安定化されたアントシアニン組成物
アントシアニンは、その化学構造の性質に部分的に起因して、不安定でありかつ分解しやすい傾向を有する。さらに、アントシアニンの安定性は、pH、数ヶ月の期間にわたる貯蔵、貯蔵温度、酵素の存在、光、酸素、ならびにタンパク質、フラボノイドおよび無機質の存在により影響を受ける。本発明は、安定なアントシアニン組成物、当該組成物を調製する方法、および多様な苦痛を治療するための当該組成物の使用方法を記載する。本発明は、アントシアニンおよび安定化化合物の独特の組成物であって、2つの成分の組み合わせが、アントシアニンが酸化、pH不安定性などの分解を容易に受けないことを提供する組成物を記載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2008年3月13日に出願された米国特許出願第12/047,993号、2007年3月15日に出願された同第60/895,034号、2007年7月26日に出願された同第60/952,113号、および2007年11月5日に出願された同第60/985,603号の利益を主張する。米国特許出願第12/047,993号、同第60/895,034号、同第60/952,113号、および同第60/985,603号のそれぞれの内容は、その全てが、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、アントシアニンおよびアントシアニジンを安定化するのに有用な方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
アントシアニンは、多くの花、果実および葉の魅力的な色に関与する水溶性色素である。一般に、それらは、酸性化アルコール性溶媒により植物から抽出され得、多くのものは食物着色料として市販で入手可能である。それらは、しばしば、飲料またはシリアルなどの他の食物に配合するのに適切な濃度の希釈液としてマルトデキストリンと共に供給される。
【0004】
アントシアニンのアグリコン成分であるアントシアニジンは、式Iに示す基本構造を有する。
【0005】
【化1】
代表的な例は、シアニジン(3、5、7、3’、4’位でヒドロキシル化されている)、デルフィニジン(3、5、7、4’、5’位でヒドロキシル化されている)およびペラルゴニジン(3、5、7、3’位でヒドロキシル化されている)である。ヒドロキシル基は、通常、グリコシル化(例えば、アントシアニン)および/またはメトキシル化されている(例えば、マルビジンは、3’および5’ヒドロキシル基で置換され、ペオニジンおよびペツニジンは、3’ヒドロキシル基で置換される)。
【0006】
アントシアニンは、2−フェニルベンゾピリウムまたはフラビリウム塩のポリヒドロキシルおよびポリメトキシル誘導体の水溶性グリコシドである。個々のアントシアニンは、分子中に存在するヒドロキシル基の数、これらのヒドロキシル基のメチル化の程度、分子に結合した糖の性質、数および位置、ならびに分子中の糖に結合した脂肪族または芳香族酸の数および性質が異なる。数百のアントシアニンが単離され、かつ分光測定手段により化学的に特徴づけられてきた。シアニジンおよびそれらの誘導体は、野菜、果実および花中に存在する最も一般的なアントシアニンである。
【0007】
アントシアニンは、上記したように水素、水酸基またはメトキシル基が6つの異なる位置に見出され得る基本炭素骨格を共有する。果実および野菜では、炭素環に存在するヒドロキシル基の数およびこれらのヒドロキシル基のメチル化度の両方が異なる6つの基本的なアントシアニン化合物が主流である。炭素骨格に結合した糖の同一性、数および位置もまた可変性であり、炭素−3、炭素−5および時々炭素−7に結合し得る最も一般的な糖は、グルコース、アラビノース、ラムノースまたはガラクトースである。この基本に基づき、モノシド、ビオシドおよびトリオシドを区別することが可能である。
【0008】
アントシアニンの化学構造に寄与する別の重要な可変物は、糖鎖上に存在し得るアシル化酸である。最も頻繁に用いられるアシル化剤は、カフェイン酸、フェルラ酸、シナピン酸およびp−クマル酸であるが、酢酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸およびコハク酸などの脂肪酸もまた存在し得る。3つまでのアシル化酸が同時に存在し得る。
【0009】
それらの特定の化学構造のために、アントシアニンおよびアントシアニジンは、電子欠乏により特徴づけられ、このことにより、それらはフリーラジカルとしても知られる活性酸素種(ROS)に対して非常に反応性になり、その結果、それらは強力な天然の抗酸化剤であると考えられる。
【0010】
アントシアニンは、それらの化学構造の性質に部分的に起因して、不安定でありかつ分解しやすい傾向を有する。さらに、アントシアニンの安定性は、pH、数ヶ月の期間にわたる貯蔵、貯蔵温度、酵素の存在、光、酸素、ならびにタンパク質、フラボノイドおよび無機質の存在により影響を受ける。
【0011】
より詳細には、アントシアニンの生物学的利用能は、pHの変化に対するそれらの感受性に起因して低い。アントシアニンは、一般に、3.5以下のpH値で安定であるので、胃条件下で安定である。しかしながら、それらは、より高いpH値、より詳細には腸管などにより代表的なpH値(pH7)で分解するので、有利な吸収および栄養価が非常に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、安定化されたアントシアニンを提供する組成物および/または方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、驚くべきことに、安定なアントシアニン組成物、当該組成物を調製する方法および多様な苦痛を治療するための当該組成物の使用方法を提供する。本発明は、アントシアニンおよび安定化化合物の独特の組成物であって、2つの成分の組み合わせが、アントシアニンが分解を容易に受けないことを提供する組成物を記載する。本発明時まで、アントシアニンは、空気、光、タンパク質または酵素などの環境ストレスへの曝露により分解するであろうことが知られていた。より厄介なのは、中性または塩基性のpHを有する溶液中でのアントシアニンの不安定性であった。
【0014】
驚くべきことに、本発明は、システインのアントシアニン組成物(アントシアニジンまたはアントシアノシドのいずれかである)との併用が、アントシアニンを必要とする対象への送達を、システインの非存在下でアントシアニン組成物を経口摂取した対象に対して、少なくとも2倍量に増加させる助けとなることを提供する。驚くべきことに、4時間後のアントシアニンがシステインの存在下で送達される場合のアントシアニンの血漿濃度が、システインの非存在下で送達されたアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量であることが見出された。従って、本発明は、対象に有効量のアントシアニンおよびシステインを投与することにより、対象において生物が利用可能なアントシアニンの量を増加させる方法を提供する。投与はいかなる手段によっても可能であるが、経口送達が一般に好ましい。1つの実施態様では、アントシアニンのシステインに対する比は、重量基準で約10〜約1である。
【0015】
1つの局面では、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む安定化されたアントシアニン抽出物組成物を提供する。安定化化合物の例には、(還元)グルタチオン、ジヒドロリポ酸、システイン、酵母抽出物およびそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
事実上数千のアントシアニン抽出物が存在するが、その全てが本明細書の範囲内に含まれると考えるべきであり、特に重要なアントシアニン抽出物の適切な例には、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物およびそれらの2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。
【0017】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニン抽出物に対する比は、約0.1〜約10、より詳細には約0.5〜約5、およびより詳細には約1〜約1である。
【0018】
別の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物組成物は、約2以上のpH、例えば、約3のpH、約4のpH、約5のpH、約6のpH、約7のpH、約8のpH、約9のpH、約10のpH、または約11のpH、約12もしくはそれ以上の、例えば14のpHを有する水性環境に曝露したときに、分解に対して安定である。
【0019】
別のさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアノシドである。
【0020】
別のなおさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアニジンである。
【0021】
本発明の別のさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、ペラルゴニジン(perlarginidin)、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンのグリコシド(glycosidse)である1つまたはそれ以上のアントシアノシドが挙げられる。
【0022】
本発明はまた、本明細書に記載された安定化されたアントシアニン組成物を調製する方法に関する。
【0023】
本発明はさらに、治療上の有効量の本明細書に記載された安定化されたアントシアニン組成物を投与することにより、多様な病気を治療する方法に関する。
【0024】
従って、本発明はさらに、生物が利用可能な安定化されたアントシアニン組成物を提供する。
【0025】
複数の実施態様が開示されているが、本発明のさらに他の実施態様は、以下の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。明らかに、本発明は、全てが本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の明らかの局面において改変することが可能である。従って、詳細な説明は、事実上例示であり、限定するものではないと考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、グルタチオンまたはDHLAの1ミリモル濃度溶液中のcy−3−O−グルコシドについての深色移動が欠如していることの証拠を提供する。
【図2】図2は、グルタチオンまたはDHLAの1ミリモル濃度溶液中のcy−3−O−グルコシドについての濃色移動が欠如していることの証拠を提供する。
【図3】図3は、ビルベリー抽出物(未保護)の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図4】図4は、図3に見られる無保護に対するDHLA保護されたビルベリー抽出物の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図5】図5は、図3に見られる無保護に対するGSH保護されたビルベリー抽出物の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図6−1】図6Aは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。図6Bは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。
【図6−2】図6Cは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。図6Dは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。
【図7】図7は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたデルフィニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図8】図8は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたペツニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図9】図9は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたデルフィニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図10】図10は、グルタチオンで保護されたまたは未保護のシアニジン−3−O−ガラクトシドの2つのpH値における比較分解動態学を提供する。
【図11】図11は、DHLA保護された15のビルベリーアントシアノシドの比較分解を提供する。
【図12】図12は、グルタチオン(GSH)保護された15のビルベリーアントシアノシドの比較の分解を提供する。
【図13】図13は、グルタチオンの存在下、pH7、37℃にて緩衝溶液中でのリードアントシアノシド(ブラックカレント(Black current))の安定性を経時的に実証する。
【図14】図14は、CaCo−2細胞を有するグルタチオンの存在下、pH7、37℃にて、インキュベーション培地中でのリードアントシアノシド(ブラックカレント(Black current))の安定性を経時的に実証する。
【図15】図15は、リードアントシアノシドのCaCo−2細胞への細胞取り込みを実証する。
【図16】図16は、グルタチオンの有無でのビルベリーアントシアノシドの分解(37℃、pH=7.0で1時間)を提供する。
【図17】図17は、グルタチオンの有無でのCaCo−2細胞へのビルベリーアントシアノシドの細胞取り込みを実証する。
【図18】図18は、CaCo−2実験のHPLC解析についての勾配特性を提供する。
【図19】図19は、GSHで処理したビルベリー抽出物の安定性について、pH範囲3〜11にわたって残留率およびpH値を、および(同じpH値における)GSHで処理しなかったビルベリー抽出の不安定性を、図で表現したものである。
【図20】図20は、特定のpH範囲にわたるGSHの保護効果を図で表現したものである。
【図21】図21は、0時間における20070601の未使用溶液のHPLCクロマトグラムである。
【図22】図22は、4時間後、37℃での20070601のHPLCクロマトグラムである。
【図23】図23は、0時間における20070602の未使用溶液のHPLCクロマトグラムである。
【図24】図24は、4時間後、37℃での20070602のHPLCクロマトグラムである。
【図25】図25は、37℃で0時間および4時間後における20070601のHPLCピークの比較を提供する。
【図26】図26は、37℃で0時間および4時間後における20070602のHPLCピークの比較を提供する。
【図27】図27は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察されたアントシアニジンの比較を提供する。
【図28】図28aは、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全シアンジン(cyandin)のそれぞれの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。図28bは、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全デルフィニジンのそれぞれの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図29】図29は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全ペツニジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図30】図30は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全ペオニジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図31】図31は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全マルビジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図32】図32は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第1日に観察された比較のCmaxを提供する。
【図33】図33は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第7日に観察された比較のCmaxを提供する。
【図34】図34は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第1日に観察された比較のAUC0−infを提供する。
【図35】図35は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第7日に観察された比較のAUC0−infを提供する。
【図36】図36Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全シアニジン血漿レベルを提供する。図36Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全シアニジン血漿レベルを提供する。
【図37】図37Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全デルフィニジン血漿レベルを提供する。図37Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全デルフィニジン血漿レベルを提供する。
【図38】図38Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペツニジン血漿レベルを提供する。図38Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペツニジン血漿レベルを提供する。
【図39】図39Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペオニジン血漿レベルを提供する。図39Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペオニジン血漿レベルを提供する。
【図40】図40Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全マルビジン血漿レベルを提供する。図40Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全マルビジン血漿レベルを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、1つまたはそれ以上のアントシアニンおよび1つまたはそれ以上の安定化化合物を含む組成物に関する。従って、組成物は、アントシアニンが所定の期間にわたって容易に分解しないという点で「安定」である。
【0028】
明細書および特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「含む(comprising)」は、オープン・エンドな用語であり、「含むが、・・・に限定されない」ことを意味するものと解釈すべきである。これらの用語は、より限定的な用語「から実質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0029】
本明細書中で、および添付の特許請求の範囲で用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに異なるように述べていない限り、複数の参照も含むことに留意すべきである。同様に、用語「1つの(a)」(または1つの(an))、「1つまたはそれ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書中で互換可能に用いられ得る。また、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「により特徴付けられる」および「有する」が互換可能に用いられ得ることにも留意すべきである。
【0030】
他に定義しない限り、本明細書中で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同様の意味を有する。本明細書中で特に言及される刊行物および特許は、本発明と関連付けて用いられ得たであろう刊行物に報告された化学物質、装置、統計学的解析および方法論を記載および開示することを含む全ての目的のために、それらの全体が参照として援用される。本明細書中で引用された全ての参考文献は、当業者の水準を示すものである。本明細書中のいかなるものも、先行発明のために本発明がそのような開示に先行する権利を与えられないことを自認するものと解釈されるべきではない。
【0031】
1つの局面では、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン組成物を提供する。
【0032】
本明細書中で用いられる用語「アントシアニン」は、グリコシル化アントシアニン(アントシアノシド)およびアントシアノシドのアグリコン(アントシアニジン)の両方を包含することが意図される。本明細書の全体にわたって、アグリコンアントシアニジンがしばしば参照されるが、他に断りのない限り、限定的であると解釈すべきではない。いずれの用語が用いられる場合でも、他に断りのない限り、用語は互換的に用いられ、かつ、グリコシル化物質およびアグリコン物質を含むことが意図される。
【0033】
アントシアニンのアグリコン成分であるアントシアニジンは、式IIに示す基本構造を有する。
【0034】
【化2】
【0035】
【表1】
式中、R1〜R7は、アントシアニジンの代表的な例を提供する。
【0036】
アントシアニンのグリコシル化型は、アントシアニジンよりも水可溶性でありかつ安定である。アントシアノシドは、それらが含むグリコシル単位の数により分類される。モノグリコシドは、アグリコンの3−ヒドロキシル基に主に結合した1つの糖部分を含む。ジグリコシドは、一般に、3および5ヒドロキシ位、ならびにたまに3および7水酸化位に、2つの単糖を含む。トリグリコシドは、一般に、3位およびC−5またはC−7位の1つに2つの単位が存在する場合、結合を有する。3’、4’および/または5’位での糖鎖付加もまた可能である。
【0037】
アントシアニンの最も一般的な糖には、単糖であるグルコース、ラムノース、ガラクトース、アラビノースおよびキシロースが挙げられる。アントシアニン中で最も頻繁に見出される二糖および三糖は、ルチノース、ソホロース、サンブビオースおよびグルコルチノースである。
【0038】
アントシアニンは、カルボン酸での1つまたはそれ以上の水酸基によりアシル化され得る。酸は、最も一般的には、単糖の6位に連結するが、単糖の2、3および4位もまた可能である。一般的な脂肪酸には、マロン酸、酢酸、リンゴ酸、コハク酸およびシュウ酸が挙げられる。一般的な芳香族フェノール酸および脂肪族ジカルボン酸には、クマリン酸、カフェイン酸(acffeic)、シナピン酸、フェルラ酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸および没食子酸が挙げられる。
【0039】
用語「抽出物」は、葉、小枝、樹皮、根、幹、種子、花、液果、果実などの植物源から、例えば、適切な上記植物源から常套的な単離方法により得られたアントシアニン物質を意味することを意図するが、本明細書中に記載したものに限定されない。当業者に公知の種々のアントシアニンの抽出方法が存在する。これらの方法のいくつかは、例えば、米国特許第5,817,354号、米国特許第5,200,186号、米国特許第5,912,363号、米国特許第4,211,577号、米国特許第4,302,200号(それぞれ、参照として本明細書中で援用される)に記載されている。
【0040】
適切なアントシアニン含有植物の例には、以下からなる群から選択される果実、野菜、花および他の植物が挙げられるが、これらに限定されない:ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、ノルウエーカエデ(Acer platanoides)、アセロラ、セイヨウジュウニヒトエ(Ajuga reptans)、リンゴ、アンズ、チシマイチゴ、アボカド、バナナ、メギ、オオムギ、Begonia semperfrorens、ヒナギク(Bellis perennis)、シラン(Bletilla striata)、ビルベリー、クロマメ、クロダイズ、ブラックポテト、ブルーポテトおよびパープルポテト、ブラックベリー、ブルーベリー、クロマメノキ、ボイセンベリー、ソバ、カカオ、チャノキ、カナリーグラス、Caucasian blueberry、ロウバイ(Chimonanthus praecox)、セロリ、セイヨウミザクラ(Cerasus avium)、サクラ、セイヨウバクチノキ、チコリー、チャイブ、チョコベリー、セイヨウサンシュユ、コーンフラワー、コトネアスター、カウベリー、クランベリー、ガンコウラン、キク、サヨウオシャクジタケ(Cynomorium coccineum)、Dahlia variabilis、セイヨウニワトコ、アメリカスノキ、デンドロビューム、ゴゼンタチバナ、Echinacea purpea、ナス、エルダーベリー、ソラマメ、ヤツデ、フェイジョア、イチジク、ニンニク、ガーベラ、オタネニンジン、アーティーチョーク、スグリ、ブドウ、グアバ、サンザシ、ハイビスカスまたはローゼル、Hibiscus Sabdaiffa、ハイブッシュブルーベリー、タチアオイ、スイカズラ、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、Iris ensata、ジャンボラン、キクイモ、インドマンゴスチン、レリオカトレア、レンズマメ、ローガンベリー、ルーピン、ライチ、トウモロコシ、マンゴー、マンゴスチン、マクイ、アラセイトウ(Matthiola incana)、メコノプシス、Metrosideros excelsa、アワ、ナナカマドベリー、マルベリー、マートルベリー、オリーブ、タマネギ、オレンジ、ソメイヨシノ、パッションフルーツ、エンドウマメ、モモ、ピーナッツ、ナシ、エゴマ、ペチュニア、コチョウラン、ウオトリギ、アサガオ、パイナップル、ピスタチオ、セイヨウスモモ、ザクロ、Phragmites australis、パープルキャロット、マルメロ、ラビットアイ・ブルーベリー、ダイコン、レッドカラントおよびブラックカラント、レッドラズベリーおよびブラックラズベリー、レッドキャベツ、コメ、ダイオウ、ローズヒップ、ライムギ、サフラン、サラセニア、シープベリー、Sophoronitis coccinea、ソルガム、スパークルベリー、イチゴ、Fragada Vesca、サトウキビ、ヒマワリ、スイートチェリー、サツマイモ、タマリロ、タマリンド、タロイモ、タルトチェリー、Tulip greigii、カブ、スイレン、タニウツギ、コムギ、ワイルドライス、Verbena hybrida、ヤムイモおよびそれらの混合物。
【0041】
事実上数千のアントシアニン抽出物が存在するが、その全てが本明細書の範囲内に含まれると考えるべきであり、特に重要なアントシアニン抽出物の適切な例には、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物およびそれらの2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。
【0042】
代表的には、抽出物は種々の方法で濃縮されて、アントシアニンが濃縮された溶液を提供する。例えば、限外濾過を用いて、分子量カットオフによる所望されない成分を除去することができる。濾過からの残留物は、液体として貯蔵され得るか、または例えば噴霧乾燥、凍結乾燥、フラッシュ乾燥、流動床乾燥、リング乾燥、トレー乾燥、真空乾燥、高周波乾燥またはマイクロ波乾燥によりさらに濃縮して粉末にすることができる。最終的に、抽出物は、少なくとも10重量%のアントシアニン含有量を含むべきである。市販のアントシアニンは、Artemis International,Fort Wayne,Indianaなどの供給源から得られ得る。市販のアントシアニン抽出物は、少なくとも10重量%のアントシアニン含有量を含むべきである。従って、抽出物は、アントシアニン、および他のフラビノイド、糖などの他の植物性物質を含む。
【0043】
アントシアニン抽出物は、さらに、クロマトグラフィ、ゲルクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、結晶化、アフィニティクロマトグラフィ、分配クロマトグラフィなどの当該分野で公知の1つまたはそれ以上の方法で精製され得る。特定のアントシアニンの同定には、当業者に公知の方法で達成され得る1H NMR、化学分解、クロマトグラフィおよび分光法、特に、単離されたアントシアニン化合物の特徴づけのためのホモ−およびヘテロ核の二次元NMR技術などが挙げられる。
【0044】
用語「精製された」および「単離された」は、上記アントシアニン抽出物からの1つまたはそれ以上のアントシアニンの精製および/または単離を参照するために用いられる。ここでも当該分野で公知の定法を用いて、アントシアニン抽出物の多様な成分を分離して精製物質とし得る。本発明の1つの局面では、抽出物のアントシアニンは、当該分野で公知の技術により実質的に精製および単離される。精製された化合物の純度は、通常、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、ならびに最も好ましくは少なくとも約99%、およびさらにより好ましくは少なくとも約99.9重量%(例えば、約100%)である。
【0045】
本発明に従って、アントシアニン抽出物は、ペオニジン、シアニジン、ペラルゴニジン、デルフィニジン(delphinldin)、ペツニジン、マルビジン、アピゲニニジン(apigenindin)、アウラチニジン(auratinidin)、カペンシニジン、ユーロピニジン、ヒルスチジン、6−ヒドロキシシアニジン、ルテオリニジン、5−メチルシアニジン、プルチェリジン(pulchellidin)、ロシニジン、トリセトニジン(tricetnidin)、それらの誘導体および混合物からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアントシアニンおよび/またはアントシアニジンを含む。1つの実施態様では、アントシアニンおよびアントシアニジンは、シアニジン、ペオニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジン、それらのグリコシド誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらに別の実施態様では、抽出物は、少なくとも1つのシアニジン塩基のアントシアニンを含む。
【0046】
本明細書に記載される本発明において有用であり得るアントシアニンには、シアニジン−3−グルコシド;シアニジン 3−グルコシルルチノシド;シアニジン−3−ゲンチビオシド;シアニジン−3−ルチノシド、シアニジン−3−サンブニグリン、シアニジン−3−サンブ−5−グルコシド、シアニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン−3−ルチノシド、ペオニジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン、シアニジン、シアニジン−3ソフォロシド、ペラルゴニジン、デルフィニジン、デルフィニジン−3−グルコシド、デルフィニジン−3−ガラクトシド、ペツニジン、ペツニジン−3−グルコシド、ペツニジン−3−ガラクトシド、マルビジン、マルビジン−3−アラビノシド、マルビジン−3−グルコシド、マルビジン−3−ガラクトシド、ケンフェロール、ヘスペリジン、ゲンチオデルフィン、プラチコニン、シネラリンなどが挙げられるが、これらに限定されない:。
【0047】
種々の植物由来のアントシアニンの適切な例には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ヒロハカエデ(Acer macrophyllium)、シアニジン誘導体、ノルウエーカエデ(Acer platanoides)、シアニジン 3−(2”,3”−ジガロイル−β−グルコピラノース(3%)、シアニジン 3−(2”−ガロイル−β−グルコピラノース(37%)、シアニジン 3−β−グルコピラノシド(60%)、アセロラ、Malpighia marginata、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、セイヨウジュウニヒトエ、シアニジン 3−(ジ−p−クマロイル)ソフォロシド−5−グルコシド、リンゴ、Malus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3アラビノシド、シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3グルコシド、シアニジン 3−キシロシド、アンズ、Prunus armeniaca、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3グルコシド、チシマイチゴ、Rebus spp、アボカド、Persea spp、アシル化シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、バナナ、Musa acuminata、M.balbisiana、イチジク、Berberis spp.、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、オオムギ、Hordeum vulgare、シアニジンおよびシアン化物グリコシド、マメ、インゲンマメ(Pheseolus vulgaris)(いくつかの栽培品種)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、Begonia semperflorens cvs、シアニジン誘導体、ベニバナチャ、Camellia sinensis、シアニジン 3−O−β−D ガラクトシド、シアニジン 3−O−β−D−ガラクトシド、ヒナギク(Bellis perennis)、3 シアニジン 3−誘導体、Bletilla striata、アシル化シアニジン 3,7,3’−トリグルコシド誘導体、ビルベリー、Vaccinium myrtillis、Artemis/Iprona;Indena、シアニジン−3−ガラクトシド(22%);シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−グルコシド(9%)、シアニジン−3グルコシド、クロマメ、インゲンマメ、シアニジン−3−グルコシド(96%)、シアニジン−3グルコシド、ブラックベリー(ヨーロッパ産およびアメリカ産)、Moriferi veri、Rubus caesius、R.Alleghniensis、R.argufus、R.cuneifolius、R.setosus、R.trivials、シアニジン−グルコシド(70−100%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド、ブラックグレープ、多種多様、ブラックポテト、Solanumtuberosum tuberosum、シアニジン−グリコシド、ブラックラズベリー、Rubus occidentalis、シアニジン−サンブビオシド(sambubloside)(20%);シアニジン−サンブビオシド(sambubloside)、シアニジン−キシロシルルチノシド(40%);シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、(17%)、シアニジン−ルチノシド(23%)、クロダイズ、ダイズ、シアニジン−3−グルコシド(96%)、シアニジン−3−グルコシド、ブルーベリー(5つの共通のVaccinium spp)、シアニジン−グルコシド(3%);シアニジン−グルコシド、シアニジン−ガラクトシド(3%)、シアニジンガラクトシド、シアニジン−アラビノシド(3%)、シアニジン−3−アラビノシド、クロマメノキ、Vaccinium uliginosum、シアニジン−3−グルコシド(14%)、シアニジン 3 グルコシド(14%)、シアニジン#アラビノシド(10%)、シアニジン−3−アラビノシド(10%)、シアニジン 3−ガラクトシド(6.5%)、シアニジン−3−ガラクトシド(6.5%)、ボイセンベリー(ニュージーランド)、シアニジン−3−ソフォロシド(44.5%)、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド(26.4%)、シアニジン−3 グリコシルルチノシド(25.8%)、シアニジン−ルチノシド(3.3%)、ソバ、Fagopyrum spp.、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン−3−ガラクトシド、カカオ、Theobroma cacao、シアニジン 3−グルコシド(疑い)、シアニジン−3−グルコシド(疑い)、セロリ、Apium spp.、セイヨウバクチノキ、Prunus laurocerasus、シアニジン−3−アラビノシド、シアニジン−3−アラビノシド、チコリー、Cichorium intybus、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、チャイブ、Allium schoenoprasum、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−アセチルグルコシド、シアニジン 3−(6マロニルグルコシド)、シアニジン 3−(3,6ジマロニルグルコシド)、チョークベリー、Aronia melanocarpa、Artemis/lprona、シアニジン−3−ガラクトシド(64.5%)、シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−アラビノシド(28.9%)、シアニジン−3 アラビノシド、シアニジン−3−グルコシド(2.4%)、シアニジン−3 グルコシド、シアニジン−3−キシロシド(4.2%)、シアニジン−3−キシロシド、コーヒー、Coffea Arabica cv.Bourbon Vermelho、シアナジン−3−グリコシド、シアナジン 3,5−diglyeoside、シアナジン 3−グリコシド、コトネアスター、Cotoneaster Medic.Spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3 ガラクトシド、カウベリーまたはリンゴンベリー、V.vitis−idaea、シアニジン 3−ガラクトシド シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3 アラビノシド、シアニジン 3 グルコシド、Chimonanthus praecox、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン−3−O−グルコシド、アシル化シアニジン 3−0−グルコシド、シアニジングリコシド、クランベリー(アメリカ産およびヨーロッパ産)、Vaccinium macrocorpon、Ocean Spray、シアニジン−ガラクトシド(16〜24%)、シアニジン−ガラクトシド、V.oxycoccus、シアニジン−アラビノシド(13〜25%)、シアニジンアラビノシド、クロウベリー(CrOwberry)、Empetrum nigrum、シアニジン 3−グルコシド シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ソフォロシド、キク、Dendranthema Grandiflorum、シアニジン 3−オルト(6’−O−マロニル−β−グルコピラノシド、カラント(レッドおよびブラック)、Ribes rubrum、R.nigrum、シアニジン−グルコシド(2〜10%)、シアニジン−グルコシド、シアニジンサンブビオシド、シアニジン−ルチノシド(8〜17%)、シアニジン−サンブビオシド(9−31%)、シアニジン−ソフォロシド(4〜9%)、シアニジンキシロシルルチノシド(28−73%)、シアニジングルコシルルチノシド(14〜28%)、Cyneinonurn coccineum、シアニジン 3−O−グルコシド(92%)、シアニジン 3−O−グルコシド(92%)、シアナジン 3−オルト(6−O ラムノシルグルコシド(8%)、セイヨウニワトコ、Sambucus ebulus、シアニジン 3−キシロシルグルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド、シアニジン 3サンブビオシド(sambubloside)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド−5−グルコシド、シアニジン 3,5 ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノグルコシド、デンドロビューム、Phalaenapsis spp.、シアニジン誘導体、ゴゼンタチバナ、Comus suecica、シアニジン 3−グルコシド(4%)、シアニジン 3−グルコシド(4%)、シアニジン 3−ガラクトシド(16%)、2シアニジン誘導体(80%)、エキネシア、Echinacea spp.、エルデンベリー(Eldenberry)、Sambucus nigra、Artemis/Iprona、シアニジン−3−グルコシド(42%)、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−サンブビオシド(43%) シアニジン−3,5−ジグルコシド(2%)、シアニジン−3 サンブビオシド(sambubloside)−5グルコシド(9%)、Gentians spp.、シアニジン 3−O−β−D−グルコシドおよび3つの他の誘導体、シアニジン 3−O−β−D−グルコシド、Fatsia japonica、シアニジン 3−ラチロシド、フェイジョア、Feijoa sellowiana、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、イチジク、Ficus carica spp、シアニジン 3−ラムノグルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、Forsythia X、intermedia cv、Spring Glory、シアニジン誘導体、ニンニク、Allium sativum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド(モノアシル化)、シアニジン 3−グルコシド(トリアシル化)、オタネニンジン、Panax ginseng、Panax quinquefolius、シアニジン 3−O−β−D−キシロピラニル−(1 2)−β−D−グルコピラノシド、アーティチョーク、Cynara scolymus、シアニジン 3−カフェイルグルコシド、シアニジン 3−カフェイルソフォロシド、シアニジン 3−ジカフェイルソフォロシド、スグリ、Ribes spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、ブドウ、Vinis vinifera、シアニジン 3−モノグルコシド、シアニジン 3−モノグルコシド、シアニジン 3−モノグルコシド酢酸塩、シアニジン 3−モノグルコシド−p−クマラート、グアバ、Psidium guajavica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、サンザシ、Crataegus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3 グルコシド、ハイビスカスまたはローゼル、Hibiscus sabdariffa、シアニジン−サンブビオシド(30%)、タチアオイ、Althaea rosea、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、他のシアニジングルコシド、スイカズラ、Lonicera nitida、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、ハナショウブ、Iris ensata、シアニジン 3RG、シアニジン 3RG5G、シアニジン 3Rgac5G、アサガオ、Ipornoea purpurea、6つのアシル化シアニジン 3−ソフォロシド−5 グルコシド、ジャンボラン、Mytciana jaboticaba、シアニジン 3−グルコシド、シアニジ
ン 3−グルコシド、キクイモ、Helianthus tuberosus、インドマンゴスチン、Garcinia indica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド、シアニジン 3−サンブビオシド、レリオカトレア、アシル化シアン化物誘導体、レンズマメ、シアニジン 3−オルト(6”−マロニルグルコシド)、ローガンベリー、Rubus loganbaccus、シアニジン−ソフォロシド(48.1 %)、シアニジングルコシド、シアニジン−グルコシド(21.6%)、シアニジン−ルチノシド(6.2%)、ルーピン、Lupinus spp、シアニジングリコシド(存在を確認した)、ライチ、Litchi chinensis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3 ガラクトシド、トウモロコシ、Zea mays、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−(6”−マロニルグルコシド) シアニジン 3(3”,6”ジマロニル−グルコシド)マンゴー、Mangifera indica(シアニジングリコシド、マンゴスチン、Garcina mangostana、シアニジン 3−ソフォロシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、マクイ、Aristotella chilensis、シアニジン 3−,5−ジグルコシド、アラセイトウ、4つのアシル化シアニジン 3−サンブビオシド(sambubloside)−5 グルコシド、アワ、Pernnisetum americanum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、ナナカマドベリー、Sorbus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド シアニジン 3−β−Dグルコピラノシド、マルベリ、Morus nigra、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ソフォロシド、マートルベリー、Myrtus communis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド、オリーブ、Olea europaea、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン誘導体、タマネギ、Allium sepa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド、シアニジン 3−ラミナリオシド(laminarioside)、オレンジ、Citrus sinensis、シアニジン 3−グルコシド(95%)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、パッションフルーツ、Pasiflora edulis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、エンドウマメ、Posum sativurn、シアニジン 3−ソフォロシド グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド−5−グルコシド、モモ、Prunus persica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン誘導体、ピーナッツ、Arachis hypogaea、シアニジングルコシド、ナシ、Pyrus communis、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−アラビノシド、エゴマ、Perilla frutescens、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3,5−誘導体、Petunia spp.、シアニジン 3−ルチノシド、ウオトリギ、Grewia spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、パイナップル、Anans comosus、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、ピスタチオ、Pistacia vera、Pragmites australis、シアニジン−3誘導体、セイヨウスモモ、2000品種、15種、シアニジン−グルコシド(37%)、シアニジングルコシド、シアニジン−ルチノシド(45%)、ザクロ、Punica granatam、シアニジン−グルコシド(30%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ジグルコシド(17%)、パープルキャロット、Daucus carota、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシルガラクトシド、シアニジン−ガラクトシド、シアニジン−ジガラクトシド、シアニジン−ガラクトシド、マルメロ、Cydonia oblonga、シアニジン−3 グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン誘導体、ダイコン、Raphanus sativus、アシル化シアニジン 3−ソフォロシド−5−グルコシド、アシル化シアニジン 3 ジグルコシド−5−グルコシド、レッドキャベツ、Brassica oleracea var capitata、シアニジングリコシド、ヨシ、Phalaris arundinacea、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−(6’’−,マロニルグルコシド)、シアニジン 3(3’’,6’’ジマロニル−グルコシド)、レッドオニオン、Allium cepa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジン 3−グルコシド誘導体、レッドペチュニア、Petunia spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ソフォロシド、レッドラズベリー、Rubus idaeus、シアニジングルコシド(17%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド(7%)、シアニジン−ソフォロシド(50%)、シアニジングリコシルルチノシド(26%)、シアニジン−ジグルコシド、ダイオウ、Rneum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、コメ、Oryza spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、ローズヒップ、Rosa canina、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、ライムギ、Secare cereale、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノシルグルコシド、シアニジン 3−ラムノシルジグルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ルチノシド誘導体、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、シープベリー、Vibumum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノシルサンブビオシド、モロコシ、Sorghum bicolor、シアニジン、シアニジングリコシド、スパークルベリー、V arboreum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−ガラクトシド、イチゴ、Fragacia ananassa、シアニジン−グルコシド(微量)、シアニジン−グルコシド、ヒマワリ、Hellanthus annuus、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3−キシロシド、アシル化シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3−バニリル サンブビオシド、スイートチェリー、Prunus avintn、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド;シアニジン 3−スホロシド、サツマイモ、Ipornoea batatas Sophronitis coccinea、シアニジン誘導体、5つのアシル化シアニジン 3,3’,7−トリグルコシド、タマリロまたはツリートマト、Cyphomandrea betacea、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、タマリンド、Tamarindus indica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、タロイモ、Colocasia esuculenta、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、タルトチェリー(balaton)、Prunus cerasus cv.、Balaton,Nutrilite、シアニジン−3−ルチノシド−ヘキソース(75%)、シアニジン−3−ルチノシド−ペントース(3%)、シアニジン−3−ルチノシド(18%)、タルトチェリー(montmorency)、Prunus cerasus cv.(Montmorency,Nutrilite)、シアニジン−3−ソフォロシド(80%)、シアニジン−3−グルコシド(20%)、シアニジン−3−グルコシド(20%)、チューリップ、Tulipa spp、シアニジン 3−O−(6”−ラムノシルグルコシド)、シアニジン 3−O−誘導体、カブ、brissica rapa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド−5−グルコシド、スイレン、Nymphasa alba、シアニジン 3−0−(6’’アセチル−β−ガラクトピロシナーゼ(23%)、シアニジン 3−0−ガラクトシド(2%)、シアニジン 3−O−ガラクトシド(2%)、Weigela spp.、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン 3−O−グルコシドキシロース、コムギ、Triticum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジングルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、アシル化シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、ワイルドライス、Zizania aquatica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノグルコシド、およびヤムイモ、Dioscoracea spp、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノグルコシド、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、アシル化シアニジングルコシド。
【0048】
本明細書中で用いられる用語「アントシアニン」は、単量体のアントシアニンだけでなく、二量体および重合体(すなわち、3〜20個のアントシアニジン単量体残基を含む)型のアントシアニンおよびロイコアントシアニジン(フラバン−3,4−ジオールとしても知られる)もまた意味することを意図する。アントシアニンは、置換(例えば、アルキル基、アルコキシ基など)を含み、特に上記のようにO−グリコシル化され得る。
【0049】
組成物中のアントシアニンは、単独のアントシアニンであり得るか、またはアントシアニンの混合物を含み得る。特に、アントシアニンは、マルビジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペラルゴニジンおよびペツニジン、ならびにそれらのグリコシドからなる群から選択される。代表的な例は、精製された形態で市販されている塩化マルビン(マルビジンジグルコシド)である。あるいは、アントシアニンは、上記のブドウ、ブラックキャロット、レッドキャベツ、ブラックベリー、ブラックカラント、クランベリーなどのアントシアニン含有植物を抽出することにより得られ得る。
【0050】
本明細書中で用いられる句「安定化されたアントシアニン組成物」は、グリコシド(アントシアノシド)としてまたはアグリコン(アントシアニジン)としてのアントシアニンが、例えば、約37℃、pH=約7.0で、少なくとも約3.5時間にわたって、アントシアニンの最初の割合から少なくとも約50%が未分解であることを意味する。同様に、この句は、同様の安定性を有する約4、約5、約6および約8のpH値を含む。
【0051】
本明細書中で用いられる用語「安定化化合物」は、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を包含することを意図する。理論によって限定されるべきではないが、チオール基とアントシアニンとの間で相互作用が起こり、その結果、チオール含有基が(しばしば、ジスルフィド−S−S−に)酸化され、かつ、アントシアニンが、後に遊離する水素原子を受け取ると考えられる。
【0052】
安定化化合物の適切な例には、酵母抽出物(例えば、ビール酵母)、ジヒドロリポ酸、アミノ酸塩などのジヒドロリポ酸の塩、システイン、N−アセチルシステインなどのシステインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの塩、パパインなどのSH−プロテイナーゼ、ブロメライン、フィチン、エヒモパパイン(ehymopapain)およびそれらの混合物、SH−メタロプロテイナーゼ、システイン含有ペプチド類、グルタチオン含有ペプチド類、発酵カキ抽出物、発酵マメ凝乳、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0053】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニンに対するモル比は、約0.1〜約10であり、より詳細には約0.5〜約5、およびさらにより詳細には約1〜約1である。
【0054】
理論により限定されるべきではないが、以下は、本発明に関する驚くべき独特の知見の説明である。アントシアノシドは、無色の誘導体を形成することにより、pH移動を受けやすい。フラビリウムカチオンおよびキノノイダル塩基は着色され、平衡は、pH依存性[pH値<2]の両方の種の存在によって通常影響されない。(スキーム1参照)この平衡は、非常に急速に確立され、かつ、この反応は可逆的であると考えられる。適切な条件下での水の「攻撃」は、一連の無色の誘導体(カルビノール塩基、カルコン)を生じる。反応のこの部分は緩徐に進行し、通常は可逆的ではない。脱色プロセスは、約3.5を超えるpH値で開始する。分子の保護による水の攻撃の予防により、本明細書を通して記載したアントシアノシドの安定化が提供される。
【0055】
【化3】
理論に基づけば、共色素沈着の公知の現象(「共色素」の存在下でアントシアノシドの増加した安定性を記載する)により、深色(λmaxが、より高い波長に向かってシフトする)効果および濃色(同じ濃度でのλmaxでの吸収が増加する)効果が得られる。従って、チオール化合物が共色素として作用し得たかどうかの解明を行った。
【0056】
理論に基づけば、アントシアノシドは、自己会合により、それらの安定性を増加することができる。濃度がより高くなると、自己会合の影響の可能性が高い。自己会合は、約0.0001モル溶液濃度を超える濃度で起こる。自己会合は、チオール化合物の保護効果を隠蔽することを助け得るので、保護効果は多様な濃度で試験した。
【0057】
理論に基づけば、共色素沈着は、深色性(λmaxが、より高い波長に向かってシフトする)および濃色(同じ濃度でのλmaxでの吸収が増加する)効果をもたらすはずである。
【0058】
紫外分光法に基づく本調査により、図1および2に示すように、DHLA(ジヒドロリポ酸)またはGSH(グルタチオン)のいずれも、深色または濃色効果を生じなかった。従って、安定性の増加は、別のメカニズムに関連している可能性が最も高い。
【0059】
異なるpH値についての新たに溶解させたシアニジン−3−O−グルコシド(保護および無保護)のλmaxシフトの観点からのスペクトル特性は、図1および2に示すように、同一であった。
【0060】
ビルベリー抽出物(種々の濃度、モル濃度をシアニジン−3−O−グルコシドとして表す)の安定性を、GSHまたはDHLAの存在/非存在下で、pH依存性のλmaxでの吸収を紫外分光光度法により測定することにより調べた。
【0061】
図3、4および5に示すように、本調査は、アントシアノシドが、全ての試験された濃度において、GSH(0.65mmol濃度)およびDHLA(1.44mmol濃度)による分解に対して、特に5〜6を超えるpH値で保護されていることを示した。種々のpH試験におけるλmaxは、未保護のおよび保護された溶液の間で異ならなかった。シアニジン−グルコシドでは濃色効果が起こらないことが観察されたので、チオール含有保護剤の安定化された効果は、共色素沈着とは異なると考えられる。
【0062】
0.0001モル濃度(シアニジン−3−O−グルコシドと表す)でのビルベリー抽出物の安定性を、UV分光法により、異なるpH値で、経時的に、DHLA(1.44mmol濃度溶液)の非存在/存在下で調べた。
【0063】
図6A〜6Dに示すこれらの実験は、DHLAが、未保護のアントシアノシドが急速に分解するpH値(pH>5〜6)でアントシアノシドを保護することを実証する。最も興味深いことに、データを統計モデル(回帰分析)にフィッティングすると、未保護の分解動態学は、直線回帰にフィットするが、一方、DHLA保護の分解動態学は、指数関数的回帰分析にフィットする。このことは、経時的に構成される保護機構を示す。
【0064】
ビルベリー抽出物から選択したアントシアノシド(0.48mmol濃度溶液)の分解動態学を、pH=7および25℃で、GSH(0.65mmol濃度溶液)の存在/非存在下でインキュベーションした後、HPLCにより経時的に調べた。
【0065】
選択した時点にて、デルフィニジン−3−O−ガラクトシド(非常に分解しやすい)、ペツリジン−3−O−ガラクトシド(中程度の感受性)およびシアニジン−3−O−ガラクトシド(やや安定)のピークエリアを、HPLCによりチェックした(図7、8および9を参照)。安定化特性を、グルタチオンの存在下で観察し、これらもまた指数関数的回帰分析に良好にフィットした。従って、保護機構が共色素沈着とは異なり、保護効果が経時的に構成される機構を含むと結論づけることは合理的である。
【0066】
シアニジン−3−O−ガラクトシド(0.001モル濃度溶液)を、pH= 3.1またはpH=7.0で、それぞれ、DHLA(1.44ミリモル濃度溶液)の存在/非存在下で溶解した。反復のインキュベーションを、25℃にて3日間、HPLCにより行った。
【0067】
図10に見られるように、DHLAの効果は、驚くべきことに、長期持続性である。pH=7.0にて25℃で3日間後、約47%のシアニジン−3−O−ガラクトシドがDHLAの存在下で回収されたが、一方、未保護の試料は、ほぼ0%のシアニジン−3−O−ガラクトシドを生じた。pH=3.1についての比較値は、それぞれ95%および61%であった。
【0068】
ビルベリー抽出物由来のアントシアノシド(0.48mmol濃度溶液)の分解動態学を、保護DHLA(図11)(1.44mmol濃度溶液)およびグルタチオン(0.65mmol濃度溶液)の存在/非存在下で、HPLC(図12)により調査した。
【0069】
評価の焦点は、基本的なアントシアニジン骨格が、ある程度保護効果に関与しているのかどうかであった。得られた結果を見ると、チオール化合物の保護効果が、未保護の分解の受けやすさと逆に相関していたことは妥当であると思われた。アントシアニジン骨格が感受性であるほど、GSHまたはDHLAの保護効果はより良好であった。GSHについてのやや良好な明白な効果が観察された。
【0070】
ビルベリー抽出物中に存在するアントシアニジンの置換パターンを、以下の表に示す:
【0071】
【表2】
上記表に示すように、(a)分解のおよび(b)保護機構についての構造が関係する効果の証拠が存在する。第1に、アントシアニンに関する置換の数が特定の役割を担い、第2に、同じ数の置換の数の範囲内で、メトキシ基の存在が安定性に影響する。
【0072】
最も感受性が高いアントシアニジンは、3個のヒドロキシル基をB−環に有するデルフィニジンである。最も安定なのはペオニジンであり、1個のヒドロキシル基および1個のメトキシ基(シアニジンにおけるような2個のヒドロキシル基よりも優れる)を有する。
【0073】
提案された新しく発見された機構は、pH=7.0においてフラビリウムカチオンの安定化に関係があると考えられている。試験された全ての化合物は、確かに、カルボン酸基およびフリーのチオール基を有する。
【0074】
システインは、アントシアノシドとの2つの結合点を有する。第1に、チオール部分(おそらく、アントシアニジンと4位で、または糖部分とさえも強固に会合する)の強い相互作用が存在し、第2に、カルボン酸官能基が、陽イオン部分を保護する。
【0075】
【化4】
同様の機構は、DHLAについても提案されている。チオール基の存在は、DHLAをアントシアニジンに結合させ、その結果、カルボン酸官能基が分子の保護を補助し得ると考えられる。おそらく、DHLAのシステインと比べて増加した効果は、システイン中に見出される単一のチオールと比較して2つのチオール基の「会合」より安定に割り当てられ得るであろう。
【0076】
【化5】
同様に、還元型グルタチオンとの反応を描くことが可能である。この場合、1つの代わりに2つのカルボン酸官能基により、優れた活性が得られる。
【0077】
【化6】
この機構は、ラジカルスカベンジャーとして作用するが、フラビリウムカチオンの反応カスケードに関連すると考えられる。
【0078】
試験された2R−SH/R−SS−R化合物の酸化還元電位は、アントシアノシドのそれより低い。例えば、2GSH/GSSG=約−0.22 Vであるが、酸化還元電位A−OH/A=O =約0.20−0.75Vである(以下を参照)。
【0079】
アントシアノシドのラジカル除去特性は、以下の反応により説明され得る:
【0080】
【化7】
キノン構造は4’置換を必要とするので、これらの(セミ)キニンの安定性は、置換パターンに関連すると考えられる。一旦キノンが形成されると、反応のフラビリウム構造への逆転は、より可能性が低い。一方、5’位の任意の置換は、セミキノンの形成を妨害する。
【0081】
このことは、3’−OHおよび4’メトキシ置換構造が最も安定である理由を説明し得る。これは、無色の生成物を形成する、水に攻撃され得ないセミキノンを形成する。このようなセミキノンは、フラビリウムカチオンにより容易に再転換し得るか、または容易に再転換し得ない。
【0082】
アントシアニジン/アントシアノシド(A−OH)は、以下の反応により、セミキノン/キノン(A=O)に転換する:
A−OH−>A=O+H++e−
R−SH化合物は、以下の反応を受ける:
全プロセス:2RSH−>R−SS−R+2H++2e−
詳細には:R−SH−>R−S−+H+−>R−S°+e−+H+
2R−S°−>R−SS−R(R−S°・・・ラジカル)
このような機構は、2分子のアントシアノシドが2分子のR−SHから1分子のR−SS−Rを形成し得、かつセミキノンとして残される様式で、1:1の消費を示すであろう。あるいは、1つのアントシアノシド分子は、キノンに転換されることにより、1つのR−SS−Rを形成し得る。
【0083】
代わりの反応が起こらない場合、以下の反応カスケードが合理的である:
中性pHでのR−SHおよびアントシアノシドの組み合わせにおいて、主にR−SHがR−S°に転換する。
【0084】
R−S°の部分が、アントシアノシド(A−OH)(これらは、それによってA=Oセミキノンに転換する)によって除去される場合、再びR−SHを生じる。
【0085】
pH=7では、A=OはR−SHの消費によりA−OHに再転換され、次いで、公知のように最終的に次第に分解する。
【0086】
安定化化合物の適切な例には、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、アミノ酸塩などのジヒドロリポ酸の塩、システイン、N−アセチルシステインなどのシステインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの塩、パパインなどのSH−プロテイナーゼ、ブロメライン、フィチン、エヒモパパインおよびそれらの混合物、SH−メタロプロテイナーゼ、システイン含有ペプチド類、グルタチオン含有ペプチド類、発酵カキ抽出物、発酵マメ凝乳、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0087】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比は、約0.1〜約10であり、より詳細には約0.5〜約5、およびさらにより詳細には約1〜約1である。
【0088】
別の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物組成物は、約2、約3、約4、約5などから約14まで、例えば、7以上のpHを有する水性環境に曝露した場合に、分解に対して安定である。
【0089】
さらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアノシドである。
【0090】
なおさらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアニジンである。
【0091】
本発明のさらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンのグリコシダーゼ(glycosidse)である1つまたはそれ以上のアントシアノシドを含む。
【0092】
本発明はまた、本明細書に記載の安定化されたアントシアニン組成物を製造する方法に関する。
【0093】
本発明は、安定化化合物が、抽出および/または製造プロセスの間にアントシアニン含有植物物質と混合されて、それにより、一般に加工の際および貯蔵の際にさえも起こるアントシアニンの酸化的破壊を減少または除去し得ることを提供する。例えば、米国特許出願公開第2002/0018821号、(Chrystele Soulierら、2002年2月14日公開、その内容はその全体が本明細書に参考として援用される)に開示された抽出プロセスの間に、1つまたはそれ以上の安定化化合物を本明細書に記載の比で抽出媒体(溶媒)に加え得る。
【0094】
代表的には、アントシアニン抽出物を安定化化合物と直接的に混合する。これは、2つの物質を、固体として単純に混合する、粉砕する、併用することなどにより、または水などの溶媒中に溶解することにより、達成され得る。本明細書の以下に記載の担体、ビタミン、抗酸化剤などの追加の添加剤を、定法により混合物に加えることができる。
【0095】
1つの実施態様では、アントシアノシドを含む赤色果実抽出物を水溶液に入れ、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理する。水抽出物を、それが15℃未満の均一な温度に到達するまで冷却する。水抽出物を濾過し、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、得られた濾過物を回収し、マクロ架橋ポリマー樹脂上に装填する。次いで、樹脂を鉱質除去水ですすぎ、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、次いで、得られた樹脂をアルコール溶出溶液で溶出させ、これは必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理され得る。得られた溶出物を濃縮し、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、次いで乾燥する。
【0096】
別の実施態様では、安定化のプロセスを、以下のプロセスに従って、アルコール性赤色果実抽出物で行う。まず、パルプを全赤色果実から分離し、パルプを、必要に応じて本明細書に記載の−SH安定化化合物を含み得るアルコール抽出溶液と接触させる。固相を液相から分離し、次いで、液相を必要に応じて本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理する。液相に含まれる残留アルコールの大部分を、減圧下で蒸発させて、アルコール性濃縮物を得る。
【0097】
有利には、アルコール抽出に用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、ブタノールおよびアセトンを含む群から選択される。
【0098】
実際には、アルコール抽出は、室温で、それぞれ20分で完結する少なくとも2つの連続的な工程で行われる。次いで、溶媒を留去する。さらに、パルプ単独からだけではなく、全果実からのアントシアノシドの抽出を行うことが可能である。
【0099】
本発明によれば、安定化の工程は、それぞれ液体または粉末の形態で提供される、市販のまたは予め精製されたアントシアノシド抽出物である果実の抽出物を用いて開始することにより行うことができる。この場合、果実の抽出物または予め精製された抽出物を、次いで、精製工程の前に、アルコール、特にメタノール、または水のいずれかを用いて取り出し、本明細書に記載の−SH安定化化合物を用いて処理し得る。
【0100】
本発明の精製の工程において、赤色果実抽出物の冷却は、抽出物の温度が均一かつ10℃未満、特に5℃未満になるまで、温度を少なくとも約12時間維持しながら、有利に行う。
【0101】
水性抽出物またはアルコール抽出物の濾過の工程に関して、これは、セルロースフィルタまたはステンレス鋼ガーゼ上で、0〜100μmまたは等価のカットオフで行われ得る。
【0102】
最終抽出物中の安定化されたアントシアノシドの力価および濃度をさらに増加させるため、樹脂から安定化されたアントシアノシドを溶出するアルコール溶液は、エタノール濃度が10〜90%、有利には40%付近であるエタノール水溶液である。
【0103】
得られた安定化された溶出液を、30℃の領域で、制御された温度で濃縮し、次いで、安定化された粉末を得るため、凍結乾燥または噴霧乾燥する。
【0104】
1つの実施態様では、例えば、ビルベリー抽出物の濃縮物およびL−システイン塩酸塩を併用し(9:1、w/w)、噴霧乾燥して、安定化されたビルベリー抽出物を粉末として得る。通常、ビルベリー抽出物のフリーのシステインに対する比は、約10:1(w/w)である。
【0105】
本発明はさらに、治療上有効量の本明細書に記載の安定化されたアントシアニン組成物を投与することにより、種々の病気を治療する方法に関する。病気には、増加した抗酸化能の必要性、関節硬化、疼痛の減少、炎症が挙げられる。疼痛の減少または除去には、関節炎、月経困難症、頭痛、関節痛、筋肉痛、骨関節炎、加齢黄斑変性(AMD)、白内障、網膜症、およびそれらの組み合わせなどの種々の形態の疼痛が挙げられる。
【0106】
従って、本発明はさらに、本明細書中で述べる種々の苦痛を治療するのに有用な、生物が利用可能な安定化されたアントシアニン組成物を提供する。安定化されたアントシアニン組成物は、以下で考察するいくつかの方法により投与され得る。
【0107】
驚くべきことに、本発明は、システインのアントシアニン組成物(アントシアニジンまたはアントシアノシドのいずれかである)との併用が、アントシアニンのそれを必要とする対象への送達を、システインの非存在下でアントシアニン組成物を経口摂取した対象に対して少なくとも2倍量に増加させる助けとなることを提供する。驚くべきことに、アントシアニンがシステインの存在下で送達される場合、アントシアニンの血漿濃度が、投与の4時間後に、システインの非存在下で送達されたアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量であることが見出された。従って、本発明は、対象に有効量のアントシアニンおよびシステインを投与することにより、対象における生物が利用可能なアントシアニンの量を増加させる方法を提供する。投与はいかなる手段によっても可能であるが、経口送達が一般に好ましい。
【0108】
1つの実施態様では、アントシアニンのシステインに対する比は、重量基準で約10〜約0.1、より詳細には約10〜約0.5、そしてさらにより詳細には約10〜約1である。本明細書中に記載の実施例で述べたように、システインを用いない場合、アントシアニンの生物学的利用能が劇的に減少することに留意することが重要である。
【0109】
システインの存在下でのアントシアニンの生物学的利用能の増加は、一般に、アントシアニンを単独で投与した後の生物学的利用能の少なくとも2倍である。理想的には、生物学的利用能は、生物学的利用能がシステインを配合しない同等のアントシアニンの3、4、5、10および20倍に増加するようにシステインを配合することにより、増加させられる。このことは驚くべき知見である。
【0110】
本発明の組成物は、種々の食物、飲料、スナックなどに配合され得る。1つの局面では、組成物は、消費の前に、食品の上に振り掛けられ得る。食品の上に振り掛けられる場合、デンプン、ショ糖またはラクトースなどの適切な担体を用いて、安定化されたアントシアニン組成物の濃度を分散させて食品への適用をより容易にし得る。
【0111】
本発明の組成物はまた、種々の調理済食品におけるサプリメントとして提供され得る。この応用の目的で、調理済食品とは、任意の本発明の組成物が添加された天然食品、加工食品、ダイエットまたは非ダイエット食品を意味する。本発明の組成物は、多くの調理済ダイエット食品(ダイエット飲料、ダイエットバーおよび調理済冷凍食品が挙げられるが、これらに限定されない)に直接配合され得る。さらに、本発明の組成物は、多くの調理済非ダイエット製品(キャンディ、チップスなどのスナック、調理済肉製品、ミルク、チーズ、ヨーグルト、スポーツバー、スポーツ飲料、マヨネーズ、サラダドレッシング、パンおよび任意の他の油脂含有食物などが挙げられるが、これらに限定されない)に配合され得る。本明細書中で用いられる用語「食品」は、ヒトまたは動物の消費に適した任意の物質を意味する。
【0112】
本発明の組成物は、フルーツジュース、ミルクセーキ、ミルクなどの種々の飲料に添加され得る。
【0113】
投与の好ましい方法は、経口である。本発明の組成物は、デンプン、ショ糖またはラクトースなどの適切な担体を用いて、錠剤、カプセル、溶液、シロップおよび乳濁液に処方され得る。本発明の錠剤またはカプセルは、約6.0〜7.0のpHで溶解する腸溶コーティングで被覆することができる。小腸で溶解するが胃で溶解しない適切な腸溶コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。
【0114】
本発明の組成物のソフトゲルカプセルへの製剤は、当該分野で公知の多くの方法で達成され得る。しばしば、製剤は、オイル、または他の懸濁剤もしくは乳化剤などの許容され得る担体を含むであろう。
【0115】
適切な任意の担体には、例えば、任意の供給源(例えば、天然または合成油、脂肪、ワックスまたはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)から誘導体化され得る脂肪酸、エステルおよびそれらの塩が挙げられる。さらに、脂肪酸は、非硬化油、部分硬化油、全硬化油またはそれらの組み合わせから、限定されることなく誘導体化され得る。脂肪酸(それらのエステルおよび塩)の非限定的な供給源の例には、種子油、魚油または水産油、キャノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、キンレンカ種子油、マスタード種子油、オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米糠油、ババスナッツ油、パーム油、低エルカ酸ナタネ油、パーム核油、ルピナス油、ヤシ油、亜麻仁油、月見草油、ホホバ、コムギ胚芽油、獣脂、牛脂、バター、鶏脂、ラード、乳脂肪、シアバターまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
特定の非限定的な魚油または水産油の供給源には、甲殻類油、マグロ油、サバ油、サケ油、メンハーデン、アンチョビー、ニシン、マス、イワシまたはこれらの組み合わせが挙げられる。特に、脂肪酸の供給源は、魚油または水産油(ドコサヘキサエン酸またはエイコサペンタエン酸)、ダイズ油または亜麻仁油である。あるいは、または上記で特定した担体と組み合わせて、蜜ロウ、ならびにシリカ(二酸化ケイ素)などの懸濁剤を、適切な担体として用いることができる。
【0117】
本発明の製剤はまた、栄養補助食品であるとも考えられる。用語「栄養補助食品」は、当該分野で認識されており、疾患を予防し得るかまたは望ましくない症状を緩和し得る食物において見出され得る特定の化学物質を説明することを意図する。
【0118】
本発明の製剤はさらに、有益な本発明の組成物の成分の安定化することを補助するか、または生物学的利用能を促進することを補助するか、もしくは個人の食事の追加の栄養素として働くための種々の成分を含み得る。適切な添加剤には、ビタミンおよび生物学的に許容され得るミネラルが挙げられ得る。ビタミンの非限定的な例には、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよび葉酸が挙げられる。ミネラルの非限定的な例には、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、クロム、亜鉛、モリブデン、ヨード、ホウ素、セレン、マンガン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。これらのビタミンおよび無機質は、限定されず、任意の供給源または供給源の組み合わせに由来し得る。ビタミンB群の非限定的な例には、チアミン、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、シアノコバラミン、ビオチン、パントテン酸またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
種々の添加物が、本組成物に配合され得る。本組成物の任意の添加物には、ヒアルロン酸、リン脂質、デンプン、糖、脂肪、抗酸化剤、アミノ酸、タンパク質、香料、着色料、加水分解デンプンおよびそれらの誘導体またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書中で用いられる用語「抗酸化剤」は、当該分野で認識されており、化合物の酸化的劣化を防ぐかまたは遅延する合成物質または天然物質を意味する。抗酸化剤の例には、トコフェロール、フラボノイド、カテキン、スーパーオキシドジスムターゼ、レシチン、ガンマオリザノール;ビタミンA、C(アスコルビン酸)およびEおよびβカロチンなどのビタミン;ローズマリーおよびサンザシ抽出物中に見出されるカモソール(camosol)、カモシン酸(camosic acid)およびロスマノール、ブドウ種子またはマツ樹皮抽出物、ならびに緑茶抽出物中に見出されるプロアントシアニジンなどの天然成分が挙げられる。
【0121】
本発明の安定化されたアントシアニン組成物を含む組成物は、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣製造の粉末化、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスにより製造され得る。組成物は、1つまたはそれ以上の生理学的に許容され得る担体、希釈液、賦形剤または安定化されたアントシアニン組成物を使用され得る製剤に加工することを容易にする1つまたはそれ以上の生理学的に許容され得る担体、希釈液、賦形剤または助剤を用いて、通常の様式で製剤され得る。
【0122】
本発明の組成物は、投与の実質的に任意の様式(例えば、経口、経頬、全身、注射、経皮、直腸、経腟など)に適した形態、または吸入またはガス注入による投与に適した形態をとり得る。
【0123】
全身用製剤には、注射(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内または腹腔内注射)による投与のために設計されたもの、および経皮、経粘膜、経口または経肺投与のために設計されたものが挙げられる。
【0124】
有用な注射用製剤には、安定化されたアントシアニン組成物の水性または油性媒体中の無菌の懸濁液、溶液または乳濁液が挙げられる。組成物はまた、懸濁、安定化および/または分散された薬剤などの製剤を含み得る。注射用製剤は、例えば、アンプルまたは複数回投与容器中の単位投与形態で存在し得、かつ添加された保存料を含み得る。
【0125】
あるいは、注射用製剤は、使用の前に、適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質非含有水、緩衝液、ブドウ糖溶液などが挙げられるが、これらに限定されない)で再構成するための粉末形態で提供され得る。この目的のために、安定化されたアントシアニン組成物は、凍結乾燥などの任意の公知の技術で乾燥され、使用の前に再構成され得る。
【0126】
経粘膜投与のために、通過すべきバリアに適した浸透剤が製剤に用いられる。このような浸透剤は、当該分野で公知である。
【0127】
経口投与のために、本発明の組成物は、例えば、結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);賦形剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、滑石またはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容され得る賦形剤を用いて通常の手段で製剤される、ロゼンジ、錠剤またはカプセルの形態をとり得る。錠剤は、例えば、糖、フィルムまたは腸溶コーティングを用いて、当該分野で周知の方法によりコーティングされ得る。
【0128】
経口投与用の液体製剤は、例えば、エリキシル剤、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとり得るか、あるいは、使用の前に水または他の適切な媒体で構成するための乾燥製品として存在し得る。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素添加食用油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分留植物油);および保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸メチルもしくはプロピル)などの医薬上許容され得る添加物を用いて、通常の手段により製造され得る。製剤はまた、必要に応じて、緩衝塩、保存料、香料、着色料および甘味料を含み得る。
【0129】
経口投与用製剤は、適切に製剤されて、安定化されたアントシアニン組成物の周知されているような徐放を提供し得る。
【0130】
経頬投与用には、組成物は、通常の様式で製剤される錠剤またはロゼンジの形態をとり得る。
【0131】
経直腸および経腟の投与経路のために、安定化されたアントシアニン組成物は、カカオバターまたは他のグリセリドなどの通常の坐薬基剤を含む溶液(停留浣腸)、坐薬または軟膏として製剤され得る。
【0132】
経鼻投与または吸入またはガス注入による投与のために、安定化されたアントシアニン組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、フルオロカーボン、二酸化炭素または他の適切なガスを用いる加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾル噴霧の形態により、簡便に送達され得る。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するための弁を提供することにより決定され得る。インヘラーまたはインサフレーター(例えば、ゼラチンから構成されるカプセルおよびカートリッジ)に用いるためのカプセルおよびカートリッジは、化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤を含んで製剤され得る。
【0133】
持続性送達のために、安定化されたアントシアニン組成物は、移植または筋肉内注射による投与のためのデポー製剤として処方され得る。安定化されたアントシアニン組成物は、適切なポリマーもしくは疎水性物質(例えば、許容され得る油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性塩などの難溶性誘導体として、製剤され得る。あるいは、経皮吸収のために安定化されたアントシアニン組成物を徐々に遊離させる粘着ディスクまたはパッチとして製造された経皮送達システムが用いられ得る。この目的のために、浸透促進剤を用いて、安定化されたアントシアニン組成物の経皮浸透を促進することができる。適切な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,407,713号;米国特許第5,352,456号;米国特許第5,332,213号;米国特許第5,336,168号;米国特許第5,290,561号;米国特許第5,254,346号;米国特許第5,164,189号;米国特許第5,163,899号;米国特許第5,088,977号;米国特許第5,087,240号;米国特許第5,008,110号;および米国特許第4,921,475号に記載されている。
【0134】
あるいは、他の送達システムが用いられ得る。リポソームおよび乳濁液は、安定化されたアントシアニン組成物を送達するのに用いられ得る送達媒体の周知例である。ジメチルスルホキシド(DMSO)などの特定の有機溶媒もまた用いられ得るが、通常はより高い毒性の犠牲がある。
【0135】
所望であれば、組成物は、安定化されたアントシアニン組成物を含む1つまたはそれ以上の単位投与形態を含み得るパックまたはディスペンサー装置中に存在し得る。パックは、例えば、ブリスター包装などの金属またはプラスチックの箔を含み得る。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための指示書が添付され得る。
【0136】
軟質ゲルまたは軟質ゼラチンカプセルは、例えば、製剤を適切な媒体(例えば、米糠油および/または蜜ロウ)に分散させて高粘度混合物を形成することにより製剤され得るが、これに限定されない。次いで、この混合物を、軟質ゲル産業の当業者に公知の技術および機械を用いて、ゼラチンベースのフィルム中にカプセル化する。次いで、このように形成されたカプセルを、恒量まで乾燥させる。代表的には、カプセルの重量は、約100〜約2500ミリグラム、特に約1500〜約1900ミリグラムの重量であり、より詳細には、約1500〜約2000ミリグラムの重量である。
【0137】
例えば、軟質ゼラチンシェルを調製する場合、シェルは、約20〜70%のゼラチン、一般に、可塑剤および約5〜約60重量%のソルビトールを含み得る。軟質ゼラチンカプセルの充填物は、液体(主に、米糠油もしくはコムギ胚芽油、および/または所望であれば蜜ロウ)などの担体であり、かつ、安定化されたアントシアニン組成物とは別に、親水性マトリックスを含み得る。親水性マトリックスは、存在する場合、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。さらなる成分は、必要に応じて、濃厚化剤および/または乳化剤である。1つの実施態様では、親水性マトリックスは、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコール、5〜15%のグリセロール、および5〜15重量%の水を含む。ポリエチレングリコールはまた、プロピレングリコールおよび/または炭酸プロピレンと混合され得る。
【0138】
別の実施態様では、軟質ゲルカプセルは、ゼラチン、グリセリン、水および種々の添加物から調製される。代表的には、ゼラチンの割合(重量基準)は、約30〜約50重量%、特に約35〜約重量%、およびより詳細には約42重量%である。製剤は、約15〜約25重量%のグリセリン、より詳細には約17〜約23重量%、より詳細には約20重量%のグリセリンを含む。
【0139】
カプセルの残りの部分は、代表的には水である。量は、約25重量%〜約40重量%で変動し、より詳細には約30〜約35重量%、およびより詳細には約35重量%である。カプセルの残りは、一般に、香料、糖、着色料など、またはそれらの組み合わせから構成される約2〜約10重量%で変動し得る。カプセルを加工した後、最終的なカプセルの含水量は、しばしば約5〜約10重量%、より詳細には7〜約12重量%、およびより詳細には約9〜約10重量%である。
【0140】
製造については、標準的な軟質シェルゼラチンカプセルの製造技術を用いて、軟質シェル製品を調製し得ると考えられる。有用な製造技術の例は、プレートプロセス、R.P.Schererによって開発されたロータリー・ダイ・プロセス、Nortonカプセルマシンを用いるプロセスならびにLederleによって開発されたAccogelマシンおよびプロセスである。これらのプロセスのいずれも、成熟した技術であり、いずれも、軟質ゼラチンカプセルを調製することを望む者は誰でも広く利用可能である。
【0141】
乳化剤は、軟質ゼラチンカプセル内の成分の可溶化を補助するのに用いられ得る。界面活性物質、乳化剤または発泡剤の特定の例には、D−ソルビトール、エタノール、カラゲナン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、グアーガム、グリセロール、グリセロール脂肪酸エステル、コレステロール、白色蜜ロウ、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ポリオキシル40ステアリン酸、ソルビタンセスキオレアート、セタノール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、滑石、ソルビタントリオレアート、パラフィン、ジャガイモデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペクチン、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油 40、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油 60、ポリオキシル35 ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール 400、オクチルドデシルミリスチン酸、メチルセルロース、ソルビタンモノオレアート、グリセロールモノステアラート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ラウリルジメチルアミンオキシド溶液、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、乾燥炭酸ナトリウム、酒石酸、水酸化ナトリウム、精製ダイズレシチン、ダイズレシチン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、中鎖トリグリセリド、無水クエン酸、綿実油−ダイズ油混合物および流動パラフィンが挙げられる。
【0142】
本発明はまた、本発明の組成物および適切な症状への使用についての指示書のパッケージ製剤を提供する。代表的には、いずれの形態のパッケージ製剤も、それを必要とする個体に投与される。代表的には、必要用量は、1日当たり約1〜約4用量である。
【0143】
本発明は、種々の症状の治療のための軟質ゼラチンカプセル中の本発明の組成物の製剤、使用、製造およびパッケージングを記載しているが、軟質ゼラチンカプセルのみに限定されると考えるべきではない。摂取可能な本発明の組成物は、上記のように、従来の錠剤、丸薬、ロゼンジ、エリキシル剤、乳濁液、硬質カプセル、液体、懸濁液などで送達され得る。
【0144】
本発明の安定化されたアントシアニン組成物、またはその組成物は、一般に、意図する結果を達成するのに有効な量、例えば、治療される特定の炎症性に関連する症状を治療または予防するのに有効な量で用いられるであろう。組成物は、治療的に投与されて治療効果を達成し得るか、または予防的に投与されて予防的利益を達成し得る。治療効果とは、根本的な障害を根絶または緩和する、および/または根底にある障害に付随する1つまたはそれ以上の症状を根絶または緩和する結果、患者が気分または症状の改善を報告する(患者がまだ根本的な障害に罹患している可能性に関係なく)ことを意味する。例えば、本発明の組成物を、疼痛に罹患した患者に投与することにより、根底にある症状が根絶または緩和される場合のみではなく、患者が疼痛に付随する身体的不快感の重症度または持続時間の減少を報告する場合においても、治療効果が提供される。
【0145】
予防的投与のために、組成物は、上記症状の1つを発症するリスクを有する患者に投与され得る。
【0146】
投与される組成物の量は、例えば、治療される特定の症候、投与の様式、望まれる利点が予防上または治療上のいずれであるか、治療される症候の重症度、ならびに患者の年齢および重量などの種々の因子に依存するであろう。有効用量の決定は、当業者の能力の範囲内である。
【0147】
安定化されたアントシアニン組成物の全投与量は、代表的には、約0.0001または0.001または0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内にあるであろうが、他の因子のなかでも、成分の活性、その生物学的利用能、投与様式および上記で考察した種々の因子に依存してより高くまたはより低くあり得る。投与の量および間隔は、個別に調整されて、治療上または予防上の効果を維持するのに十分な化合物の血漿レベルを提供し得る。例えば、化合物は、他の事項のなかでも、投与様式、治療すべき特定の症候および処方医の判断に依存して、週に1回、週に数回(例えば、隔日)、1日あたり1回または1日あたり複数回投与され得る。当業者は、過度の実験を行うことなく、有効な局所用量を最適化することができるであろう。
【0148】
1〜91に連続的に列挙した以下の段落は、本発明の種々の局面を提供する。1つの実施態様では、第1段落(1)において、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物(但し、安定化化合物はグルタチオンではない)を含む安定化されたアントシアニン抽出物組成物を提供する。
【0149】
2.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落1の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0150】
3.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落1または2のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0151】
4.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落1〜3のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0152】
5.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落1〜4のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0153】
6.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落1〜5のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0154】
7.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落1の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0155】
8.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落7の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0156】
9.アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0157】
10.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落9の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0158】
11.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落9または10のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0159】
12.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落9〜11のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0160】
13.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落9〜12のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0161】
14.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落9〜13のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0162】
15.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落9の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0163】
16.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落15の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0164】
17.アントシアニン抽出物組成物を安定化させる方法であって、アントシアニン抽出物が安定化するように、アントシアニン抽出物を、十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物(但し、安定化化合物は還元型グルタチオンではない)と組み合わせる工程を含む、方法。
【0165】
18.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落17の方法。
【0166】
19.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落17または18のいずれかの方法。
【0167】
20.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落17〜19のいずれかの方法。
【0168】
21.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落17〜20のいずれかの方法。
【0169】
22.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落17〜21のいずれかの方法。
【0170】
23.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落17の方法。
【0171】
24.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落23の方法。
【0172】
25.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落17の方法。
【0173】
26.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落22の方法。
【0174】
27.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落26の方法。
【0175】
28.アントシアニン抽出物組成物を安定化させる方法であって、アントシアニン抽出物が安定化するように、アントシアニン抽出物を、十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物と組み合わせる工程を含む、方法。
【0176】
29.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落28の方法。
【0177】
30.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落28または29のいずれかの方法。
【0178】
31.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落28〜30のいずれかの方法。
【0179】
32.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落28〜31のいずれかの方法。
【0180】
33.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落28〜32のいずれかの方法。
【0181】
34.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落28の方法。
【0182】
35.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落34の方法。
【0183】
36.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落28の方法。
【0184】
37.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落33の方法。
【0185】
38.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落37の方法。
【0186】
39.アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、pH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0187】
40.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0188】
41.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落39または40のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0189】
42.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落39〜41のいずれかに記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0190】
43.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落39〜42のいずれかに記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0191】
44.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落39〜43のいずれかのpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0192】
45.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0193】
46.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落45のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0194】
47.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0195】
48.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落44のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0196】
49.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落48のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0197】
50.pH安定化アントシアニン抽出物組成物を製造する方法であって、組成物がpH安定化するように、アントシアニン抽出物と少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物とを組み合わせる工程を含む、方法。
【0198】
51.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落50の方法。
【0199】
52.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落50または51のいずれかの方法。
【0200】
53.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落50〜52のいずれかの方法。
【0201】
54.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落50〜53のいずれかの方法。
【0202】
55.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落50〜54のいずれかの方法。
【0203】
56.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落50の方法。
【0204】
57.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落56の方法。
【0205】
58.安定化されたアントシアニン抽出物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落50の方法。
【0206】
59.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落55の方法。
【0207】
60.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落59の方法。
【0208】
61.治療上有益な量の安定化されたアントシアニン組成物を対象に提供する方法であって、治療上有益な量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
【0209】
62.関節硬化を治療する方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0210】
63.アントシアニンの細胞内抗酸化濃度を増加または維持する方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0211】
64.対象において疼痛を軽減または減少させる方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0212】
65.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.5対約5である、段落4、12または42のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0213】
66.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約1対約1である、段落4、12または42のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0214】
67.上記安定化されたアントシアニン抽出物が、丸薬、錠剤、粉末、顆粒、薄皮、軟膏、クリーム、ペースト、溶液、混合物、シロップ、粘液、乳濁液、チンキ、スピリット、ペイント、液滴または浸出液の形態である、段落1〜16または39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0215】
68.生理学的に許容され得るアジュバントをさらに含む、段落1〜16または39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0216】
69.アジュバントが、希釈液、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、基剤、香味料、甘味料、着色料、保存料、抗酸化剤、コーティング材料、膜形成物質、溶媒、可溶化剤、湿潤剤、吸収剤、濾過助剤、乳化剤、界面活性剤、懸濁剤、増粘剤、可塑剤、キレート剤、エアロゾル噴霧剤、発泡剤、酸化剤、アルカリ化剤、緩衝剤またはそれらの混合物である、段落68の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0217】
70.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.5対約5である、段落20、31または53のいずれかの方法。
【0218】
71.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約1対約1である、段落20、31または53のいずれかの方法。
【0219】
72.システインの誘導体が、N−アセチルシステインであり、かつSH−プロテイナーゼが、パパイン、ブロメライン、フィチン、エヒモパパイン(ehymopapain)またはそれらの混合物である、段落65または66の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0220】
73.アントシアニン富化抽出物を安定化させる方法であって、
アントシアニン富化抽出物を、少なくとも1つの−SH基を有する少なくとも1つの安定化化合物と接触させることを含み、安定化化合物が、抽出プロセスの間の任意の時にアントシアニンと接触され得る、方法。
【0221】
74.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、システイン、グルタチオンまたはそれらの混合物である、段落73記載の方法。
【0222】
75.少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物のアントシアニン化合物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落73の方法。
【0223】
76.モル比が約0.5〜約5である、段落75の方法。
【0224】
77.モル比が約1である、段落75の方法。
【0225】
78.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、アントシアニン富化抽出物と接触させられる前に抽出溶媒に加えられる、段落73〜77のいずれかの方法。
【0226】
79.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、アントシアニン富化抽出物を抽出溶媒と併用した後に抽出溶媒に加えられる、段落73〜77のいずれかの方法。
【0227】
80.加齢黄斑変性(AMD)、白内障または網膜症を治療する方法であって、段落1〜16または39〜49のいずれかに記載の治療上有効量の安定化されたアントシアニン組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法。
【0228】
81.ビルベリー抽出物およびシステインを含む、安定化されたビルベリー組成物。
【0229】
82.ビルベリー抽出物のシステインに対する比が、重量基準で約10〜約1である、段落81の安定化されたビルベリー組成物。
【0230】
83.組成物が噴霧乾燥される、段落81または82に記載の安定化されたビルベリー組成物。
【0231】
84.安定化された組成物が、HPLC解析により決定されるように、少なくとも約6ヶ月にわたって、少なくとも約80%の初期のアントシアノシドを保持する、段落81〜83のいずれかの安定化されたビルベリー組成物。
【0232】
85.アントシアニンおよび少なくとも1つの−SH基を有する化合物を含むアントシアニン組成物を対象に投与する工程を含む、アントシアニン組成物の生物学的利用能を増加させる方法であって、アントシアニンの量が、対象中で、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を欠くアントシアニン組成物の試料と比較して少なくとも2倍量に増加する、方法。
【0233】
86.アントシアニン物質が抽出物である、段落85の方法。
【0234】
87.抽出物がビルベリー抽出物である、段落86の方法。
【0235】
88.アントシアニン物質の少なくとも1つの−SH基を有する化合物に対する比が、重量基準に基づき約10:0.1〜約1:1である、段落85の方法。
【0236】
89.ビルベリー抽出物の少なくとも1つの−SH基を有する化合物に対するアントシアニンの比が、約10〜約1である、段落87の方法。
【0237】
90.システインの存在下におけるアントシアニンの投与の4時間後の血漿濃度が、少なくとも1つの−SH基を有する化合物の存在がないアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量である、段落85の方法。
【0238】
91.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、酵母、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落85〜90のいずれかの方法。
【0239】
以下の実施例は、限定的なものであることを意味しないが、本発明のさらなる情報およびサポートを提供するために示される。
【0240】
本例示の章は、以下の表に示すように、ビルベリー抽出物およびブラックカラント抽出物に関する。
【0241】
【表3】
【実施例】
【0242】
実施例1
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシド(未使用試料)の含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0243】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した。
【0244】
試料c)30mgのジヒドロリポ酸(0.144mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](シアニジン−3−O−グルコシドとして表される0.048mmol)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0245】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、個々のピーク(4時間置いた後の%として計算した)のピークエリアの減少として表した。
【0246】
以下の表から、アントシアノシドは、pH=7.0、37℃で、DHLAまたはGSHのいずれかの存在下で、ブランクの(未保護の)試料と比較して実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランクの試料は、約25%の残留アントシアノシドが観察されたことを示したが、一方、保護された試料は、60%を超える残留アントシアノシドを生じた。30mgのDHLAの保護効率は、20mgのGSHに匹敵する。保護効率は、シアニジングリコシドと比較して一層保護が少ないデルフィニジングリコシドにより例示される基礎のアントシアニン骨格に関連するように思われる。各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多く残留するアントシアノシドを観察した。
【0247】
【表4】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0248】
実施例2
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら保持し、未保護の分解を表す追加の1mlの試料(ブランク試料)を15分毎にサンプリングした。選択したアントシアノシドについて、試料をHPLCにより分析した。
【0249】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で保持した。15分毎に、1mlの試料を取り、選択したアントシアノシドについてHPLCで分析した。
【0250】
以下の表より、アントシアノシドは、pH=7.0および37℃で、GSHの存在下で、ブランク試料と比較して実質的により安定であることが結論付けられた。保護活性は、選択したアントシアノシドについて経時の比較的減衰により示すように、溶解後即時に開始し、かつ少なくとも4時間持続する。ここでも、保護効果は、4時間30分のインキュベーション後の65%の残留デルフィニジン−3−O−ガラクトース、67%の残留ペツニジン−3−O−ガラクトースおよび77%の残留シアニジン−3−O−ガラクトースにより例証されるアントシアニン骨格に関連すると考えられる。試験された各個別のアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多い残留アントシアノシドを観察した。
【0251】
【表5】
【0252】
【表6】
【0253】
【表7】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0254】
実施例3
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料をすぐに取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシド(未使用試料)の含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら4時間保持した。その後、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0255】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0256】
試料c)20mgのジヒドロリポ酸(0.096mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0257】
試料d)20mgのL−システイン酸(0.165mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0258】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、個々のピーク(4時間置いた後の%として計算した)のピークエリアの減少として表した。
【0259】
以下の表から、アントシアノシドは、pH=7.0、37℃で、DHLA、GSHまたはL−システインのいずれかの存在下で、ブランクの(未保護の)試料と比較して実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランクの試料では、9.5〜33.4%の残留アントシアノシドが観察されたが、一方、GSH保護された試料は、50.4〜65.0%の残留アントシアノシドを生じた。DHLAについての比較の数値は36.7〜38.9%であった。各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多い残留アントシアノシドを観察した。
【0260】
【表8】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0261】
実施例4
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。溶液を攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。その後、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0262】
試料b〜e)5、10、20または60mgのジヒドロリポ酸(0.024〜0.288mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した(水浴)。
【0263】
試料f〜i)5、10、20または60mgのGSH(0.016〜0.192mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した(水浴)。
【0264】
試料j〜m)5、10、20または60mgのL−システイン(0.041〜0.492mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0265】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、4つのリードアントシアノシド(Dp−3−O−Glu、Dp−3−O−Rut、Cn−3−O−Glu、Cn−3−O−Rut)について4時間後の%残留として計算した合計のピークエリアの減少として表した。
【0266】
以下の表から、アントシアノシドが、用量依存的様式でDHLA、GSHまたはL−システインにより実質的に保護されていたことが決定された。
【0267】
【表9】
【0268】
【表10】
【0269】
【表11】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0270】
実施例5
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料をすぐに取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量までHPLCで分析した。残存溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら保持し、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を15分毎に取った。選択したアントシアノシドについて、試料をHPLCにより分析した。
【0271】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で保持した。15分毎に、1mlの試料を取り、選択したアントシアノシドについてHPLCで分析した。
【0272】
以下の表より、アントシアノシドは、pH=7.0および37℃で、GSHの存在下で、ブランク試料と比較して実質的により安定であることが結論付けられ得た。保護活性は、アントシアノシドについて経時の比較減少により示すように、溶解直後に開始し、かつ少なくとも4時間持続する。保護の有効性は、シアニジングリコシドの保護がデルフィニジングリコシドと比較して改善されたことにより例証されるように、アントシアニン骨格に依存的であり得る。しかしながら、ブランクを保護された試料と比較した場合、デルフィニジングリコシドは、シアン化物グリコシドよりも実質的により良く保護されていた。
【0273】
各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多く残留するアントシアノシドを観察した。
【0274】
【表12】
【0275】
【表13】
【0276】
【表14】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0277】
実施例6
試料a)5mgの塩化デルフィニン(0.015mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、即時に試料を取り、15分後、1、2および3時間のインキュベーションを行った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0278】
試料b)5mgの塩化マルビジン(0.014mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、試料を即時に取り、1、2および3時間のインキュベーションを行った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0279】
試料c)5mgの塩化デルフィニジン(0.015mmol)および10mgのGSH(0.032mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。試料を、溶解の15分後、ならびに1、2および3時間のインキュベーション後、すぐに取った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0280】
試料d)5mgの塩化マルビジン(0.014mmol)および10mgのGSH(0.032mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。試料を、溶解の15分後、1、2および3時間のインキュベーション後、すぐに取った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0281】
以下の表から、GSHはフリーのアントシアニン骨格をあまり保護しなかったことが決定された。GSHとデルフィニジンまたはマルビジンとのモル比は2:1より高いが、このことは、活性がないことはGSHの低濃度に無関係であることを示す。フリーのアントシアニンの減衰は、GSHの存在によりほとんど影響を受けないが、これは、同じ骨格を有するアントシアニングリコシドを用いる知見とは対照的である。
【0282】
【表15】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0283】
実施例7
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pHを以下に示す値まで調整した)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化した。
【0284】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pHを以下に示す値まで調整した)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した。
【0285】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、4つのアントシアノシドについて4時間後の%残留として計算した合計のピークエリアの減少として表す。
【0286】
以下の表から、GSHは、特にアントシアノシドが分解を受けやすいpH範囲(pH>5)においてグルタチオンを保護することが決定された。驚くべきことではないが、アントシアノシドがそれ自身で安定なより低いpH値では、保護効果は減少する。
【0287】
【表16】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0288】
保護効果は、保護された試料の残留比を、ブランク試料(選択されたpH値でビルベリー抽出物を含むが、還元型グルタチオンは含まない)の残留比で割ることにより計算されるパラメータである。従って、この差は、ビルベリー抽出物のアントシアニンの安定性の約3〜約11のpH範囲にわたる還元L−グルタチオン(GSH)の効果を実証する。
【0289】
pH値が増加すると、抽出物の分解が増加することが認められた。試験されたpH値の全てにおいて、L−グルタチオン(GSH)はアントシアニンを保護した。さらに、保護効果は、pH値と共に増加した。アルカリ性の環境では、グルタチオンは、上記表ならびに図19および20に示されるように、より高い安定化効果を有した。
【0290】
実施例8
試料a)60mgのGSH(0.192mmol)を100mlフラスコに入れ、溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、ならびにインキュベーションの1、2、3および4時間後、試料を即時に取った。試料を、GSHおよびGSSG(GSHの酸化型を表す)についてHPLCで分析した。
【0291】
試料b)60mgの還元L−グルタチオン(0.192mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](シアニジン−3−O−グルコシドとして表される0.048mol)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で保持した。溶解後、ならびにインキュベーションの1、2、3および4時間後、試料を即時に取った。試料を、GSHおよびGSSG(GSHの酸化型を表す)についてHPLCで分析した。
【0292】
以下の表より、GSHは、水性緩衝液(pH=7.0)中、37℃でGSSGに酸化されたことが決定された。ビルベリー抽出物の添加は、GSHのGSSGへの酸化を約2〜約3ファクター促進するが、このことは、ビルベリー抽出物が、酸化還元反応のパートナーとして作用することを示唆する。この結果に基づき、GSH/GSSGの対が、酸化されたGSSGおよび還元されたアントシアノシドを生じるかなり低い酸化還元電位を有することが明らかであった。
【0293】
【表17】
【0294】
【表18】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0295】
ブラックカラント抽出物の安定性
120mgのブラックカラント抽出物/100mlの溶液を、CaCo−2吸収試験に用いられるインキュベーション培地としての30mgのグルタチオン(GSH)/緩衝化溶液中100ml(pH=7.0)と共にインキュベートした。
【0296】
これらの調査は、分析用溶液中およびグルタチオンの存在下でのCaCo−2試験に用いられるインキュベーション培地中での選択されたブラックカラントリードアントシアノシドの安定性/分解の情報を提供する。
【0297】
デルフィンジン−3−O−グルコシド、(Dp−Glu)、デルフィニジン−3−O−ルチノシド(Dp−Rut)およびシアニジン−3−O−ルチノシド(Cn−Rut)を、分析用に選択した。
【0298】
これらの調査は、調査した両方のデルフィニジングリコシドが、シアニジンルチノシドよりも分解しやすいことを示した。調査したDp−glcは、所定の条件下で、Dp−rutよりも感受性であった。調査した全てのアントシアノシドは、回腸液を模したインキュベーション培地中で、緩衝溶液よりもわずかにより安定であった(図13および14を参照のこと)。安定性の増加は、複合培地(最終的にグルタチオンを再利用する)における推定上の安定化成分の存在によって引き起こされる可能性が最も高い。
【0299】
CaCo−2細胞を、37℃で2時間まで、120mgのブラックカラント抽出物および30mgのグルタチオン/100ml培地でインキュベートした。30、60および120分で、3つのウェルを、インキュベーション培地の回収および細胞に吸収されたアントシアノシドの抽出により、分析用に加工した。
【0300】
図15に見られるように、調査した3つのアントシアノシドの全てが、CaCo−2細胞に吸収された。60分のインキュベーション後、最も高い吸収が、Cn−Rutについて観察された。この時点で、CaCo−2細胞中でのアントシアノシドの回収は、上清インキュベーション培地中で決定された濃度の2.5%の量であった。最も興味深いことに、%取り込みは、緩衝液培地およびインキュベーション培地(細胞非含有)中でのアントシアノシドの安定性に類似する。さらに、全てのアントシアノシドについて、60分のインキュベーション後に最大吸収が見られることが観察された。
【0301】
60mgのビルベリー抽出物±30mgのグルタチオン/100mlの無細胞インキュベーション培地を、37℃で1時間保持した。試料を、ビルベリー抽出物中に存在する15のアントシアノシドについて、インキュベーション時間の前後で分析した。
【0302】
本調査は、CaCo−2試験の間に適用された条件で、インキュベーション培地(pH=7.0)中でのアントシアノシドの安定性に基づく情報を提供する。次に、グルタチオンが安定性に及ぼす影響を解明する。
【0303】
図16中で見られるように、全てのアントシアノシドが、グルタチオンにより安定化された。最も明白な安定化は、Dp−グリコシドについて観察された。このことは、Dp−グリコシドがpH=7.0で最も分解されやすいビルベリーグルコシドであるので、重要である。この分析調査より、グルタチオンは、pH=7.0でアントシアノシドを分解から保護することが決定された。さらに、グルタチオンは、ビルベリー中に存在する全てのアントシアニジン構造を保護することが認められる。
【0304】
保護の詳細な分析により、保護の強度とアントシアニジンの化学構造との間に傾向が存在することが明らかになる。最も感受性である構造Dpは、最も高い程度で安定化されるが、一方、最も安定な構造(Cn)に対する保護効果は、比較的低い。まとめると、調査した全てのアントシアノシドは、pH=7.0で、1時間の間、37℃で、グルタチオンの存在下で、25%未満が分解した。
【0305】
CaCo−2細胞を、60mgのビルベリー抽出物/30mgのグルタチオン含有または非含有/100m培地で、37℃で1時間インキュベートした。その後、3つのウェルを、インキュベーション培地の回収および細胞に吸収されたアントシアノシドの抽出により、分析用に加工した。
【0306】
図17中で見られるように、調査した全てのビルベリーアントシアノシドは、グルタチオンの存在下でより良好に吸収された。このことは、増加した吸収と、アントシアノシドのグルタチオンでの安定化との相関を示す。最も可能性の高い説明は、アントシアノシドの吸収の程度は、インキュベーション培地中の無傷のアントシアノシドの濃度に依存するということである。換言すれば、アントシアノシドの吸収は、細胞の外側と内側との間での濃度勾配に依存し得るということである(外側の濃度がより高いと、吸収がより高い)。グルタチオンが細胞の外側でアントシアノシドの安定性を増加することが示されたので、細胞内への吸収は、提唱された理論に従う。
【0307】
実施例9
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)をリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシド(未使用試料)の含有量を分析した。残った溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0308】
試料b)20mgのL−システイン(0.065mmol)を60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、十分に溶解するまで撹拌し、次いで、37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。
【0309】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシドの含有量を分析した。分解を、個々のピークのピークエリアにおける減少として表す(4時間後の%残留として計算された)。
【0310】
以下の表から、アントシアノシドは、ブランク(無保護の)試料と比較すると、pH=7.0、37℃で、L−システインの存在下、実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランク試料は、約25%の残留アントシアノシドが観察されたことを示したが、一方、保護された試料は、65%を超える残留アントシアノシドを生じた。
【0311】
【表19】
試料を、HPLC分析法で上記に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注入した。
【0312】
実施例10
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシド(未使用試料)の含有量を分析した。残存溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0313】
試料b〜e)5、10、20または60mgのL−システイン(0.041〜0.492mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。次いで、撹拌してビルベリー抽出物を溶解し、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0314】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、全てのアントシアノシドについて4時間後の残留%として計算した合計のピークエリアの減少として表した。
【0315】
以下の表から、アントシアノシドが、用量依存的様式でL−システインにより実質的に保護されていたことが決定された。
【0316】
【表20】
実施例11
物質
Omnica GmbHにより提供されたビルベリーカプセル、試料番号:20070601および20070602。
【0317】
ビルベリー抽出物のみを含む試料番号20070601、ブランク試料として
ビルベリー抽出物および10%システインを含む試料番号20070602
5%リン酸ナトリウム緩衝液
分析方法
Agilent 1100 HPLC、530nmでの紫外可視検出器
実験
100mlのフラスコに、5%リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)および60.0mgのビルベリー抽出物の粉末を、カプセルから加えた。溶液を、全ての固体が十分に溶解するまで超音波処理した。試料を即時に取り、次いで、フラスコを37℃の水浴に入れて4時間維持し、アントシアニンの残留率を決定した。
【0318】
結果および結論
HPLCデータ
HPLCエリアを、化合物の含有量の尺度として用いた。
【0319】
含有量は、未置換アントシアニジン塩基を含まなかった。
【0320】
2つのカプセル(20070601および20070602)の比較
以下の表および図21〜26は、システインの使用がビルベリー抽出物を安定化させるのに役立つ証拠を提供する。
【0321】
【表21】
【0322】
【表22】
【0323】
【表23】
方法
CaCo−2細胞の培養
CaCo−2細胞を、20%のウシ胎仔血清、1,2%の非必須アミノ酸、0.83 mMのL−グルタミン、1,2%のペニシリン−ストレプトマイシンおよび0,1%のメルカプトエタノールを含むダルベッコ修飾イーグル培地中、5%CO2および95%空気雰囲気下、37℃で培養した。
【0324】
細胞を、75cm2の培養フラスコ(T75)中で生育させ、1週間後に継代した(PBS緩衝液で隔日洗浄し、トリプシンで除去し、新しい培養フラスコに移した)。
【0325】
CaCo−2試験
実験のため、細胞を1ウェル当たり3×105個の細胞の密度で6ウェルプレートに播種し、5%CO2および95%空気雰囲気下、37℃で7〜8日間、コンフルエンシーに達するまで生育させた。細胞をPBS緩衝液で洗浄し、ビルベリー(30〜60mg/100ml培地)またはブラックカラント抽出物(30〜60mg/100ml培地)を含む4mlの培地で30、60または120分インキュベートした。安定化実験のために、100mlに30mgのグルタチオンを含む培地を用いた。
【0326】
対応するインキュベーション時間後、用いたインキュベーション培地の900μlを各ウェルから取り、100μlのギ酸と混合した。細胞をPBS緩衝液で洗浄し、1mlの10%ギ酸を用いて取り出した。細胞を30秒にわたって3回超音波処理し、10分間遠心分離し、ペレットを捨てた。上清をHPLC用の試料として用いた。
【0327】
比較のため、アントシアノシドの安定性を、細胞非含有のインキュベーション培地中、37℃にて、0〜120分試験した。インキュベーション培地を、上記のようにギ酸で安定化させた。
【0328】
HPLC分析方法(物質、機器および方法):
アセトニトリル、メタノール(HPLCグレード)、ギ酸(AR)、蒸留水。参照標準:シアニジン−3−O−グルコシド(Cl塩、項目1201、Polyphenols Laboratories AS、ノルウェー)
ポンプ:Merck Quaternary Gradient pump 6200
オートサンプラー:Merck AS 2000、
検出器:HP−MVD 1050、520 nmに設定
カラム:Bischoff、Hypersil ODS、250×4.6mm
移動相:A:ギ酸/水=10/90
B:メタノール/アセトニトリル/ギ酸/水=20/20/10/50
勾配特性:(図18を参照のこと)
流速:1.5ml/分
注入容積:20μl
温度:45℃
検出:520nm
較正 シアニジン(cyaniding)−3−O−グルコシドを用いる5点較正
定量:直線回帰解析に基づく外部標準化。分離した全てのアントシアノシドの応答因子を、シアニジン−3−O−グルコシドに対して定量する。
【0329】
標準試料(シアニジン−3−O−グルコシド)
適切な量の標準を10mlフラスコに移し、1mlのMeOHに溶解する。フラスコを、容積まで10%リン酸で満たす。希釈物を、10%リン酸中で調製した。
【0330】
試料の調製
アントシアノシドをギ酸で安定化した後、インキュベーション実験(細胞含有/非含有および安定化剤含有/非含有)からの試験溶液を、分析に用いた。試料を、HPLCシステムに注入する前に、濾過により浄化した。
【0331】
例えば、0.500gのビルベリー抽出物を、2%HClを含む10mlのメタノール中に溶解し、2分間超音波処理した。1mlの溶液を10mlフラスコに移し、10%リン酸を用いて容積まで希釈した。試料をHPLCシステムに注入した。
【0332】
データ評価
%分解を、得られた初期値の%で表す。
【0333】
細胞への%取り込みとは、細胞中で見出された量に対する、対応する時間におけるインキュベーション培地中で得られた量の比を意味する。
【0334】
種々のpH値における安定化されたアントシアニン
原料物質
ビルベリー抽出物、20070602、Omnica GmbH
還元L−グルタチオン、Bio−Chemicalの試薬
リン酸ナトリウム緩衝液、pH値3.0〜11.0
20mgの還元L−グルタチオンを、60mlの5%リン酸ナトリウム緩衝液(適切なpHのため)と共に100mlフラスコに加えた。固体が完全に溶解した後、60mgのビルベリー抽出物を撹拌しながら加え、37℃で水浴に入れた。種々のpH緩衝液溶液からの試料を取り、上記方法により、HPLCにより分析した。
【0335】
実施例12
製品(ビルベリー抽出物、Omnica GmbH(Hamburg)を、37%(m/m)アントシアノシドに調整した。未使用ビルベリー中のアントシアノシドの0.3〜0.4%(m/m)の平均含有量に基づき、手元の抽出物は、100:1濃縮を表した。抽出物の残りの63%は、大部分が未使用液果中に存在するタンパク質および炭水化物で表される。500mgのビルベリー抽出物および50mgのL−システインを含む500mgのビルベリー抽出物を併用して、以下で利用されるビルベリー/システインの組み合わせを製造した。以下に示すビルベリー抽出物は、システインを添加しない上記の生成物である。
【0336】
12名のボランティアは、連続した7日にわたってビルベリー抽出物を摂取した。1週間の休薬期間後、同じボランティアは、連続した7日にわたってビルベリー/システインの組み合わせを摂取した。
【0337】
設計は、ランダム化したクロスオーバー観察であった。
【0338】
血漿試料を、対応する処置の第1日(処置前、ならびに処置の0.5、1.5、2.5および4時間後)、第4日(処置前、ならびに処置の0.5時間後)および第7日(処置前、ならびに処置の0.5、1.5、2.5および4時間後)の各期間の間に採取した。
【0339】
調査の主な目的は、両製剤中に存在するアントシアニンの血漿レベルを決定することである。
【0340】
分析の最初の実行において、血漿中に存在する全てのアントシアニンを固相抽出により抽出し、収集後、加水分解して、アントシアニジンを得た。この手順は、両方の製剤からのビルベリーアントシアニンの実際の吸収についての情報を提供し、かつ吸収された化合物の代謝による誤った結論を回避するために選択された。効力はアントシアニジン骨格に存在し、特定のグリコシド化パターンには存在しないが、各代謝産物(すなわち、グルクロニド)が製剤から吸収されたとは考えられないであろう。
【0341】
分析は、540nmでの紫外検出によるHPLCを含んだ。定量は、信頼できるアントシアニジン標準での外部標準化に基づいた。方法の回収率は、デルフィニジン−3−O−グルコシドおよびシアニジン−3−O−グルコシドを用いて評価した。これらの2つのビルベリーアントシアニンを、ブランク血漿に混合し、抽出し、調査試料と同じ方法で加水分解した。回収率は95%を超えることが示された。調査試料の安定性は、処理されたブランク血漿試料に混合し、調査試料と正確に同じ方法で貯蔵することにより確認した。
【0342】
薬物動態学的パラメータは、標準的な非区画法(non−compartmental methods)を用いて計算された。
【0343】
略号一覧
ANOVA・・・・・・分散分析
Ara・・・アラビノース
AUC・・・曲線下面積
AUC(0−inf) ・・・0時点から無限大までのAUC。
AUC(0−t) ・・・0時点から最後に測定した時点までのAUC。
AU(0−4h) ・・・0時点から8時間までの曲線下面積。
β・・・排出速度定数
Cmax・・・得られた最大血漿濃度
Cn・・・シアニジン
CV・・・変動係数
Dp・・・デルフィニジン
Gal・・・ガラクトース
Glc・・・グルコース
HPLC・・・高速液体クロマトグラフィ
MS・・・質量分析
Mv・・・マルビジン
Pe・・・ペオニジン
Pt・・・ペツニジン
t1/2 ・・・最終血漿半減期
Tmax・・・最大血漿濃度までの時間(Cmax)
UV・・・紫外線
調査結果:
図27〜40は、ビルベリー/システインの組み合わせのアントシアニジン濃度が、システインを添加しなかったビルベリー由来の試料と比較した場合、血漿中のアントシアニジン濃度の少なくとも2倍量増加することを実証する。このことは、全アントシアニジン含有量および個別のアントシアニジンで観察され得る。
【0344】
以下の表は、ビルベリー中に存在する5つのアントシアニジン(すなわちシアニジン[Cn]、デルフィンジン[Dp]、ペツニジン[Pt]、ペオニジン[Pe]およびマルビジン[Mv])について決定された血漿レベルの平均値±標準偏差(s.d.)を提供する。
【0345】
【表24】
【0346】
【表25】
【0347】
【表26】
【0348】
【表27】
【0349】
【表28】
以下の表は、観察された平均血漿レベルから計算された薬物動態学的パラメータを提供する。
【0350】
【表29】
【0351】
【表30】
【0352】
【表31】
【0353】
【表32】
【0354】
【表33】
実施例13
試料の調製:
試料Aは、実施例1のブランク試料と同じであった。
【0355】
試料B:48mg(9.5重量%の還元型グルタチオン)のビール酵母抽出物を、60.0mlの5%リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)を有する100mlフラスコに加えた。溶液を均質になるまで攪拌し、次いで、60mg(0.049molのアントシアニン)のビルベリー抽出物を均質になるまで攪拌しながら加えた。試料を、撹拌しながら、37℃の水浴中に4時間入れた。分解速度の分析をHPLCにより監視した。
【0356】
試料C:調製は、ビール酵母抽出物の量が120mgであったという条件で、実施例Bと同じであった。
結果:
【0357】
【表34】
HPLC試験パラメータは、上記実施例と同じであった。
【0358】
本実施例は、ビール酵母抽出物が試料のアントシアニン(anythocyanin)内容物の分解を減少させる強力な保護効果を示す。
【0359】
本発明を、好ましい実施態様を参照して記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形式および詳細において改変がなされ得ることを理解するであろう。明細書全体を通して引用された、全ての参考文献(背景におけるものを含む)は、その全体が本明細書中に援用される。
【0360】
当業者は、常套的な実験を用いるだけで、本明細書に特別に記載した発明の特定の実施態様の多くの均等物を理解するか、または確認することができるであろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本願は、2008年3月13日に出願された米国特許出願第12/047,993号、2007年3月15日に出願された同第60/895,034号、2007年7月26日に出願された同第60/952,113号、および2007年11月5日に出願された同第60/985,603号の利益を主張する。米国特許出願第12/047,993号、同第60/895,034号、同第60/952,113号、および同第60/985,603号のそれぞれの内容は、その全てが、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、アントシアニンおよびアントシアニジンを安定化するのに有用な方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
アントシアニンは、多くの花、果実および葉の魅力的な色に関与する水溶性色素である。一般に、それらは、酸性化アルコール性溶媒により植物から抽出され得、多くのものは食物着色料として市販で入手可能である。それらは、しばしば、飲料またはシリアルなどの他の食物に配合するのに適切な濃度の希釈液としてマルトデキストリンと共に供給される。
【0004】
アントシアニンのアグリコン成分であるアントシアニジンは、式Iに示す基本構造を有する。
【0005】
【化1】
代表的な例は、シアニジン(3、5、7、3’、4’位でヒドロキシル化されている)、デルフィニジン(3、5、7、4’、5’位でヒドロキシル化されている)およびペラルゴニジン(3、5、7、3’位でヒドロキシル化されている)である。ヒドロキシル基は、通常、グリコシル化(例えば、アントシアニン)および/またはメトキシル化されている(例えば、マルビジンは、3’および5’ヒドロキシル基で置換され、ペオニジンおよびペツニジンは、3’ヒドロキシル基で置換される)。
【0006】
アントシアニンは、2−フェニルベンゾピリウムまたはフラビリウム塩のポリヒドロキシルおよびポリメトキシル誘導体の水溶性グリコシドである。個々のアントシアニンは、分子中に存在するヒドロキシル基の数、これらのヒドロキシル基のメチル化の程度、分子に結合した糖の性質、数および位置、ならびに分子中の糖に結合した脂肪族または芳香族酸の数および性質が異なる。数百のアントシアニンが単離され、かつ分光測定手段により化学的に特徴づけられてきた。シアニジンおよびそれらの誘導体は、野菜、果実および花中に存在する最も一般的なアントシアニンである。
【0007】
アントシアニンは、上記したように水素、水酸基またはメトキシル基が6つの異なる位置に見出され得る基本炭素骨格を共有する。果実および野菜では、炭素環に存在するヒドロキシル基の数およびこれらのヒドロキシル基のメチル化度の両方が異なる6つの基本的なアントシアニン化合物が主流である。炭素骨格に結合した糖の同一性、数および位置もまた可変性であり、炭素−3、炭素−5および時々炭素−7に結合し得る最も一般的な糖は、グルコース、アラビノース、ラムノースまたはガラクトースである。この基本に基づき、モノシド、ビオシドおよびトリオシドを区別することが可能である。
【0008】
アントシアニンの化学構造に寄与する別の重要な可変物は、糖鎖上に存在し得るアシル化酸である。最も頻繁に用いられるアシル化剤は、カフェイン酸、フェルラ酸、シナピン酸およびp−クマル酸であるが、酢酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸およびコハク酸などの脂肪酸もまた存在し得る。3つまでのアシル化酸が同時に存在し得る。
【0009】
それらの特定の化学構造のために、アントシアニンおよびアントシアニジンは、電子欠乏により特徴づけられ、このことにより、それらはフリーラジカルとしても知られる活性酸素種(ROS)に対して非常に反応性になり、その結果、それらは強力な天然の抗酸化剤であると考えられる。
【0010】
アントシアニンは、それらの化学構造の性質に部分的に起因して、不安定でありかつ分解しやすい傾向を有する。さらに、アントシアニンの安定性は、pH、数ヶ月の期間にわたる貯蔵、貯蔵温度、酵素の存在、光、酸素、ならびにタンパク質、フラボノイドおよび無機質の存在により影響を受ける。
【0011】
より詳細には、アントシアニンの生物学的利用能は、pHの変化に対するそれらの感受性に起因して低い。アントシアニンは、一般に、3.5以下のpH値で安定であるので、胃条件下で安定である。しかしながら、それらは、より高いpH値、より詳細には腸管などにより代表的なpH値(pH7)で分解するので、有利な吸収および栄養価が非常に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、安定化されたアントシアニンを提供する組成物および/または方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、驚くべきことに、安定なアントシアニン組成物、当該組成物を調製する方法および多様な苦痛を治療するための当該組成物の使用方法を提供する。本発明は、アントシアニンおよび安定化化合物の独特の組成物であって、2つの成分の組み合わせが、アントシアニンが分解を容易に受けないことを提供する組成物を記載する。本発明時まで、アントシアニンは、空気、光、タンパク質または酵素などの環境ストレスへの曝露により分解するであろうことが知られていた。より厄介なのは、中性または塩基性のpHを有する溶液中でのアントシアニンの不安定性であった。
【0014】
驚くべきことに、本発明は、システインのアントシアニン組成物(アントシアニジンまたはアントシアノシドのいずれかである)との併用が、アントシアニンを必要とする対象への送達を、システインの非存在下でアントシアニン組成物を経口摂取した対象に対して、少なくとも2倍量に増加させる助けとなることを提供する。驚くべきことに、4時間後のアントシアニンがシステインの存在下で送達される場合のアントシアニンの血漿濃度が、システインの非存在下で送達されたアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量であることが見出された。従って、本発明は、対象に有効量のアントシアニンおよびシステインを投与することにより、対象において生物が利用可能なアントシアニンの量を増加させる方法を提供する。投与はいかなる手段によっても可能であるが、経口送達が一般に好ましい。1つの実施態様では、アントシアニンのシステインに対する比は、重量基準で約10〜約1である。
【0015】
1つの局面では、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む安定化されたアントシアニン抽出物組成物を提供する。安定化化合物の例には、(還元)グルタチオン、ジヒドロリポ酸、システイン、酵母抽出物およびそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
事実上数千のアントシアニン抽出物が存在するが、その全てが本明細書の範囲内に含まれると考えるべきであり、特に重要なアントシアニン抽出物の適切な例には、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物およびそれらの2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。
【0017】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニン抽出物に対する比は、約0.1〜約10、より詳細には約0.5〜約5、およびより詳細には約1〜約1である。
【0018】
別の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物組成物は、約2以上のpH、例えば、約3のpH、約4のpH、約5のpH、約6のpH、約7のpH、約8のpH、約9のpH、約10のpH、または約11のpH、約12もしくはそれ以上の、例えば14のpHを有する水性環境に曝露したときに、分解に対して安定である。
【0019】
別のさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアノシドである。
【0020】
別のなおさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアニジンである。
【0021】
本発明の別のさらなる局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、ペラルゴニジン(perlarginidin)、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンのグリコシド(glycosidse)である1つまたはそれ以上のアントシアノシドが挙げられる。
【0022】
本発明はまた、本明細書に記載された安定化されたアントシアニン組成物を調製する方法に関する。
【0023】
本発明はさらに、治療上の有効量の本明細書に記載された安定化されたアントシアニン組成物を投与することにより、多様な病気を治療する方法に関する。
【0024】
従って、本発明はさらに、生物が利用可能な安定化されたアントシアニン組成物を提供する。
【0025】
複数の実施態様が開示されているが、本発明のさらに他の実施態様は、以下の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。明らかに、本発明は、全てが本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の明らかの局面において改変することが可能である。従って、詳細な説明は、事実上例示であり、限定するものではないと考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、グルタチオンまたはDHLAの1ミリモル濃度溶液中のcy−3−O−グルコシドについての深色移動が欠如していることの証拠を提供する。
【図2】図2は、グルタチオンまたはDHLAの1ミリモル濃度溶液中のcy−3−O−グルコシドについての濃色移動が欠如していることの証拠を提供する。
【図3】図3は、ビルベリー抽出物(未保護)の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図4】図4は、図3に見られる無保護に対するDHLA保護されたビルベリー抽出物の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図5】図5は、図3に見られる無保護に対するGSH保護されたビルベリー抽出物の残留アントシアノシドの%を提供する。
【図6−1】図6Aは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。図6Bは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。
【図6−2】図6Cは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。図6Dは、DHLA保護されたビルベリー抽出物の比較の分解動態学を提供する。
【図7】図7は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたデルフィニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図8】図8は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたペツニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図9】図9は、未保護のまたはグルタチオンで保護されたデルフィニジン−3−O−ガラクトシドの比較分解動態学を提供する。
【図10】図10は、グルタチオンで保護されたまたは未保護のシアニジン−3−O−ガラクトシドの2つのpH値における比較分解動態学を提供する。
【図11】図11は、DHLA保護された15のビルベリーアントシアノシドの比較分解を提供する。
【図12】図12は、グルタチオン(GSH)保護された15のビルベリーアントシアノシドの比較の分解を提供する。
【図13】図13は、グルタチオンの存在下、pH7、37℃にて緩衝溶液中でのリードアントシアノシド(ブラックカレント(Black current))の安定性を経時的に実証する。
【図14】図14は、CaCo−2細胞を有するグルタチオンの存在下、pH7、37℃にて、インキュベーション培地中でのリードアントシアノシド(ブラックカレント(Black current))の安定性を経時的に実証する。
【図15】図15は、リードアントシアノシドのCaCo−2細胞への細胞取り込みを実証する。
【図16】図16は、グルタチオンの有無でのビルベリーアントシアノシドの分解(37℃、pH=7.0で1時間)を提供する。
【図17】図17は、グルタチオンの有無でのCaCo−2細胞へのビルベリーアントシアノシドの細胞取り込みを実証する。
【図18】図18は、CaCo−2実験のHPLC解析についての勾配特性を提供する。
【図19】図19は、GSHで処理したビルベリー抽出物の安定性について、pH範囲3〜11にわたって残留率およびpH値を、および(同じpH値における)GSHで処理しなかったビルベリー抽出の不安定性を、図で表現したものである。
【図20】図20は、特定のpH範囲にわたるGSHの保護効果を図で表現したものである。
【図21】図21は、0時間における20070601の未使用溶液のHPLCクロマトグラムである。
【図22】図22は、4時間後、37℃での20070601のHPLCクロマトグラムである。
【図23】図23は、0時間における20070602の未使用溶液のHPLCクロマトグラムである。
【図24】図24は、4時間後、37℃での20070602のHPLCクロマトグラムである。
【図25】図25は、37℃で0時間および4時間後における20070601のHPLCピークの比較を提供する。
【図26】図26は、37℃で0時間および4時間後における20070602のHPLCピークの比較を提供する。
【図27】図27は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察されたアントシアニジンの比較を提供する。
【図28】図28aは、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全シアンジン(cyandin)のそれぞれの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。図28bは、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全デルフィニジンのそれぞれの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図29】図29は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全ペツニジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図30】図30は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全ペオニジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図31】図31は、ビルベリー抽出物または本発明のビルベリー/システインの組み合わせで処理したヒト血漿中で観察された全マルビジンの比較を提供する。上部の点線は、ビルベリー/システインの組み合わせであり、下側の破線は、ビルベリー抽出物のみである。
【図32】図32は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第1日に観察された比較のCmaxを提供する。
【図33】図33は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第7日に観察された比較のCmaxを提供する。
【図34】図34は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第1日に観察された比較のAUC0−infを提供する。
【図35】図35は、ビルベリー抽出物対ビルベリー抽出物/システインの組み合わせについて、シアンジン(cyandin)、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジンおよびマルビジンについて第7日に観察された比較のAUC0−infを提供する。
【図36】図36Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全シアニジン血漿レベルを提供する。図36Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全シアニジン血漿レベルを提供する。
【図37】図37Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全デルフィニジン血漿レベルを提供する。図37Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全デルフィニジン血漿レベルを提供する。
【図38】図38Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペツニジン血漿レベルを提供する。図38Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペツニジン血漿レベルを提供する。
【図39】図39Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペオニジン血漿レベルを提供する。図39Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全ペオニジン血漿レベルを提供する。
【図40】図40Aは、システインを有しないビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全マルビジン血漿レベルを提供する。図40Bは、システインを有するビルベリー抽出物について、4時間、1日、7日、および第4日(2つの点は0および0.5時間をそれぞれ表す)における血漿中の全マルビジン血漿レベルを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、1つまたはそれ以上のアントシアニンおよび1つまたはそれ以上の安定化化合物を含む組成物に関する。従って、組成物は、アントシアニンが所定の期間にわたって容易に分解しないという点で「安定」である。
【0028】
明細書および特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「含む(comprising)」は、オープン・エンドな用語であり、「含むが、・・・に限定されない」ことを意味するものと解釈すべきである。これらの用語は、より限定的な用語「から実質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0029】
本明細書中で、および添付の特許請求の範囲で用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに異なるように述べていない限り、複数の参照も含むことに留意すべきである。同様に、用語「1つの(a)」(または1つの(an))、「1つまたはそれ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書中で互換可能に用いられ得る。また、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「により特徴付けられる」および「有する」が互換可能に用いられ得ることにも留意すべきである。
【0030】
他に定義しない限り、本明細書中で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同様の意味を有する。本明細書中で特に言及される刊行物および特許は、本発明と関連付けて用いられ得たであろう刊行物に報告された化学物質、装置、統計学的解析および方法論を記載および開示することを含む全ての目的のために、それらの全体が参照として援用される。本明細書中で引用された全ての参考文献は、当業者の水準を示すものである。本明細書中のいかなるものも、先行発明のために本発明がそのような開示に先行する権利を与えられないことを自認するものと解釈されるべきではない。
【0031】
1つの局面では、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン組成物を提供する。
【0032】
本明細書中で用いられる用語「アントシアニン」は、グリコシル化アントシアニン(アントシアノシド)およびアントシアノシドのアグリコン(アントシアニジン)の両方を包含することが意図される。本明細書の全体にわたって、アグリコンアントシアニジンがしばしば参照されるが、他に断りのない限り、限定的であると解釈すべきではない。いずれの用語が用いられる場合でも、他に断りのない限り、用語は互換的に用いられ、かつ、グリコシル化物質およびアグリコン物質を含むことが意図される。
【0033】
アントシアニンのアグリコン成分であるアントシアニジンは、式IIに示す基本構造を有する。
【0034】
【化2】
【0035】
【表1】
式中、R1〜R7は、アントシアニジンの代表的な例を提供する。
【0036】
アントシアニンのグリコシル化型は、アントシアニジンよりも水可溶性でありかつ安定である。アントシアノシドは、それらが含むグリコシル単位の数により分類される。モノグリコシドは、アグリコンの3−ヒドロキシル基に主に結合した1つの糖部分を含む。ジグリコシドは、一般に、3および5ヒドロキシ位、ならびにたまに3および7水酸化位に、2つの単糖を含む。トリグリコシドは、一般に、3位およびC−5またはC−7位の1つに2つの単位が存在する場合、結合を有する。3’、4’および/または5’位での糖鎖付加もまた可能である。
【0037】
アントシアニンの最も一般的な糖には、単糖であるグルコース、ラムノース、ガラクトース、アラビノースおよびキシロースが挙げられる。アントシアニン中で最も頻繁に見出される二糖および三糖は、ルチノース、ソホロース、サンブビオースおよびグルコルチノースである。
【0038】
アントシアニンは、カルボン酸での1つまたはそれ以上の水酸基によりアシル化され得る。酸は、最も一般的には、単糖の6位に連結するが、単糖の2、3および4位もまた可能である。一般的な脂肪酸には、マロン酸、酢酸、リンゴ酸、コハク酸およびシュウ酸が挙げられる。一般的な芳香族フェノール酸および脂肪族ジカルボン酸には、クマリン酸、カフェイン酸(acffeic)、シナピン酸、フェルラ酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸および没食子酸が挙げられる。
【0039】
用語「抽出物」は、葉、小枝、樹皮、根、幹、種子、花、液果、果実などの植物源から、例えば、適切な上記植物源から常套的な単離方法により得られたアントシアニン物質を意味することを意図するが、本明細書中に記載したものに限定されない。当業者に公知の種々のアントシアニンの抽出方法が存在する。これらの方法のいくつかは、例えば、米国特許第5,817,354号、米国特許第5,200,186号、米国特許第5,912,363号、米国特許第4,211,577号、米国特許第4,302,200号(それぞれ、参照として本明細書中で援用される)に記載されている。
【0040】
適切なアントシアニン含有植物の例には、以下からなる群から選択される果実、野菜、花および他の植物が挙げられるが、これらに限定されない:ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、ノルウエーカエデ(Acer platanoides)、アセロラ、セイヨウジュウニヒトエ(Ajuga reptans)、リンゴ、アンズ、チシマイチゴ、アボカド、バナナ、メギ、オオムギ、Begonia semperfrorens、ヒナギク(Bellis perennis)、シラン(Bletilla striata)、ビルベリー、クロマメ、クロダイズ、ブラックポテト、ブルーポテトおよびパープルポテト、ブラックベリー、ブルーベリー、クロマメノキ、ボイセンベリー、ソバ、カカオ、チャノキ、カナリーグラス、Caucasian blueberry、ロウバイ(Chimonanthus praecox)、セロリ、セイヨウミザクラ(Cerasus avium)、サクラ、セイヨウバクチノキ、チコリー、チャイブ、チョコベリー、セイヨウサンシュユ、コーンフラワー、コトネアスター、カウベリー、クランベリー、ガンコウラン、キク、サヨウオシャクジタケ(Cynomorium coccineum)、Dahlia variabilis、セイヨウニワトコ、アメリカスノキ、デンドロビューム、ゴゼンタチバナ、Echinacea purpea、ナス、エルダーベリー、ソラマメ、ヤツデ、フェイジョア、イチジク、ニンニク、ガーベラ、オタネニンジン、アーティーチョーク、スグリ、ブドウ、グアバ、サンザシ、ハイビスカスまたはローゼル、Hibiscus Sabdaiffa、ハイブッシュブルーベリー、タチアオイ、スイカズラ、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、Iris ensata、ジャンボラン、キクイモ、インドマンゴスチン、レリオカトレア、レンズマメ、ローガンベリー、ルーピン、ライチ、トウモロコシ、マンゴー、マンゴスチン、マクイ、アラセイトウ(Matthiola incana)、メコノプシス、Metrosideros excelsa、アワ、ナナカマドベリー、マルベリー、マートルベリー、オリーブ、タマネギ、オレンジ、ソメイヨシノ、パッションフルーツ、エンドウマメ、モモ、ピーナッツ、ナシ、エゴマ、ペチュニア、コチョウラン、ウオトリギ、アサガオ、パイナップル、ピスタチオ、セイヨウスモモ、ザクロ、Phragmites australis、パープルキャロット、マルメロ、ラビットアイ・ブルーベリー、ダイコン、レッドカラントおよびブラックカラント、レッドラズベリーおよびブラックラズベリー、レッドキャベツ、コメ、ダイオウ、ローズヒップ、ライムギ、サフラン、サラセニア、シープベリー、Sophoronitis coccinea、ソルガム、スパークルベリー、イチゴ、Fragada Vesca、サトウキビ、ヒマワリ、スイートチェリー、サツマイモ、タマリロ、タマリンド、タロイモ、タルトチェリー、Tulip greigii、カブ、スイレン、タニウツギ、コムギ、ワイルドライス、Verbena hybrida、ヤムイモおよびそれらの混合物。
【0041】
事実上数千のアントシアニン抽出物が存在するが、その全てが本明細書の範囲内に含まれると考えるべきであり、特に重要なアントシアニン抽出物の適切な例には、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物およびそれらの2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。
【0042】
代表的には、抽出物は種々の方法で濃縮されて、アントシアニンが濃縮された溶液を提供する。例えば、限外濾過を用いて、分子量カットオフによる所望されない成分を除去することができる。濾過からの残留物は、液体として貯蔵され得るか、または例えば噴霧乾燥、凍結乾燥、フラッシュ乾燥、流動床乾燥、リング乾燥、トレー乾燥、真空乾燥、高周波乾燥またはマイクロ波乾燥によりさらに濃縮して粉末にすることができる。最終的に、抽出物は、少なくとも10重量%のアントシアニン含有量を含むべきである。市販のアントシアニンは、Artemis International,Fort Wayne,Indianaなどの供給源から得られ得る。市販のアントシアニン抽出物は、少なくとも10重量%のアントシアニン含有量を含むべきである。従って、抽出物は、アントシアニン、および他のフラビノイド、糖などの他の植物性物質を含む。
【0043】
アントシアニン抽出物は、さらに、クロマトグラフィ、ゲルクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、結晶化、アフィニティクロマトグラフィ、分配クロマトグラフィなどの当該分野で公知の1つまたはそれ以上の方法で精製され得る。特定のアントシアニンの同定には、当業者に公知の方法で達成され得る1H NMR、化学分解、クロマトグラフィおよび分光法、特に、単離されたアントシアニン化合物の特徴づけのためのホモ−およびヘテロ核の二次元NMR技術などが挙げられる。
【0044】
用語「精製された」および「単離された」は、上記アントシアニン抽出物からの1つまたはそれ以上のアントシアニンの精製および/または単離を参照するために用いられる。ここでも当該分野で公知の定法を用いて、アントシアニン抽出物の多様な成分を分離して精製物質とし得る。本発明の1つの局面では、抽出物のアントシアニンは、当該分野で公知の技術により実質的に精製および単離される。精製された化合物の純度は、通常、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、ならびに最も好ましくは少なくとも約99%、およびさらにより好ましくは少なくとも約99.9重量%(例えば、約100%)である。
【0045】
本発明に従って、アントシアニン抽出物は、ペオニジン、シアニジン、ペラルゴニジン、デルフィニジン(delphinldin)、ペツニジン、マルビジン、アピゲニニジン(apigenindin)、アウラチニジン(auratinidin)、カペンシニジン、ユーロピニジン、ヒルスチジン、6−ヒドロキシシアニジン、ルテオリニジン、5−メチルシアニジン、プルチェリジン(pulchellidin)、ロシニジン、トリセトニジン(tricetnidin)、それらの誘導体および混合物からなる群から選択される1つまたはそれ以上のアントシアニンおよび/またはアントシアニジンを含む。1つの実施態様では、アントシアニンおよびアントシアニジンは、シアニジン、ペオニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジン、それらのグリコシド誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらに別の実施態様では、抽出物は、少なくとも1つのシアニジン塩基のアントシアニンを含む。
【0046】
本明細書に記載される本発明において有用であり得るアントシアニンには、シアニジン−3−グルコシド;シアニジン 3−グルコシルルチノシド;シアニジン−3−ゲンチビオシド;シアニジン−3−ルチノシド、シアニジン−3−サンブニグリン、シアニジン−3−サンブ−5−グルコシド、シアニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン−3−ルチノシド、ペオニジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン、シアニジン、シアニジン−3ソフォロシド、ペラルゴニジン、デルフィニジン、デルフィニジン−3−グルコシド、デルフィニジン−3−ガラクトシド、ペツニジン、ペツニジン−3−グルコシド、ペツニジン−3−ガラクトシド、マルビジン、マルビジン−3−アラビノシド、マルビジン−3−グルコシド、マルビジン−3−ガラクトシド、ケンフェロール、ヘスペリジン、ゲンチオデルフィン、プラチコニン、シネラリンなどが挙げられるが、これらに限定されない:。
【0047】
種々の植物由来のアントシアニンの適切な例には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ヒロハカエデ(Acer macrophyllium)、シアニジン誘導体、ノルウエーカエデ(Acer platanoides)、シアニジン 3−(2”,3”−ジガロイル−β−グルコピラノース(3%)、シアニジン 3−(2”−ガロイル−β−グルコピラノース(37%)、シアニジン 3−β−グルコピラノシド(60%)、アセロラ、Malpighia marginata、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、セイヨウジュウニヒトエ、シアニジン 3−(ジ−p−クマロイル)ソフォロシド−5−グルコシド、リンゴ、Malus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3アラビノシド、シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3グルコシド、シアニジン 3−キシロシド、アンズ、Prunus armeniaca、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3グルコシド、チシマイチゴ、Rebus spp、アボカド、Persea spp、アシル化シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、バナナ、Musa acuminata、M.balbisiana、イチジク、Berberis spp.、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、オオムギ、Hordeum vulgare、シアニジンおよびシアン化物グリコシド、マメ、インゲンマメ(Pheseolus vulgaris)(いくつかの栽培品種)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、Begonia semperflorens cvs、シアニジン誘導体、ベニバナチャ、Camellia sinensis、シアニジン 3−O−β−D ガラクトシド、シアニジン 3−O−β−D−ガラクトシド、ヒナギク(Bellis perennis)、3 シアニジン 3−誘導体、Bletilla striata、アシル化シアニジン 3,7,3’−トリグルコシド誘導体、ビルベリー、Vaccinium myrtillis、Artemis/Iprona;Indena、シアニジン−3−ガラクトシド(22%);シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−グルコシド(9%)、シアニジン−3グルコシド、クロマメ、インゲンマメ、シアニジン−3−グルコシド(96%)、シアニジン−3グルコシド、ブラックベリー(ヨーロッパ産およびアメリカ産)、Moriferi veri、Rubus caesius、R.Alleghniensis、R.argufus、R.cuneifolius、R.setosus、R.trivials、シアニジン−グルコシド(70−100%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド、ブラックグレープ、多種多様、ブラックポテト、Solanumtuberosum tuberosum、シアニジン−グリコシド、ブラックラズベリー、Rubus occidentalis、シアニジン−サンブビオシド(sambubloside)(20%);シアニジン−サンブビオシド(sambubloside)、シアニジン−キシロシルルチノシド(40%);シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、(17%)、シアニジン−ルチノシド(23%)、クロダイズ、ダイズ、シアニジン−3−グルコシド(96%)、シアニジン−3−グルコシド、ブルーベリー(5つの共通のVaccinium spp)、シアニジン−グルコシド(3%);シアニジン−グルコシド、シアニジン−ガラクトシド(3%)、シアニジンガラクトシド、シアニジン−アラビノシド(3%)、シアニジン−3−アラビノシド、クロマメノキ、Vaccinium uliginosum、シアニジン−3−グルコシド(14%)、シアニジン 3 グルコシド(14%)、シアニジン#アラビノシド(10%)、シアニジン−3−アラビノシド(10%)、シアニジン 3−ガラクトシド(6.5%)、シアニジン−3−ガラクトシド(6.5%)、ボイセンベリー(ニュージーランド)、シアニジン−3−ソフォロシド(44.5%)、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド(26.4%)、シアニジン−3 グリコシルルチノシド(25.8%)、シアニジン−ルチノシド(3.3%)、ソバ、Fagopyrum spp.、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン−3−ガラクトシド、カカオ、Theobroma cacao、シアニジン 3−グルコシド(疑い)、シアニジン−3−グルコシド(疑い)、セロリ、Apium spp.、セイヨウバクチノキ、Prunus laurocerasus、シアニジン−3−アラビノシド、シアニジン−3−アラビノシド、チコリー、Cichorium intybus、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、チャイブ、Allium schoenoprasum、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−アセチルグルコシド、シアニジン 3−(6マロニルグルコシド)、シアニジン 3−(3,6ジマロニルグルコシド)、チョークベリー、Aronia melanocarpa、Artemis/lprona、シアニジン−3−ガラクトシド(64.5%)、シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−アラビノシド(28.9%)、シアニジン−3 アラビノシド、シアニジン−3−グルコシド(2.4%)、シアニジン−3 グルコシド、シアニジン−3−キシロシド(4.2%)、シアニジン−3−キシロシド、コーヒー、Coffea Arabica cv.Bourbon Vermelho、シアナジン−3−グリコシド、シアナジン 3,5−diglyeoside、シアナジン 3−グリコシド、コトネアスター、Cotoneaster Medic.Spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3 ガラクトシド、カウベリーまたはリンゴンベリー、V.vitis−idaea、シアニジン 3−ガラクトシド シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3 アラビノシド、シアニジン 3 グルコシド、Chimonanthus praecox、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン−3−O−グルコシド、アシル化シアニジン 3−0−グルコシド、シアニジングリコシド、クランベリー(アメリカ産およびヨーロッパ産)、Vaccinium macrocorpon、Ocean Spray、シアニジン−ガラクトシド(16〜24%)、シアニジン−ガラクトシド、V.oxycoccus、シアニジン−アラビノシド(13〜25%)、シアニジンアラビノシド、クロウベリー(CrOwberry)、Empetrum nigrum、シアニジン 3−グルコシド シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ソフォロシド、キク、Dendranthema Grandiflorum、シアニジン 3−オルト(6’−O−マロニル−β−グルコピラノシド、カラント(レッドおよびブラック)、Ribes rubrum、R.nigrum、シアニジン−グルコシド(2〜10%)、シアニジン−グルコシド、シアニジンサンブビオシド、シアニジン−ルチノシド(8〜17%)、シアニジン−サンブビオシド(9−31%)、シアニジン−ソフォロシド(4〜9%)、シアニジンキシロシルルチノシド(28−73%)、シアニジングルコシルルチノシド(14〜28%)、Cyneinonurn coccineum、シアニジン 3−O−グルコシド(92%)、シアニジン 3−O−グルコシド(92%)、シアナジン 3−オルト(6−O ラムノシルグルコシド(8%)、セイヨウニワトコ、Sambucus ebulus、シアニジン 3−キシロシルグルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド、シアニジン 3サンブビオシド(sambubloside)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド−5−グルコシド、シアニジン 3,5 ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノグルコシド、デンドロビューム、Phalaenapsis spp.、シアニジン誘導体、ゴゼンタチバナ、Comus suecica、シアニジン 3−グルコシド(4%)、シアニジン 3−グルコシド(4%)、シアニジン 3−ガラクトシド(16%)、2シアニジン誘導体(80%)、エキネシア、Echinacea spp.、エルデンベリー(Eldenberry)、Sambucus nigra、Artemis/Iprona、シアニジン−3−グルコシド(42%)、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−サンブビオシド(43%) シアニジン−3,5−ジグルコシド(2%)、シアニジン−3 サンブビオシド(sambubloside)−5グルコシド(9%)、Gentians spp.、シアニジン 3−O−β−D−グルコシドおよび3つの他の誘導体、シアニジン 3−O−β−D−グルコシド、Fatsia japonica、シアニジン 3−ラチロシド、フェイジョア、Feijoa sellowiana、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、イチジク、Ficus carica spp、シアニジン 3−ラムノグルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、Forsythia X、intermedia cv、Spring Glory、シアニジン誘導体、ニンニク、Allium sativum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド(モノアシル化)、シアニジン 3−グルコシド(トリアシル化)、オタネニンジン、Panax ginseng、Panax quinquefolius、シアニジン 3−O−β−D−キシロピラニル−(1 2)−β−D−グルコピラノシド、アーティチョーク、Cynara scolymus、シアニジン 3−カフェイルグルコシド、シアニジン 3−カフェイルソフォロシド、シアニジン 3−ジカフェイルソフォロシド、スグリ、Ribes spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、ブドウ、Vinis vinifera、シアニジン 3−モノグルコシド、シアニジン 3−モノグルコシド、シアニジン 3−モノグルコシド酢酸塩、シアニジン 3−モノグルコシド−p−クマラート、グアバ、Psidium guajavica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、サンザシ、Crataegus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3 グルコシド、ハイビスカスまたはローゼル、Hibiscus sabdariffa、シアニジン−サンブビオシド(30%)、タチアオイ、Althaea rosea、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、他のシアニジングルコシド、スイカズラ、Lonicera nitida、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、ハナショウブ、Iris ensata、シアニジン 3RG、シアニジン 3RG5G、シアニジン 3Rgac5G、アサガオ、Ipornoea purpurea、6つのアシル化シアニジン 3−ソフォロシド−5 グルコシド、ジャンボラン、Mytciana jaboticaba、シアニジン 3−グルコシド、シアニジ
ン 3−グルコシド、キクイモ、Helianthus tuberosus、インドマンゴスチン、Garcinia indica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド、シアニジン 3−サンブビオシド、レリオカトレア、アシル化シアン化物誘導体、レンズマメ、シアニジン 3−オルト(6”−マロニルグルコシド)、ローガンベリー、Rubus loganbaccus、シアニジン−ソフォロシド(48.1 %)、シアニジングルコシド、シアニジン−グルコシド(21.6%)、シアニジン−ルチノシド(6.2%)、ルーピン、Lupinus spp、シアニジングリコシド(存在を確認した)、ライチ、Litchi chinensis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3 ガラクトシド、トウモロコシ、Zea mays、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−(6”−マロニルグルコシド) シアニジン 3(3”,6”ジマロニル−グルコシド)マンゴー、Mangifera indica(シアニジングリコシド、マンゴスチン、Garcina mangostana、シアニジン 3−ソフォロシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、マクイ、Aristotella chilensis、シアニジン 3−,5−ジグルコシド、アラセイトウ、4つのアシル化シアニジン 3−サンブビオシド(sambubloside)−5 グルコシド、アワ、Pernnisetum americanum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、ナナカマドベリー、Sorbus spp、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド シアニジン 3−β−Dグルコピラノシド、マルベリ、Morus nigra、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ソフォロシド、マートルベリー、Myrtus communis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド、オリーブ、Olea europaea、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン誘導体、タマネギ、Allium sepa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド、シアニジン 3−ラミナリオシド(laminarioside)、オレンジ、Citrus sinensis、シアニジン 3−グルコシド(95%)、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、パッションフルーツ、Pasiflora edulis、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、エンドウマメ、Posum sativurn、シアニジン 3−ソフォロシド グルコシド、シアニジン 3−サンブビオシド−5−グルコシド、モモ、Prunus persica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン誘導体、ピーナッツ、Arachis hypogaea、シアニジングルコシド、ナシ、Pyrus communis、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−アラビノシド、エゴマ、Perilla frutescens、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3,5−誘導体、Petunia spp.、シアニジン 3−ルチノシド、ウオトリギ、Grewia spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、パイナップル、Anans comosus、シアニジン 3−ガラクトシド、シアニジン 3−ガラクトシド、ピスタチオ、Pistacia vera、Pragmites australis、シアニジン−3誘導体、セイヨウスモモ、2000品種、15種、シアニジン−グルコシド(37%)、シアニジングルコシド、シアニジン−ルチノシド(45%)、ザクロ、Punica granatam、シアニジン−グルコシド(30%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ジグルコシド(17%)、パープルキャロット、Daucus carota、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシルガラクトシド、シアニジン−ガラクトシド、シアニジン−ジガラクトシド、シアニジン−ガラクトシド、マルメロ、Cydonia oblonga、シアニジン−3 グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン誘導体、ダイコン、Raphanus sativus、アシル化シアニジン 3−ソフォロシド−5−グルコシド、アシル化シアニジン 3 ジグルコシド−5−グルコシド、レッドキャベツ、Brassica oleracea var capitata、シアニジングリコシド、ヨシ、Phalaris arundinacea、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−(6’’−,マロニルグルコシド)、シアニジン 3(3’’,6’’ジマロニル−グルコシド)、レッドオニオン、Allium cepa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジン 3−グルコシド誘導体、レッドペチュニア、Petunia spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ソフォロシド、レッドラズベリー、Rubus idaeus、シアニジングルコシド(17%)、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド(7%)、シアニジン−ソフォロシド(50%)、シアニジングリコシルルチノシド(26%)、シアニジン−ジグルコシド、ダイオウ、Rneum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、コメ、Oryza spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、ローズヒップ、Rosa canina、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3,5−ジグルコシド、ライムギ、Secare cereale、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノシルグルコシド、シアニジン 3−ラムノシルジグルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ルチノシド誘導体、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、シープベリー、Vibumum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノシルサンブビオシド、モロコシ、Sorghum bicolor、シアニジン、シアニジングリコシド、スパークルベリー、V arboreum、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−アラビノシド、シアニジン 3−ガラクトシド、イチゴ、Fragacia ananassa、シアニジン−グルコシド(微量)、シアニジン−グルコシド、ヒマワリ、Hellanthus annuus、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3−キシロシド、アシル化シアニジン 3−キシロシド、シアニジン 3−バニリル サンブビオシド、スイートチェリー、Prunus avintn、シアニジン−グルコシド、シアニジン−グルコシド、シアニジン−ルチノシド;シアニジン 3−スホロシド、サツマイモ、Ipornoea batatas Sophronitis coccinea、シアニジン誘導体、5つのアシル化シアニジン 3,3’,7−トリグルコシド、タマリロまたはツリートマト、Cyphomandrea betacea、シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、タマリンド、Tamarindus indica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、タロイモ、Colocasia esuculenta、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、タルトチェリー(balaton)、Prunus cerasus cv.、Balaton,Nutrilite、シアニジン−3−ルチノシド−ヘキソース(75%)、シアニジン−3−ルチノシド−ペントース(3%)、シアニジン−3−ルチノシド(18%)、タルトチェリー(montmorency)、Prunus cerasus cv.(Montmorency,Nutrilite)、シアニジン−3−ソフォロシド(80%)、シアニジン−3−グルコシド(20%)、シアニジン−3−グルコシド(20%)、チューリップ、Tulipa spp、シアニジン 3−O−(6”−ラムノシルグルコシド)、シアニジン 3−O−誘導体、カブ、brissica rapa、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ジグルコシド−5−グルコシド、スイレン、Nymphasa alba、シアニジン 3−0−(6’’アセチル−β−ガラクトピロシナーゼ(23%)、シアニジン 3−0−ガラクトシド(2%)、シアニジン 3−O−ガラクトシド(2%)、Weigela spp.、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン 3−O−グルコシド、シアニジン 3−O−グルコシドキシロース、コムギ、Triticum spp、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、アシル化シアニジングルコシド、シアニジン 3−ルチノシド、アシル化シアニジン 3−ルチノシド、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、ワイルドライス、Zizania aquatica、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノグルコシド、およびヤムイモ、Dioscoracea spp、シアニジン 3,5−ジグルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−グルコシド、シアニジン 3−ラムノグルコシド、シアニジン 3−ゲンチオビオシド、アシル化シアニジングルコシド。
【0048】
本明細書中で用いられる用語「アントシアニン」は、単量体のアントシアニンだけでなく、二量体および重合体(すなわち、3〜20個のアントシアニジン単量体残基を含む)型のアントシアニンおよびロイコアントシアニジン(フラバン−3,4−ジオールとしても知られる)もまた意味することを意図する。アントシアニンは、置換(例えば、アルキル基、アルコキシ基など)を含み、特に上記のようにO−グリコシル化され得る。
【0049】
組成物中のアントシアニンは、単独のアントシアニンであり得るか、またはアントシアニンの混合物を含み得る。特に、アントシアニンは、マルビジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペラルゴニジンおよびペツニジン、ならびにそれらのグリコシドからなる群から選択される。代表的な例は、精製された形態で市販されている塩化マルビン(マルビジンジグルコシド)である。あるいは、アントシアニンは、上記のブドウ、ブラックキャロット、レッドキャベツ、ブラックベリー、ブラックカラント、クランベリーなどのアントシアニン含有植物を抽出することにより得られ得る。
【0050】
本明細書中で用いられる句「安定化されたアントシアニン組成物」は、グリコシド(アントシアノシド)としてまたはアグリコン(アントシアニジン)としてのアントシアニンが、例えば、約37℃、pH=約7.0で、少なくとも約3.5時間にわたって、アントシアニンの最初の割合から少なくとも約50%が未分解であることを意味する。同様に、この句は、同様の安定性を有する約4、約5、約6および約8のpH値を含む。
【0051】
本明細書中で用いられる用語「安定化化合物」は、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を包含することを意図する。理論によって限定されるべきではないが、チオール基とアントシアニンとの間で相互作用が起こり、その結果、チオール含有基が(しばしば、ジスルフィド−S−S−に)酸化され、かつ、アントシアニンが、後に遊離する水素原子を受け取ると考えられる。
【0052】
安定化化合物の適切な例には、酵母抽出物(例えば、ビール酵母)、ジヒドロリポ酸、アミノ酸塩などのジヒドロリポ酸の塩、システイン、N−アセチルシステインなどのシステインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの塩、パパインなどのSH−プロテイナーゼ、ブロメライン、フィチン、エヒモパパイン(ehymopapain)およびそれらの混合物、SH−メタロプロテイナーゼ、システイン含有ペプチド類、グルタチオン含有ペプチド類、発酵カキ抽出物、発酵マメ凝乳、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0053】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニンに対するモル比は、約0.1〜約10であり、より詳細には約0.5〜約5、およびさらにより詳細には約1〜約1である。
【0054】
理論により限定されるべきではないが、以下は、本発明に関する驚くべき独特の知見の説明である。アントシアノシドは、無色の誘導体を形成することにより、pH移動を受けやすい。フラビリウムカチオンおよびキノノイダル塩基は着色され、平衡は、pH依存性[pH値<2]の両方の種の存在によって通常影響されない。(スキーム1参照)この平衡は、非常に急速に確立され、かつ、この反応は可逆的であると考えられる。適切な条件下での水の「攻撃」は、一連の無色の誘導体(カルビノール塩基、カルコン)を生じる。反応のこの部分は緩徐に進行し、通常は可逆的ではない。脱色プロセスは、約3.5を超えるpH値で開始する。分子の保護による水の攻撃の予防により、本明細書を通して記載したアントシアノシドの安定化が提供される。
【0055】
【化3】
理論に基づけば、共色素沈着の公知の現象(「共色素」の存在下でアントシアノシドの増加した安定性を記載する)により、深色(λmaxが、より高い波長に向かってシフトする)効果および濃色(同じ濃度でのλmaxでの吸収が増加する)効果が得られる。従って、チオール化合物が共色素として作用し得たかどうかの解明を行った。
【0056】
理論に基づけば、アントシアノシドは、自己会合により、それらの安定性を増加することができる。濃度がより高くなると、自己会合の影響の可能性が高い。自己会合は、約0.0001モル溶液濃度を超える濃度で起こる。自己会合は、チオール化合物の保護効果を隠蔽することを助け得るので、保護効果は多様な濃度で試験した。
【0057】
理論に基づけば、共色素沈着は、深色性(λmaxが、より高い波長に向かってシフトする)および濃色(同じ濃度でのλmaxでの吸収が増加する)効果をもたらすはずである。
【0058】
紫外分光法に基づく本調査により、図1および2に示すように、DHLA(ジヒドロリポ酸)またはGSH(グルタチオン)のいずれも、深色または濃色効果を生じなかった。従って、安定性の増加は、別のメカニズムに関連している可能性が最も高い。
【0059】
異なるpH値についての新たに溶解させたシアニジン−3−O−グルコシド(保護および無保護)のλmaxシフトの観点からのスペクトル特性は、図1および2に示すように、同一であった。
【0060】
ビルベリー抽出物(種々の濃度、モル濃度をシアニジン−3−O−グルコシドとして表す)の安定性を、GSHまたはDHLAの存在/非存在下で、pH依存性のλmaxでの吸収を紫外分光光度法により測定することにより調べた。
【0061】
図3、4および5に示すように、本調査は、アントシアノシドが、全ての試験された濃度において、GSH(0.65mmol濃度)およびDHLA(1.44mmol濃度)による分解に対して、特に5〜6を超えるpH値で保護されていることを示した。種々のpH試験におけるλmaxは、未保護のおよび保護された溶液の間で異ならなかった。シアニジン−グルコシドでは濃色効果が起こらないことが観察されたので、チオール含有保護剤の安定化された効果は、共色素沈着とは異なると考えられる。
【0062】
0.0001モル濃度(シアニジン−3−O−グルコシドと表す)でのビルベリー抽出物の安定性を、UV分光法により、異なるpH値で、経時的に、DHLA(1.44mmol濃度溶液)の非存在/存在下で調べた。
【0063】
図6A〜6Dに示すこれらの実験は、DHLAが、未保護のアントシアノシドが急速に分解するpH値(pH>5〜6)でアントシアノシドを保護することを実証する。最も興味深いことに、データを統計モデル(回帰分析)にフィッティングすると、未保護の分解動態学は、直線回帰にフィットするが、一方、DHLA保護の分解動態学は、指数関数的回帰分析にフィットする。このことは、経時的に構成される保護機構を示す。
【0064】
ビルベリー抽出物から選択したアントシアノシド(0.48mmol濃度溶液)の分解動態学を、pH=7および25℃で、GSH(0.65mmol濃度溶液)の存在/非存在下でインキュベーションした後、HPLCにより経時的に調べた。
【0065】
選択した時点にて、デルフィニジン−3−O−ガラクトシド(非常に分解しやすい)、ペツリジン−3−O−ガラクトシド(中程度の感受性)およびシアニジン−3−O−ガラクトシド(やや安定)のピークエリアを、HPLCによりチェックした(図7、8および9を参照)。安定化特性を、グルタチオンの存在下で観察し、これらもまた指数関数的回帰分析に良好にフィットした。従って、保護機構が共色素沈着とは異なり、保護効果が経時的に構成される機構を含むと結論づけることは合理的である。
【0066】
シアニジン−3−O−ガラクトシド(0.001モル濃度溶液)を、pH= 3.1またはpH=7.0で、それぞれ、DHLA(1.44ミリモル濃度溶液)の存在/非存在下で溶解した。反復のインキュベーションを、25℃にて3日間、HPLCにより行った。
【0067】
図10に見られるように、DHLAの効果は、驚くべきことに、長期持続性である。pH=7.0にて25℃で3日間後、約47%のシアニジン−3−O−ガラクトシドがDHLAの存在下で回収されたが、一方、未保護の試料は、ほぼ0%のシアニジン−3−O−ガラクトシドを生じた。pH=3.1についての比較値は、それぞれ95%および61%であった。
【0068】
ビルベリー抽出物由来のアントシアノシド(0.48mmol濃度溶液)の分解動態学を、保護DHLA(図11)(1.44mmol濃度溶液)およびグルタチオン(0.65mmol濃度溶液)の存在/非存在下で、HPLC(図12)により調査した。
【0069】
評価の焦点は、基本的なアントシアニジン骨格が、ある程度保護効果に関与しているのかどうかであった。得られた結果を見ると、チオール化合物の保護効果が、未保護の分解の受けやすさと逆に相関していたことは妥当であると思われた。アントシアニジン骨格が感受性であるほど、GSHまたはDHLAの保護効果はより良好であった。GSHについてのやや良好な明白な効果が観察された。
【0070】
ビルベリー抽出物中に存在するアントシアニジンの置換パターンを、以下の表に示す:
【0071】
【表2】
上記表に示すように、(a)分解のおよび(b)保護機構についての構造が関係する効果の証拠が存在する。第1に、アントシアニンに関する置換の数が特定の役割を担い、第2に、同じ数の置換の数の範囲内で、メトキシ基の存在が安定性に影響する。
【0072】
最も感受性が高いアントシアニジンは、3個のヒドロキシル基をB−環に有するデルフィニジンである。最も安定なのはペオニジンであり、1個のヒドロキシル基および1個のメトキシ基(シアニジンにおけるような2個のヒドロキシル基よりも優れる)を有する。
【0073】
提案された新しく発見された機構は、pH=7.0においてフラビリウムカチオンの安定化に関係があると考えられている。試験された全ての化合物は、確かに、カルボン酸基およびフリーのチオール基を有する。
【0074】
システインは、アントシアノシドとの2つの結合点を有する。第1に、チオール部分(おそらく、アントシアニジンと4位で、または糖部分とさえも強固に会合する)の強い相互作用が存在し、第2に、カルボン酸官能基が、陽イオン部分を保護する。
【0075】
【化4】
同様の機構は、DHLAについても提案されている。チオール基の存在は、DHLAをアントシアニジンに結合させ、その結果、カルボン酸官能基が分子の保護を補助し得ると考えられる。おそらく、DHLAのシステインと比べて増加した効果は、システイン中に見出される単一のチオールと比較して2つのチオール基の「会合」より安定に割り当てられ得るであろう。
【0076】
【化5】
同様に、還元型グルタチオンとの反応を描くことが可能である。この場合、1つの代わりに2つのカルボン酸官能基により、優れた活性が得られる。
【0077】
【化6】
この機構は、ラジカルスカベンジャーとして作用するが、フラビリウムカチオンの反応カスケードに関連すると考えられる。
【0078】
試験された2R−SH/R−SS−R化合物の酸化還元電位は、アントシアノシドのそれより低い。例えば、2GSH/GSSG=約−0.22 Vであるが、酸化還元電位A−OH/A=O =約0.20−0.75Vである(以下を参照)。
【0079】
アントシアノシドのラジカル除去特性は、以下の反応により説明され得る:
【0080】
【化7】
キノン構造は4’置換を必要とするので、これらの(セミ)キニンの安定性は、置換パターンに関連すると考えられる。一旦キノンが形成されると、反応のフラビリウム構造への逆転は、より可能性が低い。一方、5’位の任意の置換は、セミキノンの形成を妨害する。
【0081】
このことは、3’−OHおよび4’メトキシ置換構造が最も安定である理由を説明し得る。これは、無色の生成物を形成する、水に攻撃され得ないセミキノンを形成する。このようなセミキノンは、フラビリウムカチオンにより容易に再転換し得るか、または容易に再転換し得ない。
【0082】
アントシアニジン/アントシアノシド(A−OH)は、以下の反応により、セミキノン/キノン(A=O)に転換する:
A−OH−>A=O+H++e−
R−SH化合物は、以下の反応を受ける:
全プロセス:2RSH−>R−SS−R+2H++2e−
詳細には:R−SH−>R−S−+H+−>R−S°+e−+H+
2R−S°−>R−SS−R(R−S°・・・ラジカル)
このような機構は、2分子のアントシアノシドが2分子のR−SHから1分子のR−SS−Rを形成し得、かつセミキノンとして残される様式で、1:1の消費を示すであろう。あるいは、1つのアントシアノシド分子は、キノンに転換されることにより、1つのR−SS−Rを形成し得る。
【0083】
代わりの反応が起こらない場合、以下の反応カスケードが合理的である:
中性pHでのR−SHおよびアントシアノシドの組み合わせにおいて、主にR−SHがR−S°に転換する。
【0084】
R−S°の部分が、アントシアノシド(A−OH)(これらは、それによってA=Oセミキノンに転換する)によって除去される場合、再びR−SHを生じる。
【0085】
pH=7では、A=OはR−SHの消費によりA−OHに再転換され、次いで、公知のように最終的に次第に分解する。
【0086】
安定化化合物の適切な例には、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、アミノ酸塩などのジヒドロリポ酸の塩、システイン、N−アセチルシステインなどのシステインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの塩、パパインなどのSH−プロテイナーゼ、ブロメライン、フィチン、エヒモパパインおよびそれらの混合物、SH−メタロプロテイナーゼ、システイン含有ペプチド類、グルタチオン含有ペプチド類、発酵カキ抽出物、発酵マメ凝乳、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0087】
1つの局面では、安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比は、約0.1〜約10であり、より詳細には約0.5〜約5、およびさらにより詳細には約1〜約1である。
【0088】
別の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物組成物は、約2、約3、約4、約5などから約14まで、例えば、7以上のpHを有する水性環境に曝露した場合に、分解に対して安定である。
【0089】
さらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアノシドである。
【0090】
なおさらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、アントシアニジンである。
【0091】
本発明のさらに他の局面では、安定化されたアントシアニン抽出物は、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンのグリコシダーゼ(glycosidse)である1つまたはそれ以上のアントシアノシドを含む。
【0092】
本発明はまた、本明細書に記載の安定化されたアントシアニン組成物を製造する方法に関する。
【0093】
本発明は、安定化化合物が、抽出および/または製造プロセスの間にアントシアニン含有植物物質と混合されて、それにより、一般に加工の際および貯蔵の際にさえも起こるアントシアニンの酸化的破壊を減少または除去し得ることを提供する。例えば、米国特許出願公開第2002/0018821号、(Chrystele Soulierら、2002年2月14日公開、その内容はその全体が本明細書に参考として援用される)に開示された抽出プロセスの間に、1つまたはそれ以上の安定化化合物を本明細書に記載の比で抽出媒体(溶媒)に加え得る。
【0094】
代表的には、アントシアニン抽出物を安定化化合物と直接的に混合する。これは、2つの物質を、固体として単純に混合する、粉砕する、併用することなどにより、または水などの溶媒中に溶解することにより、達成され得る。本明細書の以下に記載の担体、ビタミン、抗酸化剤などの追加の添加剤を、定法により混合物に加えることができる。
【0095】
1つの実施態様では、アントシアノシドを含む赤色果実抽出物を水溶液に入れ、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理する。水抽出物を、それが15℃未満の均一な温度に到達するまで冷却する。水抽出物を濾過し、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、得られた濾過物を回収し、マクロ架橋ポリマー樹脂上に装填する。次いで、樹脂を鉱質除去水ですすぎ、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、次いで、得られた樹脂をアルコール溶出溶液で溶出させ、これは必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理され得る。得られた溶出物を濃縮し、必要に応じて、本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理し、次いで乾燥する。
【0096】
別の実施態様では、安定化のプロセスを、以下のプロセスに従って、アルコール性赤色果実抽出物で行う。まず、パルプを全赤色果実から分離し、パルプを、必要に応じて本明細書に記載の−SH安定化化合物を含み得るアルコール抽出溶液と接触させる。固相を液相から分離し、次いで、液相を必要に応じて本明細書に記載の−SH安定化化合物で処理する。液相に含まれる残留アルコールの大部分を、減圧下で蒸発させて、アルコール性濃縮物を得る。
【0097】
有利には、アルコール抽出に用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、ブタノールおよびアセトンを含む群から選択される。
【0098】
実際には、アルコール抽出は、室温で、それぞれ20分で完結する少なくとも2つの連続的な工程で行われる。次いで、溶媒を留去する。さらに、パルプ単独からだけではなく、全果実からのアントシアノシドの抽出を行うことが可能である。
【0099】
本発明によれば、安定化の工程は、それぞれ液体または粉末の形態で提供される、市販のまたは予め精製されたアントシアノシド抽出物である果実の抽出物を用いて開始することにより行うことができる。この場合、果実の抽出物または予め精製された抽出物を、次いで、精製工程の前に、アルコール、特にメタノール、または水のいずれかを用いて取り出し、本明細書に記載の−SH安定化化合物を用いて処理し得る。
【0100】
本発明の精製の工程において、赤色果実抽出物の冷却は、抽出物の温度が均一かつ10℃未満、特に5℃未満になるまで、温度を少なくとも約12時間維持しながら、有利に行う。
【0101】
水性抽出物またはアルコール抽出物の濾過の工程に関して、これは、セルロースフィルタまたはステンレス鋼ガーゼ上で、0〜100μmまたは等価のカットオフで行われ得る。
【0102】
最終抽出物中の安定化されたアントシアノシドの力価および濃度をさらに増加させるため、樹脂から安定化されたアントシアノシドを溶出するアルコール溶液は、エタノール濃度が10〜90%、有利には40%付近であるエタノール水溶液である。
【0103】
得られた安定化された溶出液を、30℃の領域で、制御された温度で濃縮し、次いで、安定化された粉末を得るため、凍結乾燥または噴霧乾燥する。
【0104】
1つの実施態様では、例えば、ビルベリー抽出物の濃縮物およびL−システイン塩酸塩を併用し(9:1、w/w)、噴霧乾燥して、安定化されたビルベリー抽出物を粉末として得る。通常、ビルベリー抽出物のフリーのシステインに対する比は、約10:1(w/w)である。
【0105】
本発明はさらに、治療上有効量の本明細書に記載の安定化されたアントシアニン組成物を投与することにより、種々の病気を治療する方法に関する。病気には、増加した抗酸化能の必要性、関節硬化、疼痛の減少、炎症が挙げられる。疼痛の減少または除去には、関節炎、月経困難症、頭痛、関節痛、筋肉痛、骨関節炎、加齢黄斑変性(AMD)、白内障、網膜症、およびそれらの組み合わせなどの種々の形態の疼痛が挙げられる。
【0106】
従って、本発明はさらに、本明細書中で述べる種々の苦痛を治療するのに有用な、生物が利用可能な安定化されたアントシアニン組成物を提供する。安定化されたアントシアニン組成物は、以下で考察するいくつかの方法により投与され得る。
【0107】
驚くべきことに、本発明は、システインのアントシアニン組成物(アントシアニジンまたはアントシアノシドのいずれかである)との併用が、アントシアニンのそれを必要とする対象への送達を、システインの非存在下でアントシアニン組成物を経口摂取した対象に対して少なくとも2倍量に増加させる助けとなることを提供する。驚くべきことに、アントシアニンがシステインの存在下で送達される場合、アントシアニンの血漿濃度が、投与の4時間後に、システインの非存在下で送達されたアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量であることが見出された。従って、本発明は、対象に有効量のアントシアニンおよびシステインを投与することにより、対象における生物が利用可能なアントシアニンの量を増加させる方法を提供する。投与はいかなる手段によっても可能であるが、経口送達が一般に好ましい。
【0108】
1つの実施態様では、アントシアニンのシステインに対する比は、重量基準で約10〜約0.1、より詳細には約10〜約0.5、そしてさらにより詳細には約10〜約1である。本明細書中に記載の実施例で述べたように、システインを用いない場合、アントシアニンの生物学的利用能が劇的に減少することに留意することが重要である。
【0109】
システインの存在下でのアントシアニンの生物学的利用能の増加は、一般に、アントシアニンを単独で投与した後の生物学的利用能の少なくとも2倍である。理想的には、生物学的利用能は、生物学的利用能がシステインを配合しない同等のアントシアニンの3、4、5、10および20倍に増加するようにシステインを配合することにより、増加させられる。このことは驚くべき知見である。
【0110】
本発明の組成物は、種々の食物、飲料、スナックなどに配合され得る。1つの局面では、組成物は、消費の前に、食品の上に振り掛けられ得る。食品の上に振り掛けられる場合、デンプン、ショ糖またはラクトースなどの適切な担体を用いて、安定化されたアントシアニン組成物の濃度を分散させて食品への適用をより容易にし得る。
【0111】
本発明の組成物はまた、種々の調理済食品におけるサプリメントとして提供され得る。この応用の目的で、調理済食品とは、任意の本発明の組成物が添加された天然食品、加工食品、ダイエットまたは非ダイエット食品を意味する。本発明の組成物は、多くの調理済ダイエット食品(ダイエット飲料、ダイエットバーおよび調理済冷凍食品が挙げられるが、これらに限定されない)に直接配合され得る。さらに、本発明の組成物は、多くの調理済非ダイエット製品(キャンディ、チップスなどのスナック、調理済肉製品、ミルク、チーズ、ヨーグルト、スポーツバー、スポーツ飲料、マヨネーズ、サラダドレッシング、パンおよび任意の他の油脂含有食物などが挙げられるが、これらに限定されない)に配合され得る。本明細書中で用いられる用語「食品」は、ヒトまたは動物の消費に適した任意の物質を意味する。
【0112】
本発明の組成物は、フルーツジュース、ミルクセーキ、ミルクなどの種々の飲料に添加され得る。
【0113】
投与の好ましい方法は、経口である。本発明の組成物は、デンプン、ショ糖またはラクトースなどの適切な担体を用いて、錠剤、カプセル、溶液、シロップおよび乳濁液に処方され得る。本発明の錠剤またはカプセルは、約6.0〜7.0のpHで溶解する腸溶コーティングで被覆することができる。小腸で溶解するが胃で溶解しない適切な腸溶コーティングは、酢酸フタル酸セルロースである。
【0114】
本発明の組成物のソフトゲルカプセルへの製剤は、当該分野で公知の多くの方法で達成され得る。しばしば、製剤は、オイル、または他の懸濁剤もしくは乳化剤などの許容され得る担体を含むであろう。
【0115】
適切な任意の担体には、例えば、任意の供給源(例えば、天然または合成油、脂肪、ワックスまたはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)から誘導体化され得る脂肪酸、エステルおよびそれらの塩が挙げられる。さらに、脂肪酸は、非硬化油、部分硬化油、全硬化油またはそれらの組み合わせから、限定されることなく誘導体化され得る。脂肪酸(それらのエステルおよび塩)の非限定的な供給源の例には、種子油、魚油または水産油、キャノーラ油、植物油、ベニバナ油、ヒマワリ油、キンレンカ種子油、マスタード種子油、オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、米糠油、ババスナッツ油、パーム油、低エルカ酸ナタネ油、パーム核油、ルピナス油、ヤシ油、亜麻仁油、月見草油、ホホバ、コムギ胚芽油、獣脂、牛脂、バター、鶏脂、ラード、乳脂肪、シアバターまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
特定の非限定的な魚油または水産油の供給源には、甲殻類油、マグロ油、サバ油、サケ油、メンハーデン、アンチョビー、ニシン、マス、イワシまたはこれらの組み合わせが挙げられる。特に、脂肪酸の供給源は、魚油または水産油(ドコサヘキサエン酸またはエイコサペンタエン酸)、ダイズ油または亜麻仁油である。あるいは、または上記で特定した担体と組み合わせて、蜜ロウ、ならびにシリカ(二酸化ケイ素)などの懸濁剤を、適切な担体として用いることができる。
【0117】
本発明の製剤はまた、栄養補助食品であるとも考えられる。用語「栄養補助食品」は、当該分野で認識されており、疾患を予防し得るかまたは望ましくない症状を緩和し得る食物において見出され得る特定の化学物質を説明することを意図する。
【0118】
本発明の製剤はさらに、有益な本発明の組成物の成分の安定化することを補助するか、または生物学的利用能を促進することを補助するか、もしくは個人の食事の追加の栄養素として働くための種々の成分を含み得る。適切な添加剤には、ビタミンおよび生物学的に許容され得るミネラルが挙げられ得る。ビタミンの非限定的な例には、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよび葉酸が挙げられる。ミネラルの非限定的な例には、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、クロム、亜鉛、モリブデン、ヨード、ホウ素、セレン、マンガン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。これらのビタミンおよび無機質は、限定されず、任意の供給源または供給源の組み合わせに由来し得る。ビタミンB群の非限定的な例には、チアミン、ナイアシンアミド、ピリドキシン、リボフラビン、シアノコバラミン、ビオチン、パントテン酸またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
種々の添加物が、本組成物に配合され得る。本組成物の任意の添加物には、ヒアルロン酸、リン脂質、デンプン、糖、脂肪、抗酸化剤、アミノ酸、タンパク質、香料、着色料、加水分解デンプンおよびそれらの誘導体またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書中で用いられる用語「抗酸化剤」は、当該分野で認識されており、化合物の酸化的劣化を防ぐかまたは遅延する合成物質または天然物質を意味する。抗酸化剤の例には、トコフェロール、フラボノイド、カテキン、スーパーオキシドジスムターゼ、レシチン、ガンマオリザノール;ビタミンA、C(アスコルビン酸)およびEおよびβカロチンなどのビタミン;ローズマリーおよびサンザシ抽出物中に見出されるカモソール(camosol)、カモシン酸(camosic acid)およびロスマノール、ブドウ種子またはマツ樹皮抽出物、ならびに緑茶抽出物中に見出されるプロアントシアニジンなどの天然成分が挙げられる。
【0121】
本発明の安定化されたアントシアニン組成物を含む組成物は、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣製造の粉末化、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスにより製造され得る。組成物は、1つまたはそれ以上の生理学的に許容され得る担体、希釈液、賦形剤または安定化されたアントシアニン組成物を使用され得る製剤に加工することを容易にする1つまたはそれ以上の生理学的に許容され得る担体、希釈液、賦形剤または助剤を用いて、通常の様式で製剤され得る。
【0122】
本発明の組成物は、投与の実質的に任意の様式(例えば、経口、経頬、全身、注射、経皮、直腸、経腟など)に適した形態、または吸入またはガス注入による投与に適した形態をとり得る。
【0123】
全身用製剤には、注射(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内または腹腔内注射)による投与のために設計されたもの、および経皮、経粘膜、経口または経肺投与のために設計されたものが挙げられる。
【0124】
有用な注射用製剤には、安定化されたアントシアニン組成物の水性または油性媒体中の無菌の懸濁液、溶液または乳濁液が挙げられる。組成物はまた、懸濁、安定化および/または分散された薬剤などの製剤を含み得る。注射用製剤は、例えば、アンプルまたは複数回投与容器中の単位投与形態で存在し得、かつ添加された保存料を含み得る。
【0125】
あるいは、注射用製剤は、使用の前に、適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質非含有水、緩衝液、ブドウ糖溶液などが挙げられるが、これらに限定されない)で再構成するための粉末形態で提供され得る。この目的のために、安定化されたアントシアニン組成物は、凍結乾燥などの任意の公知の技術で乾燥され、使用の前に再構成され得る。
【0126】
経粘膜投与のために、通過すべきバリアに適した浸透剤が製剤に用いられる。このような浸透剤は、当該分野で公知である。
【0127】
経口投与のために、本発明の組成物は、例えば、結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);賦形剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、滑石またはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容され得る賦形剤を用いて通常の手段で製剤される、ロゼンジ、錠剤またはカプセルの形態をとり得る。錠剤は、例えば、糖、フィルムまたは腸溶コーティングを用いて、当該分野で周知の方法によりコーティングされ得る。
【0128】
経口投与用の液体製剤は、例えば、エリキシル剤、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとり得るか、あるいは、使用の前に水または他の適切な媒体で構成するための乾燥製品として存在し得る。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素添加食用油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分留植物油);および保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸メチルもしくはプロピル)などの医薬上許容され得る添加物を用いて、通常の手段により製造され得る。製剤はまた、必要に応じて、緩衝塩、保存料、香料、着色料および甘味料を含み得る。
【0129】
経口投与用製剤は、適切に製剤されて、安定化されたアントシアニン組成物の周知されているような徐放を提供し得る。
【0130】
経頬投与用には、組成物は、通常の様式で製剤される錠剤またはロゼンジの形態をとり得る。
【0131】
経直腸および経腟の投与経路のために、安定化されたアントシアニン組成物は、カカオバターまたは他のグリセリドなどの通常の坐薬基剤を含む溶液(停留浣腸)、坐薬または軟膏として製剤され得る。
【0132】
経鼻投与または吸入またはガス注入による投与のために、安定化されたアントシアニン組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、フルオロカーボン、二酸化炭素または他の適切なガスを用いる加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾル噴霧の形態により、簡便に送達され得る。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するための弁を提供することにより決定され得る。インヘラーまたはインサフレーター(例えば、ゼラチンから構成されるカプセルおよびカートリッジ)に用いるためのカプセルおよびカートリッジは、化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤を含んで製剤され得る。
【0133】
持続性送達のために、安定化されたアントシアニン組成物は、移植または筋肉内注射による投与のためのデポー製剤として処方され得る。安定化されたアントシアニン組成物は、適切なポリマーもしくは疎水性物質(例えば、許容され得る油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性塩などの難溶性誘導体として、製剤され得る。あるいは、経皮吸収のために安定化されたアントシアニン組成物を徐々に遊離させる粘着ディスクまたはパッチとして製造された経皮送達システムが用いられ得る。この目的のために、浸透促進剤を用いて、安定化されたアントシアニン組成物の経皮浸透を促進することができる。適切な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,407,713号;米国特許第5,352,456号;米国特許第5,332,213号;米国特許第5,336,168号;米国特許第5,290,561号;米国特許第5,254,346号;米国特許第5,164,189号;米国特許第5,163,899号;米国特許第5,088,977号;米国特許第5,087,240号;米国特許第5,008,110号;および米国特許第4,921,475号に記載されている。
【0134】
あるいは、他の送達システムが用いられ得る。リポソームおよび乳濁液は、安定化されたアントシアニン組成物を送達するのに用いられ得る送達媒体の周知例である。ジメチルスルホキシド(DMSO)などの特定の有機溶媒もまた用いられ得るが、通常はより高い毒性の犠牲がある。
【0135】
所望であれば、組成物は、安定化されたアントシアニン組成物を含む1つまたはそれ以上の単位投与形態を含み得るパックまたはディスペンサー装置中に存在し得る。パックは、例えば、ブリスター包装などの金属またはプラスチックの箔を含み得る。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための指示書が添付され得る。
【0136】
軟質ゲルまたは軟質ゼラチンカプセルは、例えば、製剤を適切な媒体(例えば、米糠油および/または蜜ロウ)に分散させて高粘度混合物を形成することにより製剤され得るが、これに限定されない。次いで、この混合物を、軟質ゲル産業の当業者に公知の技術および機械を用いて、ゼラチンベースのフィルム中にカプセル化する。次いで、このように形成されたカプセルを、恒量まで乾燥させる。代表的には、カプセルの重量は、約100〜約2500ミリグラム、特に約1500〜約1900ミリグラムの重量であり、より詳細には、約1500〜約2000ミリグラムの重量である。
【0137】
例えば、軟質ゼラチンシェルを調製する場合、シェルは、約20〜70%のゼラチン、一般に、可塑剤および約5〜約60重量%のソルビトールを含み得る。軟質ゼラチンカプセルの充填物は、液体(主に、米糠油もしくはコムギ胚芽油、および/または所望であれば蜜ロウ)などの担体であり、かつ、安定化されたアントシアニン組成物とは別に、親水性マトリックスを含み得る。親水性マトリックスは、存在する場合、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。さらなる成分は、必要に応じて、濃厚化剤および/または乳化剤である。1つの実施態様では、親水性マトリックスは、約200〜1000の平均分子量を有するポリエチレングリコール、5〜15%のグリセロール、および5〜15重量%の水を含む。ポリエチレングリコールはまた、プロピレングリコールおよび/または炭酸プロピレンと混合され得る。
【0138】
別の実施態様では、軟質ゲルカプセルは、ゼラチン、グリセリン、水および種々の添加物から調製される。代表的には、ゼラチンの割合(重量基準)は、約30〜約50重量%、特に約35〜約重量%、およびより詳細には約42重量%である。製剤は、約15〜約25重量%のグリセリン、より詳細には約17〜約23重量%、より詳細には約20重量%のグリセリンを含む。
【0139】
カプセルの残りの部分は、代表的には水である。量は、約25重量%〜約40重量%で変動し、より詳細には約30〜約35重量%、およびより詳細には約35重量%である。カプセルの残りは、一般に、香料、糖、着色料など、またはそれらの組み合わせから構成される約2〜約10重量%で変動し得る。カプセルを加工した後、最終的なカプセルの含水量は、しばしば約5〜約10重量%、より詳細には7〜約12重量%、およびより詳細には約9〜約10重量%である。
【0140】
製造については、標準的な軟質シェルゼラチンカプセルの製造技術を用いて、軟質シェル製品を調製し得ると考えられる。有用な製造技術の例は、プレートプロセス、R.P.Schererによって開発されたロータリー・ダイ・プロセス、Nortonカプセルマシンを用いるプロセスならびにLederleによって開発されたAccogelマシンおよびプロセスである。これらのプロセスのいずれも、成熟した技術であり、いずれも、軟質ゼラチンカプセルを調製することを望む者は誰でも広く利用可能である。
【0141】
乳化剤は、軟質ゼラチンカプセル内の成分の可溶化を補助するのに用いられ得る。界面活性物質、乳化剤または発泡剤の特定の例には、D−ソルビトール、エタノール、カラゲナン、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、グアーガム、グリセロール、グリセロール脂肪酸エステル、コレステロール、白色蜜ロウ、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ポリオキシル40ステアリン酸、ソルビタンセスキオレアート、セタノール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、滑石、ソルビタントリオレアート、パラフィン、ジャガイモデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペクチン、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油 40、ポリオキシエチレン水素添加ヒマシ油 60、ポリオキシル35 ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール 400、オクチルドデシルミリスチン酸、メチルセルロース、ソルビタンモノオレアート、グリセロールモノステアラート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ラウリルジメチルアミンオキシド溶液、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、乾燥炭酸ナトリウム、酒石酸、水酸化ナトリウム、精製ダイズレシチン、ダイズレシチン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、中鎖トリグリセリド、無水クエン酸、綿実油−ダイズ油混合物および流動パラフィンが挙げられる。
【0142】
本発明はまた、本発明の組成物および適切な症状への使用についての指示書のパッケージ製剤を提供する。代表的には、いずれの形態のパッケージ製剤も、それを必要とする個体に投与される。代表的には、必要用量は、1日当たり約1〜約4用量である。
【0143】
本発明は、種々の症状の治療のための軟質ゼラチンカプセル中の本発明の組成物の製剤、使用、製造およびパッケージングを記載しているが、軟質ゼラチンカプセルのみに限定されると考えるべきではない。摂取可能な本発明の組成物は、上記のように、従来の錠剤、丸薬、ロゼンジ、エリキシル剤、乳濁液、硬質カプセル、液体、懸濁液などで送達され得る。
【0144】
本発明の安定化されたアントシアニン組成物、またはその組成物は、一般に、意図する結果を達成するのに有効な量、例えば、治療される特定の炎症性に関連する症状を治療または予防するのに有効な量で用いられるであろう。組成物は、治療的に投与されて治療効果を達成し得るか、または予防的に投与されて予防的利益を達成し得る。治療効果とは、根本的な障害を根絶または緩和する、および/または根底にある障害に付随する1つまたはそれ以上の症状を根絶または緩和する結果、患者が気分または症状の改善を報告する(患者がまだ根本的な障害に罹患している可能性に関係なく)ことを意味する。例えば、本発明の組成物を、疼痛に罹患した患者に投与することにより、根底にある症状が根絶または緩和される場合のみではなく、患者が疼痛に付随する身体的不快感の重症度または持続時間の減少を報告する場合においても、治療効果が提供される。
【0145】
予防的投与のために、組成物は、上記症状の1つを発症するリスクを有する患者に投与され得る。
【0146】
投与される組成物の量は、例えば、治療される特定の症候、投与の様式、望まれる利点が予防上または治療上のいずれであるか、治療される症候の重症度、ならびに患者の年齢および重量などの種々の因子に依存するであろう。有効用量の決定は、当業者の能力の範囲内である。
【0147】
安定化されたアントシアニン組成物の全投与量は、代表的には、約0.0001または0.001または0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内にあるであろうが、他の因子のなかでも、成分の活性、その生物学的利用能、投与様式および上記で考察した種々の因子に依存してより高くまたはより低くあり得る。投与の量および間隔は、個別に調整されて、治療上または予防上の効果を維持するのに十分な化合物の血漿レベルを提供し得る。例えば、化合物は、他の事項のなかでも、投与様式、治療すべき特定の症候および処方医の判断に依存して、週に1回、週に数回(例えば、隔日)、1日あたり1回または1日あたり複数回投与され得る。当業者は、過度の実験を行うことなく、有効な局所用量を最適化することができるであろう。
【0148】
1〜91に連続的に列挙した以下の段落は、本発明の種々の局面を提供する。1つの実施態様では、第1段落(1)において、本発明は、アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物(但し、安定化化合物はグルタチオンではない)を含む安定化されたアントシアニン抽出物組成物を提供する。
【0149】
2.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落1の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0150】
3.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落1または2のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0151】
4.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落1〜3のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0152】
5.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落1〜4のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0153】
6.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落1〜5のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0154】
7.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落1の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0155】
8.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落7の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0156】
9.アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0157】
10.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落9の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0158】
11.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落9または10のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0159】
12.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落9〜11のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0160】
13.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落9〜12のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【0161】
14.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落9〜13のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0162】
15.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落9の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0163】
16.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落15の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0164】
17.アントシアニン抽出物組成物を安定化させる方法であって、アントシアニン抽出物が安定化するように、アントシアニン抽出物を、十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物(但し、安定化化合物は還元型グルタチオンではない)と組み合わせる工程を含む、方法。
【0165】
18.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落17の方法。
【0166】
19.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落17または18のいずれかの方法。
【0167】
20.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落17〜19のいずれかの方法。
【0168】
21.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落17〜20のいずれかの方法。
【0169】
22.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落17〜21のいずれかの方法。
【0170】
23.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落17の方法。
【0171】
24.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落23の方法。
【0172】
25.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落17の方法。
【0173】
26.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落22の方法。
【0174】
27.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落26の方法。
【0175】
28.アントシアニン抽出物組成物を安定化させる方法であって、アントシアニン抽出物が安定化するように、アントシアニン抽出物を、十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物と組み合わせる工程を含む、方法。
【0176】
29.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落28の方法。
【0177】
30.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落28または29のいずれかの方法。
【0178】
31.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落28〜30のいずれかの方法。
【0179】
32.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落28〜31のいずれかの方法。
【0180】
33.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落28〜32のいずれかの方法。
【0181】
34.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落28の方法。
【0182】
35.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落34の方法。
【0183】
36.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落28の方法。
【0184】
37.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落33の方法。
【0185】
38.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落37の方法。
【0186】
39.アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、pH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0187】
40.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0188】
41.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落39または40のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0189】
42.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落39〜41のいずれかに記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0190】
43.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落39〜42のいずれかに記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0191】
44.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落39〜43のいずれかのpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0192】
45.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0193】
46.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落45のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0194】
47.安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落39のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0195】
48.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落44のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0196】
49.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落48のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【0197】
50.pH安定化アントシアニン抽出物組成物を製造する方法であって、組成物がpH安定化するように、アントシアニン抽出物と少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物とを組み合わせる工程を含む、方法。
【0198】
51.安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落50の方法。
【0199】
52.アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、段落50または51のいずれかの方法。
【0200】
53.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落50〜52のいずれかの方法。
【0201】
54.組成物が、約2〜約12のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、段落50〜53のいずれかの方法。
【0202】
55.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落50〜54のいずれかの方法。
【0203】
56.アントシアニン抽出物がアントシアノシドを含む、段落50の方法。
【0204】
57.アントシアノシドが、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、マルビジン、ペツニジン、デルフィニジンまたはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物のグリコシドである、段落56の方法。
【0205】
58.安定化されたアントシアニン抽出物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、段落50の方法。
【0206】
59.安定化されたアントシアノシドが、pH7で少なくとも約6時間安定である、段落55の方法。
【0207】
60.pH7で維持された安定化されたアントシアノシドが、約4時間にわたって、少なくとも50%のアントシアニンをグリコシドとして保持する、段落59の方法。
【0208】
61.治療上有益な量の安定化されたアントシアニン組成物を対象に提供する方法であって、治療上有益な量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン組成物を対象に投与する工程を含む、方法。
【0209】
62.関節硬化を治療する方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0210】
63.アントシアニンの細胞内抗酸化濃度を増加または維持する方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0211】
64.対象において疼痛を軽減または減少させる方法であって、治療上有効量の段落1〜16または段落39〜49のいずれかに記載の安定化されたアントシアニン組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【0212】
65.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.5対約5である、段落4、12または42のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0213】
66.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約1対約1である、段落4、12または42のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0214】
67.上記安定化されたアントシアニン抽出物が、丸薬、錠剤、粉末、顆粒、薄皮、軟膏、クリーム、ペースト、溶液、混合物、シロップ、粘液、乳濁液、チンキ、スピリット、ペイント、液滴または浸出液の形態である、段落1〜16または39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0215】
68.生理学的に許容され得るアジュバントをさらに含む、段落1〜16または39〜49のいずれかの安定化されたアントシアニン抽出物。
【0216】
69.アジュバントが、希釈液、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、基剤、香味料、甘味料、着色料、保存料、抗酸化剤、コーティング材料、膜形成物質、溶媒、可溶化剤、湿潤剤、吸収剤、濾過助剤、乳化剤、界面活性剤、懸濁剤、増粘剤、可塑剤、キレート剤、エアロゾル噴霧剤、発泡剤、酸化剤、アルカリ化剤、緩衝剤またはそれらの混合物である、段落68の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0217】
70.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.5対約5である、段落20、31または53のいずれかの方法。
【0218】
71.安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約1対約1である、段落20、31または53のいずれかの方法。
【0219】
72.システインの誘導体が、N−アセチルシステインであり、かつSH−プロテイナーゼが、パパイン、ブロメライン、フィチン、エヒモパパイン(ehymopapain)またはそれらの混合物である、段落65または66の安定化されたアントシアニン抽出物。
【0220】
73.アントシアニン富化抽出物を安定化させる方法であって、
アントシアニン富化抽出物を、少なくとも1つの−SH基を有する少なくとも1つの安定化化合物と接触させることを含み、安定化化合物が、抽出プロセスの間の任意の時にアントシアニンと接触され得る、方法。
【0221】
74.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、システイン、グルタチオンまたはそれらの混合物である、段落73記載の方法。
【0222】
75.少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物のアントシアニン化合物に対するモル比が約0.1〜約10である、段落73の方法。
【0223】
76.モル比が約0.5〜約5である、段落75の方法。
【0224】
77.モル比が約1である、段落75の方法。
【0225】
78.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、アントシアニン富化抽出物と接触させられる前に抽出溶媒に加えられる、段落73〜77のいずれかの方法。
【0226】
79.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、アントシアニン富化抽出物を抽出溶媒と併用した後に抽出溶媒に加えられる、段落73〜77のいずれかの方法。
【0227】
80.加齢黄斑変性(AMD)、白内障または網膜症を治療する方法であって、段落1〜16または39〜49のいずれかに記載の治療上有効量の安定化されたアントシアニン組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法。
【0228】
81.ビルベリー抽出物およびシステインを含む、安定化されたビルベリー組成物。
【0229】
82.ビルベリー抽出物のシステインに対する比が、重量基準で約10〜約1である、段落81の安定化されたビルベリー組成物。
【0230】
83.組成物が噴霧乾燥される、段落81または82に記載の安定化されたビルベリー組成物。
【0231】
84.安定化された組成物が、HPLC解析により決定されるように、少なくとも約6ヶ月にわたって、少なくとも約80%の初期のアントシアノシドを保持する、段落81〜83のいずれかの安定化されたビルベリー組成物。
【0232】
85.アントシアニンおよび少なくとも1つの−SH基を有する化合物を含むアントシアニン組成物を対象に投与する工程を含む、アントシアニン組成物の生物学的利用能を増加させる方法であって、アントシアニンの量が、対象中で、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を欠くアントシアニン組成物の試料と比較して少なくとも2倍量に増加する、方法。
【0233】
86.アントシアニン物質が抽出物である、段落85の方法。
【0234】
87.抽出物がビルベリー抽出物である、段落86の方法。
【0235】
88.アントシアニン物質の少なくとも1つの−SH基を有する化合物に対する比が、重量基準に基づき約10:0.1〜約1:1である、段落85の方法。
【0236】
89.ビルベリー抽出物の少なくとも1つの−SH基を有する化合物に対するアントシアニンの比が、約10〜約1である、段落87の方法。
【0237】
90.システインの存在下におけるアントシアニンの投与の4時間後の血漿濃度が、少なくとも1つの−SH基を有する化合物の存在がないアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量である、段落85の方法。
【0238】
91.少なくとも1つの−SH基を有する化合物が、酵母、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、段落85〜90のいずれかの方法。
【0239】
以下の実施例は、限定的なものであることを意味しないが、本発明のさらなる情報およびサポートを提供するために示される。
【0240】
本例示の章は、以下の表に示すように、ビルベリー抽出物およびブラックカラント抽出物に関する。
【0241】
【表3】
【実施例】
【0242】
実施例1
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシド(未使用試料)の含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0243】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した。
【0244】
試料c)30mgのジヒドロリポ酸(0.144mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](シアニジン−3−O−グルコシドとして表される0.048mmol)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0245】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、個々のピーク(4時間置いた後の%として計算した)のピークエリアの減少として表した。
【0246】
以下の表から、アントシアノシドは、pH=7.0、37℃で、DHLAまたはGSHのいずれかの存在下で、ブランクの(未保護の)試料と比較して実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランクの試料は、約25%の残留アントシアノシドが観察されたことを示したが、一方、保護された試料は、60%を超える残留アントシアノシドを生じた。30mgのDHLAの保護効率は、20mgのGSHに匹敵する。保護効率は、シアニジングリコシドと比較して一層保護が少ないデルフィニジングリコシドにより例示される基礎のアントシアニン骨格に関連するように思われる。各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多く残留するアントシアノシドを観察した。
【0247】
【表4】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0248】
実施例2
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら保持し、未保護の分解を表す追加の1mlの試料(ブランク試料)を15分毎にサンプリングした。選択したアントシアノシドについて、試料をHPLCにより分析した。
【0249】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で保持した。15分毎に、1mlの試料を取り、選択したアントシアノシドについてHPLCで分析した。
【0250】
以下の表より、アントシアノシドは、pH=7.0および37℃で、GSHの存在下で、ブランク試料と比較して実質的により安定であることが結論付けられた。保護活性は、選択したアントシアノシドについて経時の比較的減衰により示すように、溶解後即時に開始し、かつ少なくとも4時間持続する。ここでも、保護効果は、4時間30分のインキュベーション後の65%の残留デルフィニジン−3−O−ガラクトース、67%の残留ペツニジン−3−O−ガラクトースおよび77%の残留シアニジン−3−O−ガラクトースにより例証されるアントシアニン骨格に関連すると考えられる。試験された各個別のアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多い残留アントシアノシドを観察した。
【0251】
【表5】
【0252】
【表6】
【0253】
【表7】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0254】
実施例3
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料をすぐに取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシド(未使用試料)の含有量までHPLCで分析した。残存する溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら4時間保持した。その後、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0255】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0256】
試料c)20mgのジヒドロリポ酸(0.096mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0257】
試料d)20mgのL−システイン酸(0.165mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0258】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、個々のピーク(4時間置いた後の%として計算した)のピークエリアの減少として表した。
【0259】
以下の表から、アントシアノシドは、pH=7.0、37℃で、DHLA、GSHまたはL−システインのいずれかの存在下で、ブランクの(未保護の)試料と比較して実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランクの試料では、9.5〜33.4%の残留アントシアノシドが観察されたが、一方、GSH保護された試料は、50.4〜65.0%の残留アントシアノシドを生じた。DHLAについての比較の数値は36.7〜38.9%であった。各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多い残留アントシアノシドを観察した。
【0260】
【表8】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0261】
実施例4
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。溶液を攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。その後、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0262】
試料b〜e)5、10、20または60mgのジヒドロリポ酸(0.024〜0.288mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した(水浴)。
【0263】
試料f〜i)5、10、20または60mgのGSH(0.016〜0.192mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した(水浴)。
【0264】
試料j〜m)5、10、20または60mgのL−システイン(0.041〜0.492mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0265】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、4つのリードアントシアノシド(Dp−3−O−Glu、Dp−3−O−Rut、Cn−3−O−Glu、Cn−3−O−Rut)について4時間後の%残留として計算した合計のピークエリアの減少として表した。
【0266】
以下の表から、アントシアノシドが、用量依存的様式でDHLA、GSHまたはL−システインにより実質的に保護されていたことが決定された。
【0267】
【表9】
【0268】
【表10】
【0269】
【表11】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0270】
実施例5
試料a)60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料をすぐに取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量までHPLCで分析した。残存溶液を37℃(水浴)で攪拌しながら保持し、未保護の分解を表す試料(ブランク試料)を15分毎に取った。選択したアントシアノシドについて、試料をHPLCにより分析した。
【0271】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのブラックカラント抽出物[35%アントシアノシド](0.037mmolのシアニジン−3−O−ルチノシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で保持した。15分毎に、1mlの試料を取り、選択したアントシアノシドについてHPLCで分析した。
【0272】
以下の表より、アントシアノシドは、pH=7.0および37℃で、GSHの存在下で、ブランク試料と比較して実質的により安定であることが結論付けられ得た。保護活性は、アントシアノシドについて経時の比較減少により示すように、溶解直後に開始し、かつ少なくとも4時間持続する。保護の有効性は、シアニジングリコシドの保護がデルフィニジングリコシドと比較して改善されたことにより例証されるように、アントシアニン骨格に依存的であり得る。しかしながら、ブランクを保護された試料と比較した場合、デルフィニジングリコシドは、シアン化物グリコシドよりも実質的により良く保護されていた。
【0273】
各個別の試験されたアントシアノシドについて、保護効果、例えば、ブランク試料と比較してより多く残留するアントシアノシドを観察した。
【0274】
【表12】
【0275】
【表13】
【0276】
【表14】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0277】
実施例6
試料a)5mgの塩化デルフィニン(0.015mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、即時に試料を取り、15分後、1、2および3時間のインキュベーションを行った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0278】
試料b)5mgの塩化マルビジン(0.014mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、試料を即時に取り、1、2および3時間のインキュベーションを行った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0279】
試料c)5mgの塩化デルフィニジン(0.015mmol)および10mgのGSH(0.032mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。試料を、溶解の15分後、ならびに1、2および3時間のインキュベーション後、すぐに取った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0280】
試料d)5mgの塩化マルビジン(0.014mmol)および10mgのGSH(0.032mmol)を100mlのフラスコに移し、1mlのメタノールに溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。試料を、溶解の15分後、1、2および3時間のインキュベーション後、すぐに取った。試料をギ酸でpH=1.0に酸性化し、HPLCで分析した。
【0281】
以下の表から、GSHはフリーのアントシアニン骨格をあまり保護しなかったことが決定された。GSHとデルフィニジンまたはマルビジンとのモル比は2:1より高いが、このことは、活性がないことはGSHの低濃度に無関係であることを示す。フリーのアントシアニンの減衰は、GSHの存在によりほとんど影響を受けないが、これは、同じ骨格を有するアントシアニングリコシドを用いる知見とは対照的である。
【0282】
【表15】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0283】
実施例7
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pHを以下に示す値まで調整した)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化した。
【0284】
試料b)20mgの還元L−グルタチオン(0.065mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pHを以下に示す値まで調整した)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃で4時間保持した。
【0285】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、4つのアントシアノシドについて4時間後の%残留として計算した合計のピークエリアの減少として表す。
【0286】
以下の表から、GSHは、特にアントシアノシドが分解を受けやすいpH範囲(pH>5)においてグルタチオンを保護することが決定された。驚くべきことではないが、アントシアノシドがそれ自身で安定なより低いpH値では、保護効果は減少する。
【0287】
【表16】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0288】
保護効果は、保護された試料の残留比を、ブランク試料(選択されたpH値でビルベリー抽出物を含むが、還元型グルタチオンは含まない)の残留比で割ることにより計算されるパラメータである。従って、この差は、ビルベリー抽出物のアントシアニンの安定性の約3〜約11のpH範囲にわたる還元L−グルタチオン(GSH)の効果を実証する。
【0289】
pH値が増加すると、抽出物の分解が増加することが認められた。試験されたpH値の全てにおいて、L−グルタチオン(GSH)はアントシアニンを保護した。さらに、保護効果は、pH値と共に増加した。アルカリ性の環境では、グルタチオンは、上記表ならびに図19および20に示されるように、より高い安定化効果を有した。
【0290】
実施例8
試料a)60mgのGSH(0.192mmol)を100mlフラスコに入れ、溶解し、リン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たした。試料を攪拌しながら37℃で保持した。溶解後、ならびにインキュベーションの1、2、3および4時間後、試料を即時に取った。試料を、GSHおよびGSSG(GSHの酸化型を表す)についてHPLCで分析した。
【0291】
試料b)60mgの還元L−グルタチオン(0.192mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](シアニジン−3−O−グルコシドとして表される0.048mol)を加え、フラスコをリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、攪拌しながら37℃(水浴)で保持した。溶解後、ならびにインキュベーションの1、2、3および4時間後、試料を即時に取った。試料を、GSHおよびGSSG(GSHの酸化型を表す)についてHPLCで分析した。
【0292】
以下の表より、GSHは、水性緩衝液(pH=7.0)中、37℃でGSSGに酸化されたことが決定された。ビルベリー抽出物の添加は、GSHのGSSGへの酸化を約2〜約3ファクター促進するが、このことは、ビルベリー抽出物が、酸化還元反応のパートナーとして作用することを示唆する。この結果に基づき、GSH/GSSGの対が、酸化されたGSSGおよび還元されたアントシアノシドを生じるかなり低い酸化還元電位を有することが明らかであった。
【0293】
【表17】
【0294】
【表18】
試料を、HPLC分析法で以下に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注射した。
【0295】
ブラックカラント抽出物の安定性
120mgのブラックカラント抽出物/100mlの溶液を、CaCo−2吸収試験に用いられるインキュベーション培地としての30mgのグルタチオン(GSH)/緩衝化溶液中100ml(pH=7.0)と共にインキュベートした。
【0296】
これらの調査は、分析用溶液中およびグルタチオンの存在下でのCaCo−2試験に用いられるインキュベーション培地中での選択されたブラックカラントリードアントシアノシドの安定性/分解の情報を提供する。
【0297】
デルフィンジン−3−O−グルコシド、(Dp−Glu)、デルフィニジン−3−O−ルチノシド(Dp−Rut)およびシアニジン−3−O−ルチノシド(Cn−Rut)を、分析用に選択した。
【0298】
これらの調査は、調査した両方のデルフィニジングリコシドが、シアニジンルチノシドよりも分解しやすいことを示した。調査したDp−glcは、所定の条件下で、Dp−rutよりも感受性であった。調査した全てのアントシアノシドは、回腸液を模したインキュベーション培地中で、緩衝溶液よりもわずかにより安定であった(図13および14を参照のこと)。安定性の増加は、複合培地(最終的にグルタチオンを再利用する)における推定上の安定化成分の存在によって引き起こされる可能性が最も高い。
【0299】
CaCo−2細胞を、37℃で2時間まで、120mgのブラックカラント抽出物および30mgのグルタチオン/100ml培地でインキュベートした。30、60および120分で、3つのウェルを、インキュベーション培地の回収および細胞に吸収されたアントシアノシドの抽出により、分析用に加工した。
【0300】
図15に見られるように、調査した3つのアントシアノシドの全てが、CaCo−2細胞に吸収された。60分のインキュベーション後、最も高い吸収が、Cn−Rutについて観察された。この時点で、CaCo−2細胞中でのアントシアノシドの回収は、上清インキュベーション培地中で決定された濃度の2.5%の量であった。最も興味深いことに、%取り込みは、緩衝液培地およびインキュベーション培地(細胞非含有)中でのアントシアノシドの安定性に類似する。さらに、全てのアントシアノシドについて、60分のインキュベーション後に最大吸収が見られることが観察された。
【0301】
60mgのビルベリー抽出物±30mgのグルタチオン/100mlの無細胞インキュベーション培地を、37℃で1時間保持した。試料を、ビルベリー抽出物中に存在する15のアントシアノシドについて、インキュベーション時間の前後で分析した。
【0302】
本調査は、CaCo−2試験の間に適用された条件で、インキュベーション培地(pH=7.0)中でのアントシアノシドの安定性に基づく情報を提供する。次に、グルタチオンが安定性に及ぼす影響を解明する。
【0303】
図16中で見られるように、全てのアントシアノシドが、グルタチオンにより安定化された。最も明白な安定化は、Dp−グリコシドについて観察された。このことは、Dp−グリコシドがpH=7.0で最も分解されやすいビルベリーグルコシドであるので、重要である。この分析調査より、グルタチオンは、pH=7.0でアントシアノシドを分解から保護することが決定された。さらに、グルタチオンは、ビルベリー中に存在する全てのアントシアニジン構造を保護することが認められる。
【0304】
保護の詳細な分析により、保護の強度とアントシアニジンの化学構造との間に傾向が存在することが明らかになる。最も感受性である構造Dpは、最も高い程度で安定化されるが、一方、最も安定な構造(Cn)に対する保護効果は、比較的低い。まとめると、調査した全てのアントシアノシドは、pH=7.0で、1時間の間、37℃で、グルタチオンの存在下で、25%未満が分解した。
【0305】
CaCo−2細胞を、60mgのビルベリー抽出物/30mgのグルタチオン含有または非含有/100m培地で、37℃で1時間インキュベートした。その後、3つのウェルを、インキュベーション培地の回収および細胞に吸収されたアントシアノシドの抽出により、分析用に加工した。
【0306】
図17中で見られるように、調査した全てのビルベリーアントシアノシドは、グルタチオンの存在下でより良好に吸収された。このことは、増加した吸収と、アントシアノシドのグルタチオンでの安定化との相関を示す。最も可能性の高い説明は、アントシアノシドの吸収の程度は、インキュベーション培地中の無傷のアントシアノシドの濃度に依存するということである。換言すれば、アントシアノシドの吸収は、細胞の外側と内側との間での濃度勾配に依存し得るということである(外側の濃度がより高いと、吸収がより高い)。グルタチオンが細胞の外側でアントシアノシドの安定性を増加することが示されたので、細胞内への吸収は、提唱された理論に従う。
【0307】
実施例9
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)をリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシド(未使用試料)の含有量を分析した。残った溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0308】
試料b)20mgのL−システイン(0.065mmol)を60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。次いで、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)をフラスコに加え、十分に溶解するまで撹拌し、次いで、37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。
【0309】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシドの含有量を分析した。分解を、個々のピークのピークエリアにおける減少として表す(4時間後の%残留として計算された)。
【0310】
以下の表から、アントシアノシドは、ブランク(無保護の)試料と比較すると、pH=7.0、37℃で、L−システインの存在下、実質的により安定であると結論付けられた。4時間後、ブランク試料は、約25%の残留アントシアノシドが観察されたことを示したが、一方、保護された試料は、65%を超える残留アントシアノシドを生じた。
【0311】
【表19】
試料を、HPLC分析法で上記に説明したように調製した。試験安定性試料を即時に酸性化し(分解を防止するため)、以下に提供する詳細な説明に従って、希釈せずに注入した。
【0312】
実施例10
試料a)60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を100mlフラスコに加え、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)で容積まで満たし、溶解が完了するまで攪拌した。1mlの試料を即時に取り、ギ酸でpH=1.0まで酸性化し、HPLCにより、アントシアノシド(未使用試料)の含有量を分析した。残存溶液を37℃(水浴)で4時間、攪拌しながら保持した。その後、未保護の分解を表す別の試料(ブランク試料)を取り、酸性化した。
【0313】
試料b〜e)5、10、20または60mgのL−システイン(0.041〜0.492mmol)を、60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(5%[w/w]、pH=7.0)と共に100mlフラスコに加え、溶解が完了するまで攪拌した。各フラスコに、60mgのビルベリー抽出物[37%アントシアノシド](0.048mmolのシアニジン−3−O−グルコシドとして表されるアントシアノシド)を加えた。次いで、撹拌してビルベリー抽出物を溶解し、攪拌しながら37℃(水浴)で4時間保持した。
【0314】
4時間後、試料を取り、即時にギ酸でpH=1.0まで酸性化し、アントシアノシドの含有量をHPLCにより分析した。分解を、全てのアントシアノシドについて4時間後の残留%として計算した合計のピークエリアの減少として表した。
【0315】
以下の表から、アントシアノシドが、用量依存的様式でL−システインにより実質的に保護されていたことが決定された。
【0316】
【表20】
実施例11
物質
Omnica GmbHにより提供されたビルベリーカプセル、試料番号:20070601および20070602。
【0317】
ビルベリー抽出物のみを含む試料番号20070601、ブランク試料として
ビルベリー抽出物および10%システインを含む試料番号20070602
5%リン酸ナトリウム緩衝液
分析方法
Agilent 1100 HPLC、530nmでの紫外可視検出器
実験
100mlのフラスコに、5%リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)および60.0mgのビルベリー抽出物の粉末を、カプセルから加えた。溶液を、全ての固体が十分に溶解するまで超音波処理した。試料を即時に取り、次いで、フラスコを37℃の水浴に入れて4時間維持し、アントシアニンの残留率を決定した。
【0318】
結果および結論
HPLCデータ
HPLCエリアを、化合物の含有量の尺度として用いた。
【0319】
含有量は、未置換アントシアニジン塩基を含まなかった。
【0320】
2つのカプセル(20070601および20070602)の比較
以下の表および図21〜26は、システインの使用がビルベリー抽出物を安定化させるのに役立つ証拠を提供する。
【0321】
【表21】
【0322】
【表22】
【0323】
【表23】
方法
CaCo−2細胞の培養
CaCo−2細胞を、20%のウシ胎仔血清、1,2%の非必須アミノ酸、0.83 mMのL−グルタミン、1,2%のペニシリン−ストレプトマイシンおよび0,1%のメルカプトエタノールを含むダルベッコ修飾イーグル培地中、5%CO2および95%空気雰囲気下、37℃で培養した。
【0324】
細胞を、75cm2の培養フラスコ(T75)中で生育させ、1週間後に継代した(PBS緩衝液で隔日洗浄し、トリプシンで除去し、新しい培養フラスコに移した)。
【0325】
CaCo−2試験
実験のため、細胞を1ウェル当たり3×105個の細胞の密度で6ウェルプレートに播種し、5%CO2および95%空気雰囲気下、37℃で7〜8日間、コンフルエンシーに達するまで生育させた。細胞をPBS緩衝液で洗浄し、ビルベリー(30〜60mg/100ml培地)またはブラックカラント抽出物(30〜60mg/100ml培地)を含む4mlの培地で30、60または120分インキュベートした。安定化実験のために、100mlに30mgのグルタチオンを含む培地を用いた。
【0326】
対応するインキュベーション時間後、用いたインキュベーション培地の900μlを各ウェルから取り、100μlのギ酸と混合した。細胞をPBS緩衝液で洗浄し、1mlの10%ギ酸を用いて取り出した。細胞を30秒にわたって3回超音波処理し、10分間遠心分離し、ペレットを捨てた。上清をHPLC用の試料として用いた。
【0327】
比較のため、アントシアノシドの安定性を、細胞非含有のインキュベーション培地中、37℃にて、0〜120分試験した。インキュベーション培地を、上記のようにギ酸で安定化させた。
【0328】
HPLC分析方法(物質、機器および方法):
アセトニトリル、メタノール(HPLCグレード)、ギ酸(AR)、蒸留水。参照標準:シアニジン−3−O−グルコシド(Cl塩、項目1201、Polyphenols Laboratories AS、ノルウェー)
ポンプ:Merck Quaternary Gradient pump 6200
オートサンプラー:Merck AS 2000、
検出器:HP−MVD 1050、520 nmに設定
カラム:Bischoff、Hypersil ODS、250×4.6mm
移動相:A:ギ酸/水=10/90
B:メタノール/アセトニトリル/ギ酸/水=20/20/10/50
勾配特性:(図18を参照のこと)
流速:1.5ml/分
注入容積:20μl
温度:45℃
検出:520nm
較正 シアニジン(cyaniding)−3−O−グルコシドを用いる5点較正
定量:直線回帰解析に基づく外部標準化。分離した全てのアントシアノシドの応答因子を、シアニジン−3−O−グルコシドに対して定量する。
【0329】
標準試料(シアニジン−3−O−グルコシド)
適切な量の標準を10mlフラスコに移し、1mlのMeOHに溶解する。フラスコを、容積まで10%リン酸で満たす。希釈物を、10%リン酸中で調製した。
【0330】
試料の調製
アントシアノシドをギ酸で安定化した後、インキュベーション実験(細胞含有/非含有および安定化剤含有/非含有)からの試験溶液を、分析に用いた。試料を、HPLCシステムに注入する前に、濾過により浄化した。
【0331】
例えば、0.500gのビルベリー抽出物を、2%HClを含む10mlのメタノール中に溶解し、2分間超音波処理した。1mlの溶液を10mlフラスコに移し、10%リン酸を用いて容積まで希釈した。試料をHPLCシステムに注入した。
【0332】
データ評価
%分解を、得られた初期値の%で表す。
【0333】
細胞への%取り込みとは、細胞中で見出された量に対する、対応する時間におけるインキュベーション培地中で得られた量の比を意味する。
【0334】
種々のpH値における安定化されたアントシアニン
原料物質
ビルベリー抽出物、20070602、Omnica GmbH
還元L−グルタチオン、Bio−Chemicalの試薬
リン酸ナトリウム緩衝液、pH値3.0〜11.0
20mgの還元L−グルタチオンを、60mlの5%リン酸ナトリウム緩衝液(適切なpHのため)と共に100mlフラスコに加えた。固体が完全に溶解した後、60mgのビルベリー抽出物を撹拌しながら加え、37℃で水浴に入れた。種々のpH緩衝液溶液からの試料を取り、上記方法により、HPLCにより分析した。
【0335】
実施例12
製品(ビルベリー抽出物、Omnica GmbH(Hamburg)を、37%(m/m)アントシアノシドに調整した。未使用ビルベリー中のアントシアノシドの0.3〜0.4%(m/m)の平均含有量に基づき、手元の抽出物は、100:1濃縮を表した。抽出物の残りの63%は、大部分が未使用液果中に存在するタンパク質および炭水化物で表される。500mgのビルベリー抽出物および50mgのL−システインを含む500mgのビルベリー抽出物を併用して、以下で利用されるビルベリー/システインの組み合わせを製造した。以下に示すビルベリー抽出物は、システインを添加しない上記の生成物である。
【0336】
12名のボランティアは、連続した7日にわたってビルベリー抽出物を摂取した。1週間の休薬期間後、同じボランティアは、連続した7日にわたってビルベリー/システインの組み合わせを摂取した。
【0337】
設計は、ランダム化したクロスオーバー観察であった。
【0338】
血漿試料を、対応する処置の第1日(処置前、ならびに処置の0.5、1.5、2.5および4時間後)、第4日(処置前、ならびに処置の0.5時間後)および第7日(処置前、ならびに処置の0.5、1.5、2.5および4時間後)の各期間の間に採取した。
【0339】
調査の主な目的は、両製剤中に存在するアントシアニンの血漿レベルを決定することである。
【0340】
分析の最初の実行において、血漿中に存在する全てのアントシアニンを固相抽出により抽出し、収集後、加水分解して、アントシアニジンを得た。この手順は、両方の製剤からのビルベリーアントシアニンの実際の吸収についての情報を提供し、かつ吸収された化合物の代謝による誤った結論を回避するために選択された。効力はアントシアニジン骨格に存在し、特定のグリコシド化パターンには存在しないが、各代謝産物(すなわち、グルクロニド)が製剤から吸収されたとは考えられないであろう。
【0341】
分析は、540nmでの紫外検出によるHPLCを含んだ。定量は、信頼できるアントシアニジン標準での外部標準化に基づいた。方法の回収率は、デルフィニジン−3−O−グルコシドおよびシアニジン−3−O−グルコシドを用いて評価した。これらの2つのビルベリーアントシアニンを、ブランク血漿に混合し、抽出し、調査試料と同じ方法で加水分解した。回収率は95%を超えることが示された。調査試料の安定性は、処理されたブランク血漿試料に混合し、調査試料と正確に同じ方法で貯蔵することにより確認した。
【0342】
薬物動態学的パラメータは、標準的な非区画法(non−compartmental methods)を用いて計算された。
【0343】
略号一覧
ANOVA・・・・・・分散分析
Ara・・・アラビノース
AUC・・・曲線下面積
AUC(0−inf) ・・・0時点から無限大までのAUC。
AUC(0−t) ・・・0時点から最後に測定した時点までのAUC。
AU(0−4h) ・・・0時点から8時間までの曲線下面積。
β・・・排出速度定数
Cmax・・・得られた最大血漿濃度
Cn・・・シアニジン
CV・・・変動係数
Dp・・・デルフィニジン
Gal・・・ガラクトース
Glc・・・グルコース
HPLC・・・高速液体クロマトグラフィ
MS・・・質量分析
Mv・・・マルビジン
Pe・・・ペオニジン
Pt・・・ペツニジン
t1/2 ・・・最終血漿半減期
Tmax・・・最大血漿濃度までの時間(Cmax)
UV・・・紫外線
調査結果:
図27〜40は、ビルベリー/システインの組み合わせのアントシアニジン濃度が、システインを添加しなかったビルベリー由来の試料と比較した場合、血漿中のアントシアニジン濃度の少なくとも2倍量増加することを実証する。このことは、全アントシアニジン含有量および個別のアントシアニジンで観察され得る。
【0344】
以下の表は、ビルベリー中に存在する5つのアントシアニジン(すなわちシアニジン[Cn]、デルフィンジン[Dp]、ペツニジン[Pt]、ペオニジン[Pe]およびマルビジン[Mv])について決定された血漿レベルの平均値±標準偏差(s.d.)を提供する。
【0345】
【表24】
【0346】
【表25】
【0347】
【表26】
【0348】
【表27】
【0349】
【表28】
以下の表は、観察された平均血漿レベルから計算された薬物動態学的パラメータを提供する。
【0350】
【表29】
【0351】
【表30】
【0352】
【表31】
【0353】
【表32】
【0354】
【表33】
実施例13
試料の調製:
試料Aは、実施例1のブランク試料と同じであった。
【0355】
試料B:48mg(9.5重量%の還元型グルタチオン)のビール酵母抽出物を、60.0mlの5%リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)を有する100mlフラスコに加えた。溶液を均質になるまで攪拌し、次いで、60mg(0.049molのアントシアニン)のビルベリー抽出物を均質になるまで攪拌しながら加えた。試料を、撹拌しながら、37℃の水浴中に4時間入れた。分解速度の分析をHPLCにより監視した。
【0356】
試料C:調製は、ビール酵母抽出物の量が120mgであったという条件で、実施例Bと同じであった。
結果:
【0357】
【表34】
HPLC試験パラメータは、上記実施例と同じであった。
【0358】
本実施例は、ビール酵母抽出物が試料のアントシアニン(anythocyanin)内容物の分解を減少させる強力な保護効果を示す。
【0359】
本発明を、好ましい実施態様を参照して記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形式および詳細において改変がなされ得ることを理解するであろう。明細書全体を通して引用された、全ての参考文献(背景におけるものを含む)は、その全体が本明細書中に援用される。
【0360】
当業者は、常套的な実験を用いるだけで、本明細書に特別に記載した発明の特定の実施態様の多くの均等物を理解するか、または確認することができるであろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項2】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項3】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項4】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項2に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項5】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項6】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項4に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項7】
組成物が、約2と約12の間のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項8】
アントシアニン抽出物組成物を安定化する方法であって、アントシアニンが安定化されるように、アントシアニン抽出物を十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物と併用する工程を含む、方法。
【請求項9】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、pH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項16】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項15記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項17】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項15記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項18】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項16記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項19】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項15に記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項20】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項18に記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項21】
アントシアニンおよび少なくとも1つの−SH基を有する化合物を含むアントシアニン組成物を対象に与える工程を含む、アントシアニンの生物学的利用能を増加させる方法であって、アントシアニンの量が、対象中で、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を有しないアントシアニン組成物の試料と比較して少なくとも2倍量に増加する、方法。
【請求項22】
安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つの−SH基を有する化合物の存在下における投与の4時間後のアントシアニンの血漿濃度が、少なくとも1つの−SH基を有する化合物の非存在下におけるアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量である、請求項21に記載の方法。
【請求項1】
アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項2】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項3】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項4】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項2に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項5】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項6】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項4に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項7】
組成物が、約2と約12の間のpHを有する水性環境に曝露したときに分解に対して安定である、請求項1に記載の安定化されたアントシアニン抽出物組成物。
【請求項8】
アントシアニン抽出物組成物を安定化する方法であって、アントシアニンが安定化されるように、アントシアニン抽出物を十分な量の少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物と併用する工程を含む、方法。
【請求項9】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
安定化されたアントシアニン抽出物組成物が、周囲条件で少なくとも約1日間安定である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
アントシアニン抽出物および少なくとも1つの−SH基を有する安定化化合物を含む、pH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項16】
前記安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項15記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項17】
前記アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項15記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項18】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項16記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項19】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項15に記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項20】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項18に記載のpH安定化アントシアニン抽出物組成物。
【請求項21】
アントシアニンおよび少なくとも1つの−SH基を有する化合物を含むアントシアニン組成物を対象に与える工程を含む、アントシアニンの生物学的利用能を増加させる方法であって、アントシアニンの量が、対象中で、少なくとも1つの−SH基を有する化合物を有しないアントシアニン組成物の試料と比較して少なくとも2倍量に増加する、方法。
【請求項22】
安定化化合物が、酵母抽出物、ジヒドロリポ酸、ジヒドロリポ酸の誘導体、システイン、システインの誘導体、グルタチオン、グルタチオンの誘導体、SH−プロテイナーゼ、SH−メタロプロテイナーゼ、システインを含有するペプチド類、グルタチオンを含有するペプチド類、発酵カキ抽出物、チオール化キトサン、チオール化ゼラチンまたはそれらの混合物である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
アントシアニン抽出物が、ビルベリー抽出物、ブラックカラント抽出物、クランベリー抽出物、クロダイズ抽出物、カウベリー抽出物、ブルーベリー抽出物またはそれらの2つもしくはそれ以上の混合物である、請求項22記載の方法。
【請求項25】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
安定化化合物のアントシアニン抽出物に対するモル比が約0.1〜約10である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つの−SH基を有する化合物の存在下における投与の4時間後のアントシアニンの血漿濃度が、少なくとも1つの−SH基を有する化合物の非存在下におけるアントシアニンの血漿濃度の少なくとも2倍量である、請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図12】
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【図16】
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【図20】
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【図23】
【図24】
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【図28】
【図29】
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【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公表番号】特表2010−521449(P2010−521449A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553240(P2009−553240)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003279
【国際公開番号】WO2009/031051
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(507128344)オムニカ ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003279
【国際公開番号】WO2009/031051
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(507128344)オムニカ ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】
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