説明

学習システムおよび表示方法

【課題】効率的よく学習を進めることが可能な学習システムおよび表示方法を提供する。
【解決手段】複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを送信する端末管理装置と、前記表示コマンドに示された教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域とを有する前記複数の学習用端末装置と、を備える、学習システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習システムおよび表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、書籍の形態が多様化し電子書籍の普及が急速に進んでいる。このような電子書籍の対象とされるコンテンツは、文学作品が主である。したがって、同様に普及が進んでいる電子書籍端末は「読む」という機能に特化し、その他の機能は貧弱な場合が多い。
【0003】
一方、インターネットを利用して学校側のサーバと受講者であるクライアント側の個人端末との間で講義内容に関する各種のデータをやり取りすることにより、当該各個人端末を使用する受講者が自宅に居ながら学習を行う通信教育システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ここで、上述した電子書籍の対象が文学作品のほか専門書や学習教材など教育機関で利用されるコンテンツに拡がると、電子書籍端末を通信教育など学習用に利用することが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−141267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、学習教材も電子書籍の対象となり、学習の際に電子書籍端末を利用する場合、授業中に生徒がノートをとるための手書き入力機能などのデータ入力機能が充実していることが望まれる。
【0007】
また、電子書籍端末を学習用に利用する形態として、教室での授業の際に各生徒が利用することが考え得る。この場合、先生が効率良く授業を進めるために、先生側からのコントロールを受け付ける機能を備えることが望まれる。
【0008】
しかしながら、上述したように電子書籍端末は読む機能に特化しているため、学習用として利用する場合に必要な機能が十分ではなく、効率よく学習を進めることが出来ないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、効率よく学習を進めることが可能な、新規かつ改良された学習システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを送信する端末管理装置と、前記表示コマンドに示された教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域とを有する前記複数の学習用端末装置と、を備える学習システムが提供される。
【0011】
また、前記複数の学習用端末装置の各々の学習用端末装置は、前記表示コマンドを含む授業開始コマンドを前記端末管理装置から受信した場合に、前記教材領域に表示される教材データに関連付けられたノートデータを前記ノート領域に表示してもよい。
【0012】
また、前記学習用端末装置は、ノートデータ呼び出しが選択された場合は、前記教材領域に表示される教材データに関連付けられたノートデータを表示し、教材データ呼び出しが選択された場合は、前記ノート領域に表示されるノートデータに関連付けられた教材データを表示してもよい。
【0013】
また、前記学習用端末装置のノート領域に表示されるノートデータは、複数のレイヤに分けられてもよい。
【0014】
また、前記複数のレイヤは、前記学習用端末装置および前記端末管理装置のいずれからもデータ編集不可とされる罫線データから成る罫線レイヤと、前記学習用端末装置からのデータ編集のみ可能とされる生徒記入データから成るノートレイヤおよび前記端末管理装置からのデータ編集のみ可能とされる先生記入データから成る添削レイヤのいずれかを含んでもよい。
【0015】
また、前記学習用端末装置は、前記複数のレイヤのうち生徒に選択されたレイヤを表示してもよい。
【0016】
また、前記教材領域に表示される教材データのうち、生徒に選択された範囲のデータを、前記生徒の操作に応じて前記ノート領域に表示させてもよい。
【0017】
また、前記端末管理装置は、前記学習用端末装置のノート領域に表示されているノートデータを表示する表示領域を有してもよい。
【0018】
また、前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から添削開始コマンドを受信した場合は、前記ノートデータへのデータ入力を禁止し、前記端末管理装置から入力されたデータを前記ノートデータの添削レイヤとして表示してもよい。
【0019】
また、前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から連動開始コマンドを受信した場合は、前記教材領域への操作を禁止し、前記端末管理装置に表示されている教材データを前記教材領域に表示してもよい。
【0020】
また、前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から資料データ配布コマンドを受信した場合は、前記ノート領域に、前記資料データ配布コマンドに示される資料データを表示してもよい。
【0021】
また、前記学習用端末装置のノート領域に表示されるノートデータは、所定の生徒がログインした学習用端末装置からのデータ入力のみを受け付けるノートレイヤを含む共有ノートデータでもよい。
【0022】
また、前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から授業終了コマンドを受信した場合は、前記学習用端末装置で起動するアプリケーションを終了させるか否かを生徒に選択させる表示を行い、終了が選択された場合に前記アプリケーションを終了してもよい。
【0023】
また、前記学習用端末装置の教材領域は、第1操作体の位置情報を取得する第1タッチパネルを備え、前記学習用端末装置のノート領域は、第2操作体の位置情報を取得する第2タッチパネルを備えてもよい。
【0024】
また、前記学習用端末装置は、前記教材領域を備える第1筐体と前記ノート領域を備える第2筐体とから成ってもよい。
【0025】
また、前記第1筐体と前記第2筐体は着脱可能に連結され、互いにデータの送受信を行ってもよい。
【0026】
また、前記学習システムは、前記端末管理装置および前記学習用端末装置と接続するサーバを備え、前記サーバは、前記教材データおよび生徒毎のノートデータを関連付けて記憶してもよい。
【0027】
また、前記学習用端末装置は、前記表示コマンドに示される教材データを前記サーバから取得してもよい。
【0028】
また、前記学習用端末装置は、前記教材データに関連付けられたノートデータを前記サーバから取得してもよい。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを端末管理装置から送信するステップと、教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域を有する前記複数の学習用端末装置の各々の学習用端末装置の前記教材領域に、前記表示コマンドに示された教材データを表示するステップと、とを含む表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、効率よく学習を進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の各実施形態に共通する学習システムの全体図である。
【図2】本発明の各実施形態に共通する学習用端末の基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の各実施形態に共通する学習用端末が備えるタッチパネルの表示例を説明するための図である。
【図4】本発明の各実施形態に共通するノートデータを説明するための図である。
【図5】本発明の各実施形態に共通する学習用端末を構成するテキスト端末とノート端末が着脱可能である例を説明するための図である。
【図6】本発明の各実施形態に共通する端末管理装置の基本構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の各実施形態に共通する端末管理装置の使用例を説明するための図である。
【図8】本発明の各実施形態に共通するサーバが備えるDBを説明するための図である。
【図9】本発明の各実施形態に共通するリンク情報を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による教材データおよびノートデータを表示させる動作処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態によるブックマーク機能を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態によるブックマーク機能の操作例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態によるブックマーク機能を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態によるブックマーク機能の操作例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態によるコピー機能を説明するための図である。
【図16】本発明の第4の実施形態によるノートデータ更新の監視処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態による添削処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第5の実施形態による添削処理の一例を説明するための図である。
【図19】本発明の第6の実施形態による連動処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第7の実施形態による資料データ配布処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第8の実施形態による共有ノート用のノートデータによるグループワーク処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第8の実施形態による共有ノート用のノートデータによるグループワーク処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第9の実施形態による授業終了時の動作処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本発明の各実施形態に共通する学習システムの基本構成
2.第1の実施形態(教材データおよびノートデータの表示)
3.第2の実施形態(ブックマーク機能)
4.第3の実施形態(データコピー機能)
5.第4の実施形態(ノートデータ更新の監視処理)
6.第5の実施形態(添削処理)
7.第6の実施形態(連動処理)
8.第7の実施形態(資料データの配布処理)
9.第8の実施形態(グループワーク)
10.第9の実施形態(授業終了時の動作処理)
11.まとめ
【0034】
<1.本発明の各実施形態に共通する学習システムの基本構成>
本発明は、一例として「2.第1の実施形態」〜「10.第9の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態において説明する学習システムは、
A:複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを送信する端末管理装置(30)と、
B:前記表示コマンドに示された教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域とを有する複数の学習用端末装置(学習用端末10)と、
を備える学習システムである。
【0035】
以下では、まず、このような各実施形態において共通する基本構成について図1〜図9を参照して説明する。
【0036】
[1−1.学習システムの概要]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による学習システム概要について説明する。図1に示すように、学習システムは、複数の学習用端末10(10a、10b、10c・・・)、端末管理装置30およびサーバ40がネットワーク20を介して接続して成る。なお、端末管理装置30、サーバ40およびアクセスポイント50をLANで接続してもよい。また、図1に示す例では、学習用端末10はアクセスポイント50との無線通信(例えばWi−Fi;Wireless Fidelity)を介してネットワーク20に接続する。
【0037】
このような学習システムを教室での授業に適用した場合、先生は端末管理装置30により各生徒が利用する学習用端末10を管理することが可能となる。例えば、学習用端末10に端末管理装置30で指定した教科書データを表示させたり、各生徒が学習用端末10に書き込んだノートデータを端末管理装置30で閲覧したりすることができる。また、教科書データやノートデータは、サーバ40に格納される。以下、学習システムを構成する学習用端末10、端末管理装置30およびサーバ40の基本構成について図を参照して説明する。
【0038】
[1−2.学習用端末]
(構成)
まず、学習用端末10の基本構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、学習用端末10はテキスト端末100とノート端末200から成る。テキスト端末100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、表示制御部105、操作入力部107および通信I/F108から成る。ここで、ROM102は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU101は、ROM102やRAM103を用いてテキスト端末100の全体を制御する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス109により相互に接続されている。
【0039】
表示制御部105は、タッチパネル150に表示する画像データを生成し、タッチパネル150に表示させる制御を行う。タッチパネル150は、例えば静電容量方式を採用して、操作体である指が接触した表示画面上の位置を検出する。操作入力部107は、タッチパネル150から入力された位置情報に基づき操作入力を受け付ける。
【0040】
一方、ノート端末200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、通信I/F204、表示制御部205、操作入力部207および通信I/F208から成る。ここで、ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU201は、ROM202やRAM203を用いてノート端末200の全体を制御する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス209により相互に接続されている。
【0041】
表示制御部205は、タッチパネル250に表示する画像データを生成し、タッチパネル250に表示させる制御を行う。タッチパネル250は、例えば静電容量方式を採用して、操作体であるペンが接触した表示画面上の位置を検出する。操作入力部207は、タッチパネル250から入力された位置情報に基づき操作入力を受け付ける。
【0042】
ノート端末200の通信I/F204は、アクセスポイント20と無線通信(例えばWi−Fiを利用した通信)を行い、図1に示すネットワーク20を介して端末管理装置30やサーバ40とデータの送受信を行う。また、ノート端末200の通信I/F208はテキスト端末100の通信I/F108と通信(例えばLANを利用した通信)を行い、データの送受信を行う。これにより、図2に示すテキスト端末100は、ノート端末200を介して他の装置とデータの送受信を行える。なお、本実施形態によるテキスト端末100およびノート端末200は図2に示す構成に限られない。例えば、テキスト端末100がアクセスポイント20と通信できる通信I/Fを備えてもよい。
【0043】
(使用例)
次に、学習用端末10の使用例について図3を参照して説明する。図3に示すように、学習用端末10を構成するテキスト端末100とノート端末200は回転軸Lを中心に開閉可能に接続されている。したがって、使用時は学習用端末10が回転軸Lを中心に開かれ、図3に示すように表示面が視認できる状態とする。
【0044】
次に表示内容について説明する。テキスト端末100のタッチパネル150は、教科書データや学習用のワークブックなどの教材データ120を表示する教材領域を有する。また、操作アイコンを示すメニューバー110をさらに表示してもよい。
【0045】
例えば、図3に示すように、メニューバー110には操作アイコン111〜114が表示される。操作アイコン111は表示する教材データを選択するためのアイコンである。例えば操作アイコン111を指130でタッチすると、タッチパネル150に表示可能な教材データの一覧が表示され、所望の教材データを選択できる。図3には、教材データの一例として教科書データが表示されている。
【0046】
操作アイコン112は、ブックマーク機能を利用する際に操作するアイコンである。具体的には、操作アイコン112を指130でタッチすると、現在タッチパネル150に表示されている教材データに紐付けられたノートデータがノート端末200のタッチパネル250に表示される。かかるブックマーク機能については、[3.第2の実施形態]において詳述する。
【0047】
操作アイコン113は、タッチパネル150の表示拡大/縮小を操作するためのアイコンである。操作アイコン114は、教材データの表示ページを操作するためのアイコンである。
【0048】
一方、ノート端末200には、ノートデータの表示とデータ入力が可能なノート領域を有する。また、操作アイコンを示すメニューバーをさらに表示してもよい。
【0049】
例えば、図3に示すように、メニューバー210には操作アイコン211〜215が表示される。操作アイコン211は、タッチパネル250でペン230を用いた手書き入力を行うためのアイコンである。操作アイコン216は、書き込んだデータの削除を行なうためのアイコンである。操作アイコン217は、手書き入力の際のカラーを選択するためのアイコンである。操作アイコン218は、手書き入力の際の線の太さを選択するためのアイコンである。
【0050】
操作アイコン212は、ブックマーク機能を利用する際に操作するアイコンである。具体的には、操作アイコン212をペン230でタッチすると、現在タッチパネル250に表示されているノートデータに紐付けられた教材データがテキスト端末100のタッチパネル150に表示される。かかるブックマーク機能については、[3.第2の実施形態]において詳述する。
【0051】
操作アイコン214は、ノートデータの表示ページを操作するためのアイコンである。操作アイコン215は、ノートデータの表示を終了させるためのアイコンである。
【0052】
(ノートデータのレイヤ構成)
ここで、ノートデータ220のレイヤ構成について説明する。図4に示すように、ノートデータ220は、先生がデータ入力を行うレイヤ221と、生徒がデータ入力を行うレイヤ222と、罫線等予めデータ入力がされているレイヤ223の複数のレイヤから構成される。さらに、レイヤ毎にアクセス権限を設定してもよい。例えば、レイヤ221には先生が利用する端末管理装置30からのアクセスのみを受け付けるアクセス権限、レイヤ222には生徒が利用する学習用端末10からのアクセスのみ受け付けるアクセス権限、レイヤ223は罫線データのためいずれの装置からのアクセスも受け付けないようアクセス権限を設定する。このような複数のレイヤ221〜223から構成されるノートデータ220は、これらを重ね合わされた状態で表示される。
【0053】
(学習用端末10の他の実施例)
各実施形態に共通する学習用端末10は、図3に示すような回転軸Lを中心に回転可能に連結された構成に限られない。例えば、図5に示すように、タッチパネル150が設けられたテキスト端末100と、タッチパネル250が設けられたノート端末200が着脱可能に連結される構成としてもよい。この場合、両者は無線通信により互いにデータの送受信を行う。学習用端末10を着脱可能な構成とすることで、生徒はそれぞれを使い易い位置や向きに置いて学習することができる。
【0054】
[1−3.端末管理装置]
次に、各実施形態に共通する端末管理装置30の基本構成について図6を参照して説明する。図6に示すように、端末管理装置30は、CPU301、ROM302、RAM303、通信I/F304、表示制御部305、操作入力部320から成る。ここで、ROM302は、CPU301が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM303は、CPU301の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU301は、ROM302やRAM303を用いて端末管理装置30の全体を制御する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス307により相互に接続されている。
【0055】
表示制御部305は、表示装置310に表示する画像データを生成し、表示装置310に表示させる制御を行う。操作入力部320は、後述するキーボード321やマウス322によりキー入力等を受け付ける。
【0056】
次に、表示装置310に表示される画面構成について図7を参照して説明する。図7に示すように、表示装置310の表示画面は、各学習用端末10のタッチパネル250に表示されるノートデータ(311a、311b、311c・・・)の一覧を表示する一覧領域311と、教材データが表示されるテキスト領域312と、一覧領域311に表示されたノートデータから選択した一のノートデータを表示する表示領域313から構成される。図7では、一例としてノートデータ311aが選択され、表示領域313に表示されている。
【0057】
なお、本明細書において、端末管理装置の一例として端末管理装置30(デスクトップ型PC)を示しているが、端末管理装置はかかる例に限定されない。例えば、教室で先生が利用する教卓と一体化させた装置(先生コンソール)でもよい。
【0058】
[1−4.サーバ]
次に、サーバ40が有するデータベースについて図8を参照して説明する。図8に示すように、サーバ40は、端末管理装置DB41、生徒端末DB42および教材DB43を有する。
【0059】
端末管理装置DB41は、図8に示す生徒名簿410の他、授業の計画に関するカリキュラムデータや、成績データ等、先生が端末管理装置41で利用するデータを格納する。
【0060】
生徒端末DB42は、生徒毎のノートデータ220や生徒毎のリンク情報420を格納する。リンク情報420の詳細は後述する。
【0061】
教材DB43は、図8に示す教科書データ430の他、資料データ等、教材データを格納する。教科書データとは、テキスト形式の教科書の他、ワークブック等の問題形式でもよい。
【0062】
(リンク情報420)
上述した生徒端末DB42に格納されるリンク情報420について図9を参照して説明する。図9の左側に、教科書データとノートデータの双方向ブックマークとして作成されたリンク情報420の一例(リンク情報421)を示す。
【0063】
図9のリンク情報421に示すように、授業中に学習用端末10のテキスト端末100で教科書データのP13が表示されている時に、学習用端末10のノート端末200でノートデータのP5にデータ入力が行われた場合、教科書データP13とノートデータP5が紐付けられる。
【0064】
また、教科書データP15を学習用端末10のテキスト端末100に表示している際に、学習用端末10のノート端末200で表示されるノートデータP6にデータ入力を始め、その後、テキスト端末100に教科書データP16を表示してノートデータP6にデータ入力を続けた場合は、教科書データP15およびP16がノートデータP6に紐付けられる(図9、リンク情報421参照)。
【0065】
このようなリンク情報420は、学習用端末10で新たにノートデータが生成された場合に、生成されたノートデータと共に、ノートデータ入力の際にテキスト端末100で表示されていた教科書データを示す情報(教科書名やページ番号)を学習用端末10がサーバ40に送信することで更新される。
【0066】
また、図9の右側には、ワークブック用の教科書データとノートデータの双方向ブックマークとして作成されたリンク情報420の一例(リンク情報422)を示す。ワークブックは、テキストとそれに対する練習用ノートや、問題ページに対する解答欄など、予め紐付けを行うことが可能である。したがって、例えば図9に示すリンク情報422のように、ワークブック用の教科書データとノートデータの紐付けを予め行う。これにより、後述する第2の実施形態に記載のブックマーク機能を利用した際に、学習用端末10で教科書側のページ変更時にノート側も連動してページ変更させることや、ノート側のページ変更時に教科書側も連動してページ変更させることが可能である。
【0067】
以上、本発明の各実施形態に共通する基本構成について説明した。続いて、本発明の各実施形態<2.第1の実施形態>〜<10.第9の実施形態>について図10〜図23を参照して説明する。
【0068】
<2.第1の実施形態(教材データおよびノートデータの表示)>
まず、第1の実施形態として、授業開始時の動作処理について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0069】
まず、授業開始時に、端末管理装置30からサーバ40に授業情報の要求を行なう(S502)。次いで、サーバ40は端末管理装置30からの要求に応じて授業情報を送信する(S504)。ここで、授業情報には、カリキュラムデータ、生徒名簿、科目一覧、教科書データなど、授業の進行に必要なデータが含まれる。
【0070】
次いで、授業開始コマンドが端末管理装置30から学習用端末10を構成するノート端末200に送信される(S506)。授業開始コマンドは、科目、教科書名、指定ページを含む。
【0071】
次いで、授業開始コマンドを受信したノート端末200は、テキスト端末100に教科書AP(アプリケーション)の起動を指示する(S510)。ノート端末200から教科書AP起動指示を受けたテキスト端末100は、教科書APを起動させる(S510)。
【0072】
次いで、ノート端末200は、端末管理装置30から受信した授業開始コマンドに含まれる教科書名および指定ページに応じた教科書データと、ノートデータの送信をサーバ40に要求する(S514)。ノートデータは、授業開始コマンドに含まれる科目に応じたノートデータでもよいし、授業開始コマンドに含まれる教科書名の指定ページとリンクするノートデータでもよい。なお、ノートデータはサーバ40に生徒毎に格納されているため、ノート端末200は生徒を識別できるIDを含めてサーバ40に要求してもよい。
【0073】
次いで、サーバ40がノート端末200からの要求に応じて教科書データおよびノートデータを送信する(S516)。
【0074】
サーバ40から送信された教科書データは、ノート端末200からテキスト端末100に送信される(S518)。
【0075】
次いで、テキスト端末100はタッチパネル150にノート端末200を介してサーバ40から取得した教科書データを表示する(S520)。
【0076】
次いで、ノート端末200はタッチパネル250にサーバ40から取得したノートデータを表示する(S522)。
【0077】
以上説明した第1の実施形態によれば、授業開始時に先生が端末管理装置30で所定の教科書の所定ページを指定することで、各生徒が利用する学習用端末10の教科書領域にかかる所定の教科書の所定ページを表示させることができる。このように、端末管理装置30で各学習用端末10を管理することで、効率良く授業を開始することができる。
【0078】
<3.第2の実施形態(ブックマーク機能)>
次に、第2の実施形態として、ブックマーク機能について図11および図12を参照して説明する。
【0079】
まず、テキスト端末100に表示される操作アイコン112(図12参照)をタッチし、ノートデータの呼び出しを選択する(S532)。
【0080】
次いで、テキスト端末100はノート端末200を介してノートデータをサーバ40に要求する(S534)。この際、テキスト端末100は、テキスト端末100に表示している教科書データの教科書名とページ番号を示す情報をサーバ40に送信する。
【0081】
次いで、サーバ40は、生徒端末DB42に格納するリンク情報420を参照し、テキスト端末100から送信された教科書名のページ番号に紐付けられたノートデータを検索する。この結果、教科書データの一のページに複数のノートデータが紐付けられていた場合、サーバ40はノートデータの一覧をテキスト端末100に送信する(S536)。
【0082】
次いで、サーバ40からノートデータ一覧を受信したテキスト端末100は、ノートデータの選択を促す表示を行う。例えば、図12に示すように、選択表示121をテキスト端末100のタッチパネル150に示す。選択表示121には、現在表示されている教科書データに紐付けられているノートデータの一覧が表示される。例えば、現在ノート端末200のタッチパネル250に表示されているノートデータのページにリンク付けられているページを「Page1」などのページ番号で表示してもよい。なお、ノートデータ呼び出しのメニューを終了させる場合は、選択表示121の「Back」を選択する。
【0083】
生徒がノートデータの選択を行うと(S538)、テキスト端末100からノート端末200へノートのページ変更が指示される(S540)。次いで、ノート端末200は、テキスト端末100で生徒に選択されたノートデータを、サーバ40に要求する(S542)。次いでサーバ40は、ノート端末200からの要求に応じて生徒端末DB42のノートデータ220から該当するノートデータをノート端末200に送信する(S544)。次いで、ノート端末200はサーバ40から送信されたノートデータをタッチパネル250に表示する(S522)。
【0084】
なお、上記ステップS536では、教科書データに紐付けられているノートデータが複数あった場合にノートデータ一覧をテキスト端末100に送信している。しかし、本実施形態によるブックマーク機能は図11に示す動作処理に限られない。例えば、教科書データに紐付けられているノートデータが1ページの場合は、サーバ40から当該1ページのノートデータをノート端末200に送信し、ノート端末200のタッチパネル250で表示してもよい。これにより、テキスト端末100で操作アイコン112をタッチすることで自動的にノート端末200に表示されるノートデータが変更される。
【0085】
以上、テキスト端末100においてノートデータの呼び出しが選択された場合のブックマーク機能について説明した。一方、ノート端末100において教科書データの呼び出しが選択された場合にもブックマーク機能によりテキスト端末200の教科書データの表示を自動更新することができる。以下、図13および図14を参照してノート端末200において教科書データの呼び出しが選択された場合のブックマーク機能の動作処理について説明する。
【0086】
図13に示すように、まず、ノート端末200に表示される操作アイコン212(図14参照)をタッチし、ノートデータの呼び出しを選択する(S552)。
【0087】
次いで、ノート端末200は教科書データをサーバ40に要求する(S554)。この際、ノート端末200は、ノート端末200に表示しているノートデータを示す情報(例えばページ番号)をサーバ40に送信する。
【0088】
次いで、サーバ40は、生徒端末DB42に格納するリンク情報420を参照し、ノート端末200から送信されたノートデータのページ番号に紐付けられた教科書データを検索する。検索の結果、複数の教科書データが紐付けられていた場合は、サーバ40は教科書データの一覧をノート端末200に送信する(S556)。
【0089】
次いで、サーバ40から教科書データ一覧を受信したノート端末200は、教科書データの選択を促す表示を行う。例えば、図14に示すように、選択表示221をノート端末200のタッチパネル250に示す。選択表示221には、現在表示されているノートデータに紐付けられている教科書データの一覧が表示される。例えば、現在教科書端末100のタッチパネル150に表示されている教科書データのページにリンク付けられているページを「Page1」などのページ番号で表示してもよい。なお、教科書データ呼び出しのメニューを終了させる場合は、選択表示221の「Back」を選択する。
【0090】
生徒が教科書データの選択を行うと(S558)、ノート端末200は、生徒に選択されたノートデータを、サーバ40に要求する(S560)。次いでサーバ40は、ノート端末200からの要求に応じて教材DB43の教科書データ430から該当する教科書データを、ノート端末200を介してテキスト端末100に送信する(S562)。次いで、テキスト端末100はタッチパネル150に表示する教科書データを、サーバ40から送信された教科書データに変更する(S564)。
【0091】
なお、上記ステップS556では、ノートデータに紐付けられている教科書データが複数あった場合に教科書データ一覧をノート端末200に送信している。しかし、本実施形態によるブックマーク機能は図13に示す動作処理に限られない。例えば、ノートデータに紐付けられている教科書データが1ページの場合は、サーバ40から当該1ページの教科書データをテキスト端末100に送信し、テキスト端末100のタッチパネル150で表示してもよい。これにより、ノート端末200で操作アイコン212をタッチすることで自動的にテキスト端末100に表示される教科書データが変更される。
【0092】
以上説明した第2の実施形態によれば、現在表示している教科書データに紐付けられたノートデータを1タッチの操作で表示させることができる。また、現在表示しているノートデータに紐付けられた教科書データを1タッチの操作で表示させることができる。これにより、生徒は学習用端末10で効率良く学習することができる。
【0093】
<4.第3の実施形態(データコピー機能)>
次に、第3の実施形態として、データコピー機能について図15を参照して説明する。まず、テキスト端末100に表示される教科書データのうちコピーしたい範囲を指で指定する。例えば、図15の上側の図に示すように、点Pから指をドラッグすることでコピー範囲121(121a)を決める。なお、図15では、コピー範囲を四角で決定しているが、三角や丸、星型等、任意に選べるようにしてもよい。
【0094】
次いで、図15の中央の図に示すように、コピー範囲を決定した時点でドラッグした指を離す。これにより、コピー範囲121が浮き出て表示される(コピー範囲121b)。
【0095】
次いで、図15の下側の図に示すように、コピー範囲121(121b)をノート端末200の方へはじき飛ばす動作(フリップ)することで、ノート端末200にコピー範囲121(121c)がコピーされる。
【0096】
以上説明した第3の実施形態によれば、生徒が学習用端末10で学習を行い、ノートデータへデータ入力する際に、ペン入力の他、教科書データのコピーも貼り付けられることで、学習がより効率的に進められる。
【0097】
<5.第4の実施形態(ノートデータ更新の監視処理)>
次に、第4の実施形態によるノートデータ更新の監視処理について図16を参照して説明する。図16に示すように、端末管理装置30は定期的にサーバ40に対してノートデータ更新チェックの問い合わせを行っている(S572)。
【0098】
ノート端末200は、生徒によりノートデータ入力が行われると(S574)、入力されたノートデータがサーバ40に送信される(S576)。次いで、サーバ40では、生徒端末DB42のノートデータ220が更新される(S578)。ここで、ノートデータ220は生徒毎に格納されているため、S576においてノート端末200からノートデータの他、生徒を識別するIDを送信してもよい。
【0099】
次いで、端末管理装置30から定期的なノートデータ更新チェックの問い合わせがされる(S580)。次いでサーバ40は、ノートデータの更新があった場合は、端末管理装置30に更新されたノートデータを送信する(S582)。
【0100】
次いで、端末管理装置30では、各学習用端末10の一覧領域311(図7参照)に表示されるノートデータが更新される(S584)。以降も、端末管理装置30からサーバ40へのノートデータ更新チェックの問い合わせが定期的に行われる(S586)。
【0101】
以上説明した第4の実施形態によれば、各学習用端末10を構成するノート端末200の表示画面の状況を定期的に更新して端末管理装置30で閲覧することができる。これにより、先生は端末管理装置30で各学習端末10のノートの記述状況をリアルタイムに確認することができる。
【0102】
<6.第5の実施形態(添削処理)>
次に、第5の実施形態による添削処理について図17および図18を参照して説明する。
【0103】
図17に示すように、まず、端末管理装置30から赤ペン開始コマンドを学習用端末10のノート端末200に送信する。次いで、ノート端末200は、生徒によるノートデータ領域へのデータ入力を禁止する(S604)。
【0104】
次いで、端末管理装置30では添削が行われる(S606)。例えば、図18に示すように、端末管理装置30の表示装置310に表示される一覧領域311から選択されたノートデータ311dを表示領域313に表示させ、添削を行う。添削入力は、キーボード321による文字入力や、ポインティングデバイスであるマウス322による丸バツの入力が行われる。図18では、キーボードにより「よく出来ました」の文字と、マウス322でカーソル313aを操作し、丸が入力されている。
【0105】
次いで、端末管理装置30は、端末管理装置30で添削入力された赤ペンデータをサーバ40に送信する(S608)。サーバ40では、ノートデータ220が赤ペンデータを含むノートデータに更新される。次いで、端末管理装置30は、学習用端末10のノート端末200に赤ペン終了コマンドを送信する(S610)。
【0106】
次いで、ノート端末200は、端末管理装置30からの赤ペン終了コマンドを受けて、サーバ40にノートデータを要求する(S612)。サーバ40は、ノート端末200からのノートデータ要求に応じて、赤ペンデータが追加されたノートデータをノート端末200に送信する(S614)。
【0107】
次いで、ノート端末200は、サーバ40から受信したノートデータを表示する(S616)。これにより、図18に示すように、端末管理装置30で先生が行った添削内容が、学習用端末10のノート端末200の表示画面(タッチパネル250)に反映される。
【0108】
次いで、ノート端末200での操作入力禁止が解除される(S618)。このように、先生が端末管理装置30で添削を行っている間は、学習用端末10側でノートデータの更新が出来ないようにされる。
【0109】
以上説明した第5の実施形態によれば、先生が端末管理装置30で各生徒のノートを添削することができ、添削内容は自動的に生徒の学習用端末10に反映されることで、学習がより効率的に進められる。
【0110】
<7.第6の実施形態(連動処理)>
次に、第6の実施形態による連動処理について図19を参照して説明する。図19に示すように、まず、端末管理装置30で、学習用端末10との連動が選択される(S622)。
【0111】
次いで、端末管理装置30から連動開始コマンドが学習用端末10のノート端末200に送信される(S624)。次いで、ノート端末200は、テキスト端末100に連動開始指示を行なう(S626)。連動開始指示を受けたテキスト端末100は、生徒の操作入力を禁止する(S628)。これにより、生徒はテキスト端末100に表示される教科書データのページ変更等の操作入力が出来なくなる。
【0112】
一方、端末管理装置30では、連動させたい教科書データをテキスト領域312に表示させる。次いで、端末管理装置30は、テキスト領域312に表示される教科書データを示す表示情報(教科書名やページ番号等)を学習用端末10のノート端末200に送信する(S632)。
【0113】
次いで、ノート端末200は、表示情報をテキスト端末100に送信する(S634)。また、ノート端末200は、表示情報に含まれる教科書名やページ番号に対応する教科書データをサーバ40に要求する(S636)。次いで、サーバ40は、ノート端末200からの要求に応じて該当する教科書データを、ノート端末200を介してテキスト端末100に送信する(S638)。
【0114】
次いで、テキスト端末100では、サーバ40から送信された教科書データをタッチパネル150に表示する(S640)。これにより、端末管理装置30のテキスト領域312の表示と、学習用端末10のテキスト端末100の表示を連動させることができる。なお、上記S634でノート端末200から送信された表示情報に、表示位置や倍率を示す情報が含まれている場合は、テキスト端末100はこれらの情報に従って受信した教科書データを表示する。
【0115】
連動を終了させる場合は、先生により端末管理装置30で連動解除が選択され(S642)、端末管理装置30が連動終了コマンドをノート端末200に送信する(S644)。次いで、ノート端末200からテキスト端末100に連動終了指示がなされる(S646)。次いで、連動終了指示を受けたテキスト端末100は、操作入力禁止を解除する(S648)。
【0116】
以上説明した第6の実施形態によれば、各生徒の学習用端末10のテキスト端末100に表示する教科書データを、先生が操作する端末管理装置30のテキスト領域312に表示する教科書データと連動させることができる。これにより、先生が生徒に示したい教科書データを強制的に学習用端末10に表示させることができ、学習がより効率的に進められる。
【0117】
<8.第7の実施形態(資料データの配布処理)>
次に、第7の実施形態による資料データの配布処理について図20を参照して説明する。図20に示すように、まず、端末管理装置30は学習用端末10に配布する資料データをサーバ40に送信する(S662)。次いで、サーバ40は、資料データの配布対象者のノートデータ220の最終ページに資料データを追加する(S664)。ここで、資料データの配布対象者は、端末管理装置30が資料データをサーバ40に送信する際に指定してもよい。
【0118】
一方、端末管理装置30は、資料データ配布コマンドを配布対象者の学習用端末10のノート端末200に送信する(S666)。次いで、ノート端末200はサーバ40に対してノートデータの最終ページを要求する(S668)。次いで、サーバ40はノート端末200からの要求に応じて、ノートデータの最終ページを送信する(S670)。
【0119】
次いで、ノート端末200はサーバ40から送信されたノートデータの最終ページをタッチパネル250に表示する(S672)。これにより、端末管理装置30から配布された資料データが配布対象者の学習用端末10に自動的に表示される。
【0120】
以上説明した第7の実施形態によれば、授業で配布する資料を、端末管理装置30から資料データとしてサーバ40に格納し、配布対象の学習用端末10にコマンドを送信することで、資料データが各学習用端末10に表示され、学習がより効率的に進められる。
【0121】
<9.第8の実施形態(グループワーク)>
次に、第8の実施形態によるグループワークについて図21および図22を参照して説明する。本実施形態では、上記各実施形態に共通する生徒毎のノートデータ220とは異なる、複数の生徒で共有してデータ入力が行える共有ノートデータを用いる。
【0122】
図21に示すように、まず、学習用端末10aにおいて共有ノートデータに書き込みが行われる(S682)。次いで、学習用端末10aから、書き込みが行われたノートデータがサーバ40に送信される(S684)。次いで、サーバ40は、共有ノートデータ(図示せず)の更新を行う(S686)。ここで、共有ノートデータは共有者毎のノートレイヤから成り、各レイヤには、その共有者のみがデータ入力できるアクセス権限が設定される。本実施形態では、学習用端末10aがデータ入力を行っているため、サーバ40において、学習用端末10aのノートレイヤが更新される。
【0123】
次いで、学習用端末10aは、共有ノートデータ更新通知を他の学習用端末10(学習用端末10b、10c)に行う(S688、S690)。ここで、更新通知を行う学習用端末10は、ノートデータの共有者でもよいし、学習用端末10aが任意に選択してもよい。共有ノートデータ更新通知を受けた各学習用端末10は、サーバ40に対して、学習用端末10aにより更新されたノートデータを要求する(S692、S698)。これに対し、サーバ40は更新された共有ノートデータ全て、若しくは更新されたページ分を学習用端末10(学習用端末10b、10c)に送信する(S694、S702)。
【0124】
次いで、各学習用端末10(学習用端末10b、10c)は、サーバ40から受信したノートデータをノート端末100に表示する(S696、S704)。
【0125】
なお、共有ノートデータを更新した場合の処理については図21に示す例に限られない。例えば、図22に示すように、共有ノートデータの更新があった場合にサーバ40から各学習用端末10に送信することで、更新通知の処理を不要としてもよい。
【0126】
より詳細には、図22に示すように、学習用端末10aにおいて共有ノートデータに書き込みが行われる(S712)。次いで、学習用端末10aから、書き込みが行われたノートデータがサーバ40に送信される(S714)。次いで、サーバ40は、共有ノートデータ(図示せず)の更新を行う(S716)。
【0127】
次いで、サーバ40は更新された共有ノートデータ全て、若しくは更新されたページ分を学習用端末10(学習用端末10b、10c)に送信する(S718、S722)。
【0128】
次いで、各学習用端末10(学習用端末10b、10c)は、サーバ40から受信したノートデータをノート端末100に表示する(S720、S724)。
【0129】
以上説明した第8の実施形態によれば、複数の生徒に限定して共有する共有ノートデータを用意することで、グループ毎の学習がより効率的に進められる。
【0130】
<10.第9の実施形態(授業終了時の動作処理)>
次に、第9の実施形態による授業終了時の動作処理について図23を参照して説明する。図23に示すように、まず端末管理装置30から授業終了コマンドを学習用端末10のノート端末200に送信する(S732)。次いで、授業終了コマンドを受けたノート端末200は、学習を終了するか否かを生徒に選択させる表示を行う。生徒により授業終了が選択されると(S734)、次いでノート端末200はテキスト端末100に教科書AP終了の指示を行なう(S736)。次いで、テキスト端末100は教科書APを終了させる。また、ノート端末200ではノートAPを終了する(S740)。
【0131】
以上説明した第9の実施形態によれば、先生が操作する端末管理装置30から、授業終了のコマンドを各学習用端末10に送信することで、学習用端末10で起動されている教科書APやノートAPを終了させることが出来る。また、上述したように各学習用端末10で授業終了の選択を生徒が行うため、授業終了後も学習を続けたい生徒は継続して学習用端末10を利用することが出来る。
【0132】
<11.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
例えば、本明細書の学習用端末10は、図2および図3に示す構成に限られない。例えば、表示画面を分割し、教材データ120を表示する教材領域と、ノートデータ220を表示するノート領域を有する学習用端末でもよい。
【0134】
また、本明細書の学習システムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、図10に示す授業開始時の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。より詳細には、教科書アプリ起動指示(S508)前に、ノートAP起動の処理(S512)を行ってもよいし、並列的に処理してもよい。さらに、サーバ40への要求(S514)もS508やS512と並列的に処理してもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 学習用端末
20 ネットワーク
30 端末管理装置
40 サーバ
41 端末管理装置DB
42 生徒端末DB
43 教材DB
50 アクセスポイント
100 テキスト端末
101、201、301 CPU
102、202、302 ROM
103、203、303 RAM
108、208、204、304 通信I/F
105、205、305 表示制御部
107、207、320 操作入力部
150、250 タッチパネル
109、209、307 ホストバス
200 ノート端末
220 ノートデータ
310 表示装置
311 一覧領域
312 テキスト領域
313 表示領域
410 生徒名簿
420、421、422 リンク情報
430 教科書データ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを送信する端末管理装置と、
前記表示コマンドに示された教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域とを有する前記複数の学習用端末装置と、
を備える、学習システム。
【請求項2】
前記複数の学習用端末装置の各々の学習用端末装置は、前記表示コマンドを含む授業開始コマンドを前記端末管理装置から受信した場合に、前記教材領域に表示される教材データに関連付けられたノートデータを前記ノート領域に表示する、請求項1記載の学習システム。
【請求項3】
前記学習用端末装置は、
ノートデータ呼び出しが選択された場合は、前記教材領域に表示される教材データに関連付けられたノートデータを表示し、
教材データ呼び出しが選択された場合は、前記ノート領域に表示されるノートデータに関連付けられた教材データを表示する、請求項1記載の学習システム。
【請求項4】
前記学習用端末装置のノート領域に表示されるノートデータは、複数のレイヤに分けられる、請求項1記載の学習システム。
【請求項5】
前記複数のレイヤは、前記学習用端末装置および前記端末管理装置のいずれからもデータ編集不可とされる罫線データから成る罫線レイヤと、前記学習用端末装置からのデータ編集のみ可能とされる生徒記入データから成るノートレイヤおよび前記端末管理装置からのデータ編集のみ可能とされる先生記入データから成る添削レイヤのいずれかを含む、請求項4記載の学習システム。
【請求項6】
前記学習用端末装置は、前記複数のレイヤのうち生徒に選択されたレイヤを表示する、請求項4記載の学習システム。
【請求項7】
前記教材領域に表示される教材データのうち、生徒に選択された範囲のデータを、前記生徒の操作に応じて前記ノート領域に表示させる、請求項2記載の学習システム。
【請求項8】
前記端末管理装置は、前記学習用端末装置のノート領域に表示されているノートデータを表示する表示領域を有する、請求項2記載の学習システム。
【請求項9】
前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から添削開始コマンドを受信した場合は、前記ノートデータへのデータ入力を禁止し、前記端末管理装置から入力されたデータを前記ノートデータの添削レイヤとして表示する、請求項5記載の学習システム。
【請求項10】
前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から連動開始コマンドを受信した場合は、前記教材領域への操作を禁止し、前記端末管理装置に表示されている教材データを前記教材領域に表示する、請求項2記載の学習システム。
【請求項11】
前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から資料データ配布コマンドを受信した場合は、前記ノート領域に、前記資料データ配布コマンドに示される資料データを表示する、請求項2記載の学習システム。
【請求項12】
前記学習用端末装置のノート領域に表示されるノートデータは、所定の生徒がログインした学習用端末装置からのデータ入力のみを受け付けるノートレイヤを含む共有ノートデータである、請求項1記載の学習システム。
【請求項13】
前記学習用端末装置は、前記端末管理装置から授業終了コマンドを受信した場合は、前記学習用端末装置で起動するアプリケーションを終了させるか否かを生徒に選択させる表示を行い、終了が選択された場合に前記アプリケーションを終了する、請求項2記載の学習システム。
【請求項14】
前記学習用端末装置の教材領域は、第1操作体の位置情報を取得する第1タッチパネルを備え、
前記学習用端末装置のノート領域は、第2操作体の位置情報を取得する第2タッチパネルを備える、請求項1記載の学習システム。
【請求項15】
前記学習用端末装置は、前記教材領域を備える第1筐体と前記ノート領域を備える第2筐体とから成る、請求項1記載の学習システム。
【請求項16】
前記第1筐体と前記第2筐体は着脱可能に連結され、互いにデータの送受信を行う、請求項15記載の学習システム。
【請求項17】
前記学習システムは、
前記端末管理装置および前記学習用端末装置と接続するサーバを備え、
前記サーバは、前記教材データおよび生徒毎のノートデータを関連付けて記憶する、請求項1記載の学習システム。
【請求項18】
前記学習用端末装置は、前記表示コマンドに示される教材データを前記サーバから取得する、請求項17記載の学習システム。
【請求項19】
前記学習用端末装置は、前記教材データに関連付けられたノートデータを前記サーバから取得する、請求項17記載の学習システム。
【請求項20】
複数の学習用端末装置に表示させる教材データを示す表示コマンドを端末管理装置から送信するステップと、
教材データを表示する教材領域と、データ入力およびデータ表示が可能なノート領域を有する前記複数の学習用端末装置の各々の学習用端末装置の前記教材領域に、前記表示コマンドに示された教材データを表示するステップと、
とを含む、表示方法。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−127989(P2012−127989A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276631(P2010−276631)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】