説明

安定化ポリマーの製造方法

【課題】エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前または重合中に特定のフェノール系酸化防止剤を添加してもモノマーの重合の阻害が抑制された安定化ポリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】有機アルミニウムでマスキングされた環状ホスファイト基含有、ホスホン酸エステル基含有、又はチオエーテル基含有フェノール系酸化防止剤の1種以上を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備えることを特徴とする安定化ポリマーの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化ポリマーの製造方法に関し、詳しくは、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前または重合中に特定のフェノール系酸化防止剤を添加しても、モノマーの重合の阻害が抑制された安定化ポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーは熱や光に対する安定性が乏しく、高温環境や強い光に曝されると容易に酸化/劣化しプラスチック製品として必要な寿命が得られない。この酸化/劣化を防止するために、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン化合物、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、酸捕捉剤等の安定剤を添加することが一般的に行われている。特に、フェノール系酸化防止剤はポリオレフィンなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られる重合体の熱酸化に対する安定化効果が高く、貯蔵中における酸化及び変色に対する耐性を重合体に付与することができるため、ポリオレフィンなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られる重合体の安定剤として利用価値が高い。
【0003】
従来、ポリオレフィンなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られる重合体を安定化させる場合は、チーグラー系触媒やメタロセン触媒を用いて微粉末の重合物として得られたものに各種安定剤を配合し、造粒装置等を用いて取扱いが容易な顆粒状に成形して、長期の安定化が図られてきた。
【0004】
しかしながら、近年の重合技術の進展によって顆粒状の重合物を直接得ることが可能になってきており、重合物の安定化のために安定剤を配合して造粒装置を用いて、再度、顆粒状に成形することは、重合物を溶融させて混練する工程において重合物を高温環境下に曝すことになり、分子量低下等の重合物の物性低下が避けられない。また、安定剤の分散不良に対応するために必要以上に添加する必要があり、経済的に不利である。
そこで、重合物の溶融混練による安定剤の配合工程を省略すべく、モノマーの重合前または重合中に安定剤を添加する方法の研究開発が進められているが、フェノール系酸化防止剤は、重合触媒の触媒活性を阻害する作用があるという問題があった。
【0005】
例えば、特許文献1において、ポリオレフィンに汎用のテトラキス(3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル)メタン等のフェノール系酸化防止剤は重合触媒の触媒活性を阻害するため、重合前に添加できないことが記載されており、塩化マグネシウム上に支持されたチーグラー触媒に対して、エーテル化合物で錯体形成させる方法が提案されている。
【0006】
また、本発明者等は、特許文献2〜4等において、既存の触媒フィードタンク又は重合槽において、オレフィン重合で通常使用される有機アルミニウム化合物及びフェノール系酸化防止剤を混合してマスキング処理をすることにより、重合触媒の活性を低下させることなく重合物を安定化させる方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−271335号公報(特に特許請求の範囲および比較例1)
【特許文献2】特開2005−206625号公報(特に特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2005−255953号公報(特に特許請求の範囲)
【特許文献4】特開2006−282985号公報(特に特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、触媒の処置が煩雑であるため、より簡便で触媒作用を制限しない重合物の安定化方法が求められていた。また、特許文献2〜4において、エーテル結合やチオエーテル結合を分子内に有するフェノール系酸化防止剤については触れられていなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前または重合中に特定のフェノール系酸化防止剤を添加しても、モノマーの重合の阻害が抑制された安定化ポリマーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエーテル結合またはチオエーテル結合を有するフェノール系酸化防止剤を有機アルミニウム化合物でマスキングしたものは、モノマーの重合前または重合中に添加しても重合触媒の活性阻害が抑制される一方、充分に安定化されたポリマーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の安定化ポリマーの製造方法は、有機アルミニウムでマスキングされた下記一般式(I)、(II)又は(III)で表されるフェノール系酸化防止剤の1種以上を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備えることを特徴とするものである。
【化1】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、Xは直接結合又は炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、iは0又は1の数を、nは1〜6の数を表す。)
【化2】

(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、RおよびR10は各々独立に分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、または金属原子を表し、金属原子が2価以上の金属の場合はR、R10がひとつの金属原子でもよく、Zは分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。)
【化3】

(式中、R11、R12およびR13は各々独立に、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、又は、エーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13のいずれか1つはエーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基である。)
【0012】
本発明の安定化ポリマーの製造方法においては、前記フェノール系酸化防止剤を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対して、0.001〜0.5質量部となるように添加することが好ましい。
【0013】
また、本発明の安定化ポリマーの製造方法においては、前記有機アルミニウム化合物が、トリアルキルアルミニウムであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の安定化ポリマーの製造方法は、さらにリン系酸化防止剤を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明の安定化ポリマーの製造方法においては、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーが、α−オレフィンであることが好ましい。
【0016】
本発明のオレフィン重合体は上記の安定化ポリマーの製造方法で得られることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前または重合中に特定のフェノール系酸化防止剤を添加しても、モノマーの重合の阻害が抑制された安定化ポリマーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤は、上記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物である。
【0019】
【化1】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、Xは直接結合又は炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、iは0又は1の数を、nは1〜6の数を表す。)
【0020】
上記一般式(I)中のR、R、R、R、RおよびRで表される、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基が挙げられる。これらアルキル基は、酸素原子、硫黄原子、又は、下記の炭素原子数6〜12のアリール基で中断されていてもよく、アルキル基中の水素原子が、ヒドロキシ基、シアノ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基等の鎖状脂肪族基、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、2H−ピラン、4H−ピラン、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、アントラセン、ピロリジン、ピリンジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、又はシクロアルキル基等の環状脂肪族基で置換されていてもよい。また、これらの中断又は置換は組み合わされていてもよい。
【0021】
上記一般式(I)中のR、R、R、R、RおよびRで表される置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。これらシクロアルキル基中の水素原子は、アルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、又はシアノ基で置換されていてもよい。該アルキル基は分岐を有していてもよく、酸素原子、又は硫黄原子で中断されていてもよい。
【0022】
上記一般式(I)中のR、R、R、R、RおよびRで表される置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基、ブチルフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、2,4−ジ第三ブチルフェニル基、3,5−ジ第三ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらアリール基中の水素原子は、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、上記鎖状脂肪族基又は上記環状脂肪族基で置換されていてもよい。該アルキル基は分岐を有していてもよく、酸素原子、又は硫黄原子で中断されていてもよい。
【0023】
上記一般式(I)中のXで表される炭素原子数1〜4のアルキリデン基としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基等が挙げられる。
【0024】
【化2】

(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、RおよびR10は各々独立に分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、または金属原子を表し、金属原子が2価以上の金属の場合はR、R10がひとつの金属原子でもよく、Zは分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。)
【0025】
上記一般式(II)中のRおよびRで表される分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基及び置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基としては、それぞれ上記一般式(I)におけるものと同様のものが挙げられる。
【0026】
上記一般式(II)中の、RおよびR10で表される分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、シクロヘキシル基、2―ブトキシエチル基等が挙げられる。これらアルキル基は分岐を有していてもよく、アルキル基中の水素原子が、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、前記鎖状脂肪族基又は前記環状脂肪族基で置換されていてもよい
【0027】
上記一般式(II)中の、RおよびR10で表される金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(II)中のZで表される分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブテン基等が挙げられる。これらアルキレン基は、分岐を有していてもよく、アルキレン基中の水素原子が、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、前記鎖状脂肪族基又は前記環状脂肪族基で置換されていてもよい。
【0029】
【化3】

(式中、R11、R12およびR13は各々独立に、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、又は、エーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13のいずれか1つはエーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基である。)
【0030】
上記一般式(III)中のR11、R12およびR13で表される分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基としては、上記一般式(II)中の、RおよびR10の分岐または置換基を有してもよいアルキル基と同じものが挙げられる。エーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18としては、上記アルキル基の主鎖上に、1個又は2個以上のエーテル結合、チオエーテル基もしくはジスルフィド結合を内包するものが挙げられる。
【0031】
上記一般式(I)で表されるフェノール系酸化防止剤の具体的な構造としては、下記化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0032】
【化4】

【0033】
上記一般式(II)で表されるフェノール系酸化防止剤の具体的な構造としては、下記化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0034】
【化5】

【0035】
上記一般式(III)で表されるフェノール系酸化防止剤の具体的な構造としては、下記化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0036】
【化6】

【0037】
上記(I)、(II)又は(III)で表されるフェノール系酸化防止剤は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部、より好ましくは0.005〜0.3質量部となるように添加される。
【0038】
本発明の製造方法は、有機アルミニウム化合物でマスキングされた前記フェノール系酸化防止剤の1種以上を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備えるものである。該マスキングされたフェノール系酸化防止剤の添加方法としては、特に限定されるものではない。好適な一形態としては、該マスキングされたフェノール系酸化防止剤を、触媒フィードタンク、重合装置又は製造ラインへ添加して混合することが挙げられる。その他の工程、例えば触媒の調製工程、触媒の添加工程、原材料であるモノマーの供給工程、モノマーの重合工程、重合物の回収工程などは、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合方法における公知の工程を採用することができる。
【0039】
上記マスキングは、不活性な溶媒中で有機アルミニウム化合物とフェノール系酸化防止剤とを混合・撹拌することで行うことができる。混合・攪拌により、フェノール系酸化防止剤のフェノール性ヒドロキシル基の水素が有機アルミニウム化合物に置換される。上記フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウムを混合・攪拌してから触媒系または重合系に添加してもよく、フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウムをそれぞれ触媒系または重合系に添加して混合してもよい。
【0040】
フェノール系酸化防止剤のマスキング反応において、副生した化合物がモノマーの重合反応や重合物へ影響しない場合はそのまま用いることができるが、副生した化合物が重合を阻害する場合は、該化合物を減圧留去等により取り除いてから触媒系または重合系に添加することが好ましい。
【0041】
上記マスキングされたフェノール系酸化防止剤は、重合後に重合触媒の失活処理として加えられる水、アルコール又は酸等の水素供与性化合物と反応してフェノールが再生できることが望ましい。
【0042】
上記有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム又はアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられ、アルキルアルミニウムが好ましく、特に好ましくはトリアルキルアルミニウムである。トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−へキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等が挙げられ、単独の化合物又はこれらの混合物を使用することができる。また、アルキルアルミニウム又はアルキルアルミニウムハイドライドと水との反応によって得られるアルミノキサンも同様に使用することができる。
【0043】
上記不活性な溶媒としては、脂肪族及び芳香族炭化水素化合物が挙げられる。脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタンおよび精製ケロシン等の飽和炭化水素化合物、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状飽和炭化水素化合物等が挙げられ、芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンなどの化合物が挙げられる。これらの化合物のうち、n−ヘキサン、n−ヘプタン又はガソリン留分であるものが好ましく用いられる。不活性な溶媒中の有機アルミニウム化合物の濃度は、0.001〜0.5mol/Lが好ましく、特に好ましくは、0.01〜0.1mol/Lである。
【0044】
本発明に用いられるエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロアルカン、スチレンあるいはこれらの誘導体等が挙げられる。
【0045】
本発明において用いられるエチレン性不飽和結合を有するモノマーは1種であっても2種以上の組み合わせであってもよいが、エチレン又はα−オレフィンモノマーの組合せであるものが好ましい。例えば、エチレン単独、エチレン−プロピレンの組み合わせ、エチレン−プロピレン−ブテンの組み合わせ等が挙げられ、更にα−オレフィンモノマーと非共役ジエンモノマーとの組み合わせであってもよい。
【0046】
上記重合は、重合触媒の存在下で、窒素等の不活性ガス雰囲気中にて行われるが、上記の不活性な溶媒中で行ってもよい。また、重合を阻害しない範囲で、活性水素化合物、微粒子状担体、有機アルミニウム化合物、イオン交換性層状化合物、無機珪酸塩を添加してもよい。
【0047】
上記重合触媒は、特に限定されるものではなく、公知の重合触媒を利用可能であり、例えば、周期表第3〜11族の遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、鉛、白金、イットリウム、サマリウム等)の化合物が挙げられる。重合触媒の代表的なものとしては、チーグラー触媒、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分からなるチーグラー・ナッタ触媒、少なくとも一個のシクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物と助触媒成分からなるメタロセン触媒が挙げられる。また、電子供与化合物を使用すると高品質の重合体が得られるので好ましい。
【0048】
上記電子供与性化合物としては、エーテル系化合物、エステル系化合物、ケトン系化合物、アルコキシシラン系化合物等が挙げられる。上記電子供与化合物は、単独の化合物を添加してもよく、必要に応じて複数の化合物を添加してもよい。
【0049】
上記エーテル系化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
【0050】
上記エステル系化合物としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブ等が挙げられる。
【0051】
上記ケトン系化合物としては、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等が挙げられる。
【0052】
上記アルコキシシラン系化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、t−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0053】
重合反応を行う方法としては、通常用いられている方法を採用することができる。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ガソリン留分、水素化ジーゼル留分などの不活性溶媒の存在下に液相で重合を行う方法、液化したオレフィン自身を媒体とする重合方法、液相が実質的に存在しない条件下、気相で重合を行う方法、又はこれらを2種以上組み合わせた重合方法も使用可能である。また、重合は、回文式、連続式の何れでもよく、一段重合法又は多段重合法であってもよい。
【0054】
上記重合反応で用いられる重合槽としては、既存の重合設備における連続反応槽をそのまま使用すればよく、サイズ、形状、材質など、従来の重合設備を特に限定されることなく使用可能である。
【0055】
エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合は、重合を阻害しない範囲で、上記重合触媒以外の触媒構成成分、例えば担体等を含んでいてもよい。担体上に触媒を担持した場合、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの粉体性状が向上し、造粒工程を省略することができる。
上記担体は種類に制限ないが、例えば、無機酸化物等の無機担体、多孔質ポリオレフィンなどの有機担体があげられ、複数を併用したものであってもよい。
上記無機担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化亜鉛等、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム、マグネシウムエトキシドなどのマグネシウムアルコキシドなどが挙げられる。
【0056】
また、他の無機担体としては、イオン交換性層状化合物があげられる。イオン交換性層状化合物とはイオン結合等によって構成される面が、互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有するもので、含有するイオンが交換可能なものを言う。これらの具体例としてはカオリン、ベントナイト、タルク、カオリナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト群、雲母群、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Ti(NHPO・HOなどが挙げられる。
【0057】
上記有機担体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリ塩化ビニル等であり、これらは例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のように架橋していてもかまわない。またこれら有機担体上に触媒が化学結合したものも使用可能である。
【0058】
これら担体の粒径は一般に0.1〜300μmであり、好ましくは1〜200μm、更に好ましくは10〜100μmの範囲である。粒径が小さいと微粉状の重合体となり、また大きすぎると粗大粒子が生成するなど粉体の取扱いが困難となる。
【0059】
これら担体の細孔容積は通常0.1〜5cm/gであり、好ましくは0.3〜3cm/gである。細孔容積は例えばBET法や水銀圧入法などにより測定できる。
【0060】
上記重合物には、必要に応じてさらに、エチレン性不飽和結合を有するモノマーから得られる重合体に通常使用される、他の添加剤と配合することができる。他の添加剤の配合方法としては、重合に阻害するものでなければ、他の添加剤をエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合時に添加することができ、又、他の添加剤を目的に応じた配合量で前記重合物と混合して、押出機などの成形加工機で溶融混錬して造粒、成形する方法が挙げられる。
【0061】
上記他の添加剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、重金属不活性化剤、造核剤、難燃剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、充填剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、可塑剤等が挙げられる。
【0062】
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられ、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイトのような重合前に添加しても重合に悪影響しないリン系酸化防止剤が好ましい。
上記リン系酸化防止剤の使用量は、前記重合体100重量部に対して、好ましくは0.001〜3重量部、より好ましくは、0.005〜0.5重量部である。
【0063】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩、又は金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、又はキレート類等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の使用量は、前記重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
【0064】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、ビス{4−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジル}デカンジオナート、ビス{4−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシ)ピペリジル)カーボナート、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN NOR 371等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、前記重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
【0065】
上記重金属不活性化剤としては、サリチルアミド−1,2,4−トリアゾール−3−イ ル、ビスサリチル酸ヒドラジド、ドデカンジオイルビス(2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド)、ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)ヒドラジド等が挙げられ、前記重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。
【0066】
上記造核剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム及び2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート及びリチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、及びビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]―1,2,3−プロパントリカルボキサミド(RIKACLEAR PC1)、N,N’,N”−トリシクロヘキシルー1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、N,N’−ジシクロヘキシル−ナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼン等のアミド化合物等が挙げられる。
上記造核剤の使用量は、前記重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.005〜5質量部である。
【0067】
上記難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート及びレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)等の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル及びフェニルホスホン酸(1−ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン含有ビニルベンジル化合物及び赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン及び2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、及び、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。
上記難燃剤の使用量は、前記重合体100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは、10〜30質量部である。
【0068】
上記充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、マイカ、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等が好ましい。充填剤は、平均粒径(球状乃至平板状のもの)又は平均繊維径(針状乃至繊維状)が5μm以下のものが好ましい。
上記、充填剤の使用量は、本発明を阻害しない範囲で適宜設定できる。
【0069】
上記滑剤は、成形体表面に滑性を付与し傷つき防止効果を高める目的で加えられる。滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド等が挙げられる。これらは1種を使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
上記滑剤の添加量は、前記重合体100質量部に対し、好ましくは0.03〜2質量部、より好ましくは0.04〜1質量部の範囲である。0.03質量部未満では、所望の滑性が得られない場合があり、2質量部を超えると滑剤成分が重合体の成形品表面にブリードしたり、物性低下の原因となる場合がある。
【0070】
上記帯電防止剤は、成形品の帯電性の低減化や、帯電による埃の付着防止の目的で加えられる。帯電防止剤としては、カチオン系、アニオン系、非イオン系等、種々多様にある。好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは1種を使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。また、帯電防止剤の添加量は、前記重合体100質量部に対し、好ましくは0.03〜2質量部、より好ましくは0.04〜1質量部である。帯電防止剤が過少の場合、帯電防止効果が不足する。一方、過多であると、表面へのブリード、重合体の物性低下を引き起こす場合がある。
【0071】
本発明により得られる重合体の用途は特に限定されず、公知の押出し成形、射出成形、中空成形、ブロー成形等により、フィルム、シートといった形態に成形することができる。成形品として自動車部品、家電用品、建築資材、農業用資材、包装用資材、日用雑貨、玩具などに用いられる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例、比較例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によって制限を受けるものではない。
【0073】
実施例1−1〜1−3
(固体Ti触媒成分の調製)
無水塩化マグネシウム4.76g(50mmol)、デカン25ml及び2−エチルヘキシルアルコール23.4ml(150mmol)を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸1.11g(7.5mmol)を添加し、130℃にて更に1時間撹拌反応を行い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させた。このようにして得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン200ml(1.8mol)中に1時間に渡って全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート2.68ml(12.5mmol)を添加し、これより2時間撹拌下同温度にて保持した。2時間の反応終了後、熱時ろ過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱時ろ過にて固体部を採取し、110℃デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄して固体Ti触媒成分を得た。以上の製造方法にて合成された固体Ti触媒成分はヘプタンスラリーとして保存するが、このうち一部を取り出し、触媒組成を調べる目的で乾燥した。この様にして得られた固体Ti触媒成分の組成は、チタン3.1重量%、塩素56.0重量%、マグネシウム17.0重量%及びイソブチルフタレート20.9重量%であった。
【0074】
(フェノキシド溶液の調製)
ヘプタン9.9ml、トリエチルアルミニウム110mg及び表1記載のフェノール系酸化防止剤330mgを混合・撹拌してフェノール系酸化防止剤をマスキングし、フェノール系酸化防止剤の濃度が33mg/mLのフェノキシド溶液を調製した。
【0075】
(重合)
窒素置換したオートクレーブにヘプタン600mL、トリエチルアルミニウム297mg、前記フェノキシド溶液10mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.26mmol及び固体Ti触媒成分のヘプタンスラリー(Tiとして13μmol)を順次加えた。オートクレーブ内をプロピレン雰囲気に置換し、プロピレンで1kgf/cmGの圧力をかけ、50℃で5分間プレ重合した。プロピレンをパージした後、水素340ml(23℃)を吹き込み、70℃まで昇温し、オートクレーブ内にプロピレンで6kgf/cmGの圧力をかけ、70℃で1時間重合反応を行った。窒素ガスで系内を置換してから40℃でエタノール5mlを加え重合反応を停止させた後、50℃で減圧脱溶媒を行ない、次いで、真空中、40℃でポリマーを5時間乾燥することにより、ポリプロピレンパウダーを得た。
【0076】
比較例1−1
フェノール系酸化防止剤を重合時に添加しなかった(表1参照)以外には、実施例1−1〜1−3と同様にしてポリプロピレンパウダーを得た。
【0077】
(重合挙動への影響評価)
得られた重合体の収量および分子量により、重合挙動への影響を評価した。触媒活性(g−PP/g−触媒)は、1gの触媒量に対する重合された量を表す。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(装置:ウォーターズ社製GPC2000型、カラム:ウォーターズ社製Styragel HT6E 2本とStyragelHT2 1本、測定温度135℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、濃度:6mg/10g)により重量平均分子量及び分散度(Mw/Mn)を測定した。
【0078】
ISO1133規格に準じ、得られた重合体のメルトフローレート(MFR)について230℃に溶融した樹脂に対して2.16kgの荷重をかけて押し出された溶融樹脂を計測し、10分換算での樹脂の吐出量をメルトフローレート(MFR)とした。
【0079】
【表1】

1)AO−1:2−(1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−4−[3−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]プロピル]フェノール
2)AO−2:2−メチル−4,6−ビス((オクチルチオ)メチル)フェノール
3)AO−3:ジオクタデシル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホナート
【0080】
表1より、有機アルミニウム化合物でマスキングすることにより、本発明にかかるフェノール系酸化防止剤をエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合時に添加しても、触媒活性に悪影響を与えることなく重合できることが確認できた。
【0081】
実施例2−1〜2−3及び比較例2−2
上記実施例1−1〜1−3と同様にして、表2又は表3に記載の安定剤組成物を重合時に添加して重合体を得た。得られた重合体に対して、ステアリン酸カルシウム塩を0.05質量部添加し混合した。混合後、二軸押出機(ラボプラストミルマイクロ,株式会社東洋精機製作所製)に投入し、230℃の溶融温度で押出し、ペレタイズしたものをまた二軸押出機に投入することを5回繰り返した。なお、安定剤組成物、ステアリン酸カルシウム塩の添加量は、得られた重合体100質量部に対しての量(質量部)である。
【0082】
比較例2−1及び比較例2−3〜2−5並びに参考例1〜3
上記比較例1−1で得た安定剤組成物を配合していない重合体に対して、表3又は表4に記載の安定剤組成物及びステアリン酸カルシウム塩0.05質量部を添加して、混合した。混合後、上記実施例2−1と同様に、二軸押出機による加工を5回繰り返した。なお、安定剤組成物、ステアリン酸カルシウム塩の添加量は、得られた重合体100質量部に対しての量(質量部)である。
【0083】
(安定化効果の評価)
上記の押出前の重合体と5回押出後のペレットの分子量を計測して、安定化効果について評価した。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(装置:ウォーターズ社製GPC2000型、カラム:ウォーターズ社製Styragel HT6E 2本とStyragelHT2 1本、測定温度135℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、濃度:6mg/10g)により重量平均分子量を計測した。
これらの結果について、それぞれ、下記表2〜表4に示す。
【0084】
【表2】

4)P−1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
【0085】
【表3】

5)安定剤組成物未配合
6)AO−4:ビス[エチル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート)]カルシウム塩
【0086】
【表4】

【0087】
表3の比較例2−2よりフェノール系酸化防止剤が、本発明の製造方法に係るフェノール系酸化防止剤とは異なる場合、安定化効果が乏しいことが確認できた。また、表3の比較例2−3〜比較例2−5より、本発明の製造方法に係るフェノール系酸化防止剤であっっても、造粒時添加した場合は、安定化効果が乏しいことが確認できた。
これらに対し、表2の実施例2−1〜2−3より本発明の製造方法で得られた重合体は、優れた安定化効果が得られることが確認できた。
【0088】
また、表2の実施例2−1及び表4の参考例1、表2の実施例2−2及び表4の参考例2並びに表2の実施例2−3及び表4の参考例3より、本発明の安定化ポリマーの製造方法は、重合後に造粒工程で添加した場合と比べて、安定剤組成物の添加量が1/5でありながら、同程度の安定化効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機アルミニウムでマスキングされた下記一般式(I)、(II)又は(III)で表されるフェノール系酸化防止剤の1種以上を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備えることを特徴とする安定化ポリマーの製造方法。
【化1】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、Xは直接結合又は炭素原子数1〜4のアルキリデン基を表し、iは0又は1の数を、nは1〜6の数を表す。)
【化2】

(式中、RおよびRは各々独立に、水素原子、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜5のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数5〜8のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、RおよびR10は各々独立に分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、または金属原子を表し、金属原子が2価以上の金属の場合はR、R10がひとつの金属原子でもよく、Zは分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。)
【化3】

(式中、R11、R12およびR13は各々独立に、分岐または置換基を有してもよい炭素原子数1〜18のアルキル基、又は、エーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基を表す。ただし、R11、R12およびR13のいずれか1つはエーテル結合、チオエーテル結合もしくはジスルフィド結合を有する炭素原子数2〜18の分岐を有してもよいアルキル基である。)
【請求項2】
前記フェノール系酸化防止剤を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対して、0.001〜0.5質量部となるように添加する請求項1記載の安定化ポリマーの製造方法。
【請求項3】
前記有機アルミニウム化合物が、トリアルキルアルミニウムである請求項1または2記載の安定化ポリマーの製造方法。
【請求項4】
さらにリン系酸化防止剤を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前又は重合中に触媒系又は重合系に添加する工程を備える請求項1〜3のいずれか一項記載の安定化ポリマーの製造方法。
【請求項5】
前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーが、α−オレフィンである請求項1〜4のいずれか一項記載の安定化ポリマーの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の安定化ポリマーの製造方法で得られることを特徴とするオレフィン重合体。

【公開番号】特開2012−57101(P2012−57101A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203622(P2010−203622)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】