説明

安定なS‐ニトロソチオール類、その合成方法および使用

本発明は、血管拡張効果を有し、血小板の凝集を阻害し、したがってNO関連疾患の治療用薬剤の製造に有用である、式(I)の安定なS‐ニトロソチオール誘導体に関する。本発明は、式(I)の化合物の合成のための工程およびその中間化合物にも関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
本発明は、NO関連疾患の治療用薬剤の製造に有用な安定S‐ニトロソチオール誘導体、およびその合成に関する。
【0002】
背景技術
酸化窒素(NO)を生体内へ放出しうる化合物が、多くの場合に血管系のある種の活性、例えば血管拡張活性または血小板凝集の阻害を示すことは周知であり、これにより循環系の機能不全に関連した様々な障害の治療において、それらは有用なものとなり得る。
【0003】
更に、S‐ニトロソチオール基を含有する特定の誘導体は、医学的観点から、それらが生体内でNOを放出しうるという事実により、有利な特徴を有していることも記載されている。
【0004】
Radomski et al.,Br.J.Pharmacol.(1992)107,745-749には、S‐ニトロソグルタチオン(GSNO)化合物が血小板の活性を阻害しうると記載されている。
【0005】
Golino et al.,Circulation Research,71,No 6(1992)には、S‐ニトロソシステインが抗血栓効果により、血小板の活性を阻害しうると記載されている。
【0006】
Smith et al.,Met.Find.Exp.Cline.Pharmacy.(1994),16,5には、GSNOが細動脈の強い弛緩効果を生じると記載されている。
【0007】
WO95/12394号公報には、外傷性の血管炎症に対する保護剤として、ペプチドのS‐ニトロソ付加物、その中でもS‐ニトロソ‐N‐アセチルペニシラミン(SNAP)の使用について記載されている。
【0008】
WO95/07691号公報には、損傷血管表面における血小板の作用および血栓の形成の治療および予防における、様々なS‐ニトロソチオール類、特にGSNOの使用について記載されている。
【0009】
WO93/09806号公報には、筋肉組織における弛緩効果および血小板凝集における阻害効果を有する、NOを放出しうるS‐ニトロソ化タンパク質またはアミノ酸残基について記載されている。
【0010】
S‐ニトロソチオール基は不安定な官能基であり、したがってそれを含んでなる活性成分の投与は多くの問題を伴う。S‐ニトロソチオール官能基のインビボ分解は、優れたインビトロ活性を示す一部薬剤の効力を減少させてしまう。S‐ニトロソ化合物の低安定性から生じる別の問題は、それらの短期安定性である。
【0011】
本出願人によるEP‐B1‐1157987号公報には、双方とも強い血管拡張効果および血小板凝集の阻害効果を有する、下記式のペニシラミンまたはグルタチオンのS‐ニトロソチオール誘導体について記載されている:
【化1】

上記式中、AおよびBはフェニル基であるか、あるいは一緒になって6ユニットの環を構成する残基‐CH‐Q‐CH‐を形成し、ここで前記Qは酸素、イオウの原子、または基N‐Rを表し、ここでRは水素またはアルキル基C‐Cであり、Rはアシル残基、例えば脂肪族アシル基C‐C、またはそれ自身の非アミノ酸カルボキシルを介して結合されたグルタミン酸の残基であり、Rはヒドロキシル基またはペプチド結合を介して結合されたグリシン残基である。それらは高い効力を示すが、それらの有用性はS‐ニトロソチオール官能基の低安定性により減少される。
【0012】
EP‐B1‐412699号公報は、下記一般式に相当するS‐ニトロソチオール類:
【化2】

と、心血管疾患に対する治療剤、特に抗高血圧(血圧亢進)剤および狭心症の治療用の薬剤としてのその使用とについて記載している。EP‐B1‐412699号公報によると、S‐ニトロソチオール官能基は嵩高いRおよびR基で安定化されうる。
【0013】
このように、安定なS‐ニトロソチオール誘導体を提供する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0014】
EP‐B1‐1157987号公報において記載されたものと類似するが、酸またはグリシンアミドの代わりにエステル基を有する化合物の提供が安定なS‐ニトロソチオール誘導体の提供につながることを、本発明者らは意外にも見出した。
【0015】
このように、本発明の第一の態様は、下記式(I)のS‐ニトロソチオール誘導体(本発明の化合物)に関する。
【0016】
本発明の第二の態様は、下記式(III)のチオール類のニトロソ化による、該S‐ニトロソチオール誘導体の合成に関する。
【0017】
本発明の別の態様は、式(III)のチオール類と、それらの合成方法とに関する。
【0018】
本発明の別の態様は、式(III)のチオール類の前駆体であり、ひいては式(I)のS‐ニトロソチオール類の合成における重要中間体である、式(IV)の化合物に関する。
【0019】
本発明の別の態様は、NO媒介症状の治療および/または予防用の薬剤の製造のための、式(I)のS‐ニトロソチオール類の使用に関する。
【0020】
別の態様は、式(I)のS‐ニトロソチオールと、薬学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物に関する。
【発明の具体的説明】
【0021】
式(I)の化合物
本発明の第一の態様は、式(I)のS‐ニトロソチオール誘導体:
【化3】

〔上記式中、
およびRは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアルキニルからなる群より選択され、またはRおよびRは一緒になってXを含む5または6員環を形成し、
、R、R、R、R、およびRは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアルキニルからなる群より選択され、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、およびアラルキルからなる群より選択され、
10は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、‐C(=O)R11、および‐S(=O)11からなる群より選択され、ここでR11は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、
Yは、式‐C(=O)OR12のアルコキシカルボニルであり、ここでR12はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、および
Xは、酸素原子、イオウ原子、および‐NR13からなる群より選択され、ここでR13は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択される〕
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩または溶媒和物に関する。
【0022】
本発明は、本発明の化合物の塩も提供する。例えば、ここで提供される化合物の薬学上許容される塩は、酸付加塩、塩基付加塩、または金属塩であり、それらは塩基性または酸性部分を含有する親化合物から慣用的な化学的方法により合成される。通常、このような塩は、例えば、水または有機溶媒中であるいは二種の混合物中でこれら化合物の遊離酸または塩基形を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることにより製造される。通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。酸付加塩の例としては、鉱酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、二酸リン酸塩と、有機酸付加塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩とも称される)、およびp‐トルエンスルホン酸塩がある。アルカリ付加塩の例としては、無機塩、例えばアンモニウムと、有機アルカリ塩、例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、N,N‐ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、グルカミンおよび塩基性アミノ酸塩がある。金属塩の例としては、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、およびリチウム塩がある。
【0023】
“薬学上許容される”という用語は、ヒトへ投与された場合に、生理的に許容されて、典型的にはアレルギーまたは類似有害反応、例えば胃不調、眩暈などを生じない分子実体および組成物に関する。好ましくは、ここで用いられている“薬学上許容される”という用語は、連邦または州政府の規制局により承認されていること、あるいは動物、更に詳しくはヒトでの使用向けに米国薬局方または他の一般的に認められた薬局方において掲載されていることを意味する。
【0024】
薬学上許容される塩を得るために可能な手段として、薬学上許容されない塩も本発明の範囲内に包含することは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0025】
本発明による“溶媒和物”という用語は、他の分子(主に極性溶媒)を非共有結合で結合させた本発明による活性化合物のあらゆる形態を意味する、と理解すべきである。溶媒和物の例としては、水和物およびアルコラート、好ましくはC‐Cアルコラート、例えばメタノラートがある。
【0026】
ここで記載された化合物で可能なすべての立体異性体を本発明が包含することは、当業者であれば直ちに理解されるであろう。立体異性体は、同じ結合順序で結合された同一原子から構成されるが、互換性でない異なる三次元構造を有する化合物、例えばジアステレオマーまたはエナンチオマーとして、当業者に理解される。化学的および/または物理的手段による様々なジアステレオマーまたはエナンチオマーの分離法が、当業者であれば容易に利用される。このような方法の例が掲載されている(実施例33参照)。例えば、エナンチオマーのエナンチオマー濃縮混合物が、キラル条件下の精製、例えばキラル超臨界流体クロマトグラフィーにより、いずれかの合成段階で得られる。同方法に従い、純粋なエナンチオマーも単離される。
【0027】
本発明の目的にとり、エナンチオマーの混合物に適用される“エナンチオマー濃縮”とは、それらのうち一種が他のエナンチオマーより多い量で存在している化合物のエナンチオマーの混合物に関する。したがって、エナンチオマー濃縮混合物はそのエナンチオマーの一種に関して0%超、好ましくは20%超、好ましくは40%超、好ましくは70%超、更に好ましくは80%超、更に好ましくは90%超、更に好ましくは95%超の鏡像体過剰率を有する。
【0028】
“鏡像異性的に純粋な”化合物は、95%超、好ましくは98%超、更に好ましくは99%超、更に好ましくは99.5%超の鏡像体過剰率を有する二種エナンチオマーの混合物とみなすことができる。
【0029】
好ましい態様によると、R、R、R、およびRの各々は、水素である。
【0030】
好ましい態様によると、本発明の化合物は式(II)の化合物:
【化4】

〔上記式中、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、またはRおよびRは一緒になってXを含む5または6員環を形成し、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、
は、水素、C‐Cアルキル、およびC‐C15アラルキルからなる群より選択され、
10は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、‐C(=O)R11、および‐S(=O)11からなる群より選択され、ここでR11は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、
Yは、式‐C(=O)OR12のアルコキシカルボニルであり、ここでR12はC‐Cアルキル、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、および
Xは、酸素原子、イオウ原子、NR13からなる群より選択され、ここでR13は、水素、C‐Cアルキル基、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択される〕
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物である。
【0031】
別な好ましい態様は式(IIa)の化合物:
【化5】

〔上記式中、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、またはRおよびRは一緒になってXを含む5または6員環を形成し、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、
10は、‐C(=O)R11および‐S(=O)11からなる群より選択され、ここでR11は、H、C‐Cアルキル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、および
Yは、式‐C(=O)OR12のアルコキシカルボニルであり、ここでR12はC‐Cアルキルである〕
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物である。
【0032】
好ましい態様によると、R、R、R、およびRの各々は水素である。
【0033】
好ましい態様によると、Xは‐NR13であり、ここでR13は前記と同義である。
【0034】
好ましい態様によると、Rは水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択される。
【0035】
好ましい態様によると、R12はC‐Cアルキル基である。
【0036】
好ましい態様によると、RまたはR10の一方は水素である。
【0037】
好ましい態様によると、本発明の化合物は以下からなる群より選択される:
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ヘプタノイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ヘプタノイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ベンゾイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゾイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムアセテート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムメシレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムニトレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサルフェート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムビサルフェート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムホスフェート二酸、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムラクテート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムシトレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサリチレート、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(4‐ニトロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(4‐メチル‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(3‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐4‐(2‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(エトキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(2,2,2‐トリフルオロ‐アセチルアミノ)酢酸エチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸ベンジル、
‐(R,S)‐(アセチル‐エチル‐アミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐エチル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐エチル‐4‐(エチルオキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐(エチルオキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐メチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸メチル、
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐メトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチル、および
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチル、
またはそのエナンチオマーもしくは溶媒和物。
【0038】
好ましい態様によると、本発明の化合物は以下からなる群より選択される:
‐(R)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、および
‐(R)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド。
【0039】
式(I)の化合物およびその中間体の合成
本発明の第二の態様は、式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化を含んでなる、本発明の化合物の合成方法に関する:
【化6】

上記式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは式(I)において定義されている通りである。
【0040】
ニトロソ化は、”Advanced Organic Chemistry,Reactions,Mechanism and Structure”,5th Edition,Wiley-Interscience(第699、779‐780、818頁およびそこで引用されたリファレンス参照)のテキストでみられる、当業者に知られた試薬により行われる。
【0041】
好ましい態様によると、ニトロソ化では、亜硝酸、亜硝酸アルキル、NOガス、NOCl、NOBr、N、N、およびBrCHNOからなる群より選択される試薬と、該式(III)の化合物とを接触させる。
【0042】
例えば、ニトロソ化剤は、水性またはヒドロアルコール酸媒体、即ち塩酸媒体中に亜硝酸ナトリウムを入れることにより、あるいは中性媒体、例えばいずれか適切な有機溶媒、即ちアルコール類(エタノール、メタノール...)、アセトン、ジクロロメタン、またはテトラヒドロフラン中に亜硝酸アルキル(即ち、亜硝酸tert‐ブチルまたはアミル)を入れることにより得られる。
【0043】
本発明の別の態様は、該式(III)の化合物あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物に関する。
【0044】
式(III)の化合物は、式(IV)の化合物からZ基の除去により得られる:
【化7】

上記式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは、前記の式(I)で定義されている通りであり、Zは、非置換アルキル、アルケニル、C‐C20アラルキル、‐Si(R′)、‐C(=O)R′からなる群より選択され、ここでR′はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキルからなる群より選択される。
【0045】
米国6,225,311号公報(第109頁)およびWO2000044709A2号公報(第293頁)においては、Z基が2‐ヒドロキシエチル(置換アルキル)である下記化合物が記載されている:
【化8】

【0046】
Zは、合成のこの段階において容易に開裂されるように、通常選択される。例えば、チオエーテル類、例えば、メチルチオエーテル、tert‐ブチルチオエーテル、ベンジルチオエーテル、p‐メトキシベンジルチオエーテル、3,4‐ジメトキシベンジルチオエーテル、トリチルチオエーテル、アリルチオエーテル、式‐Si(R′)のシリル誘導体、例えばトリメチルシリル(“TMS”としても表わされる)、トリエチルシリル、tert‐ブチルジメチルシリル(“TBDMSO”としても表わされる)、tert‐ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、テキシルジメチルシリルエーテル、トリフェニルシリル、ジ‐tert‐ブチルメチルシリル、またはチオエステル類、例えば酢酸チオエステル、安息香酸チオエステル、ピバリン酸チオエステル、メトキシ酢酸チオエステル、クロロ酢酸チオエステル、レブリン酸チオエステル。該基が除去される更なる条件はT.W.Greene and P.G.M.Wuts en “Protective Groups in Organic Synthesis”,3a Ediccion,Wiley-Interscience,pages 454-493においても見られる。
【0047】
好ましい態様によると、Zは、標準条件下(T.W.Greene et al.参照)において、例えば、酸性条件(例えば、トリフルオロ酢酸)または水素化分解により除去されるC‐C20アラルキル基(例えばp‐メトキシベンジル)である。
【0048】
このように、好ましい態様によると、本発明の化合物の合成方法は:
a)式(III)の化合物を得るための、前記式(IV)の化合物からZ基の除去、および
b)工程a)で得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化、
を含んでなる。
【0049】
したがって、本発明の別の態様は、式(IV)の化合物からのZ基の除去を含んでなる該式(III)の化合物の合成方法である。
【0050】
本発明の別の態様は、上記式(IV)の化合物あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物に関する。
【0051】
式(IV)の化合物は、式(V)の化合物:
【化9】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは、式(I)において定義されている通りである)あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物へ、塩基の存在下において、Zが前記と同義である式HS‐Zの化合物の付加により得られてもよい。
【0052】
この種の反応のための条件は、Nelson C.F.Yim et al.,J.Org.Chem.,1988,53,4605-7およびC.Freeman Stanfield et al.,Synthetic Communications,1988,18(5),531-43において見られる。
【0053】
このように、好ましい態様によると、式(I)の化合物の合成方法は:
a)該式(IV)の化合物を得るために、前記のような式(V)の化合物への、塩基の存在下において、Zが前記と同義である式HS‐Zの化合物の付加、
b)式(III)の化合物を得るための、工程a)で得られた該式(IV)の化合物からZ基の除去、および
c)工程b)において得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化
を含んでなる。
【0054】
式(I)の化合物の合成のための別の方法は:
a)式(III)の化合物を得るための、式(V)の化合物:
【化10】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りである)へSHの付加、および
b)工程a)で得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化、
を含んでなる。
【0055】
このように、この方法によると、式(V)の化合物から単一工程で式(III)の化合物を提供することが可能である。
【0056】
本発明の別の態様は、前記のような式(V)の化合物へ、塩基の存在下で、Zが前記と同義である式HS‐Zの化合物の付加を含んでなる、該式(IV)の化合物の合成方法である。
【0057】
上記のように、本発明のエナンチオマー濃縮または鏡像異性的に純粋な化合物は、合成のいかなる工程でもキラル分離(即ち、式(III)、式(IV)、および/または式(V)の化合物のキラル分離)により得られる。好ましい態様によると、式(III)のエナンチオマー濃縮混合物または鏡像異性的に純粋な化合物を得るために、ニトロソ化前に式(III)の化合物がキラル分離、好ましくはキラル超臨界流体分離に付される。該式(III)のエナンチオマー濃縮混合物または鏡像異性的に純粋な化合物の更なるニトロソ化により、本発明のエナンチオマー濃縮混合物または鏡像異性的に純粋な化合物を提供する。
【0058】
式(V)の化合物は、式(VI)のケトン類:
【化11】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、およびXは、式(I)で定義されている通りである)と、式(VII)のアルキルイソシアノアセテート類:
【化12】

(上記式中、R12は式(I)で定義されている通りである)との反応で容易に得られる。
【0059】
この反応の条件は、DE2801849号公報およびNunami Kenichi et al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.,1,1979,9,2224-9において見られる。
【0060】
この反応において得られる化合物は、Rが水素かつR10がホルミル基である式(V)の化合物である。このように、必要であれば、適切な官能基がRおよびR10に導入されねばならない。これは、本発明の化合物の合成のいずれかの工程において:式(I)の化合物の形成前、式(III)の化合物の形成前または化合物(IV)の形成前に、当業者に知られた方法により行われる。該RおよびR10基を導入または修飾する正確な工程の選定は、分子に存在する異なる官能基の適合性に依存する。該不適合性は、当業者の共通一般知識またはルーチン実験の問題である。
【0061】
例えば、前記のような式(VI)の化合物および式(VII)の化合物から、Rが水素かつR10がホルミル基である式(V)の化合物を製造し、次いでホルミル基を除去することが可能である。次いで、式(IV)の化合物(RおよびR10は水素である)が上記の方法に従い製造される。別な工程においても、RおよびR10基が導入でき、次いでZ基の除去に続いてニトロソ化が行われる。一方、RおよびR10は、式(IV)の化合物の形成前、即ちホルミル基の加水分解後に導入してもよい。上記の別法がスキームIにおいて示される。
【化13】

【0062】
他の別法は、式(VI)の化合物および式(VII)の化合物から、Rが水素かつR10がホルミル基である式(V)の化合物を製造し、該式(V)の化合物を式(IV)の化合物(Rは水素かつR10はホルミルである)へ変換し、次いでZ基を除去してRが水素かつR10がホルミルである式(III)の化合物を形成させることである。該式(III)の化合物は、Rが水素かつR10がホルミルである式(I)の化合物を製造するために用いうる。一方、該式(III)の化合物でRおよびR10基の導入、次いでニトロソ化により、式(I)の化合物を得てもよい。上記の別法がスキームIIで示される。
【化14】

【0063】
別な態様において、合成で異なる時点に非連続工程において、RおよびR10を導入することも可能である。他の可能な組合せも当業者であれば容易に明らかであろう。
【0064】
本発明の化合物の使用
本発明の別の態様は、薬剤として使用のための本発明の化合物に関する。
【0065】
本発明の別の態様は、NO媒介症状の治療および/または予防用の薬剤の製造のための本発明の化合物の使用である。本発明の別の態様は、NO媒介症状の治療および/または予防において使用のための本発明の化合物である。
【0066】
この明細書の関係で“治療および/または予防”という用語は、NO媒介症状に罹患したまたは罹患する危険のある患者において健康を保つための、本発明による化合物または処方物の投与を意味する。該用語には、NO媒介症状と関連した一以上の徴候を予防、改善、または軽減するための、本発明による化合物または処方物の投与も含む。
【0067】
本発明の化合物は、EP‐B1‐1157987号公報において記載されたものと比べて高い安定性と、匹敵しうる血管拡張活性および血小板凝集の阻害効果を示した。
【0068】
好ましい態様によると、該NO媒介症状は、血小板機能不全、内分泌、代謝、心血管、炎症、尿生殖器、消化管、皮膚、ニューロン、中枢神経系関連、神経変性疾患、精神障害、認知障害、呼吸、または感染症状である。
【0069】
別な好ましい態様によると、該NO媒介症状は、高血圧、血栓症、血栓塞栓工程、血管または外傷性炎症、糖尿病、虚血再灌流、頸動脈内膜切除術および冠動脈バイパス、移植片拒絶に関連した、経皮的冠動脈インターベンションにおける、血管緊張モジュレーターとしての合併症、新生児呼吸窮迫症候群、喘息、肺高血圧、気管支肺異形成、嚢胞性線維症、細菌、ウイルスおよび原生動物Leishmaniasis、Trypanosomiasisに起因する感染症、エイズウイルス複製の阻害、胃腸管運動症、炎症性腸疾患、アカラシア、胆嚢およびOddiの括約筋の疾患、胆道膵管造影に際する疾患、肝不全、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、泌尿管症および勃起不全、子癇前症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋増殖、子宮筋腫、皮膚潰瘍、糖尿病、アルツハイマー病、痛み、および線維筋痛症に関連した潰瘍である。
【0070】
別の好ましい態様によると、該NO媒介症状は、高眼圧症、特に緑内障に起因または関連した眼科疾患である。
【0071】
別の態様によると、本発明は、本発明の化合物と、薬学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物に関する。
【0072】
“担体”という用語は、活性成分と一緒に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルに関する。このような製剤担体は無菌液体、例えば水および油、例えば石油、動物、植物、または合成源のもの、例えばピーナツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などである。水または水溶液、塩水溶液と水性デキストロースおよびグリセロール溶液が好ましくは担体として、特に注射液の場合は緩衝剤、等張剤、または溶解度を増加させる剤も用いられる。適切な製剤担体は”Remington’s Pharmaceutical Sciences” by E.W.Martinまたは”Tratado de Farmacia Galenica”,C.Fauli i Trillo,Luzan 5,S.A.de Ediciones,1993において記載される。
【0073】
本発明の医薬組成物は様々な製剤の形態により投与しうる。限定されない例としては、経口投与用の製剤、例えば錠剤、カプセル、シロップ、または懸濁液、眼投与用の製剤、例えば溶液、軟膏、またはクリーム、および非経口投与用の製剤、例えば水性および非水性無菌注射液または水性および非水性無菌懸濁液である。しかも、本発明の医薬組成物には局所用組成物、例えばクリーム、軟膏、またはペースト、あるいは経皮製剤、例えばパッチまたはプラスターがある。本発明の医薬組成物は膣または直腸投与用に、例えば直腸ゲルまたは坐剤として製造してもよい。
【0074】
通常、本発明で用いられる化合物の有効投与量は、選択される化合物の相対効力、治療される障害の程度、年齢、体重、または投与の様式に依存する。しかしながら、活性化合物は、典型的には、0.01〜100mg/kg/日範囲の典型的総1日量で、1日1回以上、例えば1日1、2、3、または4回により投与される。
【0075】
本発明で用いられる化合物は、併用療法を行うために他の薬物と共に投与してもよい。他の薬物は同一組成物の一部を形成しても、あるいは同時または異なる時間に投与用の別々な組成物として供与してもよい。
【0076】
定義
ここで記載された化合物の定義において、下記の用語は次の意味を有する:
“アルキル”は、炭素および水素原子からなり、不飽和を含まず、1〜12、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の炭素原子を有し、単結合で分子の残部へ結合されている直鎖状または分岐状炭化水素鎖基、例えばメチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル、n‐ブチル、t‐ブチル、n‐ペンチルなどに関する。
【0077】
“アルケニル”は、炭素および水素原子からなり、少なくとも一つの不飽和を含み、2〜12、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6の炭素原子を有し、単結合で分子の残部へ結合されている直鎖状または分岐状の炭化水素鎖基に関する。
【0078】
“シクロアルキル”は、3〜8、好ましくは3〜6の炭素原子を有した飽和炭素環式環に関する。適切なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルなどのシクロアルキル基があるが、それらに限定されない。
【0079】
“アルキニル”は、炭素および水素原子からなり、共役していない少なくとも一つの炭素‐炭素三重結合を含み、2〜12、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6の炭素原子を有し、単結合で分子の残部へ結合されている直鎖状または分岐状炭化水素鎖基、例えば単結合で分子の残部へ結合された‐CCH、‐CHCCH、‐CCCH、‐CHCCCHに関する。
【0080】
“アリール”は、6〜10の炭素原子を有した芳香族炭化水素基、例えばフェニルまたはナフチルに関する。
【0081】
“アラルキル”は、アルキル基で分子の残部へ結合されたアリール基、例えばベンジルおよびフェネチルに関する。
【0082】
“ヘテロシクリル”は、炭素原子と、窒素、酸素、およびイオウからなる群より選択される1〜5のヘテロ原子からなる安定な3〜15員環、好ましくは一、二、三、または四つのヘテロ原子を有する4〜8員環、更に好ましくは一、二、または三つのヘテロ原子を有する5または6員環に関する。本発明の目的にとり、ヘテロ環は、縮合環系を含めた単環式、二環式、または三環式であり、ヘテロシクリル基における窒素、炭素、またはイオウ原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化され、ヘテロシクリル基は部分または完全飽和でもまたは芳香族でもよい。このようなヘテロ環の例としてはアゼピン類、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、フラン、イソチアゾール、イミダゾール、インドール、ピペリジン、ピペラジン、プリン、キノリン、チアジアゾール、テトラヒドロフランがあるが、それらに限定されない。
【0083】
別記されていなければ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテリシクリル基は、場合により一、二、または三つの置換基、例えばハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、スルホキシ、Oベンジル、Oベンゾイル、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、およびニトロにより置換されてもよい。
【0084】
“アルコキシカルボニル”という用語は、式‐C(=O)O‐の化合物に関し、炭素末端が分子へ結合され、酸素末端が炭素原子へ結合されて、エステル官能基、即ち分子‐C(=O)O‐C≡を形成する。該炭素原子は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、またはヘテリシクリル基の一部でもよい。
【実施例】
【0085】
実験セクション
この記載において挙げられた実施例は、式(I)に属する幾つかの化合物を得るための適切な工程について列挙している。該実施例からみて、掲載された方法へ当業者の共通一般知識に特徴的な改変を加えることで、明示されていない化合物を得ることは、当業者にとり明白かつ端的である。
【0086】
結果として、以下で説明された実施例は本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでなく、むしろ当業者を本発明のより深い理解に導く追加のより詳細な説明として解釈されるべきである。
【0087】
以下の略記が下記実施例で用いられる:
AcOEt 酢酸エチル
AcOH 酢酸
DMSO‐d 六重水素化ジメチルスルホキシド
EtOH エタノール
EtO ジエチルエーテル
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
IPA イソプロピルアルコール
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0088】
核磁気共鳴スペクトルがVarian Gemini-200装置により実施された。
【0089】
H‐NMRスペクトルは、スペクトルをとるために用いられた動作周波数および溶媒を示す。シグナルの位置は、リファレンスとして溶媒のプロトンのシグナルを用いて、δ(ppm)により示される。リファレンス値はクロロホルムの場合で7.24ppm、重水素化ジメチルスルホキシドの場合で2.49ppmである。括弧内には、電子積分で測定された各シグナルに相当するプロトンの数と、次の略記を用いたシグナルの種類が示されている:s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(クアドロプレット)、s.b.(シグナルブロード)。シグナル帰属が一部の場合に示される。
【0090】
13C‐NMRスペクトルは、スペクトルをとるために用いられた動作周波数および溶媒を示す。シグナルの位置は、リファレンスとして溶媒の中心シグナルを用いて、δ(ppm)で示されている。リファレンス値はクロロホルムの場合で77.00ppm、重水素化ジメチルスルホキシドの場合で39.50ppmである。
【0091】
A)関連化合物の合成
実施例1
1a)ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イリデン)酢酸エチルの合成
【化15】

180g(1.6モル)のカリウムtert‐ブトキシドおよび1Lの乾燥THFを、コンデンサー、温度計および塩化カルシウム管を備えた三口の6Lフラスコへ加える。それを氷浴で冷却し、180mLの乾燥THFに溶解された181mL(1.6モル)のイソシアノ酢酸エチルを滴下しながら、温度を15℃以下に保つ。添加後、187mLの乾燥THFに溶解された187mL(1.6モル)の1‐メチル‐ピペリドンを滴下しながら、温度を15℃以下に保つ。添加後、それを室温に戻し、それを30分間攪拌する。900mLの1/1AcOH/HO溶液を加えながら、生じる発熱が45℃を超えないように制御する。添加後、攪拌を1時間維持する。THFを真空下において除去し、1Lの水を加える。8〜9のpHに達するまで350gの炭酸ナトリウムを加え、それを5×600mLのジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥および濃縮させて248gの暗褐色固体物を得、これを1.4Lの1/1トルエン/シクロヘキサン混合液で再結晶化させて、167gの淡褐色固体物を得る(収率:46%)。
H‐NMR(DO,200MHz):7.80(s,1H,CHO)、3.93(q,2H,OCH)、2.50‐2.10(m,8H,ピペリジン)、1.93(s,3H,NCH)、0.95(t,3H,CH
13C‐NMR(DO,200MHz):165.81(C=O)、163.12(C=O)、146.88(C=C)、117.69(C=C)、61.94(OCH)、54.35および53.98(NCH)、43.53(NCH)、29.08および28.41(CH)、12.76(CH
【0092】
1b)(R,S)‐ホルミルアミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルの合成
【化16】

16.09gの鉱油中55%水素化ナトリウム(0.367モル)および300mLのトルエンを、コンデンサーおよび温度計を備えた三口の1Lフラスコへ加える。それを10℃において冷却し、200mLのトルエンに溶解された56.8mL(0.367モル)の4‐メトキシベンジルチオールを迅速に加え、それをこの温度において5分間攪拌する。(1a)で得られた生成物ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イリデン)酢酸エチル83.0g(0.367モル)を少しずつ加えながら、温度が35℃を超えないように防ぐ。添加後、それをRTで3時間維持する。370mLの2N塩酸を加え、各相を分ける。不純物を除去するために水相を2×300mLのトルエンで洗浄する。水相を2N NaOHでpH10〜11とし、それを4×300mLのジクロロメタンで抽出し、それを硫酸ナトリウムで乾燥させてから、濾過および濃縮する。125.7gの完全純粋琥珀色油状物をTLC(CHCl/EtOH/NHOH)およびNMRにより得る。収率:90%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.70(d,J=9.2Hz,1H,NH)、8.11(s,1H,CHO)、7.21(d,J=8.6Hz,2H)、6.86(d,J=8.6Hz,2H)、4.74(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.16(q,2H,OCH)、3.72(s,3H,OCH)、3.63(s,2H,SCH)、2.60‐2.20(m,4H,ピペリジン)、2.16(s,3H,NCH)、1.90‐1.50(m,4H,ピペリジン)、1.24(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.50(C=O)、161.23(C=O)、158.30(C‐O)、130.26(2C,CH)、128.67(1C,‐CH)、113.85(2C,CH)、60.81(O)、57.01(1C,CH)、55.04(1C,OCH)、50.30および50.08(3C,2NCHおよびC4ピペリジン)、45.74(NCH)、30.70および30.22(3C,2CHおよびS‐CH)、14.02(1C,CH
【0093】
1c)(R,S)‐アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルの合成
【化17】

125.7g(0.330モル)の(R,S)‐ホルミルアミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルおよび300mLの6M EtOH/HCl溶液を1Lフラスコへ加え、還流下において24時間加熱する。それを濃縮乾固させ、残渣を700mLの水に溶解し、2×200mLのAcOEtで洗浄する。水相を30%NHOHで塩基性化し、3×300mLのジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥、濾過、および濃縮し、109.3g(収率:94%)の完全純粋琥珀色油状物をTLC(CHCl/EtOH/NHOH)およびNMRにより得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.21(d,J=8.4Hz,2H)、6.86(d,J=8.4Hz,2H)、4.12(q,2H,OCH)、4.10‐3.90(m,1H,CH)、3.72(s,3H,OCH)、3.60(s,2H,SCH)、2.50(s.b.,2H,NH)、2.40‐2.20(m,2H,ピペリジン)、2.15(s,3H,NCH)、2.10‐1.50(m,6H,ピペリジン)、1.23(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):173.32(C=O)、158.15(C‐O)、130.11(2C,CH)、129.36(1C,‐CH)、113.76(2C,CH)、61.82(1C,CH)、59.91(O)、54.99(1C,OCH)、51.23および50.60(3C,2NCHおよびC4ピペリジン)、45.90(NCH)、30.35,30.21および30.11(3C,2CHおよびS‐CH)、14.09(1C,CH
【0094】
1d)(R,S)‐アセチルアミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルの合成
【化18】

1cで得られた生成物(R,S)‐アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチル18g(50mmol)および300mLの乾燥THFを1Lフラスコへ加える。それを0℃において冷却し、7.12mL(50mmol)のトリエチルアミンを加える。10mLの乾燥THF中、3.64mL(50mmol)の塩化アセチルを滴下する。それを0℃で2時間攪拌し、それを濃縮乾固させ、残渣を100mLのジクロロメタンに溶解し、2×50mLの5%重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を乾燥、濾過、および濃縮する。そのままにすることで結晶化した19.37g(収率:96%)の琥珀色油状物を得る。
H‐NMR(CDCl,200MHz):7.21(d,J=8.8Hz,2H)、6.82(d,J=8.8Hz,2H)、6.32(d,J=9Hz,NH)、4.78(d,J=9Hz,1H,CH)、4.21(q,2H,OCH)、3.77(s,3H,OCH)、3.61‐3.58(m,2H,SCH)、2.70‐2.40(m,4H,ピペリジン)、2.28(s,3H,NCH)、2.00(s,3H,COCH)、2.10‐1.60(m,4H,ピペリジン)、1.30(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):173.40(C=O)、170.05(C=O)、158.92(C‐O)、130.38(2C,CH)、128.78(1C,‐CH)、114.15(2C,CH)、61.64(O)、58.56(1C,CH)、55.38(1C,OCH)、50.91(3C,2NCHおよびC4ピペリジン)、46.15(NCH)、32.97,32.05および31.27(3C,2CHおよびS‐CH)、23.41(1C,CO‐)、14.27(1C,CH
【0095】
1e)(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウム(II)トリフルオロアセテートの合成
【化19】

1dで得られた生成物1.97g(5mmol)および5mLのトリフルオロ酢酸を50mLフラスコへ加え、還流下において20時間加熱する。それを冷却し、20mLの水を加える。それを3×50mLのAcOEtで洗浄する。水の残部をIPAと共沸蒸留することにより水相を濃縮乾固させる。残渣をEtOおよび攪拌で処理して白色固体物を得、それを濾過および乾燥させる。1.7gを得る(収率:88%)。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):10.60‐9.80(s.b.,1H,COH)、8.50‐8.10(s.b.,1H,NH)、4.52(s.b.,1H,CH)、4.10(q,2H,OCH)、3.50‐2.90(m,5H,4HピペリジンおよびSH)、2.77(s,3H,NCH)、2.10‐1.60(m,7H,COCHおよび4Hピペリジン)、1.85(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.92(C=O)、168.46(C=O)、159.14および158.51(COH)、120.00および114.07(CF)、61.42(1C,CH)、60.95(O)、49.46(2C,2NCH)、46.41(1C,C4ピペリジン)、42.40(NCH)、33.01および32.27(2C,2CH)、22.26(1C,COCH)、14.01(1C,CH
【0096】
1f)(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化20】

1.17g(3mmol)の(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテート(1e)を15mLの1N HClに溶解し、それを氷浴で外部から5分間冷却し、6mL(6mmol)の1M亜硝酸ナトリウム溶液を加える。それを0℃において5分間攪拌し、それを2N NaOHでpH11〜12とする。それを3×30mLのジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥、濾過し、真空下(186mm/Hg)16℃において濃縮する。650mgの赤色様‐緑色様固体泡状物を得る(収率:72%)。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.57(d,J=9Hz,NH)、5.35(d,J=9Hz,1H,CH)、4.03(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.17(s,3H,NCH)、1.88(s,3H,COCH)、1.11(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.87(C=O)、169.25(C=O)、61.16(1C,C4ピペリジン)、61.00(O)、59.31(1C,CH)、50.74および50.61(2C,2NCH)、45.61(NCH)、32.17および31.77(2C,2CH)、22.17(1C,COCH)、13.81(1C,CH
【0097】
1g)(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリドの合成
【化21】

1f)で得られた生成物650mg(2.14mmol)を50mLのEtOに溶解し、177μL(2.14mmol)の濃塩酸(12.076M)を加える。固体物および油状物の混合物が形成される。それが完全に溶解されるまで10mLのEtOHを加え、それを濃縮乾固しながら、温度を20℃以下に保つ。残渣を乾燥EtOおよび攪拌で処理し、赤色様‐緑色固体沈殿物を濾過および乾燥させる。こうして450mg(収率:62%)をHPLC純度96.5%で得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.20(s.b.,HCl)、8.68(d,J=9.6Hz,NH)、5.24(d,J=9.6Hz,1H,CH)、4.08(q,2H,OCH)、3.80‐3.20(m,4H,ピペリジン)、3.47(s,3H,NCH)、3.10‐2.60(m,4H,ピペリジン)、1.87(s,3H,COCH)、1.08(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.99(C=O)、168.59(C=O)、61.44(O)、59.75(1C,C4ピペリジン)、59.25(1C,CH)、49.16および49.00(2C,2NCH)、41.98(NCH)、29.41(2C,2CH)、22.20(1C,COCH)、13.84(1C,CH
【0098】
1cで得られた(R,S)‐アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルから出発し、1dで用いられた塩化アセチルを対応する酸クロリドまたはスルホニルクロリドへ代えて、実施例1d〜1fで記載されたものと類似した工程に従い、下記生成物を得る:
【0099】
実施例2.(R,S)‐ヘプタノイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化22】

収率最終工程:66%.HPLC純度98.8%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.54(d,J=9.6Hz,NH)、5.36(d,J=9.6Hz,1H,CH)、4.04(q,2H,OCH)、3.04(s.b.,2H,ピペリジン)、2.70‐2.30(m,6H,ピペリジン)、2.43(s,3H,NCH)、2.16(t,2H,COCH)、1.43(m,2H,CH)、1.30‐1.00(m,9H,3CH+OCH)、0.83(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):172.98(C=O)、169.05(C=O)、61.12(1C,C4ピペリジン)、60.25(O)、59.02(1C,CH)、50.14および50.01(2C,2NCH)、44.13(NCH)、34.70(1C,CO‐CH)、31.11および30.91(3C,2CHピペリジン+CH)、28.16(1C,CH)、25.14(1C,CH)、21.98(1C,CH)、13.87および13.80(2C,2CH
【0100】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(ヘプタノイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.20(s.b.,HCl)、8.62(d,NH)、5.24(d,1H,CH)、4.09(q,2H,OCH)、3.10‐2.60(m,8Hピペリジン+NCH)、2.14(t,2H,COCH)、1.60‐1.00(m,4CH+OCH)、0.83(s.b.,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):173.01(C=O)、168.66(C=O)、61.42(O)、59.63(1C,CH)、59.22(1C,C4ピペリジン)、49.19および49.03(2C,2NCH)、42.01(NCH)、34.74(1C,CO‐CH)、30.94(1C,CH)、29.52および29.33(2C,2CHピペリジン)、28.19(1C,CH)、25.09(1C,CH)、21.99(1C,CH)、13.91および13.85(2C,2CH
【0101】
実施例3.(R,S)‐ベンゾイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化23】

収率最終工程:5%.HPLC純度99.3%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.88(d,J=9Hz,NH)、7.80(d,2H)、7.55‐7.40(m,3H)、5.61(d,J=9Hz,1H,CH)、4.08(q,2H,OCH)、3.43(s.b.,2H,ピペリジン+DO)、2.86(s.b.,2H,ピペリジン)、2.61(s.b.,2H,ピペリジン)、2.27(s.b.,5H,2H,ピペリジン+NCH)、1.13(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.93(C=O)、167.40(C=O)、133.48(1C)、131.74(1C)、128.21(2C)、127.87(2C)、61.18(1C,C4ピペリジン)、61.07(O)、60.17(1C,CH)、50.63および50.45(2C,2NCH)、45.10(NCH)、31.96および31.56(2C,2CHピペリジン)、13.88(1C,CH
【0102】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(ベンゾイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.20(s.b.,HCl)、9.02(d,NH)、7.83(d,2H)、7.55‐7.40(m,3H)、5.53(d,J=9Hz,1H,CH)、4.11(q,2H,OCH)、3.50‐3.35(m,2H,ピペリジン+DO)、3.20‐2.80(m,6H,ピペリジン)、2.74(s.b.,NCH)、1.13(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.43(C=O)、167.51(C=O)、133.41(1C)、131.79(1C)、128.20(2C)、127.97(2C)、61.50(O)、60.29(1C,CH)、59.31(1C,C4ピペリジン)、49.27および49.07(2C,2NCH)、42.05(NCH)、29.57および29.27(2C,2CHピペリジン)、13.88(1C,CH
【0103】
実施例4.(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化24】

収率最終工程:77%.HPLC純度93.4%
H‐NMR(CDCl,200MHz):7.66(d,2H)、7.38(d,2H)、6.92(d,J=9Hz,NH)、5.60(d,J=9Hz,1H,CH)、4.12(q,2H,OCH)、2.90‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.32(s.b.,NCH)、1.20(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):169.40(C=O)、166.23(C=O)、138.26(1C)、131.75(1C)、128.85(2C)、128.49(2C)、62.02(O)、61.20(1C,C4ピペリジン)、60.38(1C,CH)、51.12および51.05(2C,2NCH)、45.83(NCH)、33.67(2C,2CHピペリジン)、13.88(1C,CH
【0104】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐〔(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(CDCl,200MHz):12.40(s.b.,HCl)、7.76(d,2H)、7.34(s.b.,2Hフェニル+NH)、5.60(d,1H,CH)、4.12(q,2H,OCH)、3.90‐2.60(m,8Hピペリジン+NCH)、1.20(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):168.70(C=O)、166.76(C=O)、138.21(1C)、131.41(1C)、128.94(2C)、128.68(2C)、62.40(O)、60.07(1C,CH)、58.73(1C,C4ピペリジン)、50.48および50.24(2C,2NCH)、43.33(NCH)、29.82(2C,2CHピペリジン)、13.80(1C,CH
【0105】
実施例5.(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化25】

収率最終工程:91%.HPLC純度91%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.32(d,J=8.8Hz,NH)、7.47‐7.31(m,4H)、5.56(d,J=8.8Hz,1H,CH)、4.10(q,2H,OCH)、3.20‐2.50(m,8H,ピペリジン)、2.49(s,NCH)、1.15(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.46(C=O)、166.98(C=O)、135.96(1C)、130.99(1C)、129.94(1C)、129.45(1C)、128.97(1C)、126.92(1C)、61.24(O)、60.21(1C,C4ピペリジン)、59.79(1C,CH)、50.21および50.06(2C,2NCH)、44.28(NCH)、31.31および31.02(2C,2CHピペリジン)、13.84(1C,CH
【0106】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐〔(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.60(s.b.,HCl)、9.38(d,J=8.8Hz,NH)、7.47‐7.35(m,4H)、5.45(d,J=8.8Hz,1H,CH)、4.12(q,2H,OCH)、3.60‐2.80(m,8H,ピペリジン)、2.72(s,NCH)、1.15(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.05(C=O)、167.03(C=O)、135.81(1C)、131.05(1C)、129.95(1C)、129.44(1C)、128.95(1C)、126.91(1C)、61.54(O)、60.29(1C,CH)、59.07(1C,C4ピペリジン)、49.15および48.98(2C,2NCH)、42.05(NCH)29.46(2C,2CHピペリジン)、13.86(1C,CH
【0107】
実施例6.(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル
【化26】

収率最終工程:76%.HPLC純度95.2%
H‐NMR(CDCl,200MHz):8.96(s.b.,1H)、8.74(s.b.,1H)、8.04(m,1H)、7.39(m,1H)、6.99(d,NH)、5.64(d,1H,CH)、4.14(q,2H,OCH)、3.00‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.32(s.b.,NCH)、1.24(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):169.28(C=O)、165.54(C=O)、152.77(1C)、148.17(1C)、134.97(1C)、129.19(1C)、123.45(1C)、62.16(O)、61.20(1C,C4ピペリジン)、60.51(1C,CH)、51.11(2C,2NCH)、45.94(NCH)、33.97および33.84(2C,2CHピペリジン)、13.92(1C,CH
【0108】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.60(s.b.,HCl)、9.54(d,NH)、9.11(s.b.,1H)、8.84(m,1H)、8.47(m,1H)、7.72(m,1H)、5.53(d,1H,CH)、4.11(q,2H,OCH)、3.43(s.b.,2Hピペリジン)、3.00(s.b.,6H,ピペリジン)、2.73(s.b.,NCH)、1.15(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.05(C=O)、165.26(C=O)、149.32(1C)、146.38(1C)、139.12(1C)、130.24(1C)、124.57(1C)、61.61(O)、60.35(1C,CH)、59.22(1C,C4ピペリジン)、49.15および48.99(2C,2NCH)、41.95(NCH)、29.46および29.00(2C,2CHピペリジン)、13.84(1C,CH
【0109】
実施例7.(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化27】

収率最終工程:99%.HPLC純度96%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.75(s.b.,NH)、7.76‐7.53(m,5H)、4.61(s.b.,1H,CH)、3.58(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.15(s,NCH)、0.83(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.12(C=O)、140.36(1C)、132.65(1C)、128.99(2C)、126.57(2C)、63.58(1C,CH)、60.86(O+C4ピペリジン)、50.63および50.56(2C,2NCH)、45.61(NCH)、31.61(2C,2CHピペリジン)、13.39(1C,CH
【0110】
本発明で用いうる様々な塩の例として、化合物7の幾つかの塩を製造した(実施例7a〜7m)。以下の方法は実施例1gの場合と類似している。
【0111】
実施例7a.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
1.66g(4.13mmol)の生成物(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルを50mLのEtOおよび5mLのEtOHに溶解し、5.9mLのエタノール中0.7M塩酸溶液(4.13mmol)を加えたところ、赤色様‐緑色固体物が沈殿し、それを濾過および乾燥させた。こうして1.63g(収率:91%)をHPLC純度100%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.40(s.b.,HCl)、8.85(d,NH)、7.76‐7.53(m,5H)、4.47(d,1H,CH)、3.67(q,2H,OCH)、3.50‐2.60(m,8H,ピペリジン)、2.70(s,NCH)、0.86(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.47(C=O)、140.17(1C)、132.78(1C)、129.05(2C)、126.63(2C)、64.21(1C,CH)、61.35(O)、58.92(1C,C4ピペリジン)、49.08および48.86(2C,2NCH)、42.03(NCH)、29.67および28.81(2C,2CHピペリジン)、13.43(1C,CH
【0112】
実施例7b.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
2g(5mmol)の生成物(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルを10mLのEtOHに溶解し、7.4mLのエタノール中0.81M塩酸溶液(6mmol)を加えたところ、赤色様‐緑色固体物が沈殿した。それを5℃において5分間冷却し、それを濾過および乾燥させた。実施例7bにおいて得られたものと同一でHPLC純度95.5%の生成物1.63g(収率:74.4%)をこうして得た。
【0113】
実施例7c.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
2g(5mmol)の生成物(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルを20mLのEtOHに溶解し、455μLの濃塩酸(36%)を加えた。それを氷浴で外部から冷却したところ、赤色様‐緑色固体物が沈殿し、それを5℃で10分間攪拌し続け、次いで濾過および乾燥させた。実施例7bで得られたものと同一でHPLC純度97.3%の生成物1.33g(収率:60.7%)をこうして得た。
【0114】
実施例7bで記載されたものと類似した工程に従い、但し塩酸を対応有機または無機酸へ代えることにより、実施例7aの生成物の下記塩を得た:
【0115】
実施例7d.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムアセテート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび285μLの氷酢酸から出発して、本実施例の生成物0.84gをHPLC純度92.2%で得た。
濾液を濃縮することにより、HPLC純度73.7%で1.35gの第二フラクションを得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.85(s.b.,NH)、7.76‐7.53(m,5H)、4.61(d,1H,CH)、3.58(q,2H,OCH)、2.80‐2.10(m,8H,ピペリジン)、2.16(s,NCH)、1.88(s,CH,酢酸)、0.83(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):172.05(C=O)、168.13(C=O)、140.39(1C)、132.66(1C)、129.01(2C)、126.59(2C)、63.61(1C,CH)、60.91および60.86(2C,OおよびC4ピペリジン)、50.60および50.53(2C,2NCH)、45.54(NCH)、31.59(2C,2CHピペリジン)、21.09(1C,CH)、13.41(1C,CH
【0116】
実施例7e.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムメシレート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび324μLのメタンスルホン酸から出発して、本実施例の生成物2.2g(収率:88.4%)をHPLC純度88.6%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.90‐9.60(s.b.,SOH)、8.90(d,NH)、7.76‐7.53(m,5H)、4.55(d,1H,CH)、3.56(q,2H,OCH)、3.10‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.79(s,NCH)、2.37(s,3H,CHSOH)、0.83(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.66(C=O)、140.22(1C)、132.87(1C)、129.13(2C)、126.65(2C)、63.93(1C,CH)、61.32(O)、58.59(1C,C4ピペリジン)、49.44および49.26(2C,2NCH)、42.44(NCH)、39.77(1C,CHSOH)、29.36および29.16(2C,2CHピペリジン)、13.43(1C,CH
【0117】
実施例7f.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムニトレート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび380μLの60%硝酸から出発して、本実施例の生成物1.6gをHPLC純度91.5%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.80‐9.50(s.b.,NOH)、8.90(d,NH)、7.76‐7.53(m,5H)、4.55(d,1H,CH)、3.56(q,2H,OCH)、3.10‐2.40(m,8H,ピペリジン)、2.79(s,NCH)、0.81(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.65(C=O)、140.22(1C)、132.86(1C)、129.11(2C)、126.65(2C)、63.84(1C,CH)、61.29(O)、58.51(1C,C4ピペリジン)、49.45および49.30(2C,2NCH)、42.41(NCH)、29.22(2C,2CHピペリジン)、13.39(1C,CH
【0118】
実施例7g.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサルフェート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび140μLの95%硫酸から出発して、本実施例の生成物2.2gをHPLC純度84.7%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90‐8.70(s.b.,NH)、7.80‐7.50(m,5H)、4.59(s.b.,1H,CH)、3.56(q,2H,OCH)、3.30‐2.40(m,8H,ピペリジン)、2.53(s,NCH)、0.82(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.88(C=O)、140.30(1C)、132.78(1C)、129.07(2C)、126.64(2C)、63.54(1C,CH)、61.14(O)、59.59(1C,C4ピペリジン)、49.86および49.73(2C,2NCH)、43.68(NCH)、30.28(2C,2CHピペリジン)、13.42(1C,CH
【0119】
実施例7h.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムビサルフェート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび280μLの95%硫酸から出発して、本実施例の生成物2.3gをHPLC純度89.7%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.80‐9.20(s.b.,HSO)、8.85(d,NH)、7.80‐7.50(m,5H)、4.56(d,1H,CH)、3.56(q,2H,OCH)、3.60‐2.40(m,8H,ピペリジン)、2.80(s,NCH)、0.82(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.65(C=O)、140.23(1C)、132.86(1C)、129.12(2C)、126.65(2C)、63.54(1C,CH)、61.29(O)、58.57(1C,C4ピペリジン)、49.21(2C,2NCH)、43.32(NCH)、29.24(2C,2CHピペリジン)、13.41(1C,CH
【0120】
実施例7i.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムホスフェート二酸
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび340μLの85%オルトリン酸から出発して、本実施例の生成物2.3gをHPLC純度89.8%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.60‐8.80(s.b.,4H,HPOの3HおよびNHの1H)、7.80‐7.50(m,5H)、4.57(d,1H,CH)、3.60(q,2H,OCH)、3.20‐2.40(m,8H,ピペリジン)、2.44(s,NCH)、0.82(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.93(C=O)、140.34(1C)、132.75(1C)、129.07(2C)、126.65(2C)、63.57(1C,CH)、61.14(O)、59.91(1C,C4ピペリジン)、49.75および49.64(2C,2NCH)、43.86(NCH)、30.59および30.38(2C,2CHピペリジン)、13.45(1C,CH
【0121】
実施例7j.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムラクテート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび406μLの(±)乳酸から出発して、本実施例の生成物1.13gをHPLC純度80.5%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90‐8.20(s.b.,NH)、7.80‐7.50(m,5H)、4.60(s.b.,1H,CH)、3.95(m,1H,CH)、3.60(q,2H,OCH)、3.00‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.29(s,NCH)、1.30‐1.00(m,3H,CH)、0.82(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):176.47(C=O)、168.01(C=O)、140.35(1C)、132.69(1C)、129.02(2C)、126.59(2C)、65.83(1C,CH)、63.57(1C,CH)、60.98(O)、60.39(1C,C4ピペリジン)、50.16(2C,2NCH)、44.77(NCH)、31.04(2C,2CHピペリジン)、20.50(1C,CH)、13.45(1C,CH
【0122】
実施例7k.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムシトレート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび0.96gのクエン酸から出発して、本実施例の生成物1.69gをHPLC純度96.0%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):10.40‐9.20(s.b.,3H,COH)、8.90‐8.60(s.b.,NH)、7.80‐7.50(m,5H)、4.61(s.b.,1H,CH)、3.59(m,2H,OCH)、3.30‐2.20(m,15H,8H,ピペリジン,NCHの3Hおよびクエン酸の4H CH)、0.81(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):176.06(C=O)、171.37(2C=O)、167.86(C=O)、140.30(1C)、132.78(1C)、129.08(2C)、126.62(2C)、71.763(1C,C‐OH)、63.47(1C,CH)、61.12(O)、59.51(1C,C4ピペリジン)、49.81および49.70(2C,2NCH)、43.68および43.57(2C,2CH)、40.76(NCH)、30.17(2C,2CHピペリジン)、13.41(1C,CH
【0123】
実施例7l.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサリチレート
2g(5mmol)の(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび0.69gのサリチル酸から出発して、本実施例の生成物1.32gをHPLC純度90.4%で得た。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90‐8.70(s.b.,NH)、7.80‐7.50(m,6H)、7.30‐7.20(m,1H)、6.80‐6.60(m,2H)、4.61(s.b.,1H,CH)、3.59(m,2H,OCH)、3.60‐2.50(m,8H,ピペリジン)、2.70(s,3H,NCH)、0.82(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):172.89(C=O)、167.72(C=O)、161.95(1C,C‐OH,サリチル酸)、140.22(1C)、132.78(1C)、132.70(1C,サリチル酸)、130.26(1C,サリチル酸)、129.06(2C)、126.64(2C)、118.26(1C,サリチル酸)、117.18(1C,サリチル酸)、116.13(1C,サリチル酸)、63.56(1C,CH)、61.22(O)、59.23(1C,C4ピペリジン)、49.24および49.10(2C,2NCH)、42.57(NCH)、29.84および29.10(2C,2CHピペリジン)、13.40(1C,CH
【0124】
実施例8.(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(4‐ニトロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)酢酸エチル
【化28】

収率最終工程:46%.HPLC純度96.2%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.39(d,J=8.8Hz,2H)、8.01(d,J=8.8Hz,2H)、4.68(s,1H,CH)、3.66(q,2H,OCH)、3.00‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.32(s,NCH)、0.83(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.79(C=O)、149.68(1C)、145.89(1C)、128.29(2C)、124.38(2C)、63.75(1C,CH)、61.26(O)、60.27(1C,C4ピペリジン)、50.12および50.01(2C,2NCH)、44.46(NCH)、31.14および30.96(2C,2CHピペリジン)、13.40(1C,CH
【0125】
実施例9.(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(4‐メトキシ‐ベンゼンスルホニルアミノ)酢酸エチル
【化29】

収率最終工程:92%.HPLC純度97.7%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.55(s.b.,1H,NH)、7.67(d,J=7.8Hz,2H)、7.05(d,J=7.8Hz,2H)、4.57(s,1H,CH)、3.80(s,3H,OCH)、3.62(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.14(s,NCH)、0.86(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.37(C=O)、162.42(1C,C‐O)、132.04(1C,C‐SO)、128.89(2C)、114.09(2C)、63.58(1C,CH)、60.95および60.87(O+C4ピペリジン)、55.67(1C,OCH)、50.70および50.64(2C,2NCH)、45.64(NCH)、31.69(2C,2CHピペリジン)、13.41(1C,CH
【0126】
実施例10.(R,S)‐(4‐メチル‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化30】

収率最終工程:93%.HPLC純度94.8%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.65(s.b.,1H,NH)、7.63(d,J=8Hz,2H)、7.34(d,J=8Hz,2H)、4.59(s,1H,CH)、3.62(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.35(s,3H,CH)、2.14(s,NCH)、0.84(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.20(C=O)、142.99(1C,C‐C)、137.50(1C,C‐SO)、129.36(2C)、126.65(2C)、63.53(1C,CH)、60.88および60.86(O+C4ピペリジン)、50.63および50.56(2C,2NCH)、45.58(NCH)、31.58(2C,2CHピペリジン)、20.91(1C,CH)、13.33(1C,CH
【0127】
実施例11.(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化31】

収率最終工程:80%.HPLC純度89.3%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90(s.b.,NH)、7.92(d,1H)、7.64‐7.42(m,3H)、4.69(s,1H,CH)、3.80(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.17(s,NCH)、0.94(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.23(C=O)、137.37(1C,C‐Cl)、134.38(1C,C‐SO)、131.68(1C)、130.90(1C)、130.80(1C)、127.58(1C)、63.78(1C,CH)、61.14(O)、60.94(1H,C4ピペリジン)、50.62および50.52(2C,2NCH)、45.52(NCH)、31.56(2C,2CHピペリジン)、13.52(1C,CH
【0128】
実施例12.(R,S)‐(3‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化32】

収率最終工程:76%.HPLC純度99.9%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.76‐7.53(m,4H)、4.63(s.b.,1H,CH)、3.63(q,2H,OCH)、2.80‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.25(s,NCH)、0.86(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.93(C=O)、142.25(1C)、133.69(1C)、132.65(1C)、131.15(1C)、126.26(1C)、125.27(1C)、63.71(1C,CH)、61.14(O)、60.57(C4ピペリジン)、50.34および50.25(2C,2NCH)、45.98(NCH)、31.44および31.21(2C,2CHピペリジン)、13.40(1C,CH
【0129】
実施例13.(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化33】

収率最終工程:88%.HPLC純度95.8%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.76(d,J=9Hz,2H)、7.62(d,J=9Hz,2H)、4.63(s,1H,CH)、3.66(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.16(s,NCH)、0.86(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.09(C=O)、139.28(1C,C‐Cl)、137.65(1C,C‐SO)、129.11(2C)、128.60(2C)、63.67(1C,CH)、61.00(O)、60.79(1C,C4ピペリジン)、50.62および50.55(2C,2NCH)、45.53(NCH)、31.72(2C,2CHピペリジン)、13.36(1C,CH
【0130】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90(s.b.,1H,NH)、7.76(d,J=8Hz,2H)、7.65(d,J=8Hz,2H)、4.58(s.b.,1H,CH)、3.70(q,2H,OCH)、3.40‐2.60(m,8H,ピペリジン)、2.70(s,NCH)、0.88(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.51(C=O)、139.08(1C,C‐Cl)、137.71(1C,C‐SO)、129.19(2C)、128.63(2C)、63.00(1C,CH)、61.42(O)、58.92(1C,C4ピペリジン)、49.04および48.88(2C,2NCH)、42.05(NCH)、29.61および29.11(2C,2CHピペリジン)、13.36(1C,CH
【0131】
実施例14.(R,S)‐4‐(2‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)アセテート
【化34】

1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(2‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
収率最終工程:89%.HPLC純度95.4%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.10(s.b.,NH)、7.80‐7.65(m,2H)、7.44‐7.30(m,2H)、4.68(s,1H,CH)、3.80(q,2H,OCH)、3.10(s.b.,2H,ピペリジン)、2.75‐2.40(m,6H,ピペリジン)、2.48(s,NCH)、0.94(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.88(C=O)、160.60および155.54(1C,C‐F)、135.81および135.64(1C,C‐SO)、129.90(1C)、128.11および127.83(1C)、124.86および124.78(1C)、117.29および116.87(1C)、63.86(1C,CH)、61.38(O)、59.85(1C,C4ピペリジン)、49.63(2C,2NCH)、43.47(NCH)、30.48および30.21(2C,2CHピペリジン)、13.50(1C,CH
【0132】
実施例15.(R,S)‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化35】

収率最終工程:95%.HPLC純度99.4%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.80(s.b.,NH)、7.84‐7.77(m,2H)、7.44‐7.36(m,2H)、4.61(s,1H,CH)、3.66(q,2H,OCH)、2.75‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.15(s,NCH)、0.86(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.15(C=O)、166.76および161.77(1C,C‐F)、136.83および136.76(1C,C‐SO)、129.80および129.61(2C)、116.37および115.92(2C)、63.62(1C,CH)、60.99(O)、60.88(1C,C4ピペリジン)、50.64および50.56(2C,2NCH)、45.61(NCH)、31.73および31.65(2C,2CHピペリジン)、13.42(1C,CH
【0133】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.80(s.b.,NH)、7.81(s.b.,2H)、7.40(s.b.,2H)、4.56(s.b.,1H,CH)、3.69(q,2H,OCH)、3.60‐2.60(m,8H,ピペリジン)、2.68(s,NCH)、0.88(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.01(C=O)、166.85および161.86(1C,C‐F)、136.70および136.64(1C,C‐SO)、129.91および129.72(2C)、116.46および116.01(2C)、63.66(1C,CH)、61.44(O)、59.02(1C,C4ピペリジン)、49.10および48.92(2C,2NCH)、42.12(NCH)、29.71および29.16(2C,2CHピペリジン)、13.46(1C,CH
【0134】
実施例16.(R,S)‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル
【化36】

収率最終工程:52%.HPLC純度98.4%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.78(m,1H)、7.42(m,1H)、7.18(m,1H)、4.64(s,1H,CH)、3.76(q,2H,OCH)、2.75‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.15(s,NCH)、0.95(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.97(C=O)、168.76および161.56(1C,C‐F)、161.30および156.45(1C,C‐F)、131.96および131.74(1C,CH)、126.33および126.26(1C,C‐SO)、111.97および111.54(1C,CH)、106.04,105.51および104.99(1C,C‐H)、64.28(1C,CH)、61.47(O)、60.86(1C,C4ピペリジン)、50.84および50.76(2C,2NCH)、45.71(NCH)、31.87および31.81(2C,2CHピペリジン)、13.57(1C,CH
【0135】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.50(s.b.,1H,HCl)、9.20(s.b.,NH)、7.82(m,1H)、7.52(m,1H)、7.24(m,1H)、4.60(s,1H,CH)、3.90(q,2H,OCH)、3.50‐2.60(m,8H,ピペリジン)、2.71(s,NCH)、0.99(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.62(C=O)、167.84、167.62、162.79および162.55(1C,C‐F)、161.60、161.34、156.49および156.23(1C,C‐F)、132.17および131.96(1C,CH)、124.92および124.57(1C,C‐SO)、112.38および112.00(1C,CH)、106.34、105.83および105.31(1C,C‐H)、64.37(1C,CH)、61.76(O)59.07(1C,C4ピペリジン)、49.15および48.91(2C,2NCH)、42.01(NCH)、29.87および28.94(2C,2CHピペリジン)、13.57(1C,CH
【0136】
実施例17
a)(R,S)‐4‐(エトキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテートの合成
【化37】

実施例1bで得られた生成物から出発し、実施例1eで記載されているように進めて、標題の生成物を得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):10.20‐9.80(s.b.,1H,COH)、8.80‐8.40(s.b.,1H,NH)、8.13(s,1H,CHO)、4.60(d,1H,CH)、4.14(q,2H,OCH)、3.50‐3.10(m,5H,4HピペリジンおよびSH)、2.79(s,3H,NCH)、2.10‐1.70(m,4Hピペリジン)、1.21(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.46(C=O)、161.44(C=O)、158.99および158.27(COH)、118.84および113.03(CF)、62.07(1C,CH)、61.19(O)、49.53および49.38(2C,2NCH)、46.46(1C,C4ピペリジン)、42.44(NCH)、33.12および32.50(2C,2CH)、13.98(1C,CH
【0137】
b)(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化38】

(R,S)‐4‐(エトキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテートから出発し、実施例1fで記載されているように進めて、標題の生成物を得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.90(d,NH)、8.09(s,1H,CHO)、5.35(d,J=9.6Hz,1H,CH)、4.05(q,2H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.17(s,3H,NCH)、1.15(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.77(C=O)、161.38(C=O)、61.22(1C,C4ピペリジン)、60.98(O)、57.94(1C,CH)、50.72および50.62(2C,2NCH)、45.64(NCH)、32.31および32.14(2C,2CH)、13.80(1C,CH
【0138】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(エトキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.16(C=O)、161.53(C=O)、61.67(O)、59.11(1C,CH)、58.48(1C,C4ピペリジン)、48.94(2C,2NCH)、41.97(NCH)、29.73および29.37(2C,2CH)、13.81(1C,CH
【0139】
実施例18
a)(R,S)‐4‐〔エトキシカルボニル‐(2,2,2‐トリフルオロ‐アセチルアミノ)‐メチル〕‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテートの合成
【化39】

実施例1cで得られた生成物から出発し、実施例1eで記載されているように進めて、標題の生成物を得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.84(d,1H,NH)、4.72(d,1H,CH)、4.17(q,2H,OCH)、3.70‐3.10(m,5H,4HピペリジンおよびSH)、2.76(s,3H,NCH)、2.20‐1.80(m,4Hピペリジン)、1.21(t,3H,CH
【0140】
b)(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(2,2,2‐トリフルオロ‐アセチルアミノ)酢酸エチルの合成
【化40】

(R,S)‐4‐〔エトキシカルボニル‐(2,2,2‐トリフルオロ‐アセチルアミノ)‐メチル〕‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテートから出発し、実施例1fで記載されているように進めて、標題の生成物を得る。
収率:84%.HPLC純度95%
H‐NMR(CDCl,200MHz):7.10(d,NH)、5.37(d,1H,CH)、4.15(q,2H,OCH)、2.90‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.33(s,3H,NCH)、1.24(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):167.89(C=O)、159.00(C=O)、118.42および112.69(CF)、62.61(O)、60.83(1C,C4ピペリジン)、60.54(1C,CH)、50.99(2C,2NCH)、45.91(NCH)、33.85および33.75(2C,2CH)、13.87(1C,CH
【0141】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:
H‐NMR(CDCl,200MHz):12.20(HCl)、7.94(d,NH)、5.50(d,1H,CH)、4.22(q,2H,OCH)、3.90‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.86(s,3H,NCH)、1.24(t,3H,CH
【0142】
実施例19
a)アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸ベンジルの合成
【化41】

実施例1cで得られた生成物から出発し、100℃においてベンジルアルコールとの処理により、標題の生成物を得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.41‐7.33(m,5H)、7.10(d,J=8.8Hz,2H)、6.79(d,J=8.8Hz,2H)、5.14(s,2H,OCHPh)、3.70(s,3H,OCH)、3.60‐3.40(m,CH+SCH)、2.50(s.b.,2H,NH)、2.40‐2.20(m,2H,ピペリジン)、2.15(s,3H,NCH)、2.10‐1.50(m,6H,ピペリジン)
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):173.34(C=O)、158.13(C‐O)、135.90(1C,C‐CHO)、130.15(2C)、129.28(1C,C‐CHS)、128.41‐128.07(5C)、113.73(2C,CH)、65.67(O)、61.93(1C,CH)、54.99(1C,OCH)、51.20および50.58(3C,2NCHおよびC4ピペリジン)、45.86(NCH)、30.29および30.15(3C,2CHおよびS‐CH
【0143】
b)(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸ベンジルの合成
【化42】

19aで得られた生成物から出発し、1d〜1fで記載された工程に従い、標題の生成物を得る。
H‐NMR(CDCl,200MHz):7.34‐7.21(m,5H)、6.64(d,NH)、5.50(d,1H,CH)、5.02(s,2H,OCH)、2.90‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.36(s,NCH)、2.08(s,3H,COCH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):170.23(CO)、169.41(C=O)、134.46(1C)、128.49(5C)、67.49(O)、60.43(C4ピペリジン)、59.78(1C,CH)、51.02および50.87(2C,2NCH)、45.49(NCH)、33.07および32.59(2C,2CHピペリジン)、23.03(1C,CH
【0144】
実施例20
a)アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルの合成
【化43】

実施例1cで得られた生成物10g(28.37mmol)から出発して、エタノール中アセトアルデヒド(1.4g,31.2mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.8g,30mmol)で還元的アミノ化し、粗反応生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーに付してジクロロメタンで溶出させることにより、濃縮乾固後に標題の生成物5.4gを得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.20(d,J=8.4Hz,2H)、6.85(d,J=8.8Hz,2H)、4.15(q,2H,OCH)、3.72(s,3H,OCH)、3.62(d,2H,SCH)、3.36‐3.20(m,2H,NH+CH)、2.60‐2.20(m,6H,4Hピペリジン+NCH)、2.14(s,3H,NCH)、2.10‐1.50(m,4H,ピペリジン)、1.23(t,3H,CH)、1.00(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):173.21(C=O)、158.17(C‐O)、130.09(2C,CH)、129.31(1C,‐CH)、113.77(2C,CH)、68.72(1C,CH)、59.91(O)、55.00(1C,OCH)、50.54および50.20(3C,2NCHおよびC4ピペリジン)、45.92(NCH)、42.48(HN‐CH)、30.77、30.43および30.28(3C,2CHおよびS‐CH)、15.21(1C,CH)、14.20(1C,CH
【0145】
b)(アセチル‐エチル‐アミノ)‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルの合成
【化44】

a)で得られた生成物3.8g(10mmol)を50mLの無水酢酸中で16時間の還流に付す。それを濃縮乾固させ、残渣を50mLの水に溶解し、2N NaOHで塩基性化する。それを3×100mLのジクロロメタンで抽出する。抽出液を乾燥および濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーに付す。90/10/1%CHCl/EtOH/NHOHで溶出させることにより標題の生成物1.7gを得る。
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.20(d,J=8.4Hz,2H)、6.86(d,J=8.8Hz,2H)、5.02(s.b.,1H,CH)、4.10(m,2H,OCH+NH)、3.72(s,3H,OCH)、3.62(s.b.,2H,SCH)、3.44(q,2H,NCH)、2.60‐2.20(m,4H,4Hピペリジン)、2.14(s,3H,NCH)、2.10(s,3H,COCH)、2.00‐1.50(m,4H,ピペリジン)、1.20(t,3H,CH)、1.05(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):171.29(C=O)、168.54(C=O)、158.25(C‐O)、130.18(2C,CH)、128.96(1C,‐CH)、113.85(2C,CH)、60.62(1C,CH)、60.27(O)、55.02(1C,OCH)、52.26(1C,C4ピペリジン)、50.54および50.39(2C,2NCH)、45.76(NCH)、42.57(HN‐CH)、30.73および30.57(3C,2CHおよびS‐CH)、21.39(1H,COCH)、14.65(1C,CH)、13.88(1C,CH
【0146】
c)(R,S)‐(アセチル‐エチル‐アミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化45】

b)で得られた生成物から出発し、1eおよび1fにおいて記載された工程に従い、標題の生成物を得る。
H‐NMR(CDCl,200MHz):5.28(s.b.,1H,CH)、4.10(q,2H,OCH)、3.80‐3.20(m,2H,NCH)、3.10‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.39(s,3H,NCH)、2.17(s,3H,COCH)、1.28‐1.14(m,6H,2CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):172.14(C=O)、168.12(C=O)、64.97(1C,CH)、62.29(1C,C4ピペリジン)、61.13(O)、51.35および50.92(2C,2NCH)、50.25(1C,NCH)、45.33(NCH)、32.97および31.23(2C,2CH)、21.57(1C,COCH)、14.33(1C,CH)、13.89(1C,CH
【0147】
実施例1で記載されたものと類似した工程に従い、但し工程a)で1‐メチル‐4‐ピペリドンを1‐エチル‐4‐ピペリドンまたは1‐ベンジル‐4‐ピペリドンへ代えることにより、下記生成物を得る:
【0148】
実施例21.(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化46】

収率最終工程:51%.HPLC純度89.3%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.59(d,J=9.2Hz,NH)、5.36(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.05(q,2H,OCH)、3.00‐2.10(m,10H,8H,ピペリジン+NCH)、1.88(s,3H,COCH)、1.14‐0.98(m,6H,2CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.68(C=O)、169.18(C=O)、61.45(1C,C4ピペリジン)、61.02(O)、59.23(1C,CH)、51.36(1C,NCH)、48.22および48.07(2C,2NCH)、31.93および31.42(2C,2CH)、22.18(1C,COCH)、13.79(1C,CH)、11.53(1C,CH
【0149】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.30(HCl)、8.66(d,NH)、5.22(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.05(q,2H,OCH)、3.60‐2.60(m,10H,8H,ピペリジン+NCH)、1.86(s,3H,COCH)、1.14‐0.98(m,6H,2CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.97(C=O)、168.60(C=O)、61.43(1C)、59.74(2C,O+CH)、50.57(1C,NCH)、47.09および46.84(2C,2NCH)、29.28および29.22(2C,2CH)、22.20(1C,COCH)、13.83(1C,CH)、8.85(1C,CH
【0150】
実施例22.(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチルの合成
【化47】

収率最終工程:76%.HPLC純度91.3%
【0151】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐1‐エチル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.30(s.b.,HCl)、9.39(d,J=9Hz,NH)、8.98(s,1H,H2ピリジン)、8.73(d,J=6Hz,1H,H6ピリジン)、8.24(d,J=7.2Hz,1H,H4ピリジン)、7.53(dd,J=6Hz,J=7.2Hz,1H,H5ピリジン)、5.52(d,J=9Hz,1H,CH)、4.11(q,2H,OCH)、3.80‐2.60(m,10H,8Hピペリジン+NCH)、1.27‐1.02(m,6H,2CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.17(C=O)、166.02(C=O)、151.61(1C)、148.35(1C)、136.54(1C)、129.42(1C)、123.58(1C)、61.56(O)、60.31(1C,CH)、59.78(1C,C4ピペリジン)、50.58(1C,NCH)、47.13および46.84(2C,2NCH)、29.37および28.98(2C,2CHピペリジン)、13.84(1C,CH)、8.87(1C,CH
【0152】
実施例23.(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化48】

収率最終工程:86%.HPLC純度99.4%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.55(d,J=9.2Hz,NH)、7.30‐7.23(m,5H,フェニル)、5.36(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.01(q,2H,OCH)、3.35(s,2H,CH)、2.80‐2.10(m,8H,8Hピペリジン)、1.88(s,3H,COCH)、1.08(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.93(C=O)、169.28(C=O)、138.05(1C)、128.84(2C)、128.21(2C)、126.94(1C)、61.88(1C,C4ピペリジン)、61.72(O)、61.00(1C,NCHPh)、59.30(1C,CH)、48.68および48.55(2C,2NCH)、32.43および31.90(2C,2CH)、22.22(1C,COCH)、13.80(1C,CH
【0153】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.60(s.b.,HCl)、8.66(d,J=9.2Hz,NH)、7.63‐7.37(m,5H,フェニル)、5.22(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.29(d,J=4.6Hz,2H,CHPh)、4.05(q,2H,OCH)、3.40‐2.60(m,8H,8Hピペリジン)、1.85(s,3H,COCH)、1.08(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.95(C=O)、168.58(C=O)、131.44(2C)、129.70(1C)、129.38(1C)、128.68(2C)、61.39(O)、59.82(1C,CH)、59.72(1C,C4ピペリジン)、58.55(1C,NCHPh)、47.37および47.13(2C,2NCH)、29.05(2C,2CH)、22.20(1C,COCH)、13.78(1C,CH
【0154】
実施例24.(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチルの合成
【化49】

【0155】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.60(s.b.,HCl)、9.37(d,J=9Hz,NH)、8.97(s,1H,H2ピリジン)、8.72(d,J=4.4Hz,1H,H6ピリジン)、8.24(d,J=7.8Hz,1H,H4ピリジン)、7.60‐7.42(m,6H,H5ピリジン+5HPh)、5.52(d,J=9Hz,1H,CH)、4.31(s.b.,2H,CHPh)、4.09(q,2H,OCH)、3.80‐2.80(m,8H,8Hピペリジン)、1.07(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.16(C=O)、166.01(C=O)、151.54(1C)、148.33(1C)、136.61(1C)、131.46(2C)、129.71(1C)、129.44(2C)、128.71(2C)、123.59(1C)、61.55(O)、60.28(1C,CH)、59.80(1C,C4ピペリジン)、58.61(1C,NCH)、47.36および47.20(2C,2NCH)、29.27および28.81(2C,2CHピペリジン)、13.82(1C,CH
【0156】
実施例17で記載されたものと類似した工程により、但し対応するN‐エチルまたはN‐ベンジルピペリジン化合物から出発して、下記生成物を得る:
【0157】
実施例25.(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチルの合成
【化50】

収率最終工程:82%.HPLC純度96.2%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.89(d,J=9.4Hz,NH)、8.08(s,1H,CHO)、5.36(d,J=9.4Hz,1H,CH)、4.03(q,2H,OCH)、2.90‐2.00(m,10H,8H,ピペリジン+NCH)、1.06(t,3H,CH)、0.97(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.76(C=O)、161.38(C=O)、61.52(1C,C4ピペリジン)、61.20(O)、57.81(1C,CH)、51.43(1C,NCH)、48.33および48.21(2C,2NCH)、32.34および32.07(2C,2CH)、13.78(1C,CH)、11.91(1C,CH
【0158】
実施例26.(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチルの合成
【化51】

【0159】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐(エチルオキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.60(s.b.,HCl)、8.98(d,J=9.2Hz,NH)、8.06(s,1H,CHO)、7.60‐7.39(m,5H,フェニル)、5.22(d,J=9.2Hz,1H,CH)、4.29(d,J=4.4Hz,2H,CHPh)、4.07(q,2H,OCH)、3.40‐2.60(m,8H,8Hピペリジン)、1.09(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.95(C=O)、168.58(C=O)、131.44(2C)、129.70(1C)、129.38(1C)、128.68(2C)、61.39(O)、59.82(1C,CH)、59.72(1C,C4ピペリジン)、58.55(1C,NCHPh)、47.37および47.13(2C,2NCH)、29.05(2C,2CH)、22.20(1C,COCH)、13.78(1C,CH
【0160】
実施例1で記載されたものと類似した工程に従い、但し工程a)でイソシアノ酢酸エチルをイソシアノ酢酸メチルへ代えることにより、下記生成物を得る:
【0161】
実施例27.(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチルの合成
【化52】

収率最終工程:50%.HPLC純度90.2%
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.59(d,J=9.2Hz,NH)、5.37(d,J=9.2Hz,1H,CH)、3.57(s,3H,OCH)、2.80‐2.00(m,8H,ピペリジン)、2.17(s,3H,NCH)、1.88(s,3H,COCH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.80(2C,2C=O)、61.14(1C,C4ピペリジン)、59.33(1C,CH)、52.02(O)、50.74および50.61(2C,2NCH)、45.62(NCH)、32.13および31.84(2C,2CH)、22.14(1C,COCH
【0162】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐メチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.48(s.b.,HCl)、8.71(d,J=9.2Hz,NH)、5.25(d,J=9.2Hz,1H,CH)、3.62(s,3H,OCH)、3.60‐2.70(m,11H,8Hピペリジン+NCH)、1.86(s,3H,COCH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):169.96(1C,C=O)、169.08(1C,C=O)、59.76(1C,CH)、59.20(1C,C4ピペリジン)、52.42(O)、49.15および48.99(2C,2NCH)、41.95(NCH)、29.42および29.22(2C,2CH)、22.18(1C,COCH
【0163】
実施例28.(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸メチルの合成
【化53】

H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):9.20(d,J=9Hz,NH)、8.91(s,1H,H2ピリジン)、8.71(d,J=6.2Hz,1H,H6ピリジン)、8.13(m,1H,H4ピリジン)、7.48(m,1H,H5ピリジン)、5.64(d,J=9Hz,1H,CH)、3.63(s,3H,OCH)、2.80‐2.10(m,8H,8Hピペリジン)、2.17(s,3H,NCH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.29(C=O)、164.04(C=O)、152.21(1C)、148.82(1C)、135.62(1C)、128.16(1C)、123.27(1C)、61.38(1C,C4ピペリジン)、60.24(1C,CH)、52.29(O)、50.80および50.63(2C,2NCH)、45.63(1C,NCH)、32.22および32.04(2C,2CHピペリジン)
【0164】
実施例29.(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル
【化54】

収率最終工程:50%.HPLC純度95.6%
H‐NMR(CDCl,200MHz):7.82‐7.44(m,5H)、4.53(s,1H,CH)、3.25(s,3H,OCH)、2.80‐2.20(m,8H,ピペリジン)、2.29(s,NCH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):169.02(C=O)、139.17(1C)、132.98(1C)、129.03(2C)、127.38(2C)、64.18(1C,CH)、60.12(1C,C4ピペリジン)、52.30(1C,OCH)、51.02および50.91(2C,2NCH)、45.85(NCH)、33.61および33.10(2C,2CHピペリジン)
【0165】
1gで記載されたものと類似した工程により、対応塩酸塩を得る:(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐メトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):11.47(s.b.,1H,HCl)、8.86(d,J=10.4Hz,1H,NH)、7.83‐7.51(m,5H)、4.51(d,J=10.4Hz,1H,CH)、3.22(s,3H,OCH)、3.60‐2.70(m,11H,8Hピペリジン+NCH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.98(C=O)、139.97(1C)、132.76(1C)、129.02(2C)、126.59(2C)、64.22(1C,CH)、58.84(1C,C4ピペリジン)、52.18(1C,OCH)、49.08および48.85(2C,2NCH)、41.98(NCH)、29.69および28.60(2C,2CHピペリジン)
【0166】
実施例17で記載されたものと類似した工程により、但しエチルエステルの代わりにメチルエステルの対応化合物から出発して、下記生成物を得る:
【0167】
実施例30.(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチルの合成
【化55】

H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):8.91(d,J=9.6Hz,NH)、8.08(s,1H,CHO)、5.38(d,J=9.6Hz,1H,CH)、3.60(s,3H,OCH)、2.90‐2.10(m,11H,8Hピペリジン+NCH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.47(C=O)、161.19(C=O)、60.88(1C,C4ピペリジン)、57.85(1C,CH)、54.88(1C,OCH)、50.66および50.55(2C,2NCH)、45.48(NCH)、32.13(2C,2CHピペリジン)
【0168】
実施例31.(R,S)‐アセチルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化56】

実施例1a〜1fにおいて記載されたものと類似した工程に従い、4‐テトラヒドロチオピラノンから出発して、本実施例の生成物を得る:
H‐NMR(CDCl,200MHz):6.44(d,NH)、5.42(d,J=9.6Hz,1H,CH)、4.10(q,2H,OCH)、3.20‐2.40(m,8H,チオピラン)、2.13(s,3H,COCH)、1.17(t,3H,CH
13C‐NMR(CDCl,200MHz):170.13(C=O)、169.32(C=O)、62.36(1C,C4チオピラン)、61.81(1C,OCH)、59.58(1C,CH)、34.78および34.38(2C,2CH)、23.62および23.56(2C,2CH)、22.99(1C,COCH)、13.77(1C,CH
【0169】
実施例32.(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
【化57】

13C‐NMR(CDCl,200MHz):168.30(C=O)、139.07(1C)、132.90(1C)、128.86(2C)、127.07(2C)、63.93(1C,CH)、61.79(1C,C4チオピラン)、61.50(1C,OCH)、34.22(2C,2CH)、23.39(2C,2CH)、13.39(1C,CH
【0170】
実施例33
(R)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび(S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルの合成
実施例33a.(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテート
1cで得られた(R,S)‐アミノ‐〔1‐メチル‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルスルファニル)‐ピペリジン‐4‐イル〕酢酸エチルから出発し、1dで用いられた塩化アセチルをベンゼンスルホニルクロリドへ代えて、実施例1d〜1eにおいて記載されたものと類似した工程に従い、本実施例の生成物を得る:
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):10.00(s.b.,COH)、8.68(d,NH)、7.81‐7.53(m,5H)、3.90(d,1H,CH)、3.69(q,2H,OCH)、3.60‐1.60(m,8H,ピペリジン)、2.78(s,NCH)、0.89(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):167.89(C=O)、159.90、159.19、158.48および157.77(q,1C,COH)、140.49(1C)、132.70(1C)、129.04(2C)、126.64(2C)、124.73、118.92、103.10および107.29(q,CF)、65.26(1C,CH)、60.76(O)、49.19(2C,2NCH)、46.30(1C)、42.38(NCH)、32.63および31.51(2C,2CHピペリジン)、13.42(1C,CH
【0171】
実施例33b.(R)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジンおよび(S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジン
17gの(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐4‐メルカプト‐1‐メチル‐ピペリジニウムトリフルオロアセテートを下記条件でキラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により分離および単離した:
カラム:250×50mm CHIRALPAK AD‐H
移動相:CO/EtOH+1%DEA80/20
流速:200mL/min
検出:UV230nm
温度:35℃
【0172】
我々はメルカプト誘導体のエナンチオマーE1 2.58gおよびエナンチオマーE2 5.15gを得た。
これらのエナンチオマーを下記HPLC法で解析した:
カラム:250×4.6mm CHIRALPAK AD‐H
移動相:n‐ヘプタン/エタノール/ジエチルアミン80/20/0.1
流速:1mL/min
検出:UV230nm
温度:25℃
【表1】

【0173】
エナンチオマーE1
H‐NMR(DMSO‐d,200MHz):7.81‐7.53(m,5H)、3.85(s,1H,CH)、3.69(q,2H,OCH)、2.60‐1.40(m,8H,ピペリジン)、2.12(s,NCH)、0.90(t,3H,CH
13C‐NMR(DMSO‐d,200MHz):168.35(C=O)、140.67(1C)、132.49(1C)、128.94(2C)、126.57(2C)、65.49(1C,CH)、60.45(O)、50.59および50.48(2C,2NCH)、48.16(1C)、45.75(NCH)、35.34および34.42(2C,2CHピペリジン)、13.61(1C,CH
【0174】
実施例33c.(R)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルおよび(S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチルとその対応塩酸塩を7および7aで記載されたものと類似した工程により得た。
S‐ニトロソ化合物を同様のHPLC法で解析した:
【表2】

> 各エナンチオマーのH‐RMNおよび13C‐RMNは、7および7aでラセミ混合物について記載されたH‐RMNおよび13C‐RMNと同様である。
【0175】
実施例34.安定性研究
本発明のS‐ニトロチオール化合物の安定性を、閉鎖ホウケイ酸ガラスバイアルへ5℃および25℃で該化合物を入れることにより調べた。1、2、3、4、および6月後に、化合物をHPLCで解析し、201および345nmで検出した。
その際に、実施例1gの化合物は25℃で2.5月間および4℃において10月間以上安定であった、実施例7の化合物は塩酸塩として25℃において少なくとも6月間および4℃において6月間以上安定であった。
したがって、本発明の化合物が従来のS‐ニトロチオール化合物、例えばGSNO(25℃において1日間安定)またはN‐アセチル‐2‐アミノ‐2‐〔4‐(4‐S‐ニトロソメルカプト‐1‐メチルピペリジン)〕酢酸〔EP1157987の実施例2〕(25℃において2日間安定)より非常に良い安定性を呈することは明らかである。
注意:化合物は、その初期純度の5%超を失うと、もはや安定でないとみなされた。
【0176】
B)薬理
Care and Use of Laboratory AnimalsのEuropean Community Standardsに従う、Animal Care and Use Committee of local authoritiesにより承認された実験動物により、生成物の活性を評価した。ラットで抗血栓活性を試験するために二つの実験モデル:動静脈シャントおよび塩化第二鉄動脈血栓モデルを用いた。加えて、全身血圧に及ぼす生成物の効果を調べた。
【0177】
実施例35.ラット動脈血栓モデル
絶食雄性Wistarラット(300〜320g、Janvier,Le Genest St.Isle,France)をペントバルビタールナトリウム(60mg/kg i.p.)で麻酔し、ブランケット(Biosis保温ブランケット制御ユニット、Biosis,Spain)の使用により体温調節した。左頸動脈の一部(約1cm長)を露出させ、適切なサイズのDoppler血流プローブをその遠位端に取り付けた。70%塩化第二鉄溶液埋込パッチを動脈へ付すことにより血栓を誘導させた。Doppler血流計(Transonic Systems,San Diego,CA)を用いて血流速度を測定し、データ入手用システム(Acqk)を用いてデータを記録した。血流を損傷後60分間記録した。血流がゼロに低下したとき、血栓形成までの時間(min)を書き留めた。従ったプロトコールはFeuerstein GZ et al.,Artherioscler.Thromb.Vasc.Biol.,1999,19:2554-2562において当初、記載されており、Kurz KD et al.,Thromb.Res.,1990,60:269-280で修正された。
【0178】
損傷後30分で閉塞を示さなかった動物の数も書き留めた。生成物を塩水に溶解し、30分間のi.v.注入により投与した。各生成物のED50を計算し、結果が表1において示される。
【表3】

30分間のi.v.投与後にラット動脈血栓モデルでリファレンス化合物と比較された化合物の抗血栓効果。示された値は95%信頼限界の平均値である。
【0179】
実施例36.ラット動静脈シャント‐絹糸モデル
絶食雄性Wistarラット(300〜320g、Janvier,Le Genest St.Isle,France)をペントバルビトンナトリウム(60mg/kg i.p.)で麻酔した。動静脈(AV)シャントをUmetsu and Sanai(1978)の技術に従い作製した。5cm木綿糸を含む中央部分(6cm長、1.14mm i.d.)へ繋がれて、ヘパリン(25μ/mL)含有塩水溶液で満たされた、2本の12cm長ポリエチレンチューブ(各々0.85および1.27mm i.d.およびo.d.)を、右頸動脈と左頸静脈との間に入れた。すべての生成物を頸静脈から60分間でi.v.投与した。試験物質で灌流の開始後45分でシャントを入れ、灌流の終了時、即ち15分間の血液循環後に取り除いた。血栓を保持する木綿糸を抜いた。血栓の湿潤重量を調べ、抗血栓保護の%を計算し、下記表2に示した。
【表4】

i.v.投与後にラット動静脈シャントモデルにおいて、リファレンス化合物と比較された化合物の抗血栓効果
【0180】
実施例37.全身血圧に及ぼすニトロソチオール類の効果
絶食雄性Wistarラット(300〜320g、Janvier,Le Genest St.Isle,France)をペントバルビトンナトリウム(60mg/kg i.p.)で麻酔した。全身血圧に及ぼす処置の効果を試験した。生成物を塩水溶液に溶解し、0.5mL/hで30分間にわたり静脈内注入した。与えられた生成物の用量は、動脈血栓モデルで調べられた抗血栓ED50の100倍であった。基礎血圧を処置の開始前に測定し、頸動脈に繋がれた圧力トランスデューサーを用いて処置期間中ずっと記録した。血圧の変化を、変化の% vs.基礎値として表示した。
【表5】

i.v.投与後に血圧に及ぼす化合物の効果
【0181】
実施例38.アルファ‐キモトリプシン誘導性緑内障に及ぼすニトロソチオール類の効果
用いられた方法は、Gabriele Campana,Claudio Bucolo,Giovanna Murari and Santi Spampinato in Pharmacol.Exp.Therap.,Vol.303,Issue 3,1086-1094,December 2002において記載されたものである。
【0182】
即時炎症を避けるために、10mg/kg体重の用量割合でデキサメタゾンの筋肉内注射により動物に注入した。動物をDizepamと組み合わせてケタミン(50mg/kg IV)で麻酔した。
【0183】
キシロカイン(4%)を局部的な局所麻酔に用いた。アルファ‐キモトリプシンの注射時に25mmHgの静水圧を呈するように、リザーバーに接続されたカニューレを30ゲージ針の助けにより前眼房へ挿入した。次いで第二の適切な形状の30ゲージ針を瞳孔近くに導入した。0.1mLの無菌塩水で調製された150単位の新鮮調製アルファ‐キモトリプシンをカニューレから後眼房へ灌注した。アルファ‐キモトリプシンと角膜実質との接触を妨げるように注意を払った。房水の有意な喪失なしに両カニューレを慎重に取り外した。真菌または微生物感染の機会を減らすために、術後直ちに目をSofracort(コルチコステロイド)で処置した。
【0184】
すべての動物を観察下に5日間置き、これら5日間の後で5.5g重量を用いてSchiontzタイプ圧入眼圧計で眼内圧(IOP)を毎日測定し、読取値の集積によりIOPの安定的増加を果たすために要する最大期間を調べた。IOPの安定的増加を果たすには2〜3週間で十分であることがわかった。安定的IOPを保証するため、15日後に3連続日で毎朝(同時刻に)IOPを測定した。我々の研究における拒否基準は、IOP<30mmHgを示したウサギの研究からの除外であった。
【0185】
処置:
すべての動物を緑内障の進行について詳しく観察した。緑内障の徴候と30mmHg以上の眼内圧を示した動物30匹を本研究用に選択した。
【0186】
化合物(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド(実施例1g)をウサギの群へ0.05重量%の濃度〔100mLの塩水血清中0.05g〕で3滴の点眼により投与した。比較データのために、緑内障の治療に広く用いられている化合物チモロール(Timoftol)も0.5重量%の濃度で他群のウサギへ投与した。
【0187】
3滴の点眼後0、1、および2hに求められた眼内圧測定値が、mmHgで表2に掲載されている。
【表6】

【0188】
これらの結果は、本発明の実施例1gの化合物が眼内圧を有意に減少させ、10倍少ない濃度を用いた場合でも従来の化合物で得られるものに類似した結果を示すことを指摘している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

〔上記式中
およびRは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアルキニルからなる群より選択され、またはRおよびRは一緒になってXを含む5または6員環を形成し、
、R、R、R、R、およびRは、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、およびアルキニルからなる群より選択され、
は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、およびアラルキルからなる群より選択され、
10は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、‐C(=O)R11、および‐S(=O)11からなる群より選択され、ここでR11は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、
Yは、式‐C(=O)OR12のアルコキシカルボニルであり、ここでR12はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、および
Xは、酸素原子、イオウ原子、および‐NR13からなる群より選択され、ここでR13は水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキニル、アリール、アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択される〕
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物。
【請求項2】
、R、R、およびRの各々が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(II)の請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物:
【化2】

〔上記式中、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、またはRおよびRは一緒になってXを含む5または6員環を形成し、
およびRは、各々独立して、水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択され、
は、水素、C‐Cアルキル、およびC‐C15アラルキルからなる群より選択され、
10は、水素、C‐Cアルキル、C‐Cシクロアルキル、‐C(=O)R11、および‐S(=O)11からなる群より選択され、ここでR11は水素、C‐Cアルキル、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、
Yは、式‐C(=O)OR12のアルコキシカルボニルであり、ここでR12はC‐Cアルキル、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択され、および
Xは、酸素原子、イオウ原子、NR13からなる群より選択され、ここでR13は水素、C‐Cアルキル基、C‐Cアルケニル、C‐Cシクロアルキル、C‐Cアルキニル、C‐C10アリール、C‐C10アラルキル、およびヘテロシクリルからなる群より選択される〕
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物。
【請求項4】
、R、R、およびRの各々が水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Xが‐NR13であり、ここでR13が請求項1において定義されている通りである、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素およびC‐Cアルキルからなる群より選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
12がC‐Cアルキル基である、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
またはR10の一方が水素である、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ヘプタノイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ヘプタノイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ベンゾイルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゾイルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔(2‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)エトキシカルボニル‐メチル)〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムアセテート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムメシレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムニトレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサルフェート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムビサルフェート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムホスフェート二酸、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムラクテート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムシトレート、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムサリチレート、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(4‐ニトロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(4‐メチル‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(2‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(3‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(4‐クロロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐4‐(2‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(4‐フルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(2,4‐ジフルオロ‐ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(エトキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐(2,2,2‐トリフルオロ‐アセチルアミノ)酢酸エチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸ベンジル、
‐(R,S)‐(アセチル‐エチル‐アミノ)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐エチル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐エチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐〔エトキシカルボニル‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕メチル〕‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐エチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐エチル‐4‐(エチルオキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐ベンジル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)ホルミルアミノ酢酸エチル、
‐(R,S)‐1‐ベンジル‐4‐(エチルオキシカルボニル‐ホルミルアミノ‐メチル)‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐4‐(アセチルアミノ‐メチルオキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)‐〔(ピリジン‐3‐カルボニル)アミノ〕酢酸メチル、
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐メトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
‐(R,S)‐ホルミルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸メチル、
‐(R,S)‐アセチルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチル、および
‐(R,S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(4‐ニトロソメルカプト‐テトラヒドロチオピラン‐4‐イル)酢酸エチル、
あるいはそのエナンチオマーまたは溶媒和物からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
‐(R)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(S)‐ベンゼンスルホニルアミノ‐(1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジン‐4‐イル)酢酸エチル、
‐(S)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、および
‐(R)‐4‐(ベンゼンスルホニルアミノ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐1‐メチル‐4‐S‐ニトロソメルカプト‐ピペリジニウムクロリド、
からなる群より選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式(III)の化合物:
【化3】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは式(I)で定義されている通りである)のチオール官能基のニトロソ化を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の合成方法。
【請求項12】
前記ニトロソ化が、亜硝酸、亜硝酸アルキル、NOガス、NOCl、NOBr、N、N、およびBrCHNOからなる群より選択される試薬と、式(III)の前記化合物とを接触させることを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記試薬が、反応媒体中、その場で作られる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
下記工程を含んでなる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法:
a)請求項11に記載の式(III)の化合物を得るための、式(IV)の化合物:
【化4】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1で定義されている通りであり、Zは非置換アルキル、アルケニル、C‐C20アラルキル、‐Si(R′)、‐C(=O)R′からなる群より選択され、ここでR′は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキルからなる群より選択される)からZ基の除去、および
b)工程a)で得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化。
【請求項15】
下記工程を含んでなる、請求項14に記載の方法:
a)請求項14に記載の式(IV)の化合物を得るために、式(V)の化合物:
【化5】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りである)へ、塩基の存在下で、Zが請求項14において定義されている通りである式HS‐Zの化合物の付加、
b)請求項11に記載の式(III)の化合物を得るための、工程a)において得られた該式(IV)の化合物のZ基の除去、および
c)工程b)において得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化。
【請求項16】
下記工程を含んでなる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法:
a)請求項11に記載の式(III)の化合物を得るための、式(V)の化合物:
【化6】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1で定義されている通りである)へSHの付加、および
b)工程a)において得られた該式(III)の化合物のチオール官能基のニトロソ化。
【請求項17】
式(III)、式(IV)、および/または式(V)の化合物の少なくとも一種がキラル分離に付される、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
式(III)の化合物:
【化7】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りである)
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物。
【請求項19】
式(IV)の化合物:
【化8】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りであり、Zは非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、C‐C20アラルキル、‐Si(R′)、‐C(=O)R′からなる群より選択され、ここでR′は置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換アラルキルからなる群より選択される)からZ基の除去、
あるいは
式(V)の化合物:
【化9】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1で定義されている通りである)へSHの付加、
を含んでなる、請求項18に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項20】
式(IV)の化合物:
【化10】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りであり、Zは非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、C‐C20アラルキル、‐Si(R′)、‐C(=O)R′からなる群より選択され、ここでR′は置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換アリール、および置換または非置換アラルキルからなる群より選択される)
あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物。
【請求項21】
式(V)の化合物:
【化11】

(上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、Y、およびXは請求項1において定義されている通りである)あるいはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩、または溶媒和物へ、塩基の存在下において、Zが請求項20で定義されている通りである式HS‐Zの化合物の付加を含んでなる、請求項20に記載の式(IV)の化合物の合成方法。
【請求項22】
薬剤としての使用のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物と薬学上許容される担体を含んでなる、医薬組成物。
【請求項24】
NO媒介症状の治療および/または予防用の薬剤の製造のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
前記症状が、血小板機能不全、内分泌、代謝、心血管、炎症、尿生殖器、消化管、皮膚、ニューロン、中枢神経系関連、神経変性疾患、精神障害、認知障害、眼科疾患、呼吸、または感染症状からなる群より選択されるものである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
前記症状が、高血圧、血栓症、血栓塞栓工程、血管または外傷性炎症、糖尿病、虚血再灌流、頸動脈内膜切除術および冠動脈バイパス、移植片拒絶に関連した、経皮的冠動脈インターベンションにおける、血管緊張モジュレーターとしての合併症、新生児呼吸窮迫症候群、喘息、肺高血圧、気管支肺異形成、嚢胞性線維症、細菌、ウイルスおよび原生動物、Leishmaniasis、Trypanosomiasisに起因する感染症、エイズウイルス複製の阻害、胃腸管運動症、炎症性腸疾患、アカラシア、胆嚢およびOddiの括約筋の疾患、胆道膵管造影に際する疾患、肝不全、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、泌尿管症および勃起不全、子癇前症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋増殖、子宮筋腫、皮膚潰瘍、糖尿病、緑内障、アルツハイマー病、痛みおよび線維筋痛症に関連した潰瘍からなる群より選択されるものである、請求項24または25のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
NO媒介症状の治療および/または予防のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
前記症状が、血小板機能不全、内分泌、代謝、心血管、炎症、尿生殖器、消化管、皮膚、ニューロン、中枢神経系関連、神経変性疾患、精神障害、認知障害、眼科疾患、呼吸、または感染症状からなる群より選択されるものである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記症状が、高血圧、血栓症、血栓塞栓工程、血管または外傷性炎症、糖尿病、虚血再灌流、頸動脈内膜切除術および冠動脈バイパス、移植片拒絶に関連した、経皮的冠動脈インターベンションにおける、血管緊張モジュレーターとしての合併症、新生児呼吸窮迫症候群、喘息、肺高血圧、気管支肺異形成、嚢胞性線維症、細菌、ウイルスおよび原生動物Leishmaniasis、Trypanosomiasisに起因する感染症、エイズウイルス複製の阻害、胃腸管運動症、炎症性腸疾患、アカラシア、胆嚢およびOddiの括約筋の疾患、胆道膵管造影に際する疾患、肝不全、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、泌尿管症および勃起不全、子癇前症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋増殖、子宮筋腫、皮膚潰瘍、糖尿病、緑内障、アルツハイマー病、痛み、および線維筋痛症に関連した潰瘍からなる群より選択されるものである、請求項27または28のいずれか一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2010−514732(P2010−514732A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543470(P2009−543470)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064565
【国際公開番号】WO2008/080934
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509183420)ラセル、ソシエダッド、アノニマ (4)
【氏名又は名称原語表記】LACER, S.A.
【Fターム(参考)】