説明

嫌気性処理装置およびこれを備える廃棄物処理システム

【課題】TSが高い条件で有機性廃棄物を処理する場合であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ有機性廃棄物を容器内に供給することができる構造を備えた嫌気性処理装置を提供すること。
【解決手段】生ゴミをメタン発酵する容器11と、容器11に生ゴミを投入するための投入装置14と、メタン発酵処理されたあとに残る発酵残渣を容器11の外部に排出するための排出装置15とを備えるメタン発酵装置1である。投入装置14は、容器11の上方から内部へ向けて当該容器11を貫通するように配設され、下端20aが開放された筒状体20と、筒状体20の下端20aとの間に間隙を設けて且つ容器11内に投入された生ゴミよりも上方に位置するように配設された生ゴミの受入部17と、受入部17の上側に設けられ、前記間隙から容器11内へ生ゴミを供給するための供給装置29とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミ・家畜糞尿・古紙・汚泥などの有機性廃棄物を嫌気性処理する嫌気性処理装置およびこれを備える廃棄物処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
嫌気性処理とは、嫌気性細菌を用いて有機性廃棄物を分解する生物処理のことをいう。嫌気性処理の例として、メタン発酵処理、水素発酵処理を挙げることができる。ここで、都市ゴミなどの廃棄物をメタン発酵可能な有機性廃棄物とメタン発酵に適さない廃棄物とに分別し、有機性廃棄物をメタン発酵処理する技術がある。メタン発酵処理とは、メタン発酵菌の作用で有機性廃棄物を嫌気性分解する処理のことをいう。有機性廃棄物の分解により得られるメタンガスを利用して燃料、電気や熱の形でエネルギー回収することができる。
【0003】
メタン発酵処理は、処理対象物である有機性廃棄物の濃度(TS(固形物濃度))を15%以下程度に調整してメタン発酵させる湿式メタン発酵処理と、TSを15〜30%程度に調整してメタン発酵させる乾式メタン発酵処理と、に大別される。乾式メタン発酵処理は、湿式メタン発酵処理よりもTSの高い処理、すなわち高負荷処理であるため、乾式メタン発酵処理によると、湿式メタン発酵処理の場合に比して排水処理設備を小さくすることができる、という利点がある。この乾式メタン発酵処理に関する技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1にも記載されているように、通常、乾式メタン発酵処理では、処理対象物である有機性廃棄物の取り扱いを容易にし、且つ有機性廃棄物を好適にメタン発酵処理するために、実際には有機性廃棄物に水分を添加して水分調整が必要となる場合が多い。そのため、メタン発酵処理されたあとに残る発酵残渣は、脱水機などで固形分と水分とに固液分離され、分離された濾液(水分)は排水処理設備に送られて処理される。
【0005】
【特許文献1】特開2004−17024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように、乾式メタン発酵処理によると、湿式メタン発酵処理の場合に比して排水処理設備を小さくすることができる、という利点がある。しかしながら、特許文献1にも記載されているように、従来のメタン発酵処理では、湿式・乾式に関係なく、残渣からの濾液(水分)を処理するための排水処理設備が必要であった。乾式メタン発酵と言えども、消化液を液肥利用する場合を除き、排水処理は必要であった。すなわち、排水処理設備の不要な無排水式あるいは非常に小型の排水処理設備で済むメタン発酵処理が望まれる。
【0007】
ここで、排水処理設備をなくすためには、有機性廃棄物の水分調整を行わず、すなわち、TSが高いまま有機性廃棄物をメタン発酵処理することが考えられる。一方、メタン発酵処理においては、メタン発酵に用いる容器内を嫌気性に保つ必要があり、容器のシール性を高めることが重要である。従来の乾式メタン発酵処理では、モーノポンプや油圧ポンプなどを用いて有機性廃棄物を容器内に圧送して投入している。モーノポンプなどによる圧送によると密閉性が確保されるため、容器に設けられた有機性廃棄物の投入口は外部と遮断され、容器内は嫌気性に保たれる。しかしながら、TSの高い有機性廃棄物は、流動性が悪いためにモーノポンプなどを用いて圧送することが困難である。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、TSが高い条件で有機性廃棄物を処理する場合であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ有機性廃棄物を容器内に供給することができる構造を備えた嫌気性処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、有機性廃棄物を嫌気性処理する容器と、前記容器に有機性廃棄物を投入するための投入装置と、嫌気性処理されたあとに残る残渣を前記容器の外部に排出するための排出装置と、を備え、前記投入装置は、前記容器の上方から内部へ向けて当該容器を貫通するように配設され、下端が開放された筒状体と、前記筒状体の下端との間に間隙を設けて、且つ前記容器内に投入された有機性廃棄物よりも上方に位置するように配設された有機性廃棄物の受入部と、前記受入部の上側に設けられ、前記間隙から前記容器内へ有機性廃棄物を供給するための供給装置と、を備える嫌気性処理装置を提供する。
【0010】
この構成によると、有機性廃棄物が筒状体に投入され受入部上に落下していくことで、有機性廃棄物は、その自重により筒状体内で圧密されていく。圧密された有機性廃棄物により、容器の内部は外部と遮断される。これにより、モーノポンプなどを用いた圧送手段でなくとも、容器内への有機性廃棄物の投入部を外部と遮断できる。すなわち、TSが高い条件で有機性廃棄物を処理する場合であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ有機性廃棄物を容器内に供給することができる。なお、上記供給装置を動作させることにより、筒状体内の圧密された有機性廃棄物を筒状体内から容器内へ供給する(落下させる)ことができる。
【0011】
また本発明において、前記容器の底部は、一端側から他端側へ向かって下方に傾斜しており、前記排出装置は、前記底部の一端側に設けられ、前記底部の他端側に設けられた液抜口と、前記底部の他端側に溜まった液体を前記液抜口から抜き出して前記容器の上部に送るポンプと、前記容器内の上部に配設され、前記ポンプから送られてきた液体を前記容器内に散布するための散布装置と、を備えることが好ましい。
【0012】
この構成によると、容器内の有機性廃棄物からしみ出てきた液体を、液抜口が設けられた容器底部の他端側(低い側)に効率的に集めることができる。容器底部の他端側(低い側)に溜まった液体を容器の上部に送り容器内に散布することで、嫌気性細菌が容器底部から容器上部へ戻され、容器内全体で好適に嫌気性処理を進行させることができる。
【0013】
なお、排出装置が設けられた容器底部の一端側(高い側)では、残渣の含水率が低下する。これにより、容器の外部に排出される残渣の含水率をより低くすることができる。
【0014】
さらに本発明において、前記排出装置から前記投入装置または直接容器内へ残渣の一部を戻すための残渣返送装置を備えることが好ましい。
【0015】
この構成によると、嫌気性処理されたあとに残る残渣を種汚泥として用いることができ、容器内の嫌気性処理を好適に進行させることができる。
【0016】
さらに本発明において、前記投入装置の前段に配設され、有機性廃棄物を破砕する破砕装置を備えることが好ましい。
【0017】
この構成によると、破砕されることにより有機性廃棄物は細かくなり、筒状体内の有機性廃棄物の圧密性が高まる。その結果、有機性廃棄物による密閉効果を高めることができる。また、嫌気性処理の効率も上がる。
【0018】
さらに本発明において、前記排出装置から排出される残渣を加熱処理する残渣加熱処理装置を備えることが好ましい。
【0019】
排出装置から排出された残渣中には有機性廃棄物が残存する。そして、この残存有機性廃棄物が嫌気性分解してメタンガスや水素ガスなどのバイオガスが生成するおそれがある。しかしながら、この構成によると、残渣が加熱処理されることで、嫌気性細菌は不活性化される。これにより、上記バイオガスの生成を抑制できる。なお、残渣加熱処理装置の代わりに、空気または酸素を残渣に供給するガス供給装置を設けてもよい。空気または酸素を残渣に供給することで、嫌気性細菌は同様に不活性化され、メタンガスや水素ガスなどのバイオガスの生成を抑制することができる。
【0020】
また本発明は、その第2の態様によれば、本発明の嫌気性処理装置と、前記嫌気性処理装置から排出される残渣を焼却処理するための焼却炉と、を備える廃棄物処理システムを提供する。この廃棄物処理システムによると、TSが高い有機性廃棄物が処理対象物であったとしても、その嫌気性処理および焼却処理を好適に行うことができる。
【0021】
さらに本発明は、その第3の態様によれば、本発明の嫌気性処理装置と、前記嫌気性処理装置から排出される残渣を堆肥化するための好気性処理設備と、を備える廃棄物処理システムを提供する。この廃棄物処理システムによると、TSが高い有機性廃棄物が処理対象物であったとしても、その嫌気性処理および堆肥化処理を好適に行うことができる。
【0022】
さらに本発明は、その第4の態様によれば、本発明の嫌気性処理装置の容器に有機性廃棄物を投入する有機性廃棄物投入方法であって、前記筒状体の上部に有機性廃棄物を供給して前記受入部の上に当該有機性廃棄物を圧密させる圧密工程と、前記供給装置を動作させて、前記圧密させた有機性廃棄物を前記間隙から前記容器内へ供給する供給工程と、を備える有機性廃棄物投入方法を提供する。
【0023】
この構成によると、圧密された有機性廃棄物により、容器の内部は外部と遮断される。これにより、容器内への有機性廃棄物の投入部を外部と遮断できる。すなわち、TSが高い条件で有機性廃棄物を処理する場合であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ有機性廃棄物を容器内に供給することができる。なお、上記供給装置を動作させることにより、筒状体内の圧密された有機性廃棄物を筒状体内に詰まらせることなく容器内へ供給する(落下させる)ことができる。
【0024】
また本発明において、有機性廃棄物を破砕した後、前記筒状体の上部に有機性廃棄物を供給することが好ましい。この構成によると、破砕されることにより有機性廃棄物は細かくなり、筒状体内の有機性廃棄物の圧密性が高まる。その結果、有機性廃棄物による密閉効果を高めることができる。また、嫌気性処理の効率も上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る廃棄物処理システム100を示すブロック図である。以下に示す廃棄物処理システム100は、都市ゴミを処理対象物としている。また、廃棄物処理システム100を構成するメタン発酵装置1は、都市ゴミから分別された有機性廃棄物(生ゴミや紙類)を処理対象物としている。なお、本発明の廃棄物処理システムは、都市ゴミに限らず、さまざまな一般廃棄物、産業廃棄物などを処理対象とすることができるシステムである。同様に、本発明のメタン発酵装置は、生ゴミや紙類だけでなく、家畜糞尿・汚泥などの有機性廃棄物を処理することもできる装置である。
【0026】
(廃棄物処理システムの構成)
図1に示すように、本実施形態の廃棄物処理システム100は、メタン発酵装置1と、処理工程においてメタン発酵装置1の上流側に配置される分別機3と、メタン発酵装置1の下流側に配置される焼却炉2、脱硫塔5、およびガスホルダー6とを備えている。まず、全体説明として、廃棄物処理システム100を構成するこれらの機器を説明した後、廃棄物処理システム100による都市ゴミの処理概要について説明する。なお、メタン発酵装置1については、後述することとする。
【0027】
(分別機)
分別機3は、投入された都市ゴミをメタン発酵可能な有機性廃棄物(生ゴミや紙類)とメタン発酵に適さない廃プラスチックなどの廃棄物とに分別する機械である。メタン発酵装置1の前段に配置される。分別機3としてはトロンメル等の回転篩や風力選別、磁力選別などを必要に応じて組み合わせて使用する。また、分別の前処理として、破袋、破砕を行うことが好ましい。
【0028】
(焼却炉)
焼却炉2は、メタン発酵装置1から排出された発酵残渣と、分別機3により分別された廃プラスチックなどの廃棄物とを焼却処理する炉である。焼却炉2としては、固定床炉、流動床炉、ストーカ炉などがある。メタン発酵装置1から排出された発酵残渣は、一旦、ゴミピット4に入れられ、その後、焼却炉2にて焼却処理される。なお、分別機3により分別された廃プラスチックなどの廃棄物もゴミピット4に一旦投入され、ゴミピット4から発酵残渣と廃プラスチックなどの廃棄物とが焼却炉に投入される。
【0029】
(脱硫塔)
脱硫塔5は、メタン発酵装置1から排出されたバイオガス中に含まれる硫化水素を除去するための装置である。脱硫塔5には、湿式脱硫塔、乾式脱硫塔などがあり、単独でまたは組み合せて使用される。湿式脱硫塔によれば、バイオガス中に含まれる二酸化炭素を除去することもできる。ここで、メタン発酵装置1から排出された直後のバイオガスの成分は、メタンが約60%、二酸化炭素が約40%であり、窒素・硫化水素などのその他ガスがバイオガス中に微量含まれている。バイオガスに含まれる二酸化炭素を除去してメタンガス濃度を高めることで、バイオガスの発熱量が高まる。なお、通常の湿式脱硫塔で二酸化炭素を完全に除去することはできない。また、乾式脱硫塔は、脱硫の仕上げとして用いられることが多い。
【0030】
(ガスホルダー)
ガスホルダー6は、脱硫塔5を出たバイオガスを貯留しておくものであり、脱硫塔5の後段に配置される。ガスホルダー6に貯留されたバイオガスを燃料として、例えば焼却炉等の補助燃料として利用したり、ガスエンジン・ガスタービン・燃料電池などを駆動し、電気や熱(温水)の形でエネルギー回収したりする。
【0031】
(都市ゴミの処理概要)
図1中の実線の矢印は固形物の流れを示し、点線の矢印はガスの流れを示している。分別機3により分別された有機性廃棄物(生ゴミ)は、メタン発酵装置1に送られメタン発酵装置1にてメタン発酵処理される。メタン発酵処理されたあとに残る発酵残渣は、メタン発酵装置1からゴミピット4に送られ、その後、焼却炉2に投入される。焼却炉2に投入された発酵残渣は、分別機3により分別された廃棄物とともに焼却処理される。一方、メタン発酵処理されて発生したバイオガスは、脱硫塔5を通って脱硫処理された後、ガスホルダー6に送られて貯留される。なお、メタン発酵装置1から取り出した発酵残渣を焼却処理するのではなく好気性発酵処理(堆肥化処理)してもよい。
【0032】
本実施形態の廃棄物処理システム100は、排水処理設備を有さないため、全体として敷設面積を小さくすることができる。なお、仮に排水処理設備を設けたとしても、その処理量は従来に比して極めて小さくすることができるので、この観点からも敷設面積を小さくすることができる。
【0033】
(メタン発酵装置)
メタン発酵装置1は、有機性廃棄物(生ゴミ/紙類)を嫌気性処理(メタン発酵)させる装置である。図2に、図1のメタン発酵装置1の詳細を示している。図3は、図2のA部詳細図である。
【0034】
図2に示すように、メタン発酵装置1は、有機性廃棄物(生ゴミ/紙類)をメタン発酵する容器11と、容器11に生ゴミ等を投入するための投入装置14と、メタン発酵処理されたあとに残る発酵残渣を容器11の外部に排出するための排出装置15とを備えている。また、投入装置14には生ゴミ等の搬送装置13が接続され、搬送装置13の前段には破砕機12が設けられている。以下、メタン発酵装置1を構成するこれらの機器について処理工程の上流側から順に説明する。
【0035】
(破砕機)
破砕機12は、生ゴミを破砕処理するための装置である。都市ごみの場合、前述した分別機3の前処理として、破袋処理、破砕処理を行っているが、前処理とは別に生ゴミを破砕して細かくすることで、後段の容器11におけるメタン発酵効率が向上する。また、詳しくは後述するが、生ゴミは、容器11の上部に設けられた投入装置14の筒状体20の中を通ってから容器11内に供給される。生ゴミを破砕して細かくすることで、筒状体20内の生ゴミの圧密性が高まる。その結果、容器11内と外部との間の生ゴミによる密閉効果を高めることができる。なお、破砕機としては一軸破砕機や二軸破砕機を利用できるが、圧密性を高め、効果的に破砕できる点から粉砕機などを利用することが好ましい。
【0036】
(搬送装置)
搬送装置13は、破砕処理された生ゴミを定量的に投入装置14へ送るための装置である。搬送装置13としては、スクリューフィーダ、パイプコンベアなどがある。スクリューフィーダ、パイプコンベアなどの搬送装置13によると、TSが高い有機性廃棄物(流動性が悪い有機性廃棄物)であっても問題なく送ることができる。
【0037】
(投入装置)
投入装置14は、容器11に生ゴミを投入するための装置である。この投入装置14は、容器11の上方からその内部へ向けて容器11を貫通するように配設される筒状体20と、筒状体20の下端20aとの間に間隙を設けて配設される受入部17と、筒状体20の上側に設けられる電動の供給装置29とを備えている。
【0038】
(筒状体)
筒状体20は、所定長さを有する筒状体であり、容器11の上方からその内部へ向けて容器11を鉛直方向に貫通している。容器11の外部に位置する部分の側部には、搬送装置13の下流側端部が接続されている。筒状体20の下端20aは開口となっており、容器11内に開放されている。筒状体20の上端は閉止され、外部に対して遮断されている。筒状体20と搬送装置13との接続部、および容器11における筒状体20の貫通部は、いずれもシールされる。
【0039】
なお、筒状体20は、その下端部が容器11の天井に近い位置に位置するように配置されることが好ましい。これにより、容器11内の気相部を小さくでき、その結果、メンテナンスの際に空気または不活性ガスとの置換が容易となるとともに、処理対象物を大量に容器11に投入することができるようになる。
【0040】
(受入部)
受入部17は、搬送装置13から筒状体20に投入された生ゴミを蓄積するためのものである。図3に詳細を示すように、受入部17は、筒状体20の下端20aとの間に寸法hの間隙を設けてこの筒状体20の下方に配設されている。受入部17は、例えば円板状の板材である。受入部17の径は、供給装置29を構成する攪拌翼18の径よりも少し大きい。なお、後述する撹拌翼18によって有機性廃棄物を排出する空間を十分に有する場合、撹拌翼18と筒状体20の隙間は狭い方が良い。
【0041】
また、受入部17は、容器11内の生ゴミの上面よりも上方に位置するように配設されている。これにより、筒状体20内部から容器11内への生ゴミの供給を停滞させることなく行うことができる。
【0042】
(供給装置)
供給装置29は、筒状体20内部から容器11内へ生ゴミを供給するための装置である。供給装置29は、攪拌翼18と、攪拌翼18を回転させるための軸19とを備える電動あるいは油圧動の装置である。
【0043】
攪拌翼18は、筒状体20の下端20aと受入部17との間の間隙に配設されている。攪拌翼18は軸19回りに120度の位相差で等間隔に配置された例えば3枚の翼からなるものであり、翼中心部に軸19の下端部が取り付けられている。なお、端部に軸19が取り付けられる1枚の片持翼からなる攪拌翼18であってもよい。軸19は、筒状体20内の中心に鉛直方向に配置され、上端には電動機Mが取り付けられている。なお、撹拌翼18としては回転方向に対して後退した(後方に湾曲した)翼を有するパドル翼を利用することが好ましく、2枚翼〜6枚翼、更に好ましくは2枚翼〜4枚翼のものを利用することが好ましい。撹拌翼18を後退翼としたのは撹拌翼18の回転によって生ゴミを外に押し出すことができるため、翼近傍(特に回転方向翼前面)での詰まりを防ぐことができるためである。また、2〜6枚翼、さらには2〜4枚翼が好ましいのは1枚翼ではバランスが悪く、ごみ質やごみの大きさによっては7枚翼以上になると翼間の空隙が狭くなり詰まり易くなるためである。
【0044】
軸19の下端は、軸19が回転可能に、受入部17に対して固定されている。また、受入部17は、筒状体20の下部側面に対して3つの固定部材30で固定されている。このような構造とすることで、回転する攪拌翼18に対して偏荷重が作用した場合に、攪拌翼18の振れを防止することができる。なお、固定部材30は。例えば径の小さい金属製管材(パイプ材)などから形成される。パイプ材を用いることで攪拌翼18と固定部材30との間での生ゴミの閉塞を防止できる。
【0045】
攪拌翼18の径は、筒状体20の外径よりも少し大きくされている。ここで、攪拌翼18を停止させている期間は、筒状体20の下部に蓄積する生ゴミをそのままの状態に(落下しないように)しておく必要があり、攪拌翼18の径を筒状体20の外径よりも少し大きくすることで、生ゴミの落下防止になる。また、攪拌翼18の径が筒状体20の外径よりも少し大きいほうが、攪拌翼18を回転させた場合に生ゴミを落下させやすい。なお、筒状体20内で生ゴミが閉塞を起こした場合に備えて、筒状体20又は軸19を振動させる振動装置を設けても良い。
【0046】
(容器)
容器11は、その内部で生ゴミをメタン発酵させるための容器である。例えば鋼板製の密閉容器(タンク)で、グラスウールなどの断熱材により周囲は被覆される。容器11の上部には、前記した投入装置14、およびバイオガスを排出するためのノズル(排出口)が設けられている。容器11内の空間部は、バイオガスで満たされており、その圧力は例えば100〜200mmAqに調整される。また、容器11の底部には、残渣落し込み装置16が設けられている。残渣落し込み装置16は、投入装置14を構成する供給装置29のような回転式のものであってもよいし、長方形の板を往復運動させるなどして生ゴミを掻き取り排出装置15に落とし込む往復駆動式のものであってもよい。残渣落し込み装置16により、容器11内での生ゴミのブリッジング(生ゴミが落下しない状態)を防止できる。なお、容器11には、容器11内の生ゴミを掻き混ぜるための攪拌装置(不図示)が設けられてもよい。この攪拌装置(不図示)の主たる目的は、容器11内の生ゴミのブリッジングを防止することであるが、この攪拌装置(不図示)による攪拌によりメタン発酵効率も向上する。また、容器11内の生ゴミを偏りなく均一にするために生ゴミ表面部を均す撹拌翼やスクレーパーのような掻き取り部材やプッシャーなどを設けても良い。
【0047】
また、容器11内の生ゴミのブリッジングを防止するための他の方法としては、容器11の外部から容器11内の生ゴミに向けて、窒素などの不活性ガスを噴射させる方法もある。さらには、少量であれば、不活性ガスではなく圧縮空気を容器11の外部から容器11内の生ゴミに向けて噴射してもよい。また、容器11内の生ゴミのブリッジングを防止するための他の方法としては、容器11の外部から容器11内の生ゴミに向けて、棒状部材を往復稼動させても良い。上記、不活性ガスの噴出や棒状部材を利用する場合、容器11の壁面に複数設けることが好ましく、それぞれ高さを違えて設けることが好ましい。
【0048】
ここで、メタン発酵処理には、35℃程度の中温発酵処理と、55℃程度の高温発酵処理とがある。したがって、メタン発酵処理するためには生ゴミを加温することが好ましい。容器11内へ生ゴミを投入する前にあらかじめ生ゴミを加温してもよいし、容器11自体に加温装置を設けてもよい。容器11自体に加温装置を設ける場合は、例えば、容器11の外周面に沿わせて螺旋状に巻くように加温水管(不図示)を敷設する方法がある。加温水管としては、鋼管・塩ビ管・可撓性のある樹脂製ホースなどが挙げられる。
【0049】
(排出装置)
排出装置15は、容器11内でメタン発酵処理されたあとに残る発酵残渣を容器11の外部に排出するための装置である。排出装置15としては、スクリューフィーダ、パイプコンベアなどがある。スクリューフィーダ、パイプコンベアなどの排出装置15によると、含水率の低い発酵残渣(流動性に乏しい発酵残渣)であっても問題なく送ることができる。排出装置15は、容器11の底部であって、残渣落し込み装置16の下側に配置されている。
【0050】
排出装置15、搬送装置13、および投入装置14などを制御することにより、容器11内の生ゴミの滞留時間(固形物滞留時間)を調整する。容器11内の固形物滞留時間は、中温発酵処理の場合20日〜30日、高温発酵処理の場合約10日とされる。高温発酵処理を採用して固形物滞留時間を短くすれば、容器11の容積を小さくすることができる。
なお、排出部分は生ゴミが圧密されており、また、一部分解されて細かくなると共に排出装置15内を常に発酵残渣が詰まった状態を保つことにより容器11内のシール性も保つことができる。また、排出装置15の位置については特に限定されず、発酵残渣を容器中央部から抜き出す構造であっても良く、容器壁面近傍で抜き出す構成であっても良い。
【0051】
(投入装置の作動)
次に、投入装置14の作動について説明する。図4は、図2に示す投入装置14の作動について説明するための図である。
【0052】
まず、容器11内に投入された生ゴミは、所定の滞留時間が経過すると、容器11の下部に配設された排出装置15から発酵残渣として順次、外部へ排出される。容器11内の生ゴミの量が減少した分、投入装置14を運転して容器11内に生ゴミを投入していく。
【0053】
図4(a)は、投入装置14の供給装置29が停止している状態を示し、図4(b)は、供給装置29が運転している状態を示す。
【0054】
(圧密工程)
まず、図4(a)に示すように、搬送装置13を運転することにより、筒状体20の上部に生ゴミを供給して、受入部17上に生ゴミを圧密させる。ここで、例えば、生ゴミの蓄積高さを検知するレベル計(不図示)が筒状体20に取り付けられている。このレベル計からの信号に基づいて、筒状体20内の生ゴミの蓄積高さが所定範囲に入っている状態で、搬送装置13を停止する。
【0055】
ここで、投入装置14によると、生ゴミが筒状体20に投入され受入部17上に落下していくことで、生ゴミはその自重により筒状体20内で圧密されていく。そして圧密された生ゴミにより容器11の内部は外部と遮断される。これにより、TSが高い条件で生ゴミなどの有機性廃棄物を処理する場合であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ有機性廃棄物を容器内に供給することができる。すなわち、例えばTSが50%の流動性が悪い有機性廃棄物であっても、容器内を嫌気性に保ちつつ問題なく有機性廃棄物を容器内に供給することができる。
【0056】
なお、窒素などの不活性ガスを筒状体20内の上部空間に少量供給して、不活性ガスにより生ゴミによるシール性を強化するのが好ましい。
【0057】
(有機性廃棄物供給工程)
所定の滞留時間が経過すると、容器11内に投入されている生ゴミの発酵残渣を容器11の下部から排出装置15により外部に排出する。このとき、容器11内の生ゴミ量は減少するので、減少した分、搬送装置13および投入装置14を動作させて容器11内に生ゴミを投入する。
【0058】
図4(b)に示すように、容器11への生ゴミの供給を開始するときは、搬送装置13を運転再開するとともに供給装置29を動作させる。供給装置29を動作させることにより、筒状体20の下端20aと受入部17との間の間隙から筒状体11内の圧密された生ゴミを容器11内へ供給する(落下させる)。攪拌翼18の回転数は、適宜決定される。なお、供給装置29の電動機Mをインバータ制御する構成にし、攪拌翼18の回転数を任意に変更できるようにしておくことが好ましい。生ゴミの性状に合わせて回転数を変更することで生ゴミの落下量を調整することができる。
【0059】
この有機性廃棄物供給工程中、生ゴミの蓄積高さを検知するレベル計(不図示)からの信号に基づいて生ゴミの蓄積高さを所定範囲に維持するようにすることが好ましい。具体的には、供給装置29の運転・停止などは、生ゴミの蓄積高さを検知するレベル計からの信号に基づいて行う。例えば、搬送装置13による筒状体20内への生ゴミの供給速度よりも、供給装置29による容器11内への生ゴミの供給速度が大きい場合には、生ゴミの高さが所定高さにまで下降した時点で、供給装置29の運転を停止したり、電動機Mの回転数を下げたりする。その後、生ゴミの高さが所定高さにまで上昇したら(回復したら)、供給装置29の運転を再開したり、電動機Mの回転数を上げたりする。このようにして、容器11内を確実に嫌気性に保ちつつ生ゴミを容器11内へ供給してくのである。
【0060】
(他の実施形態1)
図5は、本発明に係るメタン発酵装置の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態については、前記実施形態との相違点に重点をおいて説明する。また、前記実施形態の構成機器と同じ構成機器については同一の符号を付している。
【0061】
本実施形態のメタン発酵装置21と、前記実施形態のメタン発酵装置1との主な相違は、容器の底部形状と、本実施形態のメタン発酵装置21がさらに底部液体返送装置、残渣返送装置27、および残渣加熱処理装置26を備えていることである。
【0062】
(容器の底部形状)
本実施形態の容器22は、その一端側から他端側に向かって下方に傾斜している。そして、排出装置15は、容器22の底部の一端側(高い側)に設けられている。また、当該底部の他端側(低い側)には、液抜口22aが設けられている。ここで、容器22内に供給された生ゴミ中の水分は、生ゴミ中の固形分よりも比重が大きいため、生ゴミからしみ出し徐々に容器22の底に移動していく。容器22の底部は傾斜しているため、このしみ出てきた水分(液体)は、液抜口22aが設けられた容器底部の他端側(低い側)に集まり、排出装置15が設けられた容器底部の一端側(高い側)では、発酵残渣の含水率が低下する。これにより、容器22内のメタン菌を含んだ液体を効率的に集めることができる。なお、容器底部を2重底にし、下底に傾斜もしくは集水路を設け、上底に発酵残渣排出口と液抜き用の細かい穴を設けた構造としても良い。
【0063】
(底部液体返送装置)
底部液体返送装置は、ポンプPと、アンモニア除去装置23と、散布装置25とから構成される。
【0064】
ポンプPは、容器22の底部に溜まった液体を液抜口22aから抜き出して容器22の上部に送るためのポンプであり、液抜口22aの近傍に配置されている。容器22の底部に溜まる液体は、粘性の高い液体であり、ポンプPとしては、例えばモーノポンプが用いられる。なお、粘性が低い液体を得られる場合は遠心ポンプ等を利用しても良い。
【0065】
アンモニア除去装置23は、上記液体中に含まれるアンモニア成分(NH4−N態窒素)を除去するための装置である。液体中に含まれるアンモニア成分を除去することにより、発酵阻害を防ぎ、メタン発酵の進行をより好適に維持することができる。アンモニア除去装置23は、ポンプPと散布装置25とを結ぶ配管24中に設けられている。なお、アンモニア除去方法としてはアンモニアストリッピングなどを利用することができる。
【0066】
散布装置25は、容器22内の上部に配設され、ポンプPから送られてきた液体を容器22内に散布するための装置である。散布装置25は、配管25aと、配管25aに取り付けられた複数のノズル25bとから構成される。
【0067】
容器22の底部に溜まった液体を容器22の上部に送り容器22内に散布することで、嫌気性細菌(メタン発酵菌)が容器底部から容器上部へ戻され、容器内全体で好適にメタン発酵を進行させることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、筒状体20の内側にもノズル25bを配置し、筒状体20内に蓄積した生ゴミにも液体を散布できるようにしている。筒状体20内の生ゴミに液体を散布することで、筒状体20内の生ゴミのメタン発酵も進行しやすくなる。発生したバイオガスが筒状体20内を満たすことにより、容器22内の嫌気性をより確実なものとすることができる。また、TSの高い生ゴミであれば液体散布により生ゴミの圧密性が高まる。この観点からも容器22内の嫌気性を向上させることができる。
【0069】
(残渣返送装置)
残渣返送装置27は、排出装置15から投入装置14の上部(筒状体20の上部)へ発酵残渣の一部を戻すための装置である。残渣返送装置27としては、例えばパイプコンベアやフライトコンベアなどを用いることができる。残渣返送装置27によると、種汚泥として発酵残渣を用いることができ、容器22内のメタン発酵を好適に進行させることができる。
【0070】
また、例えば、筒状体20内に蓄積させた生ゴミの量が不十分でシール性が悪くなった場合に、搬送装置13から供給する生ゴミがない場合を仮定されたい。このとき、残渣返送装置27により筒状体20内へ発酵残渣を戻すことにより、筒状体20内のシール性を回復させることができる。すなわち、残渣返送装置27は、筒状体20内のシールのバックアップとしても用いることができる。
【0071】
(残渣加熱処理装置)
残渣加熱処理装置26は、排出装置15から排出される発酵残渣を加熱処理するための装置である。残渣加熱処理装置26としては、例えば電気ヒータを有する装置、温水ヒータを有する装置、焼却炉等での廃熱を利用する直接加熱または間接加熱装置などが挙げられる。残渣加熱処理装置26は、残渣返送装置27の接続部よりも後方部分において排出装置15に取り付けられている。
【0072】
ここで、容器22から排出された発酵残渣中にはメタン発酵可能な有機性廃棄物が残存する。そして、この残存有機性廃棄物がメタン発酵してメタンガスが生成するおそれがある。しかし、残渣加熱処理装置26により発酵残渣を70℃以上に加熱処理することで、メタン発酵菌は不活性化が促進され、メタンガスの生成は抑制される。図1に示したように、発酵残渣を焼却炉2で焼却処理する前に、しばらくゴミピット4に放置しておく場合がある。このような場合に、ゴミピット4内でのメタンガスの生成を抑制することができる。
【0073】
なお、残渣加熱処理装置26の代わりに発酵残渣に酸素や空気を吹き込むガス供給装置を設けても良い。通常、メタン発酵菌は嫌気性細菌であるため、空気や酸素を発酵残渣に供給することでメタン発酵菌の不活性化を促進し、メタンガスの生成を抑制することができる。ガス供給装置としは、空気圧縮機、空気ボンベ、酸素ボンベなどがある。
【0074】
(他の実施形態2)
図6は、本発明に係るメタン発酵装置の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態については、前記実施形態との相違点に重点をおいて説明する。また、前記実施形態の構成機器と同じ構成機器については同一の符号を付している。
【0075】
本実施形態のメタン発酵装置31と、前記実施形態のメタン発酵装置1との主な相違は、破砕機12と搬送装置13との間に加温容器28を設けていることである。
【0076】
(加温容器)
加温容器28は、破砕機12を通って送られてきた生ゴミを加温するための容器である。加温容器28には、その内部を攪拌するための攪拌装置(不図示)が設けられる。また、加温容器28は、その内部に空気を供給するための圧縮機(不図示)を付属している。加温容器28に投入された、生ゴミに空気を供給しつつ当該生ゴミを攪拌することで、好気発酵を利用して生ゴミを発熱させ、例えば60℃程度に加温する。容器11に生ゴミを供給する前にあらかじめ生ゴミを加温しておくことで、容器11内でのメタン発酵の開始を早めることができる。これにより容器11内の固形物滞留時間を短縮できる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
【0078】
例えば、焼却炉2と組み合わせて使用する場合、メタン発酵装置1の加熱や残渣加熱処理装置26の加熱熱源として焼却炉廃熱を利用することができる。メタン発酵や残渣加熱処理に利用される熱は低い温度で良いため、焼却炉2で発生した低温廃熱を好適に利用することができる。加熱の方法としては特に限定されないが、焼却炉等で発生した廃熱で水や空気を加温し、加温された温水や水蒸気、空気を利用して間接的にメタン発酵装置や残渣加熱処理装置を加熱しても良く、また、焼却炉で発生する廃ガスを直接熱源として利用し、廃ガスで間接的に加熱もしくは直接接触させて加熱しても良い。
【0079】
また、焼却炉2に代えて堆肥化装置(好気性処理設備)を設けても良い。堆肥化装置としては、通常、発酵残渣に空気を供給して発酵させる好気発酵が利用できる。この場合、好気発酵させる際に攪拌させることが好ましい。また、好気発酵は発熱反応であるため、発生した熱を前段のメタン発酵の熱源として利用しても良い。
【0080】
また、焼却処理の前段で脱水処理を行っても良い。脱水処理により発生する液分は非常に少量であるため、従来の乾式メタン発酵に比べて非常に小型の排水処理設備で処理することができる。また、容器底部にたまった液体を抜き出すために、片方を傾斜させているが、これに限定されず、容器底部に集水路を設け、集水路を利用して一カ所に液体を集める構造としても良い。
【0081】
なお、本実施形態においてはメタン菌を利用したメタン発酵について説明したが、本発明は、メタン菌に限らず、水素生成菌を利用した水素発酵にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係る廃棄物処理システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るメタン発酵装置を示す模式図である。
【図3】図2のA部詳細図である。
【図4】図2に示す投入装置の作動について説明するための図である。
【図5】本発明に係るメタン発酵装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図6】本発明に係るメタン発酵装置の他の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0083】
1:メタン発酵装置
2:焼却炉
11:容器
13:搬送装置
14:投入装置
15:排出装置
17:受入部
20:筒状体
29:供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物を嫌気性処理する容器と、
前記容器に有機性廃棄物を投入するための投入装置と、
嫌気性処理されたあとに残る残渣を前記容器の外部に排出するための排出装置と、を備え、
前記投入装置は、
前記容器の上方から内部へ向けて当該容器を貫通するように配設され、下端が開放された筒状体と、
前記筒状体の下端との間に間隙を設けて、且つ前記容器内に投入された有機性廃棄物よりも上方に位置するように配設された有機性廃棄物の受入部と、
前記受入部の上側に設けられ、前記間隙から前記容器内へ有機性廃棄物を供給するための供給装置と、を備える嫌気性処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の嫌気性処理装置において、
前記容器の底部は、一端側から他端側へ向かって下方に傾斜しており、
前記排出装置は、前記底部の一端側に設けられ、
前記底部の他端側に設けられた液抜口と、
前記底部の他端側に溜まった液体を前記液抜口から抜き出して前記容器の上部に送るポンプと、
前記容器内の上部に配設され、前記ポンプから送られてきた液体を前記容器内に散布するための散布装置と、を備えることを特徴とする、嫌気性処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の嫌気性処理装置において、
前記排出装置から前記投入装置または直接容器内へ残渣の一部を戻すための残渣返送装置を備えることを特徴とする、嫌気性処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の嫌気性処理装置において、
前記投入装置の前段に配設され、有機性廃棄物を破砕する破砕装置を備えることを特徴とする、嫌気性処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の嫌気性処理装置において、
前記排出装置から排出される残渣を加熱処理する残渣加熱処理装置または、当該残渣に空気または酸素を供給するガス供給装置を備えることを特徴とする、嫌気性処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の嫌気性処理装置と、
前記嫌気性処理装置から排出される残渣を焼却処理するための焼却炉と、
を備える廃棄物処理システム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の嫌気性処理装置と、
前記嫌気性処理装置から排出される残渣を堆肥化するための好気性処理設備と、
を備える廃棄物処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の嫌気性処理装置の容器に有機性廃棄物を投入する有機性廃棄物投入方法であって、
前記筒状体の上部に有機性廃棄物を供給して前記受入部の上に当該有機性廃棄物を圧密させる圧密工程と、
前記供給装置を動作させて、前記圧密させた有機性廃棄物を前記間隙から前記容器内へ供給する供給工程と、を備える有機性廃棄物投入方法。
【請求項9】
請求項8に記載の有機性廃棄物投入方法において、
有機性廃棄物を破砕した後、前記筒状体の上部に有機性廃棄物を供給することを特徴とする、有機性廃棄物投入方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−142742(P2010−142742A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323530(P2008−323530)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】