手S1の搬送を停止する。
【0066】
磁気情報および表面画像情報および裏面画像情報が取得されると、情報送信部74は磁気情報に表面画像情報および裏面画像情報を付加してコンピューター80に送信する。
【0067】
コンピューター80の側では、磁気情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する。また、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報から磁気インク文字S2を光学的に認識する。そして、磁気情報に基づく磁気インク文字S2の認識結果と画像情報に基づく磁気インク文字S2の認識結果に基づいて、磁気インク文字S2が担持している磁気インク文字情報を確定する。磁気インク文字情報を確定すると、コンピューター80は、金融システムと通信して決済処理を行う。そして、決済処理が完了した証拠として、小切手処理装置1から提供された表面画像情報および裏面画像情報を磁気インク文字情報と関連付けた形態で記憶保持する。その後、決済処理の内容を示す決済処理情報と決済処理が完了した旨の情報を含む決済完了指令を小切手処理装置1に供給する。
【0068】
コンピューター80から決済完了指令を受信すると、制御部61は、小切手搬送機構28を駆動制御して小切手S1を印刷位置Wよりも磁気読取位置Mの側に搬送する。しかる後に小切手S1が再び印刷位置Wを通過するように画像読取位置Oの側に向かって搬送して、小切手S1の裏面に裏書き印刷を施す。裏書印刷が完了すると、小切手S1は搬送ローラー対36により回収ポケット5に排出される。
【0069】
また、制御部61は、レシート発行部15の紙送りモーター19を制御してプラテンローラー18を回転駆動し、ロール紙から連続紙を繰り出して、サーマルヘッド17により連続紙に決済処理情報を印刷する。印刷が施された連続紙はレシート発行口13から装置外部に排出される。印刷部分の後端がオートカッター20の切断位置に至ると、制御部61によってオートカッター20が駆動され、連続紙の印刷部分が幅方向に切断されて切り取られる。切り取られた一定長さの印刷済のシート片がレシートとして発行される。
【0070】
次に、制御部61がカード挿入路P2にカードCが挿入されたことをカードセンサー27からの出力によって検出すると、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25および裏面画像読取部26の画像読取モードを設定する。本例では、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25を第10の表面画像読取モードに設定し、裏面画像読取部26を第10の裏面画像読取モードに設定する。
【0071】
しかる後に、制御部61は、小切手搬送機構28の駆動モーター40を駆動制御して小切手搬送用の搬送ローラー対35、36を駆動して、カード挿入路P2に挿入されたカードCを下流側搬送路P13に送り込むカード送り込み動作を行わせる。カード送り込み動作時にカードCの搬送方向の長さ寸法がカードセンサー27の出力に基づき検出される。
【0072】
制御部61は、カードCの送り込み方向の後端が画像読取位置Oを通過し終えた時点でカード送り込み動作を終了し、次に、搬送ローラー対35、36を逆方向に回転駆動して、カードCを送り出すカード送り出し動作を開始する。カード送り出し動作において、制御部61は、表面画像読取部25、および、裏面画像読取部26を駆動し、画像読取位置Oを通過するカードCの表裏の画像情報の読み取り動作を行わせる。これにより、本例では、表面画像情報として、可視光線を照射したカラーの表面画像情報、裏面画像読取光として可視光線を照射したカラーの裏面画像情報が取得される。カードCの送り出し方向の後端がカードセンサー27によって検出されると、所定量だけカードCを送り出した後にカード送り出し動作を終了させる。カードCの画像情報として取得された表面画像情報および裏面画像情報は、情報送信部74によってコンピューター80に送信される。
【0073】
なお、磁気情報および表面画像情報および裏面画像情報が取得されたときに、磁気インク文字S2の認識を小切手処理装置1の側で行うこともできる。この場合には、磁気情報が取得されると、磁気情報認識部71では、磁気情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する。また、表面画像情報および裏面画像情報が取得されると、画像情報認識部72では、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報から磁気インク文字S2を光学的に認識する。画像情報認識部72によって磁気インク文字S2が認識されると、情報確定部73は、磁気情報認識部71による磁気インク文字S2の認識結果と画像情報認識部72による磁気インク文字S2の認識結果に基づいて、磁気インク文字S2が担持している磁気インク文字情報を確定する。情報確定部73によって確定された磁気インク文字情報は、例えば、表面画像読取部25によって取得された表面画像情報(可視光線を照射したグレースケールの表面画像情報、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報)、および、裏面画像読取部26によって取得された裏面画像情報(可視光線を照射したカラーの裏面画像情報)と共に、情報送信部74によってコンピューター80に送信される。
【0074】
(作用効果)
本例によれば、コンピューター80から磁気インク文字S2を読み取る磁気インク文字読取指令(磁気情報読取指令)を受信すると、小切手処理装置1は、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送して、磁気読取位置Mにおいて磁気インク文字S2の磁気情報を取得し、画像読取位置Oにおいて赤外線を照射し表面画像情報を取得する。ここで、磁気インク文字S2は赤外線の反射率が高い材料、例えばカーボンを含んでいるので、表面画像情報に含まれる磁気インク文字S2の情報は、可視光線を照射して取得される通常の表面画像情報に含まれる磁気インク文字S2の情報と比較して、光学的に認識し易いものとなる。また、磁気インク文字S2が印刷されている小切手S1の表面にボールペンなどでサインが記入されているときには、可視光線を照射した場合ではサインの部分の反射量が多く、赤外線を照射した場合ではサインの部分の反射量が少なくなる。従って、磁気インク文字S2とサインが重なっている場合、可視光線を照射して取得した表面画像情報では磁気インク文字S2の判別が難しいが、赤外線を照射して取得した表面画像情報では、その判別が容易となる。この結果、赤外線を照射して取得した表面画像情報を用いて光学的な文字認識を行なえば、磁気インク文字S2を精度良く認識できる。よって、取得した磁気情報および赤外線を照射して取得した表面画像情報に基づいて磁気インク文字S2を認識すれば、磁気インク文字S2に担持された磁気インク文字情報を認識する認識精度を向上させることができる。
【0075】
また、本例によれば、画像読取位置Oを通過するように小切手S1を搬送する間に、赤外線を照射した表面画像情報と、可視光線を照射した表面画像情報の2つの表面画像情報を取得する。従って、磁気インク文字を認識する際に、小切手S1の表面画像情報(グレースケールの表面画像情報、或いは、カラーの表面画像情報)を併せて取得しておきたい場合などに、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って2回搬送して表面画像情報を2回読み取ったり、一旦、画像読取位置Oを通過した小切手S1を逆方向に搬送することにより表面画像情報を2回読み取ったりする必要がない。
【0076】
さらに、可視光線を照射した第2表面画像情報は目で見た画像に近いので、赤外線を照射した表面画像情報と可視光線を照射した表面画像情報の2つの表面画像情報を取得すれば、コンピューター80側において、表面画像情報をディスプレイなどに表示して目視で認識することができる。従って、コンピューター80側において、目視で小切手S1の表面画像情報を確認すると共に、この一方で、ボールペンで書かれたサインなどの影響を排除した表面画像情報に基づいて磁気インク文字S2の画像認識を行なうことができ、認識精度を向上させることができる。
【0077】
なお、可視光線を照射した表面画像情報を取得する際に、小切手S1の表面にボールペンでサインなどが記入されている場合には、そのサインのインクの色の表面画像読取光を照射してグレースケールの表面画像情報を取得する表面画像読取モードに設定すれば、サインの影響を排除した表面画像情報を取得することができる。例えば、サインのインクの色が青色の場合には、画像読取モード設定部70によって表面画像読取部25を第3の表面画像読取モードに設定し、青色光を照射したグレースケールの表面画像情報を取得すれば、青色のサインの影響を排除した表面画像情報を取得することができる。すなわち、特定の色の表面画像読取光を選択することによって、取得する表面画像情報からノイズとなる情報を除去することが可能である。
【0078】
また、本例では、磁気情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する磁気情報認識部71と、赤外線を照射した表面画像情報に基づいて磁気インク文字S2を光学的に認識する画像情報認識部72と、磁気情報認識部71の認識結果および画像情報認識部72の認識結果に基づいて、磁気インク文字S2が担持している磁気インク文字情報を確定する情報確定部73と、情報確定部73によって確定された磁気インク文字情報、表面画像読取部25が取得した表面画像情報、および、裏面画像読取部26が取得した裏面画像情報をコンピューター80に送信する情報送信部74、を有している。従って、小切手処理装置1においても、磁気インク文字S2を精度よく認識することができる。また、磁気インク文字S2の認識結果である磁気インク文字情報、表面画像情報、および、裏面画像情報を、磁気インク文字読取指令を供給したコンピューター80に提供することができる。
【0079】
さらに、本例では、表面画像読取部25の表面画像読取モードとは別に、裏面画像読取部26の裏面画像読取モードを独立して設定して、小切手S1の表面画像情報と裏面画像情報を異なる画像読取モードによって取得できる。従って、多様なパターンで小切手S1の表面画像情報と裏面画像情報を取得できる。従って、小切手S1に予め印刷してある銀行等の情報を裏面画像情報として取得すると共に、サインなどのボールペンによって記入された情報を除去することができる。
【0080】
なお、上記の例では、コンピューター80から磁気インク文字読取指令が供給された場合には、表面画像読取部25は、第5の表面画像読取モードに設定され、磁気インク文字読取指令とともに表面画像情報を取得する表面画像情報取得指令を受信すると、表面画像読取部25は第11の表面画像読取モードに設定されているが、これらの制御指令のいずれかの供給を受けた場合に、表面画像読取部25が少なくとも赤外線を照射した表面画像情報を取得することができる表面画像読取モードに設定されれば、表面画像読取部25が取得した表面画像情報に基づいて磁気インク文字S2を認識する認識精度が向上する。また、赤外線が照射されたグレースケールの表面画像情報を取得したときには、表面画像情報取得指令の供給を受けた場合には単独で、磁気インク文字読取指令が供給された場合には小切手S1の磁気インク文字S2の磁気情報と共に、コンピューター80に送信することができる。
【0081】
(変形例1)
上記の表面画像読取部25の替わりに、表面画像読取光の光源として、赤色光を発光する赤色LED(R)、緑色光を発光する緑色LED(G)、青色光を発光する青色LED(B)、赤外線を発光する赤外線LED(IR)、紫外線を発光する紫外線LED(UV)を備え、各LEDが、それぞれ独立して発光するように制御可能となっている表面画像読取部を搭載することもできる。このような表面画像読取部を搭載する本例の小切手処理装置では、表面画像読取部によって、紫外線を照射した表面画像情報を取得可能となるので、画像読取モード設定部70では、上記の表面画像読取部25よりも多様な表面画像読取モードを表面画像読取部に設定できる。なお、本例の小切手処理装置は、表面画像読取部を除き、上記の小切手処理装置と同様の構成を備えているので、表面画像読取部を説明して、他の説明を省略する。
【0082】
図7は表面画像読取部に設定可能な画像読取モードの説明図である。本例の小切手処理装置では、画像読取モード設定部70が表面画像読取部に設定可能な画像読取モードとして、表面画像読取部25に設定可能な第1〜第11の表面画像読取モードに、図7に示す第12から第23の表面画像読取モードが追加されている。図8(a)〜(l)は、図7に示す第12〜第23の表面画像読取モードにおける各LEDの駆動信号の説明図である。図8(a)〜(l)において駆動信号の信号レベルがHighのときに、対応するLEDが発光して表面画像読取光を照射する。
【0083】
第12の表面画像読取モードでは、図8(a)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、紫外線LED(UV)を発光させる。これにより、読取部は、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第13〜第15の表面画像読取モードでは、図8(b)〜(d)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)のうちのいずれか一つのLEDと、紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光のうちの一つの光線)を照射したグレースケールの表面画像情報と紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第16の表面画像読取モードでは、図8(e)に示すように、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)および紫外線LED(UV)の全てを順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケール(コンポジットグレー)の表面画像情報と紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第17の表面画像読取モードでは、図8(f)に示すように、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤外線LED(IR)と紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報と紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。
【0084】
また、第18〜第20の表面画像読取モードでは、図8(g)〜(i)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)のうちのいずれか一つのLEDと、赤外線LED(IR)と、紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光のうちの一つの光線)を照射したグレースケールの表面画像情報と、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報と、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第21の表面画像読取モードでは、図8(j)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)、赤外線LED(IR)と、紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、表面画像読取部は、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したグレースケール(コンポジットグレー)の表面画像情報と、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報と、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。
【0085】
さらに、第22の表面画像読取モードでは、図8(k)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)、紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、表面画像読取部は、表面画像情報として、カラーの表面画像情報と、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。第23の表面画像読取モードでは、図8(l)に示すように、表面画像読取部は、小切手S1が1ライン分だけ画像読取位置Oを搬送される期間に、赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)、赤外線LED(IR)、および、紫外線LED(UV)を順次に発光させる。そして、読取部は、表面画像情報として、カラーの表面画像情報と、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報と、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。
【0086】
このような表面画像読取部を搭載した小切手処理装置では、コンピューター80から磁気インク文字S2を読み取る磁気インク文字読取指令(磁気情報読取指令)を受信すると、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25を、例えば、第5の表面画像読取モード(第1表面画像読取モード)に設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得すると共に、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第1表面画像情報)を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報に、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を付加して、コンピューター80に送信する。この結果、コンピューター80側では、磁気情報に加えて、小切手S1に記入されたサインなどのノイズを除去した表面画像情報を自動的に取得することができるので、磁気インク文字S2を認識する認識精度が向上する。なお、磁気インク文字S2の磁気インク文字情報を情報確定部73で確定して、その結果をコンピューター80に送信するようにしてもよい。
【0087】
また、コンピューター80から、磁気インク文字読取指令と共に、または単独で、表面画像情報を取得する表面画像情報取得指令を受信すると、小切手処理装置1では、画像読取モード設定部70が表面画像読取部25を、例えば、第11の表面画像読取モード(第2画像読取モード)に設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得すると共に、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に、表面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの表面画像情報(第2表面画像情報)、および、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第1表面画像情報)を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報に、赤外線が照射されたグレースケールの表面画像情報を付加して、コンピューター80に送信する。或いは、小切手S1のカラーの表面画像情報に、赤外線が照射されたグレースケールの表面画像情報を付加してコンピューター80に送信する。この結果、コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、小切手S1に記入されたサインなどのノイズを除去した表面画像情報を自動的に取得できるので、磁気インク文字S2の認識精度が向上する。なお、磁気インク文字S2の磁気インク文字情報を情報確定部73で確定して、その結果をコンピューター80に送信するようにしてもよい。
【0088】
さらに、コンピューター80から、磁気インク文字読取指令と共に、または単独で、真偽判定情報を取得する真偽判定情報取得指令を受信すると、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部を、例えば、第23の表面画像読取モード(第3画像読取モード)に設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得すると共に、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に、表面画像情報として、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第1表面画像情報)、可視光線(赤色光、緑色光および青色光の全て)を照射したカラーの表面画像情報(第2表面画像情報)、および、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報(第3表面画像情報)を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報に、赤外線が照射されたグレースケールの表面画像情報、カラーの表面画像情報および紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報を付加してコンピューター80に送信する。この結果、コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、紫外線を反射する特殊なインクで小切手S1に予め印刷された所定の画像からなる真偽判定情報が光学的に識別し易い状態で含まれる表面画像情報を自動的に取得できるので、真偽を含めた認識ができる。なお、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報に基づいて小切手S1の真偽を判定する真偽判定部を小切手処理装置1の制御部61に備えることもできる。この場合には、磁気インク文字S2の磁気インク文字情報を情報確定部73で確定する共に、小切手S1の真偽を真偽判定部で確定し、これらの確定結果をコンピューター80に送信するようにしてもよい。
【0089】
さらに、コンピューター80から、磁気インク文字読取指令と共に、または単独で、裏面画像情報を取得する裏面画像情報取得指令を受信すると、画像読取モード設定部70は、磁気インク文字読取指令または裏面画像情報取得指令に基づいて、裏面画像読取部26の裏面画像読取モードを第1〜第11の裏面画像読取モードから設定する。
【0090】
例えば、裏面画像情報取得指令が、赤外線を照射したグレースケールの裏面画像情報の取得を要求する裏面画像情報取得指令である場合には、第5の裏面画像モードに裏面画像読取部26を設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得すると共に、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に表面画像情報および裏面画像情報を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報に、赤外線が照射されたグレースケールの表面画像情報、および、赤外線が照射されたグレースケールの裏面画像情報(第1裏面画像情報)を付加してコンピューター80に送信する。この結果、コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、小切手S1に記入されたサインなどのノイズを除去した裏面画像情報を自動的に取得できる。
【0091】
また、例えば、裏面画像情報取得指令が、カラーの裏面画像情報の取得を要求する裏面画像情報取得指令である場合には、第10の裏面画像モードに裏面画像読取部26を設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得すると共に、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に表面画像情報と裏面画像情報を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報および表面画像情報に、カラーの裏面画像情報(第2裏面画像情報)を付加してコンピューター80に送信する。この結果、コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、目視に近いカラーの裏面画像情報を自動的に取得できる。
【0092】
本例によれば、上記の小切手処理装置1と同様の作用効果を得ることができる。また、小切手S1に紫外線の反射率が高いインクによって真偽判定情報が印刷されている場合に、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報には真偽判定情報が光学的に識別し易い状態で含まれるので、この表面画像情報を受信したコンピューター80では、紫外線を照射したグレースケールの表面画像情報に基づいて小切手S1の真偽を判定することができる。
【0093】
(変形例2)
上記の裏面画像読取部26の替わりに、裏面画像読取光の光源として、赤色光を発光する赤色LED(R)、緑色光を発光する緑色LED(G)、青色光を発光する青色LED(B)、紫外線を発光する紫外線LED(UV)を備え、各LEDが、それぞれ独立して発光するように制御可能となっている裏面画像読取部を搭載することができる。このような裏面画像読取部を搭載する本例の小切手処理装置では、裏面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光、青色光の全て、或いは、赤色光、緑色光、青色光のうちの一つの光線)を照射した裏面画像情報と、裏面画像読取光として紫外線を照射した裏面画像情報を、個別、或いは、同時に取得する複数の画像読取モードを備えるものとなる。より具体的には、当該裏面画像読取部は、図4、図5に示される裏面画像読取部26の赤外線LED(IR)を紫外線LED(UV)に置換したものであり、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する各裏面画像読取モードにおいて、赤外線を照射したグレースケールの表面画像情報を取得する。従って、裏面画像読取部26と同様に第1〜第11の裏面画像読取モードを備えるものとなる。
【0094】
このような裏面画像読取部を搭載した本例の小切手処理装置においても、画像読取モード設定部70は、コンピューター80から供給される制御指令に基づいて、複数の裏面画像読取モードから適切な画像読取モードを設定する。また、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25に設定される表面画像読取モードとは別に、独立した裏面画像読取モードを裏面画像読取部に設定する。
【0095】
例えば、コンピューター80からの制御指令に、小切手S1の真偽判定情報を取得する真偽判定情報取得指令が含まれている場合には、画像読取モード設定部70は、裏面画像読取部を、裏面画像情報として、少なくとも紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を取得する画像読取モードに設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報を取得し、小切手S1が画像読取位置Oを搬送される間に表面画像情報および紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報および表面画像情報に紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を付加してコンピューター80に送信する。コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、紫外線を反射する特殊なインクで小切手S1に予め印刷された真偽判定情報が光学的に識別し易い状態で含まれる裏面画像情報を自動的に取得できるので、真偽を含めた認識ができる。
【0096】
(変形例3)
上記の裏面画像読取部26の替わりに、裏面画像読取光の光源として、赤色光を発光する赤色LED(R)、緑色光を発光する緑色LED(G)、青色光を発光する青色LED(B)、赤外線を発光する赤外線LED(IR)、および、紫外線を発光する紫外線LED(UV)を備え、各LEDが、それぞれ独立して発光するように制御可能となっている裏面画像読取部を搭載することもできる。このような裏面画像読取部を搭載する本例の小切手処理装置では、裏面画像情報として、可視光線(赤色光、緑色光、青色光の全て、或いは、赤色光、緑色光、青色光のうちの一つの光線)を照射した裏面画像情報、赤外線を照射した裏面画像情報、および、紫外線を照射した裏面画像情報を、個別に、或いは、同時に取得する複数の画像読取モードを備えるものとなる。より具体的には、変形例1の表面画像読取部と同様の第1から第23の裏面画像読取モードを備えるものとなる。
【0097】
このような裏面画像読取部を搭載した本例の小切手処理装置においても、画像読取モード設定部70は、コンピューター80から供給される制御指令に基づいて、複数の裏面画像読取モードから適切な画像読取モードを設定する。また、画像読取モード設定部70は、表面画像読取部25に設定される表面画像読取モードとは別に、独立した裏面画像読取モードを裏面画像読取部に設定する。
【0098】
例えば、コンピューター80からの制御指令に、小切手S1の真偽判定情報を取得する真偽判定情報取得指令が含まれている場合には、画像読取モード設定部70は、裏面画像読取部を、裏面画像情報として、少なくとも紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を取得する画像読取モードに設定する。しかる後に、小切手S1を小切手搬送路P1に沿って搬送し、磁気インク文字S2の磁気情報、表面画像情報、および、紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を取得する。そして、磁気インク文字S2の磁気情報および表面画像情報に紫外線を照射したグレースケールの裏面画像情報を付加してコンピューター80に送信する。コンピューター80側では、磁気情報や表面の画像情報に加え、紫外線を反射する特殊なインクで小切手S1に予め印刷された真偽判定情報が光学的に識別し易い状態で含まれる裏面画像情報を自動的に取得できるので、真偽を含めた認識ができる。
【0099】
(その他の実施の形態)
上記の例では、表面画像読取部25と裏面画像読取部26は画像読取位置Oにおいて対向配置されているが、表面画像読取部25と裏面画像読取部26が小切手S1の搬送方向にオフセットされていてもよい。
【0100】
なお、本発明は、カードスキャン機構およびレシート発行部15の備わっていない小切手処理装置1に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1・・小切手処理装置(媒体処理装置)、1a・・装置筐体、2・・下側筐体部、3・・上側筐体部、4・・入口ポケット、4a・・小切手挿入口、5・・回収ポケット、5a・・小切手排出口、5a・・排出口、6・・右側筐体部分、7・・後側筐体部分、8・・左側筐体部分、9・・内側筐体部分、11・・前側カバー、12・・後側カバー、13・・レシート発行口、14・・操作面、14a・・操作スイッチ、14b・・LED表示部、15・・レシート発行部、16・・ロール紙収納部、17・・サーマルヘッド、18・・プラテンローラー、19・・紙送りモーター、20・・オートカッター、21・・インクカートリッジ装着部、22・・インクカートリッジ、23・・装置上面部分、25・・表面画像読取部、26・・裏面画像読取部、27・・カードセンサー、28・・小切手搬送機構、29・・送り出しモーター、30a・・給紙ローラー、30b・・押圧部材、31a・・送り出しローラー、31b・・リタードローラー、32・・搬送ローラー対、33・・搬送ローラー対、34・・搬送ローラー対、35・・搬送ローラー対、36・・搬送ローラー対、37・・無端ベルト、40・・駆動モーター、41・・磁気読取部、41a・・磁気スキャナー、41b・・押し付けローラー、42・・小切手印刷部、42a・・インクジェットヘッド、42b・・プラテン、60・・基板、61・・制御部、62・・通信部、70・・画像読取モード設定部、71・・磁気情報認識部、72・・画像情報認識部、73・・情報確定部、74・・情報送信部(第1情報送信部、第2情報送信部)、80・・コンピューター(制御装置)、C・・カード、M・・磁気読取位置、O・・画像読取位置、P1・・小切手搬送路、P11・・上流側搬送路、P12・・後側搬送路、P13・・下流側搬送路、P13a・・下流端開口、P2・・カード挿入路、S1・・小切手、S2・・磁気インク文字、W・・印刷位置、X・・装置幅方向、Y・・装置前後方向、Z・・装置上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と接続可能な媒体処理装置であって、
表面に磁気インク文字が印刷されている媒体を磁気読取位置および表面画像読取位置を経由する搬送路に沿って搬送する媒体搬送機構と、
前記磁気読取位置を搬送される前記媒体から前記磁気インク文字の磁気情報を取得する磁気読取部と、
表面画像読取光として少なくとも赤外線を照射可能であり、前記表面画像読取位置を搬送される前記媒体の表面に前記表面画像読取光を照射して表面画像情報を取得する表面画像読取部と、
前記制御装置から磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記磁気読取部により前記磁気情報を取得し、前記表面画像読取部により前記赤外線を前記媒体の表面に照射し第1表面画像情報を取得し、前記磁気情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信する制御部と、
を有していることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記表面画像読取部は、前記表面画像読取光として可視光線を照射可能であり、
前記制御部は、前記制御装置から前記表面画像情報を取得する表面画像情報取得指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記表面画像読取部により前記可視光線を照射し第2表面画像情報を取得し、前記赤外線を照射し前記第1表面画像情報を取得し、前記第2表面画像情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記表面画像読取部は、前記表面画像読取光として紫外線を照射可能であり、
前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令または前記表面画像情報取得指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記磁気読取部により前記磁気情報を取得するか、または、前記表面画像読取部により前記可視光線を照射し第2表面画像情報を取得し、さらに、前記表面画像読取部により前記紫外線を照射し第3表面画像情報を取得し、前記磁気情報または前記第2表面画像情報に前記第3表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記磁気情報に基づいて前記磁気インク文字を認識する磁気情報認識部と、
少なくとも前記第1表面画像情報に基づいて前記磁気インク文字を光学的に認識する画像情報認識部と、
少なくとも前記磁気情報認識部の認識結果および前記画像情報認識部の認識結果のいずれかに基づいて、前記磁気インク文字を確定する情報確定部と、
前記情報確定部によって確定された前記磁気インク文字を前記外部装置に送信する第1情報送信部と、
を有していることを特徴とする媒体処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記搬送路に設けられた裏面画像読取位置と、
裏面画像読取光として少なくとも赤外線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、
前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記赤外線を前記媒体の裏面に照射し取得した第1裏面画像情報を、前記磁気情報に付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記搬送路に設けられた裏面画像読取位置と、
裏面画像読取光として少なくとも紫外線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、
前記制御部は、前記制御装置から前記磁気情報読取指令を受信すると、前記媒体搬送機構により前記媒体を搬送し、前記紫外線を前記媒体の裏面に照射し取得した第3裏面画像情報を、前記磁気情報に付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする媒体処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記搬送路に設定された裏面画像読取位置と、
裏面画像読取光として赤外線、紫外線および可視光線を照射可能であり、前記裏面画像読取位置を搬送される前記媒体の裏面に前記裏面画像読取光を照射して裏面画像情報を取得する裏面画像読取部とを有し、
前記制御部は、前記制御装置から裏面画像情報取得指令を受信すると、前記裏面画像情報取得指令に基づいて、以下の(1)〜(7)のうちのいずれかの裏面画像情報を取得し、取得した前記裏面画像情報を前記制御装置に送信することを特徴とする媒体処理装置。
(1)前記裏面画像情報として赤外線を前記媒体の裏面に照射した第1裏面画像情報。
(2)前記裏面画像情報として可視光線を前記媒体の裏面に照射した第2裏面画像情報。
(3)前記裏面画像情報として紫外線を前記媒体の裏面に照射した第3裏面画像情報。
(4)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報および前記第2裏面画像情報。
(5)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
(6)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第2裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
(7)前記媒体が前記裏面画像読取位置を搬送される間に取得した前記裏面画像情報として前記第1裏面画像情報、前記第2裏面画像情報および前記第3裏面画像情報。
【請求項8】
制御装置と接続可能な媒体処理装置の制御方法であって、
前記制御装置から磁気情報読取指令を受信すると、表面に磁気インク文字が印刷されている媒体を媒体搬送機構により磁気読取部および表面画像読取部を経由するように搬送し、
前記磁気読取部により前記磁気インク文字の磁気情報を取得し、
前記表面画像読取部により赤外線を前記媒体の表面に照射し第1表面画像情報を取得し、
前記磁気情報に前記第1表面画像情報を付加して前記制御装置へ送信することを特徴とする媒体処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70225(P2013−70225A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207191(P2011−207191)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】