説明

安全ロープと安全クッション構造及びその製造方法

【課題】高所等での危険な作業を行う時や又サーフボードや鮎釣り等で、身体につないで、危機から身を守る、伸縮性があり、ヘタらない安全ロープにすること。
【解決手段】アラミド系、ポリエチレン系、等の糸をロープ体1にし、これらを伸縮自在のチューブ体2に貫通させ、該ロープ体1の自然長Lはチューブ体2の自然長LLより1,2倍から2,5倍もしくは数倍にして、中空部2aにたるませてロープ体1と同等の長さに収納し、これらのそれぞれの端子が係止具3を介し固着した構造にする。又前記ロープ体1の端子にガイド体を着脱自在に結合し、チューブ体2の中空部2aの片方の開口部にゆるく差し込み、これらのガイド体を、中空部2の他方の開口部に掃除機たぐいの吸引ノズルに接続する吸い込みガイドを差し込み、吸引ノズルに発生する空気吸引力で、チューブ体2の中空部2aに細長いロープ体1又は芯糸体を貫通可能にした製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は高所や壁面等での危険な作業を行う時やサーフボードや、或いは強流中での鮎釣で、身体をこれらの所在部位につないで、現場での思いがけない危機にさらされた時に身体をこれらの近辺の所在部位から離脱する事無く双方の接続具として使う伸縮する安全ロープ(命綱)と、そしてまた釣場で道糸とハリスの間に接続具として使う安全クッションの同一技術分野に関し、更に詳しくはこれらの接続具は、伸縮自在のチューブ体の中空部にロープや芯材を貫通して2層構造の接続具にし、伸び縮みするチューブの限りない伸びを押さえてヘタラない弾性限界内での伸縮にする為に、中空部に貫通するロープや芯材の所定の長さを限度に伸びを制限し、限りなく強弱の伸縮を繰り返してもクッション性の失う事のない安全ロープと釣用の切れ難くヘタリのない安全クッションに関し、またこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本来此の種の従来の技術として、命綱に見られるロープは化学繊維を使ってのポリエチレンやビニロンやポリエステル等の撚糸を撚成したロープ体を所定の長さと太さにし、両端子にはスナップやリングを結束した命綱用具として、危険な作業やスポーツや強流での鮎釣り等で、落ちたり沈んだりする危険から身を守る為に、身体と身辺の接続要部間を接続具としてつないで使っている。
【0003】
また釣用具では、道糸とハリスの間に弾性線条体でなる熱可塑性ポリウレタンエラストマーでなる一本のクッションゴムと称する接続具を使って、ハリスに吊るした釣針に食い付く魚の引きでの衝撃を緩和し、魚の釣り上げや魚のアタリ合わせでの魚の口切れを防いでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記する従来技術の命綱として使われる安全ロープの場合は現場での思いがけない危機にさらされて、瞬間に体重がロープに掛かった時、其の衝撃が身体の内臓への怪我を与えたり、或いは瞬時にかかる突発的なロープの引きなどで身体のバランスを崩して足場を外して身体が落下し、障害物に激突する等で致命傷を負おうなどの課題が有り、そして又突如に起こるロープへの過激な付加によってロープの破断強度を超える衝撃に依ってロープが突如切断する等の課題がある。
【0005】
次ぎに釣具での釣竿の道糸とハリスの間に接続して使うクッションゴムは魚の引きが数回繰り返す間に弾性限界を超え、クッションゴムの伸び縮みが鈍化し伸びきり、頻繁に新品に取り替えたり、突如切断する等で、其の引っ張り反発によって身辺に危害を与えるなどの課題があり、いずれにしても突如に起こるこれら利用者に危害の与えることのない用具の具現化を強く要望される由縁である。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
この発明はかかる課題を解決するために、請求項1での発明は図1、図2、図3で述べるように、図1は本発明での一部断面での全体を示す斜視図で、図2は同じく請求項1での一部断面での使用例を示す斜視図で、更には図3は同じく請求項1での身体の一部に閉め付けたベルトに装着した安全ロープの使用例を示す部分図での斜視図で、化学繊維を使ってのアラミド系、ポリエチレン系、POB繊維系の糸をロープ体1に撚成し、これらを伸縮自在のチューブ体2の中空部2aに貫通させ、該ロープ体1の自然長Lはチューブ体2の自然長LLより1,2倍から2,5倍もしくは数倍にして、中空部2aにたるませて
ロープ体1の長さに合わせ収納し、これらのそれぞれの端子が係止具3を介し結束した安全ロープ構造にする。
【0007】
又請求項2での発明は図4で述べるように、前記するロープ体1を糸状の一本の芯糸体101にした2層構成での釣用の安全クッション構造にする。
【0008】
次ぎに又請求項3での発明を、前記する図1、図2、図3、図4を併用して述べるように、前記する係止具3は棒状でなり、片方の側面に開口する縦孔3aと、それに交差するロック孔3bを外周面に開口し、更に他方の端部に位置して外周面に止め孔3cを開口し、これらのそれぞれの孔にロープ体1の端子又は芯糸体101の端子を通して外周にからませ結束し、チューブ体1の中空部2aの端子開口部は、これらの係止具3の端部3dに差し込み係止することで、双方の端子を係止具3に強着したこれらの係止具3はリングCやスナップ等を介し、身体の身辺にある接続要部間に装着可能にした構成での安全ロープ構造と安全クッション構造にする。
【0009】
次ぎに請求項4での発明は製造方について述べるが、「第1工程」での図5は、前記するロープ体1又は芯糸体101の端子にガイド体Aを着脱自在に結合し、所定の長さに裁断された、チューブ体2の中空部2aの片方の開口部にゆるく差し込み、これらのガイド体Aを、中空部2の他方の開口部に掃除機たぐい(実施例では家庭用の掃除機を使用したが、特定せず)の吸引ノズルに接続してなる吸い込みガイドBを差し込み、吸引ノズルに発生する空気吸引力Pを利用することで、ガイド体Aが中空部2a内を吸い込まれ移動し、長く伸長するチューブ体2の中空部2aに細長いロープ体1或いは芯糸体101を貫通を容易にしている。次ぎに「第2工程」での図6は、チューブ体2に貫通されたロープ体1又は芯糸体101の端子に結合したガイド体Aを取り外した後、「第3工程」では図7に述べるように、貫通されたロープ体1又は芯糸体101は所定の自然長LLに切断され、両端子はそれぞれ係止具3に結束されるが、本実施例では縦孔3aに差し込まれた端子はロック孔3bを通過し止め孔3cに通され支点となって折り返されて、係止具3の外周に巻き込まれながら再度ロック孔3bに差し込まれて結束された後、「第4工程」では図8に述べるように、係止具3に結束されたロープ体1又は芯糸体101はチューブ体2の中空部2aに押し込んでたるませ係止具3の端部3dをこれらの中空部2aの開口部にかたく差し込まれて係止され、其の後はこれらの両端を摘んで最大限に引き伸ばした後に自然長に開放することで、図9に述べるように、チューブ体2の中空部2a内に螺旋状に伸縮自在に収納され、安全ロープと安全クッションの製法は完了するが、前記するロープ体1或いは芯糸体101と係止具3との結束は本実施形態に特定するもので無く、係止具3の結束は他の形態でも良い。(図示せず)
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の通り構成作用するので次の優れた効果を奏する。即ち安全ロープにクッション性を持たせた為、瞬時に体重がロープに掛かった時、そのショックが身体に掛かる衝撃をロープの伸び縮みが吸収し緩和することで、身体を危機から守る事の出来る安全ロープを提供することが出来る。
【0008】
次ぎに釣り用安全クッションは、強靭な芯糸体の自然長を限度にチューブ体が弾性限界を超えず伸び縮みすることで、へたりや切断のないクッション性の優れた強靭な安全クッションを提供出来る。
【0009】
このように繰り返し引っ張りに依っても伸縮性が落ちる事無く、偶発的に切断のない安心安全なクッションを備えた強靭な紐体として、他の多くの用品に利用できるなどの優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良な形態】
【0010】
以下に図示の実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するに、図1は本発明での第一実施例に基づく全体を示す一部断面での斜視図で、図2は現場で使用例での安全ロープに牽引が働いた形態での一部断面でのロープ体1が最長伸びで、本発明の安全ロープ(命綱)は、少なくとも3部品で構成し、1部品は細長いロープ体1で、それは化学繊維を素材としたアラミド系やポリエチレン系やPOM繊維系の糸を使って撚成したもので、他の合成繊維でも良く、撚りのロープ体1の太さや長さも用途に応じ選択は任意での構成とする。次ぎにもう1部品は伸縮自在でなる樹脂製の中空部2aを持つチューブ体2でこれらの材質は伸縮性に優れたポリウレタンエラストマー樹脂が最適とされるが材質を含め適在適所に応じ伸びや太さ長さなどが決定される。次ぎにもう1部品は棒状でなる係止具3との3部品での構成である.
【0011】
そして細長いロープ体1はチューブ体2に通されでが、ロープ体1の自然長はチューブ体2の自然長の数倍の長さに切断れ、お互いの端子が両方とも揃えられ係止具3に結束されるが、チューブ体1より数倍の長さに切断されたロープ体1は中空部2aにたるませて押し込まれることになり、これらに引っ張りが働いた時チューブ体1の伸びは最長でたるんで中空部2aに押し込まれたロープ体1の最長までしか伸びることが出来ずに、その間でチューブ体1の伸縮の繰り返しが行なわれる。これらのチューブ体1の最長伸びは其の材質の持つ弾性限界の伸び長さ内を限度にロープ体1の自然長が決定される。
【0012】
又図2は本発明での第一実施例に基づく使用例での安全ロープに引っ張りが働いて、最大伸びにロープ体1が達した形態を一部断面を示しての斜視図で、瞬時に体重がロープ体1に掛かった時、そのショックが身体に掛かる衝撃をロープ体1の伸び縮みが吸収し緩和することが出来る。又図3は同じく第一実施例に基づく使用例での安全ロープに引っ張りが働かない場合と、引っ張りが働いた時の一部断面での要部斜視図である。
【0013】
次ぎに図4は第二実施例に基づく一部断面での要部斜視図で、従来この種のクッションは、釣具での道糸とハリスとの間に介在させる弾性線条体のポリウレタンエラストマー樹脂からなるクッションゴムとしてムクの線材が使われるが、本発明はチューブ体2でその中空部2aに一本の糸状の芯糸体101を貫通させて前記安全ロープと同等の構成での2層から成る安全クッション構成とし、芯糸体101の自然長さはチューブ体2の自然長さの1,2倍から2,5倍の自然長から選択するが、これらの選択するチューブ体2の伸び率を基準にし、芯糸体101の長さの倍率を算定することで、伸び弾性限界の長さに対しての芯糸体101の長さが決定されることになる。
【0014】
次ぎに又上記する第一及び第二実施例での図面を併用しての第三実施例を述べるに、チューブ体1と其れに貫通するロープ体1又は芯糸体2の端子を揃え、それらを係止具3を結束手段として使われるが、これらは金属製或いは合成樹脂加工でなる棒状でなり、片方の側面に開口する縦孔3aと、それに交差するロック孔3bを外周面に開口し、更に他方の端に位置して外周面に止め孔3cを開口して成るが、これらの止め孔3cに近接して丸状の端部3dがロープ体1の中空部2aの開口部にかために圧入或いはねじ込み可能な形状としている。
【0015】
チューブ体2と其れに貫通するロープ体1或いは芯糸体101との端子同志は係止具3が結束するが、縦孔3aに差し込まれたロープ体1或いは芯糸体101の端子はロック孔3bから引き出し、止め孔3cを通過し折り返し、外周に巻き込まれた端末が再度ロック孔3bに差し込まれ、チューブ体2の開口部は端部3dに差し込み固着し、それぞれが係止具3とかたく結束する。
【0016】
このようにチューブ体2は係止具3に結束され、其の係止具3の端子に開口する止め孔3Cを介し、リング体Cやスナップ等が着脱自在に接続して使用する構成とすることで、本実施例は最適例とするが、これらの他に物体と物体との接続具或いは身体と物体との接続具として、限りなく拡大出来る技術分野に適用するものである。
【0017】
次ぎに図5、図6、図7、図8、図9、は第一、第二、第三実施例にあげる本発明の製造方法に基づく要部を斜視図で示すもので、図5は「第1工程」を示し、ロープ体1或いは芯糸体101(以下これらの双方を総合し製法においては線体111と呼ぶ事にする)の端子を円柱状にクリップ又はリング体を付けたガイド体Aに着脱自在に接続し、所定の太さと自然長Lに切断されたチューブ体2の片方の開口部に差し込み、其の太さに整合するガイド体Aは、チューブ体2の他方の開口部に掃除機たぐい(掃除機に特定しないエアー吸入機等)の吸引ノズルに接続してなる吸い込みガイドBをかために差し込み、吸引ノズルに発生する空気吸引力Pを使って、チューブ体2の開口部に差し込まれたガイド体Aを片方の開口部に移動させ、ガイド体Aに着脱自在に接続する線体111をチューブ体2に貫通させる製法とする。
【0018】
次ぎに図6は「第2工程」を示すもので、チューブ体2に貫通された線体111の先に接続するガイド体Aを外す。次ぎに図7は「第3工程」を示すもので、貫通された線体111は所定の自然長LLに切断されて、これらの両端子はそれぞれ係止具3に結束される。これらの接続の一例として、線体111の結束は係止具3の側面に開口する縦孔3aに差し込まれ、其の孔に交差して設けたロック孔3bから外周に引き出し、止め孔3cに差し込まれ折り返され係止具3の外周に沿って数回巻きつけ、端末はロック孔3bに差し込まれ、線体111と係止具3が固着される。次ぎに図8は「第4工程」を示すもので、線体111の端子が結束された係止具3をチューブ体2の自然長Lより数倍に長い線体111をチューブ体2の中空部2aにたるませて押し込み、係止具3の端部3dをチューブ体2の開口部にかたく差し込まれ固着し一体化している。次ぎに図9で示すように、チューブ体2に貫通して両端子に一体化した係止具3に引っ張りを付加する事で、チューブ体2の中空部2aに収納した線体111は最大限の伸び迄チューブ体2が伸び、其の伸びは弾性限界内で終ることで伸縮の繰り返しでチューブ体2が伸びきったり破断することを防いでいる。チューブ体2に引っ張りのない自然長Lでは、線体111は螺旋状に中空部2aに収納される。
【0019】
これらの製造方法での工程は、製法の流れを示し、実施例での工程を短縮、あるいは統合しても良く、本実施例工程を特定するものでなく、細長いチューブ体2に線体111を貫通する製法を狙いとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係わる第一と第三実施例とを併用しての一部断面での斜視図である。
【図2】本発明に係わる第一と第三実施例とを併用しての一部断面での使用例で伸びきった斜視図である。
【図3】本発明に係わる第一と第三実施例とを併用しての使用例での引っ張りと縮小での斜視図である。
【図4】本考発明に係わる第二と第三実施例とを併用しての一部断面での斜視図である。
【図5】本発明に係わる製法での第1工程を示す一部断面での斜視図である。
【図6】本発明に係わる製法での第2工程を示す斜視図である。
【図7】本発明に係わる製法での第3工程を示す斜視図である。
【図8】本発明に係わる製法での第4工程を示す斜視図である。
【図9】本発明に係わる製法での第4工程を示す一部断面での要部断面での斜視図である。
【符合の説明】
【0021】
1 ロープ体
101 芯糸体
111 線体
2 チューブ体
2a 中空部
3 係止具
3a 縦穴
3b ロック孔
3c 止め孔
3d 端部
L,LL 自然長
A ガイド体
B 吸い込みガイド
C リング体
D サルカン
P 空気吸引力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミド系、ポリエチレン系、PBO繊維系の糸をロープ体(1)に撚成し、これらを伸縮自在のチューブ体(2)の中空部(2a)に貫通させ、該ロープ体(1)の自然長(L)はチューブ体(2)の自然長(LL)より1,2倍から2,5倍もしくは数倍にして、中空部(2a)にたるませてロープ体(1)の長さに合わせ、これらのそれぞれの端子が係止具(3)を介し固着した事を特徴とする、安全ロープ構造。
【請求項2】
前記するロープ体(1)を糸状の一体の芯糸体(101)にしたことを特徴とする請求項1記載の釣用の安全クッション構造。
【請求項3】
前記する係止具(3)は棒状でなり、片方の側面に開口する縦孔(3a)と、それに交差するロック孔(3b)を外周面に開口し、更に他方の端部に位置して外周面に止め孔(3c)を開口し、これらのそれぞれの孔にロープ体(1)の端子又は芯糸体(101)の端子を通してからませ結束し、チューブ体(1)の中空部(2a)の端子開口部は、これらの係止具(3)の端部(3d)に差し込係止することで、双方の端子を係止具(3)に強着したこれらの係止具(3)を他の接続要部に装着可能したことを特徴とする、請求項1又は2項記載の安全ロープ構造と安全クッション構造。
【請求項4】
前記するロープ体(1)或いは芯糸体(101)の端子にガイド体(A)を着脱自在に結合し、チューブ体(2)の中空部(2a)の片方の開口部にゆるく差し込み、これらのガイド体(A)を、中空部(2)の他方の開口部に掃除機たぐいの吸引ノズルに接続してなる吸い込みガイド(B)を差し込み、吸引ノズルに発生する空気吸引力(P)を利用することで、長く延長するチューブ体(2)の中空部(2a)に細長いロープ体(1)或いは芯糸体(101)を貫通可能にしたことを特徴とする請求項1,2又は3項記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−297689(P2008−297689A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168151(P2007−168151)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(595120367)
【Fターム(参考)】