安全スイッチ付扉ロック装置
【課題】扉が閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがなく、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができるようにした安全スイッチ付扉ロック装置を提供する。
【解決手段】扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた外側ハンドル10と、開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、外側ハンドルの第1の操作M1により回転して扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータ8と、アクチュエータが扉に収納されている状態において、前記外側ハンドルが第1の操作を行えない状態に規制する規制手段(規制凹部22a、22b、規制ピン23)と、第1の操作と異なる第2の操作H2がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段とを備えた。
【解決手段】扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた外側ハンドル10と、開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、外側ハンドルの第1の操作M1により回転して扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータ8と、アクチュエータが扉に収納されている状態において、前記外側ハンドルが第1の操作を行えない状態に規制する規制手段(規制凹部22a、22b、規制ピン23)と、第1の操作と異なる第2の操作H2がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機械(工作機械やロボット等)等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の安全スイッチ付扉ロック装置としては、扉の開放操作及び閉塞操作をするために扉に設けられたハンドルと、産業機械の所定の作業領域を仕切る仕切壁側に設けられた安全スイッチと、ハンドルの回転操作により回転して扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータとを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3580990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の安全スイッチ付扉ロック装置では、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前にハンドルを回転操作可能となっているため、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出して安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損する虞がある。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがなく、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができるようにした安全スイッチ付扉ロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置であって、前記扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、前記操作部の第1の操作により前記扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータと、前記アクチュエータが前記安全スイッチ側に回動する前の前記扉に収納されている状態において、前記操作部が第1の操作を行えない状態に規制する規制手段と、第1の操作と異なる第2の操作がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
「第1の操作」には、回転操作やスライド操作が含まれる。「操作部」は、例えば、実施の形態の外側ハンドルが含まれる。
上記構成により、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前は操作部が第1の操作が行えない状態となっている。従って、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがないので、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができる。
【0007】
また、本発明は、第2の操作が操作部自体の操作の場合であってもよく、操作部とは異なる操作部の操作であってもよい。ここで、「操作部自体の操作」とは、操作部を押し込み操作すること、操作部を傾斜操作すること等が含まれる。「異なる操作部の操作」とは、操作部に設けたボタンを押す操作や操作部とは別位置に設けたボタンを押す操作等が含まれる。
また、本発明は、前記操作部の第1の操作は回転操作であり、前記操作部の第2の操作は押込み操作であり、前記規制手段は、前記操作部の回転操作に連動して回転可能で且つ前記操作部の押込み操作に連動して押込み方向に移動自在なシャフトと、シャフトに固定される規制ピンと、規制ピンが嵌り込み規制ピンの回転を規制する規制凹部と、前記シャフトを押込み方向とは反対方向に付勢して前記規制ピンを前記規制凹部に嵌り込んだ状態に保持する付勢手段を備えるとともに、前記シャフトは前記解除手段をも兼ねており、前記アクチュエータが扉に収納されている状態においては、前記付勢手段の付勢力により前記規制ピンが前記規制凹部に嵌り込んで、前記操作部が第1の操作である回転操作を行えない状態に規制されており、前記操作部が第2の操作である押込み操作された場合には、前記シャフトが前記付勢手段の付勢力に抗して押込み方向に移動し、前記規制ピンが前記規制凹部から離脱して前記操作部の回転操作規制状態が解除されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前は操作部が第1の操作が行えない状態となっている。従って、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがないので、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る安全スイッチ付扉ロック装置を、実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態に係る安全スイッチ付扉ロック装置の使用例を示す図、図2は安全スイッチ付扉ロック装置の動作を説明するための図である。なお、図2(1)はアクチュエータが突出していない状態を示し、図2(2)はアクチュエータが突出した状態を示す。
【0011】
本発明の実施の形態に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、例えば図1に示すようなシステムに適用される。産業用ロボットや工作機械等の機械1は、仕切壁2で囲まれている。仕切壁2には開口部3が設けられ、開口部3を通ってオペレータや搬送物が外部と機械1との間を出入りできる。仕切壁2には開口部3を閉じるための扉4が設けられている。扉4は開閉式扉である。
【0012】
このようなシステムにおいて、作業者の安全確保のために本発明に係る安全スイッチ付扉ロック装置5が設けられている。安全スイッチ付扉ロック装置5は、仕切壁2の端部2a付近に設けられる安全スイッチ6、安全スイッチ6の挿入口7に挿入するアクチュエータ8が先端部に取り付けられた取付体9、回転操作により取付体9を回転させてアクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10、扉4の外側面に設けられアクチュエータ8を収納するケース11等を備える。なお、ケース11には外側ハンドル10が装着されている。また、扉4の内側面には内側ハンドル12が装着されている。
【0013】
安全スイッチ付扉ロック装置5の動作を簡単に説明すると、外側ハンドル10は押し込み操作しないと回転操作できないようになっており、扉4を閉めた後に外側ハンドル10を押し込む。次いで、外側ハンドル10を回転操作することにより、取付体9が回転してアクチュエータ8が突出して安全スイッチ6の挿入口7に挿入され、扉4がロック状態となる。
【0014】
図3は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め前方側から見た分解斜視図、図4は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め後方側から見た分解斜視図、図5は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込む前の状態を示す図、図6は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込んだ後にハンドルを回転操作した状態を示す図である。なお、図5(1)は全体の外形図、図5(2)は図5(3)のA1−A1矢視断面図、図5(3)は横断面図である。また、図6(1)は全体の外形図、図6(2)は図6(3)のA2−A2矢視断面図、図6(3)は横断面図である。
【0015】
ケース11内には、先端にアクチュエータ8が取り付けられた取付体9、ハンドル10の基端部に装着される直方体状のシャフト15、シャフト15の回転に応じて取付体9を回転させるロータ16、内側ハンドル12の基端部に装着されるシャフト17、シャフト17の回転に応じて取付体9を回転させるロータ18、シャフト15とロータ18との間に介在してシャフト24を矢印H1(図3、図5(3)参照)方向に付勢するバネ19等が備えられている。
【0016】
ケース11は、扉表面に取り付けられる下側ケース部分11Aと、下側ケース部分11Aを上から覆う上側ケース部分11Bとを備える。上側ケース部分11Bの中央部には貫通孔20が形成されている。この貫通孔20には外側ハンドル10の基端部10a(図5(3)参照)が挿通されており、外側ハンドル10を押込み操作可能となっている。外側ハンドル10の基端部10aの端面には、軸方向に延びる断面4角形状の嵌合凹部10b(図5(3)参照)が形成されており、この嵌合凹部10bにシャフト15の一端部(図5(3)の左側端部)が嵌り込んでいる。また、上側ケース部分11Bの内側面には、貫通孔20の径方向外方側に一対の半円弧状フランジ部21a,21b(図3,図5(2)参照)が周方向に間隔を開けて形成されている。そして、外側ハンドル10の押込み前の状態においては、図5(2)に示すように、隣り合うフランジ部21a,21b間によって構成される規制凹部22a,22bに後述する規制ピン23が嵌り込んでおり、規制ピン23がフランジ部21a,21bの端面22a1,22b1に当接した状態となっている。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。なお、この点については、後に詳述する。
【0017】
また、下側ケース部分11Aの中央部には貫通孔25が形成されており、この貫通孔25に直方体状のシャフト17(図5(3)参照)が挿通されて取り付けられている。このシャフト17の一端部(図5(3)の右端部)には内側ハンドル12が固定されている。シャフト17の他端部(図5(3)の左端部)は、ロータ18に形成されている断面4角形状の嵌合凹部18aに嵌り込んでいる。
【0018】
取付体9は、図3に示すように、円形状の基端部9aと、アクチュエータ8が取り付けられる先端部9bと、基端部9aと先端部9bとを連結する連結部9cとを有する。基端部9aには円形の取付孔26が形成されており、この取付孔26の内周面には内方側に突出した係止凸部27が形成されている。この係止凸部27はロータ16に形成されている係止凹部28に係止されており、これによりロータ16と取付体9とは連結され、ロータ16の回転に連動して取付体9が回転可能となっている。
【0019】
ロータ16は、図3に示すように、軸方向に沿って小径部16aと大径部16bとを備えた段差状に形成されている。小径部16aには軸方向に延びる貫通孔30(図4参照)が形成されており、この貫通孔30は断面が4角形状であって、シャフト15の先端部(図5(3)の右側端部)が嵌り込んでいる。また、小径部16aの周面には、長径が軸方向に一致する一対の長孔31a,31b(図4、図5(3)参照)が周方向に180度間隔を開けて形成されている。
【0020】
シャフト15の先端部には、先端部を貫通する規制ピン23が取り付けられている。この規制ピン23は、シャフト15の軸方向に垂直な方向に延びると共に、規制ピン23の両端部がそれぞれシャフト15の側面から突出して、一対の長孔31a,31bを挿入し、さらに、この規制ピン23の両端部は、外側ハンドル10の押込み前の状態において、規制凹部22a,22bに嵌り込んでおり、規制ピン23がフランジ部21a,21bの端面22a1,22b1に当接した状態となっている。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。即ち、外側ハンドル10の押込み前の状態において、外側ハンドル10の回転操作が阻止状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。
【0021】
また、ロータ16の大径部16bの他端側(図3の左側端側)は、周方向に180度以上の範囲に亘って切り欠かかれ、円弧状庇部40が形成されている。この円弧状庇部40の端面40a(図3、図4参照)には、ロータ18の外周面に形成されている円弧状突出体41の端面が当接可能である。ロータ16の貫通孔内には、図5(3)に示すように、バネ19が配置されており、このバネ19はロータ18の先端面(図5(3)の左側端面)とシャフト15の先端面(図5(3)の右側端面)との間に介在されている。これにより、シャフト15が押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢されている。
【0022】
次いで、上記構成の安全スイッチ付扉ロック装置の動作について説明する。なお、外側ハンドル10の操作と内側ハンドル12の操作に分けて説明する。
【0023】
(外側ハンドル10の操作)
扉4が開かれた状態では、安全スイッチ付扉ロック装置は図5に示す状態となっている。即ち、バネ19により、シャフト15は押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢され、規制ピン23が端面22a1,22b1に当接した状態となっている。従って、シャフト15の矢印M1方向(図5(2)参照)への回転が阻止されている。換言すれば、外側ハンドル10の回転操作がロック状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。従って、扉4を閉じる前に誤って外側ハンドル10を回転操作してアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8が安全スイッチ6や仕切壁2に衝突することを防止できる。これにより、アクチュエータ8の破損を防止できる。
【0024】
次いで、図5の状態から扉4を閉じる。そして、扉4を完全に閉じた後、外側ハンドル10を押込み操作する。このとき、扉4の背面が出入口3のストッパ47(図1参照)に当接している状態であるため、外側ハンドル10を押込み操作することが容易である。
【0025】
外側ハンドル10を押込み操作すると、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面22a1,22b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。即ち、外側ハンドル10を回転操作可能状態となる。このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して矢印M1方向に回動する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印M1方向に回動する。このような状態が図6(1)、(2)、(3)に示されている。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されると、産業機械の動作が許容される。このとき、扉4は開くことができず、閉じられた状態が維持されるので、安全が確保されている。なお、外側ハンドル10を押込んだ状態で回転操作すると、規制ピン23がフランジ部の21a,21b表面に沿って回動するので、外側ハンドル10の回転操作後に外側ハンドル10から手を離すと、バネ19の付勢力により規制ピン23がフランジ部21a,21bの表面に当接する。これにより、アクチュエータ8がロックされた状態においては、外側ハンドル10は押し込まれた状態を維持している。
【0026】
次いで、扉4を開ける際は、外側ハンドル10を矢印M1方向とは逆方向(矢印M2方向)に回動操作する。これにより、取付体9が矢印M2方向に回動して、アクチュエータ8は安全スイッチ6の挿入口7から引き抜かれて扉4のロック状態が解除される。さらに、外側ハンドル10の回動操作により、アクチュエータ8は矢印M2方向に回動してケース11内に収納される。そして、アクチュエータ8はケース11内に収納される状態においては、規制ピン23の回動位置が規制凹部22a,22bに臨む位置に達している。従って、この状態において、外側ハンドル10から手を離すと、バネ19の付勢力によりシャフト15が矢印H1方向に移動して、外側ハンドル10は押込み前の状態に復帰するとともに、規制ピン23は規制凹部22a,22bに嵌り込んだ状態に復帰する。この結果、外側ハンドル10は押込み操作しなければ回動操作できない図5の状態に復帰することになる。
【0027】
(内側ハンドル12の操作)
扉4が閉じられた状態で内側ハンドル12を矢印M2方向に回動操作すると、それに連動してシャフト17が回動する。そして、シャフト17の回動に連動してロータ18も回動する。このとき、ロータ18の突出体41がロータ16の庇部40の端面に当接してロータ16を矢印M2方向に回動させる。これにより、取付体9は矢印M2方向に回動して、アクチュエータ8は矢印M2方向に回動してケース11内に収納される。これにより、アクチュエータ8は安全スイッチ6の挿入口7から引き抜かれて扉4のロック状態が解除される。このように、内側ハンドル12は扉4が閉じられた状態で扉4のロック状態を解除することできる。これにより、誤って仕切壁2内に閉じ込められた作業者は内側ハンドル12の操作により扉4を開いて脱出することができる。
【0028】
一方、扉4が開かれた状態で内側ハンドル12を矢印M1方向に回動操作すると、ロータ18の突出体41が下側ケース部分11Aの円弧状ストッパ45(図4参照)の端面に当接して、それ以上回動操作できない。従って、ロータ18の突出体41がロータ16の庇部40の端面40b(図3参照)に当接することがなく、ロータ16は回動することはない。そのため、アクチュエータ8がケース11内に保持されたままである。即ち、内側ハンドル12の操作により、扉4をロック状態にすることはできないようになっている。これにより、扉4が閉じられても、扉4がロックされて産業機械の運転が開始することはなく、作業者の安全が確保されている。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドルに設けられた押しボタンの押し込み操作により外側ハンドルの回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図7及び図8を参照して具体的構成を説明する。なお、図7は実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み前の状態を示す図であり、図7(1)は押しボタンの押込み前の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の外観を示す正面図、図7(2)は図7(3)のA3−A3矢視断面図、図7(3)は押しボタンの押込み前の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。図8は実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み後の状態を示す図であり、図8(1)は押しボタンの押込み後の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の外観を示す正面図、図8(2)は図8(3)のA4−A4矢視断面図、図8(3)は押しボタンの押込み後の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。
【0030】
実施の形態2においては、図7(3)に示すように、外側ハンドル10の先端部外周面には、周方向の延びる凹溝50が形成されている。一方、上側ケース部分11Bの貫通孔20内周面には、周方向の延びる環状凸部51が形成されている。そして、外側ハンドル10の凹溝50に、上側ケース部分11Bの環状凸部51が嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10は回動可能であるが、押込み操作はできないようになっている。従って、外側ハンドル10は回動可能であると共に、押込み操作が可能とされる実施の形態1とは、異なる。一方、実施の形態2においては、外側ハンドル10に押しボタン52が設けられている。この押しボタン52は、操作部53と、操作部53に連なる軸部54とで構成されている。操作部53は外側ハンドル10の外側表面に露出しており、軸部54は外側ハンドル10を挿通してシャフト15の一端部に一体形成されている。このような構成により、押しボタン52の押し込み操作により、シャフト15が矢印H2方向に移動するようになっている。
【0031】
次いで、外側ハンドル10の操作について説明する。
扉4が開かれた状態では、安全スイッチ付扉ロック装置は図7に示す状態となっている。即ち、バネ19により、シャフト15は押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢され、規制ピン23が端面21a1,21b1に当接した状態となっている。従って、シャフト15の矢印方向M1への回転が阻止されている。換言すれば、外側ハンドル10の回転操作がロック状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。
【0032】
次いで、図7の状態から扉4を閉じる。そして、扉4を完全に閉じた後、外側ハンドル10の押しボタン52を押込み操作する。これにより、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面21a1,21b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。即ち、外側ハンドル10を回転操作可能状態となる。このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動する。このような状態が図8(1)、(2)、(3)に示されている。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されると、アクチュエータ8がロックされると共に、産業機械の動作が許容される。こうして、実施の形態2においては、外側ハンドル10に設けられた押しボタン52の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されているので、実施の形態1と同様に扉4を閉じる前に誤って外側ハンドル10を回転操作してアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8の破損を防止できる。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドル10とは別位置に設けられた押しボタン55の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図9〜図14を参照して具体的構成を説明する。なお、図9は押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図10は押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図11は図9のA5−A5線矢視断面図、図12は押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図13は押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図14は図12のA6−A6線矢視断面図である。
【0034】
この実施の形態3においては、図11に示すように、外側ハンドル10先端部の段差面56は、押しボタン55の押込み前の状態において上側ケース部分11Bの貫通孔20内の段差面57に当接している。これにより、外側ハンドル10は回動可能であるが、押込み操作はできないようになっている。従って、実施の形態3は、外側ハンドル10が押込み操作可能とされる実施の形態1とは異なる。一方、実施の形態3においては、外側ハンドル10とは別位置に押しボタン55が設けられている。この押しボタン55は、図11に示すように、操作部55aと、操作部55aに連なる軸部55bとで構成されている。操作部55aは上側ケース部分11Bの外側表面に露出しており、軸部55bは上側ケース部分11Bを挿通して規制板58に固着されている。一方、取付体9の基端部外周面には凹部59(図9参照)が形成されている。そして、押しボタン55の押込み前の状態では、図9〜図11に示すように、規制板58の上端部が取付体9の凹部59に嵌り込み、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。このような状態で、押しボタン55を押込み操作すると、規制板58が矢印H2(図11参照)方向に移動して凹部59との係合が外れて、取付体9が回転可能状態となる。
【0035】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図12〜図14に示されている。
【0036】
このように、外側ハンドル10とは別位置に設けられた押しボタン55の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作を許容する構成によってもまた、実施の形態1,2と同様なロック操作及びロック解除操作を行うことができる。
【0037】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドル10を傾斜させる操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図15〜図18を参照して具体的構成を説明する。なお、図15は外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図16は外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図、図17は外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図18は外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。
【0038】
この実施の形態4では、外側ハンドル10は、図16に示すように、ハンドル抜け止めピン60の回りに揺動自在に上側ケース部分11Bに取り付けられている。また、シャフト15における基端側端面15aは半円状に形成されており、外側ハンドル10における嵌合凹部10bの底面は、シャフト15の軸方向に直角な平面61aと、平面61に連なり半円状基端側端面15aに対応した円弧面61bとで構成されている。なお、シャフト15には、長軸が軸方向に一致する長孔62が形成されており、この長孔62にハンドル抜け止めピン60が嵌り込んでいる。そして、アクチュエータ8がケース11に収納されている状態では、シャフト15は図15の実線で示す状態となっている。即ち、シャフト15における半円状基端側端面15cが、嵌合凹部底面の円弧面61bに位置した状態となっている。このような状態で、外側ハンドル10を傾斜させて図15の実線K1から仮想線K2で示す状態とすることにより、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面22a1,22b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。
【0039】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図17及び図18に示されている。
【0040】
このように、外側ハンドル10を傾斜させる操作により外側ハンドル10の回転操作を許容する構成によってもまた、上記実施の形態1〜3と同様なロック操作及びロック解除操作を行うことができる。
【0041】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、アクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10の操作がスライド操作であって、且つ外側ハンドル10を押込み操作することにより外側ハンドル10のスライド操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図19〜図26を参照して具体的構成を説明する。なお、図19は外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図20は図19のA7−A7線矢視断面図、図21は図19のA8−A8線矢視面図、図22は外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図23は外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図24は図23のA9−A9線矢視断面図、図25は図23のA10−A10線矢視断面図、図26は外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図である。
【0042】
実施の形態5では、図19に示すように、取付体9の基端部9bには基端部9bの前方側(図19の紙面に垂直方向前方向側)に歯車70が固着されており、この歯車70にはピニオン歯車71が噛み合っている。ピニオン歯車71にはラック72の歯部72aが噛み合っている。このラック72には、図20に示すように、その一端面に嵌合凹部73が形成され、他端面に嵌合凹部74が形成されている。嵌合凹部73にはシャフト15の先端部が嵌り込み、嵌合凹部74にはシャフト17の先端部が嵌り込んでいる。嵌合凹部73の底面とシャフト15の先端部との間にはバネ19が介在されている。また、シャフト15の上面にはピン75が設けられている。このピン75に関連して、図21に示すように、上側ケース部分11Bの内側面に形成されているフランジ部76には凹部77が形成されている。そして、アクチュエータ8がケース11に収納された状態では、図21に示すように、シャフト15はバネ19により矢印H1方向に付勢され、ピン75が凹部77に嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10はスライド操作が阻止された状態となっている。即ち、アクチュエータ8を突出させることができない状態となっている。
【0043】
このような状態で外側ハンドル10を矢印H2方向に押込むと、シャフト15がバネ19の付勢力に抗して矢印H2方向に移動してピン75が凹部77から離脱し、外側ハンドル10をスライド操作可能状態となる。そして、外側ハンドル10を矢印N1(図21参照)方向にスライド操作すると、図19に示すように、ラック72が矢印N1方向に移動し、ピニオン歯車71が矢印P1方向に回動し、歯車70が矢印L1方向に回動し、取付体9が回動してアクチュエータ8が突出することになる。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図23〜図26に示されている。
【0044】
こうして、アクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10の操作がスライド操作であっても、外側ハンドル10を押込み操作することにより外側ハンドル10のスライド操作が許容されるように構成することにより、上記実施の形態1〜4と同様に、扉4を完全に閉める前に誤ってアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8が安全スイッチ6や仕切壁2に衝突することを防止できる。
【0045】
(実施の形態6)
上記実施の形態1では、扉4を完全に閉める前に外側ハンドル10を押し込み操作すれば、外側ハンドル10は回転操作可能となるので、アクチュエータ8の破損等からの保護が完璧でない。そこで、実施の形態6では、扉4を完全に閉めたときしか、外側バンドル10を回転操作できないように構成したことを特徴とするものである。以下、図27〜図32を参照して具体的構成を説明する。なお、図27はアクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図28はアクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図29は図27のA11−A11線矢視断面図、図30はアクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図31はアクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図32は図30のA12−A12線矢視断面図である。
【0046】
この実施の形態6では、図27に示すように、上側ケース部分11Bには、安全スイッチ6に対向する側部11B1の外側面から内側面に向けて挿通する操作部材90が設けられている。この操作部材90は、長手状の本体部90aと、本体部90aの厚みよりも小さい厚みを有する先端部90bと、本体部90aと先端部90bを連結すると共に下面が傾斜面91とされる連結部90cを有する。操作部材90の先端部は規制板95の長孔96に挿入されている。アクチュエータ8がケース11に収納された状態では、規制板95の上端部は取付体9の基端部の外周面に形成されている凹部98に嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止された状態となっている。このような状態で、扉4が完全に閉じられると、操作部材90の端面90A(図27参照)が開口部3の内壁に接触して押し込まれる。これにより、操作部材90は矢印G1(図27参照)方向に移動し、操作部材90が長孔96内に侵入していく。この結果、操作部材90の傾斜面91により押下力が規制板95に作用し、規制板95が図27の下方に移動し、規制板95の上端部が凹部98から離脱する。これにより、外側ハンドル10は回転操作可能状態となる。
【0047】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図30〜図32に示されている。
【0048】
このようにして、実施の形態6では、扉4を完全に閉めたときしか、外側バンドル10を回転操作できないように構成することにより、扉4の閉まる前にアクチュエータ8が突出して破損する等を完全に防止することができる。
【0049】
なお、実施の形態6は、上記実施の形態1〜3のいずれかと組み合わせて構成することも可能である。
【0050】
(その他の事項)
上記実施の形態では、外側ハンドルや押しボタンの押し込み操作により外側ハンドルを回転操作可能状態とするように構成されていたが、外側ハンドル等を引く操作により外側ハンドルを回転操作可能状態とするように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、産業機械(工作機械やロボット等)等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の使用例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の動作を説明するための図。
【図3】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め前方側から見た分解斜視図。
【図4】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め後方側から見た分解斜視図。
【図5】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込む前の状態を示す図。
【図6】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込んだ後にハンドルを回転操作した状態を示す図。
【図7】実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み前の状態を示す図。
【図8】実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み後の状態を示す図。
【図9】押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図10】押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図11】図9のA5−A5線矢視断面図。
【図12】押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図13】押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図14】図12のA6−A6線矢視断面図。
【図15】外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図16】外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図。
【図17】外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図18】外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図。
【図19】外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図20】図19のA7−A7線矢視断面図。
【図21】図19のA8−A8線矢視面図。
【図22】外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図23】外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図24】図23のA9−A9線矢視断面図。
【図25】図23のA10−A10線矢視断面図。
【図26】外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図27】アクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図28】アクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図29】図27のA11−A11線矢視断面図。
【図30】アクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図31】アクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図32】図30のA12−A12線矢視断面図。
【符号の説明】
【0053】
4:扉 5:ロック装置
6:安全スイッチ 7:挿入口
10:外側ハンドル(操作部) 11:ケース
9:取付体 8:アクチュエータ
15,17:シャフト 16,18:ロータ
19:バネ(付勢手段) 22a,22b:規制凹部
23:規制ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機械(工作機械やロボット等)等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の安全スイッチ付扉ロック装置としては、扉の開放操作及び閉塞操作をするために扉に設けられたハンドルと、産業機械の所定の作業領域を仕切る仕切壁側に設けられた安全スイッチと、ハンドルの回転操作により回転して扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータとを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3580990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の安全スイッチ付扉ロック装置では、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前にハンドルを回転操作可能となっているため、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出して安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損する虞がある。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがなく、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができるようにした安全スイッチ付扉ロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置であって、前記扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、前記操作部の第1の操作により前記扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータと、前記アクチュエータが前記安全スイッチ側に回動する前の前記扉に収納されている状態において、前記操作部が第1の操作を行えない状態に規制する規制手段と、第1の操作と異なる第2の操作がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
「第1の操作」には、回転操作やスライド操作が含まれる。「操作部」は、例えば、実施の形態の外側ハンドルが含まれる。
上記構成により、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前は操作部が第1の操作が行えない状態となっている。従って、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがないので、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができる。
【0007】
また、本発明は、第2の操作が操作部自体の操作の場合であってもよく、操作部とは異なる操作部の操作であってもよい。ここで、「操作部自体の操作」とは、操作部を押し込み操作すること、操作部を傾斜操作すること等が含まれる。「異なる操作部の操作」とは、操作部に設けたボタンを押す操作や操作部とは別位置に設けたボタンを押す操作等が含まれる。
また、本発明は、前記操作部の第1の操作は回転操作であり、前記操作部の第2の操作は押込み操作であり、前記規制手段は、前記操作部の回転操作に連動して回転可能で且つ前記操作部の押込み操作に連動して押込み方向に移動自在なシャフトと、シャフトに固定される規制ピンと、規制ピンが嵌り込み規制ピンの回転を規制する規制凹部と、前記シャフトを押込み方向とは反対方向に付勢して前記規制ピンを前記規制凹部に嵌り込んだ状態に保持する付勢手段を備えるとともに、前記シャフトは前記解除手段をも兼ねており、前記アクチュエータが扉に収納されている状態においては、前記付勢手段の付勢力により前記規制ピンが前記規制凹部に嵌り込んで、前記操作部が第1の操作である回転操作を行えない状態に規制されており、前記操作部が第2の操作である押込み操作された場合には、前記シャフトが前記付勢手段の付勢力に抗して押込み方向に移動し、前記規制ピンが前記規制凹部から離脱して前記操作部の回転操作規制状態が解除されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、扉を閉じるに際して、扉を閉じる前は操作部が第1の操作が行えない状態となっている。従って、扉を閉じる前に誤ってアクチュエータが突出することがないので、アクチュエータが安全スイッチや仕切壁に接触してアクチュエータが変形・破損することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る安全スイッチ付扉ロック装置を、実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態に係る安全スイッチ付扉ロック装置の使用例を示す図、図2は安全スイッチ付扉ロック装置の動作を説明するための図である。なお、図2(1)はアクチュエータが突出していない状態を示し、図2(2)はアクチュエータが突出した状態を示す。
【0011】
本発明の実施の形態に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、例えば図1に示すようなシステムに適用される。産業用ロボットや工作機械等の機械1は、仕切壁2で囲まれている。仕切壁2には開口部3が設けられ、開口部3を通ってオペレータや搬送物が外部と機械1との間を出入りできる。仕切壁2には開口部3を閉じるための扉4が設けられている。扉4は開閉式扉である。
【0012】
このようなシステムにおいて、作業者の安全確保のために本発明に係る安全スイッチ付扉ロック装置5が設けられている。安全スイッチ付扉ロック装置5は、仕切壁2の端部2a付近に設けられる安全スイッチ6、安全スイッチ6の挿入口7に挿入するアクチュエータ8が先端部に取り付けられた取付体9、回転操作により取付体9を回転させてアクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10、扉4の外側面に設けられアクチュエータ8を収納するケース11等を備える。なお、ケース11には外側ハンドル10が装着されている。また、扉4の内側面には内側ハンドル12が装着されている。
【0013】
安全スイッチ付扉ロック装置5の動作を簡単に説明すると、外側ハンドル10は押し込み操作しないと回転操作できないようになっており、扉4を閉めた後に外側ハンドル10を押し込む。次いで、外側ハンドル10を回転操作することにより、取付体9が回転してアクチュエータ8が突出して安全スイッチ6の挿入口7に挿入され、扉4がロック状態となる。
【0014】
図3は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め前方側から見た分解斜視図、図4は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め後方側から見た分解斜視図、図5は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込む前の状態を示す図、図6は実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込んだ後にハンドルを回転操作した状態を示す図である。なお、図5(1)は全体の外形図、図5(2)は図5(3)のA1−A1矢視断面図、図5(3)は横断面図である。また、図6(1)は全体の外形図、図6(2)は図6(3)のA2−A2矢視断面図、図6(3)は横断面図である。
【0015】
ケース11内には、先端にアクチュエータ8が取り付けられた取付体9、ハンドル10の基端部に装着される直方体状のシャフト15、シャフト15の回転に応じて取付体9を回転させるロータ16、内側ハンドル12の基端部に装着されるシャフト17、シャフト17の回転に応じて取付体9を回転させるロータ18、シャフト15とロータ18との間に介在してシャフト24を矢印H1(図3、図5(3)参照)方向に付勢するバネ19等が備えられている。
【0016】
ケース11は、扉表面に取り付けられる下側ケース部分11Aと、下側ケース部分11Aを上から覆う上側ケース部分11Bとを備える。上側ケース部分11Bの中央部には貫通孔20が形成されている。この貫通孔20には外側ハンドル10の基端部10a(図5(3)参照)が挿通されており、外側ハンドル10を押込み操作可能となっている。外側ハンドル10の基端部10aの端面には、軸方向に延びる断面4角形状の嵌合凹部10b(図5(3)参照)が形成されており、この嵌合凹部10bにシャフト15の一端部(図5(3)の左側端部)が嵌り込んでいる。また、上側ケース部分11Bの内側面には、貫通孔20の径方向外方側に一対の半円弧状フランジ部21a,21b(図3,図5(2)参照)が周方向に間隔を開けて形成されている。そして、外側ハンドル10の押込み前の状態においては、図5(2)に示すように、隣り合うフランジ部21a,21b間によって構成される規制凹部22a,22bに後述する規制ピン23が嵌り込んでおり、規制ピン23がフランジ部21a,21bの端面22a1,22b1に当接した状態となっている。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。なお、この点については、後に詳述する。
【0017】
また、下側ケース部分11Aの中央部には貫通孔25が形成されており、この貫通孔25に直方体状のシャフト17(図5(3)参照)が挿通されて取り付けられている。このシャフト17の一端部(図5(3)の右端部)には内側ハンドル12が固定されている。シャフト17の他端部(図5(3)の左端部)は、ロータ18に形成されている断面4角形状の嵌合凹部18aに嵌り込んでいる。
【0018】
取付体9は、図3に示すように、円形状の基端部9aと、アクチュエータ8が取り付けられる先端部9bと、基端部9aと先端部9bとを連結する連結部9cとを有する。基端部9aには円形の取付孔26が形成されており、この取付孔26の内周面には内方側に突出した係止凸部27が形成されている。この係止凸部27はロータ16に形成されている係止凹部28に係止されており、これによりロータ16と取付体9とは連結され、ロータ16の回転に連動して取付体9が回転可能となっている。
【0019】
ロータ16は、図3に示すように、軸方向に沿って小径部16aと大径部16bとを備えた段差状に形成されている。小径部16aには軸方向に延びる貫通孔30(図4参照)が形成されており、この貫通孔30は断面が4角形状であって、シャフト15の先端部(図5(3)の右側端部)が嵌り込んでいる。また、小径部16aの周面には、長径が軸方向に一致する一対の長孔31a,31b(図4、図5(3)参照)が周方向に180度間隔を開けて形成されている。
【0020】
シャフト15の先端部には、先端部を貫通する規制ピン23が取り付けられている。この規制ピン23は、シャフト15の軸方向に垂直な方向に延びると共に、規制ピン23の両端部がそれぞれシャフト15の側面から突出して、一対の長孔31a,31bを挿入し、さらに、この規制ピン23の両端部は、外側ハンドル10の押込み前の状態において、規制凹部22a,22bに嵌り込んでおり、規制ピン23がフランジ部21a,21bの端面22a1,22b1に当接した状態となっている。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。即ち、外側ハンドル10の押込み前の状態において、外側ハンドル10の回転操作が阻止状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。
【0021】
また、ロータ16の大径部16bの他端側(図3の左側端側)は、周方向に180度以上の範囲に亘って切り欠かかれ、円弧状庇部40が形成されている。この円弧状庇部40の端面40a(図3、図4参照)には、ロータ18の外周面に形成されている円弧状突出体41の端面が当接可能である。ロータ16の貫通孔内には、図5(3)に示すように、バネ19が配置されており、このバネ19はロータ18の先端面(図5(3)の左側端面)とシャフト15の先端面(図5(3)の右側端面)との間に介在されている。これにより、シャフト15が押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢されている。
【0022】
次いで、上記構成の安全スイッチ付扉ロック装置の動作について説明する。なお、外側ハンドル10の操作と内側ハンドル12の操作に分けて説明する。
【0023】
(外側ハンドル10の操作)
扉4が開かれた状態では、安全スイッチ付扉ロック装置は図5に示す状態となっている。即ち、バネ19により、シャフト15は押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢され、規制ピン23が端面22a1,22b1に当接した状態となっている。従って、シャフト15の矢印M1方向(図5(2)参照)への回転が阻止されている。換言すれば、外側ハンドル10の回転操作がロック状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。従って、扉4を閉じる前に誤って外側ハンドル10を回転操作してアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8が安全スイッチ6や仕切壁2に衝突することを防止できる。これにより、アクチュエータ8の破損を防止できる。
【0024】
次いで、図5の状態から扉4を閉じる。そして、扉4を完全に閉じた後、外側ハンドル10を押込み操作する。このとき、扉4の背面が出入口3のストッパ47(図1参照)に当接している状態であるため、外側ハンドル10を押込み操作することが容易である。
【0025】
外側ハンドル10を押込み操作すると、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面22a1,22b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。即ち、外側ハンドル10を回転操作可能状態となる。このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して矢印M1方向に回動する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印M1方向に回動する。このような状態が図6(1)、(2)、(3)に示されている。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されると、産業機械の動作が許容される。このとき、扉4は開くことができず、閉じられた状態が維持されるので、安全が確保されている。なお、外側ハンドル10を押込んだ状態で回転操作すると、規制ピン23がフランジ部の21a,21b表面に沿って回動するので、外側ハンドル10の回転操作後に外側ハンドル10から手を離すと、バネ19の付勢力により規制ピン23がフランジ部21a,21bの表面に当接する。これにより、アクチュエータ8がロックされた状態においては、外側ハンドル10は押し込まれた状態を維持している。
【0026】
次いで、扉4を開ける際は、外側ハンドル10を矢印M1方向とは逆方向(矢印M2方向)に回動操作する。これにより、取付体9が矢印M2方向に回動して、アクチュエータ8は安全スイッチ6の挿入口7から引き抜かれて扉4のロック状態が解除される。さらに、外側ハンドル10の回動操作により、アクチュエータ8は矢印M2方向に回動してケース11内に収納される。そして、アクチュエータ8はケース11内に収納される状態においては、規制ピン23の回動位置が規制凹部22a,22bに臨む位置に達している。従って、この状態において、外側ハンドル10から手を離すと、バネ19の付勢力によりシャフト15が矢印H1方向に移動して、外側ハンドル10は押込み前の状態に復帰するとともに、規制ピン23は規制凹部22a,22bに嵌り込んだ状態に復帰する。この結果、外側ハンドル10は押込み操作しなければ回動操作できない図5の状態に復帰することになる。
【0027】
(内側ハンドル12の操作)
扉4が閉じられた状態で内側ハンドル12を矢印M2方向に回動操作すると、それに連動してシャフト17が回動する。そして、シャフト17の回動に連動してロータ18も回動する。このとき、ロータ18の突出体41がロータ16の庇部40の端面に当接してロータ16を矢印M2方向に回動させる。これにより、取付体9は矢印M2方向に回動して、アクチュエータ8は矢印M2方向に回動してケース11内に収納される。これにより、アクチュエータ8は安全スイッチ6の挿入口7から引き抜かれて扉4のロック状態が解除される。このように、内側ハンドル12は扉4が閉じられた状態で扉4のロック状態を解除することできる。これにより、誤って仕切壁2内に閉じ込められた作業者は内側ハンドル12の操作により扉4を開いて脱出することができる。
【0028】
一方、扉4が開かれた状態で内側ハンドル12を矢印M1方向に回動操作すると、ロータ18の突出体41が下側ケース部分11Aの円弧状ストッパ45(図4参照)の端面に当接して、それ以上回動操作できない。従って、ロータ18の突出体41がロータ16の庇部40の端面40b(図3参照)に当接することがなく、ロータ16は回動することはない。そのため、アクチュエータ8がケース11内に保持されたままである。即ち、内側ハンドル12の操作により、扉4をロック状態にすることはできないようになっている。これにより、扉4が閉じられても、扉4がロックされて産業機械の運転が開始することはなく、作業者の安全が確保されている。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドルに設けられた押しボタンの押し込み操作により外側ハンドルの回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図7及び図8を参照して具体的構成を説明する。なお、図7は実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み前の状態を示す図であり、図7(1)は押しボタンの押込み前の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の外観を示す正面図、図7(2)は図7(3)のA3−A3矢視断面図、図7(3)は押しボタンの押込み前の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。図8は実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み後の状態を示す図であり、図8(1)は押しボタンの押込み後の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の外観を示す正面図、図8(2)は図8(3)のA4−A4矢視断面図、図8(3)は押しボタンの押込み後の実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。
【0030】
実施の形態2においては、図7(3)に示すように、外側ハンドル10の先端部外周面には、周方向の延びる凹溝50が形成されている。一方、上側ケース部分11Bの貫通孔20内周面には、周方向の延びる環状凸部51が形成されている。そして、外側ハンドル10の凹溝50に、上側ケース部分11Bの環状凸部51が嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10は回動可能であるが、押込み操作はできないようになっている。従って、外側ハンドル10は回動可能であると共に、押込み操作が可能とされる実施の形態1とは、異なる。一方、実施の形態2においては、外側ハンドル10に押しボタン52が設けられている。この押しボタン52は、操作部53と、操作部53に連なる軸部54とで構成されている。操作部53は外側ハンドル10の外側表面に露出しており、軸部54は外側ハンドル10を挿通してシャフト15の一端部に一体形成されている。このような構成により、押しボタン52の押し込み操作により、シャフト15が矢印H2方向に移動するようになっている。
【0031】
次いで、外側ハンドル10の操作について説明する。
扉4が開かれた状態では、安全スイッチ付扉ロック装置は図7に示す状態となっている。即ち、バネ19により、シャフト15は押込み方向とは反対方向(矢印H1方向)に付勢され、規制ピン23が端面21a1,21b1に当接した状態となっている。従って、シャフト15の矢印方向M1への回転が阻止されている。換言すれば、外側ハンドル10の回転操作がロック状態となっており、取付体9を回転させることができない状態となっている。
【0032】
次いで、図7の状態から扉4を閉じる。そして、扉4を完全に閉じた後、外側ハンドル10の押しボタン52を押込み操作する。これにより、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面21a1,21b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。即ち、外側ハンドル10を回転操作可能状態となる。このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動する。このような状態が図8(1)、(2)、(3)に示されている。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されると、アクチュエータ8がロックされると共に、産業機械の動作が許容される。こうして、実施の形態2においては、外側ハンドル10に設けられた押しボタン52の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されているので、実施の形態1と同様に扉4を閉じる前に誤って外側ハンドル10を回転操作してアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8の破損を防止できる。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドル10とは別位置に設けられた押しボタン55の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図9〜図14を参照して具体的構成を説明する。なお、図9は押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図10は押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図11は図9のA5−A5線矢視断面図、図12は押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図13は押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図14は図12のA6−A6線矢視断面図である。
【0034】
この実施の形態3においては、図11に示すように、外側ハンドル10先端部の段差面56は、押しボタン55の押込み前の状態において上側ケース部分11Bの貫通孔20内の段差面57に当接している。これにより、外側ハンドル10は回動可能であるが、押込み操作はできないようになっている。従って、実施の形態3は、外側ハンドル10が押込み操作可能とされる実施の形態1とは異なる。一方、実施の形態3においては、外側ハンドル10とは別位置に押しボタン55が設けられている。この押しボタン55は、図11に示すように、操作部55aと、操作部55aに連なる軸部55bとで構成されている。操作部55aは上側ケース部分11Bの外側表面に露出しており、軸部55bは上側ケース部分11Bを挿通して規制板58に固着されている。一方、取付体9の基端部外周面には凹部59(図9参照)が形成されている。そして、押しボタン55の押込み前の状態では、図9〜図11に示すように、規制板58の上端部が取付体9の凹部59に嵌り込み、外側ハンドル10の回転操作が阻止されている。このような状態で、押しボタン55を押込み操作すると、規制板58が矢印H2(図11参照)方向に移動して凹部59との係合が外れて、取付体9が回転可能状態となる。
【0035】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図12〜図14に示されている。
【0036】
このように、外側ハンドル10とは別位置に設けられた押しボタン55の押し込み操作により外側ハンドル10の回転操作を許容する構成によってもまた、実施の形態1,2と同様なロック操作及びロック解除操作を行うことができる。
【0037】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、外側ハンドル10を傾斜させる操作により外側ハンドル10の回転操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図15〜図18を参照して具体的構成を説明する。なお、図15は外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図16は外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図、図17は外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図18は外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図である。
【0038】
この実施の形態4では、外側ハンドル10は、図16に示すように、ハンドル抜け止めピン60の回りに揺動自在に上側ケース部分11Bに取り付けられている。また、シャフト15における基端側端面15aは半円状に形成されており、外側ハンドル10における嵌合凹部10bの底面は、シャフト15の軸方向に直角な平面61aと、平面61に連なり半円状基端側端面15aに対応した円弧面61bとで構成されている。なお、シャフト15には、長軸が軸方向に一致する長孔62が形成されており、この長孔62にハンドル抜け止めピン60が嵌り込んでいる。そして、アクチュエータ8がケース11に収納されている状態では、シャフト15は図15の実線で示す状態となっている。即ち、シャフト15における半円状基端側端面15cが、嵌合凹部底面の円弧面61bに位置した状態となっている。このような状態で、外側ハンドル10を傾斜させて図15の実線K1から仮想線K2で示す状態とすることにより、バネ19の付勢力に抗してシャフト15が矢印H2方向に移動し、規制ピン23が規制凹部22a,22bから離脱して端面22a1,22b1との当接状態が解除される。そのため、シャフト15の回転が許容された状態となる。
【0039】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図17及び図18に示されている。
【0040】
このように、外側ハンドル10を傾斜させる操作により外側ハンドル10の回転操作を許容する構成によってもまた、上記実施の形態1〜3と同様なロック操作及びロック解除操作を行うことができる。
【0041】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置は、アクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10の操作がスライド操作であって、且つ外側ハンドル10を押込み操作することにより外側ハンドル10のスライド操作が許容されるように構成されていることを特徴とするものである。以下、図19〜図26を参照して具体的構成を説明する。なお、図19は外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図20は図19のA7−A7線矢視断面図、図21は図19のA8−A8線矢視面図、図22は外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図23は外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図24は図23のA9−A9線矢視断面図、図25は図23のA10−A10線矢視断面図、図26は外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図である。
【0042】
実施の形態5では、図19に示すように、取付体9の基端部9bには基端部9bの前方側(図19の紙面に垂直方向前方向側)に歯車70が固着されており、この歯車70にはピニオン歯車71が噛み合っている。ピニオン歯車71にはラック72の歯部72aが噛み合っている。このラック72には、図20に示すように、その一端面に嵌合凹部73が形成され、他端面に嵌合凹部74が形成されている。嵌合凹部73にはシャフト15の先端部が嵌り込み、嵌合凹部74にはシャフト17の先端部が嵌り込んでいる。嵌合凹部73の底面とシャフト15の先端部との間にはバネ19が介在されている。また、シャフト15の上面にはピン75が設けられている。このピン75に関連して、図21に示すように、上側ケース部分11Bの内側面に形成されているフランジ部76には凹部77が形成されている。そして、アクチュエータ8がケース11に収納された状態では、図21に示すように、シャフト15はバネ19により矢印H1方向に付勢され、ピン75が凹部77に嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10はスライド操作が阻止された状態となっている。即ち、アクチュエータ8を突出させることができない状態となっている。
【0043】
このような状態で外側ハンドル10を矢印H2方向に押込むと、シャフト15がバネ19の付勢力に抗して矢印H2方向に移動してピン75が凹部77から離脱し、外側ハンドル10をスライド操作可能状態となる。そして、外側ハンドル10を矢印N1(図21参照)方向にスライド操作すると、図19に示すように、ラック72が矢印N1方向に移動し、ピニオン歯車71が矢印P1方向に回動し、歯車70が矢印L1方向に回動し、取付体9が回動してアクチュエータ8が突出することになる。そして、アクチュエータ8が安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図23〜図26に示されている。
【0044】
こうして、アクチュエータ8を突出させる外側ハンドル10の操作がスライド操作であっても、外側ハンドル10を押込み操作することにより外側ハンドル10のスライド操作が許容されるように構成することにより、上記実施の形態1〜4と同様に、扉4を完全に閉める前に誤ってアクチュエータ8を突出させることがなくなり、アクチュエータ8が安全スイッチ6や仕切壁2に衝突することを防止できる。
【0045】
(実施の形態6)
上記実施の形態1では、扉4を完全に閉める前に外側ハンドル10を押し込み操作すれば、外側ハンドル10は回転操作可能となるので、アクチュエータ8の破損等からの保護が完璧でない。そこで、実施の形態6では、扉4を完全に閉めたときしか、外側バンドル10を回転操作できないように構成したことを特徴とするものである。以下、図27〜図32を参照して具体的構成を説明する。なお、図27はアクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図28はアクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図29は図27のA11−A11線矢視断面図、図30はアクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図、図31はアクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図、図32は図30のA12−A12線矢視断面図である。
【0046】
この実施の形態6では、図27に示すように、上側ケース部分11Bには、安全スイッチ6に対向する側部11B1の外側面から内側面に向けて挿通する操作部材90が設けられている。この操作部材90は、長手状の本体部90aと、本体部90aの厚みよりも小さい厚みを有する先端部90bと、本体部90aと先端部90bを連結すると共に下面が傾斜面91とされる連結部90cを有する。操作部材90の先端部は規制板95の長孔96に挿入されている。アクチュエータ8がケース11に収納された状態では、規制板95の上端部は取付体9の基端部の外周面に形成されている凹部98に嵌り込んでいる。これにより、外側ハンドル10の回転操作が阻止された状態となっている。このような状態で、扉4が完全に閉じられると、操作部材90の端面90A(図27参照)が開口部3の内壁に接触して押し込まれる。これにより、操作部材90は矢印G1(図27参照)方向に移動し、操作部材90が長孔96内に侵入していく。この結果、操作部材90の傾斜面91により押下力が規制板95に作用し、規制板95が図27の下方に移動し、規制板95の上端部が凹部98から離脱する。これにより、外側ハンドル10は回転操作可能状態となる。
【0047】
このような状態で、外側ハンドル10を矢印M1方向に回転操作すると、シャフト15が回転し、シャフト15に連結する取付体9がシャフト15の回転に連動して回転する。これにより、アクチュエータ8が突出して矢印方向M1に回動して、安全スイッチ6の挿入口7に挿入されて扉がロック状態となる。このような状態が図30〜図32に示されている。
【0048】
このようにして、実施の形態6では、扉4を完全に閉めたときしか、外側バンドル10を回転操作できないように構成することにより、扉4の閉まる前にアクチュエータ8が突出して破損する等を完全に防止することができる。
【0049】
なお、実施の形態6は、上記実施の形態1〜3のいずれかと組み合わせて構成することも可能である。
【0050】
(その他の事項)
上記実施の形態では、外側ハンドルや押しボタンの押し込み操作により外側ハンドルを回転操作可能状態とするように構成されていたが、外側ハンドル等を引く操作により外側ハンドルを回転操作可能状態とするように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、産業機械(工作機械やロボット等)等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の使用例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の動作を説明するための図。
【図3】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め前方側から見た分解斜視図。
【図4】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置の斜め後方側から見た分解斜視図。
【図5】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込む前の状態を示す図。
【図6】実施の形態1に係る安全スイッチ付扉ロック装置のハンドルを押込んだ後にハンドルを回転操作した状態を示す図。
【図7】実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み前の状態を示す図。
【図8】実施の形態2に係る安全スイッチ付扉ロック装置の押しボタンの押込み後の状態を示す図。
【図9】押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図10】押しボタンの押込み前の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図11】図9のA5−A5線矢視断面図。
【図12】押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図13】押しボタンの押込み後の実施の形態3に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図14】図12のA6−A6線矢視断面図。
【図15】外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図16】外側ハンドルを傾斜させる前の実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図。
【図17】外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図18】外側ハンドルを傾斜させた後に外側ハンドルを回転操作した状態における実施の形態4に係る安全スイッチ付扉ロック装置の横断面図。
【図19】外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図20】図19のA7−A7線矢視断面図。
【図21】図19のA8−A8線矢視面図。
【図22】外側ハンドルの押込み前の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図23】外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図24】図23のA9−A9線矢視断面図。
【図25】図23のA10−A10線矢視断面図。
【図26】外側ハンドルの押込み後の実施の形態5に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図27】アクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図28】アクチュエータがケースに収納された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図29】図27のA11−A11線矢視断面図。
【図30】アクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の縦断面図。
【図31】アクチュエータがケースに突出された状態における実施の形態6に係る安全スイッチ付扉ロック装置の側面図。
【図32】図30のA12−A12線矢視断面図。
【符号の説明】
【0053】
4:扉 5:ロック装置
6:安全スイッチ 7:挿入口
10:外側ハンドル(操作部) 11:ケース
9:取付体 8:アクチュエータ
15,17:シャフト 16,18:ロータ
19:バネ(付勢手段) 22a,22b:規制凹部
23:規制ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置であって、
前記扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、
前記操作部の第1の操作により前記扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記安全スイッチ側に回動する前の前記扉に収納されている状態において、前記操作部が第1の操作を行えない状態に規制する規制手段と、
第1の操作と異なる第2の操作がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段と、
を備えたことを特徴とする安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項2】
前記第2の操作は、前記操作部自体の操作である請求項1記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項3】
前記第2の操作は、前記操作部とは異なる操作部の操作である請求項1記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項4】
前記操作部の第1の操作は回転操作であり、前記操作部の第2の操作は押込み操作であり、
前記規制手段は、前記操作部の回転操作に連動して回転可能で且つ前記操作部の押込み操作に連動して押込み方向に移動自在なシャフトと、シャフトに固定される規制ピンと、規制ピンが嵌り込み規制ピンの回転を規制する規制凹部と、前記シャフトを押込み方向とは反対方向に付勢して前記規制ピンを前記規制凹部に嵌り込んだ状態に保持する付勢手段を備えるとともに、前記シャフトは前記解除手段をも兼ねており、
前記アクチュエータが扉に収納されている状態においては、前記付勢手段の付勢力により前記規制ピンが前記規制凹部に嵌り込んで、前記操作部が第1の操作である回転操作を行えない状態に規制されており、
前記操作部が第2の操作である押込み操作された場合には、前記シャフトが前記付勢手段の付勢力に抗して押込み方向に移動し、前記規制ピンが前記規制凹部から離脱して前記操作部の回転操作規制状態が解除されることを特徴とする請求項2記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項1】
工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付扉ロック装置であって、
前記扉の開放操作及び閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた安全スイッチと、
前記操作部の第1の操作により前記扉側から安全スイッチ側に回動し、安全スイッチの挿入口に挿入されて扉をロック状態とするアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記安全スイッチ側に回動する前の前記扉に収納されている状態において、前記操作部が第1の操作を行えない状態に規制する規制手段と、
第1の操作と異なる第2の操作がなされた場合に、第2の操作に連動して前記規制手段の規制状態を解除する解除手段と、
を備えたことを特徴とする安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項2】
前記第2の操作は、前記操作部自体の操作である請求項1記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項3】
前記第2の操作は、前記操作部とは異なる操作部の操作である請求項1記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【請求項4】
前記操作部の第1の操作は回転操作であり、前記操作部の第2の操作は押込み操作であり、
前記規制手段は、前記操作部の回転操作に連動して回転可能で且つ前記操作部の押込み操作に連動して押込み方向に移動自在なシャフトと、シャフトに固定される規制ピンと、規制ピンが嵌り込み規制ピンの回転を規制する規制凹部と、前記シャフトを押込み方向とは反対方向に付勢して前記規制ピンを前記規制凹部に嵌り込んだ状態に保持する付勢手段を備えるとともに、前記シャフトは前記解除手段をも兼ねており、
前記アクチュエータが扉に収納されている状態においては、前記付勢手段の付勢力により前記規制ピンが前記規制凹部に嵌り込んで、前記操作部が第1の操作である回転操作を行えない状態に規制されており、
前記操作部が第2の操作である押込み操作された場合には、前記シャフトが前記付勢手段の付勢力に抗して押込み方向に移動し、前記規制ピンが前記規制凹部から離脱して前記操作部の回転操作規制状態が解除されることを特徴とする請求項2記載の安全スイッチ付扉ロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2009−121061(P2009−121061A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293537(P2007−293537)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
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