説明

安定な非水性ポアオン組成物

本発明は、有効量のアミトラズと、必要に応じて、大環状ラクトン、安定剤、および活性ヒドロキシル基を含まない担体系とを含む、安定した、抗寄生虫、非水性のポアオン寄生虫駆除組成物に関する。一つの実施形態に置いて、本発明は、各々有効量のアミトラズと少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物と活性ヒドロキシル基を含まない担体系とを含む、安定した抗寄生虫の、非水性ポアオン組成物を提供する。好ましくは、さらなる寄生虫駆除化合物は大環状ラクトン、より具体的には、モキシデクチンである。より具体的な一実施形態では、組成物は安定剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
ヒツジ、ウシのほかヤギ、ブタ、ウマ等の動物における外部寄生虫を制御するためには、1つまたはそれ以上の有効成分を含むポアオン(pour−on)製剤を外用剤として局部に使用するのが一般的である。ポアオン製剤は典型的には液体で、通常、動物の外部にライン状またはスポット状に付けるものであり、このとき、シラミ、シラミバエ、ダニ、マダニ、ハエ等の外部寄生虫から動物の外部表面を保護するように働く。ポアオン製剤を外用剤として局部に付けると、有効成分が動物の表面上に広がり、外部表面領域全体を保護するのが理想的である。
【0002】
ポアオン組成物の中で一般に使用される有効成分には、マダニ駆除剤等の外部寄生虫駆除剤がある。アミトラズは、有益な獣医用製品であり、他の化学分類のマダニ駆除剤に耐性をもつマダニの系統に対して有効である。アミトラズはさらに、毛およびウールに対し、どの段階の寄生性マダニを制御するのに十分な持続性を有している。アミトラズの特有の駆除作用により、マダニは宿主動物から口器を即座に引っ込め、宿主動物から剥がれ落ちる。効果的な外部寄生虫制御または内部寄生虫制御と組み合わせた効果的なマダニ制御が、健康な農業用動物および家畜の飼育、繁殖、収容において非常に望ましい。しかしながら、あいにくアミトラズは、反応性のヒドロキシル基、例えば、アルコール、グリコール、水などを有する担体が存在すると化学的に不安定である。この性質は、反応性ヒドロキシル基を含む担体においてアミトラズが不安定であることと反応性ヒドロキシル基を含まない担体において多くの寄生虫駆除剤が不溶性であることとが相重なるがゆえに、アミトラズを含む獣医用組成物、特にアミトラズおよび少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除剤を含む獣医用組成物の開発を制限してきた。
【0003】
さらに、大環状ラクトン、特にモキシデクチンは製剤が大変困難な化合物である。分子のサイズおよび置換糖部分の欠如等の要因により、この分子は従来の製剤で使用される多くの溶媒において親油性となり、不溶性となる。したがって、特に扱いにくい2つの化合物を単一の製剤において組み合せることは大変困難である。
【0004】
さらに、受容可能な外用製剤は、投与が十分に容易で、降雨中でも流されず、動物が濡れていても効力を保持し、その動物の外見を損なうことなく妥当な時間内で乾燥し、動物の被毛に優しく、動物の皮膚に対して非刺激性であり、日光および水への曝露等の動物の通常の活動の間、この動物に対する有効性を維持しなければならない。何度も繰り返し使用する必要性がないように、この組成物が、少なくとも十分な活性持続期間を有する活性成分を調合物中に提供することが最も望ましい。
【0005】
したがって、アミトラズおよび少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物、特にモキシデクチン、を含むポアオン寄生虫駆除獣医用組成物であって、安定しており、耐水性で、各々の有効成分が高い効力を示す組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0006】
本発明の別の目的は、恒温動物における寄生虫の感染または寄生の予防、処置、および制御のための方法を提供することである。
【0007】
本発明の特徴は、提供される組成物が、広い範囲の寄生虫に対し、長期にわたって改善された効力を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的および特徴は、本明細書中以下に提示される詳細な説明からより明白となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、各々有効量のアミトラズと少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物と活性ヒドロキシル基を含まない担体系とを含む、安定した抗寄生虫の、非水性ポアオン組成物を提供する。好ましくは、さらなる寄生虫駆除化合物は大環状ラクトン、より具体的には、モキシデクチンである。より具体的な一実施形態では、組成物は安定剤を含む。
【0010】
さらに、寄生虫の感染および寄生の処置および制御のための方法、ならびに獣医用寄生虫駆除ポアオン組成物の調製のためのプロセスを提供する。
【0011】
本発明の他の目的、特徴、および利点は以下に提示される詳細な記述から明白となる。なお、詳細な説明から本発明の精神及び範囲内で種々に変えたり変更したりすることは当業者であれば明白なことであるため、当然のことながら詳細な説明及び本発明の好ましい実施の形態を示している具体例は、例示する目的でのみ記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
水、アルコール、グリコール等の活性ヒドロキシル基を含む高極性の担体は、動物の皮膚、皮、および/または毛との適合性があり、比較的高濃度で有効成分を溶解させることができるため、ポアオン組成物の調製によく利用される。アミトラズは他の寄生中駆除活性物に耐性をもつマダニを含む多種多様なマダニに対して、有効であり、かつ活性が持続するため、有効成分の1つとしてアミトラズを含む外用の獣医用組成物は非常に望ましい。アミトラズは活性ヒドロキシル基を含む担体または賦形剤の存在下において不安定なため、これまで、アミトラズおよびさらなる寄生虫駆除化合物を含む獣医用組成物は、限られていた。
【0013】
モキシデクチンについて記載された米国特許第6,514,951号にあるような、既知の市販のポアオン大環状ラクトン調合物にアミトラズを加えた場合、結果として生ずる組成物は不安定になる。
【0014】
驚くべきことに、ヒドロキシル基非含有溶媒および安定剤を含む担体系を使用することで、アミトラズおよび少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物、特にモキシデクチンが、安定した非刺激性ポアオン組成物に製剤され得ることが、ここでわかった。本組成物は、実質的に水を含まないのが好ましい。特定の一実施形態では、溶媒はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、またはそれらの組み合わせを含む。したがって、好ましい一実施形態において、本発明は、本明細書に概説されるような担体系と各々有効量のアミトラズおよびモキシデクチンとを含む外用の獣医用寄生虫駆除組成物を提供する。
【0015】
本発明のポアオン組成物は、宿主動物による忍容性が良く、悪臭がなく、展性が良く、動物の身体を素早く覆い、被処置動物の皮または皮膚に容易に吸収され、有利である。さらに有益な点は、本組成物は濡れた皮膚または皮上でも効力を保持し、洗い流されにくいことである。
【0016】
1つの実施形態においては、組成物は獣医用寄生虫駆除組成物である。より具体的には、ヒドロキシル基非含有溶媒は芳香族溶媒を含む。さらにより具体的には、ヒドロキシル基非含有溶媒はC〜C12アリールアルカンを含む。別の実施形態では、ヒドロキシル基非含有溶媒は鉱物油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、またはそれらの組み合わせを含む。別の実施形態では、ヒドロキシル基非含有溶媒はミリスチン酸イソプロピルを含む。別の実施形態では、ヒドロキシル基非含有溶媒は、芳香族炭化水素、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、およびミリスチン酸イソプロピルの混合物を含む。本発明の別の実施形態では、組成物はヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、モキシデクチン、およびアミトラズを含み、安定剤はビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。
【0017】
本発明の1つの態様では、ヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、およびアミトラズを含む組成物が提供されるが、ただし組成物がヒドロキシル基含有溶媒を実質的に含まないという条件で、
(a)組成物が大環状ラクトンを含むか;または、(b)前記ヒドロキシル基非含有溶媒が
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピルを含む。
【0018】
別の実施形態では、組成物は(a)、大環状ラクトンを含む。さらにより具体的には、大環状ラクトンはモキシデクチンである。あるいは、大環状ラクトンはイベルメクチンである。
【0019】
別の実施形態では、組成物は(b)を含み、ヒドロキシル基非含有溶媒が、
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
約1%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピルを含む。
【0020】
本発明のさらなる態様は、ヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、モキシデクチンおよびアミトラズを含む組成物を提供する。
【0021】
別の実施形態では、組成物はイベルメクチンを含む。
【0022】
本発明の他の態様は、
(a)約1%〜約5%w/vのアミトラズ;
(b)約0%〜約3%w/vのモキシデクチン;
(c)約0%〜約15%w/vの安定剤;
(d)約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
(e)約10〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
(f)約0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む獣医用寄生虫駆除組成物を提供する。
【0023】
より具体的には、組成物は約0.01%〜約2%w/vのモキシデクチンを含む。さらにより具体的には、モキシデクチンは約0.1%〜約1%w/vで存在する。別の実施形態はさらにイベルメクチンを含む。別の実施形態では、芳香族溶媒は、C〜C12アリールアルカン(例えば、トルエン、キシレン、クメン、および/またはプソイドクメン)から実質的になる。別の実施形態では、アミトラズは約1%〜約3%w/vで存在する。別の実施形態では、芳香族溶媒は約12%〜約18%w/vで存在する。別の実施形態では、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせが、約25%〜約65%w/v%で存在する。別の実施形態では、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは約25%〜約65%w/vで存在する。別の実施形態では、ミリスチン酸イソプロピルは約5%〜約10%w/vで存在する。別の実施形態では、安定剤はビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。より具体的には、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドは約1%〜約5%w/vで存在する。別の実施形態はさらに粘度調整剤を含む。より具体的には、粘度調整剤はポリブテンポリマーである。別の実施形態はさらに約5〜15%のセチルオクトネートを含む。
【0024】
別の実施形態は、色素、抗菌剤および抗酸化剤、またはそれらの混合物からなる群から選択される賦形剤を含む。より具体的には、組成物が酸化防止剤Tenox22を含む。
【0025】
本発明の他の態様は、
(a)約1%〜約5%w/vのアミトラズ;
(b)約0.1%〜約15%w/vの安定剤;
(c)約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
(d)約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
(e)約2%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む獣医用寄生虫駆除組成物を提供する。
【0026】
より具体的には、組成物は約0.01%〜約2%w/vのモキシデクチンを含む。さらにより具体的には、モキシデクチンは約0.1%〜約1%w/vで存在する。別の実施形態では、組成物はさらにイベルメクチンを含む。別の実施形態では、芳香族溶媒は、C〜C12アリールアルカン(例えば、Aromatic100(登録商標))から実質的になる。別の実施形態では、芳香族溶媒(例えば、石油)は約12%〜約18%w/vで存在する。別の実施形態では、アミトラズは約1%〜約3%w/vで存在する。別の実施形態では、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせが、約25%〜約65%w/v%で存在する。より具体的には、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは約25%〜約65%w/vで存在する。別の実施形態では、ミリスチン酸イソプロピルは約5%〜約10%w/vで存在する。
【0027】
別の実施形態では、安定剤はビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。より具体的には、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドは約1%〜約5%w/vで存在する。
【0028】
別の実施形態では、本発明の組成物はさらに粘度調整剤を含む。より具体的には、粘度調整剤はポリブテンポリマーである。別の実施形態では、粘度調整剤はIndopolH1900である。
【0029】
別の実施形態では、本発明の組成物は、色素、抗菌物、および抗酸化剤、またはそれらの混合物からなる群から選択される賦形剤をさらに含む。
【0030】
別の実施形態では、組成物は1%w/v未満の水、または0.5%w/v未満の水、または0.25%w/v未満の水を含む。
【0031】
別の実施形態では、組成物中の安定剤は混和可能な安定剤である。
【0032】
本発明の他の態様は、ヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、モキシデクチンおよびアミトラズを含む組成物を恒温動物に局所投与することを含む、前記動物における寄生虫感染または寄生の処置または制御のための方法を提供する。
【0033】
あるいは、本発明の一態様は、ヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤およびアミトラズを恒温動物に局所投与することを含む、前記動物における寄生虫感染または寄生虫寄生の処置または制御のための方法を提供し、
(a)方法がさらに大環状ラクトンの投与を含むか;または、(b)前記ヒドロキシル基非含有溶媒が、
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む。
【0034】
より具体的には、方法はヒドロキシル基含有溶媒の動物への投与を含まない。
【0035】
別の実施形態では、前記組成物はポアオン投与される。別の実施形態では、前記動物はブタ、ウシ、ウマ、およびヒツジからなる群から選択される。別の実施形態では、前記外部寄生虫の感染または寄生が、マダニ、シラミ、シラミバエ、ダニ、またはハエによって引き起こされる。別の実施形態では、前記外部寄生虫の感染または寄生がマダニによって引き起こされる。
【0036】
本発明の他の態様は、恒温動物における寄生虫の感染または寄生の処置および制御のため局所投与されるヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、モキシデクチンおよびアミトラズを含む組成物を提供する。
【0037】
本発明のさらなる態様は、恒温動物における寄生虫感染または寄生の処置および制御のための薬剤の製造における、局所投与されるヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、モキシデクチンおよびアミトラズを含む組成物を提供する。
【0038】
アミトラズの有効量は、組成物全体の約1.0〜5.0%w/vとしてもよく、必要に応じて少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物がある場合には、合わせて組成物全体の約1.0〜10.0%w/vとすればよい。例えばアミトラズは、約0.5〜3.0%w/vで、好ましくは1.0〜2.5%w/vで存在すればよく、さらなる寄生虫駆除化合物は、約0.01〜2.0%w/v、好ましくは0.1〜1.0%w/v、より好ましくは0.5%w/vで存在すればよい。さらなる寄生虫駆除化合物の有効量は、化合物の効力、適用方法、宿主動物、対象寄生虫、寄生の程度などによって変動し得る。
【0039】
本発明の任意の実施形態に適用されているように、本発明の組成物において使用に適する代表的な寄生虫駆除組成物には、大環状ラクトン、例えば、モキシデクチン、ミルベマイシンオキシム、アバルメクチン、ドラメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、またはエプリノメクチン等;ベンゾイルフェニル尿素を含むキチン合成阻害剤、例えば、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、ノバルロン、フルアズロン等;幼若ホルモン類似体、例えば、メトプレン、ヒドロプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカルブ等;ピレスロイド殺虫剤、例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン等;フェニルピラゾール殺虫剤、例えばフィプロニル等;有機リン系殺虫剤、例えば、クロルフェンビンホス、ジアジノン、マラチオン、テルブホス等;オキシムカルバメート殺虫剤;セミカルバゾン、例えば、エンドクスカルブまたはメタフルミゾン;イミダクロプリド等があり、好ましくは大環状ラクトン、より好ましくはモキシデクチンまたはイベルメクチンである。モキシデクチンは、その寄生虫駆除活性の様式が相補的であり、活性ヒドロキシル基を含まない担体と化学的適合性があり、この担体に溶解性を示すため、アミトラズとの使用に特に好ましい。
【0040】
本明細書中では、「ヒドロキシル基非含有溶媒」は1つまたはそれ以上の物質の溶液を示し、その物質はすべて遊離ヒドロキシル基を含まない。ヒドロキシル基含有溶媒としては、水、アルコール、グリコール、cromadolPMPなどが挙げられる。好ましいヒドロキシル基非含有溶媒の例としては、芳香族溶媒(例えば、キシレン、クメン、トルエン)、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、γ−ヘキサラクトン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、DMSOが挙げられる、
用語「担体」は、担体混合物、つまり1つ以上の物質の混合物を含めるよう、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用される。
【0041】
本明細書中では、用語「w/v」は、重量/容量を表し、用語「mg/kg」は、体重1キログラム当たりのミリグラムを表す。
【0042】
本明細書中では、用語「安定剤」または「安定化剤」は本発明の組成物中の他の成分の分解、反応、または相互作用を妨げるかまたは低減する物質を指す。好ましくは、安定剤は、「可溶性安定剤」であり、これは組成物中で溶解することを示す。好ましくは、本発明の安定剤は、水のスカベンジャーとしての作用等により、アミトラズの分解を妨げるかまたは低減する。本発明の安定化剤の1つの例は2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(Stabaxol(登録商標))等の耐加水分解剤である。
【0043】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、用語「約」および「ほぼ」は、値が統計的に有意な範囲内にあることを表わす。そのような範囲は、所定の値または所定の範囲の典型的には20%以内に、より典型的には10%以内に、さらにより典型的には5%以内の範囲にある。用語「約」および「ほぼ」が包含する許容範囲は研究における特定の系に左右され、当業者であれば容易にわかるものである。
【0044】
本明細書中で使用される場合、用語「実質的に含まない」は、議論されている物質がたとえ組成物中に存在していたとしても、約1%未満のありがちな不純物として存在していることを意味する。好ましくは、本発明の組成物は、ヒドロキシル化溶媒(例えば、水またはcromadol)を「実質的に含まず」、ヒドロキシル化溶媒は1%w/v未満、より好ましくは、0.5%w/v未満で存在する。
【0045】
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせは、本発明の組成物中に、約10〜75.0%w/v、好ましくは25〜65%w/vの量で存在するとよい。ミリスチン酸イソプロピルは、本発明の組成物中に約2〜15%w/v、好ましくは約5〜10%w/v、より好ましくは約10%w/vの量で存在するとよい。
【0046】
活性ヒドロキシル基を有しない担体系、アミトラズ、および別の寄生虫駆除剤に加えて、本発明のポアオン組成物は1つまたはそれ以上の添加成分をさらに含んでもよい。適切な添加成分の例としては、カルボジイミド等の安定剤、抗酸化剤;展着剤;保存剤;接着促進剤;活性可溶化剤;ポリブテンポリマー等の粘度調整剤;紫外線遮断剤または吸収体;着色剤;アニオン、カチオン、非イオン、および両性界面活性剤を含む界面活性剤;および外用の獣医用組成物において従来から使用されている賦形剤、がある。例を挙げると、カルボジイミド、例えば、ジ−(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等、またはそれらの混合物、等の安定剤は、約0〜15%w/v、好ましくは0〜10%w/v、より好ましくは約1〜5%w/vの量で、本発明の組成物中に存在するとよい。ポリブテンポリマー等の粘度調整剤は、本発明の組成物中に約0〜20%w/v、好ましくは、約5〜15%w/v、より好ましくは約10%w/vの量で存在するとよい。
【0047】
1つの実施形態では、本発明の組成物はさらに、Aromatic150(登録商標)、Aromatic100(登録商標)(Exxon−Mobil製造)などのC〜C12アリールアルカン溶媒混合物、またはそれらの混合物等の芳香族溶媒を含んでいてもよい。芳香族溶媒は、本発明の組成物中に約5.0〜20%w/v、好ましくは約12〜18%w/v、より好ましくは約15%w/vの量で存在するとよい。
【0048】
色素、抗菌剤、抗酸化剤、またはそれらの混合物等の賦形剤は、本発明の組成物に含まれてもよい。本発明における使用にふさわしい前記賦形剤の量は、約0、または0.0005%〜2.0%w/vまでの範囲内である。組成物に加えられる添加剤には、紫外線吸収化合物、光安定剤、粘性変性剤、増粘剤、味覚増進剤または抑制物、ビタミン、付着剤、芳香剤、脱臭剤、生理学上または皮膚科学的に受容可能な担体、希釈剤、賦形剤または補佐剤がある。
【0049】
本発明の安定したポアオン寄生虫駆除獣医用組成物は、安定性を高めることができ、有効成分の効力を相応に高くすることができ、宿主動物の皮膚/皮/毛への刺激を示さず、有利である。したがって本発明は、恒温動物における寄生虫感染または寄生の処置または制御のための方法を提供し、この方法には、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、またはそれらの組み合わせを含む担体系;および各々有効量のアミトラズおよび少なくとも1つのさらなる寄生虫駆除化合物を含む組成物を、前記動物に局所投与することを含む。
【0050】
本発明の組成物および方法を使用する処置に適した恒温動物としては、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ダマジカ、トナカイ、イヌ、ネコ等が挙げられ、好ましくはブタ、ウシ、ウマ、またはヒツジ、より好ましくはウシまたはヒツジである。
【0051】
本発明の方法による処置に適した外部寄生虫の感染または寄生としては、シラミ、シラミバエ、ダニ、マダニ、ハエなどが挙げられる。
【0052】
実際の使用においては、宿主動物の体重1kg当たり有効成分の用量比をmgとして本発明の組成物を投与すればよい。本発明の方法の使用に適した用量比は、投与の様式、宿主動物の種および健康状態、対象寄生虫、感染または寄生の程度、繁殖習性、さらなる寄生虫駆除化合物の効力などに応じて変わることになる。一般には、アミトラズの用量は約0.5〜3.0mg/kgが適切であり、さらなる寄生虫駆除化合物がモキシデクチンまたはイベルメクチン等の大環状ラクトンである場合には、大環状ラクトンの用量は約0.01〜1.0mg/kgが適切であり、好ましくは、アミトラズは2.5mg/kg、大環状ラクトンは0.5mg/kgである。そのような用量は、ブタ、ウシ、ウマ、またはヒツジ等の大型動物に特に適用するとよい。
【0053】
さらに本発明は、獣医用寄生虫駆除ポアオン組成物の調製のためのプロセスを提供するが、このプロセスは、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせの一部とミリスチン酸イソプロピル、アミトラズ、および別の寄生虫駆除剤を混合して第一の溶液を形成することと、残ったカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせで前記第1の溶液を処理し、必要に応じて、第二の均質な溶液を形成するために、溶解されたポリブテンポリマーを含ませること、必要に応じて、前記均質な溶液を固形脱水剤に通すことを含む。
【0054】
本発明のプロセスでの使用にふさわしい寄生虫駆除組成物としては、大環状ラクトン、例えば、アバルメクチン、ドラメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチンまたはミルベマイシンオキシム等;ベンゾイルフェニル尿素を含むキチン合成阻害剤、例えば、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、ノバルロン、フルアズロン等;幼若ホルモン類似体、例えば、メトプレン、ヒドロプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカルブ等;ピレスロイド殺虫剤、例えば、ペルメトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン等;フェニルピラゾール殺虫剤、例えば、フィプロニル;有機リン系殺虫剤、例えば、クロルフェンビンホス、ジアジノン、マラチオン、テルブホス等;オキシムカルバメート殺虫剤;イミダクロプリド;セミカルバゾン、例えば、エンドクスカルブまたはメタフルミゾン等が挙げられ、好ましくは大環状ラクトン、より好ましくはモキシデクチンまたはイベルメクチンである。
【0055】
本発明のプロセスの使用に適した固形脱水剤には、溶液から微量の水を吸収し、除去するのに有用な任意の従来の固形試薬があり、例えば、シリカゲル、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭、分子篩などが挙げられ、好ましくは、分子篩であり、より好ましくは、4Å分子篩である。
【0056】
本発明のより明確な理解のために、本明細書中以下に、以下の実施例を提示する。これらの実施例は、単に例示に過ぎず、当然のことながら、決して本発明の範囲または根底にある原則を制限するものではない。実際、本発明の種々の改変が、本明細書中に示され記載される改変に加え、以下に提示される実施例および上記の説明から当業者に明らかとなる。そのような改変も、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。
【0057】
特に明記しない限り、部はすべて、重量部である。次の例において、以下に記載の成分が使用される。
【表A】

【0058】
**Tenox22(登録商標)の組成:(約)20%の第三ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール(BHA)、6%の第三ブチルヒドロキノン(TBHQ)、4%のクエン酸、および担体溶媒(植物油、プロピレングリコール、グリセリドおよび/またはエタノール(QS)。
【0059】
(実施例1)
寄生虫駆除ポアオン組成物の調製
【表B】

【0060】
*ミリスチン酸イソプロピル
**合計100%w/vを得るのに十分な量。
【0061】
調製の方法
Aromatic100とミリスチン酸イソプロピルとミグリオールまたは鉱物油の一部との混合物を、窒素の存在下で、モキシデクチンまたはイベルメクチンおよびアミトラズで連続して処理し;溶解が完了するまで攪拌を続ける。別の容器で、IndopolH1900を残りのミグリオールまたは鉱物油に50℃〜60℃で溶解させ、室温まで冷却する。アミトラズを含む最初の溶液を、IndopolH11900溶液で処理し、均質になるまで攪拌する。得られた均質な溶液を、活性化4A分子篩の層(bed)に通す。
【0062】
(実施例2)
寄生虫駆除のポアオン組成物の調製
上記の実施例1に記載される手順と実質的に同じ手順を使用して、以下に示す組成物を調製した。
【表C】

【0063】
*ミリスチン酸イソプロピル
**合計100%w/vを得るのに十分な量(qs)のMiglyol812
***合計100%w/vを得るのに十分な量(qs)のMiglyol840。
【0064】
(実施例3)
比較用ポアオン組成物の調製
下に示す組成物は、完成した製剤にアミトラズを加え、結果として生ずる混合物を均質になるまで攪拌したこと以外は、米国特許第6,514,951号に従って調製した。
【表D】

【0065】
*PPG−2ミリスチルエーテルプロピオネート
**合計100%w/vを得るのに十分な量。
【0066】
(実施例4)
外部寄生虫駆除ポアオン組成物の調製
【表E】

【0067】
*ミリスチン酸イソプロピル
**合計100%w/vを得るのに十分な量。
【0068】
調製法
Aromatic100とミリスチン酸イソプロピルとミグリオールまたは鉱物油の一部との混合物を、窒素の存在下で、アミトラズを処理し、溶解が完了するまで攪拌を続ける。別の容器で、IndopolH1900を残りのミグリオールまたは鉱物油に50℃〜60℃で溶解させ、室温まで冷却する。アミトラズを含む最初の溶液を、IndopolH1900溶液で処理し、均質になるまで攪拌する。得られた均質な溶液を、活性化4A分子篩の層(bed)に通す。
【0069】
(実施例5)
外部寄生虫駆除ポアオン組成物の調製
上記の実施例4に記載される手順と実質的に同じ手順を使用して、以下に示す組成物を調製した。
【表F】

【0070】
*ミリスチン酸イソプロピル
**合計100%w/vを得るのに十分な量。
【0071】
(実施例6)
比較用ポアオン組成物の調製
下に示す組成物は、完成した製剤にアミトラズを加え、結果として生ずる混合物を均質になるまで攪拌すること以外は、米国特許第6,514,951号に従って調製する。
【表G】

【0072】
*PPG−2ミリスチルエーテルプロピオネート
**合計100%w/vを得るのに十分な量。
【0073】
(実施例7)
試験用ポアオン組成物の安定性の比較評価
この評価では、実施例2および実施例3で調製された試験組成物を、25℃および50℃で8週間保管した。サンプルの%活性について、一定の間隔で時間0と比較して分析した。結果を以下の表Iに示す。
【0074】
【表1】

上記表Iに示したデータから分かるように、実施例2B(ヒドロキシル基含有溶媒が実質的にない)の組成物は、実施例3B(ヒドロキシル基含有溶媒(CrodamolPMP)を含む)の組成物より保管が安定している。
【0075】
(実施例8)
試験用ポアオン組成物の安定性の比較評価
この評価では、実施例2および実施例3で調製された試験組成物を、25℃および相対湿度60%、ならびに40℃および相対湿度20%で26週間保管した。サンプルの%活性について、一定の間隔で時間0と比較して分析した。結果を以下の表IIに示す。
【0076】
【表2−1】

【0077】
【表2−2】

上記表IIに示したデータから分かるように、実施例2B(ヒドロキシル基含有溶媒が実質的にない)の組成物は、実施例3C(ヒドロキシル基含有溶媒(CrodamolPMP)を含む)の組成物より保管が安定している。
た。
【0078】
【表3】

表IIIに示したデータから分かるように、安定剤およびヒドロキシル基非含有溶媒を含む本発明の組成物は、比較組成物より大幅に安定している。
【0079】
(実施例9)
試験組成物の効力評価
A.この評価では、51頭のウシのグループから8頭を選び、Ixodes Holocyclus(麻痺ダニ)を寄生させた。グループ1のウシに偽薬処置し、陰性対照として用いた。0日目に、処置群に対して、実施例6Aの製剤を10kgにつき1mLの用量で与えた。製剤は、尾の付け根からき甲部に向けて局所投与された。次いでマダニを動物に、7、14、21、および28日目に付けた。マダニの数を、処理後の3日間のほか、再寄生後の3日間、毎日数えた。マダニを生存度(健康に生存/病気/死)によって評価した。ダニ麻痺症の可能性を低減するために、マダニを3日後に取り除いた。製剤6Aを与えたグループは、処置の72時間後では85.7%のダニ効力を有していた。7日目および14日目に付着させたマダニに対しては、完全な効能(100%)が得られた。効力は、21日目に付着させたマダニに対して79%まで、28日目に付着させたマダニに対しては50%まで減少した。
【0080】
B.製剤2Fを、オーストラリアにおいて、若い仔ウシのIxodes Holocyclus(麻痺ダニ)に対して試験した。本研究には体重43.5kgから71.5kg、日齢21日から49日の乳牛の仔ウシ22頭を使用した。試験の開始に先立ち、これらの動物に麻痺マダニを付けた。処置グループは3つとし、グループAを非処置の対照群とした。グループBを競合製品の陽性対照群としグループCを、体重10kg当たり1mLの割合で0.5%モキシデクチン/2.5%アミトラズで処置した。0日目に、処置群に対して、上記の製剤を10kgにつき1mLの用量で与えた。製剤は、尾の付け根からき甲部に向けて局所投与された。次いでマダニを動物に、7、14、21、および28日目に付けた。マダニの数を、処理後の3日間のほか、再寄生後の3日間、毎日数えた。マダニを生存度(健康に生存/病気/死)によって評価した。ダニ麻痺症の可能性を低減するために、マダニを3日後に取り除いた。上記製剤を与えたグループは、処置の72時間後では97.7%のダニ効力を有していた。7日目、14日目、および17日目に付着させたマダニに対しては、完全な効力(100%)が得られた。効力は22日目から24日目にかけて減少した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシル非含有溶媒、安定剤、およびアミトラズを含む獣医用寄生虫駆除組成物であって、
(a)前記組成物が、大環状ラクトンを含むか、;あるいは(b)前記ヒドロキシル基非含有溶媒が、
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドもしくは鉱物油、またはそれらの組み合わせ;および
0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含み、ただし該組成物はヒドロキシル基含有溶媒を実質的に含まない、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、(a)前記大環状ラクトンを含み、該大環状ラクトンがモキシデクチンである、組成物。
【請求項3】
約0.1%〜約3%w/vのモキシデクチンを含む、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項4】
約0.1%〜約2%w/vのモキシデクチンを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
モキシデクチンが約0.1%〜約1%w/vで存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ヒドロキシル基非含有溶媒が、芳香族溶媒、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド鉱物油、ミリスチン酸イソプロピル、セチルオクトネートまたは粘度調整剤のうちの少なくとも1つを含む、組成物。
【請求項7】
請求項1または6に記載の組成物であって、(a)前記大環状ラクトンを含み、該大環状ラクトンがイベルメクチンである、組成物。
【請求項8】
約0.1%〜約15%w/vの安定剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記安定剤が可溶性の安定剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記安定剤がビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが約1%〜約5%w/vで存在する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
約1%〜約5%w/vのアミトラズを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
約1%〜約3%w/vのアミトラズを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ヒドロキシル非含有溶媒が、
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドもしくは鉱物油、またはそれらの組み合わせ;および
約1%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む、組成物。
【請求項15】
約5%〜約15%のミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
約10%のミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記芳香族溶媒がC〜C12アリールアルカンから実質的になる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記芳香族溶媒が約12%〜約18%w/vで存在する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドもしくは鉱物油、またはそれらの組み合わせが、約25%〜約65%w/v%で存在する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドが約25%〜約65%w/vで存在する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
0.5%未満の水を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
粘度調整剤をさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記粘度調整剤がポリブテンポリマーである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
約5〜15%のセチルオクトネートをさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
色素、抗菌剤、および抗酸化剤またはそれらの混合物からなる群から選択される賦形剤をさらに含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物であって、
(a)約1%〜約5%w/vのアミトラズ;
(b)約0.1%〜約3%w/vのモキシデクチン;
(c)約1%〜約15%w/vの安定剤;
(d)約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
(e)約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドもしくは鉱物油、またはそれらの組み合わせ;および
(f)0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む、組成物。
【請求項27】
恒温動物における寄生虫感染もしくは寄生虫寄生の処置または制御のための方法であって、該方法は、ヒドロキシル基非含有溶媒、安定剤、およびアミトラズを該動物に局所投与することを含み、
(a)該方法は大環状ラクトンを投与する工程をさらに含むか;または(b)該ヒドロキシル基非含有溶媒が、
約5%〜約20%w/vの芳香族溶媒;
約10%〜約75%w/vのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたは鉱物油、あるいはそれらの組み合わせ;および
0%〜約15%w/vのミリスチン酸イソプロピル
を含む、方法。
【請求項28】
前記局所投与する工程が前記動物に投与されるポアオン溶液を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記動物がブタ、ウシ、ウマおよびヒツジからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記寄生虫感染もしくは寄生虫寄生が、マダニ、シラミ、シラミバエ、ダニまたはハエにより引き起こされる、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記寄生虫感染もしくは寄生虫寄生が、マダニより引き起こされる、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
恒温動物における寄生虫感染もしくは寄生虫寄生の処置または制御に使用する請求項1〜26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
恒温動物における寄生虫感染もしくは寄生虫寄生の処置または制御のための薬剤の製造における請求項1〜26のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2010−529136(P2010−529136A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511292(P2010−511292)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/065723
【国際公開番号】WO2008/151214
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】