説明

安定化した感受性成分の組成物及び安定化方法

本発明は、感受性成分を含む組成物であって、感受性成分がキトサンマトリックスを含む第1保護コーティング内に存在する組成物に関する。更に、本発明は、感受性成分の安定化方法に関する。より具体的には、アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、前記混合物に感受性成分を添加する工程と、感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する工程と、前記ストリームを切断して球体を形成する工程と、前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、キトサンアルギネートを含む保護コーティング内で、前記感受性成分のコーティングされた球体を形成する工程と、を含む安定化方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感受性成分(sensitive ingredient)を含む組成物に関し、感受性成分は、キトサンマトリックス(chitosan matrix)を含む保護コーティング内に存在する。更に、本発明は、感受性成分の安定化方法に関する。より具体的には、アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、前記混合物に感受性成分を添加する工程と、感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する(creating stream)工程と、前記ストリームを切断して球体(sphere)を形成する工程と、前記球体をキトサンの供給源内に滴下する(dropping)工程と、キトサンアルギネートを含む保護コーティング内で、前記感受性成分のコーティングされた球体を形成する工程と、を含む安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的に重要な化合物の多くは、熱、水及び/又は酸素に暴露されると、活性を失う。こうした化合物としては、ビタミン、酸化防止剤、カロチノイド、ポリフェノール、鉱物、脂肪酸、アミノ酸、酵素、プロバイオティクス(probiotics)及びプレバイオティクス(prebiotics)が挙げられる。熱、水及び/又は酸素への曝露の際、化合物の活性が、より長い期間にわたって維持されるように、これらの化合物を安定させるための試みが多数なされてきた。これらの方法のうちの特定のものは、ゼラチン及びアルギネートを含む保護物質での化合物のコーティングに焦点を当ててきた。しかし、化合物を分解から保護することが、唯一の懸念ではない。保護された化合物は、摂食時に生物学的吸収にも利用できなければならない。加工及び保存中に化合物を保護する既知の方法はまた、化合物の吸収を制限又は防止してきており、生物学的に重要な化合物が摂取有機体にほとんど効果的に送達されないという点で、これらの2つの目的は、本質的に矛盾する。
【0003】
前記化合物の主要な用途の1つは、ヒトの食物及び動物の食物の両方に含まれる食物におけるものである。典型的に、室温及び保存条件は、通常ほとんどの食物についての他の制限時間よりも短い時間枠において、化合物の活性の損失をもたらす。密封容器の使用及び低温保存は、化合物の分解を改善するが、これらの方法は高価であり、多くの場合現実的ではない。
【0004】
多くの食品加工方法は、これらの化合物のレベルを更に低減させる熱を使用する。特定の一般的な食品加工方法は、押出成形であり、極端な温度及び圧力下で食品を積極的に粉砕することを包含する方法である。押出成形は、ほとんど全ての乾燥ペットフードの商業生産において使用されており、インスタント(ready-to-eat)シリアルの製造において非常に一般的である。押出成形後に化合物を添加すると、化合物を大気中での酸素による酸化の影響をより受けやすいままにし、食品の表面上での化合物の視覚的検出をもたらす。食事が保存されている容器の側部への活性成分の移動をもたらす押出成形された食事の表面の製品ウイッキングのため、適用はまた、難しい。
【0005】
化合物を送達できる唯一の選択肢は、食物に包含される変化しやすい構成要素を過度に配合することである。この過度の配合は、不必要な出費を加え、製品性能を保証しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の目的は、好ましくはキトサンマトリックスにより、感受性成分を安定化する組成物及び方法を提供することであり、組成物中の全ての感受性成分は、安定であり、熱、水及び/又は酸素の存在下で感受性成分活性を維持し、摂食の際、生物学的な吸収に更に利用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、感受性成分を含む組成物であって、感受性成分がキトサンマトリックスを含む第1保護コーティング内に存在する組成物に関する。
【0008】
更に本発明は、アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、混合物に感受性成分を添加する工程と、感受性成分を含む混合物のストリームを生成する工程と、ストリームを切断して球体を形成する工程と、球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、キトサンアルギネートを含む第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、を含む感受性成分の安定化方法に関する。
【0009】
更に本発明は、アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、前記混合物に感受性成分を添加する工程と、感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する工程と、前記ストリームを切断して球体を形成する工程と、前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、キトサンアルギネートを含む第一保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、前記球体とベース食品(base food)を混合する工程と、組成物を形成する工程と、を含む組成物の製造方法に関する。
【0010】
更に本発明は、疎水性物質と、感受性成分との第1混合物を用意する工程と、第2保護コーティングであって、その内部に存在する前記感受性成分を有する、第2保護コーティングを形成する工程と、アルカリ金属アルギネートと、前記第1混合物との第2混合物を用意する工程と、前記第2混合物に水を添加する工程と、感受性成分を含む前記第2混合物の生地(dough)を生成する工程と、前記第2混合物を押出成形する工程と、前記第2混合物の球体を形成する工程と、前記球体をキトサン源内に滴下し、キトサンアルギネートの第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、を含む感受性成分の安定化方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】感受性成分の全般的な第1安定化方法のブロック図。
【図2】図1の混合系のブロック図。
【図3】図1の球体形成系のブロック図。
【図4】図1の硬化系のブロック図。
【図5】感受性成分の全般的な第2安定化方法のブロック図。
【図6】図5の混合系のブロック図。
【図7】図5の球体形成系のブロック図。
【図8】図5の硬化系のブロック図。
【図9】第2コーティング系のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、感受性成分を含む組成物を含み、感受性成分は、キトサンマトリックスを含む第1保護コーティング内に存在する。
【0013】
本発明の組成物、加工法、及び方法のこれら及び他の制限事項、並びに本明細書に使用するのに好適な多くの任意成分については、本明細書の以下で詳述する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「使用に適した」とは、記載されたペットフード組成物が、時々修正される可能性があるアメリカ飼料検査官協会(the American Association of Feed Control Officials)(AAFCO)の、ペット向けのペットフード組成物を提供するための安全要件を満たし得ることを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「コンパニオンアニマル」とは、好ましくは(例えば)、犬、猫、子猫、幼犬、成犬、成猫、老犬、老猫、馬、牛、羊、豚、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、シロイタチ、馬、動物園哺乳類等を包含する動物を意味する。犬、猫、子猫、幼犬、老犬、老猫、成犬、成猫が特に好適である。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「完全であり、栄養バランスがとれている(complete and nutritionally balanced)」とは、特に指定のない限り、全ての既知の必要な栄養素を、ペットの栄養の分野で認められている専門家の推奨に基づく適切な量及び割合で有するペットフード組成物を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「ペット組成物」とは、コンパニオンアニマル又は家畜によって摂取され得る組成物、コンパニオンアニマル用の栄養補助食品、家畜用の補足飼料、トリーツ(treats)、ビスケット、チュー(chew)、飲料、補助水、及びこれらの組み合わせを意味する。ペット組成物は、湿潤及び/又は乾燥状態であることができる。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「球体」とは、セグメント、ロッド、三次元の形状、半球形状、半球体、及び/又は円形状である形態を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「湿潤状態の」組成物とは、湿性及び/又は半湿性であることができる組成物を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「流体ストリーム(fluid stream)」とは、特に指定のない限り、空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、水素、及び/又は蒸気のストリームを意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「化学的安定性」とは、ペット組成物の加工前に成分ミックスに添加された各成分の量と比較した、加工後及び/又は保存時に残存するコーティングされた感受性成分又はコーティングされていない感受性成分の相対量を指す。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「生物学的利用能」とは、動物により消化された各成分の量と比較した、動物の消化軌道を通って吸収されるコーティングされた感受性成分又はコーティングされていない感受性成分の相対量を指す。
【0023】
全ての百分率、部及び比率は、本明細書で用いるとき、特に指定がない限り、製品全体の重量に基づく。列記された成分に関するこうした重量は全て、活性物質のレベルに基づくものであり、したがって特に指定のない限り、市販材料に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。
【0024】
本発明の組成物、加工法、方法は、本明細書に記載の本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載のいかなる追加の又は任意の成分、構成要素、又は制限、あるいはコンパニオンアニマル又はヒトの消費のために意図された組成物に有用な他のものも含むことができ、これらからなることができ、又はこれらから本質的になることができる。
【0025】
組成物の形態
本発明の組成物は、ペット組成物及び/又はヒト組成物の形態であり得る。本発明の組成物は、ベース食品を含むことができる。組成物は、本明細書に記載の方法の間にベース食品と混合され得る感受性成分を含む。組成物は、インスタント食品(ready-to-eat food)、ベビーフード、スナック、シリアル、パスタ、ヨーグルト、プディング、デザート、トリーツ、キブル、パテ、加工肉、例えばホットドッグ、ソーセージ、ミートボール、及びこれらの組み合わせであり得る。
【0026】
1つの実施形態において、組成物は湿潤状態のペット組成物の形態である。本発明の湿潤状態のペット組成物は、半湿性のペット組成物(すなわち、組成物の16重量%〜50重量%の総含水率を有するもの)、及び/又は湿性のペット組成物(すなわち、組成物の50重量%を超えるの総含水率を有するもの)であり得る。本明細書で特に記載しない限り、半湿性のペット組成物、及び湿性のペット組成物は、これらの組成又は用意の方法によって制限されない。別の実施形態において、ペット組成物は乾燥状態(すなわち、組成物の16重量%未満の総含水率を有するもの)である。
【0027】
本明細書のペット組成物は、完全であり、栄養バランスをとることができる。完全であり、栄養バランスがとれているペット組成物は、単独食料として与えられるよう合成されてもよく、水を除いていかなる付加的な物質も消費することなく、生命を維持する及び/又は繁殖を促進することができる。
【0028】
1つの実施形態において、組成物は、ベビーフード組成物の形態である。本発明のベビーフード組成物は、半湿性のベビーフード組成物(すなわち、組成物の16重量%〜50重量%の総含水率を有するもの)、及び/又は湿性のベビーフード組成物(すなわち、組成物の50重量%を超える総含水率を有するもの)であり得る。
【0029】
感受性成分
本発明の組成物は感受性成分を含み、感受性成分は、好ましくは第1及び/又は第2保護コーティング内に存在する。保護コーティング内に感受性成分を置くと、感受性成分は、酸素との接触からの物理的保護を通してのみならず、感受性成分化合物が添加され、加工中に混合されるベース食品に存在する可能性がある酸化剤及びフリーラジカル反応開始剤との相互作用からのこれらの保護によっても、酸素分解から保護される。
【0030】
感受性成分が組成物に存在する場合、本発明の感受性成分は、以下の等式1にて計算して、少なくとも約1.05、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、及び少なくとも約1.5の化学的安定性指数(chemical stability index)を有する。
【数1】

【0031】
感受性成分の化学的安定性は、後記の化学的安定性方法により測定される。
【0032】
感受性成分が組成物に存在する場合、本発明の感受性成分は、以下の等式2にて計算して、少なくとも約1.05、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5の生物学的利用能指数(Bioavailability Index)を有する。
【数2】

【0033】
感受性成分の生物学的利用能は、後記の生物学的利用能方法により測定される。
【0034】
感受性成分が、コーティングされていない形態において比較的高い化学的安定性を有するが、消化方法の間の分解により比較的劣る生物学的利用能を有する場合、封入方法は、生物学的利用能指数対化学的安定性指数におけるより多くの改善を有するであろう。この種の状況においては、本発明の感受性成分は、後記のホーガン等式(Horgan Equation)にて測定して、約0.80未満、約0.75未満、約0.65未満、約0.60未満、約0.55未満、及び約0.45未満のホーガン指数(Horgan Indices)を有する。
【0035】
感受性成分が、コーティングされていない形態において、加工又は保存中の分解に起因して比較的低い化学的安定性を有するが、比較的高い生物学的利用能を有する場合、封入方法は、化学的安定性指数対生物学的利用能指数におけるより多くの改善を有するであろう。この種の状況においては、本発明の感受性成分は、後記のホーガン等式(Horgan Equation)にて測定して、約1.3を超える、約1.4を超える、約1.5を超える、約1.55を超える、約1.6を超える、及び約1.65を超えるホーガン指数(Horgan Indices)を有する。
【0036】
ホーガン指数は、他の指数と比較して、等式1により定義される化学的安定性指数又は等式2により定義される生物学的利用能指数のいずれかの相対的な改善の測定値である。具体的にいうと、ホーガン指数は、以下の等式3により計算される;
【数3】

【0037】
組成物に感受性成分が存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の少なくとも約0.01重量%の感受性成分を含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記感受性成分、約1重量%〜約40重量%の前記感受性成分、約1重量%〜約30重量%の前記感受性成分、約3重量%〜約20重量%の前記感受性成分を含む。
【0038】
感受性成分は、少なくとも1つのカロチノイド、ポリフェノール、ビタミン、ミネラル、カテキン、不飽和脂肪酸、不飽和トリグリセリド、酸化防止剤、アミノ酸、酵素、プレバイオティク、又はプロバイオティクを含む。
【0039】
カロチノイドは、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン、β−カロチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
カロチノイドが存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の約0.01重量%〜約90重量%の前記カロチノイドを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記カロチノイド、約1重量%〜約40重量%の前記カロチノイド、約1重量%〜約30重量%の前記カロチノイド、約3重量%〜約20重量%の前記カロチノイドを含む。
【0041】
ビタミンは、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB、CoQ10、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、B12及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
ビタミンが存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の約0.01重量%〜約90重量%の前記ビタミンを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記ビタミン、約1重量%〜約40重量%の前記ビタミン、約1重量%〜約30重量%の前記ビタミン、約3重量%〜約20重量%の前記ビタミンを含む。
【0043】
ミネラルは、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、クロム、コバルト、ヨウ素、セレン、カドミウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0044】
ミネラルが存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の約0.01重量%〜約90重量%のミネラルを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記ミネラル、約1重量%〜約40重量%の前記ミネラル、約1重量%〜約30重量%の前記ミネラル、約3重量%〜約20重量%の前記ミネラルを含む。
【0045】
ポリフェノールは、ローズマリー、ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、クルクミン、ブルーベリー抽出物、ブドウの種抽出物、ローズマリー酸(rosemarinic acid)、茶抽出物、ココア、果実抽出物、野菜抽出物、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0046】
ポリフェノールが存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の約0.01重量%〜約90重量%の前記ポリフェノールを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記ポリフェノール、約1重量%〜約40重量%の前記ポリフェノール、約1重量%〜約30重量%の前記ポリフェノール、約3重量%〜約20重量%の前記ポリフェノールを含む。
【0047】
不飽和脂肪酸は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、DHA、EPA、及びこれらの混合物からなる群から選択される。不飽和脂肪酸は、トリグリセリドが挙げられるがこれに限定されない様々なグリセロールエステルとして、組成物に組み込まれることができる。不飽和トリグリセリドが使用される場合、好ましくは不飽和トリグリセリドは、亜麻種又は魚油から抽出される。
【0048】
不飽和脂肪酸が存在する場合、組成物は乾燥物質基準で組成物の約0.01重量%〜約90重量%の不飽和脂肪酸を含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約0.1重量%〜約60重量%の前記不飽和脂肪酸、約1重量%〜約40重量%の前記不飽和脂肪酸、約1重量%〜約30重量%の前記不飽和脂肪酸、約3重量%〜約20重量%の前記不飽和脂肪酸を含む。
【0049】
第1保護コーティング
本発明の組成物は、好ましくは第1保護コーティング内に感受性成分を含む。第1保護コーティングは、感受性成分を含む組成物の加工、特に押出成形、及び保存の間の感受性成分の活性の損失を制限する一方で、組成物が摂取されるとき、組成物の貯蔵寿命を通して感受性成分の高度の生物学的利用能及び化学的安定性を維持する。第1保護コーティングは、感受性成分の持続放出、成分の遅延放出、又は感受性成分の部位特異的放出を可能にする。感受性成分の持続放出又は遅延放出の機構は、組成物に含まれる第1保護コーティングの種類に依存する。持続放出又は遅延放出の典型的であるが非限定的な機構としては、水性混合物への浸漬によるコーティングの溶解、浸透圧に関連するコーティングの破壊、コーティングの酵素溶解、及び/又は酸触媒加水分解が挙げられる。
【0050】
第1保護コーティングは、キトサンマトリックス、デンプンマトリックス、ワックスマトリックス、又はこれらの混合物を含むことができる。キトサンマトリックスはキトサンアルギネートを含む。キトサンポリマーの多数の正電荷は、アルギネートポリマーのアニオン性部位とイオン結合を形成し、それにより、耐久性のある第1保護コーティングを形成する。第1保護コーティングは、酸素及びフリーラジカルへの感受性成分の曝露を低減する。保護されていない感受性成分の典型的な残留物レベルは、0%〜約50%、5%〜約45%、約10〜約40%であり、保護されている感受性成分の残留レベルは、約50%〜約100%、約70%〜約95%、約80%〜約90%である。
【0051】
第1保護コーティングが存在する場合、組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約0.01重量%の前記第1保護コーティング〜約95重量%の前記第1保護コーティングを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約1重量%〜約90重量%の前記第1保護コーティング、約10重量%〜約80重量%の前記第1保護コーティング、約5重量%〜約70重量%の前記第1保護コーティングを含む。
【0052】
更に、第1保護コーティングは、着色剤、風味剤、芳香剤、酸化防止剤、光反射成分(例えば、二酸化チタン)、接着剤、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
【0053】
第2保護コーティング
本発明の組成物は、第2保護コーティング内に存在し得る感受性成分を含むことができる。第2保護コーティングは、第1保護コーティングの外側に位置することができる、又は第1保護コーティングの内側に位置することができる。第2保護コーティングは、追加的な水分、光、又は酸化の保護特性を提供する親水性コーティング又は疎水性コーティングのいずれかを含む。第2保護コーティングは、不安定な物質の酸素、水分、フリーラジカル、及び/又はフリーラジカル触媒への曝露を低減する。典型的に、フリーラジカル触媒は、組成物自体の水分内に溶解する遷移金属イオンである。
【0054】
第2保護コーティングが存在する場合、組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約0.01重量%の前記第2保護コーティング〜約95重量%の前記第2保護コーティングを含む。組成物は、乾燥物質基準で組成物の約1重量%〜約90重量%の前記第2保護コーティング、約10重量%〜約80重量%の前記第2保護コーティング、約5重量%〜約70重量%の前記第2保護コーティングを含む。
【0055】
第2保護コーティングは、疎水性物質を含むことができる。疎水性物質は、食用ワックス、カカオバター、硬化植物油、硬化脂、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0056】
疎水性物質は、好ましくは、約15℃〜約200℃、好ましくは約20℃〜約150℃、好ましくは約25℃〜約125℃、好ましくは約30℃〜約100℃の融点を有する。
【0057】
第2保護コーティングは、親水性物質を含むことができる。親水性物質は、デンプン、ガム、他の野菜又は果物系ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0058】
第2保護コーティングは、前記感受性成分の持続放出、遅延放出、又は部位特異的放出を可能にする。感受性成分の持続放出又は遅延放出の機構は、組成物に含まれる第1保護コーティングの種類に依存する。持続放出又は遅延放出の典型的であるが非限定的な機構としては、水性混合物への浸漬によるコーティングの溶解、浸透圧に関連するコーティングの破壊、コーティングの酵素溶解、及び/又は酸触媒加水分解が挙げられる。
【0059】
第2保護コーティングは、更に着色剤、風味剤、芳香剤、酸化防止剤、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
【0060】
ベース食品
ベース食品は、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質物質、野菜、果物、生地、脂肪、油、卵ベース材料(egg-based material)、乳製品(dairy-based materials)、非変性タンパク質、食品用ポリマー接着剤、ゲル、ポリオール、デンプン、ゴム、結合剤、充填剤、水、風味剤、デンプン、調味料、塩、着色剤、持続放出性化合物、遅延放出性化合物、特異的放出性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、芳香改良剤(aroma modifiers)、風味改良剤(flavor modifiers)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0061】
動物性タンパク質は、例えば、筋繊維の食肉又は食肉副産物が挙げられる様々な動物性供給源のいかなるものに由来してもよい。動物性タンパク質の非限定的な例としては、例えば筋繊維の食肉、食肉副産物、肉粉、又は魚粉を包含する、牛肉、豚肉、鶏肉、子羊肉、カンガルー肉、貝、甲殻類、魚、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
植物性タンパク質は、様々な植物供給源のいかなるものに由来してもよい。植物性タンパク質の非限定的な例としては、ルピナス(lupin)タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
デンプン質物質は、様々なデンプン質物質供給源のいかなるものに由来してもよい。デンプン質物質の非限定的な例としては、米、トウモロコシ、ミロ、ソルガム、大麦、及び小麦等のようなグレイン、パスタ(例えば、粉に挽いたパスタ)、パン粉(breading)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
野菜は、様々な野菜供給源のいかなるものに由来してもよい。野菜の非限定的な例としては、エンドウマメ、ニンジン、トウモロコシ、ジャガイモ、豆、キャベツ、トマト、セロリ、ブロッコリー、カリフラワー、及びリーキ(leeks)が挙げられる。
【0065】
果物は、様々な果物供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定的な例としては、トマト、リンゴ、アボカド、西洋ナシ、モモ、サクランボ、アプリコット、プラム、ブドウ、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、スイカ、カンタロープ、マスクメロン、ハネデューメロン、イチゴ、バナナ、チョークチェリー、チョークベリー、スグリ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
生地は、様々な生地供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定的な例としては、小麦生地、トウモロコシ生地、ジャガイモ生地、大豆生地、米生地、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
脂質は、様々な脂質供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定的な例としては、鶏脂、牛脂、豚脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
油は、様々な油供給源のいかなるものに由来してもよい。非限定的な例としては、魚油、コーン油、キャノーラ油、パーム油、キャノーラ油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
結合剤は、様々な結合剤のいかなるものに由来してもよい。結合剤の非限定的な例としては、卵ベース材料(卵白好ましくは乾燥卵白が挙げられる)、非変性タンパク質、食品等級の高分子接着剤、ゲル、ポリオール、デンプン(変性デンプンが挙げられる)、ゴム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
ポリオールの非限定的な例としては、二糖類及び複合糖質のような糖アルコールが挙げられる。特定の複合糖質は、通常デンプンと呼ばれる。二糖類は、一般式C2n−2n−1を有する分子であり、二糖類は、グリコシド結合により結合している2つの単糖単位を有する。このような式において、nは3以上の整数である。
【0071】
本明細書で利用してよい二糖類の非限定的な例としては、スクロース、マルトース、ラクチトール、マルチトール、マルツロース、及びラクトースが挙げられる。
【0072】
複合糖質の非限定的な例としては、オリゴ糖及び多糖類が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「オリゴ糖」とは、3〜9個の単糖単位を有する分子を意味し、単位は、グリコシド結合により共有結合している。本明細書で使用するとき、用語「多糖類」とは、9個を超える単糖単位を有する巨大分子を意味し、単位は、グリコシド結合により共有結合している。多糖類は、直鎖又は分枝状であってもよい。好ましくは、多糖類は、9〜約20個の単糖単位を有する。多糖類は、デンプンを包含してもよく、本明細書ではデンプン及び化工デンプンが包含されることが定義される。デンプンは、一般に、特定の植物種、例えば、トウモロコシ、小麦、米、タピオカ、ジャガイモ、エンドウマメ等のような穀物及び塊茎を起源とする炭水化物ポリマーである。デンプンは、結合しているα−D−グルコース単位を含有する。デンプンは、主に直鎖構造(例えば、アミロース)又は分枝状構造(例えば、アミロペクチン)のいずれかを有してもよい。デンプンは、当業者に周知の方法を使用して、デンプン顆粒の過剰な膨潤を防止するために架橋により改良されてもよい。デンプンの更なる例としては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン等が挙げられる。市販デンプンの他の例としては、ウルトラスパース(ULTRA SPERSE)M(商標)、N−ライト(N-LITE)LP(商標)、及びテクストラプラス(TEXTRA PLUS)(商標)が挙げられ、これらは全てナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)(ニュージャージー州、ブリッジウォーター(Bridgewater))から入手可能である。
【0073】
好ましい複合糖質の非限定的な例としては、ラフィノース、スタキオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、ポリデキストロース、及びマルトデキストリンが挙げられる。
【0074】
充填剤は、固体、液体、又は圧縮空気(packed air)であることができる。充填剤は、可逆的(例えば、ゼラチンを含む熱可逆的なもの)及び/又は非可逆的(例えば、卵白が挙げられる熱非可逆的なもの)であり得る。充填剤の非限定的な例としては、グレイビー、ゲル、ゼリー、アスピック、ソース、水、気体(例えば、窒素、二酸化炭素、及び大気が挙げられる)、ブロス、抽出物、食塩水、スープ、蒸気、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0075】
充填剤は、所望により、追加の構成要素を更に含むことができる。更なる構成要素の非限定的な例としては、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ルピナスタンパク質、タンパク小麦粉、加工小麦タンパク質、加工大豆タンパク質、加工ルピナスタンパク質、加工植物性タンパク質、パン粉、粉砕肉、小麦粉、粉砕パスタ、パスタ、水、風味剤、デンプン、調味料、塩、着色剤、持続放出性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティク、プロバイオティクス、香気調整剤、風味調整剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
着色剤の非限定的な例としては、合成又は天然着色剤、及びこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。着色剤は、茶色用の麦芽、白色用の二酸化チタン、又は赤色用のトマト抽出物(例えば、リコピン)、緑色用のアルファルファ(alalpha)(例えば、クロロフィル)、緑色用の藻類粉、茶色用のカラメル、黄−橙色周辺用のアンナット(annatto)抽出物(例えば、ビキシン、トランスビキシン、及びノルビキシン、並びにこれらの組み合わせ)、赤−紫色周辺用の脱水されたビート、青−緑色周辺用のウルトラマリンブルー、橙色周辺用のβ−カロチン、橙色周辺用のマンジュギク(例えば、ルテイン)、黄色周辺用のターメリック、黄色周辺用のターメリックオレオレジン、黄色周辺用のサフラン、黄色周辺用のトウモロコシグルテン粉、赤色周辺用のパプリカ、橙−赤色周辺用のパプリカオレオレジン、黒色周辺用の黒酸化鉄、茶色周辺用の茶酸化鉄、赤色周辺用のベンガラ、黄色周辺用の黄酸化鉄、赤−紫色周辺用の赤キャベツ、黒色周辺用のカーボンブラック、赤色周辺用のコチニール抽出物、黄色周辺用のニンジン油、緑−青色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用青色1号(ブリリアントブルー)、藍色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用青色2号(インジゴチン)、青−緑色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用緑色3号(ファストグリーン)、青−赤色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用赤色3号(エリトロシン)、黄−赤色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用赤色40号(アルラレッド)、レモン色−黄色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用黄色5号(タルトラジン)、赤−黄色周辺用の食品、医薬品及び化粧品用黄色6号(サンセットイエロー)、固有の色用の果汁濃縮物(例えば、橙色周辺用のオレンジジュース濃縮物)、赤−青色用のブドウ色抽出物、緑色周辺用のキサントフィル(例えば、ブロッコリーから抽出される)、固有の色用の野菜ジュース(例えば、赤−紫色用のビートジュース)、緑−黄色周辺用のリボフラビン、橙色周辺用のオレンジB、並びに黒色周辺用のタコ及びイカの墨であることができる。食品組成物は、製品の約0.00001重量%〜約10重量%の前記着色剤を含む。好ましくは食品組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約1重量%、更により好ましくは0.005重量%〜約0.1重量%の前記着色剤を含む。
【0077】
感受性成分の安定化方法
本発明の感受性成分は、感受性成分周辺に第1及び/又は第2保護コーティングを形成することにより安定化される。
【0078】
安定化方法の第1実施形態は、(a)水とアルカリ金属アルギネートを混合することにより、アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、(b)前記混合物に感受性成分を添加する工程と、(c)感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する工程と、(d)前記ストリームを切断して球体を形成する工程と、(e)前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、(f)キトサンアルギネートを含む第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、を包含する。出発物質としてアルカリ金属アルギネート溶液を使用する場合、工程(a)を削除することができる。この実施形態では、アルギネートと感受性成分との比は、約1:0.5〜約20:5、約1:1〜約20:5、約1:1〜約6:3、約3:1〜約6:3である。
【0079】
安定化方法の第2実施形態は、(a)アルカリ金属アルギネートと水とを混合する工程と、(b)前記アルカリ金属アルギネートと感受性成分との混合物を用意する工程と、(c)前記混合物をノズルに送り出す工程と、(d)前記混合物を流体ストリームで切断する工程と、(e)球体を形成する工程と、(f)前記球体をコーティングマトリックス(coating matrix)内に滴下する工程と、(g)前記球体の周囲に第1保護コーティングを提供する工程と、(h)コーティングされた球体を形成する工程と、を包含する。出発物質としてアルカリ金属アルギネート溶液を使用する場合、工程(a)を削除することができる。コーティングされた球体は、形成された後、攪拌することができる。この実施形態では、アルギネートと感受性成分との比は、約1:0.5〜約20:5、約1:1〜約20:5、約1:1〜約6:3、約3:1〜約6:3である。
【0080】
アルカリ金属アルギネートは、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、アンモニウム塩、ナトリウムトリエタノールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0081】
混合物の切断は、流体ストリーム、回転切断ワイヤー(spinning cutting wire)により、又はTを通過させ、空気ストリームと組み合わせられることにより、行うことができる。空気ストリームは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、水素、蒸気、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。空気ストリームは、約0.007MPa(1psi)〜約0.34MPa(50psi)、約0.03MPa(5psi)〜約0.21MPa(30psi)、約0.07MPa(10psi)〜約0.14MPa(20psi)の圧力を有する。流体ストリームは、水、油、又は他の食物等級溶媒からなる群から選択される。
【0082】
図1を参照すると、ブロック操作として図にした少なくとも3操作を含む総体的な第1方法100である。この総体的な第1方法100は、第1又は第2実施形態のいずれにとっても適切な方法配置である。3操作は、混合系200である最初のブロック、次に球体形成系300、最終的に硬化系400を包含する。
【0083】
図2を参照すると、混合系200である。アルギネートは、取り込みライン211からの水と混合され、混合タンク210において水和物になる。より早い水和のために、所望により、約60℃〜約80℃の熱を210に適用することができる。得られるアルカリ金属アルギネートは、約0.04Pa・s(40センチポアズ(cps))〜約0.7Pa・s(700センチポアズ(cps))、約0.15Pa・s(150センチポアズ)〜約0.55Pa・s(550センチポアズ)、約0.25Pa・s(250センチポアズ)〜約0.4Pa・s(400センチポアズ)の粘度を有する粘稠な混合物の形態であり、移送ライン212を経由して混合容器220に移動され、213を経由して感受性成分(単数又は複数)が添加され、混合して混合物内で一様分布を作製する。第1及び/又は第2保護コーティング内の感受性成分の最終用途に依存して、いくつかの添加剤(例えば抗菌、カラー、希釈剤、充填剤、乳化剤、緩衝剤、酸化防止剤)を、混合容器220に直接又は移送ライン214を経由して、添加することができる。混合容器220から得られる混合物は、バルブ230及び容積移送式ポンプ240を使用して、移送ライン241を経由して球体形成系に移動される。
【0084】
図3を参照すると、球体形成系300である。混合物は、移送ライン241を経由して、約0.34MPa(50psi)〜約0.62MPa(90psi)のpsi圧力下にて、約0.25L/分で、球体形成容器310に移動され、移送ライン241の開口部から流出する液体ストリームを形成する。液体ストリームは、(a)回転切断ワイヤー(spinning cutting wire)、又は(b)液体ストリームを、球体を形成するセグメントに切断する水ジェットカッターを通して噴霧される。あるいは、液体ストリームは、液体ストリームが移送ライン241の開口部を出る前に、連結Tを通過し、約0.08MPa(12psi)〜約0.12MPa(18psi)の圧力下にて、空気ストリーム311と組み合わせられる。空気ストリーム311は、移送ライン241の開口部から流出する液体ストリームに間隙を形成するので、液体ストリームから球体を生成する。その後、球体は、空気により、又は移送ライン312を経由して機械的に、硬化系に移動される。
【0085】
図4を参照すると、硬化系400である。形成された球体は、重力によって落ちる、又は球体がカチオン性架橋ポリマー好ましくはキトサンにてコーティングされる浴410内に移送ライン312を通して機械的に移動される。キトサンアルギネートマトリックスを含む第1保護コーティング内のコーティングされた球体は、ふるい420を通してコーティング浴から除去され、空気乾燥、空気オーブン、流動床乾燥器、噴霧乾燥器、又は当該技術分野において既知の他の乾燥設備440を使用して乾燥される前に、噴霧すすぎされる(spray rinsed)又はすすぎ浴430内の脱イオン水に浸漬される。
【0086】
安定化方法の第3実施形態は、感受性成分の押出成形を提供し、(a)感受性成分と組み合わせられたアルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、(b)水を添加する工程と、(c)生地を形成する工程と、(d)前記生地を押出成形機に設置する工程と、(e)前記生地をダイに通過させ、球体を形成する工程と、(f)前記球体をコーティングマトリックスに滴下する工程と、(g)前記球体の周囲に第1保護コーティングを提供する工程と、(h)コーティングされた球体を形成する工程と、を包含する。アルカリ金属アルギネートと感受性成分とを組み合わせる前に水を添加できる、又はアルカリ金属アルギネートと感受性成分とを組み合わせた後に水を添加できる。好ましくはアルギネートと水と感受性成分の比は、約5:95:2〜約90:10:60、約35:75:15〜約85:15:45、約60:40:40〜約75:25:30である。(c)において生成される生地は、ペーストの形態であり、1%固体溶液に希釈すると、約0.04Pa・s(40センチポアズ)〜約0.7Pa・s(700センチポアズ)、約0.15Pa・s(150センチポアズ)〜約0.55Pa・s(550センチポアズ)、約0.25Pa・s(250センチポアズ)〜約0.4Pa・s(400センチポアズ)の粘度を有する。
【0087】
コーティングされた球体を形成する工程(h)後、コーティングされた球体を、所望によりすすぎ、ドレインし、所望により乾燥することができる。
【0088】
図5を参照すると、ブロック操作として図にした少なくとも3操作を含む総体的な第2方法500である。この総体的な第2方法500は、第3実施形態にとって適切な方法配置である。3操作は、混合系600である最初のブロック、次に球体形成系700、最後の硬化系800を包含する。
【0089】
図6を参照すると、混合系600である。アルカリ金属アルギネートは、混合タンク系610内で感受性成分と組み合わせられ、濃縮された混合物を形成する。水は、入口移送ライン611を経由して混合タンク系に添加され、感受性成分を含む前記混合物の生地を形成して、一様分布及び水和を与える。形成される球体の最終用途により、いくつかの添加剤(例えば抗菌剤、カラー、希釈剤、充填剤、乳化剤、緩衝剤、酸化防止剤)を、移送ライン612及び/又は入口移送ライン613にで添加することができ、調節シリンダー620内の生地と組み合わせ、完全に混合することができる。620から得られた生地は、機械的なコンベヤーベルト621を使用して移動され、球体形成系に移動する。
【0090】
図7を参照すると、球体形成系700を図示している。水和した生地混合物を、機械的コンベヤーベルト621を経由して押出成形機710に移動する。押出成形機は、約0.48MPa(70psi)及び10〜12Hz供給速度で操作される。押出成形機のシャフトは、寸法約1mm〜約3mmの複数の穴を持つダイプレート(dye plate)へと生地を移動させる。穴の寸法は、所望の球体の寸法に依存するであろう。生地はダイを通過し、打抜きヘッド720において約20Hz〜約500Hzの速度で、ナイフで切断される。形成された球体は、打抜きヘッド720から硬化系へと、移送ライン722を経由して移動する。
【0091】
図8を参照すると、硬化系800は、図8においてブロック操作として図にした少なくとも4操作からなる。形成された球体は、移送ライン722から浴810へと落下し(自然落下又は機械的な移動)、そこで球体は、カチオン性架橋ポリマー、好ましくはキトサンでコーティングされ、第1保護コーティング内でコーティングされた球体を形成する。コーティングされた球体は、ふるい(seive)820により浴中の液体から分離され、噴霧すすぎされる(spray rinsed)又はすすぎタンク830内の脱イオン水に浸漬され、その後、空気乾燥、空気オーブン、流動床乾燥器、噴霧乾燥器、又は当該技術分野において既知の他の乾燥設備840を使用して乾燥される。
【0092】
安定化方法の第4実施形態は、第1及び第2保護コーティング内に存在する感受性成分を提供し、(a)疎水性物質と、感受性成分との第1混合物を用意する工程と、(b)第2保護コーティングであって、その内部に存在する前記感受性成分を有する、第2保護コーティングを形成する工程と、(c)アルカリ金属アルギネートと、前記第1混合物との第2混合物を用意する工程と、(d)前記溶液をノズルに送り込む工程と、(e)前記溶液を流体ストリームで切断する工程と、(f)球体を形成する工程と、(g)前記球体をコーティングマトリックス内に滴下する工程と、(h)前記球体の周囲に第1保護コーティングを提供する工程と、(i)コーティングされた球体を形成する工程と、を含む。第2保護コーティングは、感受性成分と疎水性物質を高剪断ミキサー内で組み合わせることにより形成される。前記疎水性物質は、食用ワックス、カカオバター、硬化植物油、硬化脂、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0093】
安定化方法の第5実施形態は、感受性成分の押出成形を提供し、感受性成分は第1及び第2保護コーティング内に存在し、(a)疎水性物質と、感受性成分との第1混合物を準備する工程と、(b)第2保護コーティングであって、その内部に存在する前記感受性成分を有する、第2保護コーティングを形成する工程と、(c)アルカリ金属アルギネートと、前記第1混合物との第2混合物を用意する工程と、(d)前記第2混合物に水を添加する工程と、(e)感受性成分を含む前記第2混合物の生地を生成する工程と、(f)前記第2混合物を押出成形する工程と、(g)前記第2混合物の球体を形成する工程と、(h)前記球体をコーティングマトリックス、例えば、キトサン源内に滴下する工程と、(i)キトサンアルギネートを含むことができる第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、を含む。
【0094】
図9を参照すると、これは、ブロック操作として図にした少なくとも1つの、少なくとも2つの追加の前処理工程からなる第2保護コーティング方法900である。総体的な方法900は、本発明の第4及び第5実施形態にとって適切な方法配置である。この第2保護コーティング方法900は、記載された第1保護コーティングにてコーティングされる前又はコーティングされた後に、総体的な第1又は第2方法のいずれかを使用して、第2保護コーティングを感受性成分に提供するための適切な最初の方法である。第2コーティング方法900と、総体的な第1又は第2方法のいずれかとの組み合わせは、第4及び第5実施形態に記載されたような両方のコーティングを提供するために必要である。
【0095】
図9を参照すると、疎水性物質及び感受性成分は、それぞれ移送ライン911及び912を経由して混合タンク910に添加される。感受性成分及び疎水性物質は、均一に混合され、第2保護コーティングを形成する。前記第2保護コーティングは、移送ライン911を経由して、実施形態4にとって適切な完全な方法を生み出す図1〜4において以前に詳述された前記の総体的な第1コーティング方法940に移動され得、又は移送ライン912を経由して、実施形態5にとって適切な完全な方法を生み出す図5〜8において以前に詳述された総体的な第2コーティング方法950に移動され得る。また第2保護コーティングは、ライン913を経由して、硬化系920に移動することもできる。乾燥方法930が後に続く硬化系920としては、空気オーブン、流動床乾燥器、噴霧乾燥器、又は当該技術分野において既知の他の乾燥設備が挙げられるが、これらに限定されない。得られる製品は、移送ライン932を経由して、実施形態4にとって適切な完全な方法を生み出す図1〜4において詳述された前記の総体的な第1コーティング方法に移動され得、又は移送ライン931を経由して、実施形態5にとって適切な完全な方法を生み出す図5〜8において以前に詳述された前記の総体的な第2コーティング方法に移動され得る。
【0096】
湿性のコーティングされた球体又は乾燥した球体のいずれかを、ペット又はヒトのいずれかの消費のために、食物に添加することができる。これらの球体は、食品を用意する前にプレミックスの一部として添加することができる、最終食物の用意工程として食品の外側上をコーティングすることができる、又は消費者による消費の直前に食物への上層として添加することができる。
【0097】
これらの球体を食物に添加する最も一般的な手段は、食品の準備中である。準備できる典型的なヒトの食物組成物は、押出成形−膨張したインスタント朝食シリアルである。準備できるペットフードの別の典型的な例は、押出成形−膨張した乾燥ペットフードキブルである。これらの方法は、当該技術分野において周知である。
【0098】
組成物
本発明に記載された第1保護コーティング及び/又は第2保護コーティング内の感受性成分を、コンパニオンアニマル、家畜又はヒトへの投与に適応するいかなる組成物にも添加できることが予期される。
【0099】
乾燥組成物の非限定的な例は、所望により、乾燥物質基準で、組成物の約1重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約10重量%の補足的繊維を含有してもよい。乾燥組成物の総含水率は約1%〜約30%であってもよい。あるいは、乾燥組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約2重量%〜約8重量%の補足的繊維を含有してもよい。乾燥組成物の総含水率は約2%〜約20%であってもよい。あるいは、乾燥組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最小タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最小脂肪レベル、約3重量%〜約7重量%の最小補足的繊維レベルを含有する。また乾燥した動物フード組成物は、約3.5キロカロリー/gの最低代謝エネルギーレベルを有してもよい。乾燥組成物の総含水率は約3%〜約8%であってもよい。
【0100】
半湿性組成物の非限定的な例は、所望により、乾燥物質基準で、組成物の約0.5重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.5重量%〜約15重量%の補足的繊維を含有してもよい。半湿性組成物の総含水率は約30%〜約50%であってもよい。あるいは、半湿性組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約5重量%の補足的繊維を含有してもよい。半湿性組成物の総含水率は約35%〜約45%であってもよい。あるいは、半湿性組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最小タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最小脂肪レベル、約2重量%〜約3重量%の最小補足的繊維レベルを有してもよい。半湿性組成物の総含水率は約38%〜約42%であってもよい。半湿性組成物はまた、約3.5キロカロリー/gの最小代謝エネルギーレベル、約0.1%〜約20%の灰分、及び約0.001%〜約5.0%のタウリンを有してもよい。
【0101】
湿性組成物の非限定的な例は、所望により、乾燥物質基準で、組成物の約5重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.01重量%〜約15重量%の補足的繊維を含有してもよい。湿性組成物の総含水率は約50%〜約90%であってもよい。あるいは、湿性組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約5重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.05重量%〜約5重量%の補足的繊維を含有してもよい。湿性組成物の総含水率は約60%〜約85%であってもよい。あるいは、湿性動物用組成物は、乾燥物質基準で、組成物の約9.5重量%〜約22重量%の最小タンパク質レベル、約8重量%〜約13重量%の最小脂肪レベル、約0.1重量%〜約3重量%の最小補足的繊維レベルを含有してもよい。湿性組成物の総含水率は約65%〜約80%であってもよい。湿性組成物はまた、約1.0キロカロリー/gの最小代謝エネルギーレベル、約0.1%〜約20%の灰分、及び約0.001%〜約5.0%のタウリンを有してもよい。
【0102】
本発明の1実施形態では、組成物は、乾燥、湿性、半湿性、又は別の性質であろうと、乾燥物質基準で、組成物の約5重量%〜約50重量%、あるいは20重量%〜約50重量%の動物由来成分を含む組成物である。動物由来成分の非限定的な例としては、鶏肉、牛肉、豚肉、子羊、七面鳥(又は他の動物)のタンパク質又は脂肪、卵、魚粉等が挙げられる。
【0103】
組成物がグレイビーの形態である場合、組成物は少なくとも10%のブロス又はストックを含んでもよく、その非限定的な例としては、野菜、牛肉、鶏肉、又はハムのストックが挙げられる。典型的なグレイビー組成物は、乾燥物質基準で、約0.5%〜約5%の粗タンパク質及び約2%〜約5%の粗脂肪を含んでもよい。
【0104】
組成物がビスケット、チュー及び他のトリーツのような栄養補助食品組成物の形態である場合、栄養補助食品は、乾燥物質基準で、栄養補助食品組成物の約20重量%〜約60重量%のタンパク質、約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含んでもよい。別の例として、栄養補助食品組成物は、乾燥物質基準で、栄養補助食品組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、又は約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでもよい。猫又は犬のような動物によって使用されることが意図される組成物及び栄養補助食品組成物は、当該技術分野において一般的に既知である。
【0105】
化学的安定性方法
化学的安定性方法は、コーティングされた球体中又は食物組成物中の感受性成分の量を測定する分析方法である。手順は、以下の工程を包含する;(a)試料を計量する工程と、(b)試料をガラス抽出/遠心管に移す工程と、(c)試料を消化して、任意のコーティング材から感受性成分を解放する工程と、(d)感受性成分を混合有機溶媒系に抽出する工程と、(e)任意の脂肪、エステル、又は架橋された感受性成分を加水分解する工程と、(f)発表されたHPLC方法により抽出物を分析する工程と、及び(g)感受性成分の既知の標準に関連した検量線に基づいて感受性物質の量を計算する。
【0106】
工程(a)は、0.1000gのカプセル封入された感受性成分、0.5000gの栄養素プラス感受性成分プレミックス、又は1.0gの最終製品のいずれかを計量し、重量を小数第4位まで正確に記録することを包含する。
【0107】
工程(b)は、計量した試料を、消化、抽出、及び遠心分離のために使用される50mLガラス遠心管に定量的に移すことを包含する。
【0108】
工程(c)は、2.5mLのアルギネートリアーゼ溶液を、試料を含有するガラス遠心管にピペットで入れ、完全に混合することを包含する。およそ5.5mgのリアーゼ(シグマ(Sigma)、米国セントルイス(St. Louis))を100mLのpH8.0トリスアセタート緩衝剤溶液に溶解することによって、事前にアルギネートリアーゼ溶液が用意されることに注意。同様に、0.6057gのトリスアセタートを100mLの水に溶解し、その後、氷酢酸でpHを8.0に調整することにより、扱う前に(before hand)緩衝剤溶液も用意される。試料及びリアーゼ溶液混合物を含有する遠心管を20秒間攪拌し、その後、40℃の水浴に2時間入れ、消化する。
【0109】
工程(d)は、7.5mLの有機抽出溶液(HATE)を、試料及びリアーゼ溶液混合物を含有する遠心管に添加することを包含する。有機抽出溶液(HATE)は、10部のヘキサン、7部のアセトン、7部のトルエン、6部のエチルアルコールからなる。感受性成分がカロチノイドであるならば、10gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、(シグマ(Sigma)、米国、セントルイス(St. Louis))を遠心管内で混合物に添加する。感受性成分がカロチノイドでないならば、BHTを混合物に添加しない。HATE溶液を添加した後、各遠心管を1分間攪拌する。
【0110】
工程(e)は、有機抽出溶液への感受性成分の完全な抽出を確実にするために、あらゆる脂肪、エステル、又は架橋された感受性成分の加水分解を包含する。その後、4mLの40%メタノールKOH溶液を遠心管に添加し、混合物を更に1分間攪拌する。その後、遠心管を、70℃の振盪水浴に60分間定置する。遠心管内の液位は、振盪水浴の水レベルより低いことが重要である。60分後、試料を水浴から取り出し、およそ30分間室温まで冷却する。有機抽出溶液中への感受性成分の抽出は、7.5mLのヘキサン/酢酸エチル溶液(75:25)をガラス遠心管に添加し、混合物を1分間攪拌することにより、完了する。水及び有機抽出溶液は、有機の上相又は層、及び水性の底相又は層の2相に分離するであろう。2相を明確にするために、10mLの10%硫酸ナトリウム溶液をガラス遠心管に添加し、混合物を更に1分間攪拌する。その後、ガラス遠心管を遠心分離器内に置き、1750rpmで8分間回転させ、それにより、有機層及び水性層の間の分離を完了する。有機抽出溶液(上層)の100μLアリコートを、2mL琥珀オートサンプラーバイアル瓶(ナショナル・サイエンティフィック(National Scientific)、米国テネシー州、ロックウッド(Rockwood))にピペットで加え、900μLのヘキサン/酢酸エチル溶液(75:25)を添加することにより、1mLに希釈する。同様にヘキサン酢酸エチル溶液を体積測定ピペットにより添加する。
【0111】
工程(f)は、HPLCによるバイアル瓶の内容物のクロマトグラフ分離及び分析を包含する。琥珀オートサンプラーバイアル瓶を、HPLC(フォトダイオードアレイ検出器付きのアジレント(Agilent)1100シリーズHPLC、米国、カリフォルニア州、サンタ・クララ(Santa Clara))に連結したオートサンプラー内に置き、フェノメネックス・ルナ(Phenomenex Luna)5μm Si 150mm×4.6mmカラム(米国、カリフォルニア州、トレンス(Torrence))を使用して、他の構成要素から分離する。HPLC上のオートサンプラーを使用して、カラムに100μLを注入し、65%ヘキサン、30%酢酸エチル、及び5%アセトンの移動相に基づくアイソクラチック分離スキームを使用して、1.5mL/分で15分間分離する。一般的な感受性成分の溶出時間は、以下の通りである:b−カロチン−1.250分、トランスルテイン−5.490分、9−シスルテイン−7.050分、13−シスルテイン−7.290分、及び15−シスルテイン−8.030分。感受性成分を検出するために、b−カロチンについては466nm、ルテインについては453nmが挙げられるラムダ最大値を使用する。
【0112】
工程(g)は、感受性成分の純試料に基づいて作り上げた標準検量線に基づく、試料中の感受性成分の定量化を包含する。試料中の実際のレベルを標準検量線に基づいて計算し、mg/kgとして報告する。コーティングされていない又はカプセル封入された試料のいずれかの化学的安定性は、下記のような等式4により確定される;
【数4】

式中、感受性成分の添加レベルは、カプセル封入されるプレミックス試料、又は実際の製造前の製品ミックスに添加された感受性成分の既知の量である。
【0113】
生物学的利用能方法
生物学的利用能方法は、血漿中の感受性成分の量を定量的に測定し、それを対象のヒト又は動物により摂取された感受性成分の量と比較する分析方法である。この分析的方法は、(a)目的の対象から血を採る工程と、(b)血漿タンパク質を沈殿させる工程と、(c)有機溶媒を利用して脂肪物質を抽出する工程と、(d)有機溶媒の一部を除去し、それをオートサンプラーバイアル瓶内に置く工程と、(e)窒素フラッシュを使用してバイアル瓶から有機溶媒を蒸発させる工程と、(f)残留物をBHTを含有するメタノールに再溶解させる工程と、(g)干渉物質(interferants)からの分離のためにHPLCに混合物を注入し、感受性成分のレベルを定量化する、及び(f)摂食に基づく理論的な最大値と比較した感受性成分の相対的な生物学的利用能を計算する工程と、を包含する。
【0114】
工程(a)は、通常の手順を通して目的の対象から0.5mLの血清/血漿を除去することを包含する。血漿を、以降の試料を用意するための5mLの透明反応バイアル瓶内に入れる。
【0115】
工程(b)は、0.5mLの試薬等級エチルアルコールを添加することにより、この試料内の血漿タンパク質を沈殿させ、バイアル瓶に蓋をして、手短に攪拌することを包含する。試料内のタンパク質の沈殿は、以下の工程において血漿からの脂肪族物質のより容易な分離及び抽出を可能にするであろう。
【0116】
工程(c)は、2mLのヘキサンを添加し、バイアル瓶に蓋をして、5分間攪拌することを包含する。その後、15℃で2400rpmにて5分間バイアル瓶を遠心分離する。
【0117】
工程(d)は、1.5mLの液体の上層(ヘキサン層)を抜き取り、それを遮光(amer)ガラス2mLオートサンプラーバイアル瓶に入れることを包含する。
【0118】
工程(e)は、オートサンプラーバイアル瓶を60℃にておよそ5分間、窒素(最低流量0.01MPa(2psi)〜0.03MPa(5psi))でフラッシングすることを包含する。この時点で、ヘキサンは全て、バイアル瓶から蒸発しているべきである。そうでなければ、窒素フラッシング工程を繰り返すべきである。
【0119】
工程(f)は、0.1%BHTを含有する0.5mLのメタノールをファイルに添加し、バイアル瓶を手短に攪拌して、残留物を再溶解することを包含する。
【0120】
工程(g)は、HPLCによるバイアル瓶の内容物のクロマトグラフ分離及び分析を包含する。手順、設備、操作条件、及び溶出時間は、化学的安定性方法の工程(f)において以前に記載したのと同じである。
【0121】
工程(h)は、動物により摂取されてきた感受性成分の純試料に基づいて作り上げた標準検量線に基づく、試料中の感受性成分の定量化を包含する。試料中の実際のレベルを標準検量線に基づいて計算し、mg/kgとして報告する。コーティングされていない又はカプセル封入された試料のいずれかの生物学的利用能は、下記のような等式5により確定される;
【数5】

【0122】
摂取された感受性成分のレベルは、目的の対象が食べた感受性成分の既知の量に基づき、計算される。
【0123】
粘度法
方法は、水、アルカリ金属アルギネート、及び感受性成分を含有する混合物の粘度の分析を包含する。これらの物質の粘度は、混合物の加工中の、ポンピング及び切断へのその影響のために重要である試料の分析に包含される工程は、(a)500mLの試料を収集する工程と、(b)試料が生地であるならば(実施形態3及び5)、試料を水で希釈する工程と、(c)粘度計をゼロに合わせる工程と、(d)混合物中に適切な試験スピンドルを適切なレベルで置く工程と、(e)粘度計の出力を設定し、センチポアで直接読む工程と、(f)ある期間にわたって、装置をオンにし、粘度を測定する工程と、(g)粘度計の出力を適切な手段で記録する工程と、を包含する。
【0124】
工程(a)は、均一性を確実にするために、材料の適切な混合をも必要とし、その後、500mLの3つの個々の試料を収集し、それを600mLのガラスビーカーに入れる。
【0125】
工程(b)は、押出成形方法のいずれかの生地試料の50mLアリコートを取り(実施形態3及び5)、脱イオン水を使用して600mLガラスビーカー内で500mLに希釈することを包含する。全ての試料は、分析前に室温、およそ21℃で平衡化される。これは、分析前に30分間の最大放置時間を必要とする。
【0126】
工程(c)は、rpmを100rpmに設定し、粘度計をオンにし、オートゼロボタンを押しながら実行させることを包含する。この手順は、装置を較正する。
【0127】
工程(d)は、適切なスピンドルを装置内に設置し、ビーカーをスピンドル下に設置し、スピンドルを混合物内の適切な高さまで下げることを包含する。この開示において報告される測定値において、以下の寸法を持つ♯2スピンドルが使用された;スピンドル直径3.16mm、ディスク直径46.95mm、厚さ1.61mm。全ての分析のために、ブルックフィールド粘度計モデルDV−II(米国マサチューセッツ州、ミドルボロ(Middleboro))を使用した。ディスクが液位より下で、液位が、スピンドル上のディスクより約2.5cm上の登録マーク又は裂け目(cleft)まで上がるように、スピンドルを液体内に設置する。混合物に挿入するとき、泡がディスク下面で閉じ込められないことを確認することにも注意しなければならない。残りの工程を、以前に詳述したように進める。
【0128】
総含水率測定法
方法は、食品組成物の総含水率の分析を包含する。分析は、AOAC法930.15及びAACC法44−19に概説されている手順に基づく。
【0129】
食品組成物試料は、1つの単位容量、例えば組成物375グラムを取り、ペーストのような均一な稠度にフードプロセッサで均質化することによって用意する。375グラムよりも大きい食品組成物は、その全体を等しく代表的な画分が生成されるように再分割して、375グラムの試料を得る。
【0130】
食品組成物のペーストは、100mL以下の体積で3つ組にそれぞれ試料化し、100mLのナスコ・ワールパック(Nasco Whirl-Pak)(登録商標)(フォートアトキンソン(Fort Atkinson)WI 53538−0901)に密封状態で個別に配置する。ワールパック(登録商標)を密封する方法の間、最終的な閉鎖の直前に、過剰な空気を容器から手動で抜き、それにより容器のヘッドスペースを最小限にする。ワールパック(登録商標)を製造業社の指示に従い、閉じる−バッグを3度きつく折り畳み、タブを180°曲げる。
【0131】
全ての試料は、湿分分析前に48時間未満の間、6℃で冷蔵する。
【0132】
総湿分分析について、各湿分用スズ缶及び蓋の自重を、0.0001g単位まで記録する。湿分用スズ缶及び蓋は、乾燥した清潔な鉗子を用いて扱う。湿分用スズ缶及び蓋は、密封されたデシケータ内の乾燥剤上で、乾燥した状態で保つ。試料を含有するワールパック(登録商標)を開き、2.0000+/−0.2000gの試料を、蓋をしていない湿分用スズ缶中へと秤量する。湿分用スズ缶中の試料の重量を記録する。空気オーブン乾燥中、湿分を失わせるが全ての他の材料は収容されるように、開いた状態の湿分用スズ缶の上部に蓋を置く。蓋、及び試料が充填されている湿分用スズ缶を、135℃で稼動している空気オーブン内に6時間置く。カウントダウンタイマーを使用して時間を監視する。
【0133】
乾燥後、オーブンからスズ缶を取り出し、鉗子を使用して、乾燥させた蓋をスズ缶の上部に置く。乾燥試料の入ったカバーをした湿分用スズ缶を、すぐにデシケータに入れて冷却する。密封したデシケータに、ステージの下まで活性乾燥剤を満たす。室温まで冷却したら、乾燥させた試料の入ったカバーした湿分用スズ缶を0.0001g単位まで秤量し、重量を記録する。各試料の総含水率を、以下の式を使用して計算する。
総含水率(%)=100−(スズ缶、蓋及び乾燥後の試料の重量−空のスズ缶及び蓋重量)×100/初期試料重量
【実施例】
【0134】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証する。実施例は、説明の目的のためのみに提示するものであって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変化が可能であるため、本発明を限定するものと解釈すべきではない。実施例は、乾燥物質基準で与えられる。
【0135】
(実施例1〜14)コーティングされた球体
【表1】

【表2】

【0136】
実施例1〜14のコーティングされた球体は、様々なレベルのアルギネート又はキトサン、又は塩化カルシウム、又はワックス、又はデンプン、又はこれらの混合物を包含することができる。球体は、B−カロチン、又はルテイン、又はビタミンA、又はビタミンE、又はゼアキサンチン、又はアスタキサンチン、又はトコフェロール、又はビタミンD、又はビタミンC、又はグルコサミン、又は着色剤、又は風味剤、又はこれらの混合物の乾燥又は液体、又はこれらの混合物を包含することができる。実施例1〜14の乾燥組成物は、初めにアルギン酸ナトリウムを水で水和し、それにB−カロチン、又はルテイン、又はビタミンA、又はビタミンE、又はゼアキサンチン、又はアスタキサンチン、又はビタミンD、又はグルコサミン、又は脂肪酸、又はこれらの混合物のような感受性成分を添加することにより作ることができる。混合物は、気体ノズルを通して送り込まれ、ストリームは、圧搾空気で切断され、球体となる。球体はキトサン含有浴内に滴下し、第1保護コーティングを形成する。コーティングされた球体は、ドレインされ、水で洗浄され、流体浴乾燥器で乾燥される。その後、乾燥したコーティングされた球体を、乾燥状態の組成物、湿性の組成物、湿潤状態の組成物、及びグレイビーに組み込むことができる。
【0137】
(実施例15〜20)
【表3】

【0138】
実施例15、16、17、及び18の乾燥組成物は、初めに、穀物グレインと、ビタミン及びミネラル及び繊維供給源及びコーティングされた球体とをミリング及び混合することにより、作ることができる。その後、穀物グレインを肉製品及び他のタンパク質供給源に添加する。成分をキブルへと押出成形する。キブルを乾燥する。最終製品を包装する。
【0139】
実施例19及び20は、牛肉及び鶏肉フレーバーのグレイビーである。グレイビーは、初めに、コーティングされた球体と、鶏脂及びブロスとを組み合わせることにより作製できる。その後、ビートパルプ、キサンタンガム、亜麻種、野菜、ミネラル及びビタミンを液体混合物に添加する。熱い充填物として、瓶内に詰める。
【0140】
(実施例21〜28)
【表4】

【0141】
実施例21〜28は、湿性組成物である。湿性組成物を初めに作り、コーティングされた球体を肉又は湿潤質感の小麦タンパク質と組み合わせる。その後、水、野菜粉末、ビートパルプ、ビタミン、ミネラル、油を添加する。組成物を、押出成形する、焼く、及び包装内に入れることができる。実施例1〜14に記載されコーティングされた球体を各実施例15〜28に組み込むことができる。
【0142】
(実施例29〜34)
【表5】

【0143】
実施例29〜34は、コーティングされた球体の湿性の実施例である。実施例は、初めに乾燥アルギン酸ナトリウムと脱イオン水を組み合わせ、それにB−カロチン、又はルテイン、又はビタミンE、又は混合物のような感受性成分を添加することにより、作製することができ、その後、粘度を本明細書に記載の粘度方法により測定できる。
【0144】
本明細書を通じて所与の全ての最大数値限定は、より小さい全ての数値限定を、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むと理解されるべきである。本明細書を通じて所与の全ての最小数値限定は、より大きいあらゆる数値限定を、より大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書を通じて所与の全ての数値範囲は、より広い数値範囲内にある全てのより狭い数値範囲を、より狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0145】
特に指定がない限り、本明細書の明細書、実施例及び請求の範囲における全ての部、比及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0146】
「発明を実施するための形態」において引用された全ての文献は、その関連部分において参照することにより本明細書に組み込まれ、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であるとの承認として解釈されるべきではない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本文書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0147】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこうした全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感受性成分を含む組成物であって、前記感受性成分が、キトサンマトリックスを含む第1保護コーティング内に存在する、組成物。
【請求項2】
前記感受性成分が、少なくとも1つのカロチノイド、ポリフェノール、カテキン、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸、不飽和トリグリセリド酸化防止剤、アミノ酸、酵素、プレバイオティクス、又はプロバイオティクスを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カロチノイドが、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン、β−カロチン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ビタミンが、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンB、CoQ10、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、B12及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ミネラルが、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、クロム、カドミウム、コバルト、ヨウ素、セレン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリフェノールが、ローズマリー、ローズマリー抽出物、カフェ酸、コーヒー抽出物、ウコン抽出物、クルクミン、ブルーベリー抽出物、ブドウ種抽出物、ローズマリー酸、茶抽出物、ココア、果実抽出物、野菜抽出物、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記不飽和脂肪酸が、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、DHA、EPA、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記キトサンマトリックスがキトサンアルギネートを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1保護コーティングが着色剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第1保護コーティングが、前記感受性成分の持続放出、遅延放出、又は部位特異的放出を可能にする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、ペットフード、ドッグフード、キャットフード、トリーツ、チュー、ビスケット、グレイビー、ソース、飲料、補助水、家畜飼料、馬飼料、豚飼料、子羊飼料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるペット組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、湿潤状態又は乾燥状態である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
感受性成分の安定化方法であって、
(a)アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、
(b)前記混合物に感受性成分を添加する工程と、
(c)感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する工程と、
(d)前記ストリームを切断して球体を形成する工程と、
(e)前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、
(f)キトサンアルギネートを含む第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項14】
前記アルカリ金属が、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、アンモニウム塩、トリエタノールアミンナトリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記感受性成分が、少なくとも1つのカロチノイド、ポリフェノール、ビタミン、カテキン、ミネラル、不飽和脂肪酸、不飽和トリグリセリド、酸化防止剤、アミノ酸、酵素、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1保護コーティングが着色剤を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1保護コーティングが風味剤を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1保護コーティングが酸化防止剤を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記感受性成分が第2保護コーティング内に更に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
感受性成分を含む組成物の製造方法であり、以下の工程:
(a)アルカリ金属アルギネートの混合物を用意する工程と、
(b)前記混合物に感受性成分を添加する工程と、
(c)感受性成分を含む前記混合物のストリームを生成する工程と、
(d)前記ストリームを切断して球体を形成する工程と、
(e)前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、
(f)キトサンアルギネートを含む保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、
(g)前記コーティングされた球体と、ベース食品とを混合する工程と、
(h)組成物を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項21】
前記ベース食品が、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン質物質、野菜、果物、生地、脂肪、油、卵ベース材料乳製品、非変性タンパク質、食品用ポリマー接着剤、ゲル、ポリオール、デンプン、ゴム、結合剤、充填剤、水、風味剤、デンプン、調味料、塩、着色剤、持続放出性化合物、遅延放出性化合物、特異的放出性化合物、ミネラル、ビタミン、酸化防止剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、芳香改良剤、風味改良剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、ペットフード、ドッグフード、キャットフード、トリーツ、チュー、ビスケット、グレイビー、ソース、飲料、補助水、家畜飼料、馬飼料、豚飼料、子羊飼料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるペットフード組成物である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
感受性成分の安定化方法であり、
(a)アルカリ金属アルギネートと感受性成分との混合物を用意する工程と、
(b)前記混合物に水を添加する工程と、
(c)感受性成分を含む前記混合物の生地を生成する工程と、
(d)前記混合物を押出成形して球体を形成する工程と、
(e)前記球体をキトサンの供給源内に滴下する工程と、
(f)キトサンアルギネートを含む第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項24】
前記感受性成分が第2保護コーティング内に更に存在する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2保護コーティングが疎水性物質を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記疎水性物質が、食用ワックス、カカオバター、硬化植物油、硬化脂、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記疎水性物質が約15℃〜約200℃の融点を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第2保護コーティングが親水性物質を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第1保護コーティングが、前記感受性成分の持続放出、遅延放出、又は部位特異的放出を可能にする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記第2保護コーティングが、前記感受性成分の持続放出、遅延放出、又は部位特異的放出を可能にする、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
感受性成分の安定化方法であり、
i.疎水性物質と、感受性成分との第1混合物を用意する工程と、
ii.第2保護コーティングであって、その内部に存在する前記感受性成分を有する、第2保護コーティングを形成する工程と、
iii.アルカリ金属アルギネートと、前記第1混合物との第2混合物を用意する工程と、
iv.前記第2混合物に水を添加する工程と、
v.感受性成分を含む前記第2混合物の生地を生成する工程と、
vi.前記第2混合物を押出成形する工程と、
vii.前記第2混合物の球体を形成する工程と、
viii.前記球体をキトサンの供給源内に滴下し、キトサンアルギネートの第1保護コーティング内で、コーティングされた球体を形成する工程と、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−516246(P2010−516246A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546053(P2009−546053)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050180
【国際公開番号】WO2008/087607
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(506203512)ザ アイムス カンパニー (16)
【氏名又は名称原語表記】The IAMS Company
【Fターム(参考)】