媒体搬送装置及び画像形成装置
【課題】回転部材と対向部材とにより媒体を搬送し、搬送された媒体を移動可能な誘導部材によって誘導する媒体搬送装置において、誘導部材が対向部材に接触しないようにする。
【解決手段】用紙ガイド124は、位置決め部材125を有し、用紙を目的の方向へ誘導する。また、加圧ロール122は、定着ベルト111と対向してニップ領域を形成する。位置決め部材125は、加圧ロール122の軸122aを中心とする用紙ガイド124の回転を制限する。用紙ガイド124の回転は、位置決め部材125の孔部1251がスタッド123と上面で接する位置から、位置決め部材125の孔部1251がスタッド123と下面で接する位置までに制限される。
【解決手段】用紙ガイド124は、位置決め部材125を有し、用紙を目的の方向へ誘導する。また、加圧ロール122は、定着ベルト111と対向してニップ領域を形成する。位置決め部材125は、加圧ロール122の軸122aを中心とする用紙ガイド124の回転を制限する。用紙ガイド124の回転は、位置決め部材125の孔部1251がスタッド123と上面で接する位置から、位置決め部材125の孔部1251がスタッド123と下面で接する位置までに制限される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置の定着装置において、加圧部材(加圧ロール62)に隣接する箇所で詰まった記録材をより容易に取り除くために、定着部材(定着ベルト610)と加圧部材とで構成される定着加圧部を通過した記録材を案内する排紙案内部材(排紙ガイド78)を移動可能に構成することが記載されている。特許文献1には、用紙詰まりの一例として、加圧部材に記録材が巻き付くことが記載されている。加圧部材に記録材が巻き付くと、加圧部材と排紙案内部材との間に記録材が入り込む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−123268号公報(段落0042、図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、回転部材と対向部材とにより媒体を搬送し、搬送された媒体を移動可能な誘導部材によって誘導する媒体搬送装置において、誘導部材が対向部材に接触しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る媒体搬送装置は、対向部材とニップ領域を形成し、回転することによって当該ニップ領域に介在するシート状の媒体を送り出す回転部材と、あらかじめ決められた位置にある軸を中心にして第1の方向とその反対方向である第2の方向とに回転するように設けられ、前記回転部材により送り出された媒体を目的の方向に誘導する誘導部材と、前記誘導部材の位置決めの基準となる突起部と、前記誘導部材に設けられ、前記突起部に接する第1の面と第2の面とを有する制限部材であって、前記誘導部材の前記第1の方向への回転を、前記第1の面が前記突起部に接する位置であって前記媒体を前記目的の方向に誘導する位置までに制限し、前記誘導部材の前記第2の方向への回転を、前記第2の面が前記突起部に接する位置であって前記誘導部材が前記対向部材に接しない位置までに制限する制限部材とを備える構成を有する。
【0006】
本発明の請求項2に係る媒体搬送装置は、請求項1に記載の構成において、前記制限部材は、前記突起部が挿入され、内周面が前記第1の面と前記第2の面とを構成する孔部を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る媒体搬送装置は、請求項2に記載の構成において、前記制限部材は、前記突起部が前記孔部に挿入されていない状態において当該突起部に接し、前記誘導部材を前記突起部に押し付ける回転力が加えられると、当該回転力から当該制限部材を前記突起部の先端方向に湾曲させる力を生じさせる傾斜面を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の媒体搬送装置により前記媒体を搬送し、当該媒体に画像を形成する画像形成手段を備える構成を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1、4に係る発明によれば、回転部材と対向部材とにより媒体を搬送し、搬送された媒体を移動可能な誘導部材によって誘導する媒体搬送装置において、誘導部材が対向部材に接触しないようにすることができる。
本発明の請求項2に係る発明によれば、第1の面と第2の面を孔部により構成しない場合に比べ、回転に対する強度を高めることができる。
本発明の請求項3に係る発明によれば、傾斜面を有しない場合に比べ、制限部材が突起部に挿入されていない状態から挿入された状態への遷移をより容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置の構成を示す図
【図2】定着部の構成を示す図
【図3】加圧ユニットの構成を示す斜視図
【図4】用紙ガイドの構成を示す斜視図
【図5】位置決め部材の構成を示す図
【図6】用紙ガイドの動作を示す図
【図7】用紙ガイドの動作を示す図
【図8】用紙ガイドの他の例を示す図
【図9】用紙ガイドの他の例を示す図
【図10】定着部の他の例を示す図
【図11】位置決め部材の他の例を示す図
【図12】位置決め部材の他の例を示す図
【図13】位置決め部材の動きの遷移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の構成を示す図であり、画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成装置の一例であり、本発明の媒体搬送装置を定着部10に備える例である。画像形成装置1の構成は、定着部10と、転写部20と、搬送部30とに大別される。定着部10、転写部20及び搬送部30は、これらが協働して本発明の画像形成手段の一例として機能する。また、画像形成装置1は、図示した構成のほかに、外部のコンピュータ装置などから画像データを受信する手段、原稿を読み取って画像データを生成する手段、画像データに画像処理を実行する手段などを備えてもよい。
【0011】
なお、以下の説明には、必要に応じて、図1に示す3次元直交座標系が用いられる。以下においては、Z軸の正方向を「上方」とし、Z軸の負方向を「下方」とする。下方とは、鉛直方向のことであり、重力が作用する方向である。また、Y軸の負方向を「右」とし、Y軸の正方向を「左」とする。
【0012】
転写部20は、用紙にトナー像を転写する手段である。ここにおいて、用紙とは、画像が記録されるシート状の媒体(記録媒体)である。転写部20は、より詳細には、転写ユニット21Y、21M、21C、21Kと、中間転写ベルト22と、支持ロール23、24、25と、二次転写ロール26とを備える。
【0013】
転写ユニット21Y、21M、21C、21Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかのトナー像を形成する。転写ユニット21Y、21M、21C、21Kは、感光体と、帯電器、露光装置、現像器などを備え、帯電、露光、現像といった電子写真方式の各工程によって感光体にトナー像を形成し、中間転写ベルト22に転写する。この転写のことを一次転写という。
【0014】
中間転写ベルト22は、転写ユニット21Y、21M、21C、21Kにより転写されたトナー像を用紙に転写する。中間転写ベルト22は、支持ロール23、24、25によって適当な張力を保った状態で支持されて回転し、トナー像を二次転写ロール26が設けられた位置まで搬送する。なお、支持ロール23、24、25は、中間転写ベルト22を支持するとともに、その少なくともいずれかが駆動力を与えられて回転し、中間転写ベルト22を回転させるように構成されている。二次転写ロール26は、中間転写ベルト22に転写(一次転写)されたトナー像を用紙に転写する。二次転写ロール26は、支持ロール24との間に生じる電位差によってトナーを移動させ、トナー像を用紙に転写する。二次転写ロール26による2回目の転写のことを二次転写という。
【0015】
搬送部30は、用紙を搬送する手段である。搬送部30は、より詳細には、収容部31と、ピックアップロール32と、複数の搬送ロール33と、反転ロール34と、排紙部35とを備える。収容部31は、複数枚の用紙を収容する。ピックアップロール32は、収容部31に収容された用紙を必要なタイミングで搬送路に送り出す部材である。なお、用紙の搬送路は、図中に破線で示されている。搬送ロール33は、それぞれ、搬送路に沿って設けられ、上流から搬送されてきた用紙を下流に搬送する部材である。搬送ロール33は、それぞれ、1対のロール部材によってニップ領域を形成し、用紙を目的の方向に送り出す。
【0016】
反転ロール34は、用紙の両面に画像が形成される場合に、用紙の進行方向を反転させて送り出す部材である。反転ロール34は、トナー像が定着された用紙をいったん受け入れ、その先端が後端になり、後端が先端になるようにして用紙を再度送り出す。転写部20及び定着部10を通過した用紙は、その上面に画像が形成されるが、その後反転ロール34を含む搬送路を通過することによって、それまで下面であった面が上面となり、画像がまだ形成されていない面にトナーが転写されるようになる。排紙部35は、片面又は両面に画像が形成された用紙を保持する。
【0017】
図2は、定着部10の構成をより詳細に示す図である。定着部10は、用紙に転写されたトナーを定着させる手段であり、加熱ユニット11と加圧ユニット12とに大別される。加熱ユニット11は、用紙を加熱するための構成を含み、加圧ユニット12は、用紙を加圧するための構成を含む。
【0018】
加熱ユニット11は、定着ベルト111と、加熱ロール112、113、114と、支持ロール115、116と、剥離パッド117と、用紙ガイド118とを備える。ここにおいて、定着ベルト111は、本発明の対向部材の一例である。定着ベルト111は、加圧ロール122と接してニップ領域(用紙を挟み込む領域)を形成し、ニップ領域に介在する用紙を加熱しつつ送り出す部材である。加熱ロール112、113、114は、それぞれ、ハロゲンランプなどの熱源を内部に有し、定着ベルト111を加熱する部材である。支持ロール115、116は、定着ベルト111に適当な張力を与えつつこれを支持する部材である。
【0019】
なお、加熱ロール112、113、114、支持ロール115、116の少なくともいずれかは、駆動力を与えられて回転し、定着ベルト111を移動(すなわち回転)させる。あるいは、定着ベルト111は、加圧ロール122の回転に応じて加圧ロール122とともに回転される。すなわち、定着部10における用紙の搬送に係る構成は、加熱ユニット11又は加圧ユニット12の少なくともいずれかが有していればよい。
【0020】
剥離パッド117は、用紙(より具体的には、用紙に付着した加熱されたトナー)の定着ベルト111からの剥離を促す部材である。用紙ガイド118は、ニップ領域から送り出された用紙を目的の方向に誘導する部材である。用紙ガイド118は、換言すれば、ニップ領域から送り出された用紙が定着ベルト111から剥離されることなく移動するのを妨げる部材である。すなわち、用紙ガイド118が用紙を誘導する方向は、用紙の搬送方向の下流側であって、用紙ガイド118が設けられている位置よりも下方に用紙が進む方向である。
【0021】
図3は、加圧ユニット12の構成を示す斜視図である。加圧ユニット12は、筐体121と、加圧ロール122と、スタッド123L、123Rと、用紙ガイド124と、位置決め部材125L、125Rとを備える。なお、図3においては、説明の便宜上、筐体121の一部(特に右側)の図示が省略されている。
【0022】
加圧ロール122は、定着ベルト111と対向してニップ領域を形成し、回転することによってニップ領域に介在する用紙を送り出す部材である。加圧ロール122は、筐体121に支持された軸122aを中心にして回転し、用紙に適当な圧力を加えつつこれを送り出す。加圧ロール122は、自ら回転(すなわち自転)してもよいし、定着ベルト111の回転に応じて回転(すなわち従動)してもよい。加圧ロール122は、本発明の回転部材の一例である。
【0023】
スタッド123L、123Rは、筐体121に固定されて突起した円柱状の部材である。スタッド123L、123Rは、用紙ガイド124の位置決めの基準となる部材であり、加圧ロール122や用紙ガイド124の移動に応じて動くことがないように構成されている。スタッド123L、123Rは、本発明の突起部の一例である。
スタッド123Lは、加圧ロール122の左側に設けられており、スタッド123Rは、加圧ロール122の右側に設けられている。なお、以下において、スタッド123L、123Rを総称する場合には、これを「スタッド123」と表記する。
【0024】
用紙ガイド124は、ニップ領域から送り出された用紙を目的の方向に誘導する部材である。用紙ガイド124は、換言すれば、ニップ領域から送り出された用紙が加圧ロール122から剥離されることなく移動するのを妨げる部材である。すなわち、用紙ガイド124が用紙を誘導する方向は、用紙の搬送方向の下流側であって、用紙ガイド124が設けられている位置よりも上方に用紙が進む方向である。また、用紙ガイド124は、加圧ロール122の軸122aを中心にして時計回り及び反時計回りに回転するように設けられている。用紙ガイド124は、本発明の誘導部材の一例である。
【0025】
位置決め部材125L、125Rは、用紙ガイド124の位置決めをするための板状の部材であって、用紙ガイド124の両側に設けられる。位置決め部材125L、125Rは、例えば、カシメ加工によって用紙ガイド124に接合される。位置決め部材125L、125Rは、例えば板ばねであって、人間の力で左右方向に曲げられる程度の弾性を有する。ユーザは、用紙ガイド124を着脱する必要がある場合には、位置決め部材125L、125Rを内側に曲げて用紙ガイド124を回転させ、位置決め部材125L、125Rをスタッド123L、123Rから外した後に用紙ガイド124を抜き取る。
【0026】
また、位置決め部材125L、125Rは、スタッド123と接することによって、用紙ガイド124の回転を決められた範囲に制限する。位置決め部材125L、125Rは、本発明の制限部材の一例である。なお、以下において、位置決め部材125L、125Rを総称する場合には、これを「位置決め部材125」と表記する。
【0027】
図4は、用紙ガイド124の構成を図3と異なる方向から示す斜視図である。同図に示すように、用紙ガイド124は、複数の爪部1241を有する。爪部1241は、加圧ロール122に対して適当な接触圧で接するように、用紙ガイド124本体に対して移動可能に取り付けられている。なお、爪部1241の数は、図示したものに限定されず、これより多くても少なくてもよい。
【0028】
図5は、位置決め部材125をY軸の負方向からみた場合の構成を示す図である。位置決め部材125は、孔部1251を有し、孔部1251の内周面においてスタッド123と接する。孔部1251の大きさは、スタッド123のそれよりも大きい。位置決め部材125(及びこれが設けられた用紙ガイド124)は、スタッド123が挿入された状態において、孔部1251とスタッド123の大きさの差に応じた分だけ回転する。
なお、位置決め部材125L、125Rは、用紙ガイド124を所望の位置に位置決めすることができればよく、対称形であることを要するものではない。
【0029】
画像形成装置1の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、画像形成装置1は、用紙を搬送し、搬送した用紙にトナーを転写しこれを定着させることによって、用紙に画像を形成する。画像形成装置1は、用紙の片面のみに画像を形成することもあれば、用紙の両面に画像を形成することもある。
【0030】
画像形成装置1においては、画像形成の最中に、用紙の搬送異常、すなわち紙詰まりを生じる場合がある。紙詰まりは、搬送路のいかなる位置においても生じる可能性があり、例えば定着部10のニップ領域の前後においても生じ得る。定着部10のニップ領域においては、用紙が目的の方向に送り出されずに、加圧ロール122と用紙ガイド124の爪部1241との間に入り込むことにより紙詰まりを生じることがある。特に、用紙の両面に画像を形成する場合(すなわち、下面に画像が形成された状態の用紙がニップ領域を通過する場合)には、加圧ロール122に接した下面のトナーが再度溶融し、用紙の加圧ロール122からの剥離を阻害することがある。
【0031】
図6及び図7は、用紙ガイド124の動作を示す図である。図6は、用紙が紙詰まりを起こすことなく搬送されている場合の用紙ガイド124の位置を示し、図7は、用紙が紙詰まりを起こして折れ曲がるなどし、用紙ガイド124を上方に持ち上げる場合の用紙ガイド124の位置を示している。用紙ガイド124の移動範囲は、図6に示す位置から図7に示す位置までである。
【0032】
位置決め部材125は、孔部1251の上面においてスタッド123と接することにより、用紙ガイド124の図中の矢印D1で示す方向(すなわち時計回りの方向)への回転を図6に示す位置までに制限する。この位置において、用紙ガイド124は、爪部1241が加圧ロール122と望ましい接触圧で接することにより、加圧ロール122との間に生じ得る間隙をなくし、用紙の目的の方向への誘導を促進する。換言すれば、用紙ガイド124は、用紙が目的の方向と異なる方向に進むのを抑制している。
【0033】
また、位置決め部材125は、孔部1251の下面においてスタッド123と接することにより、用紙ガイド124の図中の矢印D2で示す方向(すなわち反時計回りの方向)への回転を図7に示す位置までに制限する。このとき、用紙ガイド124は、加圧ロール122に対向する定着ベルト111には接しない位置にある。換言すれば、位置決め部材125は、用紙ガイド124の回転を定着ベルト111に接しない位置までに制限している。
【0034】
ここにおいて、矢印D1で示す方向(この場合、下方)が本発明の第1の方向に相当し、矢印D2で示す方向(この場合、上方)が本発明の第2の方向に相当する。また、孔部1251の上面、すなわち図6においてスタッド123と接している側の面が本発明の第1の面に相当し、孔部1251の下面、すなわち図7においてスタッド123と接している側の面が本発明の第2の面に相当する。
【0035】
このように、用紙ガイド124は、位置決め部材125と孔部1251の協働によってその回転があらかじめ決められた範囲に制限される。用紙ガイド124は、下方への移動が制限されることにより、加圧ロール122に対する接触圧が過剰になることが抑制される一方、上方への移動が制限されることにより、用紙に持ち上げられても定着ベルト111に接しないようになされている。つまり、用紙ガイド124の回転が制限されることで、この制限を設けない場合に比べ、用紙ガイド124やこれに接し得る部材(定着ベルト111や加圧ロール122)が損傷する可能性が低減する。
【0036】
[変形例]
本発明の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す形態であってもよい。また、これらの形態は、必要に応じて、併用したりその一部を置き換えたりすることによって、互いに組み合わされてもよい。なお、以下の変形例において、上述した実施形態と同一の符号が付された構成要素は、上述した実施形態で説明された同名の構成要素と構成や機能が共通するものであるとする。
【0037】
(1)誘導部材が回転する軸は、回転部材と同一の軸である必要はない。例えば、上述した実施形態においては、用紙ガイド124が加圧ロール122の軸122aを中心にして回転する構成であったが、用紙ガイド124の回転の中心が加圧ロール122の軸122aである必要はない。
【0038】
図8は、本発明の誘導部材の他の例である用紙ガイド224の構成を示す図である。用紙ガイド224は、その左右に位置決め部材225を有し、スタッド223によってその回転が制限されるように構成されている。用紙ガイド224は、筐体121に対して固定された軸226を中心にして回転する。軸226は、例えば、スタッド223のように突起部として構成されている。
【0039】
なお、用紙ガイド224は、その回転の中心が加圧ロール122と異なるように構成されている点を除けば、その機能や動作が用紙ガイド124と同等である。すなわち、用紙ガイド224は、スタッド223及び位置決め部材225によって、その回転する範囲があらかじめ決められた範囲に制限されている。また、用紙ガイド224は、回転する範囲が制限されていれば、必ずしも加圧ロール122と接しなくてもよい。
【0040】
(2)本発明の誘導部材は、対向してニップ領域を形成する2つの部材がある場合において、これらの部材のいずれの側に設けられてもよい。また、本発明は、回転部材がロール部材に限定されず、ベルト部材であってもよいし、対向部材もロール部材とベルト部材のいずれであってもよい。さらに、本発明は、回転部材及び対向部材が加熱するためのものであるか否かを問わない。
【0041】
図9は、上述した実施形態の用紙ガイド118に代えて用紙ガイド324を備える構成を示す図である。用紙ガイド324は、本発明の誘導部材の一例であり、軸326を中心にして回転する。位置決め部材325は、用紙ガイド324に設けられ、孔部3251を有する。位置決め部材325は、孔部3251がスタッド322に挿入されることにより、用紙ガイド324の回転を、用紙ガイド324が定着ベルト111と適当な接触圧で接する位置から用紙ガイド324が定着ベルト111及び加圧ロール122のいずれとも接しない位置までに制限する。
【0042】
図10は、上述した定着部10と異なる態様の定着部40の例を示す図である。定着部40は、加熱ユニット41と、加圧ユニット42とを備える。加熱ユニット41は、加熱ロール411と、用紙ガイド412と、位置決め部材413と、軸414と、スタッド415とを備える。なお、軸414及びスタッド415は、定着部40の筐体に固定されている。また、加圧ユニット42は、ベルト421と、パッド422と、加圧部材423と、潤滑部材424とを備える。
【0043】
ベルト421は、加熱ロール411と接触して加熱ロール411とともに回転する無端のベルト状の部材である。加圧部材423は、例えば定着部40の筐体に固定され、パッド422を加熱ユニット41に押し付ける。パッド422は、ベルト421を加熱ロール411に押し付け、適当なニップ領域を形成させる。潤滑部材424は、オイルなどの潤滑剤を染みこませたフェルトやスポンジであり、ベルト421の内周面に潤滑剤を付与してベルト421のパッド422に対する移動(滑り)を促進する。なお、パッド422、加圧部材423及び潤滑部材424は、ベルト421とともに移動しないように構成されている。
【0044】
加熱ロール411は、ベルト421と対向してニップ領域を形成する。加熱ロール411は、内部に熱源を有し、ニップ領域において用紙を加熱する。用紙ガイド412は、本発明の誘導部材として機能する部材である。用紙ガイド412は、軸414を中心に時計回り及び反時計回りに回転し、ニップ領域を通過した用紙を目的の方向に誘導する。位置決め部材413は、本発明の制限部材として機能する部材である。位置決め部材413は、孔部4131を有し、用紙ガイド412の左右に設けられている。位置決め部材413の孔部4131は、スタッド415よりも小さく構成されており、スタッド415が挿入されることによって用紙ガイド412の回転の範囲を制限する。位置決め部材413は、用紙ガイド412が適当な接触圧で加熱ロール411と接触する位置を上限(上方の限界)とし、用紙ガイド412と加熱ロール411とがあらかじめ決められた距離を隔てて離間し、かつ用紙ガイド412がベルト421と接しない位置を下限(下方の限界)とするように、用紙ガイド412の回転の範囲を制限する。
【0045】
なお、定着部40は、図10に示したように加熱ユニット41が上方、加圧ユニット42が下方にある必要はなく、その位置関係が逆転してもよい。また、定着部40は、加熱ユニット41と加圧ユニット42とがZ軸方向(上下方向)に並ぶ必要もなく、X軸方向(横方向)に並んでもよい。さらに、定着部40は、加熱ユニット41側に代えて加圧ユニット42側に本発明の誘導部材(用紙ガイド412に相当する構成)を備えてもよいし、加熱ユニット41側に代えて加圧ユニット42側の双方にこれを備えてもよい。
【0046】
(3)本発明の誘導部材は、用紙などのシート状の媒体を誘導するものであればよく、定着部に設けられることを要するものではない。本発明の誘導部材は、回転部材とその対向部材とによってニップ領域が形成される位置において、送り出された媒体を目的の方向に誘導するものであれば、回転部材や対向部材が有する機能を特に問わない。したがって、本発明の誘導部材(及びこれを備える媒体搬送装置)は、対向してニップ領域を形成する2つの部材が設けられる位置であればどのような位置に設けられてもよく、例えば、上述した転写部20や搬送部30に設けられてもよい。
【0047】
(4)本発明の制限部材は、第1の面及び第2の面を孔部によって構成する必要はない。
図11は、制限部材の他の例を示す図であり、位置決め部材125と置換可能な位置決め部材525を示す図である。位置決め部材525は、位置決め部材125から二点鎖線で示した部分を取り除いた構成であり、第1の面5251と第2の面5252とを有する。位置決め部材525は、用紙ガイド124に取り付けられた場合に、第1の面5251と第2の面5252とにおいてスタッド123と接する。
【0048】
なお、位置決め部材125と位置決め部材525とを比較すると、回転に対する強度(変形のしにくさ)は位置決め部材125の方が高い。よって、より高い強度が要求される場合には、位置決め部材525よりも(孔部1251を有する)位置決め部材125を用いた方が望ましいといえる。
【0049】
(5)図12は、制限部材の他の例を示す図であり、位置決め部材125Rと置換可能な位置決め部材625Rを示す三面図である。位置決め部材625Rは、傾斜面6252を備える点が位置決め部材125Rと相違するが、その他の機能などは位置決め部材125Rと共通している。傾斜面6252は、孔部6251の下部、より具体的には孔部6251にスタッド123Rが挿入されるときにスタッド123Rが接する位置に設けられ、位置決め部材625Rの湾曲を促す。なお、位置決め部材625Rは、加圧ロール122の右側に設けられる制限部材である。加圧ロール122の左側には、位置決め部材625Rとは左右対称に構成された別の制限部材が設けられるが、その機能や動きは位置決め部材625Rと同じである。
【0050】
図13は、用紙ガイド124が装着されるときの位置決め部材625Rの動きの遷移を示す図である。位置決め部材625Rは、下方(すなわち第1の方向)に向かう力が加えられると、まず、図13(a)に示すように、傾斜面6252においてスタッド123Rと接する。位置決め部材625Rは、下方に向かう力がさらに加えられ、スタッド123Rに押し付けられると、第1の方向に移動しようとする回転力の一部が位置決め部材625Rをスタッド123Rの先端方向に湾曲させる力に変換され、図13(b)に示すように湾曲する。その後、位置決め部材625Rは、下方に向かう力がさらに加えられ、スタッド123Rが孔部6251の位置に達すると、自らの弾性力によって元の湾曲していない形状に復元し、図13(c)に示す状態、すなわちスタッド123Rが孔部6251に挿入された状態になる。
【0051】
なお、用紙ガイド124は、コイルばねなどの弾性部材によって下方に押し付ける力が与えられてもよい。この弾性部材は、用紙ガイド124が加圧ロール122に接する力を補うものであり、用紙ガイド124の自重だけでは十分な接触圧が得られない場合に設けられるとよい。ただし、弾性部材を設けると、用紙ガイド124の着脱時に弾性部材の着脱も必要になるため、ユーザの手間が増加する。よって、用紙ガイド124の自重だけで十分な接触圧が得られる場合であれば、この弾性部材は設けない方が望ましい。
【0052】
(6)本発明の突起部は、制限部材の第1の面と第2の面とに接する面を有し、誘導部材を決められた位置に位置決めする機能を有していれば、その具体的な形状は特に限定されない。よって、本発明の突起部は円柱状である必要はなく、角柱状であってもよい。また、本発明の突起部は、制限部材と接する面に溝を有し、この溝が設けられた位置において制限部材と接するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…画像形成装置、10、40…定着部、11…加熱ユニット、111…定着ベルト、112、113、114…加熱ロール、115、116…支持ロール、117…剥離パッド、118…用紙ガイド、12…加圧ユニット、121…筐体、122…加圧ロール、122a…軸、123、123L、123R…スタッド、124…用紙ガイド、125、125L、125R…位置決め部材、1251…孔部、20…転写部、30…搬送部
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置の定着装置において、加圧部材(加圧ロール62)に隣接する箇所で詰まった記録材をより容易に取り除くために、定着部材(定着ベルト610)と加圧部材とで構成される定着加圧部を通過した記録材を案内する排紙案内部材(排紙ガイド78)を移動可能に構成することが記載されている。特許文献1には、用紙詰まりの一例として、加圧部材に記録材が巻き付くことが記載されている。加圧部材に記録材が巻き付くと、加圧部材と排紙案内部材との間に記録材が入り込む可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−123268号公報(段落0042、図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、回転部材と対向部材とにより媒体を搬送し、搬送された媒体を移動可能な誘導部材によって誘導する媒体搬送装置において、誘導部材が対向部材に接触しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る媒体搬送装置は、対向部材とニップ領域を形成し、回転することによって当該ニップ領域に介在するシート状の媒体を送り出す回転部材と、あらかじめ決められた位置にある軸を中心にして第1の方向とその反対方向である第2の方向とに回転するように設けられ、前記回転部材により送り出された媒体を目的の方向に誘導する誘導部材と、前記誘導部材の位置決めの基準となる突起部と、前記誘導部材に設けられ、前記突起部に接する第1の面と第2の面とを有する制限部材であって、前記誘導部材の前記第1の方向への回転を、前記第1の面が前記突起部に接する位置であって前記媒体を前記目的の方向に誘導する位置までに制限し、前記誘導部材の前記第2の方向への回転を、前記第2の面が前記突起部に接する位置であって前記誘導部材が前記対向部材に接しない位置までに制限する制限部材とを備える構成を有する。
【0006】
本発明の請求項2に係る媒体搬送装置は、請求項1に記載の構成において、前記制限部材は、前記突起部が挿入され、内周面が前記第1の面と前記第2の面とを構成する孔部を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る媒体搬送装置は、請求項2に記載の構成において、前記制限部材は、前記突起部が前記孔部に挿入されていない状態において当該突起部に接し、前記誘導部材を前記突起部に押し付ける回転力が加えられると、当該回転力から当該制限部材を前記突起部の先端方向に湾曲させる力を生じさせる傾斜面を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の媒体搬送装置により前記媒体を搬送し、当該媒体に画像を形成する画像形成手段を備える構成を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1、4に係る発明によれば、回転部材と対向部材とにより媒体を搬送し、搬送された媒体を移動可能な誘導部材によって誘導する媒体搬送装置において、誘導部材が対向部材に接触しないようにすることができる。
本発明の請求項2に係る発明によれば、第1の面と第2の面を孔部により構成しない場合に比べ、回転に対する強度を高めることができる。
本発明の請求項3に係る発明によれば、傾斜面を有しない場合に比べ、制限部材が突起部に挿入されていない状態から挿入された状態への遷移をより容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置の構成を示す図
【図2】定着部の構成を示す図
【図3】加圧ユニットの構成を示す斜視図
【図4】用紙ガイドの構成を示す斜視図
【図5】位置決め部材の構成を示す図
【図6】用紙ガイドの動作を示す図
【図7】用紙ガイドの動作を示す図
【図8】用紙ガイドの他の例を示す図
【図9】用紙ガイドの他の例を示す図
【図10】定着部の他の例を示す図
【図11】位置決め部材の他の例を示す図
【図12】位置決め部材の他の例を示す図
【図13】位置決め部材の動きの遷移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の構成を示す図であり、画像形成装置1は、電子写真方式の画像形成装置の一例であり、本発明の媒体搬送装置を定着部10に備える例である。画像形成装置1の構成は、定着部10と、転写部20と、搬送部30とに大別される。定着部10、転写部20及び搬送部30は、これらが協働して本発明の画像形成手段の一例として機能する。また、画像形成装置1は、図示した構成のほかに、外部のコンピュータ装置などから画像データを受信する手段、原稿を読み取って画像データを生成する手段、画像データに画像処理を実行する手段などを備えてもよい。
【0011】
なお、以下の説明には、必要に応じて、図1に示す3次元直交座標系が用いられる。以下においては、Z軸の正方向を「上方」とし、Z軸の負方向を「下方」とする。下方とは、鉛直方向のことであり、重力が作用する方向である。また、Y軸の負方向を「右」とし、Y軸の正方向を「左」とする。
【0012】
転写部20は、用紙にトナー像を転写する手段である。ここにおいて、用紙とは、画像が記録されるシート状の媒体(記録媒体)である。転写部20は、より詳細には、転写ユニット21Y、21M、21C、21Kと、中間転写ベルト22と、支持ロール23、24、25と、二次転写ロール26とを備える。
【0013】
転写ユニット21Y、21M、21C、21Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかのトナー像を形成する。転写ユニット21Y、21M、21C、21Kは、感光体と、帯電器、露光装置、現像器などを備え、帯電、露光、現像といった電子写真方式の各工程によって感光体にトナー像を形成し、中間転写ベルト22に転写する。この転写のことを一次転写という。
【0014】
中間転写ベルト22は、転写ユニット21Y、21M、21C、21Kにより転写されたトナー像を用紙に転写する。中間転写ベルト22は、支持ロール23、24、25によって適当な張力を保った状態で支持されて回転し、トナー像を二次転写ロール26が設けられた位置まで搬送する。なお、支持ロール23、24、25は、中間転写ベルト22を支持するとともに、その少なくともいずれかが駆動力を与えられて回転し、中間転写ベルト22を回転させるように構成されている。二次転写ロール26は、中間転写ベルト22に転写(一次転写)されたトナー像を用紙に転写する。二次転写ロール26は、支持ロール24との間に生じる電位差によってトナーを移動させ、トナー像を用紙に転写する。二次転写ロール26による2回目の転写のことを二次転写という。
【0015】
搬送部30は、用紙を搬送する手段である。搬送部30は、より詳細には、収容部31と、ピックアップロール32と、複数の搬送ロール33と、反転ロール34と、排紙部35とを備える。収容部31は、複数枚の用紙を収容する。ピックアップロール32は、収容部31に収容された用紙を必要なタイミングで搬送路に送り出す部材である。なお、用紙の搬送路は、図中に破線で示されている。搬送ロール33は、それぞれ、搬送路に沿って設けられ、上流から搬送されてきた用紙を下流に搬送する部材である。搬送ロール33は、それぞれ、1対のロール部材によってニップ領域を形成し、用紙を目的の方向に送り出す。
【0016】
反転ロール34は、用紙の両面に画像が形成される場合に、用紙の進行方向を反転させて送り出す部材である。反転ロール34は、トナー像が定着された用紙をいったん受け入れ、その先端が後端になり、後端が先端になるようにして用紙を再度送り出す。転写部20及び定着部10を通過した用紙は、その上面に画像が形成されるが、その後反転ロール34を含む搬送路を通過することによって、それまで下面であった面が上面となり、画像がまだ形成されていない面にトナーが転写されるようになる。排紙部35は、片面又は両面に画像が形成された用紙を保持する。
【0017】
図2は、定着部10の構成をより詳細に示す図である。定着部10は、用紙に転写されたトナーを定着させる手段であり、加熱ユニット11と加圧ユニット12とに大別される。加熱ユニット11は、用紙を加熱するための構成を含み、加圧ユニット12は、用紙を加圧するための構成を含む。
【0018】
加熱ユニット11は、定着ベルト111と、加熱ロール112、113、114と、支持ロール115、116と、剥離パッド117と、用紙ガイド118とを備える。ここにおいて、定着ベルト111は、本発明の対向部材の一例である。定着ベルト111は、加圧ロール122と接してニップ領域(用紙を挟み込む領域)を形成し、ニップ領域に介在する用紙を加熱しつつ送り出す部材である。加熱ロール112、113、114は、それぞれ、ハロゲンランプなどの熱源を内部に有し、定着ベルト111を加熱する部材である。支持ロール115、116は、定着ベルト111に適当な張力を与えつつこれを支持する部材である。
【0019】
なお、加熱ロール112、113、114、支持ロール115、116の少なくともいずれかは、駆動力を与えられて回転し、定着ベルト111を移動(すなわち回転)させる。あるいは、定着ベルト111は、加圧ロール122の回転に応じて加圧ロール122とともに回転される。すなわち、定着部10における用紙の搬送に係る構成は、加熱ユニット11又は加圧ユニット12の少なくともいずれかが有していればよい。
【0020】
剥離パッド117は、用紙(より具体的には、用紙に付着した加熱されたトナー)の定着ベルト111からの剥離を促す部材である。用紙ガイド118は、ニップ領域から送り出された用紙を目的の方向に誘導する部材である。用紙ガイド118は、換言すれば、ニップ領域から送り出された用紙が定着ベルト111から剥離されることなく移動するのを妨げる部材である。すなわち、用紙ガイド118が用紙を誘導する方向は、用紙の搬送方向の下流側であって、用紙ガイド118が設けられている位置よりも下方に用紙が進む方向である。
【0021】
図3は、加圧ユニット12の構成を示す斜視図である。加圧ユニット12は、筐体121と、加圧ロール122と、スタッド123L、123Rと、用紙ガイド124と、位置決め部材125L、125Rとを備える。なお、図3においては、説明の便宜上、筐体121の一部(特に右側)の図示が省略されている。
【0022】
加圧ロール122は、定着ベルト111と対向してニップ領域を形成し、回転することによってニップ領域に介在する用紙を送り出す部材である。加圧ロール122は、筐体121に支持された軸122aを中心にして回転し、用紙に適当な圧力を加えつつこれを送り出す。加圧ロール122は、自ら回転(すなわち自転)してもよいし、定着ベルト111の回転に応じて回転(すなわち従動)してもよい。加圧ロール122は、本発明の回転部材の一例である。
【0023】
スタッド123L、123Rは、筐体121に固定されて突起した円柱状の部材である。スタッド123L、123Rは、用紙ガイド124の位置決めの基準となる部材であり、加圧ロール122や用紙ガイド124の移動に応じて動くことがないように構成されている。スタッド123L、123Rは、本発明の突起部の一例である。
スタッド123Lは、加圧ロール122の左側に設けられており、スタッド123Rは、加圧ロール122の右側に設けられている。なお、以下において、スタッド123L、123Rを総称する場合には、これを「スタッド123」と表記する。
【0024】
用紙ガイド124は、ニップ領域から送り出された用紙を目的の方向に誘導する部材である。用紙ガイド124は、換言すれば、ニップ領域から送り出された用紙が加圧ロール122から剥離されることなく移動するのを妨げる部材である。すなわち、用紙ガイド124が用紙を誘導する方向は、用紙の搬送方向の下流側であって、用紙ガイド124が設けられている位置よりも上方に用紙が進む方向である。また、用紙ガイド124は、加圧ロール122の軸122aを中心にして時計回り及び反時計回りに回転するように設けられている。用紙ガイド124は、本発明の誘導部材の一例である。
【0025】
位置決め部材125L、125Rは、用紙ガイド124の位置決めをするための板状の部材であって、用紙ガイド124の両側に設けられる。位置決め部材125L、125Rは、例えば、カシメ加工によって用紙ガイド124に接合される。位置決め部材125L、125Rは、例えば板ばねであって、人間の力で左右方向に曲げられる程度の弾性を有する。ユーザは、用紙ガイド124を着脱する必要がある場合には、位置決め部材125L、125Rを内側に曲げて用紙ガイド124を回転させ、位置決め部材125L、125Rをスタッド123L、123Rから外した後に用紙ガイド124を抜き取る。
【0026】
また、位置決め部材125L、125Rは、スタッド123と接することによって、用紙ガイド124の回転を決められた範囲に制限する。位置決め部材125L、125Rは、本発明の制限部材の一例である。なお、以下において、位置決め部材125L、125Rを総称する場合には、これを「位置決め部材125」と表記する。
【0027】
図4は、用紙ガイド124の構成を図3と異なる方向から示す斜視図である。同図に示すように、用紙ガイド124は、複数の爪部1241を有する。爪部1241は、加圧ロール122に対して適当な接触圧で接するように、用紙ガイド124本体に対して移動可能に取り付けられている。なお、爪部1241の数は、図示したものに限定されず、これより多くても少なくてもよい。
【0028】
図5は、位置決め部材125をY軸の負方向からみた場合の構成を示す図である。位置決め部材125は、孔部1251を有し、孔部1251の内周面においてスタッド123と接する。孔部1251の大きさは、スタッド123のそれよりも大きい。位置決め部材125(及びこれが設けられた用紙ガイド124)は、スタッド123が挿入された状態において、孔部1251とスタッド123の大きさの差に応じた分だけ回転する。
なお、位置決め部材125L、125Rは、用紙ガイド124を所望の位置に位置決めすることができればよく、対称形であることを要するものではない。
【0029】
画像形成装置1の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、画像形成装置1は、用紙を搬送し、搬送した用紙にトナーを転写しこれを定着させることによって、用紙に画像を形成する。画像形成装置1は、用紙の片面のみに画像を形成することもあれば、用紙の両面に画像を形成することもある。
【0030】
画像形成装置1においては、画像形成の最中に、用紙の搬送異常、すなわち紙詰まりを生じる場合がある。紙詰まりは、搬送路のいかなる位置においても生じる可能性があり、例えば定着部10のニップ領域の前後においても生じ得る。定着部10のニップ領域においては、用紙が目的の方向に送り出されずに、加圧ロール122と用紙ガイド124の爪部1241との間に入り込むことにより紙詰まりを生じることがある。特に、用紙の両面に画像を形成する場合(すなわち、下面に画像が形成された状態の用紙がニップ領域を通過する場合)には、加圧ロール122に接した下面のトナーが再度溶融し、用紙の加圧ロール122からの剥離を阻害することがある。
【0031】
図6及び図7は、用紙ガイド124の動作を示す図である。図6は、用紙が紙詰まりを起こすことなく搬送されている場合の用紙ガイド124の位置を示し、図7は、用紙が紙詰まりを起こして折れ曲がるなどし、用紙ガイド124を上方に持ち上げる場合の用紙ガイド124の位置を示している。用紙ガイド124の移動範囲は、図6に示す位置から図7に示す位置までである。
【0032】
位置決め部材125は、孔部1251の上面においてスタッド123と接することにより、用紙ガイド124の図中の矢印D1で示す方向(すなわち時計回りの方向)への回転を図6に示す位置までに制限する。この位置において、用紙ガイド124は、爪部1241が加圧ロール122と望ましい接触圧で接することにより、加圧ロール122との間に生じ得る間隙をなくし、用紙の目的の方向への誘導を促進する。換言すれば、用紙ガイド124は、用紙が目的の方向と異なる方向に進むのを抑制している。
【0033】
また、位置決め部材125は、孔部1251の下面においてスタッド123と接することにより、用紙ガイド124の図中の矢印D2で示す方向(すなわち反時計回りの方向)への回転を図7に示す位置までに制限する。このとき、用紙ガイド124は、加圧ロール122に対向する定着ベルト111には接しない位置にある。換言すれば、位置決め部材125は、用紙ガイド124の回転を定着ベルト111に接しない位置までに制限している。
【0034】
ここにおいて、矢印D1で示す方向(この場合、下方)が本発明の第1の方向に相当し、矢印D2で示す方向(この場合、上方)が本発明の第2の方向に相当する。また、孔部1251の上面、すなわち図6においてスタッド123と接している側の面が本発明の第1の面に相当し、孔部1251の下面、すなわち図7においてスタッド123と接している側の面が本発明の第2の面に相当する。
【0035】
このように、用紙ガイド124は、位置決め部材125と孔部1251の協働によってその回転があらかじめ決められた範囲に制限される。用紙ガイド124は、下方への移動が制限されることにより、加圧ロール122に対する接触圧が過剰になることが抑制される一方、上方への移動が制限されることにより、用紙に持ち上げられても定着ベルト111に接しないようになされている。つまり、用紙ガイド124の回転が制限されることで、この制限を設けない場合に比べ、用紙ガイド124やこれに接し得る部材(定着ベルト111や加圧ロール122)が損傷する可能性が低減する。
【0036】
[変形例]
本発明の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す形態であってもよい。また、これらの形態は、必要に応じて、併用したりその一部を置き換えたりすることによって、互いに組み合わされてもよい。なお、以下の変形例において、上述した実施形態と同一の符号が付された構成要素は、上述した実施形態で説明された同名の構成要素と構成や機能が共通するものであるとする。
【0037】
(1)誘導部材が回転する軸は、回転部材と同一の軸である必要はない。例えば、上述した実施形態においては、用紙ガイド124が加圧ロール122の軸122aを中心にして回転する構成であったが、用紙ガイド124の回転の中心が加圧ロール122の軸122aである必要はない。
【0038】
図8は、本発明の誘導部材の他の例である用紙ガイド224の構成を示す図である。用紙ガイド224は、その左右に位置決め部材225を有し、スタッド223によってその回転が制限されるように構成されている。用紙ガイド224は、筐体121に対して固定された軸226を中心にして回転する。軸226は、例えば、スタッド223のように突起部として構成されている。
【0039】
なお、用紙ガイド224は、その回転の中心が加圧ロール122と異なるように構成されている点を除けば、その機能や動作が用紙ガイド124と同等である。すなわち、用紙ガイド224は、スタッド223及び位置決め部材225によって、その回転する範囲があらかじめ決められた範囲に制限されている。また、用紙ガイド224は、回転する範囲が制限されていれば、必ずしも加圧ロール122と接しなくてもよい。
【0040】
(2)本発明の誘導部材は、対向してニップ領域を形成する2つの部材がある場合において、これらの部材のいずれの側に設けられてもよい。また、本発明は、回転部材がロール部材に限定されず、ベルト部材であってもよいし、対向部材もロール部材とベルト部材のいずれであってもよい。さらに、本発明は、回転部材及び対向部材が加熱するためのものであるか否かを問わない。
【0041】
図9は、上述した実施形態の用紙ガイド118に代えて用紙ガイド324を備える構成を示す図である。用紙ガイド324は、本発明の誘導部材の一例であり、軸326を中心にして回転する。位置決め部材325は、用紙ガイド324に設けられ、孔部3251を有する。位置決め部材325は、孔部3251がスタッド322に挿入されることにより、用紙ガイド324の回転を、用紙ガイド324が定着ベルト111と適当な接触圧で接する位置から用紙ガイド324が定着ベルト111及び加圧ロール122のいずれとも接しない位置までに制限する。
【0042】
図10は、上述した定着部10と異なる態様の定着部40の例を示す図である。定着部40は、加熱ユニット41と、加圧ユニット42とを備える。加熱ユニット41は、加熱ロール411と、用紙ガイド412と、位置決め部材413と、軸414と、スタッド415とを備える。なお、軸414及びスタッド415は、定着部40の筐体に固定されている。また、加圧ユニット42は、ベルト421と、パッド422と、加圧部材423と、潤滑部材424とを備える。
【0043】
ベルト421は、加熱ロール411と接触して加熱ロール411とともに回転する無端のベルト状の部材である。加圧部材423は、例えば定着部40の筐体に固定され、パッド422を加熱ユニット41に押し付ける。パッド422は、ベルト421を加熱ロール411に押し付け、適当なニップ領域を形成させる。潤滑部材424は、オイルなどの潤滑剤を染みこませたフェルトやスポンジであり、ベルト421の内周面に潤滑剤を付与してベルト421のパッド422に対する移動(滑り)を促進する。なお、パッド422、加圧部材423及び潤滑部材424は、ベルト421とともに移動しないように構成されている。
【0044】
加熱ロール411は、ベルト421と対向してニップ領域を形成する。加熱ロール411は、内部に熱源を有し、ニップ領域において用紙を加熱する。用紙ガイド412は、本発明の誘導部材として機能する部材である。用紙ガイド412は、軸414を中心に時計回り及び反時計回りに回転し、ニップ領域を通過した用紙を目的の方向に誘導する。位置決め部材413は、本発明の制限部材として機能する部材である。位置決め部材413は、孔部4131を有し、用紙ガイド412の左右に設けられている。位置決め部材413の孔部4131は、スタッド415よりも小さく構成されており、スタッド415が挿入されることによって用紙ガイド412の回転の範囲を制限する。位置決め部材413は、用紙ガイド412が適当な接触圧で加熱ロール411と接触する位置を上限(上方の限界)とし、用紙ガイド412と加熱ロール411とがあらかじめ決められた距離を隔てて離間し、かつ用紙ガイド412がベルト421と接しない位置を下限(下方の限界)とするように、用紙ガイド412の回転の範囲を制限する。
【0045】
なお、定着部40は、図10に示したように加熱ユニット41が上方、加圧ユニット42が下方にある必要はなく、その位置関係が逆転してもよい。また、定着部40は、加熱ユニット41と加圧ユニット42とがZ軸方向(上下方向)に並ぶ必要もなく、X軸方向(横方向)に並んでもよい。さらに、定着部40は、加熱ユニット41側に代えて加圧ユニット42側に本発明の誘導部材(用紙ガイド412に相当する構成)を備えてもよいし、加熱ユニット41側に代えて加圧ユニット42側の双方にこれを備えてもよい。
【0046】
(3)本発明の誘導部材は、用紙などのシート状の媒体を誘導するものであればよく、定着部に設けられることを要するものではない。本発明の誘導部材は、回転部材とその対向部材とによってニップ領域が形成される位置において、送り出された媒体を目的の方向に誘導するものであれば、回転部材や対向部材が有する機能を特に問わない。したがって、本発明の誘導部材(及びこれを備える媒体搬送装置)は、対向してニップ領域を形成する2つの部材が設けられる位置であればどのような位置に設けられてもよく、例えば、上述した転写部20や搬送部30に設けられてもよい。
【0047】
(4)本発明の制限部材は、第1の面及び第2の面を孔部によって構成する必要はない。
図11は、制限部材の他の例を示す図であり、位置決め部材125と置換可能な位置決め部材525を示す図である。位置決め部材525は、位置決め部材125から二点鎖線で示した部分を取り除いた構成であり、第1の面5251と第2の面5252とを有する。位置決め部材525は、用紙ガイド124に取り付けられた場合に、第1の面5251と第2の面5252とにおいてスタッド123と接する。
【0048】
なお、位置決め部材125と位置決め部材525とを比較すると、回転に対する強度(変形のしにくさ)は位置決め部材125の方が高い。よって、より高い強度が要求される場合には、位置決め部材525よりも(孔部1251を有する)位置決め部材125を用いた方が望ましいといえる。
【0049】
(5)図12は、制限部材の他の例を示す図であり、位置決め部材125Rと置換可能な位置決め部材625Rを示す三面図である。位置決め部材625Rは、傾斜面6252を備える点が位置決め部材125Rと相違するが、その他の機能などは位置決め部材125Rと共通している。傾斜面6252は、孔部6251の下部、より具体的には孔部6251にスタッド123Rが挿入されるときにスタッド123Rが接する位置に設けられ、位置決め部材625Rの湾曲を促す。なお、位置決め部材625Rは、加圧ロール122の右側に設けられる制限部材である。加圧ロール122の左側には、位置決め部材625Rとは左右対称に構成された別の制限部材が設けられるが、その機能や動きは位置決め部材625Rと同じである。
【0050】
図13は、用紙ガイド124が装着されるときの位置決め部材625Rの動きの遷移を示す図である。位置決め部材625Rは、下方(すなわち第1の方向)に向かう力が加えられると、まず、図13(a)に示すように、傾斜面6252においてスタッド123Rと接する。位置決め部材625Rは、下方に向かう力がさらに加えられ、スタッド123Rに押し付けられると、第1の方向に移動しようとする回転力の一部が位置決め部材625Rをスタッド123Rの先端方向に湾曲させる力に変換され、図13(b)に示すように湾曲する。その後、位置決め部材625Rは、下方に向かう力がさらに加えられ、スタッド123Rが孔部6251の位置に達すると、自らの弾性力によって元の湾曲していない形状に復元し、図13(c)に示す状態、すなわちスタッド123Rが孔部6251に挿入された状態になる。
【0051】
なお、用紙ガイド124は、コイルばねなどの弾性部材によって下方に押し付ける力が与えられてもよい。この弾性部材は、用紙ガイド124が加圧ロール122に接する力を補うものであり、用紙ガイド124の自重だけでは十分な接触圧が得られない場合に設けられるとよい。ただし、弾性部材を設けると、用紙ガイド124の着脱時に弾性部材の着脱も必要になるため、ユーザの手間が増加する。よって、用紙ガイド124の自重だけで十分な接触圧が得られる場合であれば、この弾性部材は設けない方が望ましい。
【0052】
(6)本発明の突起部は、制限部材の第1の面と第2の面とに接する面を有し、誘導部材を決められた位置に位置決めする機能を有していれば、その具体的な形状は特に限定されない。よって、本発明の突起部は円柱状である必要はなく、角柱状であってもよい。また、本発明の突起部は、制限部材と接する面に溝を有し、この溝が設けられた位置において制限部材と接するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…画像形成装置、10、40…定着部、11…加熱ユニット、111…定着ベルト、112、113、114…加熱ロール、115、116…支持ロール、117…剥離パッド、118…用紙ガイド、12…加圧ユニット、121…筐体、122…加圧ロール、122a…軸、123、123L、123R…スタッド、124…用紙ガイド、125、125L、125R…位置決め部材、1251…孔部、20…転写部、30…搬送部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向部材とニップ領域を形成し、回転することによって当該ニップ領域に介在するシート状の媒体を送り出す回転部材と、
あらかじめ決められた位置にある軸を中心にして第1の方向とその反対方向である第2の方向とに回転するように設けられ、前記回転部材により送り出された媒体を目的の方向に誘導する誘導部材と、
前記誘導部材の位置決めの基準となる突起部と、
前記誘導部材に設けられ、前記突起部に接する第1の面と第2の面とを有する制限部材であって、前記誘導部材の前記第1の方向への回転を、前記第1の面が前記突起部に接する位置であって前記媒体を前記目的の方向に誘導する位置までに制限し、前記誘導部材の前記第2の方向への回転を、前記第2の面が前記突起部に接する位置であって前記誘導部材が前記対向部材に接しない位置までに制限する制限部材と
を備える媒体搬送装置。
【請求項2】
前記制限部材は、前記突起部が挿入され、内周面が前記第1の面と前記第2の面とを構成する孔部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記制限部材は、前記突起部が前記孔部に挿入されていない状態において当該突起部に接し、前記誘導部材を前記突起部に押し付ける回転力が加えられると、当該回転力から当該制限部材を前記突起部の先端方向に湾曲させる力を生じさせる傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の媒体搬送装置により前記媒体を搬送し、当該媒体に画像を形成する画像形成手段
を備える画像形成装置。
【請求項1】
対向部材とニップ領域を形成し、回転することによって当該ニップ領域に介在するシート状の媒体を送り出す回転部材と、
あらかじめ決められた位置にある軸を中心にして第1の方向とその反対方向である第2の方向とに回転するように設けられ、前記回転部材により送り出された媒体を目的の方向に誘導する誘導部材と、
前記誘導部材の位置決めの基準となる突起部と、
前記誘導部材に設けられ、前記突起部に接する第1の面と第2の面とを有する制限部材であって、前記誘導部材の前記第1の方向への回転を、前記第1の面が前記突起部に接する位置であって前記媒体を前記目的の方向に誘導する位置までに制限し、前記誘導部材の前記第2の方向への回転を、前記第2の面が前記突起部に接する位置であって前記誘導部材が前記対向部材に接しない位置までに制限する制限部材と
を備える媒体搬送装置。
【請求項2】
前記制限部材は、前記突起部が挿入され、内周面が前記第1の面と前記第2の面とを構成する孔部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記制限部材は、前記突起部が前記孔部に挿入されていない状態において当該突起部に接し、前記誘導部材を前記突起部に押し付ける回転力が加えられると、当該回転力から当該制限部材を前記突起部の先端方向に湾曲させる力を生じさせる傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の媒体搬送装置により前記媒体を搬送し、当該媒体に画像を形成する画像形成手段
を備える画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−76865(P2013−76865A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216940(P2011−216940)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]