説明

安定化されたバイオディーゼル燃料組成物

【課題】安定化されたバイオディーゼル燃料組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、バイオディーゼル燃料、並びに
i)立体的障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物と
ii)トリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物との組み合わせを含む、熱、光、酸素及び金属の悪影響に対して安定化されたバイオディーゼル燃料組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量の、立体障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された1つ以上の化合物とトリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された1つ以上の化合物との組み合わせにより、熱、光、酸素及び金属の悪影響に対して安定化されたバイオディーゼル燃料(又はバイオ燃料)組成物を目的とする。
【背景技術】
【0002】
バイオディーゼル燃料は再生可能な燃料源としての重要性が拡大している。例えばバイオディーゼル燃料は、それ自体で燃料として使用し得るか、又はディーゼル燃料との組み合わせで使用し得る。
【0003】
特許文献1は脂肪、油及び食物の安定化を示している。安定化剤は3−アリルベンゾフラン、長鎖のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、置換されたヒドロキシルアミン、ニトロン及びアミン酸化物から成る群から選択される。
【0004】
特許文献2、特許文献3及び特許文献4はボイラーの青炎バーナー又は最適化されたイエローフレームバーナーでの使用のための、低腐食性燃料組成物を開示している。
【0005】
特許文献5では潤滑剤を開示し、並びにベンゾトリゾール金属奪活剤とフェノール系酸化防止剤の組み合わせを開示している。
【0006】
特許文献6では水素化処理された油又はハイドロワックス化(hydrowaxed)された油、並びにトリアゾール金属奪活剤、フェノール系酸化防止剤、芳香族アミン酸化防止剤、アルキルフェノキシアルカノイック酸及びN−アシルサルコシン誘導体の組み合わせ、を含む組成物を開示している。
【0007】
特許文献7ではバイオディーゼルの酸化安定性の増大方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004055141号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第1486555号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1484387号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1484388号明細書
【特許文献5】米国特許第4,701,273号明細書
【特許文献6】米国特許第6,410,490号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0218855号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、バイオディーゼル燃料、並びに
有効安定化量の、
i)立体障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物と
ii)トリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物
との組み合わせを含む、
熱、光、酸素及び金属の悪影響に対して安定化された、改善されたバイオディーゼル燃料
組成物に関する。
【0010】
同様に、
有効安定化量の、
i)立体障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物と
ii)トリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物
との組み合わせをバイオディーゼル燃料へ配合することを含む、熱、光、酸素及び金属の悪影響に対するバイオディーゼル燃料の安定化方法も開示している。
【0011】
バイディーゼル燃料は再生可能な燃料源であり、重要性が拡大している。
【0012】
バイオディーゼル燃料は、例えば、トリグリセリドと低級アルコール、例えばメタノール又はエタノールとのエステル交換反応によって製造された、低級アルキル脂肪酸エステルを含む。一般的なバイオディーゼル燃料は、菜種油または大豆油の脂肪酸メチルエステルである。バイオディーゼル燃料源は、野菜及び動物源を含む。リサイクルされた料理油はバイオディーゼル燃料源になり得る。
【0013】
バイオディーゼル燃料及びその製造方法は、例えば、米国特許第5,578,090号明細書、米国特許第5,713,965号明細書、米国特許第5,891,203号明細書、米国特許第6,015,440号明細書、米国特許第6,174,501号明細書及び米国特許第6,398,707号明細書に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のバイディーゼル燃料は、例えば、植物又は油性の種子から誘導された、炭素原子数12ないし22の飽和及び不飽和直鎖脂肪酸の混合物の低級エステルを含む。用語「低級アルキルエステル」は炭素原子数1ないし5のエステル、特にメチル及びエチルエステルを意味する。飽和、単不飽和及び多価不飽和の、炭素原子数16ないし22の脂肪酸のメチルエステルは、「バイオディーゼル」又は「菜種メチルエステル」として知られている。
【0015】
本発明によるバイオディーゼル燃料は基本的に100質量%までの低級脂肪酸エステルから成るか、又は低級アルキル脂肪酸エステルとの標準的なディーゼル燃料との組み合わせである。バイオディーゼル燃料は、例えば、約2ないし約98質量%の脂肪酸エステル、及び約98ないし約2質量%の標準的なディーゼル燃料を含有する。例えば、バイオディーゼル燃料は約10ないし約90質量%の脂肪酸エステル、及び約90ないし約10質量%のディーゼル燃料を含有する。例を挙げるとバイオディーゼル燃料は約25ないし約75質量%の脂肪酸エステル及び約75ないし約25質量%のディーゼル燃料を含有する。
【0016】
代表的な立体障害性フェノール系酸化防止剤の例:
1.アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ第三ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖において分岐したノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6
−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0017】
2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0018】
3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0019】
4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0020】
5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0021】
6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0022】
7.ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステル、及び3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0023】
8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0024】
9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0025】
10.トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0026】
11.ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0027】
12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシ−ラウリン酸−アニリド、4−ヒドロキシ−ステアリン酸−アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン及びオクチル−N−(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメート。
【0028】
13.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0029】
14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル、アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0030】
15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価又は多価アルコールとのエステル、アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0031】
16. 3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の以下の一価又は多価アルコールとのエステル、アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0032】
17. β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル社から供給されるナウガード(登録商標:Naugard)XL−1)。
【0033】
例えば、立体障害性フェノール系化合物は、ブチル化フェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、ベンジルホスホネート、β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の一価又は多価アルコールとのエステル及び3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の一価又は多価アルコールとのエステルから成る群から選択される。
【0034】
例を挙げると、立体障害性フェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ第三ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,6−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチルチオ)酢酸炭素原子数10ないし14のイソアルキルエステル、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒロドキシヒドロ桂皮酸炭素原子数6ないし9のアルキルエステル、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒロドキシヒドロ桂皮酸メチルエステル、テトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタン、チオジエチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒロドキシヒドロシンナメート)、オクタデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒロドキシヒドロシンナメート及び2,5−ジ第三ブチルヒドロキノンから成る群から選択される。
【0035】
例えば、立体障害性フェノール系酸化防止剤は2,6−ジ第三ブチルフェノール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒロドキシヒドロ桂皮酸メチルエステル及びテトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタンから成る群から選択される。
【0036】
好適なトリアゾール金属奪活剤は1,2,4−トリアゾール類のもの又はベンゾトリアゾール類のものである。
【0037】
1,2,4−トリアゾール類の金属奪活剤は例えば、米国特許第4,734,209号明細書に開示されている。
【0038】
好適な1,2,4−トリアゾール金属奪活剤は例えば、式
【化1】

{式中、
1及びR2は同じであるか又は異なり、そして水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のアラルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又はヒドロキシル基を表し、又はR1及びR2は、各々が結合した窒素原子と一緒になって五、六又は七員のヘテロ環を形成し得、又はR1及びR2は部分式
【化2】

(式中、
XはO、S又はNR3を表し、
3は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し、
4は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表し、
nは0又は1ないし6の整数を表す。)で表される基を表し、
又はR1及びR2のうち1つは部分式
【化3】

で表される基を表し、
又はR2は式(II)で表される基を表し、及びR1は部分式
【化4】

(式中、
mは0又は1を表し、そしてmが0を表す場合、Aは式(II)で表される基を表し、またmが1を表す場合、Aはアルキレン基又は炭素原子数6ないし10のアリーレン基を表し、及び
5は式(II)で表される基を表し、
4は、例えば、炭素原子数1ないし6のアルキレン基、例を挙げると炭素原子数2ない
し3のアルキレン基を表し、
nは例として0,1,2,3,4,5又は6を表す。)で表される基を表す。}で表されるものである。
【0039】
式(I)で表される具体的な化合物は次のものを含む。
1−(又は4)−(ジメチルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジエチルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジイソプロピルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−ブチルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−ヘキシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジイソオクチルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−オクチルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−デシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−ドデシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−オクタデシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−n−エイコシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−[ジ−(プロペ−2’−エニル)アミノメチル]トリア
ゾール、1−(又は4)−[ジ−(ブテ−2’−エニル)アミノメチル]トリアゾール、1−(又は4)−[ジ−(エイコシ−2’−エニル)アミノメチル]トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−シクロヘキシルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−ベンジルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジ−フェニルアミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(4’−モルホリノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(1’−ピロリジノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(1’−ピペリジノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(1’−ペルヒドロアゼピノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−[(2’,2’’−ジヒドロキシメチル)アミノメチル]トリアゾール、1−(又は4)−(ジブトキシプロピル−アミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジブチルチオプロピル−アミノメチル)トリアゾール、1−(又は4)−(ジブチルアミノプロピル−アミノメチル)トリアゾール、N,N−ビス−(1−又は4−トリアゾイルメチル)ラウリルアミン、N,N−ビス−(1−又は4−トリアゾイルメチル)オレイルアミン、N,N−ビス−(1−又は4−トリアゾイルメチル)エタノールアミン及びN,N,N’,N’−テトラ(1−又は4−トリアゾイルメチル)エチレンジアミン。
【0040】
式(I)で表される好ましい化合物は、例えば、1−(ジ−イソオクチルアミノメチル)トリアゾールであり、それは1−(ジ−イソオクチルアミノメチル)−1,2,4−トリアゾール又は1−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,4−トリアゾールである。
【0041】
好適なベンゾトリアゾール金属奪活剤は、例えば、米国特許第5,032,300号明細書及び米国特許第5,171,463号明細書に開示されているものである。
【0042】
好適なベンゾトリアゾール金属奪活剤は、例えば、式
【化5】

(式中、
6は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
7は炭素原子数1ないし12のアルキル基、1つ以上の酸素原子で中断された炭素原子
数1ないし12のアルキル基を表すか、又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し、及び
8及びR9は水素原子又はメチル基を表す。)
で表されるものである。
【0043】
式(III)で表される化合物の具体的な例は次のものを含む。

1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリルトリアゾール、1−(1−メトキシエチル
)トリルトリアゾール、1−(1−メトキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−イソブトキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−第三ブトキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−ヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−オクチルオキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−ブトキシ−2−メチルプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−ドデシルオキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−イソプロピルオキシエチル)トリルトリアゾール、1−(1−イソプロピルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−イソプロピルオキシブチル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシヘプチル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾール、1−[1−(2−メトキシエトキシ)ブチル] トリルトリアゾール及び1−[1−(2−エトキシエトキシ)ブチル] トリルトリアゾール。
【0044】
式(III)で表される好ましい化合物は、例えば、1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシヘプチル)トリルトリアゾール又は1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾールである。
【0045】
1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリルトリアゾールは、式
【化6】

で表される。
【0046】
1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾールは、式
【化7】

で表される。
【0047】
ベンゾトリアゾール金属奪活剤は、例えば、米国特許第5,580,482号明細書及び
米国特許第6,410,490号明細書に開示されているものでもあり得る。
【0048】
好適なベンゾトリアゾール金属奪活剤は例えば式
【化8】

{式中、
10は水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
11及びR12は同じであるか又は異なり、そして水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のアラルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又はヒドロキシル基を表し、又はR11及びR12は、各々が結合した窒素原子と一緒になって五、六又は七員のヘテロ環を形成し得、又はR11及びR12は部分式
【化9】

(式中、
XはO、S又はNR13を表し、
13は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し、
14は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表し、
nは0又は1ないし6の整数を表す。)で表される基を表し、
又はR11及びR12のうち1つは式
【化10】

で表される基を表し、
又はR12は式(II)で表される基を表し、及びR11は部分式
【化11】

(式中、
mは0又は1を表し、そしてmが0を表す場合、Aは式(II)で表される基を表し、またmが1を表す場合、Aはアルキレン基又は炭素原子数6ないし10のアリーレン基を表し、及び
15は式(II)で表される基を表す。)で表される基を表す。}で表されるものである。
【0049】
代表的な式IVで表されるベンゾトリアゾールは、例えば、

4−(又は5)−メチル−1−(ジ(2−エチルヘキシル)−アミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジメチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジエチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−イソプロピルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−ブチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−ヘキシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジイソオクチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−オクチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−デシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−ドデシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−オクタデシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−n−エイコシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−[ジ−(プロペ−2’−エニル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−[ジ−(ブテ−2’−エニル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−[ジ−(エイコシ−2’−エニル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−シクロヘキシルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−ベンジルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジ−フェニルアミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(4’−モルホリノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(1’−ピロリジノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(1’−ピペリジノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(1’−ペルヒドロアジピノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(2’,2’’−ジヒドロキシエチル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジブトキシプロピル−アミノメチル)−ベンゾトリアゾール、4−(又は5)−メチル−1−(ジブチルチオプロピル−アミノメチル)−ベンゾトリアゾール及び4−(又は5)−メチル−1−(ジ−ブチルアミノプロピル−アミノメチル)−ベンゾトリアゾール。
【0050】
式(IV)で表される好ましいベンゾトリアゾールは、例えば、4−(又は5)−メチル−1−(ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−ベンゾトリアゾール又は4−(又は5)−メチル−1−(ジ−イソオクチルアミノメチル)−ベンゾトリアゾールである。
【0051】
アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基又はドデシル基のような、分岐鎖又は直鎖の基である。
【0052】
アルケニル基は、例えば、プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−2,4−ペンタジエニル基、3−メチル−2−ブテニル基、n−2−オクテニル基、n−2−ドデセニル基、イソドデセニル基、オレイル基又はn−2−オクタデセニル基又はn−4−オクタデセニル基のような分岐鎖又は直鎖の基である。好ましいものは、3ないし18個、とりわけ3ないし12個、例えば3ないし6個、特に3ないし4個の炭素原子を有するアルケニル基である。
【0053】
シクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、第三ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基である。好ましいものは、シクロヘキシル基及び第三ブチルシクロヘキシル基である。
【0054】
アラルキル基は、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α、α−ジメチルベンジル基又は2−フェニルエチル基である。ベンジル基及びα、α−ジメチルベンジル基が好ましい。
【0055】
アリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基であり、炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシル基で置換されたフェニル基、ヒロドキシル基で、ハロゲン原子で又はニトロ基で置換されたフェニル基も又含む。アルキル基で置換されたフェニル基の例は、エチルベンゼン、トルエン、キシレン及びその異性体、メシチレン、又はイソプロピルベンゼンである。ハロゲン原子で置換されたフェニル基は、例えば、ジクロロベンゼン又はブロモトルエンである。
【0056】
アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基又はオクタデカメチレン基のような、分枝鎖又は直鎖の基である。好ましいものは炭素原子数1ないし8のアルキレン基である。
【0057】
アリーレン基は2価のアリール基であり、例を挙げるとフェニレン基又はナフタレン基である。
【0058】
成分i)及びii)はそれぞれ、バイオディーゼル燃料の質量に基づき、約5ppmないし約5000ppm、例えば約50ppmないし約5000ppm、例えば約100ないし約5000ppmの量で使用される。例えば、それぞれの添加剤は、バイオディーゼル燃料の質量に基づく質量で、約150ないし約4000ppm、約200ないし約3000ppm、又は約250ないし約2500ppm存在する。その量はバイオディーゼル燃料の質量に基づき、約1%、約2%又は約3%の高さにも成り得る。
【0059】
安定化されたバイオディーゼル燃料は、安定化されていない試料に対して、増大した貯蔵安定性を示す。熱、光、酸素又は金属条件下でのバイオディーゼル燃料の劣化は、カルボン酸、過酸化物、アルデヒド及びアルコールの形成によって観測される。金属条件下での劣化は金属汚染を意味する。
【0060】
安定化されたバイオディーゼル燃料は、既知の金属キレート化合物も又含み得る。既知の金属キレート化合物は、クエン酸のようなヒドロキシカルボン酸キレート剤、クエン酸トリエチル及びクエン酸モノステアリルのようなヒドロキシカルボン酸エステルキレート剤
、N,N−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン(DMD)のようなシッフ塩基、トリエタノールアミン及びN−ヒドロキシエチルエチレンジアミンのようなアミノアルコール、エチレンジアミン及びジエチレントリアミンのようなポリアミン並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなアミノカルボン酸キレート剤含む。これらの化合物の混合物も又使用され得る。
【0061】
安定化されたバイオディーゼル燃料は、3−アリールベンゾフラノン安定剤及び立体障害性アミン光安定剤から成る群から選択された1つ以上の安定剤もまた含有し得る。
【0062】
好ましい実施態様は以下に関する。
好適な3−アリールベンゾフラノン抗酸化剤は、例えば、米国特許第4,325,863号明細書、米国特許第4,388,244号明細書、米国特許第5,175,312号明細書、米国特許第5,252,643号明細書、米国特許第5,216,052号明細書、米国特許第5,369,159号明細書、米国特許第5,488,117号明細書、米国特許第5,356,966号明細書、米国特許第5,367,008号明細書、米国特許第5,428,162号明細書、米国特許第5,428,177号明細書及び米国特許第5,516,920号明細書に開示されたものである。
【0063】
特に好適なベンゾフラノン型安定剤は、
3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシ−フェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−フェニルベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)ベンゾフラノ−2−オン又は5,7−ジ第三ブチル−3−(2,3−ジメチルフェニル)ベンゾフラノ−2−オンを含む。
【0064】
いわゆる立体障害性アミンは、例えば、米国特許第5,004,770号明細書、米国特許第5,204,473号明細書、米国特許第5,096,950号明細書、米国特許第5,300,544号明細書、米国特許第5,112,890号明細書、米国特許第5,124,378号明細書、米国特許第5,145,893号明細書、米国特許第5,216,156号明細書、米国特許第5,844,026号明細書、米国特許第5,980,783号明細書、米国特許第6,046,304号明細書、米国特許第6,117,995号明細書、米国特許第6,271,377号明細書、米国特許第6,297,299号明細書、米国特許第6,392,041号明細書、米国特許第6,376,584号明細書及び米国特許第6,472,456号明細書、米国特許出願公開第09/714,717号明細書及び米国特許出願公開第10/485,377号明細書に開示されている。
【0065】
好適ないわゆる立体障害性アミンは例えば、
1)1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン、
2)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
3)ビス(1−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
4)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ−4−イル)セバケート
5)ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
6)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
7)ビス(1−アシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
8)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、
9)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン、
10)ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)アジペート、
11)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジン、
12)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
13)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
14)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
15)ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、
16)ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)アジペート、
17)2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、
18)4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
19)ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニ−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロネート、
20)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
21)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、
22)1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、
23)2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、
24)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、
25)トリス(2−ヒドロキシ−3−(アミノ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)プロピル)ニトリロトリアセテート、
26)テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、
27)テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、
28)1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、
29)3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、
30)8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、
31)3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジ
ン−2,5−ジオン、
32)3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、
33)N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、
34)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)−メチレンジアミン)の反応生成物、
35)1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、
36)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、
37)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、
38)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、
39)N,N’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、
40)2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、
41)2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、
42)7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、
43)ポリ[メチル(3−オキシ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)プロピル)]シロキサン、CAS登録番号182635−99−0、
44)無水マレイン酸−炭素原子数18ないし22のα−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物、
45)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端封止された、2,4−ジクロロ−6−[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンの縮合生成物であるオリゴマー化合物、
46)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)と2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端封止された、2,4−ジクロロ−6−[(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンの縮合生成物であるオリゴマー化合物、
47)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端封止された、2,4−ジクロロ−6−[(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンの縮合生成物であるオリゴマー化合物、
48)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1−アシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端封止された、2,4−ジクロロ−6−[(1−アシルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンの縮合生成物であるオリゴマー化合物及び、
49)1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと塩化シアヌルとの反応で得られた生成物と、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)ブチルアミンとの反応で得られた生成物。
【0066】
上記化合物のいずれかの立体障害性N−H、N−メチル、N−メトキシ、N−プロポキシ、N−オクチルオキシ、N−シクロヘキシルオキシ、N−アシルオキシ及びN−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)同族体も又含まれる。例えば、N−H障害性アミンをN−メチル障害性アミンで置き換えることは、N−Hの代わりにN−メチル同族体を用いることである。
【0067】
ベンゾフラノン及び立体障害性アミン安定剤は、成分i)及びii)と同じ濃度水準で使用される。
【0068】
バイオディーゼルの安定性の喪失は、ガムの形成で観測される。
【0069】
本発明の特に好ましい実施態様は、以下
2,6−ジ第三ブチル−フェノール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸メチルエステル及びテトラキス(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)−メタンから成る群から選択された、少なくとも1つの立体障害性フェノール系酸化防止剤並びに、
1−(ジイソオクチルアミノメチル)−1,2,4−トリアゾール、1−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,4−トリアゾール、1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシヘプチル)トリルトリアゾール及び1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾールから成る群から選択された少なくとも1つの金属奪活剤、
を含む組成物に関する。
【0070】
以下の実施例は本発明を説明する。特に指示がない限り、部及びパーセンテージは質量による。
【実施例】
【0071】
材料及び方法
ランシマット試験
食品工業で発展したランシマット試験が、大豆バイオディーゼル(大豆脂肪酸のメチルエステル)の酸化安定性試験に使用された。大豆バイオディーゼル試料3.0gを111.7℃で保持し、空気の泡立ちの流れ(1時間当り10L)に曝した。試料容器は、排気ガスが50mlの蒸留水を泡立ち通る第二の容器に通気された。試験は過酸化物、アルコール、アルデヒド及びカルボン酸のような揮発性酸化分解生成物を測定した。揮発性分解生成物(主にギ酸)は、試料容器から押し流され、そしてそれらが蒸留水で捕捉される第二の容器へ排出された。水の導電率は電極を使用して、経時的に絶えず観測した。導電率曲線の変曲点(特定値では無い)は、測定された誘導時間である。注目すべきは、いくつかの試料は変曲点に達する前に高い導電率である一方、他はわずかな導電率しかない点である。誘導時間の増大は、酸化安定性の増大を示す。結果は下表に記す。添加物の量はバイオディーゼルの質量に基づき、質量%で表す。
【0072】
成分i)とii)の安定剤との組み合わせは、ランシマット試験で極めて優れた性能を与えた。EN14214規格を満たすために、6時間の誘導時間を必要とした。
【0073】
一連の試験で使用した添加物成分
P:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)
Q:2,6−ジ第三ブチルフェノール
R:ビタミンE
S:4−(及び5)−メチル−1−(ジ(2−エチルヘキシル)−アミノメチル)−ベンゾトリアゾールの混合物
T:41質量%のテトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタン、29質量%の2,6−ジ第三ブチルフェノール、30質量%のメチル3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
U:1−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,4−トリアゾール。
【0074】
本発明の添加物混合物
A:90%の添加物T、10%の添加物S
B:90%の添加物P、10%の添加物S
C:90%の添加物Q、10%の添加物S
D:90%の添加物R、10%の添加物S
E:89%の添加物T、11%の添加物S
F:89%の添加物T、11%の添加物U
G:86%の添加物T、14%の添加物S
H:86%の添加物T、14%の添加物U
【0075】
結果
実施例1
【表1】

【0076】
実施例2
バイオディーゼルに5ppmの銅を混ぜて上記試験を繰り返した。第一の対照配合物は、銅を含まない。
【表2】

【0077】
実施例3
大豆バイオディーゼルを2006年8月3日から2006年10月13日まで屋外で保管した。ランシマット誘導時間は、時間(週)及び添加物の量に応じて観測された。容器は閉じられ、試料採取のため1週間に1回開けられた。以下の結果が観測された。
【表3】

【0078】
実施例4
その他の脂肪酸メチルエステル、菜種油メチルエステル、リサイクルされた料理油のメチルエステル、及びジャトロファ油メチルエステルにて試験を繰り返した。以下の誘導時間の結果が得られた。
【表4】

【0079】
実施例5
大豆バイオディーゼルで更なるランシマット誘導時間試験を行った。
【表5】

【0080】
実施例6
0.25ppmのナフテン酸鉄及び0.01ppmのナフテン酸銅を混ぜた大豆バイオディーゼルを用いて実施例5の試験を繰り返した。
【表6】

【0081】
実施例7
20%の大豆バイオディーゼル及び80%の石油ディーゼルのブレンドB20の並びに1ppmのナフテン酸銅を混ぜたB20にて試験を行った。
【表7】

【0082】
実施例8
様々な量の酢酸銅を混ぜた大豆バイオディーゼルで試験を行った。
【表8】

【0083】
実施例9
混合された金属で汚染された大豆バイオディーゼルで実験を行った。混合された金属は0.00006ppmのナフテン酸銅及び0.0032ppmのナフテン酸鉄であった。
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオディーゼル燃料、並びに
有効安定化量の、
i)立体障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物と
ii)トリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物
との組み合わせを含む、
熱、光、酸素及び金属の悪影響に対して安定化されたバイオディーゼル燃料組成物。
【請求項2】
2,6−ジ第三ブチルフェノール、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,6−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチルチオ)酢酸炭素原子数10ないし14のイソアルキルエステル、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸炭素原子数6ないし9のアルキルエステル、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸メチルエステル、テトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタン、チオジエチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート及び2,5−ジ第三ブチルヒドロキノンから成る群から選択された、1つ以上の立体障害性フェノール系酸化防止剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2,6−ジ第三ブチルフェノール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸メチルエステル及びテトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタンから成る群から選択された、1つ以上の立体障害性フェノール系酸化防止剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)
【化1】

{式中、
1及びR2は同じであるか又は異なり、そして水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のアラルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又はヒドロキシル基を表し、又はR1及びR2は、各々が結合した窒素原子と一緒になって五、六又は七員のヘテロ環を形成し得、又はR1及びR2は式
【化2】

(式中、
XはO、S又はNR3を表し、
3は水素原子又は炭素原子数1ないし20のアルキル基を表し、
4は炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表し、
nは0又は1ないし6の整数を表す。)で表される基を表し、
又はR1及びR2のうち1つは式
【化3】

で表される基を表し、
又はR2は式(II)で表される基を表し、及びR1は部分式
【化4】

(式中、
mは0又は1を表し、そしてmが0を表す場合、Aは式(II)で表される基を表し、またmが1を表す場合、Aはアルキレン基又は炭素原子数6ないし10のアリーレン基を表し、及びR5は式(II)で表される基を表す。)で表される基を表す。}で表される化
合物から成る群から選択された、1つ以上のトリアゾール金属奪活剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1−(ジ−イソオクチルアミノメチル)−1,2,4−トリアゾール又は1−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,4−トリアゾールを含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】

【化5】

(式中、
6は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、
7は炭素原子数1ないし12のアルキル基、1つ以上の酸素原子で中断された炭素原子
数1ないし12のアルキル基を表し、又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し、及び
8及びR9は水素原子又はメチル基を表す。)
で表される化合物から成る群から選択された、1つ以上のトリアゾール金属奪活剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシヘプチル)トリルトリアゾール又は1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾールを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
2,6−ジ第三ブチルフェノール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸メチルエステル及びテトラキス−(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシメチル)メタンから成る群から選択された少なくとも1つの立体障害性フェノール系酸化防止剤、並びに、
1−(ジ−イソオクチルアミノメチル)−1,2,4−トリアゾール、1−(ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル)−1,2,4−トリアゾール、1−(2−メトキシプロピ−2−イル)トリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシプロピル)トリルトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシヘプチル)トリルトリアゾール及び1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トリルトリアゾールから成る群から選択された少なくとも1つ以上の金属奪活剤、
を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
3−アリールベンゾフラノン安定剤及び立体障害性アミン光安定剤から成る群から選択された1つ以上の安定剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
有効安定化量の、
i)立体障害性フェノール系酸化防止剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物と
ii)トリアゾール金属奪活剤から成る群から選択された少なくとも1つの化合物
との組み合わせをバイオディーゼル燃料へ配合することを含む、熱、光、酸素及び金属の悪影響に対するバイオディーゼル燃料の安定化方法。

【公表番号】特表2010−511067(P2010−511067A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537612(P2009−537612)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062482
【国際公開番号】WO2008/065015
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】