説明

安全なコンテンツ配信システム及び方法

安全なコンテンツ配信のためのシステム及び方法が提供されている。本システム及び方法は、メディアプレーヤーを備えたデバイスを、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスの1つ又はそれ以上の属性に基づいて確認するコンテンツシステムを有しており、コンテンツシステムは、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスが確認されたときに限り、コンテンツを、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスへ配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張/関連出願)
本出願は、35USC第119条(e)及び同第120条の下、2009年9月24日出願の米国仮特許出願第61/245,662号「安全なコンテンツ配信システム及び方法」に対する恩典を主張し、同仮出願の全内容をここに参考文献として援用する。
【0002】
本開示は、概括的には、コンテンツをデバイスに安全に配信するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンテンツストリーミングのシステム及び方法は知られている。これらのシステムの殆どでは、コンテンツプロバイダは、彼らがコンテンツをデバイスへ安全にストリームできるように、クライアントアプリケーションを提供している。コンテンツプロバイダがクライアントアプリケーションを制御している場合、コンテンツプロバイダの手元のクライアントアプリケーションに対する証明書が、コンテンツのデバイスへの安全なストリーミングを提供するのに使用される。しかしながら、コンテンツプロバイダがクライアントアプリケーションを制御下に置いていないならば、コンテンツの安全なストリーミングを提供するのに証明書を使用することはできない。コンテンツプレーヤーを備えたデバイスで、コンテンツプロバイダによって提供されていない場合でも、その様なデバイスへのコンテンツの安全な配信を可能にするシステム及び方法を提供するのが望ましくあり、それを実現することに本開示は向けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/245,662号
【発明の概要】
【0005】
安全なコンテンツ配信のためのシステム及び方法が提供されている。本システム及び方法は、メディアプレーヤーを備えたデバイスを、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスの1つ又はそれ以上の属性に基づいて確認するコンテンツシステムを有しており、コンテンツシステムは、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスが確認されたときに限り、コンテンツを、当該メディアプレーヤーを備えたデバイスへ配信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】安全なコンテンツ配信システムを示している。
【図2】安全なコンテンツ配信のための方法を示している。
【図3】安全なコンテンツ配信システムからのコンテンツを要求し受信するデバイスを示している。
【図4】安全なコンテンツ配信システムからのコンテンツを要求し受信するデバイスを示している。
【図5】安全なコンテンツ配信システムからのコンテンツを要求し受信するデバイスを示している。
【図6】安全なコンテンツ配信システムからのコンテンツを要求し受信するデバイスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、コンテンツをコンテンツシステム12から1つ又はそれ以上のコンピュータデバイス14へインターネットの様な公開リンク16を介して安全に配信できるようにする安全なコンテンツ配信システム10を示している。1つの実施形態では、システムは、映画をモバイルデバイスへ安全にストリームするのに使用することができ、以下に説明されているのは、この実施形態である。しかしながら、本開示は、この実施形態に限定されるものではなく、というのも、本システム及び方法は、様々なタイプのデジタルコンテンツ(映画、テレビ番組、映像など)を安全に配信するのに使用することができ、また本システム及び方法は、コンテンツを非ストリーミング方式で安全に配信するのに使用することができ、そしてまた本システム及び方法は、コンテンツを、少なくともディスプレイとメディアプレーヤーと有線式又は無線式の接続性能を備えた多種多様な処理ユニットベースのデバイスへ、例えば、モバイルフォン、スマートフォン(例えばAppleのiPhone、Blackberryデバイス、又はPalmデバイスなど)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ゲーム用コンソール、端末、及びメディアプレーヤーと有線式又は無線式の接続性能を備えたそれ以外の処理ユニットベースのデバイスなどへ、安全に配信するのに使用することができるからである。
【0008】
図1に示されている実施形態では、メディアプレーヤー14を備えたデバイスは、コンテンツシステム12との接続を確立するのに、3Gなどの様なデジタルデータネットワークやWiFiの様な無線ローカルエリアネットワークを使用する無線デバイス又は有線式ネットワークを使用するデバイスであってもよい。例えば、図3−図6に示されている様に、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)は、メディアプレーヤー14を備えたデバイスということになる。システムは、コンテンツシステム12に、デバイス14がコンテンツを受信する権利を付与されていることを確認させ、次いで、デバイスが確認されたら、コンテンツを当該デバイスへ安全にストリームさせる。システムは、以下に説明されている様に、誰かが権利を付与されているデバイスになりすましてコンテンツを盗むもうとするのを防止する。
【0009】
コンテンツシステム12は、更に、コンテンツシステムからのコンテンツを要求しようと試みるそれぞれのデバイスについてプロファイルを記憶するデバイスプロファイル記憶20を含むことができ、デバイスプロファイル記憶20は、例えばソフトウェア又はハードウェアのデータベース、データ構造、又は類似のストレージなど、様々な方式で実装することができるであろう。プロファイルは、メディアプレーヤーを備えたそれぞれのデバイスの特性/属性に基づいて集められているものであって、デバイスがコンテンツを配信してもらう権利を付与されていることを確認するのに使用することができる。それぞれのデバイスのプロファイルには、デバイスそれぞれについての複数の属性が含まれていてもよい。1つの実装例では、それぞれのデバイスに関連付けられている属性値は20−60個ある。例えば、属性には、デバイスのプラットフォーム、デバイス側のプラグイン、デバイス側のプラグインの挙動、デバイスの安全なプロトコルネゴシエーションなどが含まれる。プラグインは、ブラウザの能力を拡張するのに使用することができ、それらを独立に更新することができる。よくあるプラグインの一例はフラッシュである。プラットフォーム属性については、Apple(登録商標)のiPhone(登録商標)ならAppleプラットフォーム値を有し、個人用コンピュータデバイスならWin32プラットフォーム属性を有し、またBlackberryデバイスならBBプラットフォーム属性を有する、というような具合である。別の例として、プロトコルネゴシエーション属性については、一部の特定のデバイスは、デバイスのタイプをプロトコルネゴシエーションに基づいて判定することができるようなやり方で暗号化又はプロトコルをネゴシエートしている。諸属性は、デバイス及びプラットフォーム上の個々のブラウザエンジンの固有の挙動を定義している。それは、関数呼び出しによる結果が異なったり又は算術的要求における精度のレベルが異なったりという形で表出する。
【0010】
コンテンツシステム12は、更に、図2に関連付けて更に詳細に説明されているコンテンツの安全な配信を提供するために様々な動作を遂行するコンテンツマネジャ22であって、1つの実装例ではコンピュータコードを実行する1つ又はそれ以上のサーバコンピュータとして実装されているコンテンツシステムマネジャ22を備えている。簡単にいうと、コンテンツシステムマネジャ22は、図1に示されているプロファイル確認を遂行し、更に、メディアユニット24(1つの実装例ではコンテンツをストリームするメディアストリーミングユニットである)を制御する。メディアユニット24は、デバイス14がコンテンツを受信する権利を付与されている場合は、コンテンツをデバイスへ配信する。メディアユニット24は、当該メディアユニットに関連付けられているメディア記憶26から、配信されるべきコンテンツを検索する。
【0011】
図2は、コンテンツシステム12とデバイス14の間の安全なコンテンツ配信のための方法30を示している。ユーザーがコンテンツと対話することを望んでいるデバイスは、HTTPやHTTPSの様な様々なプロトコルを使用して配信されているコンテンツを求める要求をコンテンツシステムへ送信する(32)。コンテンツシステム(具体的にはコンテンツシステムマネジャ22)は折り返しデバイス14にプロファイル確認要求を含む応答を送信する(34)が、当該プロファイル確認要求は1つの実装例ではJavascriptとして実装されていて、それがデバイスに送信される。プロファイル確認要求は、デバイスの複数の属性の値を要求するものであり、デバイスの複数の属性は、デバイスプロファイル記憶に記憶されている属性全てのうちのサブセットである。加えて、システムの安全性を強化するため、それぞれのデバイスへ向けて放たれるそれぞれのプロファイル確認要求は、ランダムな属性数、ランダムな属性順序、及び/又は異なった属性サブセットを有していてもよい。そうすると、デバイスからの応答が傍受されても、それぞれのプロファイル確認要求は、要求されている属性数の項、要求されている属性値の順序の項、及び/又はそれぞれの要求に含まれている特定の属性の項が異なるために、傍受された応答を後で使って、権利を付与されているデバイスになりすますことはできない。
【0012】
プロファイル確認要求への応答で、デバイスは(プロファイル確認要求を翻訳することのできるブラウザアプリケーションを使用して)、プロファイル要求結果を付けた応答を送り返す(36)。プロファイル要求結果は、それぞれの要求されている属性についての値を提供している「1」と「0」の連続となる。コンテンツシステムマネジャ22は、当該特定のデバイスについてプロファイル要求結果とプロファイル確認要求とを使用して、デバイスのプロファイルを確認する(37)。具体的には、コンテンツシステムマネジャ22は、プロファイル要求結果中の要求されている属性についての値を、デバイスプロファイル記憶20に記憶されている同じ属性の値に照らして比較する。プロファイル要求結果中の当該特定の属性の値が、デバイスプロファイル記憶20内のそれら同じ特定の属性についての値と一致すれば(又は或る特定範囲内に納まれば)、コンテンツシステムマネジャ22は、デバイスがコンテンツへアクセス権を持っているものと確認する。すると、コンテンツシステム(コンテンツシステムマネジャ22)は、デバイスに許可を与えることができる(38)。許可は、デバイスがコンテンツにアクセスできるようにするリンクであってもよいし、或いは、デバイスがそれ以前に提供されているリンク又は経路を介してコンテンツにアクセスできるようになるだけのことであってもよい。許可が下りたら、コンテンツはデバイスによるアクセスが可能になる。デバイスが権利を付与されているデバイスでなかったなら、コンテンツシステムマネジャ22は、デバイスがコンテンツにアクセスできないようにデバイスへデッドリンクを送り返してもよいであろうし、又はコンテンツシステムマネジャ22は、メディアユニット24内のコンテンツリンクを使用不可にしてもよいであろう。
【0013】
図3−図6は、安全なコンテンツ配信システムからのコンテンツを要求し受信するデバイスを示している。具体的には、図3は、AppleのiPhone上でサービスを通して利用できるストリーミング映画をユーザーが閲覧しているところを示している。図4は、ユーザーがコンテンツを選択したときのデバイスのユーザーインターフェースを示しており、このとき、ユーザーには知られずにバックグラウンドではコンテンツシステムがデバイスを確認中である。デバイスが確認されたら、ユーザーは、図5及び図6に示されている様に、メディアプレーヤーにコンテンツを再生することができる。
【0014】
以上は本発明の或る特定の実施形態に関連付けられているが、当業者には、この実施形態の変更が、付随の特許請求の範囲によって範囲が定義されている開示の原理及び精神から逸脱することなくなされ得ることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0015】
10 安全なコンテンツ配信システム
12 コンテンツシステム
14 コンピュータデバイス、メディアプレーヤー
16 公開リンク
20 デバイスプロファイル記憶
22 コンテンツシステムマネジャ
24 メディアユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツシステムから処理ユニットベースのコンピュータデバイスへの安全なコンテンツ配信のためのシステムにおいて、
コンテンツシステムからのコンテンツをリンクを介して要求する、メディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスを備え、
更に、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスからの前記コンテンツを求める前記要求を受信し、当該処理ユニットベースのコンピュータデバイスへプロファイル確認要求を送信し、当該処理ユニットベースのコンピュータデバイスからプロファイル確認要求応答を受信し、前記プロファイル確認要求応答に基づいて、当該処理ユニットベースのコンピュータデバイスが前記コンテンツへアクセスする権利を付与されていることを確認する、コンテンツシステムマネジャと、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスが前記コンテンツへアクセスする権利を付与されている場合に限り、前記要求されたコンテンツを当該処理ユニットベースのコンピュータデバイスへ配信するコンテンツユニットと、を備えている、システム。
【請求項2】
前記コンテンツシステムは、更に、それぞれの処理ユニットベースのコンピュータデバイスのプロファイルを記憶するデバイスプロファイル記憶を備えており、或る特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスについての記憶されている前記プロファイルは、前記コンテンツシステムマネジャによって、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスのアクセス権を確認するために使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
それぞれのプロファイルは、更に、前記特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスに関連付けられる複数の属性を備え、それぞれのプロファイル確認要求応答は、更に、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスに関連付けられる複数の属性を備えており、前記コンテンツシステムマネジャは、前記特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスについての前記プロファイル中と前記プロファイル確認要求応答中の前記複数の属性を比較して、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスが前記コンテンツへアクセスする権利を付与されているかどうかを判定する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の属性は、更に、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスのプラットフォーム、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスにインストールされているプラグインのセット、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスにインストールされている前記プラグインの挙動、及び前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスの安全なプロトコルネゴシエーションを備えている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテンツユニットは、更に、ストリーミングメディアユニットを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンテンツは、映画、テレビ番組、及び映像、音楽、及び画像のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
コンテンツシステムからメディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスへの安全なコンテンツ配信のための方法において、
メディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスによる、コンテンツシステムからのコンテンツを要求する段階と、
前記コンテンツシステムにて、プロファイル要求を生成する段階と、
前記プロファイル要求を、前記コンテンツを要求中の前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスへ送信する段階と、
前記コンテンツシステムにて、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスから前記プロファイル要求に対する応答を受信する段階と、
前記コンテンツシステム内で、前記プロファイル要求への前記応答に基づいて、前記メディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスが前記コンテンツへアクセスする権利を付与されていることを確認する段階と、
前記メディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスが確認されれば、前記コンテンツを当該メディアプレーヤーを備えた処理ユニットベースのコンピュータデバイスへ配信する段階と、から成る方法。
【請求項8】
更に、前記コンテンツシステムのデバイスプロファイルの中に、それぞれの処理ユニットベースのコンピュータデバイスのプロファイルを記憶する段階を備えており、或る特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスについての記憶されている前記プロファイルは、前記コンテンツシステムによって、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスのアクセス権を確認するために使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
それぞれのプロファイルは、更に、前記特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスに関連付けられる複数の属性を備え、それぞれのプロファイル確認要求応答は、更に、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスに関連付けられる複数の属性を備えており、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスを確認する段階は、更に、前記特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスについての前記プロファイル中と前記プロファイル確認要求応答中の前記複数の属性を比較して、当該特定の処理ユニットベースのコンピュータデバイスが前記コンテンツへアクセスする権利を付与されているかどうかを判定する段階を含んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の属性は、更に、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスのプラットフォーム、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスにインストールされているプラグインのセット、前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスにインストールされている前記プラグインの挙動、及び前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスの安全なプロトコルネゴシエーションを備えている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コンテンツを配信する段階は、更に、前記コンテンツをリンクを介して前記処理ユニットベースのコンピュータデバイスへストリームする段階を含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記コンテンツは、映画、テレビ番組、及び映像、音楽、及び画像のうちの1つである、請求項7に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−506202(P2013−506202A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531082(P2012−531082)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/050283
【国際公開番号】WO2011/038282
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
【出願人】(509192307)エムスポット インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】