説明

孔版印刷機

【目的】 インキ溜りのインキ量を適切に検知して、インキポンプの作動を適切に制御することによりインキ供給装置に適量のインキを供給し、もって適正な印刷をすることができる孔版印刷機を提供する。
【構成】 多孔性の円筒状の版胴と、版胴を回転可能に支持するフレームと、版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に版胴の軸線方向に延在して設けられ前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備する孔版印刷機において、インキセンサ54の検知信号に基づきインキポンプ53の作動を制御する光、電波又は磁気信号を送受信する送信部56を版胴装置55に、受信部57を機体部1に互いに対向させて設けたことを特徴とする孔版印刷機。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷機に関し、さらに詳しくは、色替え印刷や保守等のためにその機体内に抜き差して脱着することが可能な版胴装置を備えた孔版印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷機においては、色替え印刷や保守等に際しその版胴を交換するために、版胴装置を機体内に抜き差して脱着可能としたものがある。
【0003】従来、この種の孔版印刷機としては、例えば特公昭62−28757号公報に記載されたものが知られている。すなわち、この孔版印刷機は、多孔性の円筒状版胴を回転可能に支持するフレームと、このフレームを移動可能に案内保持する案内保持手段と、該フレームに取り付けられたインキポンプにより送出されるインキを版胴の内周面に供給するインキ供給装置と、このインキ供給装置のインキ量を検知しインキポンプの作動を制御する電気式インキセンサとを備え、さらに、該フレームが移動して機体内の印刷位置にあるときに互いに係合し機体側と電気式インキセンサとを電気的に接続する電気コネクタとを有する。また、この電気式インキセンサが検出して送出する検知信号は、係合した電気コネクタを通して機体側の制御装置に一旦導出され、この制御装置からの制御信号に基づきインキポンプの作動を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した孔版印刷機においては以下に示すような問題点があった。すなわち、機体側と電気式インキセンサとを電気的に接続する電気コネクタは、前述したようにフレームが移動して機体内の印刷位置にあるときに互いに係合する。この互いに係合する双方の電気コネクタの接触子の表面、すなわち互いに電流を流すために接触する部分の表面には、良好な導電性を確保すると共に接触抵抗を安定化するために金等によるメッキ処理が施されている。ところが、特に色替え印刷のために版胴を交換することは頻繁に行なわれるため、このときの版胴装置の機体内への抜き差しに伴う電気コネクタの係合・離脱により、双方の電気コネクタの接触子のメッキ処理部は次第に摩耗する。このために、電気コネクタの接触子間の接触抵抗が次第に増大したり、接触抵抗が不安定化、すなわち、使用環境により変動したりすることが起こる。
【0005】このように電気コネクタの接触子間の接触抵抗が増大したり、接触抵抗が不安定化すると、インキ量検知時定数が変化してしまうため、電気式インキセンサは適切にインキ量を検知することができなくなってしまう。すると、電気式インキセンサの検知信号に基づくインキポンプの作動も適切に制御できなくなって、例えば、インキ量が不足しているにもかかわらずインキの補給をしなかったり、逆にインキ量が十分であるのにもかかわらずインキを補給してしまったりする。この結果、適正なインキ量をインキ供給装置に確保して、適切な印刷を行なうことができなくなってしまう。
【0006】したがって、本発明は上述したような問題点を解決するために、適切にインキ量を検知してインキポンプの作動を適切に制御することによりインキ供給装置に適量のインキを供給し、もって、適正な印刷をすることができる孔版印刷機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を達成するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ、前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する光、電波又は磁気信号を送受信する送信部を前記版胴装置に、受信部を前記機体に互いに対向させて設けた構成としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷機において、前記版胴装置に、前記インキセンサ及び前記送信部に電力を供給する電池を付設した構成としている。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサ及び前記送信部に電力を供給する蓄電池と、前記版胴の回転駆動により電力を発生すると共に前記蓄電池へ電力を供給する発電機とを有する構成としている。
【0010】請求項4記載の発明は、多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ、前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する駆動制御部と、前記インキセンサ及び前記駆動制御部に電力を供給する電池とを有する構成としている。
【0011】そして、請求項5記載の発明は、多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する駆動制御部と、前記インキセンサ及び前記駆動制御部に電力を供給する蓄電池と、前記版胴の回転駆動により電力を発生すると共に前記蓄電池へ電力を供給する発電機とを有する構成としている。
【0012】
【作用】送信部を版胴装置に、受信部を機体に互いに対向させて設けられた送信部と受信部とは、インキセンサのインキ量の検知信号に基づきインキポンプの作動を制御する光、電波又は磁気信号を送信及び受信する。そして、インキセンサの検知信号は、電気コネクタを介して伝達されないので電気コネクタの接触子間の接触抵抗の増大や不安定化の影響を受けることなく送信部と受信部との間で確実に伝達され、インキポンプの作動が確実に制御される。
【0013】また、電池又は蓄電池若しくは版胴の回転駆動により発電する発電機によって充電される蓄電池(以下、「電池又は蓄電池の電源」と略称する)から電力を供給されるインキセンサ及び送信部は、機体側の駆動モータ等から発生し電気コネクタを介して導入される伝導ノイズの影響を受けないので、インキセンサはより一層正確にインキ量を検知し、かつ、インキセンサの検知信号は送信部と受信部との間で確実に伝達される。
【0014】さらに、版胴装置が、インキセンサの検知信号に基づきインキポンプの作動を制御する駆動制御部と、インキセンサ及び駆動制御部に電力を供給する電池又は蓄電池の電源とを有する場合、インキセンサの検知信号は電気コネクタを介して伝達されないので、電気コネクタを介して機体側から導入される伝導ノイズの影響を受けることなくインキセンサはインキ量を正確に検知し、その検知信号は駆動制御部へ確実に伝達され、インキポンプの作動は確実に制御される。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例について詳述する。
【0016】まず、図8を参照して本発明を適用する孔版印刷機の全体構成について説明する。
【0017】この孔版印刷機は、機体部1の上部に配置された原稿受け台2上から移送される原稿3の表面の画像を読み取る原稿読取部4と、この原稿読取部4の下方の機体部1の一側部に配置されロール状に巻かれた感熱孔版原紙5を製版する製版部6と、機体部1の中央部に配置され製版済の感熱孔版原紙5Aを外周面に巻装する版胴7を備えたドラム部8と、製版部6の下方に配置され、給紙台9上に積層された印刷用紙10をドラム部8に送出する給紙部11と、この給紙部11に対向する機体部1の下方に配置され、ドラム部8にて印刷された印刷用紙10Aを排紙台12に排出する排紙部13と、この排紙部13と原稿読取部4との間に配置され、版胴7の外周面から剥ぎ取られた使用済の感熱孔版原紙5Bを排版箱14内に排出する排版部15とを具備する。
【0018】以下、前記した原稿読取部4、製版部6、ドラム部8、給紙部11、排紙部13及び排版部15について順次説明する。
【0019】原稿読取部4は、原稿受け台2上に配置された複数枚の原稿3を一枚ずつ分離してその最下部の原稿から順次、分離ローラ17へ案内する分離ブレード49と、分離ブレード49により分離された最下部の原稿を第1の原稿搬送ローラ対16a,16b間へ送り出す分離ローラ17と、該ローラ対16a,16bにより搬送される原稿3を原稿排出台18上に送出する第2の原稿搬送ローラ対19a,19bと、第1の原稿搬送ローラ対16a,16bと第2の原稿搬送ローラ対19a,19bとの間に配設されたコンタクトガラス20と、コンタクトガラス20上を搬送される原稿3の表面を照明する蛍光灯21と、原稿3の表面からの反射光を折り返し反射するミラー22と、ミラー22により反射された反射光をレンズ23を介して受光するCCD等の画像センサ24とを有する。画像センサ24は受光した反射光に対応して光電変換をし、これにより得られた画像信号を機体部1の図示しないアナログ/デジタル(以下、「A/D」と略記する)変換部に入力する。
【0020】製版部6は、前記A/D変換部及び図示しない製版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき感熱孔版原紙5を穿孔するサーマルヘッド25と、感熱孔版原紙5をサーマルヘッド25に押し付けながら回転するプラテンローラ26と、プラテンローラ26により搬送される穿孔された製版済の感熱孔版原紙5Aを給版ローラ対27a,27bに送出する送りローラ対28a,28bと、感熱孔版原紙5Aを所定の長さに切断するカッタ29とを有する。
【0021】ドラム部8は、サーマルヘッド25により穿孔された製版済の感熱孔版原紙5Aをその外周面に巻装する版胴7と、版胴7の外周面の一部にその軸線方向に延在して製版済の感熱孔版原紙5Aの先端部を挟持する開閉可能なクランパ30と、版胴7の内周面にインキを供給するインキ供給ローラ31と、インキ供給ローラ31と微小間隙を置いて平行に配置され、インキ供給ローラ31との間に断面楔形状のインキ溜り32を形成するドクターローラ33と、インキ溜り32へインキを供給するインキ供給管34とを有する。ここで、インキ供給ローラ31、ドクターローラ33及びインキ供給管34がインキ供給装置を構成する。インキ供給ローラ31に対向する版胴7の外周面の近傍には、上下に揺動し印刷用紙10を版胴7へ押し付ける印圧ローラ35が配置されている。また、後に詳述するように版胴7の上方の機体部1には、版胴7を回転可能に支持するフレーム(同図には図示していない)を着脱自在に保持する保持手段36が固設されている。
【0022】給紙部11は、積層された印刷用紙10を積載する給紙台9と、印刷用紙10を送り出す給紙コロ37と、印刷用紙10を一枚ずつ分離する一対の分離コロ38a,38bと、版胴7と印圧ローラ35との間に所定タイミングで印刷用紙10を送出するフィードローラ対39a,39bとを有する。
【0023】排紙部13は、ドラム部8にて印刷された印刷済の印刷用紙10Aを順次積載する排紙台12と、版胴7の近傍に配置され印刷済の印刷用紙10Aを版胴7から剥離する剥離爪40と、剥離爪40によって剥離された印刷済の印刷用紙10Aを排紙台12上へ搬送するための吸着部ローラ41及び42間に掛け渡された無端の搬送ベルト43と、搬送ベルト43の下方に配置され印刷済の印刷用紙10Aを搬送ベルト43に吸着する吸着用ファン44とを有する。
【0024】排版部15は、版胴7の外周面から剥ぎ取られた使用済の感熱孔版原紙5Bを収容する排版箱14と、排版箱14内を上下動し使用済の感熱孔版原紙5Bを圧縮して収容量を増大させる圧縮板45と、使用済の感熱孔版原紙5Bを版胴7の外周面から剥離し移送する排版搬送ベルト48a,48bを、図示しない移動機構により版胴7に接近させる上下一対の排版剥離ローラ46a,46b及び上下一対の排版コロ47a,47bと、上下一対の排版剥離ローラ46a,46bと上下一対の排版コロ47a,47bとの間にそれぞれ掛け渡され、図示しない移動機構により版胴7に接近し、使用済の感熱孔版原紙5Bを版胴7の外周面から剥離し、排版箱14上へ移送する無端の排版搬送ベルト48a,48bとを有する。
【0025】次に、この孔版印刷機の動作について以下に記す。
【0026】まず、原稿読取部4の原稿受け台2上に原稿3を配置し、図示しない製版スタートキーを押下する。すると、分離ローラ17が回転し、原稿受け台2上の原稿3を第1の原稿搬送ローラ対16a,16b間へ送り出し、その後、原稿3の先端部を挟持した第1の原稿搬送ローラ対16a,16bが回転し、原稿3を第2の原稿搬送ローラ対19a,19b間へ送り出し、次いで第2の原稿搬送ローラ対19a,19bが回転して原稿3を原稿排出台18上に排出する。この時、コンタクトガラス20上を搬送される原稿3の表面を蛍光灯21により照明し、原稿3の表面で反射する反射光をミラー22で反射した後、レンズ23を介して画像センサ24に入射し、原稿3の画像の読み取りを行なう。そして、画像センサ24により光電変換された画像信号を機体部1の図示しないA/D変換部に入力する。なお、この原稿の画像読み取り時に原稿受け台2上に複数枚の原稿3が積層された場合には、分離ブレード49により一枚ずつ分離され最下部の原稿3から順次搬送され、画像の読み取りが行なわれる。
【0027】一方、前述した原稿3の画像の読み取りと平行して同時に、製版部6では、共に図示しないA/D変換部及び製版制御部にて処理されて送出されるデジタル画像信号によって、サーマルヘッド25に直線状に並んだ複数の発熱素子が選択的に発熱され、プラテンローラ26によりサーマルヘッド25に押圧される感熱孔版原紙5の部分が選択的に溶融・穿孔される。そして、このように穿孔された製版済の感熱孔版原紙5Aの先端部は、送りローラ対28a,28b及び給版ローラ対27a,27bが順次回転することにより搬送され、版胴7の拡開したクランパ30に向かって送出される。
【0028】次に、所定のタイミングでクランパ30が閉鎖されることにより製版済の感熱孔版原紙5Aの先端部がクランプされ、次いで版胴7が同図中の矢印方向に回転することにより、製版済の感熱孔版原紙5Aは版胴7の外周面に巻きつけられていく。そして、製版完了後に感熱孔版原紙5はカッタ29により所定の長さに切断され、この切断された製版済の感熱孔版原紙5Aが版胴7の外周面に巻装される。
【0029】製版済の感熱孔版原紙5Aは版胴7の外周面に巻装された後、印刷工程が開始される。まず、給紙部11の給紙コロ37が回転することにより給紙台9上に積層された印刷用紙10は一対の分離コロ38a,38bで一枚ずつ分離されてフィードローラ対39a,39bに送出される。次いで、フィードローラ対39a,39bにより版胴7の回転と同期した所定のタイミングで版胴7と印圧ローラ35との間に印刷用紙10が送出される。そして、版胴7の外周面から離間していた印圧ローラ35が上方に移動し、同図中の矢印方向に回転する版胴7の外周面に巻装された製版済の感熱孔版原紙5Aに印刷用紙10が押圧されることにより、感熱孔版原紙5Aの穿孔部分からインキが印刷用紙10の表面に転移されて印刷される。なおこの時、インキ供給ローラ31も版胴7の回転方向と同一方向に回転し、インキを版胴7の内周面に供給する。そして、印刷された印刷用紙10Aは剥離爪40によって版胴7の外周面から剥離され、吸着用ファン44により吸着されつつ、回転する吸着部ローラ41,42間に掛け渡され回り動く搬送ベルト43に沿って移送され、排紙台12上に順次排出される。
【0030】なお、印刷を終了し次の原稿の画像を印刷するときには、新たに製版済の感熱孔版原紙5Aを版胴7の外周面に巻装する前に、先に使用した使用済の感熱孔版原紙5Bを版胴7の外周面から剥離する。この際には、版胴7を同図中の矢印方向と反対方向に回転し、上下一対の剥離ローラ46a,46bと上下一対の排版コロ47a,47bとの間にそれぞれ掛け渡された排版搬送ベルト48a,48bは図示しない移動機構により版胴7に接近され、それぞれ回り動く排版搬送ベルト48a,48bにより使用済の感熱孔版原紙5Bが版胴7の外周面から剥離される。その後、該両ベルト48a,48b間を通して使用済の感熱孔版原紙5Bは圧縮板45の下方に移送され、この圧縮板45によって圧縮されて排版箱14内に収容される。
【0031】(実施例1)図1、図2及び図3を参照して実施例1について詳述する。
【0032】図1はインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図、図2は版胴装置を示す一部断面の側面図、図3は版胴装置を示す背面図である。
【0033】本実施例による孔版印刷機は、図2に示すように、多孔性の円筒状の版胴7と、長板状の把持フレーム50の両端部にそれぞれ垂設され版胴7を回転可能に支持する前フレーム51及び後フレーム52と、インキ供給ローラ31とドクターローラ33との間のインキ溜り32のインキを、回転しながら版胴7の内周面に供給するインキ供給ローラ31と、前フレーム51に固設されインキ供給管34へインキを送出するインキポンプ53と、後フレーム52の外側面に固設されインキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54とを備えた版胴装置55を有する。さらにこの孔版印刷機は、機体部1に装着される版胴7の軸線方向に延在して設けられ、把持フレーム50を着脱自在に保持し下向きに開口を持つ断面コの字形状の保持手段36を有する。
【0034】さらにまた、この孔版印刷機は、インキセンサ54の検知信号に基づきインキポンプ53の作動を制御する光信号を送出する送信部56と、この送信部56から送出される光信号を受信する受信部57とを有する。そして、版胴装置55を機体部1内に装着したときに、版胴装置55に設けられた送信部56と機体部1に設けられた受信部57とは、互いに対向するように配設され、構成されている。なお、ここで対向とは、送信部56と受信部57とが前記光信号を互いに送受信し得る位置にあることを指す。
【0035】ここでまず、版胴装置55について説明する。
【0036】多孔性の円筒状の版胴7は、その両端部が円板状の一対のフランジ部58a,58bに取付けられている。版胴7の内部には、その中心軸線に沿って各フランジ部58a,58bにそれぞれ軸受59a,59bを介して取付けられたインキ供給管34が配設され、このインキ供給管34を軸として、版胴7が各フランジ部58a,58bと共に回転可能に支持されている。各フランジ部58a,58bにそれぞれ近接する版胴7内のインキ供給管34の両側の各部分は、リング状の固定具60a,60bがネジにより一対の支持プレート61a,61bに固着されている。
【0037】この一対の支持プレート61a,61bの下端部には、その一端部にローラ駆動ギヤ62が固着された軸をもって取付けられたインキ供給ローラ31が、回転可能に取付けられている。インキ供給ローラ31の取付け位置の上方の一対の支持プレート61a,61bの間には、インキ供給ローラ31の外周面に対し所定の微小間隙を置いて配置されたドクターローラ33が軸支されている。そして、インキ供給ローラ31とドクターローラ33との間には、インキ供給管34のインキ供給孔から滴下するインキを保持して形成される断面楔形状のインキ溜り32が形成されるようになっている。さらに、後方の(図2中では左側を指す)支持プレート61bには、ローラ駆動ギヤ62と歯合する第1内側ギヤ63が軸着されている。
【0038】後方のフランジ部58bの外側面部には後側ギヤ64が、その内側面部には第1内側ギヤ63と歯合する第2内側ギヤ65がそれぞれ固着されている。なお、後側ギヤ64は、機体部1側に設けられた図3に示す駆動ギヤ64Aと歯合し、この駆動ギヤ64Aの回転によりフランジ部58bおよび版胴7と共に、その中心軸線の回りに一体的に回転する。一方、前方(図2中では右側を指す)のフランジ部58aの外側面部には前側ギヤ66が固着されており、駆動ギヤ64Aの回転により版胴7およびフランジ部58aと共に、その中心軸線の回りに一体的に回転する。
【0039】インキ供給管34は、その両端部を前フレーム51及び後フレーム52に形成された挿通孔に挿入されていて、リング状の固定具51A及び52Aを用いてネジにより、前フレーム51及び後フレーム52に固定されている。
【0040】前フレーム51の下方の前方部(図2中では右側を指す)の鉤形部内には、インキを収容したインキ容器67が着脱可能に載置・保持されている。また、前フレーム51の同部鉤形部内には、インキ容器67からパイプ68を介してインキを供給するホース69を通してインキ供給管34にインキを供給するインキポンプ53が設けられている。なお、インキ供給管34の一端部側の内部にはインキの流出を防止する栓部材34Aが装着されている。また、インキ供給管34の中央部には、支持板70を介してその先端がインキ溜り32に埋没し、インキ溜り32のインキ量に対応して変化する静電容量を検知するインキ検知針71が電気絶縁的に保持されている。前フレーム51の内側面部には電磁クラッチ72が固設され、前側ギヤ66に歯合する第1伝達ギヤ73の軸がこの電磁クラッチ72に取付けられている。前フレーム51の外側面部には、電磁クラッチ72により選択的に第1伝達ギヤ73に係脱する第2伝達ギヤ74が設けられており、この第2伝達ギヤ74と歯合するポンプ駆動ギヤ75が軸着されている。このポンプ駆動ギヤ75の外側面の端部にはピン(図示しない)が突設され、このピンを摺動自在に係合する断面コの字形状の止め具76にインキポンプ53のピストン連結棒77が挿通され固定されている。
【0041】また、後フレーム52の外側面には電磁クラッチ72に駆動電流を供給する電気コネクタ78aが取付けられ、機体部1側にはこの電気コネクタ78aと対向し係合する電気コネクタ78bが取付けられている。
【0042】把持フレーム50には、その一端部に回動自在に一対のコロ79が軸をもって取付けられている。そして、機体部1に設けられた保持手段36の入口部に回動自在に取付けられた導入コロ対80により、コロ79を先頭にして導入され、あるいはコロ79を後端として引き出される把持フレーム50の下面が支持されると共に、保持手段36の内側部に対向しその長さ方向に延在する一対のレール部36A上をコロ79が転動することによって、把持フレーム50は保持手段36の長さ方向に収納され、あるいは引き出される。
【0043】インキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54は、電気コネクタ78aが取付けられている後フレーム52の外側面の上部に取付けられており、静電容量式にインキ溜り32のインキ量を検知するインキ検知針71と、所定のパルス間隔のパルス信号を発生する基準信号発生回路54Aと、基準信号発生回路54Aの出力パルス信号の立下がり(または立上がり)でトリガーされると共に、インキ検知針71で検知された静電容量に応答したパルス幅のパルス信号を発生する単安定回路54Bと、基準信号発生回路54A及び単安定回路54Bの出力信号の位相比較をすると共に2値化信号を出力する位相比較部54Cとから構成されている。また、インキセンサ54の回路基板上に搭載された電池81が、このインキセンサ54に電力を供給する。このインキセンサ54はインキ検知針71に回路的に接続されている。
【0044】送信部56は後フレーム52の外側面の上部に設けられ、インキセンサ54の位相比較部54Cから出力される2値化信号に基づき発光素子56Aの発光を制御する発光駆動信号を出力する発光制御回路56Bと、発光制御回路56Bからの発光制御信号を受けて発光する発光素子56Aとから構成されている。また、電池81が、インキセンサ54と同様にこの送信部56にも電力を供給する。
【0045】受信部57は、送信部56の発光素子56Aと対向する機体部1の版胴装置55の収納部に設けられ、発光素子56Aが発光する光信号を受光する受光素子57Aと、受光素子57Aの受光信号を受けて駆動回路82に駆動信号を出力する受光回路57Bとから構成されている。そして、受信部57は、受光回路57Bからの駆動信号を受けて一対の電気コネクタ78b,78aを介して、電磁クラッチ72をオン/オフ動作させるためのオン/オフ動作信号を出力する駆動回路82に接続している。
【0046】次に、この孔版印刷機の作動について説明する。
【0047】まず、把持フレーム50を前述したように保持手段36に収納することにより、版胴装置55を機体部1内に装着する。次に、版胴7が回転されると共に、インキ供給ローラ31により版胴7の内周面にインキが供給されながら印刷工程が実施される。
【0048】そして、所定の印刷工程が実施されると、次第にインキ溜り32のインキが消費されて減少し、インキセンサ54のインキ検知針71がインキ溜り32のインキに接触しなくなる。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が減少して、インキセンサ54の単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が短くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが低下する。この出力信号レベルの低下に対応して、送信部56の発光制御回路56Bは、発光素子56Aを発光させる発光駆動信号を出力し、この発光駆動信号を受けて発光素子56Aが発光する。
【0049】次に、この発光素子56Aからの光信号を受光素子57Aが受光すると、受光回路57Bがこの受光信号を受信すると共に駆動回路82をオン制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオン制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオンする駆動信号を一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。
【0050】電磁クラッチ72をオンする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は接続状態となり、これにより第1伝達ギヤ73と第2伝達ギヤ74とは連結状態となる。すると、回転している前側ギヤ66に歯合する第1伝達ギヤ73と共に第2伝達ギヤ74が回転し、この第2伝達ギヤ74と歯合するポンプ駆動ギヤ75が回転して、ピストン連結棒77を上下動させ、インキポンプ53がインキ容器67からインキ供給管34へインキを供給する。そして、インキ供給管34のインキ供給孔からインキ溜り32にインキが滴下し、インキが適切に補給される。
【0051】前述したように、インキ溜り32にインキが補給されると、インキセンサ54のインキ検知針71がインキ溜り32に再び接触する。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が増大して、単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が長くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが上昇する。この出力信号レベルの上昇に対応して、送信部56の発光制御回路56Bは、発光素子56Aを発光させる発光駆動信号を出力し、この発光駆動信号を受けて発光素子56Aは発光する。この発光素子56Aからの光信号を受光素子57Aが受光すると、受光回路57Bがこの受光信号を受信すると共に駆動回路82をオフ制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオフ制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオフする駆動信号を電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。
【0052】電磁クラッチ72をオフする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は非接続状態となり、これにより第1伝達ギヤ73と第2伝達ギヤ74とは非連結状態となる。すると、回転している前側ギヤ66に歯合する第1伝達ギヤ73の回転中に第2伝達ギヤ74は回転せず、この結果、インキポンプ53の作動が停止する。すなわち、インキ供給管34からインキ溜り32へのインキ補給が停止する。
【0053】以下、印刷工程中、上述したような作動でインキ溜り32のインキ量を検知してインキポンプ53の作動を適切に制御し、インキ溜り32へのインキの補給と補給停止とが繰り返されるので、所定のインキ量がインキ溜り32に確保され、適正な印刷が行なわれる。
【0054】ここで、本実施例ではインキセンサ54の回路基板上に電池81を搭載したが、その他版胴装置55の各部に電池81を適宜取付け得ることは勿論である。また、電池81は充電可能な蓄電池を含み得る。
【0055】さらに本実施例では、インキセンサ54及び送信部56に電池81により電力を供給しているが、電池81を省略し、電気コネクタ78a,78bを介して機体部1から電力を供給しても良い。この場合にもインキセンサ54の検知信号は、電気コネクタを介しては伝達されないので、インキセンサ54はインキ量を正確に検知し、その検知信号は送信部56と受信部57との間で確実に伝達される。 また、電池81に代えて、充電可能な蓄電池を版胴装置に配設し、後側ギヤ64に歯合する他の駆動ギヤを設け、この駆動ギヤに発電機の回転軸部を取付け、印刷工程中の版胴7の回転によりこの発電機を発動し、その起電力を整流及び平滑回路を介して蓄電池に充電するようにしても良い。
【0056】また、インキセンサは、静電容量の変化によって発信周波数が変化し、この変化を検知することによりインキ量を検知するもの、あるいは光電式のもの等であっても良い。
【0057】また、インキポンプ53の作動を制御するためにインキポンプ駆動用モータを設け、このモータの回転駆動により回転するギヤを設けると共に、このギヤを介してピストン連結棒77を上下動するようにしても良く、この場合には駆動回路はインキポンプ駆動用モータへ、その回転駆動を制御する駆動電力を送出する。
【0058】(実施例2)図2及び図4を参照して実施例2について詳述する。
【0059】図4はインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図である。
【0060】本実施例による孔版印刷機は、実施例1の送信部56に代えて、インキセンサ54の検知信号に基づきインキポンプ53の作動を制御する電波信号を送出する送信部84と、実施例1の受信部57に代えて、送信部84から送出される電波信号を受信する受信部85とから構成される点以外は、図2に示した実施例1の孔版印刷機と同一の構成からなるものである。なお、実施例1の孔版印刷機と同様に版胴装置55が機体部1内に装着されたときに、版胴装置55に設けられた送信部84と機体部1に設けられた受信部85とは互いに対向するように配設されているが、ここで対向とは、送信部84と受信部85とが前記電波信号を互いに送受信し得る位置にあることを指す。
【0061】本実施例の孔版印刷機においては、実施例1の孔版印刷機と同様に、インキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54は、電気コネクタ78aが取付けられている後フレーム52の外側面の上部に取付けられており、静電容量式にインキ溜り32のインキ量を検知するインキ検知針71と、所定のパルス間隔のパルス信号を発生する基準信号発生回路54Aと、基準信号発生回路54Aの出力パルス信号の立下がり(または立上がり)でトリガーされると共に、インキ検知針71で検知された静電容量に応答したパルス幅のパルス信号を発生する単安定回路54Bと、基準信号発生回路54A及び単安定回路54Bの出力信号の位相比較をすると共に2値化信号を出力する位相比較部54Cとから構成されている。また、インキセンサ54の回路基板上に搭載された電池81が、このインキセンサ54に電力を供給する。
【0062】送信部84は、後フレーム52の外側面の上部に設けられ、インキセンサ54の位相比較部54Cから出力される2値化信号に基づき送信アンテナ84Aに送信電力を送出する送信回路84Bと、送信回路84Bから送出される送信電力によって受信アンテナ85Aに電波信号を発する送信アンテナ84Aとから構成されている。また、電池81がインキセンサ54と同様にこの送信部84にも電力を供給する。
【0063】受信部85は、送信部84の送信アンテナ84Aと対向する機体部1の版胴装置55の収納部に設けられ、送信アンテナ84Aが発する電波信号を受信する受信アンテナ85Aと、受信アンテナ85Aからの受信信号を受けて駆動回路82に駆動信号を出力する受信回路85Bとから構成されている。そして、受信部85は、受信回路85Bからの駆動信号を受けて、一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72をオン/オフ動作させるための駆動信号を出力する駆動回路82に接続している。
【0064】次に、この孔版印刷機の作動について説明する。
【0065】まず、実施例1で述べたと同様に、把持フレーム50を保持手段36に収納することにより、版胴装置55を機体部1内に装着する。次に、版胴7が回転されると共に、所定の一連の動作でインキ供給ローラ31により版胴7の内周面にインキが供給されながら印刷工程が実施される。
【0066】そして、所定の印刷工程が実施されると、次第にインキ溜り32のインキが消費されて減少し、インキセンサ54のインキ検知針71がインキ溜り32のインキに接触しなくなる。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が減少して、インキセンサ54の単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が短くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが低下する。この出力信号レベルの低下に対応して、送信部84の送信回路84Bは、送信アンテナ84Aに送信電力を送出し、この送信電力に応じて送信アンテナ84Aは電波信号を発する。
【0067】次に、送信アンテナ84Aが発する電波信号を受信アンテナ85Aが受信すると、受信回路85Bがこの受信信号を検知すると共に駆動回路82をオン制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオン制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオンする駆動信号を一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。
【0068】すると、電磁クラッチ72をオンする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53がインキ容器67からインキ供給管34へインキを供給する。そして、インキ供給管34のインキ供給孔からインキ溜り32にインキが滴下し、インキが補給される。
【0069】前述したように、インキ溜り32にインキが補給されると、インキセンサ54のインキ検知針71がインキ溜り32に再び接触する。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が増大して、単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が長くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが上昇する。この出力信号レベルの上昇に対応して、送信部84の送信回路84Bは、送信アンテナ84Aに送信電力を送出し、送信アンテナ84Aはこの送信電力を受けて電波信号を発する。
【0070】この送信アンテナ84Aが発する電波信号を受信アンテナ85Aが受信すると、受信回路85Bがこの受信信号を検知すると共に駆動回路82をオフ制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオフ制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオフする駆動信号を電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。電磁クラッチ72をオフする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は非接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53の作動が停止する。すなわちインキ供給管34からインキ溜り32へのインキ補給が停止する。
【0071】以下、印刷工程中、上述したような作動でインキ溜り32のインキ量を検知してインキポンプ53の作動を適切に制御し、インキ溜り32へのインキの補給と補給停止とが繰り返されので、所定のインキ量がインキ溜り32に確保され、適正な印刷が行なわれる。
【0072】ここで、本実施例ではインキセンサ54の回路基板上に電池81を搭載したが、その他版胴装置55の各部に電池81を適宜取付け得ることは勿論である。また、電池81は充電可能な蓄電池を含み得る。
【0073】さらに本実施例では、インキセンサ54及び送信部84に電池81により電力を供給しているが、電池81を省略し、電気コネクタ78a,78bを介して機体部1側から電力を供給しても良い。この場合にもインキセンサ54の検知信号は、電気コネクタを介しては伝達されないので、インキセンサ54はインキ量を正確に検知し、その検知信号は送信部84と受信部85との間で確実に伝達される。
【0074】(実施例3)図2及び図5を参照して実施例3について詳述する。
【0075】ここで、図5はインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図である。
【0076】本実施例による孔版印刷機は、実施例1の送信部56に代えて、インキセンサ54の検知信号に基づきインキポンプ53の作動を制御する磁気信号を送出する送信部86と、実施例1の受信部57に代えて、送信部86から送出される磁気信号を受信する受信部87とから構成される点以外は、図2に示した実施例1の孔版印刷機と同一の構成からなるものである。なお、実施例1の孔版印刷機と同様に版胴装置55が機体部1内に装着されたときに、版胴装置55に設けられた送信部86と機体部1に設けられた受信部87とは互いに対向するように配設されているが、ここで対向とは、送信部86と受信部87とが前記磁気信号を互いに送受信し得る位置にあることを指す。
【0077】本実施例の孔版印刷機においては、実施例1の孔版印刷機と同様に、インキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54は、電気コネクタ78aが取付けられている後フレーム52の外側面の上部に取付けられており、静電容量式にインキ溜り32のインキ量を検知するインキ検知針71と、所定のパルス間隔のパルス信号を発生する基準信号発生回路54Aと、基準信号発生回路54Aの出力パルス信号の立下がり(または立上がり)でトリガーされると共に、インキ検知針71で検知された静電容量の変化量に応答したパルス幅のパルス信号を発生する単安定回路54Bと、基準信号発生回路54A及び単安定回路54Bの出力信号の位相比較をすると共に2値化信号を出力する位相比較部54Cとから構成されている。また、インキセンサ54の回路基板上に搭載された電池81が、このインキセンサ54に電力を供給する。
【0078】送信部86は、後フレーム52の外側面の上部に設けられ、インキセンサ54の位相比較部54Cから出力される2値化信号に基づき送信コイル部86Aに駆動電力を送出する共振回路86Bと、共振回路86Bから送出される駆動電力によって受信コイル部87Aに磁気信号を発する送信コイル部86Aとから構成されている。また、電池81がインキセンサ54と同様にこの送信部86にも電力を供給する。
【0079】受信部87は、送信部86の送信コイル部86Aと対向する機体部1の版胴装置55の収納部に設けられ、送信コイル部86Aが発する磁気信号を受信する受信コイル部87Aと、受信コイル部87Aからの受信信号を受けて駆動回路82に駆動信号を出力する近接スイッチ回路87Bとから構成されている。そして、受信部87は、近接スイッチ回路87Bからの駆動信号を受けて一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72をオン/オフ動作させるための駆動信号を出力する駆動回路82に接続している。
【0080】次に、この孔版印刷機の作動について説明する。
【0081】まず、実施例1で述べたと同様に、把持フレーム50を保持手段36に収納することにより、版胴装置55を機体部1内に装着する。次に、版胴7が回転されると共に、インキ供給ローラ31により版胴7の内周面にインキが供給されながら印刷工程が実施される。
【0082】そして、所定の印刷工程が実施されると、次第にインキ溜り32のインキが消費されて減少し、インキ検知針71がインキ溜り32のインキに接触しなくなる。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が減少して、インキセンサ54の単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が短くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが低下する。この出力信号レベルの低下に対応して、送信部86の共振回路86Bは送信コイル部86Aに駆動電力を送出し、送信コイル部86Aはこの駆動電力を受けて磁気信号を発する。
【0083】この送信コイル部86Aが発する磁気信号を受信コイル部87Aが受信すると、近接スイッチ回路87Bがこの受信信号を検知すると共に駆動回路82をオン制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオン制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオンする駆動信号を一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。
【0084】すると、電磁クラッチ72をオンする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53がインキ容器67からインキ供給管34へインキを供給する。そして、インキ供給管34のインキ供給孔からインキ溜り32にインキが滴下し、インキが補給される。
【0085】前述したように、インキ溜り32にインキが補給されると、インキ検知針71がインキ溜り32に再び接触する。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が増大して、単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が長くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが上昇する。この出力信号レベルの上昇に対応して、送信部86の共振回路86Bは送信コイル部86Aに駆動電力を送出し、送信コイル部86Aはこの駆動電力を受けて磁気信号を発する。
【0086】次に、この送信コイル部86Aが発する磁気信号を受信コイル部87Aが受信すると、近接スイッチ回路87Bがこの受信信号を検知すると共に駆動回路82をオフ制御する制御信号を出力する。駆動回路82は、このオフ制御する制御信号を受けて電磁クラッチ72をオフする駆動信号を一対の電気コネクタ78b,78aを介して電磁クラッチ72に出力する。電磁クラッチ72をオフする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は非接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53の作動が停止する。すなわちインキ供給管34からインキ溜り32へのインキ補給が停止する。
【0087】以下、印刷工程中、上述したような作動でインキ溜り32のインキ量を検知してインキポンプ53の作動を適切に制御し、インキ溜り32へのインキの補給と補給停止とが繰り返されので、所定のインキ量がインキ溜り32に確保され、適正な印刷が行なわれる。
【0088】ここで、本実施例ではインキセンサ54の回路基板上に電池81を搭載したが、その他版胴装置55の各部に電池81を適宜取付け得ることは勿論である。また、電池81は充電可能な蓄電池を含むものである。
【0089】さらに本実施例では、インキセンサ54及び送信部86に電池81により電力が供給されているが、電池81を省略し、一対の電気コネクタ78a,78bを介して機体部1側から電力を供給しても良い。この場合にもインキセンサ54の検知信号は、電気コネクタを介しては伝達されないので、インキセンサ54はインキ量を正確に検知し、その検知信号は送信部86と受信部87との間で確実に伝達される。
【0090】(実施例4)図6及び図7を参照して実施例4について詳述する。
【0091】ここで、図6はインキセンサ、駆動制御部を示すブロック図であり、図7は版胴装置を示す一部断面の側面図である。これらの図中、図1及び図2に示した実施例1の孔版印刷機と同一の構成部品については同一の符号をもって示し、主要構成部以外についてはその説明を省略する。
【0092】本実施例による孔版印刷機は、実施例1の孔版印刷機と同様に、多孔性の円筒状の版胴7と、長板状の把持フレーム50の両端部にそれぞれ垂設され版胴7を回転可能に支持する前フレーム51及び後フレーム52と、インキ供給ローラ31とドクターローラ33との間のインキ溜り32のインキを、回転しながら版胴7の内周面に供給するインキ供給ローラ31と、前フレーム51に固設されインキ供給管34へインキを送出するインキポンプ53と、インキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54とを備えた版胴装置55を有する。さらに、この孔版印刷機は、機体部1に装着される版胴7の軸線方向に延在して設けられ、把持フレーム50を着脱自在に保持する下向きに開口を持つ断面コの字形状の保持手段36を有する。
【0093】また、この孔版印刷機は、インキセンサ54の検知信号に基づきインキポンプ53の作動を制御するための駆動制御部88と、インキセンサ54及び駆動制御部88に電力を供給する蓄電池89と、版胴7の回転駆動により電力を発生すると共に蓄電池89へ電力を供給する発電機90とを有し、構成されている。駆動制御部88、蓄電池89及び発電機90は後フレーム52の外側面側に取付けられている。後フレーム52の内側面側には、後側ギヤ64に歯合する中間ギヤ91が軸着されていると共に、発電機90の回転軸90Aの一端部に固着され中間ギヤ91に歯合する駆動ギヤ92が軸着されている。
【0094】本実施例におけるインキ溜り32のインキ量を検知するインキセンサ54は、後フレーム52の外側面側の下部に取付けられ、実施例1と同様に、静電容量式にインキ溜り32のインキ量を検知するインキ検知針71と、所定のパルス間隔のパルス信号を発生する基準信号発生回路54Aと、基準信号発生回路54Aの出力パルス信号の立下がり(または立上がり)でトリガーされると共に、インキ検知針71で検知された静電容量に応答したパルス幅のパルス信号を発生する単安定回路54Bと、基準信号発生回路54A及び単安定回路54Bの出力信号の位相比較をすると共に2値化信号を出力する位相比較部54Cとから構成されている。また、畜電池89がこのインキセンサ54に電力を供給する。
【0095】インキポンプ53の作動を制御するための駆動制御部88は、インキセンサ54の位相比較部54Cから出力される2値化信号に基づき電磁クラッチ72をオン/オフ動作させるための駆動信号を出力する。また、畜電池89はインキセンサ54と同様に、この駆動制御部88にも電力を供給する。
【0096】次に、この孔版印刷機の作動について説明する。
【0097】まず、実施例1で述べたと同様に、把持フレーム50を保持手段36に収納することにより、版胴装置55は機体部1内に装着される。次に、所定の一連の動作で版胴7が回転されると共に、インキ供給ローラ31により版胴7の内周面にインキが供給されながら印刷工程が実施される。
【0098】そして、所定の印刷工程が実施されると、次第にインキ溜り32のインキが消費されて減少し、インキセンサ54のインキ検知針71がインキ溜り32のインキに接触しなくなる。すると、インキ検知針71により検知される静電容量が減少して、インキセンサ54の単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が短くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが低下する。この出力信号レベルの低下に対応して駆動制御部88は、電磁クラッチ72をオンする駆動信号を電磁クラッチ72に出力する。
【0099】すると、電磁クラッチ72をオンする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53がインキ容器67からインキ供給管34へインキを供給する。そして、インキ供給管34のインキ供給孔からインキ溜り32にインキが滴下し、インキが補給される。
【0100】前述したように、インキ溜り32にインキが補給されると、インキ検知針71がインキ溜り32に再び接触する。すると、インキセンサ54のインキ検知針71により検知される静電容量が増大して、単安定回路54Bの出力するパルス信号幅が長くなり、これに伴い、位相比較部54Cの出力信号レベルが上昇する。この出力信号レベルの上昇に対応して駆動制御部88は、電磁クラッチ72をオフする駆動信号を電磁クラッチ72へ出力する。
【0101】この電磁クラッチ72をオフする駆動信号を受けた電磁クラッチ72は非接続状態となり、以下実施例1と同じ動作により、インキポンプ53の作動が停止する。すなわち、インキ供給管34からインキ溜り32へのインキ補給が停止する。 以下、印刷工程中、上述したような作動でインキ溜り32のインキ量を検知してインキポンプ53の作動を適切に制御し、インキ溜り32へのインキの補給と補給停止とが繰り返されので、所定のインキ量がインキ溜り32に確保され、適正な印刷が行なわれる。
【0102】また、印刷工程では、版胴7を回転させる後側ギヤ64が回転されているが、この後側ギヤ64と歯合する中間ギヤ91を介して駆動ギヤ92が回転され、この駆動ギヤ92に固着された回転軸90Aの回転により発電機90が発動され、その起電力により図示しない整流及び平滑回路を介して蓄電池89が充電される。 本実施例によれば、インキセンサ54の検知信号は電気コネクタを介しては伝達されないので、インキセンサ54はインキ量を正確に検知し、しかもインキセンサ54は機体部1から導入される伝導ノイズの影響も受けないので、その検知信号は駆動制御部88に確実に伝達される。
【0103】ここで、本実施例では蓄電池89によりインキセンサ54及び駆動制御部88に電力が供給されたが、発電機90及び蓄電池89を省略し、電池により電力を供給しても良い。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の孔版印刷機によれば、インキセンサのインキ量の検知信号に基づきインキポンプの作動を制御する光、電波又は磁気信号を送受信する送信部は版胴装置に、受信部は機体に互いに対向させて設けられているので、インキセンサのインキ量の検知信号が電気コネクタを介して伝達されない。したがって、インキセンサのインキ量の検知信号は送信部と受信部との間で確実に伝達され、インキポンプの作動が確実に制御され、インキ供給装置に適量のインキが供給され、適正な印刷をすることができる。
【0105】また、請求項2記載の孔版印刷機によれば、請求項1記載の孔版印刷機の効果に加え、インキセンサ及び送信部に電力を供給する電池を版胴装置に付設したため、インキセンサへの電力の供給は電気コネクタを介してなされないので、インキセンサ及び送信部は、機体側のモータ等から発生し電気コネクタを介して導入される伝導ノイズの影響を受けない。したがって、インキセンサは正確にインキ量を検知し、かつ、インキセンサの信号は送信部と受信部との間で確実に伝達される。この結果、インキポンプの作動が確実に制御され、インキ供給装置に適量のインキが供給され、適正な印刷をすることができる。
【0106】また、請求項3記載の孔版印刷機によれば、請求項1記載の孔版印刷機の効果に加え、版胴装置は、インキセンサ及び送信部に電力を供給する蓄電池と、版胴の回転駆動により電力を発生すると共に蓄電池へ電力を供給する発電機とを有するので、印刷工程中にこの蓄電池が充電される。さらに、インキセンサ及び送信部は、機体側のモータ等から発生し電気コネクタを介して導入される伝導ノイズの影響を受けない。したがって、インキセンサは正確にインキ量を検知し、かつ、インキセンサの信号は送信部と受信部との間で確実に伝達される。この結果、インキポンプの作動が確実に制御され、インキ供給装置に適量のインキが供給され、適正な印刷をすることができる。
【0107】さらに、請求項4記載の孔版印刷機によれば、版胴装置は、インキセンサの検知信号に基づきインキポンプの作動を制御する駆動制御部と、インキセンサ及び駆動制御部に電力を供給する電池とを有し、インキセンサの検知信号は電気コネクタを介して伝達されない。さらに、インキセンサは機体側のモータ等から発生し電気コネクタを介して導入される伝導ノイズの影響を受けない。したがって、インキセンサは正確にインキ量を検知し、かつ、インキセンサの信号は駆動制御部へ確実に伝達される。この結果、インキポンプの作動が確実に制御され、インキ供給装置に適量のインキが供給され、適正な印刷をすることができる。
【0108】さらにまた、請求項5記載の孔版印刷機によれば、版胴装置は、インキセンサの検知信号に基づきインキポンプの作動を制御する駆動制御部と、インキセンサ及び駆動制御部に電力を供給する畜電池と、版胴の回転駆動により電力を発生すると共に蓄電池へ電力を供給する発電機とを有するので、印刷工程中に畜電池が充電され、さらにインキセンサの検知信号は電気コネクタを介して伝達されないので、インキセンサは機体側のモータ等から発生し電気コネクタを介して導入される伝導ノイズの影響を受けない。したがって、インキセンサは正確にインキ量を検知し、かつ、インキセンサの信号は駆動制御部へ確実に伝達される。この結果、インキポンプの作動が確実に制御され、インキ供給装置に適量のインキが供給され、適正な印刷をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1による版胴装置を示す一部断面の側面図である。
【図3】本発明の実施例1による版胴装置を示す背面図である。
【図4】本発明の実施例2によるインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例3によるインキセンサ、送信部及び受信部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例4よるインキセンサ及び駆動制御部を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例4よる版胴装置を示す一部断面の側面図である。
【図8】本発明を適用する孔版印刷機を示す図である。
【符号の説明】
1 機体部
7 版胴
31 インキ供給ローラ
33 ドクターローラ
34 インキ供給管
50 把持フレーム
51 前フレーム
52 後フレーム
53 インキポンプ
54 インキセンサ
55 版胴装置
56,84,86 送信部
57,85,87 受信部
81 電池
88 駆動制御部
89 蓄電池
90 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ、前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する光、電波又は磁気信号を送受信する送信部を前記版胴装置に、受信部を前記機体に互いに対向させて設けたことを特徴とする孔版印刷機。
【請求項2】請求項1記載の孔版印刷機において、前記版胴装置に、前記インキセンサ及び前記送信部に電力を供給する電池を付設したことを特徴とする孔版印刷機。
【請求項3】請求項1記載の孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサ及び前記送信部に電力を供給する蓄電池と、前記版胴の回転駆動により電力を発生すると共に前記蓄電池へ電力を供給する発電機とを有することを特徴とする孔版印刷機。
【請求項4】多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ、前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する駆動制御部と、前記インキセンサ及び前記駆動制御部に電力を供給する電池とを有することを特徴とする孔版印刷機。
【請求項5】多孔性の円筒状の版胴と、前記版胴を回転可能に支持するフレームと、前記版胴の内周面にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給装置へインキを送出するインキポンプと、前記インキ供給装置のインキ量を検知するインキセンサを有する版胴装置と、機体に前記版胴の軸線方向に延在して設けられ前記フレームを着脱自在に保持する保持手段とを具備した孔版印刷機において、前記版胴装置が、前記インキセンサの検知信号に基づき前記インキポンプの作動を制御する駆動制御部と、前記インキセンサ及び前記駆動制御部に電力を供給する蓄電池と、前記版胴の回転駆動により電力を発生すると共に前記蓄電池へ電力を供給する発電機とを有することを特徴とする孔版印刷機。

【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開平5−229243
【公開日】平成5年(1993)9月7日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−35217
【出願日】平成4年(1992)2月21日
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)