説明

字幕映像再生システム及び映像再生装置

【課題】映像再生装置、及びこの映像再生装置と補聴器とを備えた字幕映像再生システムにおいて、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省き、しかも健常者のみが映像を視聴する場合に、目障りな字幕が表示されないようにする。
【解決手段】補聴器に無線信号を送信する無線信号送受信機を設けたことにより、補聴器を付けた聴覚障害者がTV受像機に近づくと、TV受像機は、補聴器から送信された無線信号に基づき(S4)、映像の視聴者が聴覚障害者であることを認識して、聴覚障害者用字幕映像又は優先言語字幕映像の再生信号を自動的に再生する(S8、S9)ので、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省くことができる。しかも、健常者のみが映像を視聴する場合には、補聴器を付けていない健常者がTV受像機に近づいても、TV受像機は、通常映像再生信号を再生するので、健常者にとって目障りな字幕が表示されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像に字幕を重畳させた字幕映像の再生信号である字幕映像再生信号を再生可能な映像再生装置、及びこの映像再生装置と補聴器とを備えた字幕映像再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビジョン受像機(以下、TV受像機という)、ハードディスクレコーダ、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、BDプレーヤ、BDレコーダ等の映像再生装置において、受信又は記録した放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生可能なものがある。ここで、聴覚障害者用の字幕情報とは、ヨーロッパのディジタルテレビ放送の規格であるDVB(Digital Video Broadcasting)規格にあるような聴覚障害者専用の字幕(通常の会話の字幕だけではなく、場面の様子を表す擬声語や擬態語を含む字幕)を表示するための情報を意味する。
【0003】
ところが、上記従来の聴覚障害者用字幕映像の再生信号を再生可能な映像再生装置は、その時点で映像再生装置により再生されている映像再生信号に基づく映像の視聴者が聴覚障害者であるか否かを自動的に認識することができないので、聴覚障害者は、自分が映像再生装置により再生されている映像再生信号に基づく映像を視聴する度に毎回、映像再生装置の設定画面で、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させるように設定する必要がある。このため、聴覚障害者が聴覚障害者用の字幕を表示するのに手間がかかるという問題があった。
【0004】
そこで、この種の映像再生装置において、ディジタル放送信号に聴覚障害者用の字幕情報が含まれているか否かを検証し、字幕情報が含まれている場合には、通常の映像と共に、聴覚障害者用の字幕を表示部に表示し、スピーカを音声出力停止状態にするように制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この映像再生装置では、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省くことはできるが、健常者のみが映像を視聴する時でも、目障りな聴覚障害者用の字幕が表示されてしまい、しかも、スピーカからの音声が出力停止状態になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−200085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省くことができ、しかも、健常者のみが映像を視聴する場合に、目障りな字幕が表示されないようにすることが可能な映像再生装置、及びこの映像再生装置と補聴器とを備えた字幕映像再生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、放送信号に含まれる字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に字幕を重畳させた字幕映像の再生信号である字幕映像再生信号を再生可能な映像再生装置と、周囲の音声を集音して、集音した音声を増幅して出力する補聴器とを備えた字幕映像再生システムにおいて、前記補聴器は、該補聴器からの無線信号である補聴器無線信号を送信する補聴器無線信号送信手段を備え、前記映像再生装置は、前記補聴器から送信された補聴器無線信号を受信する補聴器無線信号受信手段と、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、前記字幕映像再生信号を再生し、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信していないときは、放送信号に含まれる映像情報に基づいて、字幕を含まない映像の再生信号である通常映像再生信号を再生するように制御する映像再生制御手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の字幕映像再生システムにおいて、前記映像再生装置は、該映像再生装置からの無線信号である再生装置無線信号を送信する再生装置無線信号送信手段をさらに備え、前記補聴器は、前記映像再生装置から送信された再生装置無線信号を受信する再生装置無線信号受信手段をさらに備え、この再生装置無線信号受信手段により前記再生装置無線信号を受信したときに、前記補聴器無線信号送信手段により前記補聴器無線信号を送信するものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の字幕映像再生システムにおいて、前記映像再生制御手段は、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生するように制御するものである。
【0010】
請求項4の発明は、放送信号に含まれる字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に字幕を重畳させた字幕映像の再生信号である字幕映像再生信号を再生可能な映像再生装置において、補聴器からの無線信号である補聴器無線信号を受信する補聴器無線信号受信手段と、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、前記字幕映像再生信号を再生し、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信していないときは、放送信号に含まれる映像情報に基づいて、字幕を含まない映像の再生信号である通常映像再生信号を再生するように制御する映像再生制御手段とを備えたものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記映像再生制御手段は、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生するように制御するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、補聴器を付けた聴覚障害者が映像再生装置に近づくと、映像再生装置は、補聴器から送信された補聴器無線信号に基づき、映像の視聴者が聴覚障害者であることを認識して、字幕映像再生信号を自動的に再生するので、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省くことができる。しかも、健常者のみが映像を視聴する場合には、補聴器を付けていない健常者が映像再生装置に近づいても、映像再生装置は、字幕映像再生信号ではなく、通常映像再生信号を再生するので、健常者にとって目障りな字幕が表示されないようにすることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、補聴器が映像再生装置から送信された再生装置無線信号を受信したときに、補聴器無線信号を送信するようにしたので、補聴器が補聴器無線信号を送信する回数を減らして、補聴器が補聴器無線信号を送信するのに要する電力を削減することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、映像再生装置は、補聴器無線信号を受信しているときは、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を自動的に再生するので、聴覚障害者が聴覚障害者用の字幕を表示するのに要する手間を省くことができる。しかも、健常者のみが映像を視聴する場合には、補聴器を付けていない健常者が映像再生装置に近づいても、映像再生装置は、聴覚障害者用字幕映像再生信号ではなく、通常映像再生信号を再生するので、健常者にとって目障りな聴覚障害者用の字幕が表示されないようにすることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、上記請求項3と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る字幕映像再生システムを構成するTV受像機と補聴器の前面図。
【図2】図1中のTV受像機の電気的ブロック構成図。
【図3】図1中の補聴器の電気的ブロック構成図。
【図4】上記字幕映像再生システムにおける映像再生制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明をディジタルテレビジョン受像機(以下、TV受像機という)と補聴器とを備えた字幕映像再生システムに適用した場合の例について説明する。なお、以下に記載した実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
【0019】
図1は、本実施形態による字幕映像再生システムを示す。字幕映像再生システム1は、映像再生装置であるTV受像機2と補聴器3とを備えている。TV受像機2は、放送信号に含まれる字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号や、映像に優先言語の字幕を重畳させた優先言語字幕映像の再生信号を再生可能である。TV受像機2は、リモコン(図2参照)から送信された無線信号や、補聴器3から送信された無線信号(補聴器無線信号)を受信すると共に、補聴器3に対して無線信号(再生装置無線信号)を送信する無線信号送受信機4(補聴器無線信号受信手段、再生装置無線信号送信手段)を備えている。また、TV受像機2は、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像や、映像に優先言語の字幕を重畳させた優先言語字幕映像や、字幕を含まない通常映像等の映像を表示するためのモニタ5と、放送信号に含まれる音声情報に基づく音声を出力するスピーカ6と、装置本体の前面パネルに設けられた、複数の操作キーを有する操作部7とを有している。
【0020】
上記の補聴器3は、周囲の音声を集音して、集音した音声を増幅して出力する。補聴器3は、TV受像機2から送信された無線信号(再生装置無線信号)を受信すると共に、TV受像機2に対して無線信号(補聴器無線信号)を送信する無線信号送受信機8(再生装置無線信号受信手段、補聴器無線信号送信手段)を備えている。
【0021】
図2は、上記のTV受像機2の電気的ブロック構成を示す。TV受像機2は、上記の無線信号送受信機4、モニタ5、スピーカ6及び操作部7に加えて、映像再生の制御を含む、装置全体の制御を行うCPU10(映像再生制御手段)を備えている。また、TV受像機2は、アンテナ30を介してディジタルテレビジョン放送信号(トランスポートストリーム)を受信するためのチューナ11と、チューナ11で受信したトランスポートストリーム中のパケットをデコードすることにより、映像ストリーム、音声ストリーム、データストリームを生成するMPEGデコーダ12と、MPEGデコーダ12で生成された映像ストリームに対して画像処理等の各種の処理を施して、これらの処理後の映像ストリームに基づく映像信号を再生する映像処理回路13と、この映像処理回路13により再生された映像信号に、聴覚障害者用の字幕を含む文字等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)データの信号を重畳させるOSD部14と、MPEGデコーダ12で生成されたデータストリームに含まれる種々のデータ(聴覚障害者用の字幕データを含む)を抽出するデータ処理回路15とを備えている。上記のモニタ5は、OSD部14から出力された映像信号に基づき、上記の聴覚障害者用字幕映像や、字幕映像や、通常映像等の映像を表示する。
【0022】
また、TV受像機2は、MPEGデコーダ12で生成された音声ストリームに対して音声処理等の各種の処理を施して、これらの処理後の音声ストリームに基づく音声信号の再生と増幅処理とを行った後、これらの処理後のディジタル形式の音声信号をD/A変換してスピーカ18の駆動信号として出力する音声処理回路16を備えている。
【0023】
さらにまた、TV受像機2は、制御用のプログラムや、優先言語設定等の設定データを含む各種データを記憶するためのメモリ17と、複数の操作キーを有し、TV受像機2の本体に対して各種の指示操作を行うためのリモコン(リモートコントローラ)21とを有している。ここで、優先言語とは、ヨーロッパのように、英語、ドイツ語、フランス語といった多種の言語のテレビジョン放送が放送されている場合に、これらの言語の中で最優先して使用する言語のことを言う。例えば、ドイツにおいては、通常、TV受像機2における優先言語の設定は、ドイツ語になっている。
【0024】
図3は、上記図1中の補聴器3の電気的ブロック構成を示す。補聴器3は、上記の無線信号送受信機8に加えて、装置全体の制御を行うCPU30を有している。また、補聴器3は、周囲の音声を入力するためのマイクロフォン31と、マイクロフォン31から入力されたアナログ形式の音声信号をディジタル形式の音声信号に変換して、変換後の音声信号からノイズ成分を除去するDSP(Digital Signal Processor)32と、DSP32から入力されたノイズ成分除去処理後の音声信号を増幅するアンプ33と、アンプ33から入力されたディジタル形式の音声信号をアナログ形式の音声信号に変換するD/Aコンバータ34と、D/Aコンバータ34から入力された音声信号により駆動されて音声を出力するレシーバ35とを備えている。さらにまた、補聴器3は、制御用のプログラムや各種データを記憶するためのメモリ36を備えている。
【0025】
図4のフローチャートは、本字幕映像再生システム1における映像再生制御処理を示す。装置が起動されると、TV受像機2側のCPU10は、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データ又は優先言語の字幕データを含むか否か(聴覚障害者用の字幕情報又は優先言語の字幕情報が放送信号に含まれているか否か)を判定して、聴覚障害者用又は優先言語の字幕データを含む場合には(S1でYES)、TV受像機2の存在を知らせる無線信号(請求項における再生装置無線信号)を無線信号送受信機4により送信する(S2)。補聴器3側のCPU30は、無線信号送受信機8でTV受像機2からの無線信号を受信することによりTV受像機2の存在を認識すると(S3でYES)、無線信号送受信機8により補聴器3の存在を知らせる無線信号(請求項における補聴器無線信号)を送信する(S4)。
【0026】
TV受像機2側のCPU10は、無線信号送受信機4で補聴器3からの無線信号を受信することにより補聴器3の存在を認識すると(補聴器3を付けた聴覚障害者がTV受像機2に近づいたことを検知すると)(S5でYES)、映像の視聴者が聴覚障害者であることを認識して、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データを含むか否か(聴覚障害者用の字幕情報が放送信号に含まれるか否か)を判定する。そして、聴覚障害者用の字幕データを含む場合には(S7でYES)、TV受像機2側のCPU10は、放送されているコンテンツに含まれる映像ストリームと聴覚障害者用の字幕データと(放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報と)に基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号(聴覚障害者用字幕映像再生信号)を、MPEGデコーダ12、映像処理回路13、データ処理回路15、及びOSD部14を用いて再生して、この再生信号に基づき、聴覚障害者用字幕映像をモニタ5に表示する(S8)。
【0027】
上記S7において、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データを含まない場合には(S7でNO)、TV受像機2側のCPU10は、放送されているコンテンツに含まれる映像ストリームと優先言語の字幕データと(放送信号に含まれる優先言語の字幕情報と映像情報と)に基づいて、映像に優先言語の字幕を重畳させた優先言語字幕映像の再生信号を、MPEGデコーダ12、映像処理回路13、データ処理回路15、及びOSD部14を用いて再生して、この再生信号に基づき、優先言語字幕映像をモニタ5に表示する(S9)。
【0028】
また、TV受像機2側のCPU10は、上記S1の判定において、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データも優先言語の字幕データも含まない場合(S1でNO)や、上記S5の判定において、無線信号送受信機4で補聴器3からの無線信号を受信することができず、補聴器3の存在を認識することができない場合には(補聴器3を付けた聴覚障害者がTV受像機2に近づいたことを検知できない場合には)(S5でNO)、健常者のみが映像を視聴していると認識する。そして、CPU10は、放送されているコンテンツに含まれる映像ストリーム(放送信号に含まれる映像情報)に基づいて、通常映像再生信号を、MPEGデコーダ12及び映像処理回路13を用いて再生して、この再生信号に基づき、通常映像をモニタ5に表示する(S6)。
【0029】
上記のように、本実施形態の字幕映像再生システム1及びTV受像機2によれば、補聴器3を付けた聴覚障害者がTV受像機2に近づくと、TV受像機2は、補聴器3から送信された無線信号に基づき、映像の視聴者が聴覚障害者であることを認識して、聴覚障害者用字幕映像又は優先言語字幕映像の再生信号を自動的に再生するので、聴覚障害者が字幕を表示するのに要する手間を省くことができる。しかも、健常者のみが映像を視聴する場合には、補聴器3を付けていない健常者がTV受像機2に近づいても、TV受像機2は、聴覚障害者用字幕映像又は優先言語字幕映像の再生信号ではなく、通常映像再生信号を再生するので、健常者にとって目障りな字幕が表示されないようにすることができる。
【0030】
また、本実施形態の字幕映像再生システム1及びTV受像機2によれば、補聴器3がTV受像機2から送信された(TV受像機2の存在を知らせる)無線信号を受信したときに、TV受像機2に(補聴器3の存在を知らせる)無線信号を送信するようにしたので、補聴器3が無線信号を送信する回数を減らして、補聴器3が無線信号を送信するのに要する電力を削減することができる。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の映像再生装置がTV受像機2である場合の例を示したが、本発明の映像再生装置は、これに限られず、例えば、ハードディスクレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、DVDレコーダ、BD(Blu−ray Disc)プレーヤ、BDレコーダ等の映像再生信号を再生可能な装置であればよい。このように、本発明の映像再生装置が、ハードディスク、DVD、BD等の記録媒体に記録された信号を再生する装置である場合には、記録媒体に記録された放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生する。
【0032】
また、上記実施形態では、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データを含まない場合に、このコンテンツが優先言語の字幕データを含んでいるときには、優先言語字幕映像の再生信号を再生するようにしたが、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データを含まない場合には、無条件に通常映像の再生信号を再生するようにしてもよい。また、その時点で放送されているコンテンツが聴覚障害者用の字幕データを含まない場合に、このコンテンツが何らかの言語の字幕データを含んでいるときには、これらの言語のうちのいずれかの言語の字幕映像の再生信号を再生するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 字幕映像再生システム
2 TV受像機(映像再生装置)
3 補聴器
4 無線信号送受信機(補聴器無線信号受信手段、再生装置無線信号送信手段)
8 無線信号送受信機(再生装置無線信号受信手段、補聴器無線信号送信手段)
10 CPU(映像再生制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号に含まれる字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に字幕を重畳させた字幕映像の再生信号である字幕映像再生信号を再生可能な映像再生装置と、周囲の音声を集音して、集音した音声を増幅して出力する補聴器とを備えた字幕映像再生システムにおいて、
前記補聴器は、該補聴器からの無線信号である補聴器無線信号を送信する補聴器無線信号送信手段を備え、
前記映像再生装置は、
前記補聴器から送信された補聴器無線信号を受信する補聴器無線信号受信手段と、
前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、前記字幕映像再生信号を再生し、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信していないときは、放送信号に含まれる映像情報に基づいて、字幕を含まない映像の再生信号である通常映像再生信号を再生するように制御する映像再生制御手段とを備えたことを特徴とする字幕映像再生システム。
【請求項2】
前記映像再生装置は、該映像再生装置からの無線信号である再生装置無線信号を送信する再生装置無線信号送信手段をさらに備え、
前記補聴器は、前記映像再生装置から送信された再生装置無線信号を受信する再生装置無線信号受信手段をさらに備え、この再生装置無線信号受信手段により前記再生装置無線信号を受信したときに、前記補聴器無線信号送信手段により前記補聴器無線信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の字幕映像再生システム。
【請求項3】
前記映像再生制御手段は、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の字幕映像再生システム。
【請求項4】
放送信号に含まれる字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に字幕を重畳させた字幕映像の再生信号である字幕映像再生信号を再生可能な映像再生装置において、
補聴器からの無線信号である補聴器無線信号を受信する補聴器無線信号受信手段と、
前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、前記字幕映像再生信号を再生し、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信していないときは、放送信号に含まれる映像情報に基づいて、字幕を含まない映像の再生信号である通常映像再生信号を再生するように制御する映像再生制御手段とを備えたことを特徴とする映像再生装置。
【請求項5】
前記映像再生制御手段は、前記補聴器無線信号受信手段により前記補聴器無線信号を受信しているときは、放送信号に含まれる聴覚障害者用の字幕情報と映像情報とに基づいて、映像に聴覚障害者用の字幕を重畳させた聴覚障害者用字幕映像の再生信号である聴覚障害者用字幕映像再生信号を再生するように制御することを特徴とする請求項4に記載の映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−124867(P2012−124867A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276267(P2010−276267)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】