説明

安否確認システム

【課題】利用者の安否を確認する際に、利用者の負担が大きかった。
【解決手段】一般情報収集部1cが、利用者の興味に合った一般情報を携帯端末2に特定の配信時間間隔で配信する。前記携帯端末2が、前記一般情報の着信通知によって誘導された情報着信時動作(例えば、携帯端末の取り出し動作)に伴う使用状態を検出し、その検出された検出情報を含む安否情報を送信する。ログ管理部1aが、安否情報に基づいた特定ルールに照らし合わせ、ユーザに異常が発生したか否かを判定し、ユーザに異常発生と判定した場合に、異常発生を警告する警告通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者や子供の安否を確認する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在までに、遠隔地から一人暮らしの高齢者などの安否を確認するシステム(安否確認システム)としては、例えば、以下のような安否確認システムが知られている。
【0003】
高齢者の住居内にカメラ等のセンサ類を設置し、高齢者の在室データを取得したり、日常的に使用する道具(例えば、電気ポット)に使用ログを取得する機能を付加し、当該道具の使用状況データを取得したり、それら使用状況データをネットワーク経由でサーバに蓄積する。そして、場合によっては、異常検知を行なった上で、それら使用状況データの配信を行うという安否確認システム(例えば、非特許文献1,2参照)である。
【非特許文献1】松下電工株式会社、「みまもりネット」、[online]、2006(平成18)、松下電工株式会社、[平成19年03月01日検索]、インターネット<URL:http://www.mewloc.jp/mimamori/>。
【非特許文献2】株式会社ライフモーション、「しらせ隊」、[online]、株式会社ライフモーション、[平成19年03月01日検索]、インターネット<URL:http://www.shirasetai.com/>。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような安否確認システムは、見守る対象となる人(利用者)が在宅時には、その安否確認を行なうことができるが、外出時には確認を行なうことができないため、携帯端末を使用した安否確認システムも提案されてきている。
【0005】
しかしながら、この携帯端末を使用した安否確認システムでは、緊急時の利用を主機能としたものが多く、緊急ボタンを押すことによってコールセンタに通報されるものが多くを占める。
【0006】
また、平常時から日常的に使用できる安否確認システムは、定期的に通話やメールの送受信といった特別な操作を要求するものが多く、情報機器の取り扱いに不慣れな利用者にとっては使用しづらいという問題があった。さらに、こうした特別な操作を頻繁に必要とする安否確認システムは、操作自体に対する負担感のみならず、「見守ってもらっている」という心理的負担感を強く感じさせる要因ともなっていた。
【0007】
一方、特別な操作を必要としない安否確認システムの一例としては、携帯端末に内蔵されているGPS(Global Position(Positioning) System)を活用する安否確認システムも知られているが、現在の所在地といった具体的情報を扱うため、プライバシーが守られず、使用に際して「監視されている」といったようなストレスを感じるものであった。
【0008】
以上のように、外出時においても、特別な操作を行うことなく、使用時の心理的負担感を軽減し、プライバシーも十分に確保された状態で利用できる安否確認システムが求められている。
【0009】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであって、利用者が特別な操作を行うことなく、利用者の負担を軽減して、利用者の安否を確認する安否確認システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、使用状態を検知する端末使用動作検出手段と、情報が着信したことを通知する着信通知手段と、を備え、利用者に所持される携帯端末,利用者の安否に関する安否情報を受信し管理するログ管理部,該利用者の興味に合った一般情報を収集し、配信する一般情報収集部,が各々通信を行って、該利用者の安否を確認する安否確認システムであって、前記一般情報収集部が、前記一般情報を前記携帯端末に特定の配信時間間隔で配信する手段、を備え、前記携帯端末が、前記一般情報収集部から配信される前記一般情報を受信する手段と、前記一般情報を受信した際に、前記着信通知手段を用いて、該一般情報を受信したことを通知する手段と、前記着信通知手段による通知によって誘導された前記携帯端末に対して行う利用者の情報着信時動作に伴う使用状態を前記端末使用動作検出手段によって検出する手段と、その端末使用動作検出手段によって検出された検出情報を含む安否情報を送信する手段と、を備え、前記ログ管理部が、前記安否情報に基づいた特定ルールに照らし合わせ、ユーザに異常が発生したか否かを判定するルール判定手段と、前記ルール判定手段がユーザに異常発生と判定した場合に、異常発生を警告する警告通知を送信する手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記一般情報収集部が、前記ログ管理部から送られる配信時間間隔を設定する設定指示によって前記配信時間間隔を設定する手段、を備え、前記ログ管理部が、受信した安否情報を第1の条件に基づいてチェックする条件チェック手段と、前記条件チェック手段によるチェック結果として、前記第1の条件を満たさなかった場合には、前記一般情報を携帯端末に配信する配信時間間隔をより短い配信時間間隔に設定する設定指示を一般情報収集部を送る手段、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記条件チェック手段が、受信した安否情報が第1の時間内に受信したもの、という第1の条件に基づいてチェックする手段、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記ログ管理部が、受信した安否情報,該安否情報を受信した時刻を蓄積する手段、を備え、前記ルール判定手段が、蓄積された安否情報において最近に安否情報を受信した時刻から、第2の時間の連続した時間以内に安否情報を一度も受信していない場合をユーザに異常発生と判定するルールに照らし合わせ判定する手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ルール判定手段が、蓄積された安否情報と受信した安否情報に基づく第2の条件を満たすか否かチェックし、そのチェック結果に応じて異常発生と判定するルールに照らし合わせ判定する手段、を備えることを特徴とする。
【0015】
前記請求項1に記載の発明は、利用者の情報着信時動作に基づき、端末使用動作検出手段によって検出された検出情報を安否情報として扱うことができる。
【0016】
前記請求項2に記載の発明は、利用者に一般情報の着信を気付き易くできる。
【0017】
前記請求項3に記載の発明は、受信した安否情報が第1の時間内に受信したものか否かをチェックできる。
【0018】
前記請求項4に記載の発明は、蓄積された安否情報において最近に安否情報を受信した時刻に基づいたルールで判定できる。
【0019】
前記請求項5に記載の発明は、蓄積された安否情報と受信した安否情報に基づく第2の条件を満たすか否かチェックし、そのチェック結果に応じて異常発生と判定するルールに照らし合わせ判定できる。
【発明の効果】
【0020】
以上示したように請求項1の発明によれば、利用者の情報着信時動作に基づいて、安否情報を扱うため、利用者の負担を軽減できる。
【0021】
請求項2の発明によれば、安否をより確実に確認できる。
【0022】
請求項3の発明によれば、受信した安否情報が第1の時間内に受信したものか否かのチェックに応じて配信時間間隔を設定できる。
【0023】
請求項4の発明によれば、蓄積された安否情報において最近に安否情報を受信した時刻に基づいたルールに基づいて、警告通知を送信できる。
【0024】
請求項5の発明によれば、蓄積された安否情報と受信した安否情報に基づく第2の条件を満たすか否かチェックし、そのチェック結果に応じて異常発生と判定するルールに基づいて、警告通知を送信できる。
【0025】
これらを以って安否確認技術分野に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本実施形態における安否確認システムの動作の概要を以下に説明する。
【0027】
サーバ等で随時収集した利用者の興味に合った一般情報(例えば、時事速報,スポーツニュース,芸能情報等)を利用者の携帯端末に配信する。その配信によって、その携帯端末に備えられた着信通知機能(着信音再生機能やバイブレーション機能)を動作させ、着信通知(着信音やバイブレーション)を発生させる。
【0028】
利用者が、その配信時の着信通知(着信音やバイブレーション)によって誘導され、一般情報の着信に気付いた際に携帯端末に対して行う特定動作(以後、情報着信時動作;例えば、通常ポケットや鞄にしまわれている携帯端末を取り出したか否かという動作)に伴う使用状態を、携帯端末に内蔵されたセンサ(加速度センサあるいは照度センサ;即ち、端末使用動作検出機能)によって検出し、その検出した情報(検出情報)を含む情報を安否の状況を表す情報(安否情報)として送信する。
【0029】
前記の情報着信時動作の他の例としては、次のようなものもある。
(情報着信時動作1)携帯端末が二つ折りの折り畳み型携帯電話機の場合、その携帯端末のフリップを閉じた状態から開いた状態にする動作。
(情報着信時動作2)携帯端末がスライド型携帯端末の場合、スライド部をスライドする動作。
【0030】
上述のような情報着信時動作を検出した場合、一般的な携帯端末は、その検出情報に基づいて携帯端末の動作モードを変化させる。例えば、携帯端末の動作が停止された第1モード(いわゆる、待ち受けモード)から携帯端末の動作が活性化された第2モードへの変化させる。この動作モード変化を検出し、その検出した検出情報を含む安否情報として送信する。
【0031】
受信した安否情報を特定の条件に基づいてチェックし、該特定の条件を満たさなかった場合には、通常の配信間隔より短い間隔で、利用者の興味に合った一般情報を携帯端末に配信し、前記の情報着信時動作を誘発し、ユーザに安否情報を送信させるように誘導する。
【0032】
例えば、特定の条件が一定時間内に前記安否情報を受信できたか否かの場合、かつ、一定時間内に前記安否情報を受信できなかった場合には、通常の配信間隔より短い間隔で興味に合った一般情報を携帯端末に配信し、前記の情報着信時動作(例えば、携帯端末をポケットや鞄から取り出し、携帯端末を開くまたはスライドさせる、といった動作)を誘発し、ユーザに安否情報を送信させるように誘導する。
【0033】
さらに、安否情報に基づいた特定ルールに照らし合わせ、ユーザに異常が発生したか否かを判定し、異常が発生している場合に、ユーザの関係者(例えば、家族)の所有する携帯端末もしくは固定端末に警告通知を送信する。
【0034】
以下、本発明の実施形態における安否確認システムを図面等に基づいて詳細に説明する。本実施形態における安否確認システムの構成例を図1に基づいて説明する。
【0035】
図1中の安否確認システムは、安否確認センタ1に設置されたセンタ端末1a,携帯端末2から送信される利用者の安否情報を受信し管理するログサーバ1b,利用者の興味に合った一般情報を収集し、配信する一般情報収集サーバ1cと安否確認の対象となる複数の利用者に所持させた携帯端末2が、通信ネットワーク100を介して各々接続されているものである。
【0036】
なお、本実施形態では、ログサーバ1b,一般情報収集サーバ1cは、同一のサーバ(例えば、コンピュータやブレードサーバ)に実装されているものとする。ログサーバ1b,一般情報収集サーバ1cは、それぞれサーバプログラムとして実装し、ログ管理部,一般情報収集部として、サーバにインストールされていても良い。センタ端末1a,ログサーバ1b,一般情報収集サーバ1cは、安否確認センタ1の建物内に設置されていなくても良く、通信ネットワーク100に接続されていれば良い。センタ端末1a,ログサーバ1b,一般情報収集サーバ1c,携帯端末2は、時間もしくは時刻情報を取得し管理する時間管理手段を備えていても良い。
【0037】
また、安否確認システムには、利用者に配信するニュース等の一般情報を提供し、通信ネットワーク100に接続された各種Webサーバ(図示省略)を必要とする。
【0038】
ログサーバ1bは、予め備えられた記憶部(メモリやハードディスク)に構成された一般的なデータベース等のデータ管理機能を備え、携帯端末2から送信されるログデータ(即ち、安否情報;詳細は後述する)を該一般的なデータ管理機能によって管理する。なお、ログデータには、ログデータを受信した時刻を含めても良い。
【0039】
また、ログサーバ1bは、携帯端末2から送信される安否情報を特定の条件に基づいてチェックする条件チェック手段を備え、条件チェック手段によるチェック結果に応じて一般情報収集サーバ1cに配信時間間隔を設定する指示を送る。ログサーバ1bは、ユーザの異常検知のための特定のルール(以下、異常検知ルールという)に基づいてユーザの異常を判定するルール判定手段を備え、そのルール判定手段の判定に応じた処理を行う。
【0040】
一般情報収集サーバ1cは、利用者の情報着信時動作(携帯端末取り出しや操作)への誘導を行なうニュース等の一般情報をWebサーバから収集し蓄積し、携帯端末2に該一般情報を特定の配信時間間隔で配信する。また、配信時間間隔は、ログサーバ1bからの送られる指示によって設定される。例えば、一般情報収集サーバ1cは、ユーザの興味分野を管理し、その興味分野に基づいてニュースサイト掲載のニュースヘッドラインなどの一般情報をWebサーバから収集(例えばRSS(RDF Site Summary)を活用し収集)し、その一般情報を配信する。
【0041】
その配信方法としては、例えば、携帯端末2の定期的な問い合わせに応じて、携帯端末2に表示(ポーリング型)しても良いし、一般情報収集サーバ1c側からプッシュ型で配信しても良い。
【0042】
また、一般情報収集サーバ1cは、上述のように自動的に収集した一般情報を配信するだけでなく、センタ端末1a側で配信するメッセージを作成し、一般情報収集サーバ1cを経由して、そのメッセージを配信しても良い。
【0043】
前記携帯端末2は、例えば、現在最も流通している上部筐体と下部筐体とをヒンジ部を介して開閉可能に接続した折り畳み型(以下、単に開閉型という)携帯電話機、図2中の開閉型携帯電話機2Aを想定する。なお、図2A中の携帯電話機2Aが閉状態、図2B中の携帯電話機2Aが開状態、をそれぞれ示す。
【0044】
なお、携帯端末2は、一般情報の着信をユーザに通知する着信通知機能(例えば、着信音機能,バイブレーション機能)、携帯端末2の使用状態を検知する端末使用動作検出機能,ログデータ生成機能、ログデータ送信制御機能,制御ユニットを備えているものとする。
【0045】
携帯端末2は、例えば、図3中のスライド型携帯電話機2Bのように外側面に照度センサ2Ba,2Bbを組み込んでも良いし、該加速度センサを内蔵させても良い。なお、図3Aはスライド型携帯電話機2Bの正面図、図3Bはスライド型携帯電話機2Bの側面図である。
【0046】
前記端末使用動作検出機能は、センサを含み、該センサで検知したユーザの情報着信時動作に応じて携帯端末が使用されているか否かの状態を検出し、検出した情報(検出情報)を出力する機能であって、例えば、加速度センサ,照度センサ,圧力センサ,開閉型携帯端末では開閉状態検出機能に応じたモード検出機能,スライド型携帯端末ではスライド状態検出機能に応じたモード検出機能である。
【0047】
情報着信時動作と端末使用動作検出機能の関係を具体的に説明する。
【0048】
端末使用動作検出機能が加速度センサである場合、対応する情報着信時動作は、例えば、衣類のポケットや鞄の中から携帯端末を取り出す動作や携帯端末を持ち上げる動作で、それらの動作の際に生じる加速度を検出する。
【0049】
端末使用動作検出機能が照度センサである場合、対応する情報着信時動作は、例えば、衣類のポケットや鞄の中から携帯端末を取り出す動作で、取り出された携帯端末の筐体面に照射される光の照度を検出する。
【0050】
端末使用動作検出機能が圧力センサである場合、対応する情報着信時動作は、例えば、携帯電話に触れる動作で、触れられた際の圧力を検出する。
【0051】
端末使用動作検出機能が開閉状態検出機能に応じたモード検出機能である場合、対応する情報着信時動作は、例えば、携帯端末筐体にヒンジ部で結合されたフリップを開ける動作である。携帯端末筐体のヒンジ部に設けられた開閉センサから出力される検出信号を監視することによって筐体が開状態に変化したかを検出し、その検出信号に応じてモード検出機能が使用状態の検出情報を出力する。
【0052】
端末使用動作検出機能がスライド状態検出機能に応じたモード検出機能である場合、対応する情報着信時動作は、例えば、携帯端末筐体のスライドカバー部をスライドして開ける動作である。携帯端末筐体のスライドカバー部に設けられた開閉センサから出力される検出信号を監視することによって筐体が開状態に変化したかを検出し、その検出信号に応じてモード検出機能が使用状態の検出情報を出力する。
【0053】
制御ユニットは、例えば、マイクロコンピュータ(例えば、CPU(Central Processing Unit))からなり、各機能を制御する。制御ユニットは、本実施形態では、特に、端末使用動作検出機能(例えば、開閉状態検出機能)、ログデータ生成機能、ログデータ送信制御機能に係わる。これらの機能は、例えば、携帯端末上のアプリケーションプログラムを制御ユニットに実行させることによって実現される。
【0054】
また、前記制御ユニットは、開閉状態検出機能によって閉状態を検出した場合には、第1モードに携帯端末を設定しモード検出機能に使用状態であること示す検出情報を出力させる。また、前記制御ユニットは、開閉状態検出機能によって開状態を検出した場合には、第2モードに携帯端末を設定しモード検出機能に未使用状態であること示す検出情報を出力させる。例えば、開閉型携帯端末では、筐体が閉状態のときには第1モードに設定し、閉状態から開状態に変化した場合に第2モードに設定する。
【0055】
ログデータ生成機能は、前記端末使用動作検出機能によって、端末が使用される状態(例えば、筐体が閉状態から開状態)へ変化したことが検出された場合、この検出情報を端末状態の変化を表すログデータに含める。なお、筐体の開状態もしくは閉状態に限らず、制御ユニットによって検出可能な他の変化を検出して、ログデータに含めても良い。
【0056】
ログデータ送信制御機能は、前記端末使用動作検出機能によって、検出された検出情報を含む安否情報を、ログサーバ1bに送信する。なお、携帯端末に予め備えられた時計機能を用いて、前記安否情報には、安否情報を送信した回数(安否情報送信回数),安否情報を送信した時刻(安否情報送信時刻),前回安否情報を送信してから経過した時間(安否情報送信間隔)などを含んでも良い。また、ログデータ送信制御機能は、ログサーバ1bが管理している各携帯端末の状態情報(ログ)との整合性をとるため、ログサーバ1bに対し定期的にアクセスし、ログサーバ1b上のログデータを更新しても良い。
【0057】
本実施形態における安否確認システムの動作シーケンスを図4に基づいて説明する。
【0058】
図4のように、ニュースサイト掲載のニュースヘッドラインなどの一般情報を一般情報収集サーバ1cによって収集(例えば、RSSを活用して収集)し、その一般情報を一般情報収集サーバ1cからユーザの携帯端末2に定期的に配信する(M103)。あるいは、センタ端末1aでメッセージを作成し、不定期的に一般情報収集サーバ1cを介して(M101)携帯端末2に配信する(M102)。
【0059】
次に、ユーザの携帯端末2に予め備えられた着信通知機能(着信音機能やバイブレーション機能)によって、該携帯端末2から一般情報の着信を通知する(例えば、着信音を発する、バイブレートする)。その通知によって、携帯端末2を保有するユーザに着信を気付かせ、情報着信時動作UAを誘発させる。情報着信時動作とは、通常、携帯端末をしまっている鞄や衣服のポケットから取り出させ、開閉型携帯端末の場合には携帯端末を開かせたり、スライド型携帯端末の場合にはスライドさせたり、といった動作である。
【0060】
次に、ユーザが端末使用を開始し、端末使用動作検出機能が端末の使用状態を検出(即ち、制御ユニットが携帯端末を第2モードに設定し、モード検出機能が使用状態の検出情報を出力)し、携帯端末2のログデータ生成機能がその検出情報を携帯端末の状態の変化を表すログデータに含める。そして、携帯端末2のログデータ送信制御機能が、前記検出情報を含む安否情報をログサーバ1bへ送信する(M104)。
【0061】
次に、携帯端末2から送信された安否情報を受信したログサーバ1bは、特定のルール(後述する)に従い、その安否情報もしくは警告通知をセンタ端末1aもしくはユーザの家族が所有する携帯端末2’に送信する(M105,M106)。
【0062】
さらに、ログサーバ1b,一般情報収集サーバ1c,携帯電話2における一般情報配信及び安否確認の手順を図5に基づいて説明する。
【0063】
一般情報収集サーバ1cが、一般情報の配信(例えば、ポーリング型あるいはプッシュ型配信)を時間a間隔で行なう(S101)。
【0064】
携帯電話2は、ログデータ生成機能によって、筐体の開閉状態の変化等のログデータ生成し、ログデータ送信制御機能によるログデータ送信を時間c間隔で実行する(S102)。但し、時間aは時間c以上(a≧c)とする。
【0065】
ログサーバ1bが、携帯電話2から送信される安否情報(検出情報)を特定の条件に基づいてチェックする(S103:条件チェック手段)。なお、前記特定の条件は、ログサーバ1bに予め備えられた記憶部に格納され管理されても良い。
【0066】
例えば、前記特定の条件とは、一定時間以内(時間d以内)に受信したか否かである。即ち、携帯電話2上で、筐体の開閉状態の変化等に基づいて動作モードが変更されず、安否情報がログサーバ1bに一定時間以内送信なされなかったことをチェックすることになる。
【0067】
時間d以内に安否情報を受信していない場合、「状態変更なし」と判定し、ログサーバ1bが、安否の確認をするために、短期間に集中的に一般情報を配信する指示を一般情報収集サーバ1cに送り、利用者の情報着信時動作を促す。
【0068】
短期間に集中的に一般情報を配信する指示を受けた一般情報収集サーバ1cは、通常は一般情報の配信間隔を時間a間隔で行うところ、時間b間隔で配信するように変更する。但し、時間aは、時間bより大きい(a>b)ものとする。
【0069】
時間d以内に安否情報を受信していない状態で時間d以内に安否情報を受信した場合、携帯端末2に情報着信時動作(例えば、ユーザの反応として筐体の開閉状態変化等)があったと見做し、「状態変更あり」と判定し、一般情報の配信間隔を時間a間隔の配信へと戻す。
【0070】
なお、時間d以内に安否情報を受信していない状態が続く(ユーザの反応がない)場合、配信間隔を時間b間隔の配信間隔のままでもよいし、配信間隔を更に狭めて配信してもよい。
【0071】
また、ログサーバ1b(もしくはセンタ端末1a)が、ログサーバ1bに蓄積したログデータを参照し、異常検知ルールに基づいて(あるいは、照らし合わせて)、ユーザの異常検知を行なう(S104:ルール判定手段)。そのため、ログサーバ1bあるいはセンタ端末1aは、異常検知ルールを設定されているものとする。その異常検知ルールは、例えば、安否情報の受信間隔や蓄積された安否情報と受信した安否情報を比較に関するルールであって、以下のようなものを想定できる。
(異常検知ルール1:安否情報の受信時間に関するルール)蓄積された安否情報において最近に安否情報を受信した時刻から、時間aの3倍(3×a)の連続した時間以内に安否情報を一度も受信していない(即ち、携帯端末2の動作モード変化が連続した(3×a)時間以内に一度も発生していない)。
(異常検知ルール2:安否情報送信回数に関するルール)直前に蓄積された安否情報に含まれる安否情報送信回数と受信した安否情報に含まれる安否情報送信回数が不整合である。即ち、受信した安否情報に含まれる安否情報送信回数が、蓄積された安否情報に含まれる安否情報送信回数に1増分した数になっていない。
(異常検知ルール3:検出情報に関するルール)受信した安否情報に含まれる検出情報が異常な値(例えば、定格以上の値)である。
(異常検知ルール4:安否情報送信間隔に関するルール)受信した安否情報に含まれる安否情報送信間隔が、直前に蓄積された安否情報に含まれる安否情報送信間隔と比べて急激に大きくなった。
【0072】
上述のような異常検知ルールのいずれか(もしくは組み合わせ)に適合する(「異常あり」と判定された)場合、例えば、ログサーバ1bは、センタ端末1aを介して警告通知(例えば、アラート画面)を表示し(S106)、安否確認センタのモニタ要員に注意を喚起し、ユーザへの個別対応を促す。あるいは、センタ端末1aやログサーバ1bを経由して、ユーザの家族が所有する携帯端末2’への警告通知を送信してもよい。なお、前記異常検知ルールは、ログサーバ1bに予め備えられた記憶部に格納され管理されても良い。
【0073】
上述のようなルールに全く適合しない(「異常なし」と判定された)場合、通常の処理として、ログサーバ1bは、安否情報を一般的なデータ管理機能を使って登録する(S105)。あるいは、センタ端末1aやログサーバ1bを経由して、ユーザの家族が所有する携帯端末2’への安否情報を送信しても良い。
【0074】
上述の異常検知ルールに基づいて、ユーザの異常検知を行なう処理手順の一例を図6に基づいて説明する。
【0075】
まず、安否情報の受信時間に関するルールに適合するか否かをチェックする(S201)。適合する場合は、「異常あり」と判定される。適合しない場合は、ステップS202へ進む。
【0076】
ステップS202では、安否情報送信回数に関するルールに適合するか否かをチェックする。適合する場合は、「異常あり」と判定される。適合しない場合は、ステップS203へ進む。
【0077】
ステップS203では、検出情報に関するルールに適合するか否かをチェックする。適合する場合は、「異常あり」と判定される。適合しない場合は、ステップS204へ進む。
【0078】
ステップS204では、安否情報送信間隔に関するルールに適合するか否かをチェックする。適合する場合は、「異常あり」と判定される。適合しない場合は、「異常なし」と判定される。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、利用者が自分の興味に合った一般情報が配信された着信音もしくはバイブレーションに気付き、携帯端末をどこかから取り出す、あるいは取り出した後にフリップを開いたり(開閉型携帯電話機の場合)、スライドさせたり(スライド型携帯電話機の場合)する、という、どんな利用者でも行う、極めて単純な動作が安否情報となり、心理的負担が小さく、プライバシーも確保した状態で、外出平常時における常時見守りが実現する。
【0080】
また、動作情報による安否が確認できない場合には、その利用者にのみ、通常よりも短い間隔で一般情報を集中的に送ることで、利用者に着信を気付き易くし、安否確認もしくは見守りをより確実に行い易くする。また、これらを通して、外出時の異常事態の早期発見も可能となる。
【0081】
[実施例1]
実施例1として、加速度センサを内蔵した携帯端末2を用いた安否確認システムの実施例を以下に説明する。なお、携帯端末2の制御ユニットは、加速度センサからの検出信号をx、y、zの3軸方向の加速度データ(検出情報)に計算する加速度計算機能を具備しているものとする。また、図5中のステップ番号と同じステップ番号を付与したものは、図5中のステップ番号に応じた手順に該当する。
【0082】
携帯端末2の制御ユニットは、加速度センサからの検出信号を加速度計算機能によって、加速度データに計算し、ログデータ送信制御機能を用いて、時間c間隔でログサーバ1bにその加速度データを含む安否情報として送信する。
【0083】
ログサーバ1bは、受信した安否情報(加速度データ)を参照し、一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の大きさの加速度を検出できたか否かという条件でチェックする(ステップS103)。
【0084】
なお、特定の大きさの加速度とは、例えば、携帯端末がしまわれている衣類のポケットや鞄の中から、携帯端末を取り出す際に生じる一般的な大きさの加速度、携帯端末に具備されている表面の液晶画面を見るために携帯端末を持ち上げる際に生じる一般的な大きさの加速度などである。
【0085】
一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の加速度の大きさを検出できた場合には、「状態変更あり」と判定し、上述した携帯電話の筐体の開閉状態の変化等に基づくモード変更を利用した場合と同様に、時間a間隔で一般情報を引き続き配信する。
【0086】
一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の加速度の大きさを検出できなかった場合には、「状態変更なし」と判定し、時間b間隔、あるいはそれより短い時間間隔で配信する。
【0087】
なお、実施例1におけるステップS103で、ログサーバ1bが、一般情報配信後一定時間以内に特定の大きさの加速度を検出できたか否かという条件でチェックしていたが、このチェックを携帯端末2で行い、「状態変更あり」を示す情報を含む安否情報をログサーバ1bに送信し、ログサーバ1bで「状態変更あり」に応じた処理を行っても良い。
【0088】
実施例1においても、本実施形態におけるモード変更を利用した場合と同様に、異常検知を実行し(S104)、センタ端末1aへの警告通知やユーザの家族の携帯端末2’(もしくは固定端末)への警告通知を行ない、緊急時の対応とする。
【0089】
[実施例2]
実施例2として、照度センサを外側面に具備した携帯端末(例えば、図3中の携帯端末2B)を用いた安否確認システムの実施例を以下に説明する。なお、図5中のステップ番号と同じステップ番号を付与したものは、図5中のステップ番号に応じた手順に該当する。
【0090】
携帯端末2Bの制御ユニットは、照度センサからの照度データ(検出情報)を含む安否情報を、ログデータ送信制御機能を用いて、時間c間隔でログサーバ1bに送信する。
【0091】
ログサーバ1bは、受信した安否情報(照度データ)を参照し、一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の大きさの照度を検出できたか否かという条件でチェックする(S103)。
【0092】
なお、特定の大きさの照度とは、例えば、携帯端末がしまわれている衣服のポケットや鞄の中から取り出した際に、非常に小さな照度から、日中の屋外や、通常の照明下といった比較的大きな照度である。
【0093】
一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の大きさの照度を検出できた場合には、「状態変更あり」と判定し、実施例1と同様に、時間a間隔で一般情報を引き続き配信する。
【0094】
一般情報配信後一定時間以内(時間d以内)に特定の大きさの照度を検出できなかった場合には、時間b間隔、あるいはそれより短い時間間隔で配信する。
【0095】
実施例1と同様に、実施例2におけるステップS103でも、ログサーバ1bが、一般情報配信後一定時間以内に特定の大きさの照度を検出できたか否かという条件でチェックしていたが、このチェックを携帯端末2で行い、「状態変更あり」を示す情報を含む安否情報をログサーバ1bに送信し、ログサーバ1bで「状態変更あり」に応じた処理を行っても良い。
【0096】
実施例2においても、異常検知を実行し(S104)、センタ端末1aへの警告通知やユーザの家族の携帯端末2’(もしくは固定端末)への警告通知を行ない、緊急時の対応とする。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものでなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
【0098】
例えば、本実施形態の変形として、携帯端末への一般情報の送信、または、携帯端末からログサーバへの安否情報の送信を電子メール(電子メールに関するプロトコルに基づく通信)で行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本実施形態における安否確認システムの構成例を示す図。
【図2】携帯端末の例1を示す図(図2Aは携帯電話機2Aの閉状態、図2Bは携帯電話機2Aの開状態をそれぞれ示す図)。
【図3】携帯端末の例2を示す図(図3Aは携帯電話機2Bの正面図、図3Bは携帯電話機2Bの側面図)。
【図4】本実施形態における安否確認システムの動作シーケンス図。
【図5】一般情報配信及び安否確認の手順を示す図。
【図6】ユーザの異常検知を行なう処理手順の一例を示す図。
【符号の説明】
【0100】
1…安否確認センタ
1a…センタ端末
1b…ログサーバ,
1c…一般情報収集サーバ
2,2A,2B…携帯端末
2’…他の携帯もしくは固定端末
2Ba,2Bb…照度センサ
100…通信ネットワーク
UA…情報着信時動作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態を検知する端末使用動作検出手段と、
情報が着信したことを通知する着信通知手段と、
を備え、
利用者に所持される携帯端末,
利用者の安否に関する安否情報を受信し管理するログ管理部,
該利用者の興味に合った一般情報を収集し、配信する一般情報収集部,
が各々通信を行って、該利用者の安否を確認する安否確認システムであって、
前記一般情報収集部が、
前記一般情報を前記携帯端末に特定の配信時間間隔で配信する手段、
を備え、
前記携帯端末が、
前記一般情報収集部から配信される前記一般情報を受信する手段と、
前記一般情報を受信した際に、前記着信通知手段を用いて、該一般情報を受信したことを通知する手段と、
前記着信通知手段による通知によって誘導された前記携帯端末に対して行う利用者の情報着信時動作に伴う使用状態を前記端末使用動作検出手段によって検出する手段と、
その端末使用動作検出手段によって検出された検出情報を含む安否情報を送信する手段と、
を備え、
前記ログ管理部が、
前記安否情報に基づいた特定ルールに照らし合わせ、ユーザに異常が発生したか否かを判定するルール判定手段と、
前記ルール判定手段がユーザに異常発生と判定した場合に、異常発生を警告する警告通知を送信する手段と、
を備える、
ことを特徴とする安否確認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の安否確認システムにおいて、
前記一般情報収集部が、
前記ログ管理部から送られる配信時間間隔を設定する設定指示によって前記配信時間間隔を設定する手段、
を備え、
前記ログ管理部が、
受信した安否情報を第1の条件に基づいてチェックする条件チェック手段と、
前記条件チェック手段によるチェック結果として、前記第1の条件を満たさなかった場合には、前記一般情報を携帯端末に配信する配信時間間隔をより短い配信時間間隔に設定する設定指示を一般情報収集部を送る手段、
を備える
ことを特徴とする安否確認システム。
【請求項3】
請求項2に記載の安否確認システムにおいて、
前記条件チェック手段が、
受信した安否情報が第1の時間内に受信したもの、という第1の条件に基づいてチェックする手段、
を備える
ことを特徴とする安否確認システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の安否確認システムにおいて、
前記ログ管理部が、
受信した安否情報,該安否情報を受信した時刻を蓄積する手段、
を備え、
前記ルール判定手段が、
蓄積された安否情報において最近に安否情報を受信した時刻から、第2の時間の連続した時間以内に安否情報を一度も受信していない場合をユーザに異常発生と判定するルールに照らし合わせ判定する手段、
を備える
ことを特徴とする安否確認システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の安否確認システムにおいて、
前記ルール判定手段が、
蓄積された安否情報と受信した安否情報に基づく第2の条件を満たすか否かチェックし、そのチェック結果に応じて異常発生と判定するルールに照らし合わせ判定する手段、
を備える
ことを特徴とする安否確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−3728(P2009−3728A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164469(P2007−164469)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】