孔用保持具
【課題】パネルが軟質性パネルであっても、パネルからの突出量を極力抑えつつ、パネルの取付け孔に対する保持力を高める孔用保持具を提供する。
【解決手段】基板部5の裏面5aに、支持面10を有する支持台部6と、起倒動可能な回動板部11と、係止片部14と、を設け、回動板部11の内面に、倒伏状態で係止片部14と係合する係止片部15を設ける。支持面10と基板部裏面5aとの間に長孔周縁部等2a,1aを入れ込み、回動板部11を倒伏させて係止片部14と係止片部15とを係合させることにより、支持台部6の支持面10と基板部裏面5a、また、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aとが、長孔2の延び方向両側において、比較的長い部分を挟持させて挟持力を高める。挟持力を高めても(特に、回動板部11の延び方向長さを延ばすこと)、回動板部11の板厚が影響を受けず、デッキボード(パネル)1からの突出量を極力抑えられる。
【解決手段】基板部5の裏面5aに、支持面10を有する支持台部6と、起倒動可能な回動板部11と、係止片部14と、を設け、回動板部11の内面に、倒伏状態で係止片部14と係合する係止片部15を設ける。支持面10と基板部裏面5aとの間に長孔周縁部等2a,1aを入れ込み、回動板部11を倒伏させて係止片部14と係止片部15とを係合させることにより、支持台部6の支持面10と基板部裏面5a、また、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aとが、長孔2の延び方向両側において、比較的長い部分を挟持させて挟持力を高める。挟持力を高めても(特に、回動板部11の延び方向長さを延ばすこと)、回動板部11の板厚が影響を受けず、デッキボード(パネル)1からの突出量を極力抑えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルの取付け孔に取付けるための孔用保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
パネルの取付け孔に取付けるための孔用保持具としては、特許文献1に示すように、基板部の裏面から複数の係止片部(符号2B,2Cに相当するものであって、基本的に、脚部とその先端側に設けられる爪部とにより構成されるもの)を起立させたものが一般的に知られている。このものにおいては、組付けに際して、各係止片部の爪部を、パネルの取付け孔に貫通させた状態で、その取付け孔周縁部に係止させ、その各係止片部の爪部(係止面)と基板部とで取付け孔周縁部を挟持することが行われる。
【0003】
この場合、各係止片部においては、係止面よりも先端側の爪部表面(取付け孔挿入時に、その取付け孔周縁部及び内周面と当接する面)には、案内面として傾斜面が形成されており、当該孔用保持具をパネルに取付けるに際して、係止片部をパネルの取付け孔に挿入をすれば、爪部表面の傾斜面が、先ず、取付け孔周縁部に当接して係止片部(脚部)を撓ませ、その後、その傾斜面と取付け孔周縁部との当接関係が解除される状態に至ると、係止片部(脚部)が復帰して、爪部の係止面が取付け孔周縁部に係止され、係止片部の爪部と基板部とは取付け孔周縁部を挟持する。
【0004】
ところで、パネルが軟質性の場合、係止片部だけでなく、パネルもある程度撓むことから、パネルが撓む場合には、係止片部の爪部の爪返り、係止片部の脚部の反り等を通じて、パネルの取付け孔周縁部に対する係止片部の爪部の係止が解除されるおそれがある。このため、係止片部の爪部と基板部とにより軟質性パネルの取付け孔周縁部を挟持するときには、その挟持力を高めるために、爪部の係止面を取付け孔周縁から径方向外方に延ばして、爪部の係止面とパネルとの当接面積を大きくすることが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−343942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、軟質性パネルの撓みを考慮して、上述の如く挟持力を高めた場合には、爪部の係止面を取付け孔周縁から径方向外方に延ばすに伴い、爪部全体の大きさも大きくなり、その係止片部の爪部は、その爪部と基板部とにより取付け孔周縁部を挟持するとき、そのパネルから大きく突出する。このため、その爪部の比較的大きな突出量が見栄え等を害することになる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その技術的課題は、取付け対象であるパネルが軟質性パネルであっても、そのパネルからの突出量を極力抑えつつ、そのパネルの取付け孔に対する保持力を高めることができる孔用保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
パネルに形成された取付け孔に取付けるための孔用保持具であって、
前記パネルに一方の面を、該パネルの取付け孔を覆うようにしつつ当接させる基板部と、
前記基板部の一方の面上に突設され、少なくとも前記取付け孔の周縁部を該基板部の一方の面と協働して挟持する支持面を有する支持台部と、
前記基板部の一方の面上に、前記支持台部を基準として前記支持面の存在側とは反対側において起倒動可能に設けられ、該支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に少なくとも前記取付け孔周縁部が入れられた状態で該基板部の一方の面が前記パネルに当接されたとき、その先端側の倒伏領域に、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部が少なくとも臨む回動板部と、
前記基板部の一方の面又は前記回動板部の内面の少なくともいずれか一方に設けられ、該回動板部を倒伏させたとき、該回動板部と該基板部との間で係止関係が成立して該回動板部の倒伏状態を維持する係止片部と、
が備えられている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に少なくとも取付け孔周縁部を入れた状態にすると共に該基板部の一方の面をパネルに当接した上で、回動板部を倒伏させ、回動板部と基板部との間で係止片部により係止関係を成立させれば、支持台部の支持面と基板部の一方の面、また、回動板部の先端側内面と基板部の一方の面とが、少なくとも、取付け孔周縁部、その取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部をそれぞれ挟持する構成であることから、回動板部の延び方向長さを延ばして回動板部の先端側内面とパネルとの当接面積を増大させることにより(比較的長い部分を挟持することにより)、簡単に当該孔用保持具の挟持力(保持力)を高めることができる。
しかもこの場合、その挟持力を高めるために回動板部の延び方向長さを延ばして回動板部の先端側内面とパネルとの当接面積を増大させるとしても、その回動板部の板厚が影響を受けることはなく、その回動板部の板厚を薄板状の下で一定に維持できる。このため、パネルに対する当該孔用保持具の保持時には、比較的薄い回動板部の厚み分だけが、パネルから突出することになり、案内機能、係止力確保のために比較的大きくならざるを得ない爪部を有する係止片部を用いる場合に比べて、パネルから突出する突出量を少なくすることができる。
勿論この場合、支持台部に関しては、ある程度の剛性のある支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に、最初に取付け孔周縁部を入れ込んで挟持する構成となることから、支持台部の支持面と基板部の一方の面とにより取付け孔周縁部を強固に挟持できると共に、支持台部の突出量を、回動板部と基板部とでパネルを挟持したときの厚さ以下に抑えることができる。
したがって、パネルが軟質性パネルであっても、そのパネルからの突出量を極力抑えつつ、そのパネルの取付け孔に対する当該孔用保持具の保持力を高めることができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、回動板部の先端側内面のうち、取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部に対して当接する当接領域が、回動板部の先端側から基端側に向うに従って回動板部の内面から離間するように傾斜されていることから、回動板部を倒伏させたときには(基板部と回動板部とで係止関係が成立したとき)、その傾斜面が、相対的に支持台部により移動規制を受ける取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部を押し潰し、当該孔用保持具はその反力を受けることになる。このため、その反力に基づき、パネルの面に沿う方向においては、支持台部が取付け孔周縁部に向けて押し付けられ、パネルの板厚方向においては、基板部の一方の面がパネルに向けて押し付けられることになり、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向及び板厚方向においてがたつくことを抑制できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、基板部の一方の面にガイド部が突設され、ガイド部が、支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に取付け孔周縁部を入れた状態で基板部の一方の面をパネルに当接させたときには、取付け孔内に進入して該取付け孔内周面に当接するように設定されていることから、基板部の組付け作業を容易にできるだけでなく、基板部をガイド部と支持台部とにより移動することを規制することに基づき、基板部の組付け後の組付け作業の容易化を図ることができる。
また、基板部の一方の面をパネルに当接させるとき、取付け孔周縁部を支持台部で支えた状態で、ガイド部が取付け孔内周面に当接させつつ該取付け孔内に進入(圧入)することになり、そのガイド部の取付け孔内への進入に伴い、ガイド部は取付け孔内周面を押し潰し、当該孔用保持具はその反力を受ける。このため、その反力に基づき、パネルの面に沿う方向において、支持台部が取付け孔周縁部に向けて押し付けられ、組付け後において、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向にがたつくことを抑制できる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、ガイド部のうち、取付け孔内周面に対する当接側部分に、ガイド部の先端に向かうに従って支持台部側に近づくように傾斜する傾斜面が形成されていることから、取付け孔に対するガイド部の進入を容易にできるだけでなく、取付け孔に誤差寸法が生じている場合であっても、その取付け孔にガイド部と支持台部とを的確に嵌合させて、組付け作業の容易化を図ることができる。
【0013】
請求項5に係る発明によれば、支持面が、基板部の一方の面から離れるに従って回動板部から離れるように傾斜する傾斜面を有していることから、回動板部の傾斜面又はガイド部の組付け時の作用に基づき支持面における傾斜面が取付け孔周縁部に向けて押圧されたときには、支持面の傾斜面が取付け孔周縁部を押し潰すことになり、その結果、支持面の傾斜面によっても反力が生じることになる。このため、組付け後において、一層、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向及びパネルの板厚方向にがたつくことを抑制できる。
【0014】
請求項6に係る発明によれば、取付け孔が長孔とされる下で、支持台部の基端部の幅方向長さが、基板部の一方の面に向かうに従って拡張されて、長孔の幅方向長さよりも長くされていることから、支持台部の支持面と基板部の一方の面とによって取付け孔周縁部等を挟持する際に、支持台部基端部によって、長孔の周縁部のうち、幅方向外方側部分を押し潰すことができることになり、その反力に基づき当該孔用保持具が長孔の幅方向にがたつくことを抑制できる。
【0015】
請求項7に係る発明によれば、支持台部に回動板部の基端部が回動可能に連結されていることから、パネルの板厚を考慮して、該パネルの面に沿うように回動板部を配設することができ、見栄え等を向上させることができる。また、回動板部をパネルの面に沿うように配設できることから、パネルが撓んだときに係止片部を効果的に支えて、回動板部の先端側内面と基板部の一方の面とによる挟持構造を強固に維持できる。
【0016】
請求項8に係る発明によれば、支持台部又は基板部の他方の面に、部材を保持するためのクリップ部が設けられていることから、当該孔用保持具を用いることにより、工具等の部材をパネルに的確に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】デッキボードに保持される実施形態に係る孔用保持具を説明する説明図。
【図2】実施形態に係る孔用保持具をクリップ部側から示す斜視図。
【図3】実施形態に孔用保持具を回動板部側から示す斜視図。
【図4】実施形態に係る孔用保持具を示す平面図。
【図5】図4の右側面図
【図6】図4の底面図。
【図7】実施形態に係る孔用保持具の組付けを説明する説明図。
【図8】図7の続きの組付けを説明する説明図。
【図9】図8の続きの組付けを説明する説明図。
【図10】図9の続きの組付けを説明する説明図。
【図11】図10の続きの組付けを説明する説明図。
【図12】図11の続きの組付けを説明する説明図。
【図13】図10,図12のA部分を説明する拡大説明図。
【図14】長孔に対して実施形態に係る孔用保持具の支持台部が嵌合された状態を説明する説明図。
【図15】図12のB部分を説明する拡大説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1,図2において、符号1は、軟質性パネルであるデッキボードであり、そのデッキボード1には、取付け孔として長孔2が形成されている。長孔2には、樹脂を用いて一体成形された実施形態に係る孔用保持具3(以下、保持具という)が保持されており、この保持具3(複数の保持具3)を介してジャッキハンドル等の工具4がデッキボード1に保持される。
【0019】
前記保持具3は、図1〜図6に示すように、基板部5を備えている。基板部5は、比較的薄目の帯板として形成されており、その幅方向(図4中、上下方向)長さは、長孔2の幅方向長さよりも長く、その延び方向(図4中、左右方向)長さは長孔2の延び方向長さよりも長くなっている。この基板部5は、その一方の面としての裏面5aがデッキボード1に対する当接面とされており、その基板部5の裏面5aのうち、周回り部分が、前記長孔2の周縁部等に当接する当接部5bとなる。
【0020】
前記基板部5の裏面5aには、図1〜図3,図5,図6に示すように、その基板部5の延び方向一方側(図6中、右側)において、支持台部6が一体的に設けられている。支持台部6は、基板部5の幅方向において、その幅方向両側における前記当接部5b間を跨ぐように延びると共に、その基板部5の延び方向において、一定長さを有するようにされている。そして、この支持台部6は、その基部が、基板部5の裏面5aからデッキボード1の板厚よりもはやや短い長さだけ突出された形状とされ、その基部に連続する先端側部分が基板部5の延び方向一方側に多少、ずらされた形状とされている。この支持台部6の先端側部分にはクリップ部7が一体的に設けられている。このクリップ部7は、拡縮可能な一対の把持部8と、支持台部6の先端側部分から連続して延びて一対の把持部8を支える連結部9と、を有しており、一対の把持部8にジャッキハンドル等の工具4を押し込むことにより、その工具4は嵌合保持される。尚、本実施形態においては、クリップ部7の連結部9と支持台部(基部及び先端側部分)6とは、連続的に形成されて、一体の脚部形状を形成している。
【0021】
前記支持台部6には、図1〜図3,図5に示すように、その基部と先端側部分との形状を利用して、基板部5の延び方向一方側において、支持面10が形成されている。支持面10は、基板部5の裏面5aから離れるに従って基板部5の延び方向一方側外方に向かうように傾斜されており、この支持面10と基板部5の裏面5aとの間に、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びその周縁部2aからさらに外方(長孔2の延び方向外方)のデッキボード部分1aが入り込むことができることになっている。尚、図2においては、支持面10を把握し易くするため、その支持面10の該当個所に微細なドット模様が付されている。
【0022】
前記支持台部6には、図1〜図3,図5,図6に示すように、帯板状の回動板部11が起倒動可能に連結されている。回動板部11は、前記クリップ部7(又は支持面10)よりも基板部5の延び方向他方側(図1中、左側)に配置されており、その回動板部11の基端部は、ヒンジ部12を介して支持台部6(基部と先端側部分との段差部)に連結されている。これにより、回動板部11は、その起倒動により、基板部5の裏面5aに接近、離間することになり、回動板部11が倒伏状態になったときには、回動板部11は、基板部5と略平行状態となって、基板部5の延び方向と同方向に延びた状態となる。また、回動板部11は、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれからさらに外方のデッキボード部分1aを挟持しているとき、その回動板部11の先端側の倒伏領域に、長孔2の延び方向他方側(図1中、左側)の周縁部2b及びそれからさらに外方のデッキボード部分1b(図2参照)が臨むことになっており、回動板部11が倒伏状態になったときには、その回動版部11の先端側内面は、上記部分2b,1bに当接することになる。
【0023】
前記基板部5の裏面5aには、図1,図6に示すように、前記支持台部6よりも基板部5の延び方向他方側において、板状のガイド部13が起立されている。ガイド部13は、その肉厚方向を基板部5の幅方向に向けつつ、基板部5の幅方向両側の当接部5b間に位置されており、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の周縁部等2a,1aを挟持している状態で基板部5の裏面5aがデッキボード1に当接されたときには、案内機能を発揮して、ガイド部13(基板部5の延び方向他方側面)が長孔2の延び方向他方側の内周面に当接(圧接)することになっている。本実施形態においては、円滑な案内機能、長孔2の延び方向における誤差等に対する対応を考慮し、ガイド部13のうち、長孔2内周面に対する当接側部分に傾斜面13aが形成され、その傾斜面13aは、ガイド部13の先端に向かうに従って支持台部6側に近づくように傾斜されている。
【0024】
前記基板部5の裏面5aには、図1〜図3に示すように、前記回動板部11の倒伏領域において、係止片部14が設けられている。この係止片部14は、基板部5の延び方向他方側から前記ガイド部13に支えられつつ(接合状態)、基板部5の幅方向両側における当接部5b間を跨ぐように配設されており、その係止片部14は、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の周縁部等2a,1aを挟持している状態で基板部5の裏面5aがデッキボード1に当接されたときには、長孔2内に進入することになっている。
【0025】
前記回動板部11の内面にも、図1〜図3に示すように、係止片部15が設けられている。この係止片部15は、回動板部11を基板部5に向けて倒伏させたときに、前記係止片部14に係合して、回動板部11の起立動を規制することになっており、そのときには、回動板部11と基板部5とは、対向した状態で略平行な配置関係となる。
【0026】
前記回動板部11の先端側内面には、図1〜図3に示すように、突部16が設けられている。突部16は、傾斜面16aを有しており、その傾斜面16aは、回動板部11の先端側から基端側に向うに従って該回動板部11の内面から離間するように傾斜されている。この傾斜面16aについては、把握し易くするため、図3において、その傾斜面16aの該当個所に微細なドット模様が付されている。
尚、符号17は誤組付防止用リブであり、その誤組付防止用リブ17は、正規の取付け状態のとき、デッキボード1の所定の孔(図示略)に挿入された状態となる。
【0027】
次に、デッキボード1に対する保持具3の組付けについて説明する。
先ず、図7に示すように、回動板部11を起立させてクリップ部7に当接させた状態とする。その上で、図8に示すように、回動板部11及びクリップ部7を長孔2に通し、基板部裏面5aの延び方向一方側部分と支持面10との間に、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード1a部分を入れる。そして、その状態で、図9の矢印で示すように、基板部5の延び方向他方側をデッキボード1に当接する方向に回動させる。
【0028】
これに伴い、ガイド部13は、そのガイド部13の傾斜面13aに基づく案内機能を利用して、長孔2内に該長孔2における延び方向他方側内周面に当接しつつ入り込むことになり、基板部5は、その延び方向一方側外方に向けて移動され、支持面(傾斜面)10は、図13に示すように、デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の周縁部2aAを押し潰す。図13中、黒塗部分(周縁部2aAと同符号を用いる)は、支持面10により押し潰される部分を示す。この結果、図10に示すように、長孔2の周縁部2aAの押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5が長孔2の延び方向他方側(図10中、左側)に押し戻されると共に基板部5の裏面5aがデッキボード1に向けて押し付けられる(図10中の矢印参照)。
このとき、基板部裏面5aの延び方向一方側部分と支持面10とは、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれよりもさらに外方のデッキ部分1aを挟持する。また、ガイド部13は、長孔2内への進入に伴い、長孔2における延び方向他方側内周面を多少、押し潰す。
【0029】
またこのとき、支持台部6の基端部6aが、図14に示すように、長孔2の幅方向両側内周面に対して圧入されることになり、長孔2内周縁部のうち、支持台部6の幅方向両側部分2cとの当接部分は、押し潰される。図14中、黒塗部分(長孔2内周縁部のうち、支持台部6の幅方向両側部分2cと同符号を用いる)が、支持台部6の基端部により押し潰される部分を示す。これにより、このデッキボード1の押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5は、長孔2の幅方向(図14中、矢印方向)にがたつくことなく保持される。
【0030】
これにより、基板部5は、デッキボード1に対してがたつくことなく保持されたことになる。勿論このとき、誤組付防止用リブは、デッキボード1の所定の孔に挿入される。
【0031】
次に、図11,図12に示すように、回動板部11を倒伏動させ、基板部5の係止片部14と回動板部11の係止片部15とを係止させる。これにより、以後、回動板部11は、図12に示すように、その起立動が規制され、回動板部11の先端部と基板部裏面5aの延び方向他方側部分とは、長孔2の周縁部2b及びそれよりも外方のデッキボード部分1b(図2参照)を挟持する。勿論このとき、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aとは、長孔2の周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード部分1aを挟持している。
【0032】
これにより、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aの延び方向一方側部分、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aの延び方向一方側部分とが、長孔2の延び方向において、比較的長い部分(長孔2の周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード部分1a、長孔2の周縁部2b及びそれよりも外方のデッキボード部分1b)をそれぞれ挟持することになり、デッキボード1の撓みに対しても、十分に対応できる挟持力(保持力)が確保されることになる。このため、デッキボード1が撓むものであっても、そのデッキボード1の長孔2に対する保持具3の保持力を高めることができる。
【0033】
この場合、回動板部11に関しては、挟持力を高めるために、回動板部11の延び方向長さを延ばしてその回動板部11の先端側内面とデッキボード1との当接面積を増大させることになるが、この際、回動板部11の延び方向長さを延ばすことに伴って、その回動板部11の板厚が影響を受けることはなく、その回動板部11の板厚を薄板状で一定に維持できる。このため、挟持力を高める場合であっても、図12に示すように、デッキボード1に対する当該保持具3の保持時には、比較的薄い回動板部11の厚みh1分だけが、デッキボード1から突出することになり、案内機能、係止力確保のために比較的大きくならざるを得ない爪部を有する係止片部を用いる場合(特許文献1図5(C)の符号2B,2C参照)に比べて、デッキボード1から突出する突出量を少なくすることができる。
支持台部6に関しては、その支持面10と基板部裏面5aとの間に、最初に長孔周縁部2a等を入れ込んで挟持する構成となっていることから、支持台部6の突出量を、回動板部11と基板部5とでデッキボード1を挟持したときの厚みh1ないしはそれ以下に厚みに抑えることができる。
【0034】
またこの場合、係止関係にある係止片部14及び15を、支持台部6(基板部5)に連結された回動板部11が支えており、デッキボード1が撓んで、係止関係にある係止片部14及び15を撓ませようとしても、それが規制される。このため、係止片部を用いて長孔2周縁部を係止する場合とは異なり、回動板部11の先端側とデッキボード1とによる挟持状態は、このことによっても、強固に維持される。
【0035】
またこの際、回動板部11の傾斜面16aは、図15に示すように、デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の延び方向他方側周縁部2bAを押し潰す。図15中、黒塗部分(デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の延び方向他方側周縁部2bAと同一符号を用いる)が、回動板部11の傾斜面16a及びそれよりも先端側内面により押し潰される部分を示す。これにより、長孔2の延び方向他方側周縁部2bAの押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5が長孔2の延び方向一方側(図15中、右側)に押し戻されると共に基板部5の裏面5aがデッキボード1に押し付けられる(図15中の矢印参照)。この結果、この回動板部11の傾斜面16aに基づく機能と前述の支持面10に基づく機能(基板部5の保持機能)とにより、保持具3は、一層、長孔2の延び方向及びデッキボード1の肉厚方向にがたつくことが規制される。
【0036】
勿論この場合、回動板部11の傾斜面16a及び支持面10が傾斜面であることから、デッキボード1の厚みにある程度誤差があるとしても、その傾斜面16a,10に長孔周縁部2a,2bを当接させることができ、傾斜面16aと基板部裏面5a、また、傾斜面10と基板部裏面5aとにより、デッキボード1の長孔周縁部2a,2b等を的確に挟持することができる。これにより、デッキボード1の厚みに誤差がある場合でも、保持具3をがたつかせることなく強固にデッキボード1に保持できることになる。
【0037】
このようにして、保持具3がデッキボード1に保持されると、以後、そのクリップ部7にジャッキハンドル等の工具4等を把持させる。これにより、その工具4等は、デッキボード1に保持されることになる。
【0038】
したがって、本実施形態においては、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aの延び方向一方側部分、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aの延び方向一方側部分とが、長孔2の延び方向において、比較的長い部分をそれぞれ挟持することになり、デッキボード1が撓むものであっても、そのデッキボード1の長孔2に対する保持具3の保持力を高めることができる。
しかもこの場合、回動板部11に関しては、挟持力を高めるために、回動板部11の延び方向長さを延ばしてその回動板部11の先端側内面とデッキボード1との当接面積を増大させたとしても、それによる影響は受けず、回動板部11の板厚を薄板状の下で一定に維持できる。このため、デッキボード1から突出する突出量を少なくすることができる。
【0039】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)当該保持具3からクリップ部7等を省いて、盲蓋として用いること。
(2)クリップ部7を基板部5の表面側に設けること。
(3)係止片部14,15のうちの一方だけを設け、その係止片部を相手方部材(回動板部11又は基板部5)に直接、係止すること。
(4)実施形態に示す如く、支持面10全体を傾斜面とする態様の他、基板部5の裏面5aとその裏面5aに平行な支持面10との間に、傾斜面を形成するリブ等を設けて、基板部5の裏面5aとその裏面5aに平行な支持面10との間に、支持面10の一部を構成する傾斜面を形成すること。これにより、この傾斜面(支持面10の一部)によっても、前記実施形態に係る支持面10同様、長孔周縁部2aを押し潰すことができる。
(5)基板部裏面5aに、その幅方向両側の当接部5b間においてガイド部13を跨るように設けて、長孔2の延び方向他方側周縁部2bに対するそのガイド部13の当接側部分全体(基端から先端まで)を傾斜面13aとして形成し、ガイド部13が長孔2内に進入したとき、そのガイド部13の傾斜面13aにより、長孔2の延び方向他方側周縁部2bを押し潰して反力を得るようにすること。
【符号の説明】
【0040】
1 デッキボード(パネル)
1a デッキボード部分(パネル部分)
1b デッキボード部分(パネル部分)
2 長孔(取付け孔)
2a 長孔の延び方向一方側周縁部(取付け孔周縁部)
2b 長孔の延び方向他方側周縁部(取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部)
3 保持具
5 基板部
5a 基板部裏面
6 支持台部
7 クリップ部
10 支持面
11 回動板部
13 ガイド部
13a ガイド部の傾斜面
14 係止片部(係止片部)
15 係止片部(係止片部)
16a 突部の傾斜面
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルの取付け孔に取付けるための孔用保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
パネルの取付け孔に取付けるための孔用保持具としては、特許文献1に示すように、基板部の裏面から複数の係止片部(符号2B,2Cに相当するものであって、基本的に、脚部とその先端側に設けられる爪部とにより構成されるもの)を起立させたものが一般的に知られている。このものにおいては、組付けに際して、各係止片部の爪部を、パネルの取付け孔に貫通させた状態で、その取付け孔周縁部に係止させ、その各係止片部の爪部(係止面)と基板部とで取付け孔周縁部を挟持することが行われる。
【0003】
この場合、各係止片部においては、係止面よりも先端側の爪部表面(取付け孔挿入時に、その取付け孔周縁部及び内周面と当接する面)には、案内面として傾斜面が形成されており、当該孔用保持具をパネルに取付けるに際して、係止片部をパネルの取付け孔に挿入をすれば、爪部表面の傾斜面が、先ず、取付け孔周縁部に当接して係止片部(脚部)を撓ませ、その後、その傾斜面と取付け孔周縁部との当接関係が解除される状態に至ると、係止片部(脚部)が復帰して、爪部の係止面が取付け孔周縁部に係止され、係止片部の爪部と基板部とは取付け孔周縁部を挟持する。
【0004】
ところで、パネルが軟質性の場合、係止片部だけでなく、パネルもある程度撓むことから、パネルが撓む場合には、係止片部の爪部の爪返り、係止片部の脚部の反り等を通じて、パネルの取付け孔周縁部に対する係止片部の爪部の係止が解除されるおそれがある。このため、係止片部の爪部と基板部とにより軟質性パネルの取付け孔周縁部を挟持するときには、その挟持力を高めるために、爪部の係止面を取付け孔周縁から径方向外方に延ばして、爪部の係止面とパネルとの当接面積を大きくすることが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−343942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、軟質性パネルの撓みを考慮して、上述の如く挟持力を高めた場合には、爪部の係止面を取付け孔周縁から径方向外方に延ばすに伴い、爪部全体の大きさも大きくなり、その係止片部の爪部は、その爪部と基板部とにより取付け孔周縁部を挟持するとき、そのパネルから大きく突出する。このため、その爪部の比較的大きな突出量が見栄え等を害することになる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その技術的課題は、取付け対象であるパネルが軟質性パネルであっても、そのパネルからの突出量を極力抑えつつ、そのパネルの取付け孔に対する保持力を高めることができる孔用保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
パネルに形成された取付け孔に取付けるための孔用保持具であって、
前記パネルに一方の面を、該パネルの取付け孔を覆うようにしつつ当接させる基板部と、
前記基板部の一方の面上に突設され、少なくとも前記取付け孔の周縁部を該基板部の一方の面と協働して挟持する支持面を有する支持台部と、
前記基板部の一方の面上に、前記支持台部を基準として前記支持面の存在側とは反対側において起倒動可能に設けられ、該支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に少なくとも前記取付け孔周縁部が入れられた状態で該基板部の一方の面が前記パネルに当接されたとき、その先端側の倒伏領域に、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部が少なくとも臨む回動板部と、
前記基板部の一方の面又は前記回動板部の内面の少なくともいずれか一方に設けられ、該回動板部を倒伏させたとき、該回動板部と該基板部との間で係止関係が成立して該回動板部の倒伏状態を維持する係止片部と、
が備えられている構成とされている。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に少なくとも取付け孔周縁部を入れた状態にすると共に該基板部の一方の面をパネルに当接した上で、回動板部を倒伏させ、回動板部と基板部との間で係止片部により係止関係を成立させれば、支持台部の支持面と基板部の一方の面、また、回動板部の先端側内面と基板部の一方の面とが、少なくとも、取付け孔周縁部、その取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部をそれぞれ挟持する構成であることから、回動板部の延び方向長さを延ばして回動板部の先端側内面とパネルとの当接面積を増大させることにより(比較的長い部分を挟持することにより)、簡単に当該孔用保持具の挟持力(保持力)を高めることができる。
しかもこの場合、その挟持力を高めるために回動板部の延び方向長さを延ばして回動板部の先端側内面とパネルとの当接面積を増大させるとしても、その回動板部の板厚が影響を受けることはなく、その回動板部の板厚を薄板状の下で一定に維持できる。このため、パネルに対する当該孔用保持具の保持時には、比較的薄い回動板部の厚み分だけが、パネルから突出することになり、案内機能、係止力確保のために比較的大きくならざるを得ない爪部を有する係止片部を用いる場合に比べて、パネルから突出する突出量を少なくすることができる。
勿論この場合、支持台部に関しては、ある程度の剛性のある支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に、最初に取付け孔周縁部を入れ込んで挟持する構成となることから、支持台部の支持面と基板部の一方の面とにより取付け孔周縁部を強固に挟持できると共に、支持台部の突出量を、回動板部と基板部とでパネルを挟持したときの厚さ以下に抑えることができる。
したがって、パネルが軟質性パネルであっても、そのパネルからの突出量を極力抑えつつ、そのパネルの取付け孔に対する当該孔用保持具の保持力を高めることができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、回動板部の先端側内面のうち、取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部に対して当接する当接領域が、回動板部の先端側から基端側に向うに従って回動板部の内面から離間するように傾斜されていることから、回動板部を倒伏させたときには(基板部と回動板部とで係止関係が成立したとき)、その傾斜面が、相対的に支持台部により移動規制を受ける取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部を押し潰し、当該孔用保持具はその反力を受けることになる。このため、その反力に基づき、パネルの面に沿う方向においては、支持台部が取付け孔周縁部に向けて押し付けられ、パネルの板厚方向においては、基板部の一方の面がパネルに向けて押し付けられることになり、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向及び板厚方向においてがたつくことを抑制できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、基板部の一方の面にガイド部が突設され、ガイド部が、支持台部の支持面と基板部の一方の面との間に取付け孔周縁部を入れた状態で基板部の一方の面をパネルに当接させたときには、取付け孔内に進入して該取付け孔内周面に当接するように設定されていることから、基板部の組付け作業を容易にできるだけでなく、基板部をガイド部と支持台部とにより移動することを規制することに基づき、基板部の組付け後の組付け作業の容易化を図ることができる。
また、基板部の一方の面をパネルに当接させるとき、取付け孔周縁部を支持台部で支えた状態で、ガイド部が取付け孔内周面に当接させつつ該取付け孔内に進入(圧入)することになり、そのガイド部の取付け孔内への進入に伴い、ガイド部は取付け孔内周面を押し潰し、当該孔用保持具はその反力を受ける。このため、その反力に基づき、パネルの面に沿う方向において、支持台部が取付け孔周縁部に向けて押し付けられ、組付け後において、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向にがたつくことを抑制できる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、ガイド部のうち、取付け孔内周面に対する当接側部分に、ガイド部の先端に向かうに従って支持台部側に近づくように傾斜する傾斜面が形成されていることから、取付け孔に対するガイド部の進入を容易にできるだけでなく、取付け孔に誤差寸法が生じている場合であっても、その取付け孔にガイド部と支持台部とを的確に嵌合させて、組付け作業の容易化を図ることができる。
【0013】
請求項5に係る発明によれば、支持面が、基板部の一方の面から離れるに従って回動板部から離れるように傾斜する傾斜面を有していることから、回動板部の傾斜面又はガイド部の組付け時の作用に基づき支持面における傾斜面が取付け孔周縁部に向けて押圧されたときには、支持面の傾斜面が取付け孔周縁部を押し潰すことになり、その結果、支持面の傾斜面によっても反力が生じることになる。このため、組付け後において、一層、当該孔用保持具がパネルの面に沿う方向及びパネルの板厚方向にがたつくことを抑制できる。
【0014】
請求項6に係る発明によれば、取付け孔が長孔とされる下で、支持台部の基端部の幅方向長さが、基板部の一方の面に向かうに従って拡張されて、長孔の幅方向長さよりも長くされていることから、支持台部の支持面と基板部の一方の面とによって取付け孔周縁部等を挟持する際に、支持台部基端部によって、長孔の周縁部のうち、幅方向外方側部分を押し潰すことができることになり、その反力に基づき当該孔用保持具が長孔の幅方向にがたつくことを抑制できる。
【0015】
請求項7に係る発明によれば、支持台部に回動板部の基端部が回動可能に連結されていることから、パネルの板厚を考慮して、該パネルの面に沿うように回動板部を配設することができ、見栄え等を向上させることができる。また、回動板部をパネルの面に沿うように配設できることから、パネルが撓んだときに係止片部を効果的に支えて、回動板部の先端側内面と基板部の一方の面とによる挟持構造を強固に維持できる。
【0016】
請求項8に係る発明によれば、支持台部又は基板部の他方の面に、部材を保持するためのクリップ部が設けられていることから、当該孔用保持具を用いることにより、工具等の部材をパネルに的確に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】デッキボードに保持される実施形態に係る孔用保持具を説明する説明図。
【図2】実施形態に係る孔用保持具をクリップ部側から示す斜視図。
【図3】実施形態に孔用保持具を回動板部側から示す斜視図。
【図4】実施形態に係る孔用保持具を示す平面図。
【図5】図4の右側面図
【図6】図4の底面図。
【図7】実施形態に係る孔用保持具の組付けを説明する説明図。
【図8】図7の続きの組付けを説明する説明図。
【図9】図8の続きの組付けを説明する説明図。
【図10】図9の続きの組付けを説明する説明図。
【図11】図10の続きの組付けを説明する説明図。
【図12】図11の続きの組付けを説明する説明図。
【図13】図10,図12のA部分を説明する拡大説明図。
【図14】長孔に対して実施形態に係る孔用保持具の支持台部が嵌合された状態を説明する説明図。
【図15】図12のB部分を説明する拡大説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1,図2において、符号1は、軟質性パネルであるデッキボードであり、そのデッキボード1には、取付け孔として長孔2が形成されている。長孔2には、樹脂を用いて一体成形された実施形態に係る孔用保持具3(以下、保持具という)が保持されており、この保持具3(複数の保持具3)を介してジャッキハンドル等の工具4がデッキボード1に保持される。
【0019】
前記保持具3は、図1〜図6に示すように、基板部5を備えている。基板部5は、比較的薄目の帯板として形成されており、その幅方向(図4中、上下方向)長さは、長孔2の幅方向長さよりも長く、その延び方向(図4中、左右方向)長さは長孔2の延び方向長さよりも長くなっている。この基板部5は、その一方の面としての裏面5aがデッキボード1に対する当接面とされており、その基板部5の裏面5aのうち、周回り部分が、前記長孔2の周縁部等に当接する当接部5bとなる。
【0020】
前記基板部5の裏面5aには、図1〜図3,図5,図6に示すように、その基板部5の延び方向一方側(図6中、右側)において、支持台部6が一体的に設けられている。支持台部6は、基板部5の幅方向において、その幅方向両側における前記当接部5b間を跨ぐように延びると共に、その基板部5の延び方向において、一定長さを有するようにされている。そして、この支持台部6は、その基部が、基板部5の裏面5aからデッキボード1の板厚よりもはやや短い長さだけ突出された形状とされ、その基部に連続する先端側部分が基板部5の延び方向一方側に多少、ずらされた形状とされている。この支持台部6の先端側部分にはクリップ部7が一体的に設けられている。このクリップ部7は、拡縮可能な一対の把持部8と、支持台部6の先端側部分から連続して延びて一対の把持部8を支える連結部9と、を有しており、一対の把持部8にジャッキハンドル等の工具4を押し込むことにより、その工具4は嵌合保持される。尚、本実施形態においては、クリップ部7の連結部9と支持台部(基部及び先端側部分)6とは、連続的に形成されて、一体の脚部形状を形成している。
【0021】
前記支持台部6には、図1〜図3,図5に示すように、その基部と先端側部分との形状を利用して、基板部5の延び方向一方側において、支持面10が形成されている。支持面10は、基板部5の裏面5aから離れるに従って基板部5の延び方向一方側外方に向かうように傾斜されており、この支持面10と基板部5の裏面5aとの間に、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びその周縁部2aからさらに外方(長孔2の延び方向外方)のデッキボード部分1aが入り込むことができることになっている。尚、図2においては、支持面10を把握し易くするため、その支持面10の該当個所に微細なドット模様が付されている。
【0022】
前記支持台部6には、図1〜図3,図5,図6に示すように、帯板状の回動板部11が起倒動可能に連結されている。回動板部11は、前記クリップ部7(又は支持面10)よりも基板部5の延び方向他方側(図1中、左側)に配置されており、その回動板部11の基端部は、ヒンジ部12を介して支持台部6(基部と先端側部分との段差部)に連結されている。これにより、回動板部11は、その起倒動により、基板部5の裏面5aに接近、離間することになり、回動板部11が倒伏状態になったときには、回動板部11は、基板部5と略平行状態となって、基板部5の延び方向と同方向に延びた状態となる。また、回動板部11は、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれからさらに外方のデッキボード部分1aを挟持しているとき、その回動板部11の先端側の倒伏領域に、長孔2の延び方向他方側(図1中、左側)の周縁部2b及びそれからさらに外方のデッキボード部分1b(図2参照)が臨むことになっており、回動板部11が倒伏状態になったときには、その回動版部11の先端側内面は、上記部分2b,1bに当接することになる。
【0023】
前記基板部5の裏面5aには、図1,図6に示すように、前記支持台部6よりも基板部5の延び方向他方側において、板状のガイド部13が起立されている。ガイド部13は、その肉厚方向を基板部5の幅方向に向けつつ、基板部5の幅方向両側の当接部5b間に位置されており、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の周縁部等2a,1aを挟持している状態で基板部5の裏面5aがデッキボード1に当接されたときには、案内機能を発揮して、ガイド部13(基板部5の延び方向他方側面)が長孔2の延び方向他方側の内周面に当接(圧接)することになっている。本実施形態においては、円滑な案内機能、長孔2の延び方向における誤差等に対する対応を考慮し、ガイド部13のうち、長孔2内周面に対する当接側部分に傾斜面13aが形成され、その傾斜面13aは、ガイド部13の先端に向かうに従って支持台部6側に近づくように傾斜されている。
【0024】
前記基板部5の裏面5aには、図1〜図3に示すように、前記回動板部11の倒伏領域において、係止片部14が設けられている。この係止片部14は、基板部5の延び方向他方側から前記ガイド部13に支えられつつ(接合状態)、基板部5の幅方向両側における当接部5b間を跨ぐように配設されており、その係止片部14は、支持台部6の支持面10と基板部5の裏面5aとが長孔2の周縁部等2a,1aを挟持している状態で基板部5の裏面5aがデッキボード1に当接されたときには、長孔2内に進入することになっている。
【0025】
前記回動板部11の内面にも、図1〜図3に示すように、係止片部15が設けられている。この係止片部15は、回動板部11を基板部5に向けて倒伏させたときに、前記係止片部14に係合して、回動板部11の起立動を規制することになっており、そのときには、回動板部11と基板部5とは、対向した状態で略平行な配置関係となる。
【0026】
前記回動板部11の先端側内面には、図1〜図3に示すように、突部16が設けられている。突部16は、傾斜面16aを有しており、その傾斜面16aは、回動板部11の先端側から基端側に向うに従って該回動板部11の内面から離間するように傾斜されている。この傾斜面16aについては、把握し易くするため、図3において、その傾斜面16aの該当個所に微細なドット模様が付されている。
尚、符号17は誤組付防止用リブであり、その誤組付防止用リブ17は、正規の取付け状態のとき、デッキボード1の所定の孔(図示略)に挿入された状態となる。
【0027】
次に、デッキボード1に対する保持具3の組付けについて説明する。
先ず、図7に示すように、回動板部11を起立させてクリップ部7に当接させた状態とする。その上で、図8に示すように、回動板部11及びクリップ部7を長孔2に通し、基板部裏面5aの延び方向一方側部分と支持面10との間に、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード1a部分を入れる。そして、その状態で、図9の矢印で示すように、基板部5の延び方向他方側をデッキボード1に当接する方向に回動させる。
【0028】
これに伴い、ガイド部13は、そのガイド部13の傾斜面13aに基づく案内機能を利用して、長孔2内に該長孔2における延び方向他方側内周面に当接しつつ入り込むことになり、基板部5は、その延び方向一方側外方に向けて移動され、支持面(傾斜面)10は、図13に示すように、デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の周縁部2aAを押し潰す。図13中、黒塗部分(周縁部2aAと同符号を用いる)は、支持面10により押し潰される部分を示す。この結果、図10に示すように、長孔2の周縁部2aAの押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5が長孔2の延び方向他方側(図10中、左側)に押し戻されると共に基板部5の裏面5aがデッキボード1に向けて押し付けられる(図10中の矢印参照)。
このとき、基板部裏面5aの延び方向一方側部分と支持面10とは、長孔2の延び方向一方側周縁部2a及びそれよりもさらに外方のデッキ部分1aを挟持する。また、ガイド部13は、長孔2内への進入に伴い、長孔2における延び方向他方側内周面を多少、押し潰す。
【0029】
またこのとき、支持台部6の基端部6aが、図14に示すように、長孔2の幅方向両側内周面に対して圧入されることになり、長孔2内周縁部のうち、支持台部6の幅方向両側部分2cとの当接部分は、押し潰される。図14中、黒塗部分(長孔2内周縁部のうち、支持台部6の幅方向両側部分2cと同符号を用いる)が、支持台部6の基端部により押し潰される部分を示す。これにより、このデッキボード1の押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5は、長孔2の幅方向(図14中、矢印方向)にがたつくことなく保持される。
【0030】
これにより、基板部5は、デッキボード1に対してがたつくことなく保持されたことになる。勿論このとき、誤組付防止用リブは、デッキボード1の所定の孔に挿入される。
【0031】
次に、図11,図12に示すように、回動板部11を倒伏動させ、基板部5の係止片部14と回動板部11の係止片部15とを係止させる。これにより、以後、回動板部11は、図12に示すように、その起立動が規制され、回動板部11の先端部と基板部裏面5aの延び方向他方側部分とは、長孔2の周縁部2b及びそれよりも外方のデッキボード部分1b(図2参照)を挟持する。勿論このとき、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aとは、長孔2の周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード部分1aを挟持している。
【0032】
これにより、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aの延び方向一方側部分、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aの延び方向一方側部分とが、長孔2の延び方向において、比較的長い部分(長孔2の周縁部2a及びそれよりも外方のデッキボード部分1a、長孔2の周縁部2b及びそれよりも外方のデッキボード部分1b)をそれぞれ挟持することになり、デッキボード1の撓みに対しても、十分に対応できる挟持力(保持力)が確保されることになる。このため、デッキボード1が撓むものであっても、そのデッキボード1の長孔2に対する保持具3の保持力を高めることができる。
【0033】
この場合、回動板部11に関しては、挟持力を高めるために、回動板部11の延び方向長さを延ばしてその回動板部11の先端側内面とデッキボード1との当接面積を増大させることになるが、この際、回動板部11の延び方向長さを延ばすことに伴って、その回動板部11の板厚が影響を受けることはなく、その回動板部11の板厚を薄板状で一定に維持できる。このため、挟持力を高める場合であっても、図12に示すように、デッキボード1に対する当該保持具3の保持時には、比較的薄い回動板部11の厚みh1分だけが、デッキボード1から突出することになり、案内機能、係止力確保のために比較的大きくならざるを得ない爪部を有する係止片部を用いる場合(特許文献1図5(C)の符号2B,2C参照)に比べて、デッキボード1から突出する突出量を少なくすることができる。
支持台部6に関しては、その支持面10と基板部裏面5aとの間に、最初に長孔周縁部2a等を入れ込んで挟持する構成となっていることから、支持台部6の突出量を、回動板部11と基板部5とでデッキボード1を挟持したときの厚みh1ないしはそれ以下に厚みに抑えることができる。
【0034】
またこの場合、係止関係にある係止片部14及び15を、支持台部6(基板部5)に連結された回動板部11が支えており、デッキボード1が撓んで、係止関係にある係止片部14及び15を撓ませようとしても、それが規制される。このため、係止片部を用いて長孔2周縁部を係止する場合とは異なり、回動板部11の先端側とデッキボード1とによる挟持状態は、このことによっても、強固に維持される。
【0035】
またこの際、回動板部11の傾斜面16aは、図15に示すように、デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の延び方向他方側周縁部2bAを押し潰す。図15中、黒塗部分(デッキボード1における一方の面1A側の長孔2の延び方向他方側周縁部2bAと同一符号を用いる)が、回動板部11の傾斜面16a及びそれよりも先端側内面により押し潰される部分を示す。これにより、長孔2の延び方向他方側周縁部2bAの押し潰しに基づく反力が生じ、その反力に基づき、基板部5が長孔2の延び方向一方側(図15中、右側)に押し戻されると共に基板部5の裏面5aがデッキボード1に押し付けられる(図15中の矢印参照)。この結果、この回動板部11の傾斜面16aに基づく機能と前述の支持面10に基づく機能(基板部5の保持機能)とにより、保持具3は、一層、長孔2の延び方向及びデッキボード1の肉厚方向にがたつくことが規制される。
【0036】
勿論この場合、回動板部11の傾斜面16a及び支持面10が傾斜面であることから、デッキボード1の厚みにある程度誤差があるとしても、その傾斜面16a,10に長孔周縁部2a,2bを当接させることができ、傾斜面16aと基板部裏面5a、また、傾斜面10と基板部裏面5aとにより、デッキボード1の長孔周縁部2a,2b等を的確に挟持することができる。これにより、デッキボード1の厚みに誤差がある場合でも、保持具3をがたつかせることなく強固にデッキボード1に保持できることになる。
【0037】
このようにして、保持具3がデッキボード1に保持されると、以後、そのクリップ部7にジャッキハンドル等の工具4等を把持させる。これにより、その工具4等は、デッキボード1に保持されることになる。
【0038】
したがって、本実施形態においては、支持台部6の支持面10と基板部裏面5aの延び方向一方側部分、回動板部11の先端側内面と基板部裏面5aの延び方向一方側部分とが、長孔2の延び方向において、比較的長い部分をそれぞれ挟持することになり、デッキボード1が撓むものであっても、そのデッキボード1の長孔2に対する保持具3の保持力を高めることができる。
しかもこの場合、回動板部11に関しては、挟持力を高めるために、回動板部11の延び方向長さを延ばしてその回動板部11の先端側内面とデッキボード1との当接面積を増大させたとしても、それによる影響は受けず、回動板部11の板厚を薄板状の下で一定に維持できる。このため、デッキボード1から突出する突出量を少なくすることができる。
【0039】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)当該保持具3からクリップ部7等を省いて、盲蓋として用いること。
(2)クリップ部7を基板部5の表面側に設けること。
(3)係止片部14,15のうちの一方だけを設け、その係止片部を相手方部材(回動板部11又は基板部5)に直接、係止すること。
(4)実施形態に示す如く、支持面10全体を傾斜面とする態様の他、基板部5の裏面5aとその裏面5aに平行な支持面10との間に、傾斜面を形成するリブ等を設けて、基板部5の裏面5aとその裏面5aに平行な支持面10との間に、支持面10の一部を構成する傾斜面を形成すること。これにより、この傾斜面(支持面10の一部)によっても、前記実施形態に係る支持面10同様、長孔周縁部2aを押し潰すことができる。
(5)基板部裏面5aに、その幅方向両側の当接部5b間においてガイド部13を跨るように設けて、長孔2の延び方向他方側周縁部2bに対するそのガイド部13の当接側部分全体(基端から先端まで)を傾斜面13aとして形成し、ガイド部13が長孔2内に進入したとき、そのガイド部13の傾斜面13aにより、長孔2の延び方向他方側周縁部2bを押し潰して反力を得るようにすること。
【符号の説明】
【0040】
1 デッキボード(パネル)
1a デッキボード部分(パネル部分)
1b デッキボード部分(パネル部分)
2 長孔(取付け孔)
2a 長孔の延び方向一方側周縁部(取付け孔周縁部)
2b 長孔の延び方向他方側周縁部(取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部)
3 保持具
5 基板部
5a 基板部裏面
6 支持台部
7 クリップ部
10 支持面
11 回動板部
13 ガイド部
13a ガイド部の傾斜面
14 係止片部(係止片部)
15 係止片部(係止片部)
16a 突部の傾斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに形成された取付け孔に取付けるための孔用保持具であって、
前記パネルに一方の面を、該パネルの取付け孔を覆うようにしつつ当接させる基板部と、
前記基板部の一方の面上に突設され、少なくとも前記取付け孔の周縁部を該基板部の一方の面と協働して挟持する支持面を有する支持台部と、
前記基板部の一方の面上に、前記支持台部を基準として前記支持面の存在側とは反対側において起倒動可能に設けられ、該支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に少なくとも前記取付け孔周縁部が入れられた状態で該基板部の一方の面が前記パネルに当接されたとき、その先端側の倒伏領域に、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部が少なくとも臨む回動板部と、
前記基板部の一方の面又は前記回動板部の内面の少なくともいずれか一方に設けられ、該回動板部を倒伏させたとき、該回動板部と該基板部との間で係止関係が成立して該回動板部の倒伏状態を維持する係止片部と、
が備えられている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項2】
請求項1において、
前記回動板部の先端側内面のうち、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部に対して当接する当接領域が、該回動板部の先端側から基端側に向うに従って該回動板部の内面から離間するように傾斜されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項3】
請求項1において、
前記基板部の一方の面に、ガイド部が突設され、
前記ガイド部が、前記支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に前記取付け孔周縁部を入れた状態で前記基板部の一方の面を前記パネルに当接させたとき、前記取付け孔内に進入して該取付け孔内周面に当接するように設定されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項4】
請求項3において、
前記ガイド部のうち、前記取付け孔内周面に対する当接側部分に、該ガイド部の先端に向かうに従って前記支持台部側に近づくように傾斜する傾斜面が形成されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記支持面が、前記基板部の一方の面から離れるに従って前記回動板部から離れるように傾斜する傾斜面を有している、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項6】
請求項1において、
前記取付け孔が長孔とされる下で、
前記支持台部の基端部の幅方向長さが、前記基板部の一方の面に向かうに従って拡張されて、前記長孔の幅方向長さよりも長くされている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項において、
前記支持台部に前記回動板部の基端部が回動可能に連結されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記支持台部又は前記基板部の他方の面に、部材を保持するためのクリップ部が設けられている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項1】
パネルに形成された取付け孔に取付けるための孔用保持具であって、
前記パネルに一方の面を、該パネルの取付け孔を覆うようにしつつ当接させる基板部と、
前記基板部の一方の面上に突設され、少なくとも前記取付け孔の周縁部を該基板部の一方の面と協働して挟持する支持面を有する支持台部と、
前記基板部の一方の面上に、前記支持台部を基準として前記支持面の存在側とは反対側において起倒動可能に設けられ、該支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に少なくとも前記取付け孔周縁部が入れられた状態で該基板部の一方の面が前記パネルに当接されたとき、その先端側の倒伏領域に、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部が少なくとも臨む回動板部と、
前記基板部の一方の面又は前記回動板部の内面の少なくともいずれか一方に設けられ、該回動板部を倒伏させたとき、該回動板部と該基板部との間で係止関係が成立して該回動板部の倒伏状態を維持する係止片部と、
が備えられている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項2】
請求項1において、
前記回動板部の先端側内面のうち、前記取付け孔周縁部に対向する取付け孔周縁部に対して当接する当接領域が、該回動板部の先端側から基端側に向うに従って該回動板部の内面から離間するように傾斜されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項3】
請求項1において、
前記基板部の一方の面に、ガイド部が突設され、
前記ガイド部が、前記支持台部の支持面と該基板部の一方の面との間に前記取付け孔周縁部を入れた状態で前記基板部の一方の面を前記パネルに当接させたとき、前記取付け孔内に進入して該取付け孔内周面に当接するように設定されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項4】
請求項3において、
前記ガイド部のうち、前記取付け孔内周面に対する当接側部分に、該ガイド部の先端に向かうに従って前記支持台部側に近づくように傾斜する傾斜面が形成されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項において、
前記支持面が、前記基板部の一方の面から離れるに従って前記回動板部から離れるように傾斜する傾斜面を有している、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項6】
請求項1において、
前記取付け孔が長孔とされる下で、
前記支持台部の基端部の幅方向長さが、前記基板部の一方の面に向かうに従って拡張されて、前記長孔の幅方向長さよりも長くされている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項において、
前記支持台部に前記回動板部の基端部が回動可能に連結されている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記支持台部又は前記基板部の他方の面に、部材を保持するためのクリップ部が設けられている、
ことを特徴とする孔用保持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−252580(P2011−252580A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128593(P2010−128593)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]