説明

学習支援システム、学習支援方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 教材を修正する際に、修正前の教材を利用することができ、しかも、教材を修正した後であっても、修正前の教材を残しておくことができる学習支援システム、学習支援方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
学習支援システムは、教材の部品データ202と、教材に含まれる部品データ202を指定する教材属性テーブル200とをサーバ装置2に記憶する。教材属性テーブル200には、部品データ202毎に、その部品データ202が教材から削除されたか否かを示す論理削除フラグが含まれている。学習支援システムは、教材が修正されるときに、教材に含まれる部品データ202の削除の指示を受け付け、削除の指示が受け付けられた部品データ202の論理削除フラグを、教材から当該部品データ202が削除されたことを示すものに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像、音声及び文字の少なくとも一つからなる一又は複数の部品データを含む教材により学習者の学習を支援するための学習支援システム及び学習支援方法、並びにコンピュータに教材の作成を支援させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ、PDA、携帯型電話機等の機器を使用した学習支援システムであるeラーニングシステムが広く普及している。
【0003】
特許文献1には、eラーニングシステムの教材を設計するための教材作成支援方法が開示されている。この特許文献1に開示されている方法は、教材作成者にシナリオモデルとして教授法を提示し、教材作成者が教授法のモデルを決定すると、シナリオ構造に教授法のモデルを挿入し、教材作成者が教授法の順番の変更、教授法の各々の教授ステップ若しくはその他のシナリオ構造の増減、又は新たな教授法若しくは教材を作成することによりカスタマイズし、カスタマイズが完了した時点でカスタマイズされた教授法の題材又は教材を再利用可能な状態で保存するというものである。
【0004】
また、特許文献2には、既存の教材コンテンツを再利用して、新たな教材コンテンツを編集するコンテンツ再利用処理方法が開示されている。この特許文献2において用いられる教材コンテンツは、1以上の事例とその解説からなる「コンポーネント」と、関連性のあるコンポーネントをまとめて構成される「シーン」と、シーンをカリキュラムに従って時系列に配置した「シナリオ」とによる階層的な構造を持つものある。特許文献2に開示されている方法は、ユーザからの指示に応答してコンテンツを分解及び選別して、シナリオ、シーン、又はコンポーネントとして登録して、メタ情報とともに管理し、メタレベルでのコンポーネント操作(意味/意図検索、合成、分解、整列など)を可能とする。コンテンツ再利用時には、キーワードを元に該当する部品を読み出して、GUI画面上でコンポーネントを組み合わせてシーン又はシナリオを生成し、新たな教材コンテンツを編集する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−338848号公報
【特許文献2】特開2003−248730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば医療技術又は業務上の安全若しくは衛生に関する教材においては、関連する法律等の改正又は環境の変化などによりその内容の修正が必要な場合がある。しかしながら、特許文献1の方法では、修正前の教材を利用して新たな教材を作成することができず、修正後の教材の全部を新規に作成する必要があり、教材作成者に与える負担が大きかった。
【0007】
また、特許文献2の方法では、既存の教材コンテンツの部品を利用して、新たな教材を作成することができるが、例えば新人教育において、修正後の内容だけでなく、修正前の内容も示してどのような修正が行われたのかを教育したり、修正前の内容が全ての教材からなくなってしまうと熟練者が教材の内容が間違っていると勘違いしたりするため、修正前の教材コンテンツを残しておく必要がある。しかしながら、特許文献2の方法では、新たな教材において修正する部分に対応する部品に修正を加えると、その部品を使用した全ての教材コンテンツが修正後のものとなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる学習支援システム、学習支援方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の学習支援システムは、映像、音声及び文字の少なくとも一つからなる一又は複数の部品データを含む教材データの前記部品データを再生することにより、学習者の学習を支援するための学習支援システムであって、部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とを記憶する記憶部と、教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付ける削除指示受付手段と、前記削除指示受付手段により削除の指示が受け付けられた部品データの削除属性情報を、教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定することにより、前記教材データから前記部品データを削除する削除属性情報設定手段と、学習者が教材データに基づいて学習を実施するときに、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていないことが示されている部品データを再生し、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていることが示されている部品データを再生しない再生手段と、を備える。
【0010】
この態様においては、前記学習支援システムが、同一の部品データを含む複数の教材データが存在する場合において、前記削除指示受付手段により一方の教材データからの前記部品データの削除の指示が受け付けられた後に、他方の教材データからの前記部品データの削除の指示を受け付ける第2削除指示受付手段と、前記第2削除指示受付手段により前記他方の教材データからの前記部品データの削除の指示が受け付けられたときに、前記他方の教材データに含まれる削除が指示された部品データの削除属性情報を、前記他方の教材データから当該部品データが削除されたことを示すものへと変更する第2削除属性情報変更手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記学習支援システムが、同一の部品データを含む複数の教材データを検索する教材検索手段をさらに備え、前記削除指示受付手段が、前記教材検索手段によって検索された教材データのそれぞれについて、前記部品データの削除の指示を受け付けるように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記教材データが、教材名を含んでおり、前記学習支援システムが、前記教材検索手段により検索された教材データの教材名を一覧表示する検索結果一覧表示手段をさらに備え、前記削除指示受付手段が、前記検索結果一覧表示手段によって一覧表示された各教材名の選択を個別に受け付けるように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記学習支援システムが、前記教材データからの前記部品データの削除が指示された場合に、削除が指示された部品データを含む教材データについて、新たな部品データの追加の指示を受け付ける追加指示受付手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、前記学習支援システムが、部品データを検索する部品検索手段をさらに備え、前記削除指示受付手段が、前記部品検索手段によって検索された部品データの削除の指示を受け付けるように構成されていることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記記憶部が、部品データ毎に、その部品データの属性を示す部品属性情報を記憶しており、前記部品検索手段が、前記部品属性情報を検索キーとして部品データを検索するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記部品属性情報が、前記部品データを作成する際に用いられた資料に関する情報であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の一の態様の学習支援方法は、映像、音声及び文字の少なくとも一つからなる一又は複数の部品データを含む教材データの各部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とを記憶する記憶部を備える学習支援システムにより学習者の学習を支援する学習支援方法であって、教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付ける削除指示受付工程と、
部品データの削除が指示された場合に、前記記憶部に記憶されている前記部品データの削除属性情報を、前記教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定する設定工程と、学習者が教材データに基づいて学習を実施するときに、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていないことが示されている部品データを再生し、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていることが示されている部品データを再生しない再生工程と、を有する。
【0018】
また、本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、学習者の学習を支援する学習支援システムで用いられる教材データの作成を、記憶部を具備するコンピュータに支援させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶部には、映像、音声及び文字の少なくとも一つからなり、前記学習支援システムで再生可能な一又は複数の部品データを含む教材データに含まれる部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とが記憶されており、教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付けるステップと、部品データの削除が指示された場合に、前記部品データを前記学習支援システムで再生させないために、前記記憶部に記憶されている前記部品データに対応する削除属性情報を、前記教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定するステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る学習支援システム、学習支援方法、及びコンピュータプログラムによれば、教材を修正する際に、修正前の教材を利用することができ、しかも、教材を修正した後であっても、修正前の教材を残しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を示す模式図。
【図2】実施の形態に係る学習支援システムが備えるサーバ装置の構成を示すブロック図。
【図3】サーバ装置において管理される各種データのデータ構造を示す模式図。
【図4】実施の形態に係る学習支援システムが備える学習用クライアント装置の構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態に係る学習支援システムが備える教材作成用クライアント装置4の構成を示すブロック図。
【図6】実施の形態に係る学習支援システムの教材データ登録処理の手順を示すフローチャート。
【図7】実施の形態に係る学習支援システムの教材登録画面の構成を示す図。
【図8】実施の形態に係る学習支援システムの教材登録確認画面の構成を示す図。
【図9】実施の形態に係る学習支援システムの教材作成処理の手順を示すフローチャー。
【図10】実施の形態に係る学習支援システムの教材作成画面の構成を示す図。
【図11】実施の形態に係る学習支援システムの部品選択処理の手順を示すフローチャート。
【図12】実施の形態に係る学習支援システムの部品一覧画面の構成を示す図。
【図13】実施の形態に係る学習支援システムの教材構成一覧画面の構成を示す図。
【図14】実施の形態に係る学習支援システムの出題順変更画面の構成を示す図。
【図15A】実施の形態に係る学習支援システムの教材修正処理の手順を示すフローチャート(前半)。
【図15B】実施の形態に係る学習支援システムの教材修正処理の手順を示すフローチャート(後半)。
【図16】実施の形態に係る学習支援システムの教材編集処理の手順を示すフローチャート。
【図17】実施の形態に係る学習支援システムの部品参照画面の構成を示す図。
【図18】実施の形態に係る学習支援システムの論理削除取消画面の構成を示す図。
【図19】実施の形態に係る学習支援システムの削除画面の構成を示す図。
【図20】実施の形態に係る学習支援システムの部品追加画面の構成を示す図。
【図21】実施の形態に係る学習支援システムの教材データ再生処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
[学習支援システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を示す模式図である。本学習支援システム1は、インターネット又はイントラネット等の情報ネットワークを使用したクライアントサーバシステムであり、サーバ装置2と、学習者が使用する学習用クライアント装置3と、教材作成者が使用する教材作成用クライアント装置4とを備えている。サーバ装置2と、学習用クライアント装置3及び教材作成用クライアント装置4との間は、情報ネットワーク5によりデータ通信可能に接続されている。
【0023】
<サーバ装置2の構成>
図2は、サーバ装置2の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、コンピュータ2aによって実現される。図2に示すように、コンピュータ2aは、本体21と、画像表示部22と、入力部23とを備えている。本体21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c、ハードディスク21d、読出装置21e、入出力インタフェース21f、通信インタフェース21g、及び画像出力インタフェース21hを備えており、CPU21a、ROM21b、RAM21c、ハードディスク21d、読出装置21e、入出力インタフェース21f、通信インタフェース21g、及び画像出力インタフェース21hは、バス21jによって接続されている。
【0024】
CPU21aは、RAM21cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、学習支援システム1のサーバ用のコンピュータプログラム24aを当該CPU21aが実行することにより、コンピュータ2aがサーバ装置2として機能する。
【0025】
ROM21bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU21aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0026】
RAM21cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM21cは、ハードディスク21dに記録されているコンピュータプログラム24aの読み出しに用いられる。また、CPU21aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU21aの作業領域として利用される。
【0027】
ハードディスク21dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU21aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。サーバ用のコンピュータプログラム24aも、このハードディスク21dにインストールされている。
【0028】
読出装置21eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体24に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体24には、コンピュータをサーバ装置2として機能させるためのコンピュータプログラム24aが格納されており、コンピュータ2aが当該可搬型記録媒体24からコンピュータプログラム24aを読み出し、当該コンピュータプログラム24aをハードディスク21dにインストールすることが可能である。
【0029】
なお、前記コンピュータプログラム24aは、可搬型記録媒体24によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ2aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム24aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ2aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク21dにインストールすることも可能である。
【0030】
また、ハードディスク21dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム24aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0031】
さらにハードディスク21dには、教材属性テーブル200と、部品テーブル201と、部品データ202と、作成元資料テーブル203と、作成元資料データ204とが格納されている。図3は、サーバ装置2において管理される各種データのデータ構造を示す模式図である。本実施の形態に係る教材は、一又は複数の部品から構成される。各部品は1つの設問及びその解答によって構成されている。部品は部品データ202としてハードディスク21dに記憶される。部品となる設問及び解答は、特定の分野の事項について説明した文書(以下、「作成元資料」という。)に基づいて作成される。例えば、「運転免許」の分野における作成元資料「道路交通法」に「普通免許を受けていれば、車両総重量8トン未満の自動車を運転することができる。」という記載がある場合に、設問「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」及びその解答「8トン」が部品として作成される。また、部品データ202には、必要に応じて設問に関する解説又はメモが含まれることもある。このような部品データ202は、教材作成者によって予め作成され、サーバ装置2のハードディスク21dに記憶されている。なお、後述するように教材作成者が部品データ202を事後的に作成し、ハードディスク21dに追加登録することもできる。
【0032】
上述した作成元資料は、電子データである作成元資料データ204としてハードディスク21dに記憶されている。作成元資料テーブル203には、作成元資料毎に個別に割り当てられ、作成元資料を特定する作成元資料ID203aと、作成元資料の名称(例えば、上述した「道路交通法」)203bと、作成元資料データ204へのパス(ハードディスク21dにおける作成元資料データ204の所在を示す情報)である作成元資料所在情報203cとが含まれている。
【0033】
部品テーブル201には、部品データ毎に個別に割り当てられ、部品データを特定する部品データID201aと、部品データの名称(例えば、「普通免許の最大車両総重量」)201bと、部品データ202へのパスである部品データ所在情報201cと、その部品データが作成される元となった作成元資料の作成元資料ID201dとが含まれている。
【0034】
教材属性テーブル200は、テーブル型のデータであり、教材を特定する教材毎にユニークな教材ID200aと、教材の名称(例えば、「普通免許」)200bと、当該教材に含まれる部品を指定する情報として、当該教材に含まれる各部品データの部品データID200cと、各部品データの出題順200dと、部品データが当該教材から削除されたか否かを示す論理削除フラグ200eとを要素として含んでいる。論理削除フラグ200eは、部品データID毎に設けられており、対応する部品データID200cによって指定される部品データがその教材から削除されていない場合、即ち、教材の要素の一部に含まれている場合には、削除されていないことを示す「0(ゼロ)」がセットされ、後述する教材修正処理において対応する部品データが教材から削除された場合には、削除されたことを示す「1」がセットされる。また、後述するように、学習用クライアント装置3によって教材の再生が実行された場合、対応する論理削除フラグ200eが「0」にセットされている部品データは再生され、論理削除フラグ200eが「1」にセットされている部品データは再生されないようになっている。このように、本実施の形態に係る学習支援システム1においては、論理削除フラグ200eを設けることにより、ハードディスク21dから部品データ202を削除した場合と同様に、当該部品データ202を教材に含めないように取り扱うようになっている。このため、部品データ202を教材から削除をした場合であっても、当該部品データ202そのものがハードディスク21dから実際に削除されるわけではなく、当該部品データ202を用いた他の教材では引き続き当該部品データ202を含めた状態を維持することができる。
【0035】
教材属性テーブル200、当該教材属性テーブル200に含まれる部品データIDに係る部品テーブル201及び部品データ202により、教材データが構成される。
【0036】
入出力インタフェース21fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース21fには、キーボード及びマウスからなる入力部23が接続されており、ユーザが当該入力部23を使用することにより、コンピュータ2aにデータを入力することが可能である。
【0037】
通信インタフェース21gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース21gはLANを介して学習用クライアント装置3及び教材作成用クライアント装置4に接続されている。コンピュータ2aは、通信インタフェース21gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続された学習用クライアント装置3及び教材作成用クライアント装置4との間でデータの送受信が可能である。
【0038】
画像出力インタフェース21hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部22に接続されており、CPU21aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部22に出力するようになっている。画像表示部22は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0039】
<学習用クライアント装置3の構成>
図4は、本実施の形態に係る学習用クライアント装置3の構成を示すブロック図である。学習用クライアント装置3は、コンピュータ3aによって実現される。図4に示すように、コンピュータ3aは、本体31と、画像表示部32と、入力部33とを備えている。本体31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hを備えており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hは、バス31jによって接続されている。
【0040】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。学習クライアント用のコンピュータプログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0041】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータを学習用クライアント装置3として機能させるためのコンピュータプログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34からコンピュータプログラム34aを読み出し、当該コンピュータプログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0042】
なお、前記コンピュータプログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0043】
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0044】
なお、学習用クライアント装置3のその他の構成は、上述したサーバ装置2の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0045】
<教材作成用クライアント装置4の構成>
図5は、本実施の形態に係る教材作成用クライアント装置4の構成を示すブロック図である。教材作成用クライアント装置4は、コンピュータ4aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ4aは、本体41と、画像表示部42と、入力部43とを備えている。本体41は、CPU41a、ROM41b、RAM41c(記憶部)、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hを備えており、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hは、バス41jによって接続されている。
【0046】
ハードディスク41dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU41aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。教材作成クライアント用のコンピュータプログラム44aも、このハードディスク41dにインストールされている。
【0047】
読出装置41eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体44に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体44には、コンピュータを教材作成用クライアント装置4として機能させるためのコンピュータプログラム44aが格納されており、コンピュータ4aが当該可搬型記録媒体44からコンピュータプログラム44aを読み出し、当該コンピュータプログラム44aをハードディスク41dにインストールすることが可能である。
【0048】
なお、前記コンピュータプログラム44aは、可搬型記録媒体44によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ4aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム44aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ4aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク41dにインストールすることも可能である。
【0049】
また、ハードディスク41dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム44aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0050】
さらにハードディスク41dは、教材作成者が作成した教材ファイル400が格納されている。教材ファイル400は、上述した教材属性テーブル200、当該教材属性テーブル200において指定されている部品に係る部品テーブル201及び部品データ202、並びに当該部品テーブル201において指定されている作成元資料に係る作成元資料テーブル203及び作成元資料データ204が一つにまとめられたアーカイブファイルであり、教材作成者が図示しないコンピュータプログラムを用いて作成したものである。
【0051】
なお、教材作成用クライアント装置4のその他の構成は、上述したサーバ装置2の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0052】
[学習支援システムの動作]
以下、本実施の形態に係る学習支援システム1の動作について説明する。
【0053】
<教材データ登録処理>
図示しない教材新規作成用のコンピュータプログラムが教材作成用クライアント装置4にインストールされており、教材作成者は、この教材新規作成用のコンピュータプログラムを実行することにより、前述した教材ファイル400を作成する。ここで、道路交通法が改正されたため、改正後の道路交通法に対応した普通免許の教材ファイルを新たに作成する場合について説明する。教材作成者は、改正後の道路交通法に対応した普通免許の教材ファイル400を作成する。この教材ファイル400には、「運転免許」の分野における「改正道路交通法」の作成元資料データが含まれ、この作成元資料データには、「普通免許を受けていれば、車両総重量5トン未満の自動車を運転することができる。」という内容の記載が含まれている。また、当該教材ファイル400には、「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」という設問と、「5トン」という解答とからなる部品データが含まれている。
【0054】
図6は、教材データ登録処理の手順を示すフローチャートである。教材作成者は、新規に作成した教材データをサーバ装置2に登録する場合には、コンピュータプログラム44aを実行し、最初に表示されるメニュー画面(図示せず)に含まれる教材登録ボタンをマウス操作によってクリックする。これにより、教材登録用の表示画面(以下、「教材登録画面」という。)が画像表示部42に表示される。図7は、教材登録画面の構成を示す図である。図7に示すように、教材登録画面51には、画面上部に教材一覧ボタン501、教材登録ボタン502、及び部品一覧ボタン503が並設されている。これらのボタン501〜503はマウス操作により選択可能である。また、これらのボタン501〜503の下方には、その画面において主に使用される機能領域504が設けられており、機能領域504の上部には、機能領域504における表示を切替えるための教材登録タブ505及び教材作成タブ506が設けられている。これらのタブ505,506もまた、マウス操作により選択可能である。機能領域504は、表示画面によって表示が切り替わる領域であり、教材一覧ボタン501、教材登録ボタン502、部品一覧ボタン503、教材登録タブ505、及び教材作成タブ506は、全ての表示画面において共通して表示される領域である。この教材登録画面51においては、教材登録ボタン502及び教材登録タブ505が選択された状態となっており、教材一覧ボタン501、部品一覧ボタン503、及び教材作成タブ506は選択されていない状態となっている。また、教材登録画面51の機能領域504には、教材ファイル400のパス(所在情報)を入力する入力領域511、並びにマウス操作により選択可能な登録ボタン512及び取消ボタン513が設けられている。
【0055】
教材作成者は、教材登録画面51において、入力領域511に上述のように新規に作成した教材ファイル400のパスを入力し、マウスにより登録ボタン512をクリックする。CPU41aは、当該教材ファイル400のパスの入力を受け付け、登録ボタン512の選択を受け付ける(ステップS101)。このような操作を受け付けると、CPU41aは、画像表示部42の表示画面を教材登録確認画面へと切替える。図8は、教材登録確認画面の構成を示す図である。教材登録確認画面52の機能領域504には、作成元資料の名称が表示される表示領域521と、確定ボタン522と、取消ボタン523とが設けられている。表示領域521には、上述したパスにより指定された教材ファイル400に含まれる作成元資料テーブルに含まれる作成元資料の名称が表示される。また、表示領域521の下方には、部品切替ボタン524が設けられている。部品切替ボタン524は、教材に含まれる部品の数だけ並設される。各部品切替ボタン524はマウス操作等により選択可能である。さらに機能領域504には、選択された部品の設問内容を確認するための内容表示ボタン526及び選択された部品を論理的に削除するための論理削除ボタン527が設けられている。ボタン526,527のそれぞれはマウス操作により選択可能となっている。
【0056】
ユーザは、教材の登録を実行する場合には、確定ボタン522をマウス操作によって選択する。CPU41aは、このように教材の登録指示を受け付けると(ステップS102)、入力されたパスにより指定される教材ファイル400をハードディスク41dから読み出し、サーバ装置2へ送信して(ステップS103)、処理を終了する。
【0057】
サーバ装置2のCPU21aは、教材ファイル400を受信すると(ステップS104)、アーカイブファイルである当該教材ファイル400を、教材属性テーブル200、部品テーブル201、部品データ202、作成元資料テーブル203、及び作成元資料データ204へ展開する(ステップS105)。さらにCPU21aは、展開して得られた教材属性テーブル200、部品テーブル201、部品データ202、作成元資料テーブル203、及び作成元資料データ204、即ち教材データをハードディスク41dに記憶し(ステップS106)、処理を終了する。これにより、サーバ装置2への教材の登録が完了する。
【0058】
<教材作成処理>
図9は、教材作成処理の手順を示すフローチャートである。教材作成者は、上述した教材データ登録処理によって既にサーバ装置2に登録された教材を利用して、新たな教材を作成することができる。この教材作成処理を実行するためには、教材作成者は、教材登録画面51又は教材登録確認画面52等において教材作成タブ506をクリックする。かかる表示切替指示を受け付けると(ステップS201)、CPU41aは、画像表示部42の表示画面を教材作成画面へと切替え(ステップS202)、登録されている作成元資料の名称をサーバ装置2へ問い合わせる(ステップS203)。サーバ装置2のCPU21aは、作成元資料の名称の要求データを受信すると(ステップS204)、ハードディスク21dに記憶されている全ての作成元資料テーブル203を読み出し、作成元資料の名称データ及び作成元資料IDを一対一に対応付けた状態で取得して、当該作成元資料の名称及び作成元資料IDを教材作成用クライアント装置4へ送信する(ステップS205)。教材作成用クライアント装置4によって、当該作成元資料の名称データ及び作成元資料IDが受信される(ステップS206)。
【0059】
図10は、教材作成画面の構成を示す図である。教材作成画面53の機能領域504には、教材作成者によって選択された作成元資料の名称が表示される表示領域531と、検索実行ボタン532と、取消ボタン533とが設けられている。表示領域531の右端には、プルダウン用のボタン534が設けられており、教材作成者はマウスのクリック操作により当該ボタン534を選択することで、ステップS206において受信した全ての作成元資料の名称がプルダウン形式でリスト表示される。この状態において、さらに教材作成者はマウス操作によってリスト表示された作成元資料の名称のうちの1つ以上を選択することが可能である。このようにして選択された作成元資料の名称が、表示領域531に表示されることとなる。ここで教材作成者が検索実行ボタン532を選択する操作を行うと、表示領域531に名称が表示されている作成元資料により作成された教材、即ち、部品テーブル201において当該作成元資料の作成元資料IDが指定されている部品データの部品データIDを含む教材属性テーブル200を検索する指示がCPU41aに与えられる。CPU41aは、かかる検索実行指示を受け付けると(ステップS207)、表示領域531に表示されている作成資料の名称に対応する作成元資料IDを含む検索要求データをサーバ装置2へ送信する(ステップS208)。
【0060】
サーバ装置2のCPU21aは、当該検索要求データを受信すると(ステップS209)、ハードディスク21dに記憶されている全ての教材属性テーブル200の中から、検索要求データに含まれる作成元資料IDにより特定される作成元資料により作成された教材データ、即ち、前記作成元資料により作成された部品データ、当該部品データに対応する部品テーブル、及び前記部品データの部品データIDを含む教材属性テーブルを検索する(ステップS210)。この処理は、次のようにして行われる。まず、CPU21aは、ハードディスク21dに記憶されている部品テーブル201から、受信した作成元資料IDを含むものを検索する。部品テーブル201が検索されると、CPU21aは、その部品テーブル201に含まれる部品データIDを指定している教材属性テーブル200並びに当該教材属性テーブル200において部品データIDにより指定されている部品に係る部品テーブル201及び部品データ202をハードディスク21dから読み出す。CPU21aは、この処理を全ての部品テーブル201を参照して行い、作成元資料IDにより特定される作成元資料に基づいて作成された教材データの全てを検索する。
【0061】
サーバ装置2のCPU21aは、上述のようにして検索された教材データ、即ち、教材属性テーブル200、部品テーブル201及び部品データ202を教材作成用クライアント装置4へ送信する(ステップS211)。教材作成用クライアント装置4によって、当該教材データが受信される(ステップS212)。次にCPU41aは、部品選択処理を実行する(ステップS213)。
【0062】
図11は、部品選択処理の手順を示すフローチャートである。CPU41aは、この部品選択処理を開始すると、まず画像表示部42に部品一覧画面を表示する。図12は、部品一覧画面の構成を示す図である。部品一覧画面54には、教材作成者によって選択された作成元資料の名称が表示される表示領域541と、検索の結果得られた教材及びその部品がリスト表示される部品リスト領域542と、後述する教材構成一覧画面へ表示を切替えるための表示切替ボタン543とが設けられている。部品リスト領域542には、部品毎に、その部品が現在含まれている教材(以下、「関連教材」という。)の名称及び関連教材における当該部品の出題番号、その関連教材の登録年月日、部品の内容(設問及び解答)を表示するための内容表示ボタン544、部品にメモ(解説)がある場合に表示されるメモボタン、その部品を新規教材の構成に加えるための構成追加ボタン545が表示されている。表示切替ボタン543、内容表示ボタン544及び構成追加ボタン545はマウス操作等により選択可能である。
【0063】
ステップS212において受信された教材属性テーブル200から教材(関連教材)の名称及び出題番号(出題順)等がCPU41aによって抽出され、かかる部品一覧画面54の部品リスト領域542に表示される。教材作成者は、必要に応じて所望の部品の内容表示ボタン544をクリックして部品の内容を確認し、その部品を新たな教材の構成に含めるかどうかを判断する。部品を新たな教材の構成に含める場合には、教材作成者は当該部品に対応する構成追加ボタン545をマウスのクリック操作により選択する。このようにCPU41aは、新規教材への部品データの組み込み指示を受け付け、指示された部品データを新規教材に組み込まれるものとしてRAM41cに当該部品データの部品データID等を記憶する(ステップS301)。ここでは、新規教材が作成される場合には、1以上の部品の組み込み指示を受け付ける。
【0064】
また、部品一覧画面54の表示領域541の右端には、プルダウン用のボタンが設けられており、教材作成者はマウスのクリック操作により当該ボタンを選択することで、ステップS206において受信した全ての作成元資料の名称がプルダウン形式でリスト表示される。この状態において、さらに教材作成者はマウス操作によってリスト表示された作成元資料の名称のうちの1つ以上を選択することが可能である。このような操作により新たな作成元資料の名称が選択されると、この新たな作成元資料の名称に対応する作成元資料IDを含む検索要求データがサーバ装置2へ送信され、サーバ装置2により作成元資料IDにより特定される作成元資料に基づいて作成された教材属性テーブル200が検索され、検索された教材属性テーブル200、部品テーブル201及び部品データ202が教材作成用クライアント装置4へ送信される。そして、部品一覧画面54の表示が更新され、部品リスト領域542において新たに検索された教材及びその部品がリスト表示される。このようにして、教材作成者は、一度選択した作成元資料とは異なる作成元資料を選択し、その作成元資料により作成された部品を新規教材に組み込むこともできる。
【0065】
教材作成者は、所望する部品全ての新たな教材への組み込み入力を完了すると、表示切替ボタン543をマウスのクリック操作により選択する。教材構成一覧画面への表示切替指示を受け付けると、CPU41aは、部品一覧画面54に代えて、画像表示部42に教材構成一覧画面を表示する。
【0066】
図13は、教材構成一覧画面の構成を示す図である。教材構成一覧画面55には、新規教材の名称を入力するための教材名入力領域551と、当該教材名入力領域551の右側に配置され、新規教材の登録実行を指示するための登録ボタン552と、教材作成者によって教材の構成に加えられた部品がリスト表示される構成部品リスト領域553とが設けられている。構成部品リスト領域553には、部品毎に、関連教材の名称及び当該関連教材におけるその部品の出題番号、その関連教材の登録年月日、部品の内容(設問及び解答)を表示するための内容表示ボタン554、部品にメモ(解説)がある場合に表示されるメモボタン、その部品を新規教材の構成から除外するための除外ボタン555が表示されている。また、当該構成部品リスト領域553には、新規教材における部品(設問)の出題順を変更する場合に、後述する出題順変更画面を呼び出すための出題順変更画面表示ボタン556と、前述した部品一覧画面54へ表示を切替えるための表示切替ボタン557とが設けられている。内容表示ボタン554、除外ボタン555、出題順変更画面表示ボタン556及び表示切替ボタン557はマウス操作等により選択可能である。
【0067】
ステップS301において新たな教材に組み込まれた部品に係る関連教材の名称及び当該関連教材における出題番号が、教材構成一覧画面55の構成部品リスト領域553に表示される。教材作成者は、必要に応じて所望の部品の内容表示ボタン554をクリックして部品の内容を確認し、その部品を新たな教材の構成から除外するかどうかを判断する。部品を新たな教材の構成から除外する場合には、教材作成者は当該部品に対応する除外ボタン555をマウスのクリック操作により選択する。このようにCPU41aは、新規教材からの部品データの除外指示を受け付けた場合には、その部品の部品データIDをRAMから削除し、新規教材に組み込んだ部品群から当該部品を除去する(ステップS302)。さらに詳しくは、教材作成者がその時点で新規教材に組み込まれていない部品を新たに組み込む場合には、表示切替ボタン557をクリックする。部品一覧画面への表示切替指示を受け付けると、CPU41aは、部品一覧画面54へ表示を切替える。これにより、教材作成者が再度部品の組み込み作業を行うこともできる。
【0068】
また、新規教材における部品の出題順を変更する場合には、教材作成者は出題順変更画面表示ボタン556をクリックする。これにより、出題順変更画面が画像表示部42に表示される。図14は、出題順変更画面の構成を示す図である。出題順変更画面56には、変更される前の出題順により各部品がリスト表示される変更前部品リスト領域561と、変更後の出題順により各部品がリスト表示される変更後部品リスト領域562と、出題順を変更する部品を選択するための部品選択領域563と、変更後部品リスト領域562に表示されている出題順により部品の出題順の変更を実行する実行ボタン564と、出題順の変更を行うことなく表示画面を教材構成一覧画面55へ切替える取消ボタン565とが設けられている。変更後部品リスト領域562には、設問番号毎にラジオボタンが設けられており、ラジオボタンを選択することで、部品の割り当て対象の設問番号を選択することができるようになっている。部品選択領域563には、教材に組み込まれた部品がリスト表示され、マウス操作により任意の部品を選択可能となっている。また変更後部品リスト領域562と部品選択領域563との間には、マウス操作により選択可能な部品移動ボタン566,567が設けられている。変更後部品リスト領域562において1つのラジオボタンが選択され、部品選択領域563において1つの部品が選択された状態で、左向きの矢印が付された部品移動ボタン566が選択されると、部品選択領域563から当該部品の表示が削除され、変更後部品リスト領域562のラジオボタンが選択されている箇所にその部品の表示が追加される。これにより、ラジオボタンにより選択された変更後の出題番号に当該部品が割り当てられる。また、既に変更後部品リスト領域562において表示されている、出題番号が変更された部品について、その出題番号の変更を取り消したい場合には、教材作成者は、当該出題番号のラジオボタンを選択し、右向きの矢印が付された部品移動ボタン567を選択することで、当該部品の出題番号変更を取り消すことができる。この場合、前記部品移動ボタン567が選択されると、変更後部品リスト領域562においてラジオボタンが選択された出題番号の箇所から部品の表示が削除され、部品選択領域563に当該部品の表示が追加される。このようにして、教材作成者は全ての部品の出題番号を決定した後に、実行ボタン564を選択することにより、部品の出題順の変更が確定される。上記のような操作により、CPU41aは、新規教材における部品の出題順の変更指示を受け付けた場合には、RAM41cに記憶した新規教材に組み込まれた部品の出題順を変更後のものへと書き換え、部品の出題順の変更を実行する(ステップS303)。
【0069】
また、教材作成者は、教材構成一覧画面55において、教材名入力領域551に新規教材の名称を入力する。かかる操作がされたとき、CPU41aは当該新規教材の名称を受け付ける(ステップS304)。
【0070】
なお、コンピュータプログラム44aはイベントドリブン型のコンピュータプログラムであり、上述したステップS302及びS303の処理は必須ではなく、教材作成者が必要としなければ実行しないこともできる。また、教材作成者の必要に応じて、ステップS301〜S304の処理を任意の順番で実行することもできる。
【0071】
ステップS301〜S304の処理によって、新規教材に組み込む部品が決定された後、教材作成者は教材構成一覧画面55における登録ボタン552を選択する。かかる操作がされたとき、CPU41aは新規教材の登録指示を受け付け(ステップS305)、部品選択処理の呼び出しアドレスへと処理をリターンする。
【0072】
部品選択処理が終了すると、CPU41aは、部品選択処理においてRAM41cに記憶した新規教材に関するデータに従って、新規教材に係る教材属性テーブルを作成する(ステップS214)。この教材属性テーブルには、新たに生成された教材IDと、組み込まれた部品に係る部品データIDと、決定された出題順と、論理削除フラグとが含まれている。なお、この状態においては全ての論理削除フラグは「0」にセットされている。次にCPU41aは、作成した教材属性テーブルをサーバ装置2へ送信し(ステップS215)、処理を終了する。
【0073】
サーバ装置2が教材作成用クライアント装置4によって新たに作成された教材属性テーブルを受信すると(ステップS216)、CPU21aはこの教材属性テーブルをハードディスク21dに格納し(ステップS217)、処理を終了する。
【0074】
<教材修正処理>
図15A及び図15Bは、教材修正処理の手順を示すフローチャートである。教材作成者は、上述した教材データ登録処理によって既にサーバ装置2に登録された教材、及び教材作成処理によって既にサーバ装置2に登録された教材を修正することができる。この教材修正処理を実行するためには、教材作成者は、教材登録画面51、教材登録確認画面52、又は教材作成画面53等において部品一覧ボタン503をクリックする。かかる表示切替指示を受け付けると(ステップS401)、CPU41aは、画像表示部42の表示画面を教材修正画面へと切替える(ステップS402)。またCPU41aは、登録されている作成元資料の名称をサーバ装置2へ問い合わせる(ステップS403)。サーバ装置2のCPU21aは、作成元資料の名称の要求データを受信すると(ステップS404)、ハードディスク21dに記憶されている全ての作成元資料テーブル203を読み出し、作成元資料の名称データ及び作成元資料IDを一対一に対応付けた状態で取得して、当該作成元資料の名称及び作成元資料IDを教材作成用クライアント装置4へ送信する(ステップS405)。教材作成用クライアント装置4によって、当該作成元資料の名称データ及び作成元資料IDが受信される(ステップS406)。
【0075】
教材修正画面の構成は、機能領域504に教材登録タブ505及び教材作成タブ506が設けられていない他は、教材作成画面53の構成と同様であるので、その説明を省略する。教材作成画面53と同様の操作によって作成元資料の名称が選択された状態で、検索実行指示が与えられると、教材修正画面において名称が表示されている作成元資料により作成された教材(部品)を検索する指示がCPU41aに与えられる。CPU41aは、かかる検索実行指示を受け付けると(ステップS407)、当該作成資料の名称に対応する作成元資料IDを含む検索要求データをサーバ装置2へ送信する(ステップS408)。
【0076】
サーバ装置2のCPU21aは、当該検索要求データを受信すると(ステップS409)、ハードディスク21dに記憶されている全ての教材属性テーブル200の中から、検索要求データに含まれる作成元資料IDにより特定される作成元資料により作成された教材データを検索する(ステップS410)(部品検索手段)。この処理は、上述したステップS210と同様にして行われる。
【0077】
サーバ装置2のCPU21aは、検索された教材データ、即ち、教材属性テーブル200、部品テーブル201及び部品データ202を教材作成用クライアント装置4へ送信する(ステップS411)。教材作成用クライアント装置4によって、当該教材データが受信され、RAM41cに記憶される(ステップS412)。そしてCPU41aは、教材編集処理を実行する(ステップS413)。
【0078】
図16は、教材編集処理の手順を示すフローチャートである。教材編集処理においては、受信した教材属性テーブル200に係る部品参照画面が画像表示部42に表示される。ここで、ステップS412において受信された教材属性テーブル200が1つだけである場合には、その教材属性テーブル200に係る部品参照画面が表示されることとなる。一方、受信された教材属性テーブル200が複数の場合には、これらの教材属性テーブル200に係る教材名の一覧画面が表示される。この画面では教材作成者が任意の一の教材を選択することができるようになっており、一の教材が選択されると、その教材に係る部品参照画面が表示される。図17は、部品参照画面の構成を示す図である。部品参照画面58の構成は、機能領域504に教材登録タブ505及び教材作成タブ506が設けられていない他は、教材登録確認画面52の構成と同様である。即ち、その機能領域504には、作成元資料の名称が表示される表示領域581と、確定ボタン582と、取消ボタン583とが設けられている。作成元資料の名称の表示領域581には、上述した教材修正画面において選択された作成元資料の名称が表示される。また、当該表示領域581の下方には、その教材に含まれる部品の数だけ部品切替ボタン584が並んでいる。さらに機能領域504には、選択された部品の設問内容を確認するための内容表示ボタン585及び選択された部品を論理的に削除するための論理削除ボタン586が設けられている。
【0079】
教材作成者は、かかる部品参照画面58において、所望の部品についてその教材からの論理的削除を指示すること、即ち、サーバ装置2のハードディスク21dから部品データそのものを削除することなく、当該教材から当該部品を削除したのと同様の効果を得る処理を指示することができる。具体的には、教材作成者は、所望の部品の部品切替ボタン584を選択し、必要に応じて内容表示ボタン585を選択して当該部品の内容を確認し、その部品を教材から論理的に削除するかどうかを判断する。そして、部品を論理的に削除する場合には、その部品の部品切替ボタン584が選択された状態で、論理削除ボタン586をクリックする。これにより、教材作成者は、当該部品のその教材からの論理的削除の指示を教材作成用クライアント装置4に与えることができる。
【0080】
CPU41aは、ある教材について、ある部品の論理的削除の指示を受け付けた場合には(ステップS501においてYES)(削除指示受付手段)、RAM41cに記憶されている当該教材属性テーブル200において、その部品に対応する論理削除フラグを「1」にセットし(ステップS502)(削除属性情報設定手段)、ステップS503へ処理を進める。一方、CPU41aは、ステップS501において部品の論理的削除の指示を受け付けなかった場合には(ステップS501においてNO)、処理をステップS505へと進める。
【0081】
論理削除フラグが「1」にセットされると、画像表示部42の表示画面が論理削除取消画面へと切り替わる。図18は、論理削除取消画面の構成を示す図である。部品参照画面58においてある部品の論理削除を指示する操作が与えられたときには、その部品の部品切替ボタン584が選択されたままの状態で、論理削除ボタン586が削除取消ボタン596へと切り替わり、画面表示が論理削除取消画面59へと遷移する。つまり、論理削除取消画面59は、論理削除ボタン586が削除取消ボタン596へ切り替わる他は、部品参照画面58と同様の構成の画面である。このため、論理削除取消画面59の削除取消ボタン596以外の構成については、部品参照画面58と同一符号を付し、その説明を省略する。削除取消ボタン596は、部品切替ボタン584により選択されている部品(この部品は教材から論理削除されている)について、その論理削除を取り消す指示を教材作成用クライアント装置4に与えるためのボタンである。教材作成者から当該削除取消ボタン596を選択する操作がなされると、教材作成用クライアント装置4に、当該部品について論理的削除を取り消す指示が与えられる。CPU41aは、部品の論理的削除の取り消し指示を受け付けた場合には(ステップS503においてYES)、RAM41cに記憶されている当該教材属性テーブル200において、その部品に対応する論理削除フラグを「0」にセットし(ステップS504)、ステップS505へ処理を進める。一方、CPU41aは、ステップS503において部品の論理的削除の指示を受け付けなかった場合には、処理をステップS505へと進める。
【0082】
例えば名称が「普通免許」の教材の設問番号4の部品において、設問が「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」であり、解答が「8トン」である場合において、道路交通法が改正されたため、その設問及び解答が改正後の道路交通法に対応しなくなったため、この部品を当該教材から論理削除するときには、教材作成者は、「普通免許」の教材についての部品参照画面58において、設問番号4の部品切替ボタン584をクリックし、その後論理削除ボタン586をクリックすればよい。このような操作が行われると、RAM41cに記憶されている「普通免許」の教材属性テーブル200の設問番号4の部品の論理削除フラグが「0」から「1」へと変更される。
【0083】
ステップS505において、CPU41aは、教材作成者から教材修正の実行指示を受け付ける(ステップS505)。かかる指示は、部品参照画面58又は論理削除取消画面59において、教材作成者が確定ボタン582をクリックすることにより行われる。かかる教材修正の実行指示を受け付けると、CPU41aは、教材編集処理を終了し、処理を教材編集処理の呼び出しアドレスへとリターンする。
【0084】
CPU41aは、教材修正処理により修正された教材属性テーブル200をサーバ装置2へと送信する(ステップS414)。サーバ装置2によって当該教材属性テーブル200が受信され(ステップS415)、CPU21aがハードディスク21dに記憶されている教材属性テーブル200を受信した修正済の教材属性テーブル200に書き換える(ステップS416)。またCPU21aは、修正済の教材属性テーブル200において論理削除フラグが「1」へ変更された部品の部品データIDを特定し、その部品データIDを含んでおり、且つ、その部品データIDに対応する論理削除フラグが「0」にセットされている教材属性テーブル200を検索する(ステップS417)(教材検索手段)。検索の結果、1以上の教材属性テーブル200が得られると、CPU21aは、その教材属性テーブル200を教材作成用クライアント装置4へと送信する(ステップS418)(教材検索手段)。
【0085】
教材作成用クライアント装置4は、サーバ装置2から送信された教材属性テーブル200を受信する(ステップS419)(教材検索手段)。CPU41aは、受信した教材属性テーブル200から教材の名称を抽出し、教材の名称がリスト表示された削除画面を画像表示部42に表示する(ステップS420)(教材検索手段、検索結果一覧表示手段)。図19は、削除画面の構成を示す図である。この削除画面は、上述した処理により一の教材から論理削除された部品を構成要素に含む他の教材からも、当該部品を論理削除するために用いられる。削除画面60には、上述の処理により教材から論理削除された部品を要素として含む教材の名称がリスト表示される。なお、上述のように修正された教材からは既に前記部品が論理削除されているため、削除画面60に表示される教材の名称には、この修正済の教材の名称は含まれない。各教材の名称の横には、チェックボックス601が設けられている。教材作成者は、この部品を論理削除する必要のある教材に対応するチェックボックス601を選択し、部品を論理削除する対象の教材を指定する。また削除画面60には、論理削除の実行を指示するための削除実行ボタン602が設けられている。教材作成者は、部品の論理削除対象の教材をチェックボックス601を選択することにより指定し、削除実行ボタン602をクリックすることにより、指定した教材から当該部品を論理削除する指示を教材作成用クライアント装置4に与えることができる。
【0086】
CPU41aは、部品を論理削除する教材の指定及び論理削除の実行指示を受け付けると(ステップS421)(削除指示受付手段、第2削除指示受付手段)、RAM41cに記憶されている、指定された教材の教材属性テーブル200において、当該部品に対応する論理削除フラグを「1」にセットする(ステップS422)(削除属性情報変更手段、第2削除属性情報変更手段)。
【0087】
またCPU41aは、部品の論理削除が指示された教材の名称のリストを含む部品追加画面を画像表示部42に表示する。図20は、部品追加画面の構成を示す図である。この部品追加画面61は、上述した処理により部品が論理削除された教材に、新たに部品を追加するために用いられる。部品追加画面61には、上述ように部品の論理削除が指示された教材の名称がリスト表示される。各教材の名称の横には、その教材についての教材構成一覧画面を呼び出すための表示切替ボタン611が設けられている。教材作成者は、部品の論理削除を指定した教材に、新たに別の部品を追加したい場合には、部品を追加したい教材に対応する表示切替ボタン611をクリックする。これにより、その教材についての教材構成一覧画面55に画像表示部42の表示が切り替わる。教材作成者は、教材構成一覧画面55において表示切替ボタン556をクリックすることにより、部品一覧画面54へと表示を切替えることができ、この部品一覧画面54において表示領域541に所望の作成元資料の名称を選択入力した上で、その作成元資料から作成された所望の部品に対応する構成追加ボタン545をクリックすることで、その教材に新たな部品を追加することができる。
【0088】
例えば、名称が「交通法規」の教材において、設問「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」及びその解答「8トン」の部品を論理削除する場合には、教材作成者は、削除画面60の教材の名称「交通法規」の横に配置されているチェックボックス601を選択し、削除実行ボタン602をクリックする。この場合において、この部品に代えて改正後の道路交通法に対応している設問「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」及びその解答「5トン」の部品を当該教材に追加するときには、部品追加画面61の教材の名称「交通法規」の横に配置されている表示切替ボタン611をクリックし、当該教材「交通法規」についての教材構成一覧画面55を表示させる。さらに教材作成者は、表示切替ボタン557をクリックして部品一覧画面54を表示させ、その表示領域541において「改正道路交通法」の作成元資料を選択入力する。これにより、当該作成元資料から作成された関連教材及びその部品の設問番号のリストが表示される。教材作成者は、必要に応じて所望の部品の内容表示ボタン544をクリックして部品の内容を確認し、上述した改正後の道路交通法に対応した部品を探し、その部品の構成追加ボタン545をクリックすることにより、「交通法規」の教材に改正後の道路交通法に対応した部品を追加することができる。
【0089】
またこのとき、教材「交通法規」とは異なる、名称が「交通法規(旧)」の教材において、設問「普通免許を受けていれば、車両総重量[ ]未満の自動車を運転することができる。」及びその解答「8トン」の部品が含まれており、この部品を当該「交通法規(旧)」の教材から論理削除しない場合には、教材作成者は、削除画面60の教材の名称「交通法規(旧)」の横に配置されているチェックボックス601は選択せずに、削除実行ボタン602をクリックすればよい。これにより、「交通法規(旧)」の当該部品は論理削除の対象とされず、この部品に対応する論理削除フラグは「0」のままとされる。
【0090】
CPU41aは、教材への部品の追加指示を受け付けると(ステップS423)(追加指示受付手段)、RAM41cに記憶されている、指定された教材の教材属性テーブル200において、追加を指示された部品の部品データID及び論理削除フラグ「0」を追加する(ステップS424)。
【0091】
CPU41aは、上述したステップS421〜S424の処理により修正された教材属性テーブル200をサーバ装置2へと送信し(ステップS425)、処理を終了する。サーバ装置2によって当該教材属性テーブル200が受信され(ステップS426)、CPU21aは、ハードディスク21dに記憶されている教材属性テーブル200を受信した修正済の教材属性テーブル200に書き換え(ステップS427)、処理を終了する。
【0092】
<教材データ再生処理>
図21は、教材データ再生処理の手順を示すフローチャートである。学習者は、学習支援システム1により学習を行う場合には、コンピュータ3aを操作して、コンピュータプログラム34aをCPU31aにより実行し、画面(図示せず)に表示される指示に従って、学習する教材の指定及び学習開始の指示を学習用クライアント装置3に与える。学習用クライアント装置3のCPU31aは、かかる教材の指定及び学習開始の指示を受け付けると(ステップS601)、当該教材の教材IDを含む教材要求データをサーバ装置2へと送信する(ステップS602)。
【0093】
サーバ装置2が上述した教材要求データを受信すると(ステップS603)、CPU21aがその教材要求データに含まれる教材IDにより特定される教材属性テーブル200をハードディスク21dから読み出し、学習用クライアント装置3へと送信する(ステップS604)。
【0094】
学習用クライアント装置3が教材属性テーブル200を受信すると(ステップS605)、CPU31aが設問番号として1を選択し(ステップS606)、教材属性テーブル200に含まれる当該設問番号の部品についての論理削除フラグに「0」がセットされているか否かを判定する(ステップS607)。論理削除フラグに「0」がセットされている場合には(ステップS607においてYES)、CPU31aは、その部品データIDを含む部品要求データをサーバ装置2へと送信する(ステップS608)。一方、ステップS607において論理削除フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS607においてNO)、CPU31aは処理をステップS613へ進める。
【0095】
サーバ装置2が上述した部品要求データを受信すると(ステップS609)、CPU21aがその部品要求データに含まれる部品データIDにより特定される部品データ202をハードディスク21dから読み出し、学習用クライアント装置3へと送信する(ステップS610)。
【0096】
学習用クライアント装置3が部品データ202を受信すると(ステップS611)、CPU31aが部品データ202を再生する(ステップS612)(再生手段)。なお、ここでいう再生とは、本実施の形態においては部品データが文字データであるため、その文字データにより示される文字を画像表示部32に表示(出力)することをいう。しかしながら、これに限定されるものではなく、部品データが動画データ、静止画データ、若しくは音声データ又はマルチメディアデータ(動画データ、静止画データ、音声データ、及び文字データの一部又は全部の組み合わせ)である場合には、これらの動画データ、静止画データ、若しくは音声データ又はマルチメディアデータを再生すること、即ち、動画データが示す動画を表示し、静止画データが示す静止画を表示し、若しくは音声データが示す音声を出力し、又はマルチメディアデータが示す動画、静止画、音声、及び文字の一部又は全部の組み合わせを出力することをいう。
【0097】
部品データ202の再生が終了すると、CPU31aは設問番号をインクリメントし(ステップS613)、この設問番号に対応する部品が教材属性テーブル200において指定されているか否かを判定する(ステップS614)。教材属性テーブル200において設問番号に対応する部品が指定されている、即ち、教材属性テーブル200に当該設問番号が含まれている場合には(ステップS614においてNO)、CPU31aはステップS607へ処理を戻し、教材属性テーブル200に含まれる当該設問番号の部品についての論理削除フラグに「0」がセットされているか否かを判定する。
【0098】
一方、ステップS614において、教材属性テーブル200において設問番号に対応する部品が指定されていない、即ち、教材属性テーブル200に当該設問番号が含まれていない場合には(ステップS614においてYES)、CPU31aは処理を終了する。
【0099】
上述の如く構成したことにより、本実施の形態に係る学習支援システム1は、内容を修正した教材を作成する際に、既にサーバ装置2に登録されている教材を利用して、その教材を修正することができる。つまり、教材の部品を論理削除することで、この部品を実質的には当該教材から削除したのと同様の効果を得ることができる。このため、従来のように内容を修正した教材の全部を新規に作成する必要がない。
【0100】
また、同一の部品を要素として含む2以上の教材がサーバ装置2に登録されている場合において、一方の教材から当該部品を論理削除しても、その部品自体がサーバ装置2のハードディスク21dから実際に削除されることがないので、他方の教材において当該部品を含めたままの状態を維持することができる。
【0101】
さらに、この場合において、その部品が法律等の改正又は環境の変化などにより内容が古いものとなってしまったときには、当該部品が論理削除された教材において、新たな内容の部品を追加することにより、一方の教材においては最新の内容とし、他方の教材においては古い内容のままとすることができる。これにより、新人教育等においては、最新の内容だけでなく、古い内容も示してどのように法律等が改正され、又は環境が変化したのか等、その修正の経緯を教育することができ、熟練者の教育等においては、古い内容の部品が含まれた他方の教材が残されているため、熟練者が新たな部品が含まれた教材の内容が間違っていると勘違いするようなことがない。
【0102】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、部品データ202が文字データによって構成された場合について述べたが、これに限定されるものではない。一部又は全部の部品データが、動画データ、静止画データ、又は音声データによって構成されていてもよいし、動画データ、静止画データ、音声データ、及び文字データの一部又は全部を組み合わせたマルチメディアデータによって構成されていてもよい。
【0103】
また、上述した実施の形態においては、学習支援システム1が、サーバ装置2、学習用クライアント装置3、及び教材作成用クライアント装置4によって構成されている場合について述べたが、これに限定されるものではない。サーバ装置2、学習用クライアント装置3及び教材作成用クライアント装置4の機能の全てを1台の装置に搭載した学習支援システムとしてもよいし、サーバ装置2、学習用クライアント装置3、及び教材作成用クライアント装置4のうちの任意の2つの機能を1台の装置に搭載し、他の1つの機能は別の装置に搭載する2台の装置によって構成された学習支援システムとしてもよい。
【0104】
また、上述した実施の形態においては、教材作成処理及び教材修正処理において、部品及びその部品を含む教材を検索するために、前記部品の作成元資料の名称を検索キーとして用いる構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、教材の名称、部品データID等、部品を特定し得る情報であれば、作成元資料の名称情報でなくてもよい。また、作成元資料の名称ではなく、作成元資料IDのような作成元資料の属性情報を検索キーとするものであってもよい。
【0105】
また、上述した実施の形態においては、学習用クライアント装置3がコンピュータ3aにより構成されている場合について述べたが、これに限定されるものではない。学習用クライアント装置3を、携帯型電話機、スマートフォン、PDA、携帯型ゲーム機により構成してもよい。
【0106】
また、上述した実施の形態においては、単一のコンピュータ2aによりコンピュータプログラム24aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム24aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。コンピュータ3a,4aについても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の学習支援システム、学習支援方法、及びコンピュータプログラムは、映像、音声及び/又は文字からなる一又は複数の部品データから構成された教材により学習者の教育を支援するための学習支援システム及び学習支援方法、並びにコンピュータに教材の作成を支援させるためのコンピュータプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0108】
1 学習支援システム
2 サーバ装置
3 学習用クライアント装置
4 教材作成用クライアント装置
5 情報ネットワーク
2a コンピュータ
21a CPU
21c RAM
21d ハードディスク
24a コンピュータプログラム
24 可搬型記録媒体
200 教材属性テーブル
200a 教材ID
200b 教材名
200c 部品データID
200e 論理削除フラグ
201 部品テーブル
201a 部品データID
201c 部品データ所在情報
202 部品データ
203 作成元資料テーブル
203b 作成元資料名
204 作成元資料データ
3 学習用クライアント装置
3a コンピュータ
32 画像表示部
33 入力部
31d ハードディスク
34a コンピュータプログラム
34 記録媒体
4 教材作成用クライアント装置
4a コンピュータ
42 画像表示部
43 入力部
41d ハードディスク
44a コンピュータプログラム
44 記録媒体
400 教材ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像、音声及び文字の少なくとも一つからなる一又は複数の部品データを含む教材データの前記部品データを再生することにより、学習者の学習を支援するための学習支援システムであって、
部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とを記憶する記憶部と、
教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付ける削除指示受付手段と、
前記削除指示受付手段により削除の指示が受け付けられた部品データの削除属性情報を、教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定することにより、前記教材データから前記部品データを削除する削除属性情報設定手段と、
学習者が教材データに基づいて学習を実施するときに、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていないことが示されている部品データを再生し、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていることが示されている部品データを再生しない再生手段と、
を備える、学習支援システム。
【請求項2】
同一の部品データを含む複数の教材データが存在する場合において、前記削除指示受付手段により一方の教材データからの前記部品データの削除の指示が受け付けられた後に、他方の教材データからの前記部品データの削除の指示を受け付ける第2削除指示受付手段と、
前記第2削除指示受付手段により前記他方の教材データからの前記部品データの削除の指示が受け付けられたときに、前記他方の教材データに含まれる削除が指示された部品データの削除属性情報を、前記他方の教材データから当該部品データが削除されたことを示すものへと変更する第2削除属性情報変更手段と、
をさらに備える、請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
同一の部品データを含む複数の教材データを検索する教材検索手段をさらに備え、
前記削除指示受付手段は、前記教材検索手段によって検索された教材データのそれぞれについて、前記部品データの削除の指示を受け付けるように構成されている、
請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項4】
前記教材データは、教材名を含んでおり、
前記教材検索手段により検索された教材データの教材名を一覧表示する検索結果一覧表示手段をさらに備え、
前記削除指示受付手段は、前記検索結果一覧表示手段によって一覧表示された各教材名の選択を個別に受け付けるように構成されている、
請求項3に記載の学習支援システム。
【請求項5】
前記教材データからの前記部品データの削除が指示された場合に、削除が指示された部品データを含む教材データについて、新たな部品データの追加の指示を受け付ける追加指示受付手段をさらに備える、
請求項1乃至4の何れかに記載の学習支援システム。
【請求項6】
部品データを検索する部品検索手段をさらに備え、
前記削除指示受付手段は、前記部品検索手段によって検索された部品データの削除の指示を受け付けるように構成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の学習支援システム。
【請求項7】
前記記憶部は、部品データ毎に、その部品データの属性を示す部品属性情報を記憶しており、
前記部品検索手段は、前記部品属性情報を検索キーとして部品データを検索するように構成されている、
請求項6に記載の学習支援システム。
【請求項8】
前記部品属性情報は、前記部品データを作成する際に用いられた資料に関する情報である、請求項7に記載の学習支援システム。
【請求項9】
映像、音声及び文字の少なくとも一つからなる一又は複数の部品データを含む教材データの各部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とを記憶する記憶部を備える学習支援システムにより学習者の学習を支援する学習支援方法であって、
教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付ける削除指示受付工程と、
部品データの削除が指示された場合に、前記記憶部に記憶されている前記部品データの削除属性情報を、前記教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定する設定工程と、
学習者が教材データに基づいて学習を実施するときに、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていないことが示されている部品データを再生し、前記削除属性情報において前記教材データから削除されていることが示されている部品データを再生しない再生工程と、
を有する、学習支援方法。
【請求項10】
学習者の学習を支援する学習支援システムで用いられる教材データの作成を、記憶部を具備するコンピュータに支援させるためのコンピュータプログラムであって、
前記記憶部には、映像、音声及び文字の少なくとも一つからなり、前記学習支援システムで再生可能な一又は複数の部品データを含む教材データに含まれる部品データと、教材データから部品データが削除されたか否かを示す削除属性情報とが記憶されており、
教材データが修正されるときに、教材データに含まれる部品データの削除の指示を受け付けるステップと、
部品データの削除が指示された場合に、前記部品データを前記学習支援システムで再生させないために、前記記憶部に記憶されている前記部品データに対応する削除属性情報を、前記教材データから当該部品データが削除されたことを示すものに設定するステップと、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−154517(P2011−154517A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15311(P2010−15311)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】