安全性が改善されたコンドーム

【課題】一端が開放された長円形を有し、その開放端の内面にリング形状で塗布された接着剤層を有する安全性が改善されたコンドームに関する。
【解決手段】この新規なコンドーム1は、ペニスをその実質的に完全な長さで覆い、また前記接着剤層2はコンドームの開放端に近接して配置され、好ましくは前記開放端の最初の1/3に位置する。このコンドームは、性交の間もその正しい位置に確実に残り、また、望ましい効果を達成するための活性成分、例えば早漏を防止する活性成分をその中に収容することができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は安全性が改善されたコンドームに関する。
【従来の技術】
【0002】
現在、コンドームは最も広範に普及しており、多くの観点から、STD−s(性制感染病)を予防する最も安全な避妊用具である。しかし、多くの人々は、その滑落を懸念するため、コンドームの使用に嫌悪を感じている。
【0003】
この滑落の問題を解決するために、現在商業的に入手可能なコンドームでは、サイズの選択が行われてきた。コンドームのサイズを選択するときに、ユーザーは完全に勃起したペニスのサイズを考慮する。しかし、性交に際して、勃起は射精の遅延によって低下することがあり、コンドームはこの勃起の低下に適切に追従することができない。結果的に、一般的に使用されるコンドームは勃起した状態のペニスにおいてのみ、所望の位置に止まるに過ぎない。
【0004】
ペニスの解剖学的外観は個人によって非常に異なり得るが、勃起が低下すると、血液は先ずその前部、即ちペニス亀頭から流出する。次いで、ペニスは傾斜した円錐形を取るであろうから、コンドームは容易に滑り落ちる。ある製造業者は、その閉鎖端で直径が増大した、所謂快適タイプのコンドームを販売している。このタイプもまた、完全に勃起した状態でのみ効果があり、更に、ペニス本体の直径よりも直径が小さい亀頭ペニスを呈する解剖学的外観により、コンドームは更に容易に滑落し得るという決定的な欠点を有する。
【0005】
現在のコンドームには、広範な殺精子薬および潤滑剤が使用されている。このような物質によって作用する顕著な効果は、ユーザーが必要とするものではあるが、勃起が低下すると、このような物質はコンドームの滑落を促進する。勃起が低下した状態では、膣分泌物もまたコンドームの内部に進入する可能性があり、該分泌物の潤滑効果もコンドームの滑落を促進する。
【0006】
精液は、射精前にも予精液としてペニスから漏出する可能性がある。勃起が低下した際、これらの精液は、射精された精液と同様に滑落したコンドームから漏出する可能性がある。この精液自身もまた、潤滑効果を有する。
【0007】
更なる問題は、勃起が低下した際にコンドームが滑落すると、STDの病原体がコンドーム内部に進入することにより、またはコンドームから外部へ漏出することにより感染を引き起こすことである。
【0008】
勃起の低下に起因して、射精の直後に性交を終了させ、コンドームが膣の中に止まることがなく、またその内容物が膣の中で放出されることがないようにしなければならない。
【0009】
ユーザーが滑落を感じてコンドームを正しい位置に保持しようとする場合、爪で傷付けることによってコンドームが破れることが多い。コンドームの滑落を防止できれば、これを手で保持する必要はなくなり、コンドームが破損する危険は減少する。
【0010】
上記の問題は別々に、または両者が一緒になって、コンドームの使用に関連した心理的問題を生じている。この問題は、コンドームの使用を嫌う主な原因であり、また最終的には射精を急がせて性交の質を損なう原因にもなり得る。現在商業的に入手可能なコンドームを使用するにはかなりの注意が必要とされるので、その使用により、集中した性交を達成するのは困難である。
【0011】
ハンガリー特許第162,595号は、ペニスに固着させることができる避妊用コンドームを記載している。そこに開示されているコンドームは、適切に穿孔されたリムを有する開放端にリング状に塗布された粘着剤層を有している。この接着剤層を覆う取外し可能な保護カバーが貼着されており、また容器の材料を保護し、且つそれを貼着しながらユーザーがコンドームを手に取ることを可能にするために、より堅い材料でできた取り扱いカバーが容器の外表面に粘着されている。
【0012】
上記のハンガリー特許明細書に開示されたコンドームは、実際は、ペニスの先端に配置できる小さなサック状である。それは実際に小さいサイズを有し、またコンドームからの精液の漏出を防止すること以外に、その主な目的は、ペニスの表面のできるだけ小さい部分を覆うことにより、コンドームの使用に起因してパートナーと直接接触する面積が減少するのを可能な限り小さくすることである(第4欄第4段落)。以前に使用されていた比較的厚いゴム製コンドームの場合、この解決策は、ペニスの敏感な部分をより多く露出させることにより、コンドームを使用した性交の質を改善することができた。しかし、現在普及している非常に薄いゴム製コンドームの場合、この利点は無意味な程度に小さく、ペニスの先端部分のみを覆う開示されたコンドームはSTDに対する防御を与えないという欠点の方が大きくなる。AIDSおよび他のSTD感染は、尿道を通してだけでなく、性交の際にペニスの敏感な部分(ハンガリー特許第162,959号明細書に開示されたコンドームでは覆われない部分)に生じた小さな傷を介しても生じる。また、リムに穿孔された孔を通してコンドームの中に進入する分泌物は、接着剤の粘着効率を低下させる。
【0013】
ハンガリー特許第162,959号明細書に開示されたコンドームの実際的な適用の更なる問題は、該コンドームのサイズが小さいこと、およびペニスの先端に局部的に配置されることに起因して、ペニスの敏感な皮膚上で、該コンドーム開放端の内表面に使用される接着剤が、皮膚を著しく刺激する強い作用を有するであろうということである。同様に、コンドームの取外しのために提案されている溶媒含有クリームまたは液体(第2欄第2段落)もまた、非常に敏感な皮膚表面に適用しなければならないから、皮膚の刺激および皮膚の乾燥を生じる可能性がある。使用後にコンドームを取外すための他の可能性は提案されていない。例えば、塗布された接着剤が、性交の全ての動作を通してサイズの小さいコンドームをその位置に保持するように十分に強いとすれば、痛みのない機械的除去を考えることはできない。
【0014】
更なる問題は、ハンガリー特許第162,959号明細書に開示されたコンドームは、ペニスの皮膚に存在する個体差に適合しないことである。ディスク形状の平坦なリムは、尿道の出口部分で皮膚の褶壁に適合しなければならず、これは解剖学的観点からも、滑落のし難さおよび安全かつ快適な適用性に関して問題である。
【0015】
現在まで、性交の全期間を通してペニスを安全かつ滑落しないように包み込み、完全に閉じ込めることによって、分泌物および病原体のコンドームからの漏出、またはその内部への侵入を防止して、望ましくない妊娠および感染の両方から保護するようなコンドームは入手できなかった。
【0016】
本発明の目的は、性交の際に滑落せず、これにより上記問題を排除する改善された安全性をもったコンドームを開発することである。本発明の更なる目的は、追加の望ましい効果を達成し、特に、早漏(早発射精)の防止を補助するために適切な、改善された安全性を有するコンドームを開発することである。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、一端が開放された長円形の容器を有し、且つその開放端の内部表面にリング状に塗布された接着剤層を有すると共に、上記の要件を完全に満足する改善された安全性をもったコンドームにおいて、ペニスを実質的にその全長に亘って覆うことと、前記接着剤が該コンドームの開放端の最初の1/3に位置することとを特徴とするコンドームに関する。
【0018】
更に、本発明は、一端が開放された長円形の容器を有し、且つその開放端の内部表面にリング状に塗布された接着剤層を有すると共に、上記の要件を完全に満足する改善された安全性をもったコンドームにおいて、ペニスを実質的にその全長に亘って覆うことと、前記接着剤が該コンドームの開放端に近接して配置されることとを特徴とするコンドームに関する。
【0019】
本発明によるコンドームはペニスの殆どの部分を取り囲み、また、該コンドームの最初の1/3、またはその開放端に近接した領域の内部にリング状に塗布された接着剤が、完全な閉鎖を提供する。
【0020】
接着剤は、コンドームの内表面に円形のリング形状で塗布される。包皮の敏感性のために、それは必ず包皮の折り返し位置よりも更に後方に塗布されなければならない。即ち、それはペニスの外表面に粘着されなければならない。
【0021】
本明細書において、「リング状」とは、完全な密閉を与える限り、如何なる種類の環状の接着剤塗布も全て含むものである。このリング形状に塗布される接着剤は、例えば、一以上の円形、直線形、波線形、もしくはジグザグ形状のストリップ、または完全な閉鎖を与える他の何れかの形状で配置することができる。
【0022】
塗布された接着剤は、皮膚に対して非刺激性であり、非毒性であり、好ましくは環境に優しいものである。合成または天然の接着剤を塗布することができ、好ましくは、接着剤は一般に外科用膏剤に応用される接着剤が用いられる。
【0023】
極めて多くの適切な接着剤が公知であり、経皮投与医薬において使用されている。このような接着剤は、皮膚に適合し且つ無毒である。好ましい適用可能な接着剤の例を下記に列挙するが、これは限定的なものではない。
【0024】
・ポリスチレンコポリマー、例えば、Kraton(登録商標;シェル社);
・エチレン/酢酸ビニル誘導体、例えば、Elvax(登録商標:デュポン社)、Vynathene(U.S.J.ケミカルズ社);
・ポリブタジエン類、例えば、Indopol(登録商標、アモコ社);
・ポリイソブチレン類、例えば、Oppanol(登録商標、BASF社);
・アクリルまたはメタクリルポリマー類、例えば、Acronal(登録商標、BASF社)。
【0025】
上記に列記した接着剤の主成分は基本ポリマーであるが、当該接着剤は異なった組成を有していてもよい。
【0026】
個人の感受性を低下させるために、当該接着剤は、皮膚を通して吸収されてその炎症を防止できる抗炎症剤を含有することができる。このような抗炎症剤は、例えば、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸トリアムチノロン、フルオロコルチゾン、フルランドレノロン、フルメタゾン、燐酸デキサメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン、フルオチノロンアセトニド、フルオロメトロン、プラモキシン塩酸塩等である。
【0027】
経皮医薬技術の当業者は、困難を伴うことなく、一定の接着剤に混合し得る抗炎症剤の種類および投与量を選択することができ、また、一以上の吸収促進剤を選択することができる。
【0028】
無毒で、皮膚に対して非刺激性で、且つコンドームの材料および/または適用された抗炎症剤、殺精子剤、潤滑剤または存在する他の材料と相互作用しないものであれば、如何なる接着剤も、本発明によるコンドームの接着剤層を形成するために適している。
【0029】
本発明によるコンドームに塗布される接着剤は、コンドームの外表面および内表面の何れかに塗布される殺精子剤および潤滑剤の適用に干渉しない。コンドームの製造プロセスにおいて、接着剤層と共に供給されたコンドームの一部を巻上げた後、殺精子剤および/または潤滑剤を、非接着性のコンドーム部分に適用することができる。
【0030】
好ましい実施例において、接着剤は、皮膚およびコンドームのゴムの両方に対して接着性である。この場合、巻上げられた状態で、接着剤層とは反対側に位置するコンドームの外表面に、非接着性層が適用される。該非接着性層は、製造プロセスにおける巻上げの際に、接着剤層がコンドームの外表面に粘着するのを防止する。この非接着性層は、それ自身公知の方法、好ましくは、使用した接着剤の粒子に対して非接着性の薄いプラスチックコーティングを適用することにより形成することができる。
【0031】
非接着性層を形成するもう一つの好ましい方法は、シリコーン層を形成することである。シリコーン(ポリオルガノシロキサン)は周知の離型能力および抗粘着能力を有している。
【0032】
更に好ましい実施例において、接着剤層の反対側に配置された非接着性層は、接着剤層よりも大きな幅を有する。
【0033】
皮膚に良く粘着するが、コンドームの材料(例えば単純なゴム)には粘着しない接着剤を含む実施例の場合、該接着剤層を有するコンドームの内表面部分は、前処理によって、接着剤の塗布に適するようにしなければならない。このような場合、外表面の接着剤層とは反対側に配置された非接着性層を形成する必要はない。
【0034】
更なる好ましい実施例は、コンドームに塗布された接着剤層に二以上の層を含む。コンドームに対面する層は、ゴムに対して良好な粘着性を有する接着剤を含まなければならず、或いは、当該層の接着剤は、予備処理により接着性を改善したコンドームの内面領域に塗布されなければならないのに対して、皮膚に対面する層は、皮膚に対して良好な粘着性を有する接着剤を含まなければならない。
【0035】
本発明の更なる目的は、上記に列挙した要件を満たす改善された安全性を有するコンドームを提供し、更に、一定の活性成分を皮膚に直接導入して、更なる望ましい効果を達成するための補助を可能にすることである。
【0036】
このような望ましい効果は、早漏を防止することである。このような場合、麻酔性の溶液または軟膏を、亀頭または包皮の上に局部的に広げることが提案される。しかし、これにより、制御不能な量の局部麻酔剤が性交の間にペニスから女性の生殖器の中に侵入するから、女性のオルガズム到達を妨げ、女性にとって不利な効果を生じる。
【0037】
この問題は、我々の発明による安全性が改善されたコンドームの実施例により、必要であれば抗炎症剤と共に局部麻酔剤をコンドーム内に適切に配置することによって解決できることがわかった。
【0038】
局部麻酔剤としては、多くの公知の局部麻酔剤を使用することができる。局部麻酔の実施において、最も普及している物質はリドカイン(キシロカイン)である。この理由は、その良好な排出能(2.2 mg/kg/分)および最小の毒性であり、加えて、その良好な知覚神経末端麻痺効果である。
【0039】
リドカインの代りに、他の公知の局部麻酔剤を使用してもよく、その幾つかの例を下記に列記するが、これは限定を意図するものではない:プロカイン、リドカイン塩酸塩、アメトン、ホスタカイン、シクロメチカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、ヒドロキシプロカイン、ヒドロキシテトラカイン、ロイシノカイン、メピバカイン、ブピバカイン、マルカイン、プラモカイン、キニソカイン、ノルカイン等。
【0040】
局部麻酔剤を含有する10mlの活性成分は、例えば、下記のようにして調製できるが、これは限定的なものではない。
【0041】
下記に列挙した成分を、混合容器(装置)の中で混合する。
【0042】
・1gのリドカイン/キシロカイン、2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミド/
・好ましくは60〜70容量%の、ポリオキサエタヌム-400
・ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、分子サイズn=約8;
・好ましくは30〜40容量%のポリオキサエタヌム
・1540ポリオキシエチレン、分子サイズn=33〜35;
必要であれば局部的麻酔剤と共に使用される抗炎症剤は、例えば、接着剤と適合する上記列記した何れかの抗炎症剤であればよい(但し、これらは限定的ではない)。
【0043】
当業者は、キャリアおよび/または助剤の種類および量、ならびに所定の局部麻酔剤についての必要な投与量を選択することができる。阻害理由として、活性成分を含有する混合物の成分は、最終的に同時に使用することが望まれる殺精子剤と相互作用してはならないことを、考慮すべきである。
【0044】
更に、本発明によるコンドーム内には、例えば刺激剤、充血を増大する物質を含有させることもでき、該刺激剤は抗炎症剤と共に使用することができ、更には他の活性成分もしくは活性成分の組み合わせを含有することもできる。望ましい効果を奏する成分の外に、使用される活性成分は皮膚への浸透および効果の発現を補助する適切な助剤を含有することもできる。
【0045】
従って、本発明によるコンドームのもう一つの好ましい実施例は、刺激剤の効果とは反対の効果を奏する局部麻酔剤の代わりに、刺激剤、充血を増大させる物質を活性成分と共に含有する。ペニスの皮膚に擦り込まれた刺激剤は、性交の間に女性の生殖器の中に溶け込み、望ましくない作用を生じる可能性があるから、このような物質もコンドームの内側に配置するのが合理的であり得る。適用可能な公知の刺激剤または充血を増大させる物質は、例えば下記のものであり得る(但し限定的ではない):カプサイシン(感熱性神経末端を刺激して、火傷感および温感ならびに充血を生じる)、樟脳、カリ石鹸、ソーダ石鹸、アリルイソチオシアネート、マスタード油、エテロロイム・テレビンチナ・レクチフィカトゥム(aetheroleum terebinthinae rectificatum)、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、ニコチン酸テトラヒドロフルフリルエステル等である。列記した物質の幾つかは炎症を起こし、従って公知の抗炎症剤と同時に使用するのが合理的である。当業者は、これら物質との関係で、使用される投与量および助剤の量を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、接着剤層の反対側に非接着性層が配置された、本発明によるコンドームの実施例を示している。
【図2】図2は、本発明によるコンドームを製造するのに適した可能な製造技術の一工程を図示している。
【図3】図3は、活性成分が精液採取袋の中に含まれている、本発明によるコンドームの実施例を示している。
【図4】図4は、活性成分を貯蔵するための横方向の容器がコンドームの内表面に形成された、本発明によるコンドームの実施例を示している。
【実施例】
【0047】
本発明の最も好ましい実施例が、下記で詳細に説明する図に示されているが、本発明の範囲はこれら図示された実施例に限定されるものではない。
【0048】
図1に示したコンドーム好ましい実施例は、開放容器1、接着剤層2、および非接着性表面3を有している。図1に示した実施例は、25mmの幅を有する直線状ストリップとして塗布された接着剤層2を有している。非接着性表面3は、接着剤層2のストリップに比較して僅かにシフトしている。即ち、巻上げにより非接着性表面3の反対側に接着剤層2を配置するために、前者は後者よりも幅広である。もちろん、一つのストリップの変わりに、閉じた線を形成する二以上の直線状、波状、ジグザグ状、または他の形状のストリップ形で接着剤層2を塗布することも可能である。この実施例において、接着剤層の好ましい幅は20〜30mmである。
【0049】
図2は、本発明によるコンドームの製造に適する可能な製造技術の一工程を示している。
【0050】
この製造プロセスの一つの可能な実施について、以下で例示として説明する。ラテックス出発材料で造られたコンドーム形状の開放容器1を従来の方法で製造し、次いで、そのサイズに適合したシリコーンゴムシリンダ4上で引き戻す。開放容器1の開放端において、外表面は、シリコーン層2を塗布することにより、開放端から1.5cmの距離から出発して5cmの幅を有する円形のストリップ領域が非接着性とされる。次いで、2mmの壁厚を有するシリコーンゴム管5を、開放容器1の閉鎖端の方向から該容器の上に置き、その上に、開放容器1の開放端における外側にターンアウトした約5cmの部分を置く。2cmの幅を有する接着剤層を、開放容器1の開放末端に配置された厚いリング6から2.5cmの距離で始まる表面上に、公知のプロセス(ローリング)により3.5mg/cm2の量に対応する層厚で円形に塗布する。接着剤として、アクロナール(登録商標;BASF)102Lを使用する。これは、ベンジンに溶解されたポリアクリル酸エステルベースの共重合体であり、下記の特性を有する:熱的に硬化可能(任意に、90秒/100℃);23℃における粘度は600〜1900mPa/sec(DIN 53019);フラッシュ点は-34℃(DIN 51755);密度は20℃で0.77g/cm3である。
【0051】
この接着剤を、100℃の温度を有する空気を90秒間吹き付けることにより硬化する。次いで、シリコーンゴム管5を前方に押すことにより、粘着表面を裏返す。その後、接着剤をシリンダに粘着させることなく、コンドームを従来の方法で巻上げる。
【0052】
図3は、本発明によるコンドームの更に好ましい実施例である。この実施例の一つの可能な応用領域は、早漏の防止である。この実施例により、活性成分(早漏防止用コンドームの場合は局部麻酔剤)または該活性成分を含有する混合物は、コンドームの内部、好ましくはコンドーム閉鎖端の精液収集袋7の中に収容される。このタイプの精液収集袋は、一般に、従来のコンドームでもその閉鎖端に存在する。接着剤層2は、使用に際して、コンドームからの活性成分の漏出を妨げる。コンドームの内部へと開いた精液収集袋7の端部には、(好ましくは、製造の際に材料を縮めることにより)隘路8が形成されており、コンドームが使用されるまで、活性成分9を精液収集袋7内に保持する。なお、本明細書において「活性成分」の用語は、一以上の活性成分9を含有する混合物、または一以上の活性成分9をその成分として含有する混合物を意味する。また、縮み処理後の精液収集袋の容積は、好ましくは少なくとも1mlである。
【0053】
助剤もまた、コンドーム内に収容された活性成分に混合して使用することができる。このような助剤は、例えば、吸収促進剤、抗炎症剤、保存剤、安定化剤等である。
【0054】
従来のコンドームを着用するときは、精液収集袋7に精液を保持し得るように、該袋を圧縮して空気を追い出さなければならない。本発明によるコンドームを着用するときは、同じ動作で、活性成分9を精液収集袋7からペニス亀頭の皮膚上に押し出すことができ、また循環動作で、小帯を含むペニス亀頭の全表面に摺込むことができる。その後、隘路8が拡大され得るから、精液収集袋7はその正常な機能を果たす。
【0055】
活性成分としてコンドームの中に配置される低容量の刺激剤は、それがペニスのより敏感な領域を望ましくない程度にまで刺激しないならば、精液収集袋7の中に収容することができる。より強い効果を有する活性成分9は、公知のプロセスにより、ペニスの外皮に粘着する接着剤層2の中に組み込むこともできる。前記プロセスは医薬において普及している経皮技術であり、これは、活性成分の放出を延長させることにより、均一な制御された投与を達成するために、接着剤、活性成分、吸収を促進もしくは抑制する化学的膜、および他の助剤を使用することにより、目的の用途に適用される一層または多層のマトリックスを構築することを含んでいる。
【0056】
本発明によるコンドームの接着剤層の中に組み込まれる活性成分は、全く反対の目的を達成するためにも働く。性交の過程で、可能な最短の時間で最大量の活性成分が皮膚の中に導入されなければならない。この目的のための最も有利な解決策において、活性成分は皮膚と直接接触し、適用された助剤は迅速な吸収のために働き、コンドーム材料への活性成分の付着は中間の粘着層によって保証される。また、該材料の密度は、それを着用したときは、コンドームを巻き下したときでも活性成分がその場所に残るように調節される。皮膚を通しての吸収の速度、有効な濃度、および性交の際の摩擦動作に関する、助剤による増大効果が一緒になって、急激な活性成分の放出を導く。
【0057】
その接着剤層に活性成分を含有する実施例の製造に際し、図2に関連して上述したプロセスは、コンドームの開放端のターンアウトされた部分(好ましくは8cm長)がシリコーンゴム管上に引き戻される工程までは、同様に行うことができる。この場合、外表面のシリコーン被覆されたストリップもまた更に広く、好ましくは9cmの幅を有する。
【0058】
5cmの幅および可能な最小の層厚を有する中間粘着層として働く接着層が、コンドームの開放端から1.5cmの個所から始まる表面上に円筒形に形成される。
【0059】
その後、更に接着剤層を塗布することにより、皮膚に粘着する接着剤表面が形成される。その結果、活性成分がコンドームから漏出するのを妨げるために、コンドームの開放端に配置された粘着ストリップの縁部に幅5〜8mmの連続的な粘着ストリップが存在し、また皮膚への粘着を保証する長手方向のストリップまたはスポットが、接着剤層の残りの表面に形成される。活性成分は、接着剤の第二の層に覆われない表面に塗布することができる。
【0060】
所望のときは、全体のシステムを化学的膜で覆うことができ、この膜は活性成分が使用の前にコンドームから漏出するのを妨げるが、該膜を通しての活性成分の迅速な浸透を保証する。32mmの直径を有するコンドームの場合、皮膚に接触する表面は30〜40cm3である。活性成分が、最終的に使用が望まれる殺精子剤と相互作用し得る場合には、コンドームの内部に対面する粘着ストリップの側にも、連続的な接着剤層を形成しなければならない。
【0061】
経皮膏剤の製造における当業者にとって、本発明による活性成分放出性接着剤層の形成に経皮技術を使用することは、何の問題もない。
【0062】
性交の際に、コンドームの開放端に塗布された系の層厚における増大は、該系が水吸収によって膨潤するときでも邪魔にはならない。
【0063】
図4は、活性成分のコンドーム内へのもう一つの可能な適用を示している。コンドームの出発材料(例えば、ラテックスであり得る)上に、好ましくは長手方向の位置を有し且つコンドームの材料で形成された容器10が、開放端に塗布された接着剤層2およびその反対側に位置する非接着性表面3から閉鎖端へと伸びる領域(好ましくは、コンドームの開放端から6cmの距離で始まる)に存在する。この容器は、内側の凹部または外側の膨出部の形態で存在する。好ましくは、該容器10は、図4には図示しない化学的膜によって、使用前における容器10からの活性成分9の漏出が防止されるように活性成分9を保持する。必要に応じて適用される膜の透過性、必要に応じて適用されるキャリアおよび助剤、最適な活性成分の投与量および摩擦運動は、適切な量の活性成分が皮膚に導入されるのを促進する。
【0064】
活性成分9が本発明によるコンドーム内部に含まれる限り、それは、精液収集袋および/またはコンドーム材料で形成され且つ必要に応じて膜で分離された容器10および/または接着剤層の中に収容することができる。
【0065】
本発明によるコンドームに塗布される接着剤層は、全ての実施例の場合に、使用に際して活性成分をコンドーム内に確実に保持する。
【0066】
本発明によるコンドームの利点は下記のように要約される。即ち、コンドームの形状は、
・性交の際のコンドームの滑落
・コンドームからの精液および予精液の漏出
・射精後に男性が性交を直ちに終わらせないときの、コンドームからの
精液の漏出
・病原微生物のコンドームの中への侵入、またはそのコンドームからの
漏出
・膣分泌物のコンドーム内への侵入
を防止する。
【0067】
更に、コンドームを手で当該位置に保持する必要がないから、コンドームが破れる可能性も減少する。
【0068】
これによって、当該コンドームはユーザーのためのより安全な使用感を提供し、その使用の間に必要とされる注意は少なくてすみ、精神的な不安が減少する。
【0069】
本発明によるコンドームは、接着剤層を塗布すること、および望ましい場合は更に下記の工程を含むことを除き、通常の公知の方法で製造される。即ち、コンドームの内表面に存在する容器を形成する工程、コンドームの内表面に膜を配置すること、および非接着性表面を形成することである。本発明による解決策は、ペニスの殆どの部分を覆う公知の全てのコンドーム形態に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放された長円形を有し、その開放端の内面にリング形状で塗布された接着剤層を有する安全性が改善されたコンドームであって、ペニスをその実質的に完全な長さで覆い、また前記接着剤層は前記開放端の最初の1/3に位置していることを特徴とするコンドーム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンドームであって、前記接着剤層は、ゴムに対する低い粘着性および皮膚に対する良好な粘着性を有する接着剤を含み、前記接着剤層は、より良好な接着性のために予備処理されたコンドームの内壁領域に塗布されるコンドーム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンドームであって、前記接着剤層はゴムおよび皮膚の両方に対して良好な接着性を有し、該コンドームの外表面には、前記接着剤層の実質的に反対側に非接着性表面が形成されているコンドーム。
【請求項4】
請求項3に記載のコンドームであって、前記コンドームの外表面に形成された非接着性表面は、前記接着剤層の幅よりも大きな幅を有するコンドーム。
【請求項5】
請求項1に記載のコンドームであって、前記接着剤層は二以上の層からなり、そのコンドームに対面する層はゴムに対して良好な接着性を有する接着剤を含むのに対して、皮膚に対面する層は皮膚に対して良好な接着性を有する接着剤を含むコンドーム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のコンドームであって、前記接着剤層は、特に変化しない幅を有する円形のリング形状で前記コンドームの内壁に塗布されるコンドーム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンドームであって、前記円形のリング形状に塗布された接着剤層のほかに、長手方向の直線状ストリップまたはスポットの形でコンドームの閉鎖端に向かう方向に塗布された更なる接着剤層が存在するコンドーム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のコンドームであって、前記コンドーム内に活性成分が含まれるコンドーム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンドームであって、前記活性成分は、コンドームの塀左端で隘路により分離された精液収集袋、および/または好ましくは長手方向の形状を有し且つ望ましくは膜で分離されたコンドーム材料で形成された容器、および/または前記接着剤層の中に収容されるコンドーム。
【請求項10】
請求項7に記載のコンドームであって、コンドームの内壁に長手方向のストリップまたはスポットの形で塗布された接着剤層に内膜が固定され、コンドームの壁と前記膜との間に形成された前記容器の中に活性成分が収容されるコンドーム。
【請求項11】
一端が開放した長円形容器を有し、且つその開放端にリング形状に塗布された接着剤層を有する安全性が改善されたコンドームであって、ペニスを実質的にその全長に亘って覆い、また前記接着剤層は前記コンドームの開放端に近接した領域に位置することを特徴とするコンドーム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンドームであって、前記接着剤層は、ゴムに対する低い粘着性および皮膚に対する良好な粘着性を有する接着剤を含み、前記接着剤層は、より良好な接着性のために予備処理されたコンドームの内壁領域に塗布されるコンドーム。
【請求項13】
請求項11に記載のコンドームであって、前記接着剤層はゴムおよび皮膚の両方に対して良好な接着性を有し、該コンドームの外表面には、前記接着剤層の実質的に反対側に非接着性表面が形成されているコンドーム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンドームであって、前記コンドームの外表面に形成された非接着性表面は、前記接着剤層の幅よりも大きな幅を有するコンドーム。
【請求項15】
請求項11に記載のコンドームであって、前記接着剤層は二以上の層からなり、そのうちのコンドームに対面する層はゴムに対して良好な接着性を有する接着剤を含むのに対して、皮膚に対面する層は皮膚に対して良好な接着性を有する接着剤を含むコンドーム。
【請求項16】
請求項11〜15の何れか1項に記載のコンドームであって、前記接着剤層は、特に変化しない幅を有する円形のリング形状で前記コンドームの内壁に塗布されるコンドーム。
【請求項17】
請求項16に記載のコンドームであって、前記円形のリング形状に塗布された接着剤層のほかに、長手方向の直線状ストリップまたはスポットの形でコンドームの閉鎖端に向かう方向に塗布された更なる接着剤層が存在するコンドーム。
【請求項18】
請求項11〜17の何れか1項に記載のコンドームであって、前記コンドーム内に活性成分が含まれるコンドーム。
【請求項19】
請求項18に記載のコンドームであって、前記活性成分は、コンドームの塀左端で隘路により分離された精液収集袋、および/または好ましくは長手方向の形状を有し且つ望ましくは膜で分離されたコンドーム材料で形成された容器、および/または前記接着剤層の中に収容されるコンドーム。
【請求項20】
請求項17に記載のコンドームであって、コンドームの内壁に長手方向のストリップまたはスポットの形で塗布された接着剤層に内膜が固定され、コンドームの壁と前記膜との間に形成された前記容器の中に活性成分が収容されるコンドーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2009−261939(P2009−261939A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 血管へ埋め込み可能なフィルター;補綴;人体の管状構造を開存させるまたは虚脱を防ぐ装置,例.ステント;整形外科用具,看護用具または避妊用具;温湿布;目または耳の治療または保護;包帯;被覆用品または吸収性パッド;救急箱 | 避妊用具;ペッサリ;そのためのアプリケーター | 男性が用いるためのもの | コンドーム,シースまたはその類似物
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−101900(P2009−101900)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【分割の表示】特願2000−509374(P2000−509374)の分割
【原出願日】平成10年8月19日(1998.8.19)
【出願人】(500071485)
【Fターム(参考)】
整形外科、看護、避妊 | 材料の性状又は種類 | 接着剤
整形外科、看護、避妊 | 生殖又は避妊 | 男性用避妊具 | 男性用コンドーム | 脱落防止機構
整形外科、看護、避妊 | 生殖又は避妊 | 男性用避妊具 | 男性用コンドーム | コンドーム内外の表面の構造
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