説明

安定なSNS−595組成物及び製造方法

実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法が開示される。実質的に純粋であり、可視粒子を基本的に含まないSNS-595物質を含む組成物も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、引用により全体が本明細書に組み込まれる、2009年9月4日に出願された米国仮出願第61/240,161号の利益を主張する。
【0002】
(1.分野)
実質的に純粋な(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-(メチルアミノ)-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸を製造する方法が、この物質を含む組成物と共に提供される。
【背景技術】
【0003】
(2.背景)
化合物(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-メチルアミノ-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸は、下記の化学構造を有する。
【化1】


この化合物は、SNS-595又はAG-7352としても知られている。米国採用名称会議(The United States Adopted Names Council(USANC))は、この化合物に名称「ボサロキシン」を割り当てた。
【0004】
SNS-595は、その抗腫瘍活性で知られている(Tsuzukiらの文献、J. Med. Chem., 47:2097-2106、2004、及びTomitaらの文献、J. Med. Chem., 45:5564-5575、2002を参照されたい)。SNS-595による種々の癌の治療が文献において提唱されており、SNS-595は種々の癌細胞株及び異種移植に対して前臨床活性を示している。この化合物の使用のための種々の投薬処方計画が報告されている。例えば、全てが引用により本明細書にその全体として組み込まれる米国特許出願公報2005-0203120 A1、2005-0215583 A1、及び2006-0025437 A1を参照されたい。SNS-595は、現在、ヒトの癌患者における安全性及び有効性を評価する臨床治験において試験されている最中であり、急性骨髄性白血病及び卵巣癌の治療において臨床活性を示した。
【0005】
SNS-595は、当業者に公知の技術を利用して製造することができる。例えば、全てが引用により全体として本明細書に組み込まれる1998年10月6日に発行された米国特許第5,817,669号;1998年6月26日に公開された日本特願平10-173986号;2007年12月21日に発行された国際公開第2007/146335号;Tsuzukiらの文献、J. Med. Chem., 47:2097-2106、2004;及びTomitaらの文献、J. Med. Chem., 45:5564-5575、2002を参照されたい。
【0006】
国際特許出願第WO2007/146335号は、SNS-595の合成の例示的な方法を記載している。スキーム1に示されるとおり、この合成は中間体1を経由して進行し、これはトリエチルアミン又はΝ,Ν-ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で化合物2と反応して、化合物3を形成する。次いで、化合物3のエステル基が加水分解されてSNS-595を与える。
【化2】

しかし、スキーム1に記載されている経路は、典型的には、望ましくない量の不純物、すなわち反応の副生成物をうみだし、それをSNS-595原薬及びSNS-595医薬品から枯渇させる又は除去することは困難である。
【0007】
特定の副生成物がSNS-595製剤に存在し得るが、原薬及び最終医薬品中のこれらの不純物の量を減らすことが重要である。癌患者は相当な化学療法及び放射線療法を受けており、そのため免疫系が損なわれていることがあるので、これらの患者に高純度を特徴とする医薬品を与えることは有益である。さらに、医薬品の静脈内又は動脈内投与では、医薬品が直接血流に入るため、医薬品の純度及び物理的特性は重要である。
【0008】
したがって、混在物を実質的に含まないSNS-595を製造し、それにより面倒な精製工程を必要とせずに癌の治療のための医薬製品に製剤するのに好適である、実質的に純粋な形態の原薬を提供する改良された方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【0009】
(3.概要)
実質的に純粋なSNS-595物質を生成することのできる方法が提供される。さらに、該方法は、実質的に純粋なSNS-595物質の商業的製造に規模を拡大することができる。
【0010】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質の製造方法であって:
(a)化合物3を、第1の水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;
【化3】

(b)工程(a)の該一次SNS-595水和物を脱水し、脱水された生成物を第2の水性塩基と反応させ、次いで中和して、二次SNS-595水和物を得ること;及び
(c)工程(c)で得られた該二次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む方法が提供される。
【0011】
いくつかの場合において、工程(c)で得られた実質的に純粋なSNS-595物質を、さらなる水性塩基と反応させ、中和し、次いで脱水して、実質的に純粋なSNS-595生成物の純度をさらに向上させることが望ましいことがある。第1の水性塩基、第2の水性塩基、及びさらなる水性塩基(複数可)は、同じでも異なっていてもよい。同様に、中和工程の間に利用される酸は、同じでも異なっていてもよい。水性塩基による処理、中和、及び脱水の記載された工程を経て実質的に純粋なSNS-595物質の再生使用を複数回実施して、所望の純度レベルの実質的に純粋なSNS-595物質が得られるまで、連続的にSNS-595物質をさらに精製することができる。
【0012】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって:
(a)化合物1を
【化4】

化合物2と
【化5】

Ν,Ν-ジイソプロピルエチルアミン及び水の存在下で反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ること;
【化6】

及び
(b)化合物3を水性塩基と反応させて、実質的に純粋なSNS-595物質を形成することを含む方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、組成物の製造の時点で、実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して約0から0.01%の化合物4を含む組成物が本明細書に提供される。
【化7】

【0014】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、組成物の製造の時点で、実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して約0から0.02%の化合物5を含む組成物が本明細書に提供される。
【化8】

【0015】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び水を含む組成物であって、組成物の10 mLごとに約100 mgのSNS-595が存在し、組成物が可視粒子を基本的に含まず、かつ、例えば、製造の3、6、9、12、又は24か月後に安定である組成物が提供される。
【0016】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び水を含む組成物であって、組成物の10 mLごとに約100 mgのSNS-595が存在し、組成物が準可視(sub-visible)粒子を基本的に含まず、かつ、例えば、製造の3、6、9、12、又は24か月後に安定である組成物が提供される。
【0017】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載される方法はキログラム規模で実施される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
(4.図面の簡単な説明)
【図1】図1は、異なる量の化合物4を有する原薬から製剤されたSNS-595バルク医薬品溶液における、化合物6の量の間の観察される関係を表す。
【0019】
【図2】図2は、SNS-595原薬中の化合物4の量と、該原薬の製造に使用された化合物3中の残存する化合物1の量との間の、観察される関係を表す。
【0020】
【図3】図3は、SNS-595原薬中の化合物5の量と、該原薬の製造に使用された化合物3中の残存する化合物1の量との間の、観察される関係を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(5.詳細な説明)
(4.1定義)
別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての専門用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において言及される全ての特許、出願、公開された出願、及びその他の刊行物は、これらの全体が引用により組み込まれる。
【0022】
本明細書では、「SNS-595」は、(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S, 4S)-3-メトキシ-4-メチルアミノ-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸、並びに、任意のイオン形態、塩、溶媒和物、例えば水和物、又はその化合物の他の形態を、それらの混合物も含めて意味する。そのため、SNS-595を含む組成物は、(+)-1,4-ジヒドロ-7-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-メチルアミノ-1-ピロリジニル]-4-オキソ-1-(2-チアゾリル)-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸、又は、いくつかの実施態様において、そのイオン形態、塩、溶媒和物、例えば水和物、多形、仮晶、又は該化合物の他の形態を含む。いくつかの実施態様において、SNS-595は医薬として許容し得る塩として提供される。SNS-595は、AG-7352、ボレロキシン、及びボサロキシンとも呼ばれる。
【0023】
本明細書では、「実質的に純粋なSNS-595物質」は、基本的にSNS-595からなる組成物、すなわち、該組成物の総重量に対して(重量%)約1.0%未満の他の個別の化合物又は不純物を含む組成物を意味する。例えば、いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して、約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物4を含む。
【化9】

いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.5%、0から0.1%、0から0.05%、0から0.03%、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4から基本的になる。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.5%、0から0.1 %、0から0.05%、0から0.03%、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を有する。いくつかの実施態様において、該組成物は、該組成物の総重量に対して0.02%以下の化合物4を有する。
いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.04%、約0から0.03%、又は約0から0.02%の化合物5を含む。
【化10】

いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して0から0.04%、0から0.03%、又は0から0.02%の化合物5から基本的になる。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して0から0.04%、0から0.03%、又は0から0.02%の化合物5を有する。いくつかの実施態様において、該組成物は、該組成物の総重量に対して0.15%以下の化合物5を有する。
実質的に純粋なSNS-595物質である他の組成物が本明細書に記載される。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物6を含む。
【化11】

いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物6から基本的になる。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1 %、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物6を有する。
いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物7を含む。
【化12】

いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物7から基本的になる。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して約0から0.5%、約0から0.1%、約0から0.05%、約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物7を有する。いくつかの実施態様において、該組成物は、該組成物の総重量に対して0.15%以下の化合物7を有する。
【0024】
本明細書では、「SNS-595物質」は、SNS-595及び1種以上の他の化合物を含む組成物を意味する。いくつかの実施態様において、該SNS-595物質は、SNS-595並びに化合物4及び/又は化合物5を含む。
【0025】
本明細書では特記されない限り、「約」は、示された値のプラス又はマイナス10%までを意味する。例えば、「約0.01%」は0.009%から0.011%を意味し、「約25℃」は22.5℃から27.5℃を意味し、「約0.6 M」は0.54 Mから0.66 Mを意味する。いくつかの実施態様において、約は、示された値のプラス又はマイナス9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%までを意味する。同様に、ある範囲の値では、「約」の使用は、述べられる範囲の上限及び下限の両方を意味する。
【0026】
pH値に関する「約」という用語は、そのpH値の許容し得る誤差が、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、又は0.1 pH単位以下であることを意味するものとする。特定の実施態様において、pH値の誤差は、0.02 pH単位以下である(その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国薬局方(USP)XXVI (2003)の方法791を参照されたい)。
【0027】
本明細書では、「水性塩基」は、いくつかの実施態様において1種以上の強塩基(pKa>13)である1種以上の塩基の任意の水溶液を意味する。強塩基の例には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物又は水酸化アンモニウムがあるが、これらに限定されない。水性塩基は、有機塩基又は無機塩基の水溶液でもよい。いくつかの実施態様において、該塩基は、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化アンモニウムの水溶液として提供される。いくつかの実施態様において、該水性塩基は、約0.6〜1.1 Mのモル濃度を有する。いくつかの実施態様において、該水性塩基は、約0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、又は約1.1 Mのモル濃度を有する水酸化物の水溶液である。いくつかの実施態様において、該塩基は固体形態で提供されることがある。いくつかの実施態様において、該固体形態はペレット又は粉末である。
【0028】
本明細書では特記されない限り、「水和物」という用語は、非共有結合の分子間力により結合した化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含む化合物又はその塩を意味する。本明細書では特記されない限り、「溶媒和物」という用語は、本明細書に提供される化合物への1種以上の溶媒分子の会合から形成される溶媒和物を意味する。「溶媒和物」という用語は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。SNS-595の溶媒和物は結晶性又は非結晶性であり得る。
【0029】
本明細書では、「SNS-595水和物」は、非共有結合の分子間力により結合した化学量論的又は非化学量論的量の水を有するSNS-595を意味する。いくつかの実施態様において、SNS-595水和物は結晶性又は非結晶性である。いくつかの実施態様において、SNS-595水和物は、SNS-595の1モルあたり約0.8から1.2モル当量の水を含む。いくつかの実施態様において、SNS-595水和物は、SNS-595の1モルあたり約1モル当量の水を含む。
【0030】
本明細書では、「脱水すること」は、SNS-595 水和物のSNS-595に結合している水の除去を意味する。脱水方法は当業者に公知である。いくつかの実施態様において、脱水は、SNS-595水和物を、SNS-595水和物のSNS-595に結合している水を除去できる化合物に接触させることにより実施される。そのような化合物には脱水溶媒がある。いくつかの実施態様において、該溶媒は吸湿性及び/又はプロトン性である。例示的な溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、又は当業者に明らかである他の溶媒がある。いくつかの実施態様において、該溶媒は無水である。いくつかの実施態様において、該溶媒は無水エタノールである。いくつかの実施態様において、無水エタノールは、0.5%未満の水を含む。特別な実施態様において、脱水は、SNS-595水和物を、無水エタノールと約25〜80℃、約40〜80℃、約60〜80℃、又は約80℃で接触させることにより実施される。いくつかの場合において、脱水は、溶媒の非存在下で熱的手段により実施され得る。
【0031】
水和物中の水の量は、当分野において理解されるいくつかの技術により分析することができる。例えば、水の量は、熱重量分析(TGA)サーモグラムにおいて観察される重量減に基づいて測定できる。さらに、TGA炉から出る排気管を、質量分析装置又は赤外分光法装置などの化学分析の装置に結合して、加熱時に放出される水蒸気の化学純度を確認できる。水の減少は、引用により本明細書にその全体が組み込まれる米国薬局方に記載される「死亡減少(Loss on Dying) <731>」などの直接的重量測定手段によっても定量化できる。カールフィッシャー(KF)分析を利用して、水和物試料の含水量を分析できる。水測定用の電量測定KF分析は、Mettler Toledo DL39 Karl Fischer滴定器又は他の装置を利用して実施できる。一方法において、およそ14〜32mgの試料が、電量測定KF滴定用のHYDRANAL(登録商標)-Coulomat AD試薬を含むKF滴定容器に置かれ、確実に溶解させるため60秒間混合される。次いで、該試料は発生電極により滴定され、それは電気化学的酸化によりヨウ素を発生させる。分析を繰り返して、測定値の再現性を確実にする。
【0032】
本明細書では、「中和すること」又は「中和」は、溶液のpHを中性又はおよそ中性、例えば6.0から8.0、7.0から8.0、又は7.3から7.7のpHに調整する過程を意味する。
【0033】
本明細書では、「粒子状物質」は、水又は水性混合物に不溶性又は部分的に可溶性である、SNS-595の合成製造の副生成物の結果として形成される任意の物体を意味する。いくつかの実施態様において、粒子状物質は可視粒子を含む。綿ぼこり、ガラス、金属などの粒子を含む他の不純物は、疾病の治療においてヒトの対象への投与に許容されるレベル又はそれ未満のレベルでSNS-595組成物に存在することがある。
【0034】
本明細書では、「可視粒子」は、ヒトの目に見える、液体溶液、例えば水溶液に不溶性又は部分的に可溶性の固体を意味する。いくつかの実施態様において、可視粒子は、自然の太陽光、白色光、蛍光照明、又は白熱照明の下で可視である。さらなる実施態様において、可視粒子は、600〜7000ルクス、900〜4000ルクス、850〜4650ルクス、又は2000〜3750ルクスの強度を有する照明の下で観察される場合に可視である。いくつかの実施態様において、粒子は、約1〜60、1〜30、1〜15、1〜10、1〜5、又は5秒間検査される場合に可視である。
【0035】
特別な実施態様において、該可視粒子は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる欧州薬局方5.0、セクション2.9.20に記載される方法により試験される場合可視である。この方法では、(1)垂直に固定された適切な大きさの艶消し黒色パネル;(2)該黒色パネルの隣に垂直に固定された適切な大きさの反射防止白色パネル;及び(3)笠の付いた好適な白色光源及び好適な光拡散器を備えた調整可能なソケット(例えば、それぞれ長さが525 mmである2つの13 W蛍光灯を含む観察用照明器)を含む観察ステーションを有する装置が使用される。観察点での照度は、2000ルクスから3750ルクスに維持される。ガラス及びプラスチックの容器には、より高い値が利用される。接着ラベルを、試験される試料を含む容器から除く。容器の外側を洗浄し乾燥させる。気泡が入らないようにしながら容器をやさしく回転又は反転させ、白色パネルの前で容器を約5秒間観察して可視粒子が存在するか否かを決定する。次いで、黒色パネルの前で容器を約5秒間観察して、可視粒子が存在するか否かを決定する。いくつかの実施態様において、可視粒子は白色パネルを背景にして可視である。いくつかの実施態様において、可視粒子は黒色パネルを背景にして可視である。
【0036】
いくつかの実施態様において、該可視粒子は、少なくとも50μm、少なくとも75μm、少なくとも100μm、少なくとも150μm、又は少なくとも200μmの平均直径を有する。いくつかの実施態様において、該可視粒子は、約50〜500μm、約50〜300μm、約100〜500μm、又は約100〜300μmの平均直径を有する。
【0037】
本明細書では、「準可視粒子」は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国薬局方<788>注射液中の粒子状物質(Particulate Matter in Injections)に記載される光遮蔽粒子計数試験(Light Obscuration Particle Count Test)又は微細粒子計数試験(Microscopic Particle Count Test)により検出可能な粒子状物質を意味する。
【0038】
いくつかの実施態様において、該可視粒子及び/又は準可視粒子は、原薬の合成若しくは製剤又は組成物の包装を含むがこれらに限定されない、原薬組成物の製造過程から生じる物体を含む。いくつかの実施態様において、該可視粒子は、金属、ガラス、綿ぼこりなどを含む。
【0039】
特定の実施態様において、該可視粒子及び/又は準可視粒子は、化合物5
【化13】

及び/又は化合物6
【化14】

及び/又は化合物7
【化15】

の1種以上を含む。
【0040】
本明細書では、「可視粒子を基本的に含まない」は、可視粒子を含まない、SNS-595を含む液体の、例えば水性の組成物を意味する。いくつかの実施態様において、該組成物は、先に議論された欧州薬局方5.0、セクション2.9.20に記載される方法により判断される場合可視粒子を含まない。
【0041】
本明細書では、「準可視粒子を基本的に含まない」は、準可視粒子を含まない、SNS-595を含む液体の、例えば水性の組成物を意味する。
【0042】
本明細書では、「安定」は、容器又はバイアルに保存される場合、可視粒子又は準可視粒子を基本的に含まないままでいることができ、又は特定の期間、例えば、1、3、6、又は9か月の間特定の量の可視粒子及び/又は準可視粒子を維持できる、SNS-595を含む組成物を意味する。例えば、可視粒子を基本的に含まず、可視粒子に関して6か月安定である水性組成物は、参照される出発時点、例えば、組成物が製造及び/又は容器に加えられた時点から始まり組成物の製造後6か月までの期間の間の任意の時点で、可視粒子を基本的に含まないと判断される水性組成物を意味する。さらに、安定な組成物がバルク組成物である場合、その組成物は、多くの容器、例えばバイアルに分配することができ、ロットの製造の時点で可視粒子を基本的に含まない分配された組成物を含む任意の容器は、特定の期間、例えば、1、3、6、又は9か月の間可視粒子を基本的に含まないままでいることができる。いくつかの実施態様において、該組成物は、少なくとも1、2、4、6、8、10、12、15、20、又は25日間安定である。いくつかの実施態様において、該組成物は、少なくとも1、3、6、9、12、18、24、36、42、又は48か月間安定である。いくつかの実施態様において、該組成物は製造の時点から安定である。
【0043】
本明細書では、「製造の時」は、SNS-595組成物又はSNS-595を含む容器が製造される時点を意味する。いくつかの実施態様において、「製造の時」は、所望量の実質的に純粋なSNS-595物質、ソルビトール、水、及びメタンスルホン酸が混合される時である。他の実施態様において、「製造の時」は、所望量の実質的に純粋なSNS-595物質、ソルビトール、水、及びメタンスルホン酸が混合され、容器、例えばバイアルに加えられる時である。いくつかの実施態様において、該時間は、SNS-595を含む組成物又は容器が製造された7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日未満後である。いくつかの実施態様において、該時間は、SNS-595を含む組成物又は容器が製造された20、16、12、8、4、又は2時間未満後である。
【0044】
本明細書では特記されない限り、「医薬として許容し得る塩」という用語は、本明細書に提供される化合物に存在し得る酸性基又は塩基性基の塩を含むが、これらに限定されない。特定の酸性条件下では、化合物は種々の無機酸又は有機酸と多種多様な塩を形成し得る。そのような塩基性化合物の医薬として許容し得る塩の製造に利用できる酸は、アセタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ビカルボナート、ビタルトラート、ブロミド、カルシウムエデタート、カンシラート、カルボナート、クロリド、ブロミド、ヨージド、シトラート、ジヒドロクロリド、エデタート、エジシラート、エストラート、エシラート、フマラート、グルセプタート、グルコナート、グルタメート、グリコリルアルサニラート、ヘキシルレゾルシナート、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトアート、イセチオナート、ラクタート、ラクトビオナート、マラート、マレアート、マンデラート、メタンスルホナート(メシラート)、メチルスルファート、ムスカート(muscate)、ナプシラート、ニトラート、パントテナート、ホスファート/ジホスファート、ポリガラクツロナート、サリチラート、ステアラート、スクシナート、スルファート、タンナート、タルトラート、テオクラート、トリエチオジド、及びパモアートを含むがこれらに限定されない薬理学的に許容し得るアニオンを含む塩を形成するものである。特定の塩基性条件下で、化合物は、種々の薬理学的に許容し得るカチオンにより塩基塩を形成し得る。そのような塩の非限定的な例には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、及び、特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウム、及び鉄の塩がある。
【0045】
本明細書では、「再処理する」は、SNS-595(典型的には化合物3の鹸化から得られる)を2回以上鹸化条件に付することを意味する。いくつかの実施態様において、SNS-595は2回以上再処理される。いくつかの実施態様において、鹸化条件は、水酸化ナトリウム水溶液、エタノール、及び酢酸を利用する。いくつかの実施態様において、鹸化条件は、化合物3を水性塩基と反応させ、次いで中和して、SNS-595水和物を形成し、該SNS-595水和物を脱水することを含む。
【0046】
本明細書では、「実質的に純粋な化合物3」は、化合物3から基本的になる組成物を意味する。
【化16】

いくつかの実施態様において、実質的に純粋な化合物3組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.3%、0から0.25%、0から0.2%、0から0.1%、又は0から0.05%、又は0から0.01%の化合物1を含み得る。
【化17】

いくつかの実施態様において、実質的に純粋な化合物3組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.3%、0から0.25%、0から0.2%、0から0.1%、0から0.05%、又は0から0.01%の化合物1から基本的になり得る。いくつかの実施態様において、実質的に純粋な化合物3組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.3%、0から0.25%、0から0.2%、0から0.1%、0から0.05%、又は0から0.01%の化合物1を有し得る。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、該組成物の総重量に対して、0から0.1 %、又は0から0.05%の化合物1を含む。
【0047】
本明細書に提供される実質的に純粋なSNS-595物質又は実質的に純粋な化合物3の純度、並びに本明細書に言及される他の化合物の量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの、当業者に利用される標準的な分析の方法により決定できる。この用途において、任意の「0」の成分を有する組成物への言及は、その成分の少なくとも測定された量が、そのような分析方法を利用する検出の限界未満であるか、又は0.001% w/w以下であることを意味する。
【0048】
(4.2製造の方法)
国際特許出願第WO2007/146335号及び米国仮特許出願第61/141,856号は、SNS-595化合物の合成について当分野に公知である例示的な方法を記載している。スキーム2に示されるとおり、この合成は中間体1を経由して進行し、それがトリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で化合物2と反応して、化合物3を形成する。その後、化合物3のエステル基が加水分解されてSNS-595を与える。
【化18】

【0049】
しかし、この方法に従う場合、数種の不純物が形成され得る。具体的には、スキーム3に示されるとおり、塩基性条件における化合物3の鹸化の後で、SNS-595に加えておよそ0.04%の化合物4及び0.05%未満の化合物5が、反応生成物中に観察され得る。
【化19】

【0050】
どのような理論にも限定されるものではないが、化合物5は、鹸化工程中に化合物1の存在により生じ得る。実際に、スキーム4に示されるとおり、トリエチルアミン又はΝ,Ν-ジイソプロピルエチルアミンの存在下での化合物1と2との反応から単離される生成物は、重量でおよそ0.3〜0.6%の残存する化合物1を含み得る。
【化20】

【0051】
どのような理論にも拘束されるものではないが、化合物4は、おそらくは水の1,4-付加による、化合物1と水酸化物との間の反応の結果であり得る。実際に、化合物1が水酸化ナトリウム水溶液により処理されると、スキーム5に示されるとおり、化合物5に加えて化合物4が得られる。
【化21】

【0052】
(4.2(a)再処理方法)
特定の実施態様において、SNS-595物質を再処理することによる実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法が提供される。
【0053】
述べられたとおり、化合物1の化合物2との反応は、化合物3と残存する化合物1との混合物の形成をもたらし得る。この混合物をその後に水性塩基により処理すると、すなわち鹸化条件で処理すると、SNS-595、化合物4、及び化合物5の混合物の形成をもたらし得る。しかし、この混合物を再び鹸化条件に付すると、すなわち再処理すると、スキーム6に示されるとおり、得られる生成物はより少ない量の化合物4とともにSNS-595を含み得る。
【化22】

追加の実験により、そのような再処理を数サイクル利用して、組成物中の化合物4の残存量をさらに連続的に低減できることが示される。いくつかの実施態様において、再処理は、本明細書又は当分野に開示されている方法などの従来の方法による検出限界未満に化合物4のレベルを低下させるのに十分な回数実施される。
【0054】
特定の実施態様において、再処理は、SNS-595水和物を水性塩基により可溶化し、次いで酸により中和し、次いで脱水することにより実施される。
【0055】
特定の実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって:
(a)化合物3を第1の水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;
【化23】

(b)工程(a)の該一次SNS-595水和物を脱水し、脱水された生成物を第2の水性塩基と反応させ、次いで中和して、二次SNS-595水和物を得ること:及び
(c)工程(b)で得られた該二次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む方法が本明細書に提供される。
【0056】
第1及び第2の水性塩基は同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施態様において、工程(a)及び(b)の第1及び第2の水性塩基は、それぞれ独立に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムである。いくつかの実施態様において、工程(a)及び(b)の第1及び第2の水性塩基は、それぞれ独立に、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムである。いくつかの実施態様において、第1及び第2の水性塩基は、それぞれ水酸化ナトリウムである。いくつかの実施態様において、第1又は第2の水性塩基は、それぞれ独立に、約0.6〜1.1 Mのモル濃度を有する。いくつかの実施態様において、第1又は第2の水性塩基は水酸化物の水溶液であり、第1又は第2の水性塩基は、それぞれ独立に、約0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、又は約1.1 Mのモル濃度を有する。
【0057】
脱水工程は、独立に、当業者に公知である脱水溶媒による処理により実施できる。例えば、脱水は、脱水すべき物質を吸湿性及び/又はプロトン性の溶媒により処理して実施できる。例示的な溶媒には、エタノール、メタノール、イソプロパノール、及びアセトンがあるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、該脱水溶媒は無水である。
【0058】
いくつかの実施態様において、工程(b)又は(c)のSNS-595水和物は、エタノールにより脱水される。いくつかの実施態様において、該エタノールは無水である。特別な実施態様において、無水エタノールは0.5%未満の水を含む。いくつかの実施態様において、工程(c)の二次SNS-595水和物は、約25〜80℃、約40〜80℃、約60〜80℃、又は約80℃の温度で無水エタノールにより脱水される。
【0059】
中和工程は、独立に、当業者に公知である任意の酸により実施できる。無機酸、有機酸、又はこれらの組み合わせを利用できる。酸は水性でもよい。例示的な酸には、酢酸、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、クエン酸、炭酸、リン酸、シュウ酸、又は硝酸があるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、中和は、酢酸により実施される。いくつかの実施態様において、中和工程はpHを6.0から8.0に調整する。特定の実施態様において、pHは7.0から8.0に調整される。特定の実施態様において、pHは約7.3から7.7に調整される。
【0060】
特定の実施態様において、工程(a)及び(b)の第1及び第2の水性塩基はそれぞれ水酸化ナトリウムであり;pHは中和の間酢酸により約7.3から7.7に調整され;工程(a)及び(b)はエタノールの存在下で実施され;かつ脱水工程は約25〜80℃の温度で無水エタノールにより実施される。
【0061】
水性塩基反応及び中和は、当業者に公知である有機溶媒の存在下で実施できる。特定の実施態様において、溶媒は、水性塩基により処理された場合にSNS-595-水和物を溶解でき、同時にそれに続く中和の後でSNS-595水和物を沈殿させることができる。いくつかの実施態様において、工程(a)又は工程(b)は、エタノール又はメタノールの存在下で実施される。いくつかの実施態様において、工程(a)又は工程(b)は、エタノールの存在下で実施される。いくつかの実施態様において、工程(a)及び工程(b)は、それぞれエタノールの存在下で実施される。工程(a)又は(b)を実施するのに好適なエタノール又はメタノールの体積は、当業者により容易に決定できる。特定の実施態様において、工程(a)又は工程(b)は、エタノール又はメタノールの存在下で実施され、水性塩基は、体積で約1から約20%のエタノール又はメタノールである。特別な実施態様において、水性塩基は、体積で約3、5、10、又は15%のエタノールである。
【0062】
いくつかの実施態様において、工程(c)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.03%の化合物4を含む。いくつかの実施態様において、工程(c)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.02%の化合物4を含む。いくつかの実施態様において、工程(c)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.01%の化合物4を含む。いくつかの実施態様において、工程(c)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.03%、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を含む。
【0063】
化合物3は、化合物1と
【化24】

化合物2との反応により得られる。
【化25】

【0064】
化合物1は、当業者により好適であると考えられる任意の原料又は方法により製造又は得ることができる。例示的な方法は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる国際公開第2007/146335号に記載されている。
【0065】
いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、約0から0.7%の化合物1を含む混合物として存在する。いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、約0から0.6%の化合物1を含む混合物として存在する。いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、約0から0.3%の化合物1を含む混合物として存在する。いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、0から0.7%、0から0.6%、又は0から0.3%の化合物1を有する混合物として存在する。いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、0から0.7%、0から0.6%、又は0から0.3%の化合物1を含む混合物として存在する。いくつかの実施態様において、化合物3は、混合物の総重量に対して、0から0.7%、0から0.6%、又は0から0.3%の化合物1から基本的になる混合物として存在する。
【0066】
(4.2(b)湿式Ν,Ν-ジイソプロピルエチルアミン法)
特定の実施態様において、化合物1を、アセトニトリル中でΝ,Ν-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及び水の存在下で化合物2と反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ることができ、それを次に水性塩基と反応させて、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることができる。
【0067】
化合物1が、アセトニトリル中でDIPEA及び水の存在下で化合物2と反応する場合、該反応が水の非存在下でなされる場合と比べて、より低レベルの化合物1不純物とともに化合物3が得られることが観察され得る。スキーム7に示されるとおり、水性塩基によるその後の鹸化は、水の非存在下でのDIPEA中の化合物1と化合物2との反応に比べて、化合物4及び化合物5の両方がより低レベルであるSNS-595を与え得る。
【化26】

【0068】
いくつかの実施態様において、化合物3は、
【化27】

化合物1を
【化28】

化合物2と、
【化29】

DIPEA及び水の中で反応させて化合物3を得ることにより製造される。
【0069】
いくつかの実施態様において、アセトニトリル中0.5%から10%の水が使用される。いくつかの実施態様において、アセトニトリル中2%から8%の水が使用される。いくつかの実施態様において、アセトニトリル中4%から6%の水が使用される。
【0070】
いくつかの実施態様において、水は、反応の始まり、その間、又はその終わりに加えることができる。
【0071】
いくつかの実施態様において、該方法は約25℃で実施される。いくつかの実施態様において、該反応混合物を加熱して、化合物1の消費をもたらすことができる。いくつかの実施態様において、該方法は、最初に約25℃の温度で、次いでより高い温度で実施される。いくつかの実施態様において、より高い温度は還流温度未満である。特別な実施態様において、反応開始時の温度は25℃であり;そのような温度は所望の時間維持され、その後温度が約40〜50℃に上げられ、第2の所望の期間約40〜50℃に維持される。さらなる実施態様において、該方法は、最初に約25℃の温度で約12時間、その後に約40〜45℃の温度で約3〜5時間実施される。
【0072】
いくつかの実施態様において、得られた実質的に純粋な化合物3は、実質的に純粋な化合物3の総重量に対して、約0から0.1%、約0から0.05%、又は約0から0.03%の化合物1を含む。
【化30】

いくつかの実施態様において、得られた実質的に純粋な化合物3は、0から0.1%、0から0.05%、又は0から0.03%の化合物1を含む。
【0073】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって:
(a)化合物1を
【化31】

化合物2と
【化32】

DIPEA及び水の中で反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ること;及び
【化33】

(b)該実質的に純粋な化合物3を水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;及び
(c)工程(a)で得られた該一次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む方法が本明細書に提供される。
【0074】
いくつかの実施態様において、工程(a)はアセトニトリルの存在下で実施される。
【0075】
いくつかの実施態様において、アセトニトリル中0.5%から10%の水が使用される。いくつかの実施態様において、アセトニトリル中2%から8%の水が使用される。いくつかの実施態様において、アセトニトリル中4%から6%の水が使用される。
【0076】
いくつかの実施態様において、水は、該反応の始まり、その間、又はその終わりに加えることができる。
【0077】
いくつかの実施態様において、該方法は約25℃で実施される。いくつかの実施態様において、該反応混合物を加熱して、化合物1の消費をもたらすことができる。いくつかの実施態様において、該方法は、最初に約25℃の温度で、次いでより高い温度で実施される。いくつかの実施態様において、より高い温度は還流温度未満である。特別な実施態様において、反応開始時の温度は25℃であり;そのような温度は所望の時間維持され、その後温度が約40〜50℃に上げられ、第2の所望の期間約40〜50℃に維持される。いくつかの実施態様において、工程(a)は、最初に約25℃で、次いで約40〜45℃で実施される。特別な実施態様において、工程(a)は、最初に約25℃で約12時間、次いで約40〜45℃で約3〜5時間実施される。いくつかの実施態様において、工程(a)は約25℃で実施される。
【0078】
いくつかの実施態様において、得られた実質的に純粋な化合物3は、実質的に純粋な化合物3の総重量に対して、約0から0.1%、約0から0.05%、又は約0から0.03%の化合物1を含む。
【化34】

いくつかの実施態様において、得られた実質的に純粋な化合物3は、0から0.1%、0から0.05%、又は0から0.03%の化合物1を含む。
【0079】
いくつかの実施態様において、水性塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムである。いくつかの実施態様において、水性塩基は、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムである。いくつかの実施態様において、水性塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施態様において、水性塩基は、約0.6〜1.1 Mのモル濃度を有する。いくつかの実施態様において、水性塩基は、約0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、又は約1.1 Mのモル濃度を有する、水酸化物の水溶液である。
【0080】
いくつかの実施態様において、工程(b)は、エタノール又はメタノールの存在下で実施される。いくつかの実施態様において、工程(b)はエタノールの存在下で実施される。工程(b)を実施するのに好適なエタノール又はメタノールの体積は、当業者により容易に決定できる。特定の実施態様において、工程(b)は、エタノール又はメタノールの存在下で実施され、水性塩基は体積で約1から約20%のエタノール又はメタノールである。特別な実施態様において、水性塩基は、体積で約3、5、10、又は約15%のエタノールである。
【0081】
いくつかの実施態様において、酸は、工程(b)において、化合物3を水性塩基と反応させた後で加えられて、pHを6.0〜8.0に調整する。好適な酸には、酢酸、塩化水素酸、硫酸などがあるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、該酸は酢酸である。特定の実施態様において、pHは約7.3〜7.7に調整される。
【0082】
特定の実施態様において、工程(b)の水性塩基は水酸化ナトリウムであり;工程(b)において、化合物3が水酸化ナトリウムと反応した後に、pHは酢酸により約7.3から7.7に調整され;かつ工程(b)はエタノールの存在下で実施される。
【0083】
いくつかの実施態様において、工程(c)の一次SNS-595水和物はエタノールにより脱水される。いくつかの実施態様において、該エタノールは無水である。特別な実施態様において、該無水エタノールは0.5%未満の水を含む。いくつかの実施態様において、工程(c)の一次SNS-595水和物は、約25〜80℃、約40〜80℃、約60〜80℃、又は約80℃の温度で、無水エタノールにより脱水される。
【0084】
特定の実施態様において、工程(b)から得られた実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.02%又は約0から0.01%の化合物4を含む。
【化35】

いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を有する。いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.02%、又は0から0.01 %の化合物4から基本的になる。いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を含む。
【0085】
いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.02%の化合物5を含む。
【化36】

いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は0から0.02%の化合物5を有する。いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.02%の化合物5から基本的になる。いくつかの実施態様において、工程(b)から得られる実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.02%の化合物5を含む。
【0086】
いくつかの実施態様において、工程(b)で得られる実質的に純粋なSNS-595物質は再処理される。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって:
(a)化合物1を
【化37】

化合物2と
【化38】

DIPEA及び水の存在下で反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ること;
【化39】

(b)実質的に純粋な化合物3を第1の水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;
(c)工程(b)で得られた該一次SNS-595水和物を脱水して、SNS-595物質を形成すること;
(d)工程(c)から得られたSNS-595物質を第2の水性塩基と反応させ、次いで中和して、二次SNS-595水和物を得ること;及び
(e)工程(d)で得られた該二次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む方法が本明細書に提供される。
【0087】
(4.3組成物)
実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物が提供される。実質的に純粋なSNS-595物質から基本的になる組成物も提供される。実質的に純粋なSNS-595物質からなる組成物も提供される。
【0088】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質が、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.03%の化合物4を含む組成物も提供される。
【化40】

いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、約0から0.02%又は約0から0.01%の化合物4を含む。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.03%、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を含む。
【0089】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び、約0.03 重量%以下、約0.02 重量%以下、又は約0.01 重量%以下の化合物4から基本的になる、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.03 重量%以下、0.02 重量%以下、又は0.01 重量%以下の化合物4から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.03 重量%以下、0.02 重量%以下、又は0.01 重量%以下の化合物4からなる。
【0090】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、製造時に約0から0.03%、約0から0.02%、又は約0から0.01%の化合物4を含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時に0から0.03%、0から0.02%、又は0から0.01%の化合物4を含む。
【0091】
いくつかの実施態様において、製造時にSNS-595及び、約0.03 重量%以下、約0.02 重量%以下、又は約0.01 重量%以下の化合物4から基本的になる、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.03 重量%以下、0.02 重量%以下、又は0.01 重量%以下の化合物4から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.03 重量%以下、0.02 重量%以下、又は0.01 重量%以下の化合物4からなる。
【0092】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質が、実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.04%の化合物5を含む組成物が提供される。
【化41】

いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、約0から0.03%、又は約0から0.02%の化合物5を含む。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、0から0.04%、0から0.03%、又は0から0.02%の化合物5を含む。
【0093】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び、約0.04 重量%以下、約0.03 重量%以下、又は約0.02 重量%以下の化合物5から基本的になる、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.04 重量%以下、0.03 重量%以下、又は0.02 重量%以下の化合物5から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.04 重量%以下、0.03 重量%以下、又は0.02 重量%以下の化合物5からなる。
【0094】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、製造時に、約0から0.04%、約0から0.03%、又は約0から0.02%の化合物5を含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時に0から0.04%、0から0.03%、又は0から0.02%の化合物5を含む。
【0095】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質は、製造時にSNS-595及び、約0.04 重量%以下、約0.03 重量%以下、又は約0.02 重量%以下の化合物5から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.04重量%以下、0.03 重量%以下、又は0.02 重量%以下の化合物5から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.04 重量%以下、0.03 重量%以下、又は0.02 重量%以下の化合物5からなる。
【0096】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質が、該組成物の総重量に対して約0から0.07%の化合物4と化合物5との合計を含む、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、約0から0.05%の化合物4と化合物5との合計を含む。いくつかの実施態様において、該実質的に組成物は、約0から0.03%の化合物4と化合物5との合計を含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、0から0.07%、0から0.05%、又は0から0.03%の化合物4と化合物5との合計を含む。
【0097】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び、約0.07 重量%以下、約0.05 重量%以下、又は約0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計から基本的になる、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.07 重量%以下、0.05 重量%以下、又は0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、SNS-595及び、0.07 重量%以下、0.05 重量%以下、又は0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計からなる。
【0098】
いくつかの実施態様において、該実質的に純粋なSNS-595物質は、製造時に約0から0.07%、約0から0.05%、又は約0から0.03%の化合物4と化合物5との合計を含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時に0から0.07%、0から0.05%、又は0から0.03%の化合物4と化合物5との合計を含む。
【0099】
いくつかの実施態様において、製造時に、SNS-595及び、約 0.07 重量%以下、約0.05 重量%以下、約0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計から基本的になる、実質的に純粋なSNS-595物質が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.07 重量%以下、0.05 重量%以下、又は0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造時にSNS-595及び、0.07 重量%以下、0.05 重量%以下、又は0.03 重量%以下の化合物4と化合物5との合計からなる。
【0100】
SNS-595及び水を含む溶液中の化合物5の存在は、準可視の微細な粒子をもたらし得る。微視的な又は準可視な粒子の存在は、当業者により好適であると考えられる任意の技術により決定できる。例えば、粒子の数は、その全体が引用により本明細書に組み込まれ以下に記載される米国薬局方-国民医薬品集一般章788(USP-NF General Chapter 788)に詳述される光遮蔽法により測定できる。別法としては、Brightwell Technologies社から市販されているものなど、フローイメージング技術を利用して、組成物の粒子状物質含量を決定できる。
【0101】
いくつかの実施態様において、組成物の10 mLごとに約100 mgの実質的に純粋なSNS-595物質が存在し;かつ該組成物が、該組成物の10 mLあたり25ミクロン以上の粒子を、80以下、70以下、60以下、50以下、40以下、30以下、20以下、15以下、10以下、又は5以下有する組成物が提供される。
【0102】
いくつかの実施態様において、組成物の10 mLごとに約100 mgのSNS-595が存在し;かつ該組成物が、該組成物の10 mLあたり10ミクロン以上の粒子を、3000以下、2500以下、2000以下、1500以下、1000以下、800以下、645以下、600以下、300以下、100以下有する組成物が提供される。
【0103】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.3 mg以下、0.2 mg以下、又は0.1 mg以下の化合物4を含む組成物が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、実質的に純粋なSNS-595物質、例えば、100 mLの溶液あたり実質的に純粋なSNS-595物質の10グラムあたり3 mg以下の化合物4の水溶液である。いくつかの実施態様において、該組成物はソルビトールをさらに含む。いくつかの実施態様において、該ソルビトールは、ソルビトールの4.5%水溶液を与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該組成物はメタンスルホン酸をさらに含む。いくつかの実施態様において、該メタンスルホン酸は、溶液に2.5のpHを与える量で存在する。
【0104】
いくつかの実施態様において、該組成物は、溶液の100 mLあたり下記から基本的になる水溶液である:
(a)SNS-595及び化合物4からなり、1グラムあたり0.3 mg以下の化合物4を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
そのような溶液のアリコート、例えば10 mLのそのような溶液を含む容器を含む製品も提供される。
【0105】
SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.4 mg以下、0.3 mg以下、又は0.2 mg以下の化合物5を含む組成物。いくつかの実施態様において、該組成物は、実質的に純粋なSNS-595物質、例えば、100 mLの溶液あたり実質的に純粋なSNS-595物質の10グラムあたり0.4 mg以下の化合物5の水溶液である。いくつかの実施態様において、該組成物はソルビトールをさらに含む。いくつかの実施態様において、該ソルビトールは、ソルビトールの4.5%水溶液を与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該組成物はメタンスルホン酸をさらに含む。いくつかの実施態様において、該メタンスルホン酸は、溶液に2.5のpHを与える量で存在する。
【0106】
いくつかの実施態様において、該組成物は、溶液の100 mLあたり下記から基本的になる水溶液である:
(a)SNS-595及び化合物5からなり、1グラムあたり0.4 mg以下の化合物5を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
そのような溶液のアリコート、例えば10 mLのそのような溶液を含む容器を含む製品も提供される。
【0107】
SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む組成物。SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.4 mg以下、0.3 mg以下、又は0.2 mg以下の化合物5を含む組成物。いくつかの実施態様において、該組成物は、実質的に純粋なSNS-595物質、例えば、100 mLの溶液あたり実質的に純粋なSNS-595物質の10グラムあたり4 mg以下の化合物5の水溶液である。いくつかの実施態様において、該組成物はソルビトールをさらに含む。いくつかの実施態様において、該ソルビトールは、ソルビトールの4.5%水溶液を与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該組成物はメタンスルホン酸をさらに含む。いくつかの実施態様において、該メタンスルホン酸は、溶液に2.5のpHを与える量で存在する。
【0108】
いくつかの実施態様において、該組成物は、溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液である:
(a)SNS-595、化合物4、及び化合物5からなり、1グラムあたり0.7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
そのような溶液のアリコート、例えば10 mLのそのような溶液を含む容器を含む製品も提供される。
【0109】
さらに、SNS-595及び水を含む溶液中の化合物4の存在は、可視粒子の形成をもたらし得る。どのような理論にも限定されるものではないが、可視粒子は、化合物4から誘導され得る化合物6を含み得る。
【化42】

どのような理論にも限定されるものではないが、化合物4は、ホルムアルデヒドに曝されると、反応して化合物6を形成し得る。実際に、化合物4がホルムアルデヒドにより処理されると、化合物6の形成が観察された。
【0110】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質が水溶液中に与えられる場合、当分野に公知である方法に比べて、より少量の化合物4及び5を含み、したがってより少量の粒子、例えば化合物6を含む実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法が提供される。
【0111】
いくつかの実施態様において、当分野に公知である方法に比べて、より少量の化合物7を含む実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法が提供される。
【化43】

【0112】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、可視粒子を基本的に含まず、時間が経過しても安定である組成物が提供される。いくつかの実施態様において、該組成物は、1、2、4、6、8、10、12、15、20、又は25日間安定である。いくつかの実施態様において、該組成物は、1、3、6、9、12、18、24、36、又は42か月間安定である。いくつかの実施態様において、該組成物は、製造の時から安定である。いくつかの実施態様において、該組成物はホルムアルデヒドと接触した場合に安定である。いくつかの実施態様において、該組成物は、化合物4を
【化44】

化合物6に
【化45】

変換できる化合物と接触した場合に安定である。
【0113】
記載のとおり、可視粒子は、いくつかの実施態様において、少なくとも50μm、少なくとも75μm、少なくとも100μm、少なくとも150μm、又は少なくとも200μmの平均直径を有し得る。いくつかの実施態様において、該可視粒子は、約50〜500μm、約50〜300μm、約100〜500μm、又は約100〜300μmの平均直径を有する。
【0114】
結晶化度及び晶癖は、当業者に公知である方法を利用して決定できる。例えば、結晶化度及び晶癖は、偏光顕微鏡により評価できる。いくつかの実施態様において、可視粒子は結晶性粉体である。いくつかの実施態様において、可視粒子の晶癖は、約45μmから約150μm、又は約50μmから約100μmの板のものである。
【0115】
組成物中の可視粒子の検出は、当業者により好適であると考えられる任意の技術により測定できる。例えば、可視粒子は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる欧州薬局方5.0、セクション2.9.20に詳述されている方法により検出できる。特定の例示的な技術は以下により詳細に記載される。
【0116】
いくつかの実施態様において、可視粒子の存在は、約2000から3750ルクスの照度で測定される。
【0117】
いくつかの実施態様において、該可視粒子は化合物6を含む。
【0118】
いくつかの実施態様において、該可視粒子は化合物7を含む。
【0119】
いくつかの実施態様において、当分野に公知である方法に比べて、その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国薬局方<788>注射液中の粒子状物質中の光遮蔽粒子計数試験により検出される準可視粒子をより少量含む、実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法が提供される。いくつかの実施態様において、準可視粒子は、化合物5、6、及び/又は7の1種以上を含む。
【0120】
いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、光遮蔽により測定して、バイアルあたり10μm以上の準可視粒子6000以下、バイアルあたり10μm以上の準可視粒子3000以下、又はバイアルあたり10μm以上の準可視粒子1000以下を含む組成物が本明細書において提供される。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、光遮蔽により測定して、バイアルあたり25μm以上の準可視粒子粒子600以下、バイアルあたり25μm以上の準可視粒子粒子300以下、又はバイアルあたり25μm以上の準可視粒子100以下を含む組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、顕微鏡による評価により測定して、バイアルあたり10μm以上の準可視粒子3000以下、バイアルあたり10μm以上の準可視粒子1500以下、又はバイアルあたり10μm以上の準可視粒子300以下を含む組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、顕微鏡による評価により測定して、バイアルあたり25μm以上の準可視粒子300以下、バイアルあたり25μm以上の準可視粒子150以下、又はバイアルあたり25μm以上の準可視粒子30以下を含む組成物が本明細書に提供される。
【0121】
いくつかの実施態様において、該組成物はソルビトールを含む。さらなる実施態様において、該組成物はメタンスルホン酸を含む。さらなる実施態様において、該ソルビトールは、ソルビトールの4.5%水溶液を与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該メタンスルホン酸は、2.5のpHを与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該組成物は安定である。
【0122】
いくつかの実施態様において、該組成物は、100 mgの実質的に純粋なSNS-595物質、450 mgのD-ソルビトール、水、及びメタンスルホン酸から基本的になり、メタンスルホン酸は2.5のpHを与える量で存在し、水は10 mLの総組成物体積を与える量で存在する。いくつかの実施態様において、該組成物は安定である。
【0123】
いくつかの実施態様において、該組成物は、水、実質的に純粋なSNS-595物質、ソルビトール、及びメタンスルホン酸から基本的になる。いくつかの実施態様において、該組成物は安定である。
【0124】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び0.03重量%以下の化合物4から基本的になる組成物が提供される。
【化46】

【0125】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び0.04重量%以下の化合物5から基本的になる組成物が提供される。
【化47】

【0126】
いくつかの実施態様において、SNS-595及び0.07重量%以下の化合物4と化合物5との合計から基本的になる組成物が提供される。
【化48】

【0127】
いくつかの実施態様において、SNS-595及びSNS-595の1グラムあたり0.3 mg以下の化合物4を含む組成物が提供される。
【化49】

【0128】
いくつかの実施態様において、SNS-595及びSNS-595の1グラムあたり0.4 mg以下の化合物5を含む組成物が提供される。
【化50】

【0129】
いくつかの実施態様において、SNS-595及びSNS-595の1グラムあたり0.7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む組成物が提供される。
【化51】

【0130】
いくつかの実施態様において、溶液の100 mLあたり下記から基本的になる組成物が提供される:
(a)SNS-595及び化合物4からなり、1グラムあたり3 mg以下の化合物4を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
【化52】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。いくつかの実施態様において、そのような溶液の10 mLを含む容器を含む製品が提供される。
【0131】
いくつかの実施態様において、溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液が提供される:
(a)SNS-595及び化合物5からなり、1グラムあたり4 mg以下の化合物5を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
【化53】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。いくつかの実施態様において、そのような溶液の10 mLを含む容器を含む製品が提供される。
【0132】
いくつかの実施態様において、溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液が提供される:
(a)SNS-595、化合物4、及び化合物5からなり、1グラムあたり7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
【化54】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。いくつかの実施態様において、そのような溶液の10 mLを含む容器を含む製品が提供される。
【0133】
式6の化合物又はその医薬として許容し得る塩も本明細書に提供される。
【化55】

【0134】
式7の化合物又はその医薬として許容し得る塩も本明細書に提供される。
【化56】

【実施例】
【0135】
(6.実施例)
特許請求される主題の特定の実施態様が、以下の非限定的な実施例により説明される。
【0136】
(実施例1:再処理による化合物4の低減)
上述のとおり、化合物1と化合物2との反応は、化合物3と残存する化合物1との混合物の形成をもたらすことができる。次いでこの混合物の水性塩基による処理、すなわち、例えば水酸化ナトリウム水溶液による鹸化条件は、SNS-595、化合物4、及び化合物5の混合物の形成をもたらすことができる。しかし、この混合物を再び鹸化条件に付す、すなわち再処理すると、生じる生成物は、上記スキーム6に見られるとおり、より少量の化合物4を含むSNS-595を含み得る。
【0137】
実験を実施して、化合物4の残存レベルに対するSNS-595のそのような再処理の効果を評価した。これらの実験の結果を表1に示す。
【表1】

【0138】
(実験1)
水酸化ナトリウム(0.15 g)の水(5 mL)溶液に、SNS-595(0.98 g)、化合物4(0.010 g)、及びエタノール(EtOH)(1 mL)を加えた。該混合物を濾過し、濾液のHPLC分析は化合物4が(面積で)約0.7%であることを示した。酢酸をゆっくりと加えて濾液のpHを6に調整し、該溶液を加熱してSNS-595水和物を沈殿させた。該スラリーを冷却し濾過すると、SNS-595水和物を与えた。該固体のHPLC分析は、(面積で)0.06%の化合物4を有することを示し、化合物4の約10分の1の低減が起こったことを示した。該固体を、水酸化ナトリウム水溶液(6 mLの水中0.18 g)及びEtOH(1 mL)を利用して再処理に付し、次いで酢酸水溶液によりpHを調整した。加熱後、該固体を濾過すると、化合物4が0.01%未満であるSNS-595水和物を与え、混在物の量の少なくともさらに6分の1の低減を示した。
【0139】
(実験2)
SNS-595(約1mg)を、1%の化合物4と混ぜた。再処理条件、すなわちNaOHによる処理の後のこの混合された試料のHPLC分析は、面積で0.89%の化合物4を示した。次いで、この物質をpH調整し、固体を上述のとおり単離した。HPLC分析は面積で0.06%の化合物4を示し、上記の第1の実験と一致して、約10分の1の化合物4の低減が起こったことを示した。この物質を、再び再処理条件に付すと、検出可能な化合物4を有しないSNS-595物質を与え、この混在物の量の少なくとも6分の1の低減を示した。
【0140】
(規模拡大実験)
実験3〜9を実施して、この方法の規模拡大可能性を評価した。例示的な手順として、実験8の手順を与える。実験3〜9の結果を以下及び表1にまとめる。
【0141】
(大規模再処理のための例示的手順(実験8))
NaOH(0.2 kg)の水(4.8 kg)溶液に、化合物4を(重量で約0.24%)有するSNS-595(1.49 kg)を加えた。該混合物に、EtOH(0.13 kg)を加えた。該溶液を濾過し、酢酸水溶液をゆっくりと加えて、濾液のpHを7.3〜7.7に調整した。該混合物を55〜65℃に加熱し、冷却し、濾過した。濾過ケーキを水、EtOHで洗浄し、真空下で乾燥させると、(重量で)0.013%の化合物4を有するSNS-595水和物(1.36 kg)を与えた。該水和物(1.36 kg)を、67〜78℃のEtOH(23 kg)中にスラリー化して脱水した。冷却後、該混合物を濾過し、EtOHで洗浄し、真空下で65〜75℃で乾燥させると、0.005%未満の化合物4を有するSNS-595物質(1.0 kg)を与えた。
【0142】
(規模拡大実験の概要)
【0143】
実験3において、0.3%の化合物4を有する25 gのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.01%の化合物4を示し、化合物4の約30分の1の低減が起こったことを示した。
【0144】
実験4において、0.2%の化合物4を有する25 gのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.005%の化合物4を示し、化合物4の約40分の1の低減が起こったことを示した。
【0145】
実験5において、0.1%の化合物4を有する25 gのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.002%の化合物4を示し、化合物4の約50分の1の低減が起こったことを示した。
【0146】
実験6において、0.02%の化合物4を有する40 gのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.004%の化合物4を示し、化合物4の約5分の1の低減が起こったことを示した。
【0147】
実験7において、0.02%の化合物4を有する200 gのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.005%未満の化合物4を示し、化合物4の約4分の1の低減が起こったことを示した。
【0148】
実験8において、0.02%の化合物4を有する1.49 kgのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整した。HPLC分析は面積で0.005%未満の化合物4を示し、化合物4の約4分の1の低減が起こったことを示した。
【0149】
実験9において、0.02%の化合物4を有する1.2 kgのSNS-595を再処理条件、すなわち水酸化ナトリウムに曝し、次いでpH調整し、脱水した。生じたSNS-595のHPLC分析は面積で0.015未満%の化合物4を示し、化合物4の約2分の1の低減が起こったことを示した。
【0150】
(実施例2:化合物6の量の低減)
議論されたとおり、SNS-595溶液中の化合物4の存在は可視粒子の形成を伴うことがあり、それは、どのような理論にも限定されないが、化合物6を含む。実験を実施して、時間経過に伴う化合物6の形成に対する化合物4レベル低減の効果を評価した。
【0151】
4種の異なる試料医薬品溶液を、以下の表2に概説される異なるレベルの化合物4を有する原薬から調製した。試料1は、実験6(実施例1に記載)から得られた再処理済み生成物を使用し、0.005%未満の化合物4を有した。化合物4の外部添加がなされる場合はいつでも、化合物4を最初に5 mMのNaOH水溶液に溶かした。統一性の目的で、全部で2%のNaOH水溶液を、医薬品試料のそれぞれに加えた。
【0152】
種々の医薬品試料を、0.22μmPVDF SteriCupフィルターを通して2回濾過した。事前にオートクレーブにかけ濾過されたこれらの医薬品試料を、製造及び遮光室温(RT)保存の6日後に化合物4の含量に関して分析した。図1及び表2は、医薬品中の化合物6の量が、SNS-595原薬中の化合物4のレベルに直接相関があることを示す。
次いで、濾過された医薬品試料を、30 mLのショットガラスバイアルに充填し、栓をした。バイアル充填及び栓は、層流フード中で行った。この試験で使用したバイアル及び栓は、使用前に、濾過済みの水ですすいで、層流フード中で風乾した。使用前に、バイアルは発熱物質除去をせず、栓は滅菌しなかった。充填して栓をしたバイアルをクリンプシールし、オートクレーブ処理して、直立したまま遮光して、40℃/相対湿度(RH)75%で保存した。65日間の保存の後、バイアルを可視粒子の存在について検査し、化合物6含量に関してHPLCにより分析した。0.01%未満の化合物4を有する試料(エントリー1)の分析は、得られた医薬品が65日後に可視粒子を全く有さず、検出可能な量の化合物6を有さないことを示した。0.02%以上の化合物4を有する試料の実験は、同じ期間中の化合物6及び可視粒子の著しい形成を示した(試料2〜4)。65日後の化合物6の量は、SNS-595物質中の化合物4の初期の量に直接相関した。
【表2】

【0153】
(実施例3:含水DIPEAによる化合物4及び5の低減)
実験を実施して、DIPEAの存在下での化合物1と化合物2との反応に対する水の影響を評価した。実験を実施して、反応の初めの間の水の添加の効果を、反応の最後での水の添加と比較した。
【0154】
化合物1と化合物2とが水の非存在下で40〜45℃で反応する場合、生成物の分析は、面積で0.26%から0.31%の残存する化合物1を示した。
【0155】
第2系列の実験において、化合物1と化合物2とを室温で12時間反応させ、次いで40〜45℃に3〜5時間加熱した。これらの実験において、反応の初めに水を加えた。生成物の分析は、面積で0.01%から0.08%の残存する化合物1を示した。
【0156】
第3系列の実験において、化合物1と化合物2とを室温で12時間反応させ、次いで45℃に3時間加熱した。これらの実験において、反応の最後に水を加えた。生成物の分析は、面積で0.03%から0.09%の残存する化合物1を示した。
上記の実験を、以下の表にまとめる。
【表3】

【0157】
下記は、上記表3に記載された実験の例示的な手順である。
【0158】
化合物2(1.55 kg)のアセトニトリル(ACN;10 L)中のスラリーに、DIPEA(4 L)及び水(0.5 L)を加えた。該溶液に、化合物1(1 kg)及びACN(1 L)を加え、反応物を約12時間室温で攪拌した。次いで、該反応混合物を約45℃に約2〜6時間加熱した。冷却後、生成物を濾過し、ACN(4 L)で洗浄し、真空下で乾燥させると、化合物3(1.1 kg)を与えた。HPLC分析は、この物質が0.1%未満の化合物1を含むことを示した。
実験を実施して、SNS-595の製造の間に生じる化合物4のレベルに対する、残存する化合物1のレベルの影響を測定した。これらの実験は、化合物3中の化合物1のレベルと、得られるSNS-595物質中の化合物4のレベルとの間の相関を示した。実験室規模の実験は、0.1%未満の化合物1を有する化合物3物質を使用すると、0.01%未満の化合物4を有するSNS-595物質を与えることも示した。これらの実験の結果を、以下の表4及び図2にまとめる。
【表4】

【0159】
下記は、上記表4に記載された実験の例示的な手順である。
【0160】
化合物3(0.9 kg)(0.1%未満の化合物1を有する)を、水酸化ナトリウム(0.14 kg)の水(3.3 kg)及びEtOH(0.16 L)の溶液に加えた。該混合物を約12時間攪拌し、濾過して不溶性物質を除去した。酢酸水溶液により、濾液のpHを7.3〜7.7に調整した。得られた混合物を約60℃に2〜4時間加熱し、冷却して濾過した。濾過ケーキを水、EtOHで洗浄し、真空下で乾燥させた。生じたSNS-595水和物を、約70℃のEtOH(20 L)に約4時間スラリー化し、冷却して濾過した。濾過ケーキをEtOHで洗浄し、真空下で55〜75℃で乾燥させると、0.005%未満の化合物4を有するSNS-595物質(0.66kg)を与えた(表4、エントリー7)。
【0161】
類似の方法で、実験を実施して、SNS-595中の化合物5レベルに対する、残存する化合物1のレベルの影響を測定した。これらの実験は、化合物3中の化合物1のレベルと、SNS-595中の化合物5のレベルとの間の相関を示した。これらの実験の結果を、以下の表5及び図3にまとめる。
【表5】

【0162】
(実施例4:注射又は静注に好適な医薬組成物及び粒子不純物の測定)
好適なSNS-595医薬組成物の代表例は下記を含む:メタンスルホン酸によりpH2.5に調整された4.5%ソルビトール水溶液の1mLあたり10mgの実質的に純粋なSNS-595原薬。そのような溶液を製造する一のプロトコールは、100mg/10mL提示(presentation)を製造するために下記を含む:100 mgの実質的に純粋なSNS-595物質(本明細書に記載される方法に従って製造)及び450 mgのD-ソルビトールを蒸留水に加える;体積を10mlにする;メタンスルホン酸により、得られた溶液のpHを2.5に調整する。
【0163】
得られるSNS-595組成物は、可視粒子を基本的に含まず安定であろう。
【0164】
述べられたとおり、粒子状物質の存在は、任意の従来技術により決定できる。例えば、可視粒子の存在は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる欧州薬局方5.0、セクション2.9.20により記載される方法により測定できる。具体的には、(1)垂直に固定された適切な大きさの艶消し黒色パネル;(2)該黒色パネルの隣に垂直に固定された適切な大きさの反射防止白色パネル;及び(3)笠の付いた好適な白色光源及び好適な光拡散器を備えた調整可能なソケット(例えば、それぞれ長さが525 mmである2つの13 W蛍光灯を含む観察用照明器)を含む観察ステーションを有する装置を使用する。観察点での照度を、2000ルクスから3750ルクスに維持する。粘着レベルを容器から除去する。容器の外側を洗浄し、外側を乾燥させる。気泡が入らないようにしながら容器をやさしく回転又は反転させ、白色パネルの前で容器を約5秒間観察して可視粒子の存在を決定する。次いで、黒色パネルの前で容器を約5秒間観察して、可視粒子の存在を決定する。いずれかのパネルの前で見て可視粒子を検出したら、対応する容器を不合格とする。
【0165】
さらに、その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国薬局方-国民医薬品集一般章788に記載される光遮蔽粒子計数試験法を利用できる。具体的には、粒子の大きさ及び大きさごとの粒子の数の自動測定を可能にする、光の遮断の原理に基づく好適な装置を使用する。該装置を、10μmと25μmの間の公知の大きさの球形粒子、米国薬局方粒子計数標準試料の分散液を使用して校正する。これらの標準粒子は、粒子を含まない水に分散される。分散の間に粒子の凝集を防ぐように注意する。
【0166】
粒子状物質を例えば層流キャビネットに限定する条件下で試験を実施する。メンブランフィルター以外の使用されるガラス器具及び濾過装置を、温かい洗剤溶液で非常に注意深く洗浄し、十分な量の水ですすぎ、洗剤を全て除く。使用の直前に、装置を、粒子を含まない水で、上から下まで、外側に次いで内側をすすぐ。
【0167】
試験すべき調合物の一部を測定が実施される容器に移す場合は特に、調合物に気泡を入れないように注意する。環境が試験に好適であり、ガラス器具が適切に洗浄され、使用される水が粒子を含まないことを確認するために、下記の試験を実施する:以下に記載される方法に従い、それぞれ5 mLの粒子を含まない水5試料中の粒子状物質を測定する。10 μm以上の大きさの粒子数が25 mL全体で25を超えたら、試験のためにとられた注意は十分でない。環境、ガラス器具、及び水が試験に好適になるまで、準備工程を繰り返す。
【0168】
容器を20回連続でゆっくりと反転することにより、試料の内容物を混合する。必要な場合、密封蓋(sealing closure)を注意深く除去する。容器開口部の外表面を、粒子を含まない水の噴流を利用して洗浄し、内容物の汚染を防ぎながら蓋を除く。試料を2分間静置するか、又は超音波処理などの適切な手段により気泡を除く。
【0169】
体積で25 mL未満の低容量非経口製品には、10以上の単位の内容物を洗浄された容器中で合わせて、25 mL以上の体積を得ることができる;好適な数のバイアルの内容物を混合し、粒子を含まない水又は、粒子を含まない水が好適でない場合適切な粒子を含まない溶媒により25 mLに希釈することにより被験溶液を調製できる。体積が25 mL以上の非経口製品は個別に試験できる。
検体の数は、統計的に信頼できる評価を与えるようなものである。高容量非経口又は25 mL以上の体積の低容量非経口には、適切なサンプリング計画に基づき、9単位以下を試験できる。
【0170】
検体から、それぞれ5 mL以上の4試料を除き、それぞれ10 μm以上及び25 μm以上の直径の粒子を計数する。最初の試料で得られた結果を無視し、検体の粒子の平均数を計算する。
【0171】
(実施例5:化合物4の合成)
【化57】

化合物1(100 g;1.0当量)を、625mLの水及び125mLのEtOH中の25gのLiOH-H2O(0.25当量)の溶液に加えた。生じたスラリーを、25〜30℃で一晩攪拌混合した。次いで、該反応混合物を濾過し、500mLの水及び500mLのEtOHで洗浄した。次いで、該固体を50℃で真空中で一晩乾燥させると、化合物4を与えた。
【化58】

.
【0172】
(実施例6:化合物6の合成)
【化59】

化合物4(10 g)を、500mL酢酸に入れた。生じたスラリーを、窒素雰囲気下で室温で15分間攪拌した。次いで、該スラリーを、4.5 Lの37%ホルムアルデヒド水溶液を含む10 L三口丸底フラスコに加えた。次いで、生じたスラリーを60〜62℃で一晩攪拌し、25〜30℃に冷却した。次いで、該反応混合物を濾過し、得られた白色粉体を真空下で25〜30℃で一晩乾燥させた。該固体を150 mLの酢酸に再懸濁させ、室温で3日間攪拌した。次いで、生じたスラリーを濾過し、固体を真空中で一晩乾燥させると、化合物6を与えた。
【化60】

【0173】
化合物6を偏光顕微鏡法により分析して、その結晶化度及び晶癖を評価した。化合物6は、強い複屈折を示すので、偏光顕微鏡で結晶性粉体のように見える。晶癖は、酢酸から単離されると50-100 μmの板のものである。
【0174】
(実施例7:2,6-ジクロロニコチン酸及びN-Boc-3-ピロリンからの実質的に純粋なSNS-595物質の製造)
(2,6-ジクロロニコチン酸からの化合物1の製造)
【0175】
カルボニルジイミダゾール(CDI)(16.4 kg)のテトラヒドロフラン(THF)溶液を、2,6-ジクロロニコチン酸(化合物A)(16 kg)のTHF中のスラリーに加えた。約2時間後、マロン酸エチルカリウム(EtO2CCH2CO2K)(19.4 kg)、トリエチルアミン(25.9 kg)、及び塩化マグネシウム(11.9 kg)を加え、該反応物を約24時間撹拌した。該反応混合物を希HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、NaCl及びNaHCO3水溶液の混合物で洗浄した。有機層をメチルシクロヘキサンで希釈し、減圧蒸留により乾燥させた。該溶液をオルトギ酸トリエチル(17.1 kg)及び無水酢酸(59 kg)により約90から110℃で処理した。反応が完了したと判断した後、過剰の無水酢酸をメチルシクロヘキサンと共に蒸留して除去した。粗生成物を、2-アミノチアゾール(8.2 kg)のTHF溶液により処理した。約2時間後、該反応混合物を炭酸カリウム(13.6 kg)により処理し、該混合物を約6時間撹拌した。水の添加により生成物を沈殿させ、濾過により単離し、ACN-水、ACNにより洗浄すると化合物1(13.1 kg)を与えた。
【化61】

【0176】
(化合物2 N-Boc-3-ピロリンの製造)
【0177】
(±)-3-ブロモ-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(2)。(Tetrahedron Asymmetry, 12 (2002) 2989-2997)
【0178】
N-Boc-3-ピロリンB(296 g, 1.75モル)を、容器の温度を0から10℃に保ちながら、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(270 g, 0.94モル)のアセトニトリル(ACN, 1800 mL)及び水(296 mL)中のスラリーに加えた。添加の後、該反応混合物を室温に温め、反応が完了したと判断されるまで(TLC又はHPLC)撹拌した。該反応物を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(600 mL)の添加によりクエンチし、生成物をジクロロメタン(2×750 mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(300 mL)及びブライン(200 mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4(75 g)で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、化合物B (450 g)を与え、これを次の工程で直接使用した。
【0179】
(6-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸tert-ブチルエステル(化合物D))。水酸化ナトリウム水溶液(NaOH, 1.55 L, 2N)を化合物C(450 g, 1.69モル)に加え、該反応物をおよそ室温で2時間撹拌した。生成物をジクロロメタン(2×1.25 L)で抽出し、合わせた有機層を水(2×750 mL)で中性pHまで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。減圧下での蒸発によりエポキシドD (291.0 g)を与えた。
【0180】
((±)-3-ヒドロキシ-4-メチルアミノ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(化合物E))。メチルアミン水溶液(40%溶液、812 mL、3.8モル)を、室温でエポキシドD(140 g, 0.65モル)に加え、該反応物を完了まで撹拌した。過剰のメチルアミンを減圧下での蒸留により除いた。得られた残渣に、ジイソプロピルエーテル(800 mL)を加え、該混合物を約30分間撹拌した。固体を濾過し、ジイソプロピルエーテル(200 mL)で洗浄し、次いで乾燥させると化合物E(135 g)を与えた。
【0181】
化合物Cからの(±)-3-ヒドロキシ-4-メチルアミノ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(化合物E)
【0182】
10 gのブロモヒドリン(化合物 C)を室温で40%メチルアミン水溶液(50 mL)及び重炭酸ナトリウム(3.1 g)により処理すると化合物E(8.5 g)を与えた。
【0183】
(L-(-)-リンゴ酸を利用する(±)-3-ヒドロキシ-4-メチルアミノ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの分割)。アミノアルコール(化合物 E) (100 g, 0.46モル)を、室温のアセトン(600 mL)及び水(13 mL)の混合物に溶かした。該反応混合物を約40℃に加熱し、L-(-)-リンゴ酸(62 g, 0.48モル)を加えた。該混合物を約50から55℃に加熱すると、透明な溶液を形成し、徐々に室温に冷却し、次いで5から10℃に冷却した。形成した結晶を濾過し、アセトン(2×70 mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させると、リンゴ酸塩F(60 g, 37%)を、キラルHPLC比によるS対Rエナンチオマー(S:R)の純度100:0で与えた。
【0184】
少量の試料を、化合物Gへの転化及び生じた化合物GのキラルHPLC(Chiracel OD-H SC\522;移動相:ヘキサン:IPA 95:5;1 mL/分)による分析により、エナンチオマー純度に関して分析した。S-エナンチオマーの保持時間は7.725分である。
【0185】
((L)-(-)-ピログルタミン酸を利用する(±)-3-ヒドロキシ-4-メチルアミノ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの分割)。アセトン(120 mL)及び水(4 mL)の中で、(L)-(-)-ピログルタミン酸(3.58 g)を利用して化合物E(10 g)を分割すると、ピログルタミン酸塩(5.7 g)を与えた。アセトン-水からの結晶化は、ジアステレオマーの比94:6の4.2 gのPGA塩を与えた。アセトン-水からさらに再結晶化すると、ジアステレオマー的に純粋なPGA塩(2.3 g, >99% de)を与えた。
【0186】
L-(-)-リンゴ酸塩(化合物F)からの、3-(tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(化合物G)の製造
【0187】
化合物F(57 g, 0.16モル)とメタノール(MeOH, 220 mL)との混合物に、K2CO3(68.0 g, 0.49モル)を室温で加えた。Boc無水物(40 g, 0.18モル)を、該反応混合物に約1時間にわたり滴加し、該反応混合物を、反応が完了するまで撹拌した(約2時間)。減圧下約55から60℃でメタノールを留去し、該反応混合物に水(150 mL)を加え、生成物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE, 2×150 mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200 mL)及びブライン(100 mL)で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥させた。減圧下で濃縮すると、化合物Gを白色固体として与えた(52 g)。
【0188】
(3-(tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ)-4-メトキシ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(化合物H))
【0189】
化合物G(52 g, 0.16モル)のTHF(150 mL)中の懸濁液を室温で約30分間撹拌し、-10から-15℃に冷却した。温度を-5から-15℃に制御しながら、カリウムヘキサメチルジシリルアミド(KHMDS、40THF溶液、144 mL、0.256モル)をゆっくりと加えた。15分後、温度を-10から0℃に維持しながら、硫酸ジメチル(18.7 mL, 1.20モル)を該反応混合物に滴加し、次いで生じた反応混合物をこの温度で約30分間撹拌した。該反応混合物を、水(100 mL)、次いで酢酸(50 mL)の添加によりクエンチした。生成物を、メチルtert-ブチルエーテル(2×150 mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(100 mL)、ブライン(50 mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。減圧下で蒸発させると、化合物Hを油として与えた(54 g)。
【0190】
(トルエン-4-スルホン酸(2:1)を使用して製造した(+)-(4-メトキシ-ピロリジン-3-イル)-メチル-アミン(化合物2))
化合物H(54.0 g, 0.163モル)のTHF(180 mL)及びMeOH(90 mL)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(84 g, 0.442モル)を加え、該反応混合物を55〜60℃に約5時間加熱し、その時間に脱保護が完了した。約40〜45℃に冷却した後、0.2 gの化合物2の種結晶を該反応混合物に加えると直ちに結晶化が起こった。該スラリーを40〜45℃に約30分間保ち、次いで徐々に0〜5℃に冷却した。0〜5℃で2時間撹拌した後、固体を濾過し、THF(2×50 mL)で洗浄し、乾燥させると、トシル酸塩化合物2を、白色固体として(66 g)、HPLC純度98.9%で与えた。
【0191】
HPLC条件は以下のとおりである:カラム:Chiralcel AD-H、SC\523;移動相:ヘプタン:IPA (0.5%TFA) = 85:15;流量1.0 mL/分、ランタイム:20分。
【0192】
化合物2の保持時間は12.66分である。この物質の鏡像体過剰率は99%eeより高かった。
【化62】

【0193】
(再処理による実質的に純粋なSNS-595物質の製造)
【0194】
ACN中の化合物2(8.0 kg)の5℃のスラリーに、DIPEA(8.7 kg)を加える。約15分後、化合物1(5.0 kg)を該反応混合物に加える。該反応混合物を約45℃に約3時間加熱し、冷却して、生成物を濾過する。濾過ケークをACNで洗浄し、乾燥させると、化合物3を与える。
【0195】
NaOH(0.8 kg)の水(19.5 kg)溶液に、化合物3(5.5 kg)及びEtOH(0.5 kg)を加える。該反応混合物を濾過し、酢酸を加えて濾液をpH 7.3〜7.7に酸性化する。次いで、該混合物を約55〜65℃に約2時間加熱する。室温に冷却後、該反応混合物を濾過し、水で、次いでEtOHで洗浄する。濾過ケークを真空下で乾燥させる。粗生成物を約80℃のEtOHにスラリー化する。冷却後、生成物を濾過し、EtOHで洗浄し、乾燥させると、SNS-595混合物を与えた。
【0196】
次に、NaOH(0.2 kg)の水(4.8 kg)溶液に、上記で得られたSNS-595混合物(1.49 kg)及びEtOH(0.13 kg)を加える。該反応混合物を濾過し、酢酸水溶液(0.9 kgの酢酸及び2.9 kgの水から調整)の添加により濾液をpH 7.3〜7.7に酸性化する。次いで、該混合物を約55〜65℃に約2時間加熱する。周囲温度に冷却した後、該反応混合物を濾過し、水で、次いでEtOHで洗浄する。濾過ケークを真空下で乾燥させる。粗生成物を約80℃のEtOHにスラリー化する。冷却後、生成物を濾過し、EtOHで洗浄し、乾燥させると実質的に純粋なSNS-595物質を与える。
【0197】
(含水N,N-ジイソプロピルエチルアミンによる実質的に純粋なSNS-595物質の製造)
【0198】
アセトニトリル(ACN; 10 L)中の化合物2(1.55 kg)のスラリーに、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA; 4 L)及び水(0.5 L)を加えた。該溶液に、化合物1(1 kg)及びアセトニトリル(1 L)を加え、該反応物を約12時間室温で撹拌した。次いで、該反応混合物を約45℃に約2〜6時間加熱した。冷却後、生成物を濾過し、ACN(4 L)で洗浄し、真空下で乾燥させると化合物3 (1.1 kg)を与えた。HPLC分析は、この物質が0.1%未満の化合物1を含むことを示した。
【0199】
NaOH(0.135 kg)の水(3.3 L)溶液に、実質的に純粋な化合物3(0.9 kg)及びEtOHを加える。加水分解が完了した後、該反応混合物を濾過し、酢酸水溶液の添加により濾液をpH 7.3〜7.7に酸性化した。次いで、該混合物を約55〜65℃に約2時間加熱した。周囲温度に冷却した後、該反応混合物を濾過し、水で、次いでEtOHで洗浄した。濾過ケークを真空下で乾燥させる。該粗生成物を、約80℃のEtOHにスラリー化した。冷却後、生成物を濾過し、EtOHで洗浄し、乾燥させると、実質的に純粋なSNS-595物質(0.66 kg)を与えた。
【0200】
先に記載された特許請求される主題の実施態様は単に例示的であるものとし、当業者は、通常の実験のみを利用して、特定の化合物、物質、及び手順の数多くの等価物を認識するか、確認することができるだろう。そのような等価物は全て、特許請求される主題の範囲内であると考えられ、添付される請求項により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって:
(a)化合物3を第1の水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;
【化1】

(b)工程(a)の該一次SNS-595水和物を脱水し、脱水された生成物を第2の水性塩基と反応させ、次いで中和して、二次SNS-595水和物を得ること;及び
(c)工程(b)で得られた該二次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む、前記方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の水性塩基がエタノールであり;工程(a)及び(b)の中和が酢酸により実施され;かつ工程(b)及び(c)の脱水がエタノールにより実施される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(c)から得られた前記実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して約0から0.01%の化合物4を含む、請求項2記載の方法
【化2】


【請求項4】
化合物3が、化合物1と
【化3】

化合物2との反応により得られる、請求項1記載の方法
【化4】


【請求項5】
実質的に純粋な化合物3を製造する方法であって、
【化5】

化合物1を
【化6】

化合物2と
【化7】

Ν,Ν-ジイソプロピルエチルアミン及び水の存在下で反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ることを含む、前記方法。
【請求項6】
得られた前記実質的に純粋な化合物3が、該実質的に純粋な化合物3の総重量に対して0から約0.1%の化合物1を含む、請求項5記載の方法
【化8】


【請求項7】
実質的に純粋なSNS-595物質を製造する方法であって、
(a)化合物1を
【化9】

化合物2と
【化10】

Ν,Ν-ジイソプロピルエチルアミン及び水の存在下で反応させて、実質的に純粋な化合物3を得ること;
【化11】

(b)該実質的に純粋な化合物3を水性塩基と反応させ、次いで中和して、一次SNS-595水和物を得ること;及び
(c)工程(a)で得られた該一次SNS-595水和物を脱水して、実質的に純粋なSNS-595物質を得ることを含む、前記方法。
【請求項8】
得られた前記実質的に純粋な化合物3が、該実質的に純粋な化合物3の総重量に対して約0から0.1%の化合物1を含む、請求項7記載の方法
【化12】


【請求項9】
工程(c)から得られた前記実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.01%の化合物4を含む、請求項7記載の方法
【化13】


【請求項10】
工程(b)から得られた前記実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して、約0から0.02%の化合物5を含む、請求項7記載の方法
【化14】


【請求項11】
実質的に純粋なSNS-595物質を含む組成物であって、該実質的に純粋なSNS-595物質が、該実質的に純粋なSNS-595物質の総重量に対して約0から0.03%の化合物4を含む、前記組成物
【化15】


【請求項12】
前記実質的に純粋なSNS-595物質が、前記組成物の製造時に約0から0.01%の化合物4を含む、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
SNS-595及び約0から0.04重量%の化合物5を含む、組成物
【化16】


【請求項14】
前記実質的に純粋なSNS-595物質が、前記組成物の製造時に約0から0.02%の化合物5を含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
SNS-595及び水を含む組成物であって、該組成物の10mLごとに約100 mgのSNS-595が存在し、該組成物が可視粒子を基本的に含まず、かつ該組成物が可視粒子に関して安定である、前記組成物。
【請求項16】
前記組成物が100 mgのSNS-595、450 mgのD-ソルビトール、水、及びメタンスルホン酸から基本的になり、該組成物のpHが約2.5であり、10mLの総組成物体積を与える量で水が存在する、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、化合物4を
【化17】

化合物6に
【化18】

変換できる化合物と接触する場合に、可視粒子に関して安定である、請求項11記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、1、3、6、9、12、18、24、36、又は42か月の間安定である、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
SNS-595及び水を含む組成物であって、該組成物の10 mLごとに約100 mgのSNS-595が存在し、該組成物がその中の準可視粒子の量に関して安定である、前記組成物。
【請求項20】
SNS-595及び0.03 重量%以下の化合物4から基本的になる組成物
【化19】


【請求項21】
SNS-595及び0.04 重量%以下の化合物5から基本的になる組成物
【化20】


【請求項22】
SNS-595及び0.07 重量%以下の化合物4と化合物5との合計を含む組成物
【化21】


【請求項23】
SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.3 mg以下の化合物4を含む組成物
【化22】


【請求項24】
SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.4 mg以下の化合物5を含む組成物
【化23】


【請求項25】
SNS-595及び、SNS-595の1グラムあたり0.7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む組成物
【化24】


【請求項26】
SNS-595及び、組成物の総重量に対して0.15%以下の化合物7を含む組成物
【化25】


【請求項27】
溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液:
(a)SNS-595及び化合物4を含み、1グラムあたり3 mg以下の化合物4を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質
【化26】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
【請求項28】
請求項25の前記溶液10 mLを含む容器を含む製品。
【請求項29】
溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液:
(a)SNS-595及び化合物5からなり、1グラムあたり4 mg以下の化合物5を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
【化27】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
【請求項30】
請求項27記載の前記溶液10 mLを含む容器を含む製品。
【請求項31】
溶液の100mLあたり下記から基本的になる水溶液:
(a)SNS-595、化合物4、及び化合物5からなり、1グラムあたり7 mg以下の化合物4と化合物5との合計を含む10 gの実質的に純粋なSNS-595物質;
【化28】

(b)4.5 gのソルビトール;及び
(c)2.5のpHを与えるのに十分なメタンスルホン酸。
【請求項32】
請求項29記載の前記溶液10 mLを含む容器を含む製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−503899(P2013−503899A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528076(P2012−528076)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/047776
【国際公開番号】WO2011/028979
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(500586635)サネシス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】