説明

子宮内膜症の原因である同種異系の細胞の検出および処置方法

第一の内部の軟組織画像を得ることと、迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するヨウ素の有効量を投与することと、投与後に1つ以上の連続する内部の軟組織画像を得ることと、及び異所性同種異系の細胞の位置を同定するために第一の内部の軟組織画像と1つ以上の連続する内部画像を比較することよりなる、哺乳類宿主の異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するための方法が提供される。本方法はまた、同種異系の共生または共生様細胞の存在下で引き起こされる病理、疾患または障害の治療の効力を決定するかまたは改善するために使用できる。さらにまた、本方法は、子宮内膜症を診断し、かつまた治療するために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子宮内膜症を含む病理に原因のある体の同種異系の細胞の同定及びその処置に関する。
【背景技術】
【0002】
子宮内膜症は、子宮内膜腺およびストロマを含んでいる細胞の異所的な存在によって特徴とされる。北米では1360万人の女性が子宮内膜症である(世界的には10%の女性)と予測され、ひどい痛みと苦痛に悩まされている。子宮内膜症の症状のひどさは、子宮内膜病変の大きさに相関していない。広範囲に異所性子宮内膜組織を有する患者は症状がないのに対して、最も少なく、異常な組織関係を有する患者が重度の症状を有することがある(Hll JA, et al. in Fertil. Steril. (1988)50:216−222)。
【0003】
子宮内膜症の発病率は増加しており、幾らかの個体群の背景の再生産率(background reproduction rate)に近づいている。子宮内膜症は成功的生殖に対する強い負の要因であり、25〜50%の不妊症の女性に影響を及ぼすことに関係している。子宮内膜症の根本的な原因が遺伝的ではなく、その傾向よりも強い利点を与えない限り、アイスランドの人口の統計分析にも関わらず、子宮内膜症の根本的な原因は遺伝的ではないことを示唆している(Stefason et al., Pub. Hum Reprod. 2002, 17(3):559)。多くの理論が子宮内膜症の病因論を説明することを試みられており、化生論(Koninckx et al (1999) Gynecol. Obstet. Invest. 47:3)、先天性理論および脈管理論(http://www.centerforendo.com/QandA.htm)がある。しかしながら、最も広く認められた理論は、子宮内膜症が、体の腹膜空腔および膣の膜下組織を含み、どこか他の所の膜面下に移植する、分離した子宮内膜細胞を可能にしている逆行性月経から生じると仮定している(Leyendecker et al. Pub. Hum Reprod (2002), 17(3):555)。しかしながら、この理論は、開放した卵管のない(それゆえに、子宮から腹膜空腔への経路がない)女性、または例えば乳児、月経前女児、エストロゲンで処置される成人男性など活性子宮内膜のない個体(Matarese et al, (2003) Trends in Mol. Med. 9(5):223; Marsh and Laufer, (2005) Fertil. Steril. 83(3):758−60)、あるいは完全な子宮摘出を受けた後の女性でみられる子宮内膜症を説明することができない。子宮内膜症は、手術後の最初の5年において、完全な子宮摘出および卵巣のほぼ40%を除去した後でさえも再発し(‘What is Radical Surgery for Endometriosis’, Well Connected Reports, University of Maryland Medicine, www.umm.edu)、それは体のどこか他の所に子宮から独立している、原因となる子宮内膜基底層の母細胞群があることを意味する。子宮内膜腫の破裂は予測不可能であり、この状態は生命および継続した生殖力に対する脅威でありえる。
【0004】
生涯にわたり、処置がなく、これらの子宮内膜症を解消する免疫系の結果として、女性は、ステージIの子宮内膜症(外生の子宮内膜移植組織のかなりの無症候性な量、免疫細胞量、通常よりも3〜6倍の活性)からステージIVの子宮内膜症(自発的な自己免疫流産を含む自己免疫反応を開始する少量の外生の子宮内膜移植組織)(‘Pathenogenesis of Endometriosis, natural immunity dysfunction or autoimmune disease’ Giuseppe matareses, et al, Trends in Molecular medicine, VOL9, No.5, May 2003)に移動し、通常よりも免疫細胞の通常量が少なくなる。(Hill JA, et al ‘Characterization of leucocyte subpopulations in the peritoneal fluid of women with endometriosis’, in Fertil steril, 1988; 50 216−222)
ステージIとステージIVとの間の子宮内膜腫を形成する既存の子宮内膜移植組織の自己分解は、非共生の子宮内膜機能層の娘細胞(以下、ESF)だけの分解であり、この状態の自己移動でなく、共生様(commensal−like)の子宮内膜基底層の母細胞(以下、ESB)ではない(Ferencxy, et al. “Studies on the Cytodynamics of Human endometrial regeneration”, AM. Jour. Of obstet, Gyn, 1979, June, 1:134(3):297−304)。現在、子宮を修復する間において、子宮の筋組織を通じてESB細胞自身の単一の細胞層のカバーを拡張する場合に、ESB細胞がESB細胞自身を再生するだけであるか、または外因的に器官筋組織上に移植される場合に、ESB細胞がESB細胞自身を再生するだけであると信じられている。
【0005】
この自己分解は、鉄のホメオスタシス不均衡にもかかわらず、成功的な抗原提示を必要とする(“The influence of iron homeostasis on macrophage function” Ward, J. etal, Biochemical Society Transactions, [2002] Vol30, part4, p726)。この分解の結果として、それら特定の共生様のESB細胞は、細胞性免疫系(CMI系)からの関心を引き付けるESF細胞がなく、非共生様のESFの娘細胞を成功的に生成できない。したがって、CMIの自然な患者誘発型(つまり、妊娠または酸化防止剤の消費による)または医原性の免疫ダウンレギュレーション(immuno−down regulation)が、例えば、局所的に存在するマクロファージの同時除去に結果としてなる組織の相当量の外科的除去、またはビタミンEおよび/またはダイエット亜鉛を有する、様々な酸化防止剤の過剰な量の消費を含む、様々な手段によって、あるいは当業者に周知のその他のこの種の製品及び医原性手段によって確立される場合を除き、このような細胞は、内潜したままであり、体において適所に留まるかまたは転移する。子宮フィブロイドおよび子宮内膜腫は、多くの場合、第一の破壊によって、より小さいユニットに分解される傾向にあり、その効果は、より大きな子宮内膜腫およびフィブロイドに存在する、1つ以上の状態原因となり、自己移動で、再生能が高いイニシエーター細胞(initiator cell)があることを示唆する。このような両組織の塊も、医原性に促進された成長の下で、同様にふるまい、より大きなユニットに再強化する。
【0006】
これらのESB細胞の数および位置を同定する際の現在の技術は、それらの実際の存在、位置および数のいかなる信憑性もなく、更なるESB細胞を除去するために必要とした更なる修正的な手術数を減少することを望んで、健康な組織の除去に結果としてなる。
【0007】
多くの処置が子宮内膜症のために提案されたが、しかしながら、子宮内膜症に対する治療法は、まだ存在していない。同定された子宮内膜腫の外科的除去は、ほんの一時的な手段であり、治療後に、ほとんどの女性で子宮内膜症が再発する。Merck Manual, Second Home Edition, Chapter 245。異所性子宮内膜組織の源に関する現在の不確定さがあり、手術は同定可能な子宮内膜腫を除去する一方、その欠点を被って、子宮内膜症の原因となる全ての細胞を除去することができるというわけでない。また、ほぼ90%の正しい診断法に結果としてなる腹腔鏡検査(Dmowski et al, Fertil and Steril 67:238)は、異所性子宮内膜組織を除去するために用いてもよい。子宮内膜組織が直径1.5〜2インチ(3.8〜5.1cm)であるか、または、子宮内膜組織が一方または両方の卵管をブロックする、相当に重度のケースでは、より広範囲な腹部手術が必要とされる。(Merck Manual, Second Home Edition, Chapter 245)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、子宮内膜症を含み、体の同種異系の細胞の存在が、病理の原因となり、これらの同種異系の細胞の娘細胞によって生成される、分解されたヘムの過剰が、マクロファージによる、効果的食菌作用および抗原提示を妨害するという発見の一部に基づいている。本発明は、異なる態様において、それら同種異系の細胞を同定する方法、並びに、子宮内膜症を含み、そのような細胞の存在に関連するか引き起こされる病理、疾患、障害の処置方法、及びそのような処置の効果を評価するための手段を提供する。子宮内膜症がモデル的疾患を表す一方、本発明の原理と方法が、同種異系の共生様細胞の存在、及び、例えば、子宮内膜基底層細胞などの同種異系の共生様細胞の同定に関連するか、同種異系の共生様細胞の存在によって生じる他の疾患及び病理に適用できることを本明細書の読み込みから当業者によって認識される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様において、哺乳類宿主の異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するための方法が提供され、該方法は、第一の内部の軟組織画像を得ることと、迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するヨウ素の有効量を投与することと、投与後に1つ以上の連続する内部の軟組織画像を得ることと、及び異所性同種異系の細胞の位置を同定するために第一の内部の軟組織画像と1つ以上の連続する内部画像を比較することよりなる。
【0010】
一つの実施態様において、同種異系のイニシエーター細胞は、子宮内膜基底層細胞(ESB)である。
【0011】
別の態様において、同種異系の異所性の原因となる細胞を同定するための方法が提供され、該方法は、第一の内部の軟組織画像を得ることと、迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するヨウ素の有効量を投与することと、投与後に1つ以上の連続する内部の軟組織画像を得ることと、及び同種異系の異所性の原因となる細胞の位置を同定するために第一の内部の軟組織画像と1つ以上の連続する内部画像を比較することよりなる。
【0012】
一つの実施態様において、同種異系の原因となる細胞は、子宮内膜機能層細胞(ESF)である。
【0013】
ヨウ素は、迷走異所性組織、組織の残存及び分解されたヘムに宿主の免疫反応を強化して、洗浄するために投与され、それによって、子宮内膜腫量を減少し、毎月の再生が検出可能である。この方法はまた、例えば、酸化防止剤が、子宮内膜腫の確立または未分解の子宮内膜腫の再確立ができるようにする状況下で医原性の異所性同種異系のESB細胞を同定するために使用できる。肥大化される子宮内膜腫も急速に縮小されることができるように、この方法は患者に対して、さらなる危険もなく実行されることができる。
【0014】
さらなる態様において、同種異系の原因となる娘細胞が患者の免疫系または他の処置によって、例えば、それらの同種異系のイニシエーター細胞が誘発する娘細胞を発現することができる細胞性免疫のダウンレギュレーターを用いて分解された、内潜する異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するための方法が提供される。したがって、この成長/衰退および再生サイクルを観察後、外科的切除のためのこれらの潜在的な異所性イニシエーター細胞の現在位置を同定する。何年も待つ必要もなく、同種異系の原因となる細胞を発現するために同種異系のイニシエーター細胞を誘発するこの方法は、この症状や他の同様な症状でこのような細胞の現実の範囲と数を評価する診断の期間と同様に、この種の細胞の除去を実証するために、手術後の時間において有用である。
【0015】
一つの実施態様において、ヨウ素が、例えば、デスフェリオキサミンまたはo−フェナントロリン(desferrioxamine or o−phenanthroline) (Harhaji et al, (2004) Clin Exp Immunol 137(l):109−l 16)の鉄のキレート剤などのアジュバントと共に、又は、アポトーシス・メディエイタ、抗血小板物質および抗炎症薬(例えばアセチルサルチル酸(アスピリン))と共に投与される。キレート剤は、細胞外鉄の濃度を減じることができるか、または細胞外鉄の化学反応性の可能性を変えることができる。液性免疫系および養成可能な細胞障害性細胞に提示可能な抗原を提供するために生命破壊性合成物を生成し、飲み込まれた細胞と細胞破片を「消化」するようにして、または、するために、鉄のキレート剤は、使用する強い酸化剤の免疫細胞生産上の細胞外鉄の抑制効果を減らすことができる。例えば、アポトーシス・メディエイタ(例えばアスピリン)は、マクロファージの鉄のスカベンジング(scavenging)が起こることができる月経期間(化学的な非女性化の同時の危険度および生理的および/または心理的効果なしで)の時間を延ばし、成功した抗原提示を改善して、痛みおよび炎症を処置し、同様に、抗血小板剤として血液凝固を減じる。
【0016】
一つの実施態様において、ヨウ素の有効量は、宿主の通常の体および食事の必要条件を上回り、50キログラムの体重につき、約0.1から約28mg/日まである。
【0017】
本発明の上記の態様の異なる実施態様において、異所性同種異系のイニシエーター細胞は子宮内膜基底層細胞(ESB細胞)であり、異所性同種異系の原因となる細胞は子宮内膜機能層細胞(ESF細胞)であり、それは子宮内膜腫で形成するか、子宮内膜腫に含まれる。
【0018】
別の態様において、上述した方法に従って異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞の位置を同定して、異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を除去することよりなる子宮内膜症を治療する方法が提供される。
【0019】
異なる実施態様において、同種異系の子宮内膜基底層細胞を除去することは、生物刺激原(bio−irritant)を加えることを含み、これによって、細胞に対して効果的な免疫反応を誘発するのに十分な手法で細胞にイリテイトさせる(irritating)かまたは損傷を与えるかまたは宿主から一つ以上の異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を除去する。また、同種異系の子宮内膜基底層細胞を除去することは、ex vivoで同種異系の細胞を宿主の免疫細胞と作用することによって、細胞性免疫反応を刺激することと、宿主の同種異系の基底層細胞に対して、細胞性免疫反応をもたらすために宿主の体に宿主の免疫細胞を再導入することを含む。
【0020】
さらに別の態様において、哺乳類宿主の子宮内膜症を診断する方法が提供され、該方法は、宿主の遺伝子型を異所性同種異系のイニシエーター細胞の遺伝子型と比較することを含み、異所性同種異系のイニシエーター細胞は特定の実施例においてESB細胞である。
【0021】
また、さらなる態様において、同種異系の共生または共生様細胞の存在下で引き起こされる病理、疾患または障害の治療の効力を決定するかまたは改善する方法が提供され、処置の後に、第一の内部軟組織画像を得ること;迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するためにヨウ素の有効量を投与すること;その投与の後、一つ以上の連続する内部軟組織画像を得ること;及び、残留する異所性同種異系のイニシエーター細胞または異所性同種異系の原因となる細胞の位置を決定するために第一の内部軟組織画像と一つ以上の連続する内部画像を比較することよりなる。
【0022】
またさらなる態様において、同種異系の共生または共生様の細胞の存在に関するか、または同種異系の共生または共生様の細胞の存在によって生じられる病理、疾患または障害の治療の効力を決定するかまたは改善する方法が提供され、細胞性免疫のダウンレギュレーターの有効量を投与することよりなる。免疫ダウンレギュレーターを用いる細胞性免疫系のダウンレギュレーションは、例えば、手術前の処置前の投与が、このようなESBおよびESF細胞を明らかにすることによって処置を改善することができるように、内潜するESB細胞の娘細胞(例えばESF細胞)を分割し再生させる効果を有すると考えられている。ここに記載されるように、手術などの処置前に異所的な同種異系のESB細胞の位置を同定するために、このような内潜細胞は、例えば、酸化防止剤などの免疫ダウンレギュレーターの有効量を投与することにより、続いて、子宮内膜腫が形成された後、ヨウ素の有効量を投与し、ヨウ素の投与前に得られた、第一の内部の軟組織画像とヨウ素の投与後に得られた1つ以上の内部の軟組織画像とを比較することによって同定できる。同様に、処置(例えば外科的除去)の有効性は、免疫ダウンレギュレーター(例えば、酸化防止剤)を投与し、娘細胞を生産することができる、手術後に残存する内潜のESBの母細胞からの新しい関心の成長を観察することによって、この方法で決定されることができる。免疫ダウンレギュレーションを止めた後、ヨウ素処置を再開することは、アポトーシスの細胞破片をマクロファージが片付け、新しく明らかにされた内潜の子宮内膜腫およびESFの娘細胞の分解を促進し、本明細書において記載されているように、外科医にそのようなESB細胞において、より正確な目的位置を提供すると共に、この手順を患者にとって比較的安全にすると考えられている。
【0023】
迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するのに効果的であるヨウ素の有効量のさまざまな用途が提供され、それらの用途は、異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するための用途、異所性同種異系の原因となる細胞を同定するための用途、子宮内膜症を治療するための用途、同種異系の共生若しくは共生様細胞の存在によって、引き起こされる病理、疾患若しくは障害の治療の効力を決定するかまたは改善するための用途、および哺乳類の宿主の子宮内膜症を診断するための用途を有する。
【0024】
本発明の他の態様及び特徴は、添付図と共に、本発明の特定の実施態様の下記の記載から当業者にとって明白となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
「同種異系(Allogenic)」は、宿主の細胞または組織と遺伝的に異なる、同じ種からの細胞または組織を意味する。
【0026】
「イニシエーター細胞(initiator cell)」は、直接または間接的に、病理、疾患または障害を引き起こす役割を果たす細胞または複数の細胞をもたらす細胞である。「原因となる細胞(causative cell)」は、イニシエーター細胞の子孫(第一代または後の代の子孫)であり、直接または間接的に病理、疾患または障害を引き起こす役割を果たす。
【0027】
「キメラ現象(Chimerism)」は、生物体における少なくとも一つの同種異系の細胞の存在である。同種異系の細胞は、体の全体にわたって循環することができるか、または主に特定の体の場所に制限されることができるか、あるいは、能力があるならば、1つの場所から別の場所に移動する。
【0028】
明らかに示されない限り、ここで用いられる「細胞」は、単数および複数形の細胞に関連するように本願明細書において用いられる。
【0029】
「宿主対移植片反応(Host versus graft reaction)」は、移植片またはその他として得られる同種異系の細胞若しくは異種細胞に対する、宿主の免疫反応を意味する。反応は、移植された細胞の損傷または破壊に結果としてなる。
【0030】
「異所性」は、細胞、組織または器官の異常な場所または位置を意味する。
【0031】
「エストロゲン」は、女性の二次性徴の発情、発達および維持を促進するための役割をする、卵巣によって主に生じる、多くのステロイド・ホルモン類の任意の一つを意味する。
【0032】
「発達上の自己(Developmental−self)」は、真の「自己」細胞と密接に関連した同種異系の細胞(例えば、胎児の細胞)とを区別するために、女性の宿主の免疫反応の寛容状態または宿主の免疫反応の不能状態を意味する。例えば、妊娠中の母性免疫系の状態は発達上の自己免疫状態であり、ここで、非自己抗原の存在は、遺伝的に関連した発育中の胚または胎児に対する、宿主対移植片反応を引き起こさない。これは、特定された免疫細胞は、血液が母から出て、胎児に入るか、または胎児から出て、母に入る際の見張り番であり、かつ、母のCMIがダウンレギュレートされて、子宮内膜症症状と同様に子宮内膜腫の分解に中断(hiatus)を生じ、酸化防止剤といくらか同じ方法で、ESF細胞のESB発現を許容するという理由に、部分的に起因する。「発達上の自己」免疫状態では、宿主の細胞性免疫反応は減じられるが、宿主の液性反応は強化される。「強化される」は、反応において、任意の相当の増加も記載するために、本願明細書において用いられる。CMIのこのダウンレギュレーションは、母と胎児との間のESB細胞の移動を許容してもよい。
【0033】
ここで使用される「共生様(Commensal−like)」は、同種異系の細胞を含む細胞をいうか、または胎児がT細胞を編集(editing)している時に存在する細胞(その細胞は、後に、その乳児が生きるための通常の体細胞として認められる)をいう。
【0034】
「経時的な細胞削除(Sequential cell delete)」は、発見プロセスを記載するものであり、このプロセスにおいて、適切な記録及びターゲットソフトウェアによってアシストされた、体内の強化された免疫系及び非侵襲性のスキャニングは、直接または間接的に、体のアーキテクチャを変えることによって病理を生じる、同種異系のESB細胞の三次元位置を同定するために用いられる。経時的な細胞削除は、病理を引き起こすESB細胞の抽出を可能にし、これらの細胞の遺伝的(マイクロサテライトおよびミトコンドリアを含む)または組織適合性プロファイルが患者の通常の細胞および組織に対する最少の損傷で決定されることができる。さらに、そのような抽出は、ESB細胞に関連する病理の徴候から患者にとって一時的に軽減する安心を提供することができる。
【0035】
「細胞編集(Cell edit)」は、治癒的なプロセスであり、そのプロセスにおいて、宿主の免疫系が、直接または間接的に、病理を生じる役割をする同種異系のESF細胞をもたらす、同種異系のESB細胞に対する反応を引き起こすために操作される。このプロセスは、例えば、公知技術の方法に従って細胞障害性T細胞を活性化させるために宿主の末梢血単核細胞で同種異系のESBまたはESF細胞を培養することを含む(Mutis et al, Biology of Blood and Marrow Transplantation (2002) 8: 412)。「末梢血単核細胞」は、T細胞および抗原提示細胞(例えば、B細胞単核細胞および樹枝細胞)を含む。当業者にとって公知であるように、末梢血単核細胞は全血から得られることができる。宿主に対して、一旦、再導入された、活性化されたT細胞は、ex vivoで、T細胞を活性化させるために用いられる、それらの細胞と同じ遺伝的または組織適合性プロファイルを有する同種異系のESBおよびESF細胞を見つけて、破壊する(Small et al (2001) J. of Clinical Oncology 18(23): 3894−3903)。「細胞編集」はまた、例えば、同種異系のイニシエーターまたは原因となる細胞を囲んでいる領域で局所的な刺激を故意に引き起こすことによって、同種異系の細胞に対して免疫反応を誘発する他の機能を含む。
【0036】
「受胎産物」は発育中の胎児または胚を意味し、不全な受胎産物は妊娠初期3ヵ月未満の自然的な機能不全である。
【0037】
疾患状態を「処置する」ことは、臨床結果を含む、有益であるか所望の結果を得ることを意味する。有益であるか所望の結果は、検出可能であるか検出不可能であっても、以下に制限されないが、一つ以上の症状または条件の緩和または改善、疾患の範囲の減少、疾患の状態の安定化、疾患の発現の防止、疾患進行の遅延または減速、疾患開始の遅延または減速、疾患状態の改良または緩和、及び緩解(部分的または全体的であるにせよ)を含む。また、「処置する」ことは、一時的に疾患の進行を減速して、疾患の進行を阻害することを意味することができる。但し、より好ましくは、それは永久に疾患の進行を停止させることを含む。さらにまた、処置することは、疾患または状態の症状のための薬剤を次の子孫にもたらすことを予防することを意味する。
【0038】
「機能的な層」細胞または「機能的な子宮内膜層」細胞は、子宮腔に最も近い子宮内膜の最外側層または粘膜を構成する細胞を意味する。いくらかの機能的な層細胞は、各月経の間において、生えかえる。
【0039】
「基底層」細胞または「子宮内膜基底層」細胞は、子宮内膜の最内層を構成する細胞を意味し、子宮筋組織とESF粘膜との間の障壁のような膜を形成する。これらの細胞は、月経の間は保持されて、再生源を機能的な層細胞と基底層自身のために提供する。これらの細胞は、例えば、妊娠の後、層のようなこの膜を修復する間に、通常使用する、アメーバ様自己移動能力を有する。内潜する子宮内膜基底層細胞は、子宮内膜腫と関連しない、子宮内膜基底層細胞である。CMIがダウンレギュレートされるまで、このような細胞はESFの娘細胞を生産することができない。
【0040】
いかなる特定の理論にも限定されないで、子宮内膜症は、この疾病で悩まされる個人の同種異系の子宮内膜基底層細胞の存在によって引き起こされると考えられる。これらの基底層細胞は、静脈および動脈の成長を創生して導き、子宮内膜機能層の娘細胞のかなりの質量を支えることに熟達している。基底層細胞は、強い幹細胞能力を有し、それら基底層細胞は、娘細胞(それ自身の再生が不可能であり、生理学的に親の基底層細胞と異なっている)を生成可能であり、構造変化ができて、他の組織の構造を開始するかまたは導くことができ、血液または毛管の流れを変えることができる。さらに、基底層とその機能層の娘細胞は、外来の細胞(例えば、本当の妊娠の間の胎児の細胞)の環境を受け入れ、かつ、反応しないように免疫学的に設計される。
【0041】
いかなる特定の理論にも限られずに、同種異系の細胞のアポトーシスが、子宮内膜腫の範囲内で細胞外鉄の濃度を増やし、この過剰な鉄が、効果的なCMIの食菌作用を減じることによって、非自己細胞および非自己細胞の残りを効果的に処理するCMI(細胞性免疫系)細胞の能力を阻害すると考えられている。これは、マクロファージが抗原を他のCMI構成要素に提示させるのを防止する。過剰な鉄の供給源は赤血球からであり、その毛管の流れは、これらのESFの娘細胞を支持するために異所性の基底層細胞によって再編成され、その幾つかは、このような各エピソードの後に、再度作成される。
【0042】
免疫系は、自己と非自己抗原とを区別して、主に自己反応性リンパ球を除去するために進化した。免疫特性のレパートリが巨大で主にランダムであるので、多くの発生期のリンパ球が自己抗原のためのレセプタを所有することは驚くべきことではない。子宮内の寛容機能は十分に理解されておらず、特に、外来の抗原に対する実験的に誘発された免疫寛容のモデルを用いて、自己反応性リンパ球を除外するか、または活性化させないための機能について多くが学ばれている(Baron, ed. Medical Microbiology, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?call=bv.View..ShowSection&rid=mmed.section. 235)。
【0043】
抗原が免疫学的に未発達であるか生まれたばかりの哺乳類にもたらされる場合、それらは、成熟期に達すると、その抗原との免疫は反応性が悪くなる(新生児寛容)。この免疫寛容は、抗体および細胞性反応の両者の欠如によって特徴づけられ、このような抗原を含み、発現するか提示する細胞において、共生様状況を提供する元来の抗原(Baron, ed. Medical Microbiology, available online at http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books^v.fcgi?call=bv.View..ShowSection&rid==mmed.section. 235)に特有である。
【0044】
抗原に特有の寛容の誘導は、必ずしも未発達の生物に制限されない。また、未反応は、可溶な抗原の比較的高い用量を用いることによって、成人において誘発されることができる(大量免疫寛容)。抗原に対する未反応の誘導された状態は、時々、能動的に、かつ、特異的に、BおよびT細胞の反応を阻害する、サプレッサーT細胞の出現を伴う(Baron, ed. Medical Microbiology, available online at http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?call=bv.View..ShowSection&rid==mmed.section. 235)。
【0045】
集合的に、寛容誘導の実験は、自己に対する未反応が数レベルで達成されそうなことを証明する。通常に発達する間において、自己反応性リンパ球のクローンは、胸腺の成熟の初期段階の間に、自己高分子への暴露によって、活性化されないか、または削除される。この自動的な選択は、CD8T細胞におけるMHCクラスI分子及びCD4T細胞におけるMHCクラスII分子に依存する。自己分子が、高濃度でまたは免疫原性であるというよりはむしろ寛容原性(tolerogenic)である形態でこれらの細胞に提示される場合、除去されずに、それらの完全な免疫的可能性に達する、それらの細胞は不活性化される。また、幾つかの自己反応性リンパ球が、CD8サプレッサーT細胞などの他の調節細胞によって抑制されることは可能である(Baron, ed. Medical Microbiology, http://www.ncbi.nlm.nih.govA)ooks/bv.fcgi?call=bv.View..ShowSection&rid=<:>mmed.section. 235)。これらのプロセスは、この時点で存在するESB細胞において一種の共生様状況を生じるが、エストロゲン循環が開始するまで存在しない、ESBのESFの娘細胞においては生じない。
【0046】
マイクロキメリズム(microchimerism)を生じる機能は知られており、ヒトのマイクロキメリズムは珍しいことではない(Adams et al, (2004), JAMA 291(9) 1127−1131)。例えば、胚であるか胎児の細胞のマターナル・リアブゾーバンス(maternal reabsorbance)は、母のマイクロキメリズムに結果としてなる(Khosrotehrani et al. (2003), Arthritis and Rheumatism 48: 3237)。リアブゾーバンスは単一の受胎産物の不完全な発達によって、または豊富な栄養の急転後に引き起こされ、双子の一方が栄養を最大限に活用できるように、双子のもう一方がリアブゾーブ(reabsorbed)される(Lummaa et al., (1998) Nature 394, 533)。特定の個人において、同種異系の胎児の細胞は、妊娠の後、何十年も母性体に存続することができる(Bianchi (1996), PNAS 93:705)。胎児から母の細胞への移動よりも頻繁でなく生じる、母から胎児細胞への移動が近年記載されている(Nelson, Autoimmunity (2003), 36(1): 5)。あるいは、マクロキメリズム(macrochimerism)は2つの精子によって2つの卵子の受精から生じることができ、接合体の融合および混合された細胞系を有する生物の成長が続く(Neng et al, New Engl. J. Med. (2002) 346, 145)。上述した機能で、マクロキメリズムで最も頻繁な供給源は、14週未満の不全受精の受胎産物の部分的なマターナル・リアブゾーバンスであると予期される。
【0047】
そのような同種異系の細胞の移動の数パーセントだけが、子宮内膜の幹または基底層細胞を含むことを予期される。子宮内膜症の発病率を説明するために、他のメカニズムが必要とされる。妊娠中に、母性性腺によるエストロゲンの生成は減少し、胎児/胎盤のユニットは90%のエストロゲン生産の原因となる。真の妊娠の間のエストロゲン生成の部位の変化は、卵巣の近くの、通常、流動しているエストロゲンの豊富な部位から、エストロゲンに依存する自己移動の子宮内膜基底層細胞を奪い、これらの基底層細胞は血流およびリンパ流に再び入る。胎児/胎盤のユニットでエストロゲンのこの局所的な濃度によって引きつけられ、子宮内膜基底層細胞は、母体と胎児との間の血液バリアを交差する。胎盤に母体と胎児との間のバリアを交差させて、子宮内膜基底層細胞は、母体循環へ戻り交差することが困難であり、発育中の胎児に組み込まれる。この機能(「世代間の伝達」として記載される)は、同種異系の子宮内膜細胞の世代間の移動の発生率を増大する機能を提供し、乳児および未発達の男性または女性における、このような細胞の全身への分配を説明する。接触伝染病のこのような世代間の蔓延は、母から乳児への疾患および寄生虫細胞の移動に関して、広く知られている(エイズ、マラリア、その他において)。
【0048】
世代間の伝達によって移動される同種異系の子宮内膜基底層細胞(および、月経開始、ESB細胞のESFの娘細胞)の第一世代は、それらのキメラな宿主(それらの母、その母によって保有される成功した受胎産物、または次の妊娠の間のその原型の細胞の姉妹/兄弟)と相当する遺伝子の同一性があり、したがって、主に非免疫原性である。この移動が胎児のT細胞の編集過程前に起こる(例えば子宮内の双生児に)場合、それは自己細胞の形態としての共生様状態を伴う、このようなESB細胞(しかし、ESFの娘細胞でない)を提供する。これらの細胞が後代に続いて移動するにつれて、それらの子宮内膜基底層細胞とそれらの宿主との間の遺伝的な差異は、共生寛容の範囲内に残存するままであるが、共生様状況を享受しない、それらのESFの娘細胞は外来性がさらに高まる。リアブゾーブした受胎産物からの出現はそれほど珍しくないので、一つの宿主でのこのような細胞は複数世代に引き継がれる可能性がある。ステージIの子宮内膜症に悩まされる第二または第三世代の宿主において、多大な異所的な細胞体積は、月経開始の後で現れるが、それらの宿主に対して最も外来性の非共生様のESF細胞は、それらの宿主によって成功的に分解され、最も遺伝的に同じものだけが残されるまで、その宿主で細胞体積および免疫細胞数が減少するのが見られ、それは、それらの自己免疫反応を強調して、現在促進する、“ほぼ自己”の残存するコロニーであり、最も少ない外生の子宮内膜の子宮内膜腫を有する個人が最悪の症状がある理由を説明する。これらの症状は、自発的な自己免疫に関連した流産の非常に高い率を含む(Pathogenesis of Endometriosis: Natural immunity dysfunction or autoimmune disease? Guiseppe Matareses, et al, in “Trends in Molecular Medicine”, VOL 19, No5, May 2003)。
【0049】
世代間の伝達の関係者の遺伝的な関係は、図1において表される。例えば、女性が新しく受精された受胎産物をリアブゾービングしてキメラになる場合、生存している胎児のESB細胞は、上記したように、周知の寛容誘導プロセスによる一種の共生細胞として受け入れられることができる。また、それらのESFの娘細胞が、それらの第1の宿主に密接に関連しているので、ESFの娘細胞が共生様であると認められなかった場合であっても、ごくわずかなCMI反応しか起こらない。このリアブゾーブされた受胎産物は遺伝的に第一世代であり、彼らを産んで、より遺伝的に異なる第二世代であるこれらの細胞を得た母と、同じ女性が同じパートナーと有した更なる娘も遺伝的に第一世代であり、遺伝的に、彼らの母よりもアブゾーブされた受胎産物に近い。すなわち、マイクロキメラの母の後代女性の子供は、実質的に、リアブゾーブされた受胎産物に対する「姉妹」となり得、それらのESF細胞のCMI寛容を許容する。この娘が娘を有する場合、その子供は第二世代(これらの同種異系の細胞からの彼女の祖母と同じ遺伝的距離)であるだろう。この手法では、第三世代の同種異系のESB細胞は、いまだ寛容であり、新生児寛容の免疫状態および共生様状態とされる細胞転送から利益を得る。この細胞におけるこの状況が各々の世代の移動によって新しくされるように、ESBのESFの娘細胞は容易に寛容でなく、それらの宿主のCMI活性の結果として分解されて、内潜するESB細胞群を生成する。通常の開放した繁殖プール(normal open breeding pool)において、同種異系の細胞は、強い宿主対移植片反応を引き起こす前に、世代間の伝達によって女性の血統の3または4世代によって移動されることができ、さらに、このような反応がESFの娘細胞(ESBの母細胞でない)になり得る。より閉鎖的な繁殖プールにおいて、そのESFの娘細胞が類似した宿主対移植片反応をもたらす前に、同種異系の細胞は6または7世代まで継承される。この変えられた免疫状態(それらのESFの娘細胞に適用されない)が完全に失敗する前に、7代の継承が限度であるように思える。このような方法で、妊娠中のT細胞編集のこの共生様状態は、それらのESFの娘細胞でなくそれらのESB細胞において、出生前で新生児抵抗力(また、本願明細書において胎児の寛容と呼ぶ)を高める。この状況は、内潜するESB細胞のプールを生成する。この状態の伝達ルートが妊娠を妨げているかまたは自発的に中止している、自己免疫の反復世代間の増加を伴っている受精率の観察された減少によって最終的に制限されるが、この多世代効果の伝達するESB細胞は、このような初期段階の自発的な自己免疫の流産によって強化され、潜在的に新規な生存するESB細胞を生成する。
【0050】
いかなる特定の理論にも限定されないで、母性または他の同種異系の細胞における胎児の寛容が、これらのESB細胞に対して一種の共生様状況を付与する、母性/胎児性または胎児性/胎児性細胞の移動の間に得られたこれらのいくらかの外来細胞に対する寿命寛容(lifetime tolerance)を促進することができると考えられている。この寛容機能は特異的であり、機能層細胞が出産前および初期の出産後の期間中に存在しなかったように機能層細胞の寛容としてありそうにない。これらの基底層細胞は、双子の姉妹(胎児性/胎児性細胞の移動)からの対象の宿主の出生前期の間に、または双子の姉妹の母(母の幼少または妊娠前の間に得られる細胞の母性/胎児性細胞移動)から得られることができる。これらの基底層細胞は、胎児の寛容を再度もたらして、その女性の胎児にさらに移入できるかまたは、あるいは、多くの世代においてT細胞編集の間のその対象で共生様状態を得ることができる。
【0051】
この母性/胎児性移動は、エストロゲンに依存する子宮内膜基底層細胞の選択された移送において好適な経路を提供することができ、この経路は、妊娠中に卵巣(子宮内膜移植で最も一般的な部位の中心)から母性/胎児の区画までエストロゲン生成の周知のシフトによって強化されることができる。さらに、エストロゲン・サプルメントを必要としている治療を続けて受けているときに、この経路は、乳児、男性、思春期前の女性および子宮摘出および卵巣摘出の後の成人の女性の寛容な子宮内膜細胞の発見を説明することができる。
【0052】
後に機能層細胞を生産し始めない限り、男児はこれらの極めて少ない同種異系の子宮内膜基底層細胞を寛容し、例えば、男性の宿主は、再発癌のためのまたは性転換のためのエストロゲンケモセラピーを受けなければならない。男性および乳児の子宮内膜症の予期しない発見は、全ての男性または乳児の統計の部分的なものとして、全ての男性および乳児のわずかなサンプルであり、非常に高い、真の発生率を隠す。しかしながら、同種異系の子宮内膜細胞のこの隠れた供給源は、特定の状況下における移植片反応の男性の宿主を提供する。
【0053】
あるいは、閉鎖した遺伝子プール(closed gene pool)と関係のない男性は、例えば、アイスランドなどの比較的閉鎖的な繁殖プールの発達上の自己寛容の範囲を拡大する遺伝子を移動することができる。
【0054】
発達上の自己または共生様状態において、同種異系の基底層細胞は、主に、非免疫原性である。エストロゲン循環シグナルに反応して、異所性基底層細胞(それらの異所性の相対物のような)は、多数の機能層の娘細胞を生成するために増殖する。これらの機能層細胞は、膜の下で空腔を形成することができ、入り込んでいる膜を隆起するかまたは変形させて、病変を引き起こし、局所的に膜のなめらかさを減少させて、機能層細胞がほぼ月ごとのアポトーシスを経験するときに、異所的な部位で漿液の組織または粘膜膜の下に隣接する組織または潰瘍化を伴う、不適切な結紮線に結果としてなる。機能層の増殖およびアポトーシスのサイクルは、鬱血している異所性血液をもたらし、ESF細胞アポトーシスが毎月段階的に拡大して子宮内膜腫に結果としてなる膜の下で一種の血性水泡を引き起こすように、過剰に分解されたヘムの免疫系をブロックする能力および/またはCMI分解を妨げる共生様の免疫状態により、宿主の強化されない(unpotentiated)食細胞の細胞性免疫反応によってきれいにされることができない細胞破片を生成する。
【0055】
マクロファージの機能における過剰な鉄の抑制結果は、既に記載されており(Harhaji et al, Clinical & Experimental Immunology (2004) 137(1): 109−116)、一酸化窒素および過酸化水素生成のブロッキングに帰される。マクロファージは、再生及び再度赤血球へ組み込むための鉄のスカベンジング、分解されたヘムの回帰を含む。しかしながら、鉄のスカベンジングは、食菌作用を阻害する。
【0056】
通常、損傷した部位や迅速に発達する同種異系の細胞の部位では、周囲の細胞は、血流をこの領域に増やすためにサイトカインを分泌し、細胞性免疫系の細胞を補充して炎症反応を開始する。ここで細胞性免疫系は、好中球を含み、その好中球は、増加した血流量またはサイトカインと呼ばれている部位の自己細胞によって発生するシグナルに引きつけられる。好中球は、損傷の部位または成長の早い、同種異系の細胞の部位に侵入することができて、この部位の全自己細胞または傷ついた自己細胞および外来細胞の食菌作用を始めることができる。外来細胞を含む全細胞または傷ついた細胞を食菌した好中球は、2、3日後に、アポトーシスを受ける。アポトーシスを受ける前に、これらの細胞は、ホスファチジル・セリン・シグナルをそれらの表層に提示する。この種の好中球は、マクロファージによって食菌される。トランスフォーミング成長因子βなどの炎症の消散及び治癒を促進する、マクロファージのシグナル分泌に先立って、アポトーシスが実施される前に、マクロファージは、アポトーシス以前の好中球の表層上のホスファチジル・セリンを認識する。マクロファージは、完全な好中球の内容物から抗原を分け取ることができ、これらの抗原をCMIおよび液性免疫系(HIS)の他の構成要素に提示することができ、ここで、補体と同様に、マクロファージは抗原特異的な液性の構成要素(例えばB細胞)を訓練するために用いてもよく、将来の活用のために存在するマクロファージに「記憶」を提供する過程を経験させる。宿主に対する抗生物質の投与は、この通常の細胞性/液性免疫系活性を損ない、この出来事の後の手術は、この出来事の記憶を維持する、内在のマクロファージの局所の群を取り除く。鉄分の出所源がきれいにされるまで、分解されたヘムの存在はこの過程に干渉する。食細胞によるアポトーシス細胞の不適当であるか遅延されたクリアランスは、自己免疫不全に結果としてなる(Immunological Consequences of Macrophage−Mediated Clearance of Apoptotic Cells, Aunjung, Kim, et al, in Cell Cycle. 2005 Feb 7;4(2))。
【0057】
あるいは、通常の好中球のシグナル化が不全である場合、例えば、酸性への変化または過剰な鉄の存在のため、好中球は壊死を受ける。細胞内鉄および分解されたヘム産物は、特に、子宮内膜腫に集中される。好中球の壊死は周囲のマクロファージに炎症を強化するシグナル分子(例えば、トランスフォーミング成長因子アルファ)を分泌させる。好中球によって消費された、自己細胞炎症性の要因は、細胞外の空間に放出されることができ、さらに、局所的な炎症を強化する。組織潰瘍化がこれらの無酸素状況において形をなして、成長し続けるように、血流が膜の下の発達する空腔にプールされるにつれて、これは更に局所的な細胞外鉄の濃度を高める。
【0058】
マクロファージが好中球の壊死の残りを消費する場合、液性免疫系に提示できる抗原は保存されない。宿主が日和見性の感染であるように共生様生物を処理する場合、抗原を液性免疫系の細胞に提示する、マクロファージの能力は、損なわれるか、または過剰なヘムの存在で損なわれる。抗原を提示する、減じた活動は、維持される炎症性の状態を生じることに関係しており、免疫系の発達上の自己状態が標準に戻る(そして、このように新しい共生の/共生様であるか若しくは非共生の微生物感染症に寛容である)一方で、出産の後に続くことができる。充分な鉄がESF細胞を保護するために蓄積される前に、このような減少する抗原を提示する活性はまた、成人の人間の宿主の最初の子宮内膜腫ESB細胞感染症をもたらして、維持することに関係している。
【0059】
血球の壊死によって分解したヘムから放出された過剰な鉄は、哺乳類の鉄の保護機能の一部分として、通常、マクロファージによってスカベンジされる。マクロファージが生理中の子宮に侵入するときに、この鉄のレギュレーションが観察される。マクロファージの鉄の蓄積は、様々な炎症性刺激に反応するためにマクロファージの能力を弱めることが示される(Ward et al, (2002) Biochemical Society Transactions 30(4): 762− 765)。特定の論理に制限されることなく、過剰な鉄が、細胞性免疫系の通常のミエロペルオキシダーゼの酸化ルートの効果を減じ、それらの通常の殺菌性で、のみ込まれた物質を消化する合成物を製造するために細胞性免疫系の能力を弱め、このように、炎症状態の消散および治癒に対する事前に説明された経路を妨げることが考えられている。
【0060】
その他を阻害する各々の経路について、マクロファージの鉄のスカベンジングおよび食細胞の活性は、相互に適合しない。両者が細胞性免疫系と液性免疫系に抗原提示を妨げるように、ある程度は、過剰な分解したヘムの存在は発達上の自己に類似した免疫状態、または共生の感染症の状態に結果としてなる。
【0061】
上記で概説したように、マクロファージが液性免疫系にまたは細胞性免疫系のヘルパーT細胞およびB細胞に同種異系の機能層細胞のアポトーシスから生じている抗原を提示することができないので、同種異系の機能層細胞の異所的な成長は、一般的に、過剰な分解したヘムがある場合には、非免疫原性である。しかしながら、例えば、ヨウ素の有効量の投与によって、細胞性免疫反応は、強化されることができる。基本的なヨウ素が、線維嚢胞性形成異常の治療で用いることができることが開示されている(Ghent et al (US Patent No. 4,816,255))。臨床試験(図2)は、ヨウ素の投与が、患者の子宮内膜細胞破片、異常な器官のアタッチメント(attachment)、子宮内膜腫および機能層の細胞塊の浄化に効果的なことを証明した。同様に、過剰なヘムは、適切なキレート剤(例えば、デスフェリオキサミン(desferrioxamine))を用いて追加的に処理されることができ、細胞性免疫細胞がより通常に作動することができる。あるいは、マクロファージが鉄をスカベンジするための時間を延長するために、このような過剰なヘムは、月経期間の互いの間隔の時間を延長する、アポトーシス・メディエイタを使用して処理することができる。
【0062】
特定の論理に限定されないで、この反応が酸化に依存しないように独立してFeIに減じることによって、細胞性免疫細胞のヨウ素の強化で、細胞性免疫細胞に鉄をスカベンジさせるが、還元反応であると考えられている。特定の論理に制限されることなく、マクロファージの鉄のスカベンジングの鉄のキレート剤とヨウ素の強化の活用は、酸化されることから過剰な分解されたヘムを妨げることを助け、鉄または、あるいは、細胞性免疫系のミエロペルオキシダーゼの酸化ルートによって生成される、麻痺性殺菌酸化剤は、この細胞破片の浄化を再開させる。これは、in vivoで液性免疫系にESF細胞抗原を提示させることによって、細胞性免疫活性をさらに強化する。また、ESB細胞抗原のex vivo提示は可能であり、それによって、胎児の寛容または他の共生様状態を確立する間において、発生され得る、サプレッサーT細胞の効果を回避する。
【0063】
強化された状態において、子宮内膜腫での過剰な鉄が減少した後、宿主の免疫系は異所性同種異系の細胞と真の「自己」細胞を区別することができるようになる。子宮の通常の自己子宮内膜細胞に対するいかなる効果がなく強化されない場合でも、これは、ほとんどの子宮内膜腫の通常の免疫系の分解から明らかである。すなわち、過剰な鉄をクリアするヨウ素の有効量の投与は、通常の免疫系活性においてあまりにも持続的に残留し、残存する異所性同種異系のESF細胞に対して選択的に免疫反応を高める宿主の免疫系を可能にする。この増強された状態は、特に、マクロファージなどの食細胞が、ボディアーキテクチャ(body architecture)を歪めて、分解したヘムからの過剰な鉄の存在において、持続的な炎症状態をなすことによって病理を引き起こす体のいずれの箇所においても、細胞の残存物と活性組織の両者をきれいにできるように、細胞性免疫を高める。ボディアーキテクチャのこの歪曲は、免疫反応に必要な最初のステップである局所的な膨張から生じる。膨張は、侵入する組織の発達およびその成長に対する自己細胞反応によって生じる。この能力は、特に、異所性子宮内膜機能層細胞のそれらの組織および機能層細胞のアポトーシスから生じている、いかなる細胞破片(通常のボディアーキテクチャ、特に、子宮内膜腫が込み合っているこれらの子宮内膜細胞から生じている不適当な組織のアタッチメントを含む)まで及ぶ。この浄化は、すべて上述した細胞(いくらかの癌細胞を含む)を含み、同様にして、異所的な場所において免疫系に魅力的な病理を引き起こす。
【0064】
免疫反応が分解したヘムのような鉄をスカベンジするために強化される場合、免疫系は異所性子宮内膜細胞、病理を生成しない異所性細胞破片または異所性同種異系の基底層細胞に対して異常な影響を及ぼさず、後者はボディアーキテクチャの変化を引き起こさないので、共生様状態を有して、その結果、宿主の免疫系に魅力的な病理を示さない。強化されない場合、この細胞破片は、子宮内膜腫を形成している漿液であるか粘膜膜または時々チョコレート嚢胞と呼ばれている、血性水泡に似ている嚢胞様構造の下でトラップされたままである。
【0065】
投与される熱力学的に遊離したヨウ素として極めて高純度ヨウ素の量は、通常の体および食事が必要とする量を上回り、それは、宿主の免疫反応を強化することに効果的であり、当業者によって容易に測定されることができる。熱力学的に遊離したヨウ素は、水または他の適切なキャリアにおいて投与されることができて、アジュバント(例えば抗炎症剤、抗凝血剤、抗血小板剤およびアポトーシス・メディエイタ)によって伴うことができる。ここで使用されるように、「抗血小板剤」は、例えば、アセチルサルチル酸を含む。例えば、基本的なヨウ素の水溶液として投与される際に、基本的なヨウ素は宿主の食事のヨウ素必要量よりも多く、50キログラムの体重につき約0.1から約28mg/日の範囲で投与されることができる。投与されるヨウ素の量は、必要に応じて50キログラムの体重につき、通常の体および食事で必要とする量を上回り、1日に約0.2から約40mgのヨウ素に増加してもよい。投与療法が周期的に中断されるかまたは止められる場合、免疫反応を強化するためのヨウ素の活用は最も効果的である。これは、免疫反応を強化するのに必要なヨウ素の量を減少させることに結果としてなり、甲状腺に過剰なヨウ素を分泌させる。
【0066】
子宮内膜腫の上述した細胞のディファレンシャルな(differential)免疫原性は、CMIが上述した細胞を処理する、選択的な方法によって示される。大きさまたは数にかかわりなく、子宮内膜腫の減少は、子宮内膜症患者のCMI活性の自然の結果としてみなされる。最も外来の細胞が最初に片付けられ、その一方で、宿主と遺伝的に最も近く、したがって、最も自己免疫を引き起こしそうな細胞が最終的に片付けられる。ディファレンシャルな免疫のESF細胞のこの浄化は、即時の免疫反応を引きつけることなく、ESFの娘細胞を発現することができない、いくらかのESB細胞に結果としてなり、その一方で、いまだ未分解の細胞はESFの娘細胞を発現し続ける。図2に示すように、ESF細胞を発現することができないこれらのESB細胞は、我々の最初のヒトの臨床試験の中に存在することを示す隠れたESB細胞群を形成する。
【0067】
同種異系の異所性基底層細胞のディファレンシャルな免疫原性は、子宮内膜症の症状の究極的な原因となる細胞を同定する新規な方法を提供する。同種異系の子宮内膜基底層細胞の異なる免疫原性を利用することによって、子宮内膜症の症状に対する原因となる細胞の位置が同定される。異所性機能層細胞を同定し、除去することが、いくらかの一時的に待期的な軽減を提供することができるのに対して、新規な機能層細胞が異所性基底層細胞に由来されるにつれて、この方法は子宮内膜症を治癒しない。より永続的な治療を子宮内膜症に提供するために、同種異系で自己移動の子宮内膜基底層細胞は、除去されなければならないか、または破壊されなければならない。子宮内膜症の関係において、ESB細胞を除去することは、既に悩まされている宿主を治療することができるだけでなく、宿主の次代の子孫たち(男性を含み、または輸血による、男性を含む知らない他人への伝達、晩年における疾患の治療のためのエストロゲンの活用の制限)への世代間の伝達を予防することもできる。
【0068】
一つの実施態様において、したがって、本発明は、異所性で同種異系のESB細胞を同定する方法を提供する。この方法は、子宮内膜症で苦しめられる宿主にヨウ素を投与することを含む。ヨウ素の形態は、宿主の細胞性免疫系が分解したヘムをスカベンジするマクロファージの能力を増強できるように、宿主の細胞性免疫系を強化するように作用するいかなる形態であってよく、このように、外来の傷ついた細胞の通常の食菌作用をさせて、好中球並びに抗原生成および提示のための材料を提供するために適時な手法でマクロファージによる好中球によって、このような細胞をのみ込ませる。好ましくは、ヨウ素の形態は、2価ヨウ素(ヨウ素の全ての形で最少の毒性を有する)であることが望ましい(Ghent et al (1993), Canadian J. of Surgery 36:453; and 米国特許第4,555,347 (O’Dowdに発行))。O’Dowdに発行された米国特許第4,555,347に開示されるように、2価ヨウ素は、水溶液であってもよい。ヨウ素は、蒸気として呼吸による経口投与、内部的な移植、制御された放出形態での外部への適用、皮膚用パッチとしてのヨウ素蒸気透過性膜または温感性のヨウ素浸透性徐放障壁による吸入、あるいはハロン(Halon)スターチを有するピルとしての製剤とされてよい。相当量の分解したヘムを含み、旧来から持続している子宮内膜腫の場合、特定のヒトの寛容なキレート剤は、鉄の存在する量を減少するのではなく、さらなる酸化を妨げることによって、同様に細胞性免疫の通常作用をさせるために、子宮内膜腫に投与されてよい。また、ESFアポトーシスからの分解したヘムの新しい流入が子宮内膜腫において現れる前に、エストロゲン・サイクル・サプレッサーのようなアポトーシス・メディエイタまたは他の手段が、マクロファージにできるだけ多くの鉄をきれいにさせる、月経期間の互いの時間間隔を延ばすために用いてもよい。
【0069】
同種異系の機能層細胞およびそれらの残存物に対する強化された免疫反応の正確な位置は、ヨウ素投与の前とヨウ素投与後のおよそ28日に取得した非侵襲性の軟組織画像を比較して、子宮内膜腫のサイズ減少を強調することによって決定されることができる。このような投与を中止すると、基底層の母細胞からのこのような機能層細胞の再生パターンは、画像を比較することによって観察されることができる。再生は、ESB細胞が存在し、活性中であることを確認する。非侵襲性の画像化は、個人の全体で、または好ましくは、子宮内膜症が証明された腹部であるか腹膜空腔または他の場所で実行されてよい。抗原提示および同種異系の機能層細胞に対して、続く免疫反応をさせるためにスカベンジングする、分解したヘムを増大する、強化された細胞性免疫反応の位置(複数可)は、免疫系が強化される前後で獲得された画像を比較することによって決定できて、プロットできる。免疫系強化を中止することで、子宮内膜腫が活性なESB細胞と関係している場合、子宮内膜腫は非常に急速に再成長する。
【0070】
これらのESB細胞が内潜する所で、CMI免疫のダウンレギュレーターは、それらの再出現を許容し、ヨウ素ケモセラピーと組み合わせる、それらのCMI免疫のダウンレギュレーターの中止によってこれらの新しい子宮内膜腫を、上記の如く、図2に実証されるように、再び分解させる。
【0071】
例えば、超音波、CTまたはX線撮影またはMRIなどの、いかなる非侵襲性の画像化方法を用いることができる(Zawin et al, Radiology 171:6931)。子宮内膜腫の大きさは変化すると考えられるが、画像化手段は少なくとも約0.1cmの病変表面積の違いを検出することができなければならない。異所性子宮内膜病変は、子宮内膜病変が月経に関する期間にわたって順次成長するという根拠に基づいて非子宮内膜病変を区別されることができ、チョコレート嚢胞と称して、それらが含む分解したヘムからの特性色を含み、処理されず、さらに、特性色を有する場合に、異所性子宮内膜病変は他の病変より異なる密度を有する。
【0072】
細胞性免疫反応の位置は、ヨウ素投与の後、軟組織画像の異所性子宮内膜腫瘍の大きさにおける減少によって測定されることができる。この細胞性免疫反応の位置は、同種異系の機能層細胞の位置を同定する。あるいは、ヨウ素の投与が停止されたか、または続くCMIダウンレギュレーション(例えば、CMIの医原性のダウンレギュレーション)の後、同種異系の機能層細胞の位置および活性に関連するESB細胞の存在は、収集される軟組織画像の異所性子宮内膜細胞塊の増加によって同定されることができる。一旦、同種異系の機能層細胞の位置が知られ、その状態の原因となるESB細胞が存在し、それらESB細胞でESF細胞を再成長させることによって活性であれば、適切にまたは必要である場合、ESB細胞は針生検によってまたは腹腔鏡によって取り除かれる。あるいは、これらの細胞は、共生様のESB細胞に対して免疫反応を誘発するのに十分な方法で刺激されることができる。例えば、必要に応じて、化学刺激物(例えば、漆かぶれまたはポイゾンオーク(poison oak)で見られる)は、同定された基底層細胞を囲んでいる領域の更なる局所炎症を引き起こし、これらの細胞に対して更なる免疫反応を始めるために移植される。
【0073】
強化される場合でも、「共生様状態」またはヘムを封鎖された細胞性免疫反応は、機能的な細胞が誘導される非免疫原性の同種異系の基底層細胞を同定することができない。基底層細胞はその機能層の娘細胞との関係を維持しており、その場合には、基底層細胞の位置は、毎月の再生の機能層細胞のパターンの位置から決定されることができる。あるいは、自己移動の基底層細胞は、その機能層の娘細胞(機能層細胞は、成長しなくて、次の月経期間を越えて置き換えられる)から移動することができる。基底層細胞の位置はまた、当業者にとって公知のソフトウェアを含む、ターゲティング・アルゴリズム(例えば、子宮内膜腫と関連することを証明した後で、目的修正型ENEAC弾道ターゲティング・ソフトウエアプログラム(purpose−modified ENEAC ballistic targeting software))を用いて算出されることができる。ENEAC弾道ターゲティング・ソフトウェアは、正確に経路の経時的な反転をモデル化して、記載するように実行された。あるいは、データ信号としての音の位置よりの、むしろ、データ信号として解像度および再生による一連のビューイング(viewings)を用いて産道を進行するにつれて、追跡ソフトウェアは乳児の鼓動を追うことができる周知のソフトウェアから適用できる。
【0074】
少なくとも一つ以上の異所性基底層細胞の位置が一旦同定されると、このような細胞は、最小限に侵襲性の通常の外科的生検法によって体から除去されることができる。また、これが、子宮内膜腫の除去の間に通常の外科的な手段によって達成される一方で、基底層細胞の特定の同定が続き、外科的に除去された基底層の生体外培養が続き、最小限の侵襲性の生検技術の活用は、周囲組織への結果として生じる損害を最小化することができる。基底層細胞が取り除かれることを確実にすると共に、この代わりの手段によって生検を行われた組織の大きさが実際的であるのと同程度に小さく保たれることができる。好ましい実施態様において、同種異系の基底細胞は、米国特許第5,980,469号において開示されるような軟組織の自動生検及び収集装置を使用して除去される。
【0075】
基底層および機能層細胞の位置を同定することによってこれらの細胞が宿主から除去されることができ、これらの細胞の遺伝的なまたは細胞適合性プロファイルは決定されることができる。異所性の子宮内膜細胞のアロゲニシティ(allogenicity)(処理される宿主の子宮から得られる、他の自己基底層細胞と関連する)は、子宮内膜症の診断を提供する。
【0076】
他の実施形態では、内潜的基底層細胞と称され、本発明は、子宮内膜腫を伴わない子宮内膜基底層細胞を同定するための方法を提供する。方法は、細胞性免疫をダウンレギュレートする薬剤(例えば、酸化防止剤)の有効量を投与するステップを含む。ここで使用しているように、他の医原性の免疫系のダウンレギュレーターと同様に、「酸化防止剤」は、ビタミンE、亜鉛およびそれらの組合せを含むが、これに限定されるものではない。いかなる特定の理論にも限られずに、細胞性免疫の正常状態において、いくつかの異所性基底層細胞は、機能層の娘細胞が成功裏に目標とされて、CMIによって分解された、内潜的基底層細胞であると考えられている。減少した細胞性免疫の状態において、これらの異所性内潜的基底層細胞は、子宮内膜腫を形成させる機能層細胞を発現するように誘導されることができる。このように形成された子宮内膜種(および先の異所性内潜的基底層細胞)は、本発明の異なる実施態様によって検出されるか、または処置される。
【0077】
細胞性免疫のダウンレギュレーターは、経口を含む既知の方法にしたがって、または体内移植(例えば、腹膜空腔の範囲内で、時間/量放出リザバーまたは医原性に活性化されたリザバー)によって、投与される。患者に対して投与される有効量は、多くの要因(中でも、投与形態、年齢、健康、被験者の健康と体重、障害または疾患状態の特性と内容、処置の頻度、併存的処置の種類)に依存して変更できる。例えば、経口投与において、体重50kgの女性において、ビタミンEは、およそ800IU/日の用量でアルファトコフェロールとして投与され、可溶性亜鉛としての50mg亜鉛は、約50mg/日の用量で投与されてよい。投与される細胞性免疫の免疫ダウンレギュレーターの有効量は、当業者によって決定される。
【0078】
他の態様において、本発明は子宮内膜症を治療する方法を提供する。一つの実施態様において、同種異系の基底層細胞は、子宮内膜症で苦しめられる宿主から除去される。細胞は、多くの異なる方法によって体から除去されることができる。例えば、生検によって除去される一つ以上の細胞は、宿主の末梢血単核細胞の培養組織に提示されることができる。Ex vivoで培養されたT細胞及びESB細胞の共生様状態は、日和見性の感染に示されたように、このようにリボークされた(revoked)(“Possibilities For Active and Passive Vaccination Against Opportunistic Infections”, http://www.isgnas.org/doc/meeting summarv.html)。
【0079】
T細胞は、免疫原性的(immunogenically)に同種異系の基底層細胞を認識するために訓練されることができる。次いで、基底層細胞は、宿主のT細胞のサブセットを活性させるために用いてもよい。細胞性免疫反応の誘導は、例えば、公知技術の標準CTL分析を使用して、ex vivo培養組織の細胞障害性T細胞の存在における試験によって直ちに評価されることができる。ex vivo細胞培養の活性化されたT細胞群は、例えば、患者に対して移入して戻されることによって、宿主生物に再導入されて戻されてよい。一旦、宿主に対して再導入(再移入)されて戻されると、ex vivoで活性化されたT細胞は、基底層細胞として抽出される同じ表面の抗原を発現する、基底層細胞を選択的に破壊する。同時に、子宮の通常の自己細胞を含む、周囲の自己組織および細胞にほとんど損傷を引き起こさない。この手順は、異なる組織適合性または遺伝子型を有する基底層細胞を破壊するために、必要に応じて繰り返されることができる。また、ESB細胞は手術によって取り除いてよい。
【0080】
別の実施態様において、ex vivoで訓練されたT細胞によって生成される、in vivo免疫反応は、トランスジェニック生ワクチン(例えば、痘瘡−ウイルス(同種異系の基底層細胞に特異的な抗原を発現するように遺伝子工学的に改変されて、ここで、抗原は宿主の子宮内膜腫、またはその免疫原性断片から回収される)の移入によって強化されてもよい。いかなる特定の理論にも限られずに、同種異系の基底層細胞に対する、特異的な抗原を発現するトランスジェニック・ウイルスの導入が、宿主の液性免疫系によって即座の反応を引き起こすと考えられている。
【0081】
さらに他の態様では、本発明は、宿主の遺伝子型(すなわち、宿主の「自己」細胞の遺伝子型)を異所性子宮内膜細胞の遺伝子型と比較することよりなる子宮内膜症を診断する方法を提供する。異所性細胞のアロゲニシティは、子宮内膜症を確認する。異所性子宮内膜細胞は、本発明によって同定されるESB細胞であってよい。それぞれの細胞のジェノタイピング(genotyping)(多型性及びマイクロサテライトDNA分析を含む)は、当業者に既知の方法(例えば、制限酵素断片長多型(RFLP)、一塩基遺伝子多型(SNP)または縦列型反復配列(STR)アッセイ)によって達成できる。
【0082】
当業者によって理解されることができるように、本願明細書において記載されている例示的な実施形態に対する多くの変更態様は可能である。むしろ本発明は、請求項によって定義されるように、その範囲内におけるすべての変更態様を含むことを目的とする。
【実施例】
【0083】
用語「TFI」は熱力学的に遊離したヨウ素を意味し、用語「TFI」はアジュバント(例えばアポトーシス・メディエイタ)と結合して使用する熱力学的に遊離したヨウ素に関する。本明細書において述べられる結果において、TFIは、アポトーシス・メディエイタ(アスピリン)での処置を含む。「カウンターセラピー」は、CMI(例えば酸化防止剤)をダウンレギュレートする合成物の活用を含む処置に関連する。ここで使用される酸化防止剤は、ビタミンEおよび亜鉛である。
【0084】
ESB細胞が共生様であり、CMIによって認識されないが、おそらく以下の4つの理由のうちの一つのために、子宮内膜腫は、経時的な方法で分解されるように思える:
(i)可能な場合、CMIがESF細胞を攻撃するが、通常、マクロファージの抗原生成および提示をブロックする鉄のホメオスタシスによって妨げられるために、ESF細胞はそれらの宿主とは遺伝的に相当異なり、共生の状態によって保護されない;
(ii)毎月のグローアウトサイクル(grow−out cycle)の開始時でいくらか稀な状況における理由のために、ESF細胞のいくらかランダムな群が保護されなくなり、例えば、なぜなら、鉄がこれらの細胞の急成長を押し上げて広げる、固体のかさぶたに凝固し、CMI細胞がこの鉄が十分なかさぶたの真下に達し、これらの成長するESF細胞を攻撃することができ、それによって、適切なCMI細胞に対して、有効な抗原を送達し、次いで、これらの細胞を首尾よく攻撃する;
(iii)熱力学的に遊離したヨウ素(TFI)での治療が止められるまで、ESB親細胞が以前の位置に戻る場合、ESBの親細胞は時々移動して、未知の理由のために娘細胞を生産しない;または
(iv)あるいは、CMIはダウンレギュレートされて、これら共生様ESB細胞が非共生様ESF細胞を生成させる。
【0085】
マクロファージのTFI強化は、FeOからの還元によって、マクロファージによりスカベンジされた、可溶で容易に再度酸化できない、FeIの製造を可能にするか、FeIを製造するFeOの製造を可能にして、これは、分解したヘムから鉄が一種のカスケード効果におけるマクロファージのスカベンジング(可溶性で、他の要素から分離するので)によって奪取されることができる部位で、全ての鉄の酸化状態の正味の還元を可能にする。これは、TFIによって達成されることができ、その理由として、より少ないエネルギーを必要として、無酸素状態で過酸化水素水への水の酸化に必要なCMI細胞の一部での効果を必要としない、NOとしての産物が更にFeを酸化する場合に、TFIが酸化剤であるためであり、その酸化剤は、それ自身の酸素、還元水、HOをHIO+Hにさせるものであり、かつ、TFIが他の酸化された物質(IまたはHIOによる)のための還元剤であるためである。
【0086】
TFIケモセラピーが甲状腺を安静にさせるように止める場合、我々は、後の低い供与量率で鉄のスカベンジングにおける一般的な改善(ゆっくりと毒化され得る(おそらく、Iによる三ヨウ化物)、多段階プロセスをほのめかし、)を確認し、通常、この処理の中断の間に、それらの不完全に分解された子宮内膜腫における可視性に対する回復を確認する。我々が予め計画した甲状腺の活動休止期に近づくように発生するために、第三者の証拠のトライアルの時間を定め、可能な限り近く、各々の活発な子宮内膜腫の位置の前で月ごとに超音波を取り、そのような活動休止期を3回含み、2回の甲状腺の検査を加える。
【0087】
この過程(自然な過程の強化である)において、子宮内膜腫の数における最も劇的な低下は最初の年(Stage I Endo)において起こり、次いで、その過程は減速する。多くの小さい子宮内膜移植組織で迅速にFe問題を分解することによって、この分解勾配はCMIが最初に最も外来のESF細胞を得ることを支援することによって生じると考えられが、ステージIVで減少する。左の卵巣の子宮内膜腫は、得るのが最も困難であると判明されて、おそらく遺伝的に最もその宿主のようである。
【0088】
患者がいまだTFIケモセラピーにある間、最も単純な試験は、穏やかにCMIをダウンレギュレートすることであり、次に、起こることを観察することであった。次いで、患者は、800IU/日のビタミンE(トコフェロール)を摂取した。新たな子宮内膜腫が発達し、古い子宮内膜腫が迅速にその大きさを増大して、わずかな変化が観察されたが、結果は予想されるほど劇的ではなかった。第2の酸化防止剤(ダイエット亜鉛(10mg/日))は、療法に加えられた。両方の酸化防止剤の用法により、蓄積効果が非常に明らかだったにもかかわらず、これがどちらの酸化防止剤における特例でもなかったと言うことができた。ビタミンEは亜鉛の2週間前に止められて、亜鉛だけの期間を提供した。TFIによって誘発された分解は、いまだ妨害された。新しい場所で、二ヶ月目の末までには相当に大きいサイズのより多くの子宮内膜腫が見つかった。それで、我々は全ての酸化防止剤を止めて、TFIを続け、酸化防止剤の作用をさらに弱めるために、アポトーシスレギュレーター、アスピリンを加えた。サイズおよび数における子宮内膜腫の安定した急速な減少は、急速に患者を正常範囲内に戻した。
【0089】
それから、患者は甲状腺の活動休止期に入り、通常通り、最近ではわずかの不完全に分解された子宮内膜腫が発達したが、合計で5つのうちの2つは、2年前から分解されていると考えられていた。
【0090】
経膣的な超音波の使用において、子宮内層の厚みを観察して、比較することが可能であった。腹膜空腔での全ての活性にもかかわらず、異常な変化は観察されなかった。
【0091】
このように、我々は、子宮内膜腫の成功したCMIが導く自己分解が、ステージIからステージIVでの子宮内膜症における標準であり、おそらく、ステージIIIの中間または終了までのすべてのこのような分解によって説明され、この成功した分解はステージIVで止まることを示した。TFIの使用は、この複数年プロセスの速度を上げて(さもないと、約15年かかる)、このような分解を約1、2年に減じて、痛みの緩和を提供する。また我々は、自己分解、非共生様のESF細胞のおそらく単なる分解であるTFI分解を示し、そして、我々がこれらの隠れたESB細胞がESF細胞の生成を再び開始できる条件(免疫のダウンレギュレーションによって)を確立できることを示した。
【0092】
子宮内膜症におけるビタミンE、亜鉛、および同様の他のOTC酸化防止剤の作用は、CMI能力を減少させることであり、無症候性状態へ回帰することを我々は提案する。これらの産物が症状を減じ、CMI能力を減じることでこれらの産物が症状を減じて、このことにより、患者の危険が容認できないほど増すように思える。これは、妊娠中に起こることと類似している、すなわち、CMIはダウンレギュレートされるので、月経周期がない場合、症状は減少する。
【0093】
症状が、遮断された免疫活性(一種のイムノ・フラストレーション)によって生じるので、酸化防止剤および妊娠は、患者の症状を緩和する。ステージIVで残存する子宮内膜腫は、それらが最も密接にそれらの宿主に関連しているので、同様に分解するのが困難である。完全には自己細胞を攻撃しないことを学ぶことにおいて、これらのCMI細胞は自己を攻撃する寸前であり、これはおそらく、このステージにおいて子宮内膜症を併発して見られる自然自己免疫流産の原因である。それらの最後の子宮内膜症ESB細胞とそれらのESFの娘細胞が、双子の患者として近似するように、患者の胎児と同程度遺伝的に、少なくとも患者と近似することができる。この患者の家族の歴史は、我々にそれが姉妹の細胞であると思わせるが、しかし、遺伝子型を知るまでは、我々は知ることはない。
【0094】
この臨床的な実証は、患者に在留する共生様のESB細胞の複数世代の伝達を提供する、同種異系の細胞の伝達経路の我々の命題を支持する演繹的な証拠を提供する。
【0095】
この方法は、手術後の試験に、5年間待つ必要がなく、手術の効果を実証するために用いることができる。子宮内膜腫が体のどこに位置しようとも、この方法は、全ての子宮内膜腫を捕集するジェノタイピング/リトランスフュージョン(geno−typing/re−transfusion)の細胞を収集する方法で用いられることができる。
【0096】
上記の研究の患者は、計数するにはあまりに多くの子宮内膜移植組織部位があって、診断した時にステージIにあった。何百ものそれらのESB細胞のほぼ全てが、いまだ潜在的に活発であるが、現時点で内潜的であると考えられる。免疫ダウンレギュレーターは、これらの共生様細胞を再活性させるように作用する。
【0097】
超音波によって検出可能な様に、カウンターケモセラピーの使用が、子宮のそれらの類似した通常の自己細胞で変化をもたらさなかった点に留意する必要がある。患者がアスピリンを摂取することによって患者が延長された期間周期を有することを除いて、患者の期間の後、これらすべての超音波は3〜4日で取られた。
【0098】
関連出願の相互参照
本出願は、先の仮出願(2004年8月20日付で出願された出願番号60/602,888および2005年5月11日付で出願された出願番号60/679,672)の利益を主張し、その仮出願の内容は参照としてここに組み込まれる。

【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】最初のキメラ形成に対する個々の宿主の関係を例示して、子宮内膜症の世代間の伝達のパターンを表す。
【図2】熱力学的に遊離したヨウ素(TFI)およびTFIに加えたアポトーシス・メディエイタ(例えば、アスピリン、(TFI)ケモセラピーを使用する子宮内膜腫および子宮フィブロイドの分解のパターン、ならびに、医療監督下で成人女性のカウンターケモセラピーとして、CMI免疫ダウンレギュレーターの最低限の利用と関連する子宮内膜腫の許容効果を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類宿主の異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するための方法であって、該方法は、
a)第一の内部の軟組織画像を得ることと、
b)迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するヨウ素の有効量を投与することと、
c)投与後に1つ以上の連続する内部の軟組織画像を得ることと、及び
d)異所性同種異系の細胞の位置を同定するために第一の内部の軟組織画像と1つ以上の連続する内部画像を比較すること
よりなる方法。
【請求項2】
前記異所性同種異系のイニシエーター細胞は、子宮内膜基底層細胞であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
子宮内膜症を治療するための方法であって、該方法は、
a)請求項1による異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定することであり、該異所性同種異系のイニシエーター細胞は同種異系の子宮内膜基底層細胞であること、および
b)前記異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を取り除くこと
よりなる方法。
【請求項4】
前記異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を取り除くことは、前記子宮内膜基底層細胞に対する効果的な免疫反応を誘発するために十分な手法で前記子宮内膜基底層細胞を刺激することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記刺激することは、前記子宮内膜基底層細胞の近くに、生物刺激原または化学刺激原を加えることよりなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記化学刺激原は漆かぶれまたはポイゾンオークから得ることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を取り除くことは、
a)前記宿主から1つ以上の異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞を取り除くことと、
b)ex vivoで同種異系の細胞を前記宿主の免疫細胞と作用することによって、細胞性免疫反応を刺激することと、および
c)前記宿主の前記同種異系の基底層細胞に対して、in vivoで細胞性免疫反応をもたらすために前記宿主の体に前記宿主の免疫細胞を再導入すること
よりなることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記宿主の免疫細胞は、末梢血単核球であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
同種異系の異所性の原因となる細胞を同定するための方法であって、該方法は、
a)第一の内部の軟組織画像を得ることと、
b)迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するヨウ素の有効量を投与することと、
c)投与後に1つ以上の連続する内部の軟組織画像を得ることと、及び
d)同種異系の異所性の原因となる細胞の位置を同定するために第一の内部の軟組織画像と1つ以上の連続する内部画像を比較すること
よりなることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記同種異系の原因となる細胞は、子宮内膜機能層細胞であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
同種異系の共生または共生様細胞の存在下で引き起こされる病理、疾患または障害の治療の効力を決定するかまたは改善する方法であって、該方法は、
a)処置の後に、第一の内部軟組織画像を得ることと、
b)迷走異所性組織に宿主の免疫反応を強化するためにヨウ素の有効量を投与することと、
c)該投与の後、一つ以上の連続する内部軟組織画像を得ることと、および
d)残留する異所性同種異系のイニシエーター細胞または異所性同種異系の原因となる細胞の位置を決定するために第一の内部軟組織画像と一つ以上の連続する内部画像を比較すること
よりなる方法。
【請求項12】
前記処置は、手術よりなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記手術は、腹腔鏡検査法よりなることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第一の内部軟組織画像を得る前に、細胞性免疫のダウンレギュレーターの有効量をさらに投与することよりなることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記細胞性免疫のダウンレギュレーターは、酸化防止剤であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化防止剤は、ビタミンE、亜鉛、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヨウ素の有効量は、宿主の通常の体および食事での必要を上回り、約0.11〜約28mg/日であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ヨウ素は、2価のヨウ素であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記2価のヨウ素は、水性溶液で投与されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の内部の軟組織画像および一つ以上の連続する内部軟組織画像は、非侵襲性画像化方法によって得られることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記非侵襲性画像化方法は、超音波、MRI、CTまたはX線撮影であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記同種異系のイニシエーター細胞または同種異系の原因となる細胞の位置は、ターゲティング・ソフトウェアを用いて同定されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ターゲティング・ソフトウェアは、目的修正型ENEAC弾道ターゲティング・ソフトウエアプログラムであることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ターゲティング・ソフトウェアは、産道により、乳児の移動を測定するために開発されたソフトウェアから適用されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ヨウ素と組み合わせたアジュバントの有効量の投与をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記アジュバントは、鉄のキレート剤であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記鉄のキレート剤は、デスフェリオキサミンまたはo−フェナントロリンであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アジュバントは、アポトーシス・メディエイタ、抗血小板剤、または抗炎症剤であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記アポトーシス・メディエイタは、アセチルサリチル酸であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
哺乳類宿主での子宮内膜症の診断方法であって、該方法は、異所性同種異系の基底層細胞または異所性同種異系の機能層細胞の遺伝子型に対する宿主の遺伝子型を比較することよりなる方法。
【請求項31】
哺乳類宿主で異所性同種異系のイニシエーター細胞を同定するためのヨウ素の有効量の使用であって、該ヨウ素は、迷走異所性組織に対して、宿主の免疫反応を強化するのに効果的であることを特徴とする使用。
【請求項32】
前記異所性同種異系のイニシエーター細胞は、子宮内膜基底層細胞であることを特徴とする請求項31に記載の使用。
【請求項33】
子宮内膜症を処置するためのヨウ素の有効量の使用であって、該子宮内膜症は、子宮内膜基底層細胞である、異所性同種異系のイニシエーター細胞の存在に関連し、該ヨウ素は迷走異所性組織に対して、宿主の免疫反応を強化するのに効果的であることを特徴とする使用。
【請求項34】
前記子宮内膜基底層細胞に対して効果的な免疫反応を誘発するために十分な手法で、前記子宮内膜基底層細胞を刺激するための刺激原の使用をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の使用。
【請求項35】
前記刺激原は、生物刺激原または化学刺激原であることを特徴とする請求項34に記載の使用
【請求項36】
前記化学刺激原は漆かぶれまたはポイゾンオークから得ることを特徴とする請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記宿主に対して該宿主の免疫細胞を再導入した後で細胞性免疫反応を刺激するために、ex vivoで前記宿主の免疫細胞と反応するための該宿主から取り除いた、1つ以上の異所性同種異系の子宮内膜基底層細胞の使用をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の使用。
【請求項38】
前記宿主の免疫細胞は、末梢血単核球であることを特徴とする請求項37に記載の使用。
【請求項39】
同種異系の異所性の原因となる細胞を同定するためのヨウ素の有効量の使用であって、該ヨウ素は迷走異所性組織に対して、宿主の免疫反応を強化するのに効果的であることを特徴とする使用。
【請求項40】
前記同種異系の原因となる細胞は、子宮内膜機能層細胞であることを特徴とする請求項39に記載の使用。
【請求項41】
同種異系の共生または共生様細胞の存在下で引き起こされる病理、疾患または障害の治療の効力を決定するかまたは改善するためのヨウ素の有効量の使用であって、該ヨウ素は迷走異所性組織に対して、宿主の免疫反応を強化するのに効果的であることを特徴とする使用。
【請求項42】
細胞性免疫のダウンレギュレーターの有効量の使用をさらに含むことを特徴とする請求項31乃至41のいずれか一項に記載の使用。
【請求項43】
前記細胞性免疫のダウンレギュレーターは、酸化防止剤であることを特徴とする請求項42に記載の使用。
【請求項44】
前記酸化防止剤は、ビタミンE、亜鉛、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記ヨウ素の有効量は、宿主の通常の体および食事での必要を上回り、約0.1〜約28mg/日であることを特徴とする請求項31乃至44のいずれか一項に記載の使用。
【請求項46】
前記ヨウ素は、2価のヨウ素であることを特徴とする請求項31乃至45のいずれか一項に記載の使用。
【請求項47】
前記2価のヨウ素は、水性溶液で投与されることを特徴とする請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記内部の軟組織画像を得るための非侵襲性画像化方法の使用をさらに含むことを特徴とする請求項31乃至47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項49】
前記非侵襲性画像化方法は、超音波、MRI、CTまたはX線撮影であることを特徴とする請求項48に記載の使用。
【請求項50】
前記同種異系のイニシエーター細胞または同種異系の原因となる細胞の位置を同定するためのターゲティング・ソフトウェアの使用をさらに含むことを特徴とする請求項31乃至49のいずれか一項に記載の使用。
【請求項51】
前記ターゲティング・ソフトウェアは、目的修正型ENEAC弾道ターゲティング・ソフトウエアプログラムであることを特徴とする請求項50に記載の使用。
【請求項52】
前記ターゲティング・ソフトウェアは、産道により、乳児の移動を測定するために開発されたソフトウェアから適用されることを特徴とする請求項50に記載の使用。
【請求項53】
前記ヨウ素と組み合わせたアジュバントの有効量の使用をさらに含むことを特徴とする請求項31乃至52のいずれか一項に記載の使用。
【請求項54】
前記アジュバントは、鉄のキレート剤であることを特徴とする請求項53に記載の使用。
【請求項55】
前記鉄のキレート剤は、デスフェリオキサミンまたはo−フェナントロリンであることを特徴とする請求項54に記載の使用。
【請求項56】
前記アジュバントは、アポトーシス・メディエイタ、抗血小板剤、または抗炎症剤であることを特徴とする請求項53に記載の使用。
【請求項57】
前記アポトーシス・メディエイタは、アセチルサリチル酸であることを特徴とする請求項56に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−510687(P2008−510687A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526152(P2007−526152)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001269
【国際公開番号】WO2006/017939
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507054010)
【Fターム(参考)】