説明

安定した多量の遠赤外線を放射する平板形加温装置

【課題】ひび割れ、破損がなく、長波長の遠赤外線を放射する放射板を提供する。
【解決手段】金属板10に遠赤外線を最も効率よく放射する鉱石の微粉末を粉体塗装粉に混合して塗装、高温焼付けをすると表面は細粒の粗目上に仕上げ、裏面にゲルマヒーター11と称される面状発熱帯を接着し、100〜200V(ボルト)の電気を通電して170℃〜200℃に昇温すると、6〜8μm(ミクロン)の長波長の遠赤外線を放射して、人体等の対象物を加温することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の加温装置は長方形の金属製平板形放射体で裏面に接着されたゲルマヒーターと称される面状発熱帯に100〜200V(ボルト)の電気を通電して170℃〜200℃に昇温させ6〜8μm(ミクロン)の長波長の遠赤外線を放射して、人体等の対象物を加温する、図1に示す形状をしていて主に遠赤外線放射(輻射)暖房機として使用される、
ゲルマヒーターは非特許文献1としてホームページに開示されている、
【非特許文献1】 日本ゲルマヒーター社 ホームページ 平成17年7月11日
この面状発熱帯は自己制御性をもち、安定した加温状態を保つ優れた面状発熱帯とされている、 金属製平板放射体であるが一般的に金属は鉱石ほど放射効率がよくない、と言われているので効率良く遠赤外線を放射するように鉱石の微粉末を耐熱塗料に混合して、ゴルフボールの表面の様にリンプル加工された金属板上に塗布(粉体塗装)して拡散放射と高効率で遠赤外線を放射する加温装置である事を特徴とする。
【背景技術】
【0002】
従来類似形状の グラスヒート と呼ばれる平板形遠赤外線放射加温装置として特許文献1に開示されている暖房機がある、
【特許文献1】 特許第2987354号 公報
このグラスヒートは耐熱強化ガラス発熱体であり発熱体以外の構造は近似している、他にアルミニュウム板でシーズヒータを挟み込んだ発熱体も存在し、いずれもその構造は近似しているが今回発明の物とは異なっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のガラス発熱体を用いた遠赤外線暖房機は160℃で6〜8μm(ミクロン)の遠赤外線を効率良く放射する良好な発熱体であり長期の使用でもガラスは金属の様に錆び等の発生も変化も無く長所も多くあるが、基本素材がガラスである事から、ひび割れ、破損すると言う欠点がある、特に160℃と言う温度域では耐熱強化ガラスでも、ひび割れ、破損する事稀にある等、拭い難い欠点があった、該ガラス発熱体と同程度又はそれ以上の遠赤外線放射効率の良い発熱体で破損等の危険が全く無い物が出来ないか、と言う課題がある、アルミ形材でシーズヒーターを挟み込んだ構造の遠赤外線放射暖房機もあるが、アルミ材は200℃近くに面体温度を上昇させてもガラスに比べ、放射効率が悪く、温度の均一性でもシーズヒーターはガラス発熱体に大きく劣る、これ等の問題を解決する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決する為の請求項1の発明は、図4の10の金属板の裏面に耐熱熱硬化形両面テープで図4の11のゲルマヒーターと称される半導体面状発熱帯を貼りつける、この面状発熱帯の片端には図4の12の様にリード線が装着されていて内部配線に接続出来100〜200V(ボルト)の電気を通電する事が出来る、ゲルマヒーターは電力効率も良く、面状発熱帯としては異例で200℃以上の温度にも上昇可能な為課題を解決す事が出来る。
【0005】
また請求項2の発明は、金属板の表面から放射される遠赤外線の放射量はガラスに比べ大きく劣る、この計測結果等解析された文献として佐々木久夫著遠赤外線の時代(人間と歴史社出版)がある、文献によると金属板であっても表面を加工処理すればガラス素材以上の放射効率が得られるとあり、実験によっても体感上同じ結果がえられる、加工処理は遠赤外線を最も効率よく放射する鉱石の微粉末を粉体塗装粉に混合して塗装、高温焼付けをすると表面は細粒の粗目上に仕上がる、この状態でもガラス素材と同等以上の遠赤外線放射効率があるが、遠赤外線は直進する性質があるので該加温装置図1のように長方形の平板から被放射体に放射する時受熱範囲が狭く非効率である為放射角度を広くする目的で予め平板をゴルフボールの表面のようにリンプル加工後塗布し平板から拡散放射する遠赤外線の受熱範囲が広く効率の良い平板放射体である事を特徴とする。
【0006】
また請求項3の発明は、ゲルマヒーターと称される半導体発熱帯であるが180℃〜200℃の温度帯域で長期間使用されることが前提の加温装置であるから、この発熱帯を周包する素材としての条件は、電気絶縁性が良い、250℃の温度域に長期間耐える事、熱膨張係数が低い事、接着性が良い、防水加工性が良い事等があげられ、これ等の条件を全て満足する樹脂として、PAI(ポリアミドイミド)系樹脂を選択して、このPAIで周包された発熱帯を金属板に耐熱、熱硬化形両テープで接着し長期間剥れたり、絶縁不良になる事無く安定した温度で効率よく遠赤外線を放射出来る金属板放射体である事を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により該加温装置は全ての場所、居室、等ガラス素材では適切では無かったプールサイド、採暖室、浴場、機械浴室、サウナ室、岩盤浴場、高温乾燥室等天井コーナー、壁の設置、取付場所を選ばなくてよく、長期間安定した遠赤外線放射加温装置となる。
【実施例1】
【0008】
該加温装置は主として浴室、特に特別養護老人施設の機械浴室の洗い場等に利用されるお年寄りの人の加温(暖房)に共される事が考えられる、この浴室の天井、天井と壁のコーナーに斜傾に取付暖をとる、特に老人は気温の急な変化で養護事故を起こすことがあるのでこの加温装置は極めて重要である、プール、サウナ採暖室の加温にも最適で空気を暖めず直接人や物を暖める事が出来るので大きな省エネルギーとなる、また寒冷地では便所、流し場、洗濯場等の水場と言われる場所の凍結防止にも最適で水の通る管や器具その物を加温するのでこれも大きな省エネルギーになり、利用される場所は飛躍的に増大すると推測される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遠赤外線を放射する平板形加温装置の平面図である。
【図2】遠赤外線を放射する平板形加温装置の正面図である。
【図3】遠赤外線を放射する平板形加温装置の側面図である。
【図4】金属製平板に面状発熱帯(ゲルマヒーター)を貼り付ける説明図である。
【図5】金属製平板発熱体に緩衝材を取付反射板上に乗せた図である。
【図6】遠赤外線を放射する平板形加温装置の上側断面図である
【符号の説明】
【0010】
1. 遠赤外線を放射する平板形加温装置本体
2. ケーシング右蓋
3. ケーシング左蓋
4. 通電表示ランプ
5. ケーシング上部
6. 保護ガード
7. 反射板
8. 加熱防止装置
9. ケーシング底板
10.金属製平板
11.面状発熱帯(ゲルマヒーター)
12.面状発熱帯(ゲルマヒーター)通電リード線
14.耐熱緩衝材
15.金属製発熱体固定金具
16.金属製発熱体固定受金具
17.金属製発熱体固定左右固定ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
この発明の加温装置の構造は、人体の表皮に最も良く吸収されやすい6〜8μm(ミクロン)の長波長遠赤外線を放射する金属製放射板を有する、この放射板の表面温度を他の面状発熱体では不可能な温度である、170℃〜200℃に保つ時該長波長の遠赤外線が実験上最も効率良く放射されるので、この金属製放射板を昇温させる為に裏面にゲルマヒーターと称される面状発熱帯を貼り付け、100〜200V(ボルト)の電圧を加え電流を流す。この裏面に貼り付けるゲルマヒーターと称される面状発熱帯はダイオードやトランジスターのような半導体でこの半導体に通電した時に発生する熱排出を利用して高効率の熱出力が得られる。一般的に通常のカーボン面状発熱体の温度上昇の限界は70℃〜80℃である。 この金属板裏面にゲルマヒーターを貼り付けて昇温させる構造の放射板。
【請求項2】
金属製放射板の表面は金属だけでは、長波長遠赤外線の放射率が鉱石ほど良くないので、鉱石の微粉末を耐熱塗料に混合して塗布すると表面は鉱石の粉末が粗目状に付着した状態で加温され理想的な遠赤外線を放射する金属放射板となる。またこの金属製放射板は平面状の発熱体である事から放射角度を広くさせる為ゴルフボールの表面のようにリインプル加工し平板からの放射角度を大きくして拡散放射する事を特徴とするこの金属板の表面加工処理(塗装)等の全て。
【請求項3】
温度が200℃に上昇する面状発熱帯を包み込み、金属板に貼り付けるには、耐熱性と電気絶縁性が良くなければならない
250℃以上の高温に耐え、しかも電気的絶縁性が良く熱膨張係数が極めて低い樹脂としてPAI(ポリアミドイミド)樹脂素材以外には考えられないのでこの樹脂を使用している、金属製放射板に両面テープで貼り付けるが、このテープの接着剤も耐熱、熱硬化形を使用している。この発熱帯組立の構造及び金属製遠赤外線放射板発熱体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−152163(P2009−152163A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341836(P2007−341836)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(592147790)株式会社インターセントラル (11)
【Fターム(参考)】