説明

子供受入施設リスク管理システム、その方法およびプログラム

【課題】子供受入施設における子供のリスクを簡易に管理・評価する子供受入施設リスク管理システム、その方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】子供受入施設リスク管理システム100は、リスク特定部112を含む制御部110、入力部120、出力部130、記憶部150を有し、リスク特定部112が、リスク情報マスターテーブル(RMT)を参照して、取得した施設イベントデータに基づき、この施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。リスク出力部113は、抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供受入施設リスク管理システム、その方法およびプログラム
に関し、特に子供の安全を脅かすリスクを管理する子供受入施設リスク管理システム、その方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幼児などの子供の病気や病死は、医療技術の進展に伴い減少の一途を辿っている。病気による罹患や死亡が減少するに伴って、子供の事故による怪我や死亡がその比率が増加し、事故の防止が次第に注目されるようになってきている。このような流れを受けて、幼児や児童を受け入れる主たる施設である保育園や幼稚園などにおける事故や衛生面などのリスク/安全管理が、保護者の最大の関心事となっている。しかしながら、保育園や幼稚園などにおける幼児の安全やリスクの管理は、幼稚園教諭や保育士などの子供教育や保育の専門家の経験やスキル、さらには、施設の管理者集団の経験やスキルに依存したものであり、リスク管理のためのシステムやリスク原因を評価する技法も確立されていない。
【0003】
他方、施設や組織内の労働者の労働安全衛生管理の手法としては、労働安全衛生マネージメントシステムOHSAS(Occupational Health and Safety Assessment Series)18001がある。これは、国際的な規模で認証を行っている諸機関(例えば、ロイド、SGS、日本規格協会)などが参加した国際コンソーシアムが策定した労働安全衛生マネージメントシステムの規格である。このような労働安全衛生マネージメントシステムOHSAS18001を実施するための技法として本発明者が発明した「労働安全衛生マネージメントシステム、その方法及びプログラム」(特許文献1を参照されたい。)があり、公共工事業界において実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-059332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の労働安全衛生マネージメントシステムは、例えば、工事現場で働く労働者の怪我などのリスクを管理・評価するものであり、子供受入施設の幼児や児童などの子供には適用できない。また、児童や幼児は、思慮に欠ける突発的な行動、情緒の不安定さなどの子供特有の性質があり、児童や幼児などの子供のリスク(安全)管理には問題が数多く存在する。例えば、子供は体力、体、手先、知能、精神の発達や成育が十分でないことが多く、それに起因して大人が使う場合には何ら問題がない器具や施設が、ある年齢層や属性を持つ子供の場合には非常に危険なものになる場合がある。また、子供は保育士などの管理者の目が届く領域内にいる場合は比較的安全が確保されているが、当該領域から外に出ると、極端にリスクが高まるといった問題がある。このように様々な問題がある幼児のリスク管理は、結局は、幼稚園教諭や保育士などの子供教育や保育の専門家の経験やスキルに頼っているのが現状である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、子供受入施設における子供のリスクを簡易に管理・評価する子供受入施設リスク管理システム、その方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による子供受入施設リスク管理システム(装置)は、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント(例えば、工作、体操などの行事/教育ユニット(1コマ)など)、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを格納する記憶部と、
少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータ(例えば、工作、体操などの教育ユニット、或いはこれらの時間ユニットを含む時間割、または、運動会、外遊び、プール遊び、遠足などの行事ユニット)を取得する取得部と、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定部と、
前記リスク特定部で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力部と、
を有することを特徴とする。
前記子供受入施設(或いは機関、法人、団体、会社、組織など)は、乳児、幼児などの子供に教育/保育サービスを提供する施設であり、例えば、保育園、託児所、幼稚園、小学校、塾、中学校、高校、フリースクール、水泳や体操などのスポーツ教室などである。
前記リスク情報は、例えば、危険源として、つまずきの原因となる椅子や机など、転倒の原因となる床、衝突の原因となるもの、轢かれる原因となる車両や台車、落下の原因となる遊具、切り傷の原因となる道具、子供自体などである。或いは、前記リスク情報は、イベント別の危険有害要因(危険源)および事故型分類(発生状況)を含む危険情報が規定されたものを使用してもよい。
前記施設イベントデータは、例えば、工作、体操などの教育ユニットを含む時間割、または、運動会、外遊び、プール遊び、遠足などの行事ユニットである。
【0008】
また、第2の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記リスク情報マスターテーブルに含まれるリスク情報が、各リスク情報の影響度を示すリスク評価データを含み、
前記リスク出力部が、各リスク情報の影響度を含むリスク評価データ(結果の重大性、発生の可能性、当該リスクを生ずる恐れがある行為の発生頻度、これらを考慮した総合的なリスク評価値、評価ランクなどを含む)をさらに含むリスク管理データを出力する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記施設イベントデータは、複数のイベントが時系列に規定された時間割または行事日程表であり、
前記リスク出力部が、前記リスク管理データの少なくとも一部を含む時間割または行事日程表を出力する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記リスク情報が、少なくとも1つの施設情報(大型遊具、ブランコ、滑り台、鉄棒、登り棒、池、プール、園庭、教室、トイレ、ジム、体育館、運動場、ハサミ、カッター、彫刻刀などの器具、道具など)、および、各施設情報に関連する事故発生状況を含み、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記少なくとも1つの施設情報および各施設情報に関連する事故発生状況を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、少なくとも1つの管理領域情報を記述した管理領域マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記管理領域マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記管理領域情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
好適には、前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出し、
前記管理領域マスターテーブルを参照して、前記管理領域情報に基づき、前記リスク情報の少なくとも一部を変更する。
【0012】
また、第6の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、
少なくとも1つの出入口情報(プール、施設庭(園庭)、教室、保育室、園児室、トイレ、施設全体の出入口、および、施錠、バーや仕切りなどの通行制限の状況など)を記述した出入口情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記出入口情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記出入口情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
好適には、前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出し、
前記出入口情報マスターテーブルを参照して、前記出入口情報に基づき、前記リスク情報の少なくとも一部を変更する。
【0013】
また、第7の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、
前記子供受入施設が受け入れる子供の数、および/または、属性(年齢、性質、持病、体質、発達程度、情緒の安定度、障害の有無やその程度、性別など)を含む子供情報を記述した子供情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記子供情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、子供情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
好適には、前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出し、
前記子供情報マスターテーブルを参照して、前記子供の数および/または、子供の属性に基づき、前記リスク情報の少なくとも一部を変更する。
【0014】
また、第8の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記取得部が、園児情報管理サーバから、前記子供受入施設が受け入れる子供の数、および/または、属性(好適にはこれらの履歴情報)を含む子供情報を記述した子供情報をさらに取得し、
前記記憶部が、
前記取得部により取得した子供情報から、前記記憶部内に子供情報マスターテーブルを構築し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記子供情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記子供情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
【0015】
また、第9の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、
前記子供受入施設の人員の数、および/または、属性(年齢、経験、保育/教育スキルの程度、性別など)を含む施設人員情報を記述した施設人員マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記施設人員マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設人員情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする。
好適には、前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出し、
前記施設人員マスターテーブルを参照して、前記施設人員情報に基づき、前記リスク情報の少なくとも一部を変更する。
【0016】
また、第10の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、各リスク情報に関連付けられ、リスク情報の少なくとも一部を防止、或いは、軽減する少なくとも1つの対策情報を含む対策情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記対策情報マスターテーブルを参照して、各リスク情報に関連する対策情報を特定する事例対策特定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、抽出したリスク情報の少なくとも一部を防止、或いは、軽減する、特定された対策情報をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする。
【0017】
また、第11の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、各リスク情報に関連付けられる少なくとも1つのヒヤリハット・事故事例情報を含む事例情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記事例情報マスターテーブルを参照して、各リスク情報に関連するヒヤリハット・事故事例情報(ヒヤリハット事例情報、及び/または、事故事例情報)を特定する事例対策特定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、
抽出したリスク情報、および、特定されたヒヤリハット事例情報をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする。
【0018】
また、第12の発明による子供受入施設リスク管理システムは、
前記記憶部が、
前記子供受入施設に適用される法律、基準、規則のうちの少なくとも1つの準拠すべき基準項目を含むコンプライアンス情報を記述したコンプライアンス情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記コンプライアンス情報マスターテーブルを参照して、準拠すべき基準項目が満たされている否かを判定するコンプライアンス判定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、
前記基準項目が満たされていない場合、その旨をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする。
好適には、基準項目は重大度をランク付けされたものとし、リスク出力部が、重大度が高いランク付けの判定結果だけを抽出して含ませたリスク評価データを出力する。
【0019】
上述したように本発明の解決手段をシステム(装置)として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【0020】
例えば、本発明を方法として実現させた第13の発明による子供受入施設リスク管理方法は、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント(例えば、工作、体操などの行事/教育ユニット(1コマ)など)、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを記憶手段に格納する格納ステップと、
演算手段を用いて、少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータ(例えば、工作、体操などの教育ユニット、或いはこれらの時間ユニットを含む時間割、または、運動会、外遊び、プール遊び、遠足などの行事ユニット)を取得する取得ステップと、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定ステップと、
前記リスク特定ステップで抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力ステップと、
を有することを特徴とする。
【0021】
例えば、本発明をプログラムとして実現させた第14の発明による子供受入施設リスク管理方法をコンピュータに実行させるプログラムは、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント(例えば、工作、体操などの行事/教育ユニット(1コマ)など)、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを記憶手段に格納する格納ステップと、
少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータ(例えば、工作、体操などの教育ユニット、或いはこれらの時間ユニットを含む時間割、または、運動会、外遊び、プール遊び、遠足などの行事ユニット)を取得する取得ステップと、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定ステップと、
前記リスク特定ステップで抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、子供受入施設において子供が受けるリスクを簡易に管理・評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の実施態様1による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示したシステムの記憶部に格納されるリスク情報マスターテーブルを示す図である。
【図3】図3は、図1に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図1に示したシステムにより取得される施設イベントデータの一例を示す図である。
【図5】図5は、図1に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施態様2による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図7】図7は、図6に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図6に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図6に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施態様3による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図10に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施態様4による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図14】図14は、図13に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、図13に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施態様5による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図17】図17は、図16に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、図16に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図19】図19は、本発明の実施態様6による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図20】図20は、図19に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】図21は、対策情報マスターテーブルの一部を示す図である。
【図22】図22は、事例情報マスターテーブルの一部を示す図である。
【図23】図23は、図19に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図24】図24は、図19に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図25】図25は、本発明の実施態様7による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図26】図26は、コンプライアンス情報マスターテーブルの一部を示す図である。
【図27】図27は、図25に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図28は、図25に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。
【図29】図29は、図25に示したシステムにより画面上に出力されたリスク管理データを含む園内用(保育士用)安全管理シートの一部を示す図である。
【図30】図30は、図25に示したシステムにより画面上に出力されたリスク管理データを含む保護者用安全管理シートの一部を示す図である。
【図31】図31は、本発明の実施態様8による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。
【図32】図32は、図31に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
【0025】
<実施態様1>
図1は、本発明の実施態様1による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。本実施態様では、子供受入施設としては、幼児が通う代表的な教育施設である幼稚園を想定している。以降の各実施態様でも同様である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム100は、制御部(CPU)110と、入力部120と、出力部130と、通信部140と、記憶部150と、表示部160とを有する。記憶部150は、子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント(例えば、工作、体操などの行事/教育ユニット(1コマ)など)、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルRMTを格納する。制御部110は、取得部111、リスク特定部112、およびリスク出力部113から構成される。取得部111は、入力部120に接続されたキーボードKBDを介して、或いは、ネットワークNETを介して接続されている施設管理支援サーバFMSSやサーバFMSSに接続されている端末PC1などを用いて通信部140を介して、少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータ(例えば、工作、体操などの教育ユニット、或いはこれらの時間ユニットを含む時間割、または、運動会、外遊び、プール遊び、遠足などの行事ユニット)を取得する。取得部111は、端末PC2、携帯端末PDA1、携帯電話端末MS1から施設イベントデータを取得してもよい。リスク特定部112は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得部111で取得した施設イベントデータに基づき、この施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。抽出したリスク情報は、記憶部150に中間データとして格納しておく。リスク出力部113は、出力部130を介して、リスク特定部112で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力する。リスク出力部113は、リスク管理データを表示部160に表示(出力)してもよい。或いは、リスク出力部113は、通信部140を介して、リスク管理データを外部の装置である端末PC2、携帯端末PDA1、携帯電話端末MS1に出力し、これらの端末上に表示させてもよい。このように、生成した情報や中間データおよび取得したデータを外部に送信したり、表示部に表示したり、生成した情報や中間データおよび取得したデータなどを記憶部に格納したりすることは、後述する他の実態態様でも同様に可能であることに注意されたい。なお、子供受入施設リスク管理システム100は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、サーバ、PCなどのコンピュータ、或いは、これらコンピュータに、本システムの機能部や処理手順(方法)をコンピュータ上で実現(実行)するプログラムモジュールをコンピュータが持つCPUや記憶部に保持したり、外部のサーバやストレージから読み込んだりすることで、コンピュータ上に子供受入施設リスク管理システムを構築することが好適であり、後続の各実施態様においても同様である。
【0026】
図2は、図1に示したシステムの記憶部に格納されるリスク情報マスターテーブルを示す図である。図に示すように、リスク情報マスターテーブルRMTは、子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベントEV、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報RIを含む。イベントR1eは、幼稚園や保育園で行われる保育サービスの1コマである「工作」であり、このイベントには、イベント「工作」に関連する複数のリスク情報が関連付けられている。工作に関連付けられているリスク情報には、例えば、リスク情報要素R11rがある。これは、危険源「幼児用ハサミ」、リスクの発生状況(事故発生状況)「手を切る」、リスクの想定される発生要因「不注意、施設側や保護者の指導不足」が記述されている。さらに、各イベントには、リスク評価データ/リスクの影響度が関連付けられている。より詳細には各リスク情報要素に、リスク評価データ要素がそれぞれ関連付けられている。例えば、リスク情報要素R11rには、リスク評価データ要素R11iが関連付けられている。リスク評価データ要素R11iには、リスクの重大性3、事故(リスク)が発生する可能性2、リスクが伴う作業が発生する頻度3、評価値=18(重大性×可能性×頻度)、ランク=C(評価値100以上はAA,50=<A<100、30=<B<50、10=<C<30、10未満はD)が記述されている。同様に、イベントR2eは「外遊び」であり、これには、リスク情報要素R21rなどが関連付けられている。リスク情報要素R21rには、危険源「滑り台」、リスクの発生状況「落下による骨折」、リスクの想定される発生要因「不注意、指導不足」が記述されている。本システムは、取得した情報(施設イベントデータ)に基づき、このテーブルから最も適切なリスク情報要素を抽出(特定)し、好適には、抽出したリスク情報要素に対応するリスク評価データ要素をさらに抽出(特定)する。後で詳細に説明するが、イベントのより詳細な情報や追加の情報を取得部で取得したり、リスク情報マスターテーブルRMTを施設の環境に対応するようにカスタマイズ(修正)したものを用いたりすることで、より当該施設での教育サービス/保育サービス提供時のリスクを適正に評価することが可能である。詳細なデータやカスタマイズしたテーブルを用意できない場合は、リスク評価データには、当該リスク情報(即ち、当該イベント)の総合的(平均的)なリスク評価であるリスク評価総合データR1iTを用いることが好適である。リスク評価総合データR1iTには、リスク評価データ要素の各項目の合計や平均値を記述しておくことができる。イベントR1e(工作)の場合は、リスクの評価値合計55であり、評価値平均(ave)は11、当該イベントのリスク(影響度)を示すランクはAである。同様に、イベントR2e(外遊び)の場合は、リスクの評価値合計69であり、評価値平均(ave)は17、リスク(影響度)を示すランクはAである。
【0027】
図3は、図1に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、記憶部150には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMTなど)が格納されていることを前提とする。図に示すように、ステップS11にて、取得部111は、少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータを取得する。次に、ステップS12にて、リスク特定部112は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、ステップS11にて取得した施設イベントデータに基づき、この施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。続いて、ステップS13にて、リスク出力部113は、リスク特定部112で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを表示部160に出力する。なお、施設イベントデータに含まれるイベントが複数ある場合(例えば時間割情報を取得した場合)は、ステップS12をイベントの数だけ繰り返す。
【0028】
図4は、図1に示したシステムにより取得される施設イベントデータの一例を示す図である。施設イベントデータには、行事日程表、1日の行動表など様々形式の情報を用いることが可能であるが、複数のイベントが時系列に規定された時間割はそのまま取得データとして使用することができるため、時間割の情報を用いることが好適である。図に示すように、この例での施設イベントデータは、複数のイベントが時系列に規定された幼稚園の時間割TTBである。本システムは、このような大まかな時間割を施設イベントデータとして取得し、図2に示したリスク情報マスターテーブルRMTを使用することによって、リスク評価を適正に行うことが可能である。
【0029】
図5は、図1に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割を示す図である。作図の便宜上、木曜日以降の部分は省略してある。図5に示した時間割TTB1は、図4の時間割TTBの情報を入力データとして使用し、図2に示したリスク情報マスターテーブルRMTを参照して、リスク情報を特定・抽出し、このリスク情報を時間割に含ませた形式で編集・出力したものである。図5に示すように、月曜の午前のコマM1には、施設で行われるイベント(保育/教育ユニット)「工作」のリスク情報として、危険源要素、発生状況、発生要因、リスク評価値(重大性、可能性、頻度、評価値、リスクのランク)などが表示されている。同様に、月曜日の昼のお弁当のコマM2、月曜日に午後の外遊びのコマM3、火曜日の午前の公園遊びのコマM4、水曜日の午前のお歌のコマM5、などが表示されている。作図および説明の便宜上、図2には示していないが、イベントとして「公園遊び」、「お歌」、「お弁当」などのデータがリスク情報マスターテーブルRMTに保持されている。ちなみに、図5の例では、イベント「七夕製作」に対応するイベントがリスク情報マスターテーブルRMTにないため、当該イベントに対してリスク管理データを出力することができないが、このような不都合なケースに対応する技法は実施態様2で説明する。上述したように、本実施態様によれば、子供受入施設であれば、殆どの施設で用意してある「時間割の情報」を流用するだけで、簡易に適正なリスク管理情報を出力して、施設運営における子供達のリスクを適正に管理・評価することが可能となる。
【0030】
<実施態様2>
図6は、本発明の実施態様2による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)200は、制御部(CPU)210と、入力部220と、出力部230と、通信部240と、記憶部250と、表示部260とを有する。制御部210は、取得部211、リスク特定部212、リスク出力部213、および形態素解析部214から構成される。図6のCAFRMS200は、図1に示したCAFRMS100とほぼ同様の構成および機能を有し、図1のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部210に新たに設けた形態素解析部214と、記憶部250に新たに含まれる管理領域マスターテーブルMRおよび同義語辞書データSDDとが異なる。管理領域マスターテーブルMRは、子供受入施設が子供に教育/保育サービスを提供する領域(当該領域を「管理領域」と定義する。)の情報(当該情報を「管理領域情報」と定義する。)を記述する。本実施態様では、リスク特定部212は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび管理領域マスターテーブルMRを参照して、取得部211で取得した施設イベントデータに基づき、管理領域情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。
【0031】
取得した「イベントの生のテキストデータ」だけでリスク情報を抽出できない場合(即ち、テキストデータに記述された[イベント]に対応する項目がない場合)、形態素解析部214は、テキストデータから単語を切り出す。具体的には、形態素解析部214は、施設イベントデータに含まれるイベントを示すテキストデータから、幾つかの単語を切り出す。リスク特定部212は、同義語辞書データSDDを呼び出し、テキストデータから形態素解析部214で切り出した単語に対応する同義語、類義語を抽出する。リスク特定部212は、抽出した同義語、類義語で当該イベントを置換し、再度、リスク情報マスターテーブルRMTおよび管理領域マスターテーブルMRを参照して、「同義語、類義語で置換されたイベント」を含む施設イベントデータに基づき、管理領域情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。本構成によって、イベントを記述する施設管理者の表現のゆれや多様な表現・記載に対応して、リスク情報を適切に評価・管理することが可能となる。
【0032】
管理領域マスターテーブルMRに記述される管理領域情報を例示する。
[管理領域] |[管理領域情報] |[イベントの関連付け]
教室 |管理レベル:高、常時管理 |工作、お弁当、お歌
保育館 |管理レベル:高、常時管理 |体操、体育、行事
トイレ |管理レベル:中、定期的管理 |イベントの間
講堂 |管理レベル:高、定期的管理 |行事
園庭 |管理レベル:中、定期的管理 |外遊び
グラウンド(園内) |管理レベル:中、定期的管理 |運動会練習(園内)
グラウンド(園外) |管理レベル:低、管理外 |運動会練習(運動会実施施設)
公園(園外) |管理レベル:低、管理外 |公園遊び
外部施設(博物館等)|管理レベル:低、管理外 |外部施設見学
【0033】
上記のような管理領域情報を含む管理領域マスターテーブルMRをリスク管理の評価基礎データとして利用すると、より適切にリスク評価・管理をすることが可能となる。とりわけ不審者などに対して自力で防御できず、かつ、監督する者がいないと、興味があるものに向かってすぐに駆け出したりするなど、安全管理が著しく低下してしまう幼稚園や保育園の幼児の場合は、適正な管理者(幼稚園教諭、保育士など)がいる「施設内の適正な規模の閉鎖的な空間」(典型的には「保育や教育の専門家である先生がいる教室」)ではリスクが大幅に低減される。閉鎖的な空間ではなくとも、施設内の園庭や講堂などは、園内に入る正門などの出入り口の先生、警備員などの配置によって、施設の外よりは格段にリスクが低減された状況といえる。管理領域マスターテーブルMRは、このような「管理領域」という新たに導入した概念に基づき、子供のリスクをより適正に評価・管理することを可能にするものである。例えば、管理レベルが「高」、「中」、「低」の場合は、リスク評価値を「1.0」、「1.2」、「1.5」などの重み付け数値(係数)をそれぞれ割り当てる。そして、特定・抽出された各イベントのリスク評価値に、対応するイベント関連付けを持つ「重み付け数値」を乗算して、この乗算結果をリスク評価値とすることでより適正にリスク評価を行うことが可能となる。
【0034】
図7は、図6に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、記憶部250には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDDなど)が格納されていることを前提とするが、このフローチャートでは、管理領域マスターテーブルMRを使用しない(MRを使用する例は図8を参照して後述する)。図に示すように、ステップS21にて、取得部211は、少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータを取得する。次に、ステップS22にて、リスク特定部212は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、施設イベントデータに基づき、この施設イベントデータに関連するリスク情報の抽出を試行する。続いて、ステップS23にて、リスク特定部212は、リスク情報が抽出できたか否かを判定する。リスク情報が抽出できないと判定された場合は、ステップS24にて、リスク特定部212は、施設イベントデータに含まれるイベントを形態素解析し、単語を切り出し、当該単語の類義語または同義語で当該イベントを置換し、ステップS22の処理に移行する。最後に、ステップS27にて、リスク出力部113は、リスク特定部112で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを表示部160に出力する。なお、施設イベントデータに含まれるイベントが複数ある場合(例えば時間割情報を取得した場合)は、ステップS22、S23(場合によってはS24)をイベントの数だけ繰り返す。
【0035】
図8は、図6に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、記憶部250には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDDなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、管理領域マスターテーブルMRを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図8のステップS21−S24、S27は、図7のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS25、S26のみを説明する。ステップS25にて、リスク特定部212は、管理領域マスターテーブルMRを参照して、当該イベントに対応する項目の管理領域情報を検索し、当該管理領域情報の重み付け数値を特定する。次にステップS26にて、リスク特定部212は、ステップS22で抽出したリスク情報の各数値を、ステップS25で特定した「重み付け数値」で乗算し、計算結果で各数値を置換する。最後に、ステップS27にて、リスク出力部213は、リスク特定部212で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを表示部260に出力する。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図7の処理と同様である。
【0036】
図9は、図6に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割を示す図である。即ち、イベントが実行される管理領域に応じてカスタマイズされた評価値であり、対応するイベントが記憶部にないため評価不能となっていたイベント「七夕製作」のリスク管理データを出力したものである。作図の便宜上、木曜日以降の部分は省略してある。図5に示した時間割TTB2は、図4の時間割TTBの情報を入力データとして使用し、図2に示したリスク情報マスターテーブルRMTを参照して、リスク情報を特定・抽出し、これを時間割に含ませた形式で編集・出力したものである。図9に示すように、コマM21、コマM22、M25などは、比較的管理が行き届いた安全な施設領域と考えられる教室で行われる教育ユニットであるため、重み付け数値が1であるため、図5の対応するコマM1、コマM2、M5と同様の評価値が記載されている。コマM23の「イベント外遊び」は、開放領域「園庭」で行われる教育ユニットであるため、管理レベル:中であり、重み付け数値が1.2であるため、抽出した各評価値に1.2を掛けた数値で、各評価値を置換してある。また、コマM24の「イベント公園遊び」は、施設の外にある管理外の開放領域「公園」で行われる教育ユニットであるため、管理レベル:低であり、重み付け数値が1.5であるため、抽出した各評価値に1.5を掛けた数値で、各評価値を置換してある。このように本実施態様では、管理領域という概念を導入することによって、子供のリスクをより適正に評価・管理することを可能にしている。
【0037】
さらに、コマM26のイベント「七夕製作」には対応するイベント名がテーブルRMTに存在しないため、形態素解析部214により、テキスト「七夕製作」から単語「製作」を切り出す。同義語辞書データには、「製作の類義語=工作」というエントリーがあるため、同義語辞書データSDDにより、「製作」の類義語の「工作」を抽出し、コマM26のリスク管理情報を適切に特定、抽出することが可能となっている。これは、他のイベントでも同様であり、例えば、同義語辞書データには、「音楽、楽器の類義語=お歌」というエントリーがあれば音楽関連のイベントのリスク管理データを適正に出力して、音楽関連の教育ユニットを適正にリスク評価して管理することが可能である。このように、本実施態様によれば、子供受入施設であれば、殆どの施設で用意してある「時間割の情報」を流用するだけで、時間割の簡易に適正なリスク管理情報を出力して、施設運営における子供達のリスクを適正に管理・評価することが可能となる。図6の記憶部250には、類義語および同義語の単語や熟語を含む同義語辞書データSDDが含まれ、さらに、制御部210内には単語を切り出すことができる形態素解析部214が含まれている。本システム200(より詳細にはリスク特定部212)は、取得した施設イベントデータに含まれるイベントがリスク情報マスターテーブルRMTにマッチする項目がない場合は、同義語辞書データを呼び出し、同義語、類義語を抽出し、リスク情報マスターテーブルRMTを参照してこれら同義語、類義語にマッチするものを検索する。このように構成することで、時間割などの表記上のゆれ、多様な表現・記載に影響されることなく、ほとんどのイベントに対するリスク管理データを出力することが可能となる。
【0038】
<実施態様3>
図10は、本発明の実施態様3による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)300は、制御部(CPU)310と、入力部320と、出力部330と、通信部340と、記憶部350と、表示部360とを有する。制御部310は、取得部311、リスク特定部312、リスク出力部313、および形態素解析部314から構成される。図10のCAFRMS300は、図1、図6に示したCAFRMS100,200とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部310に設けてあるリスク特定部312の機能と、記憶部350に新たに含まれる出入口情報マスターテーブルDWとが異なる。出入口情報マスターテーブルDWとは、子供受入施設が子供に教育/保育サービスを提供する施設における少なくとも1つの出入口情報(プール、施設庭(園庭)、教室、保育室、園児室、トイレ、施設全体の出入口、および、施錠、バーや仕切りなどの通行制限の状況など)を記述したものである。リスク特定部312は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび出入口情報マスターテーブルDWを参照して、取得部311で取得した施設イベントデータに基づき、出入口情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。具体的には、リスク特定部312が、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得部311で取得した施設イベントデータに基づき、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出し、出入口情報マスターテーブルDWを参照して、出入口情報に基づき、前記リスク情報の少なくとも一部を変更する。出入口情報マスターテーブルDWに記述された「出入口情報」を考慮してリスク情報を抽出するには、イベント別に設けてあるリスク情報を、さらに「出入口情報」の内容に応じて細分化することで対応することができる。但し、この場合には、「イベントの種類」×「出入口情報の種類」に応じた数だけリスク情報の項目を設定することが必要であり、前提となるテーブルの用意に比較的手間がかかる。これを解決する簡便な方法としては、一旦、各イベントに応じてリスク情報を抽出しておき、このリスク情報に含まれる各数値を、「出入口情報」に対応する重み付け数値で乗算する手法がある。これによって、出入口情報の因子を容易にリスク情報へ反映させることが可能となる。本実施態様では、後者の簡便な手法を用いて具体的に説明する。
【0039】
出入口情報マスターテーブルDWに記述される出入口情報を例示する。
[対象場所] |[出入口情報] |[イベントの関連付け]
施設全体 |境界有り、警備員による出入管理|工作、お弁当、お歌
教室 |境界有り、先生による出入管理 |工作、お弁当、お歌
保育館 |境界有り、先生による出入管理 |体操、体育、行事
トイレ |境界有り、出入管理なし |イベントの間
講堂 |境界有り、先生による出入管理|行事
園庭 |境界有り、先生による出入管理|外遊び
グラウンド(園内) |境界有り、先生による出入管理|運動会練習
公園(園外) |境界なし、出入管理不可 |公園遊び
外部施設(博物館等)|境界有り、出入管理不可 |外部施設見学
【0040】
上記のよう出入口情報を含む出入口情報マスターテーブルDWをリスク管理の評価基礎データとして利用すると、より適切にリスク評価・管理をすることが可能となる。とりわけ、出入口から入ってくる不審者などに対して自力で防御できず、かつ、監督する者がいないと、興味があるものに向かってすぐに駆け出したりするなど、安全が著しく低下してしまう幼稚園や保育園の幼児の場合は、適正な管理者(幼稚園教諭、保育士など)によって出入管理された空間(典型的には「警備員によって出入管理された幼稚園や保育園」)ではリスクが大幅に低減される。施設内の教室などは、当該領域に入るためには「教室の出入口」を通り、先生による出入管理を受けることになる。従って、そこに出入りするためには、「警備員が警備している施設内へのゲート」、「先生が管理している教室へのゲート」といった2段階のゲートを通過する必要がある園内の「教室」が一番安全で管理が行き届いていると考えてよい。これの重み付け数値を0.8とする。次に、「警備員が警備している施設内へのゲート」を通過する必要があり、施設全体(園内)のなかで教室などのゲートがある空間以外の場所は、比較的安全で管理が行き届いていると考えてよい。これの重み付け数値を1とする。
【0041】
「公園(園外)」は、境界がない場所が多く、ゲートなどで出入管理がされていない公共の空間であり、第三者や不審者が近づくこともあり得る。また、幼児が遊びを許された範囲から逸脱する恐れもある。しかし、一般的な公園は、視界が開けた空間が多く、比較的先生の目の届き易い場所が多い。このようなことを勘案し、これの重み付け数値を1.2とする。「外部施設(博物館等)」は、境界が有り、ゲートなどで第三者による出入管理はされているが、幼稚園側などの先生による出入管理はできない。また、外部施設は規模が大きい空間で死角が多く、幼児が先生の目の届く範囲から逸脱する恐れも高くなる。このようなことを勘案し、これの重み付け数値を1.5とする。出入口情報マスターテーブルDWは、このような「出入口情報」という新たに導入した概念に基づき、子供のリスクをより適正に評価・管理することを可能にするものである。
【0042】
図11は、図10に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。記憶部350には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDD、出入口情報マスターテーブルDWなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、出入口情報マスターテーブルDWを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図11のステップS31−S34、S37は、図8のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS35、S36のみを説明する。ステップS35にて、リスク特定部312は、出入口情報マスターテーブルDWを参照して、当該イベントに対応する項目の出入口情報を検索し、当該出入口情報の重み付け数値を特定する。次にステップS36にて、リスク特定部312は、ステップS32で抽出したリスク情報の各数値を、ステップS35で特定した「重み付け数値」で乗算し、計算結果で元の各数値を置換する。最後に、ステップS37にて、リスク出力部313は、リスク特定部312で抽出し、重み付け数値で子供情報を反映させたリスク情報を含むリスク管理データを表示部360に出力する。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図8の処理と同様である。なお、実施態様2で説明した図8のステップS25、S26の処理を並行して行えば、管理領域情報を反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0043】
図12は、図10に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM31は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM32は、コマM31に表示された「リスク情報」の数値の部分(リスク評価値)を、「出入口情報マスターテーブルDW」を参照して特定した出入口情報の「重み付け数値」で乗算した結果を時間割の1コマとして出力したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならずさらに出入口情報を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。
【0044】
<実施態様4>
図13は、本発明の実施態様4による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)400は、制御部(CPU)410と、入力部420と、出力部430と、通信部440と、記憶部450と、表示部460とを有する。制御部410は、取得部411、リスク特定部412、リスク出力部413、および形態素解析部414から構成される。図13のCAFRMS400は、図1、図6、図10に示したCAFRMS100,200,300とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6、図10のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部410に設けてあるリスク特定部412の機能と、記憶部450に新たに含まれる子供情報マスターテーブルCIとが異なる。子供情報マスターテーブルCIとは、子供受入施設が受け入れる子供の数、および/または、属性(年齢、性質、持病、体質、発達程度、情緒の安定度、障害の有無やその程度、性別など)を含む子供情報を記述したものである。リスク特定部412は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび子供情報マスターテーブルCIを参照して、取得部411で取得した施設イベントデータに基づき、子供情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。子供情報マスターテーブルCIに記述された「子供情報」を考慮してリスク情報を抽出するには、イベント別に設けてあるリスク情報を、さらに「子供情報」の内容に応じて細分化することで対応することができる。但し、この場合には、「イベントの種類」×「子供情報の種類」に応じた数だけリスク情報の項目を設定することが必要であり、前提となるテーブルの用意に比較的手間がかかる。これを解決する簡便な方法としては、一旦、イベントに応じてリスク情報を抽出しておき、このリスク情報に含まれる各数値を、子供情報に対応する「重み付け数値」で乗算する手法がある。これによって、子供情報の因子を容易にリスク情報へ反映させることが可能となる。本実施態様では、後者の簡便な手法を用いて具体的に説明する。
【0045】
子供情報マスターテーブルCIに記述される子供情報を例示する。
[子供情報項目] |[重み付け数値]|[イベントの関連付け]|[マスク]
子供の数500以上 |1.3 |すべてのイベント |*(無効)
子供の数250以上500未満|1.2 |すべてのイベント |*(無効)
子供の数100以上250未満|1.1 |すべてのイベント | (有効)
子供の数50以上100未満 |1.0 |すべてのイベント |*(無効)
年齢0-3歳児 |1.5 |すべてのイベント |*(無効)
年齢4-6歳児 |1.1 |すべてのイベント | (有効)
年齢7-9歳児 |1.0 |すべてのイベント |*(無効)
年齢10歳以上 |0.8 |すべてのイベント |*(無効)
持病を持つ子(程度:重)|1.3 |すべてのイベント |*(無効)
持病を持つ子(程度:中)|1.2 |すべてのイベント |*(無効)
持病を持つ子(程度:軽)|1.1 |すべてのイベント |*(無効)
特別にケアが必要な子 |1.5 |公園遊び | (有効)
特別にケアが必要な子 |1.2 |公園遊び以外のイベント|*(無効)
食物アレルギーの子 |1.2 |給食 | (有効)
【0046】
各項目はそれがリスクに与える影響を勘案し、上記のように重み付け数値を設定してあるが、ユーザがそれぞれの施設の子供の状況を考慮して任意の数値に設定(変更)し直す(カスタマイズ)ことが可能である。上記のように子供情報を含む子供情報マスターテーブルCIをリスク管理の評価基礎データとして利用すると、子供の数や属性を考慮した、より適切にリスク評価・管理をすることが可能となる。上記のようにユーザは、「マスクフィールド」に「アスタリスク*」を記入して、当該項目を無効にし、リスク特定部412の検索対象から除外して見えなくすることが可能である。このような排他的選択処理は、ラジオボタンで複数の項目で1つの選択群を形成し、どれか1つのラジオボタンを選択することで、当該項目を有効にし、他の項目を無効にする排他的選択処理をさせるインターフェイスを採用することが好適である。逆に、「マスクフィールド」がブランクの項目は有効であり、リスク特定部412の検索対象となる。上記の子供情報の例では、子供の数100以上250未満、年齢3-6歳児、特別にケアが必要な子、食物アレルギーの子が有効であり、該当するイベントの場合には、それぞれの重み付け数値でリスク評価値を乗算する。子供情報マスターテーブルCIは、上述した表を手入力して作成してもよいが、例えば、子供情報マスターテーブルCIに記述すべき子供情報の予備データとして、幼児ひとりひとりの情報(アレルギー情報など)を記憶部に格納したり、或いは、別の子供情報データベース(図示せず)から読み取ったりして、それらの統計情報を利用することによって、子供情報マスターテーブルCIを構築することが可能である。
【0047】
上記のように、全てのイベントに関連する子供情報(年齢や子供の数など)の重み付け数値は、全てのイベントの評価値に反映させる。この場合の具体的な計算は下記のようになる。
子供情報を考慮したイベント「工作」の評価値=イベント「工作」の評価値×(子供の数100以上250未満の重み付け数値[1.1])×(年齢4-6歳児の重み付け数値[1.1])
食物アレルギーの項目の重み付け数値は、イベント「給食」だけに反映させる。この場合の具体的な計算は下記のようになる。
子供情報を考慮したイベント「給食」の評価値=イベント「給食」の評価値×(子供の数100以上250未満の重み付け数値[1.1])×(年齢4-6歳児の重み付け数値[1.1])×(食物アレルギーの子の重み付け数値[1.2])
【0048】
図14は、図13に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。記憶部450には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDD、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCIなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、子供情報マスターテーブルCIを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図14のステップS41−S44、S47は、図11のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS45、S46のみを説明する。ステップS45にて、リスク特定部412は、子供情報マスターテーブルCIを参照して、当該イベントに対応する項目の子供情報を検索し、当該子供情報の重み付け数値(複数存在する場合がある)を特定する。次にステップS46にて、リスク特定部412は、ステップS42で抽出したリスク情報の各数値を、ステップS45で特定した「重み付け数値」で乗算し、計算結果で元の各数値を置換する。最後に、ステップS47にて、リスク出力部413は、リスク特定部412で抽出し、重み付け数値で子供情報を反映させたリスク情報を含むリスク管理データを表示部460に出力する。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図8、図11の処理と同様である。なお、実施態様2で説明した図8のステップS25、S26の処理を並行して行えば、管理領域情報を反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。また、実施態様3で説明した図11のステップS35、S36の処理を並行して行えば、出入口情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0049】
図15は、図13に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM41は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM42は、コマM41に表示された「リスク情報」の数値の部分(リスク評価値)を、「子供情報マスターテーブルCI」を参照して特定した複数の子供情報の「重み付け数値」で乗算した結果を時間割の1コマとして出力したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならず、さらに様々な属性を持つ子供情報を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。
【0050】
子供情報マスターテーブルCIは、子供受入施設が受け入れる子供の数、その属性、例えば、年齢、性質、アレルギー疾患などの持病、体質、発達程度、情緒の安定度、障害の有無やその程度、性別など、さらには各属性を持つ子供の数、およびこれらの履歴情報などを含むが、個々の子供の総合的な個人情報を全て網羅した形式で構成してもよい。例えば、個々の子供の年齢、健康診断結果、性別、体質、発達程度、情緒の安定度、障害の有無やその程度、これら全ての履歴情報(項目の数値や内容の変更時、追加時、削除時などの時間やその詳細な内容)を記述した、「総合的な子供情報」を子供情報マスターテーブルCIに格納しておく。そして、子供情報マスターテーブルCIに格納された「総合的な子供情報」から統計的手法で「段落0045」に記載したような本システムでの使用に適した形態の「統計情報」を抽出して、リスク特定部412の参照データとして使用することが好適である(実施態様8として詳細に後述する)。このように詳細で総合的な子供情報およびその履歴情報を保持することは、事故やヒヤリハットなどの事例が発生した場合の事後のリスク評価の分析に寄与するであろう。
【0051】
<実施態様5>
図16は、本発明の実施態様5による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)500は、制御部(CPU)510と、入力部520と、出力部530と、通信部540と、記憶部550と、表示部560とを有する。制御部510は、取得部511、リスク特定部512、リスク出力部513、および形態素解析部514から構成される。図16のCAFRMS500は、図1、図6、図10、図13に示したCAFRMS100,200,300,400とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6、図10,図13のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部510に設けてあるリスク特定部512の機能と、記憶部550に新たに含まれる施設人員マスターテーブルHRIとが異なる。施設人員マスターテーブルHRIとは、子供受入施設の子供に教育、保育、食事などのサービスを提供する側の人員(典型的には、幼稚園教諭、小学校教師、保育士、給食担当者、看護担当者など)の数、および/または、属性(年齢、経験、保育/教育スキルの程度、性別など)を含む施設人員情報を記述したものである。リスク特定部512は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび施設人員マスターテーブルHRIを参照して、取得部511で取得した施設イベントデータに基づき、施設人員情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。施設人員マスターテーブルHRIに記述された「施設人員情報」を考慮してリスク情報を抽出するには、イベント別に設けてあるリスク情報を、さらに「施設人員情報」の内容に応じて細分化することで対応することができる。但し、この場合には、「イベントの種類」×「施設人員情報の種類」に応じた数だけリスク情報の項目を設定することが必要であり、前提となるテーブルの用意や構築に比較的手間がかかる。これを解決する簡便な方法としては、一旦、イベントに応じてリスク情報を抽出しておき、このリスク情報に含まれる各数値を、施設人員情報に対応する重み付け数値で乗算する手法がある。これによって、施設人員情報の因子を容易にリスク情報へ反映させることが可能となる。本実施態様では、後者の簡便な手法を用いて具体的に説明する。
【0052】
施設人員マスターテーブルHRIに記述される施設人員情報を例示する。
[施設人員情報項目] |[重み付け数値]|[イベントの関連付け]|[マスク]
経験10年以上比率5割以上 |0.7 |すべてのイベント |*(無効)
経験5年以上比率5割以上 |1.0 |すべてのイベント | (有効)
経験3年未満比率5割以上 |1.3 |すべてのイベント |*(無効)
教諭1人当り子供数10未満 |0.8 |すべてのイベント |*(無効)
教諭1人当り子供数10以上25未満|1.1 |すべてのイベント | (有効)
教諭1人当り子供数25以上 |1.2 |すべてのイベント |*(無効)
経験10年以上教諭 |0.8 |体操 | (有効)
経験2年未満教諭 |1.2 |音楽 | (有効)
経験2年未満調理スタッフ |1.2 |給食 | (有効)
【0053】
各項目はそれがリスクに与える影響を勘案し、上記のように重み付け数値を設定してあるが、ユーザがそれぞれの施設の人員の状況を考慮して任意の数値に設定し直す(カスタマイズ)ことが可能である。上記のように施設人員情報を含む施設人員マスターテーブルHRIをリスク管理の評価基礎データとして利用すると、施設人員の数や属性を考慮した、より適切にリスク評価・管理をすることが可能となる。上記のようにユーザは、「マスクフィールド」に「アスタリスク*」を記入して、当該項目を無効にし、リスク特定部512の検索対象から除外して見えなくすることが可能である。逆に、「マスクフィールド」がブランクの項目は有効であり、リスク特定部512の検索対象となる。上記の施設人員情報の例では、経験5年以上比率5割以上、教諭1人当り子供数10以上25未満、経験10年以上教諭、経験2年未満教諭、経験2年未満調理スタッフの項目が有効であり、該当するイベントの場合には、それぞれの重み付け数値でリスク評価値が乗算される。項目[経験5年以上比率5割以上]、[教諭1人当り子供数10以上25未満]は全てのイベントに対応するものであり、いわば施設の組織全体の人員属性を示す情報であり、全てのイベントのリスク評価に反映される。他方、項目[経験10年以上教諭]、[経験2年未満教諭]、[経験2年未満調理スタッフ]は、特定のイベントである[体操]、[音楽]、[給食]にだけ対応するものであり、当該イベントに何らかの形で関係する人員の数やその属性がリスク評価に反映されることになる。
【0054】
上記のように、全てのイベントに関連する施設人員情報の重み付け数値は、全てのイベントの評価値に反映させる。この場合の具体的な計算は下記のようになる。
施設人員情報を考慮したイベント「工作」の評価値=イベント「工作」の評価値×(経験5年以上比率5割以上の重み付け数値[1.0])×(教諭1人当り子供数10以上25未満の重み付け数値[1.2])
[経験10年以上教諭]の項目の重み付け数値は、イベント「体操」だけに反映させる。この場合の具体的な計算は下記のよう、ベテラン教員のスキルを考慮してリスク評価値が低減されることになる。
施設人員情報を考慮したイベント「体操」の評価値=イベント「体操」の評価値×(経験5年以上比率5割以上の重み付け数値[1.0])×(教諭1人当り子供数10以上25未満の重み付け数値[1.2])×([経験10年以上教諭]の重み付け数値[0.8])
【0055】
図17は、図16に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。記憶部550には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDD、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCI、施設人員マスターテーブルHRIなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、施設人員マスターテーブルHRIを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図17のステップS51−S54、S57は、図14のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS55、S56のみを説明する。ステップS55にて、リスク特定部512は、施設人員マスターテーブルHRIを参照して、当該イベントに対応する項目の施設人員情報を検索し、当該施設人員情報の重み付け数値(複数存在する場合がある)を特定する。次にステップS56にて、リスク特定部512は、ステップS52で抽出したリスク情報の各数値を、ステップS55で特定した「重み付け数値」で乗算し、計算結果で元の各数値を置換する。最後に、ステップS57にて、リスク出力部513は、リスク特定部512で抽出し、重み付け数値で施設人員情報を反映させたリスク情報を含むリスク管理データを表示部560に出力する。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図8、図11、図14の処理と同様である。なお、実施態様2で説明した図8のステップS25、S26の処理を並行して行えば、管理領域情報を反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。また、実施態様3で説明した図11のステップS35、S36の処理を並行して行えば、出入口情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。さらに、実施態様4で説明した図14のステップS45、S46の処理を並行して行えば、子供情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0056】
図18は、図16に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM51は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM52は、コマM51に表示された「リスク情報」の数値の部分(リスク評価値)を、「施設人員マスターテーブルHRI」を参照して特定した複数の施設人員情報の「重み付け数値」で乗算した結果を時間割の1コマとして出力したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならず、さらに様々な属性を持つ施設人員情報を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。
【0057】
<実施態様6>
図19は、本発明の実施態様6による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)600は、制御部(CPU)610と、入力部620と、出力部630と、通信部640と、記憶部650と、表示部660とを有する。制御部610は、取得部611、リスク特定部612、リスク出力部613、形態素解析部614、および事例対策特定部615から構成される。図19のCAFRMS600は、図1、図6、図10、図13、図16に示したCAFRMS100,200,300,400,500とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6、図10,図13、図16のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部610に設けてあるリスク出力部613の機能と、制御部610に新たに設ける事例対策特定部615と、記憶部650に新たに含まれる対策情報マスターテーブルSI及び事例情報マスターテーブルCEIとが異なる。対策情報マスターテーブルSIとは、各リスク情報に関連付けられ、リスク情報の少なくとも一部を防止、或いは、軽減する少なくとも1つの対策情報を記述した(含む)ものである。事例情報マスターテーブルCEIとは、各リスク情報に関連付けられる少なくとも1つのヒヤリハット・事故事例情報(ヒヤリハットのみならず、軽度の事故や重大事故を含む)を記述した(含む)ものである。
【0058】
事例対策特定部615は、対策情報マスターテーブルSIを参照して、各リスク情報に関連する対策情報を特定する。リスク出力部613は、抽出したリスク情報、および、特定された対策情報をさらに含むリスク評価データを出力する。また、事例対策特定部615は、事例情報マスターテーブルCEIを参照して、各リスク情報に関連するヒヤリハット事例情報を特定する。リスク出力部613は、抽出したリスク情報、および、特定されたヒヤリハット事例情報をさらに含むリスク評価データを出力する。これによって、対策情報やヒヤリハット・事故事例情報をリスクと共にユーザに提示することが可能になり、ユーザである施設の先生や、保護者、幼児、児童などに理解し易い形でリスク管理情報を提示することが可能となる。
【0059】
図20は、図19に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。記憶部650には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDD、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCI、施設人員マスターテーブルHRI、対策情報マスターテーブルSI、事例情報マスターテーブルCEIなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、対策情報マスターテーブルSI、事例情報マスターテーブルCEIを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図20のステップS61−S64は、図17のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS65―S67のみを説明する。ステップS65にて、事例対策特定部615は、対策情報マスターテーブルSIを参照して、各リスク情報に関連する対策情報(複数存在する場合がある)を特定する。次にステップS66にて、事例対策特定部615は、事例情報マスターテーブルCEIを参照して、各リスク情報に関連するヒヤリハット・事故事例情報を特定する。最後に、ステップS67にて、リスク出力部613は、抽出したリスク情報と共に、特定した「対策情報」および「事例情報」を含むリスク管理データを出力する。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図8、図11、図14、図17の処理と同様である。なお、実施態様2で説明した図8のステップS25、S26の処理を並行して行えば、管理領域情報を反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。また、実施態様3で説明した図11のステップS35、S36の処理を並行して行えば、出入口情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。さらに、実施態様4で説明した図14のステップS45、S46の処理を並行して行えば、子供情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。同様に、実施態様5で説明した図17のステップS55、S56の処理を並行して行えば、施設人員情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0060】
図21は、対策情報マスターテーブルの一部を示す図である。図に示すように、対策情報マスターテーブルSIには、リスクを軽減または解消するリスク軽減対策の項目が、リスク情報に関連付けられて記述されている。図22は、事例情報マスターテーブルの一部を示す図である。図に示すように、事例情報マスターテーブルCEIには、各リスク情報に関連付けられる少なくとも1つのヒヤリハット事例情報が記述されている。
【0061】
図23は、図19に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM61は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM62は、コマM61に表示された「リスク情報」に対応する対策情報を特定し、これを一緒に表示したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならず、さらに様々なリスク情報の項目に対応する対策情報を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。
【0062】
図24は、図19に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM61は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM63は、コマM61に表示された「リスク情報」に対応するヒヤリハット・事故事例情報を特定し、これを一緒に表示したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならず、さらに様々なリスク情報の項目に対応するヒヤリハット事例情報を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。
【0063】
<実施態様7>
図25は、本発明の実施態様7による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)700は、制御部(CPU)710と、入力部720と、出力部730と、通信部740と、記憶部750と、表示部760とを有する。制御部710は、取得部711、リスク特定部712、リスク出力部713、形態素解析部714、事例対策特定部715、およびコンプライアンス特定部716から構成される。図25のCAFRMS700は、図1、図6、図10、図13、図16、図19に示したCAFRMS100,200,300,400,500,600とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6、図10,図13、図16,図19のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部710に設けてあるリスク出力部713の機能と、制御部710に新たに設けるコンプライアンス判定部716と、記憶部750に新たに含まれるコンプライアンス情報マスターテーブルCMTとが異なる。コンプライアンス情報マスターテーブルCMTは、少なくとも1つのイベントに関連付けられ、子供受入施設に適用される法律(省令、条例、施行規則などを含む)、基準、規則(自治体、団体、組織、子供受入施設自体の管理マニュアル、ガイドライン、管理基準、管理規則などを含む)のうちの少なくとも1つの準拠すべき基準項目を含むコンプライアンス情報を記述したものである。
【0064】
コンプライアンス判定部616は、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTを参照して、準拠すべき基準項目が満たされている否かを判定する。例えば、イベント毎にコンプライアンス情報マスターテーブルCMTを参照して、準拠すべき基準項目が満たされている否かを判定する。リスク出力部713は、基準項目の判定結果を出力するが、例えば基準項目が満たされていない場合、その旨をさらに含むリスク評価データを出力する。これによって、コンプライアンスの準拠状況や違反状況をリスクと共にユーザに提示することが可能になり、ユーザである施設の先生や、保護者、幼児、児童などに理解し易い形でリスク管理情報を提示することが可能となる。
【0065】
図26は、コンプライアンス情報マスターテーブルの一部を示す図である。図に示すように、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTには、各イベントに関連付けられたコンプライアンス情報の項目が記述されている。最初は、全て未設定にしておけば、本システムでリスク情報を出力すると、ユーザへの警告のために全てのコンプライアンス情報が未設定として表示される。従って、ユーザは、事前に自己の子供受入施設の状況に基づき、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTの情報を適切に設定しておく必要がある。図26のコンプライアンス情報マスターテーブルCMTは、一部の項目が未設定であるため、コンプライアンス情報項目CMT1,CMT2のように強調表示して当該項目へのアクションが必要であることをユーザに提示している。また、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTには、ほとんどの施設に関連があると思われるものを列挙してあるが、自己の施設に関係がない項目は、コンプライアンス情報項目CMT3のように、第3フィールドに*(アスタリスク)を入力することで、マスク設定(除外設定)することも可能である。マスク設定された項目は、システム側で当該項目がないものとして扱う。また、6か月などの期限設定や満了日(態様期間満了日)の設定があるものは、システムに設けたタイマー(図示せず)で満了や期限経過を検査し、満了した場合や期限が経過したものは、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTの該当項目を「不適合」に更新する機能を持つ。或いは、満了や期限の任意の日数前(数週間前、1月前)などに警告文をリスク評価と共に出力してユーザに警告する機能も持つ。
【0066】
図27は、図25に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。記憶部750には、予め必要とされる諸データ(例えばリスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、同義語辞書データSDD、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCI、施設人員マスターテーブルHRI、対策情報マスターテーブルSI、事例情報マスターテーブルCEI、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTなど)が格納されていることを前提とする。このフローチャートでは、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTを使用して、より適正なリスク評価・管理を行う。図27のステップS71−S74は、図20のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS75,S76のみを説明する。ステップS75にて、コンプライアンス判定部616は、「コンプライアンス情報マスターテーブルCMT」を参照して、イベントに対応する項目の「コンプライアンス情報」を特定し、当該「コンプライアンス情報」の項目が基準に適合しているか否かを判定する。最後に、ステップS76にて、リスク出力部713は、抽出したリスク情報と共に、特定した「コンプライアンス情報」のうち基準に適合していないものを含むリスク管理データを出力する。ここでは、コンプラインス判定結果(コンプライアンス適合状況)を全て出力してもよいが、表示が煩雑になるため、不適合(未設定を含む)のみをリスク評価に含ませて出力してある。イベントの数だけ該当する各ステップを繰り返すのは図8、図11、図14、図17、図20の処理と同様である。なお、実施態様2で説明した図8のステップS25、S26の処理を並行して行えば、管理領域情報を反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。また、実施態様3で説明した図11のステップS35、S36の処理を並行して行えば、出入口情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。さらに、実施態様4で説明した図14のステップS45、S46の処理を並行して行えば、子供情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。同様に、実施態様5で説明した図17のステップS55、S56の処理を並行して行えば、施設人員情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。また、実施態様6で説明した図20のステップS65、S66の処理を並行して行えば、対策情報や事例情報をさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0067】
図28は、図25に示したシステムにより出力されたリスク管理データを含む時間割の1コマを示す図である。コマM71は、リスク情報マスターテーブルRMTを参照して、取得した施設イベントデータに基づき抽出した「リスク情報」を時間割の1コマとして出力したものである。コマM72は、コマM71に表示された「イベント」および「リスク情報」に対応するコンプライアンス情報を特定し、これを一緒に表示したものである。このように、本構成によれば、施設イベントデータのみならず、さらに様々なリスク情報の項目に対応する「コンプライアンス情報」を利用して、より適正なリスク評価・管理を行うことが可能となる。特に、団体や組織のコンプライアンス準拠(法令順守など)は、団体や組織のリスク管理上、非常に重要なものであり、本実施態様は、このようなコンプライアンス準拠を簡便にチェックすることを可能にするものである。
【0068】
図29は、図25に示したシステムにより画面上に出力されたリスク管理データを含む園内用(保育士用)安全管理シートの一部を示す図である。図に示すように園内用安全管理シートTRSは時間割の形態で提供され、保育士が見ると即座に教育ユニットを実施するときに注意すべきリスク事例(事故、ヒヤリハット事例など)を把握することが可能である。また、保育士は、日々の教育現場において遭遇したリスク事例や気づいた点などを園内用安全管理シートTRSに追加したり、チェックボックスのチェック記入によって簡易にリスク事例を報告したりすることが可能なシステムとなっている。また、園内用安全管理シートTRSは、上述したようにデータ入力時は表示部に表示することが便利であるが、プリンタに出力して印刷した状態で使用することも可能である。このような園内用安全管理シートTRSを、定期的に教育サービス提供者(幼稚園教諭、保育士、小学校教諭など)に提供して、教育サービス提供者を教育・指導して、子供への安全管理を徹底させることが重要である。
【0069】
図30は、図25に示したシステムにより画面上に出力されたリスク管理データを含む保護者用安全管理シートの一部を示す図である。図に示すように保護者用安全管理シートTRSは時間割の形態で提供され、保護者が見ると即座に、子供の保育時の各時間割で保育サービスを受けるときに注意すべきリスク事例(事故、ヒヤリハット事例など)を把握することが可能である。保護者は、この保護者用安全管理シートTRSを保育園側から交付され、これを閲覧することで保育園のリスク管理状況を把握することが可能となり、さらに、保育園生活において気を付けるべき点を家庭内で教育することが可能となる。例えば、メッセージボックスMSG1には、「チェックが入っている項目は、当幼稚園で発生したことがある事例です。親御さんからも、お子さんへの指導・注意をよろしくお願いします。」というメッセージを表示してある。このようにリスク事例を相互に共有することで、リスク上の問題点や改善点が浮き彫りになるため、事故やヒヤリハットの事例や教育施設の安全管理状況は、隠蔽するよりも積極的に保護者側に開示することが大切である。また、保護者用安全管理シートTRSは、コンプライアンス情報ウィンドウCMPW1、2などを表示して、保育園のコンプライアンス適合状況を保護者に伝達する機能も有する。
【0070】
園内用安全管理シートTRSおよび保護者用安全管理シートTRSは、変更時や出力時の履歴情報をタイムスタンプと共に記憶部に格納しておくことが可能である。こうすることで、後で重大な事故が発生した場合に、どこにリスク管理上の問題点があったのか、或いは、法的なリスク管理注意義務を果たしたと言える状況にあったのかなどを確認することが可能となる。さらに、園内用安全管理シートTRSおよび保護者用安全管理シートTRSには、リスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCI、施設人員マスターテーブルHRI、対策情報マスターテーブルSI、事例情報マスターテーブルCEI、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTから抽出できる情報は、安全管理上有効なものであれば、いかなるものでも含ませることが可能であり、例えば、対策情報、出入口情報、施設人員情報を含ませることも可能である。
【0071】
<実施態様8>
図31は、本発明の実施態様8による子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)の概要を示すブロック図である。図に示すように、子供受入施設リスク管理システム(CAFRMS)800は、制御部(CPU)810と、入力部820と、出力部830と、通信部840と、記憶部850と、表示部860とを有する。制御部810は、取得部811、リスク特定部812、リスク出力部813、形態素解析部814、事例対策特定部815、およびコンプライアンス特定部816から構成される。図31のCAFRMS800は、図1、図6、図10、図13、図16、図19、図25に示したCAFRMS100,200,300,400,500,600,700とほぼ同様の構成および機能を有し、図1、図6、図10、図13、図16、図19、図25のそれらと同様の名称を持つ機能部は特に言及しない限り同様の機能を有するものと理解されたい。本実施態様では、制御部810に設けてある取得部811の機能と、記憶部850に含まれる子供情報マスターテーブルCI−Xの内容と、本システム800に新たにローカル接続されている園児情報管理サーバKIMSと、KIMSに接続される端末PC3とが異なる。
【0072】
園児情報管理サーバKIMSは、子供受入施設が受け入れる子供の数、属性、これらの履歴情報を含むn個の子供カルテ情報項目(子供情報項目)CKE1,CKE2,CKE3,CKE…,CKEnを格納する子供カルテ情報データベースCKDBを有し、常に最新のデータで更新されているものとする。子供カルテ情報項目には、一般的に健康情報を含むため(但し、健康情報を必ずしも含む必要はない)便宜上「子供カルテ情報項目」と称するものとする。子供カルテ情報項目は、園児1人ずつ割り振られるものであり、園児の名前、年齢、性別、身長や体重などの健康診断情報、疾病情報、傷病情報、持病、アレルギーの状況や身体計測時の所見、身体検査情報、ケガ、病気の経過などの情報、指導内容、保育内容などを含む総合的かつ詳細な子供情報を記述したものである。園児(子供)情報管理サーバKIMSで管理・更新している子供カルテ情報項目は、搬出可能なデータ項目であり、本システム800のみならず、例えば、適正な認証処理を経て端末PC3にダウンロードした後、外部記憶装置(USBメモリ、記憶チップ、ICカードなど)に格納して、保護者に提供することが可能である。例えば、園児情報管理サーバKIMSによれば、保護者は、幼稚園を卒園したときに自分の子供に関する子供カルテ情報項目を格納した外部記憶媒体を受け取り、これに格納された子供情報を小学校の児童情報管理サーバ(図示せず)に登録して、子供が通う子供受入施設が変わっても子供情報を継続的に一元管理することが可能である。
【0073】
取得部811は、通信部840を介して、園児情報管理サーバKIMSの子供カルテ情報データベースCKDBから、子供受入施設が受け入れる子供の数、属性、これらの履歴情報を含むn個の子供カルテ情報項目(子供情報項目)CKE1,CKE2,CKE3,CKE…,CKEnをさらに取得する。記憶部850は、取得部811より取得したn個の子供カルテ情報項目(子供情報項目)CKE1,CKE2,CKE3,CKE…,CKEnから、記憶部内850に子供情報マスターテーブルCI−Xを構築する。子供情報マスターテーブルCI−Xには、n個の子供カルテ情報項目(子供情報項目)CKE1,CKE2,CKE3,CKE…,CKEn、さらには、これら子供カルテ情報項目から統計的手法で抽出した子供カルテ統計情報KSIが格納される。リスク特定部812は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび子供情報マスターテーブルCI−Xを参照して、取得部811で取得した施設イベントデータに基づき、子供情報を考慮して、施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。リスク特定部812が参照する子供情報マスターテーブルCI−Xの情報は、子供カルテ統計情報KSIを使用するのが適切な場合が多いが、参照すべき内容によっては、個々のエントリーである子供カルテ情報項目CKE1,CKE2,CKE3,CKE…,CKEnを直接参照したり、リスク特定部812によって、子供カルテ情報項目から統計的手法(園児総数計算、クラス別の園児数計算、施設全体の年齢ゾーン別の園児数計算、クラス別かつ年齢ゾーン別の園児数計算アレルギー児童の計数、イベントを行うクラス別の属性情報の演算(例えば、サクラ組のアレルギー児童の抽出および計数、すみれ組の事故事例経験児童の抽出および計数)など)で必要な子供情報を、その都度、抽出して使用したりしてもよい。
【0074】
図32は、図31に示したシステムで実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、外部のシステムである園児情報管理サーバKIMSを使用して、子供情報マスターテーブルCI−Xを構築し、より適正なリスク評価・管理を行う。図32のステップS81、S84は、図2のそれらと同様の処理であり説明を省略し、異なるステップであるステップS82、S83のみを説明する。ステップS82にて、取得部811は、園児管理サーバKIMSから子供カルテ情報項目を取得し、子供情報マスターテーブルCI−Xを構築する。次にステップS83にて、リスク特定部812は、リスク情報マスターテーブルRMTおよび子供情報マスターテーブルCI−Xを参照して、子供情報を考慮して施設イベントデータに基づき、この施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する。リスク情報の評価値は、他の実施態様のように「重み付け数値」で計算することが好適である。また、他の実施態様で用いた他のファクター(管理領域情報、施設人員情報など)を使用した、重み付け数値で、それらの他のファクターをさらに反映させた、より適正なリスク評価・管理を行うことも可能である。
【0075】
本発明の各実施態様によれば、子供受入施設のリスク管理を様々な情報を勘案して、リスクの定性評価のみならず、数値評価することも可能となる。このような子供受入施設リスク管理システムをASPとして構成して多くの幼稚園、保育園、小学校などの子供受入施設のリスク情報を集積することができれば、多くのリスク事例や対策事例を参考にして、より適正なリスク管理(リスク低減活動)やリスク評価が可能になるであろう。また、多くの施設のリスク管理評価のデータを取得することで、個々の施設のリスク管理がどの程度の管理状況にあるかを相対評価することも可能となる。
【0076】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。実施例では、幼稚園や保育園などの幼児を受け入れる施設を対象とした例で説明したが、幼児のみならず子供全般を受け入れる施設に対して本発明を適用できることに注意されたい。なお、各実施例で示したリスク評価値やリスクのランク付けは、便宜上のものであり、ユーザ環境や社会的評価に応じて修正、変更、更新することが可能である。
【0077】
園内用安全管理シートTRSおよび保護者用安全管理シートTRSは、変更時や出力時の履歴情報をタイムスタンプと共に記憶部に格納しておくことが可能であるが、リスク情報マスターテーブルRMT、管理領域マスターテーブルMR、出入口情報マスターテーブルDW、子供情報マスターテーブルCI、施設人員マスターテーブルHRI、対策情報マスターテーブルSI、事例情報マスターテーブルCEI、コンプライアンス情報マスターテーブルCMTなどは、実施態様を問わず、変更、更新のたびに履歴情報を記憶部に格納することが好適である。このように履歴情報を記憶しておくことによって、安全管理上の問題点や管理状況を定期的に、或いは何らかのリスク事例発生後に再確認したり、検討したりすることが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
100,200,300,400,500,600,700,800 子供受入施設リスク管理システム
110 制御部
111 取得部
112 リスク特定部
113 リスク出力部
120 入力部
130 出力部
140 通信部
150 記憶部
160 表示部
210 制御部
211 取得部
212 リスク特定部
213 リスク出力部
214 形態素解析部
220 入力部
230 出力部
240 通信部
250 記憶部
260 表示部
310 制御部
311 取得部
312 リスク特定部
313 リスク出力部
314 形態素解析部
320 入力部
330 出力部
340 通信部
350 記憶部
360 表示部
410 制御部
411 取得部
412 リスク特定部
413 リスク出力部
414 形態素解析部
420 入力部
430 出力部
440 通信部
450 記憶部
460 表示部
510 制御部
511 取得部
512 リスク特定部
513 リスク出力部
514 形態素解析部
520 入力部
530 出力部
540 通信部
550 記憶部
560 表示部
610 制御部
611 取得部
612 リスク特定部
613 リスク出力部
614 形態素解析部
615 事例対策特定部
620 入力部
630 出力部
640 通信部
650 記憶部
660 表示部
710 制御部
711 取得部
712 リスク特定部
713 リスク出力部
714 形態素解析部
715 事例対策特定部
716 コンプライアンス判定部
720 入力部
730 出力部
740 通信部
750 記憶部
760 表示部
810 制御部
811 取得部
812 リスク特定部
813 リスク出力部
814 形態素解析部
815 事例対策特定部
816 コンプライアンス判定部
820 入力部
830 出力部
840 通信部
850 記憶部
860 表示部
KIMS 園児情報管理サーバ
CKDB 子供カルテ情報データベース
CEI 事例情報マスターテーブル
CI,CI−X 子供情報マスターテーブル
CMT コンプライアンス情報マスターテーブル
CMT1,CMT2,CMT3 コンプライアンス情報項目
DW 出入口情報マスターテーブル
EV イベント
FMSS 施設管理支援サーバ
HRI 施設人員マスターテーブル
KBD キーボード
M1−M5 コマ
M21−M26 コマ
M31 コマ
M32 コマ
M41 コマ
M42 コマ
M51 コマ
M52 コマ
M61 コマ
M62 コマ
M63 コマ
M71 コマ
M72 コマ
MR 管理領域マスターテーブル
MS1 携帯電話端末
NET ネットワーク
PC1,PC2,PC3 端末
PDA1 携帯端末
R11i リスク評価データ要素
R11r リスク情報要素
R1e イベント
R1iT リスク評価総合データ
R21r リスク情報要素
R2e イベント
RI リスク情報
RMT スク情報マスターテーブル
RMT テーブル
RMT リスク情報マスターテーブル
SDD 同義語辞書データ
SI 対策情報マスターテーブル
TTB,TTB1,TTB2 時間割

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子供受入施設リスク管理システムであって、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを格納する記憶部と、
少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータを取得する取得部と、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定部と、
前記リスク特定部で抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力部と、
を有することを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記リスク情報マスターテーブルに含まれるリスク情報が、各リスク情報の影響度を示すリスク評価データを含み、
前記リスク出力部が、各リスク情報の影響度を含むリスク評価データをさらに含むリスク管理データを出力する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記施設イベントデータが、複数のイベントが時系列に規定された時間割または行事日程表であり、
前記リスク出力部が、前記リスク管理データの少なくとも一部を含む時間割または行事日程表を出力する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記リスク情報が、少なくとも1つの施設情報、および、各施設情報に関連する事故発生状況を含み、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記少なくとも1つの施設情報および各施設情報に関連する事故発生状況を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、少なくとも1つの管理領域情報を記述した管理領域マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記管理領域マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記管理領域情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、
少なくとも1つの出入口情報を記述した出入口情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記出入口情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記出入口情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、
前記子供受入施設が受け入れる子供の数、および/または、属性を含む子供情報を記述した子供情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記子供情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記子供情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記取得部が、園児情報管理サーバから、前記子供受入施設が受け入れる子供の数、および/または、属性を含む子供情報を記述した子供情報をさらに取得し、
前記記憶部が、
前記取得部により取得した子供情報から、前記記憶部内に子供情報マスターテーブルを構築し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記子供情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記子供情報を考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、
前記子供受入施設の人員の数、および/または、属性を含む施設人員情報を記述した施設人員マスターテーブルをさらに格納し、
前記リスク特定部が、
前記リスク情報マスターテーブルおよび前記施設人員マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、前記施設人員情報考慮して、前記施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、各リスク情報に関連付けられ、リスク情報の少なくとも一部を防止、或いは、軽減する少なくとも1つの対策情報を含む対策情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記対策情報マスターテーブルを参照して、各リスク情報に関連する対策情報を特定する事例対策特定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、抽出したリスク情報の少なくとも一部を防止、或いは、軽減する、特定された対策情報をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、各リスク情報に関連付けられる少なくとも1つのヒヤリハット・事故事例情報を含む事例情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記事例情報マスターテーブルを参照して、各リスク情報に関連するヒヤリハット・事故事例情報を特定する事例対策特定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、
抽出したリスク情報、および、特定されたヒヤリハット事例情報をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の子供受入施設リスク管理システムにおいて、
前記記憶部が、
前記子供受入施設に適用される法律、基準、規則のうちの少なくとも1つの準拠すべき基準項目を含むコンプライアンス情報を記述したコンプライアンス情報マスターテーブルをさらに格納し、
前記子供受入施設リスク管理システムは、
前記コンプライアンス情報マスターテーブルを参照して、準拠すべき基準項目が満たされている否かを判定するコンプライアンス判定部をさらに有し、
前記リスク出力部が、
前記基準項目が満たされていない場合、その旨をさらに含むリスク評価データを出力する、
ことを特徴とする子供受入施設リスク管理システム。
【請求項13】
子供受入施設リスク管理方法であって、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを記憶手段に格納する格納ステップと、
演算手段を用いて、少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータを取得する取得ステップと、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定ステップと、
前記リスク特定ステップで抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力ステップと、
を有することを特徴とする子供受入施設リスク管理方法。
【請求項14】
子供受入施設リスク管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
子供受入施設の管理下の少なくとも1つのイベント、および、当該イベントに関連付けられた少なくとも1つのリスク情報を含むリスク情報マスターテーブルを記憶手段に格納する格納ステップと、
少なくとも1つのイベントを含む施設イベントデータを取得する取得ステップと、
前記リスク情報マスターテーブルを参照して、前記取得部で取得した施設イベントデータに基づき、該施設イベントデータに関連するリスク情報を抽出するリスク特定ステップと、
前記リスク特定ステップで抽出したリスク情報を含むリスク管理データを出力するリスク出力ステップと、
を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−3045(P2011−3045A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145995(P2009−145995)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(501263809)株式会社コンピュータシステム研究所 (26)