説明

安全スイッチ

【課題】スイッチ本体からの引抜きが阻止された状態のアクチュエータが強制的にスイッチ本体から引抜かれたときに、アクチュエータのスイッチ本体からの後退を確実に検出することができる技術を提供する。
【解決手段】操作部5からの引抜きがロックカム16により阻止された状態のアクチュエータ3が強制的に操作部5から引抜こうとされた場合に、駆動カム15の回転はロックされておらず破損するおそれがないため、例えば、ロックカム16が破損することにより、アクチュエータ3が操作部5から強制的に引抜かれたとしても、駆動カム15は正常な状態のままであり、アクチュエータ3の操作部5からの後退に伴い駆動カム15が正常に回転して操作ロッド21が正常に移動するため、開閉器39の開閉状態が正常に切換わり、スイッチ本体2の操作部5からのアクチュエータ3の後退を確実に検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば産業機械等の防護扉周縁の壁面に取り付けられ、防護扉が開かれたときに産業機械等への電源供給を停止する安全スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業機械の防護扉などには、作業者が機械に巻き込まれて負傷するといったトラブルの発生を防止することを目的として、防護扉が完全に閉まっていないときに機械の駆動を停止させる安全スイッチが配設されている。安全スイッチの一例として、例えば、特許文献1に記載の安全スイッチのように、アクチュエータがスイッチ本体内に挿入された後、駆動カムの回転をロックすることにより、駆動カムに係合したアクチュエータをスイッチ本体内で機械的にロックして、アクチュエータのスイッチ本体からの引抜きを阻止するロック機構を備えているものがある。
【0003】
上記したロック機能を備える安全スイッチは、ロボット等の産業機械に電気的に接続されるものであり、スイッチ本体およびアクチュエータを備え、スイッチ本体は防護扉周縁の壁面に固着され、アクチュエータは防護扉に固着される。また、アクチュエータは、壁面に固着されたスイッチ本体のアクチュエータ進入口に対向し、防護扉を閉鎖したときにスイッチ本体の左上部のヘッドケース内に進入する位置に固着される。
【0004】
そして、防護扉が閉鎖されることによりアクチュエータがヘッドケース内に進入すると、スイッチ本体のヘッドケースの下方に位置する開閉器が閉に切り換わり、電源が供給されて産業機械が駆動可能な状態となる。一方、防護扉が開放されることによりアクチュエータがヘッドケースから後退して引き抜かれると、開閉器が開に切り換わり、産業機械への電源供給が遮断される。
【0005】
具体的には、安全スイッチは、ヘッドケース内に回転自在に設けられた駆動カムと、駆動カムの下方のスイッチ部に設けられた操作ロッドおよび開閉器とを備え、駆動カムは、ヘッドケース内でアクチュエータと係合することにより、アクチュエータのヘッドケースへの進入、ヘッドケースからの後退に応じて双方向に回転する。また、操作ロッドは、ばねなどの付勢手段により駆動カムの方向に付勢されており、駆動カムの双方向への回転に伴い操作ロッドの先端が駆動カムのカム曲線部を摺接することで、操作ロッドは、カム曲線部に沿って上下動する。そして、スイッチ部に設けられた開閉器は、操作ロッドの上下動に連動して開閉する。
【0006】
また、この安全スイッチは、左右に移動するロック体、L字状のロックレバー、プランジャを有するロック機構を備えている。ロックレバーは中央部が回転自在に軸支され、ロックレバーの左端はロック体の右端部に、右端はプランジャの下端側にそれぞれ軸支されており、プランジャの移動がロックレバーの回転を経てロック体に伝達される。また、ロック体はばねによって左方へ付勢されている。したがって、アクチュエータのヘッドケースへの進入に伴う駆動カムの時計方向への回転により、操作ロッドの先端が付勢手段の付勢力により駆動カムのカム曲線部を径大部から径小部へと摺接して操作ロッドが上方に移動すると、ロック体は、ばねの付勢力により左方へ移動して操作ロッドの下方に入り込み、操作ロッドの下方への移動がロック体により阻止される。したがって、操作ロッドの先端により駆動カムが係止されることにより駆動カムの回転が阻止されてロック状態となるため、回転阻止された駆動カムに係合したアクチュエータのヘッドケースからの引抜きが阻止される。
【0007】
また、ロック機構のプランジャを駆動するための電磁ソレノイドが、スイッチ本体内の右上部に配設されており、電磁ソレノイドが外部からの制御によって通電されるとプランジャが上動し、通電遮断されるとプランジャが下動する。すなわち、駆動カムの回転がロックされてアクチュエータの引抜きが阻止された状態では、電磁ソレノイドは通電遮断されており、この状態から電磁ソレノイドが通電されると、その電磁的吸引力によってプランジャが上動する。そして、プランジャの上動に伴いロックレバーが反時計方向に回転してロック体が右方へ移動することにより、操作ロッドの下動が許容されるため、駆動カムが反時計方向に回転可能な状態となる。したがって、駆動カムが回転可能な状態となることにより、駆動カムに係合するアクチュエータのヘッドケースからの引抜きが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−245584号公報([0035]〜[0044],図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記した従来の安全スイッチでは、駆動カムの回転がロックされることにより、アクチュエータのヘッドケースからの引抜きが阻止された状態で、電磁ソレノイドが通電されることにより正常にロック解除されないまま、駆動カムや操作ロッドの破壊強度を越える引抜き方向への力がアクチュエータに強制的に加えられると、次のような問題が生じるおそれがある。
【0010】
すなわち、強引にアクチュエータをヘッドケースから後退させて引抜こうとする引抜き力は、アクチュエータと駆動カムとの係合部分や、操作ロッドの先端の駆動カムへの係止部分に集中するが、当該引抜き力により、駆動カムや操作ロッドが破損してアクチュエータのヘッドケースからの引抜きが可能となり、駆動カムの回転ロック状態が解除されていないのにも関わらず、アクチュエータがヘッドケースから強引に引抜かれるおそれがある。この場合、操作ロッドはロック機構のロック体により下動が阻止されており、操作ロッドは駆動カムの方向へ上動したままであるため、アクチュエータがヘッドケースから引抜かれたのにも関わらず、スイッチ本体内の開閉器は開状態に切換わらず、機械への電源供給が正常に遮断されない。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スイッチ本体からの引抜きが阻止された状態のアクチュエータが強制的にスイッチ本体から引抜かれたときに、アクチュエータのスイッチ本体からの後退を確実に検出することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するため、本発明にかかる安全スイッチは、スイッチ本体の操作部に進入、後退自在に設けられたアクチュエータと、前記操作部に回転自在に設けられた駆動カムと、前記スイッチ本体のスイッチ部に設けられた操作ロッドおよび開閉器とを備え、前記アクチュエータの前記操作部への進入、前記操作部からの後退に応じて駆動カムが双方向に回転し、前記駆動カムの双方向への回転に応じて操作ロッドが往復移動することにより前記開閉器が開閉して前記アクチュエータの前記操作部への進入、後退を検出する安全スイッチにおいて、前記操作部に進入状態の前記アクチュエータに係合する係合部材を有し、前記進入状態の前記アクチュエータに前記係合部材が係合して前記アクチュエータの前記操作部からの後退を阻止するアクチュエータロック機構を備えることを特徴としている(請求項1)。
【0013】
このように構成された発明では、アクチュエータの操作部への進入、操作部からの後退に応じて駆動カムが双方向に回転し、駆動カムの双方向への回転に応じて操作ロッドが往復移動することにより、スイッチ部に設けられた開閉器が開閉してアクチュエータの操作部への進入、操作部からの後退が検出される。このとき、操作部に進入状態のアクチュエータに係合部材が係合することで、アクチュエータの操作部からの後退がアクチュエータロック機構により阻止される。したがって、操作部からの引抜きが阻止された状態のアクチュエータが強制的に操作部から引抜こうとされた場合に、駆動カムの回転はロックされておらず破損するおそれがないため、例えば、アクチュエータロック機構が破損することによりアクチュエータが操作部から強制的に引抜かれたとしても、駆動カムは正常な状態であり、アクチュエータの操作部からの後退に伴い駆動カムが正常に回転して操作ロッドが正常に移動するため、開閉器の開閉状態が正常に切換わり、スイッチ本体の操作部からのアクチュエータの後退を確実に検出することができる。
【0014】
また、前記アクチュエータロック機構は、前記係合部材として、前記操作部に、前記駆動カムと同一の回転軸で前記駆動カムと独立して回転自在に設けられたロックカムと、前記ロックカムの外周面に形成されたロック部に係合して前記ロックカムの回転をロックするロック体とを有し、前記アクチュエータが前記操作部に進入したときに、前記アクチュエータの前記操作部への押込みに伴い、前記アクチュエータの一部が前記駆動カムおよび前記ロックカムそれぞれの外周面に形成された係合部に係合し、該係合状態のままで前記アクチュエータが前記操作部に進入するに連れて、前記駆動カムおよび前記ロックカムが一方向に回転し、前記アクチュエータが前記操作部に進入した状態の前記ロックカムの前記ロック部に前記ロック体が係合して前記ロックカムの回転をロックし、前記ロックカムの前記係合部に係合した前記アクチュエータの前記操作部からの後退を阻止することを特徴としている(請求項2)。
【0015】
このように構成すれば、進入状態のアクチュエータに係合する係合部材として、操作部に、駆動カムと同一の回転軸で駆動カムと独立して回転自在に設けられたロックカムと、ロックカムの外周面に形成されたロック部に係合してロックカムの回転をロックするロック体とが設けられている。そして、アクチュエータが操作部に進入したときに、アクチュエータの操作部への押込みに伴い、アクチュエータの一部が駆動カムおよびロックカムそれぞれの外周面に形成された係合部に係合し、該係合状態のままでアクチュエータが操作部に進入するに連れて、駆動カムおよびロックカムが一方向に回転し、アクチュエータが操作部に進入した状態のロックカムのロック部にロック体が係合してロックカムの回転がロックされる。したがって、駆動カムと同一の回転軸で駆動カムと独立して回転自在なロックカムを設けるという実用的な構成のアクチュエータロック機構により、ロックカムの係合部に係合したアクチュエータの操作部からの後退を確実に阻止することができる。
【0016】
また、前記駆動カムおよび前記ロックカムそれぞれにカム孔が形成され、前記操作ロッドに連結されたカムフォロワピンが、前記両カム孔に挿通されて前記操作ロッドの移動方向に移動自在に支持されており、前記アクチュエータ以外の非正規部材が前記操作部に進入したときに、前記両カム孔が前記カムフォロワピンが摺動不能となるずれを有する状態で相互に重なり合って前記駆動カムおよび前記ロックカムの回転が規制されることにより前記非正規部材の前記操作部への進入が阻止され、前記アクチュエータが前記操作部に進入したときに、前記両カム孔が前記カムフォロワピンをガイドできる状態に相互に重なり合って前記駆動カムおよび前記ロックカムが回転可能となり、前記アクチュエータの前記操作部への進入に伴い、前記アクチュエータの一部が前記両係合部に係合し、該係合状態のままで前記アクチュエータが前記操作部に進入するに連れて、前記駆動カムおよび前記ロックカムが一方向に回転して前記カムフォロワピンが移動することにより前記操作ロッドの移動を許容することを特徴としている(請求項3)。
【0017】
このように構成すると、駆動カムおよびロックカムそれぞれにカム孔が形成され、操作ロッドに連結されたカムフォロワピンが、両カム孔に挿通されて操作ロッドの移動方向に移動自在に支持されており、アクチュエータ以外の非正規部材が操作部に進入したときに、両カム孔が、カムフォロワピンが摺動不能となるずれを有する状態で相互に重なり合って駆動カムおよび前記ロックカムの回転が規制されることにより非正規部材の操作部への進入が阻止される。
【0018】
また、アクチュエータが操作部に進入したときに、両カム孔がカムフォロワピンをガイドできる状態に相互に重なり合って駆動カムおよびロックカムが回転可能となり、アクチュエータの操作部への進入に伴い、アクチュエータの一部が両係合部に係合し、該係合状態のままでアクチュエータが操作部に進入するに連れて、駆動カムおよびロックカムが一方向に回転してカムフォロワピンが移動することにより操作ロッドの移動が許容される。
【0019】
したがって、アクチュエータロック機構が有するロックカムが、非正規部材の操作部への進入を阻止する機能をさらに備えているため、非正規部材の操作部への進入を阻止する機能を備える他の部材を操作部にさらに設ける必要がなく、部品点数の削減を図り、装置の簡素化を図ることができると共に、安全スイッチの小型化を図ることができる。
【0020】
また、前記係合部材の破壊強度が、前記アクチュエータの破壊強度よりも低く設定されていることを特徴としている(請求項4)。
【0021】
このように構成すると、係合部材の破壊強度がアクチュエータの破壊強度よりも低く設定されているため、操作部へ進入状態のアクチュエータの操作部からの引抜きが阻止された状態で、アクチュエータが操作部から強引に引抜かれた場合には、係合部材がアクチュエータよりも先に破壊するため、アクチュエータは正常な状態であり、アクチュエータの操作部からの後退に伴い駆動カムを正常に回転させて開閉器の開閉状態を正常に切換えることができる。
【0022】
また、前記アクチュエータロック機構は、ロック状態で前記ロックカムをロックできない異常が発生したときに、前記ロックカムの外周面に設けられた係止部に係止して前記ロックカムの回転を阻止する係止部材をさらに備えていることを特徴としている(請求項5)。
【0023】
このように構成すれば、ロック状態でロックカムをロックできない異常が発生したときに、ロックカムの外周面に設けられた係止部に係止部材が係止してロックカムの回転が阻止されるため、アクチュエータを操作部へ進入させようとしても、ロックカムが回転することができず、アクチュエータの操作部への進入を防止することができる。
【0024】
また、前記アクチュエータロック機構は、ロック状態で前記ロックカムをロックできない異常が発生したときに、前記操作ロッドに係止して前記操作ロッドの移動を阻止する係止部材をさらに備えていることを特徴としている(請求項6)。
【0025】
このように構成すれば、ロック状態でロックカムをロックできない異常が発生したときに、操作ロッドに係止部材が係止して操作ロッドの移動が阻止されるため、アクチュエータを操作部へ進入させようとしても、操作ロッドの移動を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明によれば、操作部からの引抜きが阻止された状態のアクチュエータが強制的に操作部から引抜こうとされた場合に、駆動カムの回転はロックされておらず破損するおそれがないため、例えば、アクチュエータロック機構が破損することによりアクチュエータが操作部から強制的に引抜かれたとしても、駆動カムは正常な状態であり、アクチュエータの操作部からの後退に伴い駆動カムが正常に回転して操作ロッドが正常に移動するため、開閉器の開閉状態が正常に切換わり、スイッチ本体の操作部からのアクチュエータの後退を確実に検出することができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、駆動カムと同一の回転軸で駆動カムと独立して回転自在なロックカムを設けるという実用的な構成のアクチュエータロック機構により、ロックカムの係合部に係合したアクチュエータの操作部からの後退を、ロックカムの回転をロック体によりロックして確実に阻止することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、アクチュエータロック機構が有するロックカムが、非正規部材の操作部への進入を阻止する機能をさらに備えているため、非正規部材の操作部への進入を阻止する機能を備える他の部材を操作部にさらに設ける必要がなく、部品点数の削減を図り、装置の簡素化を図ることができると共に、安全スイッチの小型化を図ることができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、操作部へ進入状態のアクチュエータの操作部からの引抜きが阻止された状態で、アクチュエータが操作部から強引に引抜かれた場合には、係合部材がアクチュエータよりも先に破壊するため、アクチュエータは正常な状態であり、アクチュエータの操作部からの後退に伴い駆動カムを正常に回転させて開閉器の開閉状態を正常に切換えることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、ロック状態でロックカムをロックできない異常が発生したときに、ロックカムの外周面に設けられた係止部に係止部材が係止してロックカムの回転が阻止されるため、アクチュエータを操作部へ進入させようとしても、ロックカムが回転することができず、アクチュエータの操作部への進入を防止することができる。
【0031】
請求項6の発明によれば、ロック状態でロックカムをロックできない異常が発生したときに、操作ロッドに係止部材が係止して操作ロッドの移動が阻止されるため、アクチュエータを操作部へ進入させようとしても、操作ロッドの移動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1実施形態におけるスイッチ本体の断面図である。
【図2】この発明の第1実施形態におけるスイッチ本体の断面図である。
【図3】この発明の第1実施形態におけるスイッチ本体の断面図である。
【図4】この発明の第1実施形態におけるスイッチ本体の断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態におけるスイッチ本体の操作部の要部拡大図である。
【図6】この発明の第3実施形態におけるスイッチ本体の要部拡大図である。
【図7】この発明の第3実施形態におけるスイッチ本体の要部拡大図である。
【図8】この発明の第3実施形態におけるスイッチ本体の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1〜図4はこの発明の第1実施形態におけるスイッチ本体の正面から見た断面図であり、それぞれ異なる状態を示す。また、各図(a)は駆動カムの紙面手前側の外側面を切断面とする断面図であり、(b)は駆動カムの紙面奥側に配設されたロックカムの紙面手前側の外側面を切断面とする断面図である。
【0034】
本発明における安全スイッチ1は、外部装置であるロボットや工作機械などの産業機械にケーブルを介して電気的に接続されるスイッチであり、スイッチ本体2と、アクチュエータ3とを備え、アクチュエータ3の操作部5への進入、操作部5からの後退に応じてスイッチ部7の開閉器39の開閉状態が切換わることにより、アクチュエータ3の操作部5への進入、操作部5からの後退が検出される。
【0035】
スイッチ本体2は、操作部5とスイッチ部7とを有し、図示を省略する産業機械が設置された作業領域の防護扉周縁の壁面等に固着される。また、アクチュエータ3は、防護扉に固着されており、操作部5の上面および側面に形成されたアクチュエータ進入口9a,9bのうちのいずれか一方に対向するように防護扉に固着される。したがって、アクチュエータ3の挿入操作に相当する防護扉の閉鎖により、アクチュエータ3はアクチュエータ進入口9a,9bのいずれか一方から操作部5内に進入し、アクチュエータ3の引抜操作に相当する防護扉の開放によりアクチュエータ3は操作部5から後退する。なお、アクチュエータ3は、基部3aと、該基部3aの先端寄りの両側を橋絡して一体形成された連結片3bとから構成されている。
【0036】
スイッチ本体2の上部(図1の紙面に向かって左側)に配設された操作部5は、図1〜図4に示すように、ケース部材11と、駆動カム15と、駆動カム15を挟んで配置される一対のロックカム16と、ロックカム16の外周面に形成されたロック部16dに係合してロックカム16の回転をロックするロック体17とを備えている。
【0037】
駆動カム15は、アクチュエータ3の操作部5への挿入操作、操作部5からの引抜操作に応じて両方向に回転するように、回転軸13がこのケース部材11の内面に支持されている。駆動カム15の上部外周面には、アクチュエータ3の連結片3bが嵌挿する係合部15a,15bが、上記したアクチュエータ進入口9a,9bから覗く位置に形成されている。また、駆動カム15の下部外側面には径大部と径小部とを有するカム曲線状のガイド孔15c(カム孔)が形成されている。
【0038】
一対のロックカム16は、駆動カム15を挟んで図1の紙面の手前側と奥側にそれぞれ配設されており、各ロックカム16は、駆動カム15と独立して回転自在に駆動カム15と同一の回転軸13に支持されている。また、ロックカム16の上部外周面には、駆動カム15と同様に、アクチュエータ3の連結片3bが嵌挿する係合部16a,16bが、上記したアクチュエータ進入口9a,9bから覗く位置に形成れている。また、ロックカム16の下部外側面には略矩形のガイド孔16c(カム孔)が形成されている。また、ロックカム16の外周面には、アクチュエータ3が操作部5に進入完了したときにロック体17が係合するロック部16dが形成されている。
【0039】
また、図3に示すように、破断溝16eが形成されることにより、ロック体17が係合するロックカム16のロック部16d近傍の破壊強度がアクチュエータ3の破壊強度よりも低く設定されている。また、図4に示すように、ロックカム16の外周面には、係止部16fが設けられている。すなわち、係止部16fは、破断溝16eに沿った破断が生じ、ロック部16dが形成された破断片16e1がロックカム16の外周面から脱離したときに露出する。なお、図1の紙面手前側に配設されたロックカム16は図示省略されている。
【0040】
また、操作ロッド21が、操作部5の下方(図1の紙面に向かって右側)に位置するスイッチ部7に設けられている。操作ロッド21は、上下方向に移動自在に設けられており、スイッチ部7から出退自在に操作部5内に突出する。また、操作ロッド21は、横断面が略楕円状に形成されている。そして、操作ロッド21は、その略楕円状の長軸の方向と回転軸13の軸方向とがほぼ一致するように配設されている。
【0041】
また、操作ロッド21の先端部分は、凹部21aが設けられることにより、図1の紙面の上側から見た側面視形状が略コ字状となるように形成されている。そして、凹部21aに、駆動カム15およびロックカム16それぞれのガイド孔15c,16cが形成された部分が配置される。また、操作ロッド21の先端部には、その略コ字状の両先端を回転軸13の軸方向に横架するカムフォロワピン22が、操作ロッド21にほぼ直交して連結されている。なお、カムフォロワピン22は、略コ字状の操作ロッド21先端の回転軸13方向の幅よりも長く形成されている。そして、カムフォロワピン22は、その両端が、それぞれ略コ字状の操作ロッド21の両先端から幅方向に突出するように操作ロッド21の先端に連結されている。
【0042】
また、操作ロッド21が、駆動カム15の双方向への回転に連動して上下方向に往復移動するように、カムフォロワピン22がガイド孔15c,16cに挿通されている。また、カムフォロワピン22は、略コ字状の操作ロッド21の両先端から幅方向に突出したその両端が、駆動カム15およびロックカム15を挟んで図1の紙面の手前側と奥側に配設された一対のガイド部材(図示省略)により、操作ロッド21の移動方向に移動自在にそれぞれ支持されている。
【0043】
したがって、アクチュエータ3が操作部5に進入することによる駆動カム15の反時計方向への回転に伴ってカムフォロワピン22が駆動カム15のガイド孔15cに沿って図示省略されたガイド部材に支持されつつ下方に移動することで、操作ロッド21がスイッチ部7に進入して操作部5から引出される。また、アクチュエータ3が操作部5から後退することによる駆動カム15の時計方向への回転に伴ってカムフォロワピン22が駆動カム15のガイド孔15cに沿って図示省略されたガイド部材に支持されつつ上方に移動することで、操作ロッド21がスイッチ部7から後退して操作部5に押込まれる。このように、アクチュエータ3の操作部5への進入、操作部5からの後退に伴い操作ロッド21が往復移動することで、スイッチ部7に内蔵されている開閉器部70の開閉器39の開閉状態が切換えられる。
【0044】
また、図1に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入していない初期状態では、カムフォロワピン22がガイド孔16cの内周面に形成された凹部に嵌り込んでおり、駆動カム15およびロックカム16の両ガイド孔15c,16cは、カムフォロワピン22が両ガイド孔15c,16c内を摺動不能となるずれを有する状態で重なりあっている。
【0045】
したがって、アクチュエータ3以外の非正規部材が操作部5に進入したときに、カムフォロワピン22が両ガイド孔15c,16c内を摺動不能となるずれを有する状態で両ガイド孔15c,16cが重なりあった状態が解消されなければ、カムフォロワピン22の移動が阻止される。すなわち、駆動カム15およびロックカム16の回転が規制されるので、非正規部材の操作部5への進入が阻止される。
【0046】
また、図2に示すように、正規のアクチュエータ3が、例えばアクチュエータ進入口9aから操作部5に進入したときには、まず、アクチュエータ3の基部3aの両先端が両ロックカム16の係合部16aに当接する。そして、さらにアクチュエータ3が操作部5に所定量だけ押し込まれることにより、基部3aの両先端により各係合部16aが押圧されて各ロックカム16が反時計周りに所定量だけ回転すると、両ガイド孔15c,16cがカムフォロワピン22をガイドできる状態に相互に重なり合って駆動カム15およびロックカム16が回転可能な状態となる。
【0047】
アクチュエータ3が操作部5にさらに押し込まれると、ロックカム16がアクチュエータ3の基部3aの両先端に押圧されて反時計方向に回転するのと同時に、アクチュエータ3の連結片3bが駆動カム15の係合部15aに当接して該係合部15aを押圧することにより、駆動カム15の反時計方向への回転が開始される。このとき、駆動カム15およびロックカム16が所定の位相差を有した状態で共に回転することにより、両ガイド孔15c,16cがカムフォロワピン22をガイドできる状態に相互に重なり合った状態が維持される。したがって、両係合部15a,16aに係合した状態のアクチュエータ3が操作部5に進入するに連れて、駆動カム15およびロックカム16が反時計方向に回転してカムフォロワピン22が移動することにより、操作ロッド21が移動する。
【0048】
以上のように、正規のアクチュエータ3が操作部5に進入することで駆動カム15およびロックカム16が所定の位相差を有した状態で共に回転することにより、カムフォロワピン22をガイドできる状態で両ガイド孔15c,16cが相互に重なり合った状態が維持されるように、駆動カム15およびロックカム16に両ガイド孔15c,16cがそれぞれ形成されている。
【0049】
なお、上記した例では、正規のアクチュエータ3が操作部5に進入することで、まずロックカム16が所定量回転して駆動カム15およびロックカム16が所定の位相差を有した状態となることにより、カムフォロワピン22をガイドできる状態で両ガイド孔15c,16cが相互に重なり合うように、駆動カム15およびロックカム16に両ガイド孔15c,16cがそれぞれ形成されている。しかしながら、アクチュエータ3が操作部5に進入していない初期状態において、駆動カム15およびロックカム16が所定の位相差を有し、両ガイド孔15c,16cがカムフォロワピン22をガイドできる状態で相互に重なり合うように、駆動カム15およびロックカム16に両ガイド孔15c,16cをそれぞれ形成してもよい。
【0050】
すなわち、正規のアクチュエータ3が操作部5に進入することで、駆動カム15およびロックカム16が所定の位相差を有する初期状態を維持した状態で回転することにより、カムフォロワピン22をガイドできる状態で両ガイド孔15c,16cが相互に重なり合った状態が維持されるように、駆動カム15およびロックカム16に両ガイド孔15c,16cをそれぞれ形成してもよい。
【0051】
ロック体17は、図3に示すように、アクチュエータ3が操作部5へ進入することにより反時計方向に回転した状態のロックカム16の外周面に形成されたロック部16dに係合し、ロックカム16の回転をロックすることにより、ロックカム16の係合部16a,16bのいずれかに係合するアクチュエータ3の操作部5からの引抜操作を阻止する。具体的には、ロック体17は略コ字状に形成されており、基部17aと、基部17aの先端寄り(図3の紙面に向かって右側)の両側を橋絡して一体形成された係止片17bとを備えており、所定の揺動軸を揺動の中心として揺動自在に配置されている。また、この実施形態では、ロック体17は、先端寄りの係止片17bがロックカム16の外周面を摺接する方向に揺動するようにばねなどの付勢手段(図示省略)により付勢されている。
【0052】
そして、図3に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入してロックカム16が反時計方向に回転した状態で、ロック体17が所定の揺動軸を揺動の中心として付勢手段の付勢力によりロックカム16側に揺動して、係止片17bがロック部16dに係合することにより、ロックカム16の回転が阻止される。したがって、操作部5に進入完了状態のアクチュエータ3にのみ係合するロックカム16の回転がロック体17により阻止されることにより、アクチュエータ3の操作部5からの後退が阻止される。
【0053】
また、ロック体17がロック部16dに係合することでロックカム16の回転が阻止された状態で強引にアクチュエータ3が操作部5から引抜かれることにより、ロックカム16が破断溝16eに沿って破断し、ロック部16dが形成された破断片16e1が脱離すれば、ロック体17によりロックカム16の回転がロックされた状態であるにも関わらず、ロックカム16の回転をロック体17によりロックできない異常が発生する。このように、破断片16e1が脱離してロックカム6の回転をロック体17によりロックできない異常が発生すれば、図4に示すように、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴って駆動カム15およびロックカム16が時計方向に回転する。
【0054】
このとき、ロックカム16が破断溝16eに沿って破断して破断片16e1が脱離することにより、ロックカム16の外周面には係止部16fが露出する。したがって、アクチュエータ3の操作部5からの強引な引抜きに伴うロックカム16の時計方向への回転により、ロックカム16の係止部16fがロック体17の先端寄りの係止片17bの位置を越えたときに、ロック体17が付勢手段の付勢力によりさらにロックカム16側に揺動する。
【0055】
そして、ロック体17がロックカム16側へ揺動することで、ロック体17の係止片17bが係止部16fに係止し、これにより、ロックカム16の反時計方向への回転がロックされる。したがって、強引に引抜かれたアクチュエータ3が再度操作部5に進入しようとしても、アクチュエータ3が係合するロックカム16の反時計方向への回転がロック体17によりロックされているため、アクチュエータ3の操作部5への進入が阻止される。
【0056】
以上のように、本発明の「係合部材」としてのロックカム16およびロック体17が本発明の「アクチュエータロック機構」として機能しており、ロック体17は本発明の「係止部材」の機能を備えている。
【0057】
次に、スイッチ部7について説明する。図1に示すように、ケース部材11と結合可能に形成されたケース部材33が、ケース部材11と結合されることにより一体となって直方体状のスイッチ本体2を形成する。そして、スイッチ部7は操作部5の下方(図1の紙面に向かって右側)に配設される。また、スイッチ部7は、開閉器39が内蔵された開閉器部70と、上記した操作ロッド21とを備えている。なお、例えばアクチュエータ進入口9aからのアクチュエータ3の進入方向へのねじが、ケース部材11の周壁に形成された挿通孔を介してケース部材33のめねじ孔に螺合したり、ケース部材11を係止爪とその被係止部とからなる係止構造によってケース部材33に係止したりして、ケース部材33に、操作部5側のケース部材11が取付けられている。
【0058】
ところで、アクチュエータ3の操作部5への進入、操作部5からの後退に伴う操作ロッド21の往復移動に連動して開閉する開閉器39は、可動接点39aと固定接点39bとを有しており、可動接点39aは操作ロッド21と一体的に移動可能に下向きに操作ロッド21に固定され、固定接点39bは開閉器部70に配設された枠部材43に上向きに固定されている。ここで、開閉器39は産業機械への電源供給および遮断用であり、開閉器39が閉状態となることで、産業機械へ電源が供給される。
【0059】
また、操作ロッド21はコイルばねなどの付勢手段(図示省略)により上方に、すなわち操作部5の方向に付勢されている。すなわち、操作ロッド21が上方に付勢されることにより、開閉器39の可動接点39aが固定接点39bに対して開離する方向に付勢される。
【0060】
ここで、ケース部材33には、産業機械と電気的に接続されるケーブル(図示省略)が装着されており、開閉器部70の内部においてケーブルと開閉器39とが電気的に接続されている。そして、開閉器39が開閉することによる電気信号によって、産業機械への電源供給及び電源供給の遮断が行われるようになっている。
【0061】
なお、アクチュエータ3が操作部5に進入していない図1の状態では、カムフォロワピン22がガイド孔15cに沿って径大部から径小部へ移動しており、付勢手段の付勢力と、ガイド孔15c内を摺接することにより生じるカムフォロワピン22を操作部5の方向への移動させる力とにより、操作ロッド21は操作部5側へ移動した状態となっている。この操作ロッド21の操作部5側への移動により可動接点39aも同時に固定接点39bから開離する方向へ移動し、開閉器39の可動接点39aおよび固定接点39bが開離し、開閉器39が開状態となり、産業機械への電源供給が遮断されて産業機械が操作不能な状態となっている。
【0062】
続いて、上記した安全スイッチ1の動作について図1〜図4を参照して説明する。図1に示すように、アクチュエータ3がスイッチ本体2の操作部5に進入していない場合、カムフォロワピン22の操作部5側への移動により操作ロッド21が操作部5側に移動しており、また、コイルばねなどの付勢手段の付勢力により操作ロッド21の操作部5側への移動状態が維持されている。したがって、操作ロッド21の操作部5側への移動により、開閉器39が開状態となって産業機械への電源供給が遮断されて産業機械が操作不能な状態となっている。また、ロック体17は、その先端側の係止片17bがロックカム16の外周面を摺接することにより、所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動している。
【0063】
次に、図1に示す初期状態から防護扉等を閉じるなどのアクチュエータ3の挿入操作により、例えばアクチュエータ進入口9aから正規のアクチュエータ3が操作部5に進入すると、図2に示すように、まず、アクチュエータ3の基部3aの両先端により係合部16aが押圧されてロックカム16が所定量だけ反時計方向に回転することにより、駆動カム15およびロックカム16の両カム孔15c,16cが、カムフォロワピン22をガイドできる状態に相互に重なり合って駆動カム15およびロックカム16が回転可能な状態となる。
【0064】
さらにアクチュエータ3が操作部5に押込まれると、図3に示すように、アクチュエータ3の連結片3bが駆動カム15の係合部15aと係合し、連結片3bおよび基部3aの両先端が、それぞれ係合部15a,16aに係合したままで、アクチュエータ3が操作部5に進入するに連れて駆動カム15およびロックカム16が反時計方向に回転する。そして、駆動カム15が回転するのに伴い、カムフォロワピン22がコイルばねなどの付勢手段の付勢力に抗しつつガイド孔15cに沿って径小部から径大部へ移動してスイッチ部7の方向へ下動する。
【0065】
そして、カムフォロワピン22の下動に伴って、操作ロッド21がコイルばねなどの付勢手段の付勢力に抗してスイッチ部7に押込まれて下方に移動する。さらに、操作ロッド21が下方に移動するに連れて、可動接点39aが可動して固定接点39bに接触することにより開閉器39が開状態から閉状態と切換わる。したがって、開閉器39が閉状態となるため、この開閉器39に直列に接続されているロボット等の産業機械に電源が供給され、産業機械が操作可能な状態となる。
【0066】
そして、図3に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入してロックカム16が反時計方向に回転した状態で、ロック体17が所定の揺動軸を揺動の中心として図示省略された付勢手段の付勢力によりロックカム16側へ揺動することにより、係止片17bがロック部16dに係合してロックカム16の回転がロックされて、ロックカム16の係合部16aに係合したアクチュエータ3の操作部5からの引抜操作が阻止される。
【0067】
一方、ロック解除手段により、ロック体17を所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動させて係止片17bのロック部16dへの係合状態を解除した状態で、防護扉等が開放されるなどのアクチュエータ3の引抜操作が行われると、図1に示すように、アクチュエータ3の連結片3bと駆動カム15およびロックカム16の各係合部15a,16aとの係合状態が解除されるまで駆動カム15およびロックカム16がアクチュエータ3の引抜き方向である時計方向に回転する。この駆動カム15の時計方向への回転に伴ってカムフォロワピン22がガイド孔15cに沿って径大部から径小部へ移動して上動し、このカムフォロワピン22の上動に伴い、操作ロッド21がスイッチ部7から引抜かれる方向に移動する。
【0068】
そして、コイルばねなどの付勢手段による付勢力と、駆動カム15が回転することによる操作ロッド21をスイッチ部7から引抜く引抜力とにより、操作ロッド21がアクチュエータ3の挿入操作時とは逆方向、すなわち、スイッチ部7から引抜かれて操作部5側へ移動することで、可動接点39aは固定接点39bから開離して開閉器39が開状態になり、産業機械は操作不能な状態となる。
【0069】
ところで、図3に示すように、ロックカム16の回転がロック体17によりロックされた状態で、アクチュエータ3が強引に操作部5から引抜かれた場合には、ロックカム16が破断溝16eに沿って破断することで、図4に示すように、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴って駆動カム15およびロックカム16が時計方向に回転する。
【0070】
このとき、駆動カム15は正常な状態であるため、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴い駆動カム15が正常に回転することで、開閉器39が開状態になり産業機械は操作不能な状態となる。一方、ロックカム16が破断溝16eに沿って破断して破断片16e1が脱離することにより、ロックカム16の外周面に設けられた係止部16fが露出した状態となっている。
【0071】
したがって、アクチュエータ3の操作部5からの強引な引抜きに伴うロックカム16の時計方向への回転により、ロックカム16の係止部16fがロック体17の先端寄りの係止片17bの位置を越えたときに、ロック体17が付勢手段の付勢力によりさらにロックカム16側に揺動する。そして、ロック体17がロックカム16側へ揺動することで、ロック体17の係止片17bが係止部16fに係止することにより、ロックカム16の反時計方向への回転がロックされるので、アクチュエータ3の操作部5への進入が阻止される。
【0072】
以上のように、この実施形態では、操作部5からの引抜きがロックカム16により阻止された状態のアクチュエータ3が強制的に操作部5から引抜こうとされた場合に、駆動カム15の回転はロックされておらず破損するおそれがないため、例えば、ロックカム16が破損することにより、アクチュエータ3が操作部5から強制的に引抜かれたとしても、駆動カム15は正常な状態であり、アクチュエータ3の操作部5からの後退に伴い駆動カム15が正常に回転して操作ロッド21が正常に移動するため、開閉器39の開閉状態が正常に切換わり、スイッチ本体2の操作部5からのアクチュエータ3の後退を確実に検出することができる。
【0073】
また、駆動カム15と同一の回転軸13で駆動カム15と独立して回転自在なロックカム16を設けるという実用的で簡易な構成で、ロックカム16の回転をロック体17によりロックすることにより、ロックカム16の両係合部16a,16bのいずれかに係合したアクチュエータ3の操作部5からの後退を確実に阻止することができる。
【0074】
また、ロックカム16にガイド孔16cが形成されることにより、非正規部材の操作部5への進入が阻止されるように構成されているため、非正規部材の操作部5への進入を阻止する機能を備える他の部材を操作部5にさらに設ける必要がなく、部品点数の削減を図り、安全スイッチ1の簡素化を図ることができると共に、安全スイッチ1の小型化を図ることができる。
【0075】
また、操作部5へ進入完了状態のアクチュエータ3の操作部5からの引抜きが、ロックカム16の回転がロック体17によりロックされることにより阻止された状態で、アクチュエータ3が操作部5から強引に引抜かれた場合には、破断溝16eが設けられることにより破壊強度がアクチュエータ3よりも低く設定されたロックカム16がアクチュエータ3よりも先に破壊するため、アクチュエータ3は正常な状態のままであり、アクチュエータ3の操作部5からの後退に伴い駆動カム15を正常に回転させて開閉器39の開閉状態を正常に切換えることができる。
【0076】
また、アクチュエータ3の操作部5からの強引な引抜きにより、ロック状態であるのにも関わらずロック体17によりロックカム16の回転をロックできない異常が発生したときに、ロックカム16の外周面に設けられた係止部16fにロック体17の先端の係止片17bが係止してロックカム16の回転が阻止されるため、アクチュエータ3を操作部5へ進入させようとしても、アクチュエータ3が係合するロックカム16が回転することができず、アクチュエータ3の操作部5への再進入を防止することができる。
【0077】
<第2実施形態>
本発明にかかる安全スイッチの第2実施形態について図5を参照して説明する。図5はこの発明の第2実施形態におけるスイッチ本体の操作部の要部拡大図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる状態を示す。
【0078】
この第2実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、ロックカム16の外周に係止部16fが設けられておらず、ロック体17の係止片17bのロック部16dへの係合によりロックカム16の回転がロックされた状態で、アクチュエータ3が強引に引抜かれてロック部16dに形成された脱離片16e1が脱離することにより、ロック体17でロックカム16の回転をロックできない異常が発生したときに、操作ロッド21の先端に連結されたカムフォロワピン22に係止することで操作ロッド21の移動を阻止するガイド部材18(本発明の「係止部材」に相当)を備えている点である。その他の構成および動作は上記した第1実施形態と同様であるため、以下では、図1〜図4も参照しつつ主として第1実施形態との相違点について詳述する。なお、第1実施形態と同一の構成および動作については、同一符号を引用してその構成および動作の説明を省略する。
【0079】
図5(a)〜(c)に示すように、カムフォロワピン22を操作ロッド21の移動方向に移動自在に支持するガイド部材18が、図5の紙面手前側および奥側のロックカム16それぞれの外側の側面に沿って配設されている。なお、図5では、説明を容易にするために、紙面手前側に配設されたロックカム16のみ図示されており、以下では、紙面手前側に配設されたガイド部材18等に関する説明のみを行い、紙面奥側に配設されたガイド部材18等の説明については、その構成および動作が、紙面手前側に配設されたガイド部材18等と同様であるため、その説明は省略する。
【0080】
ガイド部材18は、固定配置された第1部材18aおよび第2部材18bと、第2部材18bの先端側に操作ロッド21の移動方向と略同じ方向に移動自在に配置された第3部材18cとを備えている。そして、図5(a)に示すように、第1部材18aと、第1部材18aに対向して配置された第2部材18bおよび第3部材18cとにより、カムフォロワピン22を操作ロッド21の移動方向に移動自在に支持するガイド部18dが形成される。
【0081】
また、第2部材18bの先端側(図5の紙面に向かって左側)には凹部18eが形成され、第3部材18cの後端側(図5の紙面に向かって右側)には凸部18fが形成されている。そして、図5(a)に示すように、凹部18eおよび凸部18fは、第3部材18cが下方のスイッチ部7側(図5の紙面に向かって右側)に移動して、第2部材18bおよび第3部材18cが近接した状態で、互いに遊嵌する形状に形成されている。また、第3部材18cの先端側には係合孔18gが形成されており、係合孔18gに、ロック体17の後端寄り設けられた作動片17cの先端が係合する。
【0082】
また、第3部材18cが操作ロッド21の移動方向と略同じ方向に移動自在に配置されることで、第3部材18cが移動することによるシャッター機構が、第2部材18bおよび第3部材18cにより形成されている。したがって、図5(a)に示すように、第3部材18cが、下方に移動して第2部材18bと近接することによりシャッター機構が閉じた状態では、カムフォロワピン22はガイド部18dにより上下方向に正常にガイドされる。
【0083】
一方、図5(b)に示すように、第3部材18cが、上方に移動して第2部材18bから離間することによりシャッター機構が開いた状態では、第2部材18bと第3部材18cとの間に係止用凹部18hが形成される。したがって、シャッター機構が開くことにより係止用凹部18hが形成された状態では、図5(c)に示すように、アクチュエータ3が操作部から強引に引抜かれることにより駆動カム15およびロックカム16が時計方向に回転し、ガイド孔15c内を摺接するカムフォロワピン22が上方に移動して係止用凹部18hの位置に達すれば、カムフォロワピン22は、二点鎖線の位置から係止用凹部18h内に嵌り込むことにより係止用凹部18hにより係止される。
【0084】
このように、操作ロッド21の先端に連結されたカムフォロワピン22が、係止用凹部18hに係止されることにより、操作ロッド21の移動が阻止される。
【0085】
ロック体17は、図5(a)〜(c)に示すように、この実施形態では、基部17aの後端寄りの両側に、駆動カム15およびロックカム16を挟んで一対の作動片17cが設けられている。そして、各作動片17cの先端が、それぞれ、ガイド部材18の第3部材18cの先端側に形成された係合孔18gに係合する。したがって、ロック体17の揺動に連動して作動片17cの先端が上下方向に移動するのに伴い、作動片17cの先端が係合する第3部材18cも上下方向に移動する。
【0086】
以上のように構成された安全スイッチ1では、図5(a)に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入していない状態の初期状態においては、ロック体17は所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側に揺動しているため、作動片17cの先端は下方のスイッチ部7側に移動している。したがって、作動片17cの先端のスイッチ部7側への移動により、作動片17cの先端が係合したガイド部材18の第3部材18cもスイッチ部7側へ移動しており、ガイド部材18の第2部材18bおよび第3部材18cによるシャッター機構は閉状態となっている。
【0087】
また、図5(b)に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入して駆動カム15およびロックカム16が反時計方向に回転すると、カムフォロワピン22がガイド孔15cおよびガイド部18dにガイドされて下方のスイッチ部7側に移動する。カムフォロワピン22の下動に伴い操作ロッド21が下動して開閉器39が閉状態となり、開閉器39に直列に接続されているロボット等の産業機械に電源が供給され、産業機械が操作可能な状態となる。
【0088】
そして、カムフォロワピン22が下方のスイッチ部7側に移動した後に、ロック体17は、所定の揺動軸を揺動の中心としてロックカム16側に揺動してロック部16dに係合するロック状態となり、作動片17cの先端はスイッチ部7とは反対側の上方に移動する。したがって、作動片17cの先端の上方への移動に伴い、作動片17cの先端が係合したガイド部材18の第3部材18cも上方へ移動するため、ガイド部材18の第2部材18bおよび第3部材18cによるシャッター機構は開状態となり、係止用凹部18hが形成される。
【0089】
一方、ソレノイドなどを利用した周知のロック解除手段(図示省略)により、ロック体17を所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動させることにより、係止片17bのロック部16dへの係合状態が解除されると、ロック体17のケース部材11側への揺動に伴い、作動片17cの先端は下方のスイッチ部7側に移動する。そして、作動片17cの先端のスイッチ部7側への移動に伴い、作動片17cの先端が係合したガイド部材18の第3部材18cもスイッチ部7側へ移動して、ガイド部材18の第2部材18bおよび第3部材18cによるシャッター機構は閉状態とななる。
【0090】
したがって、ロック体17によるロックカム16の回転のロックが解除された状態で、防護扉等が開放されるなどのアクチュエータ3の引抜操作が行われると、アクチュエータ3の連結片3bと駆動カム15およびロックカム16の各係合部15a,16aとの係合状態が解除されるまで駆動カム15およびロックカム16がアクチュエータ3の引抜き方向である時計方向に回転する。この駆動カム15の回転に伴ってカムフォロワピン22が、ガイド孔15cおよびシャッター機構が閉状態のガイド部18dに正常にガイドされて移動して上動し、このカムフォロワピン22の上動に伴い、操作ロッド21がスイッチ部7から引抜かれる方向に移動する。
【0091】
そして、コイルばねなどの付勢手段による付勢力と、駆動カム15が回転することによる操作ロッド21をスイッチ部7から引抜く引抜力とにより、操作ロッド21が、アクチュエータ3の挿入操作時とは逆方向、すなわち、スイッチ部7から引抜かれて操作部5側へ移動することで開閉器39が開状態になり、産業機械は操作不能な状態となる。
【0092】
また、図5(c)に示すように、ロックカム16の回転がロック体17によりロックされた状態で、アクチュエータ3が強引に操作部5から引抜かれた場合には、ロックカム16が破断溝16eに沿って破断することで、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴って駆動カム15およびロックカム16が時計方向に回転する。
【0093】
このとき、駆動カム15は正常な状態であるため、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴い駆動カム15が正常に回転することで、開閉器39が開状態になり産業機械は操作不能な状態となる。一方、ロック体17はロックカム16側に揺動した状態であり、ガイド部材18の第2部材18bおよび第3部材18cによるシャッター機構の開状態が維持されて、係止用凹部18hが形成された状態となっている。
【0094】
したがって、アクチュエータ3の操作部5からの強引な引抜きに伴う駆動カム15およびロックカム16の時計方向への回転により、図5(c)に示すように、駆動カム15のガイド孔15c内を摺接するカムフォロワピン22が、ガイド部材18の第1部材18aおよび第2部材18bにより形成されるガイド部18dにガイドされて上方に移動して係止用凹部18hの位置に達すれば、カムフォロワピン22は、二点鎖線の位置から係止用凹部18h内に嵌り込んで係止用凹部18hに係止される。
【0095】
このように、操作ロッド21の先端に連結されたカムフォロワピン22が、係止用凹部18hに係止されることにより、操作ロッド21の移動が阻止されるため、駆動カム15およびロックカム16は回転不能な状態となり、アクチュエータ3の操作部5への進入が阻止される。
【0096】
以上のように、この実施形態では、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、以下の効果を奏することができる。すなわち、ロック状態であるにも関わらずロック体17によりロックカム16の回転をロックできない異常が発生したときに、操作ロッド21に連結されたカムフォロワピン22が係止用凹部18hに嵌り込んで係止されることにより操作ロッド21の移動が阻止されるため、駆動カム15およびロックカム16が回転不能な状態となり、アクチュエータ3を操作部5へ進入させようとしても、操作ロッド21の移動が阻止されて、アクチュエータ3が係合する駆動カム15およびロックカム16が回転することができず、アクチュエータ3の操作部5への再進入を防止することができる。
【0097】
<第3実施形態>
本発明にかかる安全スイッチの第3実施形態について図6〜図8を参照して説明する。図6〜図8はこの発明の第3実施形態におけるスイッチ本体の要部拡大図であり、それぞれ異なる状態を示す。また、各図(a)はロックカムおよびロックカム側に設けられた操作ロッドを示し、(b)は駆動カムおよび駆動カム側に設けられた操作ロッドを示す。
【0098】
この第3実施形態が上記した第1実施形態と大きく異なるのは、安全スイッチ100が備える駆動カム115およびロックカム116それぞれに対して操作ロッド121a,121bが設けられている点である。以下では、図1〜図4も参照しつつ主として第1実施形態との相違点について詳述する。なお、第1実施形態と同一の構成および動作については、同一符号または相当符号を引用することによりその構成および動作の説明を省略する。
【0099】
スイッチ本体102は、上記した第1実施形態とほぼ同様に形成されており、操作部5とスイッチ部7とを有し、図示を省略する産業機械が設置された作業領域の防護扉周縁の壁面等に固着される。また、アクチュエータ3は、防護扉に固着されており、操作部5の上面および側面に形成されたアクチュエータ進入口9a,9bのうちのいずれか一方に対向するように防護扉に固着される。したがって、アクチュエータ3の挿入操作に相当する防護扉の閉鎖によりアクチュエータ3はアクチュエータ進入口9a,9bのいずれか一方からは操作部5内に進入し、アクチュエータ3の引抜操作に相当する防護扉の開放によりアクチュエータ3は操作部5から後退する。
【0100】
また、スイッチ本体102の上部(図6の紙面に向かって左側)に配設された操作部5は、図6〜図8に示すように、ケース部材11と、駆動カム115と、ロックカム116と、ロックカム116の外周面に形成されたロック部116dに係合してロックカム116の回転をロックするロック体17とを備えている。なお、本実施形態では、ロックカム116およびロック体17が本発明の「係合部材」に相当する。
【0101】
駆動カム115は、アクチュエータ3の操作部5への挿入操作、操作部5からの引抜操作に応じて両方向に回転するように回転軸113がこのケース部材11の内面に支持されている。駆動カム115の上部外周面には、アクチュエータ3の連結片3bが嵌挿する係合部115a,115bが、上記したアクチュエータ進入口9a,9bから覗く位置に形成されている。また、駆動カム115の下部外周面には径大部と径小部とを有するカム曲線部115cが形成されている。
【0102】
ロックカム116は、駆動カム115に隣接して配設されており、ロックカム116は、駆動カム115と独立して回転自在に駆動カム115と同一の回転軸113に支持されている。また、ロックカム116の上部外周面には、駆動カム115と同様に、アクチュエータ3の連結片3bが嵌挿する係合部116a,116bが、上記したアクチュエータ進入口9a,9bから覗く位置に形成れている。また、ロックカム116の下部外側面には径大部と径小部とを有するカム曲線状のガイド孔116cが形成されている。また、ロックカム116の外周面には、アクチュエータ3が操作部5に進入完了した状態でロック体17が係合するロック部116dが形成されている。
【0103】
また、図7に示すように、破断溝116eが形成されることにより、アクチュエータ3が係合するロックカム116の係合部116a,116b近傍の破壊強度が、アクチュエータ3の破壊強度よりも低く設定されている。
【0104】
また、操作部5の下方に位置するスイッチ部7に、係止部材119と、駆動カム115およびロックカム116それぞれに対応する操作ロッド121a,121bとが設けられている。
【0105】
係止部材119は、略L字状の部材の一端に設けられた回動軸119aを回動の中心として、図6,8の(a),(b)に示す第1の位置と、図7の(a),(b)に示す第2の位置との間で回動自在にスイッチ部7に配設されている。また、スイッチ部7には、係止部材119を第1の位置(スイッチ本体102の内側)に向かって付勢する付勢手段(図示省略)が設けられている。
【0106】
この付勢手段は、例えばねじりばねにより形成されており、ねじりばねのコイル部分に回動軸119aが挿通された状態でスイッチ部7に配設される。そして、係止部材119は、付勢手段により第1の位置の向かう方向に付勢されている。
【0107】
各操作ロッド121a,121bは、それぞれ上下方向(図6の紙面の左右方向)に移動自在に設けられており、スイッチ部7から出退自在に操作部5内に突出する。また、各操作ロッド121a,121bは、スイッチ部7のケース部材33の上面に形成されたガイド穴33aにより上下方向にガイドされている。
【0108】
駆動カム115に対応した操作ロッド121aは、下端側(図6の紙面に向かって右側)に配設されたばねなどにより形成される付勢手段118aにより、上方の操作部5の方向に付勢されている。したがって、駆動カム115の回転に伴って付勢手段118aにより上方に付勢された操作ロッド121aの先端が駆動カム115のカム曲線部115cを摺接することで、操作ロッド121aが操作部5に進入、もしくは操作部5から後退して往復移動し、スイッチ部7に内蔵されている開閉器部70の開閉器39の開閉状態が切換えられる。
【0109】
また、操作ロッド121aの側面の所定の位置には、第1の位置に回動した係止部材119の先端に係止する被係止部121a1が突設されている。したがって、図8(b)に示すように、係止部材119が第1の位置に回動しているときに、係止部材119の先端が操作ロッド121aの被係止部121a1の上側に係止することで、操作ロッド121aの操作部5側への移動が阻止される。
【0110】
ロックカム116に対応した操作ロッド121bは、その先端部にカムフォロワピン122が操作ロッド121bに直交して連結されている。また、ロックカム116のガイド孔116cが形成された部分には、その外周面側から切込部が形成されており、操作ロッド121bの先端は、ロックカム116の外周面に形成された切込部内に配置される。
【0111】
そして、操作ロッド121bがロックカム116の双方向への回転に連動して上下方向に往復移動するように、カムフォロワピン122がガイド孔116cに挿通されている。また、操作ロッド121bの外周に形成されたフランジ部121bfとケース部材33との間に、コイルばねからなる付勢手段118bが操作ロッド121bに外挿されて配設されており、操作ロッド121bは、付勢手段118bの付勢力により下方に付勢されている。
【0112】
したがって、ロックカム116の回転に伴ってカムフォロワピン122がロックカム116のガイド孔116cに沿って移動することで、操作ロッド121bが操作部5に進入、もしくは操作部5から後退して往復移動し、スイッチ部7に内蔵されている開閉器部70の開閉器40の開閉状態が切換えられる。
【0113】
また、操作ロッド121bの側面の所定の位置には、第1の位置に回動した係止部材119の先端と摺接するカム斜面を有するカム部121b1が突設されている。したがって、図6(a)および図7(a)に示すように、係止部材119が第1の位置に回動しているときに、係止部材119の先端の上方に位置するカム部121b1が、操作ロッド121bがアクチュエータ3の操作部5への進入に伴い下動すれば、係止部材119の先端がカム部121b1のカム斜面を摺接することで、係止部材119は第2の位置へ付勢手段の付勢力に抗して回動する。
【0114】
ロック体17は、図7に示すように、上記した第1実施形態と同様に、アクチュエータ3が操作部5へ進入することにより反時計方向に回転した状態のロックカム116の外周面に形成されたロック部116dに係合し、ロックカム116の回転をロックすることにより、ロックカム116に係合するアクチュエータ3の操作部5からの引抜操作を阻止する。
【0115】
また、ソレノイドなどを利用した周知のロック解除手段(図示省略)により、ロック体17を所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動させて係止片17bのロック部116dへの係合状態が解除されることで、ロックカム116の回転が許容されてアクチュエータ3の操作部5からの後退が可能となる。
【0116】
次に、スイッチ部7について説明する。上記した第1実施形態と同様に、ケース部材11と結合可能に形成されたケース部材33が、ケース部材11と結合されることにより一体となって直方体状のスイッチ本体102を形成する。そして、スイッチ部7は操作部5の下方(図6の紙面に向かって右側)に配設される。また、スイッチ部7は、上記した操作ロッド121a,121bと、操作ロッド121aの移動に連動して開閉する開閉器39および操作ロッド121bの移動に連動して開閉する開閉器40が内蔵された開閉器部70とを備えている。
【0117】
操作ロッド121aの往復移動に連動して開閉する開閉器39は、可動接点39aと固定接点39bとを有しており、可動接点39aは操作ロッド121aと一体的に移動可能に上向きに操作ロッド121aに固定され、固定接点39bは開閉器部70に配設された枠部材43に下向きに固定されている。ここで、開閉器39は産業機械への電源供給および遮断用であり、開閉器39が閉状態となることで、産業機械へ電源が供給される。
【0118】
また、操作ロッド121aは付勢手段118aにより上方に、すなわち操作部5の方向に付勢されている。すなわち、操作ロッド121aが上方に付勢されることにより、開閉器39の可動接点39aが固定接点39bに対して接触する方向に付勢される。
【0119】
操作ロッド121bの往復移動に連動して開閉する開閉器40は、可動接点40aと固定接点40bとを有しており、可動接点40aは操作ロッド121bと一体的に移動可能に下向きに操作ロッド121bに固定され、固定接点40bは開閉器部70に配設された枠部材44に上向きに固定されている。ここで、開閉器40は、開閉器39および開閉器40の開閉状態を比較することで、ロック体17によるロックカム116の回転のロックおよびロック状態の解除が正常に行われたかどうかを検出するためのものであり、開閉器39および開閉器40が、同時に閉状態または開状態になると、ロックカム116の回転がロック体17により正常にロックまたはロック解除されたことが検出される。
【0120】
また、操作ロッド121bは、付勢手段118bにより下方に、すなわちスイッチ部7の方向に付勢されている。すなわち、操作ロッド121bが下方に付勢されることにより、開閉器40の可動接点40aが固定接点40bに対して接触する方向に付勢される。
【0121】
なお、アクチュエータ3が操作部5に進入していない図6(b)の状態では、操作ロッド121aは、駆動カム115のカム曲線部115cにより付勢手段118aの付勢力に抗してスイッチ部7側に押込まれた状態となっている。この操作ロッド121aのスイッチ部7側への移動により可動接点39aも同時に固定接点39bから開離する方向へ移動し、開閉器39の可動接点39aおよび固定接点39bが開離し、開閉器39が開状態となり、産業機械への電源供給が遮断されて産業機械が操作不能な状態となっている。
【0122】
また、アクチュエータ3が操作部5に進入していない図6(a)状態では、操作ロッド121bに連結されたカムフォロワピン122がロックカム116のガイド孔116cに沿って径大部から径小部へ移動している。したがって、ガイド孔116c内を摺接することにより生じるカムフォロワピン122を操作部5の方向への移動させる力により、操作ロッド121bは付勢手段118bの付勢力に抗して操作部5側へ移動した状態となっている。この操作ロッド121bの操作部5側への移動により可動接点40aも同時に固定接点40bから開離する方向へ移動し、開閉器40の可動接点40aおよび固定接点40bが開離し、開閉器40が開状態となり、開閉器39が同時に開状態となることで、ロックカム116の回転のロック体によるロック状態が正常に解除されたことが検出される。
【0123】
続いて、上記した安全スイッチ100の動作について図6〜図8を参照して説明する。図6(b)に示すように、アクチュエータ3がスイッチ本体102の操作部5に進入していなければ、操作ロッド121aは、駆動カム115のカム曲線部115cによりスイッチ部7側に押込まれており、開閉器39が開状態となって産業機械への電源供給が遮断されて産業機械が操作不能な状態となっている。
【0124】
また、図6(a)に示すように、アクチュエータ3がスイッチ本体102の操作部5に進入していなければ、カムフォロワピン122の操作部5側への移動により操作ロッド121bが操作部5側に移動しており、開閉器40が開状態となっている。また、ロック体17は、その先端側の係止片17bがロックカム116の外周面を摺接することにより、所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動しており、ロックカム116の回転はロックされておらず、開閉器40が開状態であり、開閉器39が同時に開状態であることから、ロック体17によるロックカム116の回転のロック状態が正常に解除されていることが検出される。
【0125】
次に、図7(b)に示すように、図6(a),(b)に示す初期状態から防護扉等を閉じるなどのアクチュエータ3の挿入操作により、例えばアクチュエータ進入口9aからアクチュエータ3が操作部5に進入すると、駆動カム115の反時計方向への回転が開始されて、操作ロッド121aの先端がカム曲線部115cを径大部から径小部へと摺接することにより、付勢手段118aの付勢力による操作ロッド121aの上動が開始される。
【0126】
また、図7(a)に示すように、ロックカム116の反時計方向への回転が開始されて、カムフォロワピン122がガイド孔116cの径小部から径大部へと移動することにより、付勢手段118bの付勢力による操作ロッド121bの下動が開始される。このとき、図6(a)および図7(a)に示すように、ロックカム116の反時計方向への回転に伴う操作ロッド121bの下動により、まず、係止部材119の先端がカム部121b1のカム斜面を摺接して係止部材119の第2の位置への回動が開始される。
【0127】
アクチュエータ3が操作部5にさらに押込まれて、図7(b)に示すように、駆動カム115の反時計方向への回転に伴う操作ロッド121aの上動により被係止部121a1が係止部材119の位置に到達したときには、係止部材119の先端は、操作ロッド121bの下動により第2位置に回動した状態となっている。したがって、係止部材119の先端と被係止部121a1とが当接しないため、アクチュエータ3が操作部5に進入するに連れて駆動カム115が反時計方向に回転するのに伴い、操作ロッド121aが上方に移動し、可動接点39aが固定接点39bに接触することにより開閉器39が開状態から閉状態と切換わり、ロボット等の産業機械に電源が供給され、産業機械が操作可能な状態となる。
【0128】
一方、図7(a)に示すように、アクチュエータ3が操作部5に進入するに連れてロックカム116が反時計方向に回転するのに伴いロック部116dがロック体17の係止片17bの位置に達すると、ロック体17が所定の揺動軸を揺動の中心として図示省略された付勢手段の付勢力によりロックカム116側へ揺動して係止片17bがロック部116dに係合し、ロックカム116の回転がロックされて、ロックカム116の係合部116aの係合したアクチュエータ3の操作部5からの引抜操作が阻止される。
【0129】
また、ロックカム116の反時計方向への回転により操作ロッド121bが下方に移動して、可動接点40aが固定接点40bに接触することにより開閉器40が開状態から閉状態と切換わることで、開閉器39が同時に閉状態であることから、ロック体17によりロックカム116の回転が正常にロックされたことが検出される。
【0130】
このとき、図7(a),(b)に示すように、係止部材119の先端のカム部121b1のカム斜面に対する摺接は終了しているが、係止部材119の先端が操作ロッド121aの被係止部121a1の先端に当接することにより、係止部材119の第2の位置への回動状態が維持される。
【0131】
一方、ロック解除手段により、ロック体17を所定の揺動軸を揺動の中心としてケース部材11側へ揺動させて係止片17bのロック部116dへの係合状態が解除された状態で、防護扉等が開放されるなどのアクチュエータ3の引抜操作が行われると、図6(a),(b)に示すように、アクチュエータ3の連結片3bと駆動カム115およびロックカム116の各係合部115a,116aとの係合状態が解除されるまで駆動カム115およびロックカム116がアクチュエータ3の引抜き方向である時計方向に回転する。
【0132】
したがって、駆動カム115の時計方向への回転に伴い、操作ロッド121aの先端がカム曲線部115cを径小部から径大部へ摺接することにより、操作ロッド121aは、スイッチ部7側に付勢手段118aの付勢力に抗して押込まれる。そして、操作ロッド121aのスイッチ部7側への押込みに伴い、可動接点39aは固定接点39bから開離して開閉器39が開状態になり、産業機械は操作不能な状態となる。
【0133】
一方、ロックカム116の時計方向への回転に伴い、操作ロッド121bのカムフォロワピン122がガイド孔116cに沿って径大部から径小部へ移動して上動し、このカムフォロワピン122の上動に伴い、操作ロッド121bが、付勢手段118bの付勢力に抗してスイッチ部7から引抜かれる方向に移動する。
【0134】
そして、操作ロッド121bの操作部5側への移動に伴い、可動接点40aは固定接点40bから開離して開閉器40が開状態になり、開閉器39が同時に開状態であることから、ロック体17によるロックカム116の回転のロック状態が正常に解除されたことが検出される。
【0135】
このとき、ロックカム116の時計方向への回転に伴う操作ロッド121bの上動により、カム部121b1が、第2の位置に回動状態の係止部材119の先端位置を少し越えたタイミングで、駆動カム115の時計方向への回転に伴う操作ロッド121aの下動により、被係止部121a1の先端による係止部材119の先端の係止状態が解除されるように構成されている。このようにすると、カム部121b1が係止部材119の先端位置を越える前に係止部材119が第1の位置に回動することにより、係止部材119の先端がカム部121b1に係止して、操作ロッド121bの上動が阻害されることを防止することができる。
【0136】
ところで、ロックカム116の回転がロック体17によりロックされた状態で、アクチュエータ3が強引に操作部5から引抜かれた場合には、ロックカム116が破断溝116eに沿って破断して脱離片116e1が脱離する。したがって、図8(a)に示すように、ロック体17によるロックカム116の回転のロック状態は維持されており、アクチュエータ3が操作部5から強引に引抜かれても、操作ロッド121bが移動しないため、開閉器40の閉状態が維持される。
【0137】
一方、アクチュエータ3が操作部5から強引に引抜かれても、図8(b)に示すように、駆動カム115は正常な状態であるため、アクチュエータ3の強引な引抜きに伴い駆動カム15が正常に時計方向に回転することで、開閉器39が開状態になり産業機械は操作不能な状態となる。このとき、駆動カム115の時計方向への回転に伴う操作ロッド121aの下動により、駆動カム115が時計方向へ所定量回転したタイミングで、被係止部121a1の先端による係止部材119の先端の係止状態が解除されるため、係止部材119は付勢手段の付勢力により第1の位置へ回動する。
【0138】
したがって、図8(b)に示すように、アクチュエータ3が、再度、操作部5に進入することにより駆動カム115が反時計方向に回転しても、ロックカム116が回転することがなく、係止部材119の第1の位置への回動状態が維持されるため、係止部材119の先端が被係止部121a1に係止することで、付勢手段118aの付勢力により操作ロッド121aが操作部5の方向に上動するのが阻止される。
【0139】
以上のように、この実施形態では、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、以下の効果を奏することができる。すなわち、ロックカム116の回転がロック体17によりロックされているのにも関わらず、アクチュエータ3が操作部5から強引に引き抜かれた後に、再度、アクチュエータ3が操作部5に進入することにより駆動カム115が反時計方向に回転しても、係止部材119の先端が被係止部121a1に係止することで、付勢手段118aの付勢力により操作ロッド121aが操作部5の方向に上動するのが阻止されるため、ロックカム116に異常が生じているのにも関わらず、開閉器39が閉状態となることを防止することができる。
【0140】
また、ロックカム116の回転がロック体17によりロックされているのにも関わらず、アクチュエータ3が操作部5から強引に引き抜かれた場合には、ロック体17によるロックカム116の回転のロック状態は維持されている。したがって、アクチュエータ3が操作部5から強引に引抜かれても、操作ロッド121bが移動しないため、開閉器40は閉状態が維持されているため、開閉器39および開閉器40の開閉状態を検出することにより、ロックカム116に異常が生じていることを検出することができる。
【0141】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記した実施形態では、本発明の係合部材をロックカム16,116により構成し、ロックカム16,116の回転をロックすることにより、アクチュエータ3の操作部5からの後退を阻止するように構成されているが、操作部5に進入完了した状態のアクチュエータ3のみに係合することで、アクチュエータ3の操作部5からの後退を阻止する構成であれば、係合部材はどのように構成してもよい。
【0142】
また、上記した実施形態では、ロックカム16,116に破断溝16e,116eを形成することにより、ロックカム16,116の破壊強度がアクチュエータ3の破壊強度よりも低くなるように構成したが、ロックカム16,116の破壊強度を低くするための破断溝16e,116eは必ずしも設ける必要はなく、ロックカム16,116の材質や形状などを変更することにより、ロックカム16,116の破壊強度がアクチュエータ3の破壊強度よりも低くなるように構成してもよい。また、必ずしもロックカム16,116(係合部材)の破壊強度がアクチュエータ3の破壊強度よりも低く構成する必要はない。
【0143】
また、開閉器の数は上記した例に限定されるものではなく、安全スイッチの使用目的に応じて、適宜、開閉器を追加してもよく、アクチュエータの操作部への進入、後退に応じた開閉器の開閉状態も上記した例に限らず、使用目的に応じて、適宜、開閉状態を変更してもよい。
【0144】
また、駆動カムおよびロックカムの数は上記した例に限定されるものではなく、アクチュエータの操作部への進入、操作部からの後退に伴う駆動カムおよびロックカムの回転方向は上記した例に限らず、どのように回転するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0145】
1,100…安全スイッチ
2,102…スイッチ本体
3…アクチュエータ
5…操作部
7…スイッチ部
15,115…駆動カム
15a,15b,115a,115b…係合部
15c…ガイド孔(カム孔)
16,116…ロックカム(係合部材)
16a,16b,116a,116b…係合部
16c…ガイド孔(カム孔)
16d,116d…ロック部(係合部材)
16f…係止部
17…ロック体(係合部材、係止部材)
18…ガイド部材(係止部材)
21,121a…操作ロッド
22…カムフォロワピン
39…開閉器
119…係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ本体の操作部に進入、後退自在に設けられたアクチュエータと、
前記操作部に回転自在に設けられた駆動カムと、
前記スイッチ本体のスイッチ部に設けられた操作ロッドおよび開閉器とを備え、
前記アクチュエータの前記操作部への進入、前記操作部からの後退に応じて駆動カムが双方向に回転し、前記駆動カムの双方向への回転に応じて操作ロッドが往復移動することにより前記開閉器が開閉して前記アクチュエータの前記操作部への進入、後退を検出する安全スイッチにおいて、
前記操作部に進入状態の前記アクチュエータに係合する係合部材を有し、前記進入状態の前記アクチュエータに前記係合部材が係合して前記アクチュエータの前記操作部からの後退を阻止するアクチュエータロック機構を備える
ことを特徴とする安全スイッチ。
【請求項2】
前記アクチュエータロック機構は、
前記係合部材として、
前記操作部に、前記駆動カムと同一の回転軸で前記駆動カムと独立して回転自在に設けられたロックカムと、
前記ロックカムの外周面に形成されたロック部に係合して前記ロックカムの回転をロックするロック体とを有し、
前記アクチュエータが前記操作部に進入したときに、前記アクチュエータの前記操作部への押込みに伴い、前記アクチュエータの一部が前記駆動カムおよび前記ロックカムそれぞれの外周面に形成された係合部に係合し、該係合状態のままで前記アクチュエータが前記操作部に進入するに連れて、前記駆動カムおよび前記ロックカムが一方向に回転し、前記アクチュエータが前記操作部に進入した状態の前記ロックカムの前記ロック部に前記ロック体が係合して前記ロックカムの回転をロックし、前記ロックカムの前記係合部に係合した前記アクチュエータの前記操作部からの後退を阻止する
ことを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ。
【請求項3】
前記駆動カムおよび前記ロックカムそれぞれにカム孔が形成され、
前記操作ロッドに連結されたカムフォロワピンが、前記両カム孔に挿通されて前記操作ロッドの移動方向に移動自在に支持されており、
前記アクチュエータ以外の非正規部材が前記操作部に進入したときに、前記両カム孔が前記カムフォロワピンが摺動不能となるずれを有する状態で相互に重なり合って前記駆動カムおよび前記ロックカムの回転が規制されることにより前記非正規部材の前記操作部への進入が阻止され、
前記アクチュエータが前記操作部に進入したときに、前記両カム孔が前記カムフォロワピンをガイドできる状態に相互に重なり合って前記駆動カムおよび前記ロックカムが回転可能となり、前記アクチュエータの前記操作部への進入に伴い、前記アクチュエータの一部が前記両係合部に係合し、該係合状態のままで前記アクチュエータが前記操作部に進入するに連れて、前記駆動カムおよび前記ロックカムが一方向に回転して前記カムフォロワピンが移動することにより前記操作ロッドの移動を許容する
ことを特徴とする請求項2に記載の安全スイッチ。
【請求項4】
前記係合部材の破壊強度が、前記アクチュエータの破壊強度よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の安全スイッチ。
【請求項5】
前記アクチュエータロック機構は、ロック状態で前記ロックカムをロックできない異常が発生したときに、前記ロックカムの外周面に設けられた係止部に係止して前記ロックカムの回転を阻止する係止部材をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の安全スイッチ。
【請求項6】
前記アクチュエータロック機構は、ロック状態で前記ロックカムをロックできない異常が発生したときに、前記操作ロッドに係止して前記操作ロッドの移動を阻止する係止部材をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の安全スイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−33614(P2013−33614A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168560(P2011−168560)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)