媒体幅寄せユニット
【課題】媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に精度よく幅寄せすることができる媒体幅寄せユニットを提供する。
【解決手段】 幅寄せローラ31bは、媒体搬送路13に対向し、この媒体搬送路13の幅方向に回転自在に取り付けたている。また、ガイドローラ32bは、媒体搬送路13に対向し、この媒体搬送路13の一方の端部と、幅寄せローラ31bと、の間に取り付けている。ソレノイド32aは、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを、媒体搬送路13に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する。モータ31aは、幅寄せローラ31bを回転駆動する。
【解決手段】 幅寄せローラ31bは、媒体搬送路13に対向し、この媒体搬送路13の幅方向に回転自在に取り付けたている。また、ガイドローラ32bは、媒体搬送路13に対向し、この媒体搬送路13の一方の端部と、幅寄せローラ31bと、の間に取り付けている。ソレノイド32aは、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを、媒体搬送路13に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する。モータ31aは、幅寄せローラ31bを回転駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする媒体幅寄せユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関では、様々な種類の自動機が使用されている。例えば、現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)、記帳機、帳票処理機は、カード、通帳、帳票等の媒体を媒体搬送路に沿って処理位置に搬送し、この媒体に対する処理を行っている。媒体に対する処理としては、磁気データや電子データの読み取り、書き込み、文字やパターンの読み取り、印字等である。
【0003】
この種の自動機は、媒体を媒体搬送路に沿って適正に搬送するために、媒体搬送路の入口である挿入口に挿入された媒体を媒体搬送路の基準位置に合わせる媒体幅寄せユニットを備えている。媒体幅寄せユニット、例えば媒体の搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部(一方の側面)を基準面とし、挿入口に挿入された媒体を基準面に幅寄せする(特許文献1、2等参照)。自動機は、この媒体幅寄せユニットを挿入口付近に取り付けている。
【0004】
特許文献1は、媒体搬送路の幅方向(媒体の搬送方向に垂直な方向)に回転自在に取り付けた幅寄せローラを備えている。この幅寄せローラは、回転角度によって、媒体挿入口に挿入された媒体(通帳やカード等)に当接している状態と、当接していない状態との間で変化する。
【0005】
また、特許文献2は、幅寄せローラを、外側に向かって放射状に延びる板状の複数の羽を外周面に設けた羽根車で構成している。また、この羽根車を上昇、下降させることにより、媒体挿入口に挿入された媒体に当接している状態と、当接していない状態との間で変化させる構成である。
【0006】
上述したように、幅寄せローラは、媒体搬送路の幅方向(媒体の搬送方向に垂直な方向)に回転する。したがって、媒体を基準面に幅寄せした後、この媒体を媒体搬送路に沿って搬送するとき、媒体に当接していない状態にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−281234号公報
【特許文献2】特開2003−206058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、媒体幅寄せユニットは、挿入口にセットされた媒体を、幅寄せローラで媒体搬送路の幅方向に移動し、この媒体の側辺を対向する媒体搬送路の端部に押し当てることで、媒体を媒体搬送路の基準位置に合わせている。
【0009】
媒体幅寄せユニットは、幅寄せローラを停止するタイミングが、実際に媒体が媒体搬送路の基準位置に合ったタイミングよりも遅れる。このタイミング遅れにより、媒体が媒体搬送路の一方の端部に押圧される期間が生じる。媒体が通帳や帳票等の紙葉類である場合、角が折れたり、幅方向に皺ができることがある。そして、媒体は、幅寄せローラが離れると、皺が戻る力等が反力になって、媒体搬送路の端部から離れる方向に跳ね返る。この跳ね返り量が、媒体の基準位置と、実際の位置とのズレ量になる。すなわち、媒体を基準位置に精度よく合わせるには、幅寄せローラが媒体から離れたときに、この媒体が媒体搬送路の端部から離れる跳ね返り量を抑えなければならない。
【0010】
この発明の目的は、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に精度よく幅寄せし合わせることができる媒体幅寄せユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の媒体幅寄せユニットは、上記課題を解決し、その目的を達するために以下のように構成している。
【0012】
この媒体幅寄せユニットは、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする。
【0013】
幅寄せローラは、媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の幅方向に回転自在に取り付けたている。また、ガイド部材は、媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の一方の端部と、幅寄せローラと、の間に取り付けている。第1の駆動機構は、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する。第2の駆動機構は、幅寄せローラを回転駆動する。
【0014】
したがって、第1の駆動機構が、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路に沿って搬送する媒体に当接させた状態(媒体を抑えた状態)で、第2の駆動機構が幅寄せローラを回転駆動することにより、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せすることができる。
【0015】
また、媒体搬送路の一方の端部と、幅寄せローラと、の間に位置するガイド部材が、媒体に当接しているので、この媒体が媒体搬送路の一方の端部に押圧される押圧力を緩和する。したがって、第1の駆動機構が、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路の一方の端部に押圧している媒体から離間させたときにおける、媒体の跳ね返り量が抑えられる。特に、第1の駆動機構が、媒体搬送路の一方の端部に押圧している媒体から、幅寄せローラ、ガイド部材の順に時間をずらして離間させることで、上記跳ね返りを一層抑えることができる。
【0016】
これにより、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に精度よく幅寄せし合わせることができる
また、幅寄せローラは、比較的摩擦係数が高いゴム等の弾性材で形成したゴムローラであってもよいが、弾性材からなるリング部材を、金属ローラの周面に形成した溝に嵌入した構成としてもよい。
【0017】
また、このリング部材が周面から突出する部分と、突出しない部分とが混在するように、この溝を形成してもよい。このようにすれば、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せしているときに、この媒体に生じた皺を逃がすことができる。
【0018】
また、ガイド部材は、媒体搬送路における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けたガイドローラで構成することで、媒体を媒体搬送路に沿って搬送するときの搬送負荷も抑えられる。さらに、ガイドローラは、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せすることから、媒体搬送路の一方の端部側に比べて、幅寄せローラ側の径が短い円錐ローラにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の側面に精度よく幅寄せすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】記帳機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】この記帳機の内部構成を示す概略図である。
【図3】幅寄せユニットの主要部の構成を示すブロック図である。
【図4】幅寄せユニットを示す概略の斜視図である。
【図5】幅寄せローラの周面を示す平面図である。
【図6】幅寄せローラを回転軸方向から見た平面図である。
【図7】挿入口周辺を上面からみた概略の平面図である。
【図8】挿入口から媒体搬送路奥側をみた概略の平面図である。
【図9】幅寄せローラ、およびガイドローラを連動して駆動する機構を説明する図である。
【図10】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図11】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図12】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図13】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図14】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図15】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図16】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図17】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、記帳機の主要部の構成を示すブロック図である。図2は、この記帳機の内部構成を示す概略図である。この記帳機1は、制御ユニット2と、幅寄せユニット3と、搬送ユニット4と、印字ユニット5と、ページ捲りユニット6と、磁気処理ユニット7と、通信ユニット8と、を備えている。
【0023】
この記帳機1は、銀行等の金融機関が開設された口座に対して発行した通帳や、取引内容を記載した帳票を処理する。この記帳機1は、処理する通帳、または帳票(以下、総称して媒体ということもある。)を挿入する媒体挿入口11、12を2つ備えている。媒体挿入口11は、帳票のみ挿入することができ、挿入口12は、通帳、および帳票の両方を挿入することができる。媒体挿入口11、12には、挿入された媒体を受ける、搬送路面が形成されている。
【0024】
制御ユニット2は、記帳機1本体が備える各ユニットの動作を制御する。
【0025】
幅寄せユニット3は、通帳、または帳票を挿入する媒体挿入口11、12の周辺に設けている。この幅寄せユニット3は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13の一方の端部に幅寄せする。幅寄せユニット3の詳細については、後述する。
【0026】
搬送ユニット4は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13に沿って搬送する。媒体搬送路13は、図2に示すように、第1の媒体搬送路13a、第2の媒体搬送路、共通搬送路13cを有している。第1の媒体搬送路13aは、媒体挿入口11に挿入された帳票を搬送する搬送路である。第2の媒体搬送路13bは、挿入口12に挿入された媒体(帳票または通帳)を搬送する搬送路である。第1の媒体搬送路13a、および第2の媒体搬送路13bは、それぞれ共通搬送路13cに合流している。媒体挿入口11に挿入された帳票は、第1の媒体搬送路13a、共通搬送路13cに沿って搬送され、排出口14から排出される。また、挿入口12に挿入された帳票は、第2の媒体搬送路13b、共通搬送路13cに沿って搬送され、排出口14から排出される。
【0027】
搬送ユニット4は、一対の搬送ローラ41a、41bで通帳を挟持して搬送する。一方が駆動源により回転駆動される駆動ローラ41aであり、他方が駆動ローラ41aの回転にともなって回転する従動ローラ41bである。一対の搬送ローラ41a、41bは、図2に示すように、媒体搬送路13に沿って複数並べている。隣接する搬送ローラ41a、41bの間隔は、媒体の搬送方向の長さよりも短い。したがって、媒体搬送路13に沿って搬送されている媒体は、少なくともいずれか1つの搬送ローラ41a、41bに挟持される。
【0028】
搬送ユニット4は、駆動ローラ41aの回転駆動を制御することにより、媒体を媒体搬送路13に沿って搬送する。
【0029】
なお、少なくとも媒体挿入口11、12に最も近い搬送ローラ41aは、上下方向に移動自在に構成しており、搬送路面から突出している状態と、搬送路面から突出していない状態との間で変化する。
【0030】
印字ユニット5は、取引内容を通帳や帳票に印字(記帳)する印字ヘッド5aを備えている。印字ヘッド5aは、共通搬送路13cに対向して取り付けている。また、印字ユニット5は、光学センサ(不図示)を備え、通帳のページ毎にバーコードで印刷されているページ番号の読み取りや、開かれているページにおける取引内容の印字最終行の検出も行える。
【0031】
ページ捲りユニット6は、ページ捲り位置に搬送されてきた通帳のページを捲るページ捲りローラ6aを備えている。ページ捲りユニット6は、ページ捲りローラ6aを回転させることにより、通帳のページを1枚ずつ捲ることができる。
【0032】
磁気処理ユニット7は、挿入口12に挿入された通帳の背表紙に貼付されている磁気シートに対して、記録されている口座番号等にかかる磁気データの読み出しや、書き込みを行う磁気ヘッド7aを備えている。
【0033】
通信ユニット8は、図示していない上位装置との間における通信を制御する。
【0034】
上述した、搬送ユニット4、印字ユニット5、ページ捲りユニット6、磁気処理ユニット7、および通信ユニット8については、公知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0035】
次に、この発明の実施形態にかかる幅寄せユニット3について詳細に説明する。媒体挿入口11の周辺に配置している幅寄せユニット3、および挿入口12の周辺に配置している幅寄せユニット3は、同じ構成である。図3は、幅寄せユニットの主要部の構成を示すブロック図である。図4は、幅寄せユニットを示す概略の斜視図である。幅寄せユニット3は、制御部30と、モータ駆動部31と、ソレノイド駆動部32と、センサ部33と、を備えている。モータ駆動部31が、この発明で言う第2の駆動機構に相当する。ソレノイド駆動部32が、この発明で言う第1の駆動機構に相当する。
【0036】
図4に示すA−A方向が媒体搬送路13の幅方向であり、B−B方向が媒体搬送路13における媒体の搬送方向である。モータ駆動部31は、モータ31aの駆動を制御する。幅寄せローラ31bは、モータ31aの駆動により、媒体搬送路13の幅方向(A−A方向)に回転する。ソレノイド駆動部32は、ソレノイド32aの駆動を制御する。幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bは、ソレノイド32aの駆動により、媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に移動する。センサ部33は、後述するセンサにより、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を検知する。
【0037】
図5は、幅寄せローラの周面を示す平面図である。図6は、幅寄せローラの回転軸方向の平面図である。幅寄せローラ31bは、金属ローラである。幅寄せローラ31bは、図5、図6に示すように、リング部材31cを周面に取り付けている。リング部材31cは、比較的摩擦係数が大きいゴム等の弾性材である。幅寄せローラ31bは、周面に溝31dを形成している。リング部材31cは、この溝31dに嵌入している。溝31dは、リング部材31cの厚さよりも深い領域と、リング部材31cの厚さよりも浅い領域とを交互に、幅寄せローラ31bの周面に形成している。図6に示す例は、幅寄せローラ31bの周面を4分割(90°で分割)し、リング部材31cの厚さよりも深い領域と、リング部材31cの厚さよりも浅い領域を交互に2つずつ設けた場合を例示している。溝31dがリング部材31cの厚さよりも深い領域では、このリング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出しない。反対に、溝31dがリング部材31cの厚さよりも浅い領域では、このリング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出する。
【0038】
図7は、挿入口周辺を上面からみた概略の平面図である。図8は、挿入口から媒体搬送路奥側をみた概略の平面図である。幅寄せローラ31bと、ガイドローラ32bとは、媒体搬送路13の幅方向に並んで配置している。幅寄せローラ31bは、上述したように、モータ31aにより媒体搬送路13の幅方向に回転する。一方、ガイドローラ32bは、媒体搬送路13における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けている。
【0039】
図7、および図8に示す搬送ローラ41aは、上下方向に移動自在に構成しており、搬送路面から突出している状態と、搬送路面から突出していない状態との間で変化する。
【0040】
この幅寄せユニット3は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせる幅寄せを行う。ガイドローラ32bは、幅寄せローラ31b側の径が短い円錐ローラである。
【0041】
センサ部33は、媒体搬送路13を挟んで発光素子と受光素子とを対向配置した透過型の光センサ33a〜33dで媒体の有無を検知する。光センサ33a、33bは、図示するように、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に、媒体の搬送方向に並べて配置している。光センサ33a、33bは、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせたかどうか(媒体の幅寄せができたかどうか)を検知する。具体的には、光センサ33a、33bの両方が媒体を検知したときに、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせた(媒体の幅寄せができた)と判断する。光センサ33cは、媒体挿入口11、12に媒体が挿入されたことを検知する。光センサ33dは、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせる位置に達したことを検知する。
【0042】
ここで、ソレノイド32aの駆動により、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動する構成について説明する。幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを、1つのソレノイド32aで媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動する。
【0043】
なお、幅寄せローラ31bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動するソレノイドと、ガイドローラ32bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動するソレノイドと、を個別に設けてもよい。
【0044】
幅寄せローラ31bを取り付けたアーム51と、ガイドローラ32bを取り付けたアーム52と、を図9に示すように連結している。図9では、モータ31aの駆動力を幅寄せローラ31bに伝達するギア群については図示を省略している。アーム51は、支点51aで上下に回動する。また、アーム52は、支点52aで上下に回動する。アーム51は、ピン51bを形成している。アーム52は、ピン51bを通す長穴52bを形成している。長穴52bの短径は、ピン51bの直径よりも大きい。ソレノイド32aは、駆動されたときに、アーム51の支点51aと反対側の端部を下方向に引き下げる。これにより、幅寄せローラ31bが下がる。また、ソレノイド32aは、駆動停止されたときに、アーム51の支点51aと反対側の端部を上方向に戻す。これにより、幅寄せローラ31bが上がる。
【0045】
なお、アーム51は、図示していないバネによって、支点51aと反対側の端部を上方向に引き上げる向きに付勢されている。
【0046】
また、アーム51が引き下げられたとき、アーム52は、長穴52bに通しているピン51bによって下方向に押圧され、支点52aにおいて回動し、ガイドローラ32bが下がる。また、アーム51が上方向に戻されたとき、アーム52は、長穴52bに通しているピン51bによって上方向に押圧され、支点52aにおいて回動し、ガイドローラ32bが上がる。
【0047】
さらに、長穴52bの短径を、ピン51bの直径よりも大きくしているので、アーム52は、アーム51よりも少し遅れて回動する。
【0048】
次に、この幅寄せユニット3による媒体の幅寄せ動作について説明する。
【0049】
幅寄せユニット3は、媒体挿入口11(、または12)に媒体が挿入されたことを光センサ33cで検知すると、その旨を制御ユニット2に通知する。制御ユニット2は、搬送ユニット4に対して媒体の搬送を指示する。
【0050】
搬送ユニット4は、搬送ローラ41aを搬送路面から突出させ、媒体を搬送ローラ41a、41bで挟持し、搬送ローラ41aを駆動して媒体を搬送する。幅寄せユニット3は、光センサ33dが媒体を検知すると、制御ユニット2に対して媒体の搬送停止を要求する。制御ユニット2は、この要求に応じて、搬送ユニット4に対して媒体の搬送停止を指示する。搬送ユニット4は、搬送ローラ41aの駆動を停止し、搬送ローラ41aを搬送路面から突出してない位置に引き下げる。
【0051】
幅寄せユニット3は、このとき光センサ33a、33bの両方が媒体を検出していれば、この媒体に対する幅寄せについては不要(媒体がガイドローラ32b側の媒体搬送路13の端部に合っている。)と判断する。一方、幅寄せユニット3は、光センサ33a、33bの少なくとも一方が媒体を検出していなければ、この媒体に対する幅寄せが必要である(媒体が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合っていない。)と判断し、以下に示す幅寄せ動作を実行する。
【0052】
ここで、光センサ33dで検知されている媒体が、図10に示す位置にあるとする。この媒体は、図示するように、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部から離れている。幅寄せユニット3は、ソレノイド32aを駆動し、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを媒体側に下げる。このとき、幅寄せローラ31bは、リング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出している部分で媒体に当接する(図11参照)。このとき、ガイドローラ32bの下端は、幅寄せローラ31bの下端よりも若干上方に位置し、搬送路面との間に、媒体の厚さと略同じ程度の隙間が生じている。
【0053】
なお、幅寄せローラ31bの下端位置は、媒体の厚さによって変化する。したがって、ガイドローラ32bの下端位置も媒体の厚さによって変化する。
【0054】
幅寄せユニット3は、モータ31aを駆動し、幅寄せローラ31bを回転させる。これにより、媒体がガイドローラ32b側に送られる。
【0055】
媒体は、ガイドローラ32bの下側の隙間に入り、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bにより押えられる(図12参照)。すなわち、媒体は、これまで幅寄せローラ31bのみで押さえられていたのが、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bにより押さえられることになる。したがって、幅寄せローラ31bが媒体を押さえる力が低下する。
【0056】
媒体は、幅寄せローラ31bの回転により、さらに媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に送られ、媒体搬送路13奥側になる先端、または媒体搬送路13手前側(後端部側)が先に媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部にあたる。図13は、媒体の媒体搬送路奥側になる先端が媒体搬送路13のガイドローラ側の端部にあたった状態を示している。
【0057】
幅寄せユニット3は、この時点では、光センサ33aが媒体を検出していないので、幅寄せローラ31bの回転を継続する。媒体は、媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端を支点にして回転し、一方の側部が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に沿う(図14、図15参照)。この状態で、光センサ33a、33bの両方が媒体を検出する。上述したように、幅寄せローラ31bは、リング部材31cが周面から突出している領域と、周面から突出していない領域と、が存在するので、リング部材31cが周面から突出していない領域が媒体に当接しているとき、この媒体に生じた皺を逃がすことができる。
【0058】
また、図13に示す状態から、図14に示す状態に移行する間、媒体は、ガイドローラ32bにより抑えられているので、支点になる媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端にかかる応力が抑えられる。このため、媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端が折れるのを抑えられる。
【0059】
なお、媒体が、媒体搬送路13手前側(後端部側)が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部にあたっていたときは、この媒体が回転する支点が変化し、回転方向が異なるだけである。
【0060】
また、図14に示す状態に移行した時点で、媒体は図15に示すように皺が発生している。幅寄せユニット3は、ソレノイド32aの駆動を停止する。これにより、幅寄せローラ31bが媒体から離れ(図16参照)、少し遅れて、ガイドローラ32bが媒体から離れる(図17参照)。図16に示すように、幅寄せローラ31bが媒体から離れたときには、幅寄せローラ31bとガイドローラ32bとの間で生じている媒体の皺が延びる。このとき、ガイドローラ32bが媒体を抑えているので、媒体は、一方の側部が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に沿った位置から動かない。
【0061】
その後、ガイドローラ32bが媒体から離れると、ガイドローラ32bと、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部との間で生じている媒体の皺が延びる。このとき、媒体は、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bの両方に抑えられていないが、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部との間で生じている皺が延びるだけなので、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部から離れる方向に作用する反力が小さい。すなわち、媒体は、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部からほとんど跳ね返ることがない。したがって、媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路13の一方の端部に精度よく幅寄せすることができる
幅寄せユニット3は、媒体の幅寄せ完了を制御ユニット2に通知する。制御ユニット2は、この幅寄せ完了の通知を受けて、搬送ユニット4に対して、媒体の搬送を指示する。媒体は、搬送ユニット4によって媒体搬送路13に沿って搬送され、処理位置でデータの読み取り、記録、印字等にかかる処理が行われる。
【0062】
なお、ガイドローラ32bは、媒体を抑えることができる構成であれば、板状部材で構成してもよい。また、幅寄せローラ31bは、ゴム等の比較的摩擦係数の高い材質であってもよい。また、この幅寄せユニット3は、上述した記帳機1だけでなく、カード等の他の媒体を処理する装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1…記帳機
3…幅寄せユニット
11…媒体挿入口
12…媒体挿入口
13(13a、13b、13c)…媒体搬送路
14…排出口
30…制御部
31…モータ駆動部
31a…モータ
31b…ローラ
31c…リング部材
31d…溝
32…ソレノイド駆動部
32a…ソレノイド
32b…ガイドローラ
33…センサ部
33a、33b、33c、33d…光センサ
51…アーム
51a…支点
51b…ピン
52…アーム
52a…支点
52b…長穴
【技術分野】
【0001】
この発明は、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする媒体幅寄せユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関では、様々な種類の自動機が使用されている。例えば、現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)、記帳機、帳票処理機は、カード、通帳、帳票等の媒体を媒体搬送路に沿って処理位置に搬送し、この媒体に対する処理を行っている。媒体に対する処理としては、磁気データや電子データの読み取り、書き込み、文字やパターンの読み取り、印字等である。
【0003】
この種の自動機は、媒体を媒体搬送路に沿って適正に搬送するために、媒体搬送路の入口である挿入口に挿入された媒体を媒体搬送路の基準位置に合わせる媒体幅寄せユニットを備えている。媒体幅寄せユニット、例えば媒体の搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部(一方の側面)を基準面とし、挿入口に挿入された媒体を基準面に幅寄せする(特許文献1、2等参照)。自動機は、この媒体幅寄せユニットを挿入口付近に取り付けている。
【0004】
特許文献1は、媒体搬送路の幅方向(媒体の搬送方向に垂直な方向)に回転自在に取り付けた幅寄せローラを備えている。この幅寄せローラは、回転角度によって、媒体挿入口に挿入された媒体(通帳やカード等)に当接している状態と、当接していない状態との間で変化する。
【0005】
また、特許文献2は、幅寄せローラを、外側に向かって放射状に延びる板状の複数の羽を外周面に設けた羽根車で構成している。また、この羽根車を上昇、下降させることにより、媒体挿入口に挿入された媒体に当接している状態と、当接していない状態との間で変化させる構成である。
【0006】
上述したように、幅寄せローラは、媒体搬送路の幅方向(媒体の搬送方向に垂直な方向)に回転する。したがって、媒体を基準面に幅寄せした後、この媒体を媒体搬送路に沿って搬送するとき、媒体に当接していない状態にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−281234号公報
【特許文献2】特開2003−206058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、媒体幅寄せユニットは、挿入口にセットされた媒体を、幅寄せローラで媒体搬送路の幅方向に移動し、この媒体の側辺を対向する媒体搬送路の端部に押し当てることで、媒体を媒体搬送路の基準位置に合わせている。
【0009】
媒体幅寄せユニットは、幅寄せローラを停止するタイミングが、実際に媒体が媒体搬送路の基準位置に合ったタイミングよりも遅れる。このタイミング遅れにより、媒体が媒体搬送路の一方の端部に押圧される期間が生じる。媒体が通帳や帳票等の紙葉類である場合、角が折れたり、幅方向に皺ができることがある。そして、媒体は、幅寄せローラが離れると、皺が戻る力等が反力になって、媒体搬送路の端部から離れる方向に跳ね返る。この跳ね返り量が、媒体の基準位置と、実際の位置とのズレ量になる。すなわち、媒体を基準位置に精度よく合わせるには、幅寄せローラが媒体から離れたときに、この媒体が媒体搬送路の端部から離れる跳ね返り量を抑えなければならない。
【0010】
この発明の目的は、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に精度よく幅寄せし合わせることができる媒体幅寄せユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の媒体幅寄せユニットは、上記課題を解決し、その目的を達するために以下のように構成している。
【0012】
この媒体幅寄せユニットは、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする。
【0013】
幅寄せローラは、媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の幅方向に回転自在に取り付けたている。また、ガイド部材は、媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の一方の端部と、幅寄せローラと、の間に取り付けている。第1の駆動機構は、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する。第2の駆動機構は、幅寄せローラを回転駆動する。
【0014】
したがって、第1の駆動機構が、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路に沿って搬送する媒体に当接させた状態(媒体を抑えた状態)で、第2の駆動機構が幅寄せローラを回転駆動することにより、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せすることができる。
【0015】
また、媒体搬送路の一方の端部と、幅寄せローラと、の間に位置するガイド部材が、媒体に当接しているので、この媒体が媒体搬送路の一方の端部に押圧される押圧力を緩和する。したがって、第1の駆動機構が、幅寄せローラ、およびガイド部材を、媒体搬送路の一方の端部に押圧している媒体から離間させたときにおける、媒体の跳ね返り量が抑えられる。特に、第1の駆動機構が、媒体搬送路の一方の端部に押圧している媒体から、幅寄せローラ、ガイド部材の順に時間をずらして離間させることで、上記跳ね返りを一層抑えることができる。
【0016】
これにより、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に精度よく幅寄せし合わせることができる
また、幅寄せローラは、比較的摩擦係数が高いゴム等の弾性材で形成したゴムローラであってもよいが、弾性材からなるリング部材を、金属ローラの周面に形成した溝に嵌入した構成としてもよい。
【0017】
また、このリング部材が周面から突出する部分と、突出しない部分とが混在するように、この溝を形成してもよい。このようにすれば、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せしているときに、この媒体に生じた皺を逃がすことができる。
【0018】
また、ガイド部材は、媒体搬送路における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けたガイドローラで構成することで、媒体を媒体搬送路に沿って搬送するときの搬送負荷も抑えられる。さらに、ガイドローラは、媒体を搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の端部に幅寄せすることから、媒体搬送路の一方の端部側に比べて、幅寄せローラ側の径が短い円錐ローラにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路の一方の側面に精度よく幅寄せすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】記帳機の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】この記帳機の内部構成を示す概略図である。
【図3】幅寄せユニットの主要部の構成を示すブロック図である。
【図4】幅寄せユニットを示す概略の斜視図である。
【図5】幅寄せローラの周面を示す平面図である。
【図6】幅寄せローラを回転軸方向から見た平面図である。
【図7】挿入口周辺を上面からみた概略の平面図である。
【図8】挿入口から媒体搬送路奥側をみた概略の平面図である。
【図9】幅寄せローラ、およびガイドローラを連動して駆動する機構を説明する図である。
【図10】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図11】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図12】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図13】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図14】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図15】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図16】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【図17】媒体の幅寄せ動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、記帳機の主要部の構成を示すブロック図である。図2は、この記帳機の内部構成を示す概略図である。この記帳機1は、制御ユニット2と、幅寄せユニット3と、搬送ユニット4と、印字ユニット5と、ページ捲りユニット6と、磁気処理ユニット7と、通信ユニット8と、を備えている。
【0023】
この記帳機1は、銀行等の金融機関が開設された口座に対して発行した通帳や、取引内容を記載した帳票を処理する。この記帳機1は、処理する通帳、または帳票(以下、総称して媒体ということもある。)を挿入する媒体挿入口11、12を2つ備えている。媒体挿入口11は、帳票のみ挿入することができ、挿入口12は、通帳、および帳票の両方を挿入することができる。媒体挿入口11、12には、挿入された媒体を受ける、搬送路面が形成されている。
【0024】
制御ユニット2は、記帳機1本体が備える各ユニットの動作を制御する。
【0025】
幅寄せユニット3は、通帳、または帳票を挿入する媒体挿入口11、12の周辺に設けている。この幅寄せユニット3は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13の一方の端部に幅寄せする。幅寄せユニット3の詳細については、後述する。
【0026】
搬送ユニット4は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13に沿って搬送する。媒体搬送路13は、図2に示すように、第1の媒体搬送路13a、第2の媒体搬送路、共通搬送路13cを有している。第1の媒体搬送路13aは、媒体挿入口11に挿入された帳票を搬送する搬送路である。第2の媒体搬送路13bは、挿入口12に挿入された媒体(帳票または通帳)を搬送する搬送路である。第1の媒体搬送路13a、および第2の媒体搬送路13bは、それぞれ共通搬送路13cに合流している。媒体挿入口11に挿入された帳票は、第1の媒体搬送路13a、共通搬送路13cに沿って搬送され、排出口14から排出される。また、挿入口12に挿入された帳票は、第2の媒体搬送路13b、共通搬送路13cに沿って搬送され、排出口14から排出される。
【0027】
搬送ユニット4は、一対の搬送ローラ41a、41bで通帳を挟持して搬送する。一方が駆動源により回転駆動される駆動ローラ41aであり、他方が駆動ローラ41aの回転にともなって回転する従動ローラ41bである。一対の搬送ローラ41a、41bは、図2に示すように、媒体搬送路13に沿って複数並べている。隣接する搬送ローラ41a、41bの間隔は、媒体の搬送方向の長さよりも短い。したがって、媒体搬送路13に沿って搬送されている媒体は、少なくともいずれか1つの搬送ローラ41a、41bに挟持される。
【0028】
搬送ユニット4は、駆動ローラ41aの回転駆動を制御することにより、媒体を媒体搬送路13に沿って搬送する。
【0029】
なお、少なくとも媒体挿入口11、12に最も近い搬送ローラ41aは、上下方向に移動自在に構成しており、搬送路面から突出している状態と、搬送路面から突出していない状態との間で変化する。
【0030】
印字ユニット5は、取引内容を通帳や帳票に印字(記帳)する印字ヘッド5aを備えている。印字ヘッド5aは、共通搬送路13cに対向して取り付けている。また、印字ユニット5は、光学センサ(不図示)を備え、通帳のページ毎にバーコードで印刷されているページ番号の読み取りや、開かれているページにおける取引内容の印字最終行の検出も行える。
【0031】
ページ捲りユニット6は、ページ捲り位置に搬送されてきた通帳のページを捲るページ捲りローラ6aを備えている。ページ捲りユニット6は、ページ捲りローラ6aを回転させることにより、通帳のページを1枚ずつ捲ることができる。
【0032】
磁気処理ユニット7は、挿入口12に挿入された通帳の背表紙に貼付されている磁気シートに対して、記録されている口座番号等にかかる磁気データの読み出しや、書き込みを行う磁気ヘッド7aを備えている。
【0033】
通信ユニット8は、図示していない上位装置との間における通信を制御する。
【0034】
上述した、搬送ユニット4、印字ユニット5、ページ捲りユニット6、磁気処理ユニット7、および通信ユニット8については、公知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0035】
次に、この発明の実施形態にかかる幅寄せユニット3について詳細に説明する。媒体挿入口11の周辺に配置している幅寄せユニット3、および挿入口12の周辺に配置している幅寄せユニット3は、同じ構成である。図3は、幅寄せユニットの主要部の構成を示すブロック図である。図4は、幅寄せユニットを示す概略の斜視図である。幅寄せユニット3は、制御部30と、モータ駆動部31と、ソレノイド駆動部32と、センサ部33と、を備えている。モータ駆動部31が、この発明で言う第2の駆動機構に相当する。ソレノイド駆動部32が、この発明で言う第1の駆動機構に相当する。
【0036】
図4に示すA−A方向が媒体搬送路13の幅方向であり、B−B方向が媒体搬送路13における媒体の搬送方向である。モータ駆動部31は、モータ31aの駆動を制御する。幅寄せローラ31bは、モータ31aの駆動により、媒体搬送路13の幅方向(A−A方向)に回転する。ソレノイド駆動部32は、ソレノイド32aの駆動を制御する。幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bは、ソレノイド32aの駆動により、媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に移動する。センサ部33は、後述するセンサにより、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を検知する。
【0037】
図5は、幅寄せローラの周面を示す平面図である。図6は、幅寄せローラの回転軸方向の平面図である。幅寄せローラ31bは、金属ローラである。幅寄せローラ31bは、図5、図6に示すように、リング部材31cを周面に取り付けている。リング部材31cは、比較的摩擦係数が大きいゴム等の弾性材である。幅寄せローラ31bは、周面に溝31dを形成している。リング部材31cは、この溝31dに嵌入している。溝31dは、リング部材31cの厚さよりも深い領域と、リング部材31cの厚さよりも浅い領域とを交互に、幅寄せローラ31bの周面に形成している。図6に示す例は、幅寄せローラ31bの周面を4分割(90°で分割)し、リング部材31cの厚さよりも深い領域と、リング部材31cの厚さよりも浅い領域を交互に2つずつ設けた場合を例示している。溝31dがリング部材31cの厚さよりも深い領域では、このリング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出しない。反対に、溝31dがリング部材31cの厚さよりも浅い領域では、このリング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出する。
【0038】
図7は、挿入口周辺を上面からみた概略の平面図である。図8は、挿入口から媒体搬送路奥側をみた概略の平面図である。幅寄せローラ31bと、ガイドローラ32bとは、媒体搬送路13の幅方向に並んで配置している。幅寄せローラ31bは、上述したように、モータ31aにより媒体搬送路13の幅方向に回転する。一方、ガイドローラ32bは、媒体搬送路13における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けている。
【0039】
図7、および図8に示す搬送ローラ41aは、上下方向に移動自在に構成しており、搬送路面から突出している状態と、搬送路面から突出していない状態との間で変化する。
【0040】
この幅寄せユニット3は、媒体挿入口11、12に挿入された媒体を、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせる幅寄せを行う。ガイドローラ32bは、幅寄せローラ31b側の径が短い円錐ローラである。
【0041】
センサ部33は、媒体搬送路13を挟んで発光素子と受光素子とを対向配置した透過型の光センサ33a〜33dで媒体の有無を検知する。光センサ33a、33bは、図示するように、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に、媒体の搬送方向に並べて配置している。光センサ33a、33bは、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせたかどうか(媒体の幅寄せができたかどうか)を検知する。具体的には、光センサ33a、33bの両方が媒体を検知したときに、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせた(媒体の幅寄せができた)と判断する。光センサ33cは、媒体挿入口11、12に媒体が挿入されたことを検知する。光センサ33dは、媒体を媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合わせる位置に達したことを検知する。
【0042】
ここで、ソレノイド32aの駆動により、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動する構成について説明する。幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを、1つのソレノイド32aで媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動する。
【0043】
なお、幅寄せローラ31bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動するソレノイドと、ガイドローラ32bを媒体搬送路13に位置する媒体に対して接離する方向に駆動するソレノイドと、を個別に設けてもよい。
【0044】
幅寄せローラ31bを取り付けたアーム51と、ガイドローラ32bを取り付けたアーム52と、を図9に示すように連結している。図9では、モータ31aの駆動力を幅寄せローラ31bに伝達するギア群については図示を省略している。アーム51は、支点51aで上下に回動する。また、アーム52は、支点52aで上下に回動する。アーム51は、ピン51bを形成している。アーム52は、ピン51bを通す長穴52bを形成している。長穴52bの短径は、ピン51bの直径よりも大きい。ソレノイド32aは、駆動されたときに、アーム51の支点51aと反対側の端部を下方向に引き下げる。これにより、幅寄せローラ31bが下がる。また、ソレノイド32aは、駆動停止されたときに、アーム51の支点51aと反対側の端部を上方向に戻す。これにより、幅寄せローラ31bが上がる。
【0045】
なお、アーム51は、図示していないバネによって、支点51aと反対側の端部を上方向に引き上げる向きに付勢されている。
【0046】
また、アーム51が引き下げられたとき、アーム52は、長穴52bに通しているピン51bによって下方向に押圧され、支点52aにおいて回動し、ガイドローラ32bが下がる。また、アーム51が上方向に戻されたとき、アーム52は、長穴52bに通しているピン51bによって上方向に押圧され、支点52aにおいて回動し、ガイドローラ32bが上がる。
【0047】
さらに、長穴52bの短径を、ピン51bの直径よりも大きくしているので、アーム52は、アーム51よりも少し遅れて回動する。
【0048】
次に、この幅寄せユニット3による媒体の幅寄せ動作について説明する。
【0049】
幅寄せユニット3は、媒体挿入口11(、または12)に媒体が挿入されたことを光センサ33cで検知すると、その旨を制御ユニット2に通知する。制御ユニット2は、搬送ユニット4に対して媒体の搬送を指示する。
【0050】
搬送ユニット4は、搬送ローラ41aを搬送路面から突出させ、媒体を搬送ローラ41a、41bで挟持し、搬送ローラ41aを駆動して媒体を搬送する。幅寄せユニット3は、光センサ33dが媒体を検知すると、制御ユニット2に対して媒体の搬送停止を要求する。制御ユニット2は、この要求に応じて、搬送ユニット4に対して媒体の搬送停止を指示する。搬送ユニット4は、搬送ローラ41aの駆動を停止し、搬送ローラ41aを搬送路面から突出してない位置に引き下げる。
【0051】
幅寄せユニット3は、このとき光センサ33a、33bの両方が媒体を検出していれば、この媒体に対する幅寄せについては不要(媒体がガイドローラ32b側の媒体搬送路13の端部に合っている。)と判断する。一方、幅寄せユニット3は、光センサ33a、33bの少なくとも一方が媒体を検出していなければ、この媒体に対する幅寄せが必要である(媒体が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に合っていない。)と判断し、以下に示す幅寄せ動作を実行する。
【0052】
ここで、光センサ33dで検知されている媒体が、図10に示す位置にあるとする。この媒体は、図示するように、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部から離れている。幅寄せユニット3は、ソレノイド32aを駆動し、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bを媒体側に下げる。このとき、幅寄せローラ31bは、リング部材31cが幅寄せローラ31bの周面から突出している部分で媒体に当接する(図11参照)。このとき、ガイドローラ32bの下端は、幅寄せローラ31bの下端よりも若干上方に位置し、搬送路面との間に、媒体の厚さと略同じ程度の隙間が生じている。
【0053】
なお、幅寄せローラ31bの下端位置は、媒体の厚さによって変化する。したがって、ガイドローラ32bの下端位置も媒体の厚さによって変化する。
【0054】
幅寄せユニット3は、モータ31aを駆動し、幅寄せローラ31bを回転させる。これにより、媒体がガイドローラ32b側に送られる。
【0055】
媒体は、ガイドローラ32bの下側の隙間に入り、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bにより押えられる(図12参照)。すなわち、媒体は、これまで幅寄せローラ31bのみで押さえられていたのが、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bにより押さえられることになる。したがって、幅寄せローラ31bが媒体を押さえる力が低下する。
【0056】
媒体は、幅寄せローラ31bの回転により、さらに媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に送られ、媒体搬送路13奥側になる先端、または媒体搬送路13手前側(後端部側)が先に媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部にあたる。図13は、媒体の媒体搬送路奥側になる先端が媒体搬送路13のガイドローラ側の端部にあたった状態を示している。
【0057】
幅寄せユニット3は、この時点では、光センサ33aが媒体を検出していないので、幅寄せローラ31bの回転を継続する。媒体は、媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端を支点にして回転し、一方の側部が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に沿う(図14、図15参照)。この状態で、光センサ33a、33bの両方が媒体を検出する。上述したように、幅寄せローラ31bは、リング部材31cが周面から突出している領域と、周面から突出していない領域と、が存在するので、リング部材31cが周面から突出していない領域が媒体に当接しているとき、この媒体に生じた皺を逃がすことができる。
【0058】
また、図13に示す状態から、図14に示す状態に移行する間、媒体は、ガイドローラ32bにより抑えられているので、支点になる媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端にかかる応力が抑えられる。このため、媒体搬送路13のガイドローラ側の端部に当たっている先端が折れるのを抑えられる。
【0059】
なお、媒体が、媒体搬送路13手前側(後端部側)が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部にあたっていたときは、この媒体が回転する支点が変化し、回転方向が異なるだけである。
【0060】
また、図14に示す状態に移行した時点で、媒体は図15に示すように皺が発生している。幅寄せユニット3は、ソレノイド32aの駆動を停止する。これにより、幅寄せローラ31bが媒体から離れ(図16参照)、少し遅れて、ガイドローラ32bが媒体から離れる(図17参照)。図16に示すように、幅寄せローラ31bが媒体から離れたときには、幅寄せローラ31bとガイドローラ32bとの間で生じている媒体の皺が延びる。このとき、ガイドローラ32bが媒体を抑えているので、媒体は、一方の側部が媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部に沿った位置から動かない。
【0061】
その後、ガイドローラ32bが媒体から離れると、ガイドローラ32bと、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部との間で生じている媒体の皺が延びる。このとき、媒体は、幅寄せローラ31b、およびガイドローラ32bの両方に抑えられていないが、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部との間で生じている皺が延びるだけなので、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部から離れる方向に作用する反力が小さい。すなわち、媒体は、媒体搬送路13のガイドローラ32b側の端部からほとんど跳ね返ることがない。したがって、媒体を、搬送方向に沿う媒体搬送路13の一方の端部に精度よく幅寄せすることができる
幅寄せユニット3は、媒体の幅寄せ完了を制御ユニット2に通知する。制御ユニット2は、この幅寄せ完了の通知を受けて、搬送ユニット4に対して、媒体の搬送を指示する。媒体は、搬送ユニット4によって媒体搬送路13に沿って搬送され、処理位置でデータの読み取り、記録、印字等にかかる処理が行われる。
【0062】
なお、ガイドローラ32bは、媒体を抑えることができる構成であれば、板状部材で構成してもよい。また、幅寄せローラ31bは、ゴム等の比較的摩擦係数の高い材質であってもよい。また、この幅寄せユニット3は、上述した記帳機1だけでなく、カード等の他の媒体を処理する装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1…記帳機
3…幅寄せユニット
11…媒体挿入口
12…媒体挿入口
13(13a、13b、13c)…媒体搬送路
14…排出口
30…制御部
31…モータ駆動部
31a…モータ
31b…ローラ
31c…リング部材
31d…溝
32…ソレノイド駆動部
32a…ソレノイド
32b…ガイドローラ
33…センサ部
33a、33b、33c、33d…光センサ
51…アーム
51a…支点
51b…ピン
52…アーム
52a…支点
52b…長穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う前記媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする媒体幅寄せユニットであって、
前記媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の幅方向に回転自在に取り付けた幅寄せローラと、
前記媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の前記一方の端部と、前記幅寄せローラと、の間に取り付けたガイド部材と、
前記幅寄せローラ、および前記ガイド部材を、前記媒体搬送路に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する第1の駆動機構と、
前記幅寄せローラを回転駆動する第2の駆動機構と、を備えた媒体幅寄せユニット。
【請求項2】
前記第1の駆動機構は、前記媒体搬送路に沿って搬送する媒体から、前記幅寄せローラ、および前記ガイド部材を離す方向に駆動するとき、前記幅寄せローラの駆動に比べて、前記ガイド部材の駆動を遅らせる、請求項1に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項3】
前記幅寄せローラは、弾性材からなるリング部材を、周面に形成した溝に嵌入している、請求項1、または2に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項4】
前記幅寄せローラは、前記リング部材が周面から突出する部分と、突出しない部分とが混在するように、前記溝を形成している、請求項3に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記媒体搬送路における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けたガイドローラである、請求項1〜4のいずれかに記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項6】
前記ガイドローラは、前記媒体搬送路の前記一方の端部側に比べて、前記幅寄せローラ側の径が短い円錐ローラである、請求項5に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項1】
媒体搬送路に沿って搬送する媒体を、搬送方向に沿う前記媒体搬送路の一方の端部に幅寄せする媒体幅寄せユニットであって、
前記媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の幅方向に回転自在に取り付けた幅寄せローラと、
前記媒体搬送路に対向し、この媒体搬送路の前記一方の端部と、前記幅寄せローラと、の間に取り付けたガイド部材と、
前記幅寄せローラ、および前記ガイド部材を、前記媒体搬送路に沿って搬送する媒体に対して接離する方向に駆動する第1の駆動機構と、
前記幅寄せローラを回転駆動する第2の駆動機構と、を備えた媒体幅寄せユニット。
【請求項2】
前記第1の駆動機構は、前記媒体搬送路に沿って搬送する媒体から、前記幅寄せローラ、および前記ガイド部材を離す方向に駆動するとき、前記幅寄せローラの駆動に比べて、前記ガイド部材の駆動を遅らせる、請求項1に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項3】
前記幅寄せローラは、弾性材からなるリング部材を、周面に形成した溝に嵌入している、請求項1、または2に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項4】
前記幅寄せローラは、前記リング部材が周面から突出する部分と、突出しない部分とが混在するように、前記溝を形成している、請求項3に記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記媒体搬送路における媒体の搬送方向に回転自在に取り付けたガイドローラである、請求項1〜4のいずれかに記載の媒体幅寄せユニット。
【請求項6】
前記ガイドローラは、前記媒体搬送路の前記一方の端部側に比べて、前記幅寄せローラ側の径が短い円錐ローラである、請求項5に記載の媒体幅寄せユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−224461(P2012−224461A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95577(P2011−95577)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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