説明

字幕確認システム、字幕確認装置及び字幕確認方法

【課題】 人の手を介さずに、放送信号に含まれる字幕を確認することが可能な字幕確認システムを提供する。
【解決手段】 字幕確認システムは、映像信号出力装置及び字幕確認装置を具備する。映像信号出力装置は、映像信号に字幕データを多重して出力する。字幕確認装置は、前記映像信号を受信し、前記受信した映像信号から字幕データを抽出する抽出部と、前記抽出された字幕データが、想定されるタイミングで多重されるか否か、及び、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断する照合部と、前記抽出した字幕データ及び前記判断結果を提示する提示部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コマーシャル放送において正しく字幕が表示されるか否かを確認する字幕確認システムと、このシステムで用いられる字幕確認装置及び字幕確認方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、CM(Commercial Message)の放送確認結果を確実に知る方法として、補助データにCM確認コードというユニークコードを埋め込んだCM映像信号を出力し、CM確認設備で、出力されたCM映像信号のユニークコードを読み出すことで、CMが確実に出力されたことを確認する方法が知られている。
【0003】
ところで、近年、地上デジタル放送の導入により、番組の視聴中に、視聴者が字幕の表示/非表示を設定することが可能となった。一方、CMについては、字幕の表示/非表示を設定できるようにはされていない。そのため、CMへの字幕の表示/非表示を設定可能にすると、CMに正しい字幕が付されているか否かを確認するための字幕デコード装置が必要となる。字幕デコード装置は、字幕データが多重されたCM放送信号を受信し、デコードした後、放送されるCMと、このCMに付加されている字幕とをモニタに表示する。字幕デコード装置のユーザは、放送されるCMと、このCMに付加されている字幕とが一致するかを確認するため、モニタを常時監視しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−44689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来では、字幕デコード装置のユーザによる目視のみによりCMの字幕が確認されていたため、全てのページの字幕が正しく送出されたかを確認することは困難であった。
【0006】
そこで、目的は、人の手を介さずに、放送信号に含まれる字幕を確認することが可能な字幕確認システムと、このシステムで用いられる字幕確認装置及び字幕確認方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、字幕確認システムは、映像信号出力装置及び字幕確認装置を具備する。映像信号出力装置は、映像信号に字幕データを多重して出力する。字幕確認装置は、前記映像信号を受信し、前記受信した映像信号から字幕データを抽出する抽出部と、前記抽出された字幕データが、想定されるタイミングで多重されるか否か、及び、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断する照合部と、前記抽出した字幕データ及び前記判断結果を提示する提示部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る字幕確認装置が用いられる字幕確認システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の字幕確認装置が提示部からデータを提示する際の処理を示すシーケンス図である。
【図3】図1の字幕確認システムのその他の構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る字幕確認装置が用いられる字幕確認システムの機能構成を示すブロック図である。
【図5】図4の字幕確認装置が提示部からデータを提示する際の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る字幕確認装置10が用いられる字幕確認システムの機能構成を示すブロック図である。図1に示す字幕確認システムは、字幕確認装置10、映像信号出力装置20、データサーバ(DS)30及び自動番組送出制御部(APC)40を具備する。
【0011】
DS30は、TV番組の放送開始/終了時刻及びCMの放送時刻等を含む放送スケジュールデータに基づいて、プレイリストデータを作成する。DS30は、作成したプレイリストデータを字幕確認装置10及びAPC40へ出力する。また、DS30は、字幕データを一意に識別するためのユニークコードを作成する。DS30は、作成したユニークコードを字幕確認装置10及び映像信号出力装置20へ出力する。
【0012】
また、DS30は、字幕確認装置10から放送結果データを受け取り、放送スケジュール通りにTV番組及びCMが放送されたか否かを確認する。
【0013】
APC40は、DS30で作成されるプレイリストデータ、及び、局内時計により計時される時刻情報等に基づき、映像信号出力装置20に対して第1及び第2の出力制御を行う。第1の出力制御では、出力する番組素材又はCM素材を指定すると共に、指定した番組素材又はCM素材を出力するタイミングを指定する。また、第2の出力制御では、出力する字幕データを指定すると共に、指定した字幕データを出力するタイミングを指定する。
【0014】
映像信号出力装置20は、映像再生部21、字幕インサート部22及び字幕データ出力部23を備える。
【0015】
映像再生部21は、番組素材及びCM素材を記録している。映像再生部21は、第1の出力制御に応じて、記録している番組素材及びCM素材のうち、APC40により指定される番組素材又はCM素材を、APC40により指定されるタイミングで映像信号として字幕インサート部22へ出力する。なお、第1の実施形態では、APC40によりCM素材の出力が指定され、映像再生部21が、指定されたCM素材をCM映像信号として字幕インサート部22へ出力する場合を例に説明する。
【0016】
字幕データ出力部23は、字幕データを記録している。字幕データ出力部23は、第2の出力制御に応じて、記録している字幕データのうち、APC40により指定される字幕データを、APC40により指定されるタイミングで字幕インサート部22へ出力する。このとき、字幕データ出力部23は、DS30から通知されるユニークコードのうち、指定された字幕データに対応するユニークコードを、字幕データの出力と共に字幕インサート部22へ出力する。
【0017】
字幕インサート部22は、映像再生部21から出力されるCM映像信号の補助領域であるアンシラリ領域に、字幕データ出力部23から出力される字幕データ及びユニークコードを多重する。字幕インサート部22は、字幕データ及びユニークコードを多重したCM映像信号を字幕確認装置10へ出力する。なお、この字幕データは、番組の視聴者により表示/非表示が設定可能なクローズドキャプションである。
【0018】
字幕確認装置10は、抽出部11、通信部12、照合部13、記憶部14及び提示部15を備える。
【0019】
抽出部11は、映像信号出力装置20から出力されるCM映像信号のアンシラリ領域に多重されている字幕データ及びユニークコードを抽出する。抽出部11は、抽出した字幕データ及びユニークコードを通信部12、照合部13及び記録部14へ出力する。また、抽出部11は、字幕データ及びユニークコードが多重されている間隔をCM映像信号のフレーム単位でカウントする。抽出部11は、取得したカウント値を通信部12及び照合部13へ出力する。
【0020】
通信部12は、DS30から供給されるプレイリストデータ及びユニークコードを受信する。通信部12は、受信したプレイリストデータ及びユニークコードを照合部13へ出力する。また、通信部12は、抽出部11からの字幕データ、ユニークコード及びカウント値と、照合部13からの照合結果とを予め設定された期間分だけまとめて放送結果データを作成する。通信部12は、作成した放送結果データをDS30へ出力する。
【0021】
照合部13は、通信部12から出力されるプレイリストデータ及びユニークコードを記録する。また、照合部13は、字幕データ出力部23で記録される字幕データの元データを、所定の形式で受け取り、受け取った元データを記録する。所定の形式の元データとは、例えば、NAB(National Association of Commercial Broadcasters in Japan)策定交換字幕ファイル又はARIB(Association of Radio Industries and Businesses)策定交換字幕ファイルのことである。照合部13は、抽出部11から通知される字幕データ、ユニークコード及びカウント値を、記録する元データ、ユニークコード及びプレイリストと照合する。
【0022】
例えば、照合部13は、抽出部11で取得されたカウント値と、記録しているプレイリストから換算される、字幕データの出力タイミングとを比較する。照合部13は、カウント値が出力タイミングと一致する場合、抽出部11で抽出された字幕データが、CM映像信号に多重されると想定される字幕データの元データと一致するか否かを判断すると共に、抽出部11で抽出されたユニークコードが、CM映像信号に多重されると想定される字幕データに割り当てられたユニークコードと一致するか否かを判断する。抽出された字幕データ及びユニークコードと、記録している元データ及びユニークコードとが一致する場合、抽出部11は、CM映像信号に多重されている字幕データは正しいと判断する。また、カウント値と出力タイミングとが一致しない場合、及び、抽出された字幕データ及びユニークコードと、記録している元データ及びユニークコードとが一致しない場合、照合部13は、CM映像信号に多重されている字幕データは間違いであると判断する。これにより、照合部13は、正しい字幕データが正しいタイミングでCM映像信号に多重されているか否かを確認することとなる。照合部13は、照合結果を通信部12及び記録部14へ出力する。
【0023】
記録部14は、抽出部11から出力される字幕データ及びユニークコードと、照合部13から出力される照合結果とを記録する。記録部14は、字幕データ、ユニークコード及び照合結果を所定の期間、例えば一日分、記録すると、記録した一日分のデータを提示部15からユーザへまとめて提示する。なお、提示部15は、モニタ又はプリンタ等が想定される。
【0024】
次に、上記構成における字幕確認装置10の動作を具体的に説明する。図2は、第1の実施形態に係る字幕確認装置10が提示部15から一日分のデータを提示する際の処理を示すシーケンス図である。
【0025】
まず、通信部12は、DS30から供給されるプレイリストデータ及びユニークコードを受信し(シーケンスS21)、受信したプレイリストデータ及びユニークコードを照合部13へ出力する(シーケンスS22)。
【0026】
照合部13は、受信したプレイリストデータ及びユニークコードを記録する(シーケンスS23)。また、照合部13は、字幕データ出力部23で記録される字幕データの元データを受け取り(シーケンスS24)、受け取った元データを記録する(シーケンスS25)。
【0027】
続いて、抽出部11は、映像信号出力装置20から出力されるCM映像信号を受信する(シーケンスS26)。抽出部11は、受信したCM映像信号のアンシラリ領域から、字幕データ及びユニークコードを抽出すると共に、映像信号の先頭から字幕データまでの間に存在するフレーム数をカウント値として取得する(シーケンスS27)。抽出部11は、字幕データ、ユニークコード及びカウント値を通信部12及び照合部13へ出力する。また、抽出部11は、字幕データ及びユニークコードを記録部14へ出力する(シーケンスS28)。
【0028】
照合部13は、記録しているプレイリストデータ、ユニークコード及び元データと、抽出部11からのカウント値、ユニークコード及び字幕データとを照合し、抽出した字幕データが受信したCM映像信号にとって正しいものであるか否かを判断する(シーケンスS29)。照合部13は、照合結果を通信部12及び記録部14へ出力する(シーケンスS210)。
【0029】
通信部12は、抽出部11からの字幕データ、ユニークコード及びカウント値と、照合部13からの照合結果とを記録する(シーケンスS211)。記録部14は、抽出部11からの字幕データ及びユニークコードと、照合部13からの照合結果とを記録する(シーケンスS212)。字幕確認装置10は、シーケンスS26からシーケンスS212までを、CMが終了するまで繰り返す。
【0030】
通信部12は、例えば00時00分になると、記録した一日分のデータをまとめて、放送結果データを作成する(シーケンスS213)。通信部12は、作成した放送結果データをDS30へ出力する(シーケンスS214)。また、記録部14は、例えば00時00分になると、記録した一日分のデータをまとめて、ユーザへ提示する(シーケンスS215)。
【0031】
以上のように、第1の実施形態では、字幕確認装置10は、受信した映像信号から字幕データを抽出すると共に、フレーム番号をカウントしたカウント値を取得する。字幕確認装置10は、取得したカウント値及び抽出した字幕データと、DS30から通知されるプレイリストデータ及び受信したCM映像信号に付加されると想定される字幕データの元データとを照合し、映像信号に正しい字幕データが正しいタイミングで多重されているかを判断するようにしている。これにより、CMの字幕の表示/非表示を設定可能な場合であっても、出力したCMに正しい字幕が付されているか否かを自動で判別することが可能となる。つまり、人の手を介さなくても、出力したCMに正しい字幕が付されているか否かを判別することが可能となる。
【0032】
また、第1の実施形態では、字幕確認装置10は、受信した映像信号から字幕データのユニークコードをさらに抽出する。字幕確認装置10は、抽出したユニークコードを、CM映像信号に多重されると想定される字幕データに割り当てられたユニークコードと比較することで、放送信号に正しい字幕データが付されているか否かを判断するようにしている。これにより、放送信号に正しい字幕データが付されているか否かを判断する精度を向上させることが可能となる。
【0033】
したがって、第1の実施形態に係る字幕確認システム及び字幕確認装置10によれば、人の手を介さずに、放送信号に付された字幕が正しいか否かを確認することができる。このため、CM字幕プレビュー業務の負荷低減を図ることができる。また、CM字幕の確実な送出を担保することができる。
【0034】
なお、第1の実施形態では、図1に示す字幕確認システムについて説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、字幕確認システムは、図3に示すように、字幕デコード装置50を具備しても構わない。
【0035】
このとき、抽出部11は、映像信号出力装置20からのCM映像信号を字幕デコード装置50へ出力する。字幕デコード装置50は、デコーダ51及びモニタ52を備える。デコーダ51は、抽出部11から出力されるCM映像信号をデコードする。モニタ52は、デコードされたCMを表示する。字幕デコード装置50のユーザは、表示されたCMと、このCMと同時に表示される字幕とが一致するか否かを目視する。
【0036】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る字幕確認装置60が用いられる字幕確認システムの機能構成を示すブロック図である。図4に示す字幕確認システムは、字幕確認装置60、映像信号出力装置20、DS70及びAPC40を具備する。
【0037】
DS70は、TV番組の放送開始/終了時刻及びCMの放送時刻等を含む放送スケジュールデータに基づいて、プレイリストデータを作成する。DS70は、作成したプレイリストデータを字幕確認装置60及びAPC40へ出力する。また、DS70は、字幕データを一意に識別するためのユニークコードを作成する。DS70は、作成したユニークコードを映像信号出力装置20へ出力する。
【0038】
また、DS70は、字幕確認装置60からの放送結果データを受信する。DS70は、放送結果データに記載されるユニークコードが、字幕データ毎に割り当てたユニークコードと一致するか否かを判断した後、放送結果データを字幕確認装置60に返信する。このとき、DS70は、放送結果データに記載されるユニークコードと、割り当てたユニークコードとが一致する場合、放送結果データに字幕データが正しい旨を記載する。また、DS70は、放送結果データに記載されるユニークコードと、割り当てたユニークコードとが一致しない場合、放送結果データに字幕データが間違っている旨を記載する。
【0039】
字幕確認装置60は、抽出部61、通信部62、照合部63、記憶部64、提示部65及び制御部66を備える。
【0040】
抽出部61は、映像信号出力装置20から出力されるCM映像信号のアンシラリ領域に多重されている字幕データ及びユニークコードを、制御部66に指定されるタイミングで抽出する。また、抽出部61は、字幕データ及びユニークコードを抽出した際のタイムスタンプを取得する。抽出部61は、抽出した字幕データを照合部63へ出力する。また、抽出部61は、抽出した字幕データ及びユニークコードと、取得したタイムスタンプとを通信部62へ出力する。
【0041】
通信部62は、DS70から供給されるプレイリストデータを受信する。通信部62は、受信したプレイリストデータを制御部66へ出力する。また、通信部62は、抽出部61からの字幕データ、ユニークコード及びタイムスタンプと、照合部63からの照合結果とを、予め設定された期間分だけまとめて放送結果データを作成する。通信部62は、作成した放送結果データをDS70へ出力する。
【0042】
また、通信部62は、DS70から返信される放送結果データを記録部64へ出力する。
【0043】
照合部63は、字幕データ出力部23で記録される字幕データの元データを、所定の形式で受け取り、受け取った元データを記録する。所定の形式の元データとは、例えば、NAB策定交換字幕ファイル又はARIB策定交換字幕ファイルのことである。照合部63は、抽出部61で抽出された字幕データと、記録している元データとが一致するか否かを判断する。抽出された字幕データと、記録している元データとが一致する場合、照合部63は、CM映像信号に付加された字幕データが正しいと判断する。これにより、照合部63は、正しい字幕データが正しいタイミングでCM映像信号に多重されているか否かを確認する。照合部63は、照合結果を通信部62へ出力する。
【0044】
記録部64は、通信部62からの放送結果データを記録する。記録部64は、記録した放送結果データを提示部65からユーザへ提示する。なお、提示部65は、モニタ又はプリンタ等が想定される。
【0045】
制御部66は、通信部62からのプレイリストデータを受信する。制御部66は、プレイリストデータに記載される放送スケジュールに基づいて、抽出部61に対して字幕データを抽出するタイミングを指示する。
【0046】
次に、上記構成における字幕確認装置60の動作を具体的に説明する。図5は、第2の実施形態に係る字幕確認装置60が提示部65から一日分のデータを提示する際の処理を示すシーケンス図である。
【0047】
まず、通信部62は、DS70から供給されるプレイリストデータを受信し(シーケンスS51)、受信したプレイリストデータを制御部66へ出力する(シーケンスS52)。制御部66は、通信部62からのプレイリストを記録する(シーケンスS53)。
【0048】
照合部63は、字幕データ出力部23で記録される字幕データの元データを受け取り(シーケンスS54)、受け取った元データを記録する(シーケンスS55)。
【0049】
続いて、抽出部61は、映像信号出力装置20から出力されるCM映像信号を受信する(シーケンスS56)。制御部66は、記録するプレイリストデータに従い、抽出部61に対して、字幕データを抽出するタイミングを指示する(シーケンスS57)。抽出部61は、制御部66の指示に従い、受信したCM映像信号のアンシラリ領域から、字幕データ、ユニークコード及びタイムスタンプを抽出する(シーケンスS58)。抽出部61は、抽出した字幕データを照合部63へ出力し、抽出した字幕データ及びユニークコードと、取得したタイムスタンプとを通信部62へ出力する(シーケンスS59)。
【0050】
照合部63は、記録している元データと、抽出部61からの字幕データとを照合し、抽出した字幕データが受信した映像信号にとって正しいものであるか否かを判断する(シーケンスS510)。照合部63は、照合結果を通信部62へ出力する(シーケンスS511)。
【0051】
通信部62は、抽出部61からの字幕データ、ユニークコード及びタイムスタンプと、照合部63からの照合結果を記録する(シーケンスS512)。字幕確認装置60は、シーケンスS56からシーケンスS512までを、CMが終了するまで繰り返す。
【0052】
通信部62は、例えば00時00分になると、記録した一日分のデータをまとめて、放送結果データを作成する(シーケンスS513)。通信部62は、作成した放送結果データをDS70へ出力する(シーケンスS514)。
【0053】
DS70は、放送結果データに記載されるユニークコードと、作成したユニークコードとを比較し、これらのユニークコードが一致するかを判断する。一致する場合、DS70は、字幕データが正しい旨を放送結果データに記載する。また、異なる場合、DS70は、字幕データが間違えている旨を放送結果データに記載する。DS70は、字幕データが正しいか否かを記載した放送結果データを字幕確認装置60へ返信する。
【0054】
通信部62は、DS70からの放送結果データを受け取り(シーケンスS515)、受け取った放送結果データを記録部64へ出力する(シーケンスS516)。記録部64は、通信部62からの放送結果データを記録し(シーケンスS517)、記録した放送結果データを提示部65から提示する(シーケンスS518)。
【0055】
以上のように、第2の実施形態では、字幕確認装置60は、受信したCM映像信号から字幕データを、プレイリストに従ったタイミングで抽出する。字幕確認装置60は、抽出した字幕データと、受信したCM映像信号に付加されると想定される字幕データの元データとを照合し、CM映像信号に正しい字幕データが正しいタイミングで多重されているかを判断するようにしている。これにより、CMの字幕の表示/非表示を設定可能な場合であっても、出力したCMに正しい字幕が付されているか否かを自動で判別することが可能となる。つまり、人の手を介さなくても、出力したCMに正しい字幕が付されているか否かを判別することが可能となる。
【0056】
また、第2の実施形態では、字幕確認装置60は、受信したCM映像信号から字幕データのユニークコードをさらに抽出し、抽出したユニークコードを含む放送結果データをDS70へ出力する。DS70は、字幕確認装置60からのユニークコードと、字幕データ毎に割り当てたユニークコードとを比較することで、CM映像信号に正しい字幕データが付されているか否かを判断するようにしている。これにより、CM映像信号に正しい字幕データが付されているか否かを判断する精度を向上させることが可能となる。
【0057】
したがって、第2の実施形態に係る字幕確認システム及び字幕確認装置60によれば、人の手を介さずに、放送信号に付された字幕が正しいか否かを確認することができる。
【0058】
なお、第2の実施形態では、図4に示す字幕確認システムについて説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、図3に示すように、字幕デコード装置50を具備しても構わない。
【0059】
また、第2の実施形態では、記録部64は、DS70から返信された放送結果データを記録し、記録した放送結果データを提示部65からユーザへ提示する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、記録部64は、抽出部61から出力される字幕データ及びタイムスタンプと、照合部63から出力される照合結果とを記録しても構わない。記録部64は、字幕データ、タイムスタンプ及び照合結果を所定の期間、例えば一日分、記録すると、記録した一日分のデータを提示部15からユーザへまとめて提示する。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
10,60…字幕確認装置、11,61…抽出部、12,62…通信部、13,63…照合部、14,64…記録部、15,65…提示部、20…映像信号出力装置、21…映像再生装置、22…字幕インサート部、23…字幕データ出力部、30,70…DS、40…APC、50…字幕デコード装置、51…デコーダ、52…モニタ、66…制御部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号に字幕データを多重して出力する映像信号出力装置と、
前記映像信号を受信し、前記受信した映像信号から字幕データを抽出する抽出部と、前記抽出された字幕データが、想定されるタイミングで多重されるか否か、及び、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断する照合部と、前記抽出した字幕データ及び前記判断結果を提示する提示部とを備える字幕確認装置と
を具備することを特徴とする字幕確認システム。
【請求項2】
字幕データが多重された映像信号を受信し、前記受信した映像信号から字幕データを抽出する抽出部と、
前記抽出された字幕データが、想定されるタイミングで多重されるか否か、及び、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断する照合部と、
前記抽出した字幕データ及び前記判断結果を提示する提示部と
を具備することを特徴とする字幕確認装置。
【請求項3】
前記抽出部は、前記字幕データが多重されている間隔をカウントしたカウント値をさらに取得し、
前記照合部は、前記カウント値を、前記字幕データの放送スケジュールと比較することで、前記字幕データが想定されるタイミングで多重されているか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の字幕確認装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記字幕データの放送スケジュールに基づいて前記字幕データを抽出し、
前記照合部は、前記放送スケジュールに基づいて抽出された字幕データが、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断することを特徴とする請求項2記載の字幕確認装置。
【請求項5】
前記映像信号は、前記多重される字幕データを特定するユニークコードがさらに多重され、
前記抽出部は、前記映像信号から前記ユニークコードをさらに抽出し、
前記照合部は、前記抽出したユニークコードが、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データに割り当てられたユニークコードと一致するか否かをさらに判断することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の字幕確認装置。
【請求項6】
前記多重する字幕データを特定するユニークコードを作成するデータサーバと通信する通信部をさらに具備し、
前記映像信号は、前記ユニークコードがさらに多重され、
前記抽出部は、前記映像信号から前記ユニークコードをさらに抽出し、
前記通信部は、前記抽出したユニークコードを前記データサーバへ出力し、前記データサーバに、前記抽出したユニークコードが、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データに割り当てられたユニークコードと一致するか否かを判断させ、前記データサーバから判断結果を受信し、
前記提示部は、前記データサーバからの判断結果をさらに提示することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の字幕確認装置。
【請求項7】
字幕データが多重されて出力された映像信号から、前記字幕データを抽出し、
前記抽出された字幕データが、想定されるタイミングで多重されるか否か、及び、前記受信した映像信号に多重されると想定される字幕データと一致するか否かを判断し、
前記抽出した字幕データ及び前記判断結果を提示することを特徴とする字幕確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−65959(P2013−65959A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202244(P2011−202244)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】