説明

安否確認装置及び安否確認装方法

【課題】 監視対象者の安否を確認する際に、外出時の対応や外出設定のし忘れに対する対応が可能な安否確認装置及び安否確認装方法を提供する。
【解決手段】 アラーム時刻と監視対象者の電話番号を設定する設定ボタン102と、設定されたアラーム時刻になったとき、アラーム音を出力するスピーカ104と、監視対象者の操作によりアラーム音を停止させる安否確認ボタン101と、安否確認ボタン101が操作されてアラーム音が停止されたとき監視対象者の安否が確認されたと判断し、安否確認ボタン101が操作されずにアラーム音が出力され続けた後に監視対象者の予め登録された電話番号に発呼し、監視対象者から応答があった場合は、監視対象者の安否が確認されたと判断し、監視対象者からの応答がなかった場合は、監視対象者の安否が確認できないと判断する制御部108と、監視対象者の安否が確認できないと判断された場合に、所定の通報を行なう無線通信部106とを有する安否確認装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一人暮らしの高齢者などの監視対象者の安否を確認する安否確認装置及び安否確認装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人暮らしをするお年寄りが増加傾向にあり社会問題になっている。近所と交流もない人も多く、誰にも気づかれずに亡くなっているケースも多々ある。
【0003】
このような状況下で、毎日ホームヘルパーを雇うことはお金がかかりすぎて現実に実行することは難しい。親族が毎日電話をかけることも、いくら親族といっても気が引けるものである。また、カメラでの監視はプライバシーの問題と常時見ていなくてはならないという点から良い選択ではないと考えられる。
【0004】
電気ポットやテレビなどの家庭用電化製品を使用したのかを検出することによって、問題なく生活を送っているのかを確認する方法もあるが、日によってはその電化製品を使うことがない日もあることや外出している場合があることについては考慮されていない。
【0005】
これを解決するための従来技術として、アラーム音を出力して一定時間内に所定のボタンが押下されたかを監視する方法や、外出時に外出日数等の外出設定を登録する方法等がある(例えば、特開2003−158589号公報(特許文献1)、特開2005−25702号公報(特許文献2)、特開2005−94342号公報(特許文献3)、特開2007−198993号公報(特許文献4)、特開2007−221474号公報(特許文献5)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−158589号公報
【特許文献2】特開2005−25702号公報
【特許文献3】特開2005−94342号公報
【特許文献4】特開2007−198993号公報
【特許文献5】特開2007−221474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1〜5の方法では、外出時の対応や外出設定のし忘れに対する対応が十分ではなかった。
【0008】
本発明の目的は、上述した従来技術の課題を解決するための技術を提供することにあり、監視対象者の安否を確認する際に、外出時の対応や外出設定のし忘れに対する対応が可能な安否確認装置及び安否確認装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る安否確認装置は、
少なくともアラーム時刻と監視対象者の電話番号を設定する設定手段と、
前記設定されたアラーム時刻になったとき、アラーム音を出力する出力手段と、
前記監視対象者の操作により前記アラーム音を停止させる安否確認手段と、
前記安否確認手段が操作されて前記アラーム音が停止されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、前記安否確認手段が操作されずに前記アラーム音が出力され続けた後に前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼し、前記監視対象者から応答があった場合は、前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、前記監視対象者からの応答がなかった場合は、前記監視対象者の安否が確認できないと判断する制御手段と、
前記監視対象者の安否が確認できないと判断された場合に、所定の通報を行なう連絡手段と、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る安否確認方法は、
少なくともアラーム時刻と監視対象者の電話番号を設定し、
前記設定されたアラーム時刻になったとき、アラーム音を出力し、
前記アラーム音が停止されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、
前記安否確認手段が操作されずに前記アラーム音が出力され続けた後に、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼し、
前記監視対象者から応答があった場合は、前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、
前記監視対象者からの応答がなかった場合は、前記監視対象者の安否が確認できないと判断し、
前記監視対象者の安否が確認できないと判断された場合に、所定の通報を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、監視対象者の安否を確認する際に、外出時の対応や外出設定のし忘れに対する対応が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る安否確認装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る安否確認装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る安否確認装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る安否確認装置(通報装置)の構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、安否確認装置100は、公衆回線200を介して、対象者携帯電話300、外出先電話400及び通報宛先500にそれぞれ接続されている。
【0016】
安否確認装置100は、安否確認ボタン101、設定ボタン102、ダイヤル検出部103、スピーカ104、LCDのような表示部105、無線通信部106、記憶部107及び制御部108を有する。
【0017】
スピーカ104は、アラーム音あるいは警告音を出力させる。安否確認ボタン101は、スピーカ104から出力されるアラーム音あるいは警告音を停止させるもので、この入力によって監視対象者の安否確認が判断される。
【0018】
設定ボタン102は、アラーム時間、外出設定、外出通報日数及び対象者の電話番号の設定を行うものである。ここで、外出通報日数とは、連続で外出が続いたら通報を行う日数である。ダイヤル検出部103は、対象者携帯電話300あるいは外出先電話400から遠隔で通報のキャンセルを実現するためのものである。
【0019】
表示部105は、現在の時刻、アラーム設定時刻及び外出設定を表示するものである。無線通信部106は、通報を行う時に使用するものである。記憶部107は、現在の設定を記憶しておくものであり、外出設定の場合に何日間外出しているのかが記憶される。制御部108は、安否確認ボタン101、設定ボタン102、ダイヤル検出部103、スピーカ104、表示部105、無線通信部106及び記憶部107の制御を行う。
【0020】
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施の形態に係る安否確認装置100の動作について説明する。
【0021】
まず、設定ボタン102を用いてアラーム時刻の設定を行う。外出する場合も設定ボタン102を用いて設定する。
【0022】
図2に示すように、アラームの設定時刻になったら最初に外出設定されているのか否かを判定する(ステップ600)。
【0023】
判定の結果、出設定されていなければ(通常運用)、スピーカ104からアラーム音を出力させる(ステップ601)。
【0024】
次に、安否確認ボタン101が押下されたか否かが判定される(ステップ602)。
【0025】
判定の結果、安否確認ボタン101が押下された場合は、アラーム音が停止され、監視対象者の安否が確認されたと判断し、通報宛先500に通報は行わない。
【0026】
一方、判定の結果、安否確認ボタン101が押下されずに、アラーム音が出力され続けたらアラーム音が警告音に変わる(ステップ603)。ここで、アラーム音は、例えば、10分程度出力される。また、警告音とは、例えば、「まもなく通報します。通報の必要がなければ安否確認ボタンを押して下さい。」のような音声ガイダンスのことである。
【0027】
次に、通報の最終確認段階に遷移し、安否確認ボタン101が押下されたか否かが再度判定される(ステップ604)。
【0028】
判定の結果、安否確認ボタン101が押下されたら、監視対象者の安否が確認されたと判断し、通報宛先500に通報は行わない。
【0029】
一方、判定の結果、安否確認ボタン101が押下されることなく、所定回数(例えば、10回)警告音が出力されたら、監視対象者の予め登録された電話番号(対象者携帯電話300あるいは外出先電話400)に連絡が行く(電話番号に発呼する)(ステップ605)。
【0030】
次に、監視対象者から応答があったか否かが判定される(ステップ606)。
【0031】
判定の結果、監視対象者から応答があった場合は、監視対象者の安否が確認されたと判断して、通報宛先500に通報を行なわない。
【0032】
一方、判定の結果、監視対象者からの応答がなかった場合は、監視対象者の安否が確認できないと判断して、通報宛先500に通報を行なう(ステップ607)。
【0033】
また、ステップ600での判定の結果、外出設定ありと判定されて場合には、アラームの設定時刻がきてもアラーム音は出力されず、記憶部107に外出日数が記憶される(ステップ608)。尚、外出設定が解除されたらこの記憶部107はクリアされる。
【0034】
次に、外出日数がX日以上かどうかが判定される(ステップ609)。つまり、設定した外出通報日数になったかどうかが判定される。
【0035】
判定の結果、設定した外出通報日数になったら、監視対象者の予め登録された電話番号(対象者携帯電話300あるいは外出先電話400)に連絡が行く(電話番号に発呼する)(ステップ610)。
【0036】
次に、監視対象者から応答があったか否かが判定される(ステップ611)。
【0037】
判定の結果、監視対象者から応答があった場合は、監視対象者の安否が確認されたと判断して、通報宛先500には通報を行なわない。
【0038】
一方、判定の結果、監視対象者からの応答がなかった場合は、監視対象者の安否が確認できないと判断して、通報宛先500に通報を行なう(ステップ607)。
【0039】
次に、図3を参照して、図2のステップ606及びステップ611で、監視対象者から応答があったか否かが判定され、その結果、監視対象者から応答があった場合の処理について説明する。
【0040】
図3に示すように、監視対象者から応答があったか否かが判定される(ステップ700)。
【0041】
判定の結果、監視対象者から応答があった場合は、スピーカ104から所定のガイダンス音が出力される(ステップ701)。このガイダンス音は、例えば、「通報をキャンセルしたい場合は1をダイヤルして下さい」というガイダンス音である。
【0042】
次に、通報がキャンセルされたか否かが判定される(ステップ702)。
【0043】
判定の結果、通報がキャンセルされた場合には、監視対象者の安否が確認されたと判断して、通報宛先500には通報を行なわない。
【0044】
一方、判定の結果、通報がキャンセルさなかった場合には、監視対象者の安否が確認できないと判断して、通報宛先500に通報を行なう(ステップ703)。
【0045】
このようにして、監視対象者の安否を確認する。この際、外出時の対応や外出設定のし忘れに対する対応が可能になる。
【0046】
本発明の実施の形態によれば、一人暮らしのお年寄りや体の不自由な方向けに電化製品(例えば、目覚まし時計)を使用している感覚で、安否確認装置100を使用することができる。このように、誰でも使用できて生活にとけこんでいる電化製品を使用するような感覚で安否確認装置100を使用することが可能になる。また、監視対象者にとって生活の妨げにならず抵抗感もない。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0048】
例えば、本発明は、マンション・アパートの管理人による住居者の安否確認、役所によるお年寄りの安否確認、老人ホームなどの福祉施設での安否確認などに広く使用可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 安否確認装置
101 安否確認ボタン
102 設定ボタン
103 ダイヤル検出部
104 スピーカ
105 表示部
106 無線通信部
107 記憶部
108 制御部
200 公衆回線
300 対象者携帯電話
400 外出先電話
500 通報宛先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともアラーム時刻と監視対象者の電話番号を設定する設定手段と、
前記設定されたアラーム時刻になったとき、アラーム音を出力する出力手段と、
前記監視対象者の操作により前記アラーム音を停止させる安否確認手段と、
前記安否確認手段が操作されて前記アラーム音が停止されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、前記安否確認手段が操作されずに前記アラーム音が出力され続けた後に前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼し、前記監視対象者から応答があった場合は、前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、前記監視対象者からの応答がなかった場合は、前記監視対象者の安否が確認できないと判断する制御手段と、
前記監視対象者の安否が確認できないと判断された場合に、所定の通報を行なう連絡手段と、
を有することを特徴とする安否確認装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記安否確認手段が操作されずに前記アラーム音が所定時間出力され続けたときに前記アラーム音を警告音に変えて前記安否確認手段の操作を促し、前記安否確認手段が操作されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、前記安否確認手段が操作されることなく前記警告音が所定回数出力されたとき、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼することを特徴とする請求項1に記載の安否確認装置。
【請求項3】
所定の設定を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記設定手段には、前記監視対象者が外出する場合には外出設定が行われ、
前記制御手段は、前記設定されたアラーム時刻になったとき最初に外出設定されているのかを判断し、外出設定されていない場合は、前記出力手段からアラーム音を出力し、外出設定されている場合は、前記設定されたアラーム時刻になっても前記出力手段から前記アラーム音を出力させず、前記記憶部に外出通報日数を記憶し、
前記連絡手段は、前記記憶した外出通報日数になったとき、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼することを特徴とする請求項1又は2に記載の安否確認装置。
【請求項4】
前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼した際に、前記監視対象者からの応答があった場合に、前記通報のキャンセルを促すガイダンス音を出力し、
前記通報がキャンセルされた場合に、前記連絡手段は前記通報を行わず、
前記通報がキャンセルされない場合に、前記連絡手段は前記通報を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安否確認装置。
【請求項5】
前記電話番号は、前記監視対象者の携帯電話又は外出先の電話の番号であり、
前記通報のキャンセルは、前記携帯電話又は前記外出先の電話を介して遠隔から行われることを特徴とする請求項4に記載の安否確認装置。
【請求項6】
少なくともアラーム時刻と監視対象者の電話番号を設定し、
前記設定されたアラーム時刻になったとき、アラーム音を出力し、
前記アラーム音が停止されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、
前記安否確認手段が操作されずに前記アラーム音が出力され続けた後に、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼し、
前記監視対象者から応答があった場合は、前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、
前記監視対象者からの応答がなかった場合は、前記監視対象者の安否が確認できないと判断し、
前記監視対象者の安否が確認できないと判断された場合に、所定の通報を行なうことを特徴とする安否確認方法。
【請求項7】
前記アラーム音が所定時間出力され続けたときに前記アラーム音を警告音に変え、
前記警告音が停止されたとき前記監視対象者の安否が確認されたと判断し、
前記警告音が所定回数出力されたとき、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼することを特徴とする請求項6に記載の安否確認方法。
【請求項8】
前記監視対象者が外出する場合には外出設定を行ない、
前記設定されたアラーム時刻になったとき最初に外出設定されているのかを判断し、
外出設定されていない場合は、前記アラーム音を出力し、
外出設定されている場合は、前記設定されたアラーム時刻になっても前記アラーム音を出力させずに外出通報日数を記憶し、
前記記憶した外出通報日数になったとき、前記監視対象者の予め登録された電話番号に発呼することを特徴とする請求項6又は7に記載の安否確認方法。
【請求項9】
前記監視対象者の予め登録された電話番号に連絡した際に、前記監視対象者からの応答があった場合に、前記通報のキャンセルを促すガイダンス音を出力し、
前記通報がキャンセルされた場合には、前記通報を行わず、
前記通報がキャンセルされない場合に、前記通報を行なうことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の安否確認方法。
【請求項10】
前記電話番号は、前記監視対象者の携帯電話又は外出先の電話の番号であり、
前記通報のキャンセルは、前記携帯電話又は前記外出先の電話を介して遠隔から行われることを特徴とする請求項9に記載の安否確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−128472(P2012−128472A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276640(P2010−276640)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】